JP2023141919A - 印刷システム - Google Patents

印刷システム Download PDF

Info

Publication number
JP2023141919A
JP2023141919A JP2022048501A JP2022048501A JP2023141919A JP 2023141919 A JP2023141919 A JP 2023141919A JP 2022048501 A JP2022048501 A JP 2022048501A JP 2022048501 A JP2022048501 A JP 2022048501A JP 2023141919 A JP2023141919 A JP 2023141919A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
base material
coating
head
printing system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022048501A
Other languages
English (en)
Inventor
和真 谷
Kazuma Tani
眞 塩見
Makoto Shiomi
保紀 秋吉
Yasunori Akiyoshi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP2022048501A priority Critical patent/JP2023141919A/ja
Priority to US18/160,415 priority patent/US20230302822A1/en
Publication of JP2023141919A publication Critical patent/JP2023141919A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J11/00Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form
    • B41J11/0015Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form for treating before, during or after printing or for uniform coating or laminating the copy material before or after printing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J11/00Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form
    • B41J11/008Controlling printhead for accurately positioning print image on printing material, e.g. with the intention to control the width of margins
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/0011Pre-treatment or treatment during printing of the recording material, e.g. heating, irradiating
    • B41M5/0017Application of ink-fixing material, e.g. mordant, precipitating agent, on the substrate prior to printing, e.g. by ink-jet printing, coating or spraying
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/0011Pre-treatment or treatment during printing of the recording material, e.g. heating, irradiating

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】基材において処理液の塗布ムラまたは基材の皺が発生した領域への印刷を回避することで、印刷品質の劣化を抑制する技術を提供する。【解決手段】印刷システムは、処理液が付着した塗工ローラを、搬送経路に沿って搬送される基材に接触させることで、基材に処理液を塗工する塗工装置20と、基材の処理液が塗工された面に印刷を行う印刷装置30と、印刷装置30を制御する制御部50と、を備え、制御部50は、基材において、塗工ローラと基材とが接触を開始した接触開始位置を特定する接触開始位置特定部52と、基材において、接触開始位置から搬送方向へ所定の長さを有する領域を、印刷不適領域として設定する印刷不適領域設定部53と、印刷装置30による印刷不適領域への印刷を停止させる印刷制御部54と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、基材に処理液を塗工する塗工装置を備える印刷システムに関する。
インクジェット方式を採用する印刷システムにおいて、画像の印刷を行う前に、基材表面の濡れ性を向上させるアンカーコート剤などの処理液を基材表面へ塗工する、塗工装置を備えた印刷システムが知られている。
画像の印刷を行う前に、基材表面へ処理液を塗工する塗工装置を備えた従来の印刷システムについては、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の装置は、処理液を表面にまとって回転駆動される塗布ローラ18に加圧ローラ19が用紙7を押圧することによって、用紙7の表面に処理液を塗布する。
特開2016-108105号公報
塗工装置では、処理液を塗工するための塗工ローラを基材に接触させると、基材に振動が発生する。この振動により、基材に処理液の塗工ムラが発生するほか、基材に皺が発生する。従来の塗工装置を備えた印刷システムでは、処理液の塗工ムラまたは基材の皺が発生した領域にも印刷を行っているため、印刷品質が劣化するという課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、基材において処理液の塗布ムラまたは基材の皺が発生し得る領域への印刷を回避することで、印刷品質の劣化を抑制する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、印刷システムであって、処理液が付着した塗工ローラを、搬送経路に沿って搬送される基材に接触させることで、前記基材に前記処理液を塗工する塗工装置と、前記基材の前記処理液が塗工された面に印刷を行う印刷装置と、前記印刷装置を制御する制御部と、を備え、前記塗工装置は、前記塗工ローラと前記基材とを、前記塗工ローラと前記基材が接触していない離隔位置と、前記塗工ローラと前記基材が接触している接触位置との間で相対移動させる相対移動部を備え、前記制御部は、前記基材において、前記塗工ローラと前記基材とが接触を開始した接触開始位置を特定する接触開始位置特定部と、前記基材において、前記接触開始位置から搬送方向へ所定の長さを有する領域を、印刷不適領域として設定する印刷不適領域設定部と、前記印刷装置による前記印刷不適領域への印刷を停止させる印刷制御部と、を備える。
