JP2023140741A - 装飾用インクおよびその利用 - Google Patents

装飾用インクおよびその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP2023140741A
JP2023140741A JP2022046734A JP2022046734A JP2023140741A JP 2023140741 A JP2023140741 A JP 2023140741A JP 2022046734 A JP2022046734 A JP 2022046734A JP 2022046734 A JP2022046734 A JP 2022046734A JP 2023140741 A JP2023140741 A JP 2023140741A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
volume
ink
inorganic
glass
decorative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022046734A
Other languages
English (en)
Inventor
昂平 若松
Kohei Wakamatsu
麻子 成瀬
Asako Naruse
香奈絵 戸塚(杉野)
Tozuka, (Sugino) Kanae
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
Priority to JP2022046734A priority Critical patent/JP2023140741A/ja
Publication of JP2023140741A publication Critical patent/JP2023140741A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】マゼンタ発色性が好適に向上された装飾部を無機基材に形成することができる技術を提供すること。【解決手段】ここで開示される装飾用インクは、ガラス基材または金属基材への画像の描写に使用される装飾用インクであって、金粒子を含むガラスフリットと、赤系無機顔料と、を含み、上記ガラスフリットおよび上記赤系無機顔料を含む無機固体成分の総体積を100体積%としたとき、上記赤系無機顔料は1体積%以上80体積%未満含まれる。【選択図】なし

Description

本開示は、装飾用インクおよびその利用に関する。
近年、ガラス基材、セラミック基材(例えば、陶磁器、セラミックタイル)、金属基材等の無機基材に画像を描画する技術の開発が行われている。かかる画像の描写の際には、種々の色インクが用いられ得る。例えば、下記特許文献1には、色インク(赤色インク)に関する技術が開示されている。
特開2020-007384号公報
ところで、本発明者は、金粒子を含むガラスフリット(以下、単に「含金ガラス」ともいう)が、マゼンタ(赤紫色)インクの色材として好ましく使用できることを見出した。一方、含金ガラスを含むマゼンタインクに関して、例えば透明なガラス基材や有色の金属基材において鮮明な画像を描写すべく、焼成膜(即ち、装飾部)の隠蔽性およびマゼンタ発色性をさらに向上させる必要があることが分かった。
本開示は、かかる事情に鑑みてなさなれたものであって、その主な目的は、マゼンタ発色性が好適に向上された装飾部を無機基材(典型的には、ガラス基材や金属基材)に形成することができる技術を提供することである。
かかる目的を実現するべく、本開示は、ガラス基材または金属基材への画像の描写に使用される装飾用インクを提供する。かかる装飾用インクは、金粒子を含むガラスフリットと、赤系無機顔料と、を含む。また、上記ガラスフリットおよび上記赤系無機顔料を含む無機固体成分の総体積を100体積%としたとき、上記赤系無機顔料は1体積%以上80体積%未満含まれる。詳細については後述するが、かかる構成の装飾用インクによると、マゼンタ発色性が好適に向上された装飾部を無機基材に形成することができる。
ここで開示される装飾用インクの好ましい一態様では、上記無機固体成分の総体積を100体積%としたとき、上記赤系無機顔料は5体積%以上70体積%未満含まれる。赤系無機顔料を上記範囲内で含有する装飾用インクによると、無機基材に対する装飾部の定着性が好適に向上するため、好ましい。
ここで開示される装飾用インクの好ましい一態様では、上記赤系無機顔料は、カドミウムを含まない。カドミウム系の無機顔料は、従来赤色インクの色材として使用されてきたが、かかる無機顔料は人体に悪影響を及ぼす可能性があるとされている。したがって、カドミウムを含まない態様は、人体への安全性という観点から、好ましい。
ここで開示される装飾用インクの好ましい一態様では、上記赤系無機顔料は、分光光度計に基づくa値がa>10である。a>10である赤系無機顔料を含む装飾用インクにおいて、マゼンタ発色性がより好適に向上された装飾部を無機基材に形成することができるため、好ましい。
ここで開示される装飾用インクの一態様では、上記装飾用インクはインクジェットインクであって、上記インクジェットインクの総体積を100体積%としたとき、上記無機固体成分は35体積%以下含まれる。装飾用インクがインクジェットインクである場合、該インクジェットインクの粘度を適切なものとする観点から、無機固体成分が35体積%以下含有されていることが好ましい。
かかる態様の装飾用インクの好ましい一態様では、上記ガラスフリットの平均粒子径は、1μm以下である。インクジェットインクの吐出性等の観点から、ガラスフリットの平均粒子径が1μm以下に調整されることが好ましい。
ここで開示される感光性組成物の好ましい一態様では、さらに、光硬化を有するモノマー成分を含む。このように、紫外線の照射による硬化性が良好な装飾用インクを用いることで、例えば水溶性糊剤が塗布された撥水性を有する転写紙上において、より鮮明な画像を描写することができるため、好ましい。
また、本開示は、他の側面として、ここで開示されるいずれかの装飾用インクからなる画像の描写を備えた、印刷物を提供する。かかる印刷物は、マゼンタ発色性が好適に向上された画像(装飾部)を備えるため、好ましい。
また、本開示は、他の側面として、ここで開示されるいずれかの装飾用インクからなる画像の描写を備えた、転写紙を提供する。かかる転写紙は、マゼンタ発色性が好適に向上された画像(装飾部)を備えるため、好ましい。
また、本開示は、他の側面として、無機製品の製造方法を提供する。かかる無機製品の製造方法は、ここで開示されるいずれかの装飾用インクを使用して、無機基材の表面に装飾を施す装飾工程を含む。かかる製造方法によると、マゼンタ発色性が好適に向上された画像(装飾部)を備えた無機製品を得ることができるため、好ましい。
ここで開示される無機製品の製造方法の一態様では、上記装飾工程は、以下の工程:ここで開示されるいずれかの装飾用インクの硬化物を、無機基材の表面に堆積する工程;および、上記無機基材を350℃~700℃の範囲内で最高焼成温度が設定される条件で焼成する工程;を含む。
インクジェットインクの製造に用いられる撹拌粉砕機を模式的に示す図である。 インクジェット装置の一例を模式的に示す図である。 図2中のインクジェット装置のインクジェットヘッドを模式的に示す断面図である。
以下、本開示の好適な実施形態について説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本開示の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本開示は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、以下の実施形態は、ここで開示される技術をかかる実施形態に限定することを意図したものではない。また、本明細書にて示す図面では、同じ作用を奏する部材・部位に同じ符号を付して説明している。そして、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。なお、本明細書および特許請求の範囲において、所定の数値範囲をA~B(A、Bは任意の数値)と記すときは、A以上B以下の意味である。したがって、Aを上回り且つBを下回る場合を包含する。また、本明細書および特許請求の範囲において「装飾用インク」とは、典型的には、ガラスフリットや赤系無機顔料等の無機固体成分を媒体によって分散(あるいは、溶解)させた組成物のことをいい、ペースト状組成物、スラリー状組成物を包含し得る概念である。
1.装飾用インク
ここで開示される装飾用インク(マゼンタインク)は、無機基材(典型的には、ガラス基材や金属基材)への画像の描写に使用される装飾用インクである。かかる装飾用インクは、金粒子を含むガラスフリット(即ち、含金ガラス)と、赤系無機顔料とを含む。そして、ガラスフリットおよび赤系無機顔料を含む無機固体成分の総体積を100体積%としたとき、該赤系無機顔料は1体積%以上80体積%未満含まれる。
上記の構成とすることにより、ここで開示される技術による効果が達成される理由としては、特に限定して解釈されるものではないが、以下が考えられる。即ち、装飾用インク(マゼンタインク)が含金ガラスに加えて赤系無機顔料を所定量含むことによって、装飾部におけるL表色系に基づくa値,b値をより適切な範囲内とすることができる。また、装飾部の隠蔽性の向上を実現することができる。これらによって、例えば透明なガラス基材や有色の金属基材においても、マゼンタ発色性に優れた鮮明な画像を描写することができる。なお、上記説明は、実験結果に基づく本発明者の考察であり、ここで開示される技術は、上記メカニズムに限定して解釈されるものではない。以下、各構成成分について説明する。
