JP2023149336A - 水素透過検出のための試料及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】試料からの昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽することができると共に、チャージアップの発生を抑止することができるようにした水素透過検出のための試料及びその製造方法を提供する。【解決手段】試料の背面から透過した水素原子あるいは当該試料の材料内部から湧出した水素原子を、超高真空中で走査型電子顕微鏡の走査電子により電子遷移誘起で励起させて水素イオンを脱離させ、該脱離した水素イオンのESD像を、走査型電子顕微鏡の電子線の走査に同期して取得する、水素透過検出のための試料であって、表面領域に配設された導電領域又は絶縁領域42を備え且つ該導電領域又は絶縁領域が昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料を含む試料本体41と、試料本体の導電領域又は絶縁領域を含む表面全体に亘って配設された水素透過性を備え且つ試料本体からのガス放出を遮蔽する導電性薄膜43と、を備える水素透過検出のための試料40を構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、水素透過検出のための試料及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、試料の背面から透過した水素原子あるいは当該試料の材料内部から湧出した水素原子を超高真空中で走査型電子顕微鏡の走査電子に励起させて水素イオンを電子遷移誘起脱離法によって脱離させ、走査型電子顕微鏡の電子線の走査に同期して該脱離した水素イオンのESD像を取得するための試料とこの試料の製造方法に関するものである。
従来、試料の水素透過を検出するためには、例えば特許文献1に開示されている水素透過拡散経路観測装置が使用される。水素透過拡散経路観測装置は、走査型電子顕微鏡と、分析室と、試料が装着される隔膜型真空容器と、隔膜型真空容器に接続されて試料の裏面側に水素を供給する水素配管等を備えている。試料は、分析室と隔膜型真空容器の水素を収容する中空部とを仕切る隔膜となるよう配置する。このようにして、試料の表面から湧出する水素を、走査型電子顕微鏡像(Scanning Electron Microscope 像、以下、SEM像という)を取得する電子線により励起して水素イオンとし、この水素イオンによる電子遷移誘起(又は電子衝撃脱離とも呼ばれる、ESD(Electron Stimulated Desorption))像をSEM像と共に取得する。
ところで、このような水素透過拡散経路観測装置においては、試料の測定に用いる物理現象である電子遷移誘起脱離と、その脱離種の検出に超高真空環境が必要である。このため、超高真空環境や電子照射下でのガス放出が多いプラスチック類等の高分子材料や、例えば亜鉛,カドミウム等の蒸気圧の高い試料は、そのガス放出によって超高真空環境を維持することができず、汚染してしまうことから、電子遷移誘起脱離による局所水素放出を計測することが困難である。
例えば、図14に示すように、試料100において、試料本体101の表面に、局所的に、昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料による導電領域又は絶縁領域102が存在すると、計測時に、試料の導電領域又は絶縁領域102から観測装置の超高真空環境内に昇華又は蒸発によりガスが放出され、超高真空を維持することが困難になると共に、放出されたガスにより超高真空環境が汚染されることになる。
従って、このような汚染された超高真空環境で水素透過検出を行なうと、試料から電子遷移誘起像(ESD像と呼ぶ)を取得した場合、図15に示すように、導電領域又は絶縁領域102に関して水素量が少なく検出されることになってしまう。
また、試料の背面から透過又は試料材料内部から湧出した水素原子を、走査型電子顕微鏡の走査電子で励起させて脱離させ、脱離した水素電子を計測することから、試料の表面に局所的な酸化物等の絶縁領域が存在すると、当該絶縁領域が局所的にマイナスに帯電して、所謂チャージアップが発生する。このチャージアップの影響によって、当該絶縁領域のチャージアップ発生エリアにおいて、電子照射の際に電子が接近しにくくなるため、試料の表面全体における電子照射密度が不均一になってしまう。従って、このような局所的な絶縁領域を有する試料に関してESD像を取得した場合、絶縁領域の領域に関してチャージアップによって電子の照射密度が低くなってしまう。そのため、当該領域では水素量が少なく計測され、ESD像では白く飛んでしまったり、黒くなって画像が見えなくなったり、あるいは像の歪みが発生することがある。
このようなチャージアップに関して、本出願人による特許文献2には、試料本体の絶縁領域を含む表面全体に亘って水素透過性を備えた導電性薄膜が配設された水素透過検出のための試料が開示されている。
特開2017-187457号公報 特開2022-18023号公報
しかしながら、このような構成の水素透過検出のための試料でも、前述した昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料による導電領域又は絶縁領域を備える試料の場合には、そのガス放出を抑止することは困難である。このため、超高真空中に昇華又は蒸発によるガスが放出されて、超高真空環境が汚染されることとなり、正確な水素透過検出を行なうことができなかった。
本発明は、以上の点に鑑み、昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料を測定対象の試料とする場合であっても、試料からの昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽することができると共に、チャージアップの発生を抑止することができるようにした水素透過検出のための試料及びその製造方法を提供することを目的としている。
上記目的は、本発明の第一の構成によれば、
試料の背面から透過した水素原子あるいは当該試料の材料内部から湧出した水素原子を超高真空中で走査型電子顕微鏡の走査電子により電子遷移誘起で励起させて水素イオンを脱離させ、該脱離した水素イオンのESD像を走査型電子顕微鏡の電子線の走査に同期して取得する、水素透過検出のための試料であって、
表面領域に配設された導電領域又は絶縁領域を備え且つ該導電領域又は絶縁領域が昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料を含む試料本体と、試料本体の導電領域又は絶縁領域を含む表面全体に亘って配設されると共に、水素透過性を備え且つ試料本体からのガス放出を遮蔽する導電性薄膜と、を備える水素透過検出のための試料により達成される。
