JP2023142664A - 芯部硬さに優れた窒化用鋼 - Google Patents
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Abstract
【課題】 冷間鍛造性に優れながら、窒化後の芯部硬さの低減を抑制できる鋼材の提供。【解決手段】 質量%で、C:0.20~0.45%、Si:0.1~0.4%、Mn:0.2~1.0%、Cr:1.50~2.80%、Mo:0.03~0.30%、Al:0.005~0.300%、N:0.004~0.030、V:0.08~0.30%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、さらに不可避的不純物のうち、P:0.030%以下、S:0.030%以下であって、その鋼組織がフェライト及び炭化物からなる組織であって、組織中における炭化物の面積率が8~20%であり、アスペクト比が3.0以上の炭化物が炭化物中に占める割合が面積率で50%以上である、窒化用鋼。【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば自動車、建設機械、工作機械等に用いるギア等の部品の素材に好適な、すなわち冷間鍛造後にガス窒化やガス軟窒化などの表面硬化処理を施してNを鋼の表面層へと侵入させることで表面硬化させて使用される部品の素材に好適な、機械構造用に適した窒化用鋼に関する。
冷間鍛造用の窒化用鋼として、これまでにも、たとえば、質量%で、C:0.01~0.15%、Si<0.10%、Mn:0.10~0.50%、P≦0.030%、S≦0.050%、Cr:0.80~2.0%、V:0.03%以上0.10%未満、Al:0.01~0.10%、N≦0.0080%及びO≦0.0030%を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、〔399×C+26×Si+123×Mn+30×Cr+32×Mo+19×V≦160〕、〔20≦(669.3×logeC-1959.6×logeN-6983.3)×(0.067×Mo+0.147×V)≦80〕及び〔140×Cr+125×Al+235×V≧160〕である化学組成を有する冷鍛窒化用鋼が提案されている(特許文献1参照。)。
この提案は、Siの含有量が多すぎると硬くなるので冷間鍛造性が低下するとして、Siの含有量を低減することで、冷間鍛造性を確保している。
この提案は、Siの含有量が多すぎると硬くなるので冷間鍛造性が低下するとして、Siの含有量を低減することで、冷間鍛造性を確保している。
また、窒化鋼からなる部品として、質量%でC:0.05~0.20%、Si:0.30%未満、Mn:1.00%以下、Cr:0.50~1.50%、Al:0.040%以下、N:0.0100%以下、Ti:0.50~1.50%を含有し、かつTi-4×C-3.4N≧0.20を満足し、残部がFe及び不純物元素からなり、焼入処理した後の窒化処理後における組織が焼もどしマルテンサイト組織からなり、かつ表面硬さがHv650以上、内部硬さがHv150以上であることを特徴とする短時間の窒化処理で高い表面硬さと深い硬化深さの得られる窒化鋼部品が提案されている(特許文献2参照)。
もっとも、この提案では、窒化処理後に深い硬化深さを得るためにTiを大量に必要としている。また、Crは表面硬さを向上させるものの、含有により窒素の拡散速度が低下するから、硬化深さを得ることが難しくなるとして、Crの量を低減している。
もっとも、この提案では、窒化処理後に深い硬化深さを得るためにTiを大量に必要としている。また、Crは表面硬さを向上させるものの、含有により窒素の拡散速度が低下するから、硬化深さを得ることが難しくなるとして、Crの量を低減している。
上述の特許文献1、2の提案では、窒化処理の際に表面硬さの向上に資する合金成分の添加量を低減することによって、冷鍛加工性を高めている。もっとも、このような鋼で芯部硬さを発現させようとするには、さらに冷鍛条件や時効硬化を適切に制御する必要が生じるであろうことが推察されるところであるから、冷間鍛造性を確保すると、他方で窒化後の芯部硬さの低減を抑制することは容易ではないこととなる。
また、特許文献2では、析出処理が高温であるなど、製造条件を適切に制御するためには生産コストの増大が懸念される。
そこで、上記で述べたような機械構造用鋼を窒化する際の背景を踏まえ、本発明が解決しようとする課題は、冷間鍛造性に優れながら、窒化後の芯部硬さの低減を抑制できる鋼材を提供することである。
もっとも、窒化処理の場合にはオーステナイト域からの焼入れ処理を行わないため、マルテンサイト変態による強化を活用することができない。このため、窒化部品に所望の芯部硬さを確保させるためには多量の合金元素を含有させる必要があるが、他方で冷間鍛造性が悪化することとなる。
