JP2023132572A - 学習装置、温度履歴予測装置、溶接システム及びプログラム - Google Patents

学習装置、温度履歴予測装置、溶接システム及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】高精度にかつ高速に積層体の温度履歴を予測できる学習装置、温度履歴予測装置、溶接システム及びプログラムを提供する。【解決手段】学習装置200は、積層体の特定時刻における複数の単位要素の温度を表す第一温度分布、及び特定時刻から規定時間を経過した時刻における複数の単位要素の温度を表す第二温度分布を求める温度分布取得部33と、温度分布取得部33が求めた第一温度分布と第二温度分布との関係を、規定時間と対応付けて機械学習して予測モデルを生成する学習部35と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、学習装置、温度履歴予測装置、溶接システム及びプログラムに関する。
近年、3Dプリンタを用いた積層造形による部品製造のニーズが高まっており、金属材料を用いた造形の実用化に向けて研究開発が進められている。例えば特許文献1には、熱源を移動させて基板上にビードを形成して得られる造形物(積層体)について、高精度にかつ解析に要する時間を短縮して温度履歴を求める熱流体解析方法が提案されている。
特許文献1の技術では、熱流体解析をラグランジュ表記の座標系で行うのではなく、熱源を固定して基板を相対的に動かしてビードを形成するオイラー表記の座標系で行っている。これによれば、解析に用いる要素分割モデルの要素サイズが細かい領域をより少なくでき、計算時間の短縮が図れる。
特開2020-44541号公報
特許文献1のような従来の解析手法による温度予測では、通常、有限要素法(FEM:Finite Element Method)を用いることが多い。その場合、積層体の形状を分割した全メッシュに対して物理則に従った計算を行うため、積層体のサイズが大きいほど膨大な計算が必要となり、予測の高速化が困難である。
そこで本発明は、高精度にかつ高速に積層体の温度履歴を予測できる学習装置、温度履歴予測装置、溶接システム及びプログラムの提供を目的とする。
本発明は、下記の構成からなる。
(1) 予め定めたパスに沿って熱源を移動させて溶加材を溶融及び凝固させた溶接ビードによって積層体を造形する際の、前記積層体の造形途中における温度履歴を、前記積層体の形状を分割した単位要素ごとに予測する予測モデルを、機械学習により生成する学習装置であって、
前記積層体の特定時刻における複数の前記単位要素の温度を表す第一温度分布、及び前記特定時刻から規定時間を経過した時刻における複数の前記単位要素の温度を表す第二温度分布を求める温度分布取得部と、
前記温度分布取得部が求めた第一温度分布と第二温度分布との関係を、前記規定時間と対応付けて機械学習して前記予測モデルを生成する学習部と、
を備える学習装置。
(2) (1)に記載の学習装置により生成された前記予測モデルと、
前記積層体を造形する際の初期時刻における複数の前記単位要素の温度分布の情報を含む入力データを取得する入力データ取得部と、
前記入力データに含まれる前記温度分布の状態から規定時間の経過後の温度分布を、前記予測モデルを用いて予測した予測温度分布を求める予測部と、
予測された前記予測温度分布の情報を前記入力データとして再び前記予測部に入力して、更に前記規定時間の経過後の予測温度分布を求める予測制御部と、
を備える温度履歴予測装置。
(3) (2)に記載の温度履歴予測装置と、
前記温度履歴予測装置により予測した温度分布の情報を用いて決定した造形条件に基づいて前記積層体を造形する溶接装置と、
を備える溶接システム。
(4) 予め定めたパスに沿って熱源を移動させて溶加材を溶融及び凝固させた溶接ビードによって積層体を造形する際の、前記積層体の造形途中における温度履歴を、前記積層体の形状を分割した単位要素ごとに予測する予測モデルを、機械学習により生成するプログラムであって、
コンピュータに、
前記積層体の特定時刻における複数の前記単位要素の温度を表す第一温度分布、及び前記特定時刻から規定時間を経過した時刻における複数の前記単位要素の温度を表す第二温度分布を求める機能と、
前記第一温度分布及び前記第二温度分布と、前記規定時間との関係を機械学習して前記予測モデルを生成する機能と、
を実現させるためのプログラム。
本発明によれば、高精度にかつ高速に積層体の温度履歴を予測できる。
図1は、溶加材を溶融及び凝固させて溶接ビードを形成する様子を示す説明図である。 図2は、積層体の一例を示す概略斜視図である。 図3Aは、積層体を造形するパスを決定する手順の一例を示す説明図である。 図3Bは、積層体を造形するパスを決定する手順の一例を示す説明図である。 図4は、溶接装置の全体構成を示す概略図である。 図5は、学習装置のブロック構成図である。 図6は、学習装置によって温度履歴の予測モデルを機械学習する手順を示すフローチャートである。 図7は、特定時刻の温度分布と規定時間経過後の時刻の温度分布の関係を、複数の時刻について示した説明図である。 図8は、学習部に入力する温度分布の情報の具体例を示す説明図である。 図9は、温度履歴予測装置のブロック構成図である。 図10は、積層体を造形する際の積層体の温度履歴を予測する手順を示すフローチャートである。 図11は、溶接ビードの形成と各単位要素の温度分布の様子を時系列で段階的に示す説明図である。 図12は、溶接ビードの形成と各単位要素の温度分布の様子を時系列で段階的に示す説明図である。 図13は、単位要素の要素サイズを変更する様子を示す説明図である。 図14Aは、予測温度が基準温度に近づくまでの間で規定時間を一定に維持した場合の温度変化の様子を示す説明図である。 図14Bは、予測温度が基準温度に近づくまでの間に規定時間を変更した場合の温度変化の様子を示す説明図である。 図15Aは、機械学習に用いる第一温度分布と第二温度分布を示す説明図である。 図15Bは、機械学習に用いる第一温度分布と第二温度分布の各データセットを示す説明図である。 図16は、積層体の形状を分割した複数の単位要素を溶接ビードの形状に疑似させた様子を示す説明図である。 図17は、検証例1に用いた積層体の形状を示すモデル図である。 図18は、図17に示す2次元断面のP1,P2,P3,P4の各位置における温度予測値と、数値解析により求めた温度との時間変化を示す試験結果を示すグラフである。 図19は、検証例2に用いた積層体の形状を示すモデル図である。 図20は、図19に示すモデルにおける温度分布の予測位置を示す断面図である。 図21は、図19に示す2次元断面のP1,P2,P3,P4の各位置における温度予測値と、数値解析により求めた温度との時間変化を示す試験結果を示すグラフである。
以下、本発明に係る学習装置及び温度履歴予測装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、溶接ビードを積層して所望の形状の積層体を造形する際の、積層体の造形途中の温度履歴を予測する。この温度履歴の予測には、機械学習により生成された予測モデルを用いる。
図1は、溶加材を溶融及び凝固させて溶接ビードBを形成する様子を示す説明図である。積層体を造形するには、先端部に熱源となるアークAkを発生させるトーチ11を、予め定めたパスPS1,PS2,PS3,・・・に沿って移動させながら、連続して供給される不図示の溶加材をアークAkにより溶融及び凝固させる。これにより、ベース13上には溶加材の溶融凝固体である溶接ビードBが形成され、溶接ビードBを順次に積層することで積層体が得られる。
