JP2023132190A - ケモカインccl5発現抑制剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケモカインCCL5発現抑制剤を提供する。
【解決手段】下式(1)で示されるケモカインCCL5発現抑制剤。
(式中、R1、R2はそれぞれH、又はグリシン、ジカルボン酸ヘミエステル等、R3は下式(3)で示される基等を示す。)
【選択図】図10
【解決手段】下式(1)で示されるケモカインCCL5発現抑制剤。
(式中、R1、R2はそれぞれH、又はグリシン、ジカルボン酸ヘミエステル等、R3は下式(3)で示される基等を示す。)
【選択図】図10
Description
本発明はケモカインCCL5発現抑制剤、特にビタミンK関連化合物を有効成分とする抑制剤に関する。
ケモカインCCL5は、炎症性疾患の制御と局所免疫細胞の維持に関与しているCCケモカインである。CCL5にはステージ特異性があり、炎症状態において炎症の後期に発現が誘導される誘導性CCL5と、非炎症状態において恒常的に発現している恒常性CCL5がある(非特許文献1)。誘導性CCL5の発現抑制は炎症抑制に重要であり、恒常性CCL5の発現制御は免疫細胞の制御に重要であることから(非特許文献1)、ステージ特異性に則したCCL5の発現制御により様々な有用性が期待できる。しかし、ステージ特異性に則したCCL5の制御方法はこれまでに実現されていない。
一方、EGFR(上皮成長因子受容体)阻害剤は、結腸癌、直腸癌ならびに頭頸部、肺、膵臓、乳房の悪性腫瘍に使用される効果的な分子標的薬である。EGFRは上皮成長因子(EGF)が細胞外ドメインに結合することで細胞内ドメインがコンフォメーション変化するためATPがチロシンキナーゼ(TK)ドメインに入り、チロシン残基がリン酸化され活性化される。活性化EGFRは下流のMAPK経路とAKT経路によって腫瘍細胞の増殖、転移、接着、血管新生、およびアポトーシスの阻害を増強する。多くの腫瘍は、正常組織に比較して、感受性が高い変異EGFRを過剰に発現していることから、EGFR阻害剤によってEGFRの活性化を抑制することで腫瘍細胞の増殖、転移、接着、血管新生、およびアポトーシスの阻害が抑制されることになる。これが腫瘍細胞増殖機構の1つと考えられている。
EGFR阻害剤にはチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)(ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ)と細胞外ドメインのモノクローナル抗体薬(セツキシマブとパニツムマブ)の2つのカテゴリーがあり、いずれも皮膚障害の副作用の出現頻度が極めて高く、治療中断の大きな原因であり、患者のQOLやアドヒアランスの大きな障害となっている(非特許文献2)。
EGFRは正常皮膚組織においても上皮細胞などに分布しており、EGFR阻害剤によって皮膚のEGFR活性が著しく阻害されると、ケラチノサイトの角化異常が起こり、それに加えて上皮細胞から産生されるケモカインにより炎症が起こり、様々な皮膚障害が惹起されると考えられている。このEGFR阻害剤誘発性皮膚発疹の管理には抗生物質、外用ステロイド薬、保湿による対症療法が中心であり、効果は限定的である(非特許文献3)。依然として重度の皮膚障害に苦しむ患者がおり、より効果的な治療法が切望されている。
一方、EGFR(上皮成長因子受容体)阻害剤は、結腸癌、直腸癌ならびに頭頸部、肺、膵臓、乳房の悪性腫瘍に使用される効果的な分子標的薬である。EGFRは上皮成長因子(EGF)が細胞外ドメインに結合することで細胞内ドメインがコンフォメーション変化するためATPがチロシンキナーゼ(TK)ドメインに入り、チロシン残基がリン酸化され活性化される。活性化EGFRは下流のMAPK経路とAKT経路によって腫瘍細胞の増殖、転移、接着、血管新生、およびアポトーシスの阻害を増強する。多くの腫瘍は、正常組織に比較して、感受性が高い変異EGFRを過剰に発現していることから、EGFR阻害剤によってEGFRの活性化を抑制することで腫瘍細胞の増殖、転移、接着、血管新生、およびアポトーシスの阻害が抑制されることになる。これが腫瘍細胞増殖機構の1つと考えられている。
EGFR阻害剤にはチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)(ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ)と細胞外ドメインのモノクローナル抗体薬(セツキシマブとパニツムマブ)の2つのカテゴリーがあり、いずれも皮膚障害の副作用の出現頻度が極めて高く、治療中断の大きな原因であり、患者のQOLやアドヒアランスの大きな障害となっている(非特許文献2)。
EGFRは正常皮膚組織においても上皮細胞などに分布しており、EGFR阻害剤によって皮膚のEGFR活性が著しく阻害されると、ケラチノサイトの角化異常が起こり、それに加えて上皮細胞から産生されるケモカインにより炎症が起こり、様々な皮膚障害が惹起されると考えられている。このEGFR阻害剤誘発性皮膚発疹の管理には抗生物質、外用ステロイド薬、保湿による対症療法が中心であり、効果は限定的である(非特許文献3)。依然として重度の皮膚障害に苦しむ患者がおり、より効果的な治療法が切望されている。
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本発明者らは、抗癌効果を有するEGFR阻害剤で処理されたヒト皮膚ケラチノサイトでは、ケモカインCCL5発現が誘導され、同時にUBIAD1(活性型ビタミンK2(MKH)生合成酵素)の発現が低下することを見出した。
また、ヒト皮膚ケラチノサイトにおいてUBIAD1の欠損だけでなく、ビタミンK依存性タンパク質(VKDP)のグルタミン酸残基(Glu VKDP)をγ-カルボキシグルタミン酸残基(Gla VKDP)に翻訳後修飾する酵素γ-グルタミルカルボキシラーゼ(GGCX)の欠損においてもCCL5発現が亢進することを見出した。
そして、ケモカインCCL5発現とビタミンKの関係に注目し、炎症性の誘導性CCL5の発現抑制に対し、MKH誘導体、ビタミンK1ヒドロキノン誘導体(PKH誘導体)及びキノン型ビタミンK2(メナキノン-4、MK-4)の投与を行い、CCL5発現に伴う障害の改善を図ることを試みた。
本発明は、ケモカインCCL5発現と活性型ビタミンK(MKHとPKH)の相関に関する新規な知見に基づきなされたものであり、その解決すべき課題は新規なケモカインCCL5発現抑制剤を提供することにある。
また、ヒト皮膚ケラチノサイトにおいてUBIAD1の欠損だけでなく、ビタミンK依存性タンパク質(VKDP)のグルタミン酸残基(Glu VKDP)をγ-カルボキシグルタミン酸残基(Gla VKDP)に翻訳後修飾する酵素γ-グルタミルカルボキシラーゼ(GGCX)の欠損においてもCCL5発現が亢進することを見出した。
そして、ケモカインCCL5発現とビタミンKの関係に注目し、炎症性の誘導性CCL5の発現抑制に対し、MKH誘導体、ビタミンK1ヒドロキノン誘導体(PKH誘導体)及びキノン型ビタミンK2(メナキノン-4、MK-4)の投与を行い、CCL5発現に伴う障害の改善を図ることを試みた。
本発明は、ケモカインCCL5発現と活性型ビタミンK(MKHとPKH)の相関に関する新規な知見に基づきなされたものであり、その解決すべき課題は新規なケモカインCCL5発現抑制剤を提供することにある。
前述のとおり、本発明者等はメナキノン-4及び特定の構造を有するビタミンKヒドロキノン誘導体が、CCL5発現の抑制機能に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかるケモカインCCL5発現抑制剤は、メナキノン-4及び/または下記一般式(1)で表される。
一般式(1)
一般式(1)
(式中、R1およびR2はそれぞれ水素原子、またはグリシン、N-アシルグリシン、N-アルキルグリシン、N,N-ジアルキルグリシン、N,N,N-トリアルキルグリシン、アシル、ジカルボン酸ヘミエステル及びその塩、ジカルボン酸アルコールエステルから選ばれる置換基を意味する。R3は下記一般式(2)
もしくは下記一般式(3)
で示される基を表す。n は1~7の整数を意味する。)で表される活性型ビタミンKのカルボン酸エステル類またはその塩を有効成分とすることを特徴とする。
なお、ビタミンKと皮膚の相関に関しては、Beierらは、ビタミンK3によってHaCaT細胞を100μM, 15min間処理処理することで、ホスファターゼ阻害作用によりErbB (EGFRを含む受容体チロシンキナーゼファミリー)を活性化することを報告している(非特許文献4)。