また、多量の合金成分を含んだ材料を冷間鍛造するためには、長時間の熱処理が必要となり、製造性が阻害されることとなる。冷鍛性を確保するために、C等の硬さに寄与する合金成分の含有量を下げた場合には、窒化時に形成される窒化物の量が不足してしまい、表面硬さや硬化層の深さが不足する恐れもある。さらに、冷間鍛造後の窒化処理において再結晶が起こりうることから、冷間鍛造によって得られた加工硬化も失われやすい。
そこで、発明者は鋭意検討の結果、Al、V、Crの成分バランスを最適化し、炭化物を適切に制御することで、加工性に優れながらも、窒化後の硬さに優れる鋼を開発するに至った。具体的には、冷間鍛造前の組織をフェライト中に炭化物が緻密に存在する組織とすることで、冷間鍛造性に適した硬さでありながら、その後の窒化処理による芯部の再結晶を抑制することができることを見出した。
すなわち、本願の課題を解決するための第1の手段は、質量%で、C:0.20~0.45%、Si:0.1~0.4%、Mn:0.2~1.0%、Cr:1.50~2.80%、Mo:0.03~0.30%、Al:0.005~0.300%、N:0.004~0.030、V:0.08~0.30%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、さらに不可避的不純物のうち、P:0.030%以下、S:0.030%以下であって、その鋼組織がフェライト及び炭化物からなる組織であって、フェライトに対する炭化物の面積率が8~20%であり、アスペクト比が3.0以上の炭化物が炭化物中に占める割合が面積率で50%以上である、窒化用鋼である。
その第2の手段は、第1の手段に記載の化学成分に加えて、選択的付加的成分として、質量%でNb:0.10%以下、Ti:0.020~0.200、B:0.0030%以下のうちいずれか1種又は2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
さらに不可避的不純物のうち、P:0.030%以下、S:0.030%以下であって、その鋼組織がフェライト及び炭化物からなる組織であって、フェライトに対する炭化物の面積率が8~20%であり、アスペクト比が3.0以上の炭化物が炭化物中に占める割合が面積率で50%以上である、窒化用鋼である。
さらに不可避的不純物のうち、P:0.030%以下、S:0.030%以下であって、その鋼組織がフェライト及び炭化物からなる組織であって、フェライトに対する炭化物の面積率が8~20%であり、アスペクト比が3.0以上の炭化物が炭化物中に占める割合が面積率で50%以上である、窒化用鋼である。
すなわち、第1、第2の手段に記載の窒化用鋼は、機械部品へと冷間鍛造される前かつ窒化処理前の鋼組織がフェライト+炭化物からなり、アスペクト比の高い炭化物が緻密に多数分布しているものである。
そして、第1、第2の手段に記載の窒化用鋼は、さらに、この窒化用鋼が冷間鍛造されさらに表面層が窒化されたときには、窒化前である冷間鍛造後の硬さX0と窒化後の表面硬さをX1の関係式(X0-X1)/X0の値が0.25以下となること、を特徴とする窒化用鋼であってもよい。
すなわち、第3の手段は、質量%で、C:0.20~0.45%、Si:0.1~0.4%、Mn:0.2~1.0%、Cr:1.50~2.80%、Mo:0.03~0.30%、Al:0.005~0.300%、N:0.004~0.030、V:0.08~0.30%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、さらに不可避的不純物のうち、P:0.030%以下、S:0.030%以下の、鋼組織がフェライト及び炭化物からなる組織であって、フェライトに対する炭化物の面積率が8~20%であり、アスペクト比が3.0以上の炭化物が炭化物中に占める割合が面積率で50%以上である窒化用鋼であって、この窒化用鋼が冷間鍛造されさらに表面層が窒化されたときには、窒化前である冷間鍛造後の硬さX0と窒化後の表面硬さをX1の関係式(X0-X1)/X0の値が0.25以下となること、を特徴とする窒化用鋼である。
また、第4の手段は、第1の手段に記載の化学成分に加えて、選択的付加的成分として、質量%でNb:0.10%以下、Ti:0.020~0.200、B:0.0030%以下のうちいずれか1種又は2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、さらに不可避的不純物のうち、P:0.030%以下、S:0.030%以下であって、その鋼組織がフェライト及び炭化物からなる組織であって、フェライトに対する炭化物の面積率が8~20%であり、アスペクト比が3.0以上の炭化物が炭化物中に占める割合が面積率で50%以上である、窒化用鋼であって、この窒化用鋼が冷間鍛造されさらに表面層が窒化されたときには、窒化前である冷間鍛造後の硬さX0と窒化後の表面硬さをX1の関係式(X0-X1)/X0の値が0.25以下となること、を特徴とする窒化用鋼である。
