JP2023149211A - 路外逸脱抑制装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者の操作によって車線変更が行われる際の安全性を向上させることが可能な路外逸脱抑制装置を提供する。【解決手段】制御装置100は、自車両の周辺状況を認識する認識部130と、自車線から当該自車線に隣接する隣接車線への車線変更が前記運転者の操作によって行われる場合に、運転者の車線変更意図を検出したことに応じて路外逸脱抑制制御を一時的に休止させる制御部140と、車線変更が行われているときに、認識部130の認識結果に基づき、隣接車線を走行する他車両を検出する検出部150と、検出部150によって他車両が検出された場合に、自車両と他車両との車間距離に基づき、路外逸脱抑制制御の休止を解除するか否かを判定する判定部160と、を備え、判定部160によって路外逸脱抑制制御の休止を解除すると判定された場合に、路外逸脱抑制制御を再開させ、路外逸脱抑制制御に応じた報知制御又は操舵制御を実行する。【選択図】図1
Description
本発明は、路外逸脱抑制装置に関する。
近年、脆弱な立場にある交通参加者にも配慮した持続可能な輸送システムを提供するための取り組みが活発化している。この取り組みの1つとして、交通の安全性や利便性をより改善すべく、自動車等の車両における運転支援技術や自動運転技術に関する研究開発が行われている。自動車等の車両における運転支援技術には、車両が路外へ逸脱するのを抑制するRDM(Road Departure Mitigation)と呼ばれるものがある。また、下記特許文献1には、自車両を自車線から隣接車線へ車線変更させる車線変更支援装置が開示されている。
従来技術にあっては、運転者の操作によって車線変更が行われる際の安全性を向上させる観点から、改善の余地があった。
本発明は、運転者の操作によって車線変更が行われる際の安全性を向上させることが可能な路外逸脱抑制装置を提供する。
本発明は、
自車両の周辺状況を認識する認識部の認識結果に基づき、前記自車両が走行中の自車線から逸脱する場合に、前記自車線からの逸脱を抑制する路外逸脱抑制制御を実行可能な路外逸脱抑制装置であって、
前記路外逸脱抑制制御は、前記自車両に設けられた報知装置を介して前記自車両の運転者に対して所定の報知を行う報知制御、又は前記自車両を前記自車線内に復帰させる操舵制御を含み、
前記路外逸脱抑制装置は、
前記自車線から当該自車線に隣接する隣接車線への車線変更が前記運転者の操作によって行われる場合に、前記運転者の車線変更意図を検出したことに応じて前記路外逸脱抑制制御を一時的に休止させる制御部と、
前記車線変更が行われているときに、前記認識部の認識結果に基づき、前記隣接車線を走行する他車両を検出する検出部と、
前記検出部によって前記他車両が検出された場合に、前記自車両と前記他車両との車間距離に基づき、前記路外逸脱抑制制御の休止を解除するか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記制御部は、前記判定部によって前記路外逸脱抑制制御の休止を解除すると判定された場合に、前記車線変更の実行時であっても、前記路外逸脱抑制制御を再開させ、前記路外逸脱抑制制御に応じた前記報知制御又は前記操舵制御を実行する、
路外逸脱抑制装置である。
自車両の周辺状況を認識する認識部の認識結果に基づき、前記自車両が走行中の自車線から逸脱する場合に、前記自車線からの逸脱を抑制する路外逸脱抑制制御を実行可能な路外逸脱抑制装置であって、
前記路外逸脱抑制制御は、前記自車両に設けられた報知装置を介して前記自車両の運転者に対して所定の報知を行う報知制御、又は前記自車両を前記自車線内に復帰させる操舵制御を含み、
前記路外逸脱抑制装置は、
前記自車線から当該自車線に隣接する隣接車線への車線変更が前記運転者の操作によって行われる場合に、前記運転者の車線変更意図を検出したことに応じて前記路外逸脱抑制制御を一時的に休止させる制御部と、
前記車線変更が行われているときに、前記認識部の認識結果に基づき、前記隣接車線を走行する他車両を検出する検出部と、
前記検出部によって前記他車両が検出された場合に、前記自車両と前記他車両との車間距離に基づき、前記路外逸脱抑制制御の休止を解除するか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記制御部は、前記判定部によって前記路外逸脱抑制制御の休止を解除すると判定された場合に、前記車線変更の実行時であっても、前記路外逸脱抑制制御を再開させ、前記路外逸脱抑制制御に応じた前記報知制御又は前記操舵制御を実行する、
路外逸脱抑制装置である。
本発明によれば、運転者の操作によって車線変更が行われる際の安全性を向上させることが可能な路外逸脱抑制装置を提供できる。
以下、本発明の路外逸脱抑制装置の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では、同一又は類似の要素には同一又は類似の符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化することがある。
<車両システム1の全体構成>
図1は、本発明の路外逸脱抑制装置の一実施形態である制御装置100を搭載した車両システム1の全体構成を示すブロック図である。車両システム1が搭載される車両(以下、「自車両M」と称す)は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
図1は、本発明の路外逸脱抑制装置の一実施形態である制御装置100を搭載した車両システム1の全体構成を示すブロック図である。車両システム1が搭載される車両(以下、「自車両M」と称す)は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
