JP2023142464A - 紫外線治療器 - Google Patents

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Shoji Horio
智彦 木尾
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【課題】紅斑の発生し易さの面内ばらつき(むら)を低減することができる複数のLEDを搭載した紫外線治療器を提供する。【解決手段】紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、各LEDから放射された光を通過させて光放射面から射出させる光学部材とを備え、光学部材が、光放射面上の各位置における相対紅斑紫外線量の最大値と最小値との比である相対紅斑紫外線量比率を0.8以上に規定する紫外線治療器1である。これにより、複数のLEDから放射される光の波長がばらついていても、患者の皮膚における紅斑の発生し易さの面内ばらつきを低減することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、紫外線治療器に関する。
従来、光線治療として、UVA(波長320nm~400nm)、UVB(波長280~320nm)といった波長域の紫外線を用いる紫外線治療が存在する。紫外線治療とは、紫外線照射により免疫抑制を図り、治療効果を得るものである。例えば、特許文献1には、紫外線発光素子(UVLED)からの紫外線によって皮膚疾患を治療する紫外線治療器が開示されている。
特開2021-194226号公報
LEDは、ランプとは異なり、所定のピーク波長を狙って製造されたものであっても、製造上のばらつきにより、放射される光のピーク波長には±2nm以上のばらつきが生じ得る。例えば、308nmのピーク波長を狙って製造されたLEDの中には、308nmに波長のピークを持つものだけでなく、306nm~310nmの波長範囲にピークを持つものが含まれる。
一方、UVB領域の紫外線が皮膚へ及ぼす影響は、当該紫外線の波長毎に異なる。一般的に、紫外線治療器においては、光源から放射される光の波長に応じて、患部に紅斑が発生ない範囲で光を照射して、治療効果を得るようにしている。しかしながら、光源として複数のLEDを搭載した紫外線治療器においては、光放射面内において紫外線の波長に差異が生じてしまい、紅斑の発生し易さに面内ばらつき(むら)が発生する可能性がある。
したがって、複数のLEDを搭載した紫外線治療器において、紅斑の発生し易さの面内ばらつき(むら)を低減することが望まれている。
本開示の第1の態様は、紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、各該LEDから放射された光を通過させて光放射面から射出させる光学部材とを備え、該光学部材が、前記光放射面上の各位置における相対紅斑紫外線量の最大値と最小値との比である相対紅斑紫外線量比率を0.8以上に規定する紫外線治療器である。
本態様によれば、複数のLEDから紫外線を含む光が放射されると、放射された光は光学部材を通過させられて光放射面から射出される。放射された光が光学部材を通過、すなわち、透過および/または反射させられることにより、光放射面上の各位置における相対紅斑紫外線量の最大値と最小値との比が0.8以上に規定される。
これにより、複数のLEDから放射される光の波長がばらついていても、患者の皮膚における紅斑の発生し易さの面内ばらつき(むら)を低減することができる。
すなわち、紫外線治療器を用いた処置において、初回照射量は最少紅斑量(MED)の50~70%を目安に決定される。仮に光放射面内の最小の相対紅斑紫外線量となる位置においてMEDを測定すると、初回照射量は比較的大きな値に設定されてしまう。
光放射面上の各位置における相対紅斑紫外線量の最大値と最小値との比を0.8以上とすることにより、初回照射量がMEDの70%にされた場合であっても、光放射面内の最大の相対紅斑紫外線量となる位置においてもMEDを超えない紫外線量の光を照射することができる。
また、本開示の他の態様は、紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、各該LEDから放射された光を通過させて光放射面から射出させる光学部材とを備え、該光学部材が、前記光放射面における相対紅斑紫外線量の最大値に対する前記光放射面の中央における相対紅斑紫外線量の比を0.8以上に規定する紫外線治療器である。