(1)無機固体成分
無機固体成分は、焼成後における画像の母材を構成する成分であり、ガラスフリットと、赤系無機顔料とを含む。
(a)ガラスフリット
ここで開示されるガラスフリットは、金粒子を含む。具体的には、ガラスフリットにおける非晶質のマトリックス(以下、単に「ガラスマトリックス」ともいう)中には金粒子が分散している。ガラス成分と金粒子とは、典型的には一体的に焼結されており、焼結体の形態をなしている。
ガラスマトリックスは、典型的に無機バインダとして機能する成分であり、金粒子とガラス基材との結合性を高める働きをする。ガラスマトリックスを構成するガラスの線熱膨張係数(具体的には、熱機械分析装置を用いて25℃から500℃までの温度領域において測定した平均線熱膨張係数、以下同様。)は、ここで開示される技術の効果が発揮される限りにおいて特に限定されないが、例えばガラス基材と同等でよい。一例では、ガラスの熱膨張係数が、ガラス基材の熱膨張係数±2×10―6―1程度であるとよい。例えば、4.0×10―6―1~10.0×10―6―1程度であるとよい。これによって、画付焼成時におけるガラス基材とガラスフリットとの収縮率の差が小さくなり、装飾部においてクラック(ひび割れ)が生じにくくなる。
ガラスマトリックスを構成するガラスのガラス転移点(示差走査熱量分析に基づくTg値、以下同様。)は、ここで開示される技術の効果が発揮される限りにおいて特に限定されない。例えば後述する焼結温度との関係から、概ね400~1500℃であるとよい。なかでも、下絵付けやシンクインの用途では、ガラス転移点が概ね900~1300℃程度、上絵付けの用途では、ガラス転移点が概ね500~900℃程度であるとよい。
このような性状(熱膨張係数やガラス転移点)を有し得るガラスとしては、例えば、SiO-RO(ROは第2族元素の酸化物、例えばMgO、CaO、SrO、BaOを表す。以下同様。)系ガラス、SiO-RO-RO(ROはアルカリ金属元素の酸化物、例えばLiO、NaO、KO、RbO、CsO、FrOを表す。特にはLiO。以下同様。)系ガラス、SiO-RO-ZnO系ガラス、SiO-RO-ZrO系ガラス、SiO-RO-Al系ガラス、SiO-RO-Bi系ガラス、SiO-RO系ガラス、SiO-ZnO系ガラス、SiO-ZrO系ガラス、SiO-ZnO-ZrO-TiO系ガラス、SiO-Al系ガラス、RO-RO系ガラス、RO-ZnO系ガラスなどが挙げられる。なお、これらのガラスは、上記呼称に現れている主たる構成成分の他に1つまたは2つ以上の成分を含んでもよい。また、ガラスは、一般的な非晶質ガラスの他、結晶を含んだ結晶化ガラスであってもよい。
好適な一態様では、ガラス全体を100モル%としたときに、酸化物換算のモル比でSiOが半数(50モル%)以上を占めている。一般にはSiOの割合が高いほど上記ガラス転移点が高くなる傾向がある。したがって、例えば焼結温度を低く設定する場合には、SiOの割合を概ね80モル%以下に抑えるとよい。また、ガラス転移点を低下させてガラスの溶融性を向上するという観点からは、ROやRO、Bなどの成分を添加することが有効である。一方で、これらの成分を多く含むほど、ガラスの熱膨張係数が大きくなる傾向にある。好適な一態様では、ガラス全体を100モル%としたときに、酸化物換算のモル比でROが15~35モル%を占めている。好適な一態様では、ガラス全体を100モル%としたときに、酸化物換算のモル比でROが0~5モル%を占めている。
好適な一態様では、ガラスが4成分以上の(例えば5成分以上の)多成分系で構成されている。これにより、物理的安定性が向上する。例えば食器の装飾に使用される用途では、装飾部に対しても、酸性の食品に対する十分な耐酸性や、アルカリ性の洗剤に対する十分な耐アルカリ性が求められる。かかる場合には、AlやZnO、CaOなどの成分を、例えばモル%以上の割合で、添加することが有効である。これにより、装飾部の化学的耐久性を向上することができる。好ましくは、耐摩耗性をも向上することができる。
装飾用インクに占めるガラスマトリックスの割合は、ここで開示される技術の効果が発揮される限りにおいて特に限定されない。一方、ガラス基材との結合性を高めるという観点からは、装飾用インク全体を100体積%としたときに、概ね1体積%以上、典型的には5体積%以上、例えば10体積%以上であるとよい。また、装飾部の無機基材への定着性をより優れたものとするという観点からは、装飾用インク全体を100体積%としたときに、ガラスマトリックスの割合が、概ね40体積%以下、典型的には30体積%以下、例えば20体積%以下であるとよい。
好適な一態様では、ガラスマトリックス中に、人体や環境に対して悪影響となり得る成分、例えばヒ素成分や鉛成分、カドミウム成分を実質的に含まない。とりわけ食器の装飾に使用される用途などでは、これらの成分を積極的には添加しない(不可避的な不純物として混入することは許容され得る)ことが好ましい。
上述したように、ここで開示されるガラスフリットは金粒子を含む。ここで、金属粒子は、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)に起因して、紫外~可視領域に固有の光学的特徴(例えば強い光吸収帯)を有する。そのなかでも金(Au)粒子は、530nm付近の波長の光(緑色~水色光)を吸収して、「マゼンタ」と呼ばれる青みがかった赤色(赤紫色)の発色を呈する。このため、金粒子を含むガラスフリットによると、鮮やかなマゼンタ発色を実現することができる。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において「金粒子」とは、金(Au)を主体として構成される粒子を意味し得る。「金を主体として構成される」とは、粒子を構成する成分のうち、重量基準で最も多く含まれる成分が金(Au)であることを意味する。金粒子は、粒子の全重量を100重量%としたとき、好ましくは金(Au)を90重量%以上、95重量%以上、あるいは99重量%以上含む粒子であり得る。金以外の成分としては、不可避的な不純物としての種々の金属元素や非金属元素等が挙げられる。
金粒子の形状は特に制限されず、球形状であってもよいし非球形状であってもよい。また、金粒子の平均粒子径(D50粒径)は、ここで開示される技術の効果が発揮される限りにおいて特に限定されないが、上記表面プラズモン共鳴との兼ね合いから、粒径がナノメートルサイズであることが好ましい。金粒子の表面プラズモン共鳴の効果は、粒径によって変化し得る。したがって、粒径を適切に調整することによって、表面プラズモン共鳴の効果をより良く享受することができる。好適な一態様では、金粒子の平均粒子径は、概ね1nm以上、5nm以上、典型的には10nm以上、例えば15nm以上である。好適な一態様では、金粒子の平均粒子径は、例えば100nm以下、80nm以下、典型的には50nm以下、例えば30nm以下である。平均粒子径を上記範囲とすることで、金粒子の特定波長の吸光度が増大して、少量の添加で良好なマゼンタ発色を実現することができる。また、色ムラの少ない、緻密な装飾を実現することができる。
そして、ガラスフリットの形状も特に制限されず、球形状であってもよいし非球形状であってもよい。また、ガラスフリットの平均粒子径(D50粒径)は、ここで開示される技術の効果が発揮される限りにおいて特に限定されないが、概ね0.1μm~10μm程度(例えば、0.5μm~5μm程度)とすることができる。また、装飾用インクをインクジェットインクとして使用した場合、ガラスフリットの粒径はインクの粘度に影響し得るため、インクジェット装置からの吐出性を考慮して適宜調整すると好ましい。具体的には、インク中に粒径が大きなガラスフリットが含まれていると、吐出口の詰まりが発生しやすくなり、吐出性が低下するおそれがある。このため、ガラスフリットの平均粒子径は例えば1μm以下(好ましくは0.85μm以下)となるようにガラスフリットの粒径を制御することが好ましい。
なお、本明細書において「平均粒子径」(D50粒径)とは、レーザー回折・散乱法に基づく体積基準の粒度分布において、粒径の小さい側から積算値50%に相当する粒径を意味し得る。かかる測定は、例えば、市販の装置であるマイクロトラック・ベル株式会社製のマイクロトラックMT3000IIを用いて実施することができる。
装飾用インクに占める金粒子の割合は、ここで開示される技術の効果が発揮される限りにおいて特に限定されない。マゼンタ発色性を向上するという観点やコストの観点などから、装飾用インク全体を100体積%としたときに、概ね0.01体積%以上、例えば0.05体積%以上、0.1体積%以上であって、概ね0.5体積%以下、典型的には0.3体積%以下、例えば0.2体積%以下であるとよい。
好適な一態様では、ガラスマトリックスを100体積部としたときに、金粒子の割合が、概ね0.1体積部以上、好ましくは0.5体積部以上、例えば1体積部以上である。金粒子の割合を所定値以上とすることで、L表色系において、赤方向のa値を向上し、赤色発色性を高めることができる。また、明度L値を向上し、明るく鮮やかな色みをより良く実現することができる。また、好適な一態様では、ガラスマトリックスを100体積部としたときに、金粒子の割合が、概ね5体積部以下、典型的には3体積部以下、好ましくは2体積部以下である。金粒子の割合を所定値以下とすることで、L表色系において、明度L値を向上し、明るく鮮やかな色みをより良く実現することができる。また、コストを低く抑えることができる。
