JP2023132071A - クリーニング装置 - Google Patents

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Hiroshi Mihashi
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Abstract

【課題】表面に凹凸や段差がある対象物であっても、異なるサイズの異物を除去することができるクリーニング装置を提供する。【解決手段】対象物表面に接触するクリーニングローラ10と、このクリーニングローラと回転軸が平行に配設され、上記対象物表面に接触するローラ状のクリーニングブラシ20と、上記対象物表面に搬送方向上流側から圧縮空気を吐出するエアノズル30とを備え、上記対象物表面との接点部分での上記クリーニングローラの回転方向が搬送方向に対して順方向であり、上記対象物表面との接点部分での上記クリーニングブラシの回転方向が搬送方向に対して逆方向であり、搬送方向の上流側から、エアノズル、クリーニングブラシ、クリーニングローラの順に配置されており、上記圧縮空気が上記対象物表面に吹き付けられる吹付位置が、上記クリーニングブラシが上記対象物表面に接触する位置よりも搬送方向上流側である。【選択図】図2

Description

本発明は、クリーニング装置に関する。
近年、フラットパネルディスプレイ(FPD)のガラス基板、電子部品を搭載するプリント基板、樹脂薄板、フィルム材料等の対象物表面に付着する塵埃などの異物を取り除くためのクリーニング装置が開発されている。
このようなクリーニング装置として、対象物の搬送方向に対して逆方向となるように回転しつつ対象物表面に接触するクリーニングブラシと、対象物の搬送方向に対して順方向となるように回転しつつ対象物表面に接触するクリーニングローラとを備えるクリーニング装置が提案されている(特開2016-215155号公報参照)。
このクリーニング装置を用いれば、クリーニングブラシによりミリサイズの比較的大きな異物を効果的に掻き起こし、クリーニングローラにより主に微細な異物を除去できるため、異なるサイズの異物を効果的に除去することができる。
特開2016-215155号公報
上記従来のクリーニング装置は、表面が比較的平坦な対象物に付着した異物を効果的に除去することができる一方で、特に対象物の表面に凹凸や段差がある場合、この凹凸や段差の陰に位置した異物は、除去され難い傾向となる。
本発明はこのような不都合に鑑みてなされたものであり、表面に凹凸や段差がある対象物であっても、異なるサイズの異物を効果的に除去することができるクリーニング装置の提供を目的とする。
本発明の一実施形態に係るクリーニング装置は、搬送される対象物表面のクリーニング装置であって、上記対象物の搬送方向と垂直かつ対象物表面と平行な回転軸を中心として回転可能に配設され、上記対象物表面に接触するクリーニングローラと、このクリーニングローラと回転軸が平行に配設され、回転しつつ上記対象物表面に接触するローラ状のクリーニングブラシと、上記対象物表面に上記搬送方向上流側から圧縮空気を吐出する空気吐出口を有するエアノズルとを備え、上記対象物表面との接点部分での上記クリーニングローラの回転方向が上記搬送方向に対して順方向であり、上記対象物表面との接点部分での上記クリーニングブラシの回転方向が上記搬送方向に対して逆方向であり、上記搬送方向の上流側から、上記エアノズル、上記クリーニングブラシ、上記クリーニングローラの順に配置されており、上記圧縮空気が上記対象物表面に吹き付けられる吹付位置が、上記クリーニングブラシが上記対象物表面に接触する位置よりも上記搬送方向上流側である。
ここで、「平行」とは、正確に平行である場合に加え、実質的に平行、換言すればなす角度が±10°以内、好ましくは±5°以内を含む概念である。また、「垂直」とは、なす角度が正確に90°である場合に加え、実質的に垂直、換言すればなす角度が90°±10°以内、好ましくは90°±5°以内を含む概念である。
本発明のクリーニング装置は、表面に凹凸や段差がある対象物であっても、異なるサイズの異物を効果的に除去することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るクリーニング装置の外観を示す模式的斜視図である。 図2は、図1のクリーニング装置のA-A線での内部を示す模式的構造図である。 図3は、図1のクリーニングローラ及びクリーニングブラシ付近を示す模式的部分拡大図である。 図4は、図2のエアノズル付近を示す模式的部分拡大図である。 図5は、図2のエアノズルの空気吐出面に対して平行方向から見た模式図である。 図6は、図2のエアノズルの空気吐出面に対して垂直方向から見た模式的正面図である。 図7は、図2のエアノズルの角度を説明するための模式的説明図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一実施形態に係るクリーニング装置は、搬送される対象物表面のクリーニング装置であって、上記対象物の搬送方向と垂直かつ対象物表面と平行な回転軸を中心として回転可能に配設され、上記対象物表面に接触するクリーニングローラと、このクリーニングローラと回転軸が平行に配設され、回転しつつ上記対象物表面に接触するローラ状のクリーニングブラシと、上記対象物表面に上記搬送方向上流側から圧縮空気を吐出する空気吐出口を有するエアノズルとを備え、上記対象物表面との接点部分での上記クリーニングローラの回転方向が上記搬送方向に対して順方向であり、上記対象物表面との接点部分での上記クリーニングブラシの回転方向が上記搬送方向に対して逆方向であり、上記搬送方向の上流側から、上記エアノズル、上記クリーニングブラシ、上記クリーニングローラの順に配置されており、上記圧縮空気が上記対象物表面に吹き付けられる吹付位置が、上記クリーニングブラシが上記対象物表面に接触する位置よりも上記搬送方向上流側である。
