JP2023149815A - 車両制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両重量の推定精度を高くすること。【解決手段】車両制御システム100は、走行状態情報を都度取得する情報取得部M11と、情報取得部M11によって取得された走行状態情報を記憶する情報記憶部M13と、情報記憶部M13により記憶された複数の走行状態情報の中で所定の選択条件を満たす走行状態情報に基づいて、車両重量の推定値を導出する重量推定部M15とを備えている。選択条件は、重量推定部M15による車両重量の推定値の導出に対する外乱が抑制される条件である。【選択図】図1

Description

本発明は、車両重量を推定する機能を有する車両制御システムに関する。
特許文献1には、変速装置の変速前の車両の加速度から変速中の減速度を引いた値で変速前の当該車両の駆動力を除算することによって、車両重量の推定値を導出する制御装置が開示されている。
特開2002-13620号公報
近年では、自動運転、カーシェアリングサービス及び車両向けのデータサービスが拡大していることなどに伴って、車両重量の推定精度の向上が求められている。本発明は車両重量の推定精度を高める車両制御システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための車両制御システムは、車両の制駆動力及び加速度を走行状態情報として都度取得する情報取得部と、前記情報取得部によって取得された前記走行状態情報を記憶する情報記憶部と、前記情報記憶部により記憶された複数の前記走行状態情報の中で所定の選択条件を満たす前記走行状態情報に基づいて、車両重量の推定値を導出する重量推定部と、を備えている。前記選択条件は、前記重量推定部による前記車両重量の推定値の導出に対する外乱が抑制される条件である。
上記車両制御システムでは、複数の走行状態情報の中で選択条件を満たす走行状態情報に基づいて、車両重量の推定値が導出される。ここで選択条件は、車両重量の推定に対する外乱が抑制される条件である。そのため、車両重量の推定に対する外乱を抑制して、車両重量の推定精度を高めることができる。
図1は、第1実施形態の車両制御システムを備える車両の概略構成を示す模式図である。 図2は、第1実施形態の車両制御システムで実行される走行状態情報取得処理を示すフローチャートである。 図3は、第1実施形態の車両制御システムで実行される標本値導出処理を示すフローチャートである。 図4は、第1実施形態の車両制御システムで実行される有効標本値選択処理を示すフローチャートである。 図5は、第1実施形態の車両制御システムで実行される車両重量推定処理を示すフローチャートである。 図6は、第1実施形態の車両制御システムで実行される摩耗量推定処理を示すフローチャートである。 図7は、第2実施形態の車両制御システムを示す構成図である。 図8は、第2実施形態の車両制御システムで実行される処理を示すシーケンス図である。
(第1実施形態)
以下、車両制御システムの第1実施形態を図1から図6に従って説明する。
図1は車両制御システム100を備える車両10の概略構成を示す構成図である。車両10は、複数の車輪11と制動装置30と駆動装置40と検出系50とをさらに備えている。
<制動装置>
制動装置30は、車輪制動機構20と制動アクチュエータ31と制動制御部32とを備えている。
車輪制動機構20は、被摩擦部21と摩擦部22とホイールシリンダ23とを備えている。ホイールシリンダ23内で液圧(以下、「ホイールシリンダ圧」という)が発生すると、車輪11と共に回転する被摩擦部21に摩擦部22が押し付けられる。このとき、被摩擦部21に摩擦部22を押し付ける力が大きいほど大きな制動力が車輪11に付与される。
制動アクチュエータ31は、液路35を介してホイールシリンダ23に接続されている。制動アクチュエータ31はホイールシリンダ圧を増減させる。
制動制御部32は実行部とメモリとを有している。例えば、実行部はCPUである。メモリには、実行部によって実行される制御プログラムが記憶されている。実行部は、制御プログラムを実行することによって制動アクチュエータ31を制御する。
<駆動装置>
駆動装置40は車両10の駆動源41と駆動制御部42とを備えている。駆動装置40は、駆動源41として、エンジン及び走行モータの少なくとも一方を備えている。駆動源41から出力されたトルクは車軸12を介して車輪11に入力される。
駆動制御部42は実行部とメモリとを有している。例えば、実行部はCPUである。メモリには、実行部によって実行される制御プログラムが記憶されている。実行部は、制御プログラムを実行することによって駆動源41を制御する。
<検出系>
検出系50は、車両10の走行状態を検出する複数種類のセンサを備えている。検出系50は、車輪速センサ51と、前後加速度センサ52と、横加速度センサ53と、ヨーレートセンサ54と、アクセル操作量センサ55と、ブレーキ操作量センサ56と、操舵角センサ57とを備えている。車輪速センサ51は車輪11の回転速度である車輪速Vwを検出する。前後加速度センサ52は車両10の前後加速度Gxを検出する。横加速度センサ53は車両10の横加速度Gyを検出する。ヨーレートセンサ54は車両10のヨーレートYrを検出する。アクセル操作量センサ55は、車両の運転者によるアクセルペダルの操作量であるアクセル操作量Accpを検出する。ブレーキ操作量センサ56は、運転者によるブレーキペダルの操作量であるブレーキ操作量BPを検出する。操舵角センサ57は、運転者によるステアリングホイールの操作量である操舵角Strを検出する。そして、これら各種のセンサ51から57は、検出値に応じた検出信号を車両制御システム100に出力する。
<車両制御システム>