車両システム1は、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、LIDAR(Light Detection and Ranging)14と、物体認識装置16と、通信装置20と、HMI(Human Machine Interface)30と、車両センサ40と、運転者モニタカメラ50と、ナビゲーション装置60と、MPU(Map Positioning Unit)70と、運転操作子80と、ウインカー83と、制御装置100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220と、を備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続されている。
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、車両システム1が搭載される自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。
レーダ装置12は、自車両Mの周辺にミリ波などの電波を放射するとともに、物体で反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離及び方位)を検出する。レーダ装置12は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。
LIDAR14は、自車両Mの周辺に光(或いは光に近い波長の電磁波)を照射し、散乱光を測定する。LIDAR14は、発光から受光までの時間に基づいて、対象までの距離を検出する。照射される光は、例えば、パルス状のレーザー光である。LIDAR14は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、及びLIDAR14のうち一部又は全部の検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度などを認識する。物体認識装置16は、認識結果を制御装置100に出力する。物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、及びLIDAR14の検出結果をそのまま制御装置100に出力してもよい。
通信装置20は、例えば、セルラー網やWi-Fi(登録商標)網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)などを利用して、自車両Mの周辺に存在する他車両と通信し、或いは無線基地局を介して各種サーバ装置と通信する。
HMI30は、自車両Mの乗員に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、各種表示装置、スピーカ、ブザー、タッチパネル、スイッチ、キーなどを含む。
車両センサ40は、自車両Mの速度(以下、「車速」とも称す)を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。
運転者モニタカメラ50は、例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。運転者モニタカメラ50は、自車両Mの運転席に着座した乗員(以下、運転者)の頭部を正面から(顔面を撮像する向きで)撮像可能な位置及び向きで、自車両Mにおける任意の箇所に取り付けられる。
ナビゲーション装置60は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機61と、ナビHMI(報知装置)62と、経路決定部63とを備える。ナビゲーション装置60は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に第1地図情報64を保持している。
GNSS受信機61は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、自車両Mの位置を特定する。自車両Mの位置は、車両センサ40の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定又は補完されてもよい。
ナビHMI62は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キーなどを含む。ナビHMI62は、前述したHMI30と一部又は全部が共通化されてもよい。
経路決定部63は、例えば、GNSS受信機61により特定された自車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、ナビHMI62を用いて乗員により入力された目的地までの経路(以下、地図上経路)を、第1地図情報64を参照して決定する。第1地図情報64は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。第1地図情報64は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報などを含んでもよい。地図上経路は、MPU70に出力される。
ナビゲーション装置60は、地図上経路に基づいて、ナビHMI62を用いた経路案内を行ってもよい。ナビゲーション装置60は、通信装置20を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから地図上経路と同等の経路を取得してもよい。
MPU70は、例えば、推奨車線決定部71を含み、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に第2地図情報72を保持している。推奨車線決定部71は、ナビゲーション装置60から提供された地図上経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、第2地図情報72を参照してブロック毎に推奨車線を決定する。推奨車線決定部71は、例えば、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。推奨車線決定部71は、地図上経路に分岐箇所が存在する場合、自車両Mが、分岐先に進行するための合理的な経路を走行できるように、推奨車線を決定する。
