JP2019190852A - 車重推定装置および車重推定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】走行中の車両の車重を精度よく推定可能な技術を提供する。【解決手段】ECU(600)は、取得部(610)と車重推定部(620)とを備える。取得部(610)は、二つの通過点のそれぞれで車両に働く前後Gと駆動力とを取得する。車重推定部(620)は、各通過点の前後Gの差分と、各通過点の駆動力の差分と、各通過点の車両の旋回状態を示す車両情報とを参照して車重を推定する。【選択図】図2
Description
本発明は、車重推定装置に関する。
近年、自動車などの車両では、例えばその運転の安全性および快適性を高めるための種々の制御が行われている。このような車両の運転に係る制御を適切に実施するために、走行中の車両の質量(車重)を精度よく把握することが求められている。
車重を推定する技術には、走行している車両が通過する二点でそれぞれ駆動力と加速度とを検出して、これら二点での検出値から二つの運動方程式を導出し、これらの運動方程式を減算する技術が知られている。この技術では、車両に生じる空気抵抗等の走行抵抗値が減算によってキャンセルされて車重が推定される(例えば、特許文献1参照)。
また、車重を推定する技術には、駆動力、加速度に加えて操舵角を検出し、操舵角が一定の閾値以下のときのみ車重を推定する技術が知られている。この技術では、上記走行抵抗値を無視できる検出値が操舵角に応じて判定され、当該検出値に基づいて車重が推定される(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、従来の技術は、車両の車重を精度よく推定する観点において、走行抵抗値の取扱いに検討の余地が残されている。たとえば、特許文献1に記載の発明では、加速度を検出する二点間における走行抵抗値が一定であることを前提にしている。そのため、加速度を検出する二点間において走行抵抗値が変化する場合は、走行中の車両の車重を精度よく推定することができないことがある。
また、車両の状態は、操舵角が実質的に変化しない場合であっても走行抵抗値が変化する場合がある。このように、走行抵抗値の変化が操舵角の変化に拠らない場合があるため、特許文献2に記載の発明では、走行中の車両の車重を精度よく推定することができないことがある。
本発明の一態様は、走行中の車両の車重を精度よく推定可能な技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る車重推定装置は、車両の重量を推定する車重推定装置であって、取得部と車重推定部とを備え、前記取得部は、所定の時間間隔を置いた複数の通過点のそれぞれでの前後Gセンサの値と、前記複数の通過点のそれぞれで車両に働く駆動力および走行抵抗値と、を取得し、前記車重推定部は、前記複数の通過点のうちの第一の通過点における前後Gセンサの値と、当該第一の通過点とは異なる第二の通過点における前後Gセンサの値との差分と、前記第一の通過点における駆動力と前記第二の通過点における駆動力との差分と、前記第一の通過点における走行抵抗値と前記第二の通過点における一種又は複数種の走行抵抗値との差分と、を参照して車重を推定する。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る車重推定方法は、車両の重量を推定する車重推定方法であって、所定の時間間隔を置いた複数の通過点のそれぞれでの前後Gセンサの値と、前記複数の通過点のそれぞれで車両に働く駆動力および走行抵抗値と、を取得するステップと、前記複数の通過点のうちの第一の通過点における前後Gセンサの値と、当該第一の通過点とは異なる第二の通過点における前後Gセンサの値との差分と、前記第一の通過点における駆動力と前記第二の通過点における駆動力との差分と、前記第一の通過点における走行抵抗値と前記第二の通過点における一種又は複数種の走行抵抗値との差分と、を参照して車重を推定するステップと、を有する。
本発明の一態様によれば、走行中の車両の車重を精度よく推定することができる。
走行中の車両に発生している動的な成分には、様々な要素が含まれている。車両は、その車両が備える原動機が発生させる推進力を受けて走行している。この推進力は、その全てが車両の推進力に変換されているわけではない。当該推進力が様々な要因によって減衰し、その減衰後の成分が車両の推進力に変換されている、とも言える。
この様々な要因を本明細書中では「走行抵抗値」としているが、この中には、「空気抵抗」や「路面の傾き」などが含まれており、下り勾配のような負の抵抗も含むものとする。これらの中には、車重に依存する成分が含まれている。したがって、そのような走行抵抗値を利用する演算を行うことによって車重を推定することができる。
以下に、本発明の一実施の形態として、走行抵抗値を利用した車重推定のロジックの一例を示すが、走行抵抗値を演算して車重を推定する他のロジックも、本発明の権利範囲として認められるべきである。
[車重推定のロジックの概要]
一般的な車両には、車両の前後Gを検知する前後Gセンサが備わっている。この前後Gセンサの値Gsensは、路面に平行な加速度(G)の車体ピッチ角分と、路面角度と車体ピッチ角の合計の重力加速度成分であるから、下記式1で表すことができる。下記式1中、Gsensは前後Gセンサの値を表し、Gxは路面に平行なGを表し、Ggravは重力加速度を表し、θpは車体のピッチ角を表し、θrは路面角度を表す。なお、θpおよびθrについては、車両900の後部側へその荷重を移動させる傾きは正の符号、車両900の前部側へその荷重を移動させる傾きは負の符号を付して表すものとする。また、本明細書において、「前後Gセンサの値」は、前後Gセンサの出力値を指し、車両900に実際に発生している前後方向のG成分とは全く異なることがある。
一般的な車両には、車両の前後Gを検知する前後Gセンサが備わっている。この前後Gセンサの値Gsensは、路面に平行な加速度(G)の車体ピッチ角分と、路面角度と車体ピッチ角の合計の重力加速度成分であるから、下記式1で表すことができる。下記式1中、Gsensは前後Gセンサの値を表し、Gxは路面に平行なGを表し、Ggravは重力加速度を表し、θpは車体のピッチ角を表し、θrは路面角度を表す。なお、θpおよびθrについては、車両900の後部側へその荷重を移動させる傾きは正の符号、車両900の前部側へその荷重を移動させる傾きは負の符号を付して表すものとする。また、本明細書において、「前後Gセンサの値」は、前後Gセンサの出力値を指し、車両900に実際に発生している前後方向のG成分とは全く異なることがある。
ここで、車体のピッチ角θpは十分小さいとして近似を行い、θp≒0とすると、上記式1は、下記式1’で表される。
また、路面に平行なGであるGxは、エンジン出力由来の前後Gから、各種走行抵抗値を減算したものであるから、下記式2で表すことができる。式2中、Gpはエンジン出力由来の前後Gを表し、Gairは空気抵抗成分を表し、Gdは伝達抵抗成分を表す。
ここで、エンジン出力由来の前後GであるGpは、車重に車輪半径を乗じた値で車輪トルクを除することで求められることから、下記式3で表すことができる。下記式3中、τは車輪トルクを表し、mは車重を表し、Rは車輪半径を表す。
本明細書でいうところの「車輪トルク」とは、走行中の車両の駆動源が発生させる、車輪に働く、車両を加減速させる方向に働くトルクである。たとえば、内燃機関を駆動源とする車両では、車輪トルクとは、該車両の車輪に掛けられているトルクである。内燃機関の車輪トルクは、内燃機関が発生させたトルクを、空燃比、外気温およびスロットルバルブ解放量などから推定し、それに車両毎に設定されている伝達損失係数と、各減速機構による所定の減速比とを掛けることにより求められる。また、車輪内に駆動源として電動モータを独立して持つ車両では、車輪トルクは、該車両の各車輪に掛けられているトルクの合計である。当該車両の車輪トルクは、各モータの仕事効率および掛けられる電圧から推定されるトルクに、設定されている伝達損失係数と、各減速機構による所定の減速比とを掛けることにより求められる。また、車両900が電気式デフなどの差動制御装置(LSD)をさらに有する場合では、これらの装置の作動状況をさらに参照して上記駆動力を算出してもよい。
空気抵抗成分であるGairは、その車両に特有の空気抵抗係数に車速の二乗を乗じ、それを車重で除することで求められることから、下記式4で表すことができる。下記式4中、Cdは、その車両の空気抵抗係数を表し、Vは車速を表す。
ここで、その間に所定の間隔を有する二つの通過点T1、T2において、前後Gセンサの値GsensとGxの各要素の値をそれぞれ取得する。前記所定の間隔は、時間間隔でもよいし、距離間隔でもよいし、それらの組み合わせでもよい。T1については、前後Gセンサの値であるGsens1は、下記式1’−1で表され、路面に平行なGであるGxは、下記式2−1で表される。また、T2については、前後Gセンサの値であるGsens2は、下記式1’−2で表され、路面に平行なGであるGxは、下記式2−2で表される。なお、式中の下付きの「1」は、通過点T1における各種の値であることを表し、式中の下付きの「2」は、通過点T2における各種の値であることを表す。
このとき、通過点T1、T2において、路面状態および路面の素材などの条件が異なると、伝達抵抗成分Gdが変化し、車重推定の精度に悪影響を及ぼすことがある。したがって、路面状態および路面の素材などが変化しないと考えられる程度に、前記所定の間隔は十分短いことが望ましい。ここで、式1’−1を下記式および式1’−2を、それぞれ、式1’’−1および式1’’−2に変形させる。
そして、車重推定を行うプロセスとして、Gx1−Gx2を演算する。Gx1−Gx2は、下記式5によって表される。