車両制御システム100は制御装置60を備えている。制御装置60は、制動制御部32及び駆動制御部42との間で各種の情報を送受信する。制御装置60は実行部61とメモリ62とを有している。例えば、実行部61はCPUである。メモリ62には、実行部61によって実行される各種の制御プログラムが記憶されている。
実行部61は、制御プログラムを実行することにより、情報取得部M11と情報記憶部M13と重量推定部M15と摩耗量推定部M17として機能する。
情報取得部M11は、走行中の車両10の走行状態情報Xを都度取得する。
詳しくは、情報取得部M11は、走行状態情報Xとして、車両10の制駆動力と前後加速度Gxとを取得する。情報取得部M11は、車両10が加速している場合には車両10の駆動力Dsを制駆動力として取得し、車両10が減速している場合には車両10の制動力Bsを制駆動力として取得する。
具体的には、情報取得部M11は、前後加速度センサ52の検出値に基づいて、前後加速度Gxを導出する。情報取得部M11は、アクセル操作量センサ55の検出値に基づいて駆動力Dsを導出する。情報取得部M11は、ブレーキ操作量センサ56の検出値に基づいて制動力Bsを導出する。
情報取得部M11は、駆動制御部42により導出される要求駆動力を駆動力Dsとしてもよいし、制動制御部32により導出される要求制動力を制動力Bsとしてもよい。
本実施形態では、情報取得部M11は、走行状態情報Xとして、制駆動力及び前後加速度Gxに加え、車両10のヨーレートYrと、アクセル操作量Accpと、操舵角Strと、車両10の走行速度Vsと、車両10の横力Fyと、車両10の駆動軸の駆動トルクTQdと、車両10が走行する路面の勾配である路面勾配θとを取得する。
例えば、情報取得部M11は、ヨーレートセンサ54の検出値に基づいてヨーレートYrを導出する。情報取得部M11は、アクセル操作量センサ55の検出値に基づいてアクセル操作量Accpを導出する。情報取得部M11は、操舵角センサ57の検出値に基づいて操舵角Strを導出する。情報取得部M11は、車輪速センサ51の検出値に基づいて走行速度Vsを導出する。情報取得部M11は、その時点で把握している車両重量と横加速度センサ53の検出値とに基づいて横力Fyを取得する。情報取得部M11は、車両10の駆動力Dsに基づいて駆動軸の駆動トルクTQdを導出する。情報取得部M11は、走行速度Vsを時間微分した値と前後加速度Gxとの差を車輪速センサ51及び前後加速度センサ52の検出値に基づいて導出し、当該差に応じた値を路面勾配θとして取得する。
情報取得部M11は、要求舵角を操舵角Strとしてもよい。
情報記憶部M13は、情報取得部M11によって取得された走行状態情報Xをメモリ62の所定記憶領域に記憶する。
本実施形態では、情報記憶部M13は、制駆動力、前後加速度Gx、ヨーレートYr、アクセル操作量Accp、操舵角Str、走行速度Vs、横力Fy、駆動トルクTQd及び路面勾配θを、メモリ62に記憶する。
これにより、メモリ62の所定記憶領域には、情報取得部M11によって走行状態情報Xが取得される度に、当該走行状態情報Xが記憶される。そのため、例えば、車両10の運転スイッチがオフ状態になった時点では、すなわち車両10の1トリップが完了した時点では、1トリップ中に取得された複数の走行状態情報Xがメモリ62に記憶されている。
重量推定部M15は、情報記憶部M13によりメモリ62に記憶された複数の走行状態情報Xの中で所定の選択条件を満たす走行状態情報Xに基づいて、車両重量の推定値Wを導出する。ここで選択条件とは、重量推定部M15による車両重量の推定に対する外乱が抑制される条件である。言い換えると、選択条件は、走行状態情報Xに基づいて車両重量を推定するに際して推定精度を低下させる走行状態情報Xを除去するための条件である。
本実施形態では、重量推定部M15は、走行状態情報Xとして取得した複数の値の何れもが所定範囲に含まれている場合に、当該走行状態情報Xが選択条件を満たしていると判定するものとする。具体的には、重量推定部M15は、以下の条件(A1)から(A10)の何れもが成立している場合に、走行状態情報Xが選択条件を満たしていると判定する。一方、重量推定部M15は、以下の条件(A1)から(A10)のうち少なくとも1つが成立していない場合に、走行状態情報Xが選択条件を満たしていないと判定する。
ここで、制駆動力、アクセル操作量Accp、駆動トルクTQd、走行速度Vs及び前後加速度Gxの絶対値にとっての所定範囲は、対応する判定値以上の範囲である。また、操舵角Strの絶対値、ヨーレートYrの絶対値、横力Fy及び路面勾配θの絶対値にとっての所定範囲は、対応する判定値以下の範囲である。
以降、走行状態情報Xが選択条件を満たしているか否かの判定を「走行状態判定」という。
(A1)制駆動力(すなわち、駆動力Dsや制動力Bs)が制駆動力判定値以上であること。
(A2)アクセル操作量Accpが操作量判定値以上であること。
(A3)駆動トルクTQdが駆動トルク判定値以上であること。
(A4)走行速度Vsが走行速度判定値以上であること。
(A5)操舵角Strの絶対値が操舵角判定値以下であること。
(A6)ヨーレートYrの絶対値がヨーレート判定値以下であること。
(A7)横力Fyが横力判定値以下であること。
(A8)前後加速度Gxの絶対値が加速度判定値以上であること。
(A9)路面勾配θの絶対値が勾配判定値以下であること。
(A10)路面勾配θが登坂路を示していること。
制駆動力判定値、操作量判定値、駆動トルク判定値及び走行速度判定値は、車両10がクリープ走行をしているか否かの判断基準として設定されている。条件(A1)から(A4)の何れもが成立している場合は、車両10がクリープ走行をしていないと見なす。一方、条件(A1)から(A4)のうち少なくとも1つが成立していない場合は、車両10がクリープ走行をしている可能性があると見なす。
