JP2023131450A - レーザ距離測定装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 測定対象までの絶対的な距離を高精度で測定することができるレーザ距離測定装置及び方法を提供する。【解決手段】 測定対象からの反射信号光と参照光との干渉光を示す干渉信号に基づいて干渉光に含まれる位相情報から測定対象までの距離を測定するレーザ距離測定装置である。このレーザ距離測定装置は、第1、第2周波数の2モードのレーザ光を発振するレーザ発振器10と、2モードのレーザ光を、2モードのレーザ光と、第1周波数のレーザ光と、第2周波数のレーザ光とに分光する回折格子20と、第1周波数のレーザ光を周波数変調させる移動回折格子30と、周波数変調された第1周波数のレーザ光と第2周波数のレーザ光とを合成するビームスプリッタ50とを備え、2モードのレーザ光を信号光として使用し、ビームスプリッタ50により合成されたレーザ光を参照光として使用する。【選択図】 図7

Description

本発明はレーザ距離測定装置及び方法に係り、特に測定対象までの絶対的な距離を高精度で測定する技術に関する。
従来、信号光を測定対象の反射面に入射させ、反射面で反射した信号光の反射信号光と、信号光に対して周波数が異なる参照光とを干渉(光ヘテロダイン干渉)させ、この干渉光を示す干渉信号を光検出器により検出し、干渉信号に含まれる位相情報から測定対象までの距離を測定するレーザ距離測定装置が知られている(例えば、特許文献1)。
測定対象までの距離(光路)に応じて、信号光の往復時間が変化する。即ち、参照光と反射信号光と間の位相が変化する。そこで、参照光と反射信号光との位相差を検出することで、測定対象までの距離を求めている。レーザ光は周期的な波であるため、位相差から求められる距離は1波長以内であり、波長が数百nmのレーザを用いた場合は測定レンジが狭くなることに繋がる。そのため測距においては、より波長の長い(振動数の低い)変調をレーザに与えて、その変調させた信号光と参照光との位相差を求めている(特許文献1)。
レーザ光への変調は、ゼーマンレーザを用いる方法が知られている。ゼーマンレーザは、レーザ発振器自体に磁場を与えることで、発振モードが2モードに分かれる現象を利用し、2モードの周波数を重ね合わせてビートを生成することで、モードの周波数差(10MHz程度)の変調信号を得る。
また、他のレーザ光への変調は、レーザダイオード(LD:Laser Diode)などに音響光学変調器(AOM:Acousto Optics Modulator)を用いて変調を与える方式がある。AOMによる周波数変調は、100MHz程度である。尚、特許文献1に記載の測距センサは、半導体レーザのレーザ光の変調をAOMを用いて行っている。
特開平06-221808号公報
しかしながら、ゼーマンレーザによるレーザ光の変調周波数は、10MHz程度であり、AOMによる周波数変調は、100MHz程度であり、一般的な位相分解能を0.1°と考えると、距離分解能は、ゼーマンレーザによる周波数変調で0.4mm、AOM変調で40μm程度となり、精密な測定には分解能が足りていないという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、測定対象までの絶対的な距離を高精度で測定することができるレーザ距離測定装置及び方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、相対的に周波数変調された信号光と参照光とを使用し、信号光を測定対象の反射面に入射させ、反射面で反射した信号光の反射信号光と参照光とを干渉させ、干渉した干渉光を示す干渉信号を光検出器により検出し、干渉信号に含まれる位相情報から測定対象までの距離を測定するレーザ距離測定装置において、印可される電流により第1周波数及び第2周波数の2モードのレーザ光を発振するレーザ発振器と、レーザ発振器から入射する2モードのレーザ光を、第1方向の2モードのレーザ光と、第2方向の第1周波数のレーザ光と、第3方向の第2周波数のレーザ光との3方向のレーザ光に分光する分光器と、分光器により分光された第1周波数のレーザ光を周波数変調させる周波数シフタと、周波数シフタにより周波数変調された第1周波数のレーザ光と分光器により分光された第2周波数のレーザ光とを合成する合成器と、を備え、信号光は、分光器により分光された2モードのレーザ光、及び合成器により合成されたレーザ光のうちの一方のレーザ光であり、参照光は、分光器により分光された2モードのレーザ光、及び合成器により合成されたレーザ光のうちの他方のレーザ光である。