当該クリーニング装置では、クリーニングブラシが対象物表面に接触する位置よりも搬送方向上流側に圧縮空気を吹き付けることで、対象物の表面に凹凸や段差がある場合であっても、異物が舞い上げられ、主にそのままクリーニングブラシに衝突する。このため、舞い上げられた異物は、クリーニングブラシが掻き起こすミリサイズの比較的大きな異物とともにクリーニングブラシに回収される。また、当該クリーニング装置では、対象物表面に残る微細な異物は、クリーニングブラシより搬送方向下流側に配置されるクリーニングローラにより除去することができる。従って、当該クリーニング装置は、表面に凹凸や段差がある対象物であっても、異なるサイズの異物を効果的に除去することができる。
上記圧縮空気がイオン風であるとよい。このように上記圧縮空気をイオン風とすることで、異物の電荷が中和されクリーニングブラシの帯電傾向に対して反発する異物を減らすことができるので、異物を効果的に除去することができる。
上記クリーニングローラ及び上記クリーニングブラシが、帯電した状態で上記対象物表面に接触するとよい。このように上記クリーニングローラ及び上記クリーニングブラシを、帯電した状態で上記対象物表面に接触させることで、静電気の力により、さらに効果的に異物を除去することができる。
上記圧縮空気、上記クリーニングローラ及び上記クリーニングブラシの電位が同極性であるとよい。このように上記圧縮空気、上記クリーニングローラ及び上記クリーニングブラシの電位を同極性とすることで、さらに効果的に異物を除去することができる。
上記クリーニングブラシより上記搬送方向上流側に配設され、上記対象物表面に接触しつつ上記対象物の搬送を補助するガイドローラを備え、上記ガイドローラが上記対象物表面に接触する位置は、上記吹付位置よりも上記搬送方向上流側であるとよい。このように上記ガイドローラが上記対象物表面に接触する位置を上記吹付位置よりも上記搬送方向上流側とすることで、上記吹付位置を上記クリーニングブラシに近接させることができる。これにより吹き付けられた圧縮空気により舞い上げられた異物が上記クリーニングブラシに衝突し易くなるため、異物の回収率を高めることができる。
上記エアノズルの空気吐出口の中心と上記吹付位置とを結ぶ上記圧縮空気の吐出軸を、上記吹付位置における上記対象物表面の法線に対して対称に折り返した反射軸が、上記クリーニングブラシの回転軸より上記対象物表面側で上記クリーニングブラシ表面と交差するとよい。上記対象物に付着する異物は、上記圧縮空気により主に上記反射軸方向に舞い上げられる。従って、上記反射軸が上記クリーニングブラシの回転軸より上記対象物表面側で上記クリーニングブラシ表面と交差することで、舞い上がった異物を上記クリーニングブラシでより確実に回収することができる。
上記圧縮空気の上記吹付位置における吐出角としては、30度以上45度以下が好ましい。上記吐出角を上記範囲内とすることで、舞い上がった異物を上記クリーニングブラシでより確実に回収することができる。
上記エアノズルの空気吐出口の中心と上記吹付位置との離間距離としては、5mm以上15mm以下が好ましい。上記離間距離を上記範囲内とすることで、舞い上がった異物を上記クリーニングブラシでより確実に回収することができる。
上記圧縮空気の圧力としては、0.3MPa以上0.6MPa以下が好ましい。上記圧力を上記範囲内とすることで、舞い上がった異物を上記クリーニングブラシでより確実に回収することができる。
上記圧縮空気の上記空気吐出口における風速としては、190m/秒以上380m/秒以下が好ましい。上記風速を上記範囲内とすることで、舞い上がった異物を上記クリーニングブラシでより確実に回収することができる。
上記エアノズルが、断面が円形状の複数の上記空気吐出口を有しているとよく、上記空気吐出口の直径としては、0.5mm以上3.0mm以下が好ましい。このようにエアノズルに比較的小径の空気吐出口を複数設けることで、上記対象物表面の場所の違いによって、吹き付けられる圧縮空気の圧力がばらつくことを抑止できるので、異物の除去効率を高めることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の一実施形態に係るクリーニング装置について、図面を参照しつつ説明する。
図1から図4に示すクリーニング装置1は、搬送される対象物S表面のクリーニング装置である。当該クリーニング装置1は、クリーニングローラ10と、クリーニングブラシ20と、エアノズル30とを備え、搬送方向D(図1から図4の白抜矢印方向)の上流側から、エアノズル30、クリーニングブラシ20、クリーニングローラ10の順に配置されている。また、当該クリーニング装置1は、ガイドローラ40と、搬送機構50とを備える。
<対象物>
当該クリーニング装置1で異物除去する対象物Sは、フィルム状又は板状のものが好ましく、例えば対象物Sとして、FPD(Flat Panel Display)のガラス基板、電子部品を搭載するプリント基板、樹脂薄板、フィルム材料等を挙げることができる。
当該クリーニング装置1は、表面に凹凸又は段差を有する対象物Sに対して好適に用いることができる。表面に凹凸又は段差を有する対象物Sでは、異物が凹凸の凹部や段差の角部に付着し易い。当該クリーニング装置1は、このような凹凸の凹部や段差の角部に付着した異物であっても、容易に除去することができる。このような対象物Sとしては、例えば表面に微細配線を有するプリント基板を挙げることができる。上記プリント基板では、微細配線間に凹部が形成され、この凹部に異物が入り込み易い。
対象物Sの平均厚さは、特に限定されるものではないが、対象物Sの平均厚さの下限としては、例えば30μmが好ましく、50μmがより好ましい。一方、対象物Sの平均厚さの上限は、対象物Sの表面面積にもよるが、例えば5cmが好ましく、3cmがより好ましい。対象物Sの平均厚さが上記下限未満であると、あるいは上記上限を超えると、対象物Sを搬送し難くなるおそれがある。
対象物Sの搬送速度の下限は特に限定されるものではないが、例えば5m/minが好ましく、10m/minがより好ましい。一方、対象物Sの搬送速度の上限としては、30m/minが好ましく、20m/minがより好ましい。対象物Sの搬送速度が上記下限未満であると、異物除去に要する時間が長くなり、異物の除去効率が低下するおそれがある。逆に、対象物Sの搬送速度が上記上限を超えると、クリーニングローラ10により対象物S表面の異物を十分に吸着できなくなるおそれがある。