図2は、積層体Wの一例を示す概略斜視図である。例えば直方体形状の構造物を造形するには、図2に示すような複数の溶接ビードBを積層し、積層された積層体Wを必要に応じて機械加工して所望の形状の構造物に仕上げる。その場合の溶接ビードBを形成するパス(トーチ11の移動軌道)は、所望の構造物の形状を表す形状データ(CADデータ等)と、使用する溶接装置の種類及び仕様とに応じて造形計画を作成することで決定する。
図3A,図3Bは、積層体を造形するパスを決定する手順の一例を示す説明図である。パスの決定は、具体的には図3Aに示すように、形状データにより与えられる積層体Wの形状を、所定の厚さにスライスする。そして、図3Bに示すように、スライスされた各層Ly1,Ly2,Ly3,Ly4の形状を、所定幅のビード形状モデルBMで埋めるように、溶接ビードを形成するパス、及び溶接条件を決定する。このような造形計画を作成するアルゴリズムは、特に限定されず従来公知のものでもよい。
積層体の造形途中の温度履歴は、溶接ビードBの形成時に高温となった部位が冷却される際、積層体に生じる熱歪みの評価、また、熱歪みを抑制する溶接計画の作成等、積層体Wの製造品質を向上させる目的に使用される。
<溶接装置の構成>
ここで、上記した積層体Wの造形に使用する溶接装置について説明する。
図4は、溶接装置の全体構成を示す概略図である。
溶接装置100は、造形制御装置15と、マニピュレータ17と、溶加材供給装置19と、マニピュレータ制御装置21と、熱源制御装置23とを含んで構成される。
マニピュレータ制御装置21は、マニピュレータ17と、熱源制御装置23とを制御する。マニピュレータ制御装置21には不図示のコントローラが接続されて、マニピュレータ制御装置21の任意の操作がコントローラを介して操作者から指示可能となっている。
マニピュレータ17は、例えば多関節ロボットであり、先端軸に設けたトーチ11には、溶加材(溶接ワイヤ)Mが連続供給可能に支持される。トーチ11は、溶加材Mを先端から突出した状態に保持する。トーチ11の位置及び姿勢は、マニピュレータ17を構成するロボットアームの自由度の範囲で3次元的に任意に設定可能となっている。マニピュレータ17は、6軸以上の自由度を有するものが好ましく、先端の熱源の軸方向を任意に変化させられるものが好ましい。マニピュレータ17は、図4に示す4軸以上の多関節ロボットの他、2軸以上の直交軸に角度調整機構を備えたロボット等、種々の形態であってもよい。
トーチ11は、不図示のシールドノズルを有し、シールドノズルからシールドガスが供給される。シールドガスは、大気を遮断し、溶接中の溶融金属の酸化、窒化などを防いで溶接不良を抑制する。本構成で用いるアーク溶接法としては、被覆アーク溶接又は炭酸ガスアーク溶接等の消耗電極式、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接又はプラズマアーク溶接等の非消耗電極式のいずれであってもよく、造形する積層体Wに応じて適宜選定される。ここでは、ガスメタルアーク溶接を例に挙げて説明する。消耗電極式の場合、シールドノズルの内部にはコンタクトチップが配置され、電流が給電される溶加材Mがコンタクトチップに保持される。トーチ11は、溶加材Mを保持しつつ、シールドガス雰囲気で溶加材Mの先端からアークを発生する。
溶加材供給装置19は、トーチ11に向けて溶加材Mを供給する。溶加材供給装置19は、溶加材Mが巻回されたリール19aと、リール19aから溶加材Mを繰り出す繰り出し機構19bとを備える。溶加材Mは、繰り出し機構19bによって必要に応じて正方向又は逆方向に送られながらトーチ11へ送給される。繰り出し機構19bは、溶加材供給装置19側に配置されて溶加材Mを押し出すプッシュ式に限らず、ロボットアーム等に配置されるプル式、又はプッシュ-プル式であってもよい。
熱源制御装置23は、マニピュレータ17による溶接に要する電力を供給する溶接電源である。熱源制御装置23は、溶加材Mを溶融、凝固させるビード形成時に供給する溶接電流及び溶接電圧を調整する。また、熱源制御装置23が設定する溶接電流及び溶接電圧等の溶接条件に連動して、溶加材供給装置19の溶加材供給速度が調整される。
溶加材Mを溶融させる熱源としては、上記したアークに限らない。例えば、アークとレーザーとを併用した加熱方式、プラズマを用いる加熱方式、電子ビーム又はレーザーを用いる加熱方式等、他の方式による熱源を採用してもよい。電子ビーム又はレーザーにより加熱する場合、加熱量を更に細かく制御でき、形成するビードの状態をより適正に維持して、積層構造物の更なる品質向上に寄与できる。また、溶加材Mの材質についても特に限定するものではなく、例えば、軟鋼、高張力鋼、アルミ、アルミ合金、ニッケル、ニッケル基合金など、積層体Wの特性に応じて、用いる溶加材Mの種類が異なっていてよい。
上記した構成の溶接装置100は、積層体Wの造形計画に基づいて作成された造形プログラムに従って動作する。造形プログラムは、多数の命令コードにより構成され、造形物の形状、材質、入熱量等の諸条件に応じて、適宜なアルゴリズムに基づいて作成される。この造形プログラムに従って、トーチ11を移動させつつ、送給される溶加材Mを溶融及び凝固させると、溶加材Mの溶融凝固体である線状の溶接ビードBがベース13上に形成される。つまり、マニピュレータ制御装置21は、造形制御装置15から提供される所定のプログラムに基づいてマニピュレータ17、熱源制御装置23を駆動させる。マニピュレータ17は、マニピュレータ制御装置21からの指令により、溶加材Mをアークで溶融させながらトーチ11を移動させて溶接ビードBを形成する。このようにして溶接ビードBを順次に形成、積層することで、目的とする形状の積層体Wが得られる。
溶接装置100は、以下に示す学習装置、及び温度履歴予測装置を備えた溶接システムとして構成されていてもよい。その場合、正確に予測された温度分布に基づいて、積層体の造形計画を作成でき、これにより、高品位な積層体を造形できる。
<学習装置>
次に、溶接装置100により造形される積層体Wの造形途中の温度履歴を予測する予測モデルを機械学習により生成する学習装置について説明する。
図5は、学習装置200のブロック構成図である。学習装置200は、要素分割部31と、温度分布取得部33と、学習部35と、シミュレーション部37とを有する。シミュレーション部37は、学習データを数値解析により求める場合に使用される。
上記各部についての詳細は後述するが、概略的には各部は次のように機能する。学習装置200には、造形対象となる積層体の形状を表す形状データ、予め定めた積層体の造形計画に基づく溶接条件等の情報が入力される。要素分割部31は、形状データの積層体Wの形状を複数の単位要素に分割して形状モデルを生成する。この単位要素への分割は、例えば図3Bに示す積層体の形状を複数のビード形状モデルBMに分割することに相当するが、更に細かなサイズのメッシュに分割してもよい。なお、学習装置100に複数の単位要素に分割された形状モデルが入力される場合には、要素分割部31は不要となる。
温度分布取得部33は、積層体の特定時刻における複数の単位要素の温度を表す温度分布(第一温度分布)、及び特定時刻から規定時間Δtを経過した時刻における複数の単位要素の温度を表す温度分布(第二温度分布)を取得する。規定時間Δtとしては、例えば10秒、等の任意の時間に設定できる。各温度分布は、シミュレーション部37による演算によって求めてもよく、試験サンプルを作製して実測して求めてもよい。シミュレーション部37では、分割した複数の単位要素を用いた有限要素法による熱流体解析等の数値解析によって、初期状態の温度分布(第一温度分布)の情報から第二温度分布を演算により求める。以降は、各温度分布をシミュレーション部37の数値解析により求める手順を説明する。シミュレーション部37は、専用に設計されたソフトウェア又は回路で構成するほか、汎用の熱流体解析ソフトウェア(例えば、Flow Science社 FLOW-3D(登録商標))に積層造形の各種条件を設定してシミュレーションを実施する構成としてもよい。