式5のGgravsinθr1とGgravsinθr2に式1''−1および式1''−2の右辺を代入して展開することにより、下記式6が得られる。式6のGp1、Gp2に式3の右辺を代入し、式6のGair1、Gair2に式4の右辺を代入することにより、式6’が得られる。式6’を車重mについて解くことにより式7が得られる。
式7の左辺mは、前述の通り、車重であるから、式7の右辺を計算することで車重を求めることができる。
このとき、前述の通り、伝達抵抗成分Gdは、路面状態や素材などによって変化する成分である。このため、走行中の車両で伝達抵抗成分Gdを逐次取得し、推定の要素とすることは困難な場合がある。ここで、通過点T1、T2において、Gd1とGd2とが等しい場合には、式7のGd1、Gd2を相殺することができ、式7は、下記式8に変形される。式8によれば、伝達抵抗成分に関わらずに車重mの推定を行うことができる。
式7を式8に変形するためには、二つの通過点T1、T2は、車重の推定を行う上でGd1とGd2とを相殺できる程度に、すなわち車重の推定を行う上で路面状態や素材などが変化しないと考えられる程度に十分短い間隔の二点である必要がある。しかしながら、両通過点の間隔を十分短く設定しても、Gd1とGd2とは無視できないほどに異なることがある。たとえば、T1において直進していた車両がT2において旋回挙動を取ると、路面の状態および素材がT1、T2で同じであっても、タイヤの変形度合いが変化する。このため、Gd1とGd2とは無視できないほどに異なることとなる。このように、両通過点の間隔を十分短く設定するだけでは、式8の実効性が不十分なことがある。
そこで、路面の状態、素材が変化しないと考えられる、十分短い所定の間隔を置いた二つの通過点T1、T2において、車両の前後Gおよび駆動力に加えて車両の旋回状態を示す車両情報をさらに取得してもよい。そして、車両の推定に際して車両情報を参照してGd1とGd2とを相殺できるか否かを判定する。
たとえば、上記の車両情報として、車両のヨーレート関連値γ1、γ2と左右車輪速の差λ1、λ2を取得し、γ1、γ2の絶対値の差Δγ(式9)、および、λ1、λ2の絶対値の差Δλ(式10)、の一方または両方を求める。下記式中、γ1は通過点T1における車両のヨーレート関連値であり、γ2は、通過点T2におけるヨーレート関連値である。また、下記式中、λ1は通過点T1における左右の車輪の速度差であり、λ2は、通過点T2における車両の左右の車輪の速度差である。
車重の推定を行う上でGd1とGd2とを相殺できるか否か、の上記絶対値を用いる判定は、所定の閾値に基づいて行うことが可能である。たとえば、ΔγおよびΔλのそれぞれについて、車重の推定の十分な精度が期待できる所定の閾値を設定する。上記絶対値が下記式に示されるように所定の閾値以下である場合に、車重の推定を行う上でGd1とGd2とを相殺可能と判定することができる。下記式中、Tsd1は、十分な精度が期待できるΔγについての閾値を表し、Tsd2は、十分な精度が期待できるΔλについての閾値を表す。そして、下記式を満たす場合に、Gd1とGd2とが実質的に等しいとして、式8により車重を求める。このようにして、走行中の車両の車重を推定してもよい。
当該閾値は、後述する旋回状態パラメータの種類に応じて、本実施形態の効果が得られる範囲において、適宜に決めることが可能である。たとえば、旋回状態パラメータがヨーレートまたはその関連値である場合では、ヨーレート関連値の閾値(上限値で規定される旋回状態パラメータ条件)は、0.25rad/s以下であることが好ましく、0.18rad/s以下であることがより好ましく、0.10rad/s以下であることがさらに好ましい。
また、旋回状態パラメータが左右の車輪の速度差(左右車輪速差)またはその関連値である場合では、その閾値は、3.5m/s以下であることが好ましく、2.5m/s以下であることがより好ましく、1.5m/sであることがさらに好ましい。さらに、旋回状態パラメータが横Gまたはその関連値である場合では、その閾値は、5.5m/s2以下であることが好ましく、3.5m/s2以下であることがより好ましく、2.0m/s2以下であることがさらに好ましい。
なお、上記λ1は、より具体的には、通過点T1における車輪速RRλ1、RLλ1の絶対値の差分の絶対値として表され、下記式13に示される。また、上記λ2は、通過点T2における車輪速RRλ2、RLλ2の絶対値の差分の絶対値として表され、下記式14に示される。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、詳細に説明する。
以下、本発明の実施形態1について、詳細に説明する。
[車両の構成]
図1は、本発明の実施形態1に係る車両の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、車両900は、懸架装置(サスペンション)100、車体200、車輪300、タイヤ310、操舵部材410、ステアリングシャフト420、ステアリングシャフト420に印加される操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ430、舵角センサ440、車速(V)を検出する車速センサ450、トルク印加部460、ラックピニオン機構470、ラック軸480、エンジン500、ECU(Electronic Control Unit)600、発電装置700およびバッテリ800を備えている。車両900の前方の二つの車輪300A、300Bは、転舵輪である。ECU600は、車重推定装置に該当している。
図1は、本発明の実施形態1に係る車両の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、車両900は、懸架装置(サスペンション)100、車体200、車輪300、タイヤ310、操舵部材410、ステアリングシャフト420、ステアリングシャフト420に印加される操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ430、舵角センサ440、車速(V)を検出する車速センサ450、トルク印加部460、ラックピニオン機構470、ラック軸480、エンジン500、ECU(Electronic Control Unit)600、発電装置700およびバッテリ800を備えている。車両900の前方の二つの車輪300A、300Bは、転舵輪である。ECU600は、車重推定装置に該当している。
なお、符号中のアルファベットA〜Eは、それぞれ、車両900における位置を表している。Aは、車両900の左前の位置を表し、Bは、車両900の右前の位置を表し、Cは、車両900の左後ろを表し、Dは、車両900の右後ろを表し、Eは、車両900の後ろを表している。
また、車両900は、車輪300毎に設けられ各車輪300の車輪速(λ)を検出する車輪速センサ320、車両900の横方向の加速度(以下、「横G」とも言う)を検出する横Gセンサ330、車両900の前後方向の加速度(以下、「前後G」とも言う)を検出する前後Gセンサ340(以下、該前後Gセンサ340の出力値を「Gsens」とも言う)、車両900のヨーレートを検出するヨーレートセンサ350、エンジン500が発生させるトルク(車輪トルク(τ))を推定する車輪トルクセンサ510、エンジン500の回転数(ωe)を検出するエンジン回転数センサ520、およびブレーキ装置が有するブレーキ液に印加される圧力を検出するブレーキ圧センサ530を備えている。上記車輪トルクは、前述したように車両900の車輪に掛けられているトルクであり、車両900の駆動力に該当する。
さらに、車両900は、不図示の燃料タンク中の燃料(ガソリン)の量を検出するフューエルセンサ360、車両900の運転席に装着されたキーの操作位置を検出するキーポジションセンサ490、車両900のそれぞれのドアの開閉を検出するドア開閉センサ550、および車両900のギアの接続位置を検出するギアポジションセンサ540を備えている。なお、ドア開閉センサ550Eは、車両900のトランクのドア(バックドア)の開閉を検出する。
各種センサの出力値のECU600への供給、および、ECU600から各部への制御信号の伝達は、CAN(Controller Area Network)370を介して行われる。各センサは、後述の車重の推定のために新たに設けられてもよいが、コストの面から、車両900に既存のセンサであることが好ましい。
[車重推定装置の構成]
ECU(車重推定装置)600は、車両の重量を推定する。図2は、本発明の実施形態1に係る車重推定装置の構成を模式的に示すブロック図である。ECU600は、取得部610および車重推定部620を備えている。
ECU(車重推定装置)600は、車両の重量を推定する。図2は、本発明の実施形態1に係る車重推定装置の構成を模式的に示すブロック図である。ECU600は、取得部610および車重推定部620を備えている。
取得部610は、上述の各種センサの出力値を取得する。たとえば、取得部610は、所定の時間間隔を置いた複数の通過点のそれぞれでの前後Gセンサ340の値と、複数の通過点のそれぞれで車両900に働く駆動力および走行抵抗値と、を取得する。前後Gセンサ340の値は、前述したように、前後Gセンサ340の出力値である。車両900に働く駆動力は、例えば車輪トルクセンサ510の出力値である。車両900に働く走行抵抗値は、例えば、車両900に発生する空気抵抗またはその関連値、および、路面材質またはタイヤ変形の関連値、からなる群から選ばれる一以上の値である。空気抵抗に関連する値とは、例えば、前述したGairである。また、路面材質またはタイヤ変形の関連値とは、例えば、タイヤの転がり抵抗である。
より具体的には、取得部610は、前後Gセンサ340からは車両の前後Gセンサの値を、車速センサ450からは車両900の車速を、そして車輪トルクセンサ510からは車両900の車輪トルクを、それぞれ取得する。なお、車速は、車速センサ450以外の各種センサの検出値から算出されてもよい。たとえば、車速は、加速度のセンサが検出する車両900の加速度の値の積分値であってもよいし、車輪速センサ320が検出する車輪速λから算出される値であってもよいし、これらの複数を用いて求められてもよい。車速を複数の検出値から算出することは、算出される車速の誤差を小さくする観点からより効果的である。