上記構成において、好ましくは、試料本体の少なくとも一部が高分子材料から構成され、導電性薄膜が試料本体の表面に蒸着により形成されている。好ましくは、試料本体の少なくとも一部が、蒸気圧の高い金属又は該金属の合金からなる材料から構成され、上記導電性薄膜が、蒸気圧の高い金属と合金を形成しない金属材料で成るか又は蒸気圧の高い金属合金と合金を形成しない金属材料で成る。導電性薄膜は、パラジウム,バナジウム,ニオブ,タンタル,チタン,銀又はこれらの合金である。
好ましくは、試料本体の少なくとも一部が、蒸気圧の高い金属材料から構成され、試料本体の表面と導電性薄膜との間に、水素透過性を備え且つ蒸気圧の高い金属材料と反応しない材料から成る第二の薄膜を備える。第二の薄膜は、好ましくは、Al,Pb,Snの何れか又はAl,Pb,Snの何れかを含む合金である。
好ましくは、試料本体の表面の真空側への水素放出のための領域を除く他の領域を覆うように形成された水素透過性の低い第三の薄膜を備えている。好ましくは、試料本体の水素放出のための領域の表面積が、第三の薄膜の表面積よりも小さく設定される。
上記目的は、本発明の第二の構成によれば、
試料の背面から透過した水素原子あるいは当該試料の材料内部から湧出した水素原子を超高真空中で走査型電子顕微鏡の走査電子により電子遷移誘起で励起させて水素イオンを脱離させ、該脱離した水素イオンのESD像を走査型電子顕微鏡の電子線の走査に同期して取得する水素透過検出のための試料であって、
水素透過性の低い材料から成り、一部に貫通穴を備えた支持板と、表面領域に配設された導電領域又は絶縁領域を有し且つ少なくとも一部が昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料から成る試料本体と、を備え、該試料本体が支持板の貫通穴内に固定されて成る、水素透過検出のための試料により達成される。
上記構成において、好ましくは、水素透過性を備え且つ試料本体からのガス放出を遮蔽する導電性薄膜が、試料本体を含む支持板の表面全体に亘って配設される。好ましくは、導電性薄膜は均一の膜厚を有する。好ましくは、導電性薄膜は、走査型電子顕微鏡の空間分解能と同程度以下の膜厚を有する。
本発明の第三の構成によれば、
試料の背面から透過した水素原子あるいは当該試料の材料内部から湧出した水素原子を超高真空中で走査型電子顕微鏡の走査電子により電子遷移誘起で励起させて水素イオンを脱離させ、該脱離した水素イオンのESD像を走査型電子顕微鏡の電子線の走査に同期して取得する、水素透過検出のための試料の製造方法であって、
表面領域に導電領域又は絶縁領域を配設し、且つ、該導電領域又は絶縁領域が昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料で試料本体を形成する工程と、
試料本体の導電領域又は絶縁領域を含む表面に亘って、水素透過性を備え且つ試料本体からのガス放出を遮蔽する導電性薄膜を形成する工程と、を備え、
導電性薄膜を、試料本体から試料表面上にガスが放出されない温度で、試料表面に蒸着により形成する、水素透過検出のための試料の製造方法により達成される。
上記構成において、好ましくは、試料本体の少なくとも一部を高分子材料から形成し、導電性薄膜を高分子材料を溶融又は昇華させない温度で蒸着又はスパッタリング法により形成するか、あるいは導電性薄膜を試料本体の表面と合金を作らない程度の温度で形成する。
本発明によれば、昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料を測定対象の試料とする場合であっても、この試料からの昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽することができると共に、チャージアップの発生を抑止することができるようにした水素透過検出のための試料及びその製造方法を提供することができる。
本発明による水素透過検出のための試料の第一の実施形態の構成を示す拡大断面図である。 本発明に使用する水素ガス透過拡散経路観測装置の構成を模式的に示す図である。 図2の水素ガス透過拡散経路観測装置における温度可変型試料ホルダーの別の構成例を示す断面図である。 分析室内の水素イオン検出部の構造と試料ホルダーの装着構造等を示す部分拡大図である。 図2の装置の制御部の構成を示すブロック図である。 図2の装置の電子衝撃脱離全体制御部の構成を示すブロック図である。 電子線の走査とESD像の二次元計測との関係を示す模式図である。 電子線の走査により二次元のESD像を計測するフロー図である。 図1の試料の(A)断面図及び(B)水素透過検出により得たESD像の一例を示す図である。 本発明による水素透過検出のための試料の第二の実施形態の構成を示す拡大断面図である。 本発明による水素透過検出のための試料の第三の実施形態の構成を示す拡大断面図である。 本発明による水素透過検出のための試料の第四の実施形態の構成を示す拡大断面図である。 本発明による水素透過検出のための試料の第五の実施形態の構成を示す拡大断面図である。 従来の装置で使用される試料の構成を示す拡大断面図である。 図14の試料の水素透過検出により得られたESD像の一例を示す図である。
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。本発明の範囲は実施形態に限定されることなく適宜変更することができる。特に、図面に記載した各部材の形状、寸法、位置関係などについては概念的な事項を示すに過ぎず、その適用場面に応じて変更することができる。各図において、同一の又は対応する部材等には同一の符号を付している。
図1は、本発明による水素透過検出のための試料40(以下、試料という)の第一の実施形態の構成を示している。
図1に示すように、試料40は、試料本体41と、試料本体41の表面領域に配設された昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料を含む導電領域又は絶縁領域42と、導電領域又は絶縁領域42を含む試料本体41の表面全体に亘って配設された水素透過性を備え且つ試料本体41からの昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽する導電性薄膜43と、を備えている。
試料本体41は、図示の場合、試料本体41の表面領域に局所的に配設された一つの導電領域又は絶縁領域42を備えているが、導電領域又は絶縁領域42は、試料本体41に表面が露出するように埋め込まれた導電領域又は絶縁領域42aであってもよい。昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料は、試料本体41の表面領域に局所的に配設された一つの導電領域又は絶縁領域42の少なくとも一部に含まれていてもよい。昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料がこの材料と合金を形成する材料の一方である場合には、導電領域又は絶縁領域42が合金を含むものでもよく、昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料が導電領域又は絶縁領域42の一部として含まれていてもよい。導電領域又は絶縁領域42,42aの数は複数でもよく、数量に制限はない。また、異なる導電領域又は絶縁領域42,42aの厚さは同じでも異なっていてもよい。
