JP2023132609A - 運動時の呼吸のしやすさを改善する血中一酸化窒素濃度上昇剤 - Google Patents

運動時の呼吸のしやすさを改善する血中一酸化窒素濃度上昇剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は血管内の一酸化窒素(NO)濃度を上昇させる作用を有する薬剤あるいは食品を提供することを目的とする。【解決手段】センダングサ属またはセンダングサ属ビデンス・ピローサまたはその成分を含有する錠剤、濃縮エキス、飲料等の摂取により、血管内のNO濃度が増加し、さらに運動時の呼吸にも影響することが見いだされた。【選択図】図3

Description

運動時の呼吸のしやすさを改善することができる、血中の一酸化窒素濃度を調整する薬剤に関する。
一酸化窒素(NO)は、生体内で一酸化窒素合成酵素(NOS)によりアルギニンから合成され様々な機能を示す窒素酸化物の一種である。血管内皮細胞から産生されるNOには、血管拡張作用(降圧作用)があり、血管の内皮由来弛緩因子(EDRF:endothelium-derived relaxing factor)と呼ばれている。また、NOには、更に血小板凝集抑制作用(抗動脈硬化作用)、血管平滑筋細胞の増殖を抑制する作用、神経伝達などでの情報伝達作用、殺菌作用など多様な生理活性が知られている。
血管内でNOが放出されると、血管拡張により血流を改善する作用が有ることが知られている。血流が改善されると運動時の呼吸のしやすさが高まり、その結果運動能力が高まることが期待される。
Hypertens Res 31: 2105-2113, 2008. Hypertension 63: 376-382, 2014.
本発明は血中の一酸化窒素(NO)濃度を上昇させる作用を有する薬剤あるいは食品を提供することを目的とする。
センダングサ属植物、特にビデンス・ピローサから抽出された成分を含有する組成物を投与することにより、血中のNO濃度が上昇することを確認し、本発明を完成するに至った。さらに、本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤を摂取すると運動時の呼吸のしやすさにも影響があることが見いだされた。
すなわち、本発明は以下を提供する。
(1)センダングサ属の植物成分を含有することを特徴とする、血中一酸化窒素濃度上昇剤。
(2)センダングサ属の植物成分がセンダングサ属植物の地上部の抽出成分であることを特徴とする、(1)記載の血中一酸化窒素濃度上昇剤。
(3)センダングサ属植物がビデンス・ピローサである、(1)又は(2)記載の血中一酸化窒素濃度上昇剤。
(4)血中一酸化窒素濃度上昇剤の非摂取時と比べて、血中の一酸化窒素濃度を上昇させる、(1)~(3)のいずれか一項に記載の血中一酸化窒素濃度上昇剤。
(5)血中一酸化窒素濃度上昇剤の非摂取時と比べて運動時における呼吸のしやすさを軽減する、(1)~(4)のいずれか一項に記載の血中一酸化窒素濃度上昇剤。
本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤の投与により、血中の一酸化窒素濃度の有意な上昇が見られた。また、本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤の継続投与により、血中の一酸化窒素濃度の上昇効果がさらに増強され、運動時の息苦しさを軽減し、呼吸のしやすさを改善することができることが見いだされた。
本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤(BP錠、BP茶、及びBPエキス末)の摂取1日後における、寒冷負荷による血中NOの増加量を測定した結果を表すグラフである。 本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤(BP錠、BP茶、及びBPエキス末)を7日間連続摂取後、寒冷負荷による血中NOの増加量を測定した結果を表すグラフである。 本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤(BP錠、BP茶、及びBPエキス末)の摂取前と7日間連続摂取後の血中NO量を比較したグラフである。 本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤の投与による運動(ランニング)への影響を確認したグラフである。 本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤を投与された被験者において運動(ランニング)時に呼吸しやすいと感じた割合を示すグラフである。