また、その他の手段は、第1、第2の手段に記載の窒化用鋼が冷間鍛造されさらに表面層が窒化された状態の機械構造用部品であって、窒化前である冷間鍛造後の硬さX0と窒化後の表面硬さをX1の関係式(X0-X1)/X0の値が0.25以下となる機械構造用部品である。
すなわち、その他の手段の第1は、質量%で、C:0.20~0.45%、Si:0.1~0.4%、Mn:0.2~1.0%、Cr:1.50~2.80%、Mo:0.03~0.30%、Al:0.005~0.300%、N:0.004~0.030、V:0.08~0.30%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、さらに不可避的不純物のうち、P:0.030%以下、S:0.030%以下の、鋼組織がフェライト及び炭化物からなる組織であって、組織中における炭化物の面積率が8~20%であり、アスペクト比が3.0以上の炭化物が炭化物中に占める割合が面積率で50%以上である窒化用鋼が、冷間鍛造されさらに表面層が窒化された状態の機械構造用部品であって、窒化前である冷間鍛造後の硬さX0と窒化後の表面硬さをX1の関係式((X0-X1)/X0の値が0.25以下となる機械構造用部品である。
また、その他の手段の第2は、質量%で、C:0.20~0.45%、Si:0.1~0.4%、Mn:0.2~1.0%、Cr:1.50~2.80%、Mo:0.03~0.30%、Al:0.005~0.300%、N:0.004~0.030、V:0.08~0.30%、さらに選択的付加的成分として、Nb:0.10%以下、Ti:0.020~0.200、B:0.0030%以下のうちいずれか1種又は2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、さらに不可避的不純物のうち、P:0.030%以下、S:0.030%以下の、鋼組織がフェライト及び炭化物からなる組織であって、組織中における炭化物の面積率が8~20%であり、アスペクト比が3.0以上の炭化物が炭化物中に占める割合が面積率で50%以上である窒化用鋼が、冷間鍛造されさらに表面層が窒化された状態の機械構造用部品であって、窒化前である冷間鍛造後の硬さX0と窒化後の表面硬さをX1の関係式(X0-X1)/X0の値が0.25以下となる機械構造用部品である。
上述の本発明の手段では、冷間鍛造性に適した硬さでありながら、その後の窒化処理による芯部の再結晶を抑制することができるので窒化によって芯部硬さが低減しにくい。すなわち、本発明の手段では、冷間鍛造前の組織をフェライト中に炭化物が緻密に存在する組織とすることによって、マルテンサイト変態による強化を用いずとも、合金元素の添加により冷間鍛造性の悪化されることもなく、冷鍛加工性に優れながらも、窒化後の機械構造用部品が所望するような芯部硬さを確保でき、さらに窒化による芯部硬さの低減を抑制できる窒化用鋼を提供することができる。そして、冷間鍛造のために過度に長時間の熱処理工程が必要となることもないので、製造性が悪化することもない。また、窒化処理による表面層には、十分な硬化深さと表面硬さも得られる。
本願の発明を実施するための形態の記載に先立って、本願の発明鋼の化学成分を規定した理由および窒化用鋼の組織、炭化物の割合、アスペクト比3.0以上の炭化物を規定した理由について説明する。なお、化学成分における%は、質量%である。
C:0.20~0.45%
Cは素材硬さを上昇させる成分である。Cが0.20%未満であると、窒化後の芯部硬さが低下し、強度不足を招くこととなる。Cが0.45%を上回ると、素材硬さが上昇しすぎて、加工性(被削性、冷間加工性)が低下してしまう。また、Cが過多になると、窒素の拡散が阻害されるので、硬化層深さが低減してしまう。そこで、Cは、0.20~0.45%とする。
Cは素材硬さを上昇させる成分である。Cが0.20%未満であると、窒化後の芯部硬さが低下し、強度不足を招くこととなる。Cが0.45%を上回ると、素材硬さが上昇しすぎて、加工性(被削性、冷間加工性)が低下してしまう。また、Cが過多になると、窒素の拡散が阻害されるので、硬化層深さが低減してしまう。そこで、Cは、0.20~0.45%とする。
Si:0.1~0.4%
Siは、製造時の脱酸に必要な成分である。Siが過少であると、製造時の脱酸不足を招きやすく、介在物品位が低下する。この観点から、Siは0.1%以上とする。他方、Siが過多であると、素材硬さが上昇し、加工性が低下する。この観点から、Siは0.4%以上とする。
Siは、製造時の脱酸に必要な成分である。Siが過少であると、製造時の脱酸不足を招きやすく、介在物品位が低下する。この観点から、Siは0.1%以上とする。他方、Siが過多であると、素材硬さが上昇し、加工性が低下する。この観点から、Siは0.4%以上とする。
Mn:0.2~1.0%
Mnは素材硬さを上昇させる成分である。Mnが過少であると、芯部硬さが不足する。この観点から、Mnは0.2%以上とする。Mnは過多であると、加工性が低下する。この観点から、Mnは1.0%以下とする。