光放射面内の中央においてMEDを測定する慣例があり、初回照射量がMEDの70%にされた場合であっても、光放射面内の最大の相対紅斑紫外線量となる位置においても、より確実にMEDを超えない紫外線量の光を照射することができる。
また、本開示の他の態様は、紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、各該LEDから放射された光を通過させて光放射面から射出させる光学部材とを備え、該光学部材が、前記光放射面上の各位置から射出される光のピーク波長の最大値と最小値との差を1nm以下に規定する紫外線治療器である。
本態様によれば、複数のLEDから放射された光が光学部材を通過させられることにより、光放射面上の各位置から射出される光のピーク波長の最大値と最小値との差が1nm以下に規定される。
これにより、複数のLEDから放射される光の波長のばらつきが抑えられ、患者の皮膚における紅斑の発生し易さの面内ばらつき(むら)を低減することができる。光放射面上の各位置における相対紅斑紫外線量の最大値と最小値との比を0.8以上に規定することができる。
また、本開示の他の態様は、紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、各該LEDから放射された光を通過させて光放射面から射出させる光学部材とを備え、該光学部材が、前記光放射面上の各位置から射出される光のピーク波長の最大値と前記光放射面の中央から射出される光のピーク波長との差を1nm以下に規定する紫外線治療器である。
本態様によれば、複数のLEDから放射された光が光学部材を通過させられることにより、光放射面上の各位置から射出される光のピーク波長の最大値と、光放射面の中央から射出される光のピーク波長との差が1nm以下に規定される。
また、本開示の他の態様は、紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、各該LEDから放射された光を内面に反射させつつ導光する導光部材とを備え、該導光部材の内径最大値に対する光軸方向の長さの比が0.2以上である紫外線治療器である。
発明者らは、LEDの配光角および導光部材の長さを変更しながら各条件において相対紅斑紫外線量のばらつきを求めるシミュレーションを行った。その結果、LEDの配光角に関わらず、相対紅斑紫外線量の最大値と最小値との比が0.8以上となる条件として、以下の式を得た。
(L/a)tanθ1/2>0.3
ここで、Lは、LEDの光軸方向に沿う導光部材の長さ、aは、導光部材の内径最大値(導光部材の横断面が方形である場合には対角線長さ)、θ1/2は配光角の1/2である。
本態様によれば、上記式を満足することにより、配光角2θ1/2が種々の値をとっても、相対紅斑紫外線量の最大値と最小値との比を0.8以上として、紅斑の発生し易さの面内ばらつき(むら)を低減することができる。
上記態様においては、前記LEDから放射される光の配光角が120°以上であり、前記導光部材の内径最大値に対する前記光軸方向の長さの比が0.2以上であってもよい。
式(1)によれば、内径最大値aを変化させない場合には、配光角が大きいほど導光部材長さは短くて済む。したがって、配光角が120°以上である場合には、導光部材の内径最大値に対する光軸方向の長さの比を0.2に近づけて、外線治療器をコンパクトに構成することができる。
また、上記態様においては、前記LEDから放射される光の配光角が90°以上であり、前記導光部材の内径最大値に対する前記光軸方向の長さの比が0.3以上であってもよい。
導光部材の内径最大値に対する光軸方向の長さの比を0.3以上に設定することにより、配光角が90°以上のLEDを備える場合に、患者の皮膚における紅斑の発生し易さの面内ばらつき(むら)を低減することができる。
また、上記態様においては、前記LEDから放射される光の配光角が60°以上であり、前記導光部材の内径最大値に対する前記光軸方向の長さの比が0.5以上であってもよい。
導光部材の内径最大値に対する光軸方向の長さの比を0.5以上に設定することにより、配光角が60°以上のLEDを備える場合に、患者の皮膚における紅斑の発生し易さの面内ばらつき(むら)を低減することができる。
また、本開示の他の態様は、紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、各該LEDから放射された光を内面に反射させつつ導光する導光部材とを備え、以下の関係式を満足する紫外線治療器である。