試料本体41は、例えば鉄鋼,ステンレス鋼、Si基板等の材料から構成され、任意の形状を有している。以下、試料本体41の形状は、板状の偏平な形状を有しているとして説明する。試料本体41の厚さは、例えば100μm~1000μm程度であり、多結晶又は単結晶でもよい。試料本体41の寸法は任意であるが、直径が例えば5mm~20mm程度としてもよい。試料本体41が多結晶の場合には、例えば結晶粒が300μm~1000μm程度でもよい。逆に、試料本体41は、極端に小さく均一な寸法の微結晶で水素透過のない緻密な多結晶でもよい。
導電領域又は絶縁領域42は、昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料、例えば蒸気圧の高い金属、又は該金属の合金からなる材料から構成されている。導電領域42としては、例えば亜鉛ニッケル合金のメッキ材や、真鍮の中に含まれる亜鉛、あるいは真鍮の表面に施されたメッキ部分が挙げられる。絶縁領域42は、例えば試料本体41の表面に局所的に形成された導電領域の酸化膜や窒化膜等の絶縁膜であってもよく、特に製造方法には依存しない。絶縁領域42は、試料本体41に形成した絶縁膜でもよい。
試料40は、図14に示した試料100とほぼ同様の構成であるが、後述するように導電性薄膜43の構成が異なっている。
導電性薄膜43は、水素透過検出の際に試料本体41及び絶縁領域又は導電領域42から昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽し、且つ、試料本体41の表面領域に局所的に配設された酸化物によるチャージアップを防止するために設けた層である。
導電性薄膜43は、水素透過性を備え且つ試料本体41からの昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽する導電性材料、好ましくは試料本体41又は導電領域42との間で合金を作らない材料から構成される。合金を作らないことによって、導電性薄膜43から昇華又は蒸発によってガス放出が行なわれることがない。これにより、試料本体41の少なくとも一部が、例えば亜鉛,カドミウム,水銀等の平衡蒸気圧の高い金属又は該金属の合金からなる材料から構成されている場合に、これらの金属材料と合金を作らない金属材料から成る導電性薄膜43により試料本体41を覆うことによって、これらの金属材料が導電性薄膜43を透過して、後述する水素ガス透過拡散経路観測装置の分析室の超高真空環境を汚染することがない。
即ち、試料40は、表面側の一部に導電領域又は絶縁領域42を含んでおり、当該試料40の表面上に、水素透過性を備え且つ昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽する導電性薄膜43が配設されている。
上記のような水素透過性を備え且つ昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽する導電性薄膜43の材料としては、金属材料、例えばパラジウム(Pd),バナジウム(V),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),チタン(Ti),銀(Ag)や、これらの合金が好適である。より具体的には、例えばパラジウムに関して、Pd,Pd-Ag,Pd-Cu,Pd-Cu-Siが、またバナジウムに関して、V,V-Ru,V-Feが好適である。
これらの材料は、高い水素透過性を備えると共に、昇華又は蒸発によるガス放出によって水素以外の原子や分子の放出を遮蔽する特性を備えている。また従来から所謂水素フィルタとして実用化されているので、水素透過検出の際に水素イオンの透過を妨げることがないので、水素透過性を備えた導電性薄膜43として使用することができる。
また、試料本体41が高分子材料等から成る絶縁領域を含む場合には、導電性薄膜43を形成する際に、高分子材料等が溶けない程度の温度で、例えばスパッタ蒸着により導電性薄膜43を形成する必要がある。これにより、導電性薄膜43が蒸着により比較的低い温度で形成され得るので、導電性薄膜43の蒸着の際に高分子材料が溶融してしまうようなことがない。
さらに、試料本体41又は導電領域42が金属材料を含む場合には、当該金属材料に対して合金を作りやすい材料は導電性薄膜43として使用できない。具体的には、試料本体41又は導電領域42が亜鉛(Zn)を含む場合には、亜鉛と合金を作りやすい材料として銅(Cu)を含む導電性薄膜43は好ましくない。また、導電性薄膜43の材料と試料本体41又は導電領域42とが合金を作りにくくするために、導電性薄膜43の形成は、例えば200℃以下の低温で行なうことが好ましい。
ここで、導電性薄膜43は、本発明の試料の製造方法の実施形態に基けば、試料40の表面に対してスパッタリング法等の蒸着方法によって、試料40の表面に対するコーティング膜として形成することができる。その際、導電性薄膜43は、試料本体41及び導電領域又は絶縁領域42の表面と合金を作らない程度の温度で形成される。また、スパッタリング法の場合には、スパッタリングにより試料40の表面に衝突する粒子等によって、試料40の表面を損傷しない程度に導電性薄膜43の形成が行なわれる。導電性薄膜43を形成することにより試料40の表面状態が変化し難くなる。
本発明による水素透過検出のための試料40の製造方法によれば、導電性薄膜43の形成の際に、試料本体41から昇華又は蒸発によりガス放出が行なわれないので、水素透過検出のために用いる水素ガス透過拡散経路観測装置の分析室の超高真空環境が汚染されてしまうことがなく、正確な水素透過検出を行なうことができる。
さらに、導電性薄膜43は全体として均一の膜厚を有すると共に、その膜厚は例えば水素透過検出のために使用する走査型電子顕微鏡の空間分解能と同程度以下とする。例えば、電子顕微鏡の空間分解能が50nm以下、より好ましくは10nm~20nm程度に選定されるとき、導電性薄膜43は、例えば数nmから20nm程度、好ましくは、2nmから10nmの膜厚を備えるように形成される。導電性薄膜43の膜厚を薄くする必要があるのは、実際の導電領域又は絶縁領域42のサイズや位置と、導電領域又は絶縁領域42を透過し導電性薄膜43を経由して表面に湧き出し、電子照射によってイオンとして脱離する水素の脱離位置がずれないようにするためである。逆に、導電性薄膜43の厚さが厚いと導電性薄膜43の中を水素が拡散し、縦の透過方向だけでなく横方向にも移動し、横方向の移動は面分解能を落とすことになるのでこの横方向の移動を小さくするために、導電性薄膜43の厚さも薄くする必要がある。試料40の表面に均一な膜厚の導電性薄膜43を配設することにより、試料40の電子遷移誘起(ESD)による水素透過検出を、試料40の表面全体に亘って均一に且つ正確に行なうことができる。
