JP2023127470A - 銀イオン水の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高純度の銀イオン水を製造することが可能な製造方法を提供する。【解決手段】 本発明は、原水から超純水を得る工程と、超純水を用いて電気分解法により銀イオン水を生成する時に、電気分解しながら、または前記電気分解後に、多孔質分離膜および限外ろ過膜(UF膜)に通すことを含む、銀イオン生成工程とを含む、銀イオン水を製造する方法を提供する。【選択図】 図2

Description

本発明は、電気分解法を用いた銀イオン水の製造方法に関する。
銀イオン(Ag+)は、原子サイズが200ピコメートルと小さく、菌およびウイルス等の中まで入ることができ、殺菌効果が高いことが知られている。そのため、銀イオンを含有する銀イオン水は、殺菌剤および抗ウイルス剤等に利用されている。
銀イオン水は、たとえば電気分解によって製造することができる。電気分解法では、水中に配置された二つの銀電極間に通電させることにより、電極から銀イオンを溶出させる。
電気分解によって銀イオン水を製造する装置として、たとえば特許文献1には、電解槽と、電源装置と、電極駆動装置と、を備えた銀イオン水製造装置が記載されている(請求項1)。この装置は、電解槽内に、対向して配設される少なくとも一対の銀電極を備え、一対の銀電極のうち一方の銀電極は、他方の銀電極へ進退する方向へ移動可能となっている。電源装置は、一対の銀電極に直流電圧を印加し、電極駆動装置は、一方の銀電極を、他方の銀電極に対して接触と非接触とを繰り返すように駆動する。
電圧の印加が長期にわたると、不純物が陰極表面に厚く堆積し、銀イオンの溶出を妨げ、銀イオン水の製造効率が低下するという問題があるが、特許文献1に記載の装置では、二つの電極が接触と非接触とを繰り返すため、電極表面の不純物の堆積に関わらず、銀イオン水の製造効率が高い。
特開2018-134580号公報
しかし、上記の製造装置によって生成された銀イオン水を超音波式加湿器等で噴霧する場合に、赤茶色等に変色あるいは着色するという問題があった。さらに、タンク底面においては超音波振動部に不純物が付着しミスト発生の妨げにもなっていた。
そこで、本発明は、上記のような問題が解消された銀イオン水を製造することが可能な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、電気分解によって生成された銀イオンは、銀電極から銀スラッジ(電極成分)および酸化銀などの不純物が発生し、銀イオン水中に残ってしまうことが、上記のような問題を引き起こすことを見出した。従来の銀イオン水製造機を用いて製造した銀イオン水について、粒度分布解析および検査機関での解析を行い、不純物の正体および大きさ(粒度)を解析した。その結果、銀イオン水の製造時に銀電極から生じる不純物は、粒径0.05μm~100μmまでの微粒子であることを見出した(図1)。
そこで、本発明者らは、まず銀イオン水製造のベースとなる水の純度に着目した。従来、多くの製造メーカーでは、簡易式なイオン交換樹脂での純水化方式を用いている。本発明者らは、原水を逆浸透膜(RO膜)およびイオン交換樹脂に通して得た超純水をベースとして銀イオン水を製造した。その結果、得られる銀イオン濃度が従来より30%程度高くなることを見出した。
また、電気分解法によって得た銀イオン水を、さらに多孔質分離膜を備えた膜ろ過機構に通した。その結果、不純物をほぼ含まない高純度の銀イオン水を得ることができた。さらに、生成した銀イオン水を限外ろ過膜(UF膜)に通すことにより、より純物をほぼ含まない高純度の銀イオン水を得ることができた。この銀イオン水であれば、超音波式加湿器で噴霧した際の着色の発生を完全に抑制することができた。さらに、このような方法で得られた銀イオン水は、従来よりさらに高い銀イオン濃度であることを見出した。
