JP2023141293A - 水素製造システム - Google Patents

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Toshihisa Nakajima
倖汰 柴田
Kota SHIBATA
康俊 土肥
Yasutoshi Doi
章太 茶谷
Shota Chatani
大地 櫻井
Daichi Sakurai
真治 河田
Shinji Kawada
英晃 大川
Hideaki Okawa
誠一郎 鷲野
Seiichiro Washino
卓 金子
Taku Kaneko
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Abstract

Figure 2023141293000001
【課題】耐久性が向上された水素製造システム10を提供する。
【解決手段】供給される電力によって水を電気分解させて水素を製造する複数のセルスタック91,92,93と、該複数のセルスタック91,92,93の少なくとも一つの特定セルスタックを制御する制御部14であって、上記複数のセルスタック91,92,93の全体に要求される上記水素の製造量に基づいて、上記特定セルスタックに供給される上記電力について電圧又は電流を調整する負荷調整制御と、上記特定セルスタックに供給される上記電力をON又はOFFさせるON/OFF制御と、を選択的に実行させる上記制御部14と、を備えた水素製造システム10。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素製造システムに関する。
従来、水素を製造する水素製造システムとして特許文献1に記載のものが知られている。この水素製造装置は、電力の供給により水蒸気を水素と酸素に電解するセルスタックと、予め定めたセル温度に設定されたセルスタックにおける吸熱と発熱とがバランスする熱中立点に電力の電圧を調整する電圧調整部と、電圧が熱中立点に調整された電力を水蒸気の流量に基づきパルス幅制御してセルスタックに供給する電力供給部と、を備えている。
特開2020-41202号公報
上記の技術によれば、すべてのセルスタックは、水素を製造している全期間において、パルス幅制御される。つまり、すべてのセルスタックにつき、電力の供給が短い周期で繰り返しON/OFFされる制御が、継続的に行われる。このため、セルスタックが劣化しやすくなるので、セルスタックの耐久性が低下するという課題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、耐久性が向上された水素製造システムを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
供給される電力によって水を電気分解させて水素を製造する複数のセルスタック(91,92,93)と、
該複数のセルスタックの少なくとも一つの特定セルスタックを制御する制御部(14)であって、上記複数のセルスタックの全体に要求される上記水素の製造量に基づいて、上記特定セルスタックに供給される上記電力について電圧又は電流を調整する負荷調整制御と、上記特定セルスタックに供給される上記電力をON又はOFFさせるON/OFF制御と、を選択的に実行させる上記制御部と、
を備えた水素製造システム(10)にある。
上記態様によれば、耐久性が向上された水素製造システムを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1の水素製造システムを示す構造ブロック図である。 実施形態1のセルスタックにおける、反応熱量の、特定セル負荷調整率に対する変化を示すグラフである。 実施形態1のセルスタックにおける、特定セル負荷調整率及びセルスタックに印加される電圧の、反応時間に対する変化を示すグラフである。 実施形態1の複数のセルスタックの全体において、全体負荷調整率及び特定セル負荷調整率の対応関係と、複数のセルスタックの稼働状態とを模式的に示すグラフである。 実施形態1のメインルーチンを示すフローチャートである。 実施形態1の1セル処理を示すフローチャートである。 実施形態1の2セル処理を示すフローチャートである。 実施形態1の3セル処理を示すフローチャートである。 実施形態1における、全体負荷調整率と、セルスタックの稼働台数と、負荷調整制御及びON/OFF制御との関係を模式的に示すグラフである。 実施形態1の水素製造システムの制御態様を模式的に示すグラフである。 実施形態2の水素製造システムにおける、セルスタックを示す一部拡大構造ブロック図である。 実施形態2における、全体負荷調整率と、セルスタックの稼働台数と、負荷調整制御との関係を模式的に示すグラフである。 実施形態3の水素製造システムにおける、セルスタックを示す一部拡大構造ブロック図である。 実施形態3における、全体負荷調整率と、セルスタックの稼働台数と、負荷調整制御との関係を模式的に示すグラフである。 実施形態4における、全体負荷調整率と、セルスタックの稼働台数と、負荷調整制御及びON/OFF制御との関係を模式的に示すグラフである。 実施形態5の水素製造システムにおける、電解モジュールを示す一部拡大構造ブロック図である。 実施形態6の水素製造システムを示す構造ブロック図である。
(実施形態1)
1.水素製造システム10の全体構造
実施形態1の水素製造システム10について、図1~図10を参照して説明する。水素製造システム10は、複数のセルスタック91,92,93と、制御部14と、を備える。本形態に係る水素製造システム10は3つのセルスタック91,92,93を備える。複数のセルスタック91,92,93は、供給される電力によって水を電気分解させて水素を製造する。制御部14は、複数のセルスタック91,92,93の少なくとも一つの特定セルスタックを制御する。制御部14は、複数のセルスタック91,92,93の全体に要求される水素の製造量に基づいて、特定セルスタックに供給される電力について負荷調整制御と、ON/OFF制御と、を選択的に実行させる。負荷調整制御は、特定セルスタックに供給される電力について電圧又は電流を調整するものである。ON/OFF制御は、特定セルスタックに供給される電力をONさせるか又はOFFさせるものである。
図1に示すように、水素製造システム10は、電源15と、制御部14と、3つのセルスタック91,92,93と、を備える。電源15と、3つのセルスタック91,92,93とは並列接続されている。電源15と、各セルスタック91,92,93との間には、スイッチング素子16と、可変抵抗器17とが直列に接続されている。スイッチング素子16と、可変抵抗器17との接続順序は特に限定されない。制御部14は、スイッチング素子16をON又はOFFさせる。スイッチング素子16は、機械式リレー、半導体スイッチング素子等、任意のスイッチング素子16を任意に選択できる。また、制御部14は、可変抵抗器17の電気抵抗値を変化させる。これにより、制御部14は、3つのセルスタック91,92,93に供給される電力について電圧又は電流を変化させる。3つのセルスタック91,92,93に供給される電力について電圧又は電流を変化させる手段は可変抵抗器17に限られず、任意の素子を適宜に選択できる。
3つのセルスタック91,92,93は、それぞれ、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93とされる。第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93は同一の構成を有するものであってもよいし、また、異なる構成を有してもよい。本形態では、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93は同一の構成を有する。
第1セルスタック91は、アノード18と、カソード19と、アノード18とカソード19との間に配された電解質20と、を備える。本形態の電解質20は、固体酸化物形電解質である。本形態の第1セルスタック91は、平板形状の固体酸化物形電解セルが、その厚み方向に積層して構成されている。アノード18において、水蒸気が還元されて水素及び酸素イオンが生成する。電解質20は、生成した酸素イオンをカソード19に輸送する。カソード19においては、輸送された酸素イオンが酸化されて酸素が生成する。
第1セルスタック91には、水蒸気ライン21から水蒸気が供給される。水蒸気は、図示しない水蒸発器によって水が気化されることにより生成される。また、第1セルスタック91には、空気供給ライン22から空気が供給される。空気は図示しない圧縮機によって所定の圧力に加圧されている。
