JP2023131017A - 積層体、蓋材及び包装容器 - Google Patents

積層体、蓋材及び包装容器 Download PDF

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駿行 長谷川
Toshiyuki Hasegawa
和弘 多久島
Kazuhiro Takushima
紘基 阿久津
Hiroki Akutsu
徹 須田
Toru Suda
順也 岩崎
Junya Iwasaki
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Abstract

【課題】延伸ポリプロピレンフィルムを基材として備え、ポリプロピレンフィルムをシーラント層として備える積層体を用いて製造される包装容器における内容物の保存性を高める。【解決手段】少なくとも、ポリプロピレンを主成分として含有する第1の延伸基材と、金属蒸着膜と、ポリプロピレンを主成分として含有するシーラント層とをこの順に備え、金属蒸着膜が、シーラント層における第1の延伸基材側の表面に形成されており、金属蒸着膜の厚さが、500Å以上730Å以下である、積層体。【選択図】なし

Description

本開示は、積層体、蓋材及び包装容器に関する。
ポリエステルフィルムは、機械的特性、化学的安定性、耐熱性及び透明性に優れると共に、安価である。そのため、従来、ポリエステルフィルムは、包装容器の作製に使用される包装材料を構成する基材として使用されている(例えば、特許文献1参照)。例えば、基材としてのポリエステルフィルムと、シーラント層としてのポリプロピレンフィルムとを備える積層体を包装材料として用いて、包装容器を作製することが知られている。
包装容器に充填された内容物の保存性を高めるために、包装容器に遮光性が求められることがある。この要求を満たすべく、ポリエステルフィルムの表面に、例えば金属蒸着膜が形成されている。
近年、プラスチックごみによる海洋汚染問題をきっかけの一つとして、使用後のプラスチックを資源として再利用するリサイクルの取り組みが全世界で加速している。しかしながら、ポリエステルフィルムとポリプロピレンフィルムとを備える包装容器からそれぞれのフィルムに分離することは、一般的に困難である。したがって、このような包装容器は、使用後のリサイクルに適しておらず、積極的にはリサイクルされていないという現状がある。この観点から、包装材料の分野では、リサイクルしやすくするために包装材料の単一素材化(モノマテリアル化)が検討されている。例えば、延伸処理が施されたポリプロピレンフィルム(延伸ポリプロピレンフィルム)を基材として備え、ポリプロピレンフィルムをシーラント層として備える積層体が検討されている。
特開2005-053223号公報
本開示者らは、シーラント層としてのポリプロピレンフィルムの表面に金属蒸着膜を形成することを検討した。ポリプロピレンフィルムは、ポリエステルフィルムと比較して、一般的に耐熱性が劣る。本開示者らは、ポリプロピレンフィルムの表面に金属蒸着膜を形成した場合、金属蒸着膜による遮光性が充分ではなく、包装容器に充填された内容物の保存性が充分ではないことを見出した。
本開示の課題は、延伸ポリプロピレンフィルムを基材として備え、ポリプロピレンフィルムをシーラント層として備える積層体を用いて製造される包装容器における内容物の保存性を高めることにある。
本開示の積層体は、少なくとも、ポリプロピレンを主成分として含有する第1の延伸基材と、金属蒸着膜と、ポリプロピレンを主成分として含有するシーラント層とをこの順に備え、金属蒸着膜が、シーラント層における第1の延伸基材側の表面に形成されており、金属蒸着膜の厚さが、500Å以上730Å以下である。
本開示によれば、延伸ポリプロピレンフィルムを基材として備え、ポリプロピレンフィルムをシーラント層として備える積層体を用いて製造される包装容器における内容物の保存性を高めることができる。
図1は、本開示の積層体の一実施形態を示す模式断面図である。 図2は、本開示の積層体の一実施形態を示す模式断面図である。 図3は、本開示の包装容器の一実施形態を示す正面図である。
以下、本開示の実施形態について、詳細に説明する。本開示は多くの異なる形態で実施することが可能であり、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されない。図面は、説明をより明確にするため、実施形態に比べ、各層の幅、厚さ及び形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定しない。本明細書と各図において、既出の図に関してすでに説明したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下の説明において、登場する各成分(例えば、ポリプロピレン、α-オレフィン、樹脂材料及び添加剤)は、それぞれ1種用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
[積層体]
本開示の積層体は、少なくとも、
ポリプロピレンを主成分として含有する第1の延伸基材と、
金属蒸着膜と、
ポリプロピレンを主成分として含有するシーラント層と
を、積層体の厚さ方向にこの順に備える。
金属蒸着膜は、シーラント層における第1の延伸基材側の表面に形成されている。すなわち本開示の積層体は、シーラント層と、該シーラント層における第1の延伸基材側の表面に形成されている金属蒸着膜とを備える蒸着シーラント層を備える。
金属蒸着膜の厚さは、500Å以上730Å以下である。
本開示の積層体は、第1の延伸基材と金属蒸着膜との間に、ポリプロピレンを主成分として含有する第2の延伸基材をさらに備えてもよい。すなわち本開示の積層体は、第1の延伸基材と、第2の延伸基材と、蒸着シーラント層とを、積層体の厚さ方向にこの順に備えてもよい。
本開示の積層体において、一実施形態において、第1の延伸基材が積層体の一方の表層であり、シーラント層が積層体の他方の表層である。
図1及び図2は、本開示の積層体の一実施形態を示す模式断面図である。
図1に示す積層体1は、第1の延伸基材10と、接着剤層20と、蒸着シーラント層30とをこの順に備える。蒸着シーラント層30は、シーラント層32と、該シーラント層32における第1の延伸基材10側の表面に形成されている金属蒸着膜34とを備える。図2に示す積層体1は、第1の延伸基材10と、接着剤層20Aと、第2の延伸基材40と、接着剤層20Bと、蒸着シーラント層30とをこの順に備える。
本開示の積層体全体に対するポリプロピレンの含有割合は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。これにより、例えば、積層体を用いてモノマテリアル化した包装容器を作製でき、包装容器のリサイクル適性を向上できる。
本開示の積層体の光学濃度(OD値)は、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.5以上、さらに好ましくは2.8以上であり、例えば3.8以下でもよく、3.5以下でもよい。OD値は、JIS K7105に準拠して測定される。OD値が下限値以上であると、例えば、積層体を備える包装容器に充填された内容物の保存性を向上できる。OD値は、例えば、金属蒸着膜の厚さを大きくすることによって高くすることができる。
本開示の積層体の、温度40℃、湿度90%RH環境下における水蒸気透過度は、好ましくは2.0g/m2・day以下、より好ましくは1.0g/m2・day以下、さらに好ましくは0.5g/m2・day以下、特に好ましくは0.3g/m2・day以下である。水蒸気透過度の下限値は、例えば0.01g/m2・dayでもよい。水蒸気透過度は、JIS K7129(B法)に準拠して測定される。
本開示の積層体の、温度23℃、湿度90%RH環境下における酸素透過度は、好ましくは2.0cc/m2・day・atm以下、より好ましくは1.5cc/m2・day・atm以下、さらに好ましくは1.0cc/m2・day・atm以下、特に好ましくは1.5cc/m2・day・atm以下、1.0cc/m2・day・atm以下、又は0.5cc/m2・day・atm以下である。酸素透過度の下限値は、例えば0.05cc/m2・day・atmでもよい。酸素透過度は、JIS K7126-2(等圧法)に準拠して測定される。
