JP2023146062A - エンコーダーユニットの状態検出方法、エンコーダーユニットおよびロボットシステム - Google Patents

エンコーダーユニットの状態検出方法、エンコーダーユニットおよびロボットシステム Download PDF

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Abstract

【課題】エンコーダーユニットの状態を容易に検出することができるエンコーダーユニットの状態検出方法、エンコーダーユニットおよびロボットシステムを提供すること。【解決手段】モーターの回転軸に接続されている主軸歯車と、前記主軸歯車と噛合する第1副軸歯車および第2副軸歯車とを有し、前記回転軸の回転数を検出する第1エンコーダーと、前記回転軸の回転角度を検出する第2エンコーダーと、を備えるエンコーダーユニットの状態検出方法であって、前記第1エンコーダーの出力した値を用いて前記第1副軸歯車の回転角度θ1を取得し、前記第2エンコーダーの出力した値を用いて前記回転軸の回転角度θ2を取得し、前記回転角度θ2に基づいて前記第1副軸歯車の回転理論角度θ1tを取得し、前記回転角度θ1および前記回転理論角度θ1tを比較して前記エンコーダーユニットの状態を検出する。【選択図】図3

Description

本発明は、エンコーダーユニットの状態検出方法、エンコーダーユニットおよびロボットシステムに関する。
特許文献1には、光学式エンコーダーおよび磁気式エンコーダーの出力からモーターの回転軸の回転角度を検出するエンコーダーユニットが記載されている。
特開2015-031511号公報
しかしながら、特許文献1のエンコーダーユニットでは、エンコーダーユニットの状態、特に、正常/異常を検出することができないという課題があった。
本発明のエンコーダーユニットの状態検出方法は、モーターの回転軸に接続されている主軸歯車と、前記主軸歯車と噛合する第1副軸歯車および第2副軸歯車とを有し、前記回転軸の回転数を検出する第1エンコーダーと、前記回転軸の回転角度を検出する第2エンコーダーと、を備えるエンコーダーユニットの状態検出方法であって、
前記第1エンコーダーの出力した値を用いて前記第1副軸歯車の回転角度θ1を取得し、
前記第2エンコーダーの出力した値を用いて前記回転軸の回転角度θ2を取得し、
前記回転角度θ2に基づいて前記第1副軸歯車の回転理論角度θ1tを取得し、
前記回転角度θ1および前記回転理論角度θ1tを比較して前記エンコーダーユニットの状態を検出する。
本発明のエンコーダーユニットは、モーターの回転軸に接続されている主軸歯車と、前記主軸歯車と噛合する第1副軸歯車および第2副軸歯車とを有し、前記回転軸の回転数を検出する第1エンコーダーと、前記回転軸の回転角度を検出する第2エンコーダーと、処理装置と、を有し、
前記処理装置は、前記第1エンコーダーの出力した値を用いて前記第1副軸歯車の回転角度θ1を取得し、前記第2エンコーダーの出力した値を用いて前記回転軸の回転角度θ2を取得し、前記回転角度θ2に基づいて前記第1副軸歯車の回転理論角度θ1tを取得し、前記回転角度θ1および前記回転理論角度θ1tを比較して前記エンコーダーユニットの状態を検出する。
本発明のロボットシステムは、第1部材と、前記第1部材に対して変位する第2部材と、前記第1部材に対する前記第2部材の変位量を検出するエンコーダーユニットと、を備えるロボットと、
前記ロボットの駆動を制御する制御装置と、を有し、
前記エンコーダーユニットは、モーターの回転軸に接続されている主軸歯車と、前記主軸歯車と噛合する第1副軸歯車および第2副軸歯車とを有し、前記回転軸の回転数を検出する第1エンコーダーと、前記回転軸の回転角度を検出する第2エンコーダーと、を有し、
前記制御装置は、前記第1エンコーダーの出力した値を用いて前記第1副軸歯車の回転角度θ1を取得し、前記第2エンコーダーの出力した値を用いて前記回転軸の回転角度θ2を取得し、前記回転角度θ2に基づいて前記第1副軸歯車の回転理論角度θ1tを取得し、前記回転角度θ1および前記回転理論角度θ1tを比較して前記エンコーダーユニットの状態を検出する。
本発明の実施形態に係るロボットシステムを示す全体図である。 駆動装置の断面図である。 エンコーダーユニットの状態検出工程を示すフローチャートである。 判定工程にて用いるテーブルを示す図である。 参考例に係るエンコーダーユニットの状態検出工程を示すフローチャートである。 判定工程にて用いるテーブルを示す図である。
以下、本発明のエンコーダーユニットの状態検出方法、エンコーダーユニットおよびロボットシステムを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るロボットシステムを示す全体図である。図2は、駆動装置の断面図である。図3は、エンコーダーユニットの状態検出工程を示すフローチャートである。図4は、判定工程にて用いるテーブルを示す図である。なお、以下では、説明の便宜上、図2中の上側を「上」、下側を「下」ともいう。
図1に示すロボットシステム1は、精密機器やこれを構成する部品の給材、除材、搬送および組立等の作業を行うことができる。ロボットシステム1は、所定の作業を実行するロボット2と、ロボット2の駆動を制御する制御装置3と、を有する。
ロボット2は、6軸ロボットである。ロボット2は、床、壁、天井等に固定されているベース20と、ベース20に接続されているロボットアーム21と、ロボットアーム21の先端に装着されているエンドエフェクター22と、を有している。また、ロボットアーム21は、ベース20に回動自在に連結されているアーム211と、アーム211に回動自在に連結されているアーム212と、アーム212に回動自在に連結されているアーム213と、アーム213に回動自在に連結されているアーム214と、アーム214に回動自在に連結されているアーム215と、アーム215に回動自在に連結されているアーム216と、を有している。そして、アーム216にエンドエフェクター22が装着されている。