(b)赤系無機顔料
上述したように、ここで開示される装飾用インク(マゼンタインク)は、含金ガラスに加えて赤系無機顔料を含む。かかる赤系無機顔料は、例えばガラスフリットと一体的に焼結された形態としてもよいし、ガラスマトリックスを構成していない(換言すると、ガラスフリットよりも融点が高い)形態としてもよい。あるいは、装飾用インク中に、これら両方の形態の赤系無機顔料が含まれていてもよい。また、本明細書および特許請求の範囲において「赤系無機顔料」とは、例えば分光光度計を用い、JIS Z8729(2004年)に基づくL表色系における赤みを示すa値が、典型的には5以上60以下(好ましくは10以上(例えば10超)、より好ましくは15以上、17以上、さらに好ましくは20超である無機顔料を意味し得る。なお、かかるa値の測定は、市販の装置を用いて実施することができる。また、かかるa値の測定条件は、装置のカタログ等を適宜参照して決定することが好ましい。
本発明者の検討によると、ガラスフリットに含まれる金粒子は、粒径制御時にせん断力を受けて変形してしまうことがあり、これによって、該ガラスフリット自体の発色性が損なわれてしまう傾向にあることが分かった。また、金粒子の形状回復には高温下での焼成が必要であるとされており、例えば700℃以下の低温下で焼成する場合、充分な発色が得られにくいというような課題があった。そのため、耐熱温度が低い基材の装飾においては、かかるガラスフリットのみを色材として用いた場合に、充分な発色を得ることが難しいとされる。また、本発明者の検討によると、上述したようなガラスフリットに加えて赤系無機顔料を添加することによって、優れたマゼンタ発色性が得られることが分かった。
赤系無機顔料は、装飾部のマゼンタ発色性と、隠蔽性とを向上させることができる。また、かかる赤系無機顔料は、例えば金属化合物を含むものであり、典型的には耐熱性に優れている。このため、インクが付着したガラス基材に対して350℃以上(例えば350℃~700℃)の焼成処理を行った際に、赤系無機顔料が変色(または消色)することを抑制することができる。かかる赤系無機顔料の具体例としては、Cu、Mn、Zr、Ti、Pr、Cr、Sb、Ni、Co、Al、Cdからなる群のうち、少なくとも一つ以上の金属元素を含む複合金属化合物が挙げられる。赤系無機顔料の一例としては、スズスフェーン系、亜鉛フェライト系、ジルコン系等が挙げられる。赤系無機顔料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、かかる赤系無機顔料としては、市販のものを特に制限なく用いることができる。このような赤系無機顔料の一例としては、日陶顔料株式会社製のM-81、M-309、M-663、M-797や、TOMATEC株式会社製の42-117A、42-129A、42-554A、42-878A等が挙げられる。
赤系無機顔料の形状は特に制限されず、球形であってもよいし非球形であってもよい。赤系無機顔料は、取り扱い易さの観点から、典型的には球形状であることが好ましい。また、赤系無機顔料の平均粒子径(D50粒径)は、ここで開示される技術の効果が発揮される限りにおいて特に制限されない。赤系無機顔料のD50粒径は、典型的には、0.001μm~4μm程度(例えば0.005μm~2μm程度)とすることができる。また、赤系無機顔料は、典型的には粒子状であり得る。かかる粒子状の赤系無機顔料の粒子径は、例えば装飾用インクをインクジェットインクとして使用する場合、後述するインクジェット装置の吐出口の直径を考慮して適宜調整すると好ましい。赤系無機顔料の粒子径が大きすぎると赤系無機顔料が吐出口に詰まってインクの吐出性が低下する虞がある。一般的なインクジェット装置の吐出口の直径は15μm~60μm(例えば25μm)程度であるため、粒径が小さい側から累積100個数%に相当するD100粒径(最大粒子径)が5μm以下(好ましくは1μm以下)となるように赤系無機顔料を微粒子化すると好ましい。なお、上記D100粒径は、動的光散乱法による粒度分布測定に基づいて測定される値が採用され得る。
装飾用インクに占める赤系無機顔料の割合は特に限定されないが、装飾用インク全体を100体積%としたときに、概ね0.1体積%以上、0.5体積%以上、例えば0.9体積%以上であるとよい。また、艶感や輝きを高めるという観点からは、装飾用インク全体を100体積%としたときに、赤系無機顔料の割合が、概ね20体積%以下、例えば15体積%以下、12体積%以下であるとよい。
好適な一態様では、赤系無機顔料中に、人体や環境に対して悪影響となり得る成分、例えばヒ素成分や鉛成分、カドミウム成分を実質的に含まない(不可避的な不純物として混入することは許容され得る)。とりわけ食器の装飾に使用される用途などでは、これらの成分を含まないことが好ましい。ここで、一般的に、装飾用インクにおいてマゼンタ色を好適に発色させるためには、カドミウムを含む赤系無機顔料が含まれることが好ましい。一方、上述したように、カドミウムは人体や環境に対して悪影響を及ぼし得るため、装飾用インクに含まれないことが好ましいとされる。ここで開示される装飾用インクは、赤系無機顔料に加えて含金ガラスを含むことを特徴とする。このように、装飾用インクがマゼンタ色を好適に発する含金ガラスを含むことによって、例えばカドミウムを含まない赤系無機顔料を用いた場合においても、マゼンタ色を好適に発色させることができる。
(2)その他の成分
ここで開示される装飾用インクは、ここで開示される技術の効果が発揮される限りにおいて、適宜に他の成分を含んでいてもよい。他の成分の一例としては、分散剤、モノマー成分、光重合開始剤、重合禁止剤、有機バインダ、反応促進剤、界面活性剤、増粘剤、pH調整剤、防腐剤、消泡剤、可塑剤、安定剤、酸化抑制剤などが例示される。例えば、上記モノマー成分や分散剤は、ガラスフリットや赤系無機顔料等の無機固体成分を分散(あるいは、溶解)させる液状成分となり得る。
(a)モノマー成分
ここで開示される装飾用インクは、モノマー成分を含んでいてもよい。かかるモノマー成分の一例としては、熱硬化性モノマーや光硬化性モノマー等が挙げられる。モノマー成分としては、本開示の効果が著しく妨げられない限りにおいて、一般的な装飾用インクに使用され得るモノマーを特に制限なく使用することができる。また、モノマー成分は、例えば室温(典型的には、25℃程度)において液状であるものを好ましく用いることができる。モノマー成分の重量平均分子量は、ここで開示される技術の効果が発揮される限りにおいて特に制限されないが、概ね500~5000程度(例えば1000~3000程度)とすることができる。なお、本明細書において「重量平均分子量」とは、ゲルクロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)によって測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した重量基準の平均分子量をいう。モノマー成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、モノマー成分としては、市販品を特に制限なく用いることができる。
ここで、モノマー成分として光硬化性モノマーを含む場合、例えば水溶性糊剤が塗布された撥水性を有する転写紙上において、より鮮明な画像を描写することができるため、好ましい。ここで、本明細書における「光硬化性モノマー成分」は、光(例えば紫外線)照射時に重合(又は架橋)して硬化する樹脂の単量体(モノマー)を少なくとも一種含む材料を指す。
光硬化性モノマー成分の好適例としては、(a1)単官能アクリレートモノマー、(a2)単官能N-ビニル化合物モノマー、(a3)多官能ビニルエーテルモノマー等が挙げられる。上記(a1)~(a3)の少なくとも1種のモノマーを含む光硬化性モノマー成分は、印刷対象への定着性(光硬化性)に優れているため、種々の印刷対象に好適に使用できる。また、上記(a1)~(a3)の少なくとも1種のモノマー含む光硬化性モノマー成分は、光硬化後の柔軟性に優れているという利点も有しているため、使用時に湾曲させる必要がある印刷対象(例えば、転写紙)に特に好適に使用できる。
(a1)単官能アクリレートモノマー
単官能アクリレートモノマーは、アクリロイル基(CH=CHCOO‐)またはメタアクリロイル基(CH=CCHCOO‐)を分子内に1つ含む化合物である。かかる単官能アクリレートモノマーは、無機固体成分の分散性に優れ、インク粘度の上昇を抑制できるため、好適な吐出性を有するインクの調製に貢献できる。また、単官能アクリレートモノマーは、光硬化性を有するモノマーの中では、光硬化後の剛性が比較的に低い(柔軟性が高い)という特性も有している。なお、吐出性と柔軟性をより向上させるという観点から、光硬化性モノマー成分の総体積を100体積%としたときの単官能アクリレートモノマーの体積比は、40体積%以上であることが好ましく、45体積%以上であることがより好ましく、50体積%以上であることがさらに好ましく、55体積%以上であることが特に好ましく、例えば60体積%以上である。一方で、単官能アクリレートモノマーは、光硬化性が比較的に低い傾向があるため、後述する光硬化性に優れたモノマーの含有量を確保するという観点から、96体積%以下であることが好ましく、90体積%以下であることがより好ましく、85体積%以下であることがさらに好ましく、80体積%以下であることが特に好ましく、例えば78体積%以下である。