<延伸基材>
本開示の積層体は、第1の延伸基材を備える。第1の延伸基材は、ポリプロピレンを主成分として含有し、すなわちポリプロピレンを50質量%超の範囲で含有する。
本開示の積層体は、第2の延伸基材を備えてもよい。第2の延伸基材は、ポリプロピレンを主成分として含有し、すなわちポリプロピレンを50質量%超の範囲で含有する。第2の延伸基材に含まれるポリプロピレンと、第1の延伸基材に含まれるポリプロピレンとは、同一でもよく、異なってもよい。
以下の説明において、第1の延伸基材及び第2の延伸基材に共通する事項について言及するときは、単に「延伸基材」と記載する。
ポリプロピレンは、プロピレンホモポリマー、プロピレンランダムコポリマー及びプロピレンブロックコポリマーのいずれでもよく、これらから選択される2種以上の混合物でもよい。プロピレンホモポリマーとは、プロピレンのみの重合体である。プロピレンランダムコポリマーとは、プロピレンとプロピレン以外のα-オレフィン等とのランダム共重合体である。プロピレンブロックコポリマーとは、プロピレンにより少なくとも構成される重合体ブロックと、プロピレン以外のα-オレフィン等により少なくとも構成される重合体ブロックとを有する共重合体である。ポリプロピレンとしては、環境負荷低減という観点から、バイオマス由来のポリプロピレンや、メカニカルリサイクル又はケミカルリサイクルされたポリプロピレンを使用してもよい。
α-オレフィンとしては、例えば、炭素数2以上20以下のα-オレフィンが挙げられ、具体的には、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン及び6-メチル-1-ヘプテンが挙げられる。
ポリプロピレンの中でも、透明性の観点からは、ランダムコポリマーが好ましく、包装容器の剛性及び耐熱性を重視する場合は、ホモポリマーが好ましく、包装容器の耐衝撃性を重視する場合は、ブロックコポリマーが好ましい。
ポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は、製膜性及び加工適性という観点から、0.1g/10分以上でもよく、0.3g/10分以上でもよく、また、50g/10分以下でもよく、30g/10分以下でもよい。MFRは、例えば0.1g/10分以上50g/10分以下でもよい。ポリプロピレンのMFRは、ASTM D1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定する。
ポリプロピレンの融点(Tm)は、耐熱性という観点から、120℃以上でもよく、130℃以上でもよく、140℃以上でもよく、また、175℃以下でもよく、172℃以下でもよく、170℃以下でもよい。Tmは、例えば120℃以上175℃以下でもよい。ポリプロピレンのTmは、JIS K7121に準拠して、示差走査熱量測定(DSC)により得られる融解ピーク温度である。
延伸基材におけるポリプロピレンの含有割合は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。これにより、例えば、包装容器のリサイクル適性を向上できる。
延伸基材は、ポリプロピレン以外の樹脂材料を含有してもよい。樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン、(メタ)アクリル樹脂、ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド、ポリエステル及びアイオノマー樹脂が挙げられる。
延伸基材は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、架橋剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑(スリップ)剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料及び改質用樹脂が挙げられる。
延伸基材は、延伸処理が施された基材である。これにより、例えば、積層体の耐熱性、耐衝撃性、耐水性及び寸法安定性を向上できる。このような延伸基材を備える積層体は、例えば、包装容器を構成する包装材料として好適である。
延伸処理は、一軸延伸でもよく、二軸延伸でもよい。
縦方向(基材の流れ方向、MD方向)へ延伸を行う場合の延伸倍率は、2倍以上でもよく、5倍以上でもよく、また、15倍以下でもよく、13倍以下でもよい。横方向(MD方向に対して垂直な方向、TD方向)へ延伸を行う場合の延伸倍率は、2倍以上でもよく、5倍以上でもよく、また、15倍以下でもよく、13倍以下でもよい。延伸倍率を2倍以上とすることにより、例えば、基材の強度及び耐熱性をより向上でき、また、基材への印刷適性を向上できる。基材の破断限界という観点からは、延伸倍率は15倍以下であることが好ましい。延伸倍率は、例えば2倍以上15倍以下でもよい。
延伸基材は、好ましくは、二軸延伸ポリプロピレンフィルムである。
延伸基材には、一実施形態において、表面処理が施されていてもよい。これにより、例えば、延伸基材と他の層との密着性を向上できる。表面処理の方法としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス及び/又は窒素ガスなどを用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的処理;並びに化学薬品を用いた酸化処理などの化学的処理が挙げられる。
延伸基材の表面に、易接着層を設けてもよい。
延伸基材は、単層構造を有してもよく、多層構造を有してもよい。延伸基材が多層構造を有する場合、延伸基材の層数は、例えば、2層以上でもよく、3層以上でもよく、また、7層以下でもよく、5層以下でもよい。延伸基材の層数は、例えば2層以上7層以下でもよい。
延伸基材の厚さは、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。延伸基材の厚さは、例えば10μm以上100μm以下でもよい。厚さが下限値以上であると、例えば、積層体の強度及び耐熱性をより向上できる。厚さが上限値以下であると、例えば、積層体の加工適性をより向上できる。
<印刷層>
本開示の積層体は、延伸基材の表面に印刷層を有してもよい。印刷層に形成される画像は、特に限定されず、文字、柄、記号及びこれらの組合せなどが挙げられる。印刷層形成は、バイオマス由来のインキを用いて行うこともできる。これにより、環境負荷をより低減できる。印刷層の形成方法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法及びフレキソ印刷法などの従来公知の印刷法が挙げられる。環境負荷低減という観点から、フレキソ印刷法を用いてもよい。
印刷層の厚さは、例えば0.5μm以上3μm以下である。
<シーラント層>
本開示の積層体は、シーラント層を備える。シーラント層は、ポリプロピレンを主成分として含有し、すなわちポリプロピレンを50質量%超の範囲で含有する。シーラント層は、延伸基材と同種の樹脂材料、すなわち、ポリプロピレンを主成分として含有する。これにより、包装容器のモノマテリアル化を図ることができる。使用済みの包装容器を回収した後、延伸基材とシーラント層とを分離する必要がなく、包装容器のリサイクル適性を向上できる。
ポリプロピレンとしては、例えば、プロピレンホモポリマー、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体等のプロピレンランダムコポリマー、及びプロピレン-α-オレフィンブロック共重合体等のプロピレンブロックコポリマーが挙げられる。α-オレフィンの詳細は、上述したとおりである。ヒートシール性という観点から、ポリプロピレンの密度は、例えば、0.88g/cm3以上0.92g/cm3以下でもよい。密度は、JIS K7112(特にD法(密度勾配管法、23℃))に準拠して測定される。ポリプロピレンとしては、環境負荷低減という観点から、バイオマス由来のポリプロピレンや、メカニカルリサイクル又はケミカルリサイクルされたポリプロピレンを使用してもよい。
