JP2023149532A - 両回転式スクロール型圧縮機 - Google Patents

両回転式スクロール型圧縮機 Download PDF

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友次 橋本
Tomoji Hashimoto
和也 本田
Kazuya Honda
裕之 小林
Hiroyuki Kobayashi
洋介 稲垣
Yosuke Inagaki
彬人 管原
Akito Sugawara
圭史朗 武藤
keishiro Muto
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents

Abstract

【課題】静粛性に優れた両回転式スクロール型圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の両回転式スクロール型圧縮機は、駆動スクロール30及び従動スクロール40等を備えている。駆動スクロール30は駆動端板31と駆動渦巻体33とを有している。従動スクロール40は従動端板41と従動渦巻体43とを有している。駆動端板31には駆動側肉厚部31Aが形成されている。従動端板41には従動側肉厚部41Aが形成されている。駆動渦巻体33には駆動渦巻短部33Aが形成されている。従動渦巻体43には従動渦巻短部43Aが形成されている。駆動側肉厚部31A及び駆動渦巻短部33Aは、駆動渦巻体33の重心G10を駆動軸心R1と一致又は近づける位置に配置されており、従動側肉厚部41A及び従動渦巻短部43Aは、従動渦巻体43の重心G20を従動軸心R2と一致又は近づける位置に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は両回転式スクロール型圧縮機に関する。
特許文献1に従来のスクロール型圧縮機が開示されている。このスクロール型圧縮機は、駆動機構、固定スクロール、従動機構、従動スクロール及びハウジングを備えている。
駆動機構は、ハウジング内に延びる回転シャフトを有している。固定スクロールはハウジング内に固定されている。従動スクロールはハウジング内に設けられており、回転シャフトと接続している。従動スクロールは、回転シャフトとともに駆動軸心周りで回転可能である。従動機構は、従動スクロールの自転を防止しつつ、従動スクロールとハウジングとを連結している。
より詳しくは、固定スクロールは、固定端板及び固定渦巻体を有している。固定端板は、駆動軸心と直交して延びている。固定渦巻体は、固定端板から従動スクロールに向かって駆動軸心と平行に突出しており、駆動軸心周りで渦巻状をなしている。
従動スクロールは、従動端板及び従動渦巻体を有している。従動端板は、駆動軸心と直交して延びている。従動渦巻体は、従動端板から固定スクロールに向かって駆動軸心と平行に突出しており、駆動軸心周りで渦巻状をなしている。
このスクロール型圧縮機では、固定スクロール及び従動スクロールが固定渦巻体及び従動渦巻体を対向させることによって圧縮室を形成している。そして、従動スクロールが駆動軸心周りで回転することにより、圧縮室の容積が変化する。これにより、吸入室内の冷媒ガスが圧縮室に吸入されて圧縮される。そして、圧縮室で圧縮された冷媒ガスは外部に吐出される。
また、このスクロール型圧縮機では、従動端板において、従動渦巻体が形成される側の面とは反対側の面に複数の肉盗部が形成されている。これにより、このスクロール型圧縮機では、従動渦巻体の静バランスを修正し、駆動渦巻体の重心と駆動軸心とを可及的に近づけることで、従動スクロールの回転時における騒音を抑制している。
特許第5512436号公報
上記従来のスクロール型圧縮機では、従動渦巻体に形成された複数の肉盗部によって、従動渦巻体の静バランスを修正できる反面、従動渦巻体の動バランスは著しく悪化してしまう。ここで、このスクロール型圧縮機のように、固定スクロールがハウジングに固定され、従動スクロールのみが駆動軸心周りで回転しつつ流体を圧縮する構成では、従動渦巻体における動バランス悪化は、静粛性にさほど影響を及ぼさない。
しかし、スクロール型圧縮機には、駆動スクロールが駆動軸心周りで回転駆動するとともに、従動スクロールが従動軸心周りで回転従動することによって流体の圧縮を行う両回転式スクロール型圧縮機も存在する。このような両回転式スクロール型圧縮機において静粛性の向上を図るためには、静バランスの修正だけでなく、動バランスの悪化を抑制することも求められる。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、静粛性に優れた両回転式スクロール型圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の第1の両回転式スクロール型圧縮機は、駆動機構、駆動スクロール、従動機構、従動スクロール及びハウジングを備え、
前記駆動スクロールは、前記駆動機構によって駆動軸心周りで回転駆動され、
前記従動スクロールは、前記駆動スクロールに対して偏心する従動軸心周りで前記駆動スクロール及び前記従動機構によって回転従動され、
前記駆動スクロールは、前記駆動軸心と交差して延びる駆動端板と、前記駆動端板から前記従動スクロールに向かって前記駆動軸心と平行に突出し、渦巻状をなす駆動渦巻体とを有し、
前記従動スクロールは、前記従動軸心と交差して延びる従動端板と、前記従動端板から前記駆動スクロールに向かって前記従動軸心と平行に突出し、渦巻状をなす従動渦巻体とを有し、
前記駆動スクロール及び前記従動スクロールは、前記駆動渦巻体及び前記従動渦巻体とが互いに対向することで圧縮室を形成するとともに、前記回転駆動及び前記回転従動によって前記圧縮室の容積を変化させる両回転式スクロール型圧縮機において、