ただし、ロボット2の構成は、特に限定されず、例えば、アームの数は、1本以上5本以下であってもよいし7本以上であってもよい。また、例えば、ロボット2は、スカラーロボット、双腕ロボット等であってもよい。
ロボット2は、ベース20に対してアーム211を回動させる駆動装置41と、アーム211に対してアーム212を回動させる駆動装置42と、アーム212に対してアーム213を回動させる駆動装置43と、アーム213に対してアーム214を回動させる駆動装置44と、アーム214に対してアーム215を回動させる駆動装置45と、アーム215に対してアーム216を回動させる駆動装置46と、を有している。これら駆動装置41~46は、それぞれ、制御装置3によって独立して制御される。
制御装置3は、ケーブル9で、例えばベース20と接続されている。制御装置3は、図示しないが、ベース20からロボット2の内部または外部を通って、ケーブル9と駆動装置41~46とは、ケーブルまたは無線通信により接続されている。すなわち、制御装置3と駆動装置41~46とは、通信可能に接続されている。
制御装置3は、図示しないホストコンピューターからの位置指令を受けて、各アーム211~216が前記位置指令に応じた位置となるように駆動装置41~46の駆動を制御する。制御装置3は、例えば、コンピューターから構成され、情報を処理するプロセッサー(CPU)と、プロセッサーに通信可能に接続されたメモリーと、外部インターフェースと、を有する。また、メモリーにはプロセッサーにより実行可能な各種プログラムが保存され、プロセッサーは、メモリーに記憶された各種プログラム等を読み込んで実行することができる。なお、制御装置3は、ベース20内部に収容される構成でもよい。
次に、駆動装置41~46について説明するが、これらは互いに同様の構成であるため、以下では、駆動装置41について代表して説明し、その他の駆動装置42~46については、その説明を省略する。図2に示すように、駆動装置41は、モーター5と、モーター5の回転軸の回転状態を検出するエンコーダーユニット6と、を有している。
モーター5は、2相ACブラシレスモーター、3相ACブラシレスモーター、3相同期モーター等の各種モーターである。モーター5は、軸線Jに沿って配置されている回転軸51と、回転軸51に固定されているローター52と、ローター52の周囲に配置されているステーター53と、これらを収納すると共にステーター53を支持する筒状のハウジング54と、回転軸51をハウジング54に対して軸線Jまわりに回転可能に支持する軸受55、56と、を有している。また、ハウジング54は、第1部材R1としてのベース20に固定されている。また、回転軸51のエンコーダーユニット6とは反対側の端部には第2部材R2としてのアーム211が接続されている。これにより、モーター5の出力がベース20からアーム211に伝達され、ベース20に対してアーム211が回動する。なお、回転軸51は、必要に応じて減速機等の歯車装置を介してアーム211に接続されていてもよい。
エンコーダーユニット6は、モーター5の上側に配置されている。エンコーダーユニット6は、第2エンコーダーとしての回転角度検出型の光学式エンコーダー61と、第1エンコーダーとしての多回転検出型の磁気式エンコーダー62と、基板63と、を有している。そして、これらがハウジング54に固定されているハウジング60内に収納されている。また、モーター5側から光学式エンコーダー61、基板63、磁気式エンコーダー62の順で軸線Jに沿って配置されている。
ただし、これら各部の配置は、特に限定されない。例えば、モーター5側から磁気式エンコーダー62、基板63、光学式エンコーダー61の順で軸線Jに沿って配置されていてもよい。また、例えば、光学式エンコーダー61と磁気式エンコーダー62とがモーター5を挟んで反対側に位置していてもよい。
光学式エンコーダー61は、反射型の光学式エンコーダーであり、モーター5の回転軸51に固定されている光学スケール611と、光学スケール611の回転状態を検出する光学センサー612と、を有している。これにより、第2エンコーダーの構成が簡単となる。光学式エンコーダー61において検出される回転状態とは、回転角度である。
光学スケール611は、回転軸51と共に軸線Jまわりに回転する。光学スケール611は、モーター5の回転軸51に固定されているハブ611aと、ハブ611aに固定されているディスク611bと、を有している。ディスク611bの上面には、ディスク611bの回転角度や回転速度を検出し得る図示しない検出用パターンが形成されている。検出用パターンとしては、特に限定されず、例えば、軸線Jを中心とする周方向に沿って、光の反射率の異なる2つの領域つまり反射領域と非反射領域とが交互に並ぶパターンが挙げられる。
光学センサー612は、ディスク611bの上側にディスク611bと離間して配置されている。光学センサー612は、ディスク611b上の検出用パターンに向けて光Lを出射する発光素子612aと、検出用パターンで反射した光Lを受光する受光素子612bと、を有している。発光素子612aは、例えば、レーザダイオード、発光ダイオードであり、受光素子612bは、例えば、フォトダイオードである。このような構成の光学式エンコーダー61では、ディスク611bの軸線Jまわりの回転に伴って受光素子612bからの出力信号の波形が変化する。そのため、この出力信号に基づいて、ディスク611bの360°範囲内での回転角度θを検出することができる。
光学式エンコーダー61を反射型の光学式エンコーダーとすることにより、その構成が簡単となる。また、反射型とすることにより、発光素子612aおよび受光素子612bを光学スケール611の一方側にまとめて配置することができるため、例えば、光学スケール611を挟んで発光素子612aと受光素子612bとを配置し、発光素子612aから出射され、光学スケール611を透過した光を受光素子612bが受光する透過型の光学式エンコーダーと比べて、光学式エンコーダー61の薄型化を図ることができる。ただし、光学式エンコーダー61としては、反射型のものに限定されず、前述した透過型のものであってもよい。また、例えば、撮像素子を用いたテンプレートマッチングにより回転角度θを検出する撮像型の光学式エンコーダーであってもよい。この場合、発光素子612aを検出用パターンの照明として用い、受光素子612bに替えてカメラ等の撮像素子を配置すればよい。