学習部35は、温度分布取得部33が求めた第一温度分布と第二温度分布との関係を、規定時間Δtと対応付けて機械学習して予測モデルを生成する。また、第一温度分布、第二温度分布に加えて、熱源の移動、溶接ビードの生成に関する情報を学習データに含めてもよい。図1に示すように、熱源に関する情報としては、単位時間あたりに供給する入熱量Q、熱源の移動方向及び移動速度v等があり、溶接ビードの生成に関しては、ビード生成体積V、ビード断面積S等が一例として挙げられる。
この学習装置200は、例えば、PC(Personal Computer)などの情報処理装置を用いたハードウェアにより構成される。学習装置200の各機能は、不図示の制御部が不図示の記憶装置に記憶された特定の機能を有するプログラムを読み出し、これを実行することで実現される。記憶装置としては、揮発性の記憶領域であるRAM(Random Access Memory)、不揮発性の記憶領域であるROM(Read Only Memory)等のメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージを例示できる。また、制御部としては、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)などのプロセッサ、又は専用回路等を例示できる。
<学習手順>
図6は、学習装置200によって温度履歴の予測モデルを機械学習する手順を示すフローチャートである。学習装置200は、複数の単位要素から構成される形状モデル、溶接条件等の初期条件をシミュレーション部37に入力する等の初期条件を設定する(ステップ1:S11)。シミュレーション部37は、溶接ビードの形成により積層体を造形する際の、特定時刻tにおける複数の単位要素の温度を求める。温度分布取得部33は、求めた単位要素の温度の分布を、特定時刻tにおける第一温度分布として取得する(S12)。ここでいう特定時刻tは、溶接ビードの形成を開始した時刻であってもよく、ビード形成途中の時刻であってもよい。いずれの場合も特定時刻tの温度分布は既知であるとする。
次に、特定時刻tから規定時間Δtを経過した時刻(t+Δt)における複数の前記単位要素の温度を表す第二温度分布を求める(S13)。第二温度分布は、第一温度分布の状態から規定時間Δtを経過して、ビード形成のための熱源(アーク)からの入熱が周囲の単位要素に伝播し、放冷された状態の温度分布である。第二温度分布は、第一温度分布の温度情報及び形状モデルの物性値等の情報からシミュレーション部37が解析的に求める。温度分布取得部33は、シミュレーション部37により求めた第二温度分布を取得する。
そして、温度分布取得部33は、取得した第一温度分布と第二温度分布の情報を学習部35に学習データとして出力する。また、学習部35には、シミュレーション部37に入力された形状データ及び積層計画の情報に基づく、溶接ビードの形成時に熱源から供給される入熱量、熱源の移動方向及び移動速度、溶接ビードの単位時間あたりの形成体積、単位要素ごとに溶接ビードの有無を表す状態情報、単位要素のサイズ情報、等の各種の情報が入力される。さらに、溶接ビードの追加、溶接ビードの追加に伴う入熱量についても併せて学習させてもよい。学習部35は、入力された第一温度分布と第二温度分布との関係を、規定時間Δtと対応付けて機械学習する(S14)。また、学習部35は、上記した熱源情報、ビード情報、要素サイズ情報と合わせて機械学習してもよい。
熱源に関する情報が学習部35への学習データに含まれることで、熱源が移動しながら溶接ビードを形成する際の温度分布をより正確に予測できる。また、溶接ビードの有無を示す状態情報を学習することで、熱源の移動に伴う溶接ビードの生成の有無を温度分布と併せて予測できる。そして、単位要素のサイズ情報が学習データに含まれることで、任意の単位要素のサイズ(メッシュサイズ)での予測が可能となる。
図7は、特定時刻(t=t)の温度分布と規定時間Δt経過後の時刻(t=t+Δt)の温度分布の関係を、複数の時刻について示した説明図である。学習装置200は、図7に示す特定時刻(t=t)の第一温度分布と、規定時間Δt経過後の時刻(t=t+Δt)の第二温度分布との組を、溶接ビードを形成するパスに沿って順次に求める。つまり、温度分布取得部33は、予め定めたパスに沿って積層体の造形を完了するまで、t,t,t、・・・の順で第一温度分布と第二温度分布との組の情報を取得し、学習部35に出力する(S15)。
また、温度分布取得部33は、更に別の時刻同士の温度分布の情報を取得して、学習データとして学習部35に提供してもよい。特定時刻tから次の特定時刻ti+1までの時間は、上記した規定時間Δtよりも長く設定されるものとする。例えば、規定時間Δtは1秒、特定時刻tからti+1までの時間は10秒等に設定してもよく、目的に応じて各時間を任意に設定できる。
ここで、特定時刻tから規定時間Δtを経過した時刻をta、時刻taから次の特定時刻tまでの時間をtbとする。この場合、特定時刻tから規定時間Δtを経過した時刻taの第二温度分布と、時刻taから時間Δtbを経過した後、つまり、次の特定時刻tにおける第一温度分布との関係も学習対象にできる。具体的には、時刻taの第二温度分布を「第一温度分布」とし、また、時刻taから時間Δtbを経過した時刻、つまり、次の特定時刻(t+Δt+Δtb=t)における第一温度分布を「第二温度分布」として学習部35に出力する。同様にして、以降の特定時刻t,t,・・・からそれぞれ規定時間Δtを経過した後の各第二温度分布(これらを「第一温度分布」として扱う)と、特定時刻t以降の各特定時刻における各第一温度分布(これらを「第二温度分布」として扱う)の各情報を学習部35に出力する。この場合の温度分布の変化は、入熱を伴う温度変化であって、これにより、冷却と入熱のサイクルを比較的簡単に学習できる。
つまり、温度分布取得部33は、互いに異なる複数の特定の時刻を含む時刻範囲における複数の第一温度分布の第一データセットと、複数の特定の時刻のそれぞれから規定時間Δtを経過した特定の時刻を含む時刻範囲における複数の第二温度分布の第二データセットとを取得する。これとともに、第二データセットの特定の時刻taにおける第二温度分布の第三データセットと、その特定の時刻taから次に積層体への入熱があったときに対応する第一データセットの特定の時刻(ta+Δtb)における第一温度分布の第四データセットとを取得する。
学習部35は、入力された情報を機械学習して予測モデルを生成する(S16)。例えば上記の場合、学習部は、第一データセットと第二データセットとの関係をそれぞれの規定時間Δtと対応付けて機械学習する。また、第三データセットと第四データセットとの関係を、それぞれの第二温度分布と第一温度分布との時間差(Δtb)と対応付けて機械学習する。これにより、学習部35から予測モデルが生成される。
この予測モデルは、外部から第一温度分布の情報が入力されると、規定時間Δtを経過した後の第二温度分布を予測し、その予測結果を出力する機能を発揮する。