また、取得部610は、複数の通過点における車両の旋回状態を示す旋回状態パラメータをさらに取得する。たとえば、旋回状態パラメータは、車両900に発生するヨーレートおよびその関連値の一方または両方、車輪速の左右差およびその関連値の一方または両方、車両に発生している横Gセンサの値およびその関連値の一方または両方、少なくともいずれか一つからなる値である。取得部610は、車輪速センサ320からは車輪300のそれぞれの車輪速を、横Gセンサ330からは車両900の横G値を、そしてヨーレートセンサ350からは車両900のヨーレートを、それぞれ取得する。当該横G値は、横G関連値に該当し、当該ヨーレートは、ヨーレートの関連値に該当する。
なお、車輪速を取得するための車輪は、前輪および後輪のいずれでもよいが、転舵輪の車輪速は、転舵操作による影響を受ける。したがって、このような影響を排除する観点から、車輪速を取得する車輪は、転舵輪ではない場合が多い後ろの二輪(車輪300Cと車輪300D)であることが好ましい。
さらに、取得部610は、フューエルセンサ360からは燃料タンク中の燃料の量を、キーポジションセンサ490からはキーの操作位置を、そしてドア開閉センサ550からはドアのそれぞれの開放の有無および開放時間を、それぞれ取得する。
さらに、取得部610は、操舵トルクセンサ430からはステアリングシャフト420に印加される操舵トルクを、舵角センサ440からは操舵部材410の舵角を、そしてエンジン回転数センサ520からはエンジン500の回転数を、それぞれ取得する。
さらに、取得部610は、ブレーキ圧センサ530からは車輪300のそれぞれのブレーキの圧力を、そして、ギアポジションセンサ540からは車両900のギアにおける接続位置の情報を、それぞれ取得する。
取得部610は、取得した前後Gセンサの値と、駆動力(車輪トルク)と、走行抵抗値とに重畳しているノイズを軽減させるためのローパスフィルタ処理を行う処理部611をさらに含む。処理部611は、上記以外の取得した情報に対してもローパスフィルタ処理を行ってもよい。
車重推定部620は、取得部610が取得した旋回状態パラメータのうちの、第一の通過点における旋回状態パラメータと第二の通過点における旋回状態パラメータとが、所定の旋回状態パラメータ条件を満たしているかを判断する旋回状態パラメータ判断部をさらに含む。たとえば、車重推定部620は、当該旋回状態パラメータ判断部として、ヨーレート関連値判断部621、車輪速度関連値判断部622および横G関連値判断部623を含んでいる。ヨーレート関連値判断部621、車輪速度関連値判断部622および横G関連値判断部623は、いずれも、車両900の旋回状態を表す旋回状態パラメータを取得し、車重の推定におけるその適否を判断する。
本実施形態では、旋回状態パラメータ判断部が旋回状態パラメータとして適当と判定した後に車重を推定しているが、車重を推定したのちに、第一の通過点T1および第二の通過点T2における旋回状態パラメータが旋回状態パラメータ条件を満たしていないと旋回状態パラメータ判断部が判断した場合には、推定した車重を破棄してもよい。
ヨーレート関連値判断部621は、取得部610が取得したヨーレートの関連値のうちの、第一の通過点T1のヨーレートの関連値と第二の通過点T2のヨーレートの関連値とが、所定のヨーレート条件を満たしているかを判断する。
車輪速度関連値判断部622は、取得部610が取得した車輪速の速度の関連値を上記通過点毎に算出する。そして、第一の通過点T1における車輪速度の関連値と第二の通過点T2における車輪速度の関連値とが、車輪速度関連値の所定の条件を満たしているかを判断する。車輪速度の関連値は、全車輪の車輪速度の平均値であってもよいし、前輪または後輪における左右の車輪の速度差であってもよいし、左右の車輪の速度比であってもよい。
横G関連値判断部623は、取得部610が取得した横G関連値のうちの、第一の通過点T1における横G関連値および第二の通過点T2における横G関連値が所定の横G条件を満たしているかを判断する。
上記横G条件は、車重の推定において、第一の通過点T1の伝達抵抗成分Gd1と第二の通過点T2の伝達抵抗成分Gd2との差を実質的に無視できることを判定可能な条件であればよい。たとえば、横G条件は、上述のように通過点T1における横G関連値と通過点T2における横G関連値との差分であってよいし、これらの値の絶対値であってもよいし、これらの値の閾値であってもよい。また、横G関連値は、横G値そのものであってもよいし、横G値の積分値であってもよいし、ロールレート値であってもよい。
上記横G関連値については、運転者の操作による横G関連値と、バンク等による横G関連値と、重力加速度による横G関連値をさらに区別してもよい。このような横G関連値の由来による区別を行うことは、横G関連値およびそれを利用する車重の推定結果の信頼性を高める観点から好ましい。
旋回状態パラメータを複数用いることは、車両900の旋回状態を示す車両情報の精度を高める観点から好ましい。よって、車重の推定の精度を高める観点からより一層効果的である。
一方、旋回状態パラメータは、前述した各種パラメータのいずれか一つでもよい。旋回状態パラメータがより少ないことは、車重の算出を簡素化する観点からより効果的である。旋回状態パラメータを何種用いるかは、適宜、車重推定部620の演算能力や推定精度等を加味して取捨選択することができる。
車重推定部620は、さらに、車重平均演算部624および車重基準値算出部625を備えている。車重平均演算部624は、推定した複数の車重の平均演算処理を行う。車重基準値算出部625は、取得部610が取得した値のうちの車重に主に関係する値を参照して、車重を推定するにあたり基準となる値(例えば初期値など)を算出する。
なお、本明細書において「〜を参照して」との表現には、「〜を用いて」「〜を考慮して」「〜に依存して」などの意味が含まれ得る。
ECU600は、記憶部630をさらに備えている。記憶部630は、車重の推定またはその過程で得られた値、および、車重の推定に用いられる前述の条件、を格納している。より詳しくは、記憶部630は、上述の各種センサによって第一の通過点T1で取得された値であるT1取得値、上述の各種センサによって第二の通過点T2で取得された値であるT2取得値、推定された車重、推定された複数の車重から求められる平均値である車重平均値、前述のヨーレート条件、車輪速度差条件、横G条件、および車両特性値を格納している。車両特性値は、車両900に特有の値であり、例えば、車輪300の半径Rおよび空気抵抗係数を含む。
記憶部630は、例えば、ECU600が取得したデータを複数格納可能な複数のメモリ領域を含み、個々のメモリ領域は、複数のメモリスロットを含む。上記データは、例えば、車重の推定において同一条件と見なせる時間の範囲において、複数(例えば3〜5)のメモリ領域に跨って、かつ特定のメモリスロットに格納される。メモリ領域の数は、十分な数のT1取得値が格納可能であればよい。メモリスロットの数は、二以上であればよいが、上記の同一条件と見なされるデータ領域の数以上(上記の例では3〜5かそれ以上)であることが、T1取得値を継続して格納可能にする観点から好ましい。
本発明において、車両900は、車重の算出の精度をより一層高める観点から、さらなるセンサを有し、その検出値を取得、参照してもよい。
本発明において、ECU600は、前述の各種のセンサの検出値を、車重の推定に間接的に参照してもよい。たとえば、ECU600は、センサの検出値を、車両900の状態の補正に用いてもよい。より具体的には、ECU600は、車輪速センサ320の検出値を取得、参照して、タイヤ310の半径の補正を行ってもよい。
例えば、車両900は、気温センサをさらに有していてもよく、ECU600は、気温センサで検出される気温を参照し、車両900の空気抵抗係数の補正に用いてもよい。
また、ECU600は、気温センサで検出される気温を参照し、状態1の関連値と状態2の関連値の破棄の判断基準としてもよい。たとえば、通過点T1の気温と通過点T2の気温との差が大きすぎると、タイヤが硬くなることがあり、車重の算出値が真値とはかけ離れた値になることがある。よって、当該気温差が所定の閾値を超えている場合には、ECU600は、状態1の関連値および状態2の関連値、あるいは車重の算出値を破棄してもよい。
他の一例として、車両900は、例えばタイヤ空気圧を検出するセンサをさらに有していてもよい。通過点T1のタイヤ空気圧と通過点T2のタイヤ空気圧との差が大きすぎる場合では、車重の算出値が真値とはかけ離れた値になることがある。よって、ECU600は、通過点T1のタイヤ空気圧と通過点T2のタイヤ空気圧との差が所定の閾値を超えている場合には、状態1の関連値および状態2の関連値、あるいは車重の算出値を破棄してもよい。
他の一例として、車重推定部620は、例えば、状態1および状態2の関連値、ならびに車重の算出値の取扱いギアポジションセンサ540で検出されるギアの位置を参照して、状態1および状態2の関連値、ならびに車重の算出値を採用し、あるいは破棄してもよい。たとえば、車重推定部620は、ギアポジションセンサ540の検出値により、車両900が後進している場合に取得部610が取得した旋回状態パラメータ、あるいは、それを用いて求められた車重の算出値、を破棄してもよい。
他の一例として、車両900は、前述した車重の推定において、車載カメラ、全地球測位システム(GPS)、MAP、レーダー、タイヤ舵角(タイヤの切れ角)などの種々の測定結果をさらに参照してもよい。
[車重の推定]