本発明は、原水から超純水を得る工程と、
前記超純水を用いて電気分解法により銀イオン水を生成する時に、電気分解しながら、または前記電気分解後に、多孔質分離膜および限外ろ過膜(UF膜)に通すことを含む、銀イオン生成工程と、
前記銀イオン水を、限外ろ過膜(UF膜)に通す工程と、
を含む、銀イオン水を製造する方法を提供する。
また、本発明は、銀イオン水を電気分解によって製造する装置であって、
前記装置に供給する原水から超純水を生成する、超純水生成機構と、
前記超純水を用いて電気分解法により銀イオン水を生成する時に、電気分解しながら、または前記電気分解後にろ過するための、多孔質分離膜を備えた膜ろ過機構および限外ろ過膜を備えた限外ろ過機構と、
を備える、装置を提供する。
さらに、本願発明は、多孔質分離膜が、5μmおよび0.3μmの多段階である、上記方法を提供する。
さらに、本願発明は、多孔質分離膜が、5μmおよび0.3μmの多段階である、上記装置を提供する。
さらに、本願発明は、0.1μS/cm以下の電気伝導率である超純水を得る工程と、
前記超純水を用いて電気分解法により銀イオン水を生成する時に、または後に、銀イオン水から粒径0.005μm以上の粒子を除去する工程と、
を含む、銀イオン水を製造する方法を提供する。
本発明の方法および本発明の装置を用いれば、超純水を使用して膜ろ過機構を用いて不純物を除去することにより、得られる銀イオン水の銀イオン濃度を高くすることができる。また、不純物が除去されるため、銀イオン水製造装置内の電極への不純物の付着を抑制し、安定的に通電させることができ、生産効率を向上させることができる。また、不純物が除去されることにより、超音波式加湿器等に用いた場合の送風部等における着色の発生を抑制することができる。
従来の銀イオン水製造装置にて製造した銀イオン水の粒度分布を示す図。 本発明の一実施例において製造した銀イオン水の粒度分布を示す図。 本発明の一実施例において製造した銀イオン水のSARS-CoV-2に対する試験結果(TCID50/mL)を示す図。 銀イオン水のベースとして種々の超純水を使用した際に精製される銀イオン濃度を示す図。 従来の銀イオン水と本発明による銀イオン水との着色現象の比較を示す図。 本発明の銀イオン水製造装置の一例を示す模式図。
本発明は、銀イオン水を製造する方法を提供する。本発明の製造方法により製造された銀イオン水は、非常に高純度であり、かつ銀イオン濃度が高いため、殺菌用、殺ウイルス用、抗菌用および抗ウイルス用の製品等に好適に使用することができる。
本発明の銀イオン水を製造する方法は、原水をRO膜およびイオン交換樹脂に通し、超純水を用いて電気分解法により銀イオン水を生成する工程であって、多孔質分離膜を備えた膜ろ過機構に通しながら電気分解する工程と、生成した銀イオン水を、限外ろ過膜(UF膜)に通す工程とを含む。
(超純水を得る工程)
超純水を得る工程では、原水を処理して超純水を得る。たとえば原水をRO膜およびイオン交換樹脂に通すことにより、超純水を得る。
本明細書において、「超純水」は、不純物の含有量が極めて少ない純度の高い水をいい、電気伝導率が0.001~1μS/cm、たとえば0.1μS/cm以下、たとえば0.01~0.1μS/cmである超純水を含む。「超純水」は、本願明細書において、原水をRO膜およびイオン交換樹脂を通した水であってもよく、不純物が取り除かれた、きわめて純度の高い水であればよく、一般な超純水と同等の水である。
原水には、特に限定されないが、たとえば水道水、井戸水、蒸留水および浄水等を使用することができる。