本願の第2発明は、第1発明の印刷システムであって、前記塗工装置は、前記印刷不適領域の長さに関する所定の数値を記憶する記憶部を備え、前記印刷不適領域設定部は、前記数値を参照して前記印刷不適領域を設定する。
本願の第3発明は、第1発明の印刷システムであって、前記塗工装置は、前記基材に生じる振動を検出する振動センサを有し、前記印刷不適領域設定部は、前記振動センサの出力値と所定の第1基準値との比較結果に基づいて、前記印刷不適領域を設定する。
本願の第4発明は、第3発明の印刷システムであって、前記印刷不適領域設定部は、前記塗工ローラと前記基材とが前記離隔位置に位置するときの前記振動センサの出力値に基づいて前記第1基準値を決定する。
本願の第5発明は、第1発明から第4発明までのいずれか1発明の印刷システムであって、前記印刷装置は、前記基材の前記処理液が塗工された面にインクを吐出するヘッドと、前記ヘッドを、近接位置と、前記近接位置よりも前記基材から離隔した退避位置との間で移動させるヘッド移動部と、を備える。
本願の第6発明は、第5発明の印刷システムであって、前記ヘッド移動部は、前記印刷制御部が前記印刷装置による印刷を停止させる間、前記ヘッドを前記退避位置に保持し、前記印刷制御部が前記印刷装置による印刷の停止を解除する間、前記ヘッドを前記近接位置に保持する。
本願の第7発明は、第5発明の印刷システムであって、前記塗工装置は、前記基材に生じる振動を検出する振動センサを有し、前記ヘッド移動部は、前記振動センサの出力値と所定の第2基準値との比較結果に基づいて、前記ヘッドを前記近接位置から前記退避位置へ移動させる。
本願の第8発明は、第6発明または第7発明の印刷システムであって、前記ヘッド移動部は、前記印刷不適領域の終端部が前記ヘッドの下方を通過したと同時に、前記退避位置から前記近接位置への前記ヘッドの移動を完了させ、前記印刷制御部は、前記ヘッドが前記退避位置から前記近接位置への移動を完了したと同時に、前記印刷装置による印刷の停止を解除する。
本願の第9発明は、第1発明から第8発明までのいずれか1発明の印刷システムであって、前記処理液は、アンカーコート剤である。
本願の第10発明は、第1発明から第9発明までのいずれか1発明の印刷システムであって、前記移動部が前記塗工ローラを前記離隔位置から前記接触位置まで相対移動させたことを検出する位置センサをさらに備え、前記接触開始位置特定部は、前記位置センサからの信号に基づいて、前記接触開始位置を特定する。
本願の第1発明~第10発明によれば、基材において処理液の塗布ムラまたは基材の皺が発生し得る領域への印刷を回避することで、印刷品質の劣化を抑制することができる。
特に、本願の第5発明~第8発明によれば、処理液の塗布ムラまたは基材の皺と、インクを吐出するヘッドとが接触することを抑制することができる。
特に、本願の第8発明によれば、廃棄となる基材の量を削減することができる。
印刷システムの概略的な構成を示す図である。 塗工機構付近における塗工装置の構成を示した拡大図である。 印刷システムの各部と制御部との接続を示したブロック図である。 制御部の機能を概念的に示したブロック図である。 第1実施形態における処理の流れを示したフローチャートである。 第2実施形態における処理の流れを示したフローチャートである。 第3実施形態における処理の流れを示したフローチャートである。 第4実施形態における処理の流れを示したフローチャートである。 各ヘッドの移動の様子、および基材の搬送の様子を示す概略図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<1.印刷システムの構成>
始めに、本発明の一実施形態に係る印刷システム1の全体的な構成について、図1を参照して説明する。図1は、基材9に印刷するための印刷システム1の概略的な構成を示す図である。この印刷システム1は、長尺帯状の基材9を搬送しつつ、基材9の表面に対して、塗工処理を行った後にインクジェット方式で多色画像を印刷する。基材9には、例えば、OPP(oriented polypropylene)またはPET(polyethylene terephthalate)等の、樹脂フィルムが用いられる。印刷後の基材9は、例えば、飲料用ペットボトルのラベルに加工される。なお、基材9は、樹脂フィルムに限らず、例えば、紙であってもよい。
図1に示すように、印刷システム1は、巻出部11、巻取部12、塗工装置20、印刷装置30、乾燥装置40、および制御部50を有する。
巻出部11は、基材9を塗工装置20へ繰り出す。巻出部11から繰り出された基材9は、塗工装置20、印刷装置30、および乾燥装置40の内部を通過した後、巻取部12へ回収される。
<1-1.塗工装置>
塗工装置20は、巻出部11から搬送された基材9の表面に対して、処理液を塗工する装置である。塗工装置20は、第1搬送機構21、塗工機構22、位置センサ23、および振動センサ24を備える。
処理液には、印刷処理において基材9へのインクの付着性を向上させるためのアンカーコート剤が用いられる。アンカーコート剤は、基材9の表面の濡れ性を増大させることで、基材9へのインクの付着性を向上させる。なお、処理液は、アンカーコート剤に限らず、例えば、白色のインクであってもよい。
第1搬送機構21は、塗工装置20の内部において、基材9をその長手方向に沿う搬送方向に搬送する機構である。第1搬送機構21は、複数の搬送ローラ211を備える。複数の搬送ローラ211は、第1ニップローラ212、および第2ニップローラ213を有する。
巻出部11から繰り出された基材9は、複数の搬送ローラ211により構成される搬送経路に沿って搬送される。各搬送ローラ211は、水平軸を中心として回転することにより、基材9を、基材9の搬送方向下流側へ案内する。基材9は、張力が掛かった状態で、複数の搬送ローラ211に掛け渡される。これにより、搬送中における基材9の弛みや皺が抑制される。
第1ニップローラ212および第2ニップローラ213は、基材9に対して上下から接触して基材9を把持しつつ、一定速度で能動的に回転する。第1搬送機構21は、ニップローラ212,213の回転速度に対して巻出部11の回転速度を調節する。これにより、基材9に張力が与えられる。その結果、搬送中における基材9の弛みや皺が抑制される。