操舵角判定値、ヨーレート判定値及び横力判定値は、車両10が旋回走行をしているか否かの判断基準として設定されている。条件(A5)から(A7)の何れもが成立している場合は、車両10が旋回走行をしている可能性がないと見なす。一方、条件(A5)から(A7)のうち少なくとも1つが成立していない場合は、車両10が旋回走行をしている可能性があると見なす。
ここで、前後加速度センサ52の検出値から導出された前後加速度Gxには、路面勾配θに起因する重力加速度の成分などの外乱が重畳される。前後加速度Gxの絶対値が小さいほど、前後加速度Gxのうち当該外乱の成分が占める割合が大きくなる。そのため、前後加速度Gxの絶対値が小さい場合は、前後加速度Gxに基づく車両重量の推定精度が低下すると考えられる。
そこで、前後加速度Gxのうち当該外乱の成分が占める割合が小さいか否かの判断基準として、加速度判定値が設定されている。条件(A8)が成立している場合は、前後加速度Gxのうち当該外乱の成分が占める割合が比較的小さいと見なす。条件(A8)が成立していない場合は、前後加速度Gxのうち当該外乱の成分が占める割合が比較的大きいと見なす。
また、路面勾配θの絶対値が大きいほど、前後加速度センサ52の検出値から導出された前後加速度Gxのうち、路面勾配θに起因する重力加速度の成分が占める割合が大きくなる。そのため、路面勾配θの絶対値が大きい場合は、前後加速度Gxに基づく車両重量の推定精度が低下すると考えられる。
そこで、前後加速度Gxのうち重力加速度の成分が占める割合が小さいか否かの判断基準として、勾配判定値が設定されている。条件(A9)が成立している場合は、前後加速度Gxのうち重力加速度の成分が占める割合が比較的小さいと見なす。条件(A9)が成立していない場合は、前後加速度Gxのうち重力加速度の成分が占める割合が比較的大きいと見なす。
重量推定部M15は、情報記憶部M13によりメモリ62に記憶された走行状態情報Xに基づいて、車両重量の標本値WSを導出する。具体的には、重量推定部M15は、以下の関係式(式1)を用いて標本値WSを導出する。関係式(式1)において、「F」は制駆動力であり、駆動力Ds又は制動力Bsが「F」に代入される。「σ」は空気密度であり、「Cd」は空気抵抗係数であり、「S」は車両10の前面投影面積である。「V」は車速であり、走行速度Vsが「V」に代入される。「a」は加速度であり、前後加速度Gxが「a」に代入される。「c」は転がり抵抗係数であり、「g」は重力加速度である。
ここで、関係式(式1)は、以下の関係式(式2)で示す運動方程式を変換した式である。関係式(式2)において、「M」は車両重量である。そして、「(1/2)×σ×Cd×S×V」は車両10の空気抵抗を示し、「c×M×g」は車輪11の転がり抵抗を示している。
重量推定部M15は、複数の車両重量の標本値WSの中から、上記選択条件が成立している走行状態情報Xに基づいて導出された標本値WSを有効標本値VWSとして選択する。言い換えると、重量推定部M15は、複数の車両重量の標本値WSの中から、上記選択条件が成立していない走行状態情報Xに基づいて導出された標本値WSを排除する。
そして、重量推定部M15は、複数の有効標本値VWSに対して統計処理を施すことによって、車両重量の推定値Wを導出する。例えば、重量推定部M15は、複数の有効標本値VWSの中央値VWSmを導出し、複数の有効標本値VWSの中から、中央値VWSmとの差分が所定差分ΔW未満である有効標本値VWSを抽出する。そして、重量推定部M15は、抽出した複数の有効標本値VWSに基づいて、車両重量の推定値Wを導出する。例えば、重量推定部M15は、抽出した複数の有効標本値VWSの平均値を推定値Wとして導出する。
上述したように統計処理により車両重量を推定する場合は、有効標本値VWSの数が少ないほど、車両重量の推定精度が低下すると考えられる。そこで、本実施形態では、有効標本値VWSの数Zが所定値Zth未満である場合は、推定値Wを所定重量WEとする。ここで所定重量WEは、車両10の諸元に基づいて設定された車両重量であってもよいし、本推定値導出処理によって過去に導出された推定値Wであってもよいし、本推定値導出処理以外の処理によって導出された推定値であってもよい。
摩耗量推定部M17は、車両重量に基づいて、車輪制動機構20の摩擦部22の摩耗量ΔAを導出する。具体的には、摩耗量推定部M17は、車両重量と制動前後の走行速度Vsとに基づいて、制動に伴って失われた車両10の運動エネルギーを導出する。そして、摩耗量推定部M17は、例えば「米国特許第10486674号明細書」に開示されている公知の技術を用い、運動エネルギーに基づいて摩擦部22の摩耗量ΔAを導出する。
ここで、摩耗量推定部M17によって導出される摩擦部22の摩耗量ΔAは、走行状態情報Xがメモリ62に記憶された期間における車両10の走行に起因する摩耗量の推定値である。例えば、走行状態情報Xをメモリ62に記憶する期間が車両10の1トリップである場合、摩擦部22の摩耗量ΔAは、車両10の1トリップでの摩耗量の推定値である。
上述したように統計処理を用いて車両重量を推定する場合は、有効標本値VWSに対応する車両10の走行状態が特定の走行状態に偏るほど、車両重量の推定精度が低下すると考えられる。また、車両10の走行距離Lvが短いほど、車両10の走行状態が特定の走行状態に偏ると考えられる。
そこで、摩耗量推定部M17は、走行状態情報Xの取得期間における車両10の走行距離Lvが判定走行距離Lvth以上である場合には推定値Wを選択し、当該走行距離Lvが判定走行距離Lvth未満である場合には所定重量WEを選択するようにしている。
<走行状態情報取得処理>