本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤における「血中一酸化窒素濃度」とは、対象者における血液内の一酸化窒素(NO)濃度を意味する。血中一酸化窒素濃度の測定はいずれの方法により行なってもよいが、本書では、「Total NO/Nitrite/Nitrate Assay Kit」(R&D社 KGE001)(アッセイ原理:酵素により硝酸塩を亜硝酸塩へ変換し、亜硝酸塩をアゾ染料生成物へ変換して、生成したアゾ誘導体の540nmの波長の光吸収を測定する)により測定した値を用いた。
通常、健常な成人男性の安静時における血中一酸化窒素濃度については複数の報告があり、0.1μM(0.1μmol/L)以下程度の報告(J Int Soc Sports Nutr.2016; 13: 6)もあるが、多くとも2000nM(2μmol/L)以下程度(European Journal of Applied Physiology volume 110, pages341-351 (2010))であると考えられる。本発明者らが行なった実験では、安静時に~0.5μmol/Lであった。
本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤の投与による血中一酸化窒素濃度の上昇は、血中一酸化窒素濃度上昇剤の単回投与あるいは連続投与により検出が可能である。また、例えば、寒冷負荷試験などを行なうことにより、血管拡張物質としての一酸化窒素濃度の上昇がより顕著になるため、そのような負荷試験も行なって効果を確認することも可能であるが、かかる負荷試験は血中一酸化窒素濃度の上昇のために必須の条件ではない。
寒冷負荷試験の一例としては以下のように行なわれる。
各被験者の両手の人差し指、中指、及び薬指の皮膚温度を、それぞれサーモグラフィーを用いて、温度25±1℃、湿度50±5%の恒温恒湿の環境室で10分間待機し血中一酸化窒素濃度上昇剤を投与してさらに20分間待機してから寒冷負荷直前の体表面温度を測定し、その後、両手首まで15℃の水に1分間漬けるという条件で寒冷刺激試験を行う。
本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤は、センダングサ属植物の成分を含有する。
本発明に使用されるセンダングサ属植物は、特開2001-178390号公報及び特開2001-233727号公報に記載されるように、学名ではビデンス(Bidens)属と言われる一群の植物である。種類も多岐に亘り互いに交配するので変種も多く、植物学上も混乱が見られ、学名、和名、漢名、の対応も交錯していて同定することは極めて困難であるが、本発明で用いられるセンダングサ属植物は以下に掲げるものを包含する。
Bidens pilosa L.(コセンダングサ、コシロノセンダングサ、咸豊草)
Bidens pilosa L. var. minor (Blume)Sherff(シロバナセンダングサ、シロノセンダングサ、コシロノセンダングサ、コセンダングサ、咸豊草)
Bidens pilosa L. var. bisetosa Ohtani et S.Suzuki(アワユキセンダングサ)
Bidens pilosa L. f. decumbens Scherff(ハイアワユキセンダングサ)
Bidens pilosa L. var. radiata Scherff(タチアワユキセンダングサ、ハイアワユキセンダングサを含むこともある)
Bidens pilosa L. var. radiata Schultz Bipontinus (シロノセンダングサ、オオバナノセンダングサ)
Bidens biternata Lour. Merrill et Sherff(センダングサ)
Bidens bipinnata L.(コバノセンダングサ、センダングサ)
Bidens cernua L.(ヤナギタウコギ)
Bidens frondosa L.(アメリカセンダングサ、セイタカタウコギ)
Bidens maximowicziana Oett(羽叶鬼針草)
Bidens parviflora Willd(ホソバノセンダングサ)