図2は、塗工機構22付近における塗工装置20の構成を示した拡大図である。塗工機構22は、第1搬送機構21により搬送される基材9の表面へ処理液を塗工する機構である。塗工機構22は、第1ニップローラ212と、第2ニップローラ213との間に、複数の搬送ローラ211とともに設けられる。塗工機構22は、処理液貯留部221、処理液移送ローラ222、塗工ローラ223、加圧ローラ224、およびローラ移動部225を備える。
処理液貯留部221は、その内部に処理液を貯留する貯留槽である。処理液貯留部は、上部が開口した直方体形状を有する。処理液移送ローラ222は、塗工ローラ223へ処理液の供給を行う円筒形状のローラである。処理液移送ローラ222は、処理液貯留部221の上方に位置する。処理液移送ローラ222の少なくとも一部は、処理液貯留部221に貯留された処理液に浸漬されている。
塗工ローラ223は、複数の搬送ローラ211により塗工機構22へ搬送されてきた基材9の表面に、処理液を塗工するローラである。塗工ローラ223は、円筒形状を有し、その回転軸は処理液移送ローラ222の回転軸と平行に固定されている。また、塗工ローラ223は、処理液移送ローラ222の上方に、塗工ローラ223の周面と処理液移送ローラ222の周面とが接触するように固定されている。塗工ローラ223は、図示しないモータにより回転駆動される。
加圧ローラ224は、塗工ローラ223の上方に、上下動可能に設けられる。加圧ローラ224は、円筒形状を有し、その回転軸は塗工ローラ223の回転軸と平行に配置されている。図2に示すように、加圧ローラ224へ搬送される基材9は、加圧ローラ224の下部に接しながら、下流へ搬送される。
ローラ移動部225は、図2に示すように、加圧ローラ224と機械的に接続されている。ローラ移動部225は、基材9の上方の空間において、加圧ローラ224を離隔位置P1と接触位置P2との間で移動させる。図2では、加圧ローラ224が離隔位置P1にあるときの加圧ローラ224および基材9を実線で、加圧ローラ224が接触位置P2にあるときの加圧ローラ224および基材9を二点鎖線で示している。図2において実線で示すように、離隔位置P1では、加圧ローラ224は、塗工ローラ223と所定の距離だけ離隔する。図2において二点鎖線で示すように、接触位置P2では、加圧ローラ224は、塗工ローラ223と、基材9を介して接触する。すなわち、接触位置P2では、基材9は、塗工ローラ223と加圧ローラ224とにより、上下から挟み込まれる。
したがって、離隔位置P1は、塗工ローラ223と基材9とが接触していない位置である。また、接触位置P2は、塗工ローラ223と基材9とが接触している位置である。そして、ローラ移動部225は、基材9と塗工ローラ223とを、離隔位置P1と接触位置P2との間で相対移動させる相対移動部である。
以下では、図2を参照して、塗工機構22による塗工処理について説明する。始めに、塗工ローラ223は、図示しないモータによって回転駆動される。処理液移送ローラ222は、塗工ローラ223の回転に伴って回転する。具体的には、処理液移送ローラ222の塗工ローラ223との接触部分が、塗工ローラ223の回転方向と同じ方向に移動することにより、処理液移送ローラ222が回転する。
処理液移送ローラ222の回転により、処理液貯留部221に貯留された処理液は、処理液移送ローラ222の周面全体に供給される。そして、処理液移送ローラ222と塗工ローラ223の接触部分を介して、処理液が処理液移送ローラ222の周面から塗工ローラ223へ供給され、塗工ローラ223の周面に付着する。
図2において二点鎖線で示すように、加圧ローラ224は、ローラ移動部225により、離隔位置P1から接触位置P2へ移動する。これにより、基材9の加圧ローラ224との接触部分も、加圧ローラ224に引っ張られながら、離隔位置P1から接触位置P2へ移動する。加圧ローラ224が接触位置P2へ到達すると、基材9は、加圧ローラ224により、塗工ローラ223の周面へ向かって加圧される。これにより、処理液が塗工ローラ223と基材9との接触部分を介して塗工ローラ223から基材9へ転写されることで、基材9の表面へ処理液が塗工される。
処理液移送ローラ222は、塗工ローラ223が回転駆動している限り、塗工ローラ223へ処理液を連続的に供給する。そのため、塗工ローラ223と基材9とが接触している限り、塗工ローラ223は、基材9の表面へ処理液を連続的に塗工する。以下では、基材9の表面のうち、処理液が塗工された面を、「塗工面」と称する。
位置センサ23は、加圧ローラ224の位置を検知するセンサである。位置センサ23は、加圧ローラ224が接触位置P2に位置するかどうかを検知する。これにより、位置センサ23は、塗工ローラ223と加圧ローラ224とが接触を開始した時刻を検出することができる。
位置センサ23は、例えば光電センサを用いて、加圧ローラ224の位置を検知する。この場合、位置センサ23は、投光器231および受光器232を有する。図2に示すように、投光器231および受光器232は、塗工ローラ223の上端よりわずかに上方に位置する。また、投光器231および受光器232は、投光器231と受光器232とを通る直線が、塗工ローラ223の回転軸に対し平行となるような位置に設けられる。これにより、加圧ローラ224が接触位置P2以外に位置するときは、投光器231から照射された光は受光器232に入射し、受光器232が光を検出する。一方、加圧ローラ224が接触位置P2に位置するときは、投光器231から照射された光が加圧ローラ224に遮られるため、受光器232に到達する光の量が減少する。したがって、位置センサ23は、受光器232が検出する光量に基づいて、加圧ローラ224の位置を検出する。なお、位置センサ23は、このような透過型の光電センサを用いる代わりに、例えば、反射式の光電センサや、CCDカメラ等を用いてもよい。
振動センサ24は、塗工機構22へ搬送される基材9に発生する振動を検知するセンサである。特に、振動センサ24は、塗工処理において、塗工ローラ223が基材9に接触する際に生じる振動を検知する。振動センサ24は、第1ニップローラ212と塗工機構22との間に設けられる。なお、振動センサ24は、塗工機構22と第2ニップローラ213との間に設けられてもよい。また、振動センサ24は、搬送経路上を搬送される基材9の表面と接触している。
振動センサ24としては、例えば圧電センサが用いられる。振動センサ24は、基材9の表面に加わる張力の変動を電圧の変化として検知することによって、基材9に生じる振動を検知する。
基材9の表面に塗工された処理液は、基材9が塗工装置20から下流側の搬送経路上を搬送されるにつれて自然に乾燥される。したがって、基材9は、塗工面が乾燥した状態で、印刷装置30へ搬送される。なお、塗工装置20は、例えばヒータを用いて、塗工面を乾燥させてもよい。これにより、塗工面をより早く乾燥させることができ、基材9の表面に均一な処理液の層を形成することができる。したがって、印刷装置30による基材9への印刷品質を向上させることができる。