(L/a)tanθ1/2>0.3
ここで、
aは、前記導光部材の内径最大値、Lは、前記導光部材の光軸方向の長さ、θ1/2は、前記LEDから放射される光の相対強度が最大値の1/2となる角度であり、配光角の1/2である。
本態様によれば、上記式を満足することにより、配光角2θ1/2が種々の値をとっても、相対紅斑紫外線量のばらつき(最大値と最小値との差)を20%以下として、紅斑の発生し易さの面内ばらつき(むら)を低減することができる。
また、本開示の他の態様は、紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、各該LEDから放射された光を内面に反射させつつ導光する導光部材とを備え、以下の関係式を満足する紫外線治療器である。
(L/a)tanθ1/2>0.05
ここで、
aは、前記導光部材の内径最大値、Lは、前記導光部材の光軸方向の長さ、θ1/2は、前記LEDから放射される光の相対強度が最大値の1/2となる角度であり、配光角の1/2である。
本態様によれば、上記式を満足することにより、配光角2θ1/2が種々の値をとっても、相対紅斑紫外線量のばらつき(最大値と最小値との差)を50%以下として、紅斑の発生し易さの面内ばらつき(むら)を低減することができる。
本開示の一実施形態に係る紫外線治療器を示すブロック図である。 図1の紫外線治療器の治療具を示す側面図である。 CIEの紅斑作用スペクトルを示す図である。 LEDの配光角を説明する図である。 シミュレーションにおけるLEDの配置、鏡筒の寸法および測定点の位置を説明する斜視図である。 図3のシミュレーションにおける用いた配光角および鏡筒長を示す図である。 図3のシミュレーションの手順を説明するフローチャートである。 図3のシミュレーションの結果得られた相対紅斑紫外線量比率の確率分布を示す図である。 図8における、鏡筒長と、相対紅斑紫外線量比率のばらつき(平均-3×標準偏差)との関係を示す図である。 図3のシミュレーションの結果得られた鏡筒長と相対紅斑紫外線量比率との関係を示す図である。 図10を(L/a)tanθ1/2を用いて整理した図である。 図11のプロットの近似曲線を示す図である。 図12における相対紅斑紫外線量比率が0.8となる場合の配光角と鏡筒の寸法(L/a)との関係を示す図である。 鏡筒長が短い場合の光の広がり方を示す図である。 鏡筒長が長い場合の光の広がり方を示す図である。
本開示の一実施形態に係る紫外線治療器1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る紫外線治療器1は、図1に示されるように、紫外線を含む光を放射する複数のLED4を有する治療具2と、治療具2が有するLED4を制御する本体部3とを備えている。
治療具2は、図2に示されるように、操作者によって把持される筐体5の内部に、例えば、間隔をあけて配列された複数個のLED4と、LED4から放射された光を通過させて光放射面7から射出させる鏡筒(導光部材、光学部材)6とを備えている。鏡筒6は、LED4から光放射面7まで筒状の導光路8の内面全体に配置された反射面により構成され、LED4から放射された光を反射させながら光放射面7まで導く。
鏡筒6としては、反射面が鏡面である場合のみならず、多層膜フィルタのような特定の波長を反射する光学フィルタが配置されたものを採用してもよい。また、導光部材としては、中空の鏡筒6のみならず、光ファイバあるいは導光棒などの中実のライトガイドを採用してもよい。
図中、符号9は操作者の手の指によって操作されることにより、LED4の点灯/消灯を切り替えるスイッチである。また、符号10はボタンであり、符号11はボタン10を付勢する付勢体(例えば、バネ)である。
本体部3は、入力部12と、表示部13と、記録部14と、電源ユニット15と、制御ユニット16と、LED駆動ユニット17とを備える。治療具2と本体部3とは接続線18により接続されている。接続線18は、太線によって示す電源線19と、細線によって示す信号線20とを備えている。
入力部12は、操作者(例えば、医師)により入力された設定照射量を取得し、その情報を制御ユニット16に出力する。
表示部13は、紫外線の照射強度および照射時間、紫外線照射中の経過時間などを表示することができる。また、表示部13は、紫外線治療器1において何らかの異常が発生した場合には、異常が発生していることを示す情報(エラーメッセージなど)を表示することもできる。
