JP2023137303A - 移動支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザの移動方向前方に段差が存在していることの検知のタイミングを早めることができる移動支援装置を提供する。【解決手段】視覚障碍者が把持する白杖に備えられ、視覚障碍者の歩行方向前方の立体画像を取得可能な3Dカメラ20と、取得された立体画像に基づいて、視覚障碍者の歩行方向前方に位置する観測点と3Dカメラ20との間の距離である検知距離を算出する距離算出部92と、算出された検知距離が所定の設定距離よりも大きく且つその差が所定の閾値を超えたことを条件として、移動支援動作を実施するための移動支援動作指示情報を出力する情報送信部97とを備えている。これにより、段差の存在を検知するタイミングを早めることができる。【選択図】図3

Description

本発明はユーザが使用する移動支援デバイス(例えば視覚障碍者が使用する白杖)に備えられた移動支援装置に係る。
移動支援デバイスを使用するユーザの移動に対する移動支援(例えば白杖を使用する視覚障碍者の歩行に対する歩行支援)を行うための移動支援装置として特許文献1に開示されているものが知られている。この特許文献1には、杖(白杖)の先端部に配設された距離検知センサによって、杖の軸延長線上に位置する地面等の対象物までの距離を検知し、この検知した距離に応じてアラーム信号を発するか否かを制御することが開示されている。つまり、視覚障碍者が平坦な地面を歩行している場合には、杖の先端部から地面までの距離が設定距離よりも短いため、距離検知センサが作動し、これに伴ってアラーム信号を発信しないように制御される。これに対し、視覚障碍者の前方に段差が存在している場合には、杖の先端部が段差に達した時点で該先端部から地面までの距離が設定距離よりも長くなるため、距離検知センサが作動しなくなり、これに伴ってアラーム信号(音声や振動)を発するように制御される。これにより、視覚障碍者が溝等へ落下することを防止できるようにしている。
特開2001-258964号公報
視覚障碍者の前方に段差が存在している場合、そのことをできるだけ早く検知することが望ましいが、特許文献1の構成にあっては、杖の先端部に配設された距離検知センサによって地面の状態(平坦であるのか段差が存在しているのか)を検知するようにしているため、段差の存在が検知されるタイミングとしては、杖の先端部が段差に達した時点である。これでは、通常の杖(距離検知センサを備えていない杖)によって視覚障碍者が段差の存在を認識するタイミング(杖の先端部で地面の状態を確認しながら歩行している視覚障碍者が段差の存在を認識するタイミング)と大差が無く、この通常の杖を使用する場合に比べて、段差の存在を早く検知することが難しい。
尚、杖の先端部を地面から離して歩行方向の前方に向けるようにすれば、距離検知センサによって検知できる地面の位置が前方の離れた位置(ユーザから離れた前方位置)となって、前方に段差が存在していることを早く検知することが可能になる。しかし、この場合、視覚障碍者は常に杖の先端部を歩行方向の前方に向けた状態で把持しておく必要があり、視覚障碍者に多大な負担を強いることになってしまう。
尚、前方に段差が存在していることをできるだけ早く検知したいといった要求は、白杖を使用する視覚障碍者が歩行している場合に限らず、手押し車を使用する高齢者等が歩行している場合や、パーソナルモビリティに乗車してユーザが移動している場合等においても生じている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザの移動方向前方に段差が存在していることの検知のタイミングを早めることができる移動支援装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、移動支援デバイスに備えられ、当該移動支援デバイスを使用するユーザの移動を支援するための移動支援動作が可能な移動支援装置を前提とする。そして、この移動支援装置は、前記ユーザの移動方向前方の立体画像を取得可能な画像取得手段と、前記画像取得手段によって取得された前記立体画像に基づいて、前記ユーザの移動方向前方に位置する観測点と前記画像取得手段との間の距離である検知距離を算出する距離算出部と、前記距離算出部によって算出された前記検知距離が所定の設定距離よりも大きく且つその差が所定の閾値を超えたことを条件として、前記移動支援動作を実施するための移動支援動作指示情報を出力する情報送信部とを備えていることを特徴とする。