ポリプロピレンのMFRは、製膜性及び加工適性という観点から、0.1g/10分以上でもよく、0.3g/10分以上でもよく、0.5g/10分以上でもよく、また、50g/10分以下でもよく、30g/10分以下でもよく、20g/10分以下でもよい。MFRは、例えば0.1g/10分以上50g/10分以下でもよい。
ポリプロピレンのTmは、耐熱性及びヒートシール性のバランスという観点から、120℃以上でもよく、123℃以上でもよく、125℃以上でもよく、また、160℃以下でもよく、155℃以下でもよく、150℃以下でもよい。Tmは、例えば120℃以上160℃以下でもよい。
シーラント層は、上記樹脂材料を含有してもよい。
シーラント層は、上記添加剤を含有してもよい。
シーラント層におけるポリプロピレンの含有割合は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。これにより、例えば、包装容器のリサイクル適性を向上できる。
シーラント層は、単層構造を有してもよく、多層構造を有してもよい。シーラント層が多層構造を有する場合、シーラント層の層数は、例えば、2層以上でもよく、3層以上でもよく、また、7層以下でもよく、5層以下でもよい。シーラント層の層数は、例えば2層以上7層以下でもよい。
シーラント層の厚さは、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上であり、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下である。シーラント層の厚さは、例えば10μm以上200μm以下でもよい。厚さが下限値以上であると、例えば、積層体を備える包装容器のシール強度をより向上できる。厚さが上限値以下であると、例えば、積層体の加工適性をより向上できる。
シーラント層は、ヒートシール性という観点から、好ましくは未延伸の樹脂フィルムであり、より好ましくは未延伸ポリプロピレンフィルムである。上記樹脂フィルムは、例えば、キャスト法、Tダイ法又はインフレーション法を利用することにより作製できる。
<蒸着膜>
本開示の積層体は、シーラント層における第1の延伸基材側の表面に形成された金属蒸着膜を備える。これにより、積層体の光学濃度を向上でき、例えば該積層体を備える包装容器に充填された内容物の保存性を向上できる。また、延伸基材ではなくシーラント層の表面に蒸着膜を形成することにより、第1の延伸基材及び蒸着シーラント層という2要素を備える積層体を作製できる。
金属蒸着膜としては、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛及びスズ等の金属から構成される蒸着膜が挙げられる。金属蒸着膜としては、遮光性の観点から、アルミニウム蒸着膜が好ましい。蒸着膜の形成方法としては、従来公知の方法を採用でき、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、並びにプラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)が挙げられる。金属蒸着膜は、1回の蒸着工程により形成される単層でもよく、複数回の蒸着工程により形成される多層でもよい。金属蒸着膜が多層である場合、各層は同一の金属により構成されてもよく、異なる金属により構成されてもよい。各層は、同一の方法により形成してもよく、異なる方法により形成してもよい。
金属蒸着膜の厚さは、500Å以上730Å以下であり、好ましくは550Å以上、より好ましくは580Å以上であり、好ましくは700Å以下、より好ましくは680Å以下である。金属蒸着膜の厚さが500Å未満であると、積層体の遮光性が充分ではなく、該積層体を備える包装容器に充填された内容物の保存性が充分ではない傾向にある。金属蒸着膜の厚さが730Åを超えると、蒸着加工時にシーラント層にシワが形成されやすく、加工適性及び外観に劣る傾向にある。厚さが上記範囲にあると、積層体の遮光性に優れ、該積層体を備える包装容器に充填された内容物の保存性に優れるとともに、積層体の水蒸気バリア性等のバリア性をより向上でき、またヒートシール強度の低下を抑制できる。
金属蒸着膜の厚さは、積層体における厚さ方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した画像から測定できる。他の層などの厚さについても同様である。
金属蒸着膜の表面には、上述した表面処理が施されていることが好ましい。これにより、例えば、金属蒸着膜と隣接する層(例えば接着剤層)との密着性を向上できる。
<接着剤層>
本開示の積層体は、第1の延伸基材と金属蒸着膜との間に、接着剤層を備えてもよい。本開示の積層体は、第2の延伸基材を備える場合は、第1の延伸基材と第2の延伸基材との間に、第1の接着剤層を備えてもよく、第2の延伸基材と金属蒸着膜との間に、第2の接着剤層を備えてもよい。これにより、各層間の密着性を向上できる。
接着剤層は、接着剤により構成される。接着剤は、1液硬化型の接着剤、2液硬化型の接着剤、及び非硬化型の接着剤のいずれでもよい。接着剤は、無溶剤型の接着剤でもよく、溶剤型の接着剤でもよい。
無溶剤型の接着剤としては、例えば、ポリエーテル系接着剤、ポリエステル系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤及びウレタン系接着剤が挙げられる。これらの中でも、ウレタン系接着剤が好ましく、2液硬化型のウレタン系接着剤がより好ましい。溶剤型の接着剤としては、例えば、ゴム系接着剤、ビニル系接着剤、オレフィン系接着剤、ポリエーテル系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤、フェノール系接着剤及びウレタン系接着剤が挙げられる。
接着剤層の厚さは、0.1μm以上でもよく、0.2μm以上でもよく、0.5μm以上でもよく、また、10μm以下でもよく、8μm以下でもよく、6μm以下でもよい。接着剤層の厚さは、例えば0.1μm以上10μm以下でもよい。
本開示の積層体は、例えば、第1の延伸基材と、蒸着シーラント層に対応する蒸着シーラントフィルムとを、あるいは、第1の延伸基材と、第2の延伸基材と、蒸着シーラントフィルムとを、無溶剤型の接着剤を用いたノンソルベントラミネート法により貼り合わせて製造してもよく、溶剤型の接着剤を用いたドライラミネート法により貼り合わせて製造してもよい。
以下、2液硬化型のウレタン系接着剤について説明する。このウレタン系接着剤としては、例えば、ポリエステルポリオール等のポリオール化合物を含む主剤と、イソシアネート化合物を含む硬化剤とを有する接着剤が好ましい。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール及び(メタ)アクリルポリオールが挙げられる。これらの中でも、ポリエステルポリオールが好ましい。ポリエステルポリオールは、1分子中に水酸基を2個以上有する。ポリエステルポリオールは、主骨格として、例えば、ポリエステル構造又はポリエステルポリウレタン構造を有する。ポリエステルポリオールは、例えば、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との脱水縮合反応や、エステル交換又は開環反応により得られる。
多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及びシクロヘキサンジメタノール等のジオール;グリセリン、トリエチロールプロパン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等の3官能以上のポリオールが挙げられる。