第2の態様に係るレーザ距離測定装置は、第1の態様において、レーザ発振器は、印可する電流により2モードのレーザ光を発振するレーザダイオード又は固体レーザである。
第3の態様に係るレーザ距離測定装置は、第1又は第2の態様において、分光器は、回折格子を含む。
第4の態様に係るレーザ距離測定装置は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、周波数シフタは、第1周波数のレーザ光が入射する移動回折格子、又は音響光学変調器である。
第5の態様に係るレーザ距離測定装置は、第1から第4の態様のいずれかにおいて、合成器は、ビームスプリッタである。
本発明の第6の態様は、相対的に周波数変調された信号光と参照光とを使用し、信号光を測定対象の反射面に入射させ、反射面で反射した信号光の反射信号光と参照光とを干渉させ、干渉した干渉光を示す干渉信号を光検出器により検出し、干渉信号に含まれる位相情報から測定対象までの距離を測定するレーザ距離測定方法において、レーザ発振器に印加する電流を調整し、レーザ発振器から第1周波数及び第2周波数の2モードのレーザ光を発振させるステップと、分光器が、レーザ発振器から入射する2モードのレーザ光を、第1方向の2モードのレーザ光と、第2方向の第1周波数のレーザ光と、第3方向の第2周波数のレーザ光との3方向のレーザ光に分光するステップと、周波数シフタが、分光器により分光された第1周波数のレーザ光を周波数変調させるステップと、合成器が、周波数シフタにより周波数変調された第1周波数のレーザ光と分光器により分光された第2周波数のレーザ光とを合成するステップと、を含み、信号光として、分光器により分光された2モードのレーザ光、及び合成器により合成されたレーザ光のうちの一方のレーザ光を使用し、参照光として、分光器により分光された2モードのレーザ光、及び合成器により合成されたレーザ光のうちの他方のレーザ光を使用する。
本発明によれば、レーザ発振器から発振される第1周波数及び第2周波数の2モードのレーザ光の周波数差を、ゼーマンレーザによる変調周波数やAOMによる変調周波数よりも大きくすることができ、測定対象までの絶対的な距離を高精度で測定することができる。
図1は、距離測定に使用する2つのレーザ光の模式図である。 図2は、2モードで発振するレーザ光のスペクトルを示すイメージ図である。 図3は、回折格子による回折条件を説明するために用いた図である。 図4は、2モードのレーザ光を分離する構成を示す図である。 図5は、回折した2モード及び多モードのレーザ光の観察結果を示す図である。 図6は、本発明に係るレーザ距離測定装置に使用される信号光と参照光を生成する構成を示す図である。 図7は、本発明に係るレーザ距離測定装置の第1実施形態を示す図である。 図8は、本発明に係るレーザ距離測定装置の第2実施形態を示す図である。 図9は、本発明に係るレーザ距離測定方法の実施形態を示すフローチャートである。
以下、添付図面に従って本発明に係るレーザ距離測定装置及び方法の実施の形態について説明する。
[発明の概要]
図1は、距離測定に使用する2つのレーザ光の模式図である。
2つのレーザ光は、基準となる参照光と、測定対象の反射面に入射し、反射面で反射した信号光の反射信号光である。図1において、参照光は実線で表され、反射信号光は破線で表されている。
反射信号光は、測定対象までの往復時間分遅延するため、参照光と反射信号光との間には位相差が発生する。位相差をΔφ、レーザ光の変調周波数をf、測定環境での光速をc’とすると、距離Lは、次式で表される。
[数1]
L=c’/2f(N+Δφ/2π)
N=整数
上記[数1]式からも明らかなように距離Lの測距分解能は、位相差Δφの分解能とその変調周波数fにより決定される。
従来のゼーマンレーザを使用する変調方法は、2モードの周波数差(変調周波数)が10MHz程度であり、AOMによる変調周波数は100MHz程度であり、いずれも変調周波数fが低く、測距分解能が精密な測定には不足する。