<クリーニングローラ>
クリーニングローラ10は、対象物Sの搬送方向Dと垂直かつ対象物S表面と平行な回転軸を中心として回転可能に配設され、対象物S表面に接触する。
対象物S表面との接点部分でのクリーニングローラ10の回転方向は、搬送方向Dに対して順方向である。クリーニングローラ10は、駆動装置により順方向に回転駆動されてもよいが、対象物Sの搬送に伴って連れ回りする構成とすることができる。連れ回りする構成においては、駆動装置は不要である。クリーニングローラ10は、表面が搬送される対象物Sと接触することにより順方向に連れ回りする。
クリーニングローラ10は、帯電した状態で対象物S表面に接触する。このようにクリーニングローラ10を、帯電した状態で対象物S表面に接触させることで、静電気の力により対象物S表面に付着の異物がクリーニングローラ10表面に吸着するので、さらに効果的に異物を除去することができる。
クリーニングローラ10は、例えば円柱状の芯金11と、この芯金11の周面を覆う円筒状の内層部12と、この内層部12の外周面を覆う薄膜円筒状の外層部13とを有する構成とすることができる。
上記内層部12の材質として、導電性を有する弾性部材が用いられる。このような弾性部材として、例えばカーボンを含むポリエステル系ウレタン等が挙げられる。
上記外層部13の材質としては、対象物S表面に付着の異物を電界の力により吸着する電荷を帯電し得るものであればよく、例えばアクリル混合ポリウレタンやフッ素混合ポリウレタンなどのポリウレタンが挙げられる。外層部13をポリウレタンで形成することで、シリコーン樹脂やブチルゴムなどで形成する場合に比べて耐摩耗性が優れ、可塑剤や低分子量物による汚染を低減することができる。
上記アクリル混合ポリウレタンとは、ポリエステルポリウレタン又はポリエーテルポリウレタンを主成分とし、さらに(1)熱可塑性ポリウレタン及びシリコン・アクリル共重合樹脂、(2)アクリル樹脂(例えばメタクリル酸-メタクリル酸メチル共重合体からなる主鎖にアミノエチル基がグラフトされてなるグラフト化合物)及び熱可塑性ポリウレタン、又は(3)アクリル樹脂、ポリウレタン及びフッ素系表面コーティング剤を含む混合物を意味する。外層部13の材質としてアクリル混合ポリウレタンを用いることにより、マイナスに帯電し易い異物が対象物S表面から除去され易くなる。なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば50質量%以上含有される成分である。
また、上記フッ素混合ポリウレタンとは、ポリウレタンを主成分とするもので、熱可塑性ポリウレタン及びウレタン・フッ素共重合体を含む混合物を意味する。外層部13の材質としてフッ素混合ポリウレタンを用いることにより、プラスに帯電し易い異物が対象物Sから除去され易くなる。
外層部13の平均厚さの下限としては、2μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、外層部13の平均厚さの上限としては、500μmが好ましく、50μmがより好ましい。外層部13の平均厚さが上記下限未満であると、クリーニングローラ10表面を十分に帯電させることができず、異物の吸着効果が十分に得られないおそれがある。逆に、外層部13の平均厚さが上記上限を超えると、異物を吸着するための良好な帯電特性が得られないおそれがある。
<クリーニングブラシ>
クリーニングブラシ20は、ローラ状であり、図3に示すように、円柱状の芯金21と、この芯金21の周面への複数の毛の植設により形成されるブラシ部22とを有する。クリーニングブラシ20は、クリーニングローラ10と回転軸が平行に配設され、回転しつつ対象物S表面に接触する。
対象物S表面との接点部分でのクリーニングブラシ20の回転方向は、搬送方向Dに対して逆方向である。換言すれば、クリーニングブラシ20は、駆動装置により逆方向に回転駆動されている。クリーニングブラシ20は、対象物S表面との接点部分で搬送方向Dと逆方向となるよう回転することにより、対象物S表面に付着の異物を掻き起こし、この掻き起こした異物がブラシ部22に付着する。
ブラシ部22を形成する毛として、物理的に異物が付着し易いものが好ましく、例えば合成樹脂製の繊維が挙げられる。また、ブラシ部22を形成する毛として、対象物S表面に付着の異物を電界の力により吸着する電荷を帯電し得るものが好ましく、例えばカーボンブラック、炭素繊維、金属粉、金属ウィスカ等の導電性材料を含有する合成樹脂製の繊維が好適に使用できる。
ブラシ部22の毛の断面形状は特に限定されるものではなく、ブラシ部22として、例えば毛の断面形状が円形状、楕円形状、星型形状等のものを用いることができる。また、ブラシ部22の毛の外形も特に限定されるものではなく、ブラシ部22の毛として、例えば外形が直線状、波曲線形状、曲線と直線とが組み合わされて構成された形状等のものを用いることができる。なお、ブラシ部22の毛の表面積が大きいほど異物を吸着し易くなるので、ブラシ部22を形成する毛として、例えば断面形状が星型形状のものが好適に使用できる。
クリーニングブラシ20も、クリーニングローラ10と同様に帯電した状態で対象物S表面に接触する。これにより、電界の力による吸着力も作用するので、より効果的に対象物S表面の異物をブラシ部22に吸着及び移動させることができる。なお、電界の力が作用しなくても上記異物はブラシ部22に付着するので、クリーニングブラシ20は必ずしも帯電させなくてもよい。
クリーニングローラ10及びクリーニングブラシ20の電位は、同極性であるとよい。一般に対象物Sの種類や異物の種類に応じて、異物は正又は負のいずれかに帯電し易い傾向を示す。このため、クリーニングローラ10及びクリーニングブラシ20の電位は、除去したい異物の帯電とは逆の極性とすることが好ましく、この場合においてクリーニングローラ10及びクリーニングブラシ20の電位は、同極性となる。
