JP2023146958A - ES細胞またはiPS細胞の評価装置および評価方法 - Google Patents

ES細胞またはiPS細胞の評価装置および評価方法 Download PDF

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英明 藤田
Hideaki Fujita
朋信 渡邉
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Abstract

【課題】従来技術よりも早い段階においてES細胞およびiPS細胞が分化を開始しているか否かを判定できる評価装置を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係るES細胞またはiPS細胞の評価装置は、所定範囲内にある複数の細胞から得られた複数のラマン散乱スペクトルを取得する取得部と;記複数のラマン散乱スペクトルから、所定の波数における信号強度の変動係数を算出する算出部と;算出された変動係数に基づいて、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する判定部と;を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、ES細胞またはiPS細胞の評価装置および評価方法に関する。
ES細胞(胚性幹細胞)およびiPS細胞(人工多能性幹細胞)は、内的要因(ゲノムの違いなど)または外的要因(培養条件など)により、多能性を失い、特定の細胞に分化することが知られている。そのため、ES細胞およびiPS細胞の品質を評価する様々な技術が提案されている。例えば、非特許文献1は、ラマン散乱スペクトルに基づいてiPS細胞の分化状態を評価する方法を開示している。
A single-cell Raman-based platform to identify developmental stages of human pluripotent stem cell-derived neurons. PNAS 117, 18412-18423, doi: 10.1073/pnas.2001906117 (2020).
しかしながら、上述の従来技術は、分化がある程度進行してからでないと、未分化のiPS細胞と分化を開始しているiPS細胞とを区別できなかった。
本発明の一態様は、従来技術よりも早い段階においてES細胞およびiPS細胞が分化を開始しているか否かを判定できる評価装置および評価方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るES細胞またはiPS細胞の評価装置は、
所定範囲内にある複数の細胞から得られた複数のラマン散乱スペクトルを取得する取得部と、
上記複数のラマン散乱スペクトルから、所定の波数における信号強度の変動係数を算出する算出部と、
算出された上記変動係数に基づいて、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する判定部と、
を備えている。
本発明の一態様に係る評価装置は、コンピュータによって実現してもよい。それゆえ、上記取得部、上記算出部および上記判定部としてコンピュータを動作させることにより、評価装置をコンピュータにて実現させる制御プログラムは、本発明に包含される。さらに、上記制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体もまた、本発明に包含される。
本発明の一態様に係るES細胞またはiPS細胞の評価方法は、
所定範囲内にある複数の細胞から得られた複数のラマン散乱スペクトルを取得する取得工程と、
上記複数のラマン散乱スペクトルから、所定の波数における信号強度の変動係数を算出する算出工程と、
算出された上記変動係数に基づいて、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する判定工程と、
を含む。
本発明の一態様によれば、従来技術よりも早い段階においてES細胞およびiPS細胞が分化を開始しているか否かを判定できる評価装置および評価方法が提供される。
本発明の一態様に係る評価装置の要部を表す模式図である。 本発明の一態様に係る評価方法の要部を表すフロー図である。 ラマン散乱スペクトルの情報が各画素に記録されているハイパースペクトル画像の取得方法を表す概要図である。 (上パネル)6個の細胞が含まれているハイパースペクトル画像である。(下パネル)6個の細胞それぞれのラマン散乱スペクトルを重ねあわせた図である。 6種類のiPS細胞株を心筋細胞へ分化誘導させたときの、ラマン散乱スペクトルの変化を表す図である。複数の細胞からラマン散乱スペクトルを測定し、その平均値を表している。(左パネル)分化誘導前におけるラマン散乱スペクトル。(右パネル)分化誘導後10日目におけるラマン散乱スペクトル。 iPS細胞株を心筋細胞へ分化誘導させたときの、6つの時点(分化誘導前、分化誘導後1日目、2日目、4日目、7日目および10日目)におけるラマン散乱スペクトルの平均の経時的変化を表す図である。