第2地図情報72は、第1地図情報64よりも高精度な地図情報である。第2地図情報72は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、第2地図情報72には、道路情報、交通規制情報、住所情報、施設情報、電話番号情報などが含まれてよい。第2地図情報72は、通信装置20が他装置と通信することにより、随時、アップデートされてよい。
運転操作子80は、例えば、ウインカーレバー81及びステアリングホイール82の他、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、その他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、制御装置100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、及びステアリング装置220のうち一部又は全部に出力される。
ウインカーレバー81は、ウインカー83を点灯又は消灯させるための操作子である。ウインカーレバー81は、運転者が制御装置100に車線変更意図を検出させるための操作子の一例である。
ウインカー83は、自車両Mの左側(例えば左前と左後)及び右側(例えば右前と右後)のそれぞれに、自車両Mの外部から視認可能な位置に設けられた方向指示器である。ウインカー83は、ウインカーレバー81の操作に応じて点灯又は消灯する。
ステアリングホイール82は、必ずしも環状である必要は無く、異形ステアやジョイスティック、ボタンなどの形態であってもよい。ステアリングホイール82には、ステアリング把持センサ84が取り付けられている。ステアリング把持センサ84は、静電容量センサなどにより実現され、運転者がステアリングホイール82を把持しているか否かを検知可能な信号を制御装置100に出力する。
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、及び変速機などの組み合わせと、これらを制御するECU(Electronic Control Unit)とを備える。ECUは、制御装置100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、制御装置100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、制御装置100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
制御装置100は、自車両Mの全体を統括制御するコンピュータであり、例えば、認識部130と、制御部140とを備える。認識部130及び制御部140は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部:circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、制御装置100のHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置にあらかじめ格納されていてもよい。
認識部130は、カメラ10、レーダ装置12、及びLIDAR14から物体認識装置16を介して入力される情報に基づいて、自車両Mの周辺状況を認識する。具体的には、認識部130は、自車両Mの周辺にある物体の位置、及び物体の速度、加速度等の走行状態を認識する。物体の位置は、例えば、自車両Mの代表点(重心や駆動軸中心など)を原点とした絶対座標上の位置として認識され、制御に使用される。物体の位置は、その物体の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、領域で表されてもよい。物体の「状態」とは、物体の加速度やジャーク、あるいは「行動状態」(例えば車線変更をしている、又はしようとしているか否か)を含んでもよい。認識部130が認識する物体には、自車両Mの前方を走行する他車両(以下、「前走車両」とも称す)M1が含まれる。
また、認識部130は、例えば、自車両Mが走行している走行環境を認識する。例えば、認識部130は、第2地図情報72から得られる道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ10によって撮像された画像から認識される自車両Mの周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、自車両Mの走行車線(以下、「自車線L1」とも称す)を認識する。なお、認識部130は、道路区画線に限らず、道路区画線や路肩、縁石、中央分離帯、ガードレールなどを含む走路境界(道路境界)を認識することで、走行車線を認識してもよい。この認識において、ナビゲーション装置60から取得される自車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。また、認識部130は、一時停止線、障害物、赤信号、料金所、その他の道路事象を認識する。
また、認識部130は、走行車線を認識する際に、走行車線に対する自車両Mの位置や姿勢を認識する。認識部130は、例えば、自車両Mの基準点の車線中央からの乖離、及び自車両Mの進行方向の車線中央を連ねた線に対してなす角度を、走行車線に対する自車両Mの相対位置及び姿勢として認識してもよい。これに代えて、認識部130は、走行車線のいずれかの側端部(道路区画線又は道路境界)に対する自車両Mの基準点の位置などを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。
