JP2023141126A - 液体吐出装置、液体吐出システム及び液体吐出装置の洗浄方法。 - Google Patents

液体吐出装置、液体吐出システム及び液体吐出装置の洗浄方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】液体吐出ヘッドのノズル開口面の清掃性を高めることができる液体吐出装置を提供する。【解決手段】液体を吐出する液体吐出ノズルと、複数の液体吐出ノズルを保持するハウジングと、ハウジングを支持する支持部と、を備え、ハウジングは、複数の液体吐出ノズルの開口部により構成されるノズル列が複数配列された開口配列面を有し、支持部は、開口配列面の洗浄を行うときの固定姿勢としての洗浄姿勢でハウジングを固定し、開口部は、洗浄姿勢で固定されたときのハウジングの重力方向における位置関係が、開口配列面において、重なり合わないように形成されている、液体吐出装置による。【選択図】図1

Description

本発明は、液体吐出装置、液体吐出システム及び液体吐出装置の洗浄方法に関する。
媒体に液体を吐出する液体吐出装置が知られている。液体吐出装置は、液体吐出口(ノズル)から液体を吐出する液体吐出ヘッドを備える。液体吐出ヘッドが、液体を吐出したときに、ノズルやノズル周辺部分に液体の一部(残液)が付着することがある。この残液を放置したままにすると、ノズル部分の液体が乾燥によって増粘し、より乾燥が進むと固化し、それらの影響によって、次に液体を吐出するときの吐出性能に影響を及ぼすことになる。液体吐出装置の吐出性能を維持するために、液体吐出ヘッドを定期的に清掃して残液を取り除く洗浄処理を行う洗浄装置も知られている。
液体の吐出特性の低下を防止するための清掃処理を行う構成として、ノズル開口面が傾斜して設置された状態での清掃に対して、ワイピングでノズル開口面を払拭する第一清掃部と、傾斜状態のノズル開口面の下端を払拭可能な第二清掃部と、を有する構成が開示されている(特許文献1を参照)。
特許文献1に開示されている構成のように、ノズル開口面を清掃時に傾斜させた場合、残液を含んだ洗浄液がノズル開口面を伝って重力方向に流れる状態になる。この残液の流れによってノズル開口面が二次的に汚れるという課題がある。
本発明は、液体吐出ヘッドのノズル開口面の清掃性を高めることができる液体吐出装置等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、液体吐出装置に関するものであって、液体を吐出する液体吐出ノズルと、複数の前記液体吐出ノズルを保持するハウジングと、前記ハウジングを支持する支持部と、を備え、前記ハウジングは、複数の前記液体吐出ノズルの開口部により構成されるノズル列が複数配列された開口配列面を有し、前記支持部は、前記開口配列面の洗浄を行うときの固定姿勢としての洗浄姿勢で前記ハウジングを固定し、前記開口部は、前記洗浄姿勢で固定されたときの前記ハウジングの重力方向における位置関係が、前記開口配列面において、重なり合わないように形成されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、液体吐出ヘッドのノズル開口面の清掃性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る液体吐出システム及び液体吐出装置の斜視図。 本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドの(a)斜視図、(b)一部断面図。 本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドの詳細斜視図。 本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドの全体断面図。 上記液体吐出ヘッドの動作原理を説明する図。 上記液体吐出ヘッドの動作原理を説明する図。 上記液体吐出ヘッドにおけるノズル開口部周辺の汚れの例を示す図。 上記液体吐出ヘッドにおけるノズル開口部周辺の汚れの別例を示す図。 上記液体吐出ヘッドにおけるノズル開口部周辺の汚れの別例を示す図。 本発明の一実施形態に係る清掃装置の例を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る清掃装置の内部構成を示す図。 本発明の一実施形態に係る清掃装置の動作を示す図。 本発明の一実施形態に係る清掃装置の動作を示す図。 本発明の一実施形態に係る清掃装置が備えるエア供給構成図。 本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドの洗浄時の固定状態を説明する図。 上記液体吐出ヘッドの洗浄時に生ずる二次汚れを説明する図。 本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列の例を示す図。 本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列により得られる効果を説明する図。 本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列の別例を示す図。 本発明の一実施形態に係る清掃装置の別例を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列により得られる効果を説明する図。 上記液体吐出ヘッドの正常時に生ずる二次汚れの滞留位置を説明する図。 上記液体吐出ヘッドの正常時に生ずる二次汚れの滞留位置を説明する図。
以下、本発明に係る液体吐出装置及び液体吐出装置の清掃装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る液体吐出システムの実施形態の全体像を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態に係る液体吐出システム1は、インクジェットヘッド100と、ヘッド搬送ロボット190と、清掃ステーション200と、を備える。