以下、車重を推定する方法の一形態を説明する。この形態では、記憶部630は、複数のメモリ領域と、メモリ番号0〜4の五つのメモリスロットを含み、車重推定部620は、当該メモリ領域へのデータの格納、および、格納されているデータをT1取得値とし、獲得した各種データをT2取得値とする車重の算出(推定)を行う。
以下、車重を推定する方法の一形態を説明する。この形態では、記憶部630は、複数のメモリ領域と、メモリ番号0〜4の五つのメモリスロットを含み、車重推定部620は、当該メモリ領域へのデータの格納、および、格納されているデータをT1取得値とし、獲得した各種データをT2取得値とする車重の算出(推定)を行う。
[車重の推定の概要]
車重推定部620は、少なくとも、(1)複数の通過点のうちの第一の通過点T1における前後Gセンサ340の値と第一の通過点T1とは異なる第二の通過点T2における前後Gセンサ340の値との差分、(2)第一の通過点T1における駆動力と第二の通過点T2における駆動力との差分、および、(3)第一の通過点T1における走行抵抗値と第二の通過点T2における一種又は複数種の走行抵抗値との差分、を参照して車重を推定する。
車重推定部620は、少なくとも、(1)複数の通過点のうちの第一の通過点T1における前後Gセンサ340の値と第一の通過点T1とは異なる第二の通過点T2における前後Gセンサ340の値との差分、(2)第一の通過点T1における駆動力と第二の通過点T2における駆動力との差分、および、(3)第一の通過点T1における走行抵抗値と第二の通過点T2における一種又は複数種の走行抵抗値との差分、を参照して車重を推定する。
(データの取得)
図3は、本発明の実施形態1に係る車重推定装置による車重の推定に係るデータの求め方の一例を示すフローチャートである。
図3は、本発明の実施形態1に係る車重推定装置による車重の推定に係るデータの求め方の一例を示すフローチャートである。
運転者が運転席にてキーを車両900に設置すると、キーポジションセンサ490は、キーが設置された旨の信号(ON/Ign信号)を発信し、取得部610は、当該信号を取得する。
ステップS301において、車重推定部620は、初期値として、取得部610からON/Ign信号を取得し、車輪半径Rおよび空気抵抗係数Cdを記憶部630から取得する。
ステップS302において、車重推定部620は、各種センサの出力値のデータを取得する。たとえば、取得部610は、所定の間隔で、車両900の前後Gセンサの値(Gsens)を前後Gセンサ340から取得し、車両900の車速(V)を車速センサ450から取得し、車両900の車輪トルク(τ)を車輪トルクセンサ510から取得する。また、取得部610は、所定の間隔で、車両900のヨーレート値γをヨーレート関連値としてヨーレートセンサ350から取得し、また車両900のブレーキ圧をブレーキ圧センサ530から取得する。各種データの取得は、例えば一定の間隔(1回/秒や1回/20m等)で行われる。
ステップS303において、車重推定部620は、その後の演算に向けて、取得したデータの単位および符号を適宜に変換する。
ステップS304において、車重推定部620は、必要に応じて単位、符号が変化されたデータから、その後の演算で用いるのに適当なデータを生成する。たとえば、車重推定部620は、取得した車輪速のデータから、車輪速の四輪の平均値、および、車輪速の後輪の平均値、を算出する。
ステップS305において、車重推定部620は、生成したデータにフィルタリングの処理を施す。たとえば、車重推定部620は、車輪速の後輪の平均値、ヨーレート、前後G、横Gおよび車輪トルクのそれぞれ数値にローパスフィルタ処理を施す。一般に、路面のうねり・凹凸は、車重の推定結果に悪影響を及ぼす。このため、トルク、前後G、横G、ヨーレートおよび車輪速にフィルタリング処理を行い、この悪影響を軽減する。
ステップS306において、車重推定部620は、フィルタリング処理後のデータの微分値を求める。たとえば、車重推定部620は、ヨーレート、前後G、横Gおよび車輪トルクのそれぞれの微分値を求める。
こうしてステップS306までに取得されたデータは、条件に応じて、後述する図4のフローにおいて状態1の関連値(T1取得値)として処理されるとともに、後述する図5のフローにおいて状態2の関連値(T2取得値)として用いられて車重の推定に供される。
(状態1の関連値の取得)
図4は、本発明の実施形態1に係る車重推定装置による車重の推定における状態1の数値の求め方の一例を示すフローチャートである。車重推定部620は、前述した各種データを0〜4番のいずれかのメモリスロットに順に格納していく。
図4は、本発明の実施形態1に係る車重推定装置による車重の推定における状態1の数値の求め方の一例を示すフローチャートである。車重推定部620は、前述した各種データを0〜4番のいずれかのメモリスロットに順に格納していく。
ステップS401において、車重推定部620は、直前にデータを格納したメモリスロットの番号が4か否かを判定する。直前にデータを格納したメモリスロットの番号が4である場合には、車重推定部620は、次にデータを格納すべきメモリスロット(t)として0番のメモリスロットを選択する(ステップS402)。
ステップS403からステップS405において、車重推定部620は、各種データがメモリスロットに格納すべき条件を満たすか否かを判定する。たとえば、ステップS403において、車重推定部620は、車輪速の四輪平均値(WSave)が所定の範囲内(例えば25〜35km/時)であるか否かを判定する。
車輪速の四輪平均値が所定の範囲内である場合には、車重推定部620は、ステップS404において、ブレーキ圧(CP)が0kPaか否かを判定する。
ブレーキ圧が0kPaである場合には、車重推定部620は、ステップS405において、前後Gの数値が1.5m/s2以上か否かを判定する。
前後Gの数値が所定の数値以上である場合には、車重推定部620は、ステップS406において、ステップS306までに獲得したデータを、選択した番号(上記の説明では4番)のメモリスロットに格納する。このように、車重推定部620は、車輪速の四輪の平均値、ブレーキ圧および前後Gに基づいて、格納すべきデータを判定する。
一方で、ステップS401において直前にデータを格納したメモリスロットの番号が4ではない場合には、車重推定部620は、ステップS407において、次にデータを格納すべきメモリスロットとしてt+1番のメモリスロットを選択する。
また、ステップS403からステップS405のそれぞれにおいて、データがメモリスロットに格納すべき条件を満たしていない場合には、車重推定部620は、ステップS408において、選択した番号のメモリスロットにはデータを格納しないことを決定する。
選択した番号のメモリスロットに対して、ステップS406においてデータを格納し、あるいは、ステップS408においてデータを格納しないことを決定すると、車重推定部620は、ステップS302に戻り、各種データの読み込みを実施する。
(車重の推定)
車重推定部620は、ステップS306までに獲得したデータを、前述したように状態1の関連値としてメモリスロットに格納する一方で、既に格納されているデータに対して状態2の関連値として用いて車重の推定を行う。この車重の推定は、大きい番号のメモリスロットから順に行われる。車重の算出は、例えば、状態1の関連値を格納しているメモリ領域のうちの、最新のメモリ領域における状態1の関連値を用いて行われる。図5は、本発明の実施形態1に係る車重推定装置による車重の推定方法の一例を示すフローチャートである。
車重推定部620は、ステップS306までに獲得したデータを、前述したように状態1の関連値としてメモリスロットに格納する一方で、既に格納されているデータに対して状態2の関連値として用いて車重の推定を行う。この車重の推定は、大きい番号のメモリスロットから順に行われる。車重の算出は、例えば、状態1の関連値を格納しているメモリ領域のうちの、最新のメモリ領域における状態1の関連値を用いて行われる。図5は、本発明の実施形態1に係る車重推定装置による車重の推定方法の一例を示すフローチャートである。
ステップS501において、車重推定部620は、状態1の関連値が既に格納されているメモリにおけるメモリスロットの番号(x)を一番大きな番号である4と仮定する。
ステップS502において、車重推定部620は、仮定した番号(4番)のメモリスロットに、データが格納されているか否かを判定する。
仮定した番号のメモリスロットにデータが格納されている場合には、車重推定部620は、ステップS503において、既に格納されているデータを状態1の関連値とし、ステップS306までに獲得したデータを状態2の関連値として、各種データの一部または全部の差分を算出する。たとえば、車重推定部620は、車速、前後Gおよびヨーレートについて、既存のデータと獲得したデータとの差分を算出する。
ステップS504からステップS508において、車重推定部620は、各種データが車重の算出に用いられる条件を満たすか否かを判定する。たとえば、ステップS504において、車重推定部620は、車輪速の四輪の平均が20km/時以上か否かを判定する。
車速速の四輪の平均が20km/時以上である場合には、車重推定部620は、ステップS504において、ブレーキ圧が0kPaか否かを判定する。
ブレーキ圧が0kPaである場合には、車重推定部620は、ステップS506において、既に格納されている前後Gの値と、獲得した前後Gの値との差分の絶対値が1.5m/s2以上か否かを判定する。
前後Gの値の差分の絶対値が上記の所定の数値以上である場合には、車重推定部620は、ステップS507において、既に格納されているヨーレートの値と、獲得したヨーレートの値との差分の絶対値が0.20rad/秒以下であるか否かを判定する。
ヨーレートの値の差分の絶対値が上記の所定の数値以上である場合には、車重推定部620は、ステップS508において、既に格納されている車速の値と、獲得した車速の値との差分の絶対値が1.5km/時以上か否かを判定する。