Perez-Soler とLingは、ビタミンK類による皮膚局所治療により皮膚のEGFRを活性化することでEGFR阻害剤の全身作用から皮膚を保護し、EGFR阻害剤による皮膚障害を予防・治療する方法を開示している[特許文献1]。 A431ヒト扁平上皮癌細胞におけるE G F Rの活性化作用は、ビタミンK3(メナジオン)が最も強く(100μM)、ビタミンK1(フィロキノン)がその1/10(1000μM)であり、ビタミンK2(メナキノン-4)には活性化作用が無いと記されている。この時、ビタミンK3はフォスファターゼ阻害作用を示しEGFR活性体の分解(脱リン酸化)を抑制することでEGFR活性を確保し皮膚障害を予防・治療する。この発明者らは、2011年に特許内容を元にClinical Cancer Researchに研究論文を発表した(非特許文献5)。しかしながら、2013年に公表されたデータへの疑義により、掲載は撤回されている。
この内容をもとに、ビタミンK3とビタミンK1の皮膚外用によるEGFRモノクローナル抗体(セツキシマブ)による皮膚障害の予防・治療の臨床試験が行われている。ビタミンK3を用いたセツキシマブ投与患者における臨床試験では効果がないと判定された(非特許文献6)。また、ビタミンK3は毒性が高く試験が中断されている。
ビタミンK1の臨床試験では、効果がないとするものと有効とするものが混在しており(非特許文献7)、最近の臨床試験(EVITA)では、女性に有効であることが示されている(非特許文献8)。しかし、EGFR-TKI関連皮膚発疹に対するビタミンK3とビタミンK1の有効性に関する報告はない。
本発明は、メナキノン-4、ないし前記一般式(1)で表されるビタミンKヒドロキノンのカルボン酸エステルまたはその塩の少なくとも一種類を有効成分としたケモカインCCL5発現抑制剤であり、活性型ビタミンKをケモカイン発現細胞に送達させ、誘導性CCL5の発現を抑制して皮膚障害の発生などを抑制し、また恒常性CCL5の発現を抑制してがん転移を予防し、しかもビタミンK類は安全性が高い。
前記一般式(1)で表される化合物は、単独で製剤に含有させることもできるし、その塩として製剤に配合することもできる。本発明において、カルボン酸残基R1、R2としては、窒素置換基を有するカルボン酸残基またはジカルボン酸残基が例示される。
窒素置換基を有するカルボン酸残基としては、窒素原子に対し水素原子ないし、1または2のアルキル基、アシル基が結合したものが挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1~6の直鎖、もしくは分枝のアルキル基であり次のものが例示される。メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、1-メチルプロピル基、tert-ブチル基、1-エチルプロピル基、イソアミル基。上記アルキル基としてはメチル基、エチル基が好ましい。また、アシル基を有する場合の炭化水素鎖も同様に定義可能である。
窒素置換基を有するカルボン酸残基としては、窒素原子に対し水素原子ないし、1または2のアルキル基、アシル基が結合したものが挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1~6の直鎖、もしくは分枝のアルキル基であり次のものが例示される。メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、1-メチルプロピル基、tert-ブチル基、1-エチルプロピル基、イソアミル基。上記アルキル基としてはメチル基、エチル基が好ましい。また、アシル基を有する場合の炭化水素鎖も同様に定義可能である。
アミノ基とカルボニル基の間は、好ましくは炭素数1~7の直鎖、分枝または環状のアルキレン基で結合される。分枝状のアルキレン基としては、次のものが例示される。イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、1-エチルプロピルなどのアルキル基から誘導されたもの。
前記環状アルキレン基としては、次のものが例示される。
シクロペンタン環、シクロヘキサン環、あるいはメチルシクロヘキサン環などを構造中に含むもの。上記アルキレン基としては、メチレン基あるいはエチレン基が特に好ましい。
前記環状アルキレン基としては、次のものが例示される。
シクロペンタン環、シクロヘキサン環、あるいはメチルシクロヘキサン環などを構造中に含むもの。上記アルキレン基としては、メチレン基あるいはエチレン基が特に好ましい。
ハロゲン化水素酸塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩などが好ましい。本発明において、ハロゲン化水素酸塩は結晶化ないし固形化する場合が多く、製剤にあたっての取り扱いが容易になるという利点がある。その他の塩としては次のものが例示される。アルキルスルホン酸塩としてはメタンスルホン酸塩等、糖酸塩としてはグルコン酸塩、グルコヘプタン酸塩、ラクトビオン酸塩等。
本発明において、ジカルボン酸残基R1、R2は、ジカルボン酸及びそのアルカリ金属塩またはメグルミン塩の残基から選ばれる。ジカルボン酸残基のカルボニル基間は炭素数2~4の直鎖のアルキレン基で結合される。アルキレン基としては、エチレン基またはプロピレン基が特に好ましい。アルカリ金属塩としてナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
本発明において、ジカルボン酸ダブルエステルはジカルボン酸残基のカルボニル基間は炭素数2~4の直鎖のアルキレン基で結合される。アルキレン基としては、エチレン基またはプロピレン基が特に好ましい。ダブルエステルのアルコール残基は炭素1~3のアルキル基が好ましく特にエチル基が好ましい。
また、本発明において、一般式(1)で表される化合物の製造方法は種々考えられるが,代表的な方法を述べれば以下の通りである。
一般式(5)で表されるビタミンK類を還元剤で還元し、一般式(6)で表されるビタミンKヒドロキノンとし、この ビタミンKヒドロキノンと、窒素置換基を有するカルボン酸、若しくはその反応性酸誘導体またはこれらのハロゲン化水素酸塩、または酸無水物とを常法によりエステル化反応を行なうことにより、本発明の目的物質(1)を得ることができる。ここで用いられる還元剤はビタミンK類のナフトキノン骨格をナフトヒドロキノン骨格に還元するものであり、水素化ホウ素ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム、トリ-n-ブチルホスフィン、塩化亜鉛、塩化第一スズ、亜鉛末などを挙げることができる。
ビタミンKヒドロキノンのエステル化反応は常法に従うが、1級、2級アミノ基あるいは側鎖に水酸基、チオール基を有するアミノ酸のエステル化を行なう際は、tert-ブトキシカルボニル基(以下 t-BOC 基と略記) 、ベンジルオキシカルボニル基(以下Z基と略記)、9-フルオレニルメトキシカルボニル基(以下FMOC基と略記)などの適切な保護基で保護して用い、N,N-ジアルキルアミノ酸はハロゲン化水素酸塩を用いて、ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下DCC と略記) 、N,N-ジサクシニミドオキザレート(以下DSO と略記) などの活性エステル化試薬の存在下に反応を行なうことが好ましい結果を与える。この際溶媒としては無水ピリジンが好ましい。また、反応性酸誘導体を用いる方法では、酸ハロゲナイトとりわけ、酸クロリドを用いる方法が好ましい結果を与える。この際溶媒としては無水ベンゼン-無水ピリジン混合物が好ましい。ハロゲン化水素酸塩、アルキルスルホン酸塩、糖酸塩は常法により遊離のビタミンKヒドロキノン窒素含有カルボン酸エステルとハロゲン化水素酸、アルキルスルホン酸、酸性糖のラクトン体を反応させて製造する。また、 N-アシルアミノ酸エステルを製造した後、常法によりハロゲン化水素酸で脱保護基化することによってハロゲン化水素酸塩を製造することができる。
なお、ジカルボン酸ヘミエステルは、一般式(5)で表されるビタミンK類を酢酸酸性下、亜鉛末、酸無水物と触媒(酢酸ナトリウムあるいは4ジメチルアミノピリジン)を加熱下反応させビタミンKヒドロキノンカルボン酸ヘミエステル化させて製造することができる。
なお、ジカルボン酸ダブルエステルは、一般式(5)で表されるビタミンK類を酢酸酸性下、亜鉛末、酸無水物と触媒(酢酸ナトリウムあるいは4ジメチルアミノピリジン)を加熱下反応させビタミンKヒドロキノンカルボン酸ヘミエステルとし、さらに酸性触媒下、アルコールでエステル化させて得る。また、上記一般式(1)で得られたビタミンKヒドロキノンカルボン酸ヘミエステルを酸性触媒下、アルコールでエステル化させて得る。
本発明のビタミンKヒドロキノン誘導体は投与剤型の自由度が高く、経口投与、経皮投与、経鼻投与、注射投与などが採用できる。添加剤として、等張化剤、緩衝剤、pH調節剤、可溶化剤、増粘剤(分散剤)、粘膜付着剤、安定化剤(抗酸化剤)、保存剤(防腐剤)、吸収促進剤等を適宜配合することにより、周知の方法で製剤化することができる。また、pH調節剤、増粘剤、分散剤等を添加し、薬物を懸濁化させることによって、安定な点眼剤や点鼻液剤を得ることもできる。
等張化剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されず、例えば、イオン性等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が挙げられ、非イオン性等張化剤としてはグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されず、例えば、リン酸、リン酸塩、クエン酸、酢酸若しくはε-アミノカプロン酸等を挙げることができる。
