JP2023132863A - 螺旋状の軟質部と螺旋状の硬質部が交互に有する二重螺旋構造を有するチューブ - Google Patents

螺旋状の軟質部と螺旋状の硬質部が交互に有する二重螺旋構造を有するチューブ Download PDF

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Abstract

【課題】気管切開術を施す際に使用する、気管切開口を通して気管へ挿入する気管切開チューブを提供する。【解決手段】チューブ及び内筒8は、螺旋状の軟質部13と螺旋状の硬質部11が交互に有する二重螺旋構造32を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、螺旋状の軟質部と螺旋状の硬質部が交互に有する二重螺旋構造を有するチューブ、該構造を有する内筒、並びに該内筒を含む医療器具、特に、気管切開術を施した際に使用する、気管切開口を通して気管へ挿入する気管切開チューブに関する。
(気管切開チューブ)
気管切開チューブは、呼吸機能の不十分な患者に対して用いられる。呼吸機能の確保には、気管切開術にて形成した気管切開口から気管に気管切開チューブを挿入して留置することが行われる。これにより、吸気は外部から気管切開チューブと気管を通じて肺に送り込まれ、呼気は肺から気管と気管切開チューブを通して外部に送り出されるので、患者は十分な呼吸することができるようになる。
気管切開チューブにはカフがついているタイプ、カフのないタイプがある。カフがあるタイプでは、カフを膨らませることで気管切開チューブと気管の隙間を塞ぐことができるため、人工呼吸器を気管切開チューブに接続している場合に人工呼吸器から送りこんだ空気を確実に肺に送り込むことができる。
気管切開チューブには単管タイプ、複管タイプがあり、患者の状態により使い分けられる。単管タイプは、構造が単純で、内腔が大きく取れるメリットがある、複管タイプは外筒と挿入抜去が可能な内筒で構成され、内筒の交換が可能であるため、痰が多く気管切開チューブが閉塞しやすい患者に使用される。
さらに、気管切開チューブには、側孔のあるタイプ、側孔がないタイプがあり、患者の状態により使い分けられる。側孔があるタイプは呼気が声門の方に抜けることにより発声が可能となる。
複管タイプの気管切開チューブでは、外筒の内腔に内筒を挿入することにより該内腔が狭くなるため、換気機能が低下しないように肉厚は薄く、尚且つ外筒の内腔に密着して内筒が挿入されている必要がある。
内筒の内表面は痰が付着して狭くならないように、なめらかな表面を有する必要がある。また、気管切開チューブ内や気管内の痰を除去するために吸引カテーテルを挿入する場合や、気管内の状態を観察するために内視鏡を挿入する場合がある。これらの先端が引っかかるリスクがないようになめらかな内筒の表面を有する必要がある。
チューブ部分が円弧形状の気管切開チューブでは、内筒にフレキシビリティを求められないため、硬質の材料で内面がなめらかな内筒を作ることができる。しかしチューブ部分に円弧形状でないカーブ(直線部も含む)があった場合、内筒にフレキシビリティが求められるため、内筒内面に凹凸の多いジャバラ状のチューブが用いられている。
気管切開チューブの外筒内腔に肉厚が薄い内筒を挿入する場合、外筒内腔に内筒外表面が接触することによる摩擦抵抗により、内筒にはその軸方向(挿入する方向)に圧縮される力が加わるので、内筒が縮んだり捻じれたり座屈したりすることがないように、十分な強度がなければならない。
特許文献1は、「内表面がなめらかなでかつ強度を持つ内筒として、挿入時の内筒軸方向の圧縮に対する強度を増大できるように、複数のコルゲーションに亘って内筒の長手方向に延在する補強要素を含むこと」を開示している。
該コルゲーションは、本発明の「螺旋状の軟質部と螺旋状の硬質部が交互に有する二重螺旋構造」とは構造が異なり、さらに、内筒には曲げにくい方向が存在する。