車速の差分の絶対値が上記の所定の数値以上である場合には、車重推定部620は、ステップS509において、4番(x番)のメモリスロットに既に格納されているデータを状態1の関連値とし、獲得したデータを状態2の関連値とし、ステップS503までに獲得したデータを前述の式8に代入して車重(m)を算出する。
このように、車重推定部620は、第一の通過点T1および第二の通過点T2における旋回状態パラメータが所定の旋回状態パラメータ条件を満たしていると旋回状態パラメータ判断部が判断した場合に車重を推定する。そして、この旋回状態パラメータ条件は、第一の通過点T1と第二の通過点T2とにおける前記旋回状態パラメータの差分の条件を含んでいてよい。旋回状態パラメータ条件が上記差分を含む場合では、旋回状態パラメータ判断部は、当該差分が前記旋回状態パラメータ条件を満たしているかを判断する。
本実施形態では、旋回状態パラメータは、通過点ごとの数値の絶対値の差の絶対値である。これにより、左右旋回を区別せずに管理している。しかしながら、本発明の実施形態において、旋回状態パラメータおよび旋回状態パラメータ条件は、このような絶対値ではなく、左右旋回を区別してもよい。たとえば、旋回状態パラメータ条件は、旋回状態パラメータの実数の差分や、旋回状態パラメータの微分値であってもよい。
車重の推定に際して、||Gsens1|−|Gsens2||が0もしくは0に近い場合は演算が不能になることがあり、あるいは車重の算出値が真値とはかけ離れた大きな値となることがある。そのため、本発明の実施形態において、車重推定部620は、通過点間の前後Gの差分が0またはそれに近い値となることを防止する処理を、前後Gの差分のデータに施してもよい。あるいは、車重推定部620は、算出した前後Gの差分が事前に設定した条件を満たす場合に、当該前後Gの差分を車重の推定に用いてもよい。
ステップS510において、車重推定部620は、算出した車重を記憶する。
ステップS511において、車重推定部620は、記憶している車重のうち、0以外の車重の平均値を算出する。車重の平均値の算出は、例えば、車重平均演算部624によって行うことができる。このようにして、車重推定部620は、車重平均演算部624が算出した車重の平均値を参照して最終的な車重を推定する。上記平均値は、例えば、車重平均演算部624が算出した平均値と最新の推定した車重との平均演算処理によって更新された車重の平均値であってよい。あるいは、上記平均値は、過去に推定した車重に対して、信頼度に応じた重みを用いた加重平均処理により求められる数値であってもよい。
ステップS512において、車重推定部620は、状態1の関連値として用いたデータを格納しているメモリスロットの番号(x)が0か否かを判定する。
状態1の関連値としてデータを格納しているメモリスロットの番号(x)が0である場合には、車重推定部620は、ステップS513において、最も古いデータを格納しているメモリ領域をリセットする。
車重推定部620は、当該メモリ領域のリセットに伴って、当該メモリ領域のデータから算出した車重のデータも合わせて消去してもよい。また、状態1の関連値を格納しているメモリ領域のうちの最新のメモリ領域における全てのメモリスロットに対して上記の車重の算出を完了したら、車重推定部620は、上記の最も古いデータを格納しているメモリ領域のリセットに伴って、ステップS503で獲得したデータ(状態2の関連値)を消去してよい。
次いで、車重推定部620は、ステップS302に戻り、各種データの読み込みを実施する。
一方で、ステップS502において仮定した番号(x)のメモリスロットにデータが格納されていない場合には、車重推定部620は、ステップS514において、メモリスロットの仮定した番号(x)が0であるか否かを判定する。
メモリスロットの仮定した番号(x)が0である場合には、車重推定部620は、ステップS302に戻り、各種データの読み込みを実施する。
メモリスロットの仮定した番号(x)が0ではない場合には、車重推定部620は、ステップS515において、仮定した番号から1を減じた値を、データが既に格納されているメモリスロットの番号と新たに仮定する。そして、車重推定部620は、ステップS502に戻り、新たに仮定した番号のメモリスロットにデータが格納されているか否かを判定する。
また一方で、ステップS504からステップS508のそれぞれにおいて、ステップS503までに獲得した各種データが車重の算出に用いられる条件を満たさない場合には、車重推定部620は、ステップS516において、車重を0と算出する。このように、車重推定部620は、第二の通過点T2における旋回状態パラメータがその所定の条件を満たしていないと旋回状態パラメータ判断部が判断した場合には、推定した車重を破棄する。
さらに一方で、ステップS512において、状態1の関連値として用いたデータを格納しているメモリスロットの番号(x)が0ではない場合には、車重推定部620は、ステップS517において、メモリスロットの仮定した番号から1を減じた値を、データが既に格納されているメモリスロットの番号と新たに仮定する。そして、車重推定部620は、ステップS502に戻り、新たに仮定した番号のメモリスロットにデータが格納されているか否かを判定する。
このようにして、車重推定部620は、データを既に格納しているメモリのメモリスロット中のデータを状態1の関連値とし、当該データに対して、より大きい番号のメモリスロットからより小さい番号のメモリスロットへ順に、ステップS306までに獲得したデータを状態2の関連値として用いて車重を推定する。
[車両の走行に係る状態が変化する場合の車重の推定の実現例]
表1は、走行する車両900において検出される状態1の関連値を記憶部630に格納する様子の一例を示す。表1中、「◎」(二重丸)は、状態1の関連値として可であり、かつ状態2の関連値としても可である(記憶され、演算も行われる)ことを表す。「△」(上向き白抜き三角)は、状態1の関連値として可であるが、状態2の関連値としては不可である(記憶されるが、演算は行わない)ことを表す。「▽」(下向き白抜き三角)は、状態1の関連値として不可であるが、状態2の関連値として可である(記憶されないが、演算は行われる)ことを表す。「×」(バツ)は、状態1の関連値として不可であり、かつ状態2の関連値としての不可である(記憶されず、演算も行われない)ことを表す。
表1は、走行する車両900において検出される状態1の関連値を記憶部630に格納する様子の一例を示す。表1中、「◎」(二重丸)は、状態1の関連値として可であり、かつ状態2の関連値としても可である(記憶され、演算も行われる)ことを表す。「△」(上向き白抜き三角)は、状態1の関連値として可であるが、状態2の関連値としては不可である(記憶されるが、演算は行わない)ことを表す。「▽」(下向き白抜き三角)は、状態1の関連値として不可であるが、状態2の関連値として可である(記憶されないが、演算は行われる)ことを表す。「×」(バツ)は、状態1の関連値として不可であり、かつ状態2の関連値としての不可である(記憶されず、演算も行われない)ことを表す。
このとき、メモリスロットの数は、「サンプリング間隔」と「路面状態が変化しないと考えられる十分短い間隔」との比を考慮し、その比と少なくとも同数設けるのが好ましい。該比よりもメモリスロット数が少ない場合では、メモリの空き領域が存在せず、その結果、想定外の処理が行われることがある。表1は、「路面状態が変化しないと考えられる十分短い間隔」を「サンプリング間隔」の3倍の間隔に設定している例であり、そのため、メモリスロットの数は3となっている。
サンプリングデータ(メモリ領域)No.1時において、データ可否の判断結果は「◎」であるから、この時のデータは「状態1として可、状態2として可」である。したがって、ECU600は、メモリ1に、サンプリングデータNo.1時の車重推定に用いるすべてのパラメータ(前後Gセンサの値、車輪トルク、車速、ヨーレートセンサの値、各車輪速センサの値、横Gセンサの値など)を記憶する。
サンプリングデータNo.1に格納されたデータは、「状態2としても可」であるが、サンプリングデータNo.1にはこのデータしかない(状態1の関連値しかない)ため、例外的に車重の推定演算は行われない。これは、フローチャートでは、ステップS501、502、514および515の循環からステップS302へ進むフローで表される。表1におけるこのようなデータの例外的な表示は、すべてのメモリスロットが空である状態において、データ可否信号「◎」が判断された場合は、例外的に「△」として扱うことを表している。
所定のサンプリング間隔をおいたサンプリングデータNo.2時に取得されたデータは、データ可否の判断結果では「▽」である。すなわち、当該データは、「状態1として不可、状態2として可」である。したがって、ECU600は、この時のパラメータを記憶せず、メモリ1に記憶されているサンプリングデータNo.1時のパラメータと、サンプリングデータNo.2時のパラメータとを用いて車重を演算、推定する。
サンプリングデータNo.3からサンプリングデータNo.6のデータ可否の判断結果は、全て「状態1として可」であるから、空いているメモリスロットに逐次記憶していく。サンプリングデータNo.3、No.4時に取得されたデータは、いずれも「状態2として可」であるから、それらのパラメータと、メモリに記憶されている全ての「状態1として可」であるデータのパラメータと、を用いて車重を演算、推定する。
サンプリングデータNo.7時に取得されたデータは、データ可否の判断結果では「▽」である。すなわち、当該データは、「状態1として不可、状態2として可」である。したがって、サンプリングデータNo.2時と同様に、ECU600は、サンプリングデータNo.7時のパラメータを記憶はせず、メモリ1とメモリ2とに記憶されているサンプリングデータNo.5、No.6時それぞれのパラメータと、サンプリングデータNo.7時のパラメータとを用いて車重を演算、推定する。