この特定事項により、ユーザの移動時には、画像取得手段によってユーザの移動方向前方の立体画像が取得され、この取得された立体画像に基づいて、ユーザの移動方向前方に位置する観測点と画像取得手段との間の距離である検知距離が距離算出部によって算出される。そして、この算出された検知距離が所定の設定距離(例えばユーザが平坦な地面を移動していることを前提とした観測点と画像取得手段との間の距離)よりも大きく且つその差が所定の閾値を超えたことを条件として、情報送信部は、移動支援動作を実施するための移動支援動作指示情報を出力する。つまり、ユーザが平坦な地面を移動している場合には、検知距離と設定距離との差が閾値以下となり、情報送信部は移動支援動作指示情報を出力せず、移動支援動作は実施されない。これに対し、ユーザの移動方向前方に段差が存在している場合には、検知距離と設定距離との差が閾値を超えることになり情報送信部は移動支援動作指示情報を出力し、移動支援動作が実施される。これにより、ユーザは移動方向前方に段差が存在していることを認識することになる。このように、画像取得手段の視野内において段差の存在を検知することが可能となっているため(広い範囲を対象として段差の存在を検知することが可能となっているため)、その検知のタイミングを早めることができる。
本発明では、画像取得手段によって取得されたユーザの移動方向前方の立体画像に基づいて、ユーザの移動方向前方に位置する観測点と画像取得手段との間の距離である検知距離を算出し、この検知距離が所定の設定距離よりも大きく且つその差が所定の閾値を超えたことを条件として移動支援動作を実施するようにしている。このため、ユーザの移動方向前方に段差が存在していることの検知のタイミングを早めることができる。
実施形態に係る移動支援装置を内蔵した白杖を示す図である。 白杖のグリップ部の内部を示す概略図である。 移動支援装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。 白杖を把持したユーザ(視覚障碍者)が平坦路を歩行している状態を示す側面図である。 図4に示す状態で3Dカメラが撮影した画像の一例を示す図である。 白杖を把持したユーザが段差に向かって歩行している状態を示す側面図である。 図6に示す状態で3Dカメラが撮影した画像の一例を示す図である。 3Dカメラに仰角が生じている場合の図4相当図である。 図8に示す状態で3Dカメラが撮影した画像の一例を示す図である。 ユーザが交差点に達した際にカメラで撮影された画像の一例を示す図である。 移動支援装置による段差判定動作の手順を示すフローチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る移動支援装置を、視覚障碍者が使用する白杖(移動支援デバイス)に内蔵した場合について説明する。尚、以下では、視覚障碍者を単にユーザと呼ぶ場合もある。また、本発明におけるユーザとしては視覚障碍者に限定されるものではない。
-白杖の概略構成-
図1は、本実施形態に係る移動支援装置10を内蔵した白杖1を示す図である。この図1に示すように、白杖1は、シャフト部2、グリップ部3、チップ部(石突き)4を備えている。
シャフト部2は、中空の略円形断面を有するロッド状であって、アルミニウム合金やガラス繊維強化樹脂、炭素繊維強化樹脂等で形成されている。
グリップ部3は、シャフト部2の基端部(上端部)に設けられ、ゴム等の弾性体で成るカバー31が装着されて構成されている。また、本実施形態における白杖1のグリップ部3は、ユーザが把持する際の持ち易さと滑り難さを考慮し、先端側(図1における上側)が僅かに湾曲した形状となっている。尚、グリップ部3の構成としてはこれに限定されるものではない。
