JP2023137210A - 燃料電池スタックの分解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セルを無傷な状態で取り出すことができる燃料電池スタックの分解方法を提供する。【解決手段】単セルを複数積層したセル積層体を有し、隣り合う単セル間のシールに粘着シートを用いた燃料電池スタックの分解方法であって、前記単セルの前記粘着シートからの解体時に前記粘着シートを分解するために前記粘着シートに有機溶媒を供給する工程を有し、前記有機溶媒を供給する工程において、前記セル積層体を締結した状態で、前記燃料電池スタックの冷媒マニホールドには前記有機溶媒を流し、且つ、酸化剤ガスマニホールド、及び、燃料ガスマニホールドには、ガスを供給して密閉することにより、当該酸化剤ガスマニホールド、及び、当該燃料ガスマニホールドにガス圧を張り、前記ガス圧は有機溶媒圧よりも大きくする、燃料電池スタックの分解方法。【選択図】図2

Description

本開示は、燃料電池スタックの分解方法に関する。
燃料電池については、様々な研究がなされている。
例えば特許文献1では、必要なときに確実に分解することのできる燃料電池分解方法が開示されている。
特許文献2では、燃料電池を解体する必要が生じたときに確実に解体することができる燃料電池解体方法が開示されている。
特開2005-209624号公報 特開2005-251728号公報
従来は、単セル(以下セルと称する場合がある)間のシールにガスケットを用いていたが、コストを下げる観点から粘着シートを用いることが検討されている。
セル間のシール材に粘着シートを用いた燃料電池スタックにおいて、粘着シートとセルとを解体する際に、セルを無傷な状態で取り出したいが、現状、粘着シートとセパレータとを剥がすのに、エタノール等の有機溶媒を使って、粘着シートの粘着力を低下させ、刃、ヘラ等の解体用工具で剥離して解体するため、解体用工具の接触によりセルにもダメージを与えてしまい、セルを無傷な状態で取り出すのが困難である。エタノール等の有機溶媒を用いる場合、有機溶媒がマニホールドへ侵入しセル内のMEGA中の電解質を溶解し、発電性能が低下する。ヒータ加熱により粘着シートを溶解する場合は、セル内の樹脂フレーム等のセパレータとのシール部等も溶解してしまい、シール性を確保した状態でセルを取り出すのが困難である。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、セルを無傷な状態で取り出すことができる燃料電池スタックの分解方法を提供することを主目的とする。
本開示においては、単セルを複数積層したセル積層体を有し、隣り合う単セル間のシールに粘着シートを用いた燃料電池スタックの分解方法であって、
前記単セルの前記粘着シートからの解体時に前記粘着シートを分解するために前記粘着シートに有機溶媒を供給する工程を有し、
前記有機溶媒を供給する工程において、前記セル積層体を締結した状態で、前記燃料電池スタックの冷媒マニホールドには前記有機溶媒を流し、且つ、酸化剤ガスマニホールド、及び、燃料ガスマニホールドには、ガスを供給して密閉することにより、当該酸化剤ガスマニホールド、及び、当該燃料ガスマニホールドにガス圧を張り、
前記ガス圧は有機溶媒圧よりも大きくする、燃料電池スタックの分解方法を提供する。
本開示の燃料電池スタックの分解方法は、セルを無傷な状態で取り出すことができる。
図1は、本開示の燃料電池スタックの一例を示す断面模式図である。 図2は、本開示の燃料電池スタックの一例を示す平面模式図である。
以下、本開示による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本開示の実施に必要な事柄(例えば、本開示を特徴付けない燃料電池スタックの一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本開示は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