各時点において複数の細胞からラマン散乱スペクトルを測定し、その平均値を表している。 38個の波数(それぞれ、分化誘導前におけるラマン散乱スペクトルの平均のピークに対応している)における、信号強度の平均の経時的変化をプロットした図である。 iPS細胞株を心筋細胞へ分化誘導させたときの、6つの時点(分化誘導前、分化誘導後1日目、2日目、4日目、7日目および10日目)におけるラマン散乱スペクトルの平均変動係数の経時的変化を表す図である。各時点において、1つの培養皿における信号強度の変動係数を算出し、7つの培養皿における変動係数の平均値を表している。 38個の波数(図7と同じ波数)における、信号強度の変動係数の経時的変化をプロットした図である。 信号強度の平均の経時的変化と、信号強度の変動係数の経時的変化とを主成分分析により比較した図である。(左パネル)信号強度の平均を解析した結果。(右パネル)信号強度の変動係数を解析した結果。 特定の波数における信号強度の変動係数の経時的変化を表す図である。 ES細胞を分化誘導させたときの、8つの時点(基底状態、分化誘導前、分化誘導後1日目、3日目、5日目、7日目、10日目および14日目)におけるラマン散乱スペクトルの平均の経時的変化を表す図である。各時点において複数の細胞からラマン散乱スペクトルを測定し、その平均値を表している。 ES細胞を分化誘導させたときの、786cm-1、858cm-1および1034cm-1における信号強度の変動係数の経時的変化を表す図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。本明細書では、登場するデータを自然言語により説明している。これらのデータは、通常、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメータ、マシン語などにより記述される。
〔1.評価装置および評価方法〕
図1は、ES細胞またはiPS細胞の評価装置50を備えている、評価システム100の要部を表すブロック図である。評価システム100は、評価装置50に加えて、測定部70および出力部80を備えている。評価システム100によれば、細胞株に依存することなく、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かが判定できる。
測定部70は、ES細胞またはiPS細胞に光線を照射し、ラマン散乱スペクトルを測定するブロックである。測定部70を構成する部材の例としては、顕微鏡、光学系(レーザー発振器、レンズ、ミラー、偏光板など)、検出器(CCDカメラ、分光器など)、およびこれらを制御する制御装置が挙げられる。ES細胞またはiPS細胞に光線を照射してラマン散乱スペクトルを測定する方法は公知であり、測定部70の具体的な構成は当業者にとって周知であるため、本明細書では詳細な説明を省略する。測定部70の具体的な構成を開示した文献として、Raman and SERS microscopy for molecular imaging of live cells. Nat Protoc. 8, 677-692 doi: 10.1038/nprot.2013.030 (2013).が挙げられる。
出力部80は、判定部3による判定結果を出力するブロックである。出力部80の具体例としては、ディスプレイなどの表示装置が挙げられる。出力部80は、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かの判定結果を表示する。一実施形態において、出力部80は、所定の範囲内(1つ以上の培養皿内など)にあるES細胞またはiPS細胞について、分化を開始しているか否かの判定結果を表示する。一実施形態において、出力部80は、複数の所定の範囲内(2つ以上の培養皿内など)にあるES細胞またはiPS細胞について、分化を開始しているか否かの判定結果を表示する。この実施形態において、判定結果は、個々の所定の範囲によって異なってもよい。例えば、培養皿によって異なった判定結果であってもよい。
評価装置50は、制御部10および記憶部20を備えている。制御部10は、情報処理に応じて各構成要素の制御を行う。制御部10を構成する部材の例としては、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)が挙げられる。記憶部20は、制御部10における処理に必要なデータを格納している。記憶部20の具体例としては、補助記憶装置(ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブなど)が挙げられる。
制御部10は、取得部1、算出部2および判定部3を含んでいる。以下、図2も参照しながら、それぞれの機能ブロックおよび当該機能ブロックが実行する処理について説明する。
[1.1.取得部および取得工程]
取得部1は、取得工程S10を実行する。取得工程S10において、取得部1は、所定範囲内にある複数の細胞から得られた複数のラマン散乱スペクトルを取得する。取得部1が取得した複数のラマン散乱スペクトルは、算出部2へと送られる。