クリーニングブラシ20の対象物Sへの平均圧接量の下限としては、0.03mmが好ましく、0.05mmがより好ましい。一方、上記平均圧接量の上限としては、1.5mmが好ましく、1mmがより好ましい。上記平均圧接量が上記下限未満であると、対象物S表面の異物を十分に掻き起こせないおそれがある。逆に、上記平均圧接量が上記上限を超えると、ブラシ部22及び対象物S表面間の摩擦力が大きくなるため、対象物Sの搬送速度が低下するおそれがある。なお、「圧接量」とは、クリーニングブラシ20と対象物Sとの接点部分における芯金21表面及び対象物S間の距離とブラシ部22の毛の長さとの差を意味し、「平均圧接量」とは、ブラシ部22が1回転する際に対象物Sの表面と接触する全ての毛の圧接量の平均を指す。
クリーニングブラシ20の周速度の下限としては、1m/minが好ましく、3m/minがより好ましい。一方、クリーニングブラシ20の周速度の上限としては、30m/minが好ましく、15m/minがより好ましい。クリーニングブラシ20の周速度が上記下限未満であると、対象物S表面の異物を十分に掻き起こせないおそれがある。逆に、クリーニングブラシ20の周速度が上記上限を超えると、ブラシ部22及び対象物S表面間の摩擦力が大きくなるため、対象物Sの搬送速度が低下するおそれがある。
<エアノズル>
エアノズル30は、図4に示すように、対象物S表面に搬送方向D上流側から圧縮空気Aを吐出する空気吐出口31を有する。圧縮空気Aが対象物S表面に吹き付けられる吹付位置Xが、クリーニングブラシ20が対象物S表面に接触する位置よりも搬送方向D上流側である。
エアノズル30から吐出される圧縮空気Aは、吹付位置Xで対象物Sに吹き付けられ、その圧縮空気Aの圧力により異物が舞い上げられる。圧縮空気Aは、搬送方向D上流側から吹き付けられるため、舞い上がった異物は搬送方向D下流側に移動する。この異物のうち、下流側に位置するクリーニングブラシ20のブラシ部22に衝突したものは、直接ブラシ部22により回収され、クリーニングブラシ20より手前に落下し対象物S表面に留まるものはクリーニングブラシ20が対象物Sから掻き起こすことで回収される。
対象物Sの表面に凹凸や段差がある場合、対象物Sの移動で生じる振動等により異物は凹凸や段差部分に集まり偏在し易い。凹凸や段差部分は、一般に清掃が難しく異物の回収率は低下し易い。これに対し当該クリーニング装置1では、圧縮空気Aの圧力により異物を舞い上げることで、凹凸や段差部分に偏在している異物を直接的にブラシ部22で回収することができる。また、直接的にブラシ部22で回収できず対象物S表面に落下した異物は、落下した段階では対象物Sの平坦部分と凹凸や段差部分とに等しい密度で付着すると考えられ、凹凸や段差部分に偏在しない。このため、クリーニングブラシ20及びクリーニングローラ10によりクリーニングする際に凹凸や段差部分に存在する異物の数は、大幅に低減されると考えられる。つまり、当該クリーニング装置1では、清掃が難しい凹凸や段差部分に存在する異物の数を低減することで、全体として異物の回収率を高めることができる。
エアノズル30は、図5及び図6に示すように、圧縮空気Aが流入する空気流入口32と、圧縮空気Aを吹き出す空気吹出面33とを有する。空気吹出面33は、吐出軸Iに対して垂直に配設される。空気吐出口31は、この空気吹出面33に設けられている。
エアノズル30は、図5に示すように、空気流入口32から空気吹出面33へ向かって拡幅していることが好ましい。このようにエアノズル30を拡幅させることで、対象物S表面の幅方向(平面視で搬送方向Dに垂直方向)に対して均一に圧縮空気Aを吹き付けることができる。空気吹出面33の幅方向の長さは、圧縮空気Aを吹き付けるべき対象物S表面の領域の幅に応じて決定されるが、例えば対象物S表面の幅と同一とすることができる。なお、エアノズル30の幅方向とは、空気吹出面33と平行で、かつ対象物S表面の幅方向とも平行な方向を指す。
一方、エアノズル30は、図4に示すように、高さ方向の厚さは一定であることが好ましい。このようにエアノズル30の高さ方向の厚さを一定とすることで、圧縮空気Aの指向性を高め、吹出方向を一定の方向に制御し易くなる。なお、エアノズル30の高さ方向とは、空気吹出面33と平行で、かつエアノズル30の幅方向と垂直な方向を指す。
エアノズル30は、図6に示すように、断面が円形状の複数の空気吐出口31を有している。空気吐出口31の直径の下限としては、0.5mmが好ましく、0.7mmがより好ましい。一方、空気吐出口31の直径の上限としては、3.0mmが好ましく、2.5mmがより好ましい。空気吐出口31の直径が上記下限未満であると、圧損が大きくなり、空気吐出口31から圧縮空気Aを吹き出す際に必要なエネルギーが増大するおそれがある。逆に、空気吐出口31の直径が上記上限を超えると、吹き出される圧縮空気Aの風速が低下し、圧縮空気Aにより異物を舞い上げる効果が低下するおそれがある。
このようにエアノズル30に比較的小径の空気吐出口31を複数設けることで、対象物S表面の場所の違いによって、吹き付けられる圧縮空気Aの圧力がばらつくことを抑止できるので、異物の除去効率を高めることができる。
なお、空気吐出口31の個数や配列は特に限定されるものではないが、空気吹出面33から一様に圧縮空気Aが吐出されるように決定することができる。例えば図6に示すエアノズル30では、複数の空気吐出口31が一列に配置されている。このように一列に配置されている場合、吹付位置Xにおいて圧縮空気Aが吹き付けられる対象物S表面の領域が搬送方向Dに対して狭くなるため、異物を舞い上げ易い。
隣接する空気吐出口31の中心間距離(ピッチ)の下限としては、2mmが好ましく、
2.5mmがより好ましい。一方、上記ピッチの上限としては、4mmが好ましく、3.5mmがより好ましい。上記ピッチが上記下限未満であると、単位長当たりの空気吐出口31の個数が増え過ぎるため、吹付位置Xでの圧縮空気Aの圧力が低下し、異物を十分に舞い上げられないおそれがある。逆に、上記ピッチが上記上限を超えると、対象物S表面の場所の違いによって、吹き付けられる圧縮空気Aの圧力がばらつき易く、舞い上がった異物を回収し難くなるおそれがある。