また、図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
本明細書において数値範囲を示す「~」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
また、数値範囲における上限値と下限値は任意の組み合わせを採用できる。
本開示においては、単セルを複数積層したセル積層体を有し、隣り合う単セル間のシールに粘着シートを用いた燃料電池スタックの分解方法であって、
前記単セルの前記粘着シートからの解体時に前記粘着シートを分解するために前記粘着シートに有機溶媒を供給する工程を有し、
前記有機溶媒を供給する工程において、前記セル積層体を締結した状態で、前記燃料電池スタックの冷媒マニホールドには前記有機溶媒を流し、且つ、酸化剤ガスマニホールド、及び、燃料ガスマニホールドには、ガスを供給して密閉することにより、当該酸化剤ガスマニホールド、及び、当該燃料ガスマニホールドにガス圧を張り、
前記ガス圧は有機溶媒圧よりも大きくする、燃料電池スタックの分解方法を提供する。
本開示においては有機溶媒を冷媒マニホールドに流し反応ガスマニホールドに所定のガス圧を張ることで有機溶媒の反応ガスマニホールドへの侵入を防ぐことができる。反応ガスマニホールド周辺の粘着シートが剥がれ、反応ガスマニホールドに有機溶媒が侵入してきても、ガス圧を高く設定しているため、有機溶媒が押し返され、MEGAへ侵入することを防止できる。結果、MEGAへのダメージを与えることなく、粘着シートとセルとを解体することができ、セルを傷つけることなく取り出し、再利用することができる。
本開示によれば、セルの外側から粘着シートに刃を入れにくく、粘着シートを剥がすのが困難な場合であっても、セルの内側から粘着シートを容易に剥がすことができる。
本開示の燃料電池スタックの分解方法は、少なくとも、(1)有機溶媒供給工程を有し、必要に応じて、(1)有機溶媒供給工程の前に(2)不活性ガス置換工程を有する。
(1)有機溶媒供給工程
有機溶媒供給工程は、前記単セルの前記粘着シートからの解体時に前記粘着シートを分解するために前記粘着シートに有機溶媒を供給する工程である。
有機溶媒供給工程において、前記セル積層体を締結した状態で、前記燃料電池スタックの冷媒マニホールドには前記有機溶媒を流し、且つ、酸化剤ガスマニホールド、及び、燃料ガスマニホールドには、ガスを供給して密閉することにより、当該酸化剤ガスマニホールド、及び、当該燃料ガスマニホールドにガス圧を張る。
ガス圧は有機溶媒圧よりも大きくする。
ガスは、燃料電池の反応を抑制する観点から、例えば、窒素、及び、アルゴン等の不活性ガス等であってもよい。
有機溶媒は、粘着シートを分解することができる溶媒であればよく、例えば、エタノール等であってもよい。
有機溶媒供給工程においては、前記ガス圧をモニタリングし、前記ガス圧が所定値から低下したら、前記セル積層体の締結を解除し、前記粘着シートをセパレータから剥がしてもよい。
ガス圧の所定値は、酸化剤ガスマニホールド、及び、燃料ガスマニホールドにガスを供給して密閉したときのガス圧としてもよい。当該密閉したときのガス圧から現在のガス圧が低下することは、粘着シートが有機溶媒により分解してマニホールドの周辺部の粘着シートがはがれたことを示す。そのため、ガス圧が所定値よりも低下したら、セル積層体の締結を解除し、粘着シートをセパレータから容易に剥がすことができる。
ガス圧の測定手段は、特に限定されず、圧力センサ等を用いてもよい。圧力センサを燃料電池スタック内に配置し、燃料電池スタック内のガス圧をモニタリングしてもよい。
粘着シートをセパレータから剥がす方法は、特に限定されず、例えば、刃、ヘラ等の解体用工具等を用いて粘着シートをセパレータから剥がす方法であってもよい。