Bidens radiata Thuill. var. pinnatifida(Turcz.)Kitamura(エゾノタウコギ)
Bidens tripartita L.(タウコギ)
上記センダングサ属植物の中で、特にビデンス・ピローサ(Bidens pilosa)類が、効果の観点から好ましい。
上記センダングサ属植物の使用部位は、根、地上部(茎、葉、花等)または全草いずれの部位を用いてもよい。特に、葉及び茎等の地上部分を使用することが効力の点において好ましい。
上記センダングサ属植物は、生で用いても良いが、乾燥物、あるいは加工乾燥物でもよい。通常、生の植物を天日乾燥または熱風(例えば70~80℃)乾燥したもの、または蒸気で、例えば1時間~1時間半程度蒸した後、乾燥したものを使用する。また、特開2001-178390の方法により加工乾燥した物を用いてもよい。
さらに、常温または加温下に水または含水溶媒等を添加して抽出したものを用いてもよい。抽出方法としては例えば、浸漬して静置、またはソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出物を得ることもできる。
本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤には、上述したセンダングサ属植物の他にさらに風味改善等の目的で他の植物を加えてもよい。他の植物としては本発明の体温維持の効果を阻害しないものであればよい。具体的には、本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤は、上記センダングサ属植物以外に、さらに大麦及び/又はウコンを含んでいてもよい。
大麦
大麦は特に風味の改善の目的で用いることができ、その場合には焙煎した大麦を用いることがさらに好ましい。焙煎した大麦はさらに挽いて用いることができる。
センダングサ属植物に大麦を混合する場合の混合比率は、センダングサ属植物乾燥重量100質量部に対して、乾燥重量基準で大麦10~400質量部であることが好ましく、100~200質量部あることがより好ましい。
ウコン
ウコンは、食用、薬用等に用いられるものでもよい。乾燥または粉砕された市販品を用いてもよく、または栽培した植物を乾燥して粉砕、若しくは蒸煮した後乾燥して粉砕したものを用いてもよい。使用部位は少なくとも根を含む部分である。根部分のみを用いてもよく、または根と茎、葉等その他の部分を用いてもよい。本発明の効果の上で特に好ましいのは根の部分である。
センダングサ属植物にウコンを添加する場合の混合比率は、センダングサ属植物乾燥重量100質量部に対して、乾燥重量基準でウコン0.1~30質量部であることが好ましく、1~10質量部であることがより好ましい。
センダングサ属植物(好ましくはビデンス・ピローサ)の葉及び茎の部分の乾燥物を用いる場合は、1g~50g(好ましくは10g~40g)を、約1リットルの水に加え90℃以上の温度(好ましくは95~100℃)で、10分以上(好ましくは30~60分)加熱した溶液を、体温くらいまで冷却した後用いることが好ましい。
センダングサ属植物の乾燥物に、大麦及び/又はウコンの乾燥物を加えて用いる場合は、それらの合計量において、1g~50g(好ましくは10g~40g)を、約1リットルの水に加え90℃以上の温度(好ましくは95~100℃)で、10分以上(好ましくは30~60分)加熱した溶液を、体温くらいまで冷却した後用いることが好ましい。
上記抽出溶液を飲用する場合には、1日に10~2000ml、好ましくは100~1500ml、更に好ましくは1000~1500ml服用することが効果の観点から望ましい。
本発明の効果の観点から、センダングサ属植物(好ましくはビデンス・ピローサ)の乾燥物換算量として1日1g以上摂取することが好ましく、3g以上がより好ましく、5g以上がさらに好ましく、8g以上がよりさらに好ましく、10g以上がなおまた好ましい。
さらに、本発明の効果の観点から、センダングサ属植物(好ましくはビデンス・ピローサ)を連続して2日以上摂取することが好ましく、4日以上摂取することがより好ましく、6日以上摂取することがよりさらに好ましい。
エキス末