なお、以下の説明において、各構成の向きの説明に「方向」という語を用いることがあるが、その方向の定義について説明する。図1に示すように、水平面を構成する直交する二つの軸(X軸とY軸)、及び、これらのいずれにも直交するZ軸を想定する。この場合、インクジェットヘッド100に対するY軸の方向(Y方向)に、媒体2が位置しているので、インクジェットヘッド100が液体インクを吐出する方向は、Y方向に相当する。また、インクジェットヘッド100を支持するヘッド搬送ロボット190を基準にすると、X軸の方向(X方向)に清掃ステーション200が配置されている。したがって、後述するように、インクジェットヘッド100を洗浄するときに、インクジェットヘッド100の向きはX方向に相当することになる。また、液体吐出システム1をX-Y平面に設置したときの高さ方向がZ軸の方向(Z方向)になる。図1の各矢印の向きを正方向とすると、重力方向は-Z方向に相当する。
[液体吐出システムの実施形態の概要]
液体吐出システム1は、媒体2に対して液体インクなどを吐出し、媒体2の表面の塗装や、画像を形成するなどの画像形成処理にも利用される。なお、媒体2は、立体物、平面物を問わないが、例えば、車両などの立体物でもよい。
本実施形態に係るインクジェットヘッド100は、本発明に係る液体吐出ヘッドの実施形態の一例であって、媒体2に対して液体インクを吐出する吐出機構を備える。インクジェットヘッド100の吐出機構の詳細は後述する。
ヘッド搬送ロボット190は、インクジェットヘッド100を支持する支持部が、複数の軸を有する。それぞれの軸を中心にした回転方向は、異なる方向である。したがって、ヘッド搬送ロボット190は、各軸の回転を組み合わせることでインクジェットヘッド100を三次元空間(X-Y-Z空間)において自在に移動して、所定の状態で保持することができる多軸可動支持部に相当する。すなわち、インクジェットヘッド100からの液体インクの吐出方向は、ヘッド搬送ロボット190の支持によって、立体的に変更される。ヘッド搬送ロボット190は、例えば、六軸ロボットであって、立体物である媒体2の立体面に対して液体インクを吐出するときに、所定の方向に液体インクの吐出方向が立体面に向かうように、インクジェットヘッド100の姿勢を支持できる。
清掃ステーション200は、インクジェットヘッド100が液体インクを吐出したときに、吐出口(ノズル102)の周囲等に液体インクの残り(残液)が付着するので、この残液を清掃するための洗浄処理を行う洗浄装置である。清掃ステーション200は、洗浄液4をノズル102に向けて噴射して残液を洗い流し、洗浄時にノズル102に付着した洗浄液4を払拭するために気体を吹き付ける機能を備える。清掃ステーション200の詳細については、後述する。
液体吐出システム1は、インクジェットヘッド100の吐出動作と、ヘッド搬送ロボット190の動作と、及び清掃ステーション200の動作を制御する制御部を備える。なお、液体吐出システム1が備える制御部の詳細については説明を省略する。
液体吐出システム1における洗浄処理は、インクジェットヘッド100における吐出動作が終了したとき、又は、吐出動作の使用回数や累積動作時間が所定の閾値を経過したときに、インクジェットヘッド100のノズル板101の洗浄処理を実行する。この洗浄処理を実行するときには、制御部の制御によって、ヘッド搬送ロボット190がインクジェットヘッド100のノズル板101の位置を、清掃ステーション200に対する所定の位置に移動させる。そして移動先の位置でインクジェットヘッド100のノズル板101を固定した状態で洗浄処理を実行する。
[液体吐出装置の実施形態の概要]
ここで、本発明に係る液体吐出装置の実施形態について説明する。本実施形態に係る液体吐出装置10は、液体吐出ヘッドの実施形態としてのインクジェットヘッド100と、インクジェットヘッド100を清掃ステーション200に対する所定の位置へと移動させて固定するヘッド搬送ロボット190と、を少なくとも備えて構成される。
液体吐出装置10は、後述するとおり、インクジェットヘッド100が備えるノズル102とノズル板101が洗浄されるときにノズル102の配列が特定の配列になるように形成されていることに特徴を有する。すなわち、液体吐出装置10は、インクジェットヘッド100の洗浄時に、ノズル102が特定の配列状態になるように形成されているノズル板101を備えている。
[液体吐出ヘッドの実施形態の概要]
次に、液体吐出ヘッドの実施形態としてのインクジェットヘッド100の構成について図2を用いて説明する。図2は、図1に示した状態のインクジェットヘッド100について説明する図である。図2(a)は、インクジェットヘッド100を概略的に例示する斜視図である。図2(b)は、インクジェットヘッド100のハウジング110の一部断面図である。図2(a)及び(b)に示すように、インクジェットヘッド100は、ハウジング110の一部に相当するノズル板101と、ノズル板101に形成される複数のノズル102と、一つのノズル102から液体インクを吐出するために動作するニードル弁131と、を少なくとも備える。なお、ニードル弁131は、ノズル保持部としてのハウジング110によって保持されている。ハウジング110は、ニードル弁131によって吐出される液体インクの吐出方向が図2(b)における黒塗り矢印方向になるように、ニードル弁131を含む液体吐出機構を保持する。ここでは、吐出方向はY方向に相当する。
図2(a)及び(b)に示すように、ノズル保持部としてのハウジング110は、複数のノズル102を有し、ノズル102の開口部としてのノズル開口103がハウジング110の一の面に複数配列されている。このノズル開口103が複数配列されている面が開口配列面に相当する。したがって、ノズル板101の表面が開口配列面に相当する。