pH調節剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されず、例えば、塩酸、リン酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ酸、ホウ砂、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。点眼剤のpHは眼科製剤に許容される範囲内にあればよいが、4.0~9.0であり、より好ましくは5.5~8.5となる範囲が挙げられる。
可溶化剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されず、例えば、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ビタミンE TPGS、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
増粘剤、分散剤及び粘膜付着剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されず、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系高分子;ポリビニルアルコール;又はポリビニルピロリドン等を挙げることができる。
安定化剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されず、例えば、エデト酸、エデト酸一ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられ、エデト酸ナトリウムは水和物であってもよい。
抗酸化剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されず、例えば、アスコルビン酸、ビタミンE、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
保存剤(防腐剤)としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されず、例えば、ベンザルコニウム塩化物、ベンザルコニウム臭化物、ベンゼトニウム塩化物、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール等が挙げられ、これらの保存剤を組み合わせて使用することもできる。
なお、本発明にかかるケモカインCCL5発現抑制剤をEGFR阻害剤による皮膚障害の支持療法として用いる場合、クリーム、軟膏、スプレー剤などの皮膚外用剤として用いることが好適である。
また、恒常性CCL5発現抑制に用いる場合には、肺をターゲットとする吸引剤として用いることが好適である。
さらにアレルギー性炎症においてもCCL5(RANTES)が高く発現することが示されており、その抑制に本発明のケモカインCCL5発現抑制剤を用いる場合には、皮膚外用剤または吸引剤として用いることが好適である。
なお、本発明にかかるケモカインCCL5発現抑制剤をEGFR阻害剤による皮膚障害の支持療法として用いる場合、クリーム、軟膏、スプレー剤などの皮膚外用剤として用いることが好適である。
また、恒常性CCL5発現抑制に用いる場合には、肺をターゲットとする吸引剤として用いることが好適である。
さらにアレルギー性炎症においてもCCL5(RANTES)が高く発現することが示されており、その抑制に本発明のケモカインCCL5発現抑制剤を用いる場合には、皮膚外用剤または吸引剤として用いることが好適である。
以上説明したように本発明にかかるケモカインCCL5発現抑制剤は、メナキノン-4ないし特定のビタミンK誘導体によりCCL5発現を抑制し、CCL5発現に伴う各種障害の改善を行うことができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細な説明を行う。
本発明者らは、EGFR阻害剤の抗腫瘍作用とその副作用に関し検討を行う過程で、CCL5発現とビタミンK誘導体の関係について知見を得た。
すなわち、図1に示すように、EGF(上皮成長因子)が細胞膜上にある上皮成長因子受容体(EGFR)に結合すると、細胞を分化、増殖させる。正常組織において、細胞の分化、発達、増殖等に重要な役割を果たしているが、このEGFRに異常を生じると、発癌、癌の増殖、浸潤、転移などに関与する。
このため、癌細胞のEGFRを阻害することで抗癌効果を期待することができる。
EGFR阻害剤は優れた分子標的薬であるが、副作用である皮膚障害の発症率が高く、治療の中断や患者のQOLあるいはアドヒアランスの大きな障害となっている。
本発明者らは、EGFR阻害剤の抗腫瘍作用とその副作用に関し検討を行う過程で、CCL5発現とビタミンK誘導体の関係について知見を得た。
すなわち、図1に示すように、EGF(上皮成長因子)が細胞膜上にある上皮成長因子受容体(EGFR)に結合すると、細胞を分化、増殖させる。正常組織において、細胞の分化、発達、増殖等に重要な役割を果たしているが、このEGFRに異常を生じると、発癌、癌の増殖、浸潤、転移などに関与する。
このため、癌細胞のEGFRを阻害することで抗癌効果を期待することができる。
EGFR阻害剤は優れた分子標的薬であるが、副作用である皮膚障害の発症率が高く、治療の中断や患者のQOLあるいはアドヒアランスの大きな障害となっている。
[EGFR阻害剤による、ヒト皮膚ケラチノサイトにおけるCCL5の発現惹起]
本発明者らは、ヒト皮膚ケラチノサイト(HaCaT細胞)にEGFR阻害剤(Gefitinib,Erlotinib,Cetuximab)を添加し、24時間培養した。24時間後の細胞を回収し、リアルタイムRT-PCRを用いてCCL5のmRNA発現を評価した。
結果を図2に示す。
図2に示す結果より、EGFR阻害剤はHaCaT細胞において、CCL5 mRNA発現を濃度依存的に増加させていることが理解され、EGFR阻害剤が炎症性の誘導性CCL5の発現を亢進することが示された。
したがって、EGFR阻害剤による副作用、特に皮膚障害は誘導性CCL5の過剰発現に起因すると考えられる。
本発明者らは、ヒト皮膚ケラチノサイト(HaCaT細胞)にEGFR阻害剤(Gefitinib,Erlotinib,Cetuximab)を添加し、24時間培養した。24時間後の細胞を回収し、リアルタイムRT-PCRを用いてCCL5のmRNA発現を評価した。
結果を図2に示す。
図2に示す結果より、EGFR阻害剤はHaCaT細胞において、CCL5 mRNA発現を濃度依存的に増加させていることが理解され、EGFR阻害剤が炎症性の誘導性CCL5の発現を亢進することが示された。
したがって、EGFR阻害剤による副作用、特に皮膚障害は誘導性CCL5の過剰発現に起因すると考えられる。
[EGFR阻害剤によるヒト皮膚ケラチノサイトにおけるUBIAD1発現抑制]
本発明者らは、HaCaT細胞にEGFR阻害剤(Gefitinib,Erlotinib)を添加し、24時間培養した。24時間後の細胞のUBIAD1タンパク発現及びmRNA発現を評価した。
結果を図3に示す。
図3より明らかなように、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬は、HaCaT細胞のUBIAD1のmRNA発現とタンパク発現を濃度依存的に抑制し、UBIAD1の発現減少により、MKHの生成低下が生じている可能性が示唆された。
本発明者らは、HaCaT細胞にEGFR阻害剤(Gefitinib,Erlotinib)を添加し、24時間培養した。24時間後の細胞のUBIAD1タンパク発現及びmRNA発現を評価した。
結果を図3に示す。
図3より明らかなように、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬は、HaCaT細胞のUBIAD1のmRNA発現とタンパク発現を濃度依存的に抑制し、UBIAD1の発現減少により、MKHの生成低下が生じている可能性が示唆された。
[EGFR阻害剤によるヒト皮膚ケラチノサイトにおけるUBIAD1発現抑制2]
本発明者らは、HaCaT細胞にEGFR阻害剤(Cetuximab)を添加し、24時間培養した。24時間後の細胞のUBIAD1タンパク発現及びmRNA発現を評価した。
結果を図4に示す。
図4に示す結果より、抗EGFRモノクローナル抗体(Cetuximab)は、HaCaT細胞のUBIAD1のmRNA発現とタンパク発現を濃度依存的に抑制し、UBIAD1の発現減少により、MKHの生成低下が生じている可能性が示唆された。
本発明者らは、HaCaT細胞にEGFR阻害剤(Cetuximab)を添加し、24時間培養した。24時間後の細胞のUBIAD1タンパク発現及びmRNA発現を評価した。
結果を図4に示す。
