JP2023140178A - 調光フィルム、および調光フィルムの製造方法 - Google Patents

調光フィルム、および調光フィルムの製造方法 Download PDF

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Sho Shibahara
誠 西村
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【課題】調光品質が高い調光フィルムを提供すること。【解決手段】調光フィルムは、第1透明支持層と、第2透明支持層と、前記第1透明支持層に支持された第1透明電極層と、前記第2透明支持層に支持された第2透明電極層と、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に設けられた高分子分散型液晶層と、を有し、前記第1透明電極層は、第1絶縁領域と、前記第1絶縁領域を介して相互に絶縁された複数の第1電極領域と、を含み、前記第2透明電極層は、第2絶縁領域と、前記第2絶縁領域を介して相互に絶縁された複数の第2電極領域と、を含み、前記第1絶縁領域および前記第2絶縁領域それぞれの幅の長さは、前記高分子分散型液晶層の厚みの長さよりも長い。【選択図】図1

Description

本発明は、調光フィルム、および調光フィルムの製造方法に関する。
従来、一対の透明電極層の間に設けられた高分子分散型液晶層を有する調光フィルムが知られている。このような調光フィルムは、調光フィルムへの入射光に対する光透過特性や光散乱特性等の光学特性を駆動電圧に応じて変化させることにより調光する。
調光フィルムとして、透明電極層を部分的に除去することにより一対の透明電極層の少なくとも一方に絶縁部を設け、透明電極層を複数の領域に分離した構成が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2018-60128号公報 国際公開第2019/244871号
調光フィルムには、高い調光品質が求められる。
本発明は、調光品質が高い調光フィルムを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る調光フィルムは、第1透明支持層と、第2透明支持層と、前記第1透明支持層に支持された第1透明電極層と、前記第2透明支持層に支持された第2透明電極層と、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に設けられた高分子分散型液晶層と、を有し、前記第1透明電極層は、第1絶縁領域と、前記第1絶縁領域を介して相互に絶縁された複数の第1電極領域と、を含み、前記第2透明電極層は、第2絶縁領域と、前記第2絶縁領域を介して相互に絶縁された複数の第2電極領域と、を含み、前記第1絶縁領域および前記第2絶縁領域それぞれの幅の長さは、前記高分子分散型液晶層の厚みの長さよりも長い。
本発明によれば、調光品質が高い調光フィルムを提供できる。
実施形態に係る高分子分散型液晶装置の全体構成を例示する平面図である。 図1のIA-IA切断線に沿う断面図である。 図1のIB-IB切断線に沿う断面図である。 実施形態に係る調光フィルムの製造方法を例示するフローチャートである。 実施形態に係る調光フィルムの絶縁領域の形成方法を例示する図である。 実施形態に係る調光フィルムにおける電界の作用の一例を示す図である。 実施形態に係る調光フィルムにおける電界の作用の他の例を示す図である。 実施例および比較例における調光領域を説明する図である。 実施例2および比較例1に係る絶縁領域を例示する拡大図である。 実施例4および比較例2に係る絶縁領域を例示する拡大図である。 実施例に係る調光フィルムの作製プロセスを例示する第1断面図である。 実施例に係る調光フィルムの作製プロセスを例示する第2断面図である。 実施例に係る調光フィルムの作製プロセスを例示する第3断面図である。 図11の状態を平面視した平面図である。 実施例に係るガラス積層した調光フィルムの作製プロセスを例示する第1断面図である。 実施例に係るガラス積層した調光フィルムの作製プロセスを例示する第2断面図である。 図14の状態を平面視した平面図である。 図1の調光フィルムにガラス積層した構成を例示する平面図である。 図16のXVIA-XVIA断面図である。 図16のXVIB-XVIB断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図面において、同一の構成部には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。また以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための調光フィルムおよび調光フィルムの製造方法を例示するものであって、本発明を以下に示す実施形態に限定するものではない。以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。
以下に示す図においてX軸、Y軸およびZ軸により方向を示す場合があるが、X軸に沿うX方向は、平面視における調光フィルム面内での所定方向を示し、Y軸に沿うY方向は、調光フィルム面内においてX方向に略直交する方向を示す。Z軸に沿うZ方向は、調光フィルムの法線方向を示す。X方向において矢印が向いている方向を+X方向、+X方向の反対方向を-X方向と表記し、Y方向において矢印が向いている方向を+Y方向、+Y方向の反対方向を-Y方向と表記する。またZ方向において矢印が向いている方向を+Z方向、+Z方向の反対方向を-Z方向と表記する。実施形態の用語における平面視とは、調光フィルムを法線方向から視ることをいう。但し、これらのことは、調光フィルムの使用時における向きを制限するものではなく、調光フィルムの向きは任意である。
以下、実施形態に係る調光フィルム10を有する高分子分散型液晶装置1を一例として説明する。
<高分子分散型液晶装置1の構成>
(全体構成)
図1は、高分子分散型液晶装置1の全体構成を例示する平面図である。
高分子分散型液晶装置1は、平面視形状が略矩形であるフィルム状の装置である。図1に示すように、高分子分散型液晶装置1は、調光フィルム10と、駆動回路20と、バッテリ30と、を有する。
