JP2023128284A - 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 Download PDF

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寛之 萩原
Hiroyuki Hagiwara
貴公 鐘ヶ江
Takakimi Kanegae
宣昭 岡沢
Nobuaki Okazawa
英徳 曽我部
Hidenori Sokabe
勇一 片庭
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Abstract

Figure 2023128284000001
【課題】液体噴射ヘッドの再生利用を可能とする。
【解決手段】液体噴射ヘッドは、第1流路を有し、液体を噴射する複数のヘッドチップと、第1流路に連通するホルダー流路を有し、複数のヘッドチップを保持するホルダーと、ホルダー流路を介して第1流路に連通する第2流路と、第2流路に設けられる第1フィルターと、を有し、複数のヘッドチップに液体を分配するための流路部材と、を備え、ホルダー流路および第1流路は、複数のヘッドチップおよびホルダーが互いに接着剤により接合されることにより、互いに液密に接続され、ホルダー流路および第2流路は、弾性を有するシール部材が弾性変形した状態で流路部材とホルダーとの間に介在することにより、互いに液密に接続される。
【選択図】図3

Description

本開示は、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に関する。
従来、インクジェット方式のプリンターに代表されるように、インク等の液体を液滴として噴射する液体噴射装置が知られている。
例えば、特許文献1に記載の液体噴射ヘッドは、複数のヘッドチップと、複数のヘッドチップを保持するホルダーと、複数のヘッドチップにインクを分配するための流路部材と、を備える。特許文献1には、ホルダーに設けられる流路を介して複数のヘッドチップの流路と流路部材の流路とを接続することが記載される。ここで、ホルダーは、各ヘッドチップおよび流路部材のそれぞれに接着剤により接合されており、これにより、ホルダーの流路が複数のヘッドチップの流路と流路部材の流路とのそれぞれに液密に接続される。また、流路部材内には、インク内の異物を捕捉するためのフィルターが設けられる。
特開2022-25894号公報
特許文献1に記載の液体噴射ヘッドでは、ホルダーが流路部材に接着剤により接合されるため、流路部材のみを交換することができない。このため、流路部材内のフィルターに目詰まりが生じた場合、流路部材だけでなく、ヘッドチップおよびホルダーも無駄に交換する必要がある。
以上の課題を解決するために、本開示の好適な態様に係る液体噴射ヘッドは、第1流路を有し、液体を噴射する複数のヘッドチップと、前記第1流路に連通するホルダー流路を有し、前記複数のヘッドチップを保持するホルダーと、前記ホルダー流路を介して前記第1流路に連通する第2流路と、前記第2流路に設けられる第1フィルターと、を有し、前記複数のヘッドチップに液体を分配するための流路部材と、を備え、前記ホルダー流路および前記第1流路は、前記複数のヘッドチップおよび前記ホルダーが互いに接着剤により接合されることにより、互いに液密に接続され、前記ホルダー流路および前記第2流路は、弾性を有するシール部材が弾性変形した状態で前記流路部材と前記ホルダーとの間に介在することにより、互いに液密に接続される。
本開示の好適な態様に係る液体噴射装置は、前述の態様の液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドへ供給するための液体を貯留する液体貯留部と、備える。
第1実施形態に係る液体噴射装置の構成例を示す概略図である。 第1実施形態に係る液体噴射ヘッドを有するヘッドモジュールの斜視図である。 液体噴射ヘッドの分解斜視図である。 ヘッドチップの構成例を示す概略図である。 ヘッドチップの構成例を示す断面図である。 流路部材の流路の一例を示す図である。 ホルダーに対する流路部材およびヘッドチップの接続を説明するための断面図である。 第1実施形態に係る液体噴射装置での液体の流れを説明するための模式図である。 第2実施形態に係る液体噴射ヘッドのホルダーに対する流路部材およびヘッドチップの接続を説明するための断面図である。 変形例1に係る液体噴射ヘッドのホルダーに対する流路部材およびヘッドチップの接続を説明するための断面図である。 変形例2に係る液体噴射装置の液体の流れを説明するための模式図である。
以下、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法および縮尺は実際と適宜に異なり、理解を容易にするために模式的に示している部分もある。また、本開示の範囲は、以下の説明において特に本開示を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
なお、以下の説明は、便宜上、互いに交差するX軸、Y軸およびZ軸を適宜に用いて行う。また、以下では、X軸に沿う一方向がX1方向であり、X1方向と反対の方向がX2方向である。同様に、Y軸に沿って互いに反対の方向がY1方向およびY2方向である。また、Z軸に沿って互いに反対の方向がZ1方向およびZ2方向である。
ここで、典型的には、Z軸が鉛直な軸であり、Z2方向が鉛直方向での下方向に相当する。ただし、Z軸は、鉛直な軸でなくともよい。また、X軸、Y軸およびZ軸は、典型的には互いに直交するが、これに限定されず、例えば、80°以上100°以下の範囲内の角度で交差すればよい。
1.第1実施形態
1-1.液体噴射装置の概略構成
図1は、第1実施形態に係る液体噴射装置100の構成例を示す概略図である。液体噴射装置100は、液体の一例であるインクを液滴として媒体Mに噴射するインクジェット方式の印刷装置である。媒体Mは、典型的には印刷用紙である。なお、媒体Mは、印刷用紙に限定されず、例えば、樹脂フィルムまたは布帛等の任意の材質の印刷対象でもよい。
図1に示すように、液体噴射装置100は、「液体貯留部」の一例である液体容器10と、制御ユニット20と、搬送機構30と、移動機構40と、ヘッドモジュール50と、循環機構60とを有する。以下、図1に基づいて、これらを順に簡単に説明する。