取得部1が取得するラマン散乱スペクトルは、測定部70が測定したラマン散乱スペクトルそのものであってもよい。この実施形態においては、取得部1(または制御部10に含まれる他の制御ブロック)は、測定部70が測定したラマン散乱スペクトルを、後続する処理に適切な形式に加工してもよい。あるいは、取得部1が取得するラマン散乱スペクトルは、測定部70が測定したラマン散乱スペクトルを加工したものであってもよい。この実施形態において、測定部70が測定したラマン散乱スペクトルを加工する機能ブロックは、測定部70に含まれていてもよいし、他の部材に含まれていてもよい。
測定部70が測定したラマン散乱スペクトルに対してくわえられる加工の例としては、下記が挙げられる。これらの加工の具体的方法は当業者に周知であるため、詳細な説明は省略する。
●背景信号の除去
測定部70が測定したラマン散乱スペクトルには、背景信号として、容器などから発せられるラマン散乱光や、細胞と細胞周囲の物質との間の多重散乱光が含まれている場合がある。これらの背景信号を除去して、細胞から発せられるラマン散乱光のみを取り出す。細胞の自家発光に由来する信号が含まれることもあるので、この信号も除去する。
●信号強度の標準化
測定部70が測定したラマン散乱スペクトルを標準化して、複数のラマン散乱スペクトルを比較および計算できるようにする。一実施形態においては、各波数における信号強度を、全スペクトル領域の信号強度の総和で除算することにより、ラマン散乱スペクトルを標準化する。一実施形態においては、各波数における信号強度を、特定の波数の信号強度で除算することにより、ラマン散乱スペクトルを標準化する。一実施形態においては、各波数における信号強度を、全スペクトル領域の信号強度の平均強度または合計強度で除算することにより、ラマン散乱スペクトルを標準化する。
●1つの細胞に対して1つのラマン散乱スペクトルを対応させる
測定方法によっては、1つの細胞から2つ以上のラマン散乱スペクトルが得られる場合がある。例えば、1つの画素が1つのラマン散乱スペクトルを記録するハイパースペクトル画像においては、1つの細胞が複数の画素にまたがって撮像されるため、1つの細胞から2つ以上のラマン散乱スペクトルが得られる。このような場合、1つの細胞に対して1つのラマン散乱スペクトルを対応させることが好ましい。例えば、同じ細胞に由来する複数のラマン散乱スペクトルを平均化することにより、1つの細胞と1つのラマン散乱スペクトルとを対応付けられる。
取得工程S10において、「所定範囲内にある複数の細胞」とは、同じ状態にあると推定できる範囲に含まれている細胞でありうる。所定範囲内にある複数の細胞の具体例としては、同じ容器(培養皿、試験管、ウェル、培養槽など)で培養されている細胞が挙げられる。
取得工程S10において、「所定範囲内にある複数の細胞」の個数は、変動係数が求められる程度であれば特に限定されない。複数の細胞の個数の下限は、4個以上、8個以上または10個以上でありうる。複数の細胞の個数の上限は、例えば、100個以下でありうる。
取得工程S10においては、複数のラマン散乱スペクトルを経時的に取得してもよい。取得工程S10においてラマン散乱スペクトルを経時的に取得する場合には、同じ細胞からラマン散乱スペクトルを経時的に取得することが好ましい。ラマン散乱スペクトルを取得される全ての細胞のうち50%以上、70%以上または90%以上は、ラマン散乱スペクトルを取得する全期間においてラマン散乱スペクトルを取得されてもよい。
[1.2.算出部および算出工程]
算出部2は、算出工程S20を実行する。算出工程S20において、算出部2は、複数のラマン散乱スペクトルから、所定の波数における信号強度の変動係数を算出する。複数のラマン散乱スペクトルは、取得部1から送られたものである。算出した変動係数は、判定部3へと送られる。
変動係数は、標準偏差を平均値で除算することにより算出される。ラマン散乱スペクトルは、波数ごとの信号強度として得られる。そのため、複数のラマン散乱スペクトルからは、ある波数における信号強度の変動係数が算出できる。
算出部2により変動係数を算出される波数は、ラマン散乱スペクトルを測定したすべての波数であってもよいし、一部の波数であってもよい。例えば、多能性を維持している安定したES細胞および/またはiPS細胞において特徴的なピークを有する波数の一部または全部について、変動係数を算出してもよい。あるいは、分化を開始しているES細胞および/またはiPS細胞において特徴的なピークを有する波数の一部または全部について、変動係数を算出してもよい。
一実施形態において、算出部2により変動係数を算出される1つ以上の波数には、下記のアノテーションからなる群より選択される1つ以上が付与されている。