図2を参照し、走行状態情報Xを取得する処理である走行状態情報取得処理について説明する。図2は、走行状態情報取得処理の流れを示すフローチャートである。走行状態情報取得処理に対応する制御プログラムは、実行部61によって所定の周期で繰り返し実行される。本実施形態では、車両10の運転スイッチがオン状態である間、走行状態情報Xを繰り返し取得するものとする。
ステップS11において、実行部61は車両10が走行中であるか否かを判定する。例えば、実行部61は、走行速度Vsが走行判定速度以上であるか否かを判定する。実行部61は、走行速度Vsが走行判定速度以上である場合、車両10が走行中であると判定し(S11:YES)、ステップS13の処理に移行する。一方、実行部61は、走行速度Vsが走行判定速度未満である場合、車両10が停車中であると判定し(S11:NO)、今回の処理を終了する。
ステップS13において、実行部61は、情報取得部M11として機能することにより、検出系50の各種センサ51から57の検出値に基づいて走行状態情報Xを取得する。
続くステップS15において、実行部61は、情報記憶部M13として機能することにより、ステップS13で取得した走行状態情報Xをメモリ62の所定記憶領域に記憶する。その後、実行部61は今回の処理を終了する。
<標本値導出処理>
図3を参照し、車両重量の標本値WSを導出する処理である標本値導出処理について説明する。本処理では、走行状態情報取得処理で取得された複数の走行状態情報Xに基づいて複数の車両重量の標本値WSが導出される。図3は、標本値導出処理の流れを示すフローチャートである。標本値導出処理に対応する制御プログラムは、実行部61によって実行される。実行部61は、重量推定部M15として機能することにより、標本値導出処理を構成する複数のステップS31からS41の処理を実行する。
ステップS31において、実行部61は、車両重量の標本値WSを導出するための実行条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、当該実行条件は、運転スイッチがオン状態からオフ状態に遷移したことである。詳しくは、車両10の運転スイッチがオン状態からオフ状態に遷移して車両10の1トリップが終了した場合は、標本値WSを導出するための実行条件が成立していると見なす。車両10の運転スイッチがオン状態で維持されているため、車両10の1トリップが未だ終わっていない場合は、実行条件が成立していないと見なす。実行部61は、実行条件が成立している場合(S31:YES)、ステップS33の処理に移行する一方、実行条件が成立していない場合(S31:NO)、今回の処理を終了する。
ステップS33において、実行部61は、メモリ62に記憶されている走行状態情報Xの数である情報数Mを取得する。次のステップS35において、実行部61はカウンタ値Nに「1」をセットする。その後、実行部61は、ステップS37及びS39の処理を情報数Mだけ繰り返し実行する。
ステップS37において、実行部61は、メモリ62から走行状態情報X(N)を読み出し、走行状態情報X(N)に基づいて車両重量の標本値WS(N)を導出する。
ステップS39において、実行部61はカウンタ値Nを1インクリメントする。次のステップS41において、実行部61は、ステップS39で更新したカウンタ値NがステップS33で取得した情報数Mよりも大きいか否かを判定する。カウンタ値Nが情報数M以下である場合は、メモリ62に記憶されているM個の走行状態情報Xの中に、標本値WSの導出に用いていない走行状態情報Xが未だある。一方、カウンタ値Nが情報数Mよりも大きい場合は、メモリ62に記憶されているM個の走行状態情報Xの中に、標本値WSの導出に用いていない走行状態情報Xが既にない。そのため、実行部61は、カウンタ値Nが情報数M以下である場合(S41:NO)、ステップS37の処理に戻り、カウンタ値Nが情報数Mよりも大きい場合(S41:YES)、今回の処理を終了する。
<有効標本値選択処理>
図4を参照し、車両重量の標本値WSの中から車両重量の推定に用いる有効標本値VWSを選択する処理である有効標本値選択処理について説明する。本処理では、標本値導出処理で導出されたM個の標本値WSの中から有効標本値VWSが選択される。図4は、標本値削除処理の流れを示すフローチャートである。有効標本値選択処理に対応する制御プログラムは、実行部61によって実行される。実行部61は、重量推定部M15として機能することにより、有効標本値選択処理を構成する複数のステップS51からS63の処理を実行する。
ステップS51において、実行部61は、メモリ62に記憶されている走行状態情報Xの数である情報数Mを取得する。続くステップS53において、実行部61はカウンタ値Nに1をセットする。その後、実行部61は、ステップS55からS59の処理を情報数Mだけ繰り返し実行する。
ステップS55において、実行部61は、メモリ62に記憶されている走行状態情報X(N)について走行状態判定を行う。実行部61は、走行状態情報X(N)が選択条件を満たしている場合(S55:YES)、ステップS57の処理に移行し、走行状態情報X(N)が選択条件を満たしていない場合(S55:NO)、ステップS59の処理に移行する。
ステップS57において、実行部61は、走行状態情報X(N)に基づいて導出された標本値WS(N)を有効標本値VWSとして選択する。そして、実行部61はステップS59の処理に移行する。
ステップS59において、実行部61はカウンタ値Nを1インクリメントする。次のステップS61において、実行部61は、ステップS59で更新したカウンタ値NがステップS51で取得した情報数Mよりも大きいか否かを判定する。カウンタ値Nが情報数M以下である場合は、メモリ62に記憶されているM個の走行状態情報Xの中に、走行状態判定を未だ行っていない走行状態情報Xがある。一方、カウンタ値Nが情報数Mよりも大きい場合は、メモリ62に記憶されているM個の走行状態情報Xの中に、走行状態判定を行っていない走行状態情報Xが既にない。そのため、実行部61は、カウンタ値Nが情報数M以下である場合(S61:NO)、ステップS55の処理に戻り、カウンタ値Nが情報数Mよりも大きい場合(S61:YES)、ステップS63の処理に移行する。