高分子分散型液晶装置1は、調光フィルム10を駆動させることにより、調光フィルム10への入射光が調光フィルム10を透過する状態と、調光フィルム10への入射光が調光フィルム10により散乱する状態と、を切り替えることができる。高分子分散型液晶装置1は、窓やパーティション等に取り付けられることにより、窓やパーティションに対するブラインドシャッター、あるいは窓やパーティションに所望のパターンを表示させるディスプレイ等として機能する。
調光フィルム10は、平面視形状が略矩形であるフィルム状の部材である。調光フィルム10は、高分子中に液晶分子を分散させた高分子分散型液晶層を含む。調光フィルム10は、高分子分散型液晶を挟んで設けられた電極層に駆動回路20から駆動電圧が印加されることにより、光を透過させる状態と、光を散乱させる状態と、を切り替える。
例えば駆動回路20から駆動電圧が印加されると、高分子分散型液晶層に含まれている液晶分子は、駆動電圧に応じた電界方向に沿って規則的に並ぶ。この状態では、液晶分子の屈折率と高分子の屈折率とが略一致し、調光フィルム10への入射光は、調光フィルム10をZ方向に透過する。その結果、高分子分散型液晶装置1のユーザ(以下、単にユーザという)は、Z方向における調光フィルム10の一方の側から他方の側を視認可能となる。
一方、調光フィルム10は、駆動回路20から駆動電圧が印加されていない状態では、高分子分散型液晶層に含まれている液晶分子の配列が不規則になる。この状態では、液晶分子と高分子の屈折率差によって調光フィルム10に入射する光が散乱し、調光フィルム10は白色化する。その結果、ユーザは、Z方向における調光フィルム10の一方の側から他方の側を視認できなくなる。
本実施形態では特に、調光フィルム10は、調光領域10aと、調光領域10bと、調光領域10cと、調光領域10dと、を含む。調光領域10a、10b、10cおよび10dは、絶縁領域11を介して分離されることにより絶縁されており、互いに独立して駆動可能である。図1の例では、絶縁領域11は、平面視において星形状のパターンに形成(パターニング)されている。調光領域10a、10bおよび10cは、絶縁領域11により縁取られた星形状の領域であり、調光領域10dは、絶縁領域11を挟んで調光領域10a、10bおよび10cそれぞれの外側に位置する領域である。
端子40および50は、調光フィルム10と、外部と、を電気的に接続するための部材である。端子40および50は、例えば銅箔テープを含んで構成される。但し、これに限定されず、ねじ等の金属部材やはんだ等の合金を含む突起部等を含んで構成されてもよい。なお、端子40は、端子40a、40b、40cおよび40dを特に区別しない場合の総称表記である。
例えば、調光フィルム10は、調光領域10a、10b、10cおよび10dのうち、調光領域10aのみに駆動電圧が印加されると、調光フィルム10への入射光を、調光領域10aでは透過させ、調光領域10b、10cおよび10dでは散乱させる。その結果、ユーザは、調光領域10aのみにおいて、Z方向における調光フィルム10の一方の側から他方の側を視認可能となる。
また調光フィルム10は、調光領域10a、10b、10cおよび10dに印加される駆動電圧の切り替えにより、調光フィルム10への入射光を透過または散乱させる領域を時系列に切り替えることができる。例えば調光フィルム10は、調光領域10a、10bおよび10cの順に駆動電圧が印加されることにより、調光領域10a、10bおよび10cの各位置に星形のパターンが移動しているかのような動的なパターンをユーザに視認させることができる。動的なパターンとは、パターンの位置または形状の少なくとも一方が時系列に変化するパターンをいう。
絶縁領域11のパターンは、星形のパターンに限定されず、用途やユーザの嗜好等に応じて任意に変更可能である。換言すると、調光フィルム10は、絶縁領域11のパターンに応じた意匠性を任意に付与できる。例えば絶縁領域11により桜の花びらのパターンを形成しておき、調光フィルム10への入射光を透過または散乱させる領域を時系列に切り替えることにより、調光フィルム10は、桜の花びらが舞い降りる動的なパターンをユーザに視認させることができる。なお、図1に示す調光領域の個数および配置等は一例であり、用途やユーザの嗜好等に応じて適宜変更可能である。
図1において、バッテリ30は、駆動回路20へ直流電力を供給する。バッテリ30としては、アルカリ乾電池やマンガン乾電池等の各種一次電池、リチウムイオン二次電池やリチウムポリマー二次電池等の各種の二次電池を使用できる。また、ACアダプタにより交流電力を直流電力に変換し、駆動回路20へ直流電力を供給する。
駆動回路20は、調光フィルム10に駆動電圧を印加することにより、調光フィルム10を駆動させる。具体的には、駆動回路20は、バッテリ30から供給された直流電力に応じた直流電圧を調光フィルム10に印加することにより、調光フィルムを駆動させる。あるいは、駆動回路20は、バッテリ30から供給された直流電力に基づいて生成した交流電圧を調光フィルム10に印加することにより、調光フィルム10を駆動させる。また駆動回路20は、充電ケーブルが接続される充電端子を有しており、充電ケーブルから充電端子を介して供給された電力を用いてバッテリ30を充電できる。
高分子分散型液晶装置1は、スイッチを備え、スイッチがオンに切り替わることにより、調光フィルム10へ駆動電圧が印加される。このスイッチは、ユーザ操作によって手動的に切り替え動作を行うものであってもよく、リモコン、スマートフォン等を用いた外部からの制御により切り替え動作を行うものであってもよく、フォトセンサ等の各種センサによる検出結果に応じて、自動的に切り替え動作を行うものであってもよい。また、スイッチは、単に駆動電圧の印加をオンおよびオフに切り替えることができるものに限らず、駆動電圧または駆動電流を調整することにより、調光フィルム10による光の透過率を調整可能なものであってもよい。
(調光フィルム10の構成)