図4に示す結果より、抗EGFRモノクローナル抗体(Cetuximab)は、HaCaT細胞のUBIAD1のmRNA発現とタンパク発現を濃度依存的に抑制し、UBIAD1の発現減少により、MKHの生成低下が生じている可能性が示唆された。
[CCL5発現に及ぼすUBIAD1ノックダウンの影響]
本発明者らは、ヒト皮膚ケラチノサイトにおけるCCL5発現に及ぼすUBIAD1ノックダウンの影響について検討を行った。
siUBIAD1処理24時間後のHaCaT細胞におけるUBIAD1のタンパク及びmRNA発現と、CCL5 mRNA発現について評価した。
結果を図5に示す。
図5より明らかなように、UBID1のノックダウン処理により、CCL5のmRNA発現が増加し、UBIAD1によるMKHの生合成量の低下がCCL5の発現抑制に関与していることが示唆された。
このように、ヒト皮膚ケラチノサイト(HaCaT)をEGFR阻害剤(EGFR-TKIとEGFRモノクローナル抗体薬の両方)で処理することで炎症性ケモカインCCL5(誘導性CCL5)の発現が惹起され(図2)、同時にメナキノン-4(MK-4, ビタミンK2)の2電子還元体である活性型ビタミンK2(メナヒドロキノン-4、M K H)の生体内合成酵素であるUBIAD1の発現が有意に低下することを見出した(図3、4)。
本発明者らは、ヒト皮膚ケラチノサイトにおけるCCL5発現に及ぼすUBIAD1ノックダウンの影響について検討を行った。
siUBIAD1処理24時間後のHaCaT細胞におけるUBIAD1のタンパク及びmRNA発現と、CCL5 mRNA発現について評価した。
結果を図5に示す。
図5より明らかなように、UBID1のノックダウン処理により、CCL5のmRNA発現が増加し、UBIAD1によるMKHの生合成量の低下がCCL5の発現抑制に関与していることが示唆された。
このように、ヒト皮膚ケラチノサイト(HaCaT)をEGFR阻害剤(EGFR-TKIとEGFRモノクローナル抗体薬の両方)で処理することで炎症性ケモカインCCL5(誘導性CCL5)の発現が惹起され(図2)、同時にメナキノン-4(MK-4, ビタミンK2)の2電子還元体である活性型ビタミンK2(メナヒドロキノン-4、M K H)の生体内合成酵素であるUBIAD1の発現が有意に低下することを見出した(図3、4)。
[CCL5発現に及ぼすGGCXノックダウンの影響]
本発明者らは、ヒト皮膚ケラチノサイトにおけるCCL5発現に及ぼすGGCXノックダウンの影響について検討を行った。
HaCaT細胞にsiGGCX処理を行い、24時間後のGGCX,CCL5のmRNA発現量を測定した。
結果を図6に示す。
同図より、HaCaT細胞において、GGCXノックダウンにより、CCL5 mRNA発現が増加していることが理解され、VK依存性Glaタンパク質はCCL5の発現を抑制していることが示唆される。
本発明者らは、ヒト皮膚ケラチノサイトにおけるCCL5発現に及ぼすGGCXノックダウンの影響について検討を行った。
HaCaT細胞にsiGGCX処理を行い、24時間後のGGCX,CCL5のmRNA発現量を測定した。
結果を図6に示す。
同図より、HaCaT細胞において、GGCXノックダウンにより、CCL5 mRNA発現が増加していることが理解され、VK依存性Glaタンパク質はCCL5の発現を抑制していることが示唆される。
また、前記図5及び図6に示すように、CCL5の発現は、UBIAD1とGGCXのいずれか一方が欠損することで誘導され、誘導性CCL5の発現抑制にはUBIAD1とGGCXの両方の機能が必要であることが示唆される。すなわち、活性型ビタミンKがGGCXの補因子として機能しビタミンK依存性タンパク質翻訳後修飾されることでCCL5の発現が抑制されることが示唆されている。
[GGCX発現に及ぼすEGFR阻害剤の影響]
本発明者らは、ヒト皮膚ケラチノサイトにおけるGGCX発現に及ぼすEGFR阻害剤の影響について検討を行った。
すなわち、HaCaT細胞にGefitinibを添加し、24時間培養した。24時間後の細胞を回収し、非カルボキシル化マトリックスGlaタンパク質(ucMGP)発現量(ELISA法)とGGCX mRNA発現(リアルタイムRT-PCR法)を評価した。
結果を図7に示す。
同図より、EGFR阻害剤はHaCaT細胞のGGCX mRNA発現には影響せず、一方、ucMGPの増加すなわちMGPの翻訳後修飾が低下したことから、EGFR阻害剤はMKHの生成低下によるMKH供給のみを低下させることが示唆された。
本発明者らは、ヒト皮膚ケラチノサイトにおけるGGCX発現に及ぼすEGFR阻害剤の影響について検討を行った。
すなわち、HaCaT細胞にGefitinibを添加し、24時間培養した。24時間後の細胞を回収し、非カルボキシル化マトリックスGlaタンパク質(ucMGP)発現量(ELISA法)とGGCX mRNA発現(リアルタイムRT-PCR法)を評価した。
結果を図7に示す。
同図より、EGFR阻害剤はHaCaT細胞のGGCX mRNA発現には影響せず、一方、ucMGPの増加すなわちMGPの翻訳後修飾が低下したことから、EGFR阻害剤はMKHの生成低下によるMKH供給のみを低下させることが示唆された。
[MK-4、MKH誘導体のMKH送達性]
次に、本発明者らはCCL5抑制効果のメカニズムを解明するために、細胞内への活性型ビタミンK(MKHとPKH)送達性を評価した。
本発明において、活性型ビタミンK(MKHとPKH)の前駆体となりえる活性型ビタミンKヒドロキノン誘導体として、下記のものを評価した。
次に、本発明者らはCCL5抑制効果のメカニズムを解明するために、細胞内への活性型ビタミンK(MKHとPKH)送達性を評価した。
本発明において、活性型ビタミンK(MKHとPKH)の前駆体となりえる活性型ビタミンKヒドロキノン誘導体として、下記のものを評価した。
結果を図8に示す。
図8より明らかなように、MKH誘導体及びMK-4はいずれもEGFR阻害剤処理ケラチノサイト中のMKHレベルを高くできることが確認された。
[誘導性CCL5に対するMKH誘導体及びMK-4の発現抑制効果]
本発明者らは、HaCaT細胞にMK-4、MKH-DMG、MKH-SUC、PK(各3μM)を添加後24時間培養し、培地をEGFR阻害剤(Gefitinib 1μM、Erlotinib 1μM、Cetuximab 100μg/ml)添加培地に置換し、24時間培養した。リアルタイムRT-PCRを用いて,CCL5 mRNA発現をE L I S AによりCCL5タンパク質を評価した。
結果を図9に示す。
同図より明らかなように、MK-4、MKH誘導体は、EGFR-TKIによる誘導性CCL5を低減させ、また抗EGFRモノクローナル抗体による誘導性CCL5を低下させた。
本発明者らは、HaCaT細胞にMK-4、MKH-DMG、MKH-SUC、PK(各3μM)を添加後24時間培養し、培地をEGFR阻害剤(Gefitinib 1μM、Erlotinib 1μM、Cetuximab 100μg/ml)添加培地に置換し、24時間培養した。リアルタイムRT-PCRを用いて,CCL5 mRNA発現をE L I S AによりCCL5タンパク質を評価した。
結果を図9に示す。
同図より明らかなように、MK-4、MKH誘導体は、EGFR-TKIによる誘導性CCL5を低減させ、また抗EGFRモノクローナル抗体による誘導性CCL5を低下させた。
[EGFR阻害剤による誘導性CCL5発現に対する活性型ビタミンKヒドロキノン送達剤の効果]
以上の試験結果より、EGFR阻害剤による副作用に対する、ビタミンK投与による軽快について、図10に示すスキームが立てられる。
すなわち、EGFR阻害剤非投与における正常な場合、還元型ビタミンK3とゲラニルゲラニルピロリン酸(GGPP)から、UBIAD1の酵素作用によりMKHが生合成され、MKHはGGCXの補因子としてGlu VKDPをGla VKDPに翻訳後修飾し、Gla VKDPがCCL5の生成を抑制している。この時、MKHは化学量論的にMKOに代謝される。
EGFR阻害剤未処理のヒト皮膚ケラチノサイトのUBIAD1をsiUBIAD1でノックダウンするとCCL5発現が有意に高くなり、UBIAD1の低下によってCCL5の発現が亢進されることが明らかになった(図5)。また、EGFR阻害剤未処理のヒト皮膚ケラチノサイトのGGCXをsiGGCXでノックダウンするとCCL5発現が有意に高くなり、GGCXの低下によってCCL5の発現が亢進されることが明らかになった(図6)。
以上の試験結果より、EGFR阻害剤による副作用に対する、ビタミンK投与による軽快について、図10に示すスキームが立てられる。
すなわち、EGFR阻害剤非投与における正常な場合、還元型ビタミンK3とゲラニルゲラニルピロリン酸(GGPP)から、UBIAD1の酵素作用によりMKHが生合成され、MKHはGGCXの補因子としてGlu VKDPをGla VKDPに翻訳後修飾し、Gla VKDPがCCL5の生成を抑制している。この時、MKHは化学量論的にMKOに代謝される。
EGFR阻害剤未処理のヒト皮膚ケラチノサイトのUBIAD1をsiUBIAD1でノックダウンするとCCL5発現が有意に高くなり、UBIAD1の低下によってCCL5の発現が亢進されることが明らかになった(図5)。また、EGFR阻害剤未処理のヒト皮膚ケラチノサイトのGGCXをsiGGCXでノックダウンするとCCL5発現が有意に高くなり、GGCXの低下によってCCL5の発現が亢進されることが明らかになった(図6)。