本発明は、高分解能な距離測定が可能なレーザ光を発振するレーザ発振器を提供することを目的の一つとする。
レーザダイオード(LD)や固体レーザ(例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(Yttrium Aluminum Garnet)を用いた固体レーザであるYAGレーザ)では、印加する電流を変化させると、複数のモード発振が得られる。この種のレーザ発振器は、印可する電流を増加させると、生成される縦モードが、多モード→3モード→2モード→単モードと変化する特性がある。各モード間の振動数差(周波数差)は、例えば、100~150GHz程度である。
図2は、2モードで発振するレーザ光のスペクトルを示すイメージ図である。
図2の破線で示すグラフはレーザ媒質の利得曲線であり、グラフの横軸は振動数(周波数)であり、縦軸は光強度に相当する利得である。
図2に示す2モードで発振するレーザ光は、第1周波数f1の縦モードと第2周波数f2の縦モードとの2本の縦モードで発振し、2モード間の周波数差(f1-f2)は、100~150GHzである。尚、本例では、便宜上、2本の縦モードのうちの周波数が高い方を第1周波数f1、低い方を第2周波数f2としたが、逆であってもよく、この場合も2モード間の周波数差|f1-f2|は、100~150GHzである。
本発明は、この2モードのレーザ光を、分光器として機能する回折格子を利用した機構を用いることで、各モードを分離して使用する。
図3は、回折格子による回折条件を説明するために用いた図である。
図3に示す回折格子2は、反射型の回折格子であり、例えば、表面に平行な溝が周期的に刻まれた光学素子に金属コーティングを施して作成することができる。
図3において、dは、回折格子2の周期(隣り合う溝の間隔)である。
この回折格子2により回折光が回折する方向は、入射光の波長と回折格子2の周期により決まる。
いま、回折格子2の周期をd、入射光の波長をλ、入射角及び回折角をそれぞれθ、Φとすると、次式が成立する。
[数2]
λ=(sinθ+sinΦ)×d/m
m=次数
2モードのレーザ光を回折格子2に入射させると、正反射方向に2モードの混在した光が進行する。
また、2モードの周波数差を有する2つの周波数の光は、周波数(波長)が異なるため、異なる回折角で回折する。
図4は、2モードのレーザ光を分離する構成を示す図である。
図4において、レーザ発振器10は、図2に示したように第1周波数f1と第2周波数f2との周波数差が、100~150GHzである2モードのレーザ光を発振する。
回折格子20は、レーザ発振器10から発振された2モードのレーザ光を入射光とし、正反射方向(第1方向)に2モードの混在した0次成分のレーザ光を反射させ(図示せず)、第2方向に第1周波数f1のレーザ光を回折光として分離し、第3方向に第1周波数f1のレーザ光を回折光として分離する。
回折格子20により分離された第2方向に第1周波数f1の回折光は、ミラー22により反射され、再び回折格子20に入射し、回折格子20で反射(正反射)して観察面23に進む。同様に、回折格子20により分離された第3方向に第2周波数f2の回折光は、ミラー22により反射され、再び回折格子20に入射し、回折格子20で反射して観察面23に進む。
したがって、第1周波数f1のレーザ光と第2周波数f2のレーザ光とは、観察面23の異なる位置に入射する。
図5は、回折した2モード及び多モードのレーザ光の観察結果を示す図である。
図5(A)は、2モードのレーザ光の観察結果を示す図であり、図4に示した観察面23を撮影して得た写真である。図5(A)に示した写真の2箇所の高輝度部分は、回折により分離された第1周波数f1のレーザ光と第2周波数f2のレーザ光とが入射した部分である。
一方、図5(B)は、多モードのレーザ光の観察結果を示す図であり、図4に示した観察面23を撮影して得た写真である。図5(B)に示した写真の5箇所の高輝度部分は、回折により分離された、それぞれ周波数が異なるレーザ光が入射した部分である。
尚、図5(A)は、レーザ発振器としてYAGレーザを使用し、YAGレーザを2モードで発振させたときに得られた観察結果であり、図5(B)は、レーザ発振器として赤色レーザダイオードを使用し、赤色レーザダイオードを多モードで発振させたときに得られた観察結果である。