単官能アクリレートモノマーの具体例としては、例えば、ベンジルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、(2ーメチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、n-ステアリルアクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシル-ジグリコールアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2-エチルヘキシルカルビトールアクリレート、フェノキシエトキシエチルアクリレートなどが挙げられる。上述した(メタ)アクリレート化合物は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレートは、光硬化後の柔軟性に特に優れているため、転写紙を湾曲させた際のクラックの発生を好適に抑制できる。
(a2)単官能N-ビニル化合物モノマー
単官能N-ビニル化合物モノマーは、窒素含有化合物の窒素(N)原子にビニル基が1つ結合した化合物である。ここでいう「ビニル基」は、CH=CR-(ここで、Rは水素原子又は有機基である)を指す。かかる単官能N-ビニル化合物モノマーは、延伸性が高いため、描画した画像にクラックが生じることを抑制できる。また、単官能N-ビニル化合物モノマーは、優れた光硬化性を有しており、印刷対象の表面への定着性を向上させる機能を有している。なお、定着性をより向上させるという観点から、光硬化性モノマー成分の総体積を100体積%としたときの単官能N-ビニル化合物モノマーの体積比は、2体積%以上であることが好ましく、3体積%以上であることがより好ましく、4体積%以上であることがさらに好ましく、5体積%以上であることが特に好ましい。一方で、単官能N-ビニル化合物モノマーを添加すると硬化後のインクの柔軟性が低下する傾向がある。このため、転写紙等を印刷対象にする場合には、単官能N-ビニル化合物モノマーの含有量を少なくした方が好ましい。かかる観点から、単官能N-ビニル化合物モノマーの体積比は、20体積%以下が好ましく、17体積%以下がより好ましく、15体積%以下がさらに好ましく、13体積%以下が特に好ましく、例えば10体積%以下である。
上記N-ビニル化合物モノマーは、例えば、下記一般式(I)で表される。
CH=CR-NR (I)
上記一般式(I)中、Rは水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、フェニル基、ベンジル基またはハロゲン基である。なかでも、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。R,Rは、水素原子、置換基を有してよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルキロール基、アセチル基(CHCO-)および芳香族基から選択される基であり得る。なお、R,Rの各々は同じであってもよく異なっていてもよい。置換基を有してよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルキロール基およびアセチル基における炭素原子の総数は1~20であり得る。また、上記置換基を有してよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルキロール基およびアセチル基は鎖状または環状であり得るが、鎖状であることが好ましい。また、芳香族基は、置換基を有してよいアリール基である。上記芳香族基における炭素原子の総数は6~36である。上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルキロール基、アセチル基および芳香族基が有し得る置換基は、例えば、水酸基、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を包含する。また、上記一般式(I)中、RとRとは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
上記単官能N-ビニル化合物モノマーの一好適例としては、N-ビニル-2-カプロラクタム、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニル-3-モルホリノン、N-ビニルピペリジン、N-ビニルピロリジン、N-ビニルアジリジン、N-ビニルアゼチジン、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルモルホリン、N-ビニルピラゾール、N-ビニルバレロラクタム、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルフタルイミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド等が挙げられる。これらのなかでも、N-ビニル-2-カプロラクタムは、単官能N-ビニル化合物モノマーの中でも光硬化性が高く、印刷対象の表面への定着性をより好適に向上できる。
(a3)多官能ビニルエーテルモノマー
多官能ビニルエーテルモノマーは、ビニルエーテル基を分子内に少なくとも2つ含む化合物である。ここでいう「ビニルエーテル基」は、-O-CH=CHR(ここで、Rは水素原子又は有機基である)を指す。かかるビニルエーテル基を少なくとも2つ含む多官能ビニルエーテルモノマーは、UV照射時の光硬化速度が速く、かつ、光硬化性に優れているため、印刷対象の表面への定着性を向上させる機能を有している。さらに、多官能ビニルエーテルモノマーは、光硬化性に優れたモノマーのなかでは硬化後の剛性が低く、柔軟性に優れているという特性を有している。なお、印刷対象への定着性と光硬化後の柔軟性とを両立させるという観点から、モノマー成分の総体積を100体積%としたときの多官能ビニルエーテルモノマーの体積比は、2体積%以上であることが好ましく、5体積%以上であることがより好ましく、7体積%以上であることがさらに好ましく、10体積%以上であることが特に好ましく、例えば15体積%以上である。一方で、多官能ビニルエーテルモノマーを添加しすぎると、単官能アクリレートモノマーの添加量が少なくなって光硬化後の柔軟性が低くなる傾向がある。このため、多官能ビニルエーテルモノマーの体積比の上限は、40体積%以下であることが好ましく、35体積%以下であることがより好ましく、30体積%以下であることがさらに好ましく、25体積%以下であることが特に好ましく、例えば20体積%以下である。
上記多官能ビニルエーテルモノマーの一好適例としては、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ノナンジオールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等が挙げられる。これらのなかでも、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルは、基材表面への定着性と光硬化後の柔軟性を高いレベルで両立できるため特に好ましい。
(a4)他の光硬化性モノマー
なお、上述したように、ここで開示される装飾用インクにおける光硬化性モノマー成分は、一般的な装飾用インクに使用され得る光硬化性モノマー成分を特に制限なく使用でき、上述した(a1)~(a3)のモノマーに限定されない。
上記(a1)~(a3)以外のモノマー(他のモノマー)の一例として、アクリロイル基またはメタアクリロイル基を分子内に少なくとも2つ含む多官能アクリレートモノマーが挙げられる。この多官能アクリレートモノマーの好適例として、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン-1,4-ジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン-1,3-ジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAEO3.8モル付加物ジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリプロキシテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、多官能アクリレートモノマー以外の他のモノマーの一例として、ブチルビニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、ブチルブテニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、フェニルアリルエーテル、酢酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物等が挙げられる。
なお、印刷対象への定着性と光硬化後の柔軟性とを両立させるという観点から、光硬化性モノマー成分の総体積を100体積%としたときの他の光硬化性モノマーの体積比は、2体積%以上であることが好ましく、5体積%以上であることがより好ましく、7体積%以上であることがさらに好ましく、10体積%以上であることが特に好ましく、例えば15体積%以上である。また、他の光硬化性モノマーの体積比の上限は、40体積%以下であることが好ましく、35体積%以下であることがより好ましく、30体積%以下であることがさらに好ましく、25体積%以下であることが特に好ましく、例えば20体積%以下である。