ステップS63において、実行部61は、メモリ62から全ての走行状態情報Xを削除する。その後、実行部61は今回の処理を終了する。
<車両重量推定処理>
図5を参照し、車両重量を推定する処理である車両重量推定処理について説明する。本処理では、有効標本値選択処理で選択された有効標本値VWSに基づいて、車両重量が推定される。図5は、車両重量推定処理の流れを示すフローチャートである。車両重量推定処理に対応する制御プログラムは、実行部61によって実行される。実行部61は、重量推定部M15として機能することにより、車両重量推定処理を構成する複数のステップS71からS79の処理を実行する。
ステップS71において、実行部61は、車両重量の有効標本値VWSの中央値VWSmを導出する。
ステップS73において、実行部61は、複数の有効標本値VWSの中から、中央値VWSmとの差分が所定差分ΔW未満である有効標本値VWSを抽出する。言い換えると、実行部61は、複数の有効標本値VWSの中から中央値VWSmとの差分が所定差分ΔW以上である有効標本値VWSを外れ値として排除する。
ステップS75において、実行部61は、ステップS73の処理で抽出された有効標本値VWSの数Zを取得し、当該数Zが所定値Zth以上であるか否かを判定する。実行部61は、有効標本値VWSの数Zが所定値Zth以上である場合(S75:YES)、ステップS77の処理に移行し、当該数Zが所定値Zth未満である場合(S75:NO)、ステップS79の処理に移行する。
ステップS77において、実行部61は、ステップS73で抽出された有効標本値VWSに基づいて車両重量の推定値Wを導出する。例えば、実行部61は、ステップS73で抽出された有効標本値VWSの平均値を車両重量の推定値Wとして導出する。その後、実行部61は今回の処理を終了する。
ステップS79において、実行部61は、車両重量の推定値Wを所定重量WEとする。その後、実行部61は今回の処理を終了する。
<摩耗量推定処理>
図6を参照し、車輪制動機構20の摩擦部22の摩耗量ΔAを導出する処理である摩耗量推定処理について説明する。本処理では、車両重量推定処理で推定された車両重量の推定値Wに基づいて摩耗量ΔAが導出される。図6は、摩耗量推定処理の流れを示すフローチャートである。摩耗量推定処理に対応する制御プログラムは、実行部61によって実行される。実行部61は、摩耗量推定部M17として機能することにより、摩耗量推定処理を構成する複数のステップS81からS87の処理を実行する。
ステップS81において、実行部61は、走行状態情報Xを取得した1トリップでの車両10の走行距離Lvを取得する。
次のステップS83において、実行部61は、ステップS81で取得した走行距離Lvが判定走行距離Lvth以上であるか否かを判定する。実行部61は、走行距離Lvが判定走行距離Lvth以上である場合(S83:YES)、ステップS85の処理に移行し、走行距離Lvが判定走行距離Lvth未満である場合(S83:NO)、ステップS87の処理に移行する。
ステップS85において、実行部61は、車両重量の推定値Wに基づいて、摩擦部22の摩耗量ΔAを導出する。その後、実行部61は今回の処理を終了する。
ステップS87において、実行部61は、所定重量WEに基づいて、摩擦部22の摩耗量ΔAを導出する。その後、実行部61は今回の処理を終了する。
<本実施形態の効果>
(1-1)本実施形態では、走行状態情報Xの中で上記の選択条件を満たす走行状態情報Xに基づいて、車両重量の推定値Wを導出するようにした。選択条件は、車両重量の推定に対する外乱が抑制される条件である。したがって、本実施形態によれば、車両重量の推定に対する外乱が少ない走行状態情報Xに基づいて車両重量が推定されるため、車両重量の推定精度を高くすることができる。
(1-2)本実施形態では、複数の有効標本値VWSに対して統計処理を施すことにより、車両重量の推定値Wを導出するようにした。本実施形態によれば、車両重量の推定に対する外乱や検出系50の検出誤差の車両重量の推定への影響が統計処理によって低減されるため、車両重量の推定精度をさらに高くすることができる。
(1-3)本実施形態のように、複数の車両重量の有効標本値VWSに対して統計処理を施すことによって車両重量を推定する場合、有効標本値VWSの数が少ないと、車両重量の推定精度が低くなることが考えられる。そこで、本実施形態では、有効標本値VWSの数Zが所定値Zth未満である場合には、所定重量WEを推定値Wとして導出するようにした。本実施形態によれば、有効標本値VWSが少ないことで車両重量の推定精度が低下してしまうことを、抑制することができる。
(1-4)走行距離Lvが短いと、車両10の走行状態が特定の走行状態に偏ることが考えられる。そのため、本実施形態のように、複数の車両重量の有効標本値VWSに対して統計処理を施すことによって車両重量の推定値Wを導出する場合は、車両10の走行距離Lvが短いと、推定値Wの推定精度が低くなることが考えられる。そこで、本実施形態では、走行距離Lvが判定走行距離Lvth未満である場合には、推定値Wではなく所定重量WEを用いて摩擦部22の摩耗量ΔAを導出するようにした。本実施形態によれば、有効標本値VWSに対応する車両10の走行状態が偏ることで車両重量の推定精度が低下してしまうことを、抑制することができる。
(第2実施形態)
