JP2023131266A - 軸流ファンモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】回路基板に対する放熱性を向上すると共に回路基板を保護する。【解決手段】ファン装置100は、軸X方向の一端に吸気口201、他端に排気口301を有する中空筒状のケーシング200と、複数の羽根212を有するインペラ210と、インペラ210を回転させるモータ250と、排気口301の側に軸X方向に沿って配設され、複数の電子部品411、511が実装された複数の回路基板400、500と、ケーシング200において回路基板400、500の上流側に配設された複数の固定翼206とを備え、複数の回路基板400、500はX字状に組み合わされて一体型基板600となり、ケーシング200の下流側に取り付けられたカバー部材700は、一体型基板600を下流側から覆うためカップ状体711を有すると共にカップ状体711から放射状に延びる腕部712を有し、インペラ210が発生させた空気を通過させる通風部730を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、軸流ファンモータに関する。
近年、情報機器の高性能化に伴って、その情報機器の内部にある電子部品の消費電力が増加の一途をたどっている。これに伴って、例えば、高出力、高機能が要求されるサーバ等の情報機器に配される電子部品の冷却に用いられるファンにおいても、当然に高出力化による冷却性能の向上が求められている。したがって、高出力化されたファンを駆動させる制御基板へ電力が集中することに起因した当該制御基板の熱についても冷却する必要がある。
このような課題に対して、従来、制御基板がファンの回転中心軸に対して略平行に配置されているため、回転羽根によって枠体の吸気口から排気口へ流れる気流の中に制御基板が配置されることになり、当該気流が制御基板の全部または一部に当たる構造を有するファンモータが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、回路基板収納部の下面には、当該回路基板収納部の内側へ異物等の混入を防止するための底蓋が装着されたファン装置が提案されている。このファン装置においては、回路基板収納部に設けられた溝によって、回路基板収納部の内部空間と外部空間とが連通し、空気の流れによって内部空間の熱が溝を通して外部に排出されるようになっている。(例えば、特許文献2参照。)。
国際公開第2008/041353号 特許第5363138号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたファンモータにおいては、蓋等が設けられていないため、吐出口側から異物が容易に侵入できてしまう。このためファンモータでは、吐出口側から侵入した異物により回路基板に力が加わることによる割れ等の破損や、静電気の発生等による故障のおそれがあった。
また、特許文献2に記載されたファンモータにおいては、底蓋によって回路基板の吐出口側が保護されているため、回路基板の破損等のおそれは低減されているが、底蓋によって回路基板の全体が覆われているために放熱性が十分ではなく、改善の余地が残されている。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、回路基板に対する放熱性を向上すると共に回路基板を保護することが可能な軸流ファンモータを提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により解決される。即ち、本発明の軸流ファンモータは、軸方向の一端に吸気口、および、前記軸方向の他端に排気口が設けられた中空筒状のケーシングと、前記ケーシングに収容された、複数の羽根を有するインペラと、前記ケーシングに収容された、前記インペラを回転させるモータと、前記ケーシングにおける前記排気口の側に前記モータの回転軸の方向に沿って配接され、複数の電子部品が実装された複数の回路基板と、前記ケーシングにおいて前記回路基板の上流側に配設された複数の固定翼とを備え、前記複数の回路基板は、X字状に組み合わされて一つの一体型基板となり、前記ケーシングの下流側には、カバー部材が取り付けられ、前記カバー部材は、前記一体型基板を下流側から覆うため、中央部分に有底筒形状のカップ状体を有すると共に当該カップ状体から放射状に延びる腕部を有し、前記インペラが発生させた空気を通過させるための通風部を有する。
本発明によれば、放熱性を向上すると共に回路基板を保護することが可能な軸流ファンモータを実現することができる。
本発明の実施の形態にかかるファン装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態にかかるファン装置のケーシングとカバー部材とを分解した構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態にかかるファン装置においてカバー部材が取り外された状態の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態にかかるファン装置においてカバー部材および回路基板が取り外された状態の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態にかかるファン装置の構成を示す上面図である。 本発明の実施の形態にかかるファン装置においてカバー部材が取り付けられている場合の内部の構成を示す図5のA-A断面図である。 本発明の実施の形態にかかるファン装置においてカバー部材が取り付けられている場合の回路基板と固定翼との配置関係を示す図5のB-B断面図である。 本発明の実施の形態にかかるファン装置のケーシングに設けられた被係合部の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態にかかるファン装置におけるカバー部材の構成を示す斜視図(図9(A))および平面図(図9(B))である。 本発明の実施の形態にかかるファン装置におけるカバー部材の構成を示す図9のA-A断面図(図10(A))およびカバー部材の側面図(図10(B))である。 本発明の実施の形態にかかるファン装置における底面図である。 本発明の実施の形態にかかるファン装置のカバー部材の係合部とケーシングの被係合部との係合状態を示す斜視図である。
<実施の形態>