チップ部4は、硬質の合成樹脂などで形成された略有底筒状の部材であって、シャフト部2の先端部に外挿されて接着やねじ止めなどの手段で固定されている。尚、チップ部4は、先端側の端面が半球状となっている。
本実施形態に係る白杖1は、折り畳み不能な直杖であるが、シャフト部2の中間の一箇所または複数箇所で折り畳み可能或いは伸縮可能とされたものであってもよい。
-移動支援装置の構成-
本実施形態の特徴は、前記白杖1に内蔵された移動支援装置10にある。以下、この移動支援装置10について説明する。
図2は、白杖1のグリップ部3の内部を示す概略図である。この図2に示すように、本実施形態に係る移動支援装置10は、白杖1に内蔵されている。また、図3は、移動支援装置10の制御系の概略構成を示すブロック図である。
これらの図に示すように、移動支援装置10は、3Dカメラ20、近距離無線通信機40、振動発生機50、バッテリ60、充電ソケット70、角度センサ80、制御装置90等を備えている。
3Dカメラ20は、グリップ部3の根元部における当該グリップ部3の前面(ユーザの進行方向に向く面)に埋め込まれ、ユーザの進行方向前側(歩行方向前方)を撮影する。この3Dカメラ20は、例えば周知のステレオ方式やToF(Time-of-Flight)方式のものが採用され、撮影された画像内に存在する物体(前方の地面や周辺に存在する障害物等)までの距離を算出するための立体画像を取得する。3Dカメラ20の方式や配設位置は前述したものには限定されず、例えば、シャフト部2の前面(ユーザの進行方向に向く面)に埋め込まれたものであってもよい。
また、一般に、ユーザ(視覚障碍者)は、鉛直方向に対して所定の傾斜角度をもって白杖1を把持した状態で歩行(移動)する。つまり、白杖1の先端側が歩行方向前方に位置するように白杖1を傾斜させて把持する(図4を参照)。これに鑑み、本実施形態では、3Dカメラ20の配置形態としては、白杖1が傾斜された状態(一般的な把持状態における傾斜角度の状態)において光軸OA(図4における一点鎖線を参照)が水平方向の前方に延在するように設定されている。つまり、白杖1の軸線を鉛直方向にした場合(白杖1を真っ直ぐに立てた場合)に、3Dカメラ20の光軸OAが所定角度だけ斜め下方を向くように当該3Dカメラ20は配置されている。
また、この3Dカメラ20は、ユーザが横断歩道に達した際に、当該横断歩道の白線のうちユーザに最も近い位置にある白線、および、ユーザの前方に位置する信号機(例えば歩行者用信号機)の両方を含む画像(立体画像)を取得可能な広角のカメラとして構成されている。図4における破線は3Dカメラ20の視野の範囲を表している。
近距離無線通信機40は、3Dカメラ20および角度センサ80と、制御装置90との間で近距離無線通信を行うための無線通信装置である。例えば、周知のBluetooth(登録商標)等の通信手段によって、3Dカメラ20および角度センサ80と、制御装置90との間で近距離無線通信を行い、3Dカメラ20が撮影した画像の情報および角度センサ80によって取得された白杖1の傾斜角度の情報を制御装置90に向けて無線送信する構成となっている。
振動発生機50は、グリップ部3の根元部における前記3Dカメラ20の上側に配設されている。この振動発生機50は、内蔵されたモータの作動に伴って振動し、その振動をグリップ部3に伝達することによって、当該グリップ部3を把持しているユーザに向けて種々の通知が行えるようになっている。この通知の種類としては、停止指示、歩行開始指示、車両が接近している旨の警告、前方に段差が存在する旨の警告等が挙げられ、この種類毎に異なるパターンで振動発生機50の振動が行われるようになっている。
バッテリ60は、前記3Dカメラ20、近距離無線通信機40、振動発生機50、角度センサ80、制御装置90のための電力を蓄電する二次電池で構成されている。
充電ソケット70は、バッテリ60に電力を蓄える際に充電ケーブルが接続される部分である。例えば、ユーザが在宅中に家庭用電源からバッテリ60を充電する際に充電ケーブルが接続される。