第1セルスタック91には水素ライン23が接続されている。水素ライン23には、第1セルスタック91において製造された水素が流通されるようになっている。水素ライン23は水素利用装置24に接続されている。水素ライン23に流通された水素は水素利用装置24に供給されて、水素利用装置24において利用される。水素利用装置24は水素を任意の手法により利用するようになっている。水素利用装置24は、例えば、水素を原料にして製品を製造したり、水素による還元雰囲気下において製品の処理を行ったりすることができる。水素利用装置24は、水素利用装置24に必要とされる水素量についての信号を制御部14に送信する。
制御部14は、水素利用装置24から送信された信号を受け取って、全体負荷調整率を算出する。全体負荷調整率は、水素利用装置24から要求される水素製造量の、複数のセルスタックの全体の水素製造能力の最大値に対する百分率として、下記のように定義される。

全体負荷調整率
={(水素利用装置から要求される水素製造量)/(複数のセルスタックの全体の水素製造能力の最大値)}×100 (%)
第1セルスタック91には空気排出ライン25が接続されている。空気排出ライン25には、第1セルスタック91に供給された空気と、第1セルスタック91で生成された酸素とが、流通されるようになっている。空気排出ライン25に流通された空気と酸素とは、外部に排出される。
上記したように、第2セルスタック92及び第3セルスタック93は第1セルスタック91と同様の構成を有するので、同一部材には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本形態においては、制御部14は、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93に供給される電力を制御する。本形態では、水素製造システム10が備える第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93のすべてが、制御部14によって制御される特定セルスタックとされる。ただし、水素製造システム10が備える複数のセルスタック91,92,93のうち、1つ又は2つ以上の任意の個数のセルスタックが特定セルスタックとされてもよい。
2.特定セルスタックの制御について
図2~図4を参照して、制御部14による、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93の制御について説明する。
図2には、第1セルスタック91における、反応熱量の、特定セル負荷調整率に対する変化を示すグラフを示す。上記したように、本形態では、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93がすべて特定セルスタックとされているので、以下の説明では、第1セルスタック91を例に説明する。なお、第2セルスタック92及び第3セルスタック93についても、特に言及しない限り第1セルスタック91と同様である。
図2に示すグラフにおいて、縦軸は、第1セルスタック91が水素を製造する際の、反応熱量を示す。
図2に示すグラフにおける、横軸に係る特定セル負荷調整率は、特定セルスタックに要求される水素製造量の、特定セルスタックの水素製造能力の最大値に対する百分率として、下記のように定義される。

特定セル負荷調整率
={(特定セルスタックに要求される水素製造量)/(特定セルスタックの水素製造能力の最大値)}×100 (%)
特定セル負荷調整率は、水素利用装置24が要求する水素製造量が変化した場合に変化しうる。また、特定セル負荷調整率は、水素利用装置24が要求する水素製造量が変化しない場合でも、制御部14によって特定セルスタックに割り当てられる水素製造量が変化した場合にも変化しうる。このように特定セル負荷調整率は、水素製造システム10が稼働中に、0%~100%で任意に変化しうる。
制御部14によって特定セルスタックに割り当てられる水素製造量が変化する場合について説明する。特定セルスタックに要求される水素製造量は、複数のセルスタック91,92,93の全体に要求される水素製造量のうち、一のセルスタックに割り当てられた水素製造量をいう。例えば、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93全体の水素製造能力の最大値を100%とした場合に、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93の全体に60%の水素製造量が要求された場合、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93に20%ずつ割り当てられてもよいし、第1セルスタック91に10%、第2セルスタック92に20%、第3セルスタック93に30%の水素製造量が割り当てられてもよく、任意の割合で設定されうる。
次に、全体負荷調整率と、特定セル負荷調整率との関係について説明する。本形態の水素製造システム10は、同一の構成を有する第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93という3つのセルスタック91,92,93を備えている。例えば、第1セルスタック91について特定セル負荷調整率が割り当てられた場合、下記のように、特定セル負荷調整率を、水素製造システム10が備えるセルスタックの個数で除した値が、特定セル負荷調整率を全体負荷調整率に換算した値となる。

全体負荷調整率
=特定セル負荷調整率/セルスタックの個数

例えば、制御部14によって、第1セルスタック91に100%の特定セル負荷調整率が割り当てられた場合、下記のように、この100%の特定セル負荷調整率をセルスタックの個数3で除した値が、全体負荷調整率に換算された値となる。なお、本明細書では、無限小数については小数点第2位を四捨五入するものとし、以下同様とする。

100(%)÷3≒33.3(%)
また、制御部14によって、第1セルスタック91に84%の特定セル負荷調整率が割り当てられた場合、この84%の特定セル負荷調整率をセルスタックの個数3で除した28%が、全体負荷調整率に換算された値となる。
なお、複数のセルスタックが、すべて同一の構造を有していない場合には、特定セル負荷調整率から全体負荷調整率に換算する場合、セルスタックの個数と、セルスタックの個々の構造に対応した係数と、を組み合わせてもよい。
次に、図2に示すグラフについて説明する。特定セル負荷調整率が0%であるとき、第1セルスタック91は稼働していない。したがって、第1セルスタック91において反応熱は発生していないので、反応熱量は0である。
水の電気分解は吸熱反応なので、特定セル負荷調整率が増加すると、第1セルスタック91における反応熱量は負の値となる。このため、第1セルスタック91を所定の反応温度に維持するためには、第1セルスタック91を加熱する必要がある。
特定セル負荷調整率が増加すると、第1セルスタック91のオーム損による発熱が吸熱を上回るため、第1セルスタック91の反応熱量は上昇に転じる。そして、吸熱と発熱とがバランスして、反応熱量が0となる。本形態では、特定セル負荷調整率が84%のときに、吸熱と発熱とがバランスするようになっている。ただし、吸熱と発熱とがバランスするときの特定セル負荷調整率は84%に限られず、任意の値をとりうる。吸熱と発熱とがバランスした状態で第1セルスタック91が水素を製造可能な特定セル負荷調整率の値がバランスしきい値とされる。本形態では、バランスしきい値は84%とされる。
吸熱と発熱とがバランスする状態は、熱中立点と呼ばれる場合がある。熱中立点においては、第1セルスタック91は発熱も吸熱もしないので、エネルギーを新規投入することなく第1セルスタック91の温度を維持できる。
特定セル負荷調整率が84%を超えると、第1セルスタック91のオーム損による発熱が吸熱を上回るため、反応熱量は正の値となる。すなわち、水素の製造に伴い、第1セルスタック91の温度は上昇する。発熱領域においては、第1セルスタック91を所定の温度に維持するために必要なエネルギーが少なくて済むので、高い効率で水素を製造することができる。
次に、図3を参照して、負荷調整制御、及びON/OFF制御について説明する。図3に示すグラフの左側の縦軸は、特定セル負荷調整率を示す。グラフの右側の縦軸は、第1セルスタック91に印加する電圧を示す。グラフの横軸は、第1セルスタック91が水素を生成する際の反応時間を示す。グラフにおいて、実線は第1セルスタック91に印加される電圧を示す。グラフにおいて、破線は、第1セルスタック91に割り当てられた特定セル負荷調整率を示す。
制御部14は、反応時間が0~T2の間は、第1セルスタック91にON/OFF制御を実行し、反応時間がT2~T3の間は、第1セルスタック91に負荷調整制御を実行する。
制御部14は、ON/OFF制御において、第1セルスタック91に接続されたスイッチング素子16をON又はOFFさせることにより、第1セルスタック91に電力を供給させるか、又は供給を停止させる。これにより、制御部14は、第1セルスタック91に電力を断続的に供給させることができる。制御部14は、スイッチング素子16のON又はOFFを繰り返すことにより、第1セルスタック91に電力を供給させる時間を調整する。これにより、反応時間が0~T2の間において、第1セルスタック91に対する特定負荷調整率に対応する電力を第1セルスタック91に供給する。