前記駆動渦巻体の重心を前記駆動軸心に一致又は近づけるように、前記駆動端板の前記駆動渦巻体側の面に対して前記従動端板に向かって膨出する駆動側肉厚部が形成されるか、又は、前記駆動渦巻体に対して前記駆動渦巻体の前記従動端板に向かって延びる最も長い部分の長さより長さが短い駆動渦巻短部が形成され、
前記駆動側肉厚部が形成された場合は、前記従動渦巻体に対して前記駆動側肉厚部との干渉を回避可能に、前記従動渦巻体の前記駆動端板に向かって延びる最も長い部分の長さより長さが短い従動渦巻短部が形成され、
前記駆動渦巻短部が形成された場合は、前記従動端板の前記従動渦巻体側の面に対して前記駆動渦巻短部に向かって膨出する従動側肉厚部が形成されていることを特徴とする。
本発明の第1の両回転式スクロール型圧縮機では、駆動側肉厚部又は駆動渦巻短部によって、駆動渦巻体の重心を駆動軸心に一致又は近づけることができる。
ここで、駆動側肉厚部は駆動端板における駆動渦巻体側の面に形成される。このため、駆動スクロールが回転駆動する際に駆動渦巻体に作用する遠心力を相殺するに当たり、駆動端板における駆動渦巻体側とは反対の面にウェイトを設ける場合に比べて、駆動側肉厚部は駆動渦巻体に近い位置で遠心力を相殺することができる。これにより、駆動側肉厚部は、駆動渦巻体に作用する遠心力を好適に相殺できる。
また、駆動渦巻体に形成された駆動渦巻短部は、駆動渦巻体における肉盗部として機能する。換言すれば、駆動渦巻体自体に肉盗部が形成されることになる。このため、駆動端板における駆動渦巻体側とは反対の面に肉盗部を設ける場合に比べて、駆動渦巻短部は駆動渦巻体に近い位置で遠心力を相殺することができる。これにより、駆動渦巻短部も駆動渦巻体に作用する遠心力を好適に相殺できる。
こうして、第1の両回転式スクロール型圧縮機では、駆動渦巻体の静バランスを修正しつつ、駆動渦巻体の動バランスの悪化を抑制できる。
したがって、本発明の第1の両回転式スクロール型圧縮機は、静粛性に優れている。
本発明の第2の両回転式スクロール型圧縮機は、駆動機構、駆動スクロール、従動機構、従動スクロール及びハウジングを備え、
前記駆動スクロールは、前記駆動機構によって駆動軸心周りで回転駆動され、
前記従動スクロールは、前記駆動スクロールに対して偏心する従動軸心周りで前記駆動スクロール及び前記従動機構によって回転従動され、
前記駆動スクロールは、前記駆動軸心と交差して延びる駆動端板と、前記駆動端板から前記従動スクロールに向かって突出し、渦巻状をなす駆動渦巻体とを有し、
前記従動スクロールは、前記従動軸心と交差して延びる従動端板と、前記従動端板から前記駆動スクロールに向かって突出し、渦巻状をなす従動渦巻体とを有し、
前記駆動スクロール及び前記従動スクロールは、前記駆動渦巻体及び前記従動渦巻体とが互いに対向することで圧縮室を形成するとともに、前記回転駆動及び前記回転従動によって前記圧縮室の容積を変化させる両回転式スクロール型圧縮機において、
前記従動渦巻体の重心を前記従動軸心に一致又は近づけるように、前記従動端板の前記従動渦巻体側の面に対し前記駆動端板に向かって膨出する従動側肉厚部が形成されるか、又は、前記従動渦巻体に対し前記従動渦巻体の前記駆動端板に向かって延びる最も長い部分の長さより長さが短い従動渦巻短部が形成され、
前記従動側肉厚部が形成された場合は、前記駆動渦巻体に対し前記従動側肉厚部との干渉を回避可能に前記駆動渦巻体の前記従動端板に向かって延びる最も長い部分の長さより長さが短い駆動渦巻短部が形成され、
前記従動渦巻短部が形成された場合は、前記駆動端板の前記従動渦巻体側の面に対し前記従動渦巻端部に向かって膨出する駆動側肉厚部が形成されていることを特徴とする。
本発明の第2の両回転式スクロール型圧縮機では、従動側肉厚部又は従動渦巻短部によって、従動渦巻体の重心を従動軸心に一致又は近づけることができる。
ここで、従動側肉厚部は従動端板における従動渦巻体側の面に形成される。また、従動渦巻体に形成された従動渦巻短部は、従動渦巻体における肉盗部として機能する。これらのため、従動側肉厚部や従動渦巻短部は、従動スクロールが回転従動する際に従動渦巻体に作用する遠心力を好適に相殺できる。このため、第2の両回転式スクロール型圧縮機では、従動渦巻体の静バランスを修正しつつ、従動渦巻体の動バランスの悪化を抑制できる。
したがって、本発明の第2の両回転式スクロール型圧縮機は、静粛性に優れている。
本発明の第3の両回転式スクロール型圧縮機は、駆動機構、駆動スクロール、従動機構、従動スクロール及びハウジングを備え、
前記駆動スクロールは、前記駆動機構によって駆動軸心周りで回転駆動され、
前記従動スクロールは、前記駆動スクロールに対して偏心する従動軸心周りで前記駆動スクロール及び前記従動機構によって回転従動され、
前記駆動スクロールは、前記駆動軸心と交差して延びる駆動端板と、前記駆動端板から前記従動スクロールに向かって突出し、渦巻状をなす駆動渦巻体とを有し、
前記従動スクロールは、前記従動軸心と交差して延びる従動端板と、前記従動端板から前記駆動スクロールに向かって突出し、渦巻状をなす従動渦巻体とを有し、
前記駆動スクロール及び前記従動スクロールは、前記駆動渦巻体及び前記従動渦巻体とが互いに対向することで圧縮室を形成するとともに、前記回転駆動及び前記回転従動によって前記圧縮室の容積を変化させる両回転式スクロール型圧縮機において、
前記駆動端板には、前記従動渦巻体に向かって膨出する駆動側肉厚部が形成され、
前記従動端板には、前記駆動渦巻体に向かって膨出する従動側肉厚部が形成され、
前記駆動渦巻体には、前記従動側肉厚部との干渉を回避可能に前記駆動渦巻体の前記従動端板に向かって延びる最も長い部分の長さより長さが短い駆動渦巻端部が形成され、