Mnは素材硬さを上昇させる成分である。Mnが過少であると、芯部硬さが不足する。この観点から、Mnは0.2%以上とする。Mnは過多であると、加工性が低下する。この観点から、Mnは1.0%以下とする。
Cr:1.50~2.80%
Crは表面硬さおよび素材硬さを上昇させる成分である。Crが過少であると、窒化後の硬さが不足し、また、芯部硬さも不足する。これらの観点から、Crは1.50%以上とする。他方、Crが過多であると、素材硬さの上昇により、かえって加工性が低下する。また、窒素の拡散が阻害されることから、硬化層深さが低減することとなる。これらの観点から、Crは2.80%以下とする。
Crは表面硬さおよび素材硬さを上昇させる成分である。Crが過少であると、窒化後の硬さが不足し、また、芯部硬さも不足する。これらの観点から、Crは1.50%以上とする。他方、Crが過多であると、素材硬さの上昇により、かえって加工性が低下する。また、窒素の拡散が阻害されることから、硬化層深さが低減することとなる。これらの観点から、Crは2.80%以下とする。
Mo:0.03~0.30%
Moは素材硬さを上昇させる成分である。Moが過少だと、窒化後の芯部硬さが低下し、強度不足を招くこととなる。そこでMoは0.03%以上とする。他方、Moが過多だと素材硬さの上昇によって加工性(被削性、冷間加工性)が低下してしまう。そこで、Moは0.30%以下とする。
Moは素材硬さを上昇させる成分である。Moが過少だと、窒化後の芯部硬さが低下し、強度不足を招くこととなる。そこでMoは0.03%以上とする。他方、Moが過多だと素材硬さの上昇によって加工性(被削性、冷間加工性)が低下してしまう。そこで、Moは0.30%以下とする。
Al:0.005~0.300%
Alは、鋼の製造時の脱酸に有用な成分であり、窒化後の表面硬さや硬化層深さにも寄与する成分である。Alが過少であると、製造時に脱酸不足を招きやすく、脱酸不足であえば介在物品位が低下することとなり、また窒化後の表面硬さ、硬化層深さが不足することとなる。これらの観点からAlは0.005%以上とする。他方、Alが過多であると、粗大な窒化物(AlN)の形成によって、疲労特性や加工性が低下する。そこで、Alは0.300%以下とする。
Alは、鋼の製造時の脱酸に有用な成分であり、窒化後の表面硬さや硬化層深さにも寄与する成分である。Alが過少であると、製造時に脱酸不足を招きやすく、脱酸不足であえば介在物品位が低下することとなり、また窒化後の表面硬さ、硬化層深さが不足することとなる。これらの観点からAlは0.005%以上とする。他方、Alが過多であると、粗大な窒化物(AlN)の形成によって、疲労特性や加工性が低下する。そこで、Alは0.300%以下とする。
N:0.004~0.030%
Nは、炭窒化物の形成によりピン止め効果を果たす成分で、適切な量であれば靭性や疲労特性が向上する。Nが過少であると微細な炭窒化物が不足するので、結晶粒が粗大化し、靱性や疲労特性が低下する。この観点からNは0.004%以上とする。他方、Nが過多であると、粗大な炭窒化物が形成され、疲労特性や加工性が低下する。ピン止め効果のある窒化物の減少によって結晶粒が粗大化してしまうからである。これらの観点から、Nは0.030%以下とする。
Nは、炭窒化物の形成によりピン止め効果を果たす成分で、適切な量であれば靭性や疲労特性が向上する。Nが過少であると微細な炭窒化物が不足するので、結晶粒が粗大化し、靱性や疲労特性が低下する。この観点からNは0.004%以上とする。他方、Nが過多であると、粗大な炭窒化物が形成され、疲労特性や加工性が低下する。ピン止め効果のある窒化物の減少によって結晶粒が粗大化してしまうからである。これらの観点から、Nは0.030%以下とする。
V:0.08~0.30%
Vは、硬化層深さの確保に寄与する成分である。Vが過少であると、硬化層深さが不足する。そこで、Vは0.08%以上とする。他方、Vが過剰であると、加工性が悪化し、またコストが増加してしまう。そこで、Vは0.30%以下とする。
Vは、硬化層深さの確保に寄与する成分である。Vが過少であると、硬化層深さが不足する。そこで、Vは0.08%以上とする。他方、Vが過剰であると、加工性が悪化し、またコストが増加してしまう。そこで、Vは0.30%以下とする。
本発明で規定される化学成分の残部はFeおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物のうち、PとSについては、以下のとおり上限を規定している。
P:0.030%以下
Pは不可避的不純物である。Pは、粒界偏析を助長することから、靱性を低下させる。そこで、不可避的不純物のPは、0.030%以下とする。
Pは不可避的不純物である。Pは、粒界偏析を助長することから、靱性を低下させる。そこで、不可避的不純物のPは、0.030%以下とする。
S:0.030%以下