液体容器10は、インクを貯留する。液体容器10の具体的な態様としては、例えば、液体噴射装置100に着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、および、インクを補充可能なインクタンク等が挙げられる。
本実施形態の液体容器10は、図示しないが、互いに異なる種類のインクを貯留する複数の容器を有する。当該複数の容器に貯留されるインクとしては、特に限定されないが、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、クリアインク、ホワイトインクおよび処理液等が挙げられ、これらのうちの2種以上の組み合わせが用いられる。
ここで、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクのそれぞれの組成は、特に限定されず、例えば、染料または顔料等の色材を水系溶媒に溶解させた水系インクでもよいし、色材を有機溶剤に溶解させた溶剤系インクでもよいし、紫外線硬化型インクでもよい。クリアインクは、色材を含有せず、色材により印刷された印刷面をオーバーコートすることにより、印刷面の耐擦過性を向上させたり、顔料成分による凹凸を低減させて乱反射による色味ズレを低減させたりするためのインクである。ホワイトインクは、白色顔料等を含有し、媒体Mの汚れ等による非白色性を低減させるためのインクである。処理液は、色材インクに含まれる成分との反応性を有し、媒体M上で色材インクと接触することにより色材インクの定着性等を高めるためのインクである。
制御ユニット20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と半導体メモリー等の記憶回路とを含み、液体噴射装置100の各要素の動作を制御する。ここで、制御ユニット20は、「制御部」の一例であり、ヘッドモジュール50によるインクの噴射動作を制御する。
搬送機構30は、制御ユニット20による制御のもとで、媒体MをY1方向である搬送方向DMに搬送する。移動機構40は、制御ユニット20による制御のもとで、ヘッドモジュール50をX1方向とX2方向とに往復させる。図1に示す例では、移動機構40は、ヘッドモジュール50を収容するキャリッジと称される略箱型の搬送体41と、搬送体41が固定される搬送ベルト42と、を有する。なお、搬送体41には、ヘッドモジュール50のほかに、前述の液体容器10が搭載されてもよい。
ヘッドモジュール50は、制御ユニット20による制御のもとで、液体容器10から循環機構60を介して供給されるインクを複数のノズルのそれぞれからZ2方向に媒体Mに噴射する。この噴射が搬送機構30による媒体Mの搬送と移動機構40によるヘッドモジュール50の往復移動とに並行して行われることにより、媒体Mの表面にインクによる画像が形成される。ヘッドモジュール50は、複数の液体噴射ヘッド1を有する。液体噴射ヘッド1の詳細については、後に図2から図7に基づいて説明する。
図1に示す例では、液体容器10が循環機構60を介してヘッドモジュール50に接続される。循環機構60は、ヘッドモジュール50にインクを供給するとともに、ヘッドモジュール50から排出されるインクをヘッドモジュール50への再供給のために回収する機構である。循環機構60の動作により、インクの粘度上昇を抑えたり、インク内の気泡の滞留を低減したりすることができる。なお、循環機構60の具体的な構成例については、後に図8に基づいて説明する。
以上のように、液体噴射装置100は、液体噴射ヘッド1と、液体噴射ヘッド1へ供給するためのインクを貯留する液体容器10と、備える。なお、液体容器10は、「液体貯留部」の一例であるが、後述の循環機構60のサブタンク61を「液体貯留部」と捉えてもよい。
1-2.液体噴射ヘッド
図2は、第1実施形態に係る液体噴射ヘッド1を有するヘッドモジュール50の斜視図である。図2に示すように、ヘッドモジュール50は、支持体51と複数の液体噴射ヘッド1とを有する。
支持体51は、複数の液体噴射ヘッド1を支持する板状部材である。支持体51には、複数の取付孔51aが設けられる。各液体噴射ヘッド1は、取付孔51aに挿入された状態で支持体51に対してネジ止め等により固定される。複数の液体噴射ヘッド1は、X軸およびY軸に沿う行列状に配置される。
なお、ヘッドモジュール50の有する液体噴射ヘッド1の数および配置は、図2に示す例に限定されず、任意である。また、支持体51の形状も、図2に示す例に限定されず、任意である。
図3は、液体噴射ヘッド1の分解斜視図である。図3に示すように、液体噴射ヘッド1は、流路構造体11と配線基板12とホルダー13と4個のヘッドチップHCと固定板14と補強板15とカバー16とシール部材17とを有する。これらは、Z2方向に向かって、カバー16、配線基板12、流路構造体11、シール部材17、ホルダー13、4個のヘッドチップHC、補強板15、固定板14の順に並ぶように配置される。以下、液体噴射ヘッド1の各部を順次説明する。
流路構造体11は、循環機構60からのインクを4個のヘッドチップHCに供給するための流路が内部に設けられる構造体である。流路構造体11は、流路部材11aと4個の接続管11b、11c、11d、11eとを有する。
流路部材11aには、図3では図示しないが、2種のインクをインクごとに4個のヘッドチップHCに供給するための2つの供給流路と、4個のヘッドチップHCから当該2種のインクをインクごとに排出するための2つの排出流路と、が設けられる。当該2つの供給流路それぞれは、「第2流路」の一例である。なお、以下では、当該2種のインクのうち、一方を第1インクといい、他方を第2インクという場合がある。なお、流路部材11a内の流路の一例については、後に図6に基づいて説明する。
流路部材11aは、複数の基板Su1~Su5を有し、これらの層は、この順でZ2方向に積層される。基板Su1~Su5のぞれぞれは、例えば、ザイロン、PPS(ポリフェニレンサルファイド)またはPP(ポリプロピレン)等の樹脂材料で構成されており、射出成形により形成される。「ザイロン」は、登録商標である。また、当該複数の基板Su1~Su5は、例えば、エポキシ系接着剤等の接着剤により、互いに接合される。なお、流路部材11aを構成する基板の数または厚さ等は、図3に示す例に限定されず、任意である。