前記従動渦巻体には、前記駆動側肉厚部との干渉を回避可能に前記従動渦巻体の前記駆動端板に向かって延びる最も長い部分の長さよりも長さが短い従動渦巻短部が形成され、
前記駆動側肉厚部及び前記駆動渦巻短部は、前記駆動渦巻体の重心を前記駆動軸心と一致又は近づける位置に配置され、
前記従動側肉厚部及び前記従動渦巻短部は、前記従動渦巻体の重心を前記従動軸心と一致又は近づける位置に配置されていることを特徴とする。
本発明の第3の両回転式スクロール型圧縮機では、駆動側肉厚部及び駆動従動渦巻短部によって、駆動渦巻体の重心を駆動軸心に一致又は近づけることができるとともに、従動側肉厚部及び従動渦巻短部によって、従動渦巻体の重心を従動軸心に一致又は近づけることができる。
そして、駆動側肉厚部及び駆動渦巻短部によって駆動渦巻体に作用する遠心力を好適に相殺できるとともに、従動側肉厚部及び従動渦巻短部によって従動渦巻体に作用する遠心力を好適に相殺できる。これにより、駆動渦巻体及び従動渦巻体の静バランスを修正しつつ、駆動渦巻体及び従動渦巻体の動バランスの悪化を抑制できる。
したがって、本発明の第3の両回転式スクロール型圧縮機は、静粛性に優れている。
本発明の第1~3の両回転式スクロール型圧縮機において、駆動端板の駆動渦巻体が形成される側とは反対側の面には、駆動渦巻体の重心を駆動軸心に一致又は近づける重量体又は肉盗部が設けられていることが好ましい。この場合には、重量体又は肉盗部によっても駆動渦巻体の静バランスを調整できる。
また、本発明の第1~3の両回転式スクロール型圧縮機において、従動端板の従動渦巻体が形成される側の面とは反対側の面には、従動渦巻体の重心を従動軸心に一致又は近づける重量体又は肉盗部が設けられていることが好ましい。この場合には、重量体又は肉盗部によっても従動渦巻体の静バランスを調整できる。
本発明の第1~3の両回転式スクロール型圧縮機は、静粛性に優れている。
図1は、実施例の両回転式スクロール型圧縮機の断面図である。 図2は、実施例の両回転式スクロール型圧縮機に係り、駆動スクロールを前方から見た正面図である。 図3は、実施例の両回転式スクロール型圧縮機に係り、従動スクロールを前方から見た正面図である。 図4は、実施例の両回転式スクロール型圧縮機に係り、駆動スクロール及び従動スクロールを前方から見た正面図である。
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、実施例の両回転式スクロール型圧縮機(以下、単に圧縮機という)は、ハウジング60、電動モータ10、駆動スクロール30、従動スクロール40及び従動機構20を備えている。電動モータ10は、本発明における「駆動機構」の一例である。この圧縮機は、図示しない車両に搭載されており、車両用空調装置を構成している。
本実施例では、図1に示す実線矢印によって、圧縮機の前後方向を規定している。なお、前後方向は説明の便宜のための一例であり、圧縮機は搭載される車両に応じて、自己の姿勢を適宜変更可能である。
ハウジング60は、ハウジング本体61とカバー65とによって構成されている。ハウジング本体61は、外周壁62及び底壁63を有する有底筒状部材である。外周壁62は、駆動軸心R1を中心とする円筒状をなしている。駆動軸心R1は前後方向と平行である。また、外周壁62は内周面62Bを有している。底壁63は、ハウジング本体61の後端に位置している。底壁63は、駆動軸心R1と直交して略円形平板状に延びている。
底壁63の外周縁は、外周壁62の後端に接続している。底壁63の内面中央には、駆動軸心R1を中心とする円筒状の軸支部64が凸設されている。軸支部64には、ベアリング71の外輪が嵌入している。
カバー65は、ハウジング本体61の前方に配置されている。カバー65は、駆動軸心R1と直交して略円形平板状に延びている。カバー65は、その外周縁がハウジング本体61の外周壁62の前端に当接する状態で、図示しないボルトによって外周壁62に締結されている。これにより、カバー65は、ハウジング本体61を前方から塞いでいる。こうして、ハウジング本体61内に吸入室61Aが形成されている。
カバー65の内面中央には、従動軸心R2を中心とする円筒状の軸支部66が凸設されている。従動軸心R2は、駆動軸心R1に対して偏心しつつ駆動軸心R1と平行に延びている。つまり、従動軸心R2も前後方向に平行である。軸支部66には、ニードルベアリング72の外輪が嵌入している。
カバー65には、吸入連絡口67及び吐出連絡口68が形成されている。吸入連絡口67は、カバー65における外周縁と軸支部66との間に位置し、駆動軸心R1と平行な方向においてカバー65を貫通している。吸入連絡口67は、吸入室61Aと圧縮機の外部とを連通している。吸入連絡口67には、配管が接続されている。これにより、吸入室61Aには、配管を通じて蒸発器を経た低温低圧の冷媒ガスが吸入される。
吐出連絡口68は、カバー65の中央に位置しており、駆動軸心R1と平行な方向においてカバー65を貫通している。吐出連絡口68は、後述する吐出室55と連通している。吐出連絡口68には、配管が接続されており、吐出室55に吐出された冷媒ガスを凝縮器に向けて流通させる。なお、配管、蒸発器及び凝縮器の図示は省略する。
電動モータ10は吸入室61A内に収容されている。これにより、吸入室61Aは、電動モータ10を収容するモータ室を兼ねている。電動モータ10は、ステータ17及びロータ11によって構成されている。
ステータ17は、駆動軸心R1を中心とする円筒状であり、巻き線18を有している。ステータ17は、ハウジング本体61の外周壁62の内周面62Bに嵌入することにより、ハウジング本体61、ひいてはハウジング60に固定されている。
ロータ11は、駆動軸心R1周りで円筒状をなしており、ステータ17内に配置されている。詳細な図示を省略するものの、ロータ11は、ステータ17に対応する複数個の永久磁石と、各永久磁石を固定する積層鋼板とで構成されている。