磁気式エンコーダー62は、光学センサー612の上側に配置されている。磁気式エンコーダー62は、回転軸51に固定されている主軸歯車621と、主軸歯車621に噛合する第1、第2副軸歯車622a、622bと、第1、第2副軸歯車622a、622bに固定されている第1、第2磁石623a、623bと、第1、第2磁石623a、623bの回転状態を検出する第1、第2磁気センサー624a、624bと、を有している。磁気式エンコーダー62において検出される回転状態とは、回転角度である。
主軸歯車621は、回転軸51と共に軸線Jまわりに回転する。第1副軸歯車622aは、軸線Jに平行な軸線J1まわりに回転可能に軸支され、主軸歯車621に従動して主軸歯車621との歯車比に応じた回転量で回転する。同様に、第2副軸歯車622bは、軸線Jに平行な軸線J2まわりに回転可能に軸支され、主軸歯車621に従動して主軸歯車621との歯車比に応じた回転量で回転する。主軸歯車621、第1副軸歯車622aおよび第2副軸歯車622bの歯数は、互いに異なっており、特に本実施形態では互いに素の関係となっている。また、第1、第2副軸歯車622a、622bは、主軸歯車621を介して対向配置されている。ただし、第1、第2副軸歯車622a、622bの配置は、特に限定されない。
第1磁石623aは、第1副軸歯車622aに固定されている。そのため、第1磁石623aは、第1副軸歯車622aと共に軸線J1まわりに回転する。同様に、第2磁石623bは、第2副軸歯車622bに固定されている。そのため、第2磁石623bは、第2副軸歯車622bと共に軸線J2まわりに回転する。第1、第2磁石623a、623bは、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、ボンド磁石等の永久磁石であり、軸線J1、J2まわりの回転に伴って磁界の方向が変化するように配置されている。
第1、第2磁気センサー624a、624bは、第1、第2磁石623a、623bの下側に配置されている。このうち、第1磁気センサー624aは、第1磁石623aと対向して配置され、第1磁石623aの磁界の方向つまり第1副軸歯車622aの360°範囲内での回転角度に応じた信号を出力する。一方、第2磁気センサー624bは、第2磁石623bに対向して配置され、第2磁石623bの磁界の方向つまり第2副軸歯車622bの360°範囲内での回転角度に応じた信号を出力する。このような構成の磁気式エンコーダー62では、第1、第2磁気センサー624a、624bからの信号の値の組み合わせにより回転軸51の回転数Nを検出することができる。
このように、光学式エンコーダー61と磁気式エンコーダー62とを有するエンコーダーユニット6では、磁気式エンコーダー62の出力に基づいてモーター5の回転軸51の回転数Nを検出し、光学式エンコーダー61の出力に基づいて360°範囲内の回転軸51の回転角度θを検出する。そして、回転数Nおよび回転角度θから回転軸51の回転量を検出することができる。また、上述のようにして回転軸51の回転量を検出した後は、光学式エンコーダー61の出力から求められる回転量を加減することで回転軸51の回転量を検出することができる。
このようなエンコーダーユニット6によれば、回転軸51の回転量を記憶するメモリーを駆動し続けるためのバッテリーが不要となる。そのため、省電力駆動が可能となる。
基板63は、光学式エンコーダー61と磁気式エンコーダー62との間に配置されている。基板63は、配線基板であり、ハウジング60に固定されている。また、基板63の下面には、光学センサー612が実装され、上面には、第1、第2磁気センサー624a、624bが実装されている。このように、光学センサー612と第1、第2磁気センサー624a、624bとを1枚の基板63に実装することにより、エンコーダーユニット6の小型化を図ることができる。
また、基板63の下面には処理装置としての回路素子64が実装されている。回路素子64は、例えば、コンピューターから構成され、情報を処理するプロセッサー(CPU)と、プロセッサーに通信可能に接続されたメモリーと、外部インターフェースと、を有する。また、メモリーにはプロセッサーにより実行可能な各種プログラムが保存され、プロセッサーは、メモリーに記憶された各種プログラム等を読み込んで実行することができる。
また、回路素子64は、光学センサー612の出力信号に基づいて回転角度θを検出する回転角度検出回路641と、第1、第2磁気センサー624a、624bの出力信号に基づいて回転数Nを検出する回転数検出回路642と、回転角度検出回路641が検出した回転角度θと回転数検出回路642が検出した回転数Nとに基づいて回転軸51の回転量を算出する回転量算出回路643と、エンコーダーユニット6の状態を検出する状態検出回路645と、外部との通信を行うインターフェース回路644と、を有している。回路素子64は、制御装置3からのリクエストにより回転軸51の回転量の算出や状態の検出を行い、その結果を制御装置3へ送信する。
以下、状態検出回路645によるエンコーダーユニット6の状態検出について説明する。状態検出回路645は、特に、エンコーダーユニット6が正常であるか異常であるかを検出する。すなわち、エンコーダーユニット6の状態検出とは、エンコーダーユニット6が正常であるか異常であるかを検出することである。図3に示すように、状態検出回路645による状態検出方法は、主軸歯車621および第1、第2副軸歯車622a、622bの回転角度を0°にオフセットする角度オフセット工程S1と、光学式エンコーダー61の出力と第1磁気センサー624aの出力とを比較する第1比較工程S2と、光学式エンコーダー61の出力と第2磁気センサー624bの出力とを比較する第2比較工程S3と、第1比較工程S2および第2比較工程S3の比較結果からエンコーダーユニット6の正常/異常を判定する判定工程S4と、判定工程S4での判定結果を制御装置3に送信する送信工程S5と、を含んでいる。