図2Aは、図1のI-I切断線に沿う断面図である。図2Aに示すように、調光フィルム10は、薄板状の複数の構成部が積層された積層構造を有する。具体的には、調光フィルム10は、+Z方向側から-Z方向側に、第1透明支持層12と、第1透明電極層13と、高分子分散型液晶層14と、第2透明電極層15と、第2透明支持層16と、をこの順に有し、これらが積層された積層構造を有する。
第1透明支持層12および第2透明支持層16は、それぞれ略矩形の平面視形状を有する透明なフィルム状部材である。なお、実施形態の用語における透明は、少なくとも可視光に対して60%以上の透過率を有することを意味する。第1透明支持層12は、調光フィルム10の最も+Z方向側に設けられ、第2透明支持層16は、調光フィルム10の最も-Z方向側に設けられる。第1透明支持層12と第2透明支持層16とは向き合って配置される。
第1透明支持層12および第2透明支持層16の材料には、ガラス基板やシリコン基板、あるいは、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリサルホン、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース等からなる高分子フィルムが用いられる。
第1透明支持層12および第2透明支持層16はフィルム状の部材に限らず板状の部材等であってもよい。また第1透明支持層12および第2透明支持層16の平面視形状は、略矩形に限定されず、略円形、略楕円形または略多角形等であってもよい。
樹脂材料を含むフィルム状部材として調光フィルム10を構成すると、調光フィルム10をロール状に巻いたり、折り曲げたりすることができるため、調光フィルム10の生産性や使い勝手の観点ではより好適である。
第1透明電極層13および第2透明電極層15は、導電性を有する透明且つ薄膜状の部材である。第1透明電極層13は第1透明支持層12に支持されており、第2透明電極層15は第1透明支持層12に支持されている。第1透明電極層13および第2透明電極層15には、例えば酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ(CNT)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を含むポリマー、Ag合金薄膜を含む多層膜等を適用できる。
第1透明電極層13は、第1絶縁領域111と絶縁領域61、第1電極領域13a、13b、13cおよび13dと、を含む。第1電極領域13a、13b、13cおよび13dは、第1絶縁領域111と絶縁領域61を介して相互に絶縁されている。
第2透明電極層15は、第2絶縁領域112と、第2電極領域15a、15b、15cおよび15dと、を含む。第2電極領域15a、15b、15cおよび15dは、導通している。
なお、図2Aでは、第1電極領域13a、13b、13cおよび13dのうち、第1電極領域13aおよび13dのみを表示しているが、第1電極領域13a、13b、13cおよび13dのそれぞれは、配置される位置のみが異なり、同じ機能を有する。このため、図2Aにおける第1電極領域13aおよび13dを、第1電極領域13bまたは13cに置き換えてもよい。
同様に図2Aでは、第2電極領域15a、15b、15cおよび15dのうち、第2電極領域15aおよび15dのみを表示しているが、第2電極領域15a、15b、15cおよび15dのそれぞれは、配置される位置のみが異なり、同じ機能を有する。このため、図2Aにおける第2電極領域15aおよび15dを、第2電極領域15bまたは15cに置き換えてもよい。
第1電極領域13a、13b、13cおよび13dはレーザ加工による第1絶縁領域111と物理的切断による絶縁領域61を介して分離されることにより絶縁されている。
第2透明電極層15は、レーザ加工による第2絶縁領域112のみであるため、第2透明電極層15は導通している。
調光領域10aは、駆動回路20から第1電極領域13aおよび第2透明電極層15を介して駆動電圧が印加される。第1電極領域13aは、駆動回路20から端子40aを通じて駆動電圧が印加され、第2透明電極層15は、端子50を通じて駆動電圧が印加される。
調光領域10bは、駆動回路20から第1電極領域13bおよび第2透明電極層15を介して駆動電圧が印加される。第1電極領域13bは、駆動回路20から端子40bを通じて駆動電圧が印加され、第2透明電極層15は、端子50を通じて駆動電圧が印加される。
調光領域10cは、駆動回路20から第1電極領域13cおよび第2透明電極層15を介して駆動電圧が印加される。第1電極領域13cは、駆動回路20から端子40cを通じて駆動電圧が印加され、第2透明電極層15は、端子50を通じて駆動電圧が印加される。
調光領域10dは、駆動回路20から第1電極領域13d第2透明電極層15を介して駆動電圧が印加される。第1電極領域13dは、駆動回路20から端子40cを通じて駆動電圧が印加され、第2透明電極層15は、端子50を通じて駆動電圧が印加される。
第1絶縁領域111は、第1透明電極層13の一部をレーザ加工により除去することによって形成される。第2絶縁領域112は、第2透明電極層15の一部をレーザ加工により除去することによって形成される。第1絶縁領域111と第2絶縁領域112は、平面視において重なっており、両者で絶縁領域11を構成する。絶縁領域61は、第1透明支持層12と第1透明電極層13を切断することにより形成される。切断手法はカッターやはさみ、CO2レーザ等が挙げられる。
第1電極領域13aと第2電極領域15aは、平面視において重なっており、両者で調光領域10aを構成する。第1電極領域13bと第2電極領域15bは、平面視において重なっており、両者で調光領域10bを構成する。第1電極領域13cと第2電極領域15cは、平面視において重なっており、両者で調光領域10cを構成する。第1電極領域13dと第2電極領域15dは、平面視において重なっており、両者で調光領域10dを構成する。換言すると、第1電極領域13a、13b、13cおよび13dは、平面視において第2電極領域15a、15b、15cおよび15dと対をなして重なっており、それぞれで調光領域10a、10b、10cおよび10dを構成する。