接続管11b、11c、11d、11eのそれぞれは、流路部材11aのZ1方向を向く面から突出する管体である。接続管11bは、前述の2つの供給流路のうちの一方に接続され、接続管11cは、前述の2つの供給流路のうちの他方に接続される。接続管11dは、前述の2つの排出流路のうちの一方に接続され、接続管11eは、前述の2つの排出流路のうちの他方に接続される。
また、流路部材11aには、複数の孔11fが設けられる。各孔11fには、ネジSCが挿入される。ネジSCは、流路部材11aをホルダー13に対して固定する。図3に示す例では、流路部材11aの4か所に孔11fが設けられる。なお、孔11fの位置および数は、図3に示す例に限定されず、任意である。
配線基板12は、液体噴射ヘッド1を制御ユニット20に電気的に接続するための実装部品である。配線基板12は、例えば、フレキシブル配線基板またはリジッド配線基板等で構成される。配線基板12は、流路構造体11上に配置されており、配線基板12のZ2方向を向く面には、流路構造体11が対向する。一方、配線基板12のZ1方向を向く面には、コネクター12aが設置される。コネクター12aは、液体噴射ヘッド1と制御ユニット20とを電気的に接続するための接続部品である。また、図示しないが、配線基板12には、4個のヘッドチップHCに接続される配線が接続される。当該配線は、例えば、フレキシブル配線基板およびリジッド配線基板の組み合わせで構成される。なお、当該配線は、配線基板12と一体で構成されてもよい。
ホルダー13は、4個のヘッドチップHCを収容および支持する構造体である。ホルダー13は、例えば、樹脂材料または金属材料等で構成される。ホルダー13には、複数のホルダー流路13aと複数の配線孔13bと複数の凹部13cと複数のネジ孔13dとが設けられる。当該複数のホルダー流路13aのそれぞれは、ヘッドチップHCと流路構造体11との間でインクを流すための孔である。ホルダー流路13aは、後述の導入口Ra_in、Rb_inおよび排出口Ra_out、Rb_outのそれぞれに対応して設けられる。当該複数の配線孔13bのそれぞれは、ヘッドチップHCと配線基板12とを接続する図示しない配線が通される孔である。当該複数の凹部13cのそれぞれは、Z2方向に向けて開口しており、ヘッドチップHCが配置される空間である。当該複数のネジ孔13dのそれぞれは、ネジSCに嵌め合う雌ネジである。流路部材11aの孔11fに挿入されるネジSCをネジ孔13dに締め付けることにより、流路部材11aがホルダー13に向けて押し付けられる。
各ヘッドチップHCは、インクを噴射する。各ヘッドチップHCには、導入口Ra_in、Rb_inおよび排出口Ra_out、Rb_outが設けられる。導入口Ra_inは、第1インクを導入するための開口であり、導入口Rb_inは、第2インクを導入するための開口であり、排出口Ra_outは、第1インクを排出するための開口であり、排出口Rb_outは、第2インクを排出するための開口である。導入口Ra_in、Rb_inおよび排出口Ra_out、Rb_outのそれぞれは、ヘッドチップHCおよびホルダー13に接着剤により互いに接合されることにより、対応するホルダー流路13aに液密に接続される。また、図3では図示を省略するが、各ヘッドチップHCは、第1インクを噴射する複数のノズルと、第2インクを噴射する複数のノズルと、を有する。なお、ヘッドチップHCの構成については、後述の図4および図5に基づいて詳述する。
固定板14は、4個のヘッドチップHCをホルダー13に対して固定するための板部材である。具体的には、固定板14は、ホルダー13との間に4個のヘッドチップHCを挟む状態で配置され、ホルダー13に対して接着剤により固定される。固定板14は、例えば、金属材料等で構成される。固定板14には、4個のヘッドチップHCのノズルを露出させるための複数の開口部14aが設けられる。図3に示す例では、当該複数の開口部14aは、ヘッドチップHCごとに個別に設けられる。なお、開口部14aは、2個以上のヘッドチップHCで共用される態様でもよい。
補強板15は、ホルダー13と固定板14との間に配置され、固定板14を補強する板状部材である。補強板15は、固定板14上に重ねて配置され、固定板14に対して接着剤により固定される。補強板15には、4個のヘッドチップHCが配置される複数の開口部15aが設けられる。補強板15は、例えば、金属材料等で構成される。
カバー16は、流路構造体11の流路部材11aと配線基板12とを収容する箱状の部材である。カバー16は、例えば、樹脂材料等で構成される。カバー16には、4個の貫通孔16aと開口部16bとが設けられる。当該4個の貫通孔16aは、流路構造体11の接続管11b、11c、11d、11eに対応しており、各貫通孔16aには、対応する接続管11b、11c、11d、11eのうちのいずれかが挿入される。開口部16bには、カバー16内から外部にコネクター12aが通される。
シール部材17は、流路構造体11の流路とホルダー13のホルダー流路13aとを液密に接続するための弾性部材である。図3に示す例では、シール部材17は、シート状をなしており、複数のインク孔17aと複数の配線孔17bと複数の孔17cとが設けられる。当該複数のインク孔17aのそれぞれは、流路構造体11とホルダー13との間でインクを流すための孔である。インク孔17aは、前述の導入口Ra_in、Rb_inおよび排出口Ra_out、Rb_outのそれぞれに対応して設けられる。当該複数の配線孔17bのそれぞれは、ヘッドチップHCと配線基板12とを接続する図示しない配線が通される孔である。当該複数の孔17cのそれぞれは、ネジSCを挿入するための孔である。
シール部材17の構成材料としては、液体噴射ヘッド1に用いるインクに対する耐性を有し、かつ、弾性を有する材料であればよく、特に限定されないが、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム等のエラストマーが挙げられる。前述のように、ネジSCを用いて流路部材11aをホルダー13に向けて押し付けることにより、シール部材17は、流路部材11aとホルダー13との間で弾性変形する。これにより、インク孔17aとホルダー流路13aとが液密に接続される。