多価カルボン酸成分としては、例えば、脂肪族多価カルボン酸、脂環族多価カルボン酸及び芳香族多価カルボン酸、並びにこれらのエステル誘導体及び酸無水物が挙げられる。脂肪族多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸及びダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。脂環族多価カルボン酸としては、例えば、1,3-シクロペンタンジカルボン酸及び1,4-シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。芳香族多価カルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸及び1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、必要に応じてポリイソシアネートにて予め鎖長させることもできる。ポリイソシアネートとしては、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、α、α、α’α’-テトラメチル-m-キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート;並びにジイソシアネートのビュレット体、ヌレート体又はトリメチロールプロパンアダクト体が挙げられる。
イソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する。
イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族イソシアネート及び脂肪族イソシアネートが挙げられる。イソシアネート化合物は、公知のイソシアネートブロック化剤を用いて公知慣用の適宜の方法より付加反応させて得られたブロック化イソシアネート化合物でもよい。
イソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート及びα、α、α’α’-テトラメチル-m-キシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート;これらのジイソシアネートの3量体;並びにこれらのジイソシアネート化合物と、低分子活性水素化合物若しくはそのアルキレンオキシド付加物、又は高分子活性水素化合物とを反応させて得られる、アダクト体、ビュレット体及びアロファネート体が挙げられる。
低分子活性水素化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサメチレングリコール、1,8-オクタメチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、メタキシリレンアルコール、1,3-ビスヒドロキシエチルベンゼン、1,4-ビスヒドロキシエチルベンゼン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びメタキシリレンジアミンが挙げられる。高分子活性水素化合物としては、例えば、ポリエステル、ポリエーテルポリオール及びポリアミドが挙げられる。
接着剤層は、例えば、酸素及び水蒸気の透過を抑制するガスバリア性を有する接着剤により構成されている層(以下「バリア性接着剤層」ともいう)でもよい。バリア性接着剤層は、金属蒸着膜では完全に抑制することのできない、積層体における酸素及び水蒸気の通過を抑制するために設けることのできる層である。より詳細には、金属蒸着膜表面には、微細な凹凸形状が形成されていることから、金属蒸着膜の厚さは完全には均一ではなく、相対的に薄い部分のバリア性が低いことがある。金属蒸着膜と隣接するように該バリア性接着剤層を設けることにより、金属蒸着膜の凹凸形状が平坦化され、バリア性をより向上できる。
バリア性接着剤層は、例えば、1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂(以下「ポリオール樹脂」ともいう)と、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物(以下「ポリイソシアネート」ともいう)とを含有する樹脂組成物の硬化物により構成される。
ポリオール樹脂は、主骨格として、例えば、ポリエステル構造、ポリエステルポリウレタン構造又はポリエステルポリウレタン構造を有することが好ましい。ポリオール樹脂としては、例えば、下記の〔第1例〕~〔第3例〕を用いることができる。
〔第1例〕多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコールと、
を重縮合して得られるポリオール樹脂
〔第2例〕グリセロール骨格を有するポリオール樹脂
〔第3例〕イソシアヌル環を有するポリオール樹脂
以下、各ポリエステルポリオールについて説明する。
以下、第1例について説明する。
第1例において、主骨格のポリエステル部分は、例えば、多価カルボン酸又はその無水物と多価アルコールとを公知慣用の方法により重縮合反応させることにより得ることができる。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族多価カルボン酸及び芳香族多価カルボン酸が挙げられる。脂肪族多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸及び1,4-シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。芳香族多価カルボン酸としては、例えば、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸及び1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸;p-ヒドロキシ安息香酸及びp-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の多塩基酸が挙げられる。多価カルボン酸の中でも、オルト配向芳香族ジカルボン酸が好ましい。具体的には、オルトフタル酸、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸及び2,3-ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族多価アルコール及び芳香族多価アルコールが挙げられる。脂肪族多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールが挙げられる。芳香族多価アルコールとしては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、テトラメチルビフェノール、これらのエチレンオキサイド伸長物及びこれらの水添脂肪族化合物が挙げられる。
以下、第2例について説明する。
第2例に係るポリオール樹脂としては、例えば、式(1)で表されるグリセロール骨格を有するポリエステルポリオールが挙げられる。
Figure 2023131017000001
式(1)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、H(水素原子)又は式(2)で表される基を表す。但し、R1、R2及びR3のうち少なくとも一つは、式(2)で表される基を表す。R1、R2及びR3の全てが式(2)で表される基であることが好ましい。R1、R2及びR3のいずれか1つが式(2)で表される基である化合物と、R1、R2及びR3のいずれか2つが式(2)で表される基である化合物と、R1、R2及びR3の全てが式(2)で表される基である化合物との、いずれか2つ以上の化合物が混合物となっていてもよい。
Figure 2023131017000002
式(2)中、nは1~5の整数を表し、Xは置換基を有してもよいアリーレン基を表し、Yは炭素数2~6のアルキレン基を表す。