第1電極領域13a、13b、13cおよび13dは、複数の第1電極領域の一例である。第2電極領域15a、15b、15cおよび15dは、複数の第2電極領域の一例である。なお、複数の第1電極領域の個数、配置および形状等は、複数の調光領域に合わせて適宜変更可能である。同様に複数の第2電極領域の個数、配置および形状等は、複数の調光領域に合わせて適宜変更可能である。
高分子分散型液晶層14は、第1透明電極層13と第2透明電極層15との間に設けられる。高分子分散型液晶層14は、第1透明電極層13と第2透明電極層15との間に高分子分散型液晶を充填することにより形成できる。高分子分散型液晶層14は、第1透明電極層13および第2透明電極層15から駆動電圧が印加されていない状態では、液晶分子の配列が不規則となり、光を散乱させる。一方、高分子分散型液晶層14は、第1透明電極層13および第2透明電極層15から駆動電圧が印加されている状態では、液晶分子の配列が規則的となり、光を透過させる。
図2Aにおいて、幅w1は第1絶縁領域111の幅を表し、幅w2は第2絶縁領域112の幅を表す。換言すると、幅w1は、第1電極領域13a、13b、13cおよび13dのうち、隣接する第1電極領域同士の間の距離である。幅w2は、第2電極領域15a、15b、15cおよび15dのうち、隣接する第2電極領域同士の間の距離である。
厚みt0は、高分子分散型液晶層14の厚みを表す。換言すると、厚みt0は、第1透明電極層13の法線方向に沿った第1透明電極層13から第2透明電極層15までの間の距離である。
本実施形態では、幅w1および幅w2それぞれの長さは、厚みt0の長さよりも長い。また幅w1と幅w2とは異なっており、幅w2は幅w1よりも広い。
(端子40の構成)
図2Bは、図1のIB-IB切断線に沿う断面図であり、調光フィルム10が有する端子40の構成を例示するものである。
図2Bに示すように、端子40は、第1透明支持層12に支持された第1透明電極層13に第1導電性粘着部材41を介して接着されることにより、第1電極領域13a、13b、13cおよび13dに設けられる。図4の例では、Z方向において端子40に向き合う第2透明電極層15および第2透明支持層16は除去されており、第1電極領域13a、13b、13cおよび13d(図2A参照)に端子40を設ける工程が行いやすくなっている。
<調光フィルム10の製造方法>
(全体フロー)
次に、調光フィルム10の製造方法について説明する。図3は、調光フィルム10の製造方法を例示するフローチャートである。
図3に示すように、調光フィルム10の製造方法では、まずステップS31において、第1透明支持層12に第1透明電極層13を形成する。例えば、フィルム蒸着法、真空蒸着法またはスパッタリング法等を用いて成膜することにより、第1透明支持層12に第1透明電極層13を形成でき、第1透明支持層12は第1透明電極層13を支持できる。なお、第1絶縁領域111は、この時点ではまだ第1透明電極層13に形成されない。
続いて、ステップS32において、第2透明支持層16に第2透明電極層15を形成する。ステップS31と同様に、フィルム蒸着法、真空蒸着法またはスパッタリング法等を用いて成膜することにより、第2透明支持層16に第2透明電極層15を形成でき、第2透明支持層16は第2透明電極層15を支持できる。なお、第2絶縁領域112は、この時点ではまだ第2透明電極層15に形成されない。
続いて、ステップS33において、第1透明電極層13と第2透明電極層15との間に高分子分散型液晶層14を形成する。例えば、モノマーと架橋剤、液晶、溶媒等を混合した塗工液を、第1透明支持層12を有する第1透明電極層13上に塗工し、乾燥する。高分子分散型液晶層14を塗工により形成後、第2透明支持層16を有する第2透明電極層15を貼り合わせることで、第1透明電極層13と第2透明電極層15との間に高分子分散型液晶層14を形成する。
続いて、ステップS34において、第1透明支持層12側(+Z方向側)からレーザ光としてのレーザビームを照射し、レーザ加工法によって第1透明電極層13に第1絶縁領域111を形成する。レーザ光源には、例えばファイバーレーザを使用できる。
第1絶縁領域111を形成する際には、ガルバノミラー等を用いてX方向またはY方向の少なくとも一方にレーザビームを走査させることにより、所望のパターンを有する第1絶縁領域111を第1透明電極層13に形成できる。但し、レーザビームの走査に代えて、X方向またはY方向の少なくとも一方に調光フィルム10を移動させることにより所望のパターンを有する第1絶縁領域111を形成してもよい。或いは、レーザビームの走査と調光フィルム10の移動とを組み合わせて所望のパターンを有する第1絶縁領域111を形成してもよい。
続いて、ステップS35において、第1透明支持層12側からレーザビームを照射し、レーザ加工法によって第2透明電極層15に第2絶縁領域112を形成する。
第2絶縁領域112を形成する際には、第1絶縁領域111を形成する場合と同様に、ガルバノミラー等を用いてX方向またはY方向の少なくとも一方にレーザビームを走査させることにより、所望のパターンを有する第2絶縁領域112を第2透明電極層15に形成できる。但し、レーザビームの走査に代えて、X方向またはY方向の少なくとも一方に調光フィルム10を移動させることにより、所望のパターンを有する第2絶縁領域112を形成してもよい。或いは、レーザビームの走査と調光フィルム10の移動とを組み合わせて所望のパターンを有する第2絶縁領域112を形成してもよい。絶縁領域61は、第1透明支持層12と第1透明電極層13を切断することにより形成される。切断手法はカッターやはさみ、CO2レーザ等が挙げられる。
このようにして、調光フィルム10を製造できる。
製造効率を向上させ、また第1絶縁領域111と第2絶縁領域112との位置合わせを正確に行う観点では、ステップS34およびステップS35は、一度のレーザビームの照射により並行して行われることが好ましい。レンズ等を用いて集光するレーザビームを第1透明電極層13または第2透明電極層15に照射してもよい。
また、長尺のフィルム状部材である調光フィルム10に対し、ロールツーロール方式の製造方法を適用することもできる。
具体的には、ステップS31において、長尺のフィルム状部材である第1透明支持層12に第1透明電極層13を形成する。続いて、ステップS32において、長尺のフィルム状部材である第2透明支持層16に第2透明電極層15を形成する。