空気吐出口31の個数は、エアノズル30の幅と上記ピッチとから決まるが、20個以上40個以下が好ましい。空気吐出口31の個数を上記範囲内とすることで、吹付位置Xでの圧縮空気Aの圧力の低下及びばらつきを抑止することができる。
少なくとも一部、好ましくは全ての空気吐出口31において、図7に示すように、エアノズル30の空気吐出口31の中心と吹付位置Xとを結ぶ圧縮空気Aの吐出軸Iを、吹付位置Xにおける対象物S表面の法線nに対して対称に折り返した反射軸Rが、クリーニングブラシ20の回転軸Mより対象物S表面側でクリーニングブラシ20表面と交差するとよい。すなわち、図7に示すように、クリーニングブラシ20のブラシ部22の毛の先端を通る曲面と反射軸Rとの交差位置Yは、クリーニングブラシ20の回転軸Mより対象物S表面側に位置している。対象物Sに付着する異物は、圧縮空気Aにより主に反射軸R方向に舞い上げられる。従って、反射軸Rがクリーニングブラシ20の回転軸Mより対象物S表面側でクリーニングブラシ20表面と交差することで、舞い上がった異物をクリーニングブラシ20でより確実に回収することができる。
なお、複数の空気吐出口31に対して、それぞれ吐出軸Iが規定されるが、これらの吐出軸Iは平行であることが好ましい。複数の吐出軸Iを平行とすることで、対象物S表面の場所の違いによって、吹き付けられる圧縮空気Aの圧力がばらつくことを抑止できるので、異物の除去効率を高めることができる。
エアノズル30の少なくとも一部、好ましくは全ての空気吐出口31の中心と吹付位置Xとの間で吐出軸Iと交差する他のローラがなく、かつ吹付位置Xとクリーニングブラシ20表面との間で反射軸Rと交差する他のローラがないことが好ましい。このような他のローラを設けないことで、空気吐出口31から吐出される圧縮空気Aの進行を妨げるものがなくなるので、異物の除去効率を高めることができる。
圧縮空気Aはイオン風であることが好ましい。このように圧縮空気Aをイオン風とすることで、異物の電荷が中和されクリーニングブラシ20の帯電傾向に対して反発する異物を減らすことができるので、異物を効果的に除去することができる。
また、圧縮空気A、クリーニングローラ10及びクリーニングブラシ20の電位が同極性であるとよい。上述のようにクリーニングローラ10及びクリーニングブラシ20の電位をともに、除去したい異物の帯電とは逆の極性とすることで、効果的に異物を除去することができる。対象物Sは、この除去したい異物の帯電と同じ極性に帯電し易い。除去したい異物の帯電とは逆の極性の圧縮空気Aを対象物Sに吹き付けると、対象物Sの帯電を中和することができる。対象物Sの帯電により異物が対象物Sに強く吸着することを抑止できるので、さらに効果的に異物を除去することができる。
圧縮空気Aの吹付位置Xにおける吐出角θi(法線nと吐出軸Iとのなす角)の下限としては、30度が好ましく、35度がより好ましい。一方、吐出角θiの上限としては、45度が好ましく、40度がより好ましい。吐出角θiが上記下限未満であると、異物が対象物S表面に再付着し易くなるため、異物の回収率が低下するおそれがある。逆に、吐出角θiが上記上限を超えると、舞い上がった異物がクリーニングブラシ20により回収し切れず、周囲に飛散するおそれがある。
エアノズル30の少なくとも一部、好ましくは全ての空気吐出口31において、空気吐出口31の中心と吹付位置Xとの離間距離の下限としては、5mmが好ましく、7mmがより好ましい。一方、上記離間距離の上限としては、15mmが好ましく、13mmがより好ましい。上記離間距離が上記下限未満であると、対象物S表面の場所の違いによって、吹き付けられる圧縮空気Aの圧力がばらつき易く、舞い上がった異物を回収し難くなるおそれがある。逆に、上記離間距離が上記上限を超えると、吹付位置Xでの圧縮空気Aの圧力が低下し、異物を十分に舞い上げられないおそれがある。
エアノズル30の少なくとも一部、好ましくは全ての空気吐出口31において、クリーニングブラシ20表面との交差位置Yと吹付位置Xとの離間距離の下限としては、5mmが好ましく、7mmがより好ましい。一方、上記離間距離の上限としては、15mmが好ましく、13mmがより好ましい。上記離間距離が上記下限未満であると、クリーニングブラシ20が回収した異物を再度吹き飛ばし、回収率をかえって低下させるおそれがある。逆に、上記離間距離が上記上限を超えると、舞い上がった異物がクリーニングブラシ20により回収し切れず、周囲に飛散するおそれがある。
エアノズル30の少なくとも一部、好ましくは全ての空気吐出口31において、空気吐出口31の中心から吹付位置Xを経てクリーニングブラシ20表面との交差位置Yへ至る圧縮空気Aの径路長の下限としては、10mmが好ましく、15mmがより好ましい。一方、上記径路長の上限としては、30mmが好ましく、25mmがより好ましい。上記径路長が上記下限未満であると、舞い上がった異物を回収し難くなるおそれがある。逆に、上記径路長が上記上限を超えると、舞い上がった異物がクリーニングブラシ20により回収し切れず、周囲に飛散するおそれがある。
圧縮空気Aの圧力の下限としては、0.3MPaが好ましく、0.4MPaがより好ましい。一方、圧縮空気Aの圧力の上限としては、0.6MPaが好ましく、0.5MPaがより好ましい。圧縮空気Aの圧力が上記下限未満であると、異物を十分に舞い上げられないおそれがある。逆に、圧縮空気Aの圧力が上記上限を超えると、舞い上がった異物が周囲に飛散し易くなり、舞い上がった異物をクリーニングブラシ20で回収し難くなるおそれがある。なお、圧縮空気Aの圧力とは、エアノズル30内での圧力を指す。
圧縮空気Aの空気吐出口31における風速の下限としては、190m/秒が好ましく、240m/秒がより好ましい。一方、上記風速の上限としては、380m/秒が好ましく、330m/秒がより好ましい。上記風速が上記下限未満であると、異物を十分に舞い上げられないおそれがある。逆に、上記風速が上記上限を超えると、舞い上がった異物が周囲に飛散し易くなり、舞い上がった異物をクリーニングブラシ20で回収し難くなるおそれがある。