C-C twisting、C-N stretching、C-N bending、O-P-O stretching、Asymmetric O-P-O stretching、C-C stretching、C-N stretching、CH2 twisting/wagging/bending、CH3twisting/wagging/bending、C-O stretching、C=O stretching、C-O bending、C=O bending、C=N stretching、C=N bending、C-H bending、OH out of plane bending 、n(CO)、n(CC)、n(CN)、n(CCO)、d(C=C)、Amide I、Amide II、Amide III、Cholesterol、Choline group、Phosphodioxy (PO2 -) groups、Phosphatidylinositol、Amino acid side chain vibrations、Glycerol、Proline、Tyrosine、Tryptophan、Phenylalanine、DNA、RNA、Adenine、Cytosine、Guanine、Hydroxyproline、Polysaccharides、Amylose、amylopectin、Ribose、Collagen
[1.3.判定部および判定工程]
判定部3は、判定工程S30を実行する。判定工程S30において、判定部3は、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かを、変動係数に基づいて判定する。変動係数は、算出部2によって算出されたものである。判定結果を出力部80に出力してもよい。
一実施形態においては、変動係数と所定の閾値との大小関係を比較することにより、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する。本発明者らの知見によると、1つ以上の特定の波数における信号強度について、分化を開始している細胞のラマン散乱スペクトルは変動係数が大きい。すなわち、分化を開始している細胞群は、1つ以上の特定の波数において、細胞ごとのラマン散乱のゆらぎが大きい。したがって、当該特定の波数における信号強度の変動係数が所定の閾値よりも大きい細胞群を、分化を開始していると判定してもよい。同様に、当該特定の波数における信号強度の変動係数が所定の閾値よりも小さい細胞群を、分化を開始していないと判定してもよい。
この実施形態においては、下記(i)~(v)からなる群より選択される1つ以上のアノテーションが付与されている波数における信号強度の変動係数と所定の閾値を比較してもよい。
(i)C-C stretching、proline、hydroxyprolineおよびtyrosineからなる群より選択される1つ以上(実施例では857cm-1に対応)
(ii)Glucose(実施例では910cm-1に対応)
(iii)C-C stretching、polysaccharides、amyloseおよびamylopectinからなる群より選択される1つ以上(実施例では940cm-1に対応)
(iv)DNAおよびRNAからなる群より選択される1つ以上(実施例では1084cm-1に対応)
(v)DNA、RNAおよびcollagenからなる群より選択される1つ以上(実施例では1340cm-1に対応)
一実施形態においては、複数の波数における信号強度の変動係数の次元削減およびクラスタ分析により、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する。この実施形態の具体例としては、主成分分析が挙げられる。本発明者らが見出したところによると、分化誘導からの経過時間が異なる複数の細胞群について、複数の波数における信号強度の変動係数を主成分分析すると、分化誘導後すぐに分布シフトが検出される(図10の右パネルも参照)。
したがって、複数の波数における信号強度の変動係数を次元削減およびクラスタ分析した結果に基づいて、細胞群が分化を開始しているか、そうでないのかを判定できる。例えば、未分化のクラスタと分化開始後のクラスタをあらかじめ設定すれば、任意の細胞群の複数の波数における信号強度の変動係数がいずれのクラスタに分類されるかによって、当該細胞群が分化を開始しているか否かを判定できる。
一実施形態においては、変動係数の経時的変化に基づいて、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する。本発明者らが見出したところによると、各波数におけるラマン散乱の信号強度の変動係数の挙動には、以下の類型が見られた。
・分化開始の直後にのみ上昇する
・分化開始から所定期間経過後にのみ上昇する
・分化開始直後から上昇を続ける
したがって、複数の波数における信号強度の変動係数の経時的変化を追跡すれば、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かをより早期の段階で判定できる。
一実施形態においては、特定の波数におけるラマン散乱の信号強度の変動係数を、第1細胞群と第2細胞群との間で比較することにより、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する。実施例で示すように、未分化のES細胞またはiPS細胞と、分化を開始したES細胞またはiPS細胞とでは、特定の波数におけるラマン散乱の信号強度の変動係数が異なる。