図6は、本発明に係るレーザ距離測定装置に使用される信号光と参照光を生成する構成を示す図である。尚、図6において、図4に示した2モードのレーザ光を分離する構成と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6において、レーザ発振器10から発振される、第1周波数f1のレーザ光と第2周波数f2のレーザ光とが混在した2モードのレーザ光は、回折格子20に入射され、ここで、第1方向の2モードのレーザ光と、第2方向の第1周波数f1のレーザ光と、第3方向の第2周波数f2のレーザ光との3方向のレーザ光に分光(分離)される。
図6上で、回折格子20上で第1方向に正反射する0次成分の2モードのレーザ光は、実線で示され、第2方向に回折する第1周波数f1のレーザ光は、点線で示され、第3方向に回折する第2周波数f2のレーザ光は、一点鎖線で示されている。
回折格子20により正反射される0次成分の2モードのレーザ光は、ミラー22に入射し、ここで反射してビームスプリッタ60に入射する。ビームスプリッタ60に入射する2モードのレーザ光は、第1周波数f1のレーザ光と第2周波数f2のレーザ光とが混合したレーザ光であり、本例では、測定対象70に向かって進む信号光ESとして使用される。また、第1周波数f1と第2周波数f2との周波数差(f1-f2)は、例えば150GHzであり、信号光ESは、150GHzのビート周波数を有する。
回折格子20により分離された一方の第1周波数f1のレーザ光は、ミラー22により反射され、再び回折格子20に入射し、回折格子20で反射して移動回折格子30に入射する。
移動回折格子30は、第1周波数f1のレーザ光を周波数変調させる周波数シフタの一種であり、移動回折格子30を移動(回転)させることで、第1周波数f1のレーザ光に変調周波数δの変調を与える。
変調周波数δは、第1周波数f1と第2周波数f2との周波数差(f1-f2)である150GHzに対して十分に低い周波数であり、例えば、扱いやすい5kHzとすることができる。
尚、第1周波数f1のレーザ光に変調周波数δの変調を与える手段は、本例の移動回折格子30に限らず、例えば、音響光学変調器(AOM)等の他の周波数シフタを使用してもよい。また、第1周波数f1のレーザ光を周波数変調する代わりに、第2周波数f2のレーザ光を周波数変調するようにしてよい。
移動回折格子30により周波数変調された周波数(f1+δ)のレーザ光は、ミラー40により反射され、合成器として機能するビームスプリッタ50に入射する。
ビームスプリッタ50には、回折格子20により分離された他方の第2周波数f2のレーザ光がミラー24を介して入射しており、ビームスプリッタ50は、周波数変調された周波数(f1+δ)のレーザ光と、回折格子20により分離された他方の第2周波数f2のレーザ光とを合成する。
ビームスプリッタ50により合成されたレーザ光は、ビームスプリッタ60に入射する。合成されたレーザ光は、本例では、参照光ERとして使用される。この参照光ERは、第1周波数f1と第2周波数f2との周波数差(f1-f2)に変調周波数δが加算されたビート周波数((f1-f2)+δ)を有することになる。
[レーザ距離測定装置の第1実施形態]
図7は、本発明に係るレーザ距離測定装置の第1実施形態を示す図である。
尚、図7において、図6に示した信号光ESと参照光ERを生成する部分と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図7において、発信器62は、周波数がδ(本例では、5kHz)の正弦波信号Sδを駆動部32及び位相検出器90に出力する。
駆動部32は、正弦波信号Sδの周波数δに同期して移動回折格子30を回転駆動し、回転駆動する移動回折格子30は、回折格子20により分離されて入射する第1周波数f1のレーザ光に対して変調周波数δの変調を与える。
回折格子20により分離された0次成分の信号光ESは、ビームスプリッタ60を透過し、測定対象70の反射面72に入射し、反射面72で反射した反射信号光ESは、再びビームスプリッタ60に入射する。