また、ハウジング110には、ニードル弁131によって液体インクを液滴として吐出するための液体吐出口としてのノズル102が複数配列されている。ノズル102は、ハウジング110の一部を構成するノズル開口面であって、ノズル配列面を構成するノズル板101において複数形成されている。ノズル102とニードル弁131は一対一の関係になっているので、特定のニードル弁131が動作すると、これに対応するノズル102から液滴が吐出される。
ノズル102は、微小な孔であって、ノズル板101において二次元の配列状態で形成されている。
ここで、インクジェットヘッド100の詳細な構造について図3及び図4を用いて説明する。図3は、インクジェットヘッド100の一例を示す全体斜視図である。
インクジェットヘッド100は、ハウジング110、コネクタ150、供給ポート111および回収ポート113を主に備える。ハウジング110は、金属材料または樹脂材料からなる。コネクタ150は、電気信号を伝送するための端子であり、本実施形態ではハウジング110の上部にコネクタ150を設けている。
供給ポート111と回収ポート113は、ハウジング110の左右に位置し、供給ポート111は液体をヘッド内に供給する。また、回収ポート113は液体インクをインクジェットヘッド100から排出する。
図4は、図3のA-A線矢視断面図である。ハウジング110は、その上部に電気信号を伝送するためのコネクタ150を備えており、下部には液体を吐出するノズル102が配列されて形成されている開口配列面としてのノズル板101を保持している。また、ハウジング110は、供給ポート111側からの液体を、ノズル板101上を経て回収ポート113側へ送る流路112を備えている。ここで、ノズル板101は「ノズル部材」の一例である。
供給ポート111と回収ポート113との間には、流路112内の液体インクをノズル102から吐出するための液体吐出ノズルとしての液体吐出モジュール130を配置している。液体吐出モジュール130は、ノズル102の数に対応しており、図4では一列に並べた八個のノズル102に対応する八個の液体吐出モジュール130を備えた構成を示している。
なお、ノズル102および液体吐出モジュール130の数および配列は上記に限るものではない。例えば、ノズル102および液体吐出モジュール130の数は、9個以上でもよいし、または複数ではなく1個であってもよい。また、ノズル102および液体吐出モジュール130の配列は、1列ではなく複数列で配置してもよい。
上記の構成により、供給ポート111は加圧した状態の液体インクを外部から取り込み、液体インクを矢印a1方向へ送り、液体インクを流路112に供給する。流路112は、供給ポート111からの液体インクを矢印a2方向へ送る。そして、回収ポート113は、流路112に沿って配置したノズル102から吐出しなかった液体インクを矢印a3方向へ排出する。
液体吐出モジュール130は、ノズル102を開閉するニードル弁131と、ニードル弁131を駆動する圧電素子132を備える。ハウジング110は、圧電素子132の上端部と対向する位置に規制部材134を備えている。この規制部材134は、圧電素子132の上端部に当接しており、圧電素子132の固定点をなしている。ここで、ニードル弁131は液体インクを吐出する吐出部の一例であり、圧電素子132は、アクチュエータの一例である。
[液体インクの吐出原理の概要]
ここで、インクジェットヘッド100における液体インクの吐出動作の概要を図5及び図6を用いて説明する。図5に示すように、ニードル弁131の先端がノズル102に密着している場合は、加圧液体として液体インクがノズル102から吐出されない状態となる。
上記構成において圧電素子132を作動し、ニードル弁131が図6において右方向へ変位すると、ニードル弁131によって閉じていたノズル102が開いた状態になり、ノズル102から液体インクが吐出液滴3として吐出される。また、圧電素子132を作動し、ニードル弁131が左方向へ変位すると、図5の状態に戻るので、ニードル弁131の先端部がノズル102に当接してノズル102が閉じた状態になる。すなわち、ノズル102から液体が吐出しなくなる。
圧電素子132の作動サイクルは一分間に数千回に及ぶので、その作動サイクルに応じてニードル弁131がノズル102を閉じる状態と開ける状態の位置でのピストン動作をする。このノズル102の開閉動作に応じて、一滴ずつの液体インクが、ノズル102から吐出される。
[ノズル102の汚れについて]
次に、本実施形態に係るインクジェットヘッド100において生ずる液体インクの残り(残液)による汚れについて説明する。図7、図8及び図9は、それぞれノズル102の周囲の汚れの様子を例示している。
図7や図8に示すように、吐出動作が終了した際に、ノズル102およびノズル開口面としてのノズル板101には増粘した液体である増粘残液31が残ることがある。
また、図9に示すように吐出時に発生するミストによってノズル板101のノズル102の周囲に残液が固着して、固化残液32となる場合がある。
ノズル102の周囲やノズル板101に増粘残液31や固化残液32があると、次の吐出時に吐出抵抗となる。この吐出抵抗によって、吐出曲がりが発生したり、増粘が大きい場合には不吐出が発生したりする。吐出品質を維持する場合には、これらの増粘残液31や固化残液32を取り除く必要がある。
[清掃ステーション200の概要]
次に、液体吐出システム1が備える洗浄装置の実施形態としての清掃ステーション200について図10に示す。図10に示すように、清掃ステーション200は、清掃ステーション筐体210、ベース板220、ヘッド保持部としての密閉部材230などから構成される。