以上から、CCL5の発現は、UBIAD1とGGCXのどちらか一方が欠損することで誘導されることが明らかであり、誘導性CCL5の発現抑制にはUBIAD1とGGCXの機能が必要であることが明らかとなった。すなわちMKHとVK依存性Glaタンパク質の低下のどちらか一方あるいは両方の低下によって誘導性CCL5の発現が亢進され、MKHとVK依存性Glaタンパク質の両方の供給あるいはVK依存性Glaタンパク質の供給によって誘導性CCL5の発現が抑制できることが強く示唆された。
EGFR阻害剤によってヒト皮膚ケラチノサイト中のGGCXの発現は変化せず、(図7)、EGFR阻害剤によってVK依存性タンパク質の翻訳後修飾は変化しないことが明らかである。従って、EGFR阻害剤投与した皮膚角化細胞では、主としてUBIAD1の低下によるMKH生合成の低下によってVK依存性Glaタンパク質が低下することで誘導性CCL5が高くなっており、細胞内MKHレベルを人工的に確保することでEGFR阻害剤による誘導性CCL5の抑制が可能であると考えられた。そこで、以下のMKH誘導体およびMK-4を用いてヒト皮膚ケラチノサイト中のMKHを高くし(図8)、EGFR阻害剤による誘導性CCL5に対するMKH誘導体およびMK-4の投与の影響を検討した。MKH誘導体およびMK-4は、明らかに誘導性CCL5の発現を有意に抑制できることを発見した(図9)。
以上をまとめると、図10に示すようにEGFR-TKIとモノクローナル抗体の両方のEGFR阻害剤によりヒト皮膚ケラチノサイト中のUBIAD1の発現が低下し、GGCXの補因子であるMKHの生合成が低下するためVK依存性タンパク質の翻訳後修飾が低下しVK依存性Glaタンパク質が低下することで誘導性CCL5の発現が高くなる。EGFR阻害剤皮膚障害モデルに対してMKH誘導体やMK-4の投与により低下したMKHを細胞に送達することで低下したVK依存性Glaタンパク質生成を亢進することにより誘導性CCL5の発現が抑制されることが明らかである。すなわち、MKH誘導体やMK-4によるケラチノサイトへのMKH送達することでVK依存性Glaタンパク質生成の亢進はEGFR-TKIとモノクローナル抗体の両方のEGFR阻害剤の皮膚障害を抑制する方法を提供することになる。また、VK依存性Glaタンパク質をケラチノサイトに直接供給することによってもEGFR-TKIとモノクローナル抗体の両方のEGFR阻害剤の皮膚障害を抑制する方法を提供することになる。これらの方法はこれまでに明らかにされず本研究で初めて明らかになった。
EGFR阻害剤投与では、UBIAD1の発現が抑制されるためMKHの生成が低下し、Gla VKDPの生成が減少する。Gla VKDPはCCL5の発現抑制を行っているため、Gla VKDPの減少によりCCL5の発現量が増加し、各種障害を誘発する。
GGCXの補因子としてMKH以外にビタミンK1ヒドロキノン(PKH)も補因子として機能できるので、活性型ビタミンK(MKHとPKH)を外部より供給し、MKH量を増加させれば、GGCXの作動によりGla VKDPの生成量が増加し、CCL5の発現を抑制することができる。活性型ビタミンK(MKHとPKH)は極めて酸化され易い為、投与することはできない。本発明者はMKH誘導体、PKH誘導体、キノン型MK-4の投与によってCCL5の発現抑制を可能にした。
GGCXの補因子としてMKH以外にビタミンK1ヒドロキノン(PKH)も補因子として機能できるので、活性型ビタミンK(MKHとPKH)を外部より供給し、MKH量を増加させれば、GGCXの作動によりGla VKDPの生成量が増加し、CCL5の発現を抑制することができる。活性型ビタミンK(MKHとPKH)は極めて酸化され易い為、投与することはできない。本発明者はMKH誘導体、PKH誘導体、キノン型MK-4の投与によってCCL5の発現抑制を可能にした。
[恒常性CCL5の発現抑制効果]
非炎症時の恒常性CCL5に関して、非免疫組織における恒常性CCL5の発現を低下させると、T細胞とナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性化状態を獲得し、癌の転移や増殖を抑制することが知られている。
このため、恒常性CCL5の発現抑制は、効果的な癌免疫療法を提供することになり、恒常性CCL5発現抑制剤が望まれている。
本発明者らは以下に恒常性CCL5の発現抑制効果について検討を行った。
非炎症時の恒常性CCL5に関して、非免疫組織における恒常性CCL5の発現を低下させると、T細胞とナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性化状態を獲得し、癌の転移や増殖を抑制することが知られている。
このため、恒常性CCL5の発現抑制は、効果的な癌免疫療法を提供することになり、恒常性CCL5発現抑制剤が望まれている。
本発明者らは以下に恒常性CCL5の発現抑制効果について検討を行った。
[非炎症性細胞への活性型ビタミンK(VKH)送達性]
本発明者らはHaCaT細胞にMK-4、MKH-DMG、MKH-SUC、PK、PKH-SUC(5μM)を添加し、72時間経過までの細胞内ビタミンKエポキシド(MKO, PKO)量を測定し、活性体(MKHとPKH)の送達性を評価した。
結果を図11に示す。
同図より明らかなように、MK-4、MKH誘導体はいずれも非炎症性細胞へ活性体MKHを送達されることが示された。PKH誘導体はPKH-SUCが効率的に活性体PKHを送達できることが示された。
本発明者らはHaCaT細胞にMK-4、MKH-DMG、MKH-SUC、PK、PKH-SUC(5μM)を添加し、72時間経過までの細胞内ビタミンKエポキシド(MKO, PKO)量を測定し、活性体(MKHとPKH)の送達性を評価した。
結果を図11に示す。
同図より明らかなように、MK-4、MKH誘導体はいずれも非炎症性細胞へ活性体MKHを送達されることが示された。PKH誘導体はPKH-SUCが効率的に活性体PKHを送達できることが示された。
[恒常性CCL5タンパク質発現に対するVKH誘導体の効果]
本発明者らはHaCaT細胞にMK-4、MKH-DMG、MKH-SUC、PK、PKH-SUCをそれぞれ1,3,10μM添加し、24時間培養した。培養後に細胞中のCCL5 mRNA発現及び上清中のCCL5タンパク質発現を評価した。
結果を図12に示す。
同図より明らかなように、各VKH誘導体は、おおよそ濃度依存的にCCL5タンパク質発現を抑制した。
本発明者らはHaCaT細胞にMK-4、MKH-DMG、MKH-SUC、PK、PKH-SUCをそれぞれ1,3,10μM添加し、24時間培養した。培養後に細胞中のCCL5 mRNA発現及び上清中のCCL5タンパク質発現を評価した。
結果を図12に示す。
同図より明らかなように、各VKH誘導体は、おおよそ濃度依存的にCCL5タンパク質発現を抑制した。
[恒常性CCL5の発現抑制効果]
非炎症時の恒常性CCL5に関して、非免疫組織における恒常性CCL5の発現を低下するとT細胞とナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性化状態を獲得し、がんの転移や増殖を抑制することが明らかにされ、非免疫組織での抗腫瘍免疫細胞の機能特性の調整におけるCCL5の新たな役割が明らかにされた。すなわち、恒常性CCL5の発現抑制は、効果的ながん免疫療法を提供することになり、恒常性CCL5発現抑制剤が望まれている。[非特許論文1]
非炎症時の恒常性CCL5に関して、非免疫組織における恒常性CCL5の発現を低下するとT細胞とナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性化状態を獲得し、がんの転移や増殖を抑制することが明らかにされ、非免疫組織での抗腫瘍免疫細胞の機能特性の調整におけるCCL5の新たな役割が明らかにされた。すなわち、恒常性CCL5の発現抑制は、効果的ながん免疫療法を提供することになり、恒常性CCL5発現抑制剤が望まれている。[非特許論文1]
そこで、図11及び12により、恒常性CCL5発現が有意に低下し、VKH送達剤には恒常性CCL5の低下作用を有することを明らかとした。また、VKHの細胞内送達によって細胞内VK依存性Glaタンパク質レベルを高くすることでCCL5が低下したことが明らかである。VK依存性Glaタンパク質の細胞内送達によりCCL5発現の抑制が可能であることが示された。
以上の結果、VKH送達剤は非免疫細胞における恒常性CCL5の発現抑制を可能にできることから、非免疫組織におけるNK細胞の活性化をもたらすことで、新たながん免疫療法として機能できることが示された。
また、EGFR阻害剤を投与した際にも、EGFR阻害剤の抗癌作用には何ら影響を及ぼさずに副作用を軽減し、ビタミンK誘導体の安全性も極めて高い。
また、EGFR阻害剤を投与した際にも、EGFR阻害剤の抗癌作用には何ら影響を及ぼさずに副作用を軽減し、ビタミンK誘導体の安全性も極めて高い。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