セル積層体の締結は、セル積層体の積層方向両端に配置される一対のエンドプレートを介して、両端ネジ付きボルトとナット等のシャフト部材等を用いてネジ締めにより締結荷重を付与する方法、ばね部材を用いて締結荷重を付与する方法等が挙げられる。
セル積層体の締結の解除は、ネジ締めの解除や、ばね部材の除去等により締結荷重を解除する方法等が挙げられる。
有機溶媒供給工程においては、粘着シートのセパレータとの粘着性が低下し、例えば、粘着シートの一部(例えば、シート幅が小さくはがれやすい部分等)がはがれてきたら、有機溶媒の供給を停止し、冷媒マニホールドから有機溶媒を抜いてもよい。
(2)不活性ガス置換工程
不活性ガス置換工程は、前記有機溶媒を供給する工程の前に前記燃料電池スタック内の残存ガスを不活性ガスで置換する工程である。
不活性ガス置換工程により燃料電池スタック内の未反応の反応ガス等の残存ガスを不活性ガスに置換し、燃料電池スタックの反応を抑制することができる。
本開示の燃料電池スタックは、単セルを複数積層したセル積層体を有し、隣り合う単セル間のシールに粘着シートを用いる。
本開示においては、単セル及び燃料電池スタックのいずれも燃料電池と称する場合がある。
粘着シートは、隣り合う単セル間に配置され、隣り合う単セルのシール材として用いられる。
粘着シートは、有機溶媒により分解可能な材料であればよく、例えば、ポリエステル系及び変性オレフィン系等の熱可塑性樹脂であってもよく、変性エポキシ樹脂である熱硬化性樹脂であってもよい。
粘着シートの形状は、枠状であってもよい。粘着シートのシールラインとなる枠は、セパレータのシールラインリブと位置合わせされていてもよい。
粘着シートは、セパレータのシールラインリブ上に配置されていてもよく、例えば、反応ガスマニホールドを構成する孔を囲うように孔の周囲部をシールしてもよく、セパレータの周縁部を囲いシールしてもよい。ここでいう反応ガスマニホールドは、燃料ガスマニホールドであってもよく、酸化剤ガスマニホールドであってもよく、両方のマニホールドであってもよい。
粘着シートの厚みは特に限定されず、10~100μmであってもよい。
粘着シートのシート幅は、孔の周囲部のほうが、セパレータの周縁部よりも大きくてもよい。
セル積層体は、単セルを複数個積層した積層体である。
セル積層体における単セルの積層数は特に限定されず、2~数百個であってもよい。
セル積層体は、締結部材により締結荷重が付与されていてもよい。
締結部材は、両端ネジ付きボルトとナット等のシャフト部材、及び、ばね部材等が挙げられる。
燃料電池スタックは、セル積層体の積層方向両端に一対のエンドプレートを有していてもよい。
燃料電池の単セルは、通常、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA)を備える。
膜電極ガス拡散層接合体は、アノード側ガス拡散層及び、アノード触媒層及び、電解質膜及び、カソード触媒層及び、カソード側ガス拡散層をこの順に有する。
カソード(酸化剤極)は、カソード触媒層及びカソード側ガス拡散層を含む。
アノード(燃料極)は、アノード触媒層及びアノード側ガス拡散層を含む。
カソード触媒層及びアノード触媒層をまとめて触媒層と称する。
触媒層は、例えば、電気化学反応を促進する触媒金属、プロトン伝導性を有する電解質、及び、電子伝導性を有する担体等を備えていてもよい。
触媒金属としては、例えば、白金(Pt)、及び、Ptと他の金属とから成る合金(例えばコバルト、及び、ニッケル等を混合したPt合金)等を用いることができる。
電解質としては、フッ素系樹脂等であってもよい。フッ素系樹脂としては、例えば、ナフィオン溶液等を用いてもよい。
上記触媒金属は担体上に担持されており、各触媒層では、触媒金属を担持した担体(触媒担持担体)と電解質とが混在していてもよい。