[角度オフセット工程S1]
状態検出回路645は、制御装置3から状態検出のリクエストを受けると、主軸歯車621および第1、第2副軸歯車622a、622bの回転角度を0°にオフセットする。すなわち、オフセットするとは、主軸歯車621および第1、第2副軸歯車622a、622bの回転角度を0°にすることである。
[第1比較工程S2]
第1比較工程S2は、第1磁気センサー624aの出力に基づいて第1副軸歯車622aの回転角度θ1を取得する工程S21と、光学式エンコーダー61の出力に基づいて回転軸51の回転角度θ2を取得する工程S22と、回転角度θ2に基づいて第1副軸歯車622aの回転理論角度θ1tを取得する工程S23と、回転角度θ1および回転理論角度θ1tを比較する工程S24と、を含んでいる。
角度オフセット工程S1を終えると、状態検出回路645は、工程S21として、第1磁気センサー624aの出力に基づいて第1副軸歯車622aの回転角度θ1を取得する。ただし、0°≦θ1<360°である。また、状態検出回路645は、工程S22として、光学式エンコーダー61の出力に基づいて回転軸51の回転角度θ2を取得する。ただし、0°≦θ2<360°である。状態検出回路645は、工程S21、S22を同時に行い同時刻における回転角度θ1および回転角度θ2を取得する。これにより、後の工程S24を精度よく行うことができる。ただし、これに限定されず、工程S21、S22が前後してもよい。
次に、状態検出回路645は、工程S23として、工程S22で取得した回転角度θ2に基づいて第1副軸歯車622aの回転理論角度θ1tを取得する。つまり、状態検出回路645は、工程S22で取得した回転角度θ2から間接的に第1副軸歯車622aの回転角度θ1を算出する。なお、回転理論角度θ1tの算出方法としては、特に限定されないが、主軸歯車621の歯数をn1とし、第1副軸歯車622aの歯数をn2としたとき、θ1t=θ2×n1/n2の計算式により求めることができる。これにより、回転理論角度θ1tを簡単に求めることができる。
次に、状態検出回路645は、工程S24として、工程S21で取得した回転角度θ1と工程S23で取得した回転理論角度θ1tとを比較する。つまり、回転角度θ1の実測値と理論値とを比較する。そして、状態検出回路645は、回転理論角度θ1tと回転角度θ1との差Δθ1が、予め設定されている所定値SH1以下であるか、所定値SH1超であるか、を判定する。所定値SH1としては、特に限定されないが、本実施形態では45°に設定されている。
[第2比較工程S3]
第2比較工程S3は、第2磁気センサー624bの出力した値を用いて第2副軸歯車622bの回転角度θ3を取得する工程S31と、光学式エンコーダー61の出力した値を用いて回転軸51の回転角度θ2を取得する工程S32と、回転角度θ2に基づいて第2副軸歯車622bの回転理論角度θ3tを取得する工程S33と、回転角度θ3および回転理論角度θ3tを比較する工程S34と、を含んでいる。このような第2比較工程S3は、前述した第1比較工程S2と並行して行われる。これにより、状態検出にかかる時間を短縮することができる。ただし、これに限定されず、第1比較工程S2および第2比較工程S3の一方が終了してから他方を開始してもよい。
角度オフセット工程S1を終えると、状態検出回路645は、工程S31として、第2磁気センサー624bの出力した値を用いて第2副軸歯車622bの回転角度θ3を取得する。ただし、0°≦θ3<360°である。また、状態検出回路645は、工程S32として、光学式エンコーダー61の出力した値を用いて回転軸51の回転角度θ2を取得する。ただし、0°≦θ2<360°である。状態検出回路645は、工程S31、S32を同時に行い同時刻における回転角度θ3および回転角度θ2を取得する。これにより、後の工程S34を精度よく行うことができる。ただし、これに限定されず、工程S31、S32が前後してもよい。
次に、状態検出回路645は、工程S33として、工程S32で取得した回転角度θ2に基づいて第2副軸歯車622bの回転理論角度θ3tを取得する。つまり、状態検出回路645は、工程S32で取得した回転角度θ2から間接的に第2副軸歯車622bの回転角度θ3を算出する。なお、回転理論角度θ3tの算出方法としては、特に限定されないが、主軸歯車621の歯数をn1とし、第2副軸歯車622bの歯数をn3としたとき、θ3t=θ2×n1/n3の計算式により求めることができる。これにより、回転理論角度θ3tを簡単に求めることができる。
次に、状態検出回路645は、工程S34として、工程S31で取得した回転角度θ3と工程S33で取得した回転理論角度θ3tとを比較する。つまり、回転角度θ3の実測値と理論値とを比較する。そして、状態検出回路645は、回転理論角度θ3tと回転角度θ3との差Δθ3が、予め設定されている所定値SH3以下であるか、所定値SH3超であるか、を判定する。なお、所定値SH3は、所定値SH1と同じ値、つまり45°に設定されている。これにより、各差Δθ1、Δθ3をバランスよく比較することができる。ただし、所定値SH3は、所定値SH1と異なっていてもよい。
[判定工程S4]
判定工程S4では、状態検出回路645は、図4に示すテーブルTに基づいて、エンコーダーユニット6の正常/異常を判定するとともに、異常の場合には異常が生じている部分を特定する。つまり、状態検出回路645は、第1比較工程S2での比較結果がΔθ1≦SH1であり、第2比較工程S3での比較結果がΔθ3≦SH3である場合には正常と判定する。これに対して、状態検出回路645は、Δθ1>SH1およびΔθ3>SH1の少なくとも一方を満たす場合には異常と判定する。このような判定基準によれば、エンコーダーユニット6の正常/異常を容易に判定することができる。
さらに、状態検出回路645は、Δθ1>SH1、Δθ3≦SH3である場合は、第1副軸歯車622a、第1磁石623aおよび第1磁気センサー624aからなる第1磁気ユニットに異常が生じていると判定し、Δθ1≦SH1、Δθ3>SH3である場合は、第2副軸歯車622b、第2磁石623bおよび第2磁気センサー624bからなる第2磁気ユニットに異常が生じていると判定し、Δθ1>SH1、Δθ3>SH3である場合は、光学式エンコーダー61に異常が発生していると判定する。