実施例1~34
下記の製造方法A~Iに示す方法により表1~5に示すビタミンKヒドロキノン誘導体を製造した。また、得られた物質の質量スペクトル(イオン化方法;FD法およびFAB法)、1H-NMR スペクトルを表6~8に示す。
実施例1~34
下記の製造方法A~Iに示す方法により表1~5に示すビタミンKヒドロキノン誘導体を製造した。また、得られた物質の質量スペクトル(イオン化方法;FD法およびFAB法)、1H-NMR スペクトルを表6~8に示す。
製造方法A
アミノ酸0.1 molを蒸留水-ジオキサン(1:1、v/v) 100mlに溶解し、トリエチルアミン30 mlを加え、ジ-tert-ブチルジカルボネートを徐々に加え30分間室温で撹拌する。減圧下ジオキサンを留去し、炭酸水素ナトリウム水溶液(0.5M)50 mlを加え酢酸エチル100 mlで洗う。酢酸エチル層を50 mlの炭酸水素ナトリウム液で洗い、水層を合わせて氷冷下でクエン酸水溶液(0.5M)を加えて酸性(pH3)とし、塩化ナトリウムを飽和させた後、酢酸エチルで抽出する(100 ml×3回)、抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下溶媒を留去し、油状残渣をイソプロピルエーテルを加えるか、または冷却にて結晶化させて、N-t-BOC-アミノ酸を得る。ビタミンK6.75 mmolをイソプロピルエーテル40 mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム47 mmolをメタノール15 mlに溶解して加え、溶液の黄色が無色になるまで室温で撹拌する。反応液にイソプロピルエーテル60 mlと蒸留水100 mlを加え、イソプロピルエーテル層を分離し、更に水層にイソプロピルエーテル100 mlを加えて可溶画分を抽出し、イソプロピルエーテル層を合わせて無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下濃縮する。残渣に n-ヘキサンを加えて白色沈殿を析出させてビタミンKヒドロキノンを得る。
アミノ酸0.1 molを蒸留水-ジオキサン(1:1、v/v) 100mlに溶解し、トリエチルアミン30 mlを加え、ジ-tert-ブチルジカルボネートを徐々に加え30分間室温で撹拌する。減圧下ジオキサンを留去し、炭酸水素ナトリウム水溶液(0.5M)50 mlを加え酢酸エチル100 mlで洗う。酢酸エチル層を50 mlの炭酸水素ナトリウム液で洗い、水層を合わせて氷冷下でクエン酸水溶液(0.5M)を加えて酸性(pH3)とし、塩化ナトリウムを飽和させた後、酢酸エチルで抽出する(100 ml×3回)、抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下溶媒を留去し、油状残渣をイソプロピルエーテルを加えるか、または冷却にて結晶化させて、N-t-BOC-アミノ酸を得る。ビタミンK6.75 mmolをイソプロピルエーテル40 mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム47 mmolをメタノール15 mlに溶解して加え、溶液の黄色が無色になるまで室温で撹拌する。反応液にイソプロピルエーテル60 mlと蒸留水100 mlを加え、イソプロピルエーテル層を分離し、更に水層にイソプロピルエーテル100 mlを加えて可溶画分を抽出し、イソプロピルエーテル層を合わせて無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下濃縮する。残渣に n-ヘキサンを加えて白色沈殿を析出させてビタミンKヒドロキノンを得る。
ビタミンKヒドロキノン、 N-t-BOC-アミノ酸13.55 mmol 、DCC 13.55 mmolを無水ピリジン50 mlに加え室温で20時間撹拌する。溶媒を減圧下留去し、残渣に酢酸エチルを加えて可溶画分を抽出する(100ml×2回)、抽出液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離溶媒; n-ヘキサン-イソプロピルエーテル)で分離精製し、ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-N-t-BOC-アミノ酸を得る。ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-N-t-BOC-アミノ酸を少量のアセトンに溶解し、塩酸-ジオキサン(2.5~4.0N) をエステル量の約20倍モル量の塩酸量に相当する量加え1時間撹拌後、減圧下溶媒を留去する。残渣をアセトン-メタノール系で再結晶してビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-アミノ酸エステルの塩酸塩を得る。
製造方法B
ビタミンK 6.75 mmolをイソプロピルエーテル40 mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム47 mmolをメタノール15 mlに溶解して加え、溶液の黄色が無色になるまで室温で撹拌する。反応液にイソプロピルエーテル60mlと蒸留水100 mlを加え、イソプロピルエーテル層を分離し、更に水層にイソプロピルエーテル100 mlを加えて可溶画分を抽出、イソプロピルエーテル層を合わせて無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下濃縮する。残渣に n-ヘキサンを加えて白色沈殿を析出させてビタミンKヒドロキノンを得る。ビタミンKヒドロキノン、塩酸N,N-ジアルキルアミノ酸13.55 mmolまたは塩酸N,N,N-トリアルキルアミノ酸13.55 mmol、DCC 13.55 mmol を無水ピリジン50mlに加え室温で20時間撹拌する。溶媒を減圧下留去し、残渣を、蒸留水に懸濁させ炭酸水素ナトリウムを加えて溶液のpHを7~8にした後に酢酸エチルで抽出する(100 ml×3回)、抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離溶媒;イソプロピルエーテル-酢酸エチル)で分離精製し、ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-N,N-ジアルキルアミノ酸エステルまたはビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-N,N,N-トリアルキルアミノ酸エステルを得る。
ビタミンK 6.75 mmolをイソプロピルエーテル40 mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム47 mmolをメタノール15 mlに溶解して加え、溶液の黄色が無色になるまで室温で撹拌する。反応液にイソプロピルエーテル60mlと蒸留水100 mlを加え、イソプロピルエーテル層を分離し、更に水層にイソプロピルエーテル100 mlを加えて可溶画分を抽出、イソプロピルエーテル層を合わせて無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下濃縮する。残渣に n-ヘキサンを加えて白色沈殿を析出させてビタミンKヒドロキノンを得る。ビタミンKヒドロキノン、塩酸N,N-ジアルキルアミノ酸13.55 mmolまたは塩酸N,N,N-トリアルキルアミノ酸13.55 mmol、DCC 13.55 mmol を無水ピリジン50mlに加え室温で20時間撹拌する。溶媒を減圧下留去し、残渣を、蒸留水に懸濁させ炭酸水素ナトリウムを加えて溶液のpHを7~8にした後に酢酸エチルで抽出する(100 ml×3回)、抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離溶媒;イソプロピルエーテル-酢酸エチル)で分離精製し、ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-N,N-ジアルキルアミノ酸エステルまたはビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-N,N,N-トリアルキルアミノ酸エステルを得る。
製造方法C
ビタミンK 6.75 mmolをイソプロピルエーテル40mlに溶解し、ハイドロサルファイトナトリウム50 mmolを蒸留水50mlに溶解して加え、イソプロピルエーテルが褐色を呈し、さらに無色になるまで室温で撹拌する。イソプロピルエーテル層を分離し、更に水層にイソプロピルエーテル100 mlを加えて可溶画分を抽出、イソプロピルエーテル層を合わせて無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下濃縮する。残渣にn-ヘキサンを加えて白色沈殿を析出させてビタミンKヒドロキノンを得る。ビタミンKヒドロキノンに塩酸N,N-ジアルキルアミノ酸6.75 mmol、DCC 6.75 mmolを加え無水ピリジン50ml中で20時間撹拌する。溶媒を減圧下留去し、残渣を、蒸留水に懸濁させ炭酸水素ナトリウムを加えて溶液のpHを7~8にした後酢酸エチルで抽出する(100 ml×3回)、抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離溶媒;イソプロピルエーテル-酢酸エチル、3:2)で分離精製し、ビタミンKヒドロキノン-1-N,N-ジアルキルアミノ酸エステルおよびビタミンKヒドロキノン-4-N,N-ジアルキルアミノ酸エステルを得る。