即ち、導電性薄膜43の膜厚に関して、膜厚が厚すぎるとさらに水素透過性が低下してしまうと共に、導電性薄膜43内で水素イオンが水平方向に移動して分解能が低下してしまう。これに対して膜厚が薄すぎると、均一な膜厚の形成が困難であるので、上記の寸法とするのが好ましい。これにより、導電性薄膜43内での水素原子の水平方向の移動が空間分解能以下に抑制される。従って、導電性薄膜43の存在による空間分解能への影響が抑制されるので、電子遷移誘起で励起され脱離する水素イオンの位置を、走査型電子顕微鏡の空間分解能と同程度の精度で計測することができる。
本発明の水素透過検出のための試料40は以上のように構成されており、この試料40の水素透過検出を行なう場合について以下に説明する。
図2は本発明の実施形態における水素ガス透過拡散経路観測装置10の構成を模式的に示し、図3は図1の試料ホルダー12の別の構成例を示す。図4は分析室11内の水素イオン検出部20の構造と試料ホルダー12の装着構造等を示す部分拡大図である。
図2に示すように、水素ガス透過拡散経路観測装置10は、走査型電子顕微鏡15を備え、この走査型電子顕微鏡15の分析室11内では、試料ホルダー12の上部に配設された試料40に電子線を照射する電子源16を備えている。さらに、分析室11には、分析室11で試料40に照射された電子線16aにより生じる二次電子を検出する二次電子検出器51と、電子源16から照射された電子線16aにより生じる水素イオンを検出する水素イオン検出部20と、試料40の裏面側に接続される水素配管14に水素を供給するガス供給部19と、制御部50と、を備えている。
分析室11には隔膜型試料ホルダー12が載置され、水素配管14に接続される試料台部31と、加熱された試料40の温度を測定する試料温度測定部33及び試料40の位置を調整する試料位置調整部34等が配備される。分析室11は、第1の真空排気部37により真空にされる。第1の真空排気部37は、図示しないターボ分子ポンプ等の真空ポンプと、ゲートバルブや真空計等を備えて構成される。分析室11はSEM像が得られる真空度、例えば1.0×10-7Pa以下に排気される。試料40は、分析室11内で図示しないランプ等の試料加熱部により加熱されてもよい。また、試料40は、試料ホルダー12の図示しない試料搭載部に固定、又は、溶接等により接着される。図4に示すように、試料40は、試料ホルダー12と共に走査型電子顕微鏡15の分析室11内に配置される。これにより、試料ホルダー12の中空部12aと分析室11との間が試料40により仕切られるので、試料40が分析室11と中空部12aとを仕切る隔膜となる。水素配管14は、第2の真空排気部38により真空にされる。第2の真空排気部38は、図示しないターボ分子ポンプ等の真空ポンプと、ストップバルブや真空計等を備えて構成されている。第2の真空排気部38は、水素配管14、試料台部31及び隔膜型試料ホルダー12を所定の真空度に排気する。
水素イオン検出部20は、試料40の表面から生じる水素イオンを収集する収集機構21と、水素イオン以外を除去するイオンエネルギー分解部22と、イオンエネルギー分解部22を通過した水素イオンを検出するイオン検出部23と、から成る。
試料ホルダー12には、水素のガス供給部19から前もって供給され試料ホルダー12の中空部12aの内部に封入された水素が、試料40の裏面側に接触していて、試料40の裏面側から内部に導入される。ここで、本発明の試料40は、表面側の一部に導電領域又は絶縁領域42を含んでいるが、この試料40の表面上には、水素透過性を備え且つ昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽する導電性薄膜43が配設されていることから、水素は試料40の内部を拡散して、試料40の表面に到達して試料40の表面から放出される。つまり、水素や重水素は試料40の裏面側から表面に透過する。この試料40の表面に到達した水素に電子線16aを照射することで、電子遷移誘起により試料40から水素イオンが脱離し、この水素イオンが収集機構21で集束されることにより水素イオン検出部20で検出される。
水素イオン検出部20では、ESD法により試料40の表面で発生する水素イオンを検出する。電子線16aの走査により検出した水素イオンによる二次元の像を、ESD像又はESDマップとも呼ぶ。
試料40の表面側の近傍には、脱離イオンを効率よく収集するための収集機構21が配設されている。図示の収集機構21は例えば金属線のメッシュからなり、グリッド構造のレンズである。収集機構21で収集した目的ガスのイオン、例えば水素イオンは水素イオン検出部20に入射する。イオンエネルギー分解部22では、例えば水素イオンを選別してイオン検出器23に入射させる。
イオンエネルギー分解部22は、イオン検出器23が試料40に直接対向しないよう蓋形状を有する金属電極からなる。イオンエネルギー分解部22は、円筒形や円錐を含む形状の電極を用いることができる。イオンエネルギー分解部22は、円筒形の電極に適当な正電圧を印加し、電場により目的ガスのイオン、例えば水素イオンだけをイオン検出器23に導き、試料40に電子線16aが照射されて発生する光と電子を除去することができる。イオン検出器23は、例えばセラトロンや二次電子増倍管を用いることができる。
制御部50は、電子源16から照射する電子線16aの走査により試料40から発生する二次電子によるSEM像を取得し、且つ試料40の内部や表面の点欠陥部分より湧出する水素原子を、電子線の電子遷移誘起により水素イオン化して、水素イオンのESD像を電子線の走査に同期して取得する。
ここで、ESDは、材料から湧出して表面に滞在している水素原子に照射された電子が当たったとき、水素原子の中の電子が励起状態となり、あるいは剥ぎ取られて、水素原子がイオン化することにより表面に結合した状態から反結合状態になって脱離する現象で、ESD像はこの脱離した水素イオンを撮像して得られる。そして、制御部50により試料40のSEM像とESD像とを同期させることによって、検出した水素イオンの位置情報を得て、試料40の点欠陥等の位置を検出することができる。
図3は、上述した試料ホルダーの別の構成例を示している。この場合、試料ホルダー12Aは、温度可変型試料ホルダーとして、フランジ部12bと、フランジ部12bに接続されるコンテナ状の試料搭載部12cと、から構成され、試料40は、試料搭載部12cの上部において、試料固定板13により保持されている。ここで、試料搭載部12cの内部空間が前述した中空部12aを画成している。フランジ部12bは、例えばICF34(国際標準規格)のフランジ付き単管が使用され、また試料搭載部12cは、熱伝導を良くするために銅により構成され得る。試料搭載部12cは、試料40の裏面側からガスを供給するためのガスが封入され、フランジ部12bに載置されて、図示しないボルト等の固定手段によりフランジ部12bに固定される。