超純水を得るためには、市販の超純水生成装置を使用することができる。たとえば、RO膜およびイオン交換樹脂を使用して、超純水を生成することができる。使用するRO膜は、市販のRO膜を使用することができる。特に限定されないが、たとえば孔径1nm~数nmの逆浸透膜を使用することができる。RO膜に原水を通過させるためには、たとえば市販の逆浸透膜装置を使用して通過させることができる。浸透膜通過装置は、たとえば伸栄化学産業株式会社製、型番:SMA-6型等を使用することができる。逆浸透膜の形態は、特に限定されないが、たとえばスパイラル膜、プリーツ膜、中空糸膜、管状膜および平膜等であることができる。逆浸透膜の材質は、特に限定されないが、たとえばポリアミド、ポリスルホン、酢酸セルロースおよびポリアクリロニトリル等であることができる。
イオン交換樹脂は、三次元の網目構造を有する高分子母体に官能基(イオン交換基)が導入された合成樹脂である。イオン交換樹脂としては、公知のイオン交換樹脂を使用することができ、特に限定されないが、たとえば粒子径が0.1~1.0mm程度の球状の粒子を使用することができる。イオン交換樹脂の高分子母体は、たとえばスチレン-ジビニルベンゼンの共重合体(スチレン系)およびアクリル酸-ジビニルベンゼンの共重合体(アクリル系)等であることができる。イオン交換樹脂には、たとえばカチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂、強塩基性アニオン交換樹脂および弱塩基性アニオン交換樹脂などが含まれる。イオン交換樹脂は、複数の樹脂が混合されるか、または複層状に充填されたものであってもよい。イオン交換樹脂は、好ましくは、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを組み合わせたものである。超純水を得るために使用するイオン交換樹脂は、たとえばカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを2:1で組み合わせて使用することができる。また、イオン交換樹脂に原水を通過させるためには、任意の手段を使用することができる。たとえば、ボンベに充填したイオン交換樹脂を上記逆浸透膜装置に接続することによって、通過させることができる。原水を逆浸透膜装置に接続し、RO水の生成口にイオン交換樹脂を充填したボンベに接続することにより、一連の工程として超純水を得ることができる。イオン交換樹脂は、必ずしも樹脂を使用する必要はなく、イオン交換処理によって水から不純物を除去することができる任意の装置を使用することができる。たとえば、混床式(カチオン/アニオン)イオン交換ボンベおよび総称してポリッシャーとも呼ばれる、超純水の製造に利用される市販のイオン交換装置を使用することもできる。また、電気的にイオン交換樹脂を再生することができる装置(EDI)を使用することもできる。
また、原水を処理する際に、RO膜およびイオン交換樹脂を充填したボンベの出口には、さらに0.5μm以下のフィルター、たとえば0.2μm程度のフィルターを設置してもよい。これにより、バクテリアの発生があっても除去することができる。
また、上記の超純水を得る工程によれば、0.1μS/cm以下の電気伝導率である超純水を得ることができる。したがって、上記工程は、0.1μS/cm以下の電気伝導率である超純水を得る工程である。0.1μS/cm以下の電気伝導率である超純水は、上記の他、任意の手段で得ることができる。
(銀イオン水を製造する工程)
電気分解法により銀イオン水を製造する方法としては、公知の方法、すなわち水中に間隔をあけて配置した二つの銀電極間に電圧を印加することにより、電極から銀イオン(Ag+)を溶出させる方法を使用することができる。銀イオン水製造装置として、市販の銀イオン水製造機を使用することができる。