なお、上述した(a1)~(a4)のモノマーを含有する光硬化性モノマー成分を使用する場合には、装飾用インクの総体積を100体積%としたときの光硬化性モノマー成分の体積比率を30体積%以上にすることが好ましく、40体積%以上にすることがより好ましく、50体積%以上にすることがさらに好ましい。これによって、印刷対象の表面への定着性と、定着後の柔軟性とをより高いレベルで両立できる。また、無機固体成分の含有量を十分に確保し、光沢と発色性に優れた画像を形成するという観点から、上記光硬化性モノマー成分の体積比率は、65体積%以下にすることが好ましく、60体積%以下にすることがより好ましい。また、(a1)~(a4)の配合比は、使用用途等によって適宜決定されることが好ましい。
(b)分散剤
ここで開示される装飾用インクは、分散剤を含んでもよい。分散剤としては、例えばカチオン系分散剤が用いられる。かかるカチオン系分散剤は、酸塩基反応によって赤系無機顔料の表面に効率良く付着するため、リン酸系分散剤などの他の分散剤と異なり、上記した赤系無機顔料の凝集を抑制して好適に分散させることができる。かかるカチオン系分散剤の一例としてアミン系分散剤が挙げられる。かかるアミン系分散剤は、立体障害により赤系無機顔料が凝集することを抑制すると共に、当該赤系無機顔料を安定化させることができる。また、赤系無機顔料の粒子に同一の電荷を付与することができるため、この点においても、赤系無機顔料の凝集を好適に抑制することができる。このため、インクの粘度を好適に低下させて印刷性を大きく向上させることができる。かかるアミン系分散剤の例としては、脂肪酸アミン系分散剤、ポリエステルアミン系分散剤などが挙げられる。分散剤の含有量は特に制限されず、装飾用インクの全体を100体積%としたとき、概ね10~50体積%程度とすることができる。また、分散剤としては、市販品を特に制限なく用いることができる。
(c)光重合開始剤
ここで開示される装飾用インクは、例えば光硬化性モノマー成分を含む場合、さらに光重合開始剤を含んでいてもよい。光重合開始剤は、光を吸収して活性化し、ラジカル分子や水素イオンなどの反応開始物質を生成する。これらの反応開始物質が光硬化性モノマーに作用することによって、当該光硬化性モノマーの重合反応や架橋反応が促進される。即ち、光重合開始剤の含有量を増加させることによって、少量の光でも容易に硬化するインクを調製できる。なお、光重合開始剤は、従来から使用されている光重合開始剤を特に制限なく使用できる。一例として、アルキルフェノン系光重合開始剤やアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤などのラジカル系光重合開始剤が挙げられる。かかるアルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば、α-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤(例えば、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノンなど)が好ましく用いられる。また、アルキルフェノン系光重合開始剤の他の例として、α-ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オンなど)を用いることができる。上記した種々の光重合開始剤の中でも、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンなどのα-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤は、高い反応性を発揮してインクの硬化速度を向上させることができ、薄膜硬化性や表面硬化性に優れているため、特に好ましく用いることができる。光重合開始剤の含有量は特に制限されず、装飾用インクの全体を100体積%としたとき、概ね1~5体積%程度とすることができる。また、光重合開始剤としては、市販品を特に制限なく用いることができる。
(d)重合禁止剤
ここで開示される装飾用インクは、例えば光硬化性モノマー成分を含む場合、さらに重合禁止剤を含んでもよい。かかる重合禁止剤を添加することにより、使用前に光硬化性モノマー成分が重合・硬化することを抑制できるため、インクの保存を容易にすることができる。重合禁止剤には、光硬化性モノマー成分の光硬化性を著しく低下させ、ここで開示される技術の効果を低下させない限りにおいて、光硬化型インクジェットインクの分野において従来から使用されているものを特に制限なく使用できる。かかる重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メトキノン、ジ-t-ブチルハイドロキノン、P-メトキシフェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ニトロソアミン塩等が挙げられる。これらに含まれる化合物の中でもN-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩は、長期保存における安定性に優れているため特に好適である。重合禁止剤の含有量は特に制限されず、装飾用インクの全体を100体積%としたとき、概ね0.1~5体積%程度とすることができる。また、重合禁止剤としては、市販品を特に制限なく用いることができる。
(3)各構成成分の含有量
ここで開示される装飾用インクは、(a)無機固体成分の総量に対する赤系無機顔料の体積比が所定の範囲内に制御されることによって特徴づけられる。また、ここで開示される装飾用インクは、(b)含金ガラスの総量に対する赤系無機顔料の体積比が所定の範囲内に制御されていてもよい。そして、装飾用インクをインクジェットインクとして用いた場合、インクの粘度を適切な範囲内とするという観点から(c)インクの総量に対する無機固体成分の体積比が所定の範囲内に制御されることが好ましい。
(a)無機固体成分の総量に対する赤系無機顔料の体積比
ここで開示される装飾用インクでは、無機固体成分の総体積を100体積%としたときの赤系無機顔料の体積が5体積%以上に調整されている。かかる「無機固体成分の総体積」は、ここでは赤系無機顔料とガラスフリットの合計体積を指す。赤系無機顔料の効果を得るという観点から、赤系無機顔料の体積比の下限は、1体積%以上に設定している。なお、装飾部におけるマゼンタ発色性をより優れたものにするという観点から、赤系無機顔料は、2.6体積%以上(例えば5体積%以上)であることが好ましい。一方、無機固体成分の総量に対する赤系無機顔料の体積比を増加させすぎると、装飾部の発色性が低下し、かつ、ガラスフリット含有量の減少によって装飾部の定着性が低下するおそれがある。かかる観点から、赤系無機顔料の体積比の上限は、80体積%未満に設定される。なお、装飾部の無機基材への定着性をより優れたものにするという観点から、赤系無機顔料の体積の上限は、70体積%未満(例えば50体積%以下)であることがより好ましい。
(b)含金ガラスの総量に対する赤系無機顔料の体積比
ここで開示される装飾用インクにおいて、含金ガラスの総体積を100体積部としたときの赤系無機顔料の体積比は、ここで開示される技術の効果が発揮される限りにおいて特に制限されない。赤系無機顔料の体積比の下限は、概ね1体積部以上、装飾部のマゼンタ発色性を向上させるという観点から、5体積部以上であることが好ましい。また、赤系無機顔料の体積の上限値は、概ね300体積部以下(例えば250体積部以下)であり、装飾部の定着性をより優れたものにするという観点から、100体積部以下(例えば70体積部以下であることが好ましい。
(c)装飾用インクの総量に対する無機固体成分の体積比
ここで開示される装飾用インクをインクジェットインクとして使用する場合、粘度を適切な範囲内とするという観点から、インクジェットインクの総体積を100体積%としたときの無機固体成分の体積比は35体積%以下に設定されている。かかる「無機固体成分の総体積」は、ここでは赤系無機顔料とガラスフリットの合計体積を指す。かかる無機固体成分の体積が大きくなるに従ってインク粘度が上昇する傾向がある。なお、無機固体成分に含まれる赤系無機顔料とガラスフリットには多くの種類があり、その比重は様々であるため、本実施形態では、無機固体成分の「重量」ではなく、「体積」を調整している。インクの総量に対する無機固体成分の体積比を35体積%以下にすることによって、インクジェット印刷に適した低いインク粘度(典型的には20mPa・s以上110mPa・s未満、好適には30mPa・s以上70mPa・s以下)を得ることができる。なお、インク粘度をより好適に低下させるという観点から、上記無機固体成分の体積比は、30体積%以下であることが好ましく、20体積%以下であることがより好ましい。一方、装飾部の隠蔽性や定着性を十分に確保するという観点から、上記無機固体成分の体積比の下限は、10体積%以上であることが好ましく、15体積%以上(例えば、17体積%以上)であることがより好ましい。
2.装飾用インクの調製