<1-2.印刷装置>
印刷装置30は、搬送機構により印刷装置30へ搬送されてきた基材9の塗工面に向けて、インクの液滴を吐出する装置である。これにより、基材9の塗工面に画像が印刷される。図1に示すように、印刷装置30は、第2搬送機構31、カラー印刷部32、白色印刷部33、およびヘッド移動部34を備える。
第2搬送機構31は、印刷装置30の内部において、基材9を搬送方向に搬送する機構である。第2搬送機構31は、複数の搬送ローラ311を備える。
塗工装置20から印刷装置30へ搬送される基材9は、複数の搬送ローラ311により構成される搬送経路に沿って搬送される。各搬送ローラ311は、水平軸を中心として回転することにより、基材9を搬送経路の下流側へ案内する。基材9は、張力が掛かった状態で、複数の搬送ローラ311に掛け渡される。これにより、搬送中における基材9の弛みや皺が抑制される。
カラー印刷部32は、第2搬送機構31により搬送される基材9に対して、インクの液滴(以下「インク滴」と称する)を吐出する処理部である。カラー印刷部32は、複数のヘッド321~324を、複数の搬送ローラ311により構成された搬送経路の上方に備える。カラー印刷部32のヘッド321~324の下面には、基材9の幅方向と平行に配列された複数のノズルが設けられている。なお、カラー印刷部32の各ヘッド321~324の下面に設けられる複数のノズルは、千鳥状に配列されていてもよい。各ヘッドは、複数のノズルから基材9の塗工面に向けて、多色画像の色成分となるK(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色のインク滴を、それぞれ吐出する。
第1ヘッド321は、基材9の塗工面に、K色のインク滴を吐出する。第2ヘッド322は、基材9の塗工面に、C色のインク滴を吐出する。第3ヘッド323は、基材9の塗工面に、M色のインク滴を吐出する。第4ヘッド324は、基材9の塗工面に、Y色のインク滴を吐出する。
白色印刷部33は、第2搬送機構31により搬送される基材9に対して、白色のインク滴を吐出する処理部である。白色印刷部33は、カラー印刷部32よりも下流側に設けられている。白色印刷部33は、第5ヘッド331を、搬送経路の上方に備える。第5ヘッド331の下面には、基材9の幅方向と平行に配列された複数のノズルが設けられている。なお、第5ヘッド331の下面に設けられる複数のノズルは、千鳥状に配列されていてもよい。第5ヘッド331は、複数のノズルから基材9の塗工面に向けて、W(ホワイト)の色のインク滴を吐出する。カラー印刷部32および白色印刷部33によって塗工面に画像が形成された基材9は、第2搬送機構31により、印刷装置30から乾燥装置40へ搬送される。
ヘッド移動部34は、カラー印刷部32の各ヘッド321~324および白色印刷部33のヘッド331を、各ヘッド321~324,331の下方を通過する基材9に対して垂直方向に移動させる機構である。ヘッド移動部34の詳細な動作については、後述する。
<1-3.乾燥装置>
乾燥装置40は、基材9の塗工面に吐出されたインクを乾燥させる装置である。乾燥装置40は、印刷装置30の下流側に設けられている。乾燥装置40は、例えば、基材9へ向けて加熱された気体を吹き付けて、基材9に付着したインク中の溶媒を気化させることにより、インクを乾燥させる。ただし、乾燥装置40は、光照射等の他の方法で、インクを乾燥させるものであってもよい。
乾燥装置40により乾燥された基材9は、巻取部12により、ロール状に巻き取られる。
<1-4.制御部>
制御部50は、印刷システム1に備えられる各装置を動作制御するための処理部である。図3は、印刷システム1の各部と制御部50との接続を示したブロック図である。図3に概念的に示したように、制御部50は、CPU等のプロセッサ501、RAM等のメモリ502、およびハードディスクドライブ等の記憶部503を有するコンピュータにより構成されている。記憶部503内には、コンピュータプログラムCPが、記憶されている。また、制御部50は、上述した第1搬送機構21、ローラ移動部225、位置センサ23、振動センサ24、第2搬送機構31、ヘッド321~324、ヘッド331、およびヘッド移動部34と、それぞれ電気的に接続されている。制御部50は、コンピュータプログラムCPに従って、これらの各部を動作制御する。より具体的には、制御部50は、記憶部503に記憶されたコンピュータプログラムCPを、メモリ502に一時的に読み出し、コンピュータプログラムCPに基づいてプロセッサ501が演算処理を行うことにより、各部を動作制御する。
図4は、上述した制御部50の機能を概念的に示したブロック図である。図4に示すように、制御部50は、塗工制御部51、接触開始位置特定部52、印刷不適領域設定部53、および印刷制御部54を有する。塗工制御部51、接触開始位置特定部52、印刷不適領域設定部53、および印刷制御部54の各機能は、制御部50のプロセッサ501が、コンピュータプログラムCPに従って動作することにより実現される。
塗工制御部51は、塗工装置20による基材9への処理液の塗工動作を制御する。具体的には、塗工制御部51は、第1搬送機構21による基材9の搬送動作、およびローラ移動部225による加圧ローラ224の移動動作を制御する。
接触開始位置特定部52は、基材9において、塗工ローラ223と基材9が接触を開始した位置を特定する。以下では、接触開始位置特定部52によって特定された、基材9において塗工ローラ223と基材9が接触を開始した位置を、「接触開始位置」と称する。
印刷不適領域設定部53は、接触開始位置特定部52の特定結果に基づいて、基材9において印刷処理の実行に不適である領域を設定する。
印刷制御部54は、印刷装置30による基材9の塗工面への印刷動作を制御する。具体的には、印刷制御部54は、第2搬送機構31による基材9の搬送動作を制御する。また、印刷制御部54は、印刷不適領域設定部53により設定された、基材9において印刷処理の実行に不適である領域に基づいて、カラー印刷部32の各ヘッド321~324および白色印刷部33のヘッド331のインク吐出動作を制御する。また、印刷制御部54は、ヘッド移動部34による各ヘッド321~324,331の移動動作を制御する。
接触開始位置特定部52、印刷不適領域設定部53、および印刷制御部54の詳細な処理内容については、後述する。
<2.印刷不適領域の設定処理および印刷処理について>
続いて、上述した印刷システム1における、基材9において印刷処理の実行に不適である領域の設定処理、および当該領域に基づく印刷処理について説明する。
上述の通り、塗工装置20では、基材9に塗工ローラ223が接触することで、基材9の表面へ塗工処理が開始される。ここで、塗工ローラ223と基材9とが接触することにより基材9に加わる振動は、塗工ローラ223と基材9が接触していない時に基材9に加わる振動と比較して大きくなる。これにより、基材9に塗工される処理液の層は不均一となる。したがって、塗工ローラ223と基材9とが接触することにより発生した振動が収束するまでの間、基材9の表面に、処理液の塗工ムラが生じるほか、基材9に皺が生じる。基材9の、処理液の塗工ムラまたは皺が発生した領域に印刷を行うと、印刷品質が低下するおそれがある。
