JP2023136185A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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JP2023136185A JP2022041665A JP2022041665A JP2023136185A JP 2023136185 A JP2023136185 A JP 2023136185A JP 2022041665 A JP2022041665 A JP 2022041665A JP 2022041665 A JP2022041665 A JP 2022041665A JP 2023136185 A JP2023136185 A JP 2023136185A
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茜 荒川
Akane Arakawa
将人 岡部
Masahito Okabe
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Abstract

【課題】近接効果による誘導加熱コイルの抵抗の増大を抑制して、誘導加熱調理器の加熱性能を向上させる。【解決手段】誘導加熱調理器は、上下方向に沿って延びる中心軸線Cの周りで渦巻形状に形成された第1コイル要素22aを含む誘導加熱コイル21と、磁気シールド部材30と、第1コイル要素22aの上面に対向して配置された天板5と、を備えている。第1コイル要素22aは、径方向に並ぶ複数のターン部を含む。磁気シールド部材30は、径方向に隣り合うターン部の間を上下方向に広がる壁部を含む。壁部は、第1コイル要素22aの上面よりも上方に突出する突出部を有する。突出部の突出量と第1コイル要素22aの上面及び天板5の上面間の距離との比が、1/3以上である。【選択図】図2

Description

本開示は、誘導加熱調理器に関する。
例えば特許文献1に開示されているような誘導加熱調理器が、広く普及している。誘導加熱調理器は、誘導加熱コイルに高周波電流を流して誘導磁界を発生させ、この誘導磁界を利用して鍋などの金属製の調理容器を発熱させるものである。
特開2012-043669号公報
このような誘導加熱コイルに電流を供給すると、誘導加熱コイルのうち径方向に隣り合う部分の間で近接効果が生じて誘導加熱コイルの抵抗が増大し、誘導加熱調理器が所望の加熱性能を発揮しないことがある。したがって、近接効果による誘導加熱コイルの抵抗の増大を抑制して、誘導加熱調理器の加熱性能を向上させることが望まれている。
本開示の実施形態は、誘導加熱調理器の加熱性能を向上させることを目的とする。
本開示の一実施の形態による誘導加熱調理器は、
上下方向に沿って延びる中心軸線の周りで渦巻形状に形成された板状の第1コイル要素を含む誘導加熱コイルと、
磁気シールド部材と、
前記第1コイル要素の上面に対向して配置された天板と、
を備え、
前記第1コイル要素は、径方向に並ぶ複数のターン部を含み、
前記磁気シールド部材は、径方向に隣り合うターン部の間を上下方向に広がる壁部を含み、
前記壁部は、前記第1コイル要素の上面よりも上方に突出する突出部を有し、
前記突出部の突出量と前記第1コイル要素の上面及び前記天板の上面間の距離との比が、1/3以上である。
本開示の一実施の形態による誘導加熱調理器において、
前記比は1/2以下であってもよい。
本開示の一実施の形態による誘導加熱調理器において、
前記壁部は前記天板に接していてもよい。
本開示の一実施の形態による誘導加熱調理器において、
前記天板の下面に前記突出部の先端部を受容する溝が形成されていてもよい。
本開示の一実施の形態による誘導加熱調理器において、
前記誘導加熱コイルは、前記中心軸線の周りで渦巻形状に形成され、前記第1コイル要素の下面に対向して配置された板状の第2コイル要素を含んでもよく、
前記第2コイル要素は、径方向に並ぶ複数のターン部を含んでもよく、
前記第1コイル要素の前記複数のターン部と、前記第2コイル要素の前記複数のターン部とは、上下方向に並んでいてもよく、
前記壁部は、前記第2コイル要素の径方向に隣り合うターン部の間を広がっていてもよい。
本開示の一実施の形態による誘導加熱調理器において、
前記磁気シールド部材は、前記壁部に接続し且つ前記第1コイル要素と前記第2コイル要素との間に位置する第1接続部を有していてもよい。
本開示の一実施の形態による誘導加熱調理器において、
前記磁気シールド部材は、前記壁部に接続し且つ前記第2コイル要素の下面に対面する第2接続部をさらに有していてもよい。
本開示の一実施の形態による誘導加熱調理器において、
前記第1コイル要素の下面と前記第2コイル要素の上面との距離が、2mm以下であってもよい。
本開示の一実施の形態による誘導加熱調理器において、
前記第1コイル要素の下面と前記第2コイル要素の上面との距離は、0.5mm以上であってもよい。
あるいは、本開示の一実施の形態による誘導加熱調理器は、
上下方向に沿って延びる中心軸線の周りで渦巻形状に形成された板状の第1コイル要素を含む誘導加熱コイルと、
磁気シールド部材と、
前記第1コイル要素の上面に対向して配置された天板と、
を備え、
前記第1コイル要素は、径方向に並ぶ複数のターン部を含み、
前記磁気シールド部材は、径方向に隣り合うターン部の間を上下方向に広がる壁部を含み、
前記壁部は、前記第1コイル要素の上面よりも上方に突出する突出部を有し、
前記天板の下面に前記突出部の先端部を受容する溝が形成されている。
あるいは、本開示の一実施の形態による誘導加熱調理器は、
任意の中心軸線の周りで渦巻形状に形成された板状の第1コイル要素及び第2コイル要素を含む誘導加熱コイルを備え、
前記第1コイル要素の下面と前記第2コイル要素の上面とが対面しており、
前記第1コイル要素の下面と前記第2コイル要素の上面との距離が、2mm以下である。
本開示の一実施の形態による誘導加熱調理器において、
前記第1コイル要素の下面と前記第2コイル要素の上面との距離は、0.5mm以上であってもよい。
本開示の実施形態は、誘導加熱調理器の加熱性能を向上させることができる。