さらに、試料搭載部12cの上部には開口部Wが設けられ、開口部Wの上から試料40が載置されて開口部Wが塞がれる。試料搭載部12cから供給される水素等のガスは、試料ホルダー12Aから試料40を透過し、上方に湧き出す現象を測定することができる。つまり、図2に示す試料ホルダー12では、ガス供給がガス配管14を介して行われていたのが、温度可変型試料ホルダー12Aでは、ガスを封入したコンテナ12cにより行われる。温度可変型試料ホルダー12Aによれば、ガスを封入したコンテナ12cの開口Wを閉塞するように試料40を試料固定板13により固定してフランジ部12bに接続すればよいので、試料40の交換の簡易化が図れる。
次に、水素ガス透過拡散経路観測装置10における制御部50の構成及び動作を詳細に説明する。
図5は制御部50のブロック図、図6は電子衝撃脱離全体制御部52の構成を示すブロック図、図7は電子源16の走査とESD像の二次元計測との関係を示す模式図である。図5に示すように、制御部50は、走査型電子顕微鏡15を制御する電子顕微鏡全体制御部51と、ESD像の取得をする電子衝撃脱離全体制御部52と、を含んで構成される。制御部50は、電子顕微鏡全体制御部51の他には、試料40の走査型電子顕微鏡像(SEM像)取得するための二次電子検出部53と、電子光学系制御部54と、SEM用の画像演算部55と、高電圧安定化電源56と、入力装置57と、ディスプレイ58と、記憶装置59等から構成される。電子顕微鏡全体制御部51は、二次電子検出部53と電子光学系制御部54とSEM用の画像演算部55と高電圧安定化電源56と記憶装置59とを制御するように構成される。走査型電子顕微鏡15の分析室11内に配設される二次電子検出器18の出力は、二次電子検出部53に入力される。
次に、電子衝撃脱離全体制御部52について説明する。
図6に示すように、ESD像の取得を制御する電子衝撃脱離全体制御部52は、二次元のマルチチャンネルスケーラー60と、パルス計数部61と、同期制御部62と、測定信号の二次元平面への並べ替え部63と、マイクロプロセッサ72等から構成される。分析室11内に配設される水素イオン検出部20の出力は、電子衝撃脱離イオン検出部67を介してその出力67aがパルス計数部61に入力される。電子衝撃脱離全体制御部52には電子光学系制御部54から走査信号が入力され、SEM像と同期して制御される。さらに、電子衝撃脱離全体制御部52にはディスプレイ65と記憶装置66が接続される。
マイクロプロセッサ72は、マイクロコントローラ等のマイコン,パーソナルコンピュータ,現場でプログラム可能なゲートアレイであるFPGA(Field-Programmable Gate Array)でもよい。
図5に示したように電子光学系制御部54から電子衝撃脱離全体制御部52に出力された走査信号は、図6に示す電子衝撃脱離全体制御部52の同期制御部62を介して垂直走査信号(Vertical clock)62aとして、電子源16の第一の偏向コイル16bに出力される。また、水平走査信号(Horizontal clock)62bは同期制御部62から電子源16の第二の偏向コイル16cに出力される。さらに、同期制御部62から走査位置に関する情報62cがマイクロプロセッサ72に出力される。
パルス計数部61から出力される水素イオンのカウント数信号61aは、各走査位置の水素イオンのカウント数信号としてマイクロプロセッサ72に出力される。
マイクロプロセッサ72で生成されたESD像は、入出力インターフェース(I/O)72aを介してディスプレイ65に出力され、且つ入出力インターフェース(I/O)72bを介して記憶装置66に出力される。
次に、電子衝撃脱離全体制御部52の動作について説明する。
図7に示すように、電子源16から発生した電子線16aは、第一の偏向コイル16bと第二の偏向コイル16cを通過することにより、水平方向と垂直方向に走査されて試料40に二次元に照射される。
図7に示す同期制御部62において発生されるデジタル信号である垂直走査信号62aのクロック信号は、デジタルアナログ変換器(DAC)62dにより鋸波に変換されて、電子源16の第一の偏向コイル16bに印加される。同様に、デジタル信号である水平走査信号62bのクロック信号は、デジタルアナログ変換器(DAC)62eにより鋸波に変換されて、電子源16の第二の偏向コイル16cに印加される。
1パルスの撮影タイミング信号(Shoot timing、以下ST信号という)によって、垂直走査信号62aが、合計2048パルス発生するように制御が開始される。1パルスの垂直走査信号62aのパルス幅の期間に、水平方向の画素信号が合計2048パルス出力される。これにより、2048行×2048列(=4194304)の約419万画素の二次元走査を生成する。つまり、パルス計数部61でカウントされる信号は、ST信号,垂直走査用のクロック信号,水平走査用のクロック信号からなる複数のカウンターを同期させることで、各走査位置におけるイオン検出器23からの水素イオンのカウント数とすることができる。
続いて、ESD像の取得方法について説明する。
図8は走査による二次元のESD像を計測するフロー図である。図8に示すように、二次元のESD像の取得は、以下のステップで行なうことができる。
ステップ1:試料40の表面から脱離した水素イオンが、イオン検出器23で検出される。
ステップ2:イオン検出器23で検出した水素イオンの定量計測を、パルス計数部61で行なう。
ステップ3:図7に示した垂直走査用のクロック信号及び水平走査用のクロック信号を生成する同期制御部62により、試料40の二次元の各測定点の水素イオンのカウントを行なう。
ステップ4:ステップ3で測定した試料40の二次元の各測定点の水素イオンのカウント数を記憶装置66のメモリーに保存する。
ステップ5:垂直走査用のクロック信号及び水平走査用のクロック信号を元に記憶装置66のメモリーに保存されたイオン信号を二次元画像(ESD像)として並べ替える。
ステップ6:ステップ5で取得したESD像をディスプレイ65に表示し、画像及び数値データとして記憶装置66に保存する。
これにより、SEM像と同じ領域のESD像が取得される。
上記ステップ1~6のESD像の取得は、計測機器制御に特化したプログラム製作環境で作製したソフトウェアで実行することができる。このようなソフトウェアとしては、National Instruments社製のLabVIEW(登録商標)(http://www.ni.com/labview/ja/)を用いることができる。上記ステップ1~6のESD像は、マイクロプロセッサ72において、LabVIEW(登録商標)で作製したプログラムで実行される二次元のマルチチャンネルスケーラー60により取得できる。
水素ガス透過拡散経路観測装置10においては、SEM像は従来と同様にして得ることができる。二次電子検出器18からの信号は、制御部50の二次電子検出部53で検知され、電子顕微鏡全体制御部51によりディスプレイ58に表示される。
このようにして、水素ガス透過拡散経路観測装置10によれば、試料40に関して二次電子によるSEM像と上記ステップ6で取得したESD像を比較することにより、例えば金属から成る試料40の組織の局所構造と水素透過との関連を調べることが可能となる。例えば、局所構造としては、金属の結晶粒サイズやその結晶構造と水素透過、つまり水素放出能とを比較することができる。