サンプリングデータNo.8、No.10時に取得されたデータは、データ可否の判断結果では「×」である。すなわち、当該データは、「状態1として不可、状態2として不可」である。したがって、ECU600は、この時のパラメータを記憶しない。また、サンプリングデータNo.8、No.10時では、メモリスロットには「状態1として可」であるデータが記憶されているが、車重の演算および推定を行わない。
サンプリングデータNo.9時に取得されたデータの処理は、サンプリングデータNo.1時のデータの処理と同様である。サンプリングデータNo.11時に取得されたデータの処理は、サンプリングデータNo.2時のデータの処理と同様である。
このようにして、記憶部630には、車両900の状態制御のための各種データが、状態1の関連値としての条件を満たすことを条件に所定の間隔で取得され、格納される。そして、格納されているデータに対して新たに取得されたデータが、状態2の関連値としての条件を満たすことを条件に、格納されているデータと演算される。こうして、走行中の車両900の車重が精度よく推定される。
〔作用、効果〕
前述したロジックの説明から明らかなように、前後Gセンサ340の出力値Gsensには、重力加速度の傾き角分が重畳している。該傾き角は、車両のピッチ角と路面の勾配角とを含む(以下、「傾き角関連値」とする)。本実施形態における車重推定の基幹ロジックでは、運動方程式の加速度成分aとしてGセンサの値Gsensを用いている。よって、本実施形態における車重の推定において検出されるべき車両の走行状態を表すパラメータは、Gsensを変化させる作用を有するパラメータであればよく、駆動源の出力による加減速挙動でなくてもよい。
前述したロジックの説明から明らかなように、前後Gセンサ340の出力値Gsensには、重力加速度の傾き角分が重畳している。該傾き角は、車両のピッチ角と路面の勾配角とを含む(以下、「傾き角関連値」とする)。本実施形態における車重推定の基幹ロジックでは、運動方程式の加速度成分aとしてGセンサの値Gsensを用いている。よって、本実施形態における車重の推定において検出されるべき車両の走行状態を表すパラメータは、Gsensを変化させる作用を有するパラメータであればよく、駆動源の出力による加減速挙動でなくてもよい。
たとえば、重力加速度の傾き角関連値分の加速度が車両900に発生していれば、車両900の駆動力が変化していなくても、該傾きによって変化した車速によって車重の推定を行うことが可能である。この場合で必要なのは、前後Gセンサ340の値Gsensの状態1と状態2との間での変動の発生である。よって、本実施の形態に係る車重の推定では、車両900は、勾配センサなどの車両900以外の状態を検出する手段を備えずともよい。
したがって、通過点T1(状態1)と通過点T2(状態2)において路面の勾配が変化している場合であっても車重の推定が可能であり、車重を推定する機会は、従来技術のそれに比べて多くなる。よって、複数の算出した車重を平均化処理し最終的な車重と推定する場合に、推定される車重の精度を十分に高める観点から極めて有利である。
このように、本実施形態では、走行中の車両900に発生している各種の抵抗値のうち、相殺する抵抗値と相殺しない抵抗値を選び、このように限定された抵抗値の検出値に基づいて車重を推定する。よって、本実施形態では、従来技術に比べ、より早く、そしてより高い精度で車重を推定することが可能である。
また、本実施形態における旋回状態パラメータであるヨーレートおよびその関連値、横Gおよびその関連値、ならびに、左右車輪速差差分およびその関連値は、全て車両900に発生した旋回挙動、つまり車両900の出力を示す値である。そのため、ECU600が車両900の旋回状態または旋回挙動を判別する際に、運転操作の操作量、例えば操舵輪角度(つまり運転操作の入力の値)を用いるよりも、車両900の旋回状態または旋回挙動をより精度よく判別することができる。これは、車両900の運転操作の入力、例えば車両900の操舵輪の操作、から車両900の現実の旋回挙動までの間に、機械損失的な時間ロスを伴うことから、該運転操作が実際の旋回挙動に即時反映されるわけではないためである。
より具体的に説明すると、操舵輪の操作を旋回挙動として捉え、その瞬間の車両の駆動力の値などを旋回挙動に対応する値としてサンプリングしたとする。しかしながら、前述の通り、操舵輪の操作という入力に対する旋回という出力への反映は、例えば操舵輪の操作であれば、ステアリングシャフトの捩れなどの機械損失的なロスがあるため、必ず位相ずれを伴う。したがって、操舵輪の操作を実際の旋回挙動とみなす上記サンプリングでは、実際の旋回挙動の発生時とは異なるタイミングにおける車両の駆動力の値などを記憶することになる。このため、このように記憶した車両の駆動力の値などを用い、操舵輪の操作を参照して車重を推定した場合には、上記の位相ずれの分だけ、車重の推定の精度が低くなることがある。
このような精度の問題の解決策としては、車重の推定の過程において、上記位相ずれを補償するための処理を追加することが考えられる。しかしながら、このような解決策は、車重を推定する演算の負荷を増大させるため、車重推定装置においてより処理能力の高い素子を使う必要が生じることがある。その結果、コストの増大を招くことがある。
一方、本実施形態では、上記旋回状態パラメータは、その時々の単なる車両状態を表す出力値であるから、上記旋回状態パラメータの取得時と車両の駆動力の値などとの間に位相ずれはほぼないと言ってよい。このような理由からも、本実施の形態は、従来技術よりも低負荷かつ高い精度の車重推定を可能としている。
上記の位相ずれは、例えば図6に示される。図6の(A)は、30°/秒で操舵による旋回を行った車両における操舵輪舵角、後輪の左右車輪速差、ヨーレートおよびの転がり抵抗の挙動を示す図である。図6の(B)は、60°/秒で操舵による旋回を行った車両における操舵輪舵角、後輪の左右車輪速差、ヨーレートおよびの転がり抵抗の挙動を示す図である。図6の(C)は、120°/秒で操舵による旋回を行った車両における操舵輪舵角、後輪の左右車輪速差、ヨーレートおよびの転がり抵抗の挙動を示す図である。車両の旋回挙動に対して、操舵輪舵角は入力要素であり、その他は出力要素である。図6における縦軸の目盛りは、紙面に対して左側から「転がり抵抗」、「操舵輪舵角」、「ヨーレート」および「後輪の左右車輪速差」である。図6から明らかなように、旋回による転がり抵抗、ヨーレート、後輪の左右車輪速差、および操舵輪舵角は、いずれも周期的な挙動を示す。そして、転がり抵抗、ヨーレートおよび左右車輪速差は、この順でより長周期側にずれるが、そのずれ幅は十分に小さい。これに対して、操舵輪舵角は、これらの出力要素に対して、明らかに大きくずれている。
〔実施形態1のまとめ〕
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るECU600は、車両の重量を推定する車重推定装置であって、取得部610と車重推定部620とを備える。取得部610は、所定の時間間隔を置いた複数の通過点のそれぞれでの前後Gセンサ340の値と、複数の通過点のそれぞれで車両に働く駆動力および走行抵抗値と、を取得する。車重推定部620は、複数の通過点のうちの第一の通過点T1における前後Gセンサ340の値と当該第一の通過点T1とは異なる第二の通過点T2における前後Gセンサ340の値との差分と、第一の通過点T1および第二の通過点T2における駆動力の差分と、第一の通過点T1および第二の通過点T2における一種又は複数種の走行抵抗値の差分とを参照して車重を推定する。よって、ECU600は、車両への入力操作を参照して車重を推定する従来の方法に比べて、走行中の車両の車重を精度よく推定することができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るECU600は、車両の重量を推定する車重推定装置であって、取得部610と車重推定部620とを備える。取得部610は、所定の時間間隔を置いた複数の通過点のそれぞれでの前後Gセンサ340の値と、複数の通過点のそれぞれで車両に働く駆動力および走行抵抗値と、を取得する。車重推定部620は、複数の通過点のうちの第一の通過点T1における前後Gセンサ340の値と当該第一の通過点T1とは異なる第二の通過点T2における前後Gセンサ340の値との差分と、第一の通過点T1および第二の通過点T2における駆動力の差分と、第一の通過点T1および第二の通過点T2における一種又は複数種の走行抵抗値の差分とを参照して車重を推定する。よって、ECU600は、車両への入力操作を参照して車重を推定する従来の方法に比べて、走行中の車両の車重を精度よく推定することができる。
また、車両の重量を推定する車重推定方法は、(1)所定の時間間隔を置いた複数の通過点のそれぞれでの前後Gセンサ340の値と、複数の通過点のそれぞれで車両に働く駆動力および走行抵抗値と、を取得するステップと、(2)複数の通過点のうちの第一の通過点T1における前後Gセンサ340の値と、第一の通過点T1とは異なる第二の通過点T2における前後Gセンサ340の値との差分と、第一の通過点T1における駆動力と第二の通過点T2における駆動力との差分と、第一の通過点T1における走行抵抗値と第二の通過点T2における一種又は複数種の走行抵抗値との差分と、を参照して車重を推定するステップ、とを有する。よって、ECU600は、車両への入力操作を参照して車重を推定する従来の方法に比べて、走行中の車両900の車重を精度よく推定することができる。