たとえば、本発明の銀イオン水を製造する工程では、株式会社トピオウォーター社製の銀イオン水製造装置(特許文献1)、型番Ag+makerスーパー銀次朗などの任意の銀イオン水製造装置を使用することができる。すなわち、本発明における銀イオン水の製造工程において使用する装置は、電解槽と、電源装置と、電極駆動装置と、を備え、電解槽内に、対向して配設される少なくとも一対の銀電極を備え、一対の銀電極のうち一方の銀電極は、他方の銀電極へ進退する方向へ移動可能であり、電源装置は、一対の銀電極に直流電圧を印加し、電極駆動装置は、一方の銀電極を、他方の銀電極に対して接触と非接触とを繰り返すように駆動する銀イオン水製造装置であることができる。この銀イオン水製造装置であれば、二つの電極が接触と非接触とを繰り返すため、電極表面に不純物が堆積したとしても、銀イオン水の製造効率を高くすることができる。また、銀イオン水製造装置として、溶液を循環させない銀イオン水製造機を用いてもよい。
電気分解時間は、装置に応じて適宜設定すればよく、5時間~24時間、たとえば10時間~20時間程度実施することにより、銀イオン水を生成すればよい。
本発明において、市販の銀イオン水製造装置を使用する場合、市販の装置に、本発明の方法の遂行に必要なろ過膜およびポンプ等を適宜追加して使用することができる。たとえば、水道に逆浸透膜装置を接続し、RO水の生成口にイオン交換樹脂を充填したボンベに接続し、超純水の生成口を銀イオン水製造装置に接続することができる。
(不純物を除去する工程)
本発明の方法は、銀イオン水を生成する時に、電気分解しながら、または電気分解後に、多孔質分離膜および限外ろ過膜(UF膜)に通して不純物を除く工程を含む。
(多孔質分離膜に通す工程)
不純物を除去する工程では、銀イオン水を多孔質分離膜に通すことにより不純物を除去する。不純物を除去する工程は、銀イオン水を多孔質分離膜に通すことができる任意の手段によって実施することができる。たとえば、上記の電気分解する工程において、超純水を電気分解する際に、多孔質分離膜を備えた膜ろ過機構に通して循環させながら電気分解することができる。
本発明において除去される不純物には、特に限定されないが、たとえば銀電極から生じた銀スラッジおよび酸化銀等の沈殿物、細菌類、ウイルスおよび有機物等の超純水製造工程および銀イオン水製造工程において混入するおそれのある粒径0.01μm以上の任意の不純物が含まれる。
多孔質分離膜には、不純物を除去することが可能な各種フィルターを使用することができる。多孔質分離膜として、たとえば積層タイプのフィルター、精密ろ過膜(MF)、限外ろ過膜(UF)等を使用することができる。特に、多孔質分離膜として、ろ過サイズの異なる2種類の精密ろ過膜(MF)を使用することができる。
本発明における膜ろ過機構は、二段階の多孔質分離膜を備えることができる。本発明における膜ろ過機構が備える多孔質分離膜は、段階的に不純物を除去することが可能であればよく、特に限定されないが、たとえば一段目および二段目に5μmおよび0.3μmなどのろ過サイズの異なる精密ろ過膜(MF)または積層タイプのフィルター等を使用することができる。
本発明における膜ろ過機構は、たとえば一段目に(粒径10~0.1μm以上、好ましくは1μm以下の)不純物を除去するために精密ろ過膜(MF)または積層フィルターを使用することができ、二段目に(粒径1~0.1μm以上、好ましくは0.3μm以下の)より微細な不純物を除去する精密ろ過膜(MF)または積層フィルターを使用することができる。また、さらに三段目に(粒径0.3~0.001μm、好ましくは0.01μm以下の)より微細な不純物を除去する限外ろ過膜(UF)を使用することができる。
また、本発明における膜ろ過機構は、上述した態様に限定されず、たとえば四段、五段および六段等の多孔質分離膜を備えてもよい。
積層タイプのフィルターには、市販の積層タイプのフィルターを使用することができる。特に限定されないが、たとえば孔径0.01~10μmの積層フィルターを使用することができる。積層フィルターの材質は、特に限定されないが、たとえばコットンおよびポリプロピレン等であることができる。