ここで、水素放出位置の空間分解能は、本質的には走査型電子顕微鏡15の倍率に依存するため、走査型電子顕微鏡15の倍率と同等まで向上できるので、50nm以下、例えば2~10nm、つまり10nm以下の分解能が得られる。走査型電子顕微鏡15の倍率の限界は、走査型電子顕微鏡15とその周囲の振動除去と電子ビーム径により決まる。
なお、本発明において、試料40の表面に配設される導電性薄膜43の膜厚が走査型電子顕微鏡15の空間分解能と同程度の膜厚であることから、導電性薄膜43の存在によって、水素放出位置の空間分解能が低下するようなことはない。これにより、記憶装置59に保存された試料40のSEM像と記憶装置66に保存された試料40のESD像を同じ位置分解能で比較することにより、SEM像から試料表面側の結晶粒界や点欠陥等の組織とESD像から水素イオンの放出位置に関する構造情報を取得することができる。さらに、ESD像から取得した水素イオンの放出位置に関する構造情報とSEM像で取得した例えば点欠陥とを対比することにより、試料40の点欠陥の位置と水素イオンの放出位置との関係を特定することができる。
さらに、水素イオンの検出を走査型電子顕微鏡15の二次電子検出の限界と一致させるためには、電子と水素イオンの飛行時間の差が問題となるが、測定中の電子走査の時間を遅くすること、又はイオン検出器23と試料40の距離を短くすることで対応することができる。
このようにして、本発明の試料40を用いて水素透過検出を行なう場合、導電性薄膜43の存在によって、試料本体41及び導電領域又は絶縁領域42の表面から、昇華又は蒸発によりガスが発生しようとしても、導電性薄膜43によりガスが遮断されるので、昇華又は蒸発によるガス放出によって分析室11内の超高真空環境が汚染されることがなく、また絶縁領域42にてチャージアップが発生しないので、絶縁領域42で電子密度が低下するようなことがなく、取得されるESD像は、図9(B)に示すように導電領域又は絶縁領域42においても、水素量が確実に計測され得ることになる。
ここで、例えば試料本体41及び導電領域又は絶縁領域42に、亜鉛が含まれるような場合には、亜鉛は平衡蒸気圧が高く、例えば真空環境の準備をするために必要なベーキング温度(127℃)程度においても、10-6Pa程度であるが、亜鉛が昇華又は蒸発によりガス放出されても、導電性薄膜43によって遮蔽されるので、ガスが分析室11内に進入して、分析室11内の超高真空環境が汚染されてしまうことがない。
なお、導電性薄膜43は、水素透過検出の空間分解能に対する影響をできるだけ抑制するために、その膜厚を十分に薄くすることが望ましい。その際、導電性薄膜43内での水素の横方向(表面に沿った方向)の移動は空間分解能より低いことが望ましいことから、導電性薄膜43の膜厚を水素透過検出のために必要な空間分解能以下とすることが望ましい。
このようにして、上述した本発明による水素透過検出のための試料40によれば、試料本体41からの昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽することができると共に、チャージアップの発生を抑止することができる。これにより、その表面に酸化膜等が形成された試料本体41の表面を導電性薄膜43で被覆することによって、分析室11内の超高真空環境が昇華又は蒸発によるガス放出によって汚染されることがなく、さらにチャージアップの発生を抑制することにより、試料本体41及び絶縁領域42から試料40の表面に湧出した水素の透過をより正確に測定することができる。
本発明による水素透過検出のための試料40の一実施形態によれば、試料40の表面に水素透過性を備え且つ試料本体41からの昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽する導電性薄膜43が配設されているので、当該試料40を水素透過検出のために走査型電子顕微鏡15の走査電子により電子遷移誘起で励起させる際、当該試料40の導電領域又は絶縁領域42に被覆した導電性薄膜43によって、試料本体41から昇華又は蒸発によりガスが放出しようとしても導電性薄膜43によって遮蔽される。従って、このようなガス放出によって、分析室11の超高真空を維持することが可能になると共に、超高真空環境が汚染されることがない。
また、試料本体41の絶縁領域42に電子が蓄積しようとしても導電性薄膜43に沿って移動するので、当該絶縁領域42が帯電して所謂チャージアップが発生することがなく、上述した電子遷移誘起で励起された水素イオンがチャージアップの影響を受けることなく脱離する。
上記導電性薄膜43は水素透過性を備えていることから、脱離した水素イオンが導電性薄膜43の存在によって妨げられることなく試料40から脱離する。従って、脱離した水素イオンのESD像を走査型電子顕微鏡15の電子線の走査に同期させることによって、ESD像が正確に取得され、高精度で水素イオンの透過検出が行なわれる。
図10は、本発明による水素透過検出のための試料の第二の実施形態の構成を示している。図10において、試料40Aは、図1に示した試料40と比較して、試料本体41及び導電領域又は絶縁領域42の表面と導電性薄膜43との間に、第二の薄膜44を備えている点で、異なる構成である。
第二の薄膜44は、水素透過性を備え且つ試料本体41及び導電領域又は絶縁領域42を構成する金属材料と反応しない材料から構成されている。
なお、第二の薄膜44が存在することにより、導電性薄膜43は、水素透過性を備えていれば、試料本体41及び導電領域又は絶縁領域42を構成する金属材料と反応しない材料でなくてもよい。具体的には、第二の薄膜44は、例えばAl,Pb,Snの何れか又はAl,Pb,Snの何れかを含む合金から構成される。
従って、導電性薄膜43の材料として、試料本体41及び導電領域又は絶縁領域42の材料と合金を作りにくい材料を選択できないような場合には、第二の薄膜44を備えることにより、図1に示した試料40と同様に、昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽することができる。例えば、試料本体41及び導電領域又は絶縁領域42がインジウムを含むような場合には、導電性薄膜43としてPdAg薄膜との間に、第二の薄膜44を備えることにより、試料本体41及び導電領域又は絶縁領域42と導電性薄膜43の材料が合金を作るようなことはない。
本発明による水素透過検出のための第二の実施形態の試料40Aによれば、試料本体41の少なくとも一部が、例えば亜鉛,カドミウム,水銀等の平衡蒸気圧の高い金属材料から構成されている場合に、これらの金属材料と反応しない材料、例えばAl,Pb,Snの何れか又はAl,Pb,Snの何れかを含む合金から成る第二の薄膜44により試料本体41を覆うと共に、導電性薄膜43と直接に接触しないようにすることによって、これらの金属材料が導電性薄膜43と反応することがなく、第二の薄膜44から導電性薄膜43を透過して分析室11の超高真空環境を汚染することがない。この場合、第二の薄膜44が水素透過性を備えていることで、試料本体41から放出される水素イオンは第二の薄膜44により妨げられることなく第二の薄膜44から導電性薄膜43を透過する。