特許文献2は、「挿入時に内筒が縮んだり捻じれたり座屈したりすることがないように、コルゲーションを有するプラスチック層に繊維が含まれる内筒」を開示している。
該コルゲーションは、本発明の「螺旋状の軟質部と螺旋状の硬質部が交互に有する二重螺旋構造」とは構造が異なり、さらに、内筒は全面的に軟質部で形成されている。
特表2016-508405号 米国特許出願公開第2010/0108075号
従来の直線部と略円弧形状部からなる気管切開チューブの外筒内腔に挿入する内筒は、挿入時に外筒内表面に内筒外表面が接触することで摩擦抵抗が上がり、内筒にはその長手軸方向に圧縮される力が加わることから、内筒が縮んだり捻じれたり座屈したりすることがあった。これにより、該気管切開チューブでは、補強要素等により内筒が縮んだり捻じれたり座屈したりすることを抑制していた。
本発明のチューブ及び内筒(8)は、螺旋状の軟質部(13)と螺旋状の硬質部(11)が交互に有する二重螺旋構造(32)を有することにより、本課題を解決して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.螺旋状の軟質部(13)と螺旋状の硬質部(11)が交互に有する二重螺旋構造(32)を有するチューブ。
2.外筒に挿入抜去可能な、螺旋状の軟質部(13)と螺旋状の硬質部(11)が交互に有する二重螺旋構造(32)を有する内筒(8)。
3.外筒(2)と該外筒(2)の内腔に挿入抜去可能な内筒(8)を含む医療器具(1)であって、
該外筒(2)は、略円弧形状部(6)を含み、
該内筒(8)は、パイプ(35)を有し、ここで、該パイプ(35)は、少なくとも、該外筒(2)の略円弧形状部(6)の内腔に接する箇所の全部に、螺旋状の軟質部(13)と螺旋状の硬質部(11)が交互に有する二重螺旋構造(32)を有する、
医療器具(1)。
4.前記医療器具(1)が気管切開チューブである、前項3に記載の医療器具(1)。
5.前記螺旋状の硬質部(11)が略山形形状である、前項3又は4に記載の医療器具(1)。
6.前記螺旋状の軟質部(13)は溝(14)を有する、前項3~5のいずれか1に記載の医療器具(1)。
7.前記二重螺旋構造(32)の最先端には円環状の硬質部(29)が設置されている、前項3~6のいずれか1に記載の医療器具(1)。
8.前記螺旋状の硬質部(11)が略山形形状であり、前記螺旋状の軟質部(13)は溝(14)を有し、並びに、前記二重螺旋構造(32)の最先端に設置されている円環状の硬質部(11)が略山形形状である、前項7に記載の医療器具(1)。
9.螺旋状の硬質部の幅(16)はXであり、かつ螺旋状の軟質部の幅(17)は0.3X~0.5Xである、前項3~7のいずれか1に記載の医療器具(1)。
10.螺旋状の硬質部の厚さ(33)はYであり、かつ螺旋状の軟質部の厚さ(34)は0.8Y以下である、前項3~9のいずれか1に記載の医療器具(1)。
本発明により、外筒内腔等に挿入する内筒やチューブが縮んだり捻じれたり座屈したりすることを抑制した医療器具を提供することができた。
(1)気管切開チューブの正面図。(2)気管切開チューブの側面図(インフレーションチューブ、シールバルブ及び吸引チューブは省略)。 (1)気管切開チューブの外筒の側面図、(2)気管切開チューブ外筒(側孔付)の側面図 (1)内筒の側面図、(2)内筒肉厚の断面拡大図(側面図) 気管切開チューブ外筒(側孔付)にワンウェイバルブを接続した状態の側面図。
以下、本発明について図面を参照して説明するが、本発明は図面に記載された医療器具に限定されるものではない。
なお、図1を正面から見える図を正面図、図1を正面から見て図面の上下、本発明の医療器具(1)の上下として説明する。加えて、図2の符号3で示す側を医療器具(1)の基端側、図2の符号4で示す側を医療器具(1)の先端側とする。基端側から先端側に伸びる方向を医療器具の伸長方向(内筒を外筒に挿入する方向である長手軸方向)とする。