圧縮空気Aの0.3MPa換算での流量の下限としては、200L/minが好ましく、250L/minがより好ましい。一方、上記流量の上限としては、400L/minが好ましく、300L/minがより好ましい。上記流量が上記下限未満であると、異物を十分に舞い上げられないおそれがある。逆に、上記流量が上記上限を超えると、舞い上がった異物が周囲に飛散し易くなり、舞い上がった異物をクリーニングブラシ20で回収し難くなるおそれがある。
<ガイドローラ>
ガイドローラ40は、クリーニングブラシ20より搬送方向D上流側に配設され、対象物S表面に接触しつつ対象物Sの搬送を補助する。
ガイドローラ40は、クリーニングブラシ20と回転軸が平行に回転自在に配設される。このガイドローラ40は、対象物Sの搬送に伴って連れ回りする。すなわち、対象物Sの表面との接点部分でのガイドローラ40の回転方向は、搬送方向Dに対して順方向である。なお、ガイドローラ40は、回転駆動される構成としてもよい。例えば対象物Sの搬送方向Dに対して順方向となるようガイドローラ40を回転駆動することで、当該クリーニング装置1内における対象物Sの搬送速度を一定とすることができる。
ガイドローラ40が対象物S表面に接触する位置の対象物Sを挟んで反対側の面に接触する他のローラが設けられているとよい。当該クリーニング装置1では、図4に示すように、この他のローラとして、後述する上流側搬送機構50aの一方の搬送ローラ52が用いられている。以下、上記他のローラが上流側搬送機構50aの一方の搬送ローラ52である場合を例にとり説明を続けるが、上記他のローラは、搬送ローラ52に限定されるものではなく、例えば上記他のローラとして専用のガイドローラ40を設けてもよい。
ガイドローラ40は、搬送ローラ52との間を対象物Sの両面がこれら2つのローラの周面に接触する程度の間隙を有するよう配設される。当該クリーニング装置1では、対象物Sをガイドローラ40及び搬送ローラ52の間に挿入することで、対象物Sの進行方向を制御できる。例えば対象物Sが薄いフィルム状などの場合、先端が曲がり易いが、このような場合でもガイドローラ40及び搬送ローラ52間への挿入により上記先端の曲がりが抑制され、クリーニングブラシ20及び後述する第2対向電極ローラ26間に対象物S先端を容易かつ確実に進入させることができる。
ガイドローラ40の材質は、対象物Sとの間の摩擦力が小さいものが好ましく、ガイドローラ40を形成する材料として金属や樹脂などを用いることができる。
ガイドローラ40が対象物S表面に接触する位置は、吹付位置Xよりも搬送方向D上流側である。また、ガイドローラ40とクリーニングブラシ20との間に対象物S表面に接触する他のローラが配設されていないことが好ましい。このようにガイドローラ40が対象物S表面に接触する位置を吹付位置Xよりも搬送方向D上流側とすることで、吹付位置Xがクリーニングブラシ20に近接させることができる。これにより吹き付けられた圧縮空気Aにより舞い上げられた異物がクリーニングブラシ20に衝突し易くなるため、異物の回収率を高めることができる。
<搬送機構>
搬送機構50は、対象物Sに搬送のための推進力を付与するものである。この搬送機構50は、クリーニングブラシ20よりも搬送方向D上流側に配置される上流側搬送機構50aと、クリーニングローラ10よりも搬送方向D下流側に配置される下流側搬送機構50bとを有する。
(上流側搬送機構)
上流側搬送機構50aは、対象物Sを搬入し、クリーニングブラシ20へ挿入するものであり、図1に示すように、複数のベルト搬送部51を有している。各ベルト搬送部51は、図2に示すように、搬送方向Dに沿って離間して配置される一対の搬送ローラ52の間に無端ベルト53が巻き掛けられたものである。
一対の搬送ローラ52のうち、一方は回転力が付与される駆動ローラであり、他方は駆動ローラの回転により無端ベルト53と連れ回りする従動ローラである。複数のベルト搬送部51は、搬送方向Dに直交する水平方向に一定間隔で配置されている。
(下流側搬送機構)
下流側搬送機構50bは、クリーニングローラ10を通過した対象物Sを搬出するものである。下流側搬送機構50bは、上流側搬送機構50aと同様に構成できるので、詳細説明を省略する。
<その他の構成>
(第1異物回収機構)
当該クリーニング装置1は、クリーニングローラ10に付着した異物を回収する第1異物回収機構として、例えば図3に示すように、ブラシローラ14、第1集塵ローラ15、第1スクレーパー16及び第1異物回収部17を有していてもよい。
ブラシローラ14は、クリーニングローラ10と回転軸が平行に配設され、帯電した状態でクリーニングローラ10表面に接触する。クリーニングローラ10表面との接点部分でのブラシローラ14の回転方向は、クリーニングローラ10の回転方向に対して逆方向であることが好ましい。このようにブラシローラ14の回転方向をクリーニングローラ10の回転方向に対して逆方向とすることで、クリーニングローラ10に付着した異物を効率的に回収することができる。なお、ブラシローラ14は、後述するクリーニングブラシ20と同様の構成とすることができる。
ブラシローラ14の電位は、クリーニングローラ10の電位と同極性かつ絶対値が大きいことが好ましい。このようにブラシローラ14の電位をクリーニングローラ10の電位と同極性かつ絶対値が大きいものとすることで、クリーニングローラ10に付着している異物は、上記接点部分でクリーニングローラ10からブラシローラ14へ移動し易くなる。従って、クリーニングローラ10に付着した異物をより確実に回収することができる。
第1集塵ローラ15は、クリーニングローラ10と回転軸が平行に配設され、帯電した状態でブラシローラ14の表面に接触する。ブラシローラ14の表面との接点部分での第1集塵ローラ15の回転方向は、ブラシローラ14の回転方向に対して逆方向であることが好ましい。このように第1集塵ローラ15の回転方向をブラシローラ14の回転方向に対して逆方向とすることで、ブラシローラ14に付着した異物を効率的に回収することができる。
第1集塵ローラ15は、導電性材料により構成することができる。上記導電性材料としては、例えばステンレス、銅、アルミニウム等の金属材料が挙げられる。第1集塵ローラ15として銅やアルミニウム等の酸化し易い導電性材料を使用する場合には、第1集塵ローラ15の表面にニッケルめっきや金めっき等の耐食性のめっき処理を行なうことが好ましい。