車両制御システムの第2実施形態を図7及び図8に従って説明する。なお、第2実施形態では、車両制御システムが車外に設置された制御装置を含んで構成されている点、及び車両制御システムにおける制御の内容などが第1実施形態と異なる。以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図7は本実施形態の車両制御システム100Aを示す模式図である。車両制御システム100Aは、車両10Aに搭載されている車両制御装置60Aと、車外に設置されているサーバ装置80とを備えている。
<車両>
車両10Aは、複数の車輪11と制動装置30と駆動装置40と検出系50と車両制御装置60Aとに加え、通信機15を備えている。
通信機15は、車両制御装置60Aから出力された情報を、車外ネットワークNTを介してサーバ装置80に送信する。通信機15は、サーバ装置80から送信された情報を、車外ネットワークNTを介して受信し、受信した情報を車両制御装置60Aに出力する。
車両制御装置60Aは、車両10Aに設けられている「第1制御装置」に対応する。車両制御装置60Aは、第1実施形態の制御装置60と同様に、制動制御部32及び駆動制御部42との間で各種の情報を送受信する。
車両制御装置60Aは実行部61とメモリ62とを有している。
実行部61は、制御プログラムを実行することにより、情報取得部M11と情報記憶部M13として機能する。
<サーバ装置>
サーバ装置80は、通信機81とサーバ制御装置90とを備えている。
通信機81は、サーバ制御装置90から出力された情報を、車外ネットワークNTを介して車両10Aに送信する。通信機81は、車両10Aから送信された情報を、車外ネットワークNTを介して受信し、受信した情報をサーバ制御装置90に出力する。
サーバ制御装置90は、車両10Aの外部に設置されている「第2制御装置」に対応する。サーバ制御装置90は実行部91とメモリ92とを有している。例えば、実行部91はCPUである。メモリ92には、実行部91によって実行される各種の制御プログラムが記憶されている。
実行部91は、制御プログラムを実行することにより、重量推定部M15Aと摩耗量推定部M17として機能する。
図8は、本実施形態の走行状態情報取得処理の開始から摩耗量推定処理の終了までの一連の処理の流れを示すシーケンス図である。
ステップS101において、車両10Aの実行部61は、走行状態情報取得処理を実行する。ここで、第2実施形態の走行状態情報取得処理は、第1実施形態の走行状態情報取得処理と実質的に同一である。
続くステップS102において、車両10Aの実行部61は、走行状態取得処理が完了したか否かを判定する。実行部61は、走行状態取得処理が完了したことを判定した場合(S102:YES)、ステップS103の処理に移行し、走行状態取得処理が未完了であることを判定した場合(S102:NO)、走行状態情報取得処理に戻る。
ステップS103において、車両10Aの実行部61は、メモリ62に記憶されている走行状態情報Xを、通信機15により車外ネットワークNTを介してサーバ装置80に送信させる。
ステップS104において、サーバ装置80の実行部91は、車両10Aから送信された走行状態情報Xを受信し、受信された走行状態情報Xをメモリ92の所定記憶領域に記憶する。
ステップS105において、サーバ装置80の実行部91は、重量推定部M15Aとして機能することにより、標本値導出処理を実行する。ここで、第2実施形態の標本値導出処理は、本処理の実行条件が車両10から走行状態情報Xが送信されたことである点と、処理対象が車両10Aから送信された走行状態情報Xである点とが第1実施形態の標本値導出処理と異なるものの、第1実施形態の標本値導出処理と実質的に同一である。
例えば、図3のステップS31において、サーバ装置80の実行部91は、車両10Aから走行状態情報Xが送信されたか否かを判定する。実行部91は、車両10Aから走行状態情報Xが送信されたことを判定した場合(S31:YES)、ステップS33の処理に移行し、車両10Aから走行状態情報Xが送信されていないことを判定した場合(S31:NO)、今回の処理を終了する。
ステップS33において、実行部91は、メモリ92に記憶されている走行状態情報Xの数を情報数Mとして取得する。ステップS37において、実行部91は、メモリ92に記憶されている走行状態情報X(N)に基づいて車両重量の標本値WS(N)を導出する。
図8のステップS106において、実行部91は、重量推定部M15Aとして機能することにより、有効標本値選択処理を実行する。ここで、第2実施形態の有効標本値選択処理は、処理対象が車両10から送信された走行状態情報Xである点が第1実施形態の有効標本値選択処理と異なるものの、第1実施形態の有効標本値選択処理と実質的に同一である。
例えば、図4のステップS51において、サーバ装置80の実行部91は、メモリ92に記憶されている走行状態情報Xの数を情報数Mとして取得する。ステップS55において、実行部91は、メモリ92に記憶されている走行状態情報Xについて走行状態判定を行う。
図8のステップS107及びステップS108において、実行部91は、重量推定部M15Aとして機能することにより、それぞれ車両重量推定処理及び摩耗量推定処理を実行する。第2実施形態の車両重量推定処理及び摩耗量推定処理は、それぞれ第1実施形態の車両重量推定処理及び摩耗量推定処理と実質的に同一である。
<本実施形態の効果>
本実施形態では、上記第1実施形態における効果(1-1)から(1-4)と同等の効果を得ることができる。
<変更例>