図8は、学習部35に入力する温度分布の情報の具体例を示す説明図である。学習部35に入力する温度分布の情報は、単位要素毎に設定されている。一つの単位要素には、溶接ビードが存在する場合にはフラグとして「1」が設定され、存在しない場合にはフラグとして「0」が設定される。図8に示す各単位要素は、溶接ビードが存在しない単位要素には、フラグの「0」が示されており、溶接ビードが存在する単位要素には、フラグの「1」及びその単位要素の温度が示されている。具体例として、新たに溶接ビードが形成された位置の単位要素(6個の単位要素)の温度は900℃となっており、それに隣接する前回形成された位置での単位要素(6個の単位要素)の温度は90℃になっている。そして、これら単位要素よりも下層の単位要素は、時間経過に伴う冷却によって70℃から20℃の温度に低下している。このような温度分布の情報が機械学習の学習データとして学習部35に供される。
予測モデルを生成するための機械学習の方法としては、例えば、決定木、線形回帰、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、ガウス過程回帰、畳み込みニューラルネットワーク等の方法が挙げられる。なお、予測モデルは、溶加材の種類ごとに複数生成してもよい。一つの予測モデルに集約する場合は、学習データに溶加材の成分の一部又は全部の情報を加えて学習させてもよい。
温度分布取得部33は、規定時間Δt経過後の時刻(t=t+Δt)の第二温度分布を取得する際、形成後の溶接ビードに対応する単位要素の温度が予め定めた基準温度以下になるまで、規定時間Δtを経過した時刻を更に経過させて第二温度分布を繰り返し求めてもよい。溶接ビードを形成する際に、下地となる溶接ビードが高温で粘性(流動性)が高い場合、下地上に新たに形成する溶接ビードの溶融金属の垂れ、下地の溶接ビードの潰れ等により、所望のビード高さが得られない場合がある。そこで、下地の溶接ビードの温度が予め定めた基準温度Tp以下になるまで待ち、基準温度Tp以下になったら新たな溶接ビードを形成することで、ビード高さを設計通りの高さに形成しやすくなる。このような基準温度Tpは、積層した溶接ビードの冷却に必要な「パス間時間」とみなせる。シミュレーション部37が、上記した基準温度Tp以下になる時間を解析的に求めることで、学習部35がパス間時間を学習し、温度分布の予測と共に正確なパス間時間が予測可能となる。これによれば、実際にビード形成する前の予測モデルを用いた温度分布の予測段階であっても、パス間時間の設定が可能となり、積層体の造形計画を、下地の溶接ビードの温度(第二温度分布の特定部位の温度又は最大温度)が基準温度Tpに達してから上層の溶接ビードを形成するように容易に調整できる。
予測モデルは、積層体の特定時刻における複数の単位要素の温度を表す第一温度分布、及び特定時刻から規定時間を経過した時刻における複数の単位要素の温度を表す第二温度分布との関係を、規定時間と対応付けて機械学習して生成される。そのため、数値解析による計算結果から異なる時刻同士のデータを大量に取得し、これら大量のデータを学習データとして利用できる。また、大量の学習データを機械学習した予測モデルを用いれば、造形途中の積層体の温度分布を高精度にかつ高速に予測できる。さらに、単位要素毎に温度を求めるため、積層体の任意の位置における温度を予測できる。
<温度履歴の予測>
次に、上記した学習装置200により機械学習して生成された予測モデルを用いて、積層体の温度分布を予測する温度履歴予測装置について説明する。
図9は、温度履歴予測装置300のブロック構成図である。温度履歴予測装置300は、学習装置200により生成された予測モデル41と、入力データ取得部43と、予測部45と、予測制御部47とを備える。温度履歴予測装置300は、前述した学習装置200と同様のハードウェア構成を有する。また、温度履歴予測装置300は、学習装置200と一体に構成されてもよい。
上記各部の詳細は後述するが、概略的には次のように機能する。入力データ取得部43は、積層体を造形する際の初期時刻における複数の単位要素の温度分布(第一温度分布)の情報を含む入力データを取得する。予測部45は、入力データに含まれる温度分布の状態から規定時間Δtの経過後の温度分布を、予測モデル41を用いて予測した予測温度分布を求める。予測制御部47は、予測された予測温度分布の情報を入力データとして再び予測部45に入力して、更に規定時間の経過後の予測温度分布を求める。こうすることで、2Δt、3Δt、4Δt、・・・等の所定時間を経過した後の温度分布を、連続的に温度履歴として求められる。
図10は、積層体を造形する際の積層体の温度履歴を予測する手順を示すフローチャートである。まず、入力データ取得部43は、入力データから積層体を造形する際の初期時刻(t=t)における第1温度分布を求め、第一温度分布の情報を予測部45に入力する(S21)。次に、予測部45は、入力された第一温度分布の情報から、規定時間Δtを経過後の第二温度分布を、予測モデル41を用いて予測する(S22)。そして、上記の温度分布の予測を1つのパスのビード形成が完了するまで繰り返す(S23)。予測を繰り返す場合、予測後の第二温度分布を第一温度分布として再び予測モデル41に入力する(S24)。これにより予測モデル41は、入力された温度分布(第二温度分布)に基づいて、再び規定時間の経過後の温度分布を予測する。
図11は、溶接ビードの形成と各単位要素の温度分布の様子を時系列で段階的に示す説明図である。図11の左側欄はベース13上の溶接ビードの状態を示し、右側欄はそれぞれの状態での温度分布を示している。特定時刻(初期時刻)tにおいては、ベース13に対応する単位要素(淡ハッチで表示)が一定温度になっている。ベース13の上方の単位要素は溶接ビードBの存在しない単位要素(白枠で表示)であり、フラグが「0」に設定される。
次に、ベース13上に溶接ビードBを形成すると、溶接ビードBに対応する位置の単位要素(濃ハッチで表示)のフラグが「1」に設定され、予測モデル41を用いて温度分布が予測される。この状態から時間が経過すると、溶接ビードBの温度が徐々に下がり、他の既設の溶接ビードBと略同じ温度になる。そして、既設の溶接ビードがある温度(例えば、前述した基準温度Tp)に達してから、次の溶接ビードBを既設の溶接ビードBに隣接させて形成する。新たに設けた溶接ビードBに対応する位置の単位要素(濃ハッチで表示)のフラグが「1」に設定され、予測モデル41を用いて温度分布が予測される。
上記のように、溶接ビードの追加とその後の冷却における温度変化を、予測モデル41を用いて予測する。予測モデル41は、溶接ビード形成時における温度に対する規定時間後の温度分布との関係が学習されているため、正確な温度予測が可能となる。
1つのパスの溶接ビードの形成が完了すると、予測モデル41により最後に予測された第二温度分布において、今回のパスで形成した溶接ビードに対応する位置の単位要素の温度が基準温度Tpに達したかを判断する(S25)。基準温度Tpに達していない場合は、更に規定時間を経過した後の温度分布を予測する。その結果、予測温度が基準温度Tpに達した場合、その基準温度Tpに達するまでの時間を前述したパス間時間として設定する。ここでは基準温度Tpに達するまで予測を繰り返しているが、予め定めた所定時間を繰り返すことであってもよい。予測制御部47は、予測温度が基準温度Tpに達した場合には、基準温度Tpに達する時間をパス間時間に設定して、予測部45に出力する。予測部45は、予測温度分布の情報と共にパス間時間を出力情報として出力する(S26)。
以上の処理を、積層体を造形する全パス(パス(k):k=1~N,Nはパス数)の終了まで繰り返す(S27,S28)。
これによれば、積層体の造形時における温度履歴を、予測モデル41を用いて予測することで、数値解析を繰り返して温度分布を求める場合と比較して、演算処理を大幅に軽減でき、しかも短時間で正確に求められる。