以下、本発明の実施の形態について図1乃至図12を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態の説明において、説明の便宜上、軸Xに沿った矢印a方向を上側または上方とする。上側または上方は吸気口側を意味する。軸Xに沿った矢印b方向を下側または下方とする。下側または下方は排気口側を意味する。ここで、矢印ab方向を上下方向と称するが、重力方向における上下方向とは、必ずしも一致しない。また、軸Xから離れる矢印c方向を外周側、軸Xに近づく矢印d方向を内周側とし、矢印cd方向を径方向と称する。
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態における軸流ファンモータとしてのファン装置100は、軸X方向に気流を送風する軸流送風機である。このファン装置100においては、ケーシング200とカバー部材700とが軸X方向に沿って一体化された状態で結合されている。
ケーシング200(図2)は、全体的に平面視略正方形の角筒形状からなり、軸X方向の上側(矢印a方向)から中空円筒形状の風洞部に空気を吸入するための吸気口201(図5および図6)と、その吸気口201から流入した空気を軸方向の下側(矢印b方向)から排気する排気口301(図1、図2および図4)とを有している。
ケーシング200は、その内部に、ハブ211および羽根212からなるインペラ210と、インペラ210を回転駆動するためのモータ250(図6)とを収容している。
ケーシング200(図1乃至図4)は、上側(矢印a方向)の角部に4個の上側フランジ部202を有すると共に、下側(矢印b方向)の角部に4個の下側突出柱部203を有している。これらの上側フランジ部202および下側突出柱部203には、所定の機器や筐体に取り付けるためのボルト(図示せず)を挿通する貫通孔が設けられている。
図5および図6に示すように、ケーシング200は、インペラ210の羽根212の周囲を径方向(矢印cd方向)から囲う円筒状の側壁204と、その側壁204と一体に形成された外壁304と、軸X方向の中央付近に形成されたモータベース部205と、側壁204とモータベース部205とを径方向(矢印cd方向)において繋ぐ複数の静翼からなる固定翼206とを備えている。
これらケーシング200の側壁204、外壁304、モータベース部205、および、複数の固定翼206は、合成樹脂(例えばポリブチレンテレフタレート樹脂(含むガラス繊維入り))の射出成形により一体に形成されている。この場合、複数の固定翼206は、ケーシング200において、後述する一体型基板600(図3)よりも上流側に配設されている。
ケーシング200の風洞部を構成する側壁204は、軸Xを中心とする円筒形状からなり、インペラ210の羽根212の外周端と接触することのない大きさの内径を有している。すなわち、インペラ210の羽根212の外周端と側壁204の内周面との間には所定の隙間が形成されている。
ケーシング200の側壁204は、インペラ210を保護するガード部としても機能する。この側壁204の外周側における上側(矢印a方向)には、4個の上側フランジ部202が当該側壁204と一体に形成されている。
また、ケーシング200は、側壁204を覆う外壁304が当該側壁204と一体に形成されている。外壁304は、ケーシング200の上側半分において側壁204を覆う外壁部分を為す一方、ケーシング200の下側半分において内部に空洞を形成する角筒状の外壁部分を為している。なお、ケーシング200は、上側半分と下側半分とを別体で形成し、それぞれ結合する構造であってもよい。
図1乃至図4に示すように、ケーシング200の外壁304の内側の4隅には下側突出柱部203が一体に設けられている。下側突出柱部203は、貫通孔が形成された円柱状部分である。これによりケーシング200においては、下側突出柱部203の存在によって薄板からなる外壁304の強度低下を防止している。
また、ケーシング200の外壁304には、4つの下側突出柱部203と隣接して外壁304の内側の面から軸Xに向かって僅かに突出するように形成された4つの突出壁307(図3および図4)が設けられている。
突出壁307は、外壁304の内側の面と下側突出柱部203との間を跨るように一体に形成された三角柱形状を有している。因みに、ケーシング200の外壁304の下側半分は角筒状の薄い板状部分であるが、突出壁307が形成されていることにより薄板化による強度低下を防止している。
突出壁307は、その下端がケーシング200の外壁304の下端にまで到達しておらず、軸Xに沿って平行な所定の長さを有している。これにより、ケーシング200の外壁304では、後述するカバー部材700(図9乃至図11)が取り付けられる際、カバー部材700の腕部712が突出壁307と干渉することのないように必要なスペースを確保している。
図4に示すように、突出壁307においては、軸Xに沿って平行なスリット状の溝からなり、一体型基板600における回路基板400、500の径方向外側端部を挿入可能な基板挿入溝308を有している。すなわち、基板挿入溝308は、一体型基板600が下側(矢印b方向)から挿入された際、回路基板400、500の径方向外側端部をスライドしながら挿入させることが可能であり、軸X方向および周方向の位置決めを兼ねた溝である。
この基板挿入溝308は、突出壁307の一部が軸Xに沿って平行に切り欠かれたことによって形成されており、回路基板400、500の径方向外側端部を収容可能な所定の深さと、回路基板400、500の基板厚さとほぼ同じか或いは僅かに大きな幅を有している。
複数の基板挿入溝308は、ケーシング200の対角線上において対向するように配置され、互いに対向する2対の基板挿入溝308によって十字状(またはX字状)に結合された一体型基板600の回路基板400、500を保持することが可能である。
これにより、基板挿入溝308に一体型基板600の回路基板400、500が挿入されると、当該基板挿入溝308の底面308tに回路基板400、500の径方向外側端部の上端面が当接して軸X方向の位置が決まると共に、一体型基板600における回路基板400、500の周方向の位置が決まった状態で保持されることになる。
ケーシング200は、中央から下側半分において底面視正方形を形成する外壁304の内側に軸X方向の下側(矢印b方向)から空気を排出するための排気口301(図1、図2および図6)を有している。