例えば、特定の波数におけるラマン散乱の信号強度の変動係数が、培養皿Aで培養している細胞群と培養皿Bで培養している細胞群で同じであれば、2つの細胞群の状態は同じであると判断できる。逆に、特定の波数におけるラマン散乱の信号強度の変動係数が、培養皿Aで培養している細胞群よりも培養皿Bで培養している細胞群の方が大きければ、培養皿Bで培養している細胞群が分化を開始していることが判明する。
〔2.ソフトウェアによる実施形態〕
評価装置50の機能は、コンピュータプログラムにより実装してもよい。このコンピュータプログラムは、コンピュータを評価装置50として機能させるための制御プログラムである。制御プログラムは、評価装置50の各制御ブロック(とりわけ、制御部10に含まれる各部)として、コンピュータを機能させられる。
本実施形態において、評価装置50は、コンピュータを備えている。このコンピュータは、上述の制御プログラムを実行するハードウェアとして、1つ以上の制御装置(プロセッサなど)と、1つ以上の記憶装置(メモリなど)とを備えている。制御装置および記憶装置により制御プログラムを実行することにより、上述の実施形態において説明した機能を実現できる。
制御プログラムは、非一時的かつコンピュータ読み取り可能な、1つ以上の記録媒体に記録されていてもよい。記録媒体は、評価装置50に備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。評価装置50に記録媒体が備わっていない場合、有線または無線の任意の伝送媒体を介して、制御プログラムを評価装置50に供給してもよい。
評価装置50の各制御ブロックの機能の一部または全部を、論理回路により実装してもよい。例えば、評価装置50の各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路は、本発明の範疇に含まれる。他の例として、量子コンピュータにより評価装置50の各制御ブロックの機能の一部または全部を実装してもよい。
上述の実施形態で説明した処理を、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この実施形態において、AIは、評価装置50において動作してもよいし、他の装置(エッジコンピュータ、クラウドサーバなど)で動作してもよい。
〔3.まとめ〕
本発明には、下記の態様が包含されている。
<1>
所定範囲内にある複数の細胞から得られた複数のラマン散乱スペクトルを取得する取得部(1)と、
上記複数のラマン散乱スペクトルから、所定の波数における信号強度の変動係数を算出する算出部(2)と、
算出された上記変動係数に基づいて、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する判定部(3)と、
を備えている、ES細胞またはiPS細胞の評価装置(50)。
<2>
上記判定部(3)は、下記のうち1つ以上を実施することにより、上記ES細胞または上記iPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する、<1>に記載の評価装置(50):
(a)上記変動係数と所定の閾値との大小関係の比較;
(b)複数の波数における信号強度の上記変動係数の次元削減およびクラスタ分析。
(c)第1細胞群の上記所定の波数における信号強度の変動係数と、第2細胞群の上記所定の波数における信号強度の変動係数との比較。
<3>
上記取得部(1)は、上記複数のラマン散乱スペクトルを、経時的に取得し、
上記判定部(3)は、上記変動係数の経時的変化に基づいて、上記ES細胞または上記iPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する、<1>または<2>に記載の評価装置(50)。
<4>
<1>~<3>のいずれかに記載の評価装置(50)としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、
上記取得部(1)、上記算出部(2)および上記判定部(3)としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
<5>
<4>に記載の制御プログラムが記録されている、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
<6>
所定範囲内にある複数の細胞から得られた複数のラマン散乱スペクトルを取得する取得工程(S10)と、
上記複数のラマン散乱スペクトルから、所定の波数における信号強度の変動係数を算出する算出工程(S20)と、
算出された上記変動係数に基づいて、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する判定工程(S30)と、
を含む、ES細胞またはiPS細胞の評価方法。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々に変更できる。異なる実施形態に開示されている技術的手段を適宜組合せて得られる実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる。
〔1.iPS細胞の評価〕
ラマン散乱スペクトルの変動係数は、iPS細胞の分化開始を早期の段階から表すマーカーであった。このことを、下記の実験により示す。