一方、ビームスプリッタ50により合成されたレーザ光である参照光ERは、ビームスプリッタ60に入射する。そして、ビームスプリッタ60により反射z信号光ESと参照光ERとは光ヘテロダイン干渉し、この干渉光は光検出器80に入射する。
光検出器80は、入射する干渉光を示す干渉信号を検出する。即ち、光検出器80は、入射する干渉光をその干渉光の強度に対応する電流信号に変換し、電流信号を電圧信号に変換することで、干渉光の強度に対応する電圧信号(干渉信号)を検出する。
ここで、反射信号光ES及び参照光ERは、次式で表すことができる。
[数3]式において、uS,uRは、それぞれ反射信号光ES及び参照光ERの光強度であり、fは、第1周波数f1と第2周波数f2との周波数差(f1-f2)であり、φは、反射信号光ESと参照光ERとの位相差(参照光ERの位相をゼロとしたときの反射信号光ESの位相)であり、δは、参照光ERに与えられた変調周波数である。
干渉光として検出されるのは電場の強度変化であるため、光検出器80により検出される検出信号は、次式で表すことができる。
Figure 2023131450000003
[数4]式に示すように、光検出器80により検出される干渉信号は、変調周波数δの周期を有し、反射信号光ESの位相φを含む。この位相φは、ビームスプリッタ60と測定対象70の反射面72との距離に応じて変化する。
光検出器80により検出された干渉信号は、位相検出器90に加えられる。位相検出器90の他の入力には、発信器62から周波数δの正弦波信号Sδが加えられており、位相検出器90は、正弦波信号Sδを参照信号として干渉信号に含まれる反射信号光ESの位相φを検出する。
位相検出器90は、検出した位相φを示す位相情報を測距部92に出力する。測距部92は、位相φを示す位相情報に基づいて測定対象70の距離を算出する。
測距部92は、信号光ESの1波長分の長さの範囲内で測定対象70の絶対的な距離を、位相φを示す位相情報から算出することができる。ここで、本例の信号光ESは、150GHzの周波数(f1-f2)を有するため、位相検出器90による位相φの検出分解能を、一般的な0.1°とすると、約0.3μmの分解能で測定対象70までの距離を測定することができる。
[レーザ距離測定装置の第2実施形態]
図8は、本発明に係るレーザ距離測定装置の第2実施形態を示す図である。
尚、図8において、図7に示した第1実施形態のレーザ距離測定装置と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図8に示す第2実施形態のレーザ距離測定装置は、図7に示した第1実施形態のレーザ距離測定装置と比較して、周波数変調したレーザ光を信号光として使用し、周波数変調していないレーザ光を参照光としている点で相違する。
即ち、図8に示す第2実施形態のレーザ距離測定装置は、移動回折格子30により周波数変調された周波数(f1+δ)のレーザ光と、回折格子20により分離された第2周波数f2のレーザ光とがビームスプリッタ50により合成された、周波数変調されたレーザ光を信号光ESとして使用する。この信号光ESは、ビート周波数((f1-f2)+δ)を有するレーザ光である。
また、第2実施形態のレーザ距離測定装置は、回折格子20により正反射される0次成分の変調されていない2モードのレーザ光を、参照光ERとして使用する。この参照光ERは、第1周波数f1と第2周波数f2との周波数差(f1-f2)に対応するビート周波数を有する。
干渉光学系を構成するビームスプリッタ61は、ビームスプリッタ50により合成されたレーザ光(信号光ES)が入射すると、入射した信号光ESを透過させて測定対象70に導き、測定対象70の反射面72で反射した反射信号光ESが再度入射する。
また、ビームスプリッタ61には、回折格子20により正反射される0次成分の2モードのレーザ光(参照光ER)が入射しており、ビームスプリッタ61は、これらの参照光ERと反射信号光ESとを重ね合せ(干渉させ)、干渉させた干渉光を光検出器80に入射させる。
光検出器80は、干渉光の強度に対応する干渉信号を検出する。
ここで、反射信号光ES及び参照光ERは、次式で表すことができる。
[数5]式において、uS,uRは、それぞれ反射信号光ES及び参照光ERの光強度であり、fは、第1周波数f1と第2周波数f2との周波数差(f1-f2)であり、φは、反射信号光ESと参照光ERとの位相差(参照光ERの位相をゼロとしたときの反射信号光ESの位相)であり、δは、信号光ESに与えられた変調周波数である。