以下の説明では、基材9の塗工面において、塗工ローラ223と基材9との接触により基材9に加わる振動が増大した結果、基材9の、処理液の塗工ムラまたは皺が発生したことにより、印刷処理の実行に不適となった領域を、「印刷不適領域A1」と称する。
以上の理由から、印刷システム1は、印刷不適領域A1への印刷処理を回避することが望ましい。以下では、印刷システム1による印刷不適領域A1の検出、および印刷不適領域A1を回避する印刷処理について説明する。
<2-1.第1実施形態>
以下では、第1実施形態における、印刷システム1による印刷不適領域A1の設定、および印刷不適領域A1を回避する印刷処理について説明する。図5は、第1実施形態において、印刷システム1が印刷処理を開始してから、カラー印刷部32の各ヘッド321~324および白色印刷部33のヘッド331が基材9の塗工面へのインクの吐出を開始するまでの流れを示したフローチャートである。
図5に示すように、まず、印刷システム1は、巻出部11から基材9を繰り出すことにより、基材9の搬送を開始する(ステップS101)。
基材9の搬送速度が、所定の目標速度に達すると(ステップS102:Yes)、ローラ移動部225は、加圧ローラ224を離隔位置P1から接触位置P2に向かって移動させる(ステップS103)。加圧ローラ224が接触位置P2に達すると、位置センサ23は、基材9と塗工ローラ223とが接触したことを塗工制御部51および接触開始位置特定部52に伝達する(ステップS104:Yes)。
そして、塗工制御部51は、ローラ移動部225の動作を停止させる。これにより、加圧ローラ224の移動が、接触位置P2において停止し(ステップS105)、塗工ローラ223による基材9への塗工が開始される。
次に、接触開始位置特定部52は、基材9の搬送開始(ステップS101)からの搬送時間と、基材9の搬送速度と、位置センサ23からの信号とに基づいて、基材9において塗工ローラ223との接触が開始された位置を特定する(ステップS106)。以下の説明では、基材9において塗工ローラ223との接触が開始された位置を、「接触開始位置」と称する。接触開始位置特定部52は、接触開始位置の情報を、印刷不適領域設定部53へ伝達する。
第1実施形態では、記憶部503には、印刷不適領域A1の長さを表す長さデータが予め保存されている。長さデータは、例えば、塗工装置20の型式、印刷装置30の型式、処理液の種類、または基材9の種類等によって定められる所定の数値である。印刷不適領域設定部53は、接触開始位置の情報と、記憶部503に保存されている印刷不適領域A1の長さデータとを参照して、基材9の印刷不適領域A1を設定する(ステップS107)。具体的には、接触開始位置から基材9の後端側へ向けて、長さデータにより示される長さ分の領域を、印刷不適領域A1とする。
次に、印刷不適領域設定部53は、印刷制御部54に、印刷不適領域A1を通知する(ステップS108)。印刷不適領域A1がカラー印刷部32の各ヘッド321~324および白色印刷部33のヘッド331の下方を通過している間は、印刷制御部54により各ヘッド321~324,331のインクの吐出が停止されている。したがって、印刷不適領域A1へは、画像が印刷されない。
次に、印刷制御部54は、接触開始位置と、基材9の搬送速度と、印刷不適領域設定部53より通知された印刷不適領域A1に基づいて、印刷不適領域A1の終端部が、各ヘッド321~324,331の下方を通過する時刻を、ヘッド毎に算出する。そして、印刷不適領域A1が各ヘッド321~324,331を通過すると同時に(ステップS109:Yes)、印刷制御部54からの指令により、各ヘッド321~324,331からインクが吐出される(ステップS110)。なお、ステップS109およびステップS110は、各ヘッド321~324,331毎に行われる。
以上のように、この印刷システム1は、塗工ローラ223の接触時の振動により処理液の塗布ムラまたは基材9の皺が発生し得る印刷不適領域を避けて、印刷を行う。これにより、塗工ローラ223の接触に起因する印刷品質の劣化を、抑制することができる。
<2-2.第2実施形態>
以下では、第2実施形態における、印刷システム1による印刷不適領域A1の設定、および印刷不適領域A1を回避する印刷処理について説明する。図6は、第2実施形態において、印刷システム1が印刷処理を開始してから、各ヘッド321~324,331が基材9の塗工面へのインクの吐出を開始するまでの流れを示したフローチャートである。
第2実施形態では、記憶部503には、振動センサ24の出力値に関する所定の基準値Waが記憶されている。例えば、基準値Waは、塗工装置20の型式、印刷装置30の型式、処理液の種類、または基材9の種類等によって定められる所定の数値である。なお、「基準値Wa」は、本発明の「第1基準値」に相当する。
第2実施形態における工程のステップS201~ステップS206は、第1実施形態におけるステップS101~ステップS106と同様であるため、説明を省略する。
ステップS206の後、塗工ローラ223は基材9へ処理液を塗工する。その間、振動センサ24は、出力値Wを印刷不適領域設定部53に伝達し続ける。一方、印刷不適領域設定部53は、記憶部503に記憶された基準値Waを参照する。そして、印刷不適領域設定部53は、基準値Waと、搬送中の基材9について振動センサ24から伝達された出力値Wとを比較する。そして、WとWaとの差が、所定のマージンM以下になった時(ステップS207:Yes)、印刷不適領域設定部53は、塗工ローラ223と接触している基材9上の位置を、印刷不適領域A1の終端部として設定する(ステップS208)。
第2実施形態においてステップS208の後に行われるステップS209~ステップS211は、第1実施形態におけるステップS108~ステップS110と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、この第2実施形態では、振動センサ24の出力値Wに基づいて印刷不適領域A1を設定する。これにより、印刷不適領域A1を適切に設定できる。
<2-3.第3実施形態>
以下では、第3実施形態における、印刷システム1による印刷不適領域A1の設定、および印刷不適領域A1を回避する印刷処理について説明する。図7は、第3実施形態において、印刷システム1が印刷処理を開始してから、各ヘッド321~324,331が基材9の塗工面へのインクの吐出を開始するまでの流れを示したフローチャートである。
第3実施形態における工程のステップS301およびステップS302は、第1実施形態におけるステップS101~ステップS102と同様であるため、説明を省略する。