駆動スクロール30は、アルミニウム合金製の駆動スクロール本体30Aのみで構成されている。駆動スクロール本体30Aは鋳造によって形成されている。駆動スクロール本体30A、すなわち、駆動スクロール30は、駆動端板31、駆動周壁32及び駆動渦巻体33を有している。
駆動端板31は、駆動軸心R1と直交して略円板状に延びている。駆動端板31は、前面311と、前面311の反対側に位置する後面312とを有している。後面312の中央には、底壁63に向かって突出する第1ボス34が形成されている。第1ボス34は、駆動軸心R1を中心とする円筒状をなしている。
駆動周壁32は、駆動端板31と一体に形成されており、駆動端板31の外周縁から前方、すなわち従動スクロール40に向かって駆動軸心R1と平行に延びている。図2に示すように、駆動周壁32は、駆動軸心R1を中心とする略円筒状をなしている。駆動周壁32の前端には、4つの固定孔32Aが形成されている。
駆動渦巻体33は、駆動周壁32の内側に位置している。図1に示すように、駆動渦巻体33は、駆動端板31の前面311から前方に向かって駆動軸心R1と平行に延びている。図2に示すように、駆動渦巻体33は駆動軸心R1周りで渦巻状をなしている。より具体的には、駆動渦巻体33は、渦巻中心から駆動軸心R1周りで右巻きに形成されている。
このように、駆動渦巻体33が前面311から延びていることから、前面311は、本発明における「駆動端板の駆動渦巻体側の面」に相当している。一方、後面312は、本発明における「駆動端板の駆動渦巻体が形成される側とは反対側の面」に相当している。
図1に示すように、従動スクロール40は、アルミニウム合金製の従動スクロール本体40Aと、鉄鋼製の吐出リード弁57と、鉄鋼製のリテーナ58と、鉄鋼製の固定ピン59とで構成されている。吐出リード弁57、リテーナ58及び固定ピン59は、本発明における「重量体」の一例である。
駆動スクロール本体30Aと同様、従動スクロール本体40Aも鋳造によって形成されている。従動スクロール本体40Aは、従動端板41及び従動渦巻体43を有している。従動端板41は、従動軸心R2と直交して略円板状に延びている。従動端板41は、前面411と、前面411の反対側に位置する後面412とを有している。前面411の中央には、カバー65に向かって突出する第2ボス44が形成されている。第2ボス44は、従動軸心R2を中心とする円筒状をなしている。
従動端板41には、吸入口47及び吐出口48が形成されている。吸入口47は、従動端板41において、第2ボス44よりも外周側となる個所に配置されており、従動端板41を前後方向に貫通している。吐出口48は、従動端板41において、第2ボス44内となる個所に配置されており、従動端板41を前後方向に貫通している。
また、第2ボス44内において、従動端板41の前面411には、吐出リード弁57及びリテーナ58が固定ピン59によって固定されている。これにより、吐出リード弁57は吐出口48を開閉可能となっており、また、リテーナ58は、吐出リード弁57の開度を調整可能となっている。ここで、これらの吐出リード弁57、リテーナ58及び固定ピン59は、鉄鋼製であるため、従動スクロール本体40Aを形成するアルミニウム合金に比べて比重が大きくなっている。
従動渦巻体43は、従動端板41の後面412から後方、すなわち、駆動スクロール30に向かって従動軸心R2と平行に延びている。図3に示すように、従動渦巻体43は従動軸心R2周りで渦巻状をなしている。より具体的には、従動渦巻体43は、渦巻中心から従動軸心R2周りで右巻きに形成されている。
このように、従動渦巻体43が後面412から延びていることから、後面412は、本発明における「従動端板の従動渦巻体側の面」に相当している。一方、前面411は、本発明における「従動端板の従動渦巻体が形成される側とは反対側の面」に相当している。なお、図3では、従動端板41の外径を簡略化して図示している。また、図3及び後述する図4では、吸入口47の図示を省略している。
図1に示すように、従動機構20は、4つの自転阻止ピン21と4つのリング22とで構成されている。なお、自転阻止ピン21及びリング22は、それぞれ3つ以上であればその個数は適宜設計可能である。また、図1では、各自転阻止ピン21及び各リング22について、それぞれ2つを図示している。
各自転阻止ピン21は、駆動周壁32の各固定孔32Aにそれぞれ挿通されつつ固定されている。これにより、各自転阻止ピン21は、駆動周壁32よりも前方に突出した状態で駆動周壁32に固定されている。
各リング22は、各自転阻止ピン21に対向するように従動端板41側に設けられている。各リング22はそれぞれ、従動端板41の後面412に凹設された円形有底穴に嵌着されている。
この圧縮機では、駆動スクロール30及び従動スクロール40が共に吸入室61A内に配置されている。そして、駆動スクロール30は、駆動周壁32がロータ11の内周面に固定されることにより、ロータ11に一体化されている。また、駆動スクロール30では、第1ボス34にベアリング71の内輪が外嵌している。これにより、駆動スクロール30は、駆動軸心R1周りで回転可能にハウジング本体61に支持されている。ここで、この圧縮機では、駆動スクロール30は、所謂片持ちの状態でハウジング本体61、ひいてはハウジング60に支持されている。