なお、シール部材17の形状は、図3に示す例に限定されず、例えば、インク孔17a以外の孔が互いに繋がっていてもよいし、配線孔17bおよび孔17cのうちの少なくとも一方が省略されてもよいし、1以上のインク孔17aごとに複数の部材に分割されていてもよい。シール部材17が複数の部材に分割される態様の一例については、後に図10に基づいて説明する。
1-3.ヘッドチップ
図4は、ヘッドチップHCの構成例を示す概略図である。図4には、Z2方向にみたヘッドチップHCの内部の構造が模式的に示される。図4に示すように、ヘッドチップHCには、インクを噴射する複数のノズルNが設けられる。当該複数のノズルNは、ノズル列Laとノズル列Lbとに区分される。ノズル列Laおよびノズル列Lbのそれぞれは、Y軸に沿って配列される複数のノズルNの集合である。ノズル列Laおよびノズル列Lbは、X軸の方向に互いに間隔をあけて配置される。
ヘッドチップHCは、ノズル列Laを含む液体噴射部Qaと、ノズル列Lbを含む液体噴射部Qbと、を有する。液体噴射部Qaには、前述の循環機構60から第1インクが供給される。一方、液体噴射部Qbには、循環機構60から第2インクが供給される。
液体噴射部Qaは、「第1流路」の一例である液体貯留室Raと、複数の圧力室Caと、複数の駆動素子Eaと、を有する。液体貯留室Raは、ノズル列Laの複数のノズルNにわたり連続する共通液室である。圧力室Caおよび駆動素子Eaのそれぞれは、ノズル列LaのノズルNごとに設けられる。圧力室Caは、ノズルNに連通する空間である。複数の圧力室Caのそれぞれには、液体貯留室Raから供給される第1インクが充填される。駆動素子Eaは、圧力室Ca内の第1インクの圧力を変動させる。駆動素子Eaは、例えば、圧力室Caの壁面を変形させることで当該圧力室Caの容積を変化させる圧電素子、または、圧力室Ca内の第1インクの加熱により圧力室Ca内に気泡を発生させる発熱素子である。駆動素子Eaが圧力室Ca内の第1インクの圧力を変動させることで、当該圧力室Ca内の第1インクがノズルNから噴射される。
液体噴射部Qbは、液体噴射部Qaと同様に、「第1流路」の一例である液体貯留室Rbと、複数の圧力室Cbと、複数の駆動素子Ebと、を有する。液体貯留室Rbは、ノズル列Lbの複数のノズルNにわたり連続する共通液室である。圧力室Cbおよび駆動素子Ebのそれぞれは、ノズル列LbのノズルNごとに設けられる。複数の圧力室Cbのそれぞれには、液体貯留室Rbから供給される第2インクが充填される。駆動素子Ebは、例えば、前述の圧電素子または発熱素子である。駆動素子Ebが圧力室Cb内の第2インクの圧力を変動させることで、当該圧力室Cb内の第2インクがノズルNから噴射される。
図4に示すように、ヘッドチップHCには、導入口Ra_inと排出口Ra_outと導入口Rb_inと排出口Rb_outとが設けられる。導入口Ra_inおよび排出口Ra_outのそれぞれは、液体貯留室Raに連通する。導入口Rb_inおよび排出口Rb_outのそれぞれは、液体貯留室Rbに連通する。
以上のヘッドチップHCでは、導入口Ra_inから液体貯留室Raに導入された第1インクがノズル列Laの各ノズルNからの噴射に適宜に用いられる。また、ノズル列Laの各ノズルNから噴射されずに液体貯留室Raに貯留される第1インクが排出口Ra_outから排出される。同様に、導入口Rb_inから液体貯留室Rbに導入された第2インクがノズル列Lbの各ノズルNからの噴射に適宜に用いられる。また、ノズル列Lbの各ノズルNから噴射されずに液体貯留室Rbに貯留される第2インクが排出口Rb_outから排出される。
図5は、ヘッドチップHCの構成例を示す断面図である。図5に示すように、ヘッドチップHCは、流路基板18aと圧力室基板18bとノズル板18cと吸振体18dと振動板18eと複数の駆動素子Ea、Ebとカバー18gとケース18hと配線基板18iと駆動回路18jとを有する。
流路基板18aおよび圧力室基板18bは、この順でZ1方向に積層されており、複数のノズルNにインクを供給するための流路を形成する。流路基板18aおよび圧力室基板18bからなる積層体よりもZ1方向に位置する領域には、振動板18eと複数の駆動素子Ea、Ebとカバー18gとケース18hと配線基板18iと駆動回路18jとが設置される。他方、当該積層体よりもZ2方向に位置する領域には、ノズル板18cと吸振体18dとが設置される。ヘッドチップHCの各要素は、概略的にはY方向に長尺な板状部材であり、例えば接着剤または直接接合等により、互いに接合される。以下、ヘッドチップHCの各要素を順に説明する。
ノズル板18cは、ノズル列Laおよびノズル列Lbのそれぞれの複数のノズルNが設けられた板状部材である。複数のノズルNのそれぞれは、インクを通過させる貫通孔である。ここで、ノズル板18cのZ2方向を向く面がノズル面FNである。ノズル板18cは、例えば、ドライエッチングまたはウェットエッチング等の加工技術を用いる半導体製造技術によりシリコン単結晶基板を加工することにより製造される。ただし、ノズル板18cの製造には、他の公知の方法および材料が適宜に用いられてもよい。また、ノズルの断面形状は、典型的には円形状であるが、これに限定されず、例えば、多角形または楕円形等の非円形状であってもよい。
流路基板18aには、ノズル列Laおよびノズル列Lbのそれぞれについて、空間R1a、R1bと複数の供給流路RRa、RRbと複数の連通流路NRa、NRbとが設けられる。空間R1a、R1bのそれぞれは、Z軸に沿う方向でみた平面視で、Y軸に沿う方向に延びる長尺状の開口である。供給流路RRa、RRbおよび連通流路NRa、NRbのそれぞれは、ノズルNごとに形成された貫通孔である。各供給流路RRaは、空間R1aに連通する。各供給流路RRbは、空間R1bに連通する。
圧力室基板18bは、複数の圧力室Caおよび複数の圧力室Cbが設けられた板状部材である。複数の圧力室Caは、Y軸に沿う方向に配列される。同様に、複数の圧力室Cbは、Y軸に沿う方向に配列される。各圧力室Caは、ノズル列LaのノズルNごとに形成され、平面視でX軸に沿う方向に延びる長尺状の空間である。同様に、各圧力室Cbは、ノズル列LbのノズルNごとに形成され、平面視でX軸に沿う方向に延びる長尺状の空間である。流路基板18aおよび圧力室基板18bそれぞれは、前述のノズル板18cと同様に、例えば、半導体製造技術によりシリコン単結晶基板を加工することにより製造される。ただし、流路基板18aおよび圧力室基板18bのそれぞれの製造には、他の公知の方法および材料が適宜に用いられてもよい。