[材料および方法]
(1)ラマン散乱スペクトルの測定
ラマン散乱スペクトルを測定する装置として、線光共焦点顕微鏡を基盤としたラマン散乱スペクトル測定装置を用いた。測定装置の具体的な構成は、Raman and SERS microscopy for molecular imaging of live cells. Nat Protoc. 8, 677-692 doi: 10.1038/nprot.2013.030 (2013).を参照。同文献に従い、各画素がラマン散乱スペクトル情報を有するハイパースペクトル画像を取得した。具体的な手順は、下記の通りである。
1. シリンドリカルレンズを用いて線状に成型したレーザーにより、ガラス基板上の細胞を照射した。
2. 工程1により生じた、細胞から発せられるラマン散乱光を、対物レンズにより収集した。
3. 収集したラマン散乱光を、ポリクロメーターに通過させた。次に、400×1340画素の2次元検出器により捕捉した。
4. 2次元検出器により捕捉した信号から、背景信号を除去して、細胞から発せられるラマン散乱光のスペクトルのみを抽出した。詳細な方法は、上記文献を参照。
このとき、各画素に記録するスペクトル範囲は、160~2200cm-1とした。レーザーは、ラインと直交する軸上に沿って走査させた。これによって、各画素がラマン散乱スペクトルの情報を有するハイパースペクトル画像を取得した(図3も参照)。
なお、光照射などの放射線被曝によって、細胞内のコラーゲンおよびグリコーゲンの生成が刺激され、ラマン散乱スペクトルの形状が変化してしまう可能性がある。この事態を回避するために、露光時間は10秒間とし、1ステップあたり2μmの区間を10ステップだけ走査した。したがって、取得されるハイパースペクトル画像は400×10画素であり、各画素が160~2200cm-1の範囲のスペクトル情報を有している。1枚のハイパースペクトル画像を取得するのに要した時間は、100秒間であった。
(2)細胞のラマン散乱スペクトルの平均および変動係数の算出
下記の手順により、細胞のラマン散乱スペクトルの平均および変動係数を算出した。具体的には、1細胞につき1つのラマン散乱スペクトルを決定し、同じ培養皿にある細胞間の平均および変動係数を算出した。具体的な手順は下記の通りである。
1. 1つの培養皿につき、7つのハイパースペクトル画像を収集した。1つのハイパースペクトル画像には、1~6個程度の細胞が含まれていた(例えば、図4の上パネルに表されているハイパースペクトル画像には、6個の細胞が含まれている)。したがって、1つの培養皿で撮影したハイパースペクトル画像には、合計15~50個の細胞が含まれていた。
2. 同じ細胞に含まれる画素から得られるラマン散乱スペクトルを平均することにより、当該細胞のラマン散乱スペクトルを得た。
3. 各波数における信号強度を、全波数における信号強度の平均で除算して、ラマン散乱スペクトルを標準化した。
4. ラマン散乱スペクトルの平均を算出した。具体的には、同じ培養皿に含まれる細胞のラマン散乱スペクトルの各波数に対して、信号強度の平均を算出した。
5. ラマン散乱スペクトルの標準偏差を算出した。具体的には、同じ培養皿に含まれる細胞のラマン散乱スペクトルの各波数に対して、信号強度の標準偏差を算出した。
6. ラマン散乱スペクトルの変動係数を算出した。具体的には、工程5で求めた信号強度の標準偏差を、工程4で求めた平均で除した。
なお、工程3で得られる標準化されたラマン散乱スペクトルは、細胞間における差異がほとんどないことが確認された。例えば、図4の下パネルは、図4の上パネルに示されている6個の細胞の標準化したラマン散乱スペクトルである。同図から分かるように、細胞間におけるラマン散乱スペクトルの差異は、ほとんど存在しない。
(3)細胞培養および分化誘導
この実験では、下記6種類のiPS細胞株を使用した。
iPS細胞株1:253G1
iPS細胞株2:648A1
iPS細胞株3:HPS0458
iPS細胞株4:HPS0461
iPS細胞株5:HPS2108
iPS細胞株6:HPS3284
各細胞株を、それぞれ7つの培養皿で培養した。iPS細胞は、iMatrix-511(タカラバイオ株式会社)でコートした培養皿にて、StemFit AK02N培地(味の素株式会社)を用いて培養した。培養期間は、3日間であった。iPS細胞から心筋細胞への誘導は、PSC Cardiomyocyte Differentiation Kit(ThermoFisher)を用い、提供されている方法に沿って行った。
[参考例]
従来技術と同様に、同じ培養皿内に含まれる細胞のラマン散乱スペクトルの平均により、iPS細胞の分化状態を評価した。
6種類のiPS細胞株を、それぞれ7つの培養皿で培養し、心筋細胞へ分化させた。6つの時点(分化誘導前、分化誘導後1日目、2日目、4日目、7日目および10日目)において、ラマン散乱スペクトルを測定した。分化誘導前および分化誘導後10日目における結果を図5に示す。図5では、7つの培養皿に対応する7つの平均ラマン散乱スペクトルを重ねて表示している。
図5からは、以下の点が分かる。