このように、判定工程S4によれば、エンコーダーユニット6の正常/異常のみならず、異常が生じている部分までを特定することができる。そのため、エンコーダーユニット6の状態をより詳細に検出することができる。特に、第1、第2エンコーダーを異なる方式(磁気式と光学式)とすることにより、これら第1、第2エンコーダーが同時に故障する可能性が低くなり、上述の判定精度がより向上する。
[送信工程S5]
送信工程S5では、判定工程S4の結果を制御装置3へ送信する。そして、制御装置3は、受け取った結果をユーザーに報知する。これにより、ユーザーは、エンコーダーユニット6の状態を知ることができる。そのため、ユーザーは、この情報をメンテナンス等に役立てることができる。なお、報知方法としては、特に限定されず、例えば、モニター等の表示装置への表示、音声、警告音等の音、光、振動等が挙げられる。
以上、エンコーダーユニット6の状態検出方法について説明した。このような方法によれば、回転角度θ1、θ3について、実測値と理論値とを比較するため、エンコーダーユニット6の状態を簡単かつ精度よく検出することができる。
なお、エンコーダーユニット6の状態を検出するタイミングは、特に限定されない。例えば、ロボットシステム1の電源がONになったときにエンコーダーユニット6の状態を検出し、その後は、周期的に検出を繰り返してもよいし、ロボット2に衝撃が加わった、水分が浸入した等の故障が疑われる何らかのタイミングで検出を行ってもよい。また、制御装置3を介したユーザーからのリクエストを受けた場合のみ、エンコーダーユニット6の状態を検出してもよい。
なお、本実施形態では、副軸歯車、磁石および磁気センサーを含むユニットを2つ備えているがユニットの数は、これに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。ユニット数が1つの場合は、エンコーダーユニット6の状態検出における第2比較工程S3は省略してよい。また、ユニット数が3以上の場合は、第2比較工程S3と判定工程S4との間に、適宜、第3比較工程等を追加することもできる。
以上、ロボットシステム1について説明した。このようなロボットシステム1が行うエンコーダーユニットの状態検出方法は、前述したように、モーター5の回転軸51に接続されている主軸歯車621と、主軸歯車621と噛合する第1副軸歯車622aおよび第2副軸歯車622bとを有し、回転軸51の回転数Nを検出する第1エンコーダーである磁気式エンコーダー62と、回転軸51の回転角度θを検出する第2エンコーダーである光学式エンコーダー61と、を備えるエンコーダーユニット6の状態検出方法であって、磁気式エンコーダー62の出力した値を用いて第1副軸歯車622aの回転角度θ1を取得し、光学式エンコーダー61の出力した値を用いて回転軸51の回転角度θ2を取得し、回転角度θ2に基づいて第1副軸歯車622aの回転理論角度θ1tを取得し、回転角度θ1および回転理論角度θ1tを比較してエンコーダーユニット6の状態を検出する。このような検出方法によれば、回転角度θ1の実測値と理論値とを比較するため、エンコーダーユニット6の状態を簡単かつ精度よく検出することができる。
また、前述したように、磁気式エンコーダー62は、第1副軸歯車622aに配置されている第1磁石623aと、第1磁石623aの磁界が作用する第1磁気センサー624aと、を備え、主軸歯車621の歯数n1および第1副軸歯車622aの歯数n2が互いに素の関係であり、θ1t=θ2×n1/n2である。これにより、回転理論角度θ1tを簡単に求めることができる。
また、前述したように、エンコーダーユニットの状態検出方法では、回転角度θ1と回転理論角度θ1tとの差Δθ1が所定値SH1以下であればエンコーダーユニット6が正常であると判定し、差Δθ1が所定値SH1を超えていればエンコーダーユニット6が異常であると判定する。このような判定基準によれば、エンコーダーユニット6の正常/異常を容易に判定することができる。
また、前述したように、エンコーダーユニットの状態検出方法は、磁気式エンコーダー62の出力した値を用いて第2副軸歯車622bの回転角度θ3を取得し、光学式エンコーダー61の出力した値を用いて回転軸51の回転角度θ2を取得し、回転角度θ2に基づいて第2副軸歯車622bの回転理論角度θ3tを取得し、回転角度θ3および回転理論角度θ3tを比較してエンコーダーユニット6の状態を検出する。このような検出方法によれば、回転角度θ3の実測値と理論値とを比較するため、エンコーダーユニット6の状態を簡単かつ精度よく検出することができる。
また、前述したように、磁気式エンコーダー62は、第2副軸歯車622bに配置されている第2磁石623bと、第2磁石623bの磁界が作用する第2磁気センサー624bと、を備え、主軸歯車621の歯数n1および第2副軸歯車622bの歯数n3が互いに素の関係であり、θ3t=θ2×n1/n3である。これにより、回転理論角度θ3tを簡単に求めることができる。
また、前述したように、エンコーダーユニットの状態検出方法では、回転角度θ3と回転理論角度θ3tとの差Δθ3が所定値SH3以下であればエンコーダーユニット6が正常であると判定し、差Δθ3が所定値SH3を超えていればエンコーダーユニット6が異常であると判定する。このような判定基準によれば、エンコーダーユニット6の正常/異常を容易に判定することができる。
また、前述したように、エンコーダーユニットの状態検出方法では、エンコーダーユニット6が異常である場合は、異常を報知する。これにより、ユーザーは、エンコーダーユニット6の状態を知ることができる。そのため、ユーザーは、この情報をメンテナンス等に役立てることができる。