反応時間が0~T1における特定セル負荷調整率は、反応時間がT1~T2における特定セル負荷調整率よりも小さい。このため、反応時間が0~T1において制御部14が第1セルスタック91に電力を供給させる時間は、反応時間がT1~T2において制御部14が第1セルスタック91に電力を供給させる時間よりも短くなっている。
制御部14が、第1セルスタック91に電力を供給させる時間は、例えば、μ秒単位でもよいし、秒単位でもよいし、分単位でもよいし、時間単位でもよく、任意の時間間隔で、スイッチング素子16をON又はOFFさせることができる。
制御部14は、第1セルスタック91に対してON/OFF制御を実行させる際、制御部14は、可変抵抗器17の電気抵抗値を調整することにより、第1セルスタック91に印加される電圧又は流される電流を変化させる。本形態では、第1セルスタック91に対してON/OFF制御が実行される際、第1セルスタック91に対しては、特定セル負荷調整率がバランスしきい値である84%になる電圧が印加され、又は電流が流される。これにより、第1セルスタック91がONされた状態では、吸熱と発熱とがバランスしているので、効率よく水素を生成することができる。
本形態では、反応時間が0~T2において、第1セルスタック91に割り当てられた特定セル負荷調整率が段階的に変化する例を示したが、これに限られず、特定セル負荷調整率が連続的に変化する場合であってもよい。
反応時間がT2~T3において、制御部14は、第1セルスタック91に負荷調整制御を実行する。制御部14は、第1セルスタック91に接続されたスイッチング素子16をONさせる。制御部14は、第1セルスタック91に接続された可変抵抗を調節することにより、第1セルスタック91に印加される電圧又は流される電流を変化させる。これにより、制御部14は、第1セルスタック91に割り当てられた特定セル負荷調整率に対応する電圧を第1セルスタック91に印加させ、又は特定セル負荷調整率に対応する電流を第1セルスタック91に流させる。
本形態では、反応時間がT2~T3において、第1セルスタック91に割り当てられた特定セル負荷調整率が連続的に変化する例を示したが、これに限られず、特定セル負荷調整率が段階的に変化する場合であってもよい。
3.水素製造システム10の制御について
続いて、図4~図9を参照して水素製造システム10の制御について説明する。なお、水素製造システム10の制御は、以下の説明に限定されない。
3-1.概要
図4は、全体負荷調整率が変化した場合における、第1~第3セルスタック91,92,93の稼働状態の一例を模式的に示す説明図である。
図4において、左側の縦軸は全体負荷調整率を示す。右側の縦軸は、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93のそれぞれの特定セル負荷調整率の和を示す。横軸には、セルスタックの稼働状態についての説明が記載されている。図4において実線で示されたグラフは、全体負荷調整率が変化する状態を模式的に示したものである。
左側の縦軸について、全体負荷調整率が0%であるということは、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93の全体に対して、水素利用装置24が水素を製造する要求をしていないことを示す。一方、全体負荷調整率が100%であるということは、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93の全体に対して、水素製造能力の最大値で水素を製造することが、水素利用装置24から要求されていることを示している。
全体負荷調整率が33.3%であるということは、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93の全体に対して、セルスタック1台分の水素製造能力の最大値で水素を製造することが、水素利用装置24から要求されていることを示している。左側の縦軸に示された全体負荷調整率が33.3%に対応して、右側の縦軸に示された特定セル負荷調整率の値が100%であるのは、第1セルスタック91が水素製造能力の最大値で製造し、第2セルスタック92及び第3セルスタック93が水素を製造してない例を表している。第2セルスタック92及び第3セルスタック93が水素を製造していない状態とは、少なくとも第2セルスタック92及び第3セルスタック93に電力が供給されていない状態をいう。第2セルスタック92及び第3セルスタック93に電力が供給されていない状態は、例えば、制御部14によって第2セルスタック92及び第3セルスタック93に接続されたスイッチング素子16がOFFされている場合を含む。
同様に、全体負荷調整率が66.7%であるということは、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93に対して、セルスタック2台分の水素製造能力の最大値で水素を製造することが、水素利用装置24から要求されていることを示している。左側の縦軸に示された全体負荷調整率が66.7%に対応して、右側の縦軸に示された特定セル負荷調整率の値が200%であるのは、第1セルスタック91及び第2セルスタック92が水素製造能力の最大値で製造し、第3セルスタック93が水素を製造してない例を表している。第3セルスタック93が水素を製造していない状態とは、少なくとも第3セルスタック93に電力が供給されていない状態をいう。第3セルスタック93に電力が供給されていない状態は、例えば、制御部14によって第3セルスタック93に接続されたスイッチング素子16がOFFされている場合を含む。
本形態では、上記のように、全体負荷調整率が0~33.3%のとき、第1セルスタック91が1台だけ稼働する1台稼働状態となっており、全体負荷調整率が33.3~66.7%のとき、第1セルスタック91及び第2セルスタック92が稼働する2台稼働状態となっており、全体負荷調整率が66.7~100%のとき、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93が稼働する3台稼働状態となっている。
3-2.メインルーチン
図5に示すように、水素製造システム10が水素の製造を開始すると、制御部14は、水素利用装置24から、水素利用装置24が要求する水素量に係る信号を取得する(S1)。制御部14は、水素利用装置24から取得した信号に基づいて、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93の全体に要求される全体負荷調整率を算出する(S2)。
制御部14は、全体負荷調整率が33.3%以下であるとき(S3:Y)、第1セルスタック91を稼働させる1セル処理を実行させる(S7)。制御部14は、全体負荷稼働率が33.3%以下でないと判断したとき(S3:N)、全体負荷調整率が66.7%以下であるか否かを判断する(S4)。制御部14は、全体負荷調整率が66.7%以下である場合(S4:Y)、第1セルスタック91及び第2セルスタック92を稼働させる2セル処理を実行させる(S8)。制御部14は、全体負荷稼働率が66.7%以下でないと判断したとき(S4:N)、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93を稼働させる3セル処理を実行させる(S5)。制御部14は、水素の製造を停止するとの指示を受けるまで、上記の処理を繰り返す(S6:N)。制御部14は、水素の製造を停止するとの指示を受けたとき(S6:Y)、水素製造システム10についての処理を終了する。
3-3.1セル処理
1セル処理(S7)について、図4~図6を参照して説明する。図5のS3において全体負荷調整率が33.3%以下であると判断されて1セル処理が実行されると、第1セルスタック91が稼働し、第2セルスタック92及び第3セルスタック93が稼働していない状態となる。制御部14は、全体負荷調整率が28%未満であるか否かを判断する(S9)。図4に示すように、全体負荷調整率が28%であるということは、第1セルスタック91に割り当てられた特定セル負荷調整率が84%であることを示す。第1セルスタック91の特定セル負荷調整率が84%であることは、第1セルスタック91が水素を製造する際、吸熱と発熱とがバランスした状態であることを示す。全体負荷調整率が28%未満であるということは、第1セルスタック91が吸熱状態で水素を製造する状態であることを示す。制御部14は、全体負荷調整率が28%未満であると判断したとき(S9:Y)、第1セルスタック91にON/OFF制御を実行させる(S11)。その後、制御部14はS1に戻り、終了の指示を受けるまでS1~S8の処理を繰り返す。