続いて、第1透明支持層12を有する第1透明電極層13上に高分子分散型液晶層14を塗工により形成後、第2透明支持層16を有する第2透明電極層15を貼り合わせることで、第1透明電極層13と第2透明電極層15との間に高分子分散型液晶層14を形成する。第1透明支持層12と第2透明支持層16とが貼り合わされた状態である長尺のフィルム状部材をロール状に巻取る。長尺のフィルム状部材は、ロール状に巻き取られた状態において運搬および保管等が可能になる。
続いて、ロール状の状態から巻き出された長尺のフィルム状部材に対し、レーザビームを照射することにより、第1絶縁領域111および第2絶縁領域112を形成する。続いて、第1絶縁領域111および第2絶縁領域112を形成後の長尺のフィルム状部材を再度ロール状に巻き取る。その後、ロール状に巻かれたフィルム状部材から所定の領域を切り出す。
このようにしてロールツーロール方式により調光フィルム10を製造できる。ロールツーロール方式を適用することにより、部材の搬送に伴う手間および搬送装置を削減できるため、より効率的に調光フィルム10を製造可能になる。
(絶縁領域の形成方法)
図4は、調光フィルム10に対する第1絶縁領域111および第2絶縁領域112の形成方法の一例を示す図である。図4に示すように、第1透明支持層12の+Z方向側には、レーザ光源200が設けられている。レーザ光源200は、第1透明支持層12、第1透明電極層13、高分子分散型液晶層14、第2透明電極層15および第2透明支持層16が積層されたフィルム状部材にレーザビーム210を照射する。
レーザ光源200から照射されたレーザビーム210は、第1透明支持層12を透過した後、第1透明電極層13に到達し、レーザビーム210が到達した領域における第1透明電極層13を融解または蒸発させて除去する。これにより、第1透明電極層13上に所望のパターンを有する第1絶縁領域111を形成できる。
また、レーザ光源200から照射されたレーザビーム210は、第1透明電極層13が除去された第1絶縁領域111を通って-Z方向側にさらに伝搬し、高分子分散型液晶層14を透過した後、第2透明電極層15に到達する。高分子分散型液晶層14に含まれる液晶分子は不規則に配列しているため、レーザビーム210は散乱され、高分子分散型液晶層14への入射時と比較してビーム径が太くなった状態で第2透明電極層15に到達する。
第2透明電極層15に到達したレーザビーム210は、レーザビーム210が到達した領域における第2透明電極層15を融解または蒸発させて除去する。これにより、第2透明電極層15上に所望のパターンを有する第2絶縁領域112を形成できる。
第2透明電極層15に到達するレーザビーム210のビーム径は、第1透明電極層13に到達するレーザビーム210のビーム径と比較して太くなっているため、第2絶縁領域112の幅w2は、第1絶縁領域111の幅w1よりも広くなる。
<絶縁領域11の作用>
調光フィルム10における絶縁領域11の作用について、第1絶縁領域111の幅w1、第2絶縁領域112の幅w2および高分子分散型液晶層14の厚みt0等の具体例を挙げて説明する。
図5Aは、調光フィルム10における絶縁領域11の作用を説明する図である。図5Aにおいて、第1透明支持層12および第2透明支持層16はそれぞれPETを含んで構成されている。第1透明電極層13の厚みt1および第2透明電極層15の厚みt2はそれぞれ23[nm]である。高分子分散型液晶層14の厚みt0は23[μm]である。
第1電極領域13dおよび第2電極領域15dは、調光領域10dを構成している。第1電極領域13aおよび第2電極領域15aは、調光領域10aを構成している。第1絶縁領域111および第2絶縁領域112は、絶縁領域11を構成している。
第1透明電極層13に駆動電圧70[V]が印加され、第2透明電極層15がグランド(GND)に接続されると、調光領域10dの近傍では、図5Aに矢印で示した電気力線E1、E2およびE3を含む電界が形成される。
電気力線E1は、第1透明電極層13への駆動電圧の印加に伴い、調光領域10dにおいて発生する電気力線である。電気力線E2およびE3は、第1透明電極層13への駆動電圧の印加に伴い、絶縁領域11において発生する電気力線である。電気力線E3は、電気力線E2よりもX方向に沿って調光領域10dから離れた位置での電気力線である。電界強度は、X方向に沿って調光領域10dから離れるほど小さくなるため、電気力線E3の位置での電界強度は、電気力線E2の位置での電界強度よりも小さい。
ここで、図5Bは、調光フィルム10における絶縁領域11の作用の他の例を示す図である。図5Bでは、第1絶縁領域111の幅w1と第2絶縁領域112の幅w2とが略同じ長さに形成され、かつ第1絶縁領域111の幅w1と第2絶縁領域112の幅w2のそれぞれの長さは、高分子分散型液晶層14の厚みt0の長さよりも短くなっている。例えば、第1絶縁領域111の幅w1および第2絶縁領域112の幅w2をそれぞれ20[μm]である。
この場合には、調光領域10dにおいて形成される電界強度は、調光領域10aの位置において小さくならない。その結果、絶縁領域11を挟んで隣接する調光領域10dと調光領域10aとの間において電界のクロストークが生じる。換言すると、絶縁領域11による絶縁作用が不十分になり、調光領域10dの電界が調光領域10aに対して影響する。例えば調光領域10dを透明にし、調光領域10aを白色化させるように駆動した場合に、調光領域10aと調光領域10d両方が透明または半透明になる。これにより、調光フィルムの調光品質が低下する。
一方、例えば、第1絶縁領域111の幅w1および第2絶縁領域112の幅w2をそれぞれ30[μm]とし、高分子分散型液晶層14の厚みt0の長さよりも長くすると、調光領域10dにおいて形成される電界強度は、調光領域10aの位置において小さくなる。その結果、調光領域10dと調光領域10aとの間において電界のクロストークは抑制される。換言すると、絶縁領域11による絶縁作用が良好になり、調光領域10dの電界による調光領域10aへの影響は抑制される。その結果、調光領域10dおよび調光領域10aは、独立して駆動可能になり、調光フィルムの調光品質が高く確保される。