Sは不可避的不純物である。Sが0.030%を超えると、粗大なMnSが多量に形成されることとなり、靱性や疲労強度が低下することとなる。そこで、不可避的不純物のSは、0.030%以下とする。
Sは不可避的不純物である。Sが0.030%を超えると、粗大なMnSが多量に形成されることとなり、靱性や疲労強度が低下することとなる。そこで、不可避的不純物のSは、0.030%以下とする。
また、本発明においては、さらに、以下のNb、Ti、Bのいずれか1種または2種以上を選択的に付加してもよい。
Nb:0.10%以下
Nbは、結晶粒の粗大化を阻止するピン止め効果をもたらす炭窒化物の生成に有用な成分である。Nbが過多となると、粗大な炭窒化物が増加し、ピン止め効果のある炭窒化物が減少することから、結晶粒が粗大化しやすくなる。そこで、Nbを添加する場合は、0.10%以下とする。
Nbは、結晶粒の粗大化を阻止するピン止め効果をもたらす炭窒化物の生成に有用な成分である。Nbが過多となると、粗大な炭窒化物が増加し、ピン止め効果のある炭窒化物が減少することから、結晶粒が粗大化しやすくなる。そこで、Nbを添加する場合は、0.10%以下とする。
Ti:0.020~0.200%
Tiは結晶粒の粗大化を阻止するピン止め効果をもたらす炭窒化物の生成に有用な成分である。Tiは過少であると微細な窒化物量が不足するので、結晶粒が粗大化し易い。また、Nが固定されず、BNを形成し、焼入れ性が低下する。これらの観点から、Tiを添加する場合は、0.020%以上とする。他方、Tiが過多であると、粗大な炭窒化物が増加し、ピン止め効果のある炭窒化物が減少することから、結晶粒が粗大化しやすくなる。この観点からTiを添加する場合は、0.200%以下とする。
Tiは結晶粒の粗大化を阻止するピン止め効果をもたらす炭窒化物の生成に有用な成分である。Tiは過少であると微細な窒化物量が不足するので、結晶粒が粗大化し易い。また、Nが固定されず、BNを形成し、焼入れ性が低下する。これらの観点から、Tiを添加する場合は、0.020%以上とする。他方、Tiが過多であると、粗大な炭窒化物が増加し、ピン止め効果のある炭窒化物が減少することから、結晶粒が粗大化しやすくなる。この観点からTiを添加する場合は、0.200%以下とする。
B:0.0030%以下
Bは素材硬さを上昇させる成分である。Bが過多であると素材硬さの上昇によって加工性が低下する。そこで、Bを添加する場合は、0.0030%以下とする。
Bは素材硬さを上昇させる成分である。Bが過多であると素材硬さの上昇によって加工性が低下する。そこで、Bを添加する場合は、0.0030%以下とする。
窒化用鋼の組織:フェライト及び炭化物からなる組織
本発明の窒化用鋼は、冷間鍛造前もしくは窒化前の鋼の組織がフェライト及び炭化物からなるものである。なお、窒化処理の場合には、オーステナイト域からの焼入れ処理を行わないため、マルテンサイト変態による強化は用いられないが、本発明ではたとえば730~760℃で焼きならしされることで、フェライトと炭化物のラメラー組織に由来する組織中に緻密に炭化物が分布するものとなるので、転移の移動が抑制される。そこで、窒化処理した際には再結晶が遅延されることとなるため、芯部硬さを維持することができる。
本発明の窒化用鋼は、冷間鍛造前もしくは窒化前の鋼の組織がフェライト及び炭化物からなるものである。なお、窒化処理の場合には、オーステナイト域からの焼入れ処理を行わないため、マルテンサイト変態による強化は用いられないが、本発明ではたとえば730~760℃で焼きならしされることで、フェライトと炭化物のラメラー組織に由来する組織中に緻密に炭化物が分布するものとなるので、転移の移動が抑制される。そこで、窒化処理した際には再結晶が遅延されることとなるため、芯部硬さを維持することができる。
組織中における炭化物の面積率:8~20%
炭化物中に占めるアスペクト比3.0以上の炭化物の割合:面積率で50%以上
顕微鏡で撮像した画像中における炭化物とフェライトの面積率を対比する。具体的には、たとえばx10000の走査型電子顕微鏡を用いて撮像された2次電子像の、撮像された領域中における炭化物と、フェライトの面積を、それぞれ画像解析ソフトで割り出すことで、全組織(フェライト+炭化物)中における炭化物の面積率を求めることとする。
本発明では、組織中における炭化物の面積率が8~20%が高く、アスペクト比が高い炭化物が多いことから、A3点以下で焼ならしされたことによって、ラメラー組織に由来する、アスペクト比が高い針状の炭化物が多く緻密に分布しているものとなるので、窒化処理された際にも、芯部硬さが維持されることとなる。
炭化物中に占めるアスペクト比3.0以上の炭化物の割合:面積率で50%以上
顕微鏡で撮像した画像中における炭化物とフェライトの面積率を対比する。具体的には、たとえばx10000の走査型電子顕微鏡を用いて撮像された2次電子像の、撮像された領域中における炭化物と、フェライトの面積を、それぞれ画像解析ソフトで割り出すことで、全組織(フェライト+炭化物)中における炭化物の面積率を求めることとする。