(チューブ)
本発明のチューブは、螺旋状の軟質部(13)と螺旋状の硬質部(11)が交互に有する二重螺旋構造(32)を有し、特に、二重螺旋構造(32)を該チューブの肉厚部分に有する。加えて、螺旋状の軟質部と螺旋状の硬質部は隙間を空けることなく交互に有することが好ましい。また、本発明のチューブは、好ましくは、前記述べた補強要素を含まない。
本発明の内筒(8)は、外筒に挿入抜去可能であり、螺旋状の軟質部(13)と螺旋状の硬質部(11)が交互に有する二重螺旋構造(32)を有し、特に、二重螺旋構造(32)を該チューブの肉厚部分に有する。
(医療器具)
本発明の医療器具(1)は、特に限定されないが、気管切開チューブ等を対象として、以下の構成を有する。
外筒(2)と外筒(2)の内腔に挿入抜去可能な内筒(8)を含む。
外筒(2)は、少なくとも、略円弧形状部(6)を含み、必要に応じて、基端直線部(5-1)及び先端直線部(5-2)を含む。
内筒(8)は、少なくとも、パイプ(35)を含み、必要に応じて、コネクタ(10)を含む。
パイプは、少なくとも二重螺旋構造を含み、好ましくは該二重螺旋構造の先端側にある円環状の硬質部を含む。内筒を外筒に挿入した際に、外筒の略円弧形状部の基端側付近に位置する箇所より先端側は二重螺旋構造になっている必要がある。外筒の略円弧形状部の基端側付近に位置する箇所より基端側は、二重螺旋構造であってもよく、あるいは直円筒であってもよい。
なお、本明細書での「接する」とは、ある面積のすべてに接触することを意味するのではなく、ある面積の一部又は全部(例、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、100%)に接触することを意味する。
また、本発明の医療器具(1)は、好ましくは、前記述べた補強要素を含まない。
(気管切開チューブ)
本発明の医療器具(1)の一例である気管切開チューブを図1、図2及び図4で説明する。
気管切開チューブは、外筒(2)と外筒(2)に挿入抜去可能な内筒(8)を含む。外筒(2)は、少なくとも、略円弧形状部(6)を含み、必要に応じて、基端直線部(5-1)、先端直線部(5-2)、基端直線部(5-1)側に備えられた複管用ロック受け(20)及び外筒(2)を患者の首に固定するネックプレート(21)を含む。
先端直線部(5-2)は、必要に応じて、カフ(22)が設けられている。
カフ(22)は、空気で膨らませることができるバルーンで、シールバルブ(23)からインフレーションチューブ(24)を介して空気を送り、カフ(22)を膨らませることで気管と気管切開チューブの隙間をなくし、誤嚥物の下気道への流入防止と人工呼吸器から送られた空気が上気道へ漏れることを防ぐ。
カフ(22)が外筒(2)に設けられている場合は、カフ上部に貯留した唾液などを吸引するための吸引チューブ(25)も設けられている場合がある。なお、外筒(2)の背面側に側孔(7)を設けたタイプは発声しやすくするためのワンウェイバルブ(18)が接続できるワンウェイバルブ用ロック受け(19)を備えている場合がある。
{外筒(2)}
外筒(2)は、上記説明したように、少なくとも、略円弧形状部(6)を含み、必要に応じて、基端直線部(5-1)及び先端直線部(5-2)を含み、自体公知の材質で形成されている。
{内筒(8)}
内筒(8)は、上記説明したように、少なくとも、パイプ(35)を含み、必要に応じて、コネクタ(10)を含む。パイプ(35)は、少なくとも、二重螺旋構造(32)を含み、必要に応じて、直円筒(28)含み、自体公知の材質で形成されている。
パイプ(35)は、少なくとも、外筒(2)の略円弧形状部(6)の内腔に接する箇所はフレキシブル性が必要である。