図1は、一実施の形態の誘導加熱調理器の斜視図である。 図2は、図1に示す誘導加熱調理器のI-I線に沿った断面図である。 図3は、図2に示すコイルユニットの一部を拡大して示す部分拡大図である。 図4は、図2に示すコイルユニット及び支持部材の分解斜視図である。 図5は、図4に示す誘導加熱コイルの斜視図である。 図6は、図5に示す誘導加熱コイルを構成するコイル要素の斜視図である。 図7は、天板の厚みが4mmである場合の、誘導加熱コイルの上面及び天板の上面間の距離と、コイル損失割合との関係を示すグラフである。 図8は、天板の厚みが2mmである場合の、誘導加熱コイルの上面及び天板の上面間の距離と、コイル損失割合との関係を示すグラフである。 図9は、コイル要素間の距離とコイル損失割合との関係を示すグラフである。 図10は、図2に対応する図であって、誘導加熱調理器の変形例を示す断面図である。 図11は、図10に示すコイルユニットの一部を拡大して示す部分拡大図である。
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」などの用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば「シート」は、フィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
図1は、一実施の形態に係る誘導加熱調理器1の斜視図である。また、図2は、図1に示す誘導加熱調理器1のI-I線に沿った断面を概略的に示す断面図である。また、図3は、図2の一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す図である。
誘導加熱調理器1は、鍋などの金属製の調理容器Pが載置される天板5を含むケーシング10と、コイルユニット20と、支持部材40と、高周波電流供給回路50と、冷却ファン60とを備えている。誘導加熱調理器1は、コイルユニット20に高周波電流を供給して誘導磁界を発生させることにより、調理容器Pに渦電流を流して調理容器Pを発熱させ、調理容器Pでの加熱調理を可能にするものである。
ケーシング10は、図2に示すように、コイルユニット20、支持部材40、高周波電流供給回路50及び冷却ファン60を収容する。図1に示すように、ケーシング10は、天板5及び操作パネル6を含む上壁11と、上壁11と対向する底壁12とを含む。ケーシング10は、更に、上壁11と底壁12とを接続する周壁13を含む。周壁13は、周状に形成され、コイルユニット20、支持部材40、高周波電流供給回路50及び冷却ファン60を取り囲む。図2に示すように、ケーシング10には、ケーシング10の内部空間に空気を吸入する吸気口17と、ケーシング10内の空気を排気する排気口18が形成されている。天板5を形成する材料としては、例えばガラスを採用可能である。
以下では、誘導加熱調理器1およびその構成要素について用いる「上」、「下」及び「上下方向」の用語は、特に指示が無い場合、誘導加熱調理器1の使用状態を基準とした「上」、「下」及び「上下方向」を意味する。さらに詳しくは、「上下方向」とは、図2における紙面の上下方向に一致する。したがって、誘導加熱調理器1の上側とは上壁11の側(したがって、天板5の側)であり、誘導加熱調理器1の下側とは底壁12の側である。
コイルユニット20は、図2に示すように、天板5に対面して配置されている。コイルユニット20は、誘導加熱コイル21と、磁気シールド部材30とを有する。図4は、コイルユニット20を支持部材40から取り外した状態で示す斜視図である。また、図5は、誘導加熱コイル21の斜視図である。
誘導加熱コイル21は、高周波電流供給回路50から高周波電流が供給されると、誘導磁界を発生させる。誘導加熱コイル21は、図2及び図5に示すように、複数の渦巻形状のコイル要素22を含む。図示された例では、誘導加熱コイル21は、2つのコイル要素(第1コイル要素22a及び第2コイル要素22b)を含む。なお、誘導加熱コイル21に含まれるコイル要素22の数は、これに限定されない。誘導加熱コイル21に含まれるコイル要素22の数は、1以上であればよい。ただし、後述するように、誘導加熱コイル21に含まれるコイル要素22の数は偶数であることが好ましい。
図6はコイル要素22の斜視図である。コイル要素22は導電材料から形成される。コイル要素22を形成するための導電材料としては、銅やアルミニウムなどの金属を採用可能である。詳しくは、コイル要素22は、線状の導電体23を含む。図6に示すように、この導電体23が渦巻形状であり、渦巻き状に延びる。渦巻形状とは、旋回するにつれて中心から遠ざかる(あるいは旋回するにつれて中心に近づく)平面曲線の形を意味する。ここで言う平面曲線には、折れ線状に曲がって連なる平面パターンも含む。
また、コイル要素22は板状である。図2及び図3に示すように、コイル要素22の渦巻形状の巻回方向に直交する方向での断面形状は、矩形状である。すなわち、渦巻形状の巻回方向に直交する方向での導電体23の断面形状は、矩形状である。
板状のコイル要素22は、金属板または金属箔を渦巻形状に打ち抜く、またはエッチングすることにより形成することができる。コイル要素22の厚み(軸方向に沿った寸法)は、例えば0.2mm以上1.0mm以下でもよい。
図6やその他の図に示す符号Cは、コイル要素22の渦巻形状の中心を通る中心軸線を示している。以下、コイル要素22、誘導加熱コイル21、コイルユニット20又は支持部材40の軸方向と言う場合、その方向は、中心軸線C上を延びる方向又は中心軸線Cに平行な方向を意味する。また、中心軸線Cに直交する方向を径方向と言う。
各コイル要素22は、径方向に並ぶ複数のターン部T(後述する周回部24及び拡径部25)を含む。図示された例では、コイル要素22(導電体23)は、各ターン部Tが概ね円形をなすように巻き回されている。ただし、コイル要素22(導電体23)は、径方向に並ぶ複数のターン部Tが概ね矩形をなすように巻き回されてもよい。
図示された例では、各コイル要素22は、中心軸線Cの周りを周回する複数の周回部24と、中心軸線Cから離れるように(あるいは接近するように)延びる部分26を含む拡径部25と、を含む。各ターン部Tは、1つの周回部24、又は、1つの周回部24と当該周回部24に接続する1つの拡径部25と、からなる。