エキス末を製造するために抽出に使用される溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、グリセリン等のアルコール類、並びにこれらの含水物、アセトン、エチルメチルケトン、クロロホルム、塩化メチレン及び酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、並びにそれらの含水物を用いてもよい。抽出後の工程が容易であること、抽出率がよいこと等の観点から特に水若しくは熱水を用いることが好ましい。また、上記溶媒を二種以上含む混合物であってもよい。溶媒の添加量は、例えば用いる植物の合計乾燥重量1kgに対して1L~100L程度使用することができる。本発明の効果の観点から、水抽出または熱水抽出が特に好ましい。
抽出液から必要により溶媒を留去濃縮して濃縮物または固形物(乾燥物)とする。抽出物は、脱色、不要物除去のため活性炭処理、HP20等の樹脂処理、低温放置、瀘過等の処理を施してから用いてもよい。さらに当該抽出物を適当な分離手段、例えばゲル瀘過法やシリカゲルカラムクロマト法、又は逆相若しくは順相の高速液体クロマト法により活性の高い画分を分画して用いることもできる。本発明においてセンダングサ属植物抽出物にはこのような分画物も含むものとする。得られた抽出物はそのまま、あるいは濃縮物または固形物(例えば粉末)としてもよい。また使用目的に応じて他の成分を混合してもよい。
錠剤、カプセル剤等
センダングサ属植物エキスの乾固物をそのまま、あるいはデキストリン等の賦形剤を添加して、粉末、錠剤顆粒剤、ハードカプセル等の剤形に形成して投与してもよい。錠剤等に成型する場合には従来知られている担体、倍散剤、崩壊剤、滑沢剤等を用いることができる。
ドリンク剤
センダングサ属植物エキスに水その他の添加剤を加えてドリンク剤としてもよい。添加剤は特に限定されず、一般的な飲料に通常用いられるものであればよい。例えば、甘味付与剤、酸味剤、ミネラル類、色素、香料、乳化剤、増粘安定剤、酸化防止剤、保存料、防腐剤、防かび剤、ビタミン類、食物繊維、炭酸等が挙げられる。
甘味付与剤としては、例えば、糖類(ぶどう糖、果糖、液糖、ショ糖、乳糖、麦芽糖、オリゴ糖等)、はちみつ、デキストリン類、糖アルコール(オリゴ糖、エリスリトールやマルチトール等)、人工甘味料(ステビア、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース等)等が挙げられる。
酸味剤としては、有機酸が挙げられ、好ましくはクエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酢酸、乳酸、および酒石酸等が挙げられる。ミネラル類としては、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられる。増粘安定剤としては、大豆多糖類、ペクチン、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム等が挙げられる。酸化防止剤としては、トコフェロール、塩酸システイン等が挙げられる。色素としては、カロチノイド色素、アントシアニン色素、カラメル色素、各種合成着色料等が挙げられる。ビタミン類としては、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE等が挙げられる。
本発明の組成物はまた、食品の形態で用いることもできる。食品の形態としては、粉末状、錠剤等の固形物、あるいは液状等の飲用物の形態であってもよい。食品の種類としては、クッキー・飴などの菓子類、酒類・ジュース・清涼飲料などの嗜好品、味噌・醤油などの調味料、インスタント食品、いわゆる健康補助食品、などが挙げられる。
<製造例>
(1)センダングサ属植物の処理方法
センダングサ属植物であるビデンス・ピローサの地上部を刈り取り、流水で洗浄して裁断したものを蒸煮した後、蒸煮物を均一にする目的で練り機で攪拌し、その後熱風乾燥した。
(2)センダングサ属植物含有エキス末の製造方法
(1)で処理したビデンス・ピローサ乾燥物1に対して約20倍の熱水を加えて、抽出を行い、それを濃縮したものに、加工デンプンを加えてスプレードライ工程で乾燥粉末にした(ビデンス・ピローサエキス末、BPエキス末とも呼ぶ)。ビデンス・ピローサエキス末1gは、乾燥ビデンス・ピローサ換算重量として1gに相当する。
(3)センダングサ属植物含有錠剤の製造方法
(2)で製造したエキス末に賦形剤を加えて打錠し、錠剤(ビデンス・ピローサ錠、BP錠とも呼ぶ)を作成した。ビデンス・ピローサ錠1粒に含まれるビデンス・ピローサの量は、乾燥ビデンス・ピローサ換算重量として0.9gである。