また、前述したように、第2エンコーダーである光学式エンコーダー61は、回転軸51に接続されている光学スケール611と、光学スケール611で反射される光を受光する光学センサー612と、を有している。これにより、第2エンコーダーの構成が簡単となる。また、第1、第2エンコーダーを異なる方式(磁気式と光学式)とすることにより、これら第1、第2エンコーダーが同時に異常を来す可能性が低くなり、上述の判定をより精度よく行うことができる。
また、前述したように、エンコーダーユニット6は、モーター5の回転軸51に接続されている主軸歯車621と、主軸歯車621と噛合する第1副軸歯車622aおよび第2副軸歯車622bとを有し、回転軸51の回転数Nを検出する第1エンコーダーである磁気式エンコーダー62と、回転軸51の回転角度θを検出する第2エンコーダーである光学式エンコーダー61と、処理装置としての回路素子64と、を有している。そして、回路素子64は、磁気式エンコーダー62の出力した値を用いて第1副軸歯車622aの回転角度θ1を取得し、光学式エンコーダー61の出力した値を用いて回転軸51の回転角度θ2を取得し、回転角度θ2に基づいて第1副軸歯車622aの回転理論角度θ1tを取得し、回転角度θ1および回転理論角度θ1tを比較してエンコーダーユニット6の状態を検出する。このようなエンコーダーユニット6によれば、回転角度θ1の実測値と理論値とを比較するため、エンコーダーユニット6の状態を簡単かつ精度よく検出することができる。
<第2実施形態>
本実施形態に係るロボットシステム1は、エンコーダーユニット6の状態検出を制御装置3が行うこと以外は、前述した第1実施形態のロボットシステム1と同様である。なお、以下の説明では、第2実施形態のロボットシステム1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
前述した第1実施形態では、エンコーダーユニット6が備える回路素子64が、エンコーダーユニット6の状態検出を行っていたが、本実施形態では、制御装置3がエンコーダーユニット6の状態検出を行う。つまり、制御装置3が、角度オフセット工程S1と、第1比較工程S2と、第2比較工程S3と、判定工程S4と、を行い、判定工程S4の結果をユーザーに報知する。
以上のように、本実施形態のロボットシステム1では、第1部材R1としてのベース20と、ベース20に対して変位する第2部材R2としてのアーム211と、ベース20に対するアーム211の変位量を検出するエンコーダーユニット6と、を備えるロボット2と、ロボット2の駆動を制御する制御装置3と、を有し、エンコーダーユニット6は、モーター5の回転軸51に接続されている主軸歯車621と、主軸歯車621と噛合する第1副軸歯車622aおよび第2副軸歯車622bとを有し、回転軸51の回転数Nを検出する第1エンコーダーである磁気式エンコーダー62と、回転軸51の回転角度θを検出する第2エンコーダーである光学式エンコーダー61と、を有している。そして、制御装置3は、磁気式エンコーダー62の出力した値を用いて第1副軸歯車622aの回転角度θ1を取得し、光学式エンコーダー61の出力した値を用いて回転軸51の回転角度θ2を取得し、回転角度θ2に基づいて第1副軸歯車622aの回転理論角度θ1tを取得し、回転角度θ1および回転理論角度θ1tを比較してエンコーダーユニット6の状態を検出する。このようなエンコーダーユニット6によれば、回転角度θ1の実測値と理論値とを比較するため、エンコーダーユニット6の状態を簡単かつ精度よく検出することができる。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。なお、エンコーダーユニット6の状態検出工程の一部をエンコーダーユニット6の回路素子64が行い、残りの一部を制御装置3が行ってもよい。例えば、第1比較工程S2を回路素子64が行い、第2比較工程S3を制御装置3が行ってもよい。これら並行して行われる2つの工程を回路素子64と制御装置3とに振り分けることで、処理負担が低減され、エンコーダーユニット6の状態検出にかかる時間を短くすることができる。
<参考例>
図5は、参考例に係るエンコーダーユニットの状態検出工程を示すフローチャートである。図6は、判定工程にて用いるテーブルを示す図である。
本参考例に係るロボットシステム1は、エンコーダーユニット6の状態検出方法が異なること以外は、前述した第1実施形態のロボットシステム1と同様である。なお、以下の説明では、本参考例のロボットシステム1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
前述した第1実施形態では、回転角度θ1、θ3の実測値と理論値とを比較してエンコーダーユニット6の状態を検出しているが、本参考例では、回転角度θ2の実測値と理論値とを比較してエンコーダーユニット6の状態を検出する。
以下、状態検出回路645によるエンコーダーユニット6の状態検出について説明する。図5に示すように、状態検出回路645による状態検出方法は、主軸歯車621および第1、第2副軸歯車622a、622bの回転角度を0°にオフセットする角度オフセット工程S1と、光学式エンコーダー61の出力した値と第1磁気センサー624aの出力した値とを比較する第1比較工程S2と、光学式エンコーダー61の出力した値と第2磁気センサー624bの出力した値とを比較する第2比較工程S3と、第1比較工程S2および第2比較工程S3の比較結果からエンコーダーユニット6の正常/異常を判定する判定工程S4と、判定工程S4での判定結果を制御装置3に送信する送信工程S5と、を含んでいる。
[角度オフセット工程S1]
状態検出回路645は、制御装置3から状態検出のリクエストを受けると、主軸歯車621および第1、第2副軸歯車622a、622bの回転角度を0°にオフセットする。
[第1比較工程S2]
第1比較工程S2は、第1磁気センサー624aの出力した値を用いて第1副軸歯車622aの回転角度θ1を取得する工程S21と、光学式エンコーダー61の出力した値を用いて回転軸51の回転角度θ2を取得する工程S22と、回転角度θ1に基づいて回転軸51の回転理論角度θ2tを取得する工程S23と、回転角度θ2および回転理論角度θ2tを比較する工程S24と、を含んでいる。