・分化誘導前または分化誘導後10日目の時点において、同じ細胞株であれば、培養皿が異なっていても、ラマン散乱スペクトルの形状に顕著な差異は確認されなかった。
・分化誘導前または分化誘導後10日目の時点において、異なる細胞株であっても、ラマン散乱スペクトルの形状に顕著な差異は確認されなかった。
・分化誘導前と分化誘導後10日目とを比較すると、いずれの細胞株もラマン散乱スペクトルの形状が変化していた。
従来技術は、このようなラマン散乱スペクトルの平均化された信号強度に基づいて、iPS細胞が分化を開始しているか否かを評価する。本参考例では、非特許文献1に記載の方法に従って、6つの時点(分化誘導前、分化誘導後1日目、2日目、4日目、7日目および10日目)のそれぞれにおいて、測定した細胞のラマン散乱スペクトルを全て平均化し、経時的変化を観察した。
結果を図6に示す。図6によると、iPS細胞の分化が進行するにつれ、スペクトル形状が変化することが確かに確認された。具体的には、主にシトクロムCを示すピーク(755cm-1)が顕著に減少した。また、主に脂質を示すピーク(1448cm-1)が顕著に増加した。図7は、38個の波数(それぞれ、分化誘導前におけるラマン散乱スペクトルのピークに対応している)における、信号強度の平均の経時的変化をプロットした図である。図7によれば、各波数における信号強度の平均の経時的変化がより明確になる。実際に、各波数における信号強度の平均は、分化誘導後の日数に応じて変化していた。
[実施例1]
同じ培養皿内に含まれる細胞のラマン散乱スペクトルの変動係数により、iPS細胞の分化状態を評価した。
6種類のiPS細胞株を、それぞれ7つの培養皿で培養し、心筋細胞へ分化させた。6つの時点(分化誘導前、分化誘導後1日目、2日目、4日目、7日目および10日目)において、ラマン散乱スペクトルを測定した。それぞれの培養皿について信号強度の変動係数を算出し、さらに各時点における変動係数を平均化して、変動係数の経時的変化を観察した。
結果を図8に示す。図8によると、分化誘導後1日目および2日目において、変動係数が顕著に変化する波数が確認された。図9は、図7と同じ38個の波数における、信号強度の変動係数の経時的変化をプロットした図である。図9によると、例えば、857cm-1、910cm-1、1084cm-1および1340cm-1における信号強度の変動係数は、全ての細胞株において、分化誘導の直後に2倍以上に増加し、その後減少することが分かった。この結果から、ラマン散乱スペクトルの信号強度の変動係数に着目すれば、iPS細胞の細胞株に依存することなく、分化の開始を捕捉できることが示唆される。分化開始初期において信号強度の変動係数の増加が著しかった波数に付与されているアノテーションは、下記の通りである。
857cm-1:C-C stretching、proline、hydroxyproline、tyrosine
910cm-1:Glucose
1084cm-1:DNA、RNA
1340cm-1:DNA、RNA、collagen
主成分分析により、参考例および実施例1の結果をそれぞれ分析した。具体的には、6つの時点(分化誘導前、分化誘導後1日目、2日目、4日目、7日目および10日目)において、各波数における信号強度の平均および信号強度の変動係数を培養皿ごとに求めた。得られたデータを主成分分析した。
結果を、図10に示す。図10の左パネルによると、信号強度の平均データにおける主成分空間の分布シフトは、分化誘導後4日目で検出された(白抜きの四角形を参照)。一方、図10の右パネルによると、信号強度の変動係数データにおける主成分空間の分布シフトは、分化誘導後1日目で検出された(白抜きの丸印を参照)。つまり、本発明の一実施形態に係る方法によれば、従来の方法に比べて、iPS細胞の分化に伴う状態の変化をより早期の段階で検出できた。
実施例1の結果が示唆するところによると、特定の波数における信号強度の変動係数は、細胞の状態変化を定義するバイオマーカーとしても使用できる。例えば、C-C stretch、polysaccharides、amylose、amylopectinに対応する波数(940cm-1)の変動係数は、分化誘導後すぐに増加した後に減少するので、iPS細胞の初期分化マーカーとして使用できる(図11の左パネル)。DNA、RNA、Amide III、CH、CH2、CH3、C-N、C-C stretch、collagen、glucose、tryptophan、guaninに対応する波数(1360~1396cm-1)の変動係数は、7日目まで直線的に増加しているので、分化状態の程度を反映していると言える(図10の中央パネル)。Cholesterolに対応する波数(707cm-1)の変動係数は、分化誘導後4日において、コレステロールが増加したことを示している(図10の右パネル右)。このようなバイオマーカーを使えば、従来技術よりも早期の段階から、iPS細胞の状態を定量的に評価できる。
〔2.ES細胞の評価〕
ES細胞においても、ラマン散乱スペクトルの変動係数により分化開始が確認できた。このことを、下記の実験により示す。
[材料および方法]
(1)ラマン散乱スペクトルの測定