ここで開示される装飾用インクは、種々のインクとして用いることができる。ここで開示される装飾用インクは、例えば、スクリーン印刷用インク、絵付用インク、インクジェットインク等に用いることができる。これらのインクは、従来公知の方法によって調製することができる。また、各インクの粘度は、例えば従来公知の各インクの粘度にしたがって調整することができる。以下では一例として、装飾用インクをインクジェットインクとした場合について、その調製方法を説明する。
先ず、ガラスフリットの好適な調製方法について説明する。はじめに、上述したような金粒子とガラス成分とを湿式方で混合し、液状の混合物を調製する(混合物調製工程)。続いて、かかる混合物を熱処理して、ガラスマトリックス中に金粒子が分散している焼結体を得る(熱処理工程)。そして、かかる焼結体を粉砕する(粉砕工程)。かかる製造方法によると、混合、熱処理という簡単な工程でガラスフリットを得ることができる。
混合物調製工程では、金粒子とガラス成分とを所定の比率で混合する。かかる金粒子は凝集性が高いため、典型的には当該金粒子が分散溶媒中で安定化された分散液の状態で市販されている。また、混合の操作は、例えばマグネティックスターラーや超音波などを用いて行うことができる。本実施形態では、金粒子とガラスフリットとを湿式法で混合することにより、均質性の高い混合物を得ることができる。このようにして、液状の混合物を調製する。
熱処理工程では、混合物を熱処理する。例えば、先ず100℃以下の温度域で乾燥して分散媒をある程度除去し、次にガラス成分のガラス転移点以上の温度で加熱して一体焼結させる。焼結温度は、概ねガラス転移点+0~300℃程度に設定するとよい。例えば上絵付け用の絵具の製造において、ガラス成分のガラス転移点が600~800℃である場合は、焼結温度を800~900℃程度に設定するとよい。焼結時間は、通常凡そ0.1~数時間程度とするとよい。焼結時の雰囲気は、大気雰囲気、酸化雰囲気、不活性ガス雰囲気などとするとよい。このように熱処理することで、ガラスマトリックス中に金粒子が分散している一体的な焼結体を得る。
粉砕工程では、上記焼結体を粉砕(解砕であり得る)および/または分級して、所望の大きさやサイズに調整する。粉砕の操作は、例えば振動ミル、遊星ミル、撹拌雷潰機などを用いて行うことができる。
このようにして、ここで開示されるガラスフリットを得ることができる。
ここで開示されるインクジェットインクは、上記した各材料を所定の割合で混合した後に、無機固体成分の解砕・分散を行うことによって調製され得る。図1はインクジェットインクの製造に用いられる撹拌粉砕機を模式的に示す断面図である。なお、以下の説明は、ここで開示されるインクジェットインクを限定することを意図したものではない。
ここで開示されるインクジェットインクを製造するに際には、先ず、上述した各々の材料を秤量して混合し、当該インクの前駆物質であるスラリーを調製する。次に、図1に示すような撹拌粉砕機100を用いて、スラリーの撹拌と無機固体成分(ガラスフリットおよび赤系無機顔料)の粉砕を行う。具体的には、上記したスラリーに粉砕用ビーズ(例えば、直径0.5mmのジルコニアビーズ)を添加した後に、供給口110から撹拌容器120内にスラリーを供給する。この撹拌容器120内には、複数の撹拌羽132を有したシャフト134が収容されている。かかるシャフト134の一端はモータ(図示省略)に取り付けられており、当該モータを稼働させてシャフト134を回転させることによって複数の撹拌羽132でスラリーを送液方向Aの下流側に送り出しながら撹拌する。この撹拌の際に、スラリーに添加された粉砕用ビーズによって無機固体成分が粉砕され、微粒化した無機固体成分がスラリー中に分散される。
そして、送液方向Aの下流側まで送り出されたスラリーは、フィルター140を通過する。これによって、粉砕用ビーズや微粒化されなかった無機固体成分がフィルター140によって捕集され、微粒化された無機固体成分が十分に分散されたインクジェットインクが排出口150から排出される。このときのフィルター140の孔径を調節することによって、インクジェットインク中の無機固体成分の最大粒子径を制御できる。
3.装飾用インクの用途
次に、ここで開示される装飾用インクの用途について説明する。なお、以下では一例として、装飾用インクをインクジェットインクとした場合について説明する。上述したように、ここで開示されるインクジェットインクは、無色透明なガラス基材や有色の金属基材への画像の描画に好適に使用することができる。なお、本明細書において「ガラス基材または金属基材への画像の描画に使用される」とは、ガラス基材(あるいは、金属基材)の表面にインクを直接付着させる態様だけでなく、転写紙等を介して間接的にインクをガラス基材(あるいは、金属基材)の表面に付着させる態様を含む概念である。即ち、ここで開示される装飾用インクは、転写紙への印刷(転写紙の製造)や、ガラス基材(あるいは、金属基材)の表面への印刷(無機製品の製造)に使用することができる。なお、ガラス基材(あるいは、金属基材)の表面に直接的に印刷を施したものを「印刷物」と呼称するものとする。
(1)転写紙の製造
ここで開示されるインクジェットインクを用いて、無機基材用転写紙を製造する方法(転写紙の表面に画像を描画する印刷方法)を説明する。図2はインクジェット装置の一例を模式的に示す全体図である。図3は図2中のインクジェット装置のインクジェットヘッドを模式的に示す断面図である。
ここで開示されるインクジェットインクは、図2に示すインクジェット装置1のインクジェットヘッド10内に貯蔵される。かかるインクジェット装置1は、4個のインクジェットヘッド10を備えている。各々のインクジェットヘッド10には、ブラック(K)、シアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)の異なる4色のインクが貯蔵される。ここで開示されるインクジェットインクは、マゼンタ(M)のインクジェットヘッド10に貯蔵される。そして、各々のインクジェットヘッド10は、印刷カートリッジ40の内部に収容されている。かかる印刷カートリッジ40は、ガイド軸20に挿通されており、当該ガイド軸20の軸方向Xに沿って往復動するように構成されている。また、図示は省略するが、このインクジェット装置1は、ガイド軸20を垂直方向Yに移動させる移動手段を備えている。これによって、転写紙の台紙Wの所望の位置に向けてインクジェットヘッド10からインクを吐出することができる。
図2に示すインクジェットヘッド10には、例えば、図3に示されるようなピエゾ型のインクジェットヘッドが用いられる。かかるピエゾ型のインクジェットヘッド10には、ケース12内にインクを貯蔵する貯蔵部13が設けられており、当該貯蔵部13が送液経路15を介して吐出部16と連通している。この吐出部16には、ケース12外に開放された吐出口17が設けられていると共に、当該吐出口17に対向するようにピエゾ素子18が配置されている。かかるインクジェットヘッド10では、ピエゾ素子18を振動させることによって、吐出部16内のインクを吐出口17から台紙W(図2参照)に向けて吐出する。
そして、図2に示すインクジェット装置1のガイド軸20には、UV照射手段30が取り付けられている。かかるUV照射手段30は、印刷カートリッジ40に隣接するように配置されており、印刷カートリッジ40の往復動に伴って移動し、インクが付着した台紙Wに紫外線を照射する。これによって、台紙Wの表面に付着した直後にインクが硬化するため、十分な厚みのインクを転写紙(台紙W)の表面に定着させることができる。
上述したように、ここで開示されるインクジェットインクでは、インクジェットインクの総体積に対する無機固体成分の体積が35体積%以下に調節されている。これによって、インク粘度を低い状態に維持できるため、吐出口17から精度高くインクを吐出し、印刷対象(ここでは転写紙)の表面に精密な画像を描画できる。
また、この転写紙の製造には、上述した(a1)~(a4)のモノマーを含有する光硬化性モノマー成分を使用することが好ましい。これにより、十分な柔軟性を有する画像(硬化後のインク)を描画できるため、転写紙を湾曲させた際に画像にクラックが生じることを好適に抑制できる。
(2)印刷物の製造
次に、ここで開示されるインクジェットインクを用いて、印刷物を製造する方法について説明する。印刷物は、無機基材(典型的には、ガラス基材や金属基材)の表面にインクジェット装置を用いて画像を描写することによって製造することができる。インクジェット装置を用いた画像の描写方法に関しては、上述した「転写紙の製造」を参照されたい。
(3)無機製品の製造方法
続いて、ここで開示されるインクジェットインクを用いて、無機製品を製造する方法を説明する。かかるガラス製品の製造方法は、装飾用インク(ここでは、インクジェットインク)を使用して、無機基材の表面に装飾を施す工程を含む。また、ガラス製品の製造方法の好適な一態様では、上記装飾工程は、以下の工程:ここで開示されるいずれかの装飾用インクの硬化物を、無機基材の表面に堆積する工程(堆積工程);および、上記無機基材を350℃~700℃の範囲内で最高焼成温度が設定される条件で焼成する工程(焼成工程);を含む。
かかる製造方法において製造される無機製品は、無機基材の表面に装飾部が形成されたものであれば特に限定されない。例えば、無機製品は、食器、窓ガラス、調理機器などの日用品に限定されず、電子機器、ディスプレイなどの工業用品などであってもよい。また、印刷対象である無機基材は、特に限定されず、一般的に使用されている無機部材を特に制限なく使用できる。なお、後述の焼成工程を考慮すると、無機基材は、軟化点が500℃以上、(より好ましくは600℃以上、さらに好ましくは700℃以上)のものを使用することが好ましい。一方、無機基材の軟化点の上限は、特に限定されない。例えば、無機基材の軟化点の上限は、1600℃以下であってもよいし、1200℃以下であってもよいし、1000℃以下であってもよい。