触媒金属を担持するための担体は、例えば、一般に市販されているカーボンなどの炭素材料等が挙げられる。
カソード側ガス拡散層及びアノード側ガス拡散層をまとめてガス拡散層と称する。
ガス拡散層は、ガス透過性を有する導電性部材等であってもよい。
導電性部材としては、例えば、カーボンクロス、及びカーボンペーパー等のカーボン多孔質体、並びに、金属メッシュ、及び、発泡金属などの金属多孔質体等が挙げられる。
電解質膜は、固体高分子電解質膜であってもよい。固体高分子電解質膜としては、例えば、水分が含まれたパーフルオロスルホン酸の薄膜等のフッ素系電解質膜、及び、炭化水素系電解質膜等が挙げられる。電解質膜としては、例えば、ナフィオン膜(デュポン社製)等であってもよい。
単セルは、膜電極ガス拡散層接合体を挟持する一対のセパレータを備える。一対のセパレータは、一方がアノードセパレータであり、もう一方がカソードセパレータである。本開示では、アノードセパレータとカソードセパレータとをまとめてセパレータという。
セパレータは、反応ガス及び冷媒等の流体を単セルの積層方向に流通させるための供給孔及び排出孔等の孔を有していてもよい。冷媒としては、低温時の凍結を防止するために例えばエチレングリコールと水との混合溶液を用いることができる。
供給孔は、燃料ガス供給孔、酸化剤ガス供給孔、及び、冷媒供給孔等が挙げられる。
排出孔は、燃料ガス排出孔、酸化剤ガス排出孔、及び、冷媒排出孔等が挙げられる。
セパレータは、ガス拡散層に接する面に反応ガス流路を有していてもよい。また、セパレータは、ガス拡散層に接する面とは反対側の面に燃料電池の温度を一定に保つための冷媒流路を有していてもよい。
セパレータは、反応ガス流路、冷媒流路等の流路を構成するリブを有していてもよい。
セパレータは、少なくとも冷媒流路側の面に供給孔及び排出孔等の孔を囲い粘着シートのシールラインと位置合わせされたシールラインリブを有していてもよい。
アノードセパレータは、アノード側ガス拡散層に接する面に燃料ガス流路を有していてもよい。また、アノードセパレータは、アノード側ガス拡散層に接する面とは反対側の面に燃料電池の温度を一定に保つための冷媒流路を有していてもよい。
カソードセパレータは、カソード側ガス拡散層に接する面に酸化剤ガス流路を有していてもよい。また、カソードセパレータは、カソード側ガス拡散層に接する面とは反対側の面に燃料電池の温度を一定に保つための冷媒流路を有していてもよい。
セパレータは、ガス不透過の導電性部材等であってもよい。導電性部材としては、例えば、熱硬化樹脂、熱可塑樹脂、及び、樹脂繊維等の樹脂材、カーボン粉末、及び、カーボン繊維等のカーボン材を圧縮してガス不透過とした緻密質カーボン、及び、プレス成形した金属(例えば、鉄、アルミニウム、及び、ステンレス等)板等であってもよい。また、セパレータが集電機能を備えるものであってもよい。
セパレータの形状は、長方形、横長6角形、横長8角形、円形、及び、長丸形状等であってもよい。
本開示においては、燃料ガス、及び、酸化剤ガスをまとめて反応ガスと称する。アノードに供給される反応ガスは、燃料ガスであり、カソードに供給される反応ガスは酸化剤ガスである。燃料ガスは、主に水素を含有するガスであり、水素であってもよい。酸化剤ガスは、酸素を含有するガスであり、酸素、空気、及び、乾燥空気等であってもよい。
単セルは樹脂フレームを備えていてもよい。
樹脂フレームは、膜電極ガス拡散層接合体の外周に配置され、且つ、カソードセパレータとアノードセパレータとの間に配置される。
樹脂フレームは、骨格部と、開口部と、孔を有していてもよい。
骨格部は、膜電極ガス拡散層接合体と接続する樹脂フレームの主要部分である。
開口部は、膜電極ガス拡散層接合体の保持領域であり、膜電極ガス拡散層接合体を収納するために骨格部の一部を貫通する領域である。開口部は、樹脂フレームにおいて、膜電極ガス拡散層接合体の周囲(外周部)に骨格部が配置される位置に配置されていればよく、樹脂フレームの中央に有していてもよい。