精密ろ過膜(MF)には、市販の精密ろ過膜MFを使用することができる。特に限定されないが、たとえば孔径0.01~10μmの精密ろ過膜を使用することができる。精密ろ過膜の形態は、特に限定されないが、たとえばスパイラル膜、プリーツ膜、中空糸膜、管状膜および平膜等であることができる。精密ろ過膜の材質は、特に限定されないが、たとえばポリアミド、ポリスルホン、酢酸セルロースおよびポリアクリロニトリル等であることができる。
多孔質分離膜の材質には、上述したものに限らず、たとえばセラミック等の無機素材、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、クロロトリフルオロエチレン-エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリエーテルスルホンおよびポリ塩化ビニル等を使用することができる。
多孔質分離膜を通して不純物を除去する工程は、たとえば銀イオン水製造装置の電気分解槽と多孔質分離膜を備えた膜ろ過機構とをポンプを介して接続し、超純水を電気分解する際に、多孔質分離膜を通して循環させながら不純物を除去することができる。これにより、銀イオン水の生成時に生じる不純物を適宜除去することができる。また、電気分解によって銀イオン水を生成させた後、生成した銀イオン水を多孔質分離膜に通して不純物を除去することもできる。
上記の多孔質分離膜に通す工程によれば、超純水を用いて電気分解法により銀イオン水を生成する時に、または後に、粒径0.4μm以上の粒子を除去することができる。したがって、不純物を除去する工程は、超純水を用いて電気分解法により銀イオン水を生成する時に、または後に、粒径0.4μm以上の粒子を除去することを含む、銀イオン生成工程である。
(UF膜に通す工程)
不純物を除去する工程では、銀イオン水を多孔質分離膜に通した後、UF膜に通すことにより、さらに不純物を除去する。UF膜に通す工程では、銀イオン水をUF膜に通すことにより不純物を除去する。UF膜に通す工程は、銀イオン水を多孔質分離膜に通すことができる任意の手段によって実施することができる。超純水を電気分解する際に多孔質分離膜に通して循環しながら電気分解させた銀イオン水を、電気分解後にUF膜を備えた限外ろ過機構に通すことによって実施することができる。また、上記の電気分解する工程において、超純水を電気分解する際に、多孔質分離膜処理に続いてUF膜を通し、連続して膜ろ過機構に通して循環しながら電気分解することができる。電気分解後にUF膜を備えた限外ろ過機構に通すことによって実施する場合、銀イオン水の貯蔵槽からポンプでUF膜処理装置に銀イオン水を引き込み、UF膜を通過した超純水を再び貯蔵槽へ戻して、循環させながらUF膜処理をすることができる。たとえば、銀イオン水の生成後に5分~120分程度、たとえば40~60分程度UF膜処理装置を循環させればよく、20リットルの銀イオン水であれば、たとえば5分~120分程度UF膜処理装置を循環させればよい。
UF膜には、市販の限外ろ過膜を使用することができる。特に限定されないが、分子量が0.01μm以下、たとえば0.001μmの物質を透過させる限外ろ過膜を使用することができる。限外ろ過膜の形態は、特に限定されないが、たとえばスパイラル膜、プリーツ膜、中空糸膜、管状膜および平膜等であることができる。限外ろ過膜の材質は、特に限定されないが、たとえばポリアミド、ポリスルホン、酢酸セルロースおよびポリアクリロニトリル等であることができる。
また、UF膜に通す工程は、市販の限外ろ過装置を使用して実施することができる。UF膜に通す工程は、たとえば銀イオン水製造装置の電気分解槽と限外ろ過装置とを、バルブを介して開閉可能に接続しておき、銀イオン水を生成した後にバルブを開放して、銀イオン水を電気分解槽から限外ろ過装置に取り込み、ろ過水を電気分解槽に戻して循環運転を行うことによって実施することができる。また、上記の多孔質分離膜を通して不純物を除去する工程において、多孔質分離膜に続いてUF膜を通し、超純水を電気分解する際に、多孔質分離膜およびUF膜を連続して通して循環させながら不純物を除去することができる。これにより、銀イオン水の生成時に生じる不純物を適宜除去することができる。