角度センサ80は、鉛直方向に対する白杖1の傾斜角度を検出するものである。この角度センサ80としては周知のものが利用可能であり、例えば振り子式センサ、フロート式センサ、3軸加速度センサ等が適用可能である。この角度センサ80によって検出される白杖1の傾斜角度の情報は、後述するように、3Dカメラ20の光軸OAの向き(例えば仰角)を求めるために利用される。
制御装置90は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、制御プログラムを記憶するROM(Read-Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random-Access Memory)、および、入出力ポート等を備えている。
そして、この制御装置90は、前記制御プログラムによって実現される機能部として、情報受信部91、距離算出部92、角度補正部93、速度補正部94、段差判定部95、周辺環境認識部96、情報送信部97を備えている。以下、これら各部の機能の概略について説明する。
情報受信部91は、前記3Dカメラ20が撮影した立体画像の情報を、当該3Dカメラ20から近距離無線通信機40を介して所定時間間隔をもって受信する。また、この情報受信部91は、前記角度センサ80によって検出された白杖1の傾斜角度の情報を、当該角度センサ80から近距離無線通信機40を介して所定時間間隔をもって受信する。
距離算出部92は、情報受信部91が受信した立体画像の情報に基づいて、白杖1の前方(ユーザの歩行方向前方)に位置する観測点(距離検知の対象である測定点)と3Dカメラ20との間の距離である検知距離を算出する。前記観測点としては、ユーザの歩行方向前方の数m先の地点が挙げられる。つまり、3Dカメラ20が撮影した立体画像中の特定の位置が観測点として設定されている。この観測点としては、移動支援装置10の設計時に任意に設定することが可能であるが、観測点までの距離が近すぎると、前方に段差が存在していることの検知のタイミングを十分に早めることが難しくなり、逆に、観測点までの距離が遠すぎると、段差の存在の検知の信頼性を十分に確保することが難しくなるため、この観測点は、実験やシミュレーションによって決定される。また、観測点としては1点に限定されるものではなく、3Dカメラ20が撮影した立体画像中の複数点としてもよい。
図4は、白杖1を把持したユーザ(視覚障碍者)Uが平坦路(平坦な地面)を歩行している状態を示す側面図である。より具体的には、3Dカメラ20の光軸OAが水平方向の前方に延在するように白杖1が把持された状態でユーザUが平坦路を歩行している状態を示す側面図である。また、図5は、図4に示す状態で3Dカメラ20が撮影した画像の一例を示す図である。この図5では、路面(地面)と3Dカメラ20との間の距離を画像の濃淡によって表しており、画像の明度が高いほど路面と3Dカメラ20との間の距離が短いことを表している。図4に示すように白杖1を把持したユーザUが平坦路を歩行している状態では、図5に示すようにユーザUの歩行方向前方に向かって(ユーザUの足元から離れるに従って)画像の明度が徐々に低くなっていく。また、図4および図5における点Xは前記観測点を示している。このようにユーザUが平坦路を歩行している状態にあっては、前記検知距離(観測点Xと3Dカメラ20との間の距離)は図4におけるL1となっている。
図6は、白杖1を把持したユーザUが段差DLに向かって歩行している状態を示す側面図である。より具体的には、3Dカメラ20の光軸OAが水平方向の前方に延在するように白杖1が把持された状態でユーザUが段差DLに向かって歩行している状態を示す側面図である。また、図7は、図6に示す状態で3Dカメラ20が撮影した画像の一例を示す図である。この図7においても、路面と3Dカメラ20との間の距離を画像の濃淡によって表しており、画像の明度が高いほど路面と3Dカメラ20との間の距離が短いことを表している。図6に示すように白杖1を把持したユーザUが段差DLに向かって歩行している状態では、図7に示すように段差DLが存在する地点から前方(ユーザUから遠い側)において画像の明度が急激に低くなっていく。また、図6および図7における点Xは前記観測点を示している。このようにユーザUが段差DLに向かって歩行している状態にあっては、観測点Xが段差DLの下側の路面上に位置している場合に、前記検知距離(観測点Xと3Dカメラ20との間の距離)は図6におけるL2となる。このため、図5と図7とを比較することで判るように、ユーザUが段差DLに向かって歩行している場合には、観測点Xが段差DLを超えた時点から、観測点Xまでの距離が、ユーザUが平坦路を歩行している場合に比べて長くなり、これによって、当該観測点Xにおける画像の明度が低くなる。つまり、図5と図7とでは、ユーザUの前方における段差DLの有無によって観測点Xにおける画像の明度が大きく異なっている。