また、無機基材に形成された装飾部の色調は、例えばJIS Z8729(2004年)に基づくL表色系において、以下の条件:
・L値が10~80(好ましくは15~75)である;
・a値が7以上(好ましくは10以上)である;
・b値が10未満(好ましくは7以下(例えば7未満))である;
を好適に満たし得る。明度L値を所定値以上とすることで、明るく鮮やかな色みを実現することができる。また、明度L値を所定値以下とすることで、深みや温かみのある色みを実現することができる。また、赤方向のa値を所定値以上とすることで、赤色発色性を高めて、シャープではっきりした色みを実現することができる。また、黄方向のb値を所定値以下とすることで、換言すれば黄方向のb値を小さく抑えることで、例えば「マゼンタ」のように紫~青みがかった発色となり、鮮やかなマゼンタ発色を実現することができる。なお、かかる測定は、例えば市販の装置を用いて実施することができる。
また、無機基材に形成された装飾部の色相角(h値)は、例えばJIS Z8729(2004年)に基づくL表色系をベースにして、aおよびbから算出され得る。h値は、a赤方向の軸を0°として、そこから反時計方向の色相に対して移動した角度を意味し得る。h値を所定の範囲内とすることで、赤色発色性を高めて、シャープではっきりした色みを実現することができる。好適な一態様では、h値は-45°以上45°以下であり、例えば-45°以上40°以下や-40°以上45°以下であり、好ましくは-40°以上40°以下である。なお、かかる測定は、例えば市販の装置を用いて実施することができる。
そして、無機基材に形成された装飾部の透過率は、例えばJIS R3106(2019年)に基づく透過率とすることができる。かかる透過率は、例えば40以下であることが好ましく、20以下(例えば20未満)であることがより好ましい。なお、かかる測定は、例えば市販の装置を用いて実施することができる。
堆積工程では、インクジェットインクを無機基材の表面に付着(堆積)させる。無機基材にインクを付着させる手段は、特に限定されず、インクジェット装置を使用して無機基材の表面に直接インクを付着させてもよいし、上述した転写紙を介して間接的にインクを付着させてもよい。なお、インクジェット装置を使用し、無機基材の表面に直接インクを付着させる場合には、上述した「転写紙の製造」と同じ手順に従って、無機基材の表面に向けてインクを吐出させると好ましい。
焼成工程では、インクが付着した無機基材を350℃~700℃(好ましくは550℃~650℃)の範囲内で最高焼成温度が設定される条件で焼成する。これによって、モノマーが硬化した樹脂成分が焼失すると共に、無機固体成分中のガラスフリットが融解する。そして、焼成後に冷却されることによって、融解したガラスフリットが固化し、焼成膜が基材表面に定着する。このとき、ここで開示される製造方法では、無機固体成分の総体積に対する赤系無機顔料の体積が1体積%以上に調整されたインクを使用しているため、隠蔽性に優れた美しい装飾部を形成できる。さらに、無機固体成分の総体積に対する赤系無機顔料の体積が80体積%未満に調整されているため、焼成膜を無機基材の表面に適切に定着させることができる。
以下、ここで開示される装飾用インクに関する試験例について説明するが、本開示をかかる試験例に限定することを意図したものではない。また、以下では、ここで開示される装飾用インクをインクジェットインクとして用いた場合について説明する。
<インクジェットインクの調製>
・例1~19に係るインクジェットインク
表2および表3に示す体積比で各原料を混合したスラリーを調製し、粉砕用ビーズ(直径0.5mmのジルコニアビーズ)を使用した粉砕・分散処理を行うことによって例1~19のインクを得た。なお、表中の体積比は、特に説明のある箇所を除き、インクの総体積を100体積%とした場合の値である。ここで、本試験例では、無機固体成分として、市販の赤系無機顔料(以下、A,B,Cと表記する)と、自社製の含金ガラスとを用いた。ここで、かかる含金ガラスは、ガラスマトリクス(詳しくは、SiO-ZnO-ZrO-TiO系ガラス(67-11-4-5モル%),Tg:500℃,熱膨張係数:9×10―6―1)中に、金粒子(詳しくは、平均粒子径が20nm程度である金粒子)が分散した形態のものを用いた。また、含金ガラスの平均粒子径は3μm程度であり、ガラスマトリックスを100体積部としたとき、金粒子が0.1体積部含まれていた。粉砕(分散)後の含金ガラスの平均粒子径(D50粒径)は、1μm以下であった。そして、分散剤としてアミン系分散剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製:BYK-2013)、光重合開始剤としてアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(IGM RESINS社製:Omnirad 819)、重合禁止剤としてN-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム(富士フィルム和光純薬株式会社製:Q-1301)を添加した。
また、表2および表3中の「光硬化性モノマー成分」は、単官能アクリレートモノマーと、単官能N-ビニル化合物モノマーと、多官能アクリレートモノマーと、多官能ビニルエーテルモノマーとを所定の体積比で混合したものである。なお、単官能アクリレートモノマーとしては、イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)、ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)、フェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)を混合したものを使用した。また、単官能N-ビニル化合物モノマーとしては、N-ビニル-ε-カプロラクタム(東京化成株式会社製)を使用した。さらに、多官能アクリレートモノマーとしては、1,9-ノナンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)を使用した。そして、多官能ビニルエーテルモノマーとしては、トリエチレングリコールジビニルエーテル(日本カーバイド株式会社製)、ジエチレングリコールジビニルエーテル(日本カーバイド株式会社製)、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(日本カーバイド株式会社製)を混合したものを使用した。
ここで、上述した各種赤系無機顔料の赤色発色性は、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光株式会社製:V-770)を用いた赤系無機顔料粉体(1~2mg)の反射率測定によって評価した。具体的には、JIS Z8729(2004年)に基づくL表色系の色度(a)を測定した。かかる測定条件は、カタログに準じて決定した。評価結果を表1に示した。
Figure 2023140741000001
そして、本試験例では、各例について「インクの総量に対する無機固体成分の体積比」と、「無機固体成分の総量に対する赤系無機顔料の体積比」とを算出した。なお、「インクの総量に対する無機固体成分の体積比」は、インク総量を100体積%とした場合の値であり、「無機固体成分の総量に対する赤系無機顔料の体積比」は、無機固体成分の総量を100体積%とした場合の値である。
・例20に係るインクジェットインク
含金ガラスの替わりに無色透明のガラスフリットを使用したこと以外は他の例と同様にして、例20に係るインクジェットインクを調製した。なお、表3の例20では便宜上、無色透明のガラスフリットの含有量を「含金ガラス」の欄に記載している。
<評価試験>
・インク粘度の評価
調製した各例のインク粘度についてB型粘度計(日本S.T.ジョンソン商会製:プログラマブルレオメータLVDV-IIIUltra)を用いて測定した。なお、測定時のインク温度は25℃、スピンドルの回転速度は5rpmに設定した。そして、粘度が70mPa・s未満であったインクをインク粘度「◎」、70mPa・s以上110mPa・s未満であったインクをインク粘度「○」、110mPa・s以上であったインクをインク粘度「×」と評価した。評価結果を表2および表3の該当欄に示した。
<画像の印刷>
インクジェット印刷を用いて、例1~10、15~20のインクを厚さ5mmのガラス基材(軟化点:820℃)の表面に印刷し、例11~14のインクを厚さ1.5mmの金属基材の表面に印刷した。具体的には、インクジェット装置(富士フィルム株式会社製:マテリアルプリンター(DMP-2831)を使用してガラス基材(あるいは、金属基材)の表面にインクを吐出した後に、UV光(波長:395nm)を1秒間照射することによって、ガラス基材の表面に厚み5μm~50μmの画像を描画した。そして、このガラス基材(あるいは、金属基材)を700℃で焼成することによって装飾部を有する試験片を作製した。
・発色性評価