ノズル102およびノズル板101の洗浄は、清掃ステーション200にて実施される。したがって、インクジェットヘッド100の洗浄時には、ヘッド搬送ロボット190によってインクジェットヘッド100が清掃ステーション200に接近して、後に説明するような状態にて清掃ステーション200に接触した状態で固定される。
[清掃ステーション200の内部構造]
図11は、洗浄部としての清掃ステーション200の内部構造を例示している。図12は、ノズル板101を洗浄するときの状態を概略的に例示している。図13は、ノズル板101に対する洗浄動作の後において洗浄液4を除去する時の状態を概略的に例示している。
図11に示すように、清掃ステーション200の内部には、洗浄液噴射部としての洗浄ノズル240と、気体噴射部としてのエアノズル250と、洗浄ノズル240に洗浄液4を供給するため洗浄液供給チューブ241と、エアノズル250に気体を供給するためのエア供給チューブ251と、を少なくとも備える。そして、洗浄液供給チューブ241とエア供給チューブ251は、ノズル支持棒260によって所定の位置で支持される。
図11は、インクジェットヘッド100を洗浄するときの状態を例示している。すなわち、洗浄時において、インクジェットヘッド100のノズル板101は密閉部材230に密着した状態で固定される。これによって、洗浄液4が清掃ステーション200から漏れ出ることを防止する。
洗浄時におけるインクジェットヘッド100は、開口配列面としてのノズル板101の表面が水平面(X-Y平面)に向かず、水平面と平行する方向に向けられて固定されている。すなわち、開口配列面が水平面に対して傾斜面になるように固定されている。図11の例では、開口配列面を有するノズル板101は、水平面に対して90度を形成する状態に傾斜している状態に相当する。すなわち、洗浄時の姿勢である洗浄姿勢のままでインクジェットヘッド100が液体インクを吐出したとき、各ノズル102から吐出される吐出液滴3の吐出方向は、重力方向(-Z方向)ではなく、重力方向に交差する方向(X方向)である。
したがって、インクジェットヘッド100を洗浄する際、水平面に対して傾斜した状態(例えば垂直状態)で固定されたノズル板101に対して洗浄液4が噴射される。その結果、後述するように、洗浄液4も、洗浄液4によって洗浄された増粘残液31や固化残液32も、ノズル板101の表面に沿って重力方向に流動する。
図12は、ノズル板101及びノズル102を洗浄するときの様子を例示している。図12に示すように、ノズル板101及びノズル102を洗浄するときは、ハウジング110を洗浄位置に移動し、ノズル板101を密閉部材230に接触させて固定してから、洗浄液4を洗浄ノズル240から噴射する。洗浄ノズル240は、密閉部材230に対して所定の位置でインクジェットヘッド100が密着して固定した後に、洗浄液4を噴射する。したがって、液体吐出システム1が備える制御部は、インクジェットヘッド100が密閉部材230に対して固定されたこと検知するセンサからの信号に基づいて、インクジェットヘッド100の固定状態を判定し、洗浄ノズル240からの噴射の開始を制御する。
洗浄ノズル240からの洗浄液4の噴射は、予め設定された閾値時間を経過するまで継続するか、また、インクジェットヘッド100の洗浄の状態を検知するセンサからの検知信号に基づいて制御される。
ノズル板101に対して洗浄液4を噴射した際に、清掃ステーション200の外側に洗浄液4が飛散しないように、ノズル板101とベース板220の間は密閉部材230によってシールされている。
なお、ノズル板101に洗浄液4を噴射することで、ノズル板101の表面や、ノズル102に付着している残液を除去することはできる。しかし、ノズル板101に洗浄液4が付着した状態になる。洗浄液4が付着したまま、媒体2への吐出を再開すると媒体2に洗浄液4が付着する可能性があり、液体インクが媒体2に対して付着する状態に悪影響を与えることになる。
これを防ぐために、図12に示すようにノズル板101に洗浄液4を噴射した後に、エアノズル250から洗浄液除去エア5を噴射する。この洗浄液除去エア5の噴射によって、ノズル板101に付着した洗浄液4を除去する。エアノズル250からの洗浄液除去エア5の噴射は、予め設定された閾値時間を経過するまで継続するか、また、インクジェットヘッド100における洗浄液4の残置状態を検知するセンサからの検知信号に基づいて制御される。洗浄液除去エア5を噴射するときも、ノズル板101は重力方向に沿う状態で固定されている、したがって、洗浄液除去エア5によってノズル板101を移動した残液は、重力方向(-Z方向)へと流れて除去される。
[洗浄液およびエアの配線模式図]
次に清掃ステーション200が備える洗浄ノズル240とエアノズル250のそれぞれにおける噴出動作を可能にする洗浄液4の供給構成と洗浄液除去エア5の供給構成について説明する。図14は、洗浄液4および洗浄液除去エア5の供給構成270を模式的に示す図である。
清掃ステーション200が設置される場所において、予め使用可能になっている設備等のエア源である設備エア290から加圧された気体(エア)が供給される。そして、一次レギュレータ271により圧力が調整された後に、一次継手272によって二系統に分岐されてエアが供給される。
一次継手272によって分岐されたエアの一方はさらに二次継手273によって分岐されて、洗浄液噴射用のエアと洗浄液除去エア5に分けられる。
一次継手272によって分岐されたエアの他方は、ソレノイドバルブ279に運ばれて、洗浄液4および洗浄液除去エア5のON/OFFの制御に使用される。
二次継手273で分岐された気体のうち、洗浄液4を噴射させるためのエアは、洗浄液4を所定の圧力で噴射するために、加圧タンク275に運ばれる。加圧タンク275の直前には加圧タンク275の圧力を調整可能にする液圧調整レギュレータ274が設置されている。加圧タンク275には洗浄液4が注入されており、加圧タンク275で所定の圧力に加圧された洗浄液4が洗浄ノズル240まで運ばれる。