さらに、取得部610は、第一の通過点T1および第二の通過点T2における車両の旋回状態を示す旋回状態パラメータをさらに取得し、車重推定部620は、取得部610が取得した旋回状態パラメータのうちの、第一の通過点T1における前記旋回状態パラメータと第二の通過点T2における旋回状態パラメータとが、所定の旋回状態パラメータ条件を満たしているかを判断する旋回状態パラメータ判断部をさらに備える。そして、第一の通過点T1における旋回状態パラメータおよび第二の通過点T2における旋回状態パラメータが旋回状態パラメータ条件を満たしていると旋回状態パラメータ判断部が判断した場合に車重を推定する。この構成によれば、車両900の車重の推定において、旋回状態を示す車両情報を精度よく、かつ簡易に参照する観点からより効果的である。
さらには、旋回状態パラメータ条件は、第一の通過点T1における旋回状態パラメータと前記第二の通過点T2における旋回状態パラメータとの差分の条件を含み、旋回状態パラメータ判断部は、当該差分が旋回状態パラメータ条件を満たしているかを判断する。この構成によれば、車両900の車重の推定において、旋回状態を示す車両情報を精度よく、かつ簡易に参照する観点からより一層効果的である。
また、上記の観点から、例えば、旋回状態パラメータ判断部は、取得部610が取得した旋回状態パラメータが所定の閾値より大きい場合に、当該取得した旋回状態パラメータを破棄してよい。
さらに、本実施の形態において、旋回状態パラメータ判断部が、取得部610が取得た旋回状態パラメータに基づいて閾値を更新することは、車重の推定の精度を高める観点からより一層効果的である。このような観点から、例えば、ヨーレート関連値判断部621は、取得部610が取得したヨーレートの関連値に基づいてその閾値を更新してよい。
本実施形態において、旋回状態パラメータは、車両に発生するヨーレートおよびその関連値の一方または両方、車輪速の左右差およびその関連値の一方または両方、および、車両に発生している横Gセンサの値およびその関連値の一方または両方、の少なくともいずれか一つからなる値であってよい。また、本実施形態において、走行抵抗値は、車両に発生する空気抵抗に関連する値、車両のピッチ角や路面勾配等の傾き角関連値による抵抗、路面材質やタイヤ変形に関連する値、の少なくともいずれか一つからなる値であってよい。
さらに、本実施の形態において、車重推定部620は、推定した複数の車重の平均演算処理をする車重平均演算部624をさらに備え、車重平均演算部624が算出した車重の平均値を参照して最終的な車重を推定してもよい。この構成は、車重の推定の信頼性を高める観点からより効果的である。この構成について、車重平均演算部624が算出した平均値と最新の推定した車重との平均演算処理によって更新された車重の平均値を車重推定部620が最終的な車重として推定することは、上記の観点からより一層効果的である。また、上記構成について、車重推定部620が過去に推定した車重に対して、信頼度に応じた重みを用いた加重平均処理を行うことにより、最終的な車重を求めることも、上記の観点からより一層効果的である。
本実施の形態において、取得部610は、取得した前後Gセンサ340の値と、駆動力と、走行抵抗値とに重畳しているノイズを軽減させるためのローパスフィルタ処理を行う処理部611をさらに備える。この構成は、路面状態による車重の推定結果への悪影響を軽減する観点からより一層効果的である。
また、本実施の形態において、車重を推定する前に、第一の通過点における旋回状態パラメータおよび第二の通過点における旋回状態パラメータの一方または両方が旋回状態パラメータ条件を満たしていないと旋回状態パラメータ判断部が判断した場合に、推定した車重を破棄することは、車重の推定の演算速度を高める観点および車重の推定の精度を高める観点からより効果的である。たとえば、車重推定部620は、前述したように、ステップS507において、第二の通過点T2におけるヨーレートの関連値が上記のヨーレート条件を満たしていないとヨーレート関連値判断部621が判断した場合に、車重として0を算出している。
〔他の実施形態〕
以下、本発明の他の実施形態を説明する。前述の実施形態1に対して変更される点のみを説明し、重複する説明については繰り返さない。
以下、本発明の他の実施形態を説明する。前述の実施形態1に対して変更される点のみを説明し、重複する説明については繰り返さない。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態において、車両900は、上述の構成の全てを含む必要はなく、上述の構成の一部を含む構成としてもよい。また、前述した実施形態1で説明した各構成を公知のものと置き換えてもよい。
本発明の実施形態において、車両900は、上述の構成の全てを含む必要はなく、上述の構成の一部を含む構成としてもよい。また、前述した実施形態1で説明した各構成を公知のものと置き換えてもよい。
本実施形態の車重推定部620は、推定した車重が所定の数値(基準値)から許容される許容範囲に収まっているかをさらに判断し、推定した車重が当該許容範囲に収まっていない場合に、推定した車重を破棄し、上記の所定の数値を推定した車重として出力する。上記の構成は、車重の推定の信頼性を維持し、かつ車重の推定の演算速度をより高める観点からより効果的である。
当該車重の基準値は、例えば、車両900の仮の総重量であってよい。当該仮の総重量は、例えば、車両900の乾燥重量と、フューエルセンサ360が検出したガソリン残量と、ドア開閉センサ550が検出した、開いたフロアドアの数に人間一人分相当の重量を乗じた値と、ドア開閉センサ550がバックドアの開閉を検出した場合には所定の重量と、の加算値として車重基準値算出部625によって求められる。
本実施形態において、車重基準値算出部625は、車両900の仮の総重量の算出において、車両900におけるシートベルトの着用の有無をさらに参照してもよい。シートベルトの着用を参照することにより、車両900に搭乗している人間の数をより高い精度で把握される。搭乗者数の高い精度での把握は、例えば車両900の重量の下限値の設定に有効であり、上記仮の総重量の信頼性をより一層高める観点から好ましい。
本実施形態において、車重基準値算出部625が算出する車重の基準値は、上記の仮の総重量以外の値であってもよく、例えば、前回の推定車重、過去n回分の平均値、または車両の装備重量であってもよい。
[実施形態3]
本実施形態として、傾き角関連値を用いる実現例を説明する。取得部610は、車両900の傾き具合を検知する傾き角関連値検出部をさらに備えていてもよい。ここで、傾き角は、前述したように車両のピッチ角と路面の勾配角とを含む。傾き角関連値は、例えば前述した前後Gセンサ340の出力値Gsensである。
本実施形態として、傾き角関連値を用いる実現例を説明する。取得部610は、車両900の傾き具合を検知する傾き角関連値検出部をさらに備えていてもよい。ここで、傾き角は、前述したように車両のピッチ角と路面の勾配角とを含む。傾き角関連値は、例えば前述した前後Gセンサ340の出力値Gsensである。
該傾き角関連値検出部は、例えば、車両900のピッチ角関連値検出部および路面の勾配角検出部の少なくとも一つを備えている。
本実施形態では、例えば、ピッチ角検出部として、車両900のピッチ角を検出するピッチ角センサと、車両のピッチレートを検出するピッチレートセンサと、懸架装置のストローク量を検出することによって車両のピッチ角およびピッチレートを検出するストロークセンサと、を備えている。
また、勾配角検出部は、例えば、前方の路面の物理的な情報を取得し、処理することによって勾配角を検出するレーダーおよびカメラと、現在位置と地形情報を取得し、照合することによって勾配角を取得する勾配角取得部と、を備えている。勾配角取得部は、例えば、現在位置を例えばGPS情報を参照することで取得することができ、地形情報を事前に車両900の記憶装置に書き込むことができ、あるいは、無線通信等によって取得することができる。
傾き角関連値検出部が取得した情報を参照して車重を推定する方程式は、下記式18のように表され、例えば以下のように導出される。まず、前述の式1を展開すると式15が得られる。
ここで、θpは十分小さいとして、sinθpおよびcosθpについて下記のような近似を行い、下記式16および式17を導出する。
前述の式5に、上記式3、上記式4および上記式17を代入し、以下に示す式18を導出する。
式18によれば、状態1と状態2とで車両のピッチ角や路面の勾配角を取得することで、より車重推定の式をより詳述することができる為、さらに精度高く車重を推定することができる。
また、ピッチ角関連値取得部のみを傾き関連値取得部として備える車両の場合は、Ggravの項を演算することはできないため、推定精度が十分期待できるGgravの項の値の大きさGgravLMT1を事前に求めておく。ここで、状態1と状態2とで式18aの値が最大の値を取ったと仮定しても、Ggravの項の値の大きさがGgravLMT1よりも小さくなるような式18bの値についての閾値TSD3を設定しておく。そして、式18bの値がTSD3以下となる関係が成り立つ場合に車重を推定することで、精度高く車重を推定することができる。
一方で、勾配角関連値取得手段のみを傾き関連値取得手段として備える車両の場合も、Ggravの項を演算することはできないため、推定精度が十分期待できるGgravの項の値の大きさGgravLMT2を事前に求めておく。ここで、下記式18cで示されるように、ピッチ角が状態1と状態2とで入力によって変化しないと仮定し、前述の式18を下記19に変形させる。
このとき、θpが最大の値を取ったと仮定しても、Ggravの項の値の大きさがGgravLMT2よりも小さくなるような式18aの値についての閾値TSD4を設定しておく。そして、式18aの値がTSD4以下となる関係が成り立つ場合に車重を推定することで、より精度高く車重を推定することができる。
[ソフトウェアによる実現例]
ECU600の制御ブロック(特に取得部610および車重推定部620)は、集積回路(ICチップ)などに形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