制御部14は、全体負荷調整率が28%未満ではないと判断したときには(S9:N)、第1セルスタック91に負荷調整制御を実行させる(S10)。これにより、第1セルスタック91が稼働しているすべてのときにON/OFF制御される場合に比べて、第1セルスタック91に供給される電力がON又はOFFされる回数を減らすことができる。これにより、第1セルの劣化を抑制することができる。その後、制御部14はS1に戻り、終了の指示を受けるまでS1~S8の処理を繰り返す。
本形態において、1セル処理が実行される場合、第1セルスタック91にON/OFF制御を実行させ、第2セルスタック92及び第3セルスタック93を稼働させない構成としたが、これに限られない。例えば、第1~第3セルスタック93の劣化度を検知し、比較的に劣化が進行していないセルスタックにON/OFF制御を実行させる構成としてもよい。
3-4.2セル処理
2セル処理(S8)について、図4、図5及び図7を参照して説明する。図5のS4において全体負荷調整率が66.7%以下であると判断されて2セル処理が実行されると、第1セルスタック91及び第2セルスタック92が稼働し、第3セルスタック93が稼働していない状態となる。制御部14は、全体負荷調整率が56%未満であるか否かを判断する(S12)。図4に示すように、全体負荷調整率が56%であるということは、特定セル負荷調整率の和が168%であることである。つまり、第1セルスタック91の特定セル負荷調整率と、第2セルスタック92の負荷調整率の双方が84%であるということである。つまり、第1セルスタック91及び第2セルスタック92が水素を製造する際、吸熱と発熱とがバランスした状態であることを示す。全体負荷調整率が56%未満であるということは、第1セルスタック91及び第2セルスタック92が吸熱状態で水素を製造する状態であることを示す。制御部14は、全体負荷調整率が56%未満であると判断したとき(S4:Y)、第1セルスタック91にON/OFF制御を実行させ(S16)、第2セルスタック92を全体負荷調整率28%で稼働させる(S17)。図4に示すように、全体負荷調整率が28%であるということは、第2セルの特定セル負荷調整率に換算すると84%となる。すなわち、第2セルは吸熱と発熱とがバランスした状態で水素を製造する状態になる。その後、制御部14はS1に戻り、終了の指示を受けるまでS1~S8の処理を繰り返す。
制御部14は、全体負荷調整率が56%未満でないと判断したとき(S12:N)、制御部14は、全体負荷調整率が61.3%未満であるか否かを判断する(S13)。図4に示すように、全体負荷調整率が61.3%であるということは、特定セル負荷調整率の和が184%であることである。つまり、第1セルスタック91の特定セル負荷調整率が100%であり、第2セルスタック92の負荷調整率の双方が84%であるということである。これは、第1セルスタック91は発熱状態で水素を製造することができる状態であり、且つ、第2セルスタック92が水素を製造する際には、吸熱と発熱とがバランスした状態であることを示す。全体負荷調整率が61.3%未満であるということは、第1セルスタック91は発熱状態で水素を製造する状態であり、第2セルスタック92が吸熱と発熱とがバランスした状態で水素を製造する状態であることを示す。制御部14は、全体負荷調整率が61.3%未満であると判断したとき(S13:Y)、第1セルスタック91に負荷調整制御を実行させる(S18)。これにより、第1セルスタック91が稼働しているすべてのときにON/OFF制御される場合に比べて、第1セルスタック91に供給される電力がON又はOFFされる回数を減らすことができる。これにより、第1セルの劣化を抑制することができる。制御部14は、第2セルスタック92を全体負荷調整率28%で稼働させる(S19)。全体負荷調整率が28%であるということは、第2セルの特定セル負荷調整率に換算すると84%となる。すなわち、第2セルは吸熱と発熱とがバランスした状態で水素を製造する状態になる。その後、制御部14はS1に戻り、終了の指示を受けるまでS1~S8の処理を繰り返す。
制御部14は、全体負荷調整率が61.3%未満でないと判断したとき(S13:N)、制御部14は、第1セルスタック91を全体負荷調整率33.3%で稼働させる(S14)。図4に示すように、全体負荷調整率33%は、特定セル負荷調整率に換算すると100%となる。つまり、第1セルスタック91は特定セル負荷調整率100%で水素を製造する。制御部14は、第2セルスタック92に負荷調整制御を実行させる(S15)。これにより、第2セルスタック92が稼働しているすべてのときにON/OFF制御される場合に比べて、第2セルスタック92に供給される電力がON又はOFFされる回数を減らすことができる。これにより、第2セルスタック92の劣化を抑制することができる。その後、制御部14はS1に戻り、終了の指示を受けるまでS1~S8の処理を繰り返す。
本形態においては、2セル処理において、第1セルスタック91がON/OFF制御される構成としたが、これに限られない。例えば、第2セルスタック92又は第3セルスタック93のように、1セル処理においてON/OFF制御が実行されなかったセルスタックがON/OFF制御されてもよい。また、第1~第3セルスタック93の劣化度を検知し、比較的に劣化が進行していないセルスタックにON/OFF制御を実行させる構成としてもよい。
3-5.3セル処理
3セル処理(S8)について、図4、図5及び図8を参照して説明する。図5のS4において全体負荷調整率が66.7%以下ではないと判断されて3セル処理が実行されると、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93が稼働する状態となる。制御部14は、全体負荷調整率が84%未満であるか否かを判断する(S20)。図4に示すように、全体負荷調整率が84%であるということは、特定セル負荷調整率の和が252%であることである。つまり、第1セルスタック91の特定セル負荷調整率、第2セルスタック92の特定セル負荷調整率、及び第3セルスタック93の特定セル負荷調整率が84%であるということである。つまり、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93が水素を製造する際、吸熱と発熱とがバランスした状態であることを示す。全体負荷調整率が84%未満であるということは、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93が吸熱状態で水素を製造する状態であることを示す。制御部14は、全体負荷調整率が84%未満であると判断したとき(S20:Y)、第1セルスタック91にON/OFF制御を実行させ(S26)、第2セルスタック92を全体負荷調整率28%で稼働させ(S27)、第3セルスタック93を全体負荷調整率28%で稼働させる(S28)。全体負荷調整率が28%であるということは、第2セルスタック92の特定セル負荷調整率及び第3セルスタック93の特定セル負荷調整率に換算すると84%となる。すなわち、第2セルスタック92及び第3セルスタック93は吸熱と発熱とがバランスした状態で水素を製造する状態になる。その後、制御部14はS1に戻り、終了の指示を受けるまでS1~S8の処理を繰り返す。
制御部14は、全体負荷調整率が84%未満でないと判断したとき(S20:N)、制御部14は、全体負荷調整率が89.3%未満であるか否かを判断する(S21)。図4に示すように、全体負荷調整率が89.3%であるということは、特定セル負荷調整率の和が268%であることである。つまり、第1セルスタック91の特定セル負荷調整率が100%であり、第2セルスタック92の負荷調整率及び第3セルスタック93の負荷調整率の双方が84%であるということである。これは、第1セルスタック91は発熱状態で水素を製造することができる状態であり、且つ、第2セルスタック92及び第3セルスタック93が水素を製造する際には、吸熱と発熱とがバランスした状態であることを示す。全体負荷調整率が89.3%未満であるということは、第1セルスタック91は発熱状態で水素を製造する状態であり、第2セルスタック92及び第3セルスタック93が吸熱と発熱とがバランスした状態で水素を製造する状態であることを示す。制御部14は、全体負荷調整率が89.3%未満であると判断したとき(S21:Y)、第1セルスタック91に負荷調整制御を実行させる(S29)。これにより、第1セルスタック91が稼働しているすべてのときにON/OFF制御される場合に比べて、第1セルスタック91に供給される電力がON又はOFFされる回数を減らすことができる。これにより、第1セルの劣化を抑制することができる。制御部14は、第2セルスタック92を全体負荷調整率28%で稼働させ(S27)、第3セルスタック93を全体負荷調整率28%で稼働させる(S28)。全体負荷調整率が28%であるということは、第2セルスタック92の特定セル負荷調整率及び第3セルスタック93の特定セル負荷調整率に換算すると84%となる。すなわち、第2セルスタック92及び第3セルスタック93は吸熱と発熱とがバランスした状態で水素を製造する状態になる。その後、制御部14はS1に戻り、終了の指示を受けるまでS1~S8の処理を繰り返す。