洗浄ノズル240と加圧タンク275の間には洗浄液ON/OFFバルブ276が配置されており、ソレノイドバルブ279で分岐されたエアが入力される。ソレノイドバルブ279は制御PC280によって制御されており、洗浄液ON/OFFバルブ276へのエアの入力を制御することが可能となる。
ハウジング110が清掃ステーション200に移動し、固定されたと判断されると、ソレノイドバルブ279から洗浄液ON/OFFバルブ276へのエアがONされ、洗浄ノズル240から洗浄液4がノズル板101に向けて噴射される。既定の時間を経過するとソレノイドバルブ279から洗浄液ON/OFFバルブ276へのエアをOFFし、洗浄液4の噴射を終了する。
二次継手273で分岐されたエアのうち洗浄液除去エア5を噴射させるためのエアは、必要なエア圧に調整するためのエア圧調整レギュレータ278とエアON/OFFバルブ277を経てエアノズル250に運ばれる。エアON/OFFバルブ277には、ソレノイドバルブ279で分岐されたエアが入力されており、ソレノイドバルブ279を制御PC280によって制御することで、エアON/OFFバルブ277へのエアの入力を制御することが可能となる。
ノズル板101への洗浄液4の噴射が終了し、ソレノイドバルブ279から洗浄液ON/OFFバルブ276へのエアをOFFされると、エアON/OFFバルブ277へのエアをONし、エアノズル250から洗浄液除去エア5を噴射する。既定の時間が経過するとソレノイドバルブ279からエアON/OFFバルブ277へのエアをOFFし、洗浄液除去エア5の噴射を終了する。
[インクジェットヘッド100の洗浄時における従来の課題]
ここで、清掃ステーション200を用いてインクジェットヘッド100を洗浄する時に生ずる課題についても、図を用いて説明する。
図15は、清掃ステーション200に固定されている密閉部材230に対して、インクジェットヘッド100のハウジング110が固定された状態を、ノズル102の開口側から見た図である。図15の例では、ノズル102が長手方向において所定の間隔を開けて配列されたものが縦方向に三つ並んで配置された状態になっている。このノズル102の配列は、ハウジング110によって保持されている。したがって、ハウジング110が清掃ステーション200に対して固定された状態によっては、図面視における縦方向と横方向の識別が異なる場合も想定されるが、本明細書の説明では、図に正対した状態で上下方向(Z方向)をインクジェットヘッド100の縦方向と称し、左右方向(X方向)をインクジェットヘッドの横方向と称する。そして、図15に示すインクジェットヘッド100の縦方向を重力方向として、説明をする。
言い換えると、図15に示すように、インクジェットヘッド100は平面視の形状が矩形であるノズル板101に、平面状に、複数のノズル102が形成されている。このノズル102が形成されているノズル板101の表面(開口配列面)の輪郭は、四つ辺で構成される。この四つ辺のうちの、対向する二つの長辺(長手方向)に沿うように、所定の間隔を空けてノズル102が形成されている。そして、長手方向に沿って形成された複数のノズル102をノズル列とし、ノズル板101の短手方向に、複数のノズル列が配置されている。すなわち、ノズル板101の表面としての開口配列面には、複数のノズル102を配列したノズル列が、複数配列されている。なお、各ノズル列は、ノズル板101の短手方向において、所定の間隔を空けて形成されている。以上のとおり、清掃ステーション200に固定されているとき、インクジェットヘッド100は、開口配列面において、重力方向に沿うように、複数のノズル102を有している状態になる。
図15に例示するようなノズル102の配列状態の場合、すなわち、ハウジング110が密閉部材230に固定されたときのノズル102の配列が図15に例示する配列状態になる場合で、ノズル102の洗浄を行うと想定する。この場合、吹き付けられた洗浄液4は、図16に示す洗浄後残液30のように、重力方向(-Z方向)へと流れることになる。このとき、洗浄液4によって洗い落とされた増粘残液31や固化残液32も、洗浄後残液30と一緒に、ノズル板101の表面を伝って重力方向に流れることになる。
図16に例示するような状態で洗浄後残液30が流れた場合、重力方向の最上位置にあるノズル102から洗い流された洗浄後残液30は、中位置にあるノズル102に向かって流れることになる。また、重力方向の中位置から洗い流された洗浄後残液30は、最上位置からの洗浄後残液30と一緒に最下位置にあるノズル102へと流れる。このように、重力方向において、上から下へと洗浄後残液30は流れるので、下位置に配置されているノズル102であればあるほど、上位置から流れ出た洗浄後残液30による二次汚染の可能性が高くなる。また、最下位置のノズル102及びこれの近傍のノズル板101の表面は、洗浄液4による洗浄の効果が低くなり、増粘残液31や固化残液32の洗い残しが生ずる可能性が高くなる。
また、洗浄液除去エア5の吹き付けによって、吹き飛ばされずにノズル板101の表面に残った洗浄後残液30も、上記と同様に、重力方向へと移動するので、最下位置に当たるノズル102に再付着する可能性もある。その状態で乾燥すると、再度、増粘残液31や固化残液32がノズル板101の表面やノズル開口103に残ることになり、吐出曲がりや不吐出などの不具合を起こす可能性がある。
[第一実施形態]
次に、本発明に係る液体吐出装置が備える液体吐出ヘッドの第一実施形態について説明する。本実施形態に係るインクジェットヘッド100は、上記にて説明したような課題を解決し、インクジェットヘッド100による吐出性能を維持し、吐出曲がりや不吐出などの不具合の発生を防止することができるものである。