ECU600の制御ブロック(特に取得部610および車重推定部620)は、集積回路(ICチップ)などに形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、ECU600は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)などの他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波など)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
[むすび]
前述した説明から明らかなように、当該発明に係る車重推定装置は、車両の旋回挙動による検出値を用いて車重推定を行っている。
前述した説明から明らかなように、当該発明に係る車重推定装置は、車両の旋回挙動による検出値を用いて車重推定を行っている。
実際に車両に発生している物理現象をより厳密に参照しているため、本発明は従来技術よりも精度よく車重推定を行うことができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
100 懸架装置
200 車体
300 車輪
310 タイヤ
320 車輪速センサ
330 横Gセンサ
340 前後Gセンサ
350 ヨーレートセンサ
360 フューエルセンサ
410 操舵部材
420 ステアリングシャフト
430 操舵トルクセンサ
440 舵角センサ
450 車速センサ
460 トルク印加部
470 ラックピニオン機構
480 ラック軸
490 キーポジションセンサ
500 エンジン
510 車輪トルクセンサ
520 エンジン回転数センサ
530 ブレーキ圧センサ
540 ギアポジションセンサ
550 ドア開閉センサ
600 ECU(車重推定装置)
610 取得部
611 処理部
620 車重推定部
621 ヨーレート関連値判断部
622 車輪速度関連値判断部
623 横G関連値判断部
624 車重平均演算部
625 車重基準値算出部
630 記憶部
700 発電装置
800 バッテリ
900 車両
200 車体
300 車輪
310 タイヤ
320 車輪速センサ
330 横Gセンサ
340 前後Gセンサ
350 ヨーレートセンサ
360 フューエルセンサ
410 操舵部材
420 ステアリングシャフト
430 操舵トルクセンサ
440 舵角センサ
450 車速センサ
460 トルク印加部
470 ラックピニオン機構
480 ラック軸
490 キーポジションセンサ
500 エンジン
510 車輪トルクセンサ
520 エンジン回転数センサ
530 ブレーキ圧センサ
540 ギアポジションセンサ
550 ドア開閉センサ
600 ECU(車重推定装置)
610 取得部
611 処理部
620 車重推定部
621 ヨーレート関連値判断部
622 車輪速度関連値判断部
623 横G関連値判断部
624 車重平均演算部
625 車重基準値算出部
630 記憶部
700 発電装置
800 バッテリ
900 車両
Claims (15)
- 車両の重量を推定する車重推定装置であって、
取得部と車重推定部とを備え、
前記取得部は、
所定の時間間隔を置いた複数の通過点のそれぞれでの前後Gセンサの値と、
前記複数の通過点のそれぞれで車両に働く駆動力および走行抵抗値と、を取得し、
前記車重推定部は、
前記複数の通過点のうちの第一の通過点における前後Gセンサの値と、当該第一の通過点とは異なる第二の通過点における前後Gセンサの値との差分と、
前記第一の通過点における駆動力と前記第二の通過点における駆動力との差分と、
前記第一の通過点における走行抵抗値と前記第二の通過点における一種又は複数種の走行抵抗値との差分と、
を参照して車重を推定する
ことを特徴とする車重推定装置。 - 前記取得部は、前記第一の通過点および前記第二の通過点における車両の旋回状態を示す旋回状態パラメータをさらに取得し、
前記車重推定部は、
前記取得部が取得した前記旋回状態パラメータのうちの、前記第一の通過点における前記旋回状態パラメータと前記第二の通過点における前記旋回状態パラメータとが、所定の旋回状態パラメータ条件を満たしているかを判断する旋回状態パラメータ判断部をさらに備え、
前記第一の通過点における前記旋回状態パラメータおよび前記第二の通過点における前記旋回状態パラメータが前記旋回状態パラメータ条件を満たしていると前記旋回状態パラメータ判断部が判断した場合に車重を推定する、
請求項1に記載の車重推定装置。 - 前記取得部は、前記第一の通過点および前記第二の通過点における車両の旋回状態を示す旋回状態パラメータをさらに取得し、
前記車重推定部は、
前記取得部が取得した前記旋回状態パラメータのうちの、前記第一の通過点における前記旋回状態パラメータと前記第二の通過点における前記旋回状態パラメータとが、所定の旋回状態パラメータ条件を満たしているかを判断する旋回状態パラメータ判断部をさらに備え、
車重を推定したのちに、前記第一の通過点における前記旋回状態パラメータおよび前記第二の通過点における前記旋回状態パラメータが前記旋回状態パラメータ条件を満たしていないと前記旋回状態パラメータ判断部が判断した場合に推定した車重を破棄する、
請求項1に記載の車重推定装置。 - 前記旋回状態パラメータ条件は、前記第一の通過点における前記旋回状態パラメータと前記第二の通過点における前記旋回状態パラメータとの差分の条件を含み、
前記旋回状態パラメータ判断部は、前記差分が前記旋回状態パラメータ条件を満たしているかを判断する、
請求項2または3に記載の車重推定装置。 - 前記旋回状態パラメータ判断部は、前記取得部が取得した前記旋回状態パラメータが所定の閾値より大きい場合に、当該取得した前記旋回状態パラメータを破棄する、
請求項2〜4のいずれか一項に記載の車重推定装置。 - 前記旋回状態パラメータ判断部は、前記取得部が取得した前記旋回状態パラメータに基づいて前記閾値を更新する、請求項5に記載の車重推定装置。
- 前記旋回状態パラメータは、
車両に発生するヨーレートおよびその関連値の一方または両方、
車輪速の左右差およびその関連値の一方または両方、
車両に発生している横Gセンサの値およびその関連値の一方または両方、
の少なくともいずれか一つからなる値である、
請求項2〜6のいずれか一項に記載の車重推定装置。 - 前記走行抵抗値は、
車両に発生する空気抵抗に関連する値、
路面材質やタイヤ変形に関連する値、
の少なくともいずれか一つからなる値である、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の車重推定装置。 - 前記取得部は、車両の傾き角関連値を得る傾き角関連値取得部をさらに備え、
前記車重推定部は、前記傾き角関連値取得部が取得した前記車両の傾き角関連値をさらに参照して車重を推定する、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の車重推定装置。 - 前記車重推定部は、推定した複数の前記車重の平均演算処理をする車重平均演算部をさらに備え、前記車重平均演算部が算出した車重の平均値を参照して最終的な車重を推定する、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の車重推定装置。 - 前記車重推定部は、前記車重平均演算部が算出した平均値と最新の推定した車重との平均演算処理によって更新された車重の平均値を最終的な車重として推定する、
請求項10に記載の車重推定装置。 - 前記車重推定部は、過去に推定した車重に対して、信頼度に応じた重みを用いた加重平均処理を行うことにより、最終的な車重を求める、
請求項10または11に記載の車重推定装置。 - 前記車重推定部は、推定した車重が所定の数値から許容される許容範囲に収まっているかをさらに判断し、推定した車重が前記許容範囲に収まっていない場合に、推定した車重を破棄し、前記所定の数値を推定した車重とする、
請求項11〜12のいずれか一項に記載の車重推定装置。 - 前記取得部は、取得した前後Gセンサの値と、駆動力と、走行抵抗値とに重畳しているノイズを軽減させるためのローパスフィルタ処理を行う処理部をさらに備える、
請求項1〜13のいずれか一項に記載の車重推定装置。 - 車両の重量を推定する車重推定方法であって、
所定の時間間隔を置いた複数の通過点のそれぞれでの前後Gセンサの値と、
前記複数の通過点のそれぞれで車両に働く駆動力および走行抵抗値と、を取得するステップと、
前記複数の通過点のうちの第一の通過点における前後Gセンサの値と、当該第一の通過点とは異なる第二の通過点における前後Gセンサの値との差分と、
前記第一の通過点における駆動力と前記第二の通過点における駆動力との差分と、
前記第一の通過点における走行抵抗値と前記第二の通過点における一種又は複数種の走行抵抗値との差分と、
を参照して車重を推定するステップと、
を有する車重推定方法。
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JP2022007678A (ja) * | 2020-06-26 | 2022-01-13 | 日立Astemo株式会社 | 車両重量推定装置および車両 |
WO2023188445A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | 株式会社アドヴィックス | 車両制御システム |
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2018
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WO2023188445A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | 株式会社アドヴィックス | 車両制御システム |
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