図11は、本発明による水素透過検出のための試料の第三の実施形態の構成を示している。図11において、試料80は、基板81と、基板81上の一部領域に配置された水素透過検出のための試料本体82と、基板81上にて試料本体82を除く領域を覆うように形成された第三の薄膜83と、基板81上にて、試料本体82及び第三の薄膜83を含む表面全体に亘って配設された導電性薄膜84と、から構成されている。
基板81は、水素透過性を有する材料、例えばパラジウムから構成されている。試料本体82は、昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料から構成されている。
第三の薄膜83は、水素透過性の低い材料から構成され、基板81を下方から上方に貫通しようとする水素が第三の薄膜83により阻止される。他方、試料本体82が、基板81上の一部領域に配置されることにより、図1の試料40と比較して水素放出のための領域の表面積が小さく選定される。具体的には、試料本体82は、水素放出のための領域の表面積が、例えば第三の薄膜83よりも小さく選定される。
導電性薄膜84は、図1の試料40における導電性薄膜43と同様の構成である、即ち水素透過性を備え且つ試料本体82からの昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽する導電性材料、好ましくは試料本体82との間で合金を作らない材料から構成される。
このような構成の試料80によれば、水素透過検出の際に、試料本体82から昇華又は蒸発によるガスが放出されたとしても、その放出ガスの量は、図1の試料40と比較して大幅に低減されるので、当該試料80の水素透過検出を行なう場合、分析室11の超高真空環境内に放出されるガス量と当該分析室11の真空ポンプによる排気量とのバランスにより、即ちガス放出量より排気量を多く設定することで、超高真空環境の放出ガスによる汚染が大幅に低減され得る。
本発明による水素透過検出のための試料の第三の実施形態によれば、試料本体82の表面積が小さいことから、試料本体82の表面から分析室11の超高真空側への昇華又は蒸発によるガス放出が抑制され、分析室11の超高真空環境の汚染が低減する。さらに、第三の薄膜83が、試料本体82の他の領域を覆うことにより、試料本体82の表面の真空側に露出する表面積が実質的に小さくなるので、試料本体82の表面から超高真空側への昇華又は蒸発によるガス放出が抑制され、超高真空環境の汚染が低減する。
図12は、本発明による水素透過検出のための試料の第四の実施形態の構成を示している。図12において、試料90は、上下に貫通する小径の貫通穴91aを備えた支持板91と、貫通穴91a内に真空用接着剤92により固定された小径の試料本体93と、から構成される。支持板91は、水素透過性の低い材料、例えばステンレス鋼等から構成される。試料本体93は、昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料から構成される。真空用接着剤92は、例えばVacシール,トールシール等の超高真空環境に使用可能な材料から成る接着剤であり、超高真空環境においても試料本体93を支持板91に対して確実に固定保持することができる。
なお、図示の場合、支持板91の貫通穴91a及び試料本体93は、真空側(図面にて上方)に向かって先細となるようにテーパ状に形成されている。これにより、真空側からの負圧により試料本体93が真空側に向かって引っ張られ、試料本体93が貫通穴91aの周囲に対してより強く密着し、気密性が高められる。図12においても、図1の試料40における導電領域又は絶縁領域42を図示省略している。
このような構成の試料90によれば、図11の試料80と同様に、水素放出のための領域が、図1の試料40と比較して小さく選定される。これにより、水素透過検出の際に、試料本体93から昇華又は蒸発によるガスが放出されたとしても、その放出ガスの量は、図1の試料40と比較して大幅に低減される。
本発明による水素透過検出のための試料の第四の実施形態によれば、試料本体93自体が小径に形成され、支持板91の小径の貫通穴内に固定されているので、試料本体93の真空側に露出する表面積が実質的に小さくなり、試料本体93の表面から超高真空側への昇華又は蒸発によるガス放出が抑制され、超高真空環境の汚染が低減する。
図13は、本発明による水素透過検出のための試料の第五の実施形態の構成を示す。図13において、試料90Aは、図12の試料90とほぼ同様の構成で、支持板91及び試料本体93の表面全体を覆うように形成された導電性薄膜94を備える点で異なる構成である。
導電性薄膜94は、図1の試料40における導電性薄膜43と同様の構成である、即ち水素透過性を備え且つ試料本体93からの昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽する導電性材料、好ましくは試料本体93との間で合金を作らない材料から構成される。なお、図13においても、図1の試料40における導電領域又は絶縁領域42を図示省略した。
試料90Aの構成によれば、図12の試料90と同様に作用すると共に、さらに導電性薄膜94が存在することで、試料本体93から昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽でき、チャージアップを防止することができる。
本発明による水素透過検出のための試料90Aの第五の実施形態によれば、試料本体93の表面に水素透過性を備え且つ試料本体93からの昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽する導電性薄膜94が配設されるので、当該試料90Aを水素透過検出のために走査型電子顕微鏡15の走査電子により電子遷移誘起で励起させる際、当該試料90の導電領域又は絶縁領域42に被覆された導電性薄膜94によって、試料本体93から昇華又は蒸発によりガスが放出されようとしても導電性薄膜94によって遮蔽されると共に、試料本体93の絶縁領域に電子が蓄積しようとしても導電性薄膜94に沿って移動することから、当該絶縁領域が帯電して所謂チャージアップが発生せず、電子遷移誘起で励起された水素イオンがチャージアップの影響を受けることなく脱離する。
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。例えば、上述した実施形態では、試料本体41,82及び93は、鉄鋼,ステンレス鋼,Si基板等の材料から構成したが、これに限らず、例えば高分子材料等の絶縁材料から構成してもよいことは明らかである。
また、上述した実施形態においては、試料本体41,82及び93上に、水素放出領域としての導電性薄膜43,84,94が設けられているが、これに限らず、導電性薄膜43,84,94には、絶縁領域が設けられていてもよいことは明らかである。この場合、絶縁領域は、昇華又は蒸発によるガス放出を遮蔽する材料である。