制御部140は、認識部130による自車両Mの周辺状況の認識結果に基づき、自車両Mの運転を支援する運転支援制御を実行可能に構成される。制御部140が実行可能な運転支援制御としては、例えば、路外逸脱抑制制御や衝突軽減制御を挙げることができる。
路外逸脱抑制制御は、自車両Mの自車線L1からの逸脱を抑制するものであり、例えば、自車両Mが自車線L1から逸脱する場合に運転者に対して所定の報知を行う報知制御と、自車両Mが自車線L1から逸脱する場合に自車両Mを自車線L1内に復帰させる操舵制御と、を含む。
報知制御において、制御部140は、自車両Mが備える所定の報知装置を介して、運転者の視覚、聴覚、又は触覚の少なくともいずれかに作用する報知を行う。報知制御において、例えば、制御部140は、自車両Mが自車線L1から逸脱することをあらわす所定の警告画像をHMI30又はナビHMI62の表示装置に表示させたり、自車両Mが自車線L1から逸脱することをあらわす所定の警報音をHMI30又はナビHMI62のスピーカから出力させたりすることで、運転者の視覚や聴覚に作用する報知を行うことができる。また、例えば、ステアリングホイール82に振動子が設けられている場合、報知制御において、制御部140は、ステアリングホイール82の振動子を振動させることで、運転者の触覚に作用する報知を行うことができる。このように、報知制御による報知を運転者の視覚、聴覚、又は触覚の少なくともいずれかに作用するものとすることにより、運転者にとって直感的にわかりやすい報知を行うことが可能となる。
操舵制御において、例えば、制御部140は、ステアリング装置220のステアリングECUに対して転舵輪の向きを変更させるように指示することで、自車両Mを自車線L1内に復帰させる。また、操舵制御において、例えば、制御部140は、ブレーキ装置210を介して各車輪へのブレーキトルクを制御することにより、自車両Mを自車線L1内に復帰させるように操舵してもよい。
衝突軽減制御は、自車両Mと他の物体との衝突を抑制するものであり、例えば、自車両Mと衝突する可能性のある物体が検出された場合に自車両Mを減速させる制動制御を含む。制動制御において、例えば、制御部140は、ブレーキ装置210のブレーキECUに対して所定のブレーキトルクを発生させるように指示することで、自車両Mを減速させる。また、衝突軽減制御において、制御部140は、自車両Mと衝突する可能性のある物体が検出された場合に、自車両Mが備える所定の報知装置(例えばHMI30又はナビHMI62)を介して、衝突する可能性があることを運転者に対して報知するようにしてもよい。
ところで、自車両Mの車線変更が運転者の操作によって行われる場合に路外逸脱抑制制御が実行されると、当該路外逸脱抑制制御の操舵制御によって車線変更が阻害されたり、当該路外逸脱抑制制御の報知制御によって運転者に煩わしさを与え得る過剰な報知が行われたりすることになる。このような過剰な路外逸脱抑制制御は自車両Mの商品性の低下につながり得る。
そこで、制御部140は、自車線L1から隣接車線への車線変更が運転者の操作によって行われる場合には、運転者の車線変更意図を検出したことに応じて路外逸脱抑制制御を一時的に休止させる。運転者の車線変更意図は、例えば、ウインカーレバー81に対する操作(具体的にはウインカーを点灯させる操作)により検出可能である。本実施形態では、例えば、ウインカーレバー81に対して左ウインカーを点灯させる操作があったことに応じて、制御部140は、自車線L1の左側にある隣接車線へ車線変更する旨の車線変更意図を検出する。また、ウインカーレバー81に対して右ウインカーを点灯させる操作があったことに応じて、制御部140は、自車線L1の右側にある隣接車線へ車線変更させる旨の車線変更意図を検出する。
このように、車線変更が運転者の操作によって行われる場合には、運転者の車線変更意図を検出したことに応じて路外逸脱抑制制御を一時的に休止させることで、運転者に煩わしさを与え得る過剰な路外逸脱抑制制御を抑制することが可能となる。
また、このように、運転者の操作によって車線変更が行われる際には休止され得る路外逸脱抑制制御を活用して、運転者の操作によって車線変更が行われる際の安全性を向上させるべく、制御装置100は、検出部150と、判定部160とをさらに備える。検出部150及び判定部160は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部又は全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、制御装置100のHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置にあらかじめ格納されていてもよい。
検出部150は、運転者の操作によって車線変更が行われているときに、認識部130の認識結果に基づき、車線変更先の隣接車線を走行する他車両を検出する。例えば、ウインカーレバー81に対して左ウインカーを点灯させる操作があり、自車線L1の左側にある隣接車線へ車線変更する旨の車線変更意図が検出された場合、検出部150は、自車線L1の左側にある隣接車線を走行する他車両を検出する。一方、ウインカーレバー81に対して右ウインカーを点灯させる操作があり、自車線L1の右側にある隣接車線へ車線変更する旨の車線変更意図が検出された場合、検出部150は、自車線L1の右側にある隣接車線を走行する他車両を検出する。
また、運転者の操作によって車線変更した際に隣接車線を走行する他車両に自車両Mが追突するのを抑制するため、検出部150は、車線変更先の隣接車線を走行する車両であって、且つ自車両Mの前方を走行する前走車両M1を上記の他車両として検出する。これにより、運転者の操作によって車線変更した際に隣接車線を走行する前走車両M1に自車両Mが追突するのを抑制することが可能となる。