図12は、溶接ビードの形成と各単位要素の温度分布の様子を時系列で段階的に示す説明図である。図12に示す予測モデル41を用いた温度分布の予測は、溶接ビードBを追加した後、溶接ビードが冷却される過程のみ行う。溶接ビードBを追加する温度上昇時には、数値解析によって予測する。このようにすると、加熱過程と冷却過程との全てを予測モデル41により予測させる場合よりも演算量が増加するが、比較的単純な現象である放熱現象を予測モデル41による予測で済ませ、金属の溶融と凝固を伴う複雑な過程を数値解析により計算することで、全体的な予測精度の向上と計算時間の短縮とをバランスよく行える。
一般に、上記のFEM等の数値解析を行う代わりに、本予測方法のようなニューラルネット等により予測する手法がサロゲートモデリング(Surrogate-Modeling)として知られている。このサロゲートモデリングによれば、数値解析を行うよりも高速な予測が可能となる。上記した温度分布の数値解析に代えて、予測モデルを用いた予測を用いることで、より高速で、正確な温度予測が簡単に行えるようになる。
図13は、単位要素の要素サイズを変更する様子を示す説明図である。図5に示す学習部35に、温度分布の情報とともに要素サイズの情報を含めて機械学習させる場合には、単位要素の要素サイズが異なる場合の温度分布の関係を学習させてもよい。例えば、特定の温度範囲において温度の時間変化が他の範囲と比較して激しい場合には、その温度範囲に含まれる単位要素の要素サイズを小さく変更する。これによれば、温度変化をより正確に把握でき、小さな要素サイズの単位要素で学習した場合に、より正確な温度予測が可能となる。また、特に時間変化の少ない領域については、その領域に含まれる単位要素の要素サイズを大きく変更する。これによれば、特に温度への影響が少ない領域を纏めることができ、精度を低下させることなく演算量を軽減できる。つまり、予測部45は、単位要素の要素サイズを温度又は他の要因に応じて細かく又は粗くすることで、第一温度分布とは要素サイズが異なる第二温度分布を出力する。これによっても、予測精度の向上と計算時間の短縮とをバランスよく行える。
図14Aは、予測温度が基準温度Tpに近づくまでの間で規定時間Δtを一定に維持した場合の温度変化の様子を示す説明図である。図14Bは、予測温度が基準温度Tpに近づくまでの間に規定時間Δtを変更した場合の温度変化の様子を示す説明図である。時間経過に伴って温度分布を繰り返し予測する際、前述した予測手順では、図14Aに示すように、規定時間Δtを一定時間としていたが、規定時間Δtはこれに限らない。図14Bに示すように、予測制御部47が繰り返し予測温度分布を求める時間間隔Δtは、予測温度分布における溶接ビードの温度が予め定めた基準温度Tpに達する時刻より前に遡るほど長く設定してもよい。その場合、予測温度が基準温度Tpに近い温度に到達する途中の段階の計算を省略できる。さらに、予測制御部47が繰り返し予測温度分布を求める時間間隔Δtは、予測温度分布における溶接ビードの温度が予め定めた基準温度Tpに近づくほど短く設定してもよい。その場合、予測温度が基準温度Tpに達する時刻をより正確に予測できる。なお、温度分布の学習は、パス間時間を下回るタイミングを正確に求める観点からは、基準温度(パス間温度)Tpよりも十分に高い温度域の温度分布を学習するのが好ましい。
前述した学習装置200の機械学習では、特定時刻tの第一温度分布と、特定時刻tから規定時間Δtが経過した時刻ti+1における第二温度分布とを求めて、第一温度分布と第二温度分布を機械学習していた。
図15Aは、機械学習に用いる第一温度分布と第二温度分布を示す説明図である。図15Bは、機械学習に用いる第一温度分布と第二温度分布の各データセットを示す説明図である。図15Aに示すように、特定時刻tの温度分布と時刻ti+1の温度分布との一組の情報で機械学習すると、特定時刻tの温度分布から時間経過した時刻ti+1の温度分布は予測できるが、時刻ti+1以外の時刻の温度分布の予測が難しくなる場合がある。そこで、図15Bに示すように、特定時刻t,ti+1,・・・,tn-1の温度分布のデータセットと、時刻t+Δt,ti+1+Δt,・・・,t+Δtの温度分布のデータセットとの関係を、それぞれの規定時間Δtと対応付けて機械学習する。その場合、生成された予測モデルは、特定時刻ti+1以外の時刻についても学習されているので、より高精度な予測が期待できる。
また、予測モデルが、前述した特定時刻tから規定時間Δtを経過した時刻taの第二温度分布(「第一温度分布」として扱う)と、時刻taから時間Δtbを経過した後、つまり、次の特定時刻ti+1における第一温度分布(「第二温度分布」として扱う)との関係も学習している場合は、入熱に伴う温度変化も加味した予測ができる。また、数値解析による温度分布の情報を、より多く学習データとして活用できるため、効率よく予測精度の向上が図れる。
図16は、積層体の形状を分割した複数の単位要素を溶接ビードの形状に疑似させた様子を示す説明図である。積層体を造形する造形計画の作成段階では、溶接ビードの形成軌道と形成順序を示すパス(トーチ11の移動経路)PSを設定し、このパスPSに沿って複数の単位要素である単位体積モデル51を時刻順に出現させて配置する。各単位体積モデル51は、実際の溶接ビードの形状に疑似した形状であることが好ましい。また、各単位体積モデル51は、その溶接条件に応じた大きさに設定される。つまり、学習装置200に入力される入力データに含まれる熱源の移動方向及び移動速度の情報に基づいて、特定のパスの溶接ビードを模擬し、パスに沿って単位体積モデル51を時刻順に出現させた複数の単位体積モデル51の集合体であるビード形状モデル53を生成する。ビード形状モデル53は、単位体積モデル51の出現時の温度を、溶接ビードの形成時に熱源から供給される入熱量に応じて設定される。
このように実施の溶接ビードの形状に模擬させたビード形状モデル53を用いて、温度分布の予測を行うことで、実際の積層体の温度分布との差を抑制した正確な予測が可能となる。
<検証例1>
前述した温度履歴予測装置を用いて予測した温度分布と、数値解析により求めた温度分布とを比較した。
図17は、検証例1に用いた積層体の形状を示すモデル図である。このモデルは、平板状のベース13の上面に、溶接ビードを模擬したボクセル状の六面体要素(直方体)のビード形状モデルBMを5層積層した形状となっている。このモデルを溶接ビードで造形する場合に、溶接ビードを5層積層した後、空冷する際の2次元断面での温度分布を予測した。
モデルの寸法は次の通りである。
L1:100mm
L2:100mm
L3:6mm
L4:4mm
L5:4mm
温度分布を求める2次元断面は、モデルの端部からビード形状モデルBMの長手方向に沿ったL2/2の位置で、モデルをビード形状モデルBMの長手方向に垂直に切断した断面(図17に破線で境界を示すハッチング面)とした。
学習方法:入熱量とパス間温度をランダムに変更した条件の異なる合計389ケースについて、800℃~100℃の空冷を行った際の時刻tにおける上記断面での温度分布と、時刻t+10秒における温度分布とを数値解析により求め、これら温度分布の情報を機械学習させて予測モデルを生成した。
予測方法:初期温度を説明変数として10秒後の温度分布を、予測モデルを用いて予測する工程と、この10秒後の温度分布を説明変数として20秒後の温度分布を、予測モデルを用いて予測する工程とを繰り返し実施した。
図18は、図17に示す2次元断面のP1,P2,P3,P4の各位置における温度予測値と、数値解析により求めた温度との時間変化を示す試験結果を示すグラフである。P1~P4のいずれの位置においても、温度予測値は数値解析により求めた温度と殆ど一致しており、十分な精度で温度分布の予測が可能であることがわかった。