ビタミンK 6.75 mmolをイソプロピルエーテル40mlに溶解し、ハイドロサルファイトナトリウム50 mmolを蒸留水50mlに溶解して加え、イソプロピルエーテルが褐色を呈し、さらに無色になるまで室温で撹拌する。イソプロピルエーテル層を分離し、更に水層にイソプロピルエーテル100 mlを加えて可溶画分を抽出、イソプロピルエーテル層を合わせて無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下濃縮する。残渣にn-ヘキサンを加えて白色沈殿を析出させてビタミンKヒドロキノンを得る。ビタミンKヒドロキノンに塩酸N,N-ジアルキルアミノ酸6.75 mmol、DCC 6.75 mmolを加え無水ピリジン50ml中で20時間撹拌する。溶媒を減圧下留去し、残渣を、蒸留水に懸濁させ炭酸水素ナトリウムを加えて溶液のpHを7~8にした後酢酸エチルで抽出する(100 ml×3回)、抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離溶媒;イソプロピルエーテル-酢酸エチル、3:2)で分離精製し、ビタミンKヒドロキノン-1-N,N-ジアルキルアミノ酸エステルおよびビタミンKヒドロキノン-4-N,N-ジアルキルアミノ酸エステルを得る。
製造方法D
ビタミンK 6.75mmolをイソプロピルエーテル40 mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム47 mmolをメタノール15 mlに溶解して加え、溶液の黄色が無色になるまで室温で撹拌する。反応液にイソプロピルエーテル60mlと蒸留水100 mlを加え、イソプロピルエーテル層を分離し、更に水層にイソプロピルエーテル100 mlを加えて可溶画分を抽出、イソプロピルエーテル層を合わせて無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下濃縮する。残渣に n-ヘキサンを加えて白色沈殿を析出させてビタミンKヒドロキノンを得る。ビタミンKヒドロキノンを無水ベンゼン-無水ピリジン(1:1、 v/v)30 mlに溶解し、塩酸ピリジンカルボン酸クロリドを加え室温で3時間撹拌する。不溶物を濾過で取り除き、濾液を減圧下濃縮する。残渣を蒸留水100 mlに懸濁させ、炭酸水素ナトリウムを加え(pH7~8)、酢酸エチルに可溶分画を抽出する(100ml×3回) 、抽出液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離溶媒;イソプロピルエーテル-酢酸エチル、9:1)で分離精製し、ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ピリジンカルボン酸エステルを得る。
ビタミンK 6.75mmolをイソプロピルエーテル40 mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム47 mmolをメタノール15 mlに溶解して加え、溶液の黄色が無色になるまで室温で撹拌する。反応液にイソプロピルエーテル60mlと蒸留水100 mlを加え、イソプロピルエーテル層を分離し、更に水層にイソプロピルエーテル100 mlを加えて可溶画分を抽出、イソプロピルエーテル層を合わせて無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下濃縮する。残渣に n-ヘキサンを加えて白色沈殿を析出させてビタミンKヒドロキノンを得る。ビタミンKヒドロキノンを無水ベンゼン-無水ピリジン(1:1、 v/v)30 mlに溶解し、塩酸ピリジンカルボン酸クロリドを加え室温で3時間撹拌する。不溶物を濾過で取り除き、濾液を減圧下濃縮する。残渣を蒸留水100 mlに懸濁させ、炭酸水素ナトリウムを加え(pH7~8)、酢酸エチルに可溶分画を抽出する(100ml×3回) 、抽出液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離溶媒;イソプロピルエーテル-酢酸エチル、9:1)で分離精製し、ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ピリジンカルボン酸エステルを得る。
製造方法E
ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-N,N-ジアルキルアミノ酸エステル又はビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ピリジンカルボン酸2mmolをアセトン20mlに溶解し、塩酸-ジオキサン(2.5~4.0 N)を塩酸量がエステルの10倍モル量に相当する量加え、溶媒を減圧下留去し、残渣をアセトン-メタノールで再結晶してビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-N,N-ジアルキルアミノ酸又はビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ピリジンカルボン酸の塩酸塩を得る。
ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-N,N-ジアルキルアミノ酸エステル又はビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ピリジンカルボン酸2mmolをアセトン20mlに溶解し、塩酸-ジオキサン(2.5~4.0 N)を塩酸量がエステルの10倍モル量に相当する量加え、溶媒を減圧下留去し、残渣をアセトン-メタノールで再結晶してビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-N,N-ジアルキルアミノ酸又はビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ピリジンカルボン酸の塩酸塩を得る。
製造方法F
ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-N,N-ジアルキルアミノ酸又はビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ピリジンカルボン酸2mmolをジクロロメタン20mlに溶解し、アルキルスルホン酸2mmolを加え撹拌する。析出する結晶を濾取してビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-N,N-ジアルキルアミノ酸エステル又はビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ピリジンカルボン酸エステルのアルキルスルホン酸塩を得る。
ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-N,N-ジアルキルアミノ酸又はビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ピリジンカルボン酸2mmolをジクロロメタン20mlに溶解し、アルキルスルホン酸2mmolを加え撹拌する。析出する結晶を濾取してビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-N,N-ジアルキルアミノ酸エステル又はビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ピリジンカルボン酸エステルのアルキルスルホン酸塩を得る。
製造方法G
ビタミンK 4.55 mmolをイソプロピルエーテル40mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム31.5 mmolをメタノール15 mlに溶解して加え、溶液の黄色が無色になるまで室温で撹拌する。反応液にイソプロピルエーテル60mlと精製水100mlを加え、イソプロピルエーテル層を分離し、更に水層にイソプロピルエーテル100mlを加えて可溶画分を抽出、イソプロピルエーテル層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下溶媒を留去する。残渣にジメチルアミノピリジン8.97 mmol、ジカルボン酸無水物18.0 mmolを加え、イソプロピルエーテル-ジオキサン(6:4、v/v)100mlに溶解して、室温で3時間撹拌後、50~60℃に加熱しながら2時間反応させ、さらに室温で放冷しながら10時間反応させる。反応液に精製水100mlを加え、イソプロピルエーテル層を分離し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下溶媒を留去する。残渣をイソプロピルエーテルに懸濁し、遠心して得た沈殿物に酢酸エチル100mlと精製水100mlを加え酢酸エチル可溶画分を抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下溶媒を留去する。残渣をイソプロピルエーテルに懸濁し不溶物を酢酸エチルで再結晶して、ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ジカルボン酸ヘミエステルを得る。