一方、従動スクロール40は、従動渦巻体43を駆動スクロール30側に向けた状態で、駆動スクロール30の前方に配置されている。これにより、駆動端板31の前面311と、従動端板41の後面412とが駆動軸心R1方向及び従動軸心R2方向で対向している。そして、駆動スクロール30と従動スクロール40とは、駆動周壁32の内側で駆動渦巻体33と従動渦巻体43とを噛合させるとともに、各自転阻止ピン21を各リング22内に進入させる。こうして、駆動スクロール30と従動スクロール40とが前後方向で組み付けられている。また、駆動渦巻体33と従動渦巻体43とは、双方の間に圧縮室50を形成している。
そして、従動スクロール40では、第2ボス44にニードルベアリング72の内輪が外嵌している。これにより、従動スクロール40は、従動軸心R2周りで回転可能にカバー65に支持されている。ここで、この圧縮機では、従動スクロール40についても、所謂片持ちの状態でカバー65、ひいてはハウジング60に支持されている。
また、従動スクロール40がカバー65に支持されることにより、第2ボス44の内周面に囲まれ、かつカバー65と従動端板41とに挟まれた空間は、吐出室55とされている。つまり、吐出リード弁57及びリテーナ58及び固定ピン59は、吐出室55内に配置されている。これにより、吐出リード弁57及びリテーナ58及び固定ピン59は、従動軸心R2の近傍に位置している。
また、この圧縮機では、駆動スクロール30の駆動端板31に駆動側肉厚部31Aが形成されており、駆動渦巻体33に駆動渦巻短部33Aが形成されている。また、従動スクロール40の従動端板41に従動側肉厚部41Aが形成されており、従動渦巻体43に従動渦巻短部43Aが形成されている。
図2に示すように、駆動側肉厚部31Aは駆動端板31の前面311に形成されている。駆動側肉厚部31Aは、前面311における中央側、すなわち、駆動軸心R1の近傍、かつ、駆動渦巻体33における渦巻中心の近傍から、前面311の外周側に向かって駆動渦巻体33に沿って右巻きで延びている。図1に示すように、駆動側肉厚部31Aは、駆動端板31において駆動側肉厚部31Aを除いた部分(以下、駆動端板本体部31Bという)よりも従動渦巻体43に向かって膨出している。つまり、駆動側肉厚部31Aは、駆動端板本体部31Bよりも肉厚に形成されている。
また、図2に示すように、駆動側肉厚部31Aと駆動端板本体部31Bとの境界には第1段差部31Cが形成されている。なお、駆動側肉厚部31Aが前面311の外周側に向かって延びる長さ、すなわち、第1段差部31Cが形成される位置は、適宜設計可能である。
一方、図1に示すように、従動側肉厚部41Aは従動端板41の後面412に形成されている。図3に示すように、従動側肉厚部41Aは、後面412における中央側、すなわち、従動軸心R2の近傍、かつ、従動渦巻体43における渦巻中心の近傍から、後面412の外周側に向かって、従動渦巻体43に沿って右巻きで延びている。図1に示すように、従動側肉厚部41Aは、従動端板41において従動側肉厚部41Aを除いた部分(以下、従動端板本体部41Bという)よりも駆動渦巻体33に向かって膨出している。つまり、従動側肉厚部41Aは、従動端板本体部41Bよりも肉厚に形成されている。
また、図3に示すように、従動側肉厚部41Aと従動端板本体部41Bとの境界には第2段差部41Cが形成されている。なお、従動側肉厚部41Aが後面412の外周側に向かって延びる長さ、すなわち、第2段差部41Cが形成される位置は、適宜設計可能である。
そして、従動側肉厚部41Aに対して、吐出口48が開口している。さらに、図1に示すように、従動側肉厚部41Aと、吐出リード弁57及びリテーナ58及び固定ピン59とは、前後方向、すなわち従動軸心R2方向で重なっている。
図2に示すように、駆動渦巻短部33Aは、駆動渦巻体33における渦巻中心から渦巻の外周側に向かって延びている。図1及び図4に示すように、駆動渦巻短部33Aは、駆動スクロール30と従動スクロール40とを前後方向で組み付けた際に従動側肉厚部41Aと対向する。ここで、図1に示すように、駆動渦巻短部33Aにおける従動端板41に向かって延びる長さ、つまり駆動軸心R1方向の長さは、駆動渦巻体33において駆動渦巻短部33Aを除いた部分(以下、駆動渦巻本体部33Bという)における駆動軸心R1方向の長さに比べて短くなっている。
換言すれば、駆動渦巻本体部33Bは、駆動渦巻体33において、従動端板41に向かって最も長く延びる部分である。このため、駆動渦巻短部33Aは、駆動渦巻体33において従動端板41に向かって最も長く延びる部分よりも駆動軸心R1方向に凹んでいる。これにより、駆動渦巻短部33Aは、従動側肉厚部41Aとの干渉を回避している。
また、図2に示すように、駆動渦巻短部33Aと駆動渦巻本体部33Bとの境界には第3段差部33Cが形成されている。
図3に示すように、従動渦巻短部43Aは、従動渦巻体43における渦巻中心から渦巻の外周側に向かって延びている。図1及び図4に示すように、従動渦巻短部43Aは、駆動スクロール30と従動スクロール40とを前後方向で組み付けた際に駆動側肉厚部31Aと対向する。ここで、図1に示すように、従動渦巻短部43Aにおける駆動端板31に向かって延びる長さ、つまり従動軸心R2方向の長さは、従動渦巻体43において従動渦巻短部43Aを除いた部分(以下、従動渦巻本体部43Bという)における従動軸心R2方向の長さに比べて短くなっている。
換言すれば、従動渦巻本体部43Bは、従動渦巻体43において、駆動端板31に向かって最も長く延びる部分である。このため、従動渦巻短部43Aは、従動渦巻体43において駆動端板31に向かって最も長く延びる部分よりも従動軸心R2方向に凹んでいる。これにより、従動渦巻短部43Aは、駆動側肉厚部31Aとの干渉を回避している。
また、図3に示すように、従動渦巻短部43Aと駆動渦巻本体部43Bとの境界には第4段差部43Cが形成されている。