<検証例2>
検証例1と同様の手順によりブロック体を造形する場合について、予測した温度分布と数値解析により求めた温度分布とを比較した。
図19は、検証例2に用いた積層体の形状を示すモデル図である。このモデルは、平板状のベース13の上面に、溶接ビードを模擬したボクセル状の六面体要素(直方体)のビード形状モデルBMを10列形成した層を5層積層した合計50個を有する形状となっている。このモデルを溶接ビードで造形する場合に、溶接ビードの層を5層積層した後、空冷する際の2次元断面での温度分布を予測した。
モデルの寸法は次の通りである。
L1:100mm
L2:100mm
L3:6mm
L4:10mm
L5:4mm
温度分布を求める2次元断面は、モデルの端部からビード形状モデルBMの長手方向に沿ったL2/2の位置で、破線で示すようにモデルをビード形状モデルBMの長手方向に垂直に切断した断面とした。
学習方法:入熱量とパス間温度をランダムに変更した条件の異なる合計74ケース(800℃以上の高温域:49ケース、100℃~800℃の低温域:25ケース)について、800℃~100℃の空冷を行った際の時刻tにおける上記断面での温度分布と、時刻t+10秒における温度分布とを数値解析により求め、これら温度分布の情報を機械学習させて予測モデルを生成した。
予測方法:初期温度を説明変数として10秒後の温度分布を、予測モデルを用いて予測する工程と、この10秒後の温度分布を説明変数として20秒後の温度分布を、予測モデルを用いて予測する工程とを繰り返し実施した。
図20は、図19に示すモデルにおける温度分布の予測位置を示す断面図である。ここでは、四角形の断面における下層の一端をP1,他端をP2、中間をP3、上層の中間をP4とした。
図21は、図19に示す2次元断面のP1,P2,P3,P4の各位置における温度予測値と、数値解析により求めた温度との時間変化を示す試験結果を示すグラフである。P1~P4のいずれの位置においても、温度予測値と、数値解析により求めた温度との時間変化の差は殆ど認められず、双方の差の標準偏差は6.2℃であった。また、数値解析により温度分布を求める計算時間が3850秒であったが、予測モデルを用いた予測による計算時間は13.4秒に短縮された。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせること、及び明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 予め定めたパスに沿って熱源を移動させて溶加材を溶融及び凝固させた溶接ビードによって積層体を造形する際の、前記積層体の造形途中における温度履歴を、前記積層体の形状を分割した単位要素ごとに予測する予測モデルを、機械学習により生成する学習装置であって、
前記積層体の特定時刻における複数の前記単位要素の温度を表す第一温度分布、及び前記特定時刻から規定時間を経過した時刻における複数の前記単位要素の温度を表す第二温度分布を求める温度分布取得部と、
前記温度分布取得部が求めた第一温度分布と第二温度分布との関係を、前記規定時間と対応付けて機械学習して前記予測モデルを生成する学習部と、
を備える学習装置。
この学習装置によれば、第一温度分布と、規定時間を経過した第二温度分布との関係を数値解析による計算結果又は実測値から大量に学習データを取得できる。そのため、大量の学習データを機械学習することで、高い予測精度が得られる予測モデルを生成できる。また、単位要素毎に温度を求めるため、積層体の任意の位置における温度を精度よく予測できる予測モデルが得られる。
(2) 前記機械学習に用いる学習データは、前記溶接ビードの形成時に前記熱源から供給される入熱量、前記熱源の移動方向及び移動速度、前記溶接ビードの単位時間あたりの形成体積、前記単位要素ごとに前記溶接ビードの有無を表す状態情報を含む、(1)に記載の学習装置。
この学習装置によれば、熱源に関する情報を含むことで、熱源が移動しながら溶接ビードを形成する際の温度分布を予測できる予測モデルが得られる。また、溶接ビードの有無を示す状態情報を学習することで、熱源の移動に伴う溶接ビードの生成を温度分布と併せた予測を可能にする。
(3) 前記学習データは、前記単位要素のサイズ情報をさらに含む、(2)に記載の学習装置。
この学習装置によれば、単位要素のサイズ情報が入力データに含まれることで、任意の単位要素のサイズ(メッシュサイズ)での予測が可能となる。
(4) 前記温度分布取得部は、前記溶接ビードの形成時における複数の前記単位要素の温度を数値解析により算出して前記第一温度分布及び前記第二温度分布を求める、(1)から(3)のいずれか1つに記載の学習装置。
この学習装置によれば、数値解析により温度分布を演算により求めるため、大量の温度情報を生成でき、大量の学習データを容易に取得できる。これにより、予測モデルの予測精度を向上させやすくなる。
(5) 前記温度分布取得部は、前記第二温度分布のうち、形成後の前記溶接ビードに対応する前記単位要素の温度が予め定めた基準温度以下になるまで、前記規定時間を経過した時刻を更に経過させて前記第二温度分布を繰り返し求める、(1)から(4)のいずれか1つに記載の学習装置。
この学習装置によれば、形成後の溶接ビードが基準温度以下になるまでの第二温度分布を繰り返し求めることで、溶接ビードに次の溶接ビードを形成可能となるパス間時間に相当する時刻までの温度分布を、正確に予測できる予測モデルを生成できる。
(6) 前記温度分布取得部は、前記第一温度分布と前記第二温度分布との組を、前記特定時刻と前記規定時間との少なくとも一方を変化させて複数組取得し、
前記学習部は、前記複数組それぞれの前記第一温度分布と前記第二温度分布との関係を、前記特定時刻の変化量及び前記規定時間の変化量と対応付けて機械学習して前記予測モデルを生成する、(1)から(5)のいずれか1つに記載の学習装置。
この学習装置によれば、特定時刻、規定時間の少なくとも一方が異なる組を複数取得することで学習データの数を増加させ、予測精度を向上できる。
(7) 前記温度分布取得部は、互いに異なる複数の特定の時刻を含む時刻範囲における複数の前記第一温度分布の第一データセットと、前記複数の特定の時刻のそれぞれから前記規定時間を経過した特定の時刻を含む時刻範囲における複数の前記第二温度分布の第二データセットとを取得するとともに、前記第二データセットの特定の時刻における前記第二温度分布の第三データセットと、当該特定の時刻から次に前記積層体への入熱があったときに対応する前記第一データセットの特定の時刻における前記第一温度分布の第四データセットとを取得し、
前記学習部は、前記第一データセットと前記第二データセットとの関係をそれぞれの前記規定時間と対応付けて機械学習するとともに、前記第三データセットと前記第四データセットとの関係を、それぞれの前記第二温度分布と前記第一温度分布との時間差と対応付けて機械学習して、前記予測モデルを生成する、(1)から(5)のいずれか1つに記載の学習装置。
この学習装置によれば、生成される予測モデルは、規定時間での冷却と、次の入熱があったときの加熱による温度変化がそれぞれ学習されるため、冷却と入熱のサイクルを比較的簡単に学習でき、より高精度な予測が期待できる予測モデルを生成できる。
(8) (1)から(7)のいずれか1つに記載の学習装置により生成された前記予測モデルと、
前記積層体を造形する際の初期時刻における複数の前記単位要素の温度分布の情報を含む入力データを取得する入力データ取得部と、