本発明では、組織中における炭化物の面積率が8~20%が高く、アスペクト比が高い炭化物が多いことから、A3点以下で焼ならしされたことによって、ラメラー組織に由来する、アスペクト比が高い針状の炭化物が多く緻密に分布しているものとなるので、窒化処理された際にも、芯部硬さが維持されることとなる。
窒化前の硬さX0と、窒化後の硬さX1について、
(X0-X1)/X0≦0.25であること
この指標は、窒化処理後の芯部硬さの維持具合を示す指標である。窒化処理の前後での硬さの変化が小さく、窒化処理後も芯部硬さが維持されるものは、窒化前の窒化用鋼の硬さと、窒化後の芯部硬さを対比したとき、変化量が小さいので、(X0-X1)/X0の値が小さくなる。そこで、(X0-X1)/X0≦0.25とすることで、窒化処理によって芯部硬さが維持されているかを判別可能としている。
(X0-X1)/X0≦0.25であること
この指標は、窒化処理後の芯部硬さの維持具合を示す指標である。窒化処理の前後での硬さの変化が小さく、窒化処理後も芯部硬さが維持されるものは、窒化前の窒化用鋼の硬さと、窒化後の芯部硬さを対比したとき、変化量が小さいので、(X0-X1)/X0の値が小さくなる。そこで、(X0-X1)/X0≦0.25とすることで、窒化処理によって芯部硬さが維持されているかを判別可能としている。
次に、発明を実施するための形態について本発明鋼を例に説明する。
表1に示す本発明鋼No.1~17および比較鋼No.18~23の各化学成分と、残部Feおよび不可避不純物との合計で100%の化学成分となる各鋼のそれぞれを、100kg真空誘導溶解炉(VIM)で溶製した。
次いで、熱間鍛造により径40mmの棒鋼を作製し、その後熱処理として表2に記載の730~760℃の温度で4~8時間保持後、空冷を実施した。熱処理はカンタル炉を用い、次の手順で実施した。すなわち、所定の保持温度に設定した炉内に、上記供試材を投入し、供試材の昇温時間を30分確保し、その後、任意の時間保持し、空冷もしくは水冷を実施した。なお、保持時間の選定については炉に装入する鋼材の量や寸法を考慮するものとする。
さらに、熱処理後に、冷間鍛造により所定の試験片に加工した後、520℃で30時間の窒化処理を実施した。
表1に示す本発明鋼No.1~17および比較鋼No.18~23の各化学成分と、残部Feおよび不可避不純物との合計で100%の化学成分となる各鋼のそれぞれを、100kg真空誘導溶解炉(VIM)で溶製した。
次いで、熱間鍛造により径40mmの棒鋼を作製し、その後熱処理として表2に記載の730~760℃の温度で4~8時間保持後、空冷を実施した。熱処理はカンタル炉を用い、次の手順で実施した。すなわち、所定の保持温度に設定した炉内に、上記供試材を投入し、供試材の昇温時間を30分確保し、その後、任意の時間保持し、空冷もしくは水冷を実施した。なお、保持時間の選定については炉に装入する鋼材の量や寸法を考慮するものとする。
さらに、熱処理後に、冷間鍛造により所定の試験片に加工した後、520℃で30時間の窒化処理を実施した。
窒化用鋼の組織観察は、冷鍛加工前の窒化用鋼の組織について、供試材の中心を通り圧延方向と平行となるようにこれを切断し、切断面を研磨し、研磨された面をナイタール液にて腐食させた。その後、光学顕微鏡を用いて組織を観察し、フェライト及び炭化物を識別した。図1に、10000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像した2次電子像を示す。
具体的には、炭化物の面積率及びアスペクト比は、たとえば×10000の視野で撮像した走査型電子顕微鏡画像の対象領域中における炭化物及びフェライトの各面積を画像解析ソフトを用いて算定し、算定結果に基づき面積率を求めた。
また、炭化物のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡で撮像された画像に基づいて識別された炭化物について、その形状の縦横比からアスペクト比を割り出して求めた。そして、これらの識別された全炭化物中における「アスペクト比が3を超える炭化物」の割合を、画像解析ソフトを用いて算定した面積に基づいて面積率で求めた。
なお、発明鋼No.1~17は、冷間鍛造前かつ窒化前の組織は、いずれもフェライトと炭化物からなり、組織中における炭化物の割合の面積率は、9~20%であり、炭化物中におけるアスペクト比3以上の炭化物の割合は、53~80%であり、フェライトにアスペクト比が高い針状の多数の炭化物が緻密に混在して分布しているものであった。
また、冷鍛加工性の評価のため、表1の本発明鋼No.1~17および比較鋼No.18~23の各鋼の軟化熱処理後冷間鍛造前の硬さについて、ロックウエル硬さ試験機により測定して硬さ(HRB)を求め、90HRB未満のものを冷鍛加工性に優れるものとして評価した。表2に結果を示すとおり、発明鋼はいずれも87HRB以下であった。