振動センサ24は、ステップS302の後、出力値Wbを保存する(ステップS303)。出力値Wbは、加圧ローラ224が離隔位置P1に位置する時に、基材9に加わる張力の度合いを示す。振動センサ24は、印刷不適領域設定部53へ、出力値Wbを伝達する。
第2実施形態においてステップS303の後に行われるステップS304~ステップS307は、第1実施形態におけるステップS103~ステップS106と同様であるため、説明を省略する。
ステップS307の後、塗工ローラ223は基材9へ処理液を塗工する。その間、振動センサ24は、出力値Wを印刷不適領域設定部53に伝達し続ける。一方、印刷不適領域設定部53は、振動センサ24から伝達された出力値Wbを、基準値Wbとして定める。なお、「基準値Wb」は、本発明の「第1基準値」に相当する。
そして、印刷不適領域設定部53は、基準値Wbと、搬送中の基材9について振動センサ24から伝達された出力値Wとを比較する。そして、WとWbとの差が、所定のマージンM以下になった時(ステップS308:Yes)、印刷不適領域設定部53は、塗工ローラ223と接触している基材9上の位置を、印刷不適領域A1の終端部として定める(ステップS309)。
第2実施形態においてステップS309の後に行われるステップS310~ステップS312は、第1実施形態におけるステップS108~ステップS110と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、この第3実施形態では、振動センサ24の出力値Wに基づいて、印刷不適領域A1を設定する。また、加圧ローラ224が離隔位置P1に位置する時の振動センサ24の出力値Wbを基準値Wbとする。これにより、印刷不適領域A1を、より適切に設定できる。
<2-4.第4実施形態>
以下では、第4実施形態における、印刷システム1による印刷不適領域A1の設定、および印刷不適領域A1を回避する印刷処理について説明する。以下の説明では、基材9の塗工面において、印刷不適領域A1の終端部より後端側の領域を、「印刷可能領域A2」と称する。
第4実施形態では、カラー印刷部32の各ヘッド321~324および白色印刷部33のヘッド331は、基材9から、基材9に対して垂直方向に所定の距離だけ離隔した退避位置Q1に、予め配置されている。なお、退避位置Q1と基材9との距離は、各ヘッド321~324,331が基材9の塗工面にインクを吐出する吐出位置Q2と基材9との距離より大きい。これにより、基材9の搬送中に、印刷不適領域A1に生じる塗工ムラ、および印刷不適領域A1に生じる基材9の皺が、各ヘッド321~324,331に接触することを抑制することができる。なお、「退避位置Q1」は、本発明の「退避位置」に相当する。また、「吐出位置Q2」は、本発明の「近接位置」に相当する。
さらに、第4実施形態では、ヘッド移動部34は、所定の特定時刻において、各ヘッドの退避位置Q1から、各ヘッド321~324,331がインクを吐出する吐出位置Q2へ移動させる。
図8は、第4実施形態において、印刷システム1が印刷処理を開始してから、各ヘッドが基材9の塗工面へのインクの吐出を開始するまでの流れを示したフローチャートである。第4実施形態における工程のステップS401~ステップS410は、第3実施形態におけるステップS301~ステップS310と同様であるため、説明を省略する。
ステップS410の後、印刷制御部54は、所定の特定時刻tを、各ヘッド321~324,331についてそれぞれ算出する(ステップS411)。ここで、特定時刻tとは、当該特定時刻tにおいて各ヘッド321~324,331が退避位置Q1から吐出位置Q2への移動を開始すると、印刷不適領域A1の終端部が各ヘッド321~324,331の下方を通過したと同時に、各ヘッド321~324,331の退避位置Q1から吐出位置Q2への移動が完了するような時刻をいう。また、各ヘッド321~324,331に対して、それぞれ対応する特定時刻t1~t5が、個別に定められる。
図9は、ヘッド移動部34による各ヘッド321~324,331の移動の様子、および基材9の搬送の様子を示す概略図である。図9では、第1ヘッド321に対応する特定時刻t1における各ヘッド321~324,331、印刷不適領域A1、および印刷可能領域A2の位置を実線で示している。また、図9では、第1ヘッド321が吐出位置Q2へ到達した時刻における各ヘッド321~324,331、印刷不適領域A1、および印刷可能領域A2の位置を破線で示している。
例えば、第1ヘッド321が退避位置Q1から吐出位置Q2へ移動を開始する特定時刻t1について考える。特定時刻t1を経過する前は、図9において実線に示すように、第1ヘッド321は、退避位置Q1に保持されている。また、第1ヘッド321よりも下流側に位置する各ヘッド322~324,331も、退避位置Q1に保持されている。
現在時刻が特定時刻t1に到達すると、第1ヘッド321は、退避位置Q1から吐出位置Q2へ移動する。そして、図9において破線で示すように、印刷不適領域A1の終端部がヘッド321の下方を通過したと同時に、第1ヘッド321は吐出位置Q2へ到達する。第1ヘッド321は、吐出位置Q2に到達したと同時に、基材9の塗工面へインクを吐出する。これにより、第1ヘッド321は、印刷可能領域A2の始端からインクの吐出を行うことが可能となる。
また、第2ヘッド322、第3ヘッド323、第4ヘッド324、および第5ヘッド331も、それぞれ算出された特定時刻t2~t5の到達に伴い、退避位置Q1から吐出位置Q2へ移動した後、吐出位置Q2において基材9の塗工面へインクを吐出する。
印刷システム1による印刷処理より後工程において、基材9の印刷不適領域A1に対応する部分、および印刷可能領域A2のうちインクの吐出が行われなかった部分は、廃棄される。この点、第4実施形態の各ヘッド321~324,331は、印刷可能領域A2の始端から、基材9の塗工面へのインクの吐出を開始することができるため、廃棄となる基材9の量を削減することができる。
印刷制御部54は、例えば、基材9の搬送速度の値と印刷不適領域A1の終端部の位置とを用いて、特定時刻t1~t5を算出する。なお、印刷制御部54は、搬送速度の代わりに、印刷システム1の所定のローラに設けられたエンコーダから出力される信号を用いて、特定時刻t1~t5を算出してもよい。また、印刷制御部54は、搬送速度の代わりに、印刷システム1に設けられた所定の駆動モータに入力されるパルス信号を用いて、特定時刻t1~t5を算出してもよい。また、印刷制御部54は、搬送速度の代わりに、予め記憶部503に記憶された所定のパラメータを用いて、特定時刻t1~t5を算出してもよい。
図8に示したフローチャートの説明に戻る。特定時刻t1~t5に到達すると(ステップS412:Yes)、ヘッド移動部34は、各ヘッド321~324,331を吐出位置Q2へ移動させる(ステップS413)。その後、吐出位置Q2への移動が完了したヘッドから、基材9の塗工面にインクを吐出する(ステップS414)。