上記のUF膜に通す工程によれば、銀イオン水から粒径0.005μm以上の粒子を除去することができる。したがって、UF膜に通す工程は、銀イオン水から粒径0.005μm以上の粒子を除去する工程である。上記の他、任意の手段で銀イオン水から粒径0.005μm以上の粒子を除去することができる。
本発明の方法のように、超純水の電気分解の際または電気分解後の銀イオン水を多孔質分離膜およびUF膜に通すことによって不純物を除去することにより、得られる銀イオン水の銀イオン濃度を高くすることができる。また、不純物が除去されるため、銀イオン水製造装置内の電極への不純物の付着を抑制し、安定的に通電させることができ、生産効率を向上させることができる。また、不純物が除去されることにより、超音波式加湿器等に用いた場合の送風部等における着色の発生を抑制することができる。
(銀イオン水の製造装置)
本発明の銀イオン水を電気分解によって製造する装置は、装置に供給する原水から超純水を生成する、超純水生成機構と、超純水を用いて電気分解法により銀イオン水を生成する時に、電気分解しながら、または電気分解後にろ過するための、多孔質分離膜を備えた膜ろ過機構および限外ろ過膜を備えた限外ろ過機構ととを備える。
(超純水生成機構)
超純水生成機構は、市販の超純水生成装置を使用することができる。たとえば、RO膜およびイオン交換樹脂を組み合わせて超純水生成機構とすることができる。使用するRO膜は、上記のとおり、市販のRO膜を使用することができる。特に限定されないが、たとえば孔径1nm~数nmの逆浸透膜を使用することができる。RO膜に原水を通過させるためには、たとえば市販の逆浸透膜装置を使用して通過させることができる。逆浸透膜通過装置は、たとえば伸栄化学産業株式会社製、型番:SMA-6型等を使用することができる。
イオン交換樹脂としては、上記のイオン交換樹脂を使用することができる。超純水を得るために使用するイオン交換樹脂は、たとえばカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを2:1で組み合わせて使用することができる。また、イオン交換樹脂に原水を通過させるためには、任意の手段を使用することができる。たとえば、ボンベに充填したイオン交換樹脂を上記逆浸透膜装置に接続することによって、通過させることができる。イオン交換樹脂は、必ずしも樹脂を使用する必要はなく、イオン交換処理によって水から不純物を除去することができる任意の装置を使用することができる。
上記のRO膜およびイオン交換樹脂を備える超純水生成機構は、原水がRO膜およびイオン交換樹脂を通過することができる機構であれば、任意の機構であることができる。たとえば、逆浸透膜装置RO水の生成口とイオン交換樹脂を充填したボンベとを任意の流路を介して接続すればよい。
上記の超純水生成機構は、任意の流路を介して、電気分解法により銀イオン水を製造する装置に接続される。たとえば、任意の銀イオン製造装置の電解槽に超純水生成機構を通過した原水を供給できるように、流路を形成することができる。
電気分解法により銀イオン水を製造する装置としては、公知の方法、すなわち水中に間隔をあけて配置した二つの銀電極間に電圧を印加することにより、電極から銀イオン(Ag+)を溶出させることができる任意の装置を使用することができる。銀イオン水製造装置として、市販の銀イオン水製造機を使用することができる。