記録部14は、紫外線治療器1の光放射面7における放射照度を記録している。
電源ユニット15は、外部電源21から供給された電力を、後段の各ユニット13,16,17に適切な電圧に変換して供給する。
制御ユニット16は、入力部12から入力された設定照射量を記録部14に記録されている放射照度によって除算することにより照射時間を算出する。そして、制御ユニット16は、LED駆動ユニット17を制御し、治療具2が有するLED4の照射量を制御する。LED駆動ユニット17は、制御ユニット16からの制御信号に従い、LED4にそれぞれ給電を行う。
本実施形態においては、鏡筒6は、光放射面7上の各位置における相対紅斑紫外線量の最大値と最小値との比を0.8以上に規定するように構成されている。すなわち、光放射面7における相対紅斑紫外線量の面内ばらつきが20%以下となるように構成されている。
UVB領域の紫外線を人の皮膚に当てると、紅斑が発生することがある。紅斑とは、毛細血管の拡張などが原因で皮膚表面に発赤を伴った状態をいう。皮膚に紅斑が発生する最低の紫外線照射量を最少紅斑量(MinimalErythemaDose:MED)という。なお、MEDの単位は、mJ/cmである。日焼けのしやすさに個人差があるように、紅斑の出やすさ、すなわちMEDにも個人差がある。
また、紫外線による紅斑の出やすさ、つまり紫外線による人体への影響度は、当該紫外線の波長により異なる。波長毎の人体への相対影響度については、国際照明委員会(CIE:Commission Internationale de l′Eclairage)により紅斑作用スペクトルとして定義されている。
図3は、紅斑作用スペクトルを示すグラフである。
この図3において、横軸は波長λ(nm)であり、縦軸は相対影響度である。紅斑作用スペクトルSerは、250nm~400nmの波長区間において定義されており、下記(1)式に定義式を示すように、波長250nm~298nmの光が皮膚に与える影響を1とした場合の、各波長の相対影響度として示される。
図3に示すグラフの概形から、波長λが短い方が人体の影響が大きく、紅斑が出やすいということがわかる。具体的には、UVBの領域よりも長い波長の光、厳密に上記(1)式を適用するのであれは波長328nmよりも長波長の光は、皮膚にほとんど影響を及ぼさない。一方、波長λが328nm以下になると、皮膚へ影響が生じ始め、その影響は短波長になるほど増加する。
このことから、波長λが短い方がMEDは小さいということがわかる。つまり、MEDは、この紅斑作用スペクトルSerと反比例の関係にある。
そして、紫外線による人体への総合的な影響度は、照射される紫外線の分光放射照度Λと紅斑作用スペクトルSerとの積を、250nm~400nmの区間で波長積分することにより、(2)式に示されるように得られる。このようにして求められる影響度を、紅斑紫外線量ICIEという。
紅斑紫外線量ICIEは、波長λと放射照度Eとによる人体への影響度の相対値である。純粋に波長λの影響のみを考慮する場合には、紅斑紫外線量ICIEを、治療具2の放射照度E、すなわち、分光放射照度Λの250nm~400nmの区間の積分値によって規格化した相対紅斑紫外線量Rを比較する。相対紅斑紫外線量Rを(3)式に示す。
この相対紅斑紫外線量Rを比較することによって、LED4のピーク波長が変わったときの人体への影響度の違いが分かる。計算によれば、298nm~328nmの範囲ではLED4のピーク波長が1nm変化するだけで人体への影響度はおよそ20%変化することがわかった。
本実施形態においては、光放射面7上の各位置における相対紅斑紫外線量Rの最大値と最小値との比を0.8以上、すなわち、光放射面7における相対紅斑紫外線量Rの面内ばらつきを20%以下とするために、下記(4)式を満足するように鏡筒6を構成している。
(L/a)tanθ1/2>0.3 (4)
ここで、Lは鏡筒6の光軸方向の長さ、aは鏡筒6の内径最大値、θ1/2は、LED4の配光角の1/2、すなわち、LED4からの光の相対強度が最大値の1/2となる角度である。
以下に、LED4から出射される光の広がり角度について定義する。
図4に示すように、LED4からは所定の広がりをもって光が出射される。図4において、破線L1によって示す範囲が、LED4から光が出射される範囲である。