ビタミンK 4.55 mmolをイソプロピルエーテル40mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム31.5 mmolをメタノール15 mlに溶解して加え、溶液の黄色が無色になるまで室温で撹拌する。反応液にイソプロピルエーテル60mlと精製水100mlを加え、イソプロピルエーテル層を分離し、更に水層にイソプロピルエーテル100mlを加えて可溶画分を抽出、イソプロピルエーテル層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下溶媒を留去する。残渣にジメチルアミノピリジン8.97 mmol、ジカルボン酸無水物18.0 mmolを加え、イソプロピルエーテル-ジオキサン(6:4、v/v)100mlに溶解して、室温で3時間撹拌後、50~60℃に加熱しながら2時間反応させ、さらに室温で放冷しながら10時間反応させる。反応液に精製水100mlを加え、イソプロピルエーテル層を分離し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下溶媒を留去する。残渣をイソプロピルエーテルに懸濁し、遠心して得た沈殿物に酢酸エチル100mlと精製水100mlを加え酢酸エチル可溶画分を抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下溶媒を留去する。残渣をイソプロピルエーテルに懸濁し不溶物を酢酸エチルで再結晶して、ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ジカルボン酸ヘミエステルを得る。
製造方法H
ビタミンK 6.75 mmol、亜鉛18.4 mmol、無水ジカルボン酸33.0 mmol、無水酢酸ナトリウム 13.8 mmol、酢酸161.5 mmolを100 mlのナスフラスコに入れ、ジムロートを取り付けよく撹拌しながら85℃で3時間加熱。室温冷却し生じた白い固形に酢酸エチル200 mlと精製水100mlを加え酢酸エチル可溶画分を抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下溶媒を留去する。残渣を酢酸エチルで再結晶して、ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ジカルボン酸ヘミエステルを得る。
ビタミンK 6.75 mmol、亜鉛18.4 mmol、無水ジカルボン酸33.0 mmol、無水酢酸ナトリウム 13.8 mmol、酢酸161.5 mmolを100 mlのナスフラスコに入れ、ジムロートを取り付けよく撹拌しながら85℃で3時間加熱。室温冷却し生じた白い固形に酢酸エチル200 mlと精製水100mlを加え酢酸エチル可溶画分を抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧下溶媒を留去する。残渣を酢酸エチルで再結晶して、ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ジカルボン酸ヘミエステルを得る。
製造方法I
ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ジカルボン酸ヘミエステル2mmolを2倍molの0.1N水酸化ナトリウム水溶液または2倍molのメグルミン水溶液を加え溶解させ凍結乾燥させる。メタノール-アセトニトリルで再結晶しビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ジカルボン酸ヘミエステル-ビス-ナトリウム塩またはビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ジカルボン酸ヘミエステル-ビス-メグルミン塩を得る。
ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ジカルボン酸ヘミエステル2mmolを2倍molの0.1N水酸化ナトリウム水溶液または2倍molのメグルミン水溶液を加え溶解させ凍結乾燥させる。メタノール-アセトニトリルで再結晶しビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ジカルボン酸ヘミエステル-ビス-ナトリウム塩またはビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ジカルボン酸ヘミエステル-ビス-メグルミン塩を得る。
製造方法J
ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ジカルボン酸ヘミエステルを1級または2級アルコールに溶解し塩酸酸性下、撹拌する。減圧下溶媒を留去しビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ジカルボン酸アルコールエステルを得る。
ビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ジカルボン酸ヘミエステルを1級または2級アルコールに溶解し塩酸酸性下、撹拌する。減圧下溶媒を留去しビタミンKヒドロキノン-1,4-ビス-ジカルボン酸アルコールエステルを得る。
Claims (7)
- メナキノン-4及び/または下記一般式(1)
(式中、R1およびR2はそれぞれ水素原子、またはグリシン、N-アシルグリシン、N-アルキルグリシン、N,N-ジアルキルグリシン、N,N,N-トリアルキルグリシン、アシル、ジカルボン酸ヘミエステル及びその塩、ジカルボン酸アルコールエステルから選ばれる置換基を意味する。R3は下記一般式(2)
もしくは下記一般式(3)
で示される基を表す。n は1~7の整数を意味する。)で表される活性型ビタミンKのカルボン酸エステル類またはその塩の少なくとも一種類からなる、ケモカインCCL5発現抑制剤。 - メナキノン-4及び/または前記一般式(1)で表される化合物またはその塩を有効成分とする誘導性CCL5発現抑制剤。
- メナキノン-4及び/または前記一般式(1)で表される化合物またはその塩を含有する、EGFR阻害剤投与時の副作用抑制剤。
- 請求項3記載の副作用抑制剤において、副作用はケモカインCCL5過剰発現である副作用抑制剤。
- 請求項4記載の副作用抑制剤において、副作用はヒト皮膚ケラチノサイトおいて生じる皮膚障害であることを特徴とする副作用抑制剤。
- メナキノン-4及び/または前記一般式(1)で表される化合物またはその塩を含有する恒常性CCL5発現抑制剤。
- 請求項6記載の抑制剤において、がん転移抑制を行うことを特徴とする恒常性CCL5発現抑制剤。
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JP2022037369A JP2023132190A (ja) | 2022-03-10 | 2022-03-10 | ケモカインccl5発現抑制剤 |
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JP2022037369A JP2023132190A (ja) | 2022-03-10 | 2022-03-10 | ケモカインccl5発現抑制剤 |
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JP (1) | JP2023132190A (ja) |
Cited By (1)
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CN118206648A (zh) * | 2024-03-14 | 2024-06-18 | 北京赛斯维德生物科技有限公司 | 一种非羧基化基质Gla蛋白抗体及其应用 |
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2022
- 2022-03-10 JP JP2022037369A patent/JP2023132190A/ja active Pending
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CN118206648A (zh) * | 2024-03-14 | 2024-06-18 | 北京赛斯维德生物科技有限公司 | 一种非羧基化基质Gla蛋白抗体及其应用 |
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