式(2)中、Xは、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。アリーレン基としては、例えば、1,2-フェニレン基、1,2-ナフチレン基、2,3-ナフチレン基、2,3-アントラキノンジイル基及び2,3-アントラセンジイル基が挙げられる。Xが置換基を有するアリーレン基の場合、アリーレン基は、1つ又は複数の置換基で置換されており、該置換基は、X上の、遊離基とは異なる任意の炭素原子に結合している。置換基としては、例えば、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
式(2)中、Yは、炭素数2~6のアルキレン基を表す。アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、1,5-ペンチレン基、3-メチル-1,5-ペンチレン基、1,6-ヘキシレン基、メチルペンチレン基及びジメチルブチレン基が挙げられる。これらの中でも、プロピレン基及びエチレン基が好ましく、エチレン基が特に好ましい。
式(1)で表されるグリセロール骨格を有するポリエステルポリオールは、例えば、グリセロールと、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコール成分とを必須成分として反応させることにより得ることができる。
カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物としては、例えば、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3-ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2-ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3-ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3-アントラセンカルボン酸又はその無水物が挙げられる。これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子上に置換基を有してもよい。置換基としては、例えば、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
多価アルコール成分としては、例えば、炭素数2~6のアルキレンジオールが挙げられ、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール及びジメチルブタンジオールが挙げられる。
以下、第3例について説明する。
第3例に係るポリオール樹脂としては、例えば、式(3)で表されるイソシアヌル環を有するポリエステルポリオールが挙げられる。
Figure 2023131017000003
式(3)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、-(CH2n1-OH(但し、n1は2~4の整数を表す)で表される基、又は、式(4)で表される基を表す。但し、R1、R2及びR3のうち少なくとも1つは、式(4)で表される基を表す。R1、R2及びR3の全てが式(4)で表される基であることが好ましい。R1、R2及びR3のいずれか1つが式(4)で表される基である化合物と、R1、R2及びR3のいずれか2つが式(4)で表される基である化合物と、R1、R2及びR3の全てが式(4)で表される基である化合物との、いずれか2つ以上の化合物が混合物となっていてもよい。
上記-(CH2n1-で表されるアルキレン基は、直鎖状でも分岐状でもよい。n1は、好ましくは2又は3、特に好ましくは2である。
Figure 2023131017000004
式(4)中、n2は2~4の整数を表し、n3は1~5の整数を表し、Xは置換基を有してもよいアリーレン基を表し、Yは炭素数2~6のアルキレン基を表す。
式(4)中、Xは、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。アリーレン基としては、例えば、1,2-フェニレン基、1,2-ナフチレン基、2,3-ナフチレン基、2,3-アントラキノンジイル基及び2,3-アントラセンジイル基が挙げられる。Xが置換基を有するアリーレン基の場合、アリーレン基は、1つ又は複数の置換基で置換されており、該置換基は、X上の、遊離基とは異なる任意の炭素原子に結合している。置換基としては、例えば、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルバモイル基、N-エチルカルバモイル基及びフェニル基が好ましくヒドロキシル基、フェノキシ基、シアノ基、ニトロ基、フタルイミド基及びフェニル基が特に好ましい。
式(4)中、Yは、炭素数2~6のアルキレン基を表す。アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、1,5-ペンチレン基、3-メチル-1,5-ペンチレン基、1,6-ヘキシレン基、メチルペンチレン基及びジメチルブチレン基が挙げられる。これらの中でも、プロピレン基及びエチレン基が好ましく、エチレン基が特に好ましい。
式(3)で表されるイソシアヌル環を有するポリエステルポリオールは、例えば、イソシアヌル環を有するトリオールと、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物と、多価アルコール成分とを必須成分として反応させることにより得ることができる。
イソシアヌル環を有するトリオールとしては、例えば、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸及び1,3,5-トリス(2-ヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸等のイソシアヌル酸のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物、及び多価アルコール成分としては、例えば、それぞれ第2例において例示した化合物が挙げられる。イソシアヌル環を有するトリオールとして1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、又は1,3,5-トリス(2-ヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸を使用し、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物としてオルトフタル酸無水物を使用し、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用して得られたイソシアヌル環を有するポリエステルポリオールが、酸素バリア性及び接着性に特に優れていることから好ましい。
イソシアヌル環は、高極性であり且つ3官能であり、系全体の極性を高めることができ、且つ、架橋密度を高めることができる。このような観点から、上記接着剤は、イソシアヌル環を接着剤樹脂全固形分に対して、5質量%以上含有することが好ましい。
イソシアネート化合物としては、酸素バリア性の観点からは、芳香族イソシアネート化合物が好ましく、メタキシレン骨格を有するイソシアネート化合物がより好ましい。具体的には、イソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、これらのイソシアネート化合物の3量体、並びにこれらのイソシアネート化合物と、低分子活性水素化合物若しくはそのアルキレンオキシド付加物、又は高分子活性水素化合物とを反応させて得られるアダクト体、ビュレット体及びアロファネート体が挙げられる。
低分子活性水素化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、メタキシリレンアルコール、1,3-ビスヒドロキシエチルベンゼン、1,4-ビスヒドロキシエチルベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及びメタキシリレンジアミンが挙げられる。高分子活性水素化合物としては、例えば、ポリエステル、ポリエーテルポリオール及びポリアミドが挙げられる。