LEDの分野においては、LEDからの出射光の相対強度が最大値の1/2になる角度をθ1/2と呼び、LEDの指向性は全角の2θ1/2によって示される。この2θ1/2が、LED4から出射される光の広がり角度であり、「配光角」と呼ぶ。図4において、直線L2が、出射光の相対強度が1/2になるラインである。
以下に、(4)式の導出方法について詳細に説明する。
(4)式は、以下のシミュレーションに基づいて導出した。
すなわち、シミュレーションの条件として、図5に示されるように、XY平面内に10mmピッチで、10×10=100個のLED4を配置した。また、LED4から光放射面7までの間に、100mm×100mmの横断面正方形、鏡筒長Lの四角筒からなる鏡筒6を配置した場合を想定した。
この配置にすることにより、最端の行および列のLED4から鏡筒6の内面までの距離が5mmとなり、鏡筒6の内面における鏡像を含め、全てのLED4のピッチが10mmの等間隔となり、光が均等に混ざりやすいと考えられる。
なお、シミュレーションは上記条件にて実施しているが、LED4のピッチおよび鏡筒6のサイズが他の値をとる場合にも(4)式を適用することが可能である。
また、LED4の出力を100mW/個とし、LED4のピーク波長を306~310nmの範囲においてランダムに設定した。また、光放射面7における紫外線量の測定点を11×11ピクセルに配置した。
そして、図6に示されるように、各LED4の配光角2θ1/2および鏡筒長Lを切り替えながら、以下の計算を実施した。
まず、図7に示されるように、100個のLED4に対して306~310nmの範囲において、ランダムにピーク波長をシフトした分光スペクトルを設定する(ステップS1)。次に、11×11か所の各測定点において、100個のLED4から届いた光を合成することにより、各測定点における分光スペクトルを算出する(ステップS2)。
ステップS2において算出された分光スペクトルから、測定点毎に相対紅斑紫外線量Rを算出する(ステップS3)。ステップS3において算出された測定点毎の相対紅斑紫外線量Rの最大値と最小値とを抜き出し、最小値/最大値の比(相対紅斑紫外線量比率)を算出する(ステップS4)。
ステップS1からステップS4の工程を所定回数、例えば、10000回繰り返す(ステップS5)。そして、得られた所定回数分の光放射面7内における相対紅斑紫外線量比率の確率分布を作成し(ステップS6)、確率分布において、μ-3σ(平均-3×標準偏差)となる相対紅斑紫外線量比率を導出する(ステップS7)。
ステップS7において導出された相対紅斑紫外線量比率が0.8以上となる鏡筒長Lの場合には、光放射面7内の相対紅斑紫外線量Rの面内ばらつきが20%よりも大きくなるのは0.15%以下、すなわち、1000台中2台以下となると期待できる。
図8に、配光角2θ1/2=60°とした場合の、鏡筒長Lをパラメータとした、相対紅斑紫外線量比率の確率分布を示す。この分布から、相対紅斑紫外線量比率のμ-3σを求めると、図9の通りとなる。この条件下においては、鏡筒長L=100mm以上であれば、紅斑の発生し易さの面内ばらつきを20%未満に抑えることができることが分かる。
また、配光角2θ1/2および鏡筒長Lを変化させたときの相対紅斑紫外線量比率の変化を、図10に示す。図10においては、プロットを結ぶ曲線は配光角2θ1/2毎に異なるので、図11に示されるように、横軸を(L/a)tanθ1/2として整理することにより、いずれの配光角2θ1/2についても同じ曲線によって表現できる。そこで、図12に示されるように、全ての配光角2θ1/2のプロットに対する近似曲線を描くことにより、相対紅斑紫外線量比率が0.8以上となるために、(4)式が満たされる必要があることが分かった。
また、使用しているLED4の配光角2θ1/2が既知である場合に、(4)式を変形することにより、(5)式に示されるように、鏡筒6の寸法である鏡筒長Lと内径最大値aとの比率L/aを決定することができる。
L/a>0.3/tanθ1/2 (5)
LED4の配光角2θ1/2を60°、90°、120°としたときの鏡筒6の寸法L/aを図13に示す。
LED4の配光角2θ1/2が120°以上である場合には、鏡筒長Lが内径最大値aの0.2倍以上であればよい。LED4の配光角2θ1/2が90°以上である場合には、鏡筒長Lが内径最大値aの0.3倍以上であればよい。さらに、LED4の配光角2θ1/2が60°以上である場合には、鏡筒長Lが内径最大値aの0.5倍以上であればよい。