各コイル要素22に含まれる複数の周回部24は、互いに相似形である。各コイル要素22に含まれる複数の周回部24は、互いに寸法が異なる。複数の周回部24は、その中心が一致するように配置される。図示された例では、周回部24は円環の一部を切り欠いた形状である。複数の周回部24は、中心軸線Cを中心として同心円状に配置される。拡径部25は、径方向に隣り合う周回部24を接続する。これにより、各コイル要素22は全体として渦巻形状を形成する。
図示された例では、図6に示すように、各コイル要素22は、互いに同一形状ではあるが、寸法が異なる第1~第8周回部24a~24hを有する。
第1~第8周回部24a~24hの寸法は、この順で大きくなる。言い換えると、第1周回部24aよりも第2周回部24bの方が大きい。また、第2周回部24bよりも第3周回部24cの方が大きい。また、第3周回部24cよりも第4周回部24dの方が大きい。また、第4周回部24dよりも第5周回部24eの方が大きい。また、第5周回部24eよりも第6周回部24fの方が大きい。また、第6周回部24fよりも第7周回部24gの方が大きい。また、第7周回部24gよりも第8周回部24hの方が大きい。第1~第8周回部24a~24hは、中心軸線Cを中心として、径方向外側へ向けてこの順で配置される。第1~第8周回部24a~24hは、軸方向に垂直な同一の平面上に配置される。
また、図示された例では、各コイル要素22は、第1~第7拡径部25a~25gを有する。
第1拡径部25aは、第1周回部24aと第2周回部24bとを接続する。また、第2拡径部25bは、第2周回部24bと第3周回部24cとを接続する。また、第3拡径部25cは、第3周回部24cと第4周回部24dとを接続する。また、第4拡径部25dは、第4周回部24dと第5周回部24eとを接続する。また、第5拡径部25eは、第5周回部24eと第6周回部24fとを接続する。また、第6拡径部25fは、第6周回部24fと第7周回部24gとを接続する。また、第7拡径部25gは、第7周回部24gと第8周回部24hとを接続する。
図示された例では、第1コイル要素22a及び第2コイル要素22bの周回部24a~24hと拡径部25a~25gとによって形成されるパターンは、線対称である。第1コイル要素22aは、図6に示す第2コイル要素22bを裏返したものと同一形状である。このような形状をコイル要素22a,22bの形状として採用する場合、コイル要素22a,22bを効率よく作製することができる。また、後述するように、複数のコイル要素22a,22bの対応するターン部Tの一部(周回部24)を軸方向に整列させることができる。この結果、後述するターン部群TG,TG間に軸方向に延びる隙間を形成して、当該隙間に後述する磁気シールド部材30の壁部31を配置することができる。
図2に示すように、複数のコイル要素22は、軸方向に沿って積層されている。図示された例では、第1コイル要素22a及び第2コイル要素22bは、上下方向に積層されている。第2コイル要素22bは、第1コイル要素22aの下面に対向して配置されている。第1コイル要素22a及び第2コイル要素22bの内周側の端部は、例えば溶接法または超音波接合法によって、或いはネジやリベット等の接続具を用いて、互いに電気的に接続されている。第1コイル要素22a及び第2コイル要素22bは、誘導加熱コイル21がその一方の端部から他方の端部まで一定の巻回方向で巻回するように、接続されている。
第1コイル要素22a及び第2コイル要素22bの最外周側の端部は、高周波電流供給回路50に電気的に接続される。このように、誘導加熱コイル21がその外周部で高周波電流供給回路50に電気的に接続されることにより、誘導加熱コイル21と高周波電流供給回路50との電気的接続が容易になる。この観点から、誘導加熱コイル21に含まれるコイル要素22の数は偶数であることが好ましい。なぜなら、上記コイル要素22の数が偶数であれば、最上層に位置するコイル要素22aの外周側の端部と最下層に位置するコイル要素22bの外周側の端部を共に高周波電流供給回路50に電気的に接続することができるように、誘導加熱コイル21を形成することができるからである。
コイル要素22a,22bは、対応するターン部Tが軸方向に並ぶように積層されている。図示された例では、コイル要素22a,22bは、対応する周回部24が軸方向に整列するように積層される。言い換えると、コイル要素22a,22bは、軸方向に見た場合に、同一寸法の周回部24が互いに重なり合うように積層される。具体的には、コイル要素22a,22bの第1周回部24aが軸方向に整列する。また、コイル要素22a,22bの第2周回部24bが軸方向に整列する。また、コイル要素22a,22bの第3周回部24cが軸方向に整列する。また、コイル要素22a,22bの第4周回部24dが軸方向に整列する。また、コイル要素22a,22bの第5周回部24eが軸方向に整列する。また、コイル要素22a,22bの第6周回部24fが軸方向に整列する。また、コイル要素22a,22bの第7周回部24gが軸方向に整列する。また、コイル要素22a,22bの第8周回部24hが軸方向に整列する。このようにコイル要素22a,22bが積層されることにより、後述するように、コイル要素22a,22bの周回部24間に、磁気シールド部材30の壁部31を配置することができる。
なお、図示された例では、コイル要素22a,22bは、対応する拡径部25が軸方向に並ぶように積層される。具体的には、コイル要素22a,22bの第1拡径部25aが軸方向に見て部分的に重なる。また、コイル要素22a,22bの第2拡径部25bが軸方向に見て部分的に重なる。また、コイル要素22a,22bの第3拡径部25cが軸方向に見て部分的に重なる。また、コイル要素22a,22bの第4拡径部25dが軸方向に見て部分的に重なる。また、コイル要素22a,22bの第5拡径部25eが軸方向に見て部分的に重なる。また、コイル要素22a,22bの第6拡径部25fが軸方向に見て部分的に重なる。また、コイル要素22a,22bの第7拡径部25gが軸方向に見て部分的に重なる。