また、検出部150は、例えば、自車両Mが隣接車線に進入した後の所定のタイミングまで、車線変更が行われているものとして上記の他車両の検出を行う。ここで、所定のタイミングとしては、例えば、車線変更先の隣接車線の中央に自車両Mが到達したタイミングとすることができる。これにより、適切なタイミングまで他車両の監視を行うことが可能となり、運転者の操作によって車線変更が行われる際の自車両Mの安全性を高めることが可能となる。
判定部160は、検出部150によって他車両が検出された場合に、自車両Mと、検出部150によって検出された他車両との車間距離(以下、単に「車間距離」とも称す)に基づき、路外逸脱抑制制御の休止を解除するか否かを判定する。例えば、判定部160は、車間距離が所定の閾値以下である場合に、路外逸脱抑制制御の休止を解除すると判定する。一方、判定部160は、車間距離が所定の閾値よりも大きい場合に、路外逸脱抑制制御の休止を解除しないと判定する。これにより、自車両Mと他車両とが衝突する可能性が高い場合に、路外逸脱抑制制御の休止を解除して自車両Mの安全を確保することが可能となる。なお、路外逸脱抑制制御の休止を解除する条件となる閾値(例えば後述の第1閾値Dth1)は、自車両Mの製造業者等が適宜定めることができる。
そして、制御部140は、判定部160によって路外逸脱抑制制御の休止を解除すると判定された場合に、車線変更の実行時であっても、路外逸脱抑制制御を再開させ、路外逸脱抑制制御に応じた報知制御又は操舵制御を実行する。これにより、報知制御による報知により運転者の注意喚起を行ったり、自車両Mが自車線L1の方(すなわち隣接車線を走行する他車両から離れる方)へ向かうように操舵制御によって操舵したりすることが可能となる。したがって、路外逸脱抑制制御を活用して、運転者の操作によって車線変更が行われる際の自車両Mの安全性の向上を図れる。
<制御装置による具体的な制御例>
次に、制御装置100による具体的な制御例について、図2を参照しながら説明する。図2に示す道路110は、図2における下方から上方へ向かう方向が進行方向とされた左車線111及び右車線112を有する。左車線111と右車線112との境界には、道路区画線としての区画線Cが設けられている。
次に、制御装置100による具体的な制御例について、図2を参照しながら説明する。図2に示す道路110は、図2における下方から上方へ向かう方向が進行方向とされた左車線111及び右車線112を有する。左車線111と右車線112との境界には、道路区画線としての区画線Cが設けられている。
図2に示す例において、自車両Mは、運転者の運転によって左車線111を走行中である。すなわち、図2に示す例において、左車線111は自車線L1である。また、左車線111に隣接する隣接車線(以下「隣接車線L2」とも称する)である右車線112には、走行中の前走車両M1が存在している。
制御装置100は、まず、ウインカーレバー81に対する操作により運転者の車線変更意図を検出すると、ウインカー83(ここでは右ウインカー)の点灯を開始させるとともに、路外逸脱抑制制御を休止する。これにより、自車両Mが区画線Cに接近しても路外逸脱抑制制御が作動しないようにすることができ、運転者に煩わしさを与え得る過剰な路外逸脱抑制制御を抑制することが可能となる。
その後、運転者の操作によって隣接車線L2(すなわち右車線112)への車線変更が行われている際に、制御装置100は、自車両Mと前走車両M1との車間距離Dに基づき、路外逸脱抑制制御の休止を解除するか否かを判定する。このとき、制御装置100は、車間距離Dが所定の閾値以下であれば路外逸脱抑制制御の休止を解除し、車間距離Dが閾値よりも大きければ路外逸脱抑制制御の休止を解除しないと判定する。
そして、制御装置100は、路外逸脱抑制制御の休止を解除すると判定した場合には、路外逸脱抑制制御を再開させ、路外逸脱抑制制御に応じた報知制御及び操舵制御を実行する。これにより、報知制御による報知により運転者の注意喚起を行うことができるとともに、図2中の符号αで示す矢印のように、自車両Mが自車線L1(左車線111)の方(すなわち前走車両M1から離れる方)へ向かうように操舵制御によって操舵することが可能となる。したがって、自車両Mが前走車両M1と衝突するのを抑制でき、自車両Mの安全性を高めることが可能となる。
一方、制御装置100は、路外逸脱抑制制御の休止を解除しないと判定した場合には、路外逸脱抑制制御を休止させた状態をそのまま維持する。これにより、運転者の操作による車線変更が路外逸脱抑制制御によって阻害されることなく、運転者はスムーズに車線変更を行うことができる。
以上に説明したように、制御装置100は、既存の路外逸脱抑制機能を活用することで、自車両Mにおける大幅なシステムの変更や追加等を必要とせず、運転者の操作によって車線変更が行われる際の安全性を向上させることができる。
<制御装置100による処理>
次に、運転者の操作によって車線変更が行われる際の安全性を向上させるために、制御装置100が実行する処理の一例について、図3を参照しながら説明する。例えば、制御装置100は、自車両Mのイグニッション電源がオンであるときに、図3に示す処理を所定周期で繰り返し実行する。
次に、運転者の操作によって車線変更が行われる際の安全性を向上させるために、制御装置100が実行する処理の一例について、図3を参照しながら説明する。例えば、制御装置100は、自車両Mのイグニッション電源がオンであるときに、図3に示す処理を所定周期で繰り返し実行する。
図3に示すように、制御装置100は、ウインカー83が点灯中であるか否かを判定する(ステップS1)。ウインカー83が点灯中であると判定したならば(ステップS1:Yes)、制御装置100は、そのままステップS5の処理に進む。一方、ウインカー83が点灯中ではないと判定したならば(ステップS1:No)、制御装置100は、ウインカーレバー81に対する操作に基づき車線変更意図を検出する(ステップS2)。