一方、パイプ(35)の外筒(2)の基端直線部(5-1)に接する箇所は、必ずしもフレキシブル性が不要である。
コネクタ(10)は、自体公知の材料(例えば、硬質な材質)の円筒形状又は円錐台形状で形成されていても良い。
直円筒(28)は、自体公知の材料(例えば、硬質な材質)の円筒形状で形成されていても良い。
本発明の医療器具(1)の一つの特徴として、螺旋状の硬質部(11)及び直円筒(28)が同じ材質で一体成型されていても良い。
さらに、本発明の医療器具(1)では、コネクタ(10)、螺旋状の硬質部(11)及び直円筒(28)が同じ材質で一体成型されていても良い。
1)螺旋状の硬質部の形状
内筒(8)を外筒(2)に挿入抜去した場合、外筒(2)の内表面と内筒(8)の螺旋状の硬質部(11)の接触による挿入抵抗と抜去抵抗を下げるため、外筒(2)の内面に接触する内筒(8)の螺旋状の硬質部(11)の形状を、外筒(2)の内表面との接触面積を小さくするために、略山形形状にすることが好ましい。具体的には、螺旋状の硬質部(11)は硬質材料で滑らかなR0.5mmの略山形形状(12)を形成する。
2)螺旋状の硬質部の幅及び螺旋状の軟質部の幅
内筒(8)を外筒(2)に挿入した場合、外筒(2)の内表面と内筒(8)の外表面が接触することにより、内筒(8)には摩擦抵抗による挿入抵抗が生じる。
該挿入抵抗は、内筒(8)の螺旋状の硬質部(11)と螺旋状の軟質部(13)の長手軸方向断面の螺旋状の硬質部の幅(16)と螺旋状の軟質部の幅(17)の割合で変わる。螺旋状の硬質部の幅(16)が長く螺旋状の軟質部の幅(17)が短い場合は、パイプ(35)が曲がり難くなるため、内筒(8)の外表面が外筒(2)の内面に強く当たることにより摩擦抵抗が高くなり挿入抵抗が上がる。一方、螺旋状の硬質部の幅(16)が短く螺旋状の軟質部の幅(17)が長い場合は、摩擦抵抗で内筒(8)が長手軸方向に圧縮されることにより、螺旋状の軟質部(13)が圧縮されて盛り上がり外筒(2)の内表面に接触することからさらに摩擦抵抗が高くなり挿入抵抗が上がる。
これにより、内筒断面の螺旋状の硬質部の幅(16)をXとすると、螺旋状の軟質部の幅(17)は0.3X~0.5Xとすることが好ましい。具体的には、内筒断面の螺旋状の硬質部の幅(16)を2.0~4.0 mmに設定すると、螺旋状の軟質部の幅(17)は0.6 mm~2.0 mmとなる。
3)螺旋状の硬質部の厚さ及び螺旋状の軟質部の厚さ
内筒(8)を外筒(2)に挿入した場合、外筒(2)の内表面と内筒(8)の外表面が接触することで摩擦抵抗が上がり、内筒(8)は長手軸方向に圧縮されることから、螺旋状の軟質部(13)が圧縮されて盛り上がり外側(外筒(2)の内表面に接触する方向)に膨らむ。
螺旋状の軟質部(13)が膨らみ外筒(2)の内表面に接触することでさらに摩擦抵抗が上がり挿入抵抗が高くなることから、螺旋状の軟質部の厚さ(34)は螺旋状の硬質部の厚さ(33)の80%以下とすることで、螺旋状の軟質部(13)が盛り上がることにより外側に膨らんでも、外筒(2)の内表面に接触することを防ぐことができる。
これにより、螺旋状の硬質部の厚さ(33)をYとすると、螺旋状の軟質部の厚さ(34)は0.8Y以下とすることが好ましい。
4)溝
内筒(8)を外筒(2)に挿入した場合、外筒(2)の内表面と内筒(8)の外表面が接触することで摩擦抵抗が高くなり挿入抵抗が上がる。内筒(8)を曲がり易くすることで内筒(8)の外表面と外筒(2)の内表面の接触による摩擦抵抗と挿入抵抗を下げるため、螺旋状の軟質部(13)の断面中心部付近に幅0.15X~0.3X、螺旋状の軟質部の厚さ(34)の最長点から30%~60%の深度の溝(14)を形成することが好ましい。具体的には、螺旋状の軟質部(13)の断面中心部付近に幅0.5~0.8 mm、深度0.15~0.2 mmの溝(14)を設けても良い。
5)円環状の硬質部