LED50を光源とする従来の紫外線治療器においては、LED50の製造ばらつきによって、波長にLED50の個体差が生じることにより、紅斑の発生リスクおよび治療効果に差異が生じる。この結果として、複数のLED50を搭載した従来の紫外線治療器においては、光放射面51内においてピーク波長に差異が生じてしまい、紅斑の発生し易さの面内ばらつき(むら)が生じてしまう可能性がある。すなわち、紫外線治療器の光放射面51内における照度が均一であっても、ピーク波長が異なることによって、一部に紅斑が強く発生してしまう場合がある。
例えば、図14に示されるように、LED50から光放射面(LED50からの光を治療具外に放射する面。図の例においては出射窓に相当。)51までの距離が短いと、各LED50から放射された光が鏡筒52において反射されずに光放射面51から放射されてしまう。このため、複数のLED50から放射された光が十分に混ざり合わず、光放射面51における光は、ほぼ直下のLED50の光となってしまう。その結果、LED50の個体差による波長のばらつきが、そのまま、紅斑の発生し易さの面内ばらつきになってしまうことになる。
これに対して本開示に係る紫外線治療器1によれば、光放射面7上の各位置における相対紅斑紫外線量Rの最大値と最小値との比である相対紅斑紫外線量比率が0.8以上となるように鏡筒6の寸法が設定されている。この場合には、図15に示されるように、全てのLED4からの光が鏡筒6の導光路8の内面において反射して混ざり合い、光放射面7における相対紅斑紫外線量Rの面内ばらつきが20%以下となり、光放射面7の各位置における光のピーク波長の変化が1nm以内、すなわち光放射面7上の各位置から射出される光のピーク波長の最大値と最小値との差が1nm以下に規定される。
これにより、複数のLED4を搭載した紫外線治療器1において、紅斑の発生し易さの面内ばらつき(むら)を十分に低減することができる。
治療時における初回照射量は、MEDの50~70%を目安に設定されることが多いが、例えば、MEDの70%に設定される場合を仮定する。この場合には、光放射面7内における相対紅斑紫外線量Rのばらつきは、30%の範囲において許容される。
本実施形態においては、光放射面7における相対紅斑紫外線量Rの面内ばらつきが20%以下に設定されている。これにより、相対紅斑紫外線量Rが最小となる位置においてMEDの測定が行われても、治療時に相対紅斑紫外線量Rが最大となる位置においてMEDを超える照射量の紫外線が皮膚に照射されてしまうことを、余裕をもって防止できるという利点がある。
また、上記(5)式によれば、配光角2θ1/2が同じであれば、鏡筒長Lが長いほど、あるいは、内径最大値aが小さいほど、複数のLED4から放射される光が鏡筒6の導光路8の内面において反射される回数が増え、十分に混ざり合うので、相対紅斑紫外線量Rの面内ばらつきが低下する。しかしながら、鏡筒長Lが長くなるとハンディタイプの治療具2の取扱い性が低下する。また、鏡筒6における反射回数が増え過ぎると、減衰によって放射照度Eが低下する。
したがって、LED4の配光角2θ1/2が120°である場合には、鏡筒長Lが内径最大値aの0.2倍に近い値である方が、紅斑の発生し易さの面内ばらつきを低減し、かつ、治療具2の取扱い性を向上し、放射照度Eの低下を防止できる点で有効である。また、LED4の配光角2θ1/2が90°である場合には、鏡筒長Lが内径最大値aの0.3倍に近い値である方がよい。さらに、LED4の配光角2θ1/2が60°である場合には、鏡筒長Lが内径最大値aの0.5倍に近い値である方がよい。
なお、本実施形態においては、治療時における初回照射量をMEDの70%を目安にする場合について例示したが、これに代えて、MEDの50%を目安にしてもよい。
この場合において、図12に示されるように、(4)式は、(6)式に置き換えることができる。
(L/a)tanθ1/2>0.05 (6)
また、本実施形態においては、複数のLED4から放射された光の、光放射面7における紅斑の発生し易さの面内ばらつきを抑制することができる光学部材として鏡筒6を例示した。光学部材としては、鏡筒6に代えて、あるいは、これに加えて、配光角2θ1/2を大きくするための拡散板のような光学フィルタあるいはレンズ、LED4と光放射面7とを離すための導光部あるいは窓材を採用してもよい。
また、本実施形態においては、光放射面7上の各位置における相対紅斑紫外線量Rの最大値と最小値との比を0.8以上、すなわち、光放射面7における相対紅斑紫外線量Rの面内ばらつきを20%以下とする鏡筒6を例示した。これに代えて、光放射面7上の各位置における相対紅斑紫外線量Rの最大値と、光放射面7上の中央における相対紅斑紫外線量Rとの比を0.8以上とする鏡筒6を採用してもよい。