車線変更意図が検出されていなければ(ステップS2:No)、制御装置100は、そのまま図3に示す一連の処理を終了する。一方、車線変更意図を検出したならば(ステップS2:Yes)、制御装置100は、ウインカー83の点灯を開始し(ステップS3)、路外逸脱抑制制御を休止して(ステップS4)、ステップS5の処理に進む。
次に、制御装置100は、車線変更先の隣接車線L2を走行する前走車両M1が検出されたか否かを判定する(ステップS5)。前述したように、このとき、左ウインカーが点灯していれば自車線L1の左側の隣接車線L2を走行する前走車両M1の検出が行われ、右ウインカーが点灯していれば自車線L1の右側の隣接車線L2を走行する前走車両M1の検出が行われる。
隣接車線L2を走行する前走車両M1が検出されていなければ(ステップS5:No)、制御装置100は、そのまま図3に示す一連の処理を終了する。一方、隣接車線L2を走行する前走車両M1が検出されたならば(ステップS5:Yes)、制御装置100は、自車両Mと検出された前走車両M1との車間距離Dが所定の第1閾値Dth1以下であるか否かを判定する(ステップS6)。第1閾値Dth1は、例えば、自車両Mの製造業者等により制御装置100に対してあらかじめ設定される。
車間距離Dが第1閾値Dth1より大きいと判定したならば(ステップS6:No)、制御装置100は、そのまま図3に示す一連の処理を終了する。一方、車間距離Dが第1閾値Dth1以下であると判定したならば(ステップS6:Yes)、制御装置100は、路外逸脱抑制制御の休止を解除する(ステップS7)。
次に、制御装置100は、車間距離Dが第1閾値Dth1よりも小さい第2閾値Dth2以下であるか否かを判定する(ステップS8)。第2閾値Dth2は、例えば、自車両Mの製造業者等により制御装置100に対してあらかじめ設定される。
そして、車間距離Dが第2閾値Dth2よりも大きいと判定したならば(ステップS8:No)、制御装置100は、路外逸脱抑制制御の報知制御と操舵制御のうち報知制御のみを実行して(ステップS9)、図3に示す一連の処理を終了する。一方、車間距離Dが第2閾値Dth2以下であると判定したならば(ステップS8:Yes)、制御装置100は、路外逸脱抑制制御の報知制御と操舵制御とをいずれも実行して(ステップS10)、図3に示す一連の処理を終了する。
このように、制御装置100は、運転者の操作によって隣接車線L2への車線変更が行われている状況において、隣接車線L2の前走車両M1との車間距離Dが第2閾値Dth2よりも大きく且つ第1閾値Dth1以下である場合には、路外逸脱抑制制御の報知制御と操舵制御のうち報知制御のみを実行する。一方、隣接車線L2の前走車両M1との車間距離Dが第2閾値Dth2以下である場合には、制御装置100は、路外逸脱抑制制御の報知制御と操舵制御とをいずれも実行する。これにより、制御装置100は、自車両Mと隣接車線L2の前走車両M1とが衝突する可能性の大きさ応じた適切な制御態様で路外逸脱抑制制御を実行することが可能となる。
ところで、例えば、車線変更中の自車両Mが隣接車線L2の略中央に到達していた場合、自車両Mの周辺の交通参加者からは、自車両Mの車線変更は完了したように見える。したがって、自車両Mが隣接車線L2の中央に到達した後に、自車両Mと衝突する可能性のある他車両が隣接車線L2に検出されたからといって操舵制御により自車両Mを自車線L1へ復帰させると、自車両Mがその周辺の交通参加者にとって予期せぬ動きをすることになり、かえって自車両Mの安全性を損ねるおそれもある。
そこで、制御装置100は、運転者の操作によって隣接車線L2への車線変更が行われている場合に、自車両Mが隣接車線L2に進入した後の所定のタイミングまで車線変更が行われているものとして扱うようにするのが好ましい。ここで、所定のタイミングは、自車両Mの車線変更が完了したと自車両Mの周辺の交通参加者に想起させ得るタイミングであり、例えば、前述したように車線変更先の隣接車線L2の中央に自車両Mが到達したタイミングとすることができる。なお、このタイミングは、自車両Mの製造業者等が適宜定めることができる。
具体的には、例えば、図4に示すように、自車両Mが隣接車線L2の中央(一点鎖線)に到達する前のタイミングで、自車両Mとの車間距離Dが第2閾値Dth2以下の前走車両M1が検出されたとする。この場合、制御装置100は、報知制御を実行するとともに、操舵制御により自車両Mを自車線L1に復帰させる(図4中の符号βの矢印を参照)。すなわち、制御装置100は、自車両Mが隣接車線L2へ進入した後も一定期間は車線変更中として扱い、自車両Mと衝突する可能性のある他車両が隣接車線L2に検出された場合には路外逸脱抑制制御を実行することで自車両Mの安全を確保する。
一方、例えば、図5に示すように、自車両Mが隣接車線L2の中央(一点鎖線)に到達した後に、自車両Mとの車間距離Dが第2閾値Dth2以下の前走車両M1が検出されたとする。この場合、制御装置100は、操舵制御を含む路外逸脱抑制制御を実行せず、例えば、衝突軽減制御を実行することにより自車両Mを減速させて、自車両Mの安全を確保する。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前述した実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
例えば、前述した実施形態では、自車両Mと他車両(例えば前走車両M1)との現在の車間距離Dを、路外逸脱抑制制御の休止を解除するか否かの判定等の各種制御に用いるようにしたが、これに限られない。例えば、図6に示すように、制御装置100は、現在の前走車両M1の位置及び車速と、現在の自車両Mの位置及び車速Vとに基づき、車線変更が行われたと仮定した場合の自車両M′と前走車両M1′との車間距離D′を予測し、この車間距離D′を、前述した車間距離Dの代わりに、路外逸脱抑制制御の休止を解除するか否かの判定等の各種制御に用いるようにしてもよい。このようにした場合も、前述した実施形態と同様の効果を得られる。