<実施例、比較例>
以下、より具体的な実施例および比較例について説明するが、本発明は、これらの例に何ら限定されない。
実施例および比較例では、高分子分散型液晶層14の厚みt0、第1絶縁領域の幅w1および第2絶縁領域の幅w2をそれぞれ変化させながら、歩留まりKと、独立駆動状況J1、J2およびJ3と、を評価した。
独立駆動状況J1は、225個の調光領域のうち、絶縁領域11による絶縁作用が良好であり、完全に独立駆動できた調光領域の数を表す。具体的には、独立駆動状況J1は、隣接する調光領域の一方に駆動電圧を印加し、他方に駆動電圧を印加しなかった場合に、他方側において白色化できた調光領域の数に該当する。
独立駆動状況J2は、225個の調光領域うち、絶縁領域11による絶縁作用が不十分であり、隣接する調光領域の電界の影響を受けた調光領域の数を表す。具体的には、独立駆動状況J2は、隣接する調光領域の一方に駆動電圧を印加し、他方に駆動電圧を印加しなかった場合に、他方側において半透明になる等して十分に白色化できなかった調光領域の数に該当する。
独立駆動状況J3は、225個の調光領域うち、絶縁領域11による絶縁作用が不十分であり、独立駆動できなかった調光領域の数を表す。具体的には、独立駆動状況J3は、隣接する調光領域の一方に駆動電圧を印加し、他方に駆動電圧を印加しなかった場合に、他方側において透明になった調光領域の数に該当する。
図6は、実施例および比較例における調光領域を説明する図である。長さLxは、調光フィルム10全体のX方向における長さを表す。長さLyは、調光フィルム10全体のY方向における長さを表す。長さMxは、調光フィルム10内において調光領域が形成される領域のX方向における長さを表す。長さMyは、調光フィルム10内において調光領域が形成される領域のY方向における長さを表す。ピッチPxは、X方向において調光領域が形成される周期を表す。ピッチPyは、Y方向において調光領域が形成される周期を表す。長さNxは、225個の調光領域それぞれのX方向における長さを表す。長さNyは、225個の調光領域それぞれのY方向における長さを表す。
実施例および比較例では、長さLxおよびLyを共に340[mm]とし、長さMxおよびMyを共に300[mm]とし、ピッチPxおよびPyを共に20[mm]とし、長さNxおよびNyを共に10[mm]とした。225個の調光領域それぞれの周囲には、絶縁領域11を形成した。
表1は、実施例1、実施例2および比較例1における厚みt0、幅w1、幅w2、歩留まりK、独立駆動状況J1、独立駆動状況J2および独立駆動状況J3を示す。表2は、実施例3、実施例4および比較例2における厚みt0、幅w1、幅w2、歩留まりK、独立駆動状況J1、独立駆動状況J2および独立駆動状況J3を示す。
Figure 2023140178000002
Figure 2023140178000003
表1および表2において、実施例1から実施例4では、第1絶縁領域111の幅w1および第2絶縁領域112の幅w2の長さを、高分子分散型液晶層14の厚みt0の長さよりも長くした。比較例1および比較例2では、第1絶縁領域111の幅w1および第2絶縁領域112の幅w2の長さを、高分子分散型液晶層14の厚みt0の長さよりも短くした。
図7は、実施例2および比較例1に係る絶縁領域を例示する拡大図であり、光学顕微鏡により拡大撮影した第1絶縁領域111および第2絶縁領域112の写真である。
表1および表2に示すように、実施例1から実施例4では、歩留まりKは100[%]となり、225個の全ての調光領域を独立駆動できた。具体的には、独立駆動状況J1の調光領域が225個、独立駆動状況J2の調光領域が0個、独立駆動状況J1の調光領域が0個となった。
一方、比較例1では、歩留まりKは77[%]となり、225個のうちの51個の調光領域において独立駆動できなかった。具体的には、独立駆動状況J1の調光領域が174個、独立駆動状況J2の調光領域が28個、独立駆動状況J1の調光領域が23個となった。比較例2では、歩留まりKは62[%]となり、225個のうちの66個の調光領域において独立駆動できなかった。具体的には、独立駆動状況J1の調光領域が139個、独立駆動状況J2の調光領域が42個、独立駆動状況J1の調光領域が44個となった。
表1および表2より、幅w1および幅w2それぞれの長さが厚みt0の長さよりも長いと、歩留まりKを高くすると共に、独立駆動状況J2およびJ3となる調光領域の数を抑えることができ、調光品質が高い調光フィルム10を提供できることが分かった。また調光品質が高い調光フィルム10を提供するためには、幅w1および幅w2の少なくとも一方が1.2×t0以上であるとより好ましく、幅w1および幅w2のそれぞれが1.2×t0以上であるとさらに好ましく、幅w1および幅w2のそれぞれが20[μm]以上であると特に好ましいことが分かった。
以下、より具体的な条件について説明する。
(レーザ加工条件)
レーザ加工装置(レーザ描画装置)は、ファイバーレーザと、ガルバノミラーと、移動ステージと、を有する。レーザ加工装置は、ファイバーレーザから発せられたレーザビームをガルバノミラーにより2次元走査するとともに、移動ステージにより調光フィルム10を移動させることにより、調光フィルム10にパターンを描画する。
ファイバーレーザは、YAGの基本波(波長1064[nm])であるパルス状のレーザビームを発するレーザ光源である。
ガルバノミラーは、2軸周りに揺動可能であり、入射してくる光を2方向に走査する揺動ミラーである。例えばガルバノミラーは、図1におけるX軸周りおよびY軸周りの2軸周りに揺動し、ファイバーレーザから入射してくるレーザビームを、X方向およびY方向の2方向に走査する。本実施例では、ガルバノミラーにより300[mm]×300[mm]の領域(エリア)へのパターン描画が可能である。
移動ステージは、調光フィルム10を載置し、載置した調光フィルム10を2方向に移動させる移動機構である。例えば移動ステージは、調光フィルム10をX方向およびY方向の2方向に移動させる。本実施例では、移動ステージは、ガルバノミラーによる走査領域の4倍の領域、つまり600[mm]×600[mm]の領域に描画可能に調光フィルム10を移動させる。