光放射面7の中央位置が照度最大となるような紫外線治療器1の場合、中央位置でのMED測定に基づき決定された初回照射量は、相対紅斑紫外線量Rが最小値となる位置でのMED測定に基づき決定される初回照射量以下となる。したがって、治療時に相対紅斑紫外線量Rが最大となる位置においてMEDを超える照射量の紫外線が皮膚に照射されてしまうことを、より確実に防止することができる。
1 紫外線治療器
4 LED
6 鏡筒(導光部材、光学部材)
7 光放射面

Claims (10)

  1. 紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、
    各該LEDから放射された光を通過させて光放射面から射出させる光学部材とを備え、
    該光学部材が、前記光放射面上の各位置における相対紅斑紫外線量の最大値と最小値との比である相対紅斑紫外線量比率を0.8以上に規定する紫外線治療器。
  2. 紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、
    各該LEDから放射された光を通過させて光放射面から射出させる光学部材とを備え、
    該光学部材が、前記光放射面における相対紅斑紫外線量の最大値に対する前記光放射面の中央における相対紅斑紫外線量の比を0.8以上に規定する紫外線治療器。
  3. 紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、
    各該LEDから放射された光を通過させて光放射面から射出させる光学部材とを備え、
    該光学部材が、前記光放射面上の各位置から射出される光のピーク波長の最大値と最小値との差を1nm以下に規定する紫外線治療器。
  4. 紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、
    各該LEDから放射された光を通過させて光放射面から射出させる光学部材とを備え、
    該光学部材が、前記光放射面上の各位置から射出される光のピーク波長の最大値と前記光放射面の中央から射出される光のピーク波長との差を1nm以下に規定する紫外線治療器。
  5. 紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、
    各該LEDから放射された光を内面に反射させつつ導光する導光部材とを備え、
    該導光部材の内径最大値に対する光軸方向の長さの比が0.2以上である紫外線治療器。
  6. 前記LEDから放射される光の配光角が120°以上であり、
    前記導光部材の内径最大値に対する前記光軸方向の長さの比が0.2以上である請求項5に記載の紫外線治療器。
  7. 前記LEDから放射される光の配光角が90°以上であり、
    前記導光部材の内径最大値に対する前記光軸方向の長さの比が0.3以上である請求項5に記載の紫外線治療器。
  8. 前記LEDから放射される光の配光角が60°以上であり、
    前記導光部材の内径最大値に対する前記光軸方向の長さの比が0.5以上である請求項5に記載の紫外線治療器。
  9. 紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、
    各該LEDから放射された光を内面に反射させつつ導光する導光部材とを備え、
    以下の式を満足する紫外線治療器。
    (L/a)tanθ1/2>0.3
    ここで、
    aは、前記導光部材の内径最大値、
    Lは、前記導光部材の光軸方向の長さ、
    θ1/2は、前記LEDから放射される光の相対強度が最大値の1/2となる角度であり、配光角の1/2である。
  10. 紫外線を含む光を放射する複数のLEDと、
    各該LEDから放射された光を内面に反射させつつ導光する導光部材とを備え、
    以下の式を満足する紫外線治療器。
    (L/a)tanθ1/2>0.05
    ここで、
    aは、前記導光部材の内径最大値、
    Lは、前記導光部材の光軸方向の長さ、
    θ1/2は、前記LEDから放射される光の相対強度が最大値の1/2となる角度であり、配光角の1/2である。
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