なお、ステップS411~ステップS414は、各ヘッド321~324,331についてそれぞれ独立して行われる。
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
<3-1.第1変形例>
上記の第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態では、カラー印刷部32の各ヘッド321~324および白色印刷部33のヘッド331は、吐出位置Q2に保持されていた。しかしながら、各ヘッド321~324,331が吐出位置Q2に位置する時に、基材9に大きな振動が発生すると、印刷不適領域A1に生じる塗工ムラまたは基材9の皺に、各ヘッド321~324,331が接触するおそれがある。これに対し、ヘッド移動部34は、基材9に大きな振動が発生した場合に、各ヘッド321~324,331を、吐出位置Q2から退避位置Q1に移動させてもよい。
第1変形例では、振動センサ24は、印刷不適領域設定部53のほかに、印刷制御部54にも、出力値Wを伝達する。また、第1変形例の記憶部503には、所定の基準値Wcが記憶されている。基準値Wcは、上限値と下限値とを有する。なお、「基準値Wc」は、本発明の「第2基準値」に相当する。
塗工ローラ223が基材9に処理液を塗工している間、印刷制御部54は、記憶部503に記憶されている基準値Wcと、振動センサ24から出力される出力値Wとを比較する。出力値Wが基準値Wcの上限値を上回った場合、または基準値Wcの下限値を下回った場合、ヘッド移動部34は、各ヘッド321~324,331を退避位置Q1に移動させる。これにより、基材9に大きな振動が発生したとしても、基材9に生じる塗工ムラまたは基材9の皺に各ヘッドが接触することを抑制することができる。なお、ヘッド移動部34は、退避位置Q1とは異なる位置に各ヘッド321~324,331を退避させてもよい。
振動センサ24が出力する出力値Wが、基準値Wcの範囲内となった場合、ヘッド移動部34は、退避位置Q1へ移動した各ヘッド321~324,331を吐出位置Q2へ移動させてもよい。または、ヘッド移動部34は、第4実施形態のステップS411~ステップS413と同様の工程により、退避位置Q1へ移動した各ヘッド321~324,331を吐出位置Q2に移動させてもよい。
その後、吐出位置Q2への移動を完了した各ヘッド321~324,331は、基材9の印刷可能領域A2へ、各色のインクを吐出する。
<3-2.その他の変形例>
また、上記の実施形態では、塗工機構22は、一つの塗工ローラ223を備え、ローラ移動部225は、一つの塗工ローラ223を、基材9に対して、離隔位置P1から接触位置P2へ相対移動させていた。しかしながら、塗工機構22は、二つの塗工ローラ223を備えていてもよい。そして、ローラ移動部225は、基材9と二つの塗工ローラ223とを、離隔位置P1と接触位置P2との間で相対移動させてもよい。
また、上記の実施形態では、ローラ移動部225は、加圧ローラ224と機械的に接続されていた。また、ローラ移動部225は、基材9の上方の空間において、加圧ローラ224を、離隔位置P1と接触位置P2との間で移動させていた。しかしながら、ローラ移動部225は、加圧ローラ224の代わりに、処理液貯留部221、処理液移送ローラ222、および塗工ローラ223と接続されていてもよい。そして、ローラ移動部225は、処理液貯留部221、処理液移送ローラ222、および塗工ローラ223を、加圧ローラ224に向かって移動させてもよい。
また、上記の実施形態では、ローラ移動部225は、基材9の上方の空間において、加圧ローラ224を離隔位置P1と接触位置P2との間で移動させていた。また、塗工制御部51は、ローラ移動部225の移動動作を制御していた。しかしながら、作業者が、手動で加圧ローラ224を移動させてもよい。
また、上記の実施形態では、接触開始位置特定部52は、位置センサ23からの信号を受け取ることにより、基材9と塗工ローラ223との接触開始位置を特定していた。しかしながら、接触開始位置特定部52は、塗工制御部51によるローラ移動部225への制御信号を受け取ることにより、基材9と塗工ローラ223との接触開始位置を特定してもよい。
また、上記の実施形態では、振動センサ24は基材9の表面に加わる張力の変動を電圧の変化として検知する圧電センサを用いていた。しかしながら、振動センサ24は、基材9に加わる張力の変動を検知する張力センサでもよい。振動センサ24として張力センサを使用する場合、印刷不適領域設定部53は、単位時間当たりの張力の最大値と最小値との差分を基材9の張力の変動値とみなして印刷不適領域を設定する。
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 :印刷システム
2 :搬送機構
9 :基材
11 :巻出部
12 :巻取部
20 :塗工装置
21 :第1搬送機構
22 :塗工機構
23 :位置センサ
24 :振動センサ
30 :印刷装置
32 :カラー印刷部
33 :白色印刷部
34 :ヘッド移動部
40 :乾燥装置
50 :制御部
51 :塗工制御部
52 :接触開始位置特定部
53 :印刷不適領域設定部
54 :印刷制御部
221 :処理液貯留部
222 :処理液移送ローラ
223 :塗工ローラ
224 :加圧ローラ
225 :ローラ移動部
321 :第1ヘッド
322 :第2ヘッド
323 :第3ヘッド
324 :第4ヘッド
331 :第5ヘッド
501 :プロセッサ
502 :メモリ
503 :記憶部

Claims (10)

  1. 印刷システムであって、
    処理液が付着した塗工ローラを、搬送経路に沿って搬送される基材に接触させることで、前記基材に前記処理液を塗工する塗工装置と、
    前記基材の前記処理液が塗工された面に印刷を行う印刷装置と、
    前記印刷装置を制御する制御部と、
    を備え、
    前記塗工装置は、
    前記塗工ローラと前記基材とを、前記塗工ローラと前記基材が接触していない離隔位置と、前記塗工ローラと前記基材が接触している接触位置との間で相対移動させる移動部
    を備え、
    前記制御部は、
    前記基材において、前記塗工ローラと前記基材とが接触を開始した接触開始位置を特定する接触開始位置特定部と、
    前記基材において、前記接触開始位置から搬送方向へ所定の長さを有する領域を、印刷不適領域として設定する印刷不適領域設定部と、
    前記印刷装置による前記印刷不適領域への印刷を停止させる印刷制御部と、
    を備える、印刷システム。
  2. 請求項1に記載の印刷システムであって、
    前記塗工装置は、前記印刷不適領域の長さに関する所定の数値を記憶する記憶部を備え、
    前記印刷不適領域設定部は、前記数値を参照して前記印刷不適領域を設定する、印刷システム。
  3. 請求項1に記載の印刷システムであって、
    前記塗工装置は、前記基材に生じる振動を検出する振動センサを有し、