すなわちケーシング200は、上側半分の内部空間に収容されているモータ250を駆動制御するための2枚の回路基板400、500からなる一体型基板600を排気口301が設けられた下側半分の内部空間に収容している。
図1および図2に示すように、カバー部材700は、一体型基板600の回路基板400、500を下側(矢印b方向)から収納し、外部から一体型基板600が接触されることを防止して保護するものである。またカバー部材700は、一体型基板600に対する接触を外部から防止することにより静電気対策を施すと共に、ケーシング200から一体型基板600が落下することなく保持することを可能とする。なお、カバー部材700の構成については後述する。
図6に示すように、ケーシング200のモータベース部205は、ケーシング200のほぼ中央付近であって、固定翼206の内側に形成されている。モータベース部205は、円盤形状からなる樹脂製のベース部205aと、ベース部205aの外周側の端部から軸Xに沿って上側(矢印a方向)へ所定の長さだけ延在する円筒形状の外周壁205bと、ベース部205aの外周側の下端部から軸Xに沿って平行に下側(矢印b方向)へ所定の長さだけ延びる中空円筒状の円筒部205dと、によって形成されている。ベース部205aにはさらに下側から、ホルダ部205gが圧入されている。ホルダ部205gは真鍮製であり、モータベース部205全体の強度向上に貢献している。また、ホルダ部205gは、当該ホルダ部205gの内周側の端部から軸Xに沿って上側(矢印a方向)に所定の長さだけ突出したボス部205cをさらに有する。
また、図3および図4に示すように、ケーシング200のモータベース部205は、円盤形状のベース部205aおよびホルダ部205gの底面における径方向の内側部分に3つの引出孔205f、205ffを有している。これらの引出孔205f、205ffは、軸Xを中心として約45度間隔で合計3個設けられている。ただしこれに限らず、間隔や穴数は任意に設定が可能である。引出孔205f、205ffは、モータ250と一体型基板600とを電気的に接続するためのコイル線(図示せず)を引き出す貫通孔である。ただし、図3および図4においては、ベース部205aに形成された引出孔205fと、ホルダ部205gに形成された引出孔205ffとは軸X方向で重なって連通している。
モータベース部205における外周壁205bおよび円筒部205dの外周面には、複数の固定翼206が一体に固定されている。複数の固定翼206は、ケーシング200に保持される一体型基板600の上流側である上側(矢印a方向)に配置されている。
すなわちモータベース部205は、複数の固定翼206を介してケーシング200の側壁204によって支持されている。なお、モータベース部205は、ホルダ部205gが真鍮製であって強度が向上しているため、インペラ210の回転に伴う振動や割れを防止することができる。
モータベース部205におけるホルダ部205gの内周面には、中空円筒形状の金属材からなる軸受ハウジング207が圧入されている。軸受ハウジング207は、ホルダ部205gに圧入されている。
軸受ハウジング207の外周面にはステータ部260が配置されている。ただし、これに限るものではなく、ステータ部260は、軸受ハウジング207を介することなく、モータベース部205に対して直接取り付けられていてもよい。
軸受ハウジング207の内周面には、軸X方向の上側(矢印a方向)および下側(矢印b方向)に段差部が設けられており、上側(矢印a方向)および下側(矢印b方向)の段差部に当接した状態で軸受221、222が嵌着されている。軸受221、222は、例えばボールベアリングである。なお、軸受221、222は、ボールベアリングに限るものではなく、例えばスリーブベアリング等、その他種々の軸受を用いるようにしてもよい。
上側の軸受221は、ロータ部270のシャフト277に対して軸X方向の上側(矢印a方向)を回転可能に支持し、下側の軸受222はシャフト277に対して軸X方向の下側(矢印b方向)を回転可能に支持する。これにより、ロータ部270のシャフト277は、ステータ部260に対して回転可能に支持されることになる。
モータ250は、例えば単相のブラシレスDCモータであり、ステータ部260およびロータ部270によって構成されている。モータ250は、単相ブラシレスモータに限るものではなく、三相ブラシレスDCモータ等、その他のモータを用いることができる。
モータ250のステータ部260は、軟磁性材からなる電磁鋼板のコアを複数枚積層された積層体によって形成されたステータコア261と、そのステータコア261に装着された絶縁材料からなるインシュレータ262と、そのインシュレータ262を介してステータコア261に巻回されたコイル(図示しない)とを有している。
このようにステータ部260のコイルは、インシュレータ262を介してステータコア261に巻回されているので、ステータコア261とコイルとはインシュレータ262によって絶縁されている。
ステータコア261においては、円形状の開口部を形成している内周面に対して軸受ハウジング207の外周面が嵌着されている。すなわち、ステータコア261は軸受ハウジング207と一体に取り付けられている。但し、これに限るものではなく、接着剤を併用して、ステータコア261が軸受ハウジング207に固着されるようにしてもよい。
ロータ部270は、中空円筒形状を有し軟磁性材からなるロータヨーク271と、そのロータヨーク271の内周面に配置された環状のマグネット272と、ロータヨーク271およびマグネット272と同軸上に配置され、後述するハブ211にブッシュ273を介して結合されたシャフト277とによって構成されている。因みに、ロータヨーク271はブッシュ273を用いない構成であってもよい。
ブッシュ273は、切削加工によりロータヨーク271と一体に形成されている。シャフト277は、ブッシュ273の中心に形成された貫通孔に圧入されている。因みに、ロータヨーク271はブッシュ273と一体品で形成しているが、ブッシュ273を別体に形成してロータヨーク271と一体化する構造、つまり、ロータヨーク271の内周縁は、ブッシュ273の外周縁に対してカシメにより一体に形成される構造であってもよい。
ロータヨーク271、マグネット272、および、シャフト277は、ハブ211を介して一体化されており、シャフト277はブッシュ273を介してハブ211と一体化されている。すなわち、インペラ210がロータ部270のロータヨーク271と一体に取り付けられている。