圧力室Caは、連通流路NRaおよび供給流路RRaのそれぞれに連通する。したがって、圧力室Caは、連通流路NRaを介してノズル列LaのノズルNに連通し、かつ、供給流路RRaを介して空間R1aに連通する。同様に、圧力室Cbは、連通流路NRbおよび供給流路RRbのそれぞれに連通する。したがって、圧力室Cbは、連通流路NRbを介してノズル列LbのノズルNに連通し、かつ、供給流路RRbを介して空間R1bに連通する。
圧力室基板18bのZ1方向を向く面には、振動板18eが配置される。振動板18eは、弾性的に振動可能な板状部材である。振動板18eは、例えば、第1層と第2層とを有し、これらがこの順でZ1方向に積層される。第1層は、例えば、酸化シリコン(SiO)で構成される弾性膜である。当該弾性膜は、例えば、シリコン単結晶基板の一方の面を熱酸化することにより形成される。第2層は、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO)で構成される絶縁膜である。当該絶縁膜は、例えば、スパッタ法によりジルコニウムの層を形成し、当該層を熱酸化することにより形成される。なお、振動板18eは、前述の第1層および第2層の積層による構成に限定されず、例えば、単層で構成されてもよいし、3層以上で構成されてもよい。
振動板18eのZ1方向を向く面には、複数の駆動素子Eaおよび複数の駆動素子Ebが配置される。駆動素子Ea、Ebのそれぞれは、駆動信号の供給により変形する受動素子である。駆動素子Ea、Ebのそれぞれは、平面視でX軸に沿う方向に延びる長尺状をなす。複数の駆動素子Eaは、複数の圧力室Caに対応するようにY軸に沿う方向に配列される。駆動素子Eaは、平面視で圧力室Caに重なる。同様に、複数の駆動素子Ebは、複数の圧力室Cbに対応するようにY軸に沿う方向に配列される。駆動素子Ebは、平面視で圧力室Cbに重なる。
駆動素子Ea、Ebのそれぞれは、図示しないが、第1電極と圧電体層と第2電極とを有し、この順でこれらがZ1方向に積層される。第1電極および第2電極のうちの一方の電極は、駆動素子Eaごとまたは駆動素子Ebごとに互いに離間して配置される個別電極であり、当該一方の電極には、駆動信号が印加される。第1電極および第2電極のうちの他方の電極は、複数の駆動素子Eaまたは複数の駆動素子Ebにわたり連続するようにY軸に沿う方向に延びる帯状の共通電極であり、当該他方の電極には、所定の基準電位が供給される。これらの電極の金属材料としては、例えば、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銅(Cu)等の金属材料が挙げられ、これらのうち、1種を単独でまたは2種以上を合金または積層等の態様で組み合わせて用いることができる。圧電体層は、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)等の圧電材料で構成されており、例えば、複数の駆動素子Eaまたは複数の駆動素子Ebにわたり連続するようにY軸に沿う方向に延びる帯状をなす。ただし、圧電体層は、駆動素子Eaごとまたは駆動素子Ebごとに個別に設けられてもよい。以上の駆動素子Eaの変形に連動して振動板18eが振動すると、圧力室Ca内の圧力が変動することで、インクがノズル列LaのノズルNから噴射される。同様に、駆動素子Ebの変形に連動して振動板18eが振動すると、圧力室Cb内の圧力が変動することで、インクがノズル列LbのノズルNから噴射される。なお、駆動素子として、当該駆動素子Ea、Ebに代えて、圧力室Ca、Cb内のインクを加熱する発熱素子を用いてもよい。
カバー18gは、振動板18eのZ1方向を向く面に設置される板状部材であり、複数の駆動素子Eaおよび複数の駆動素子Ebを保護するとともに振動板18eの機械的な強度を補強する。ここで、カバー18gと振動板18eとの間には、複数の駆動素子Eaおよび複数の駆動素子Ebが収容される。カバー18gは、例えば、樹脂材料で構成される。
ケース18hは、複数の圧力室Caおよび複数の圧力室Cbに供給されるインクを貯留するためのケースである。ケース18hは、例えば、樹脂材料で構成される。ケース18hには、空間R2a、R2b、導入口Ra_in、Rb_inおよび排出口Ra_out、Rb_outが設けられる。空間R2aは、前述の空間R1aに連通する空間であり、空間R1aとともに、複数の圧力室Caに供給されるインクを貯留するリザーバーである液体貯留室Raとして機能する。液体貯留室Ra内のインクは、各供給流路RRaを介して圧力室Caに供給される。同様に、空間R2bは、前述の空間R1bに連通する空間であり、空間R1bとともに、複数の圧力室Cbに供給されるインクを貯留するリザーバーである液体貯留室Rbとして機能する。液体貯留室Rb内のインクは、各供給流路RRbを介して圧力室Cbに供給される。
液体貯留室Raには、「第2フィルター」の一例であるフィルターFaHが設けられる。図5に示す例では、フィルターFaHは、液体貯留室Raを空間R1aと空間R2aとに区分するように配置される。同様に、液体貯留室Rbには、「第2フィルター」の一例であるフィルターFbHが設けられる。図5に示す例では、フィルターFbHは、液体貯留室Rbを空間R1bと空間R2bとに区分するように配置される。フィルターFaH、FbHのそれぞれは、インクの通過を許容しつつ、インクに混入する異物等を捕捉する板状またはシート状の部材である。フィルターFaH、FbHのそれぞれは、例えば、綾畳織または平畳織等の金属繊維で構成される。
なお、フィルターFaH、FbHのぞれぞれは、金属繊維を用いる構成に限定されず、例えば、不織布等の樹脂繊維で構成されてもよい。また、フィルターFaHの設置位置は、図5に示す例に限定されず、例えば、空間R1a内または空間R2a内であってもよい。同様に、フィルターFbHの設置位置は、図5に示す例に限定されず、例えば、空間R1b内または空間R2b内であってもよい。