上述したように、コイル要素22a,22bは、対応するターン部Tが軸方向に並ぶように積層されている。コイル要素22a,22bの対応するターン部Tは、軸方向に並び、ターン部群TGを形成する。図示された例では、コイル要素22a,22bの第1ターン部Ta(第1周回部24a及び第1拡径部25a)が軸方向に並び、第1ターン部群TGaを形成する。また、コイル要素22a,22bの第2ターン部Tb(第2周回部24b及び第2拡径部25b)が軸方向に並び、第2ターン部群TGbを形成する。また、コイル要素22a,22bの第3ターン部Tc(第3周回部24c及び第3拡径部25c)が軸方向に並び、第3ターン部群TGcを形成する。また、コイル要素22a,22bの第4ターン部Td(第4周回部24d及び第4拡径部25d)が軸方向に並び、第4ターン部群TGdを形成する。また、コイル要素22a,22bの第5ターン部Te(第5周回部24e及び第5拡径部25e)が軸方向に並び、第5ターン部群TGeを形成する。また、コイル要素22a,22bの第6ターン部Tf(第6周回部24f及び第6拡径部25f)が軸方向に並び、第6ターン部群TGfを形成する。また、コイル要素22a,22bの第7ターン部Tg(第7周回部24g及び第7拡径部25g)が軸方向に並び、第7ターン部群TGgを形成する。また、コイル要素22a,22bの第8ターン部Th(第8周回部24h)が軸方向に並び、第8ターン部群TGhを形成する。
図2に示すように、コイル要素22a,22bは、軸方向に沿って互いから離間して配置されている。コイル要素22a,22bが互いから離間するようにコイル要素22a,22bを保持する方法は、任意である。図示された例では、後述するように、コイル要素22a,22bの間に磁気シールド部材30の接続部35が配置されることによって、コイル要素22a,22bは互いから離間した状態に維持される。
次に、磁気シールド部材30について説明する。図示された例では、磁気シールド部材30は、壁部31と、壁部31に接続する接続部35とを含む。
壁部31は、図4に示すように、渦巻形状であるコイル要素22の径方向に並ぶ部分の間に配置されている。より詳しくは、コイル要素22a,22bの径方向に隣り合うターン部群TGa,TGb;TGb,TGc;TGc,TGd;TGd,TGe;TGe,TGf;TGf,TGg;TGg,TGhの間には軸方向に広がる隙間が形成されており、壁部31は、上記径方向に隣り合うターン部群TGa,TGb;TGb,TGc;TGc,TGd;TGd,TGe;TGe,TGf;TGf,TGg;TGg,TGhの間の各隙間に配置されている。壁部31は、近接効果を抑制するために設けられる。近接効果とは、近接した導電体に平行に電流が流れると互いの導電体から発生する磁界の影響で電流が流れにくくなる、という効果である。
本実施の形態における壁部31は磁性体を含み、磁力線の透過を抑制する。誘導加熱コイル21で生じる磁界は、中心軸線Cに対して全方向に広がるように生じる。この際、壁部31は磁性を有することで、広がろうとする磁束線を中心軸線C側に配向できる。これにより、コイル要素22の径方向に隣り合う導電体23において、互いの導電体23から発生する磁界の影響で電流が流れにくくなる、ということを抑制することができる。
壁部31は好ましくは軟磁性体を含む。より具体的には、壁部31はフェライトを含む。壁部31は、ソフトフェライトを含んでもよい。なお、壁部31は、渦電流を積極的に発生させることで磁力線の透過を抑制する部材で構成されもよい。この場合、壁部31は非磁性且つ導電性の材料から形成され、例えば銅やアルミニウムなどから形成されてもよい。ただし、渦電流を積極的に発生させる場合には発熱の問題が生じる。そのため、フェライトの使用が望ましい。図示された例では、後述するように、壁部31は接続部35と同一の材料で一体に形成される。このため、コイル要素22a,22bが接続部35を介して短絡することを抑制するよう、磁気シールド部材30を形成する材料として、絶縁性の材料が採用される。
図示された例では、図2に示すように、磁気シールド部材30は、複数の壁部31a~31gを含む。図示された例では、壁部31a~31gは、コイル要素22a,22bの周回部24間に位置する部分と、拡径部25間に位置する部分とを含む。より詳細には、壁部31は、軸方向に並ぶ複数の周回部24と、当該複数の周回部24に径方向に隣り合う複数の周回部24との間に位置している。また、壁部31は、軸方向に並ぶ複数の拡径部25と、当該複数の拡径部25に径方向に隣り合う複数の拡径部25との間に位置している。言い換えると、壁部31は、ターン部群TGと当該ターン部群TGと径方向に隣り合う他のターン部群TGとの間の隙間に位置している。
具体的には、壁部31aは、コイル要素22a,22bの第1ターン部群TGaと第2ターン部群TGbとの間に位置している。壁部31bは、コイル要素22a,22bの第2ターン部群TGbと第3ターン部群TGcとの間に位置している。壁部31cは、コイル要素22a,22bの第3ターン部群TGcと第4ターン部群TGdとの間に位置している。壁部31dは、コイル要素22a,22bの第4ターン部群TGdと第5ターン部群TGeとの間に位置している。壁部31eは、コイル要素22a,22bの第5ターン部群TGeと第6ターン部群TGfとの間に位置している。壁部31fは、コイル要素22a,22bの第6ターン部群TGfと第7ターン部群TGgとの間に位置している。壁部31gは、コイル要素22a,22bの第7ターン部群TGgと第8ターン部群TGhとの間に位置している。
図示された例では、各壁部31a~31gは、軸方向及び周方向に延びる曲面に沿って広がっている。図2から理解されるように、各壁部31a~31gは、複数のコイル要素22a,22bに亘って広がっている。言い換えると、各壁部31a~31gは、径方向に見て、複数のコイル要素22a,22bのターン部Tと重なっている。さらに言い換えると、各壁部31a~31gは、少なくとも最上層のコイル要素22aの上面から最下層のコイル要素22bの下面に亘って広がっている。
図3によく示されているように、各壁部31a~31gは、最上層のコイル要素22aの上面よりも上方に延び出す上側突出部32を有している。また、各壁部31a~31gは、最下層のコイル要素22bの下面よりも下方に延び出す下側突出部33を有している。これにより、近接効果をより効果的に抑制することができる。
磁気シールド部材30の接続部35は、軸方向に垂直な平面に沿って広がり、複数の壁部31を径方向に接続している。図示された例では、接続部35は概ね円環状である。接続部35は、第1コイル要素22aの下面と対面する第1接続部35aと、第2コイル要素22bの下面と対面する第2接続部35bと、を含む。第1接続部35aは、第1コイル要素22aと第2コイル要素22bとの間に位置する。