たとえば、本発明の銀イオン水を製造する工程では、株式会社トピオウォーター社製の銀イオン水製造装置(特許文献1)、型番Ag+makerスーパー銀次朗などの任意の銀イオン水製造装置を使用することができる。すなわち、本発明における銀イオン水の製造工程において使用する装置は、電解槽と、電源装置と、電極駆動装置と、を備え、電解槽内に、対向して配設される少なくとも一対の銀電極を備え、一対の銀電極のうち一方の銀電極は、他方の銀電極へ進退する方向へ移動可能であり、電源装置は、一対の銀電極に直流電圧を印加し、電極駆動装置は、一方の銀電極を、他方の銀電極に対して接触と非接触とを繰り返すように駆動する銀イオン水製造装置であることができる。この銀イオン水製造装置であれば、二つの電極が接触と非接触とを繰り返すため、電極表面に不純物が堆積したとしても、銀イオン水の製造効率を高くすることができる。
また、銀イオン水製造装置として、溶液を循環させない銀イオン水製造機を用いてもよい。
本発明において、市販の銀イオン水製造装置を使用する場合、市販の装置に、本発明の方法の遂行に必要なろ過膜およびポンプ等を適宜追加して使用することができる。
(膜ろ過機構)
本発明の銀イオン水製造方法は、超純水を用いて電気分解法により銀イオン水を生成する時に、電気分解しながら、または電気分解後にろ過するための、多孔質分離膜を備えた膜ろ過機構および限外ろ過膜を備えた限外ろ過機構を備える。本発明における膜ろ過機構が備える多孔質分離膜は、不純物を除去することが可能な各種フィルターを使用することができる。多孔質分離膜として、たとえば積層タイプのフィルター、精密ろ過膜(MF)、限外ろ過膜(UF)等を使用することができる。特に、多孔質分離膜として、ろ過サイズの異なる2種類の精密ろ過膜(MF)を使用することができる。
本発明における膜ろ過機構は、二段階の多孔質分離膜を備えることができる。本発明における膜ろ過機構が備える多孔質分離膜は、段階的に不純物を除去することが可能であればよく、特に限定されないが、たとえば一段目および二段目に5μmおよび0.3μmなどのろ過サイズの異なる精密ろ過膜(MF)または積層タイプのフィルター等を使用することができる。
本発明における膜ろ過機構は、たとえば一段目に(粒径10~0.1μm以上、好ましくは1μm以下の)不純物を除去するために精密ろ過膜(MF)または積層フィルターを使用することができ、二段目に(粒径1~0.1μm以上、好ましくは0.3μm以下の)より微細な不純物を除去する精密ろ過膜(MF)または積層フィルターを使用することができる。また、さらに三段目に(粒径0.3~0.001μm、好ましくは0.01μm以下の)より微細な不純物を除去する限外ろ過膜(UF)を使用することができる。
また、本発明における膜ろ過機構は、上述した態様に限定されず、たとえば四段、五段および六段等の多孔質分離膜を備えてもよい。
積層タイプのフィルターには、市販の積層タイプのフィルターを使用することができる。特に限定されないが、たとえば孔径0.01~10μmの積層フィルターを使用することができる。
精密ろ過膜(MF)には、市販の精密ろ過膜MFを使用することができる。特に限定されないが、たとえば孔径0.01~10μmの精密ろ過膜を使用することができる。
膜ろ過機構は、たとえば銀イオン水製造装置の電気分解槽と任意の流路を介して接続される。たとえば、電気分解槽の溶液を膜ろ過機構にポンプを介して接続すればよい。また、溶液が電気分解槽と膜ろ過機とを循環可能に接続してもよい。超純水を電気分解する際に、多孔質分離膜を通して循環させながら不純物を除去することができる。これにより、銀イオン水の生成時に生じる不純物を適宜除去することができる。
(限外ろ過機構)
本発明における限外ろ過機構は、上記のとおり、溶液を限外ろ過膜(UF膜)に通過させることができる任意の機構であることができる。たとえば、限外ろ過機構は、市販の限外ろ過装置であることができる。
UF膜には、市販の限外ろ過膜を使用することができる。特に限定されないが、分子量が0.01μm以下、たとえば0.001μmの物質を透過させる限外ろ過膜を使用することができる。