図5および図6に示すように、インペラ210は、有底断面略逆U字状のカップ形状からなるハブ211と、そのハブ211の外周面に周方向に沿って配置された複数の羽根212と、を備えている。ハブ211および複数の羽根212は、合成樹脂(例えばポリブチレンテレフタレート樹脂(含むガラス繊維入り))の射出成形により一体に形成されている。その際、ブッシュ273を含むロータヨーク271がインサートされた状態で、ハブ211および複数の羽根212が、射出成形によって一体に形成される。このとき、ロータヨーク271の軸方向を向く面には、図示しない複数の貫通孔が開いており、当該貫通孔に射出成形時の樹脂が入り込み、抜け止め部274(図6)を形成している。これ以外にも、一体成型されたハブ211および複数の羽根212を接着剤等により、ロータヨーク271の外周に接着する構造としてもよい。
インペラ210のハブ211は、ロータヨーク271をハブ211にインサートし、当該ハブ211の内周面とロータヨーク271の外周面とを一体に形成している。但し、これに限るものではなく、中空円筒形状からなるロータヨーク271の上側(矢印a方向)の外周面に対して接着剤により一体に接着されるようにしてもよい。すなわち、ハブ211とロータヨーク271とは一体化されていればよい。
複数の羽根212は、全て同じ形状を有しており、ハブ211の周方向において当間隔で均等に配置されている。したがって、ロータ部270は、ロータヨーク271と一体に取り付けられたハブ211によって羽根212と一体となり回転体として機能する。
したがって、ステータ部260とロータ部270との電磁気的作用によってロータヨーク271がシャフト277を中心に回転すると、ロータヨーク271とともにインペラ210が回転し、アウターロータ型モータからなるモータ250を構成する。
また、ロータ部270のハブ211は、シャフト277の上側(矢印a方向)の端部を覆い、外部から異物の進入を防止している。因みに、インペラ210のハブ211と軸X方向の上側(矢印a方向)に嵌着された軸受221との間には、軸受221に予圧を付与するためのコイルばね(図示せず)が介装されている。
ところで、ケーシング200に設けられた複数の固定翼206(図11)は、一定の角度間隔で8個設けられており、それぞれの固定翼206がケーシング200の外壁304の内周面と接続されている。すなわち、固定翼206は、ケーシング200の外壁304とモータベース部205のベース部205aとが一体となるように結合している。
図7に示すように、固定翼206は、軸Xに沿う断面形状が軸X方向に対して平行ではなく傾斜しており、インペラ210の回転方向Rへ向かって膨出するように湾曲した凸面206t、および、凸面206tとは反対側の凹面206hを有している。
固定翼206においては、凸面206tと凹面206hとの間の厚さが均一であり、凸面206tおよび凹面206hの湾曲度合いも同じである。固定翼206は、周方向に8個設けられており、全ての固定翼206は同じ湾曲度合いに形成されている。固定翼206の個数および湾曲度合いは任意に設定可能である。
ところで、図4に示したように、モータベース部205の円筒部205dには、固定翼206が設けられていない箇所に対して軸Xに沿って平行な4個の切欠部205eが設けられている。4個の切欠部205eは、円筒部205dの周方向に90度間隔で所定の深さに設けられており、その周方向の幅は回路基板400、500の厚さよりも大きい。
したがって4個の切欠部205eは、十字状に形成された一体型基板600(回路基板400、500)の上側(矢印a方向)の端部が挿入された状態で収容することが可能である。すなわち、モータベース部205においては、円筒部205dに設けられた4個の切欠部205eが、回路基板400、500を挿入可能とするための挿入部としての役割を担う。
また、4個の切欠部205eのうちの1つの近傍には、図6に示すように、後述する一体型基板600の回路基板500に設けられた突起部440に取り付けられているホールIC441を収容可能な貫通孔205kを有している。なお、ホルダ部205gにおいても、ベース部205aと対向する位置に回路基板400に設けられた突起部440のホールIC441(図6)を挿通可能な大きさの貫通孔205kkを有している。ベース部205aの貫通孔205kおよびホルダ部205gの貫通孔205kkは互いに連通している。
また、4個の切欠部205eは、上述した外壁304の突出壁307に設けられた基板挿入溝308と径方向において互いに対向する位置に配置され、その軸X方向の深さは基板挿入溝308の深さよりも深く設定されている。
したがって、一体型基板600の回路基板400、500がモータベース部205の円筒部205dの切欠部205eおよび外壁304の突出壁307の基板挿入溝308に挿入されると、基板挿入溝308の底面308tに回路基板400、500の上側端面が当接されて軸X方向の位置決めがなされる。しかしながら、当該位置決め構造に限定されるものではなく、切欠部205eを用いて、一体型回路基板600を位置決めしてもよい。
これによりケーシング200では、一体型基板600を軸X方向に沿って下側(矢印b方向)から当該ケーシング200の内部に進入させながら4個の切欠部205eおよび基板挿入溝308に回路基板400、500を挿入して収容することができる。
なお、このとき回路基板400、500を切欠部205eおよび基板挿入溝308に挿入して基板挿入孔308の底面308tに突き当てることにより、図7に示すように、回路基板400、500と固定翼206とが周方向において空間的に一部重なる(オーバーラップする)ように位置決めすることができる。
この結果、ケーシング200は、一体型基板600の回路基板400、500を側面視において固定翼206と空間的に一部重なる(オーバーラップする)位置に配置することが可能となる。
同時に、ケーシング200の固定翼206と一体型基板600の回路基板400、500とは、底面視において空間的に一部重なる位置に配置されている。すなわち、ケーシング200の固定翼206と回路基板400、500とは、側面視において空間的に一部オーバーラップすると共に、底面視においても空間的に一部または全部オーバーラップするように配置されることになる。ただし、これに限るものではなく、固定翼206と回路基板400、500とが底面視において空間的に全部重なる位置に配置されていてもよい。