制御部14は、全体負荷調整率が89.3%未満でないと判断したとき(S21:N)、制御部14は、全体負荷調整率が94.7%未満であるか否かを判断する(S22)。図4に示すように、全体負荷調整率が94.7%であるということは、特定セル負荷調整率の和が284%であることである。つまり、第1セルスタック91の特定セル負荷調整率及び第2セルスタック92の特定セル負荷調整率が100%であり、第3セルスタック93の負荷調整率が84%であるということである。これは、第1セルスタック91及び第2セルスタック92は発熱状態で水素を製造することができる状態であり、且つ、第3セルスタック93が水素を製造する際には、吸熱と発熱とがバランスした状態であることを示す。全体負荷調整率が94.7%で未満あるということは、第1セルスタック91及び第2セルスタック92は発熱状態で水素を製造する状態であり、第3セルスタック93が吸熱と発熱とがバランスした状態で水素を製造する状態であることを示す。制御部14は、全体負荷調整率が94.7%未満であると判断したとき(S22:Y)、第1セルスタック91を全体負荷調整率33.3%で稼働させる(S32)。図4に示す世に、全体負荷調整率が33.3%であるということは、第1セルの特定セル負荷調整率に換算すると、100%となる。つまり、第1セルスタック91は特定セル負荷調整率100%で水素を製造する。制御部14は、第2セルスタック92に負荷調整制御を実行させる(S33)。これにより、第2セルスタック92が稼働状態にあるときに常にON/OFF制御される場合に比べて、第2セルスタック92に供給される電力がON又はOFFされる回数を減らすことができる。これにより、第2セルスタック92の劣化を抑制することができる。制御部14は、第3セルスタック93を全体負荷調整率28%で稼働させる(S34)。全体負荷調整率が28%であるということは、第3セルスタック93の特定セル負荷調整率に換算すると84%となる。すなわち、第3セルスタック93は吸熱と発熱とがバランスした状態で水素を製造する状態になる。その後、制御部14はS1に戻り、終了の指示を受けるまでS1~S8の処理を繰り返す。
制御部14は、全体負荷調整率が94.7%未満でないと判断したとき(S22:N)、第1セルスタック91を全体負荷調整率33.3%で稼働させ(S23)、第2セルスタック92を全体負荷調整率33.3%で稼働させる(S24)。図4に示すように、全体負荷調整率33.3%は、特定セル負荷調整率に換算すると100%となる。つまり、第1セルスタック91及び第2セルスタック92は特定セル負荷調整率100%で水素を製造する。制御部14は、第3セルスタック93に負荷調整制御を実行させる(S25)。これにより、第3セルスタック93が稼働状態にあるときに常にON/OFF制御される場合に比べて、第3セルスタック93に供給される電力がON又はOFFされる回数を減らすことができる。これにより、第3セルスタック93の劣化を抑制することができる。その後、制御部14はS1に戻り、終了の指示を受けるまでS1~S8の処理を繰り返す。以上により、水素製造システム10についての処理が終了する。
本形態においては、3セル処理において、第1セルスタック91がON/OFF制御される構成としたが、これに限られない。例えば、第2セルスタック92又は第3セルスタック93のように、1セル処理及び2セル処理においてON/OFF制御が実行されなかったセルスタックがON/OFF制御されてもよい。また、第1~第3セルスタック93の劣化度を検知し、比較的に劣化が進行していないセルスタックにON/OFF制御を実行させる構成としてもよい。
また、例えば、1セル処理においては第1セルスタック91がON/OFF制御され、2セル処理においては第2セルスタック92がON/OFF制御され、3セル処理においては第3セルスタック93がON/OFF制御される構成としてもよい。これにより、第1~第3セルスタック91,92,93に対してON/OFF制御される回数を平均化にすることができるので、第1~第3セルスタック91,92,93の劣化を平均化することができる。
図9には、全体負荷調整率の値がどのような範囲にあるときに、制御部14が負荷調整制御を実行させるかについて、模式的に示す。図9において、縦軸は全体負荷調整率を示す。横軸は、セルスタックの稼働台数を示す。以下において、カッコ内のS10、S11等は、図5~図8に示した各処理に対応する。
全体負荷調整率が0~33.3%のときは、第1セルスタック91が1台だけ稼働している状態になる。制御部14は、全体負荷調整率が0~28%のとき、第1セルスタック91にON/OFF制御を実行させ(S11)、全体負荷調整率が28~33.3%のとき、第1セルスタック91に負荷調整制御を実行させる(S10)。
全体負荷調整率が33.3~66.7%のときは、第1セルスタック91及び第2セルスタック92の2台が稼働している状態になる。制御部14は、全体負荷調整率が33.3~56%のとき、第1セルスタック91にON/OFF制御を実行させ(S16)、全体負荷調整率が56~66.7%のとき、第1セルスタック91に負荷調整制御させるか(S18)、又は第2セルスタック92に負荷調整制御させる(S15)。
全体負荷調整率が66.7~100%のときは、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93の3台が稼働している状態になる。制御部14は、全体負荷調整率が66.7~84%のとき、第1セルスタック91にON/OFF制御を実行させ(S26)、全体負荷調整率が84~100%のとき、第1セルスタック91に負荷調整制御させるか(S29)、第2セルスタック92に負荷調整制御させるか(S33)、又は第3セルスタック93に負荷調整制御させる(S25)。
上記のように、全体負荷調整率が、28~33.3%の範囲、56~66.7%の範囲、又は84~100%の範囲のとき、制御部14が、第1セルスタック91、第2セルスタック92又は第3セルスタック93に負荷調整制御を実行させることにより、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93に供給される電力がON又はOFFされる回数を減らすことができるので、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93の劣化を抑制することができる。
4.水素製造システムの制御の一態様
本形態の水素製造システムの制御の一態様を、図10を参照して説明する。図10において、左側の縦軸は全体負荷調整率を示し、右側の縦軸は、第1~第3セルスタック91,92,93に印加される電圧を示す。グラフの横軸は、第1~第3セルスタック91,92,93が水素を生成する際の反応時間を示す。図10のグラフにおいて、実線は、第1~第3セルスタック91,92,93のいずれかに印加される電圧を示す。破線は、第1~第3セルスタック91,92,93の全体に対して要求される水素製造量に基づく全体負荷調整率を示す。
本形態においては、全体負荷調整率は、反応時間に対して段階的に変化する態様になっている。ただし、全体負荷調整率は、反応時間に対して連続的に変化する態様であってもよい。
図10においては、反応時間について領域A~Iに区画されており、各領域A~Iにおいて、第1~第3セルスタック91,92,93全体に要求される水素製造量が設定されている。各領域A~Iにおいては、制御部14によって上記したS1~S34の処理が実行される。以下、各領域において、第1~第3セルスタック91,92,93に対してどのような制御が実行されるかについて説明する。
領域Aにおいては、全体負荷調整率が28%~33.3%の間の値とされる。制御部14は、1セル処理を実行させる(S7)。制御部14は、第1セルスタック91にON/OFF制御を実行させる(S11)。
領域Bにおいては、全体負荷調整率が84%~100%の間の値とされる。制御部14は、3セル処理を実行させる(S5)。制御部14は、第1セルスタックに負荷調整制御を実行させるか(S29)、第2セルスタック92に負荷調整制御を実行させるか(S33)又は第3セルスタックに負荷調整制御を実行させる(S25)。
領域Cにおいては、全体負荷調整率は100%とされる。制御部14は、3セル処理を実行させる(S5)。制御部14は、第1セルスタック91及び第2セルスタック92を全体負荷調整率33.3%でONさせる(S23,S24)。また、制御部14は、第3セルスタック93に負荷調整制御を実行させ、全体負荷調整率33.3%で稼働させる(S25)。