図示された例では、磁気シールド部材30は、コイルユニット20を径方向外側から包囲する外壁部36と、コイル要素22a,22bの最内周部となるターン部Taの径方向内側に配置された内壁部37と、を更に含む。図2から理解されるように、外壁部36及び内壁部37の上端及び下端の高さ位置は、壁部31の上端及び下端の高さ位置と同じである。接続部35a,35bは、外壁部36及び内壁部37にも接続している。
図示された例では、コイル要素22a,22bは、磁気シールド部材30に埋設されている。コイル要素22aの上面は、磁気シールド部材30から露出している。このようなコイルユニット20は、磁気シールド部材30の形状に対応する金型内にコイル要素22a,22bを配置した後、磁性体を混合した樹脂を金型に流し込むことにより、形成することができる。
図2及び図3に示す例では、コイルユニット20の上端(したがって、磁気シールド部材30の壁部31の上端)は、天板5の下面に接している。誘導加熱コイル21が発する熱は、磁気シールド部材30及び後述する磁束吸収部41を介して、コイルユニット20の下部及び外周部から放散される。このため、コイルユニット20と天板5との間に、後述する冷却ファン60からの冷却風の通路が形成されていなくても、コイルユニット20を効果的に冷却することができる。
支持部材40は、誘導加熱コイル21を下方から支持する。支持部材40は、ケーシング10に対して固定されている。支持部材40は、磁束吸収部41とシールド部45とを含む。
磁束吸収部41は、誘導加熱コイル21が生成する磁束を吸収して誘導加熱コイル21のインダクタンスを増加させるために設けられている。図4に示す例では、支持部材40は、中心軸線Cを中心として放射状に配置された8つの磁束吸収部41を有している。各磁束吸収部41は、径方向に沿った断面がL字状になるように形成されている。磁束吸収部41は、コイルユニット20の下面に対面する底部42と、コイルユニット20の外周面に対面する側部43と、を有する。底部42は、径方向に延びている。側部43は、軸方向に沿って延びている。側部43は、底部42に径方向外側から接続している。また、図示された例では、磁束吸収部41を形成する材料として、例えばフェライト等の熱伝導性の高い材料を採用している。そして、磁束吸収部41は、コイルユニット20の下面及び外周面に接触している。これにより、磁束吸収部41を用いてコイルユニット20からの放熱を促している。
シールド部45は、円環状に形成され、コイルユニット20を径方向外側から包囲して、コイルユニット20が発する電磁波を遮断する。コイルユニット20が発する電磁波がシールド部45によって遮断されることにより、当該電磁波が他の電子部品や人体等に影響を与えることを防止することができる。シールド部45を形成する材料としては、例えばアルミニウム等の金属を採用可能である。
高周波電流供給回路50は、外部電源から電力の供給を受けて、誘導加熱コイル21に高周波電流を供給する。図示された例では、高周波電流供給回路50は、コイルユニット20の下方に配置されている。
冷却ファン60は、冷却風を吹き出すことにより、コイルユニット20及び高周波電流供給回路50を冷却する。冷却ファン60は、高周波電流供給回路50から誘導加熱コイル21に高周波電流が供給されると作動するように制御されている。
上記のように構成した誘導加熱調理器1の作動について説明する。調理容器Pを天板5の上側に載置し、ケーシング10に設けられた操作パネル6を操作すると、高周波電流供給回路50に外部の電源から電力が供給され、高周波電流供給回路50から誘導加熱コイル21に高周波電流が供給される。これにより、誘導加熱コイル21の周囲に誘導磁界が発生し、天板5の上側に載置した調理容器Pに渦電流が流れ、調理容器Pが発熱する。
誘導加熱コイル21に高周波電流が供給されると、冷却ファン60が作動して、ケーシング10外の空気が吸気口17を通じてケーシング10内に吸入される。ケーシング10内に吸入された空気は、冷却風として冷却ファン60からコイルユニット20及び高周波電流供給回路50に向けて吹き出される。コイルユニット20及び高周波電流供給回路50を通過した冷却風は、排気口18を通じてケーシング10外に排出される。
ところで、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率を高めることが望まれている。加熱効率を高めるため、上述したように、磁気シールド部材30を用いて、近接効果による誘導加熱コイル21の抵抗の増大を抑制している。ここで、磁気シールド部材30の壁部31の突出部32,33の突出量を大きくするほど、近接効果による誘導加熱コイル21の抵抗の増大を抑制することができる。また、誘導加熱コイル21と調理容器Pとの磁気結合を強くして、調理容器Pに流れる誘導電流を増加させることによっても、調理容器Pの加熱効率を高めることができる。誘導加熱コイル21と調理容器Pとの磁気結合は、誘導加熱コイル21と調理容器Pとの距離を小さくすることで高めることができる。
図3に示すように、図示された例では、磁気シールド部材30の壁部31の上側突出部32の突出量(上側突出部32の上下方向に沿った寸法)L1と天板5の厚みTとの和が、誘導加熱コイル21と調理容器Pとの距離L2である。距離L2は、第1コイル要素22aの上面及び天板5の上面間の距離でもある。近接効果による誘導加熱コイル21の抵抗の増大を抑制するために磁気シールド部材30の壁部31の上側突出部32の突出量L1を大きくすると、距離L2が大きくなって、誘導加熱コイル21と調理容器Pとの磁気結合が低下する。
この点について本件発明者らが鋭意研究を重ねた結果、誘導加熱調理器1を次のように構成することにより、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率を効果的に高めることができることを見出した。すなわち、上側突出部32の突出量L1と、第1コイル要素22aの上面及び天板5の上面間の距離L2との比L1/L2を1/3以上とすることで、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率を効果的に高めることができることを見出した。