図3に示すように、一体型基板600の回路基板400、500は同一の基板サイズおよび基板形状を有している。回路基板400、500は、モータ250を回転駆動させるモータ駆動制御回路(図示せず)を構成する各種電子部品411、511が実装された複数の配線層を有する平面視長方形状に形成されたプリント配線基板である。但し、これに限るものではなく、回路基板400、500は、単層のプリント配線基板であってもよい。
各種電子部品411、511からなるモータ駆動制御回路は、モータ250の回転を制御するための回路である。モータ駆動制御回路は、回路基板400、500の一面および他面に各種電子部品411、511が実装され、モータ250と電気的に接続されることにより実現される。モータ駆動制御回路は、例えば、モータ250の回転を制御するための制御信号を生成する制御回路と、当該制御信号に基づいてモータ250を駆動するインバータ回路等を含む。
回路基板400では、一面および他面において、長手方向の一方側、特に軸Xから離れた外側に対して複数の電子部品411が上下方向(矢印ab方向)に沿って取り付けられている。これは、インペラ210の羽根212によって生じる空気の流路の中に露出した状態で電子部品411が配置されると、放熱効果が向上するからである。さらには、電子部品411は、回路基板400の一方の面のみに、つまり、固定翼206の凹面206hを向く面のみに実装されるのが好適である。
回路基板500においても、一面および他面の長手方向の一方側、特に軸Xから離れた外側に対して複数の電子部品511が上下方向(矢印ab方向)に沿って取り付けられている。これは、回路基板400と同様に、インペラ210の羽根212によって生じる空気の流路の中に露出した状態で電子部品511が配置されると、電子部品511の放熱効果が向上するからである。
このような構成の回路基板400、500は、互いに十字状(X字状)になるように結合されて組み合わされることにより、十字状(X字状)の一体型基板600(図3)が形成される。
この一体型基板600は、図3に示すように、ケーシング200における外壁304の内側に形成された4つの突出壁307の基板挿入溝308にスライドしながら挿入されることにより、ケーシング200に保持された状態が形成される(図2)。
すなわち、一体型基板600は、第1回路基板としての回路基板400および第2回路基板としての回路基板500を有し、回路基板400と回路基板500は互いに結合されて十字状(X字状)を成し、ケーシング200における下側の角部近傍に固定される(図2および図3)。なお、一体型基板600は、圧入によってケーシング200の基板挿入溝308に挿入して保持されるようにしてもよい。
この場合、回路基板400、500に搭載された電子部品411、511は、発熱する部品であって、ハブ211(図6)の外周縁よりも径方向外側に配置されている。したがって、ハブ211の外周縁よりも径方向外側に配置されたインペラ210の羽根212によって生じた風が回路基板400、500の電子部品411、511に直接当たり、効率良く冷却することができる。
図7に示したように、一体型基板600の回路基板400、500は、ケーシング200の基板挿入溝308に保持された状態において、複数の固定翼206における下側(矢印b方向)の端縁206aと上側の端縁206bとの間に配置されている。
すなわち、回路基板400、500は、側面視において、固定翼206と固定翼206との間に配置されたことにより、周方向に対して固定翼206と空間的に重なった状態(オーバーラップした状態)となっている。
一方、一体型基板600の回路基板400、500は、底面視において、複数の固定翼206における上側(矢印a方向)端縁206bと軸X方向において空間的に一部重なるように配置されている。
更に具体的には、回路基板400、500は、固定翼206における上側の端縁206bの下方に配置されているが、回路基板400、500の上端面と固定翼206の端縁206bとが軸X方向において空間的に少なくとも一部だけ重なっている。すなわち、回路基板400、500の上端面は、固定翼206の凹面206hによって全て覆われている必要はなく、当該凹面206hによって覆われていない部分があってよい。
なお、回路基板400、500は、固定翼206における上側の端縁206bの下方(矢印b方向)に配置され、端縁206bと回路基板400、500の上側端部とが接触することなく、一定の大きさの空間が形成されている。
これにより、回路基板400、500の上側端部が固定翼206の端縁206bに到達することはなく、回路基板400、500の上側端部と、固定翼206における上側の端縁206bとの間にはインペラ210からの風が通る流路(空間)が形成されている。
ところで、図7に示したように、固定翼206の凹面206hに対応した軸X方向の下流側の領域AR1では、インペラ210によって生じる風の流速が遅く、単位時間当たりの流量が小さい。これに対し、固定翼206の凸面206tに対応した軸X方向の下流側の領域AR2では、領域AR1と比べてインペラ210によって生じる風の流速が速く、単位時間当たりの流量が大きい。このような2つの領域AR1、AR2において、流速および流量の違いが生じていることが流体解析によって判別されている。
このように、回路基板400、500は、固定翼206の凹面206hに対応した軸方向の下流側の領域AR1と重なるように少なくとも配置されているため、領域AR2側を流れる流速の速い風がスムーズに回路基板400、500の電子部品411、511が実装されていない面を通過することになり、ファンの効率を向上することができると考えられる。
また、発熱する電子部品411、511が固定翼206の端縁206aから軸X方向における下側(矢印b方向)へ離れた位置に配置されているため、領域AR2を通過する流速の速い風が電子部品411、511によって妨害され難くなるので、特に中風量領域におけるファンの効率の低減を防止できると考えられる。しかしながら、軸方向の下側に限らず、領域AR1側に回路基板400、500が配置されていることで、ファンの効率向上の効果があるため、リード線接続パッド431(図8、図12)を避けるなど、一部の電子部品が下側に配置されていなくとも、同様の効果を発揮すると考えられる。