第1集塵ローラ15の電位は、ブラシローラ14の電位と同極性かつ絶対値が大きいことが好ましい。このように第1集塵ローラ15の電位をブラシローラ14の電位と同極性かつ絶対値が大きいものとすることで、ブラシローラ14に付着している異物は、上記接点部分でブラシローラ14から第1集塵ローラ15へ移動し易くなる。従って、ブラシローラ14に付着した異物をより確実に回収することができる。
第1スクレーパー16は、例えば矩形状の板であり、その矩形を構成する1辺が第1集塵ローラ15の回転軸方向にわたって第1集塵ローラ15表面に接触する(以降、第1集塵ローラ15に接している部分を「先端部」ともいう)。第1スクレーパー16は、その先端部が下方となるように配置されており、第1集塵ローラ15表面との接触位置において、第1集塵ローラ15の回転方向が下方から上方となる位置に配設されている。
第1スクレーパー16は、熱硬化性ポリウレタン等の合成樹脂製の弾性体などで形成される。第1集塵ローラ15の回転に伴い、第1スクレーパー16の先端部によって第1集塵ローラ15表面に付着した異物が掻き取られる。これにより、第1集塵ローラ15表面が異物の除去された清浄な状態となる。
第1異物回収部17は、トレイ状であり、第1スクレーパー16の先端部下方に配設されている。第1スクレーパー16により掻き取られた異物はこの第1異物回収部17内に落下及び回収される。
(第2異物回収機構)
また、当該クリーニング装置1は、クリーニングブラシ20に付着した異物を回収する第2異物回収機構として、例えば図3に示すように、第2集塵ローラ23、第2スクレーパー24及び第2異物回収部25を有していてもよい。
第2集塵ローラ23は、クリーニングブラシ20と回転軸が平行に配設され、帯電した状態でクリーニングブラシ20表面に接触する。第2集塵ローラ23は、第1集塵ローラ15と同様の導電性材料により構成することができる。
クリーニングブラシ20表面との接点部分での第2集塵ローラ23の回転方向は、クリーニングブラシ20の回転方向に対して逆方向であることが好ましい。また、第2集塵ローラ23の電位は、クリーニングブラシ20の電位と同極性かつ絶対値が大きいことが好ましい。このように構成することで、クリーニングブラシ20に付着した異物を効率的に回収することができる。
第2スクレーパー24は、例えば矩形状の板であり、その矩形を構成する1辺が第2集塵ローラ23の回転軸方向にわたって第2集塵ローラ23表面に接触する。第2スクレーパー24は、接触する対象が第2集塵ローラ23である点を除き、第1スクレーパー16と同様であるので、詳細説明を省略する。
第2異物回収部25は、トレイ状であり、第2スクレーパー24の先端部下方に配設されている。第2スクレーパー24により掻き取られた異物はこの第2異物回収部25内に落下及び回収される。
(第1対向電極ローラ)
当該クリーニング装置1は、対象物Sのクリーニングローラ10と接触する面とは反対側の面と接触する第1対向電極ローラ18を備えてもよい。
第1対向電極ローラ18は、クリーニングローラ10と回転軸が平行かつ対向する位置に回転自在に配設され、帯電した状態で対象物Sの裏面に接触する。この第1対向電極ローラ18は、対象物Sの搬送に伴って連れ回りする。すなわち、対象物Sの裏面との接点部分での第1対向電極ローラ18の回転方向は、搬送方向Dに対して順方向である。
第1対向電極ローラ18は、一部又は全部が導電性材料で形成される。このような導電性材料としては、例えばステンレス、銅、アルミニウム等の金属材料が挙げられる。第1対向電極ローラ18は、上記導電性材料のみで形成することもできるが、図3に示すように、上記導電性材料で形成された芯金18aの外周面を合成樹脂等の絶縁層18bが覆うような構成としてもよい。
第1対向電極ローラ18には、クリーニングローラ10に印加される電圧よりも同極性で低い電圧又は正負が逆の電圧が印加される。あるいは、第1対向電極ローラ18は接地される。これにより、クリーニングローラ10の電界の力による吸着効果が促進され、対象物Sのクリーニングローラ10側の面に付着する異物がクリーニングローラ10に吸着され易くなる。
(第2対向電極ローラ)
当該クリーニング装置1は、対象物Sのクリーニングブラシ20と接触する面とは反対側の面と接触する第2対向電極ローラ26を備えてもよい。
第2対向電極ローラ26は、クリーニングブラシ20と回転軸が平行かつ対向する位置に回転自在に配設され、帯電した状態で対象物Sの裏面に接触する。この第2対向電極ローラ26は、対象物Sの搬送に伴って連れ回りする。すなわち、対象物Sの裏面との接点部分での第2対向電極ローラ26の回転方向は、搬送方向Dに対して順方向である。
第2対向電極ローラ26は、一部又は全部が導電性材料で形成される。第2対向電極ローラ26に用いられる導電性材料及び第2対向電極ローラ26の構成は、第1対向電極ローラ18と同様とすることができる。
第2対向電極ローラ26には、クリーニングブラシ20に印加される電圧よりも同極性で低い電圧又は正負が逆の電圧が印加される。あるいは、第2対向電極ローラ26は接地される。これにより、クリーニングブラシ20の電界の力による吸着効果が促進され、対象物Sのクリーニングブラシ20側の面に付着する異物がクリーニングブラシ20に吸着され易くなる。
<利点>
当該クリーニング装置1では、クリーニングブラシ20が対象物S表面に接触する位置よりも搬送方向D上流側に圧縮空気Aを吹き付けることで、対象物Sの表面に凹凸や段差がある場合であっても、異物が舞い上げられ、主にそのままクリーニングブラシ20に衝突する。このため、舞い上げられた異物は、クリーニングブラシ20が掻き起こすミリサイズの比較的大きな異物とともにクリーニングブラシ20に回収される。また、当該クリーニング装置1では、対象物S表面に残る微細な異物は、クリーニングブラシ20より搬送方向D下流側に配置されるクリーニングローラ10により除去することができる。従って、当該クリーニング装置1は、表面に凹凸や段差がある対象物Sであっても、異なるサイズの異物を効果的に除去することができる。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