光検出器80により干渉光として検出されるのは電場の強度変化であるため、光検出器80により検出される検出信号は、次式で表すことができる。
Figure 2023131450000005
第1実施形態のレーザ距離測定装置の光検出器80は、[数4]式に示した干渉信号(電場の強度変化)を検出するのに対し、第2実施形態のレーザ距離測定装置の光検出器80は、[数6]式に示した干渉信号を検出することになる。
[数6]式は、[数4]式と比較して、位相φの符号が異なるが、その他は同一の検出結果が得られるため、ビート周波数(f1-f2)を有する2モードのレーザ光と、変調周波数δで変調されたビート周波数((f1-f2)+δ)を有するレーザ光のうちの、いずれか一方を信号光として用い、他方を参照光として用いることができる。即ち、位相変調されたレーザ光を参照光として使用する場合に限らず、信号光として使用してもよく、要は信号光と参照光とは相対的に周波数変調されていればよい。
[レーザ距離測定方法の実施形態]
図9は、本発明に係るレーザ距離測定方法の実施形態を示すフローチャートである。
尚、図9に示すレーザ距離測定方法は、図7に示した第1実施形態のレーザ距離測定装置により行われる測定方法である。
図9において、レーザ発振器10に印加する電流を調整し、第1周波数f1及び第2周波数f2の2モードのレーザ光を発振させる(ステップS10)。本例の2モード間の周波数差は、150GHz程度である。
この2モードのレーザ光を回折格子20に入射させ、回折格子20により正反射の0次成分の2モードのレーザ光、第1周波数f1のレーザ光、及び第2周波数f2のレーザ光の3方向のレーザ光に分光する(ステップS12)。
分光した第1周波数f1のレーザ光を、周波数シフタとして機能する移動回折格子30により変調周波数δにて変調する(ステップS14)。変調周波数δは、例えば、扱いやすい5kHzとすることができる。
周波数変調した周波数(f1+δ)のレーザ光と分光した第2周波数f2のレーザ光とをビームスプリッタ50により合成する(ステップS16)。
回折格子20により分光した0次成分の2モードのレーザ光(ビート周波数(f1-f2)を有するレーザ光)を、信号光ESとしてビームスプリッタ60を介して測定対象70に入射させ、ビームスプリッタ50により合成したレーザ光(ビート周波数((f1-f2)+δ)を有するレーザ光)を、参照光ERとしてビームスプリッタ60に入射させる(ステップS18)。
測定対象70の反射面72で反射する反射信号光ESと参照光ERとはビームスプリッタ60により重ね合わされ、干渉光として光検出器80に入射し、ここで、干渉光を示す干渉信号として検出される。位相検出器90は、周波数δの正弦波信号Sδを参照信号として、干渉信号から干渉信号に含まれる反射信号光ESの位相φを検出する(ステップS20)。
測距部92は、位相検出器90により検出された位相φに基づいて、信号光ESの1波長分の長さの範囲内で測定対象70の絶対的な距離を算出する(ステップS22)。本例では、信号光ESは150GHzの周波数を有するため、位相検出器90により検出される一般的な位相φの検出分解能を0.1°とすると、約0.3μmの分解能で測定対象70までの距離を測定することができる。
[その他]
本実施形態のレーザ発振器は、モード間の周波数差が150GHzの2モードのレーザ光を発振するが、これに限らず、測距目的に応じてモード間の周波数差が所望の周波数の2モードのレーザ光を発振するものとすることができる。
レーザ発振器から発振される2モードのレーザ光のモード間の周波数差が大きい程、測定対象の測距の分解能が高くなるが、測距できる範囲は狭く(小さく)なり、測距の分解能と測距できる範囲とはトレードオフの関係にある。尚、2モードのレーザ光のモード間の周波数差は、レーザ発振器の共振器長により決定することができる。
また、本実施形態では、レーザ発振器から、分光器として機能する1つの回折格子に2モードのレーザ光を入射させ、回折格子により正反射する0次成分の2モードのレーザ光と、それぞれ回折角が異なる第1周波数f1のレーザ光と第2周波数f2のレーザ光との3つのレーザ光を分光するようにしたが、これに限らず、2以上の分光器を使用して3つのレーザ光を分光するようにしてもよい。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