ここで、上述したように、インペラ210によって生じる風は、インペラ210や固定翼206の形状および両者の位置関係の違い等により、領域AR1および領域AR2において逆になることがある。つまり、領域AR1では流速が速く、かつ、流量が大きいのに対して、領域AR2では流速が遅く、かつ、流量が小さい場合である。
このような場合であっても、上記と同様に、回路基板400、500を適切な位置、つまり流速および流量が小さい領域AR2側に配置することにより、回路基板400、500の放熱性を確保しつつ、ファンの効率低減を防止できると考えられる。
また、一体型基板600の回路基板400、500では、固定翼206を通過する風量の違いに合わせて電子部品411、511が実装される面を変更することが可能である。これにより、ファン装置100では、さらなるファン効率の向上が達成されると考えられる。
例えば、領域AR1側の風量が小さい場合、回路基板400、500における領域AR1側の面に電子部品411、511を実装すれば、よりファン効率が向上し、また領域AR2側の風量が小さい場合は、当該回路基板400、500の領域AR2側の面に電子部品411、511を実装すれば、よりファン効率が向上すると考えられる。
この電子部品411、511の実装面は、当業者であれば、ファン効率以外の他のパラメータを総合的に考慮し、適宜選択可能であることは言うまでもない。これにより、一体型基板600の回路基板400、500に実装された電子部品411、511はインペラ210の羽根212の回転によって発生した風によって冷却される。
このような構成に加えてケーシング200では、図2乃至図4に示したように、ケーシング200の外壁304の四隅に対して、下側(矢印b方向)の端縁から軸Xに沿って上側(矢印a方向)へ所定の幅でかつ所定の長さだけ切り欠かれた面取部310が設けられている。
外壁304の面取部310は、外壁304と外壁304とが交差する角部を45度の角度でC面取りした平坦面である。この面取部310には、当該面取部310の平坦面に対して軸Xから離れる方向に向かって凸状に隆起した被係合部312が一体に形成されている。
この被係合部312は、後述するカバー部材700がケーシング200に取り付けられる際に当該カバー部材700の係合部722(図2、図9および図10)と係合される部分である。
図8に示すように、被係合部312は、平面視が矩形状であり、側面視が台形状の面取部310から突出した部分である。被係合部312は、下側(矢印b方向)から上側(矢印a方向)に向かうにつれて次第に外側へ傾斜した三角柱からなる部分(以下、これを「傾斜部分」と言う。)312aと、その傾斜部分312aの上側(矢印a方向)と一体化された直方体からなる部分(以下、これを「非傾斜部分」と言う。)312bと、によって形成されている。被係合部312の傾斜部分312aおよび非傾斜部分312bにおいては、短手方向の幅d1を有している。
なお、被係合部312は、上述したような傾斜部分312aおよび非傾斜部分312bが一体化された形状に限らず、後述するカバー部材700の係合部722と係合可能であればその他種々の形状であってもよい。
一方、図9に示すように、カバー部材700は、中央に設けられた基板保護体710と、その基板保護体710の周囲であってケーシング200に係合されるホルダ体720とを有している。
基板保護体710は、有底円筒状のカップ状体からなる壁体711と、その壁体711から90度間隔でホルダ体720へ向かって延びる4本の腕部712と、を備えている。
壁体711は、上側(矢印a方向)が開口した有底円筒形状のカップ状体であり、当該壁体711の上側(矢印a方向)の端部がモータベース部205の円筒部205d(図4)の下側(矢印b方向)の端部と当接されている。
これにより、基板保護体710は、壁体711とモータベース部205の円筒部205dとにより一体型基板600の回路基板400、500の一部(この場合、電子部品411、511を除く部分)を覆う中空円筒状の構成体を形成することができる。かくして基板保護体710は、回路基板400、500のうち発熱体である電子部品411、511が実装されていない部分を保護することができる。
なお、基板保護体710の壁体711は、上側(矢印a方向)に向かってテーパ状に傾斜した形状であってもよく、要はインペラ210による風の流れを妨げることのない形状であれば他の種々の形状であってもよい。
また、壁体711は、90度間隔で軸Xに沿って平行に切り欠かれたスリットからなる4個の基板挿入スリット713を有している。基板挿入スリット713は、軸Xに沿った上側(矢印a方向)が開口されており、底面まで到達するほどの深さと、一体型基板600の回路基板400、500の厚さよりも大きな周方向の幅を有している。
すなわち、壁体711は、4個の基板挿入スリット713に回路基板400、500を下側(矢印b方向)から挿入することが可能である。
また、壁体711は、ファンモータ効率を維持するために壁体711の外径はモータベース部205dの外径より若干小さく設定されている。これにより、流路中において、下流側に位置する壁体711がモータベース部205dよりも矢印d方向、すなわち外径方向に飛び出さないので、空気の流れを妨げず、効率を下げることがない。
基板保護体710の腕部712は、90度間隔で壁体711の外周面711gに一体に設けられると共に、当該腕部712の外周側の端部がホルダ体720の側壁部721の内周側に設けられた立壁部724に固定されている。
当該立壁部724は、図6等に示す様に、側壁部721の内径側から上方に伸びるように形成された段部である。当該立壁部724は、図6に示すように、ケーシング200の外壁304の外周面よりも内側で接合されているため、立壁部724と外壁304の下端部分とによって僅かな隙間からなるラビリンス構造を形成しており、埃や水分が入りづらい構造となっている。
腕部712は、上側(矢印a方向)が開口された所定幅および所定長さを有する有底角筒形状を有し、互いに対向する腕部712同士は直線状に配置されている。
腕部712および基板挿入スリット713は、壁体711の外周面711gに対して同じ場所に設けられており、腕部712の開口における短手方向の幅は、基板挿入スリット713の幅と同じである。
腕部712は、壁体711よりも軸X方向の高さが低く形成されている。また、腕部712は、回路基板400、500のうち電子部品411、511が実装されている基板部分を覆いながら、電子部品411、511を腕部712から外部に露出している。