症状がある程度回復した患者には、覚醒時は、内筒を取り外し、発声の目的で側孔(7)を設けた外筒(2)に一方向弁であるワンウェイバルブ(18)を取り付けて使用する場合がある。
一方、就寝時は呼吸管理をするためにワンウェイバルブ(18)を取外して内筒(8)を挿入して、コネクタ(10)に人工呼吸器を接続して使用する。この場合には、通常カフ付きの気管切開チューブが使われる。この使用時には、肺側の空気が、外筒(2)の先端側(4)の内腔、内筒先端側(15)の螺旋状の軟質部(13)及び溝(14)の隙間を通って側孔(7)から上気道に漏れないように、二重螺旋構造(32)の最先端は円環状の硬質部(29)にすることが好ましい。
さらに、誤嚥した唾液が外筒(2)の側孔(7)から外筒(2)の内表面と内筒(8)の外表面の螺旋状の軟質部(13)及び溝(14)の隙間を通って肺に垂れ込むのを防ぐため、二重螺旋構造(32)の最先端は円環状の硬質部(29)にすることが好ましい。
すなわち、本発明の医療器具(1)は、人工呼吸器で送り込まれた空気が、外筒(2)と内筒(8)の隙間から側孔(7)を通って上気道に漏れないように、また、側孔(7)から誤嚥した唾液が外筒(2)と内筒(8)の隙間から肺に達しないように、二重螺旋構造(32)の最先端は円環状の硬質部(29)であることを特徴とする。
6)内筒の製造方法
本発明の内筒(8)の製造方法は、特に限定されないが、主に以下の2つの製造方法を採用することができる。なお、ここでの内筒は、コネクタ(10)と直円筒(28)と二重螺旋構造(32)を含み、なおかつコネクタと直円筒と螺旋状の硬質部(11)は同じ材質で一体成形されている内筒である。またここでは、コネクタ、直円筒及び螺旋状の硬質部をあわせたものを硬質部と呼ぶ。
<硬質部を成形後、軟質部成形用の金型に硬質部をインサートして成形する製造方法>
一般的な成形機を使用して成形することができる。中子は例えば10本用意する。
成形手順
1.成形機に硬質部成形用金型をセットし、硬質部材料を投入する。
2.硬質部成形用金型に中子をセットして、硬質部を成形する。
3.成形された硬質部を中子ともどもを硬質部成形用金型から分離する。なお、2~3を中子10本分繰り返し行う。
4.成形機から硬質部成形用金型を取外し、硬質部材料を取り出す。
5.成形機に軟質部成形用金型をセットし、軟質部材料を投入する。
6.硬質部と中子を軟質部成形用金型にインサートする。
7.螺旋状の軟質部を成形する。
8.硬質部と螺旋状の軟質部が一体となった成形品を金型から離型し、中子を抜き取る。なお、5~8を中子10本分繰り返し行う。
<硬質部を成形後、螺旋状の軟質部を1サイクルで成形する2色成形による製造方法>
1サイクルで成形する2色成形による製造方法は2色成形機を使用する。中子は、例えば、2本用意する。
成形手順
1.成形機に硬質部成形用金型と軟質部成形用金型をセットし、硬質部材料と軟質部材料をそれぞれの投入口に投入する。
2.硬質部成形用金型に中子をセットして硬質部を成形する。
3.金型が自動で硬質部成形用金型から軟質部成形用金型に置き換わる。
4.螺旋状の軟質部を成形する。
5.硬質部と螺旋状の軟質部が一体となった成形品を金型から離型し、中子を抜き取る。
6.もう一つの中子を使って2~5を行う間に、成形品から中子を抜き取る。
螺旋状の硬質部(11)成形後に螺旋状の軟質部(13)を成形するため、螺旋状の軟質部(13)は螺旋状の硬質部(11)に成形時溶着される。その溶着部の溶着強度を向上させるため、螺旋状の硬質部(11)に2か所のカーブ部(26)と段差(27)を設け、螺旋状の硬質部(11)と螺旋状の軟質部(13)の接触面積を広くし、さらに、螺旋状の硬質部(11)表面と螺旋状の軟質部(13)表面の接触面積を増大させるため螺旋状の硬質部(11)の表面はシボ加工されていても良い。