レーザ加工装置は、レーザビームの出力(レーザパワー)、パルス状のレーザビームの発振周波数、描画速度および描画回数をレーザ加工条件(パラメータ)として入力し、レーザ加工条件に応じて調光フィルム10にパターンを描画できる。
レーザ加工条件を検討した結果、以下の加工条件が最適であった。なお、描画回数は、1[回]から3[回]において検討を行った。
レーザ出力:6[W]から15[W]
レーザビームの発振周波数:300[kHz]から600[kHz]
描画速度:2000[mm/sec]から3000[mm/sec]
(調光フィルム10へのガラス積層)
調光フィルム10へガラス基板を積層することもできる。本実施例では、-X方向、+X方向、-Y方向および+Y方向の各方向に、調光フィルム10よりも10[mm]大きいガラス基板を積層した。
図9から図12は、調光フィルム10の作製プロセスを例示する図である。図9は第1断面図、図10は第2断面図、図11は第3断面図であり、図9から図11へ作製プロセスが進む。図12は図11の状態を平面視した平面図である。
図9に示すように、+Z方向側から-Z方向側に向けて、第1透明支持層12、第1透明電極層13、高分子分散型液晶層14、第2透明電極層15および第2透明支持層16をこの順により積層した。本実施例では、第1透明支持層12および第2透明支持層16それぞれの厚みは、50[μm]とした。第1透明電極層13および第2透明電極層15それぞれの厚みは、23[nm]とした。
その後、図10に示すように、第1透明支持層12、第1透明電極層13、第2透明電極層15および第2透明支持層16のそれぞれの一部を除去した後、図11に示すように銅箔テープ17を設けた。
図9から図11の作製プロセスを経て、図12に示すように、調光フィルム10を作製した。本実施例では、平面視における調光フィルム10の大きさは、例えば90[mm]×90[mm]とした。端子40は、銅箔テープ17、第1透明電極層13および第2透明電極層15を含んで構成した。
図13から図15は、ガラス積層した調光フィルム10の作製プロセスを例示する図である。図13は第1断面図、図14は第2断面図であり、図13から図14へ作製プロセスが進む。図15は図14の状態を平面視した平面図である。
図13に示すように、+Z方向側から-Z方向側に向けて、ガラス基板18、中間層19、調光フィルム10、中間層19およびガラス基板18をこの順により積層した。その後、真空ラミネータにより真空に引いた状態において、加熱および加圧(熱プレス)することにより、図14に示すように、ガラス基板18によるサンドイッチ構造の調光フィルム10を得た。
本実施例では、中間層19には、厚みが400[μm]であるエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)(東ソー・ニッケミ株式会社、商品名:メルセンG)を使用した。+Z方向側および-Z方向側に配置されるガラス基板18の厚みは、それぞれ1[mm]とした。
図15に示すように、本実施例では、平面視における調光フィルム10の大きさは、90[mm]×90[mm]とし、平面視におけるガラス基板18の大きさは100[mm]×100[mm]とした。
端子40において、第1透明電極層13および第2透明電極層15と、第1透明電極層13および第2透明電極層15のそれぞれに接触する銅箔テープ17の一部は、平面視におけるガラス基板18の内側に配置されるようにした。また、第1透明電極層13および第2透明電極層15のそれぞれに接触しない銅箔テープ17の他の一部は、平面視におけるガラス基板18の外側に配置されるようにした。この配置により、調光フィルム10内に水分が侵入できなくなるため、調光フィルム10の劣化を抑制できる。
図16から図18は、図1に示した調光フィルム10をガラス基板18によりサンドイッチした構成を例示する図である。図16は平面図、図17は図16のXVIA-XVIA断面図、図18は図16のXVIB-XVIB断面図である。
(真空ラミネータによるラミネート条件)
真空ラミネータによるラミネート条件を表3に示す。
Figure 2023140178000004
(高分子分散型液晶層14の適用例)
高分子分散型液晶層14は、高分子ネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、カプセル型ネマティック液晶(NCAP:Nematic Curvilinear Aligned Phase)等を含んで構成できる。
例えば、高分子ネットワーク型液晶は、3次元の網目状を有した高分子ネットワークを有し、高分子ネットワークが有する空隙に液晶分子を保持する。液晶分子は、例えば、誘電率異方性が正であって、液晶分子の長軸方向の誘電率が液晶分子の短軸方向の誘電率よりも大きい。液晶分子は、例えば、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ジオキサン系の液晶分子である。なお、所定の色を有する色素であって、調光フィルム10に印加された電圧の大きさに応じた液晶分子の運動を妨げない色素を含んでもよい。こうした構成により、所定の色を有する調光フィルム10を実現できる。
<調光フィルム10の効果>
以上説明したように、調光フィルム10は、第1透明支持層12と、第2透明支持層16と、第1透明支持層12に支持された第1透明電極層13と、第2透明支持層16に支持された第2透明電極層15と、第1透明電極層13と第2透明電極層15との間に設けられた高分子分散型液晶層14と、を有する。第1透明電極層13は、第1絶縁領域111と、第1絶縁領域111を介して相互に絶縁された第1電極領域13a、13b、13cおよび13d(複数の第1電極領域)と、を含む。第2透明電極層15は、第2絶縁領域112と、第2絶縁領域112を介して相互に絶縁された第2電極領域15a、15b、15cおよび15d(複数の第2電極領域)と、を含む。第1絶縁領域111の幅w1および第2絶縁領域112の幅w2それぞれの長さは、高分子分散型液晶層14の厚みt0の長さよりも長い。この構成により、絶縁領域11による絶縁作用が良好に得られるため、隣接する調光領域間における電界のクロストークを抑制できる。その結果、調光フィルム10の歩留まりを高くすると共に、絶縁領域11による絶縁作用が不十分な調光領域の数を抑制でき、調光品質が高い調光フィルム10を提供できる。