バリア性接着剤層を構成する樹脂組成物の硬化物は、リン酸変性化合物を含有してもよい。これにより、バリア性接着剤層の接着強度をより向上できる。リン酸変性化合物は、例えば、式(5)又は式(6)で表される化合物である。
Figure 2023131017000005
式(5)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~30のアルキル基、(メタ)アクリロイル基、置換基を有してもよいフェニル基及び(メタ)アクリロイルオキシ基を有する炭素数1~4のアルキル基から選ばれる基であるが、少なくとも一つは水素原子であり、nは、1~4の整数を表す。
Figure 2023131017000006
式(6)中、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~30のアルキル基、(メタ)アクリロイル基、置換基を有してもよいフェニル基及び(メタ)アクリロイルオキシ基を有する炭素数1~4のアルキル基から選ばれる基であり、nは1~4の整数、xは0~30の整数、yは0~30の整数を表すが、xとyとが共に0である場合を除く。
リン酸変性化合物としては、具体的には、リン酸、ピロリン酸、トリリン酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、イソドデシルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、2-ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート及びポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸が挙げられる。
バリア性接着剤層を構成する樹脂組成物の硬化物は、板状無機化合物を含有してもよい。これにより、バリア性接着剤層の接着強度及びガスバリア性をより向上できる。板状無機化合物としては、例えば、カオリナイト-蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト、アンチゴライト、クリソタイル等)及びパイロフィライト-タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライ等)が挙げられる。
バリア性接着剤層を構成する樹脂組成物の硬化物は、カップリング剤を含有してもよい。カップリング剤としては、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤及びアルミニウム系カップリング剤が挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン及び3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)が挙げられる。
チタン系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N-アミノエチル-アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトラオクチルビス(ジドデシルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタイノルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート及びジクミルフェニルオキシアセテートチタネートが挙げられる。
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノメタクリレート、イソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテートモノ(ジオクチルホスフェート)、アルミニウム-2-エチルヘキサノエートオキサイドトリマー、アルミニウムステアレートオキサイドトリマー及びアルキルアセトアセテートアルミニウムオキサイドトリマーが挙げられる。
バリア性接着剤層を構成する樹脂組成物の硬化物は、シクロデキストリン及び/又はその誘導体を含有してもよい。例えば、シクロデキストリンや、アルキル化シクロデキストリン、アセチル化シクロデキストリン及びヒドロキシアルキル化シクロデキストリン等の、シクロデキストリンのグルコース単位の水酸基の水素原子が他の官能基で置換された誘導体を用いることができる。また、分岐環状デキストリンも用いることができる。シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体におけるシクロデキストリン骨格は、6個のグルコース単位からなるα-シクロデキストリン、7個のグルコース単位からなるβ-シクロデキストリン、8個のグルコース単位からなるγ-シクロデキストリンのいずれでもよい。これらのシクロデキストリン及び/又はその誘導体を、以降「シクロデキストリン化合物」と総称する場合がある。
樹脂組成物への相溶性及び分散性の観点から、シクロデキストリン化合物としては、シクロデキストリン誘導体を用いることが好ましい。置換度としては上記各種樹脂の極性の観点から、0.1個以上14個以下/グルコースの範囲であることが好ましく、0.3個以上8個以下/グルコースの範囲であることがより好ましい。
アルキル化シクロデキストリンとしては、例えば、メチル-α-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン及びメチル-γ-シクロデキストリンが挙げられる。アセチル化シクロデキストリンとしては、例えば、モノアセチル-α-シクロデキストリン、モノアセチル-β-シクロデキストリン及びモノアセチル-γ-シクロデキストリンが挙げられる。ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンとしては、例えば、ヒドロキシプロピル-α-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリンが挙げられる。
バリア性接着剤層の厚さは、0.5μm以上でもよく、0.8μm以上でもよく、1μm以上でもよく、また、8μm以下でもよく、5μm以下でもよく、4.5μm以下でもよい。バリア性接着剤層の厚さは、例えば0.5μm以上8μm以下でもよい。これにより、ガスバリア性をより向上できる。
バリア性接着剤層を構成する樹脂組成物は、溶剤を含有してもよい。
バリア性接着剤層は、市販の接着剤を用いても形成してもよい。溶剤を含む接着剤としては、DIC株式会社から販売されている、パスリム(PASLIM)VM001/108CPを使用できる。溶剤を含まない接着剤(ノンソルベント系接着剤)としては、DIC株式会社から販売されている、パスリム(PASLIM)NS-680A/HA-680Bを使用できる。例えば、特開2003-300271号公報及び特開2010-012769号公報において開示されている、非ビスフェノールA系ポリエポキシ樹脂を主剤とし、ポリアミンを硬化剤とする接着剤であって、三菱ガス化学株式会社から上市される「マクシーブ(登録商標)」を使用してもよい。
[包装容器]
本開示の積層体は、包装材料として好適に使用できる。包装材料は、包装容器を作製するために使用される。本開示の積層体を少なくとも用いることにより、包装容器を作製できる。
本開示の包装容器は、本開示の積層体を備える。包装容器としては、例えば、包装袋、チューブ容器、及び蓋付き容器が挙げられる。蓋付き容器は、収容部を有する容器本体と、収容部を封止するように容器本体に接合(ヒートシール)された蓋材とを備える。
包装袋としては、例えば、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型及びガゼット型などの種々の形態の包装袋が挙げられる。ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール及び超音波シールが挙げられる。