角度補正部93は、ユーザUが把持している白杖1の傾斜角度を考慮して観測点Xの位置を補正する処理を行う機能部である。図8は、3Dカメラ20に仰角φが生じている場合の図4相当図である。前述したように、3Dカメラ20は、白杖1が通常の傾斜角度で傾斜された状態にあっては光軸OAが水平方向の前方に延在するように配置されているが、白杖1の傾斜角度(仰角φ)が大きくなると、3Dカメラ20の光軸OAは水平方向よりも上側を向く状態となる。この場合、立体画像内における観測点Xを固定点としてしまうと(例えば立体画像の下端から所定寸法の位置を観測点Xとして固定してしまうと)、白杖1の傾斜角度が大きくなるに従って、観測点XがユーザUから遠い位置に移動してしまうことになる(図8における補正前の観測点X’、および、図8に示す状態で3Dカメラ20が撮影した画像の一例を示す図9における補正前の観測点X’を参照)。このことに鑑み、角度補正部93は、角度センサ80によって取得された白杖1の傾斜角度の情報に基づいて、立体画像内における観測点Xを移動させる処理を行う。つまり、白杖1の傾斜角度が大きいほど、立体画像内における観測点XをユーザUに近付く側に移動させるようにしている。図8および図9において補正前の観測点X’(白杖1の傾斜角度が大きくなっている状態で検知される観測点)から観測点Xに向かう矢印で示すように、白杖1の傾斜角度に応じて立体画像内における観測点XをユーザUに近付く側に移動させる(観測点をX’の位置からXの位置に移動させる)。例えば以下の式(1)によって立体画像において移動させる(観測点をX’の位置からXの位置に移動させる)ピクセル数を算出する。
ΔY=Y・φ/θ …(1)
ΔYは前記移動させる(画像の縦方向において移動させる)ピクセル数であり、Yは3Dカメラ20の光軸OAよりも下側の縦方向のピクセル数であり、θは3Dカメラ20の光軸OAよりも下側の視野角度である。
これにより、白杖1の傾斜角度が変化したとしても、立体画像内における観測点Xを不変とする(ユーザUに対する水平方向前方において不変とする)ことができるようにし、前記検知距離L1(ユーザUが平坦路を歩行している場合における検知距離L1)が白杖1の傾斜角度の影響を受けることなく安定的に得られるようにしている。
速度補正部94は、ユーザUの歩行速度(移動速度)を考慮して、後述する段差判定部95での段差判定動作において使用する設定距離を補正する処理を行う機能部である。つまり、ユーザUの歩行速度が高い場合、後述する段差判定部95での段差判定動作によって段差存在判定(前方に段差DLが存在している旨の判定)が行われてからユーザUが段差DLに到達するまでの時間が短くなる傾向になるため、早めに段差存在判定を確定する必要がある。このため、ユーザUの歩行速度が高いほど、前記設定距離を短く設定(補正)し、前方に段差DLが存在している場合に、距離算出部92で算出される前記検知距離との差(段差DLの存在に起因して大きくなる検知距離と、設定距離との差)が大きく得られるようにしている。ユーザUの歩行速度を検出するための手段としては特に限定されるものではないが、例えば、白杖1の内部に加速度センサを内蔵することによって歩行速度を検出するようにしたり、白杖1の内部にGPSモジュールを内蔵させ、このGPSモジュールによって検知されるユーザUの位置情報の変化に基づいてユーザUの歩行速度を算出することが挙げられる。