本実施形態に係るインクジェットヘッド100は、洗浄時に固定される際に、ハウジング110に保持される複数のノズル102が、少なくとも、重力方向において隣接する位置に当たるノズル102の位置は、重力方向において重なり合わない位置になるように形成されているものである。例えば、図17に示すように、ノズル板101の表面(開口配列面)におけるノズル102のうち、重力方向における最上位置に形成されているノズル102と、最下位置に形成されているノズル102とは、重力方向において重なり合わない位置に形成されている。かつ、中位置に形成されているノズル102は、最上位置に形成されているノズル102と重力方向において重なり合わない位置であって、最下位置に形成されているノズル102とも重力方向において重なり合わない位置に形成されている。
インクジェットヘッド100は、洗浄時に清掃ステーション200に固定されると、ノズル板101が、水平方向に向く状態で固定される。すなわち、ノズル102(ノズル開口103)は、ノズル板101が水平面に対して垂直(傾斜の一例)になる姿勢で固定されたときに、重力方向で相互に隣接する位置にある当たるノズル102(ノズル開口103)の位置関係が、重力方向に沿う方向では相互に重なり合わない位置関係になるように、ノズル板101に形成されている。
言い換えると、複数のノズル102の配列状態における相互の位置関係が、ヘッド搬送ロボット190によって密閉部材230に対してノズル板101が密着した状態で固定されたときに成立するように、ノズル板101に対してノズル102が形成されている。
図17に示した本実施形態に係るインクジェットヘッド100に対する洗浄処理を実行したときの様子を図18に例示する。図18に示すように、ノズル102の相互の位置関係は、重力方向において重なり合わない位置に形成されているので、洗浄後残液30は、上位置から下位置に向かって流れるので、上位置から流れた洗浄後残液30が中位置のノズル102に流れる可能性を低減でき、さらに、上位置と中位置からの洗浄後残液30が下位置のノズル102に流れる可能性を低減できる。
また、洗浄液除去エア5を吹き付けた後にわずかな残った洗浄後残液30が重力方向の下位置に流れたときも、下位置に形成されているノズル102に再付着する可能性を低減できる。したがって、洗浄後残液30がノズル板101に仮に残った状態で乾燥したとしても、ノズル102及びノズル102近傍において増粘残液31や固化残液32になることを防止できる。すなわち、二次汚れによる吐出曲がりや不吐出などの不具合を起こす可能性を抑制することができる。
インクジェットヘッド100は、重力方向を含む多方向に液体を吐出可能な液体吐出ヘッドの実施形態であって、インクジェットヘッド100における吐出液滴3の吐出方向は、ヘッド搬送ロボット190によって制御される。すなわち、洗浄処理も、ヘッド搬送ロボット190により支持されて所定の姿勢で固定された状態で実行される。この洗浄処理の実行時において、ノズル102の配列の位置関係が重力方向においては重なり合わない状態になるように、ノズル102を形成して用いる。
すなわち、本実施形態に係るインクジェットヘッド100は、吐出液滴3の吐出方向が重力方向ではないときに生じうる課題(吐出曲がりや不吐出の発生)を防止する効果を発揮しうる。すなわち、本実施形態は、インクジェットヘッド100の洗浄時の姿勢が、吐出液滴3の吐出方向を重力方向とするような姿勢ではなく、例えば、重力方向に直交する方向とするような姿勢であるときに生ずる課題を解決し得るものである。
[第一実施形態の変形例]
なお、図19に示すように、重力方向におけるノズル102の配列数(ノズル列数)は、図17に例示した数よりも多くてもよい。図17では、インクジェットヘッド100のハウジング110が保持するニードル弁131を重力方向において三列並べた構成であるので、重力方向において三列のノズル列が形成されているものを例示している。この点、液体を吐出して画像を形成する一連の生産性を向上させるため、及び塗装品質を向上させるために、インクジェットヘッド100で保持するノズル102の数(ノズル列数)を、図17の例よりも増やすこともある。その場合、ハウジング110を形成するノズル板101の表面(開口配列面)に、三列以上のノズル列を重力方向に配置する。すなわち、重力方向に沿うように、ニードル弁131を並べる数を増やすことになる。
図17で例示したように、ハウジング110を清掃ステーション200に固定した状態において、ノズル102が重力方向において相互に重ならない位置に形成されていたとしても、ノズル板101に形成するノズル102の数が多くなれば、その重力方向における位置関係が、一部重なる状態になる可能性はある。その例を図19に示す。ノズル102の配列数を二次元的に増やした場合、洗浄時の固定状態での、ノズル102の重力方向の位置関係は、最上位置と最下位置で重なり合う位置関係になりうる。また、図19の例よりもさらに多くノズル102を形成した場合、洗浄時の固定状態での位置関係が、重力方向で重なる数が多くなることが考えられる。
そこで、少なくとも、重力方向におけるノズル102の相互の位置関係のうち、最上位置に形成されているノズル102と、最下位置に形成されているノズル102の、位置は重なり合うことを許容し、これ以外の相互の位置関係は、重力方向において重なり合わない位置になるように形成する。すなわち、図19に示すように、ノズル102が重力方向で重なる場合のノズル間距離をできるだけ遠く設定する。これによって、二次汚れが生ずる可能性を抑制することができる。
図19に示すインクジェットヘッド100は、重力方向において、ノズル板101に形成された位置の内の最上位に相当するノズル102と、最下位に相当するノズル102が重力方向において重なる位置関係になっている。一方、それ以外のノズル102は重力方向において重なり合わない位置関係になっている。
[第二実施形態]
次に本発明に係る液体吐出装置の第二実施形態について説明する。第一実施形態は、清掃ステーション200にハウジング110が固定された状態において、ノズル102の重力方向の相対的な位置関係が、相互に重なり合わない配列になるように構成したものであった。