包装容器は、易開封部を備えてもよい。易開封部としては、例えば、包装容器の引き裂きの起点となるノッチ部や、包装容器を引き裂く際の経路として、レーザー加工やカッターなどにより形成されたハーフカット線が挙げられる。
一実施形態において、本開示の積層体を、第1の延伸基材が外側、シーラント層が内側に位置するように二つ折にして重ね合わせて、その端部等をヒートシールすることにより、包装袋を作製できる。他の実施形態において、複数の本開示の積層体をシーラント層同士が対向するように重ね合わせて、その端部等をヒートシールすることにより、包装袋を作製できる。包装袋の全部が上記積層体で構成されてもよく、包装袋の一部が上記積層体で構成されてもよい。
一実施形態において、蓋付き容器における蓋材として、本開示の積層体が用いられる。蓋付き容器は、収容部を有する容器本体と、収容部を封止するように容器本体に接合(ヒートシール)された蓋材とを備える。ここで、蓋材、すなわち上記積層体のシーラント層と、容器本体とが、ヒートシールされている。容器本体の形状としては、例えば、カップ型及び有底円筒形状が挙げられる。容器本体は、例えば、ポリスチレン製、ポリプロピレン製、ポリエチレン製又は紙製である。
包装容器中に収容される内容物としては、例えば、液体、固体、粉体及びゲル体が挙げられる。内容物は、飲食品でもよく、化学品、化粧品及び医薬品等の非飲食品でもよい。包装容器中に内容物を収容した後、包装容器の開口部をヒートシールすることにより、包装容器を密封できる。本開示の包装容器は、内容物の保存性に優れることから、例えば、海苔などの変色しやすい内容物の変色や油分を含む内容物の風味劣化を抑制できる。
包装袋の具体例として、以下、小袋及びスタンディングパウチについて説明する。
小袋は、小型の包装袋であって、例えば1g以上200g以下の内容物を収容するために使用される。小袋中に収容される内容物としては、例えば、ソース、醤油、ドレッシング、ケチャップ、シロップ、料理用酒類、他の液体又は粘稠体の調味料;液体スープ、粉末スープ、果汁類;香辛料;液体飲料、ゼリー状飲料、インスタント食品、他の飲食品が挙げられる。
スタンディングパウチは、例えば50g以上2000g以下の内容物を収容するために使用される。スタンディングパウチ中に収容される内容物としては、例えば、シャンプー、リンス、コンディショナー、ハンドソープ、ボディソープ、芳香剤、消臭剤、脱臭剤、防虫剤、洗剤;ドレッシング、食用油、マヨネーズ、他の液体又は粘稠体の調味料;液体飲料、ゼリー状飲料、インスタント食品、他の飲食品;クリームが挙げられる。
図3に、2枚の積層体を貼り合わせて得られる包装袋50を示す。斜線部分は、ヒートシールされた箇所を示す。包装袋50は、易開封部51を備えてもよい。易開封部51としては、例えば、引き裂きの起点となるノッチ部52や、引き裂く際の経路として、レーザー加工やカッターなどにより形成されたハーフカット線53が挙げられる。
スタンディングパウチは、一実施形態において、側面シートにより構成される胴部と、底面シートにより構成される底部とを備える。側面シートと底面シートとは、同一部材により構成されてもよく、別部材により構成されてもよい。底面シートが側面シートの形状を保持することにより、パウチに自立性が付与され、スタンディング形式のパウチとすることができる。側面シートと底面シートとによって囲まれる領域内に、内容物を収容するための収容空間が形成される。スタンディングパウチにおいて、胴部のみが本開示の積層体により構成されてもよく、底部のみが本開示の積層体により構成されてもよく、胴部及び底部の両方が本開示の積層体により構成されてもよい。
一実施形態において、側面シートは、本開示の積層体が備えるシーラント層が最内層となるように製袋することにより形成できる。一実施形態において、側面シートは、本開示の積層体を2枚準備し、これらをシーラント層同士が向かい合うようにして重ね合わせ、両側の側縁部をヒートシールして製袋することにより形成できる。
他の実施形態において、側面シートは、本開示の積層体を2枚準備し、これらをシーラント層同士が向かい合うようにして重ね合わせ、重ね合わせた積層体の両側の側縁部における積層体間に、シーラント層が外側となるようにV字状に折った積層体2枚をそれぞれ挿入し、ヒートシールすることにより形成できる。このような作製方法によれば、側部ガセット付きの胴部を有するスタンディングパウチが得られる。
一実施形態において、底面シートは、製袋された側面シート下部の間に本開示の積層体を挿入し、ヒートシールすることにより形成できる。より具体的には、底面シートは、製袋された側面シート下部の間に、シーラント層が外側となるようにV字状に折った積層体を挿入し、ヒートシールすることにより形成できる。
一実施形態において、上記積層体を2枚準備し、これらをシーラント層同士が向かい合うようにして重ね合わせ、次いで、もう1枚の上記積層体をシーラント層が外側となるようにV字状に折り、これを向かい合わせとなった積層体の下部に挟み込み、ヒートシールすることにより底部を形成する。次いで、底部に隣接する2辺をヒートシールすることにより、胴部を形成する。このようにして、一実施形態のスタンディングパウチを形成できる。
本開示は、例えば以下の[1]~[12]に関する。
[1]ポリプロピレンを主成分として含有する第1の延伸基材と、金属蒸着膜と、ポリプロピレンを主成分として含有するシーラント層とをこの順に備え、金属蒸着膜が、シーラント層における第1の延伸基材側の表面に形成されており、金属蒸着膜の厚さが、500Å以上730Å以下である、積層体。
[2]金属蒸着膜が、アルミニウム蒸着膜である、上記[1]に記載の積層体。
[3]シーラント層が、未延伸の樹脂フィルムである、上記[1]又は[2]に記載の積層体。
[4]第1の延伸基材と金属蒸着膜との間に、接着剤層を備える、上記[1]~[3]のいずれかに記載の積層体。
[5]接着剤層が、1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂と、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物とを含有する樹脂組成物の硬化物により構成されるバリア性接着剤層である、上記[4]に記載の積層体。
[6]第1の延伸基材と金属蒸着膜との間に、ポリプロピレンを主成分として含有する第2の延伸基材をさらに備える、上記[1]~[3]のいずれかに記載の積層体。
[7]第1の延伸基材と第2の延伸基材との間に、第1の接着剤層を備え、第2の延伸基材と金属蒸着膜との間に、第2の接着剤層を備える、上記[6]に記載の積層体。
[8]第2の接着剤層が、1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂と、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物とを含有する樹脂組成物の硬化物により構成されるバリア性接着剤層である、上記[7]に記載の積層体。
[9]包装材料である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の積層体。
[10]上記[1]~[9]のいずれかに記載の積層体を備える包装容器。
[11]上記[1]~[9]のいずれかに記載の積層体からなる蓋材。
[12]収容部を有する容器本体と、収容部を封止するように容器本体に接合された上記[11]に記載の蓋材とを備える包装容器。
以下、実施例に基づき本開示の積層体について具体的に説明する。以下の記載において、未延伸ポリプロピレンフィルムを「CPP」とも記載し、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを「OPP」とも記載し、CPPの表面にアルミニウム蒸着膜が形成されたフィルムを「VMCPP」とも記載する。
[蒸着シーラントフィルムの作製]
厚さ25μmのCPP(「FG」、フタムラ化学製)にPVD法によりアルミニウムを蒸着して厚さ650ÅのAl蒸着膜を形成し、蒸着シーラントフィルムを得た。このようにして得られたフィルムを「VMCPP(A)」と記載する。