吸振体18dは、コンプライアンス基板とも称され、液体貯留室Ra、Rbの壁面を構成する可撓性の樹脂フィルムであり、液体貯留室Ra、Rb内のインクの圧力変動を吸収する。なお、吸振体18dは、金属製の可撓性を有する薄板であってもよい。吸振体18dのZ1方向を向く面は、流路基板18aに接着剤等により接合される。一方、吸振体18dのZ2方向を向く面には、枠体18fが接着剤等により接合される。枠体18fは、吸振体18dの外周に沿う枠状の部材であり、前述の固定板14に接触する。ここで、枠体18fは、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、チタンおよびマグネシウム合金等の金属材料で構成される。
配線基板18iは、振動板18eのZ1方向を向く面に実装されており、制御ユニット20とヘッドチップHCとを電気的に接続するための実装部品である。配線基板18iは、例えば、COF(Chip On Film)、FPC(Flexible Printed Circuit)またはFFC(Flexible Flat Cable)等の可撓性の配線基板である。本実施形態の配線基板18iには、各駆動素子Ea、Ebに駆動電圧を供給するための駆動回路18jが実装される。駆動回路18jは、制御信号Sに基づいて、駆動信号Dに含まれる波形のうちの少なくとも一部を駆動パルスとして供給するか否かを切り替える回路である。
1-4.流路部材の流路
図6は、流路部材11aの流路の一例を示す図である。図6に示すように、流路部材11aの内部には、供給流路Saと排出流路Daと供給流路Sbと排出流路Dbとが設けられる。供給流路Sa、Sbのそれぞれは、「第2流路」の一例である。供給流路Saは、接続管11bから各ヘッドチップHCの液体貯留室Raに至る流路である。排出流路Daは、各ヘッドチップHCの液体貯留室Raから接続管11cに至る流路である。供給流路Sbは、接続管11dから各ヘッドチップHCの液体貯留室Rbに至る流路である。排出流路Dbは、各ヘッドチップHCの液体貯留室Rbから接続管11eに至る流路である。これらの流路は、前述の基板Su1~Su5に適宜に設けられる溝および貫通孔により構成される。
図6に示すように、供給流路Saには、「第1フィルター」の一例である4個のフィルターFa_1~Fa_4は設けられる。同様に、供給流路Sbには、「第1フィルター」の一例である4個のフィルターFb_1~Fb_4は設けられる。なお、以下では、フィルターFa_1~Fa_4のそれぞれをフィルターFaという場合がある。また、フィルターFb_1~Fb_4のそれぞれをフィルターFbという場合がある。
1-5.ホルダー流路
図7は、ホルダー13に対する流路部材11aおよびヘッドチップHCの接続を説明するための断面図である。図7では、図3中のA-A線断面が示される。図7に示すように、流路部材11aの供給流路Saは、ホルダー13のホルダー流路13aを介して、ヘッドチップHCの導入口Ra_inに接続される。同様に、流路部材11aの供給流路Sbは、ホルダー13のホルダー流路13aを介して、ヘッドチップHCの導入口Rb_inに接続される。
なお、図7では図示しないが、供給流路Sa、Sbと同様、流路部材11aの排出流路Da、Dbは、ホルダー13のホルダー流路13aを介して、ヘッドチップHCの排出口Ra_out、Rb_outに接続される。以下では、図7に基づいて、供給流路Sa、Sbに対応する構成を代表的に説明する。
ヘッドチップHCは、ホルダー13に対して接着剤GLにより互いに固定される。この接合により、液体貯留室Ra、Rbのそれぞれが、対応するホルダー流路13aに液密に互いに接続される。ここで、接着剤GLは、ホルダー流路13aおよび導入口Ra_in、Rb_inを埋めないように、ホルダー13とヘッドチップHCとの間に介在する。接着剤GLとしては、インクに対する耐性を有し、かつ、所望の液密性を実現できればよく、特に限定されないが、例えば、シリコーン系接着剤、エポキシ接着剤等が好適に用いられる。
これに対し、流路部材11aは、ホルダー13に対して、接着剤を用いずに、シール部材17を介して固定される。前述のように、ネジSCを用いて流路部材11aをホルダー13に向けて押し付けることにより、シール部材17は、流路部材11aとホルダー13との間で弾性変形する。これにより、シール部材17のインク孔17aを介して、供給流路Sa、Sbのそれぞれと対応するホルダー流路13aとが液密に接続される。
1-6.循環機構
図8は、第1実施形態に係る液体噴射装置100でのインクの流れを説明するための模式図である。図8では、説明の便宜上、1つの液体噴射ヘッド1の第1インクの流れが代表的に示される。なお、第2インクも第1インクと同様に液体噴射装置100内を循環する。また、他の液体噴射ヘッド1も、当該1つの液体噴射ヘッド1と同様に第1インクおよび第2インクが循環する。
図8に示すように、循環機構60は、サブタンク61と供給流路62と回収流路63とポンプ64とヒーター65とを有する。これらは、前述の液体容器10に貯留されるインクの種類ごとに設けられる。
サブタンク61は、液体容器10からのインクを一時的に貯留する。ここで、サブタンク61内の圧力は、所定の負圧となるように制御される。供給流路62は、サブタンク61から液体噴射ヘッド1にインクを供給するための流路である。回収流路63は、液体噴射ヘッド1からインクをサブタンク61に回収するための流路である。ポンプ64は、供給流路62および回収流路63のそれぞれにインクを移送させる。図8に示す例では、ポンプ64は、供給流路62の途中に設けられる。ヒーター65は、供給流路62内のインクを加熱する。ここで、ヒーター65は、液体噴射ヘッド1内に設けられた温度センサー19の出力に基づいて駆動制御される。これにより、液体噴射ヘッド1に供給されるインクの温度を所定範囲内に維持することができる。
以上の循環機構60の動作により、第1インクは、供給流路SaのフィルターFaを通過した後にヘッドチップHCに供給される。ここで、フィルターFaは、ヘッドチップごとに設けられる。このため、供給流路Saの流路抵抗のバラつきを低減することができる。この結果、各ヘッドチップHCへのインクの初期充填のバラツキを低減することができる。また、排出流路Daには、フィルターが設けられていないため、サブタンク61内の負圧を制御することにより、液体貯留室Raの負圧制御のバラつきを低減することができる。