    前記印刷不適領域設定部は、前記振動センサの出力値と所定の第1基準値との比較結果に基づいて、前記印刷不適領域を設定する、印刷システム。
  4. 請求項3に記載の印刷システムであって、
    前記印刷不適領域設定部は、前記塗工ローラと前記基材とが前記離隔位置に位置するときの前記振動センサの出力値に基づいて前記第1基準値を決定する、印刷システム。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の印刷システムであって、
    前記印刷装置は、
    前記基材の前記処理液が塗工された面にインクを吐出するヘッドと、
    前記ヘッドを、近接位置と、前記近接位置よりも前記基材から離隔した退避位置との間で移動させるヘッド移動部と、
    を備える、印刷システム。
  6. 請求項5に記載の印刷システムであって、
    前記ヘッド移動部は、
    前記印刷制御部が前記印刷装置による印刷を停止させる間、前記ヘッドを前記退避位置に保持し、
    前記印刷制御部が前記印刷装置による印刷の停止を解除する間、前記ヘッドを前記近接位置に保持する、印刷システム。
  7. 請求項5に記載の印刷システムであって、
    前記塗工装置は、前記基材に生じる振動を検出する振動センサを有し、
    前記ヘッド移動部は、前記振動センサの出力値と所定の第2基準値との比較結果に基づいて、前記ヘッドを前記近接位置から前記退避位置へ移動させる、印刷システム。
  8. 請求項6または請求項7に記載の印刷システムであって、
    前記ヘッド移動部は、前記印刷不適領域の終端部が前記ヘッドの下方を通過したと同時に、前記退避位置から前記近接位置への前記ヘッドの移動を完了させ、
    前記印刷制御部は、前記ヘッドが前記退避位置から前記近接位置への移動を完了したと同時に、前記印刷装置による印刷の停止を解除する、印刷システム。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の印刷システムであって、
    前記処理液は、アンカーコート剤である、印刷システム。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の印刷システムであって、
    前記移動部が前記塗工ローラを前記離隔位置から前記接触位置まで相対移動させたことを検出する位置センサをさらに備え、
    前記接触開始位置特定部は、前記位置センサからの信号に基づいて、前記接触開始位置を特定する、印刷システム。
JP2022048501A 2022-03-24 2022-03-24 印刷システム Pending JP2023141919A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022048501A JP2023141919A (ja) 2022-03-24 2022-03-24 印刷システム
US18/160,415 US20230302822A1 (en) 2022-03-24 2023-01-27 Printing system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022048501A JP2023141919A (ja) 2022-03-24 2022-03-24 印刷システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023141919A true JP2023141919A (ja) 2023-10-05

Family

ID=88095089

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022048501A Pending JP2023141919A (ja) 2022-03-24 2022-03-24 印刷システム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20230302822A1 (ja)
JP (1) JP2023141919A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
US20230302822A1 (en) 2023-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3034310B1 (en) Drying apparatus, printing apparatus, and drying method
US8277015B2 (en) Image forming device
KR101817398B1 (ko) 인쇄 장치, 그 제어 방법 및 저장 매체
JP2011126131A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2015127138A (ja) 画像形成装置、画像形成システムおよび印刷物の生産方法
JP5224524B2 (ja) インクジェット記録装置
CN111660685B (zh) 印刷装置以及印刷方法
JP5306175B2 (ja) 記録媒体搬送方法及び装置並びに画像形成装置
JP6747314B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2023141919A (ja) 印刷システム
CN111792425A (zh) 印刷装置以及印刷方法
WO2019187300A1 (ja) インクジェット印刷装置およびインクジェット印刷装置における印刷媒体加熱方法
CN106985522B (zh) 印刷装置和印刷方法
US9573392B2 (en) Ink printing apparatus, and method to operate an ink printing apparatus
JP7380173B2 (ja) 印刷装置
CN115135502A (zh) 图像形成装置
JP6806612B2 (ja) 乾燥装置、およびそれを備えた印刷装置
US10464355B2 (en) Printing apparatus, printing method, and control apparatus
JP5363296B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
WO2019188243A1 (ja) 画像形成装置
JP2015182245A (ja) 印刷装置および印刷方法
JP7302310B2 (ja) 印刷装置および印刷方法
JP2019199010A (ja) 記録媒体搬送装置及びインクジェット記録装置
US11845624B2 (en) Conveying device and liquid discharge apparatus
JP5573534B2 (ja) 記録装置及び記録方法