具体例として、図7および図8に、距離L2とコイル損失割合との関係を示す。図7及び図8において、横軸が距離L2を示し、縦軸がコイル損失割合を示す。本明細書においてコイル損失割合とは、調理容器P、天板5、コイルユニット20及び支持部材40での損失(発熱)に対する誘導加熱コイル21での損失(発熱)の割合を意味する。コイル損失割合が小さいほど、調理容器Pでの損失(発熱)が大きくなる。図7は、天板の厚みが4mmである場合の距離L2とコイル損失割合との関係を示す。図8は、天板の厚みが2mmである場合の距離L2とコイル損失割合との関係を示す。
図7に示す例では、コイル損失割合は、距離L2が約5mm~約8mmの場合に、十分に小さくなる。すなわち、コイル損失割合は、突出量L1が約1mm~約4mmの場合に、十分に小さくなる。また、コイル損失割合は、距離L2が約6mm~約7mmの場合に、最も小さくなる。すなわち、コイル損失割合は、突出量L1が約2mm~約3mmの場合に、最も小さくなる。このことから、L1/L2が約1/5~約1/2の場合に誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率が十分に高くなり、L1/L2が約1/3~約3/7の場合に調理容器Pの加熱効率が最も高くなることが理解される。
また、図8に示す例では、コイル損失割合は、距離L2が約2.5mm~約7mmの場合に、十分に小さくなる。すなわち、コイル損失割合は、突出量L1が約0.5mm~約5mmの場合に、十分に小さくなる。また、コイル損失割合は、距離L2が約3mm~約6mmの場合に、最も小さくなる。すなわち、コイル損失割合は、突出量L1が約1mm~約4mmの場合に、最も小さくなる。このことから、L1/L2が約1/5~約5/7の場合に誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率が十分に高くなり、L1/L2が約1/3~約2/3の場合に調理容器Pの加熱効率が最も良くなることが理解される。
以上より、L1/L2を1/3以上とすることで、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率を効果的に高めることができることが理解される。
なお、天板5の厚みTが小さいほど、調理容器Pの加熱効率が良くなる。なぜなら、距離L2が同じ場合であっても、天板5の厚みTが小さいほど突出量L1を大きくすることができ、誘導加熱コイル21での損失を抑制することができるからである。或いは、突出量L1が同じ場合であっても、天板5の厚みTが小さいほど距離L2を小さくすることができ、誘導加熱コイル21と調理容器Pとの磁気結合を強くすることができるからである。
ただし、天板5の厚みTが2mm~4mmであれば、図7及び図8から理解されるように、L1/L2が約1/2以下である場合にコイル損失割合が十分に低くなる。したがって、天板5の厚みTが2mm~4mmであれば、L1/L2が約1/2以下である場合に調理容器Pの加熱効率が高くなる。
さらに、本件発明者らが鋭意研究を重ねた結果、コイル要素22間の距離L3を小さくすることによっても、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率を効果的に高めることができることを見出した。図3に示すように、コイル要素22間の距離L3とは、軸方向に隣り合うコイル要素22a,22bの対向する面の距離である。すなわち、距離L3は、上方に位置するコイル要素22aの下面と下方に位置するコイル要素22bの上面との距離である。
具体例として、図9に、距離L3とコイル損失割合との関係を示す。図9において、横軸が距離L3を示し、縦軸がコイル損失割合を示す。図9から理解されるように、距離L3が小さいほど、コイル損失割合が低下する。このことから、距離L3が小さいほど、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率が高くなることが理解される。また、図9に示すように、距離L3が2mm以下の場合に、コイル損失割合が十分に低くなる。これにより、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率を効果的に高める観点から、距離L3は2mm以下であることが望ましいことが理解される。ただし、距離L3が小さすぎると、コイル要素22a,22bが意図せず短絡してしまう虞がある。このため、距離L3は0.5mm以上であることが好ましい。
なお、図7乃至図9に示すコイル損失割合は、次のような調理容器P、天板5、コイルユニット20及び支持部材40を用い、誘導加熱コイル21に電流値が40Aで周波数が23kHzの高周波電流を供給して測定された。上述したように、図7に示すコイル損失割合は、厚みが4mmの天板5を用い、上側突出部32の突出量L1を(従って距離L2を)様々に変更して測定された。また、図8に示すコイル損失割合は、厚みが2mmの天板5を用い、上側突出部32の突出量L1を(従って距離L2を)様々に変更して測定された。図9に示すコイル損失割合は、厚みが4mmの天板5を用い、上側突出部32の突出量L1を3mmとしつつコイル要素22間の距離L3を様々に変更して測定された。
<調理容器>
調理容器Pとして、鉄製の有底円筒形状の調理容器を用いた。調理容器Pの外径は200mm、高さは50mm、厚みは3mmであった。
<天板>
天板5として、ガラス製の板状部材を用いた。上述したように、天板5の厚みは、図7及び図9に示す例では4mmであり、図8に示す例では2mmであった。
<コイルユニット>
コイルユニット20として、次のような誘導加熱コイル21と磁気シールド部材30を含むコイルユニットを用いた。
・誘導加熱コイル21
誘導加熱コイル21は、銅製のコイル要素22を2つ含むコイルであった。コイル要素22の厚みは0.5mmであり、巻き数は9、線幅(各ターン部Tの径方向に沿った寸法)は3mm、線間隔(径方向に隣り合うターン部T間の隙間の、径方向に沿った寸法)は5mmであった。また、コイル要素22の外径(コイル要素22の最外周部をなすターン部Tの外径)は、184mmであった。コイル要素22間の距離L3は、図7および図8に示す例では0.5mmであった。
・磁気シールド部材30