次に、窒化用鋼の冷鍛後及び窒化処理後の表面硬さ、窒化処理後の窒化層の有効硬化層深さ、窒化処理後の芯部硬さなどについて、以下の方法で評価した。結果を表3に示す。
<窒化特性の評価方法>
(1)表面硬さ
表1の本発明鋼No.1~17および比較鋼No.18~23の各鋼の表面からの硬さ分布を日本産業規格JIS Z2244に準拠してビッカース硬度計にて測定し、表3において、表面硬さは、表面から0.05mmの深さ位置における硬さとした。
これにより、冷間鍛造後の硬さ、窒化後の表面硬さを測定した。また、窒化による硬さの変化量は、窒化前の冷間鍛造後の硬さをX0、窒化後の表面硬さをX1として、(X0-X1)/X0により変化量が0.25以下か否かを評価した。
(1)表面硬さ
表1の本発明鋼No.1~17および比較鋼No.18~23の各鋼の表面からの硬さ分布を日本産業規格JIS Z2244に準拠してビッカース硬度計にて測定し、表3において、表面硬さは、表面から0.05mmの深さ位置における硬さとした。
これにより、冷間鍛造後の硬さ、窒化後の表面硬さを測定した。また、窒化による硬さの変化量は、窒化前の冷間鍛造後の硬さをX0、窒化後の表面硬さをX1として、(X0-X1)/X0により変化量が0.25以下か否かを評価した。
(2)硬化深さ
表1の発明鋼No.1~17および比較鋼No.18~23の各鋼の表面からの硬さ分布を日本産業規格JIS Z2244に準拠してビッカース硬度計にて測定し、有効硬化層の深さを表3に記載した。本発明における有効硬化層の深さとは、550Hvの硬さを有する深さと規定した。
表1の発明鋼No.1~17および比較鋼No.18~23の各鋼の表面からの硬さ分布を日本産業規格JIS Z2244に準拠してビッカース硬度計にて測定し、有効硬化層の深さを表3に記載した。本発明における有効硬化層の深さとは、550Hvの硬さを有する深さと規定した。
(3)窒化後の芯部硬さ
表1の発明鋼No.1~17および比較鋼No.18~23の各鋼の窒化後の試験片を切断し、断面の芯部硬さをJIS Z2244に準拠してビッカース硬度計にて測定した。
表1の発明鋼No.1~17および比較鋼No.18~23の各鋼の窒化後の試験片を切断し、断面の芯部硬さをJIS Z2244に準拠してビッカース硬度計にて測定した。
表1の発明鋼No.1~17の鋼は、表2に示すように、いずれも軟化熱処理後の硬さが87HRB以下であり、冷鍛加工性が確保されているものとなっている。
また、炭化物の面積率は8~20%の範囲内であってアスペクト比が3.0以上の炭化物の割合も面積率で53~80%以上であるから、そして、図1のSEM画像において、白っぽくあらわれている炭化物の分布の様子からも、フェライトに針状の多数の炭化物が緻密に混在して分布していることが確認された。
いずれの発明鋼も、表3に示すように、窒化後の表面硬さは、720~805Hvであって十分な硬化層深さも認められた。また、窒化の前後での硬さの変化量(X0-X1)/X0は0.21以下で、窒化前に比して芯部硬さの低減が抑制された。
また、炭化物の面積率は8~20%の範囲内であってアスペクト比が3.0以上の炭化物の割合も面積率で53~80%以上であるから、そして、図1のSEM画像において、白っぽくあらわれている炭化物の分布の様子からも、フェライトに針状の多数の炭化物が緻密に混在して分布していることが確認された。
いずれの発明鋼も、表3に示すように、窒化後の表面硬さは、720~805Hvであって十分な硬化層深さも認められた。また、窒化の前後での硬さの変化量(X0-X1)/X0は0.21以下で、窒化前に比して芯部硬さの低減が抑制された。
本発明の窒化用鋼を冷間鍛造してギアなどの機械構造用部品に適用すると、冷鍛加工が適切に行え、さらに窒化処理をすると、十分な硬化層深さで十分な表面硬さの窒化層が得られ、また窒化後に芯部硬さも低減しにくいものとあるので、好適な機械構造用部品を得ることができることが確認された。
比較鋼No.18は、CとMnが過多で、軟化熱処理後の硬さが劣っており、冷鍛加工性に劣るものとなった。
比較鋼No.19は、Vが過少で、窒化による硬化層深さが不足している。
比較鋼No.20は、Crが過少であり、窒化後の表面硬さが不足している。
比較鋼No.21は、Cが過少であり、窒化後の芯部硬さが不足しており、窒化処理の影響を受けて芯部硬さが窒化前に比して大きく低下してしまった。
比較鋼No.22は、焼ならし温度が低く炭化物の面積率が過多であったため、冷鍛加工性が悪いものとなっている。
比較鋼No.23は、焼ならし温度が高く保持時間も長いことからアスペクト比が高い炭化物の割合が低くなり、窒化後の芯部硬さが不良となり、窒化処理の影響を受けて芯部硬さが大きく低下した。
比較鋼No.19は、Vが過少で、窒化による硬化層深さが不足している。
比較鋼No.20は、Crが過少であり、窒化後の表面硬さが不足している。