なお、第2インクは、供給流路SbのフィルターFbを通過した後にヘッドチップHCに供給される。このため、第1インクの場合と同様、供給流路Sbの流路抵抗のバラつきを低減したり、液体貯留室Rbの負圧制御のバラつきを低減したりすることができる。
以上のように、液体噴射ヘッド1は、「液体」の一例であるインクを噴射する複数のヘッドチップHCと、複数のヘッドチップHCを保持するホルダー13と、複数のヘッドチップHCにインクを分配するための流路部材11aとを備える。
ヘッドチップHCは、「第1流路」の一例である液体貯留室Ra、Rbを有する。ホルダー13は、液体貯留室Raまたは液体貯留室Rbに連通するホルダー流路13aを有する。流路部材11aは、「第2流路」の一例である供給流路Sa、Sbと、「第1フィルター」の一例であるフィルターFa、Fbと、を有する。供給流路Saまたは供給流路Sbは、ホルダー流路13aを介して液体貯留室Raまたは液体貯留室Rbに連通する。フィルターFaは、供給流路Saに設けられ、フィルターFbは、供給流路Sbに設けられる。
そして、ホルダー流路13aと液体貯留室Raまたは液体貯留室Rbとは、複数のヘッドチップHCおよびホルダー13が互いに接着剤GLにより接合されることにより、互いに液密に接続される。これに対し、ホルダー流路13aと供給流路Saまたは供給流路Sbとは、弾性を有するシール部材17が弾性変形した状態で流路部材11aとホルダー13との間に介在することにより、互いに液密に接続される。
以上の液体噴射ヘッド1では、複数のヘッドチップHCおよびホルダー13が互いに接着剤GLにより接合されることにより、ホルダー流路13aと液体貯留室Raまたは液体貯留室Rbとが互いに液密に接続されるので、ホルダー13に対する各ヘッドチップHCの位置ずれを防止することができる。また、弾性を有するシール部材17が弾性変形した状態で流路部材11aとホルダー13との間に介在することにより、ホルダー流路13aと供給流路Saまたは供給流路Sbとが互いに液密に接続されるので、流路部材11aおよびホルダー13を接着剤により互いに接合する必要がない。ヘッドチップHCと流路部材11aとの間でシール部材17を直接に挟持する構造と比べて、ホルダー13の壁が存在することでシール部材17を押し潰した反力が直接ヘッドチップHCに加わらない構造にできるため、ホルダー13に対する各ヘッドチップHCの位置ずれ、および、ヘッドチップHC間の相対位置ズレを防止することができる。このため、流路部材11aをホルダー13から容易に取り外すことができる。この結果、流路部材11aに目詰まりが生じた場合、流路部材11aのみを交換することができ、ヘッドチップHCを再利用することができる。したがって、液体噴射ヘッド1を再生利用することができる。
また、流路部材11aを取り外す際に、カバー16をホルダー13から取り外す必要がある。カバー16とホルダー13は図示しない箇所でネジ締結されており、流路部材11aを取り外す際にはネジを外すことでカバー16の着脱が可能になる。また、流路構造体11の接続管11b、11c、11d、11eの周囲とカバー16の間、および、カバー16とホルダー13との間に、外部からのインク侵入を防ぐためのシール部材(図示せず)を設ける構成としてもよい。この場合、上述のカバー16とホルダー13の固定ネジの締結によってシール部材が押し潰されてシールを実現する。これにより、ホルダー13とカバー16の着脱も可能となる。
また、前述のように、複数のヘッドチップHCのそれぞれは、「第2フィルター」の一例であるフィルターFaH、FbHを有する。フィルターFaHは、液体貯留室Raに設けられ、フィルターFbHは、液体貯留室Rbに設けられる。このため、流路部材11aを交換する際に、ホルダー流路13aが外部に露出するが、ホルダー流路13aから異物が混入しても、その異物をフィルターFaH、FbHで捕捉することができる。したがって、流路部材11aの交換時の異物混入によるノズルNの詰まりを防止することができる。
本実施形態では、前述のように、ホルダー13および流路部材11aは、ネジ留めにより互いに固定される。このため、必要時にホルダー13からの流路部材11aの取り外しを容易にしつつ、液体噴射ヘッド1の使用時にホルダー13および流路部材11aを互いに強固に固定することができる。
また、シール部材17がエラストマーで構成される場合、シール部材17が弾性変形した状態で流路部材11aとホルダー13との間に介在することにより、ホルダー流路13aと供給流路Saまたは供給流路Sbとを互いに液密に接続することができる。
2.第2実施形態
以下、本開示の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図9は、第2実施形態に係る液体噴射ヘッド1Aのホルダー13に対する流路部材11aおよびヘッドチップHCの接続を説明するための断面図である。液体噴射ヘッド1Aは、複数のネジSCに代えて複数のバネ70を備えること以外は、前述の第1実施形態の液体噴射ヘッド1と同様に構成される。
複数のバネ70は、流路部材11aをホルダー13に向けて付勢する。この付勢により、シール部材17は、流路部材11aとホルダー13との間で弾性変形する。図9に示すれいでは、複数のバネ70のそれぞれは、コイルバネであり、カバー16と流路部材11aとの間に弾性変形した状態で配置される。ここで、図示しないが、流路部材11aおよびカバー16には、流路部材11aおよびカバー16に対してバネ70を位置決めするための凹部または凸部が適宜に設けられる。
なお、バネ70の数および配置は、特に限定されず、任意である。また、バネ70は、コイルバネに限定されず、例えば、板バネでもよい。
以上の第2実施形態によっても、液体噴射ヘッド1Aを再生利用することができる。本実施形態では、前述のように、ホルダー13および流路部材11aは、バネ70を用いて互いに固定される。このため、必要時にホルダー13からの流路部材11aの取り外しを容易にしつつ、液体噴射ヘッド1Aの使用時にホルダー13および流路部材11aを互いに強固に固定することができる。
3.変形例
以上に例示した形態は多様に変形され得る。前述の形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