磁気シールド部材30は、絶縁性の材料で作製され、その形状は図4に示すように全体として円盤形状であった。磁気シールド部材30の外径は192mmであった。第2接続部35bの厚み(下側突出部33の突出量)は0.5mmであった。壁部31の数は、誘導加熱コイル21のコイル要素22の巻き数に対応して、8であった。磁気シールド部材30の透磁率は10であった。上述したように、上側突出部32の突出量L1は、図9に示す例では3mmであった。すなわち、図9に示す例では、誘導加熱コイル21と調理容器Pとの距離L2は7mmであった。
<支持部材>
支持部材40として、次のような磁束吸収部41とシールド部45を含む支持部材40を用いた。
・磁束吸収部41
図4に示すように、放射状に配置された8つの磁束吸収部41を用いた。各磁束吸収部41は、コイルユニット20の底面に対面する底部42と、コイルユニット20の外周面に対面する側部43とを有していた。磁束吸収部41は、フェライトで作製された。底部42及び側部43の径方向に沿った寸法は、それぞれ79.5mm及び4mmであった。すなわち、磁束吸収部41の径方向に沿った寸法は、83.5mmであった。また、底部42の厚みは6mmであった。側部43の高さ(軸方向に沿った寸法)は12mmであった。
・シールド部45
シールド部45は、アルミニウムを用いて、図4に示すように円環状に作製された。シールド部45の外径は209mmであった。また、シールド部45の高さ(軸方向に沿った寸法)は11.5mmであり、厚み(径方向に沿った寸法)は1.5mmであった。
<<<変形例>>>
以上、具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、以上の具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。
例えば図10及び図11に示すように、天板5の下面に、磁気シールド部材30の壁部31の上端部を受容する溝5aが形成されていて、磁気シールド部材30の突出部32の先端部が当該溝5a内に延び入っていてもよい。この場合、天板5の厚みTを上記溝5aが形成された部分以外で小さくすることなく、天板5の上面と加熱誘導コイル21との距離を小さくすることができ、この結果L1/L2を大きくすることができる。したがって、天板5の強度を確保しつつ、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率を効果的に高めることができる。
以上に説明してきた一実施の形態による誘導加熱調理器1は、上下方向に沿って延びる中心軸線Cの周りで渦巻形状に形成された板状の第1コイル要素22aを含む誘導加熱コイル21と、磁気シールド部材30と、第1コイル要素22aの上面に対向して配置された天板5と、を備えている。第1コイル要素22aは、径方向に並ぶ複数のターン部Tを含む。磁気シールド部材30は、径方向に隣り合うターン部Tの間を上下方向に広がる壁部31を含む。壁部31は、第1コイル要素22aの上面よりも上方に突出する突出部32を有する。突出部32の突出量L1と第1コイル要素22aの上面及び天板5の上面間の距離L2との比が、1/3以上である。
このような誘導加熱調理器1によれば、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率を効果的に高めることができる。
また、以上に説明してきた一実施の形態による誘導加熱調理器1において、上記比は1/2以下である。天板5の厚みTが2mm~4mmである場合、上記比は1/2以下とすることにより、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率を効果的に高めることができる。
また、以上に説明してきた一実施の形態による誘導加熱調理器1において、壁部31は天板5に接している。
また、以上に説明してきた一実施の形態による誘導加熱調理器1において、天板5の下面に突出部32の先端部を受容する溝5aが形成されている。この場合、天板5の厚みTを上記溝5aが形成された部分以外で小さくすることなく、天板5の上面と磁気シールド部材30の壁部31との距離を小さくすることができ、この結果L1/L2を大きくすることができる。したがって、天板5の強度を確保しつつ、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率を効果的に高めることができる。
また、以上に説明してきた一実施の形態による誘導加熱調理器1において、誘導加熱コイル21は、中心軸線Cの周りで渦巻形状に形成され、第1コイル要素22aの下面に対向して配置された板状の第2コイル要素22bを更に含む。第2コイル要素22bは、径方向に並ぶ複数のターン部Tを含む。第1コイル要素22aの複数のターン部Tと、第2コイル要素22bの複数のターン部Tとは、上下方向に並んでいる。壁部31は、第2コイル要素22bの径方向に隣り合うターン部Tの間を広がる。第1コイル要素22a及び第2コイル要素22bを含む誘導加熱コイル21の近接効果による抵抗の増大を抑制して、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率を効果的に高めることができる。
また、以上に説明してきた一実施の形態による誘導加熱調理器1において、磁気シールド部材30は、壁部31に接続し且つ第1コイル要素22aと第2コイル要素22bとの間に位置する第1接続部35aを有する。
また、以上に説明してきた一実施の形態による誘導加熱調理器1において、磁気シールド部材30は、壁部31に接続し且つ第2コイル要素22bの下面に対面する第2接続部35bをさらに有する。
また、以上に説明してきた一実施の形態による誘導加熱調理器1において、第1コイル要素22aの下面と第2コイル要素22bの上面との距離L3が、2mm以下である。この場合、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率を効果的に高めることができる。
また、以上に説明してきた一実施の形態による誘導加熱調理器1において、第1コイル要素22aの下面と第2コイル要素22bの上面との距離L3は、0.5mm以上である。この場合、コイル要素22a,22bが意図せず短絡してしまう虞を低減させることができる。