角度オフセット工程S1を終えると、状態検出回路645は、工程S21として、第1磁気センサー624aの出力した値を用いて第1副軸歯車622aの回転角度θ1を取得する。また、状態検出回路645は、工程S22として、光学式エンコーダー61の出力した値を用いて回転軸51の回転角度θ2を取得する。
次に、状態検出回路645は、工程S23として、工程S21で取得した回転角度θ1に基づいて回転軸51の回転理論角度θ2tを取得する。つまり、状態検出回路645は、工程S21で取得した回転角度θ1から間接的に回転軸51の回転角度θ2を算出する。なお、回転理論角度θ2tの算出方法としては、特に限定されないが、主軸歯車621の歯数をn1とし、第1副軸歯車622aの歯数をn2としたとき、θ2t=θ1/(n1/n2)の計算式により求めることができる。これにより、回転理論角度θ2tを簡単に求めることができる。
次に、状態検出回路645は、工程S24として、工程S22で取得した回転角度θ2と工程S23で取得した回転理論角度θ2tとを比較する。つまり、回転角度θ2の実測値と理論値とを比較する。そして、状態検出回路645は、回転理論角度θ2tと回転角度θ2との差Δθ2が、予め設定されている所定値SH21以下であるか、所定値SH21超であるか、を判定する。所定値SH21としては、特に限定されないが、本参考例では45°に設定されている。
[第2比較工程S3]
第2比較工程S3は、第2磁気センサー624bの出力した値を用いて第2副軸歯車622bの回転角度θ3を取得する工程S31と、光学式エンコーダー61の出力した値を用いて回転軸51の回転角度θ2を取得する工程S32と、回転角度θ3に基づいて回転軸51の回転理論角度θ2tを取得する工程S33と、回転角度θ2および回転理論角度θ2tを比較する工程S34と、を含んでいる。
角度オフセット工程S1を終えると、状態検出回路645は、工程S31として、第2磁気センサー624bの出力した値を用いて第2副軸歯車622bの回転角度θ3を取得する。また、状態検出回路645は、工程S32として、光学式エンコーダー61の出力した値を用いて回転軸51の回転角度θ2を取得する。
次に、状態検出回路645は、工程S33として、工程S31で取得した回転角度θ3に基づいて回転軸51の回転理論角度θ2tを取得する。つまり、状態検出回路645は、工程S31で取得した回転角度θ3から間接的に回転軸51の回転角度θ2を算出する。なお、回転理論角度θ2tの算出方法としては、特に限定されないが、主軸歯車621の歯数をn1とし、第2副軸歯車622bの歯数をn3としたとき、θ2t=θ3/(n1/n3)の計算式により求めることができる。これにより、回転理論角度θ2tを簡単に求めることができる。
次に、状態検出回路645は、工程S34として、工程S32で取得した回転角度θ2と工程S33で取得した回転理論角度θ2tとを比較する。つまり、回転角度θ2の実測値と理論値とを比較する。そして、状態検出回路645は、回転理論角度θ2tと回転角度θ2との差Δθ2が、予め設定されている所定値SH22以下であるか、所定値SH22超であるか、を判定する。なお、所定値SH22は、所定値SH21と同じ値、つまり45°に設定されている。ただし、所定値SH22は、所定値SH21と異なっていてもよい。
[判定工程S4]
判定工程S4では、状態検出回路645は、図6に示すテーブルTに基づいて、エンコーダーユニット6の正常/異常を判定するとともに、異常の場合には異常が生じている部分を特定する。つまり、第1比較工程S2での比較結果がΔθ2≦SH21であり、第2比較工程S3での比較結果がΔθ2≦SH22である場合には正常と判定する。これに対して、状態検出回路645は、Δθ2>SH21およびΔθ2>SH22の少なくとも一方を満たす場合には異常と判定する。このような判定基準によれば、エンコーダーユニット6の正常/異常を容易に判定することができる。
さらに、状態検出回路645は、Δθ2>SH21、Δθ2≦SH22である場合は、第1磁気ユニットに異常が生じていると判定し、Δθ2≦SH21、Δθ2>SH22である場合は、第2磁気ユニットに異常が生じていると判定し、Δθ2>SH21、Δθ2>SH22である場合は、光学式エンコーダー61に異常が生じていると判定する。
このように、判定工程S4によれば、エンコーダーユニット6の正常/異常のみならず、異常を来している部分までを特定することができる。そのため、エンコーダーユニット6の状態をより詳細に検出することができる。ただし、判定方法としては、特に限定されず、第1比較工程S2で算出した差Δθ2と、第2比較工程S3で算出した差Δθ2と、の差に基づいてエンコーダーユニット6の正常/異常を判定してもよい。
[送信工程S5]
送信工程S5では、判定工程S4の結果を制御装置3へ送信する。そして、制御装置3は、受け取った結果をユーザーに報知する。
以上、エンコーダーユニット6の状態検出方法について説明した。このような方法によれば、回転角度θ2の実測値と理論値とを比較するため、エンコーダーユニット6の状態を簡単かつ精度よく検出することができる。
このような参考例によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明のエンコーダーユニットの状態検出方法、エンコーダーユニットおよびロボットシステムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、前述した実施形態では、エンコーダーユニットをロボットシステムに適用した例について説明したが、エンコーダーユニットは、ロボットシステム以外の各種電子機器にも適用することができる。