第二実施形態では、図20に示すように、洗浄時におけるインクジェットヘッド100のハウジング110自体の姿勢を傾斜姿勢で固定するように、清掃ステーション200aが備えるベース板220a及び密閉部材230aを水平面に対して傾斜させる。
洗浄の際、インクジェットヘッド100のノズル板101は密閉部材230aに密着して洗浄液4が清掃ステーション200aから漏れ出ないように固定される。この固定状態において、ノズル板101は、長手方向が水平面に対して傾斜して固定される。この水平方向に対する傾斜は、所定の傾斜角度θであって、傾斜角度θは清掃ステーション筐体210aに設けられたベース板220aと密閉部材230aによって既定される。これによって、洗浄の際に、どのノズル102も重力方向で重なっていない状態を作り出すことができる。
図21は、本実施形態に係る清掃ステーション200aに対し、洗浄時に保持されるインクジェットヘッド100の固定姿勢の例を示す図である。清掃ステーション200aを用いてインクジェットヘッド100の洗浄を行う際に、インクジェットヘッド100が固定される部分が水平面に対して傾斜角度θをもって傾けられている。そのため、図21に示すように、ハウジング110のノズル板101の輪郭を構成する辺のうち、長手方向の辺は水平面に対して傾斜角度θで傾いた状態になっていて、この状態でインクジェットヘッド100が清掃ステーション200に固定されることになる。
ハウジング110を含むインクジェットヘッド100は、図1に示したようにヘッド搬送ロボット190において多数備わる軸の軸方向において回動可能な支持部に支持されている。したがって、インクジェットヘッド100の向きは可動軸の回転に応じて自在に可変させることができる。そのため、清掃ステーション200aに対する固定姿勢において、ハウジング110の長手方向を水平面に対し傾斜角度θで傾けた姿勢保つことが可能となる。
すなわち、第二実施形態に係るインクジェットヘッド100によれば、清掃ステーション200aに固定されるときのノズル保持部としてのハウジング110の姿勢を傾斜角度θで傾けた状態で保持する。この傾斜状態によって、ハウジング110の長手方向が水平面と平行なときには重力方向におけるノズル102の相互の位置関係が重なり合うものであっても(図15参照)、洗浄の際には、重力方向において重なり合わない状態にできる。
すなわち、図21に例示するように、ノズル板101の長手方向の辺が水平面に対して傾斜角度θを形成する状態で固定されて洗浄されるので、上位のノズル102を洗浄した際に生ずる洗浄後残液30が下位のノズル102に流れる可能性を抑制できる。その結果、洗い残しのリスクを低減することが可能となる。
また、洗浄液除去エア5を吹き付けた後にわずかな洗浄液滴がのこった場合には、重力方向の下側に移動するが、重力方向にノズル102は存在しないので、二次汚れを防ぐことが可能となり、洗浄性が向上する。
なお、第一実施形態において説明したことと同様に、第二実施形態においても、ノズル102の数が増えた場合には重力方向でノズル102が重ならない状態を作ることが困難となる。その場合は、インクジェットヘッド100を清掃ステーション200に対して固定するときの傾斜角度θを、ヘッド搬送ロボット190によって調整する。この調整は、ノズル102が重力方向で重なる場合のノズル間距離ができるだけ遠くなる角度とすることで、二次汚れの可能性を小さくすることができる。
図22及び図23に、インクジェットヘッド100を清掃ステーション200に固定したときに、ノズル板101の辺が水平面と平行になる姿勢のときと傾斜角度θを形成する姿勢のときで、洗浄後残液30が溜まりやすい箇所の違いを説明する。
図22に示すように、インクジェットヘッド100のハウジング110を清掃ステーション200に固定した際(洗浄の際)に、ノズル板101の長手方向を水平面と平行になるように固定したときには、洗浄後残液30が密閉部材230の下端に残留する。図22及び図23において、洗浄後残液30の残留位置35を破線円で例示している。
一方、図23に例示するように、ノズル板101の長手方向を水平面に対して傾斜角度θを形成する状態で固定したときには、洗浄後残液30は密閉部材230の角部部分に残留する。
ノズル板101に洗浄液4や洗浄後残液30が残っていると、吐出不良の原因となるので、ノズル板101に残留する洗浄後残液30は可能な限り除去する必要がある。この場合、図22の例のように、ノズル板101の長手方向を水平面と平行に固定したときは、密閉部材230の下端全体の広範囲を注意する必要がある。しかし、図23に例示したように、傾斜角度θを形成する姿勢で固定した場合は、密閉部材230の角部のみに注意すればよく、ノズル板101から洗浄後残液30を除去することが容易となる。
[その他]
以上説明した第一実施形態及び第二実施形態に係るインクジェットヘッド100の洗浄方法では、ノズル102及びノズル板101に洗浄液4を吹き付ける方法であった。しかし、本発明に係る液体吐出装置において適用可能な洗浄方法は、これに限定されるものではない。
例えば、ワイパ部材を用いた払拭方式においても同様の効果が得られる。なお、払拭方式を適用した場合でも、上記にて説明したように、ノズル102及びノズル板101を効率よく清掃するためには、洗浄液4を塗布する必要があるので、ノズル板101を払拭した後に、洗浄後残液30が重力方向に垂れる可能性がある。
第一実施形態及び第二実施形態において説明したように、清掃ステーション200にノズル保持部を固定する際に、ノズル102が重力方向に重ならないように制御することによって、ワイパ払拭方式においても二次汚れのリスクを低減することが可能となり、洗浄性を向上することが可能となる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