10…レーザ発振器、20…回折格子、22、24、40…ミラー、30…移動回折格子、32…駆動部、50、60、61…ビームスプリッタ、62…発信器、70…測定対象、72…反射面、80…光検出器、90…位相検出器、92…測距部

Claims (6)

  1. 相対的に周波数変調された信号光と参照光とを使用し、前記信号光を測定対象の反射面に入射させ、前記反射面で反射した前記信号光の反射信号光と前記参照光とを干渉させ、前記干渉した干渉光を示す干渉信号を光検出器により検出し、前記干渉信号に含まれる位相情報から前記測定対象までの距離を測定するレーザ距離測定装置において、
    印可される電流により第1周波数及び第2周波数の2モードのレーザ光を発振するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から入射する前記2モードのレーザ光を、第1方向の前記2モードのレーザ光と、第2方向の前記第1周波数のレーザ光と、第3方向の前記第2周波数のレーザ光との3方向のレーザ光に分光する分光器と、
    前記分光器により分光された前記第1周波数のレーザ光を周波数変調させる周波数シフタと、
    前記周波数シフタにより周波数変調された前記第1周波数のレーザ光と前記分光器により分光された前記第2周波数のレーザ光とを合成する合成器と、を備え、
    前記信号光は、前記分光器により分光された前記2モードのレーザ光、及び前記合成器により合成された前記レーザ光のうちの一方のレーザ光であり、
    前記参照光は、前記分光器により分光された前記2モードのレーザ光、及び前記合成器により合成された前記レーザ光のうちの他方のレーザ光である、
    レーザ距離測定装置。
  2. 前記レーザ発振器は、印可する電流により前記2モードのレーザ光を発振するレーザダイオード又は固体レーザである、
    請求項1にレーザ距離測定装置。
  3. 前記分光器は、回折格子を含む、
    請求項1又は2に記載のレーザ距離測定装置。
  4. 前記周波数シフタは、前記第1周波数のレーザ光が入射する移動回折格子、又は音響光学変調器である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ距離測定装置。
  5. 前記合成器は、ビームスプリッタである、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のレーザ距離測定装置。
  6. 相対的に周波数変調された信号光と参照光とを使用し、前記信号光を測定対象の反射面に入射させ、前記反射面で反射した前記信号光の反射信号光と前記参照光とを干渉させ、前記干渉した干渉光を示す干渉信号を光検出器により検出し、前記干渉信号に含まれる位相情報から前記測定対象までの距離を測定するレーザ距離測定方法において、
    レーザ発振器に印加する電流を調整し、前記レーザ発振器から第1周波数及び第2周波数の2モードのレーザ光を発振させるステップと、
    分光器が、前記レーザ発振器から入射する前記2モードのレーザ光を、第1方向の前記2モードのレーザ光と、第2方向の前記第1周波数のレーザ光と、第3方向の前記第2周波数のレーザ光との3方向のレーザ光に分光するステップと、
    周波数シフタが、前記分光器により分光された前記第1周波数のレーザ光を周波数変調させるステップと、
    合成器が、前記周波数シフタにより周波数変調された前記第1周波数のレーザ光と前記分光器により分光された前記第2周波数のレーザ光とを合成するステップと、を含み、
    前記信号光として、前記分光器により分光された前記2モードのレーザ光、及び前記合成器により合成された前記レーザ光のうちの一方のレーザ光を使用し、
    前記参照光として、前記分光器により分光された前記2モードのレーザ光、及び前記合成器により合成された前記レーザ光のうちの他方のレーザ光を使用する、
    レーザ距離測定方法。
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