10 水素ガス透過拡散経路観測装置
11 分析室
12,12A 試料ホルダー
12a 中空部
12b フランジ部
12c 試料搭載部
13 試料固定板
14 水素配管
15 走査型電子顕微鏡
16 電子源
18 二次電子検出部
19 ガス供給部
20 水素イオン検出部
21 収集機構
22 イオンエネルギー分解部
23 イオン検出器
31 試料台部
33 試料温度測定部
34 試料位置調整部
37 第1の真空排気部
38 第2の真空排気部
40,40A 水素透過検出のための試料
41 試料本体
42 導電領域又は絶縁領域
42a 埋め込まれた導電領域又は絶縁領域
43 導電性薄膜
44 第二の薄膜
50 制御部
51 電子顕微鏡全体制御部
52 電子衝撃脱離全体制御部
53 二次電子検出部
54 電子光学系制御部
55 SEM用の画像演算部
56 高電圧安定化電源
57 入力装置
58 ディスプレイ
59 記憶装置
60 二次元のマルチチャンネルスケーラー
61 パルス計数部
61a 水素イオンのカウント数信号
62 同期制御部
62a 垂直走査信号
62b 水平走査信号
62c 走査位置に関する情報
62d,62e デジタルアナログ変換器
63 測定信号の二次元平面への並べ替え部
64 ESD用の画像演算部
65 ディスプレイ
66 記憶装置
67 電子衝撃脱離イオン検出部
72 マイクロプロセッサ
72a,72b 入出力インターフェース
80 水素透過検出のための試料
81 基板
82 試料本体
83 第三の薄膜
90,90A 水素透過検出のための試料
91 支持板
92 接着剤
93 試料本体
94 導電性薄膜

Claims (15)

  1. 試料の背面から透過した水素原子あるいは当該試料の材料内部から湧出した水素原子を、超高真空中で走査型電子顕微鏡の走査電子により電子遷移誘起で励起させて水素イオンを脱離させ、該脱離した水素イオンのESD像を、前記走査型電子顕微鏡の電子線の走査に同期して取得する、水素透過検出のための試料であって、
    表面領域に配設された導電領域又は絶縁領域を備え且つ該導電領域又は絶縁領域が昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料を含む試料本体と、
    前記試料本体の導電領域又は絶縁領域を含む表面全体に亘って配設された水素透過性を備え且つ前記試料本体からのガス放出を遮蔽する導電性薄膜と、
    を備える、水素透過検出のための試料。
  2. 前記試料本体の少なくとも一部が、高分子材料から構成されており、
    前記導電性薄膜が、前記試料本体の表面に蒸着により形成されている、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の水素透過検出のための試料。
  3. 前記試料本体の少なくとも一部が、蒸気圧の高い金属又は該金属の合金からなる材料から構成されており、
    前記導電性薄膜が、前記蒸気圧の高い金属と合金を形成しない金属材料で成るか又は、前記蒸気圧の高い金属合金と合金を形成しない金属材料で成る、請求項1に記載の水素透過検出のための試料。
  4. 前記導電性薄膜が、パラジウム,バナジウム,ニオブ,タンタル,チタン,銀又はこれらの合金であることを特徴とする、請求項3に記載の水素透過検出のための試料。
  5. 前記試料本体の少なくとも一部が、蒸気圧の高い金属材料から構成されており、
    前記試料本体の表面と前記導電性薄膜との間に、水素透過性を備え且つ前記蒸気圧の高い金属材料と反応しない材料から成る第二の薄膜を備えている、
    請求項1に記載の水素透過検出のための試料。
  6. 前記第二の薄膜が、Al,Pb,Snの何れか又はAl,Pb,Snの何れかを含む合金である、請求項5に記載の水素透過検出のための試料。
  7. 前記試料本体の表面の真空側への水素放出のための領域を除く他の領域を覆うように、水素透過性の低い第三の薄膜が備えられる、請求項1に記載の水素透過検出のための試料。
  8. 前記試料本体の水素放出のための領域の表面積が、前記第三の薄膜の表面積よりも小さく設定される、請求項7に記載の水素透過検出のための試料。
  9. 試料の背面から透過した水素原子あるいは当該試料の材料内部から湧出した水素原子を、超高真空中で走査型電子顕微鏡の走査電子により電子遷移誘起で励起させて水素イオンを脱離させ、該脱離した水素イオンのESD像を、前記走査型電子顕微鏡の電子線の走査に同期して取得する、水素透過検出のための試料であって、
    水素透過性の低い材料から成り、一部に貫通穴を備えた支持板と、
    表面領域に局所的に配設された導電領域又は絶縁領域を有し且つ少なくとも一部が昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料から成る試料本体と、を備え、
    該試料本体が、前記支持板の貫通穴内に固定されて成る、水素透過検出のための試料。
  10. 水素透過性を備え且つ前記試料本体からのガス放出を遮蔽する導電性薄膜が、前記試料本体を含む支持板の表面全体に亘って配設された、請求項9に記載の水素透過検出のための試料。
  11. 前記導電性薄膜が、均一の膜厚を有している、請求項1から8又は10の何れかに記載の水素透過検出のための試料。
  12. 前記導電性薄膜が、走査型電子顕微鏡の空間分解能と同程度以下の膜厚を有している、請求項1から8又は10,11の何れかに記載の水素透過検出のための試料。
  13. 試料の背面から透過した水素原子あるいは当該試料の材料内部から湧出した水素原子を超高真空中で走査型電子顕微鏡の走査電子により電子遷移誘起で励起させて水素イオンを脱離させ、該脱離した水素イオンのESD像を前記走査型電子顕微鏡の電子線の走査に同期して取得する、水素透過検出のための試料の製造方法であって、
    表面領域に導電領域又は絶縁領域を配設し且つ該導電領域又は絶縁領域が昇華又は蒸発によりガス放出しやすい材料で試料本体を形成する工程と、
    前記試料本体の導電領域又は絶縁領域の含む表面に亘って、水素透過性を備え且つ前記試料本体からのガス放出を遮蔽する導電性薄膜を形成する工程と、
    を備え、
    前記導電性薄膜を、前記試料本体から試料表面上にガスが放出されない温度で、該試料表面に蒸着により形成する、水素透過検出のための試料の製造方法。
  14. 前記試料本体の少なくとも一部を、高分子材料から形成し、
    前記導電性薄膜を、前記高分子材料を溶融又は昇華させない温度で、蒸着又はスパッタリング法により形成する、請求項13に記載の水素透過検出のための試料の製造方法。
  15. 前記導電性薄膜を、前記試料本体の表面と合金を作らない程度の温度で形成する、請求項13に記載の水素透過検出のための試料の製造方法。
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