iPS細胞を用いた実験系と同じ機器および方法を用いて、ラマン散乱スペクトルを測定した。
(2)細胞のラマン散乱スペクトルの平均および変動係数の算出
iPS細胞を用いた実験と同様に、ラマン散乱スペクトルの平均および変動係数を算出した。
(3)細胞培養および分化誘導
ES細胞として、マウスES細胞(e14tg2a)を用いた。マウスES細胞は、白血病阻害因子存在下において未分化状態を維持し、分化多能性を有している。しかし、白血病阻害因子を培地から除去すると、自発的に分化を始める。一方、白血病阻害因子に加えて、MAPKシグナル阻害剤およびGSK3阻害剤を培地に加えると、未分化状態がさらに安定し基底状態を取るようになる。この性質を利用して、白血病阻害因子の除去により分化誘導を開始させた。
[実施例2]
以下のマウスES細胞群を準備した。
・白血病阻害因子存在下で培養している細胞群(分化誘導前)
・白血病阻害因子、MAPKシグナル阻害剤およびGSK3阻害剤存在下で培養している細胞群(基底状態)
・白血病阻害因子を除去してから、1日間、3日間、5日間、7日間、10日間または14日間培養した細胞群(それぞれ、分化誘導後1日目、3日目、5日目、7日目、10日目、14日目)
それぞれの細胞群について、複数の細胞からラマン散乱スペクトルを測定し、平均化したスペクトルを得た。結果を図12に示す。CH2変形(タンパク質、核酸、脂質など)に由来する1316cm-1のピークは、最も未分化な基底状態において最も高く、分化に伴って減少し、特に5日目に顕著な減少が見られた。タンパク質に由来する1007cm-1のピークには、分化の進行に伴う大きな変化は見られなかった。
それぞれの細胞群について、複数の細胞からラマン散乱スペクトルを測定し、変動係数を算出した。786cm-1、858cm-1および1034cm-1における信号強度の変動係数の経時的変化を図13に表す。図13によれば、これらの波数における信号強度の変動係数は、基底状態または分化誘導前と比べると、分化誘導5日後において2倍以上に増加することが確認された。
ヒトiPS細胞では、分化誘導直後から信号強度の変動係数が増加する波数が存在した(実施例1を参照)。これに対し、マウスES細胞では、このような波数は見られなかった。これは、未分化状態のヒトiPS細胞は、マウスES細胞の未分化状態よりも分化が進行しているためと考えられる(ヒトiPS細胞の未分化状態は、白血病阻害因子に対して不感である)。
1 :取得部
2 :算出部
3 :判定部
50 :評価装置
S10 :取得工程
S20 :算出工程
S30 :評価工程

Claims (6)

  1. 所定範囲内にある複数の細胞から得られた複数のラマン散乱スペクトルを取得する取得部と、
    上記複数のラマン散乱スペクトルから、所定の波数における信号強度の変動係数を算出する算出部と、
    算出された上記変動係数に基づいて、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する判定部と、
    を備えている、ES細胞またはiPS細胞の評価装置。
  2. 上記判定部は、下記のうち1つ以上を実施することにより、上記ES細胞または上記iPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する、請求項1に記載の評価装置:
    (a)上記変動係数と所定の閾値との大小関係の比較;
    (b)複数の波数における信号強度の上記変動係数の次元削減およびクラスタ分析; (c)第1細胞群の上記所定の波数における信号強度の変動係数と、第2細胞群の上記所定の波数における信号強度の変動係数との比較。
  3. 上記取得部は、上記複数のラマン散乱スペクトルを、経時的に取得し、
    上記判定部は、上記変動係数の経時的変化に基づいて、上記ES細胞または上記iPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する、請求項1または2に記載の評価装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の評価装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、
    上記取得部、上記算出部および上記判定部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
  5. 請求項4に記載の制御プログラムが記録されている、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  6. 所定範囲内にある複数の細胞から得られた複数のラマン散乱スペクトルを取得する取得工程と、
    上記複数のラマン散乱スペクトルから、所定の波数における信号強度の変動係数を算出する算出工程と、
    算出された上記変動係数に基づいて、ES細胞またはiPS細胞が分化を開始しているか否かを判定する判定工程と、
    を含む、ES細胞またはiPS細胞の評価方法。
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