上記複数の実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記複数の実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記複数の実施形態では、車両重量の標本値WSから、選択条件を満たす走行状態情報Xから導出された有効標本値VWSを選択するようにした。しかしながら、走行状態情報Xから、選択条件を満たす走行状態情報Xを選択し、選択された走行状態情報Xに基づいて標本値WSを導出するようにしてもよい。これにより、選択条件を満たさない走行状態情報Xに基づいて標本値WSを排除する処理が省略されるため、標本値導出処理を軽減することができる。
・上記複数の実施形態では、走行状態情報Xに含まれるアクセル操作量Accp、駆動トルクTQd、走行速度Vs、操舵角Strの絶対値、ヨーレートYr、横力Fy、及び路面勾配θが所定範囲の値であることを選択条件とした。しかしながら、選択条件は上記情報以外の情報に基づくものであってもよい。例えば、選択条件は天候や気温や運転スイッチがオフ状態からオン状態に遷移してからの経過時間に基づくものであってもよい。
・上記複数の実施形態では、選択条件を満たす走行状態情報Xに基づいて導出された有効標本値VWSが少ない場合と、走行距離Lvが短い場合とに、車両重量を所定重量WEにするようにした。しかしながら、これら条件の少なくとも1つを省略してもよい。
例えば、選択条件を満たす走行状態情報Xから導出された有効標本値VWSが少ない場合であっても、有効標本値VWSに基づいて車両重量の推定値Wを導出するようにしてもよい。この場合であっても、走行距離Lvが短い場合は、有効標本値VWSが少なくなるため、車両10,10Aの走行状態の偏りに起因する摩擦部22の摩耗量ΔAの推定精度の低下を抑制することができることは勿論、有効標本値VWSが少ないことに起因する摩耗量ΔAの推定精度の低下を抑制することもできる。
・上記複数の実施形態では、統計処理として、有効標本値VWSの中央値VWSmに基づいて有効標本値VWSの外れ値を排除する処理と、外れ値が排除された有効標本値VWSの平均値を車両重量の推定値Wとして導出する処理とを実施するようにしたが、統計処理はこれらの処理に限られない。
例えば、有効標本値VWSの分散や標準偏差や平均値に基づいて外れ値を排除してもよい。また、外れ値が排除された有効標本値VWSの中央値や最頻値を車両重量の推定値Wとして導出してもよい。また、有効標本値VWSの外れ値を排除する処理を省略してもよい。
・上記複数の実施形態では、車両10,10Aの1トリップ中に取得した複数の走行状態情報Xに基づいて車両重量の推定値Wを導出するようにしたが、これに限られない。例えば、選択条件を満たす走行状態情報Xの数が規定数に達した場合に、規定数の選択条件を満たす走行状態情報Xを用いて、推定値Wを導出するようにしてもよい。また、車両10,10Aが発進してから停車するまでの間で情報取得部M11が取得した走行状態情報Xを用いて推定値Wを導出してもよい。
・上記第2実施形態では、情報取得部M11及び情報記憶部M13を車両10Aに実装し、重量推定部M15A及び摩耗量推定部M17をサーバ装置80に実装した。しかしながら、情報記憶部M13、重量推定部M15A及び摩耗量推定部M17に相当する機能は、技術的に可能な限りにおいて、車両10A及びサーバ装置80の何れに実装してもよい。
例えば、上記第2実施形態において、情報記憶部M13に相当する機能(サーバ情報記憶部M13A)をサーバ装置80の実行部91に実装してもよい。この場合、情報取得部M11により取得された走行状態情報Xを、車両10Aからサーバ装置80に都度送信し、送信された走行状態情報Xを、サーバ装置80に実装されたサーバ情報記憶部によりメモリ92の所定記憶領域に都度記憶すればよい。この場合、車両10Aのメモリ62の記憶容量を削減することができる。
また、上記第2実施形態において、重量推定部M15Aに相当する機能(重量推定部M15)を車両10Aに実装してもよい。この場合、重量推定部M15により推定された車両重量の推定値Wを、車両10Aからサーバ装置80に送信し、送信された推定値Wに基づいて、サーバ装置80に実装された摩耗量推定部M17により摩擦部22の摩耗量ΔAを推定すればよい。この場合、車両10Aからサーバ装置80に送信する情報量を削減することができる。
また、上記第2実施形態において、摩耗量推定部M17に相当する機能(摩耗量推定部M17)を車両10Aに実装してもよい。この場合、サーバ装置80に実装された重量推定部M15Aにより推定された車両重量の推定値Wを、サーバ装置80から車両10Aに送信し、送信された推定値Wに基づいて、車両10Aに実装された摩耗量推定部M17により摩擦部22の摩耗量ΔAを推定すればよい。
・上記第2実施形態では、重量推定部M15Aをサーバ装置80に実装した。しかしながら、重量推定部M15Aのうち一部の機能を、車両10Aに実装してもよい。
例えば、上記第2実施形態において、重量推定部M15Aのうち標本値導出処理に対応する機能(以下、「標本値導出部」という)を、車両10Aに実装してもよい。この場合、標本値導出部により導出された標本値WSを、車両10Aからサーバ装置80に送信し、送信された標本値WSに基づいて、サーバ装置80に実装された重量推定部M15Aのうち残部の機能により車両重量を推定すればよい。
また、上記第2実施形態において、重量推定部M15Aのうち、標本値導出部と有効標本値選択処理に対応する機能(以下、「有効標本値選択部」という)とを、車両10Aに実装してもよい。この場合、有効標本値選択部により選択された有効標本値VWSを、車両10Aからサーバ装置80に送信し、送信された有効標本値VWSに基づいて、サーバ装置80に実装された重量推定部M15Aのうち残部の機能により車両重量を推定すればよい。
・上記複数の実施形態では、上記条件(A1)から(A10)を選択条件とし、これらの条件の何れもが成立している場合に、選択条件を満たしていると判定するようにしたが、これに限られない。