樹脂フレームの孔は、反応ガス、及び、冷媒等の流体を単セルの積層方向に流通させる。樹脂フレームの孔は、セパレータの孔と連通するように位置合わせされて配置されていてもよい。
樹脂フレームは、枠状のコア層と、コア層の両面に設けられた枠状の二つのシェル層、即ち、第1シェル層と第2シェル層とを含んでいてもよい。
第1シェル層及び第2シェル層は、コア層と同様に、コア層の両面に枠状に設けられていてもよい。
コア層は、ガスシール性、絶縁性を有する構造部材であればよく、燃料電池の製造工程での熱圧着時の温度条件下でも構造が変化しない材料により形成されていてもよい。具体的には、コア層の材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、PC(ポリカーボネート)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PA(ポリアミド)、PI(ポリイミド)、PS(ポリスチレン)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、シクロオレフィン、PES(ポリエーテルサルホン)、PPSU(ポリフェニルスルホン)、LCP(液晶ポリマー)、エポキシ樹脂等の樹脂等であってもよい。コア層の材料は、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、フッ素系ゴム、シリコン系ゴム等のゴム材であってもよい。
コア層の厚さは、絶縁性を担保する観点から、5μm以上であってもよく、30μm以上であってもよく、セル厚さを低減する観点から、100μm以下であってもよく、90μm以下であってもよい。
第1シェル層及び第2シェル層は、コア層とアノードセパレータ及びカソードセパレータとを接着してシール性を確保するために、他の物質との接着性が高く、熱圧着時の温度条件下で軟化し、コア層よりも粘度及び融点が低い性質を有していてもよい。具体的には、第1シェル層及び第2シェル層は、ポリエステル系及び変性オレフィン系等の熱可塑性樹脂であってもよく、変性エポキシ樹脂である熱硬化性樹脂であってもよい。
第1シェル層を構成する樹脂と第2シェル層を構成する樹脂とは、同種の樹脂であってもよく、異なる種類の樹脂であってもよい。コア層の両面にシェル層を設けることで、樹脂フレームと2つのセパレータとの間の加熱プレスによる接着が容易になる。
第1シェル層及び第2シェル層のそれぞれのシェル層の厚さは、接着性を担保する観点から、5μm以上であってもよく、30μm以上であってもよく、セル厚さを低減する観点から、100μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。
樹脂フレームにおいて、第1シェル層及び第2シェル層は、それぞれアノードセパレータ及びカソードセパレータと接着する部分にのみに設けられていてもよい。コア層の一方の面に設けられた第1シェル層は、カソードセパレータと接着していてもよい。コア層の他方の面に設けられた第2シェル層は、アノードセパレータと接着していてもよい。そして、樹脂フレームは、一対のセパレータにより挟持されてもよい。
燃料電池スタックは、各供給孔が連通した入口マニホールド、及び、各排出孔が連通した出口マニホールド等の各孔が連通したマニホールドを有していてもよい。
入口マニホールドは、燃料ガス入口マニホールド、酸化剤ガス入口マニホールド、及び、冷媒入口マニホールド等が挙げられる。
出口マニホールドは、燃料ガス出口マニホールド、酸化剤ガス出口マニホールド、及び、冷媒出口マニホールド等が挙げられる。
本開示においては、燃料ガス入口マニホールド、及び、燃料ガス出口マニホールドをまとめて燃料ガスマニホールドという。
本開示においては、酸化剤ガス入口マニホールド、及び、酸化剤ガス出口マニホールドをまとめて酸化剤ガスマニホールドという。