3-1.変形例1
図10は、変形例1に係る液体噴射ヘッド1Bのホルダー13に対する流路部材11aおよびヘッドチップHCの接続を説明するための断面図である。液体噴射ヘッド1Bは、シール部材17に代えて複数のシール部材17Bを備えること以外は、前述の第1実施形態と同様に構成される。
複数のシール部材17Bのそれぞれは、Oリングのような環状の弾性部材であり、インク孔17aを有し、ホルダー流路13aごとに設けられる。複数のシール部材17Bのそれぞれは、シール部材17と同様、エラストマーで構成されることが好ましい。以上の変形例1によっても、液体噴射ヘッド1Bを再生利用することができる。
3-2.変形例2
図11は、変形例2に係る液体噴射装置100Cのインクの流れを説明するための模式図である。液体噴射装置100Cは、循環機構60を省略するとともにヒーター65を液体容器10に設けたこと以外は、前述の第1実施形態の液体噴射装置100と同様に構成される。ここで、排出流路Daが液体容器10からヘッドチップHCにインクを供給するための供給流路として機能する。また、ヒーター65は、温度センサー19の出力に基づいて駆動制御され、液体容器10内のインクを加熱する。以上の変形例2によっても、液体噴射ヘッド1を再生利用することができる。
3-3.変形例3
前述の形態で例示した液体噴射装置は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示パネル等の表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を噴射する液体噴射装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。また、生体に関する有機物の溶液を噴射する液体噴射装置は、例えばバイオチップを製造する製造装置として利用される。
1…液体噴射ヘッド、1A…液体噴射ヘッド、1B…液体噴射ヘッド、10…液体容器(液体貯留部)、11…流路構造体、11a…流路部材、11b…接続管、11c…接続管、11d…接続管、11e…接続管、11f…孔、12…配線基板、12a…コネクター、13…ホルダー、13a…ホルダー流路、13b…配線孔、13c…凹部、13d…ネジ孔、14…固定板、14a…開口部、15…補強板、15a…開口部、16…カバー、16a…貫通孔、16b…開口部、17…シール部材、17B…シール部材、17a…インク孔、17b…配線孔、17c…孔、18a…流路基板、18b…圧力室基板、18c…ノズル板、18d…吸振体、18e…振動板、18f…枠体、18g…カバー、18h…ケース、18i…配線基板、18j…駆動回路、19…温度センサー、20…制御ユニット、30…搬送機構、40…移動機構、41…搬送体、42…搬送ベルト、50…ヘッドモジュール、51…支持体、51a…取付孔、60…循環機構、61…サブタンク、62…供給流路、63…回収流路、64…ポンプ、65…ヒーター、70…バネ、100…液体噴射装置、100C…液体噴射装置、Ca…圧力室、Cb…圧力室、D…駆動信号、DM…搬送方向、Da…排出流路、Db…排出流路、Ea…駆動素子、Eb…駆動素子、FN…ノズル面、Fa…フィルター(第1フィルター)、FaH…フィルター(第2フィルター)、Fa_1~Fa_4…フィルター(第1フィルター)、Fb…フィルター(第1フィルター)、FbH…フィルター(第1フィルター)、Fb_1~Fb_4…フィルター(第1フィルター)、GL…接着剤、HC…ヘッドチップ、La…ノズル列、Lb…ノズル列、M…媒体、N…ノズル、NRa…連通流路、NRb…連通流路、Qa…液体噴射部、Qb…液体噴射部、R1a…空間、R1b…空間、R2a…空間、R2b…空間、RRa…供給流路、RRb…供給流路、Ra…液体貯留室(第1流路)、Ra_in…導入口、Ra_out…排出口、Rb…液体貯留室(第2流路)、Rb_in…導入口、Rb_out…排出口、S…制御信号、SC…ネジ、Sa…供給流路(第2流路)、Sb…供給流路(第2流路)、Su1…基板、Su2…基板、Su3…基板、Su4…基板、Su5…基板。

Claims (7)

  1. 第1流路を有し、液体を噴射する複数のヘッドチップと、
    前記第1流路に連通するホルダー流路を有し、前記複数のヘッドチップを保持するホルダーと、
    前記ホルダー流路を介して前記第1流路に連通する第2流路と、前記第2流路に設けられる第1フィルターと、を有し、前記複数のヘッドチップに液体を分配するための流路部材と、を備え、
    前記ホルダー流路および前記第1流路は、前記複数のヘッドチップおよび前記ホルダーが互いに接着剤により接合されることにより、互いに液密に接続され、
    前記ホルダー流路および前記第2流路は、弾性を有するシール部材が弾性変形した状態で前記流路部材と前記ホルダーとの間に介在することにより、互いに液密に接続される、
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記複数のヘッドチップのそれぞれは、前記第1流路に設けられる第2フィルターを有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記ホルダーおよび前記流路部材は、接着剤を使用しないで互いに固定される、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記ホルダーおよび前記流路部材は、ネジ留めにより互いに固定される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記ホルダーおよび前記流路部材は、バネを用いて互いに固定される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記シール部材は、エラストマーで構成される、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドへ供給するための液体を貯留する液体貯留部と、備える、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
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