領域Dにおいては、全体負荷調整率は66.7%~84%の間の値とされる。制御部14は、3セル処理を実行させる(S5)。制御部14は、第1セルスタックにON/OFF制御を実行させ(S26)、第2セルスタック92及び第3セルスタック93を全体負荷調整率28%でONさせる(S27,S28)。
領域Eにおいては、全体負荷調整率は56%~66.7%の間とされる。制御部14は2セル処理を実行させる(S18)。制御部14は、第1セルスタック91に負荷調整制御させるか(S18)又は第2セルスタック92に負荷調整制御させる(S15)。
領域Fにおいては、全体負荷調整率は0%~28%の間の値とされる。制御部14は、1セル処理を実行させる(S7)。制御部14は、第1セルスタック91にON/OFF制御を実行させる(S11)。
領域Gにおいては、全体負荷調整率は33.3%~56%の間の値とされる。制御部14は、2セル処理を実行させる(S8)。制御部14は、第1セルスタック91にON/OFF制御を実行させ(S16)、第2セルスタック92を全体負荷調整率28%でONさせる(S17)。
領域Hにおいては、全体負荷調整率は84%~100%の間の値とされる。制御部14は、3セル処理を実行させる(S5)。制御部14は、第1セルスタックに負荷調整制御を実行させるか(S29)、第2セルスタック92に負荷調整制御を実行させるか(S33)又は第3セルスタック93に負荷調整制御を実行させる(S25)。
領域Iにおいては、全体負荷調整率は56%~66.7%の間の値とされる。制御部14は、2セル処理を実行させる(S8)。制御部14は、第1セルスタック91を負荷調整制御させるか(S18)又は第2セルスタック92を負荷調整制御させる(S15)。
5.効果
続いて、本形態の作用効果について説明する。本形態の水素製造システム10は、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93の3台のセルスタックを備えている。本形態では、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93のすべてが特定セルスタックとされている。これにより、制御部14は、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93の全体に要求される水素の製造量に基づいて、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93に供給される電力について電圧又は電流を調整する負荷調整制御と、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93に供給される電力をON又はOFFさせるON/OFF制御と、を選択的に実行させるようになっている。
第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93のいずれかが負荷調整制御されているときには、負荷調整制御されたセルスタックは電力を繰り返しON/OFFされていないので、負荷調整制御されたセルスタックの劣化が抑制される。このため、水素を製造する全期間中にパルス幅制御が行われる場合に比べて、負荷調整制御されたセルスタックの耐久性が向上する。このように少なくとも負荷調整制御されたセルスタックの耐久性が向上することによって、すべてのセルスタックがパルス幅制御される場合に比べて、全体として水素製造システム10の耐久性を向上させることができる。
本形態では、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93のすべてが特定セルスタックとされたが、これに限られない。例えば、第1セルスタック91のみが特定セルスタックとされてもよい。この場合、少なくとも第1セルスタック91が負荷調整制御されることにより、第1セルスタック91の耐久性を向上させることができる。このように、複数のセルスタックを備えた水素製造システム10において、複数のセルスタックの1つ又は2つ以上が特定セルスタックとされて、制御部14により負荷調整制御される構成としてもよい。
また、本形態では、ON/OFF制御において、電力がONされたとき、第1セルスタック91、第2セルスタック92又は第3セルスタック93に加えられる電圧又は電流は、吸熱と発熱とがバランスした状態で第1セルスタック91、第2セルスタック92又は第3セルスタック93が水素を製造可能な値に設定されている。
吸熱と発熱とがバランスした状態では、第1セルスタック91、第2セルスタック92又は第3セルスタック93は発熱も吸熱もせずに水素を製造することができる。このため、第1セルスタック91、第2セルスタック92又は第3セルスタック93がON状態になったとしても、第1セルスタック91、第2セルスタック92又は第3セルスタック93の温度変化が小さくなるので、第1セルスタック91、第2セルスタック92又は第3セルスタック93の耐久性を向上させることができる。
吸熱と発熱とがバランスした状態で水素が製造可能な電圧又は電流は、例えば、水素製造システム10が有するセルスタックの種類、大きさ、形状、電気抵抗値、個数等により変化しうる。本形態では、特定セル負荷調整率84%に対応する電圧又は電流が、第1セルスタック91、第2セルスタック92又は第3セルスタック93に印加される構成としたが、84%という数値も変化しうるし、また、84%に対応する電圧又は電流も変化しうる。
本形態では、特定セルスタックに要求される水素製造量の、特定セルスタックの水素製造能力の最大値に対する百分率を、特定セル負荷調整率と定義した場合に、負荷調整率については、吸熱と発熱とがバランスした状態で特定セルスタックが水素を製造可能な特定セル負荷調整率の値が、バランスしきい値として設定されており、
特定セルスタックは、特定セル負荷調整率につき、
0% ≦ 特定セル負荷調整率 < バランスしきい値 のときにはON/OFF制御され、
バランスしきい値 ≦ 特定セル負荷調整率 ≦ 100% のときには負荷調整制御される。
特定セル負荷調整率の定義から、バランスしきい値よりも負荷調整率が大きいことは、特定セルスタックに要求される水素製造量が、吸熱と発熱がバランスする熱中立点よりも水素製造量が多いことを意味する。そうすると、特定セル負荷調整率につき、バランスしきい値 ≦ 特定セル負荷調整率 ≦ 100% のときには、特定セルスタックは発熱領域で稼働する。このように、発熱反応の領域で稼働する特定セルスタックが負荷調整制御されることにより、特定セルスタックに投入するエネルギーを少なくすることができる。この結果、セルスタックが吸熱反応の領域で負荷調整制御される場合に比べて、水素の製造効率を向上させることができる。
また、ON/OFF制御は、0% ≦ 特定セル負荷調整率 < バランスしきい値のときに実行され、それ以外のときは実行されないので、特定セルスタックがON又はOFFされる回数を少なくすることができる。これにより、特定セルスタックの耐久性を向上させることができる。
また、本形態では、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93は、電解質20として、アノード18、カソード19、及びアノード18とカソード19との間に配された固体酸化物電解質を有する。
固体酸化物電解質を有する固体酸化物形水電解装置(SOEC)は、水素製造量の急激な変化に追従することが比較的に難しい。このような固体酸化物形水電解装置に本態様を適用することにより、第1セルスタック91、第2セルスタック92又は第3セルスタック93がON/OFF制御された場合に、水素製造量の急激な変化に容易に追従することができる。これにより、すべてのセルスタックが負荷調整制御される場合に比べて、水素製造システム10の負荷追従性を向上させることができる。
以上より、本形態によれば、水素製造システム10の耐久性を向上させることができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2について、図11~図12を参照して説明する。図11に示すように、本形態の水素製造システム30は、第1セルスタック91、第2セルスタック92、第3セルスタック93、第4セルスタック94及び第5セルスタック95の5台のセルスタックを備える。第1セルスタック91、第2セルスタック92、第3セルスタック93、第4セルスタック94及び第5セルスタック95は同一の構成を有する。上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図12には、全体負荷調整率の値がどのような範囲にあるときに、制御部14が負荷調整制御を実行させるかについて、模式的に示す。