1…ロボットシステム、2…ロボット、20…ベース、21…ロボットアーム、211…アーム、212…アーム、213…アーム、214…アーム、215…アーム、216…アーム、22…エンドエフェクター、3…制御装置、41…駆動装置、42…駆動装置、43…駆動装置、44…駆動装置、45…駆動装置、46…駆動装置、5…モーター、51…回転軸、52…ローター、53…ステーター、54…ハウジング、55…軸受、56…軸受、6…エンコーダーユニット、60…ハウジング、61…光学式エンコーダー、611…光学スケール、611a…ハブ、611b…ディスク、612…光学センサー、612a…発光素子、612b…受光素子、62…磁気式エンコーダー、621…主軸歯車、622a…第1副軸歯車、622b…第2副軸歯車、623a…第1磁石、623b…第2磁石、624a…第1磁気センサー、624b…第2磁気センサー、63…基板、64…回路素子、641…回転角度検出回路、642…回転数検出回路、643…回転量算出回路、644…インターフェース回路、645…状態検出回路、9…ケーブル、L…光、R1…第1部材、R2…第2部材、S1…角度オフセット工程、S2…第1比較工程、S21…工程、S22…工程、S23…工程、S24…工程、S3…第2比較工程、S31…工程、S32…工程、S33…工程、S34…工程、S4…判定工程、S5…送信工程、SH1…所定値、SH21…所定値、SH22…所定値、SH3…所定値、T…テーブル、J…軸線、J1…軸線、J2…軸線、SH1…所定値、SH21…所定値、SH22…所定値、SH3…所定値、Δθ1…差、Δθ2…差、Δθ3…差、θ1…回転角度、θ1t…回転理論角度、θ2…回転角度、θ2t…回転理論角度、θ3…回転角度、θ3t…回転理論角度

Claims (10)

  1. モーターの回転軸に接続されている主軸歯車と、前記主軸歯車と噛合する第1副軸歯車および第2副軸歯車とを有し、前記回転軸の回転数を検出する第1エンコーダーと、前記回転軸の回転角度を検出する第2エンコーダーと、を備えるエンコーダーユニットの状態検出方法であって、
    前記第1エンコーダーの出力した値を用いて前記第1副軸歯車の回転角度θ1を取得し、
    前記第2エンコーダーの出力した値を用いて前記回転軸の回転角度θ2を取得し、
    前記回転角度θ2に基づいて前記第1副軸歯車の回転理論角度θ1tを取得し、
    前記回転角度θ1および前記回転理論角度θ1tを比較して前記エンコーダーユニットの状態を検出することを特徴とするエンコーダーユニットの状態検出方法。
  2. 前記第1エンコーダーは、前記第1副軸歯車に配置されている第1磁石と、前記第1磁石の磁界が作用する第1磁気センサーと、を備え、前記主軸歯車の歯数n1および前記第1副軸歯車の歯数n2が互いに素の関係であり、
    θ1t=θ2×n1/n2である請求項1に記載のエンコーダーユニットの状態検出方法。
  3. 前記回転角度θ1と前記回転理論角度θ1tとの差Δθ1が所定値以下であれば前記エンコーダーユニットが正常であると判定し、前記差Δθ1が前記所定値を超えていれば前記エンコーダーユニットが異常であると判定する請求項1または2に記載のエンコーダーユニットの状態検出方法。
  4. 前記第1エンコーダーの出力した値を用いて前記第2副軸歯車の回転角度θ3を取得し、
    前記第2エンコーダーの出力した値を用いて前記回転軸の回転角度θ2を取得し、
    前記回転角度θ2に基づいて前記第2副軸歯車の回転理論角度θ3tを取得し、
    前記回転角度θ3および前記回転理論角度θ3tを比較して前記エンコーダーユニットの状態を検出する請求項1に記載のエンコーダーユニットの状態検出方法。
  5. 前記第1エンコーダーは、前記第2副軸歯車に配置されている第2磁石と、前記第2磁石の磁界が作用する第2磁気センサーと、を備え、前記主軸歯車の歯数n1および前記第2副軸歯車の歯数n3が互いに素の関係であり、
    θ3t=θ2×n1/n3である請求項4に記載のエンコーダーユニットの状態検出方法。
  6. 前記回転角度θ3と前記回転理論角度θ3tとの差Δθ3が所定値以下であれば前記エンコーダーユニットが正常であると判定し、前記差Δθ3が前記所定値を超えていれば前記エンコーダーユニットが異常であると判定する請求項4または5に記載のエンコーダーユニットの状態検出方法。
  7. 前記異常である場合は、前記異常を報知する請求項3または6に記載のエンコーダーユニットの状態検出方法。
  8. 前記第2エンコーダーは、前記回転軸に接続されている光学スケールと、前記光学スケールで反射される光を受光する光学センサーと、を有している請求項1ないし7のいずれか1項に記載のエンコーダーユニットの状態検出方法。
  9. モーターの回転軸に接続されている主軸歯車と、前記主軸歯車と噛合する第1副軸歯車および第2副軸歯車とを有し、前記回転軸の回転数を検出する第1エンコーダーと、前記回転軸の回転角度を検出する第2エンコーダーと、処理装置と、を有し、
    前記処理装置は、前記第1エンコーダーの出力した値を用いて前記第1副軸歯車の回転角度θ1を取得し、前記第2エンコーダーの出力した値を用いて前記回転軸の回転角度θ2を取得し、前記回転角度θ2に基づいて前記第1副軸歯車の回転理論角度θ1tを取得し、前記回転角度θ1および前記回転理論角度θ1tを比較して前記エンコーダーユニットの状態を検出することを特徴とするエンコーダーユニット。
  10. 第1部材と、前記第1部材に対して変位する第2部材と、前記第1部材に対する前記第2部材の変位量を検出するエンコーダーユニットと、を備えるロボットと、
    前記ロボットの駆動を制御する制御装置と、を有し、
    前記エンコーダーユニットは、モーターの回転軸に接続されている主軸歯車と、前記主軸歯車と噛合する第1副軸歯車および第2副軸歯車とを有し、前記回転軸の回転数を検出する第1エンコーダーと、前記回転軸の回転角度を検出する第2エンコーダーと、を有し、
    前記制御装置は、前記第1エンコーダーの出力した値を用いて前記第1副軸歯車の回転角度θ1を取得し、前記第2エンコーダーの出力した値を用いて前記回転軸の回転角度θ2を取得し、前記回転角度θ2に基づいて前記第1副軸歯車の回転理論角度θ1tを取得し、前記回転角度θ1および前記回転理論角度θ1tを比較して前記エンコーダーユニットの状態を検出することを特徴とするロボットシステム。
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