また、車間距離Dや車間距離D′の代わりに、衝突余裕時間(TTC:Time To Collision)を各種制御に用いるようにしてもよい。TTCは、例えば、車間距離Dや車間距離D′を、自車両Mと前走車両M1との相対速度で除することにより得られる。
また、前述した実施形態では、自車両Mと隣接車線L2の前走車両M1との車間距離Dに基づき、路外逸脱抑制制御の休止を解除するようにしたが、これに限られない。例えば、隣接車線L2を走行する車両であって、且つ自車両Mの後方を走行する後走車両(以下「後走車両M2」とも称する)を上記の他車両として検出部150がさらに検出するようにしてもよい。そして、自車両Mと後走車両M2との車間距離に基づき、路外逸脱抑制制御の休止を解除するか否かを判定部160が判定するようにしてもよい。このようにすれば、路外逸脱抑制制御を活用して、運転者の操作によって車線変更が行われている際の自車両Mと後走車両M2との衝突も抑制でき、自車両Mの安全性を高めることが可能となる。
本明細書等には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、前述した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
(1) 自車両(自車両M)の周辺状況を認識する認識部(認識部130)の認識結果に基づき、前記自車両が走行中の自車線(自車線L1)から逸脱する場合に、前記自車線からの逸脱を抑制する路外逸脱抑制制御を実行可能な路外逸脱抑制装置(制御装置100)であって、
前記路外逸脱抑制制御は、前記自車両に設けられた報知装置(ナビHMI62)を介して前記自車両の運転者に対して所定の報知を行う報知制御、又は前記自車両を前記自車線内に復帰させる操舵制御を含み、
前記路外逸脱抑制装置は、
前記自車線から当該自車線に隣接する隣接車線(隣接車線L2)への車線変更が前記運転者の操作によって行われる場合に、前記運転者の車線変更意図を検出したことに応じて前記路外逸脱抑制制御を一時的に休止させる制御部(制御部140)と、
前記車線変更が行われているときに、前記認識部の認識結果に基づき、前記隣接車線を走行する他車両を検出する検出部(検出部150)と、
前記検出部によって前記他車両が検出された場合に、前記自車両と前記他車両との車間距離(車間距離D)に基づき、前記路外逸脱抑制制御の休止を解除するか否かを判定する判定部(判定部160)と、
を備え、
前記制御部は、前記判定部によって前記路外逸脱抑制制御の休止を解除すると判定された場合に、前記車線変更の実行時であっても、前記路外逸脱抑制制御を再開させ、前記路外逸脱抑制制御に応じた前記報知制御又は前記操舵制御を実行する、
路外逸脱抑制装置。
前記路外逸脱抑制制御は、前記自車両に設けられた報知装置(ナビHMI62)を介して前記自車両の運転者に対して所定の報知を行う報知制御、又は前記自車両を前記自車線内に復帰させる操舵制御を含み、
前記路外逸脱抑制装置は、
前記自車線から当該自車線に隣接する隣接車線(隣接車線L2)への車線変更が前記運転者の操作によって行われる場合に、前記運転者の車線変更意図を検出したことに応じて前記路外逸脱抑制制御を一時的に休止させる制御部(制御部140)と、
前記車線変更が行われているときに、前記認識部の認識結果に基づき、前記隣接車線を走行する他車両を検出する検出部(検出部150)と、
前記検出部によって前記他車両が検出された場合に、前記自車両と前記他車両との車間距離(車間距離D)に基づき、前記路外逸脱抑制制御の休止を解除するか否かを判定する判定部(判定部160)と、
を備え、
前記制御部は、前記判定部によって前記路外逸脱抑制制御の休止を解除すると判定された場合に、前記車線変更の実行時であっても、前記路外逸脱抑制制御を再開させ、前記路外逸脱抑制制御に応じた前記報知制御又は前記操舵制御を実行する、
路外逸脱抑制装置。
(1)によれば、路外逸脱抑制制御を活用して、運転者の操作によって車線変更が行われている際の自車両の安全性を高めることが可能となる。
(2) (1)に記載の路外逸脱抑制装置であって、
前記検出部は、前記隣接車線を走行する車両であって、且つ前記自車両の前方を走行する前走車両(前走車両M1)を前記他車両として検出する、
路外逸脱抑制装置。
前記検出部は、前記隣接車線を走行する車両であって、且つ前記自車両の前方を走行する前走車両(前走車両M1)を前記他車両として検出する、
路外逸脱抑制装置。
(2)によれば、運転者の操作によって車線変更した際に隣接車線を走行する前走車両に自車両が追突するのを抑制することが可能となる。
(3) (1)又は(2)に記載の路外逸脱抑制装置であって、
前記判定部は、現在の前記車間距離、又は前記車線変更が行われたと仮定した場合の前記車間距離に基づき、前記路外逸脱抑制制御の休止を解除するか否かを判定する、
路外逸脱抑制装置。
前記判定部は、現在の前記車間距離、又は前記車線変更が行われたと仮定した場合の前記車間距離に基づき、前記路外逸脱抑制制御の休止を解除するか否かを判定する、
路外逸脱抑制装置。
(3)によれば、自車両と他車両とが衝突する可能性が高い場合に、路外逸脱抑制制御の休止を解除して自車両の安全を確保することが可能となる。
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の路外逸脱抑制装置であって、
前記路外逸脱抑制制御は、前記報知制御と前記操舵制御とを含み、
前記判定部は、前記車間距離が第1閾値(第1閾値Dth1)以下である場合に、前記路外逸脱抑制制御の休止を解除すると判定し、
前記制御部は、
前記車間距離が前記第1閾値よりも小さい第2閾値(第2閾値Dth2)以下である場合には、前記報知制御と前記操舵制御とを実行し、