また本実施形態では、調光フィルム10の製造方法は、第1透明支持層12に第1透明電極層13を形成する工程と、第2透明支持層16に第2透明電極層15を形成する工程と、第1透明電極層13と第2透明電極層15との間に高分子分散型液晶層14を設ける工程と、を含む。また調光フィルム10の製造方法は、第1透明支持層12側から照射されたレーザビーム210(レーザ光)により、第1透明電極層13を第1電極領域13a、13b、13cおよび13dに分離する第1絶縁領域111を第1透明電極層13に形成する工程と、第1透明支持層12側から照射されたレーザビーム210により、第2透明電極層15を第2電極領域15a、15b、15cおよび15dに分離する第2絶縁領域112を第2透明電極層15に形成する工程と、を含む。第1絶縁領域111および第2絶縁領域112それぞれは、第1透明支持層12側から照射されたレーザビーム210により形成され、第2絶縁領域112の幅w2は、第1絶縁領域111の幅w1よりも広い。
ここで、第1透明支持層により支持された第1透明電極層に第1絶縁領域を形成し、第2透明支持層により支持された第2透明電極層に第2絶縁領域を形成し、その後、第1透明支持層と第2透明支持層を貼り合わせた後、高分子分散型液晶層を充填すると、第1絶縁領域と第2絶縁領域の位置合わせ等が困難になったり、時間がかかったりする。その結果、調光フィルムの生産性が低下するうえ、調光フィルムの製造コストが増大する。
本実施形態では、第1透明支持層12、第1透明電極層13、高分子分散型液晶層14、第2透明電極層15および第2透明支持層16が積層された後、第1絶縁領域111および第2絶縁領域112を形成して二次元パターン等の意匠性を付与する。これにより、第1絶縁領域111と第2絶縁領域112の位置合わせ工程等を省略できるため、調光フィルム10の生産性を高くすると共に、調光フィルム10の製造コストを低減できる。
また本実施形態では、第1絶縁領域111および第2絶縁領域112を形成するために除去された第1透明電極層13および第2透明電極層15は、調光フィルム10の内部から外部に漏れ出ない。そのため、毒性を有する特化物であるインジウム等が飛散することを防ぎ、より清浄な環境において調光フィルム10を製造することができる。
また本実施形態では、ロールツーロール方式により調光フィルム10を製造できるため、部材の搬送に伴う手間および搬送装置を削減し、効率的に調光フィルム10を製造することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
1 高分子分散型液晶装置
10 調光フィルム
10a、10b、10c、10d 調光領域
11 絶縁領域
111 第1絶縁領域
112 第2絶縁領域
12 第1透明支持層
13 第1透明電極層
13a、13b、13c、13d 第1電極領域(複数の第1電極領域)
14 高分子分散型液晶層
15 第2透明電極層
15a、15b、15c、15d 第2電極領域(複数の第2電極領域)
16 第2透明支持層
17 銅箔テープ
18 ガラス基板
19 中間層
20 駆動回路
30 バッテリ
40、50 端子
200 レーザ光源
210 レーザビーム(レーザ光)
E1、E2、E3 電気力線
K 歩留まり
J1、J2、J3 独立駆動状況
t0 高分子分散型液晶層の厚み
t1 第1透明電極層の厚み
t2 第2透明電極層の厚み
w1 第1絶縁領域の幅
w2 第2絶縁領域の幅

Claims (6)

  1. 第1透明支持層と、
    第2透明支持層と、
    前記第1透明支持層に支持された第1透明電極層と、
    前記第2透明支持層に支持された第2透明電極層と、
    前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に設けられた高分子分散型液晶層と、を有し、
    前記第1透明電極層は、第1絶縁領域と、前記第1絶縁領域を介して相互に絶縁された複数の第1電極領域と、を含み、
    前記第2透明電極層は、第2絶縁領域と、前記第2絶縁領域を介して相互に絶縁された複数の第2電極領域と、を含み、
    前記第1絶縁領域および前記第2絶縁領域それぞれの幅の長さは、前記高分子分散型液晶層の厚みの長さよりも長い調光フィルム。
  2. 前記高分子分散型液晶層の厚みをt0とすると、
    前記第1絶縁領域および前記第2絶縁領域の少なくとも一方の幅は、1.2×t0以上である請求項1に記載の調光フィルム。
  3. 前記高分子分散型液晶層の厚みをt0とすると、
    前記第1絶縁領域および前記第2絶縁領域それぞれの幅は、1.2×t0以上である請求項1または請求項2に記載の調光フィルム。
  4. 前記第1絶縁領域および前記第2絶縁領域それぞれの幅は、20[μm]以上である請求項1から請求項3の何れか1項に記載の調光フィルム。
  5. 前記第1絶縁領域および前記第2絶縁領域それぞれは、前記第1透明支持層側から照射されたレーザ光により形成され、
    前記第2絶縁領域の幅は、前記第1絶縁領域の幅よりも広い請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の調光フィルム。
  6. 第1透明支持層に第1透明電極層を形成する工程と、
    第2透明支持層に第2透明電極層を形成する工程と、
    前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に高分子分散型液晶層を設ける工程と、
    前記第1透明支持層側から照射されたレーザ光により、前記第1透明電極層を複数の第1電極領域に分離する第1絶縁領域を前記第1透明電極層に形成する工程と、
    前記第1透明支持層側から照射されたレーザ光により、前記第2透明電極層を複数の第2電極領域に分離する第2絶縁領域を前記第2透明電極層に形成する工程と、を含む調光フィルムの製造方法。
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