上記で説明したように、内筒(8)は外筒(2)の内腔に挿入時に、長手軸方向に圧縮される力が加わるが、螺旋状の硬質部(11)は捻じれや座屈が発生せず、挿入時の軸方向に圧縮される力に耐えるように硬質のオレフィン系樹脂が使用されることが好ましい。
さらに、外筒(2)との摩擦抵抗を下げることで内筒(8)の長手軸方向に圧縮される力を下げるため、ジメチル・ポリシロキサンを2~5%ブレンドした材料も使用されることが好ましい。
螺旋状の軟質部(13)は、フレキシブル性を保ち内筒(8)の長手軸方向の圧縮に対する強度も保てるようにスチレン系エラストマーやオレフィン系エラストマーに硬質のオレフィン系樹脂を1~30%ブレンドした材料が使用されることが好ましい。
さらに、螺旋状の軟質部(13)が外筒(2)の内面に接触した場合でも摩擦抵抗を下げることで内筒(8)の長手軸方向に圧縮される力を下げるため、さらに、ジメチル・ポリシロキサンを2~5%ブレンドした材料も使用されることが好ましい。
具体的な螺旋状の硬質部の材料は、ポリプロピレン及びジメチル・ポリシロキサンのブレンド材を例示することができるが、特に限定されない。
具体的な螺旋状の軟質部の材料は、ポリプロピレン、スチレン系エラストマー及びジメチル・ポリシロキサンのブレンド材を例示することができるが、特に限定されない。
本発明では、外筒内腔に挿入する内筒が縮んだり捻じれたり座屈したりすることを抑制したチューブ、内筒及び医療器具を提供できる。
1.医療器具(気管切開チューブ)
2.外筒
3.基端側
4.先端側
5-1 基端直線部
5-2 先端直線部
6.略円弧形状部(カーブ部)
7.側孔
8.内筒
9.内筒基端側
10.コネクタ
11.螺旋状の硬質部
12.略山形形状
13.螺旋状の軟質部
14.ミゾ
15.内筒先端側
16.螺旋状の硬質部の幅
17.螺旋状の軟質部の幅
18.ワンウェイバルブ
19.複管用ロック受け
20.スピーチ用ロック受け
21.ネックプレート
22.カフ
23.シールバルブ
24. インフレーションチューブ
25.吸引チューブ
26.カーブ部
27.段差
28.直円筒
29.円環状の硬質部
32.二重螺旋構造
33.螺旋状の硬質部の厚さ
34.螺旋状の軟質部の厚さ
35.パイプ

Claims (10)

  1. 螺旋状の軟質部と螺旋状の硬質部が交互に有する二重螺旋構造を有するチューブ。
  2. 外筒に挿入抜去可能な、螺旋状の軟質部と螺旋状の硬質部が交互に有する二重螺旋構造を有する内筒。
  3. 外筒と該外筒の内腔に挿入抜去可能な内筒を含む医療器具であって、
    該外筒は、略円弧形状部を含み、
    該内筒は、パイプを有し、ここで、該パイプは、少なくとも、該外筒の略円弧形状部の内腔に接する箇所の全部に、螺旋状の軟質部と螺旋状の硬質部が交互に有する二重螺旋構造有する、
    医療器具。
  4. 前記医療器具が気管切開チューブである、請求項3に記載の医療器具。
  5. 前記螺旋状の硬質部が略山形形状である、請求項3又は4に記載の医療器具。
  6. 前記螺旋状の軟質部は溝を有する、請求項3~5のいずれか1に記載の医療器具。
  7. 前記二重螺旋構造の最先端には円環状の硬質部が設置されている、請求項3~6のいずれか1に記載の医療器具。
  8. 前記螺旋状の硬質部が略山形形状であり、前記螺旋状の軟質部は溝を有し、並びに、前記二重螺旋構造の最先端に設置されている円環状の硬質部が略山形形状である、請求項7に記載の医療器具。
  9. 螺旋状の硬質部の幅はXであり、かつ螺旋状の軟質部の幅は0.3X~0.5Xである、請求項3~7のいずれか1に記載の医療器具。
  10. 螺旋状の硬質部の厚さはYであり、かつ螺旋状の軟質部の厚さは0.8Y以下である、請求項3~9のいずれか1に記載の医療器具。
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