比較鋼No.21は、Cが過少であり、窒化後の芯部硬さが不足しており、窒化処理の影響を受けて芯部硬さが窒化前に比して大きく低下してしまった。
比較鋼No.22は、焼ならし温度が低く炭化物の面積率が過多であったため、冷鍛加工性が悪いものとなっている。
比較鋼No.23は、焼ならし温度が高く保持時間も長いことからアスペクト比が高い炭化物の割合が低くなり、窒化後の芯部硬さが不良となり、窒化処理の影響を受けて芯部硬さが大きく低下した。
Claims (4)
- 質量%で、C:0.20~0.45%、Si:0.1~0.4%、Mn:0.2~1.0%、Cr:1.50~2.80%、Mo:0.03~0.30%、Al:0.005~0.300%、N:0.004~0.030、V:0.08~0.30%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、さらに不可避的不純物のうち、P:0.030%以下、S:0.030%以下であって、その鋼組織がフェライト及び炭化物からなる組織であって、組織中における炭化物の面積率が8~20%であり、アスペクト比が3.0以上の炭化物が炭化物中に占める割合が面積率で50%以上である、窒化用鋼。
- 請求項1に記載の化学成分に加えて、選択的付加的成分として、質量%でNb:0.10%以下、Ti:0.020~0.200、B:0.0030%以下のうちいずれか1種又は2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
さらに不可避的不純物のうち、P:0.030%以下、S:0.030%以下であって、その鋼組織がフェライト及び炭化物からなる組織であって、組織中における炭化物の面積率が8~20%であり、アスペクト比が3.0以上の炭化物が炭化物中に占める割合が面積率で50%以上である、窒化用鋼。 - 質量%で、C:0.20~0.45%、Si:0.1~0.4%、Mn:0.2~1.0%、Cr:1.50~2.80%、Mo:0.03~0.30%、Al:0.005~0.300%、N:0.004~0.030、V:0.08~0.30%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、さらに不可避的不純物のうち、P:0.030%以下、S:0.030%以下の、鋼組織がフェライト及び炭化物からなる組織であって、組織中における炭化物の面積率が8~20%であり、アスペクト比が3.0以上の炭化物が炭化物中に占める割合が面積率で50%以上である窒化用鋼であって、この窒化用鋼が冷間鍛造されさらに表面層が窒化されたときには、窒化前である冷間鍛造後の硬さX0と窒化後の表面硬さをX1の関係式(X0-X1)/X0の値が0.25以下となること、を特徴とする窒化用鋼。
- 請求項1に記載の化学成分に加えて、選択的付加的成分として、質量%でNb:0.10%以下、Ti:0.020~0.200、B:0.0030%以下のうちいずれか1種又は2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
さらに不可避的不純物のうち、P:0.030%以下、S:0.030%以下であって、その鋼組織がフェライト及び炭化物からなる組織であって、組織中における炭化物の面積率が8~20%であり、アスペクト比が3.0以上の炭化物が炭化物中に占める割合が面積率で50%以上である、窒化用鋼であって、この窒化用鋼が冷間鍛造されさらに表面層が窒化されたときには、窒化前である冷間鍛造後の硬さX0と窒化後の表面硬さをX1の関係式(X0-X1)/X0の値が0.25以下となること、を特徴とする窒化用鋼。
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JP2022049675A JP2023142664A (ja) | 2022-03-25 | 2022-03-25 | 芯部硬さに優れた窒化用鋼 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024171976A1 (ja) * | 2023-02-13 | 2024-08-22 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 冷鍛性と窒化性に優れる冷間鍛造窒化用鋼及びこれを用いた冷間鍛造窒化部品 |
-
2022
- 2022-03-25 JP JP2022049675A patent/JP2023142664A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024171976A1 (ja) * | 2023-02-13 | 2024-08-22 | 山陽特殊製鋼株式会社 | 冷鍛性と窒化性に優れる冷間鍛造窒化用鋼及びこれを用いた冷間鍛造窒化部品 |
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