(4)センダングサ属植物含有茶の製造方法
(1)で製造したビデンス・ピローサ乾燥物をさらに刻み、焙煎大麦、ウコンを用いて、1包あたり3gのティーバッグの形に分包した。配合割合は、ビデンス・ピローサ100質量部に対して、乾燥重量基準で焙煎大麦は100~200質量部の範囲内にあり、ウコンは1~10質量部の範囲内にある。ティーバッグ1包あたりに含まれるビデンス・ピローサの量は、乾燥ビデンス・ピローサ換算重量として1.26gである。
この3g/包のティーバッグ3包を250mL~500mLのお湯で10分間煮出したお茶(ビデンス・ピローサ茶、BP茶とも呼ぶ)を用いた。
(5)センダングサ属植物含有ドリンクの製造方法
(2)で製造したエキス末を用いて液剤(ビデンス・ピローサドリンク、BPドリンクとも呼ぶ)(ハチミツ、エリスリトール、クエン酸配合、29Kcal/50ml)を得た。ビデンス・ピローサドリンク1本(50ml)あたりに含まれる、ビデンス・ピローサの量は、乾燥ビデンス・ピローサ換算重量として5gである。
[実施例1]
NO濃度改善の効果を確認するために下記の試験を実施した。
・試験対象者
20歳~64歳の健康な男女(試験に対して文書で同意を得た)40名を対象に実施した。寒冷負荷前、負荷直後(0分)、10分、20分、30分の計5時点を測定した。対象者を、温度25±1℃、湿度50±5%の恒温恒湿の環境室で、規定時間内待機後、両手首まで15℃の水に1分間漬けるという寒冷負荷条件において、寒冷負荷後10分おきに30分まで測定し、各時間後の両手人差し指、中指、薬指の皮膚表面温度を測定し、下記式で表される平均回復率が、60%以上となる場合をいう。
回復率(%)=(寒冷負荷時間20分後温度-寒冷負荷直後温度)/(寒冷負荷前温度-寒冷負荷直後温度)×100
上記試験において寒冷負荷10分後の皮膚温の回復率が90%未満の者を抽出し、本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤の投与による効果を測定した。皮膚温の回復率が90%未満の対象者を、試験対象者とした。これは以下の理由による。すなわち、本来人間は健康体であれば一時的な寒冷負荷後に、元の皮膚温に戻る仕組みが備わっている。しかし一部には回復率が悪い者も存在する。その原因は様々だが、主な原因として血流が悪くなっていることが考えられる。皮膚温の回復率が90%未満の者は、血流の回復が悪いことを示しており、血流を改善する作用が明らかになっている血中一酸化窒素濃度上昇剤による効果を反映しやすいと考え、試験対象者とした。
・摂取した試験品及び各試験対象者人数
試験対象者を無作為に、水摂取群(コントロール)、ビデンス・ピローサ茶摂取群(BP茶)、ビデンス・ピローサ錠摂取群(BP錠)、ビデンス・ピローサエキス末摂取群(BPエキス末)に分けた。各群の人数は、水摂取群7名、ビデンス・ピローサ茶摂取群9名、ビデンス・ピローサ錠摂取群8名、ビデンス・ピローサス末摂取群9名で試験を行った。
水摂取群は用意した水を250mL/日摂取した。ビデンス・ピローサ茶摂取群は3g/包のティーバッグ3包を250mLのお湯で10分間煮出したものを摂取した(乾燥ビデンス・ピローサ換算重量として3.78g)。ビデンス・ピローサ錠摂取群は1日あたり9粒(乾燥ビデンス・ピローサ換算重量として8.1g)を摂取した。ビデンス・ピローサエキス末摂取群は1日当たり15g(乾燥ビデンス・ピローサ換算重量として15g)を摂取した。
・試験条件
各試験対象者は、7日間連続して、水、ビデンス・ピローサ茶、ビデンス・ピローサ錠、またはビデンス・ピローサエキス末を上でのべた一日あたりの量を摂取し、摂取1日目と7日目の各試験日において、試験品摂取前と寒冷負荷試験(実施例1の条件)30分後に採血を実施し、血中のNO濃度(μmol/L)を測定した(摂取1日目:図1、摂取7日目:図2)。
・血中NO濃度測定方法
測定キット「Total NO/Nitrite/Nitrate Assay Kit」(R&D社 KGE001)を用いて、以下の手順で血中の一酸化窒素を測定した。
(1) 採取した血漿(EDTA2NA採血管にて採取)を測定まで-80℃にて保存した。
(2) 測定の際に血漿を融解し、キットに含まれている反応希釈液(Reaction Diluent)にて2倍に希釈した。
(3) 96ウェルマイクロプレートの各ウェルに反応希釈液を50μL加えた。