本開示においては、燃料ガスマニホールド、及び、酸化剤ガスマニホールドをまとめて反応ガスマニホールドという。
本開示においては、冷媒入口マニホールド、及び、冷媒出口マニホールドをまとめて冷媒マニホールドという。
図1は、本開示の燃料電池スタックの一例を示す断面模式図である。
図1で示すように本開示の燃料電池スタックは、一対のセパレータ10と一対のセパレー10に挟持される樹脂フレーム11を備える単セル100を有し、隣り合う単セル100間に粘着シート12がマニホールド20のシールのために配置されている。
本開示の燃料電池スタックの分解方法は、粘着シート12が、解体したい箇所である。
図2は、本開示の燃料電池スタックの一例を示す平面模式図である。
図2で示すように、本開示の燃料電池スタックは、燃料ガス入口マニホールド30、燃料ガス出口マニホールド31、酸化剤ガス入口マニホールド40、酸化剤ガス出口マニホールド41、冷媒入口マニホールド50、冷媒出口マニホールド51を有する。
粘着シート12は、燃料ガス入口マニホールド30、燃料ガス出口マニホールド31、酸化剤ガス入口マニホールド40、酸化剤ガス出口マニホールド41をシールし、且つ、セパレータ10の周縁部をシールしている。粘着シート12の幅は、各マニホールドの周囲部の方が、セパレータ10の周縁部よりも大きい。
本開示の燃料電池スタックの分解方法では、冷媒入口マニホールド50から、冷媒出口マニホールド51へ有機溶媒流れFとなるように供給する。また、燃料ガス入口マニホールド30、燃料ガス出口マニホールド31、酸化剤ガス入口マニホールド40、酸化剤ガス出口マニホールド41内にガスを供給して密閉する。これにより、燃料ガス入口マニホールド30、燃料ガス出口マニホールド31、酸化剤ガス入口マニホールド40、酸化剤ガス出口マニホールド41にガス圧を張り、ガス圧は有機溶媒圧よりも大きくする。
有機溶媒により粘着シート12が剥がれてきたら、刃等の解体用工具60により、セパレータ10から粘着シート12を剥がし、燃料電池スタックから単セルを取り出すことができる。
粘着シート12は有機溶媒により分解されているため、セパレータ10を傷付けることなくセパレータ10から容易にはがすことができる。
また、ガス圧を有機溶媒圧よりも大きくしているため、燃料ガス入口マニホールド30、燃料ガス出口マニホールド31、酸化剤ガス入口マニホールド40、酸化剤ガス出口マニホールド41から有機溶媒が単セル内に侵入することを防ぎ、単セル内のMEGAの電解質が有機溶媒により分解されることを抑制することができ、無傷の状態で単セルを取り出すことができる。
10 セパレータ
11 樹脂フレーム
12 粘着シート
20 マニホールド
30 燃料ガス入口マニホールド
31 燃料ガス出口マニホールド
40 酸化剤ガス入口マニホールド
41 酸化剤ガス出口マニホールド
50 冷媒入口マニホールド
51 冷媒出口マニホールド
60 解体用工具
100 単セル
F 有機溶媒流れ

Claims (1)

  1. 単セルを複数積層したセル積層体を有し、隣り合う単セル間のシールに粘着シートを用いた燃料電池スタックの分解方法であって、
    前記単セルの前記粘着シートからの解体時に前記粘着シートを分解するために前記粘着シートに有機溶媒を供給する工程を有し、
    前記有機溶媒を供給する工程において、前記セル積層体を締結した状態で、前記燃料電池スタックの冷媒マニホールドには前記有機溶媒を流し、且つ、酸化剤ガスマニホールド、及び、燃料ガスマニホールドには、ガスを供給して密閉することにより、当該酸化剤ガスマニホールド、及び、当該燃料ガスマニホールドにガス圧を張り、
    前記ガス圧は有機溶媒圧よりも大きくする、燃料電池スタックの分解方法。
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