詳しくは、上記条件(A1)から(A10)のうち所定数以上の条件が成立しているのであれば、選択条件を満たしていると判定するようにしてもよい。例えば、条件(A1)から(A4)の少なくとも1つの条件が成立している場合は車両10,10Aがクリープ走行をしている可能性がないと見なし、条件(A5)から(A7)の少なくとも1つの条件が成立している場合は車両10,10Aが旋回走行をしている可能性がないと見なし、条件(A1)から(A4)の少なくとも1つの条件と、条件(A5)から(A7)の少なくとも1つの条件と、条件(A8)から(A10)が成立しているのであれば、選択条件を満たしていると判断するようにしてもよい。
また、条件(A1)から(A10)に他の条件を追加してもよいし、条件(A1)から(A10)の条件から1つ又は複数の条件を排除してもよい。例えば、条件(A1)から(A4)の条件から1つ以上の条件を排除し、条件(A5)から(A7)の条件から1つ以上の条件を排除してもよい。
・制御装置60と車両制御装置60Aとサーバ制御装置90とは、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェアなどの1つ以上の専用のハードウェア回路又はこれらの組み合わせを含む回路として構成し得る。専用のハードウェアとしては、例えば、特定用途向け集積回路であるASICを挙げることができる。
<他の技術的思想>
次に、上記複数の実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記選択条件は、前記制駆動力が制駆動力判定値以上であること、前記アクセル操作量が操作量判定値以上であること、前記駆動トルクが駆動トルク判定値以上であること、前記走行速度が走行速度判定値以上であること、前記加減速度が加減速度判定値以上であること、前記操舵角の絶対値が操舵角判定値以下であること、前記車両の走行する路面の勾配の絶対値が勾配判定値以下であること、及び前記路面の勾配が登坂路を示していることのうち、少なくとも1つを含んでいることが好ましい。
(ロ)前記重量推定部は、前記統計処理において、前記複数の標本値のうち、当該複数の標本値の中央値又は平均値からの差分が差分判定値未満となる前記標本値のみに基づいて、前記車両重量の推定値を導出することが好ましい。
(ハ)前記重量推定部は、前記統計処理において、前記複数の標本値の平均値に基づいて、前記車両重量の推定値を導出することが好ましい。
(ニ)前記車両に設けられている第1制御装置と、前記車両の外部に設置されている第2制御装置と、を備え、
前記第1制御装置は、前記情報取得部を有し、
前記第2制御装置は、前記重量推定部を有することが好ましい。
(ホ)前記第2制御装置は、前記情報記憶部をさらに有することが好ましい。
(ヘ)前記車両は、被摩擦部に摩擦部を当接させることによって車輪に制動力を付与する摩擦ブレーキを備えるものであり、
前記車両の運転スイッチがオン状態になってから当該運転スイッチがオフ状態になるまでの1トリップ中における前記車両の走行距離が所定距離以上である場合には、前記重量推定部によって導出された前記車両重量の推定値に基づいて、前記1トリップ中における前記摩擦部の摩耗量を推定し、前記1トリップ中における前記車両の走行距離が前記所定距離未満である場合には、前記車両の諸元に基づいて設定された前記車両重量の設計値に基づいて、前記1トリップ中における前記摩擦部の摩耗量を推定する摩耗量推定部を備えていることが好ましい。
なお、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」又は「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
10,10A…車両
11…車輪
21…被摩擦部
22…摩擦部
60…制御装置
60A…車両制御装置(第1制御装置の一例)
61…実行部
62…メモリ
80…サーバ装置
90…サーバ制御装置(第2制御装置の一例)
91…実行部
92…メモリ
100,100A…車両制御システム
M11…情報取得部
M13…情報記憶部
M15,M15A…重量推定部

Claims (4)

  1. 車両の制駆動力及び加速度を走行状態情報として都度取得する情報取得部と、
    前記情報取得部によって取得された前記走行状態情報を記憶する情報記憶部と、
    前記情報記憶部により記憶された複数の前記走行状態情報の中で所定の選択条件を満たす前記走行状態情報に基づいて、車両重量の推定値を導出する重量推定部と、を備え、
    前記選択条件は、前記重量推定部による前記車両重量の推定値の導出に対する外乱が抑制される条件である、
    車両制御システム。
  2. 前記情報取得部は、アクセル操作量、前記車両の駆動軸の駆動トルク、前記車両の走行速度、操舵角、前記車両のヨーレート、前記車両の横力、及び前記車両が走行する路面の勾配のうちの少なくとも1つを、前記走行状態情報として取得し、
    前記選択条件は、前記走行状態情報として取得した値が所定範囲に含まれることである、
    請求項1に記載の車両制御システム。
  3. 前記重量推定部は、
    前記選択条件を満たす前記走行状態情報に基づいた複数の車両重量の標本値を導出し、
    当該複数の標本値に対して統計処理を施すことによって、前記車両重量の推定値を導出する、
    請求項1又は2に記載の車両制御システム。
  4. 前記重量推定部は、
    前記選択条件を満たす前記走行状態情報の数が所定数以上である場合に、前記所定数以上の前記走行状態情報に基づいて前記車両重量の推定値を導出する、
    請求項1から3のうち何れか一項に記載の車両制御システム。
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