前記車間距離が前記第2閾値よりも大きく且つ前記第1閾値以下である場合には、前記報知制御と前記操舵制御とのうち前記報知制御のみを実行する、
路外逸脱抑制装置。
前記路外逸脱抑制制御は、前記報知制御と前記操舵制御とを含み、
前記判定部は、前記車間距離が第1閾値(第1閾値Dth1)以下である場合に、前記路外逸脱抑制制御の休止を解除すると判定し、
前記制御部は、
前記車間距離が前記第1閾値よりも小さい第2閾値(第2閾値Dth2)以下である場合には、前記報知制御と前記操舵制御とを実行し、
前記車間距離が前記第2閾値よりも大きく且つ前記第1閾値以下である場合には、前記報知制御と前記操舵制御とのうち前記報知制御のみを実行する、
路外逸脱抑制装置。
(4)によれば、自車両と他車両とが衝突する可能性の高さに応じた適切な制御態様で路外逸脱抑制制御を実行することが可能となる。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の路外逸脱抑制装置であって、
前記報知制御は、前記報知装置を介して、前記運転者の視覚、聴覚、又は触覚の少なくともいずれかに作用する前記報知を行う、
路外逸脱抑制装置。
前記報知制御は、前記報知装置を介して、前記運転者の視覚、聴覚、又は触覚の少なくともいずれかに作用する前記報知を行う、
路外逸脱抑制装置。
(5)によれば、運転者にとって直感的にわかりやすい報知を行うことが可能となる。
(6) (1)から(5)のいずれかに記載の路外逸脱抑制装置であって、
前記路外逸脱抑制装置は、前記車線変更が前記運転者の操作によって行われる場合に、前記自車両が前記隣接車線に進入した後の所定のタイミングまで前記車線変更が行われているものとして扱う、
路外逸脱抑制装置。
前記路外逸脱抑制装置は、前記車線変更が前記運転者の操作によって行われる場合に、前記自車両が前記隣接車線に進入した後の所定のタイミングまで前記車線変更が行われているものとして扱う、
路外逸脱抑制装置。
(6)によれば、自車両の安全性を高めることが可能となる。
100 制御装置(路外逸脱抑制装置)
130 認識部
140 制御部
150 検出部
160 判定部
30 HMI(報知装置)
62 ナビHMI(報知装置)
D 車間距離
Dth1 第1閾値
Dth2 第2閾値
L1 自車線
L2 隣接車線
M 自車両
M1 前走車両
130 認識部
140 制御部
150 検出部
160 判定部
30 HMI(報知装置)
62 ナビHMI(報知装置)
D 車間距離
Dth1 第1閾値
Dth2 第2閾値
L1 自車線
L2 隣接車線
M 自車両
M1 前走車両
Claims (6)
- 自車両の周辺状況を認識する認識部の認識結果に基づき、前記自車両が走行中の自車線から逸脱する場合に、前記自車線からの逸脱を抑制する路外逸脱抑制制御を実行可能な路外逸脱抑制装置であって、
前記路外逸脱抑制制御は、前記自車両に設けられた報知装置を介して前記自車両の運転者に対して所定の報知を行う報知制御、又は前記自車両を前記自車線内に復帰させる操舵制御を含み、
前記路外逸脱抑制装置は、
前記自車線から当該自車線に隣接する隣接車線への車線変更が前記運転者の操作によって行われる場合に、前記運転者の車線変更意図を検出したことに応じて前記路外逸脱抑制制御を一時的に休止させる制御部と、
前記車線変更が行われているときに、前記認識部の認識結果に基づき、前記隣接車線を走行する他車両を検出する検出部と、
前記検出部によって前記他車両が検出された場合に、前記自車両と前記他車両との車間距離に基づき、前記路外逸脱抑制制御の休止を解除するか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記制御部は、前記判定部によって前記路外逸脱抑制制御の休止を解除すると判定された場合に、前記車線変更の実行時であっても、前記路外逸脱抑制制御を再開させ、前記路外逸脱抑制制御に応じた前記報知制御又は前記操舵制御を実行する、
路外逸脱抑制装置。 - 請求項1に記載の路外逸脱抑制装置であって、
前記検出部は、前記隣接車線を走行する車両であって、且つ前記自車両の前方を走行する前走車両を前記他車両として検出する、
路外逸脱抑制装置。 - 請求項1又は2に記載の路外逸脱抑制装置であって、
前記判定部は、現在の前記車間距離、又は前記車線変更が行われたと仮定した場合の前記車間距離に基づき、前記路外逸脱抑制制御の休止を解除するか否かを判定する、
路外逸脱抑制装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の路外逸脱抑制装置であって、
前記路外逸脱抑制制御は、前記報知制御と前記操舵制御とを含み、
前記判定部は、前記車間距離が第1閾値以下である場合に、前記路外逸脱抑制制御の休止を解除すると判定し、
前記制御部は、
前記車間距離が前記第1閾値よりも小さい第2閾値以下である場合には、前記報知制御と前記操舵制御とを実行し、
前記車間距離が前記第2閾値よりも大きく且つ前記第1閾値以下である場合には、前記報知制御と前記操舵制御とのうち前記報知制御のみを実行する、
路外逸脱抑制装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の路外逸脱抑制装置であって、
前記報知制御は、前記報知装置を介して、前記運転者の視覚、聴覚、又は触覚の少なくともいずれかに作用する前記報知を行う、
路外逸脱抑制装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の路外逸脱抑制装置であって、
前記路外逸脱抑制装置は、前記車線変更が前記運転者の操作によって行われる場合に、前記自車両が前記隣接車線に進入した後の所定のタイミングまで前記車線変更が行われているものとして扱う、
路外逸脱抑制装置。
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