本形態においては、本形態の水素製造システム10は5つの同一なセルスタック91,92,93,94,95を備えるので、本形態に係る特定セル負荷調整率の値を5で除することにより、全体負荷調整率に換算することができる。したがって、吸熱と発熱とがバランスするバランスしきい値として、84%の特定セル負荷調整率に対応する全体負荷調整率は、16.8%となる。また、特定セル負荷調整率100%に対応する全体負荷調整率の値は20%となる。
全体負荷調整率が0~20%のときは、第1セルスタック91が1台だけ稼働している状態になる。制御部14は、全体負荷調整率が0~16.8%のとき、第1セルスタック91にON/OFF制御を実行させ、全体負荷調整率が16.8~20%のとき、第1セルスタック91に負荷調整制御を実行させる。
全体負荷調整率が20~40%の時は、第1セルスタック91及び第2セルスタック92の2台が稼働している状態になる。このとき、16.8%の2倍である33.6%のとき、第1セルスタック91及び第2セルスタック92は、吸熱と発熱とがバランスした状態で水素を製造する。このため、制御部14は、全体負荷調整率が33.6~40%のとき、第1セルスタック91又は第2セルスタック92を負荷調整制御する。
以下、同様に、全体負荷調整率が20%の倍数となるごとに、本形態のセルスタック91,92,93,94,95の稼働台数が増加する。また、全体負荷調整率が、16.8%の倍数と、20%の倍数との間の領域において、複数のセルスタック91,92,93,94,95のいずれかが、制御部14によって負荷調整制御される。図12には、制御部14によって負荷調整制御される範囲を符号Pで示す。
このように、水素制御システムが任意の個数のセルスタックを備える場合に、本態様を適用することができる。また、セルスタックの台数が増加するほど、負荷調整制御範囲が拡大するので、高い効率で水素を製造することできる。また、ON/OFF回数をより少なくすることができるので、セルスタックの劣化をより抑制できる。
(実施形態3)
次に、実施形態3について、図13~図14を参照して説明する。図13に示すように、本形態の水素製造システム40は、第1~第10セルスタック91,92,93,94,95,96,97,98,99,100の10台のセルスタックを備える。第1~第10セルスタック91,92,93,94,95,96,97,98,99,100は同一の構成を有する。上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図14には、全体負荷調整率の値がどのような範囲にあるときに、制御部14が負荷調整制御を実行させるかについて、模式的に示す。
本形態においては、本形態の水素製造システム10は10個の同一なセルスタック91,92,93,94,95,96,97,98,99,100を備えるので、本形態に係る特定セル負荷調整率の値を10で除することにより、全体負荷調整率に換算することができる。したがって、吸熱と発熱とがバランスするバランスしきい値として、84%の特定セル負荷調整率に対応する全体負荷調整率は、8.4%となる。また、特定セル負荷調整率100%に対応する全体負荷調整率の値は10%となる。
全体負荷調整率が0~10%のときは、第1セルスタック91が1台だけ稼働している状態になる。制御部14は、全体負荷調整率が0~8,4%のとき、第1セルスタック91にON/OFF制御を実行させ、全体負荷調整率が8.4~10%のとき、第1セルスタック91に負荷調整制御を実行させる。
全体負荷調整率が10~20%の時は、第1セルスタック91及び第2セルスタック92の2台が稼働している状態になる。このとき、8.4%の2倍である16.8%のとき、第1セルスタック91及び第2セルスタック92は、吸熱と発熱とがバランスした状態で水素を製造する。このため、制御部14は、全体負荷調整率が16.8~20%のとき、第1セルスタック91又は第2セルスタック92を負荷調整制御する。
以下、同様に、全体負荷調整率が10%の倍数となるごとに、セルスタック91,92,93,94,95,96,97,98,99,100の稼働台数が増加する。また、全体負荷調整率が、8.4%の倍数と、10%の倍数との間の領域において、複数のセルスタック91,92,93,94,95,96,97,98,99,100のいずれかが、制御部14によって負荷調整制御される。図14において、制御部14によって負荷調整制御される範囲を符号Qで示す。
このように、水素制御システムが任意の個数のセルスタックを備える場合に、本態様を適用することができる。また、セルスタックの台数が増加するほど、負荷調整制御範囲が拡大するので、高い効率で水素を製造することできる。また、ON/OFF回数をより少なくすることができるので、セルスタックの劣化をより抑制できる。
(実施形態4)
続いて、実施形態4について図15を参照して説明する。本形態においては、特定セル負荷調整率につき、
0% ≦ 特定セル負荷調整率 < 50% のときにはON/OFF制御され
50% ≦ 特定セル負荷調整率 ≦ 100% のときには負荷調整制御される。
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図15には、全体負荷調整率の値がどのような範囲にあるときに、制御部14が負荷調整制御を実行させるかについて、模式的に示す。
本形態においては、本形態の水素製造システム50は3つの同一なセルスタック91,92,93を備えるので、本形態に係る特定セル負荷調整率の値を3で除することにより、全体負荷調整率に換算することができる。したがって、50%の特定セル負荷調整率に対応する全体負荷調整率は、16.7%となる。また、特定セル負荷調整率100%に対応する全体負荷調整率の値は33.3%となる。
全体負荷調整率が0~33.3%のときは、第1セルスタック91が1台だけ稼働している状態になる。制御部14は、全体負荷調整率が0~16.7%のとき、第1セルスタック91にON/OFF制御を実行させ、全体負荷調整率が16.7~33.3%のとき、第1セルスタック91に負荷調整制御を実行させる。
全体負荷調整率が33.3~66.7%のときは、第1セルスタック91及び第2セルスタック92の2台が稼働している状態になる。第1セルスタック91の特定セル負荷調整率が50%とされ、第2セルスタック92の特定セル負荷調整率が50%とされたとき、第1特定セルスタックの特定セル負荷調整率と第2セルスタック92の特定セルスタック負荷調整率との和は100%となる。特定セル負荷調整率100%を、セルスタックの個数3で除した33.3%が、対応する全体負荷調整率の値となる。つまり、本形態においては、全体負荷調整率が33.3~66.7%のとき、制御部14は、第1セルスタック91及び第2セルスタック92の双方に負荷調整制御を実行させる。
全体負荷調整率が66.7~100%のときは、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93の3台が稼働している状態になる。第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93の特定セル負荷調整率が50%とされたとき、第1セルスタック91の特定セル負荷調整率、第2セルスタック92の特定セル負荷調整率及び第3セルスタック93の特定セル負荷調整率の和は、150%となる。特定セル負荷調整率150%の値を、セルスタックの個数3で除した50%が、対応する全体負荷調整率の値となる。66.7%は50%よりも大きいので、本形態では、全体負荷調整率が66.7~100%のときは、制御部14は、第1セルスタック91、第2セルスタック92及び第3セルスタック93に負荷調整制御を実行させる。
図15において、制御部14によってON/OFF制御が実行される範囲を符号Rで示し、負荷調整制御が実行される範囲を符号Sで示す。
上記したように、水素製造システム50に係るセルスタックの熱中立点は、セルスタックの種類、反応温度等により変化しうるが、多くの場合、50% ≦ 特定セル負荷調整率 ≦ 100% の範囲内に熱中立点が存在する。このため、熱中立点の近傍において負荷調整制御を行うことにより、特定セルスタックに投入するエネルギーを少なくすることができるので、効率よく水素を製造することができる。
また、0% ≦ 特定セル負荷調整率 < 50% のときON/OFF制御が実行されるので、特定セルスタックがON又はOFFされる回数を少なくすることができる。これにより、特定セルスタックの耐久性を向上させることができる。本形態においては、2台以上のセルスタックが稼働する状態では、稼働するセルスタックのすべてが、負荷調整制御されるようになっている。これにより、水素製造システム10の耐久性を向上させることができる。
(実施形態5)