上記実施形態では、クリーニングローラ及びクリーニングブラシが、帯電した状態で対象物表面に接触する場合を説明したが、帯電は必須の構成要件ではなく、クリーニングローラ及びクリーニングブラシの両方あるいはいずれか一方が帯電していない状態で対象物表面に接触する場合も本発明の意図するところである。
上記実施形態では、エアノズルが、断面が円形状の複数の空気吐出口を有している場合を説明したが、空気吐出口の断面形状は円形に限定されるものではない。また、エアノズルが空気吐出口を1つしか有していないクリーニング装置も本発明の意図するところである。エアノズルは、例えば断面が長方形状の1つの空気吐出口を有する構成であってもよい。
上記実施形態では、吹付位置が、ガイドローラが対象物表面に接触する位置よりも搬送方向下流側である場合を説明したが、吹付位置は、ガイドローラが対象物表面に接触する位置よりも上流側であってもよい。また、ガイドローラを備えないクリーニング装置も本発明の意図するところである。
上記実施形態では、当該クリーニング装置がガイドローラを備える場合を説明したが、対象物が、例えば先端の折れ曲がり難い板状のようなものであり、先端をクリーニングブラシ及び第2対向電極ローラ間に進入させ易い場合、ガイドローラは省略してもよい。
また、搬送機構は、上述の構成に限定されるものではない。対象物を搬送できる限り任意の構成を採用可能である。
本発明のクリーニング装置は、表面に凹凸や段差がある対象物であっても、異なるサイズの異物を効果的に除去することができる。
1 クリーニング装置
10 クリーニングローラ
11 芯金
12 内層部
13 外層部
14 ブラシローラ
15 第1集塵ローラ
16 第1スクレーパー
17 第1異物回収部
18 第1対向電極ローラ
18a 芯金
18b 絶縁層
20 クリーニングブラシ
21 芯金
22 ブラシ部
23 第2集塵ローラ
24 第2スクレーパー
25 第2異物回収部
26 第2対向電極ローラ
30 エアノズル
31 空気吹出口
32 空気流入口
33 空気吹出面
40 ガイドローラ
50 搬送機構
50a 上流側搬送機構
50b 下流側搬送機構
51 ベルト搬送部
52 搬送ローラ
53 無端ベルト
S 対象物
D 搬送方向
A 圧縮空気
X 吹付位置
Y 交差位置
I 吐出軸
R 反射軸
n 法線
M 回転軸
θi 吐出角

Claims (11)

  1. 搬送される対象物表面のクリーニング装置であって、
    上記対象物の搬送方向と垂直かつ対象物表面と平行な回転軸を中心として回転可能に配設され、上記対象物表面に接触するクリーニングローラと、
    このクリーニングローラと回転軸が平行に配設され、回転しつつ上記対象物表面に接触するローラ状のクリーニングブラシと、
    上記対象物表面に上記搬送方向上流側から圧縮空気を吐出する空気吐出口を有するエアノズルと
    を備え、
    上記対象物表面との接点部分での上記クリーニングローラの回転方向が上記搬送方向に対して順方向であり、
    上記対象物表面との接点部分での上記クリーニングブラシの回転方向が上記搬送方向に対して逆方向であり、
    上記搬送方向の上流側から、上記エアノズル、上記クリーニングブラシ、上記クリーニングローラの順に配置されており、
    上記圧縮空気が上記対象物表面に吹き付けられる吹付位置が、上記クリーニングブラシが上記対象物表面に接触する位置よりも上記搬送方向上流側であるクリーニング装置。
  2. 上記圧縮空気がイオン風である請求項1に記載のクリーニング装置。
  3. 上記クリーニングローラ及び上記クリーニングブラシが、帯電した状態で上記対象物表面に接触する請求項2に記載のクリーニング装置。
  4. 上記圧縮空気、上記クリーニングローラ及び上記クリーニングブラシの電位が同極性である請求項3に記載のクリーニング装置。
  5. 上記クリーニングブラシより上記搬送方向上流側に配設され、上記対象物表面に接触しつつ上記対象物の搬送を補助するガイドローラを備え、
    上記ガイドローラが上記対象物表面に接触する位置は、上記吹付位置よりも上記搬送方向上流側である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  6. 上記エアノズルの空気吐出口の中心と上記吹付位置とを結ぶ上記圧縮空気の吐出軸を、上記吹付位置における上記対象物表面の法線に対して対称に折り返した反射軸が、上記クリーニングブラシの回転軸より上記対象物表面側で上記クリーニングブラシ表面と交差する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  7. 上記圧縮空気の上記吹付位置における吐出角が、30度以上45度以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  8. 上記エアノズルの空気吐出口の中心と上記吹付位置との離間距離が5mm以上15mm以下である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  9. 上記圧縮空気の圧力が、0.3MPa以上0.6MPa以下である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  10. 上記圧縮空気の上記空気吐出口における風速が、190m/秒以上380m/秒以下である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のクリーニング装置。
  11. 上記エアノズルが、断面が円形状の複数の上記空気吐出口を有し、
    上記空気吐出口の直径が、0.5mm以上3.0mm以下である請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のクリーニング装置。



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