(4) サンプルまたは検量線用標準液をそれぞれ50μL加えた。
(5) さらにすべてのウェルに反応希釈液を50μL加えた。
(6) Griess Reagent II試薬を各ウェルに50μL加えた。
(7) 10分間室温にて静置後、540nmの波長で各ウェルの吸光度を測定した。
・試験結果
解析対象者:治験参加者(水:8名、BP茶:9名、BP錠:9名、BPエキス末:9名)について適格性チェックを行ない、血流に関わる食品摂取が確認された水摂取群(コントロール)の治験参加者1名及びビデンス・ピローサ錠摂取群の治験参加者1名を除外し、以下の人数を解析対象者とした。
水:7名
BP茶:9名
BP錠:8名
BPエキス末:9名
測定によって得られた数値は、平均値±標準偏差で示し、対応の無いt検定にて検定を行い、検定の有意水準は両側5%とした(表1、図1~3)。
表1
Figure 2023132609000002
すべての試験品で血中NO濃度は摂取7日後に増加していた(図3)。水と比較しての有意な差は、ビデンス・ピローサ錠およびビデンス・ピローサエキス末で認められた。これは、ビデンス・ピローサ抽出物の濃度の差異によるものと考えられる。
単回摂取よりも、7日間継続摂取後の方が、本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤の効果が明確になった。継続して摂取することにより血中NO産生量の改善効果(有意性あり)が認められた(図3)。
[実施例2](参考試験例)
一酸化窒素は、血管の内皮細胞から放出される物質で、血管を拡張して血流を改善する作用が有ることが知られている。血流が改善されると運動時の呼吸のしやすさが高まり、その結果運動能力が高まることも期待される。そこで、この効果を確認するためランニングを行った際に、運動能力が高まるか否かの試験を行った。
・試験方法
試験対象者:定期的にランニングをしている30歳代から60歳代の健康な男女5名を男女比及び平均年齢が同程度になるように2群に分けた。
ランニング距離:3km
試験日程:各試験者について、1か月の期間をあけて2回行なった。
ドリンク飲用方法:製造例の(5)で製造したビデンス・ピローサドリンク(50ml)及び参考ドリンク(チョコラBBドリンクFeチャージ(Eisai社製))(50ml)(5Kcal/50ml)をランダムに振り分け、ランニング前に50ml飲用した。同じ試験対象者について、1回目にビデンス・ピローサドリンクを飲用した場合は1か月後の2回目には参考ドリンクを飲用し、1回目に参考ドリンクを飲用した場合は2回目にビデンス・ピローサドリンクを飲用した。試験ドリンクの群分けは、盲検法に基づき、被験ドリンクか参考ドリンクかは試験対象者には分からないようにした
・評価方法
走った調子(ランニング後の感想):下記の指標に基づき、点数をつけ、参考ドリンク及びビデンス・ピローサドリンクの各群について平均値を出した(図4)。
5点 非常に調子が良かった
4点 やや調子が良かった
3点 変わらない
2点 やや調子が悪かった
1点 非常に調子が悪かった
呼吸のしやすさの有無:参考ドリンク及びビデンス・ピローサドリンクの各群で、ランニング後に呼吸がしやすいと「感じた」人の割合を示した。
本発明の血中一酸化窒素濃度上昇剤の摂取により、一酸化窒素濃度が血管内で上昇し、血流が改善されてランニング時の呼吸のしやすさが高まり、その結果運動能力が高まったことが推測される。この点は、主観的な感想ではあるが、ランニング後の感想、呼吸のしやすさの評価ともよく一致していることからも裏付けられている。

Claims (5)

  1. センダングサ属の植物成分を含有することを特徴とする、血中一酸化窒素濃度上昇剤。
  2. センダングサ属の植物成分がセンダングサ属植物の地上部の抽出成分であることを特徴とする、請求項1記載の血中一酸化窒素濃度上昇剤。
  3. センダングサ属植物がビデンス・ピローサである、請求項1又は2記載の血中一酸化窒素濃度上昇剤。
  4. 血中一酸化窒素濃度上昇剤の非摂取時と比べて、血中の一酸化窒素濃度を上昇させる、請求項1~3のいずれか一項に記載の血中一酸化窒素濃度上昇剤。
  5. 血中一酸化窒素濃度上昇剤の非摂取時と比べて運動時における呼吸のしやすさを改善する、請求項1~4のいずれか一項に記載の血中一酸化窒素濃度上昇剤。
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