前記入力データに含まれる前記温度分布の状態から規定時間の経過後の温度分布を、前記予測モデルを用いて予測した予測温度分布を求める予測部と、
予測された前記予測温度分布の情報を前記入力データとして再び前記予測部に入力して、更に前記規定時間の経過後の予測温度分布を求める予測制御部と、
を備える温度履歴予測装置。
この温度履歴予測装置によれば、特定時刻の温度分布と、特定時刻から規定時間を経過した時刻での温度分布との関係を、例えば数値解析による計算結果又は実測値から大量に学習データとして取得できる。大量の学習データを機械学習した予測モデルを用いれば、造形途中の積層体の温度分布を高精度にかつ高速に予測できる。また、規定時間後の温度分布を予測モデルに入力することで、規定時間以降の温度分布を連続的に予測できる。さらに、単位要素毎に温度を求めるため、積層体の任意の位置における温度を予測できる。
(9) 前記予測制御部が繰り返し前記予測温度分布を求める時間間隔は、一定間隔に設定される、(8)に記載の温度履歴予測装置。
この温度履歴予測装置によれば、積層体の温度履歴を時系列的に順次求められる。
(10) 前記予測制御部が繰り返し前記予測温度分布を求める時間間隔は、前記予測温度分布における前記溶接ビードの温度が予め定めた基準温度に達する時刻より前に遡るほど長く設定される、(8)に記載の温度履歴予測装置。
この温度履歴予測装置によれば、予測温度が基準温度に近い温度に到達する途中の段階の計算を省略できる。
(11) 前記予測制御部は、前記予測温度分布における前記溶接ビードに対応する前記単位要素の温度が予め定めた基準温度を下回るまで、前記予測部による前記予測温度分布の予測を繰り返し、前記基準温度を下回るまでに要した時間をパス間時間として出力する、(8)に記載の温度履歴予測装置。
この温度履歴予測装置によれば、パス間時間を出力することで、実際に造形することなく、温度分布の予測結果とパス間時間とに応じて積層体の造形計画を効率よく作成できる。
(12) 前記入力データ取得部は、前記溶接ビードを形成する際に前記熱源から供給される入熱量、前記熱源の移動方向及び移動速度、前記溶接ビードの単位時間あたりの形成体積、前記単位要素ごとに前記溶接ビードの有無を表す要素状態の情報を取得し、
前記予測制御部は、特定の前記パスに沿った前記溶接ビードの形成後に、前記予測部から出力された前記予測温度分布の情報から前記溶接ビードに対応する前記単位要素の温度を求め、該温度が予め定めた基準温度を初めて下回った場合に、当該予測温度分布の情報を前記入力データとして前記予測部に入力して前記予測温度分布を求める、(8)に記載の温度履歴予測装置。
この温度履歴予測装置によれば、熱源に関する情報を取得して温度分布を予測することで、熱源が移動しながら溶接ビードを形成する際の温度分布を正確に予測できる。また、溶接ビードの有無を示す状態情報が入力データに含まれることで、熱源の移動に伴う溶接ビードの生成を精度良く再現でき、温度分布の予測精度を高められる。そして、溶接ビードに対応する単位要素の温度が基準温度を下回った場合の温度分布を予測することで、がパス間時間を経過したときの温度分布を予測できる。
(13) 前記予測部は、前記入力データに含まれる前記熱源の移動方向及び移動速度の情報に基づいて、特定のパスの前記溶接ビードを模擬し、前記パスに沿って単位体積のモデルを時刻順に出現させた複数の単位体積モデルの集合体であるビード形状モデルを生成し、前記単位体積モデルの出現時の温度を、前記溶接ビードの形成時に前記熱源から供給される入熱量に応じて求める、(8)から(12)のいずれか1つに記載の温度履歴予測装置。
この温度履歴予測装置によれば、熱源から供給された入熱量に応じてビード形状モデルを成形することで、温度分布の予測精度をより高められる。
(14) 前記入力データ取得部は、前記単位要素のサイズ情報を取得し、
前記予測部は、前記第一温度分布とは要素サイズが異なる前記第二温度分布を出力する、(8)から(13)のいずれか1つに記載の温度履歴予測装置。
この温度履歴予測装置によれば、単位要素の要素サイズを、必要とする予測精度と計算量とのバランスを適切にして、効率よく温度分布の予測が行える。
(15) (1)から(7)のいずれか1つに記載の学習装置を備える、
温度履歴予測装置。
この温度履歴予測装置によれば、高精度にかつ高速に造形物の温度履歴を予測できる。
(16) (8)から(15)のいずれか1つに記載の温度履歴予測装置と、
前記温度履歴予測装置により予測した温度分布の情報を用いて決定した造形条件に基づいて前記積層体を造形する溶接装置と、
を備える溶接システム。
この溶接システムによれば、より適切な造形計画の実施により、高品位な積層体の造形が可能となる。
(17) 予め定めたパスに沿って熱源を移動させて溶加材を溶融及び凝固させた溶接ビードによって積層体を造形する際の、前記積層体の造形途中における温度履歴を、前記積層体の形状を分割した単位要素ごとに予測する予測モデルを、機械学習により生成するプログラムであって、
コンピュータに、
前記積層体の特定時刻における複数の前記単位要素の温度を表す第一温度分布、及び前記特定時刻から規定時間を経過した時刻における複数の前記単位要素の温度を表す第二温度分布を求める機能と、
前記第一温度分布及び前記第二温度分布と、前記規定時間との関係を機械学習して前記予測モデルを生成する機能と、
を実現させるためのプログラム。
このプログラムによれば、第一温度分布と、規定時間を経過した第二温度分布との関係を数値解析による計算結果又は実測値から大量に学習データを取得できる。そのため、大量の学習データを機械学習することで、高い予測精度が得られる予測モデルを生成できる。また、単位要素毎に温度を求めるため、積層体の任意の位置における温度を精度よく予測できる予測モデルが得られる。
(18) (1)から(7)のいずれか1つに記載の学習装置により生成された前記予測モデルを用いて、
コンピュータに、
前記積層体を造形する際の初期時刻における複数の前記単位要素の温度分布の情報を含む入力データを取得する機能と、
前記入力データに含まれる前記温度分布の状態から規定時間の経過後の温度分布を、前記予測モデルを用いて予測した予測温度分布を求める機能と、
予測された前記予測温度分布を前記入力データとして再び前記予測モデルを用いて、更に前記規定時間の経過後の予測温度分布を予測する機能と、
を実現させるためのプログラム。
このプログラムによれば、特定時刻の温度分布と、特定時刻から規定時間を経過した時刻での温度分布との関係を学習した予測モデルを用いて、造形途中の積層体の温度分布を高精度にかつ高速に予測できる。また、規定時間後の温度分布を予測モデルに入力することで、規定時間以降の温度分布を連続的に予測できる。
11 トーチ
13 ベース
15 造形制御装置
17 マニピュレータ
19 溶加材供給装置
19a リール
19b 繰り出し機構
21 マニピュレータ制御装置
23 熱源制御装置
31 要素分割部
33 温度分布取得部
35 学習部
37 シミュレーション部
41 予測モデル
43 入力データ取得部
45 予測部
47 予測制御部
51 単位体積モデル
53 ビード形状モデル
B 溶接ビード
Ly1,Ly2,Ly3,Ly4 層
M 溶加材
W 積層体
100 溶接装置
200 学習装置
300 温度履歴予測装置

Claims (18)

  1. 予め定めたパスに沿って熱源を移動させて溶加材を溶融及び凝固させた溶接ビードによって積層体を造形する際の、前記積層体の造形途中における温度履歴を、前記積層体の形状を分割した単位要素ごとに予測する予測モデルを、機械学習により生成する学習装置であって、