上記のとおり作製した試験片における装飾部のJIS Z8729(2004年)に基づくL表色系の色度(a値およびb値)を、分光測色計(コニカミノルタ株式会社製:CM-700d)を用いて測定した。また、装飾部の隠蔽性(表中では「透過率」と表記している)評価を、分光透過率計(東海光学株式会社:TL-110V)を用いて測定した。a値に関しては、10以上であったものを「◎」、7以上10未満であったものを「○」、7未満であったものを「×」とした。b値に関しては、7未満であったものを「◎」、7以上10未満であったものを「○」、10以上であったものを「×」とした。透過率に関しては、20未満であったものを「◎」、20以上40未満であったものを「○」、40以上であったものを「×」とした。
発色性の総合評価に関しては、「a値」、「b値」、および「透過率」の評価において(金属基材を用いた例11~14に関しては、「a値」および「b値」)、全て◎であったものを「◎」、×が0個であり、かつ、○があったものを「○」、×が1つでもあったものを「×」とした。評価結果を表2および表3の該当欄に示した。
なお、金属基材を用いた例11~14に関しては、「透過率」を測定できなかったため、該当する欄を「-」と表記している。また、例17~18では、インク中のガラス成分の割合が低く、評価前に装飾部が剥離してしまったため、発色性に関する各欄を「-」と表記している。そして、インク粘度を適切に調整することができず、インクジェット装置からインクを吐出できなかった例19に関しては、発色性に関する各欄を「-」と表記している。
・定着性評価
上記のとおり作製した試験片における装飾部のガラス基材(あるいは、金属基材)への定着性を、引っかき硬度(鉛筆法)(JIS K5600-5-4)にて測定し、鉛筆硬度が2H以上であったものを硬度「◎」、鉛筆硬度が2H未満であり、かつ、指の腹で擦っても装飾部が剥がれないものを硬度「○」、鉛筆硬度が2H未満であり、かつ、指の腹で擦っても装飾部が剥がれるものを硬度「×」とした。評価結果を表2および表3の該当欄に示した。
なお、例15~16では、インク中のガラス成分の割合が低く、評価前に装飾部が剥離してしまったため、「定着性」の欄を「-」と表記している。そして、インク粘度を適切に調整することができず、インクジェット装置からインクを吐出できなかった例19に関しては、「定着性」の欄を「-」と表記している。
・総合評価
総合評価に関しては、「発色性の総合評価」、「定着性」、および「インク粘度」の評価において、全て◎であったものを「◎」、×が0個であり、かつ、○があったものを「○」、×が1つでもあったものを「×」とした。評価結果を表2および表3の該当欄に示した。
Figure 2023140741000002
Figure 2023140741000003
表2および表3に示すように、金粒子を含むガラスフリットと、赤系無機顔料と、を含み、上記ガラスフリットおよび上記赤系無機顔料を含む無機固体成分の総体積を100体積%としたとき、上記赤系無機顔料は1体積%以上80体積%未満含まれる例1~14では、装飾部のマゼンタ発色性に優れることが確認された。また、装飾部の定着性に優れることが確認された。一方、赤系無機顔料の含有量が上記範囲外である例16~18では、装飾部のマゼンタ発色性に優れないことが確認された。そして、含金ガラスのみを含む例15と、含金ガラスの替わりに無色透明のガラスフリットを使用した(換言すると、赤系無機顔料のみによって発色を得ようとした)例20では、装飾部における発色性が得られないことが確認された。
また、装飾用インク(ここでは、インクジェットインク)の総体積を100体積%としたとき、無機固体成分(ここでは、赤系無機顔料および含金ガラス)が35体積%超含まれる例19では、インク粘度を適切に調整できないことが確認された。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 インクジェット装置
10 インクジェットヘッド
12 ケース
13 貯蔵部
15 送液経路
16 吐出部
17 吐出口
18 ピエゾ素子
20 ガイド軸
30 UV照射手段
40 印刷カートリッジ
100 撹拌粉砕機
110 供給口
120 撹拌容器
132 撹拌羽
134 シャフト
140 フィルター
150 排出口
A 送液方向
X ガイド軸の軸方向
Y ガイド軸の垂直方向

Claims (11)

  1. ガラス基材または金属基材への画像の描写に使用される装飾用インクであって、
    金粒子を含むガラスフリットと、
    赤系無機顔料と、
    を含み、
    前記ガラスフリットおよび前記赤系無機顔料を含む無機固体成分の総体積を100体積%としたとき、前記赤系無機顔料は1体積%以上80体積%未満含まれる、装飾用インク。
  2. 前記無機固体成分の総体積を100体積%としたとき、前記赤系無機顔料は5体積%以上70体積%未満含まれる、請求項1に記載の装飾用インク。
  3. 前記赤系無機顔料は、カドミウムを含まない、請求項1または2に記載の装飾用インク。
  4. 前記赤系無機顔料は、分光光度計に基づくa値がa>10である、請求項1~3のいずれか一項に記載の装飾用インク。
  5. 前記装飾用インクはインクジェットインクであって、
    前記インクジェットインクの総体積を100体積%としたとき、前記無機固体成分は35体積%以下含まれる、請求項1~4のいずれか一項に記載の装飾用インク。
  6. 前記ガラスフリットの平均粒子径は、1μm以下である、請求項5に記載の装飾用インク。
  7. さらに、光硬化性を有するモノマー成分を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の装飾用インク。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載のインクからなる画像の描写を備えた、印刷物。
  9. 請求項1~7のいずれか一項に記載の装飾用インクからなる画像の描写を備えた、無機基材用転写紙。
  10. 無機製品の製造方法であって、
    請求項1~7のいずれか一項に記載の装飾用インクを使用して、無機基材の表面に装飾を施す装飾工程を含む、無機製品の製造方法。
  11. 前記装飾工程は、以下の工程:
    請求項1~7のいずれか一項に記載の装飾用インクの硬化物を、無機基材の表面に堆積する工程;および、
    前記無機基材を350℃~700℃の範囲内で最高焼成温度が設定される条件で焼成する工程;
    を含む、請求項10に記載の無機製品の製造方法。
JP2022046734A 2022-03-23 2022-03-23 装飾用インクおよびその利用 Pending JP2023140741A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022046734A JP2023140741A (ja) 2022-03-23 2022-03-23 装飾用インクおよびその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022046734A JP2023140741A (ja) 2022-03-23 2022-03-23 装飾用インクおよびその利用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023140741A true JP2023140741A (ja) 2023-10-05

Family

ID=88205312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022046734A Pending JP2023140741A (ja) 2022-03-23 2022-03-23 装飾用インクおよびその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023140741A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111051441B (zh) 陶瓷基材用喷墨墨
EP2707440B1 (en) Uv curable ink jet printing ink composition
KR101643597B1 (ko) 활성 에너지선 경화성 잉크젯 기록용 잉크
JP7285309B2 (ja) インクジェットインク
CN107073991B (zh) 珠光和金属色的喷墨印刷
WO2021193447A1 (ja) インクジェットインク
CN115380087B (zh) 喷墨墨
JP6352595B2 (ja) 加飾用フィルムの製造方法およびエネルギー線硬化型インクジェットインク
WO2020174870A1 (ja) インクジェットインク
JP2023140741A (ja) 装飾用インクおよびその利用
JP2023140740A (ja) 装飾用インクおよびその利用
JP6421696B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ
JP6606393B2 (ja) 無機質基材加飾用活性エネルギー線硬化型インク組成物
JP6904777B2 (ja) 無機基材用インクジェットインク
JP6439063B2 (ja) 加飾用フィルムの製造方法およびエネルギー線硬化型インクジェットインク
JP6967624B2 (ja) 印刷物及びその製造方法
JP2022092231A (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ及び印刷物の製造方法