これにより、一体型基板600回路基板400、500が腕部712に収容された際、回路基板400、500の電子部品411、511が腕部712によって隠蔽されることなくインペラ210によって発生した風の流路中に晒されることになる。かくして腕部712は、回路基板400、500の保護および放熱性を両立させることができる。
壁体711および腕部712においては、基板挿入スリット713を介して壁体711の内側空間711sと、腕部712の内側空間712sとが連通している。したがって、軸Xを中心として互いに対向する2つの腕部712の内側空間712sと壁体711の内側空間711sとによって一体型基板600の回路基板400または回路基板500を挿入することが可能なスペースが形成されている。
この場合、カバー部材700では、合計4つの腕部712および4つの基板挿入スリット713に対して一体型基板600の回路基板400、500を十字状のまま挿入することが可能である。
また、4個の腕部712のうち、一つの腕部712には当該腕部712の壁が一部大きな矩形状に切り欠かれて形成された開口部712k(図9および図12)が設けられている。
すなわち腕部712の開口部712kは、一体型基板600の回路基板400、500が収容された際、回路基板400における4個のリード線接続パッド431が露出し、外部電源から給電するリード線と接続することを可能としている。
このように腕部712の開口部712kは、外部電源から給電するリード線とリード線接続パッド431とを接続可能とするリード線接続窓として機能する。
ところで、カバー部材700では、基板保護体710の壁体711と、その壁体711の外周面711gに設けられた4個の腕部712と、ホルダ体720との間に空間を有し、その空間をインペラ210によって発生した風(空気)の流路となる通風部730(図9)として用いることができる。
すなわち、4つの通風部730は、壁体711の壁と4個の腕部712の壁とによって形成される大きな貫通穴であり、4つの通風部730とケーシング200の排気口301とが連通している。
ホルダ体720は、平面視矩形状の枠体であり、四辺を形成する4つの側壁部721と、互いに隣接する側壁部721と側壁部721との間に上側(矢印a方向)に向かって立設された4つの係合部722と、それぞれの係合部722の内側に側壁部721と一体に設けられた4つのフランジ部723および立壁部724とを有している。
ホルダ体720の側壁部721は、薄板状部材からなる。側壁部721は、ケーシング200に対してカバー部材700が取り付けられていない状態(図3)から、ケーシング200に対してカバー部材700が軸X方向に沿って直列に取り付けられた状態(図1)になると、ケーシング200の外壁304の外周面と、当該側壁部721の外周面とが面一となる。同時に、ケーシング200の外壁304の内周面とホルダ体720の立壁部724の外周面との間には僅かな隙間を介して対向配置される。なお、立壁部724には、上述した基板保護体710の腕部712の端部が一体に固定されている。
ホルダ体720の係合部722は、ケーシング200の外壁304の4隅に形成された面取部310の被係合部312と係合される部分であり、当該面取部310の軸X方向の高さとほぼ同じである。係合部722は、全体的に逆U字状に形成されており、側壁部721に対して45度の角度で斜めに設けられている。
図10に示すように、4個の係合部722は、2つの側壁部721が交差する部分にそれぞれ設けられ、軸Xに対して平行かつ上側(矢印a方向)へ向かって立設された2つの脚部分722a、722b、および、これら2つの脚部分722aと脚部分722bとを互いに連結する連結部分722cを有している。
係合部722は、2つの脚部分722a、722bと連結部分722cによって大きな矩形状の貫通孔が形成されているため、射出成形時において良好な型抜き性を有している。また、係合部722は、2つの脚部分722aおよび722bの存在によって側壁部721に対して軸Xから離れる外側へ向かって撓み易い構造を有している。
なお、連結部分722cは、円弧形状を有していることにより、直線状である場合に比べて、連結部分722cと被係合部312との接触範囲が小さくなる。これにより、係合部722は、連結部分722cと被係合部312の傾斜部分312aおよび非傾斜部分312bとの摩擦抵抗が小さくなり、連結部分722cが被係合部312の傾斜部分312aおよび非傾斜部分312bを容易に乗り越えることが可能となる。
係合部722における脚部分722aと脚部分722bとの間の連結部分722cの内側の幅d2は、被係合部312における短手方向の幅d1(図8)と同じか、それよりも僅かに大きい。
係合部722の連結部分722cは、被係合部312の非傾斜部分312bにおける上側(矢印a方向)の端面と当接されて係合する部分である。したがって、ホルダ体720の4個の係合部722がケーシング200の4個の被係合部312と係合されることにより、カバー部材700が接着剤等を用いることなく嵌め込むだけの簡単な操作でケーシング200から落下することなく、かつ、強固に保持される。
ホルダ体720のフランジ部723は、4個の係合部722の内側において当該係合部722と一体に形成された円盤状部分であり、その中央に貫通孔が形成されている。フランジ部723の貫通孔は、ケーシング200とカバー部材700とが一体に取り付けられた際、カバー部材700の外壁304の下側突出柱部203の貫通孔と対向した状態となる。
以上の構成においてファン装置100では、図4に示したケーシング200のモータベース部205における円筒部205dの4つの切欠部205eおよび突出壁307の基板挿入溝308に対して一体型基板600の回路基板400、500を挿入することにより位置決めをした後(図3)、下側からカバー部材700を取り付けることができる。
このとき、カバー部材700の係合部722がケーシング200の面取部310に接触し、そのままの状態で上側(矢印a方向)へ向かって押し込まれると、係合部722の連結部分722cが被係合部312の傾斜部分312aと接触する。
カバー部材700の係合部722は、被係合部312の傾斜部分312aに沿って上側(矢印a方向)に移動するにつれ、脚部分722a、722bが外側に撓み、やがて連結部分722cが非傾斜部分312bを乗り越えると、連結部分722cと非傾斜部分312bとが係合する。これによりケーシング200に対してカバー部材700が接着剤等を用いることなく容易に取り付けられる。