    前記積層体の特定時刻における複数の前記単位要素の温度を表す第一温度分布、及び前記特定時刻から規定時間を経過した時刻における複数の前記単位要素の温度を表す第二温度分布を求める温度分布取得部と、
    前記温度分布取得部が求めた第一温度分布と第二温度分布との関係を、前記規定時間と対応付けて機械学習して前記予測モデルを生成する学習部と、
    を備える学習装置。
  2. 前記機械学習に用いる学習データは、前記溶接ビードの形成時に前記熱源から供給される入熱量、前記熱源の移動方向及び移動速度、前記溶接ビードの単位時間あたりの形成体積、前記単位要素ごとに前記溶接ビードの有無を表す状態情報を含む、
    請求項1に記載の学習装置。
  3. 前記学習データは、前記単位要素のサイズ情報をさらに含む、
    請求項2に記載の学習装置。
  4. 前記温度分布取得部は、前記溶接ビードの形成時における複数の前記単位要素の温度を数値解析により算出して前記第一温度分布及び前記第二温度分布を求める、請求項1から3のいずれか1項に記載の学習装置。
  5. 前記温度分布取得部は、前記第二温度分布のうち、形成後の前記溶接ビードに対応する前記単位要素の温度が予め定めた基準温度以下になるまで、前記規定時間を経過した時刻を更に経過させて前記第二温度分布を繰り返し求める、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の学習装置。
  6. 前記温度分布取得部は、前記第一温度分布と前記第二温度分布との組を、前記特定時刻と前記規定時間との少なくとも一方を変化させて複数組取得し、
    前記学習部は、前記複数組それぞれの前記第一温度分布と前記第二温度分布との関係を、前記特定時刻の変化量及び前記規定時間の変化量と対応付けて機械学習して前記予測モデルを生成する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の学習装置。
  7. 前記温度分布取得部は、互いに異なる複数の特定の時刻を含む時刻範囲における複数の前記第一温度分布の第一データセットと、前記複数の特定の時刻のそれぞれから前記規定時間を経過した特定の時刻を含む時刻範囲における複数の前記第二温度分布の第二データセットとを取得するとともに、前記第二データセットの特定の時刻における前記第二温度分布の第三データセットと、当該特定の時刻から次に前記積層体への入熱があったときに対応する前記第一データセットの特定の時刻における前記第一温度分布の第四データセットとを取得し、
    前記学習部は、前記第一データセットと前記第二データセットとの関係をそれぞれの前記規定時間と対応付けて機械学習するとともに、前記第三データセットと前記第四データセットとの関係を、それぞれの前記第二温度分布と前記第一温度分布との時間差と対応付けて機械学習して、前記予測モデルを生成する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の学習装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の学習装置により生成された前記予測モデルと、
    前記積層体を造形する際の初期時刻における複数の前記単位要素の温度分布の情報を含む入力データを取得する入力データ取得部と、
    前記入力データに含まれる前記温度分布の状態から規定時間の経過後の温度分布を、前記予測モデルを用いて予測した予測温度分布を求める予測部と、
    予測された前記予測温度分布の情報を前記入力データとして再び前記予測部に入力して、更に前記規定時間の経過後の予測温度分布を求める予測制御部と、
    を備える温度履歴予測装置。
  9. 前記予測制御部が繰り返し前記予測温度分布を求める時間間隔は、一定間隔に設定される、
    請求項8に記載の温度履歴予測装置。
  10. 前記予測制御部が繰り返し前記予測温度分布を求める時間間隔は、前記予測温度分布における前記溶接ビードの温度が予め定めた基準温度に達する時刻より前に遡るほど長く設定される、
    請求項8に記載の温度履歴予測装置。
  11. 前記予測制御部は、前記予測温度分布における前記溶接ビードに対応する前記単位要素の温度が予め定めた基準温度を下回るまで、前記予測部による前記予測温度分布の予測を繰り返し、前記基準温度を下回るまでに要した時間をパス間時間として出力する、
    請求項8に記載の温度履歴予測装置。
  12. 前記入力データ取得部は、前記溶接ビードを形成する際に前記熱源から供給される入熱量、前記熱源の移動方向及び移動速度、前記溶接ビードの単位時間あたりの形成体積、前記単位要素ごとに前記溶接ビードの有無を表す要素状態の情報を取得し、
    前記予測制御部は、特定の前記パスに沿った前記溶接ビードの形成後に、前記予測部から出力された前記予測温度分布の情報から前記溶接ビードに対応する前記単位要素の温度を求め、該温度が予め定めた基準温度を初めて下回った場合に、当該予測温度分布の情報を前記入力データとして前記予測部に入力して前記予測温度分布を求める、
    請求項8に記載の温度履歴予測装置。
  13. 前記予測部は、前記入力データに含まれる前記熱源の移動方向及び移動速度の情報に基づいて、特定のパスの前記溶接ビードを模擬し、前記パスに沿って単位体積のモデルを時刻順に出現させた複数の単位体積モデルの集合体であるビード形状モデルを生成し、前記単位体積モデルの出現時の温度を、前記溶接ビードの形成時に前記熱源から供給される入熱量に応じて求める、
    請求項8から12のいずれか1項に記載の温度履歴予測装置。
  14. 前記入力データ取得部は、前記単位要素のサイズ情報を取得し、
    前記予測部は、前記第一温度分布とは要素サイズが異なる前記第二温度分布を出力する、
    請求項8から13のいずれか1項に記載の温度履歴予測装置。
  15. 請求項1から7のいずれか1項に記載の学習装置を備える、
    温度履歴予測装置。
  16. 請求項8から15のいずれか1項に記載の温度履歴予測装置と、
    前記温度履歴予測装置により予測した温度分布の情報を用いて決定した造形条件に基づいて前記積層体を造形する溶接装置と、
    を備える溶接システム。
  17. 予め定めたパスに沿って熱源を移動させて溶加材を溶融及び凝固させた溶接ビードによって積層体を造形する際の、前記積層体の造形途中における温度履歴を、前記積層体の形状を分割した単位要素ごとに予測する予測モデルを、機械学習により生成するプログラムであって、
    コンピュータに、
    前記積層体の特定時刻における複数の前記単位要素の温度を表す第一温度分布、及び前記特定時刻から規定時間を経過した時刻における複数の前記単位要素の温度を表す第二温度分布を求める機能と、
    前記第一温度分布及び前記第二温度分布と、前記規定時間との関係を機械学習して前記予測モデルを生成する機能と、
    を実現させるためのプログラム。
  18. 請求項1から7のいずれか1項に記載の学習装置により生成された前記予測モデルを用いて、
    コンピュータに、
    前記積層体を造形する際の初期時刻における複数の前記単位要素の温度分布の情報を含む入力データを取得する機能と、
    前記入力データに含まれる前記温度分布の状態から規定時間の経過後の温度分布を、前記予測モデルを用いて予測した予測温度分布を求める機能と、
    予測された前記予測温度分布を前記入力データとして再び前記予測モデルを用いて、更に前記規定時間の経過後の予測温度分布を予測する機能と、
    を実現させるためのプログラム。
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