段差判定部95は、距離算出部92によって算出された検知距離と所定の設定距離との差を比較し、検知距離が設定距離よりも大きく且つその差が所定の閾値を超えたことを条件として(「検知距離-設定距離>閾値」が成立したことを条件として)、段差存在判定(前方に段差DLが存在している旨の判定)を行い、段差存在判定信号を情報送信部97に出力する。この段差存在判定信号を受信した情報送信部97は、振動発生機50に向けて移動支援動作指示情報を出力する。これにより、振動発生機50は、前方に段差DLが存在する旨の警告のパターンで振動することになる。この段差判定部95での段差判定動作で使用される各値(前記所定の設定距離および前記閾値)は、実験やシミュレーションによって適宜決定される。また、前述したように設定距離は速度補正部94によって補正される。
周辺環境認識部96は、前記立体画像に基づいて、ユーザUの周辺環境を認識する。この周辺環境としては、前方の地面や周辺に存在する障害物等である。例えば、立体画像の情報を受信し、前方の地面に横断歩道が存在することを認識したり、横断歩道における各白線の位置を認識する。例えば周知のマッチング処理によって横断歩道の存在および各白線の位置を認識する。また、予めアノテーションされたデータ(ラベルが付けられた横断歩道および白線のデータ;深層学習によって白線を認識するための教師データ)を利用して横断歩道の存在および各白線の位置を認識するようにしてもよい。
図10は、ユーザUが交差点に達した際に3Dカメラ20で撮影された立体画像の一例を示す図である。このような立体画像が取得された場合、3Dカメラ20からの立体画像の情報を受けた周辺環境認識部96は、地面の各地点までの距離、横断歩道CWまでの距離、各白線WLの位置、信号機TLまでの距離、建物BUまでの距離といった種々の距離情報(画像における奥行きの情報)を認識することになる。また、周辺環境認識部96は、前記立体画像に基づいて、前方に存在する信号機TLの状態が、赤信号(停止指示状態)および青信号(横断許可状態)の何れであるかを認識する。この信号機TLの状態の判断(色の検出)は、一般的な物体検出アルゴリズムまたはルールベースアルゴリズムが用いられる。更に、周辺環境認識部96は、前記立体画像に基づいて、車両や他の歩行者の存在を認識する。この場合も、予めアノテーションされたデータに基づく学習済みモデルを用いて車両や他の歩行者の存在を認識する。また、周辺環境認識部96による周辺環境を認識としては、空間把握、周辺に存在する文字の認識、自己位置の推定等も挙げられる。
-段差判定動作-
次に、前述の如く構成された移動支援装置10による段差判定動作について説明する。
図11は、段差判定動作の手順を示すフローチャートである。この段差判定動作は、ユーザUの歩行中において所定時間毎に繰り返して実行される。
先ず、ステップST1において、前記設定距離の読み込み、ユーザUの歩行速度の読み込み、白杖1の傾斜角度の読み込みが行われる。設定距離は予め設定された値となっている。また、ユーザUの歩行速度は前述したように加速度センサやGPSモジュールを利用することによって求めることができる。また、白杖1の傾斜角度は前記角度センサ80によって求められる。
ステップST2では、3Dカメラ20によって前方の画像を取得し、観測点Xまでの距離を算出する。この観測点Xまでの距離の算出は前記距離算出部92によって行われる。
その後、ステップST3に移り、ユーザUが把持している白杖1の傾斜角度を考慮した観測点Xの位置の補正(角度補正部93による補正処理)、および、ユーザUの歩行速度を考慮した設定距離の補正(速度補正部94による補正処理)を行う。
そして、ステップST4では、判定式として「検知距離-設定距離>閾値」が成立しているか否かを判定する。つまり、検知距離が設定距離よりも大きく且つその差が閾値を超えているか否かを判定する。
この判定式が成立しておらず、ステップST4でNO判定された場合には、ユーザUが平坦路を歩行していると判断されて、段差存在判定(前方に段差DLが存在している旨の判定)がされることなく、そのままリターンされる。
一方、前記判定式が成立しており、ステップST4でYES判定された場合には、ユーザUの歩行方向前方に段差DLが存在していると判断され(段差存在判定が行われ)、ステップST5に移って移動支援動作が実行される。つまり、振動発生機50が作動することによって振動がグリップ部3に伝達される。これにより、白杖1のグリップ部3を把持しているユーザUの手には当該振動が伝わることになり、ユーザUに、前方に段差が存在していることを通知する。つまり、ユーザUに対する注意喚起を行うことができる。