このように、駆動端板31に駆動側肉厚部31Aが形成されており、駆動渦巻体33に駆動渦巻短部33Aが形成されていることから、駆動スクロール30では、駆動側肉厚部31Aの重心G11及び駆動渦巻短部33Aの重心G12は、おおよそ図2において黒色丸印で示す位置にそれぞれ存在している。そして、駆動端板31に駆動側肉厚部31Aが形成されておらず、駆動渦巻体33に駆動渦巻短部33Aが形成されていない場合の駆動渦巻体33の重心(以下、仮想重心G13という)は、おおよそ図2において黒色丸印で示す位置に存在している。
また、駆動端板31の裏面312には、凹部312aが設けられている。凹部312aは、本発明における「肉盗部」の一例である。凹部312aは、黒色丸印で示した仮想重心G13と重なるように、裏面312から前方に向かって略円柱状に凹設されている。なお、図1及び図4では、凹部312aの図示を省略している。また、凹部312aの形状や個数は適宜設計可能である。
また、従動端板41に従動側肉厚部41Aが形成されており、従動渦巻体43に従動渦巻短部43Aが形成されていることから、従動スクロール40では、従動側肉厚部41Aの重心G21及び従動渦巻短部43Aの重心G22は、おおよそ図3において黒色丸印で示す位置にそれぞれ存在している。そして、従動端板41に従動側肉厚部41Aが形成されておらず、従動渦巻体43に従動渦巻短部43Aが形成されていない場合の従動渦巻体43の重心(以下、仮想重心G23という)は、おおよそ図3において黒色丸印で示す位置に存在している。
以上のように構成されたこの圧縮機では、電動モータ10が作動し、ロータ11が回転すれば、吸入室61A内において、駆動スクロール30が駆動軸心R1周りで回転駆動する。つまり、駆動スクロール30とロータ11とは一体で回転駆動する。この際、従動機構20において、各自転阻止ピン21は各リング22の内周面に摺接しつつ各リング22を各自転阻止ピン21の中心周りで相対的に回転させる。こうして、従動機構20は、従動スクロール40に駆動スクロール30のトルクを伝達する。
その結果、従動スクロール40は、従動軸心R2周りで駆動スクロール30及び従動機構20によって回転従動される。この際、従動機構20は、従動スクロール40が自転することを規制する。これにより、駆動スクロール30及び従動スクロール40は、その回転駆動及びその回転従動によって従動スクロール40が駆動スクロール30に対して駆動軸心R1周りで相対的に公転することで、圧縮室50の容積を変化させる。
このため、吸入室61A内の冷媒ガスは、吸入口47によって圧縮室50に吸入され、圧縮室50で圧縮される。そして、圧縮室50で吐出圧力まで圧縮された冷媒ガスは、吐出口48から吐出室55に吐出され、さらに、吐出連絡口68から凝縮器に吐出される。こうして、車両用空調装置による空調が行われる。
そして、この圧縮機では、駆動スクロール30の駆動端板31に駆動側肉厚部31Aが形成されており、駆動渦巻体33に駆動渦巻短部33Aが形成されている。また、従動スクロール40の従動端板41に従動側肉厚部41Aが形成されており、従動渦巻体43に従動渦巻短部43Aが形成されている。
そして、駆動側肉厚部31Aの重心G11、駆動渦巻短部33Aの重心G12及び駆動渦巻体33の仮想重心G13は、それぞれ図2に示す位置に存在している。これにより、駆動スクロール30では、図2の二点鎖線で示すように、駆動渦巻体33の重心G10は、重心G11、重心G12及び仮想重心G13の略中間位置に存在する。こうして、この圧縮機では、駆動渦巻体33の重心G10を駆動軸心R1に略一致させることが可能となっている。
また、従動側肉厚部41Aの重心G21、従動渦巻短部43Aの重心G22及び従動渦巻体43の仮想重心G23は、それぞれ図3に示す位置に存在している。これにより、従動スクロール40では、図3の破線で示すように、従動渦巻体43の重心G20は、重心G21、重心G22及び仮想重心G23の略中間位置に存在する。こうして、この圧縮機では、従動渦巻体43の重心G20を従動軸心R2に略一致させることが可能となっている。
ここで、「駆動渦巻体33の重心G10を駆動軸心R1に略一致させる」とは、駆動渦巻体33の重心G10と駆動軸心R1とが完全に一致する場合の他、完全に一致までは至らないものの、駆動軸心R1に対して駆動渦巻体33の重心G10が近い位置に存在する場合を含む概念である。また、「従動渦巻体43の重心G20を従動軸心R2に略一致させる」とは、従動渦巻体43の重心G20と従動軸心R2とが完全に一致する場合の他、完全に一致までは至らないものの、従動軸心R2に対して従動渦巻体43の重心G20が近い位置に存在する場合を含む概念である。
そして、駆動側肉厚部31Aは駆動端板31の前面311に形成されており、駆動渦巻体33に近い位置に存在している。また、駆動渦巻体33に形成された駆動渦巻短部33Aは、駆動渦巻体33における肉盗部として機能する。また、上述のように、駆動側肉厚部31Aの重心G11及び駆動渦巻短部33Aの重心G12は、それぞれ図2に示す位置に存在している。このため、駆動側肉厚部31A及び駆動渦巻短部33Aは、駆動スクロール30が回転駆動する際に駆動渦巻体33に作用する遠心力を駆動渦巻体33に近い位置で相殺することが可能となっている。これにより、駆動側肉厚部31A及び駆動渦巻短部33Aは、駆動渦巻体33に作用する遠心力を好適に相殺することが可能となっている。
また、従動側肉厚部41Aは従動端板41の後面412に形成されており、従動渦巻体43に近い位置に存在している。また、従動渦巻体43に形成された従動渦巻短部43Aは、従動渦巻体43における肉盗部として機能する。そして、上述のように、従動側肉厚部41Aの重心G21及び従動渦巻短部43Aの重心G22は、それぞれ図3に示す位置に存在している。このため、従動側肉厚部41A及び従動渦巻短部43Aは、従動スクロール40が回転従動する際に従動渦巻体43に作用する遠心力を従動渦巻体43に近い位置で相殺することが可能となっている。これにより、従動側肉厚部41A及び従動渦巻短部43Aは、従動渦巻体43に作用する遠心力を好適に相殺することが可能となっている。