あるいは、以上に説明してきた変形例による誘導加熱調理器1は、上下方向に沿って延びる中心軸線Cの周りで渦巻形状に形成された板状の第1コイル要素22aを含む誘導加熱コイル21と、磁気シールド部材30と、第1コイル要素22aの上面に対向して配置された天板5と、を備えている。第1コイル要素22aは、径方向に並ぶ複数のターン部Tを含む。磁気シールド部材30は、径方向に隣り合うターン部Tの間を上下方向に広がる壁部31を含む。壁部31は、第1コイル要素22aの上面よりも上方に突出する突出部32を有する。天板5の下面に突出部32の先端部を受容する溝5aが形成されている。
このような誘導加熱調理器1によれば、天板5の厚みTを上記溝5aが形成された部分以外で小さくすることなく、天板5の上面と磁気シールド部材30の壁部31との距離を小さくすることができ、この結果L1/L2を大きくすることができる。したがって、天板5の強度を確保しつつ、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率を効果的に高めることができる。
あるいは、以上に説明してきた変形例による誘導加熱調理器1は、任意の中心軸線Cの周りで渦巻形状に形成された板状の第1コイル要素22a及び第2コイル要素22bを含む誘導加熱コイル21を備えている。第1コイル要素22aの下面と第2コイル要素22bの上面とが対面している。第1コイル要素22aの下面と第2コイル要素22bの上面との距離L3が、2mm以下である。
このような誘導加熱調理器1によれば、誘導加熱調理器1による調理容器Pの加熱効率を効果的に高めることができる。
また、以上に説明してきた一実施の形態による誘導加熱調理器1において、第1コイル要素22aの下面と第2コイル要素22bの上面との距離L3は、0.5mm以上である。この場合、コイル要素22a,22bが意図せず短絡してしまう虞を低減させることができる。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
1 誘導加熱調理器
5 天板
10 ケーシング
20 コイルユニット
21 誘導加熱コイル
22 コイル要素
22a 第1コイル要素
22b 第2コイル要素
23 導電体
30 磁気シールド部材
31 壁部
32 上側突出部
35 接続部
35a 第1接続部
35b 第2接続部
40 支持部材
50 高周波電流供給回路
60 冷却ファン
T ターン部
TG ターン部群
L1 上側突出部の突出量
L2 第1コイル要素の上面と天板の上面との距離
L3 第1コイル要素の下面と第2コイル要素の上面との距離

Claims (12)

  1. 上下方向に沿って延びる中心軸線の周りで渦巻形状に形成された板状の第1コイル要素を含む誘導加熱コイルと、
    磁気シールド部材と、
    前記第1コイル要素の上面に対向して配置された天板と、
    を備え、
    前記第1コイル要素は、径方向に並ぶ複数のターン部を含み、
    前記磁気シールド部材は、径方向に隣り合うターン部の間を上下方向に広がる壁部を含み、
    前記壁部は、前記第1コイル要素の上面よりも上方に突出する突出部を有し、
    前記突出部の突出量と前記第1コイル要素の上面及び前記天板の上面間の距離との比が、1/3以上である、誘導加熱調理器。
  2. 前記比は1/2以下である、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記壁部は前記天板に接している、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記天板の下面に前記突出部の先端部を受容する溝が形成されている、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記誘導加熱コイルは、前記中心軸線の周りで渦巻形状に形成され、前記第1コイル要素の下面に対向して配置された板状の第2コイル要素を含み、
    前記第2コイル要素は、径方向に並ぶ複数のターン部を含み、
    前記第1コイル要素の前記複数のターン部と、前記第2コイル要素の前記複数のターン部とは、上下方向に並び、
    前記壁部は、前記第2コイル要素の径方向に隣り合うターン部の間を広がる、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記磁気シールド部材は、前記壁部に接続し且つ前記第1コイル要素と前記第2コイル要素との間に位置する第1接続部を有する、請求項5に記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記磁気シールド部材は、前記壁部に接続し且つ前記第2コイル要素の下面に対面する第2接続部をさらに有する、請求項6に記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記第1コイル要素の下面と前記第2コイル要素の上面との距離が、2mm以下である、請求項5に記載の誘導加熱調理器。
  9. 前記第1コイル要素の下面と前記第2コイル要素の上面との距離は、0.5mm以上である、請求項8に記載の誘導加熱調理器。
  10. 上下方向に沿って延びる中心軸線の周りで渦巻形状に形成された板状の第1コイル要素を含む誘導加熱コイルと、
    磁気シールド部材と、
    前記第1コイル要素の上面に対向して配置された天板と、
    を備え、
    前記第1コイル要素は、径方向に並ぶ複数のターン部を含み、
    前記磁気シールド部材は、径方向に隣り合うターン部の間を上下方向に広がる壁部を含み、
    前記壁部は、前記第1コイル要素の上面よりも上方に突出する突出部を有し、
    前記天板の下面に前記突出部の先端部を受容する溝が形成されている、誘導加熱調理器。
  11. 任意の中心軸線の周りで渦巻形状に形成された板状の第1コイル要素及び第2コイル要素を含む誘導加熱コイルを備え、
    前記第1コイル要素の下面と前記第2コイル要素の上面とが対面しており、
    前記第1コイル要素の下面と前記第2コイル要素の上面との距離が、2mm以下である、誘導加熱調理器。
  12. 前記第1コイル要素の下面と前記第2コイル要素の上面との距離は、0.5mm以上である、請求項11に記載の誘導加熱調理器。
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