厚さ25μmのCPP(「FG」、フタムラ化学製)にPVD法によりアルミニウムを蒸着して厚さ700ÅのAl蒸着膜を形成し、蒸着シーラントフィルムを得た。このようにして得られたフィルムを「VMCPP(B)」と記載する。
厚さ25μmのCPP(「FG」、フタムラ化学製)にPVD法によりアルミニウムを蒸着して厚さ750ÅのAl蒸着膜を形成し、蒸着シーラントフィルムを得た。このようにして得られたフィルムを「VMCPP(C)」と記載する。
[実施例1]
第1の延伸基材として厚さ30μmのOPP(「P2171」、東洋紡製)を用い、接着剤としてエステル系接着剤(「NS-680A/HA-680B」、DIC製)を用い、蒸着シーラントフィルムとして厚さ25μmのVMCPP(「2709」、Al蒸着膜の厚さ600Å、東レフィルム加工製)を用いた。
第1の延伸基材に上記エステル系接着剤を塗布し乾燥して、厚さ2.5μmの接着剤層を形成し、該接着剤上に蒸着シーラントフィルムを積層した。このようにして、積層体を得た。積層体は、OPP、エステル系接着剤層及びVMCPP(Al蒸着膜/CPP)をこの順に備える。
[実施例2、4~5、比較例1~3]
第1の延伸基材及び蒸着シーラントフィルムの少なくともいずれかを表1に記載したとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、積層体を得た。ただし比較例3において、アルミニウムの蒸着工程で与えられる熱によってCPPにシワが入り、加工適性が非常に悪く、積層体としても外観が悪かった。
[実施例3]
第1の延伸基材として厚さ20μmのOPP(「P2171」、東洋紡製)を用い、接着剤としてエーテル系接着剤(「RU3600/H-689」、ロックペイント製)及びエステル系接着剤(「NS-680A/HA-680B」、DIC製)を用い、第2の延伸基材として厚さ20μmのOPP(「P2161」、東洋紡製)を用い、蒸着シーラントフィルムとして厚さ25μmのVMCPP(「2809EZ」、Al蒸着膜の厚さ600Å、東レフィルム加工製)を用いた。
第1の延伸基材に上記エーテル系接着剤を塗布し乾燥して、厚さ2.5μmの接着剤層を形成し、該接着剤層上に第2の延伸基材を積層し、該第2の延伸基材に上記エステル系接着剤を塗布し乾燥して、厚さ2.5μmの接着剤層を形成し、該接着剤層上に蒸着シーラントフィルムを積層した。このようにして、積層体を得た。積層体は、OPP、エーテル系接着剤層、OPP、エステル系接着剤層及びVMCPP(Al蒸着膜/CPP)をこの順に備える。
[光学濃度]
実施例及び比較例で得られた積層体について、JIS K7105に準拠して、D65光源を用いた光線透過率からの光学濃度(OD値)を測定した。
[酸素透過度及び水蒸気透過度]
実施例又は比較例で得られた積層体を切り出して、試験片を得た。この試験片を用いて、酸素透過度(cc/m2・day・atm)及び水蒸気透過度(g/m2・day)を、以下の方法により測定した。
酸素透過度測定装置(MOCON社製、OX-TRAN2/20)を用いて、試験片の第1の延伸基材側が酸素供給側になるようにセットして、JIS K7126-2(等圧法)に準拠して、温度23℃、湿度90%RH環境下における酸素透過度を測定した。
水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、PERMATRAN-w 3/33)を用いて、試験片の第1の延伸基材側が水蒸気供給側になるようにセットして、JIS K7129(B法)に準拠して、温度40℃、湿度90%RH環境下における水蒸気透過度を測定した。
[ヒートシール(HS)強度]
実施例又は比較例で得られた積層体2枚をシーラント層同士が対向するよう重ね合わせて、シール幅10mm、シール温度150℃(片面)、シール圧1kg/cm2及びシール時間1秒の条件でヒートシールして、長さ80mm(シール幅10mm含む)、幅15mmの試験片を作製した。試験片について、テンシロン万能試験機(エー・アンド・デイ社製)を用いて、JIS Z1707に準拠して、23℃、50%RH環境下で引張試験を実施した。引張試験では、ヒートシール部を中心にして試験片を180°開いて、その両端を万能試験機に取り付け、300mm/minの速度で引っ張った際の最大荷重(N)を求めた。試験片の幅に対する最大荷重がヒートシール強度(N/15mm)として測定される。
[保存性]
実施例又は比較例で得られた積層体を用いて、以下のようにして包装容器を作製した。得られた積層体を380mm×250mmの大きさに切り出し、長さ250mmの両辺がぴったり合うようにシーラントフィルム面同士を向かい合わせにしてシール幅10mmで長さ250mmの辺に沿ってヒートシールをしたのち、長さ380mmの辺の中点がヒートシールした部分と合わさるように長さ380mmの辺をヒートシールすることで、180mm×250mmのピロー袋を作製した。
ピロー袋に内容物として乾燥海苔を入れ、標準光源下で1か月保管した。内容物(乾燥海苔)の変色がなければ、保存性に優れる(評価A)と評価し、内容物(乾燥海苔)の変色があれば、保存性に劣る(評価B)と評価した。
Figure 2023131017000007
1:積層体、10:第1の延伸基材、20、20A、20B:接着剤層、30:蒸着シーラント層、32:シーラント層、34:金属蒸着膜、40:第2の延伸基材、50:包装袋、51:易開封部、52:ノッチ部、53:ハーフカット線、

Claims (12)

  1. 少なくとも、
    ポリプロピレンを主成分として含有する第1の延伸基材と、
    金属蒸着膜と、
    ポリプロピレンを主成分として含有するシーラント層と
    をこの順に備え、
    前記金属蒸着膜が、前記シーラント層における前記第1の延伸基材側の表面に形成されており、前記金属蒸着膜の厚さが、500Å以上730Å以下である、
    積層体。
  2. 前記金属蒸着膜が、アルミニウム蒸着膜である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記シーラント層が、未延伸の樹脂フィルムである、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記第1の延伸基材と前記金属蒸着膜との間に、接着剤層を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記接着剤層が、1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂と、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物とを含有する樹脂組成物の硬化物により構成されるバリア性接着剤層である、請求項4に記載の積層体。
  6. 前記第1の延伸基材と前記金属蒸着膜との間に、ポリプロピレンを主成分として含有する第2の延伸基材をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 前記第1の延伸基材と前記第2の延伸基材との間に、第1の接着剤層を備え、
    前記第2の延伸基材と前記金属蒸着膜との間に、第2の接着剤層を備える、
    請求項6に記載の積層体。
  8. 前記第2の接着剤層が、1分子中に水酸基を2個以上有する樹脂と、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物とを含有する樹脂組成物の硬化物により構成されるバリア性接着剤層である、請求項7に記載の積層体。
  9. 包装材料である、請求項1~8のいずれか一項に記載の積層体。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の積層体を備える包装容器。
  11. 請求項1~9のいずれか一項に記載の積層体からなる蓋材。
  12. 収容部を有する容器本体と、前記収容部を封止するように前記容器本体に接合された請求項11に記載の蓋材とを備える包装容器。
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