以上の動作が繰り返される。
-実施形態の効果-
以上説明したように、本実施形態では、算出された検知距離が所定の設定距離よりも大きく且つその差が所定の閾値を超えたことを条件として、情報送信部97が、移動支援動作(前方に段差DLが存在する旨の警告のパターンでの振動発生機50の振動)を実施するための移動支援動作指示情報を出力するようにしている。つまり、ユーザUの歩行方向前方に段差DLが存在している場合には、検知距離と設定距離との差が閾値を超えることになり情報送信部97は移動支援動作指示情報を出力し、移動支援動作が実施されることになる。これにより、ユーザUは歩行方向前方に段差DLが存在していることを認識することになる。このように、3Dカメラ20の視野内において段差DLの存在を検知することが可能となっているため(広い範囲を対象として段差DLの存在を検知することが可能となっているため)、その検知のタイミングを早めることができる。
また、前述した特許文献1にあっては、杖の先端部を地面から離して歩行方向の前方に向けることで、前方に段差が存在していることを早く検知することが可能であるが、ユーザは常に杖の先端部を歩行方向の前方に向けた状態で把持しておく必要があり、ユーザに多大な負担を強いることになっていた。本実施形態では、通常の白杖1の使用状態のままで(白杖1の先端部を歩行方向の前方に向けた状態で把持しておく必要なしに)段差DLの存在の検知のタイミングを早めることができる。
-他の実施形態-
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記実施形態では、移動支援装置10を、ユーザUが使用する白杖1に内蔵した場合について説明した。本発明はこれに限らず、ユーザUが高齢者である場合の杖や手押し車等に内蔵したものであってもよい。また、移動支援装置10はパーソナルモビリティに搭載されたものであってもよい。
また、前記実施形態では、白杖1に充電ソケット70を備えさせ、家庭用電源からバッテリ(二次電池)60を充電するようにしていた。本発明はこれに限らず、白杖1の表面に太陽光発電シートを貼り付けておき、当該太陽光発電シートで発電した電力によってバッテリ60を充電するようにしてもよい。また、二次電池に代えて一次電池を使用するようになっていてもよい。また、白杖1に振り子式発電機を内蔵し、該振り子式発電機を利用してバッテリ60を充電するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、振動発生機50の振動パターンによって通知の種類を分けるようにしていた。本発明はこれに限らず、音声によって通知を行うようにしてもよい。
本発明は、白杖を使用しながら歩行する視覚障碍者に対して前方に段差が存在することの通知を行う移動支援装置に適用可能である。
1 白杖(移動支援デバイス)
10 移動支援装置
20 3Dカメラ(画像取得手段)
90 制御装置
92 距離算出部
97 情報送信部
U 視覚障碍者(ユーザ)
X 観測点
L1,L2 検知距離

Claims (1)

  1. 移動支援デバイスに備えられ、当該移動支援デバイスを使用するユーザの移動を支援するための移動支援動作が可能な移動支援装置であって、
    前記ユーザの移動方向前方の立体画像を取得可能な画像取得手段と、
    前記画像取得手段によって取得された前記立体画像に基づいて、前記ユーザの移動方向前方に位置する観測点と前記画像取得手段との間の距離である検知距離を算出する距離算出部と、
    前記距離算出部によって算出された前記検知距離が所定の設定距離よりも大きく且つその差が所定の閾値を超えたことを条件として、前記移動支援動作を実施するための移動支援動作指示情報を出力する情報送信部と、を備えていることを特徴とする移動支援装置。
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