続いて、実施形態5の水素製造システム60について図16を参照して説明する。本形態の水素製造システム10は、電解モジュール61を備える。電解モジュール61は、第1~第4セルスタック94を備える。第1~第4セルスタック94は、例えば、図示しない1つのベース部材に配置されたり、又は図示しない1つの筐体内に配置されたりしており、ひとまとまりの電解モジュール61として機能するように構成されている。電解モジュール61に含まれるセルスタックの個数は、1つ又は2つ以上であってもよく、特に限定されない。
本形態の電解モジュール61においては、第1~第4セルスタック94は特定セルスタックとされている。これにより、第1~第4セルスタック94のそれぞれは、制御部14によって、負荷調整制御と、ON/OFF制御とが、選択的に実行される。
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
電解モジュール61に含まれる複数のセルスタック91,92,93,94のそれぞれに対して、負荷調整制御とON/OFF制御とが選択的に実行されることにより、複数のセルスタック91,92,93,94のそれぞれについて発熱量と吸熱量を適切にコントロールできる。これにより、個々のセルスタック91,92,93,94に対して効率よく熱マネジメントを行うことができるので、これらのセルスタック91,92,93,94を含む電解モジュール61について、電解モジュール61単位での熱マネジメントを効率的に行うことができる。この結果、複数のセルスタック91,92,93,94に対して個別に熱マネジメントを行う場合に比べて、電解モジュール61にエネルギーを投入するための設備や、電解モジュール61から放熱させるための設備を簡略化することができるので、水素製造システム60のイニシャルコストを低減させることができる。
(実施形態6)
次に、実施形態6の水素製造システム70について図17を参照して説明する。本形態の水素製造システム10は、複数の電解モジュール71,72,73,74を備える。本形態では、水素製造システム10は第1~第4電解モジュール71,72,73,74の4つの電解モジュールを備える。電解モジュール71,72,73,74の個数は、2つ、3つ又は5以上であってもよく、特に限定されない。電解モジュール71,72,73,74に含まれるセルスタックの個数は、1つ又は2つ以上であってもよく、特に限定されない。本形態においては、電解モジュール71,72,73,74は、それぞれ、第1~第4セルスタック91、92,93,94の4つのセルスタックを備える。
本形態では、電源15と、4つの電解モジュール71,72,73,74とは並列接続されている。電源15と、各電解モジュール71,72,73,74との間には、スイッチング素子16と、可変抵抗器17とが直列に接続されている。スイッチング素子16と、可変抵抗器17との接続順序は特に限定されない。制御部14は、スイッチング素子16をON又はOFFさせる。また、制御部14は、可変抵抗器17の電気抵抗値を変化させる。これにより、制御部14は、4つの電解モジュール71,72,73,74に供給される電力について電圧又は電流を変化させる。
制御部14は、第1~第4電解モジュール71,72,73,74のそれぞれに対して、第1~第4電解モジュール71,72,73,74の全体に要求される水素の製造量に基づいて、第1~第4電解モジュール71,72,73,74に供給される電力について電圧又は電流を制御するモジュール負荷調整制御と、第1~第4電解モジュール71,72,73,74のそれぞれに供給される電力をON又はOFFさせるモジュールON/OFF制御と、を選択的に実行させるようになっている。
第1~第4電解モジュール71,72,73,74のそれぞれに対して個別に、モジュール負荷調整制御と、モジュールON/OFF制御とを実行させることにより、第1~第4電解モジュール71,72,73,74に含まれるセルスタックの耐久性を向上させることができるので、全体として水素製造システム70の耐久性を向上させることができる。
また、第1~第4電解モジュール71,72,73,74は、それぞれ、第1~第4セルスタック91,92,93,94を備えている。このため、本形態の水素製造システム70は、合計16個のセルスタックを備える。16個のセルスタックのそれぞれに対して負荷調整制御又はON/OFF制御を実行させる場合に比べて、4つの電解モジュール71,72,73,74ごとにモジュール負荷調整制御又はモジュールON/OFF制御を実行させる方が簡便である。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
(1)水素製造システムは、実施形態5に記載された電解モジュール61と、実施形態6に記載された複数の電解モジュール71,72,73,74と、を備える構成としてもよい。すなわち、電解モジュール61に含まれる複数のセルスタックが個別に制御される電解モジュール61と、複数の電解モジュール71,72,73,74が個別に制御される電解モジュール71,72,73,74と、が1つの水素製造システムに混在してもよい。
(2)実施形態6において、水素製造システム70が複数の電解モジュール71,72,73,74を備え、各電解モジュール71,72,73,74が複数のセルスタック91,92,93,94を備える場合において、複数のセルスタック91,92,93,94が個別に、制御部14によって、負荷調整制御と、ON/OFF制御とを選択的に実行される構成としてもよい。
10 水素製造システム、14 制御部、91 第1セルスタック、92 第2セルスタック、93 第3セルスタック

Claims (7)

  1. 供給される電力によって水を電気分解させて水素を製造する複数のセルスタック(91,92,93)と、
    該複数のセルスタックの少なくとも一つの特定セルスタックを制御する制御部(14)であって、上記複数のセルスタックの全体に要求される上記水素の製造量に基づいて、上記特定セルスタックに供給される上記電力について電圧又は電流を調整する負荷調整制御と、上記特定セルスタックに供給される上記電力をON又はOFFさせるON/OFF制御と、を選択的に実行させる上記制御部と、
    を備えた水素製造システム(10)。
  2. 上記ON/OFF制御において、上記電力がONされたとき、上記特定セルスタックに加えられる上記電圧又は上記電流は、吸熱と発熱とがバランスした状態で上記特定セルスタックが上記水素を製造可能な値に設定されている、請求項1に記載の水素製造システム。
  3. 上記特定セルスタックに要求される水素製造量の、上記特定セルスタックの水素製造能力の最大値に対する百分率を、特定セル負荷調整率と定義した場合に、
    上記特定セルスタックは、上記特定セル負荷調整率につき、
    0% ≦ 特定セル負荷調整率 < 50% のときにはON/OFF制御され
    50% ≦ 特定セル負荷調整率 ≦ 100% のときには負荷調整制御される、請求項1又は2に記載の水素製造システム。
  4. 上記特定セルスタックに要求される水素製造量の、上記特定セルスタックの水素製造能力の最大値に対する百分率を、特定セル負荷調整率と定義した場合に、
    上記特定セル負荷調整率については、吸熱と発熱とがバランスした状態で上記特定セルスタックが上記水素を製造可能な上記特定セル負荷調整率の値が、バランスしきい値として設定されており、
    上記特定セルスタックは、上記特定セル負荷調整率につき、
    0% ≦ 特定セル負荷調整率 < バランスしきい値 のときにはON/OFF制御され、
    バランスしきい値 ≦ 特定セル負荷調整率 ≦ 100% のときには負荷調整制御される、請求項2に記載の水素製造システム。
  5. 上記複数のセルスタックは、アノード(18)、カソード(19)、及び上記アノードと上記カソードとの間に配された固体酸化物電解質(20)を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の水素製造システム。
  6. 上記複数のセルスタックを有する電解モジュール(61)を備え、該電解モジュールに含まれる上記複数のセルスタックのすべてが上記特定セルスタックとされ、
    上記複数のセルスタックのそれぞれに対して、上記制御部によって、上記負荷調整制御と、上記ON/OFF制御と、が選択的に実行される、請求項1~5のいずれか一項に記載の水素製造システム。
  7. 上記複数のセルスタックを有する電解モジュール(71,72,73,74)を複数備え、
    上記制御部は、複数の上記電解モジュールのそれぞれに対して、上記複数の電解モジュールの全体に要求される上記水素の製造量に基づいて、上記複数の電解モジュールに供給される上記電力について上記電圧又は上記電流を調整するモジュール負荷調整制御と、上記複数の電解モジュールのそれぞれに供給される上記電力をON又はOFFさせるモジュールON/OFF制御と、を選択的に実行させる、請求項1~5のいずれか一項に記載の水素製造システム。
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