こうして、この圧縮機では、駆動渦巻体33及び従動渦巻体43の静バランスを修正しつつ、駆動渦巻体33及び従動渦巻体43の動バランスの悪化を抑制できる。
したがって、実施例の圧縮機は静粛性に優れている。
また、この圧縮機では、駆動スクロール本体30Aを鋳造することによって、駆動端板31、駆動周壁32、駆動渦巻体33、駆動側肉厚部31A及び駆動渦巻短部33Aを同時に形成することが可能となっている。同様に、従動スクロール本体40Aを鋳造することによって、従動端板41、従動渦巻体43、従動側肉厚部41A及び従動渦巻短部43Aを同時に形成することが可能となっている。これにより、この圧縮機では、製造コストの低廉化も可能となっている。
また、この圧縮機では、駆動端板31の後面312に凹部312aが形成されているため、この凹部312aによっても、駆動渦巻体33の静バランスを調整することが可能となっている。
一方、従動端板41には、固定ピン59によって、吐出リード弁57及びリテーナ58が固定されている。また、これらの吐出リード弁57及びリテーナ58及び固定ピン59は、従動軸心R2方向で従動側肉厚部41Aと重なるように配置されていることから、従動渦巻体43の渦巻中心の近傍、ひいては従動軸心R2の近傍に位置している。そして、吐出リード弁57及びリテーナ58及び固定ピン59は、鉄鋼製であり、従動端板41を含め従動スクロール本体40Aを形成するアルミニウム合金よりも比重が大きくなっている。これにより、吐出リード弁57及びリテーナ58及び固定ピン59の重量を利用することによっても、従動渦巻体43の静バランスを調整することが可能となっている。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、従動端板41に対する従動側肉厚部41Aの形成を省略するとともに、駆動渦巻体33に対する駆動渦巻短部33Aの形成を省略して圧縮機を構成しても良い。
また、駆動端板31に対する駆動側肉厚部31Aの形成を省略するとともに、従動渦巻体43に対する従動渦巻短部43Aの形成を省略して圧縮機を構成しても良い。
また、実施例の圧縮機では、駆動端板31の後面312に凹部312aを形成している。しかし、これに限らず、後面312に後方に向かって突出する突出部を一体に形成し、この突出部を本発明における「重量体」としたり、後面312に「重量体」となる部材を固定したりしても良い。
また、後面312に対する凹部312aの形成を省略しても良い。
また、従動端板41の前面411に対して、凹部312と同様の凹部を形成しても良い。
また、実施例の圧縮機では、吐出リード弁57、リテーナ58及び固定ピン59を本発明における「重量体」としている。しかし、これに限らず、駆動端板31の後面312や従動端板41の前面411に設けられたボルト等を「重量体」としても良い。
また、従動端板41に換えて、駆動端板31に吐出口48を形成し、固定ピン59によって、駆動端板31に吐出リード弁57及びリテーナ58を固定する構成としても良い。
また、実施例の圧縮機では、駆動端板31において、駆動側肉厚部31Aと駆動端板本体部31Bとの境界に第1段差部31Cが形成されている。しかし、これに限らず、駆動側肉厚部31Aと駆動端板本体部31Bとの間がなだらかに繋がる構成としても良い。従動側肉厚部41Aと従動端板本体部41Bとの間、駆動渦巻短部33Aと駆動渦巻本体部33Bとの間、従動渦巻短部43Aと従動渦巻本体部43Bとの間についても同様である。
また、実施例の圧縮機では、従動機構20が自転阻止ピン21及びリング22によって構成されている。しかし、これに限らず、従動機構20は、2本のピンが1つのフリーリングの内周面に摺接するピン・リング・ピン方式、2本のピンの外周面同士が摺接するピン・ピン方式、オルダム接手を用いる方式等によって構成されていても良い。
また、実施例の圧縮機では、駆動渦巻体33及び従動渦巻体43が右巻きに形成されているが、これに限らず、駆動渦巻体33及び従動渦巻体43は、左巻きに形成されても良い。
また、実施例の圧縮機では、ロータ11の内周面に駆動周壁32を固定することにより、駆動スクロール30とロータ11とを一体化させている。しかし、これに限らず、駆動スクロール30とロータ11とを駆動軸によって動力伝達可能に接続することにより、駆動スクロール30とロータ11とを駆動軸心R1方向に離隔して配置する構成としても良い。
本発明は車両の空調装置等に利用可能である。
10…電動モータ(駆動機構)
20…従動機構
30…駆動スクロール
31…駆動端板
31A…駆動側肉厚部
33…駆動渦巻体
33A…駆動渦巻短部
40…従動スクロール
41…従動端板
41A…従動側肉厚部
43…従動渦巻体
43A…従動渦巻短部
57…吐出リード弁(重量体)
58…リテーナ(重量体)
59…固定ピン(重量体)
60…ハウジング
311…前面(駆動端板の駆動渦巻体側の面)
312…後面(駆動端板の駆動渦巻体が形成される側とは反対側の面)
312a…凹部(肉盗部)
411…前面(従動端板の従動渦巻体が形成される側とは反対側の面)
412…後面(従動端板の従動渦巻体側の面)
G10…駆動渦巻体の重心
G20…従動渦巻体の重心
R1…駆動軸心
R2…従動軸心

Claims (5)

  1. 駆動機構、駆動スクロール、従動機構、従動スクロール及びハウジングを備え、
    前記駆動スクロールは、前記駆動機構によって駆動軸心周りで回転駆動され、
    前記従動スクロールは、前記駆動スクロールに対して偏心する従動軸心周りで前記駆動スクロール及び前記従動機構によって回転従動され、