このとき、一体型基板600の回路基板400、500は、カバー部材700の基板保護体710によって当該回路基板400、500のうち発熱体である電子部品411、511が実装されていない部分が覆われると共に、カバー部材700の腕部712によって回路基板400、500のうち発熱体である電子部品411、511が実装されている部分が覆われる。
これにより一体型基板600の回路基板400、500は、ケーシング200の下側(矢印b方向)から保護されるので、ファン装置100では、外部から侵入する異物により回路基板400、500に力が加わることによる割れ等の破損や、静電気の発生等による故障のおそれを防止することができる。
このファン装置100では、モータ250のステータ部260に巻回されたコイルに対して一体型基板600のモータ駆動制御回路により励磁電流を印加するとロータヨーク271が回転し、ロータヨーク271の回転に伴って当該ロータヨーク271と結合されたインペラ210が回転することにより軸流ファンとして機能する。
このとき、インペラ210の回転によってケーシング200の吸気口201から吸気された空気は風となって、ケーシング200の排気口301から排出される。ここで、ケーシング200には内側空間に一体型基板600の回路基板400、500が十字状に組み合わされた状態で収容されており、かつ、発熱量の多い電子部品411、511がカバー部材700の通風部730を介して流れる風の流路の中に露出した状態で存在しているため、効率良く冷却されるので放熱性を向上することができる。
なお、ファン装置100では、回路基板400、500における軸X方向の上流側および下流側に電子部品411、511を並べて配置しているが、ファンの効率を更に向上させたい場合には、全ての電子部品411、511を風の発生源であるインペラ210から極力遠ざけるように下流側に配置してもよい。その逆に、冷却効率を高めたい場合には、全ての電子部品411、511を上流側に配置してもよい。
<他の実施の形態>
なお、本実施の形態においては、ファン装置100を軸流ファンモータに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、無人飛行隊(例えばドローン)等に適用するようにしてもよい。特に、一体型基板600の回路基板400、500の冷却のために当該構造を採用することにより、回路基板400、500の実装面積を従来よりも増大しつつ、冷却性能をも向上することができる。
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のファン装置100を適宜改変し、また各種構成の組み合わせを変更することができる。かかる変更によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
100…ファン装置(軸流ファンモータ)、200…ケーシング、201…吸気口、202…上側フランジ部、203…下側突出柱部、204…側壁、304…外壁、205…モータベース部、205a…ベース部、205b…外周壁、205c…ボス部、205d…円筒部、205g…ホルダ部、206…固定翼、206a、206b…端縁、206t…凸面、206h…凹面、207…軸受ハウジング、210…インペラ、211…ハブ、212…羽根、221,222…軸受、250…モータ、260…ステータ部、261…ステータコア、262…インシュレータ、270…ロータ部、271…ロータヨーク、272…マグネット、273…ブッシュ、277…シャフト、301…排気口、307…突出壁、308…基板挿入溝、310…面取部、312…被係合部、400,500…回路基板、411,511…電子部品、412~415、417~420、512~515、517~520…平面パッド、431…リード線接続パッド、440…突起部、441…ホールIC、600…一体型基板、700…カバー部材、710…基板保護体、711…壁体、712…腕部、713…基板挿入スリット、720…ホルダ体、721…側壁部、722…係合部、724…立壁部、730…通風部。

Claims (6)

  1. 軸方向の一端に吸気口、および、前記軸方向の他端に排気口が設けられた中空筒状のケーシングと、
    前記ケーシングに収容された、複数の羽根を有するインペラと、
    前記ケーシングに収容された、前記インペラを回転させるモータと、
    前記ケーシングにおける前記排気口の側に前記モータの回転軸の方向に沿って配設され、複数の電子部品が実装された複数の回路基板と、
    前記ケーシングにおいて前記回路基板の上流側に配設された複数の固定翼と
    を備え、
    前記複数の回路基板は、X字状に組み合わされて一つの一体型基板となり、
    前記ケーシングの下流側には、カバー部材が取り付けられ、
    前記カバー部材は、前記一体型基板を下流側から覆うため、中央部分に有底筒形状のカップ状体を有すると共に当該カップ状体から放射状に延びる腕部を有し、前記インペラが発生させた空気を通過させるための通風部を有する、軸流ファンモータ。
  2. 前記カップ状体には、回転軸の方向に沿って延びる壁部が形成され、
    前記腕部には、回転軸の方向に沿って延びる壁部が形成され、
    前記通風部は、前記カップ状体の壁部と前記腕部の壁部とによって画成される
    請求項1に記載の軸流ファンモータ。
  3. 前記カップ状体の壁部の上端は、前記モータを保持するモータベース部の下端と当接されている
    請求項2に記載の軸流ファンモータ。
  4. 前記腕部の壁部は、前記カップ状体の壁部よりも回転軸の方向における高さが低い
    請求項2または3に記載の軸流ファンモータ。
  5. 前記カバー部材の角部には、回転軸の方向に沿って延びるU字状の係合部が設けられ、
    前記係合部は、前記ケーシングの外周面に設けられた被係合部と係合される
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の軸流ファンモータ。
  6. 前記被係合部は、断面三角形状の傾斜部分からなり、
    前記係合部は前記傾斜部分を乗り越えて係合される
    請求項5に記載の軸流ファンモータ。
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