1 :液体吐出システム
10 :液体吐出装置
100 :インクジェットヘッド
101 :ノズル板
102 :ノズル
110 :ハウジング
131 :ニードル弁
190 :ヘッド搬送ロボット
200 :清掃ステーション
210 :清掃ステーション筐体
220 :ベース板
230 :密閉部材
280 :制御PC
特開2020-189446号公報

Claims (10)

  1. 液体を吐出する液体吐出ノズルと、
    複数の前記液体吐出ノズルを保持するハウジングと、
    前記ハウジングを支持する支持部と、
    を備え、
    前記ハウジングは、複数の前記液体吐出ノズルの開口部により構成されるノズル列が複数配列された開口配列面を有し、
    前記支持部は、前記開口配列面の洗浄を行うときの固定姿勢としての洗浄姿勢で前記ハウジングを固定し、
    前記開口部は、前記洗浄姿勢で固定されたときの前記ハウジングの重力方向における位置関係が、前記開口配列面において、重なり合わないように形成されている、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記洗浄姿勢は、前記開口配列面が水平面に対し傾斜する状態の姿勢であって、
    前記開口部は、前記洗浄姿勢の開口配列面において、重力方向の相互に隣接する位置が重なり合わない位置関係になるように形成されている、
    請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記洗浄姿勢は、前記開口配列面が水平面に対し傾斜する状態の姿勢であって、
    前記開口部は、前記洗浄姿勢の開口配列面において、重力方向における最上位置に相当する開口部と最下位置に相当する開口部の位置が、重力方向において相互に重なり合わず、かつ、重力方向における相互に隣接する開口同士も重なり合わない位置関係になるように形成されている、
    請求項1に記載の液体吐出装置。
  4. 液体を吐出する液体吐出ノズルと、
    複数の前記液体吐出ノズルを保持するハウジングと、
    前記ハウジングを支持する支持部と、
    を備え、
    前記ハウジングは、複数の前記液体吐出ノズルの開口部により構成されるノズル列が複数配列された開口配列面を有し、
    前記支持部は、前記開口配列面の洗浄を行うときの固定姿勢としての洗浄姿勢で前記ハウジングを固定し、
    前記開口部は、前記洗浄姿勢で固定されたときの位置関係であって、前記開口配列面を形成する複数のノズル列のうち、最上位置に相当するノズル列を構成する開口部と最下位置に相当するノズル列を構成する開口部の位置関係は重力方向において重なり合い、これら以外のノズル列を構成する開口部の相互の位置関係は、重力方向において重なり合わないように形成されている、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  5. 前記洗浄姿勢は、前記開口配列面が水平面に対し傾斜し、かつ、当該開口配列面の輪郭を構成する辺も水平面に対して傾斜する状態の姿勢であって、
    前記開口部は、当該洗浄姿勢で固定されたときの前記ハウジングの重力方向における位置関係が、前記開口配列面において、重なり合わないように形成されている、
    請求項1に記載の液体吐出装置。
  6. 前記支持部は、複数の軸を有し、当該軸を中心にそれぞれ異なる方向に回転することで前記ハウジングを多軸で支持する多軸可動支持部であって、
    前記開口配列面の洗浄を行うときに、前記開口配列面の姿勢を前記洗浄姿勢で保持する、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記多軸可動支持部は、前記開口配列面の洗浄の際に前記ハウジングを当該開口配列面に垂直な軸方向で回転させて固定する、
    請求項6に記載の液体吐出装置。
  8. 液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置と、当該液体吐出ヘッドを清掃する清掃装置と、を備える液体吐出システムであって、
    前記液体吐出装置は、
    液体を吐出する液体吐出ノズルと、
    複数の前記液体吐出ノズルを保持し、複数の前記液体吐出ノズルの開口部により構成されるノズル列が複数配列された開口配列面を有するハウジングと、
    前記開口配列面の洗浄を行うときの固定姿勢としての洗浄姿勢で前記ハウジングを固定する支持部と、
    を備え、
    前記清掃装置は、
    前記開口部及び前記開口配列面を洗浄する洗浄部と、
    前記洗浄部による洗浄の際に前記ハウジングを固定姿勢としての洗浄姿勢で保持するヘッド保持部と、
    を備え、
    前記開口部は、前記洗浄姿勢で固定されたときの前記ハウジングの重力方向における位置関係が、前記開口配列面において、重なり合わないように形成されている、
    ことを特徴とする液体吐出システム。
  9. 前記洗浄部は、
    前記開口部及び当該開口配列面を洗浄する洗浄液を噴射可能な洗浄液噴射部と
    前記開口部及び当該開口配列面に気体を噴射可能な気体噴射部と、
    を備える請求項8に記載の液体吐出システム。
  10. 液体を吐出する複数の液体吐出ノズルを備える液体吐出装置の洗浄方法であって、
    複数の前記液体吐出ノズルの開口部により構成されるノズル列が複数配列された開口配列面を洗浄位置に移動し、
    前記開口配列面を水平面に対して傾斜する姿勢で固定して、
    前記開口部の重力方向における位置関係が前記開口配列面において、重なり合わない状態にしてから、
    前記開口配列面に洗浄液を噴射して洗浄する、
    ことを特徴とする液体吐出装置の洗浄方法。
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