    前記駆動スクロールは、前記駆動軸心と交差して延びる駆動端板と、前記駆動端板から前記従動スクロールに向かって前記駆動軸心と平行に突出し、渦巻状をなす駆動渦巻体とを有し、
    前記従動スクロールは、前記従動軸心と交差して延びる従動端板と、前記従動端板から前記駆動スクロールに向かって前記従動軸心と平行に突出し、渦巻状をなす従動渦巻体とを有し、
    前記駆動スクロール及び前記従動スクロールは、前記駆動渦巻体及び前記従動渦巻体とが互いに対向することで圧縮室を形成するとともに、前記回転駆動及び前記回転従動によって前記圧縮室の容積を変化させる両回転式スクロール型圧縮機において、
    前記駆動渦巻体の重心を前記駆動軸心に一致又は近づけるように、前記駆動端板の前記駆動渦巻体側の面に対して前記従動端板に向かって膨出する駆動側肉厚部が形成されるか、又は、前記駆動渦巻体に対して前記駆動渦巻体の前記従動端板に向かって延びる最も長い部分の長さより長さが短い駆動渦巻短部が形成され、
    前記駆動側肉厚部が形成された場合は、前記従動渦巻体に対して前記駆動側肉厚部との干渉を回避可能に、前記従動渦巻体の前記駆動端板に向かって延びる最も長い部分の長さより長さが短い従動渦巻短部が形成され、
    前記駆動渦巻短部が形成された場合は、前記従動端板の前記従動渦巻体側の面に対して前記駆動渦巻短部に向かって膨出する従動側肉厚部が形成されていることを特徴とする両回転式スクロール型圧縮機。
  2. 駆動機構、駆動スクロール、従動機構、従動スクロール及びハウジングを備え、
    前記駆動スクロールは、前記駆動機構によって駆動軸心周りで回転駆動され、
    前記従動スクロールは、前記駆動スクロールに対して偏心する従動軸心周りで前記駆動スクロール及び前記従動機構によって回転従動され、
    前記駆動スクロールは、前記駆動軸心と交差して延びる駆動端板と、前記駆動端板から前記従動スクロールに向かって突出し、渦巻状をなす駆動渦巻体とを有し、
    前記従動スクロールは、前記従動軸心と交差して延びる従動端板と、前記従動端板から前記駆動スクロールに向かって突出し、渦巻状をなす従動渦巻体とを有し、
    前記駆動スクロール及び前記従動スクロールは、前記駆動渦巻体及び前記従動渦巻体とが互いに対向することで圧縮室を形成するとともに、前記回転駆動及び前記回転従動によって前記圧縮室の容積を変化させる両回転式スクロール型圧縮機において、
    前記従動渦巻体の重心を前記従動軸心に一致又は近づけるように、前記従動端板の前記従動渦巻体側の面に対し前記駆動端板に向かって膨出する従動側肉厚部が形成されるか、又は、前記従動渦巻体に対し前記従動渦巻体の前記駆動端板に向かって延びる最も長い部分の長さより長さが短い従動渦巻短部が形成され、
    前記従動側肉厚部が形成された場合は、前記駆動渦巻体に対し前記従動側肉厚部との干渉を回避可能に前記駆動渦巻体の前記従動端板に向かって延びる最も長い部分の長さより長さが短い駆動渦巻短部が形成され、
    前記従動渦巻短部が形成された場合は、前記駆動端板の前記従動渦巻体側の面に対し前記従動渦巻端部に向かって膨出する駆動側肉厚部が形成されていることを特徴とする両回転式スクロール型圧縮機。
  3. 駆動機構、駆動スクロール、従動機構、従動スクロール及びハウジングを備え、
    前記駆動スクロールは、前記駆動機構によって駆動軸心周りで回転駆動され、
    前記従動スクロールは、前記駆動スクロールに対して偏心する従動軸心周りで前記駆動スクロール及び前記従動機構によって回転従動され、
    前記駆動スクロールは、前記駆動軸心と交差して延びる駆動端板と、前記駆動端板から前記従動スクロールに向かって突出し、渦巻状をなす駆動渦巻体とを有し、
    前記従動スクロールは、前記従動軸心と交差して延びる従動端板と、前記従動端板から前記駆動スクロールに向かって突出し、渦巻状をなす従動渦巻体とを有し、
    前記駆動スクロール及び前記従動スクロールは、前記駆動渦巻体及び前記従動渦巻体とが互いに対向することで圧縮室を形成するとともに、前記回転駆動及び前記回転従動によって前記圧縮室の容積を変化させる両回転式スクロール型圧縮機において、
    前記駆動端板には、前記従動渦巻体に向かって膨出する駆動側肉厚部が形成され、
    前記従動端板には、前記駆動渦巻体に向かって膨出する従動側肉厚部が形成され、
    前記駆動渦巻体には、前記従動側肉厚部との干渉を回避可能に前記駆動渦巻体の前記従動端板に向かって延びる最も長い部分の長さより長さが短い駆動渦巻端部が形成され、
    前記従動渦巻体には、前記駆動側肉厚部との干渉を回避可能に前記従動渦巻体の前記駆動端板に向かって延びる最も長い部分の長さよりも長さが短い従動渦巻短部が形成され、
    前記駆動側肉厚部及び前記駆動渦巻短部は、前記駆動渦巻体の重心を前記駆動軸心と一致又は近づける位置に配置され、
    前記従動側肉厚部及び前記従動渦巻短部は、前記従動渦巻体の重心を前記従動軸心と一致又は近づける位置に配置されていることを特徴とする両回転式スクロール型圧縮機。
  4. 前記駆動端板の前記駆動渦巻体が形成される側とは反対側の面には、前記駆動渦巻体の重心を前記駆動軸心に一致又は近づける重量体又は肉盗部が設けられている請求項1乃至3のいずれか1項記載の両回転式スクロール型圧縮機。
  5. 前記従動端板の前記従動渦巻体が形成される側の面とは反対側の面には、前記従動渦巻体の重心を前記従動軸心に一致又は近づける重量体又は肉盗部が設けられている請求項1乃至4のいずれか1項記載の両回転式スクロール型圧縮機。
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