限外ろ過機構は、たとえば銀イオン水製造装置の電気分解槽と任意の流路を介して接続することができる。限外ろ過機構は、たとえば銀イオン水製造装置の電気分解槽と限外ろ過装置とを、バルブを介して開閉可能に接続することができる。このように接続することにより、銀イオン水を生成した後にバルブを開放して、銀イオン水を電気分解槽から限外ろ過装置に取り込み、ろ過水を電気分解槽に戻して循環運転を行うことによって実施することができる。また、限外ろ過機構は、上記の膜ろ過機構において多孔質分離膜に続いて、UF膜を設置するものであってもよい。このように設置することにより、超純水を電気分解する際に、多孔質分離膜およびUF膜を連続して通して循環させながら不純物を除去することができる。これにより、銀イオン水の生成時に生じる不純物を適宜除去することができる。
図6は、本発明の電気分解装置の概略を示す一例である。電気分解装置1の電気分解槽2は、流路5を介して膜ろ過機構3と限外ろ過機構4にそれぞれ接続される。また、流路5の各機構の接続部において、バルブ6を設置して開閉可能に接続することができる。電気分解槽2の液体を膜ろ過機構3に取り込み、多孔質分離膜を通して電気分解槽2に戻して循環させることができる。また、電気分解槽2の液体を限外ろ過機構4に取り込み、UF膜を通して電気分解槽2に戻して循環させることができる。
(粒度分布)
本実施例において、粒度分布測定には、レーザー回折・散乱法を用い、LMS-3000(マルバーン社製)を用いた。測定範囲は0.010~3500.00μmとし、使用分散媒としてイオン交換水を用い、超音波分散時間は1分とした。
〔比較例1〕
銀イオン水製造装置(株式会社トピオウォーター社製)を用いて、銀イオン水を製造した。銀イオン水のベースとなる水には、水道水を用いた。銀イオン水製造装置の電気分解槽に水道水を入れ、17時間電気分解を行った。
得られた銀イオン水の粒度分布測定を行った。図1に、従来の銀イオン水製造装置にて製造した銀イオン水の粒度分布を示す。図1には、粒子分布のヒストグラムおよびふるい下積算分布を示す。その結果、銀イオン水に含まれる不純物は、粒径0.05μm~100μmまでの微粒子であった。
〔実施例1〕
本発明の製造装置を使用して銀イオン水を製造した。銀イオン水製造には、銀イオン水製造機(株式会社トピオウォーター社製)に、以下に説明する機構を追加して用いた。
(超純水生成機構)
まず、銀イオン水製造のベースとなる超純水を、以下の方法により製造した。
水道にRO逆浸透膜製造装置(型番SMA-6;伸栄化学産業株式会社製)に供給できるように流路を介して接続し、次いでRO逆浸透膜製造装置のRO水の生成口にイオン交換樹脂を充填したボンベに接続し、次いでボンベの出口を銀イオン製造装置の電気分解槽に流路を介して接続した。水道水をRO逆浸透膜製造装置に通して、次いでイオン交換樹脂(カチオン+アニオン2:1)に通し、最後に0.2μmのUF膜に通すことにより、超純水を得た。この超純水の電気伝導率は、0.1μS/cm以下であった。なお、地域により異なるが、一般的に、水道水は200~300μS/cmであり、RO膜のみによる処理後は1~2μS/cmとなる。
この超純水を用い、上述した銀イオン水製造機により銀イオン水を製造した。約17時間通電し、銀イオン水を生成した。その結果、イオン交換式のみにより処理した純水に比べ、同時間で銀イオン濃度が30%以上高い銀イオン水を製造することができた。超純水製造において、終端の0.2μmの限外ろ過膜を使用することにより、バクテリア(0.5μm程度)等が混在することを防止することができる。従来の方法では、仮にバクテリアが銀イオン水に含まれていた場合、銀イオンの効果で死滅するが、その死骸は残ってしまう。本発明では、超純水製造工程の終端に限外ろ過膜を使用するため、バクテリアの死骸が不純物として残ることを防止することができる。
(不純物除去工程)
本実施例では、銀イオン水の製造工程において、電気分解しながら三段の膜ろ過に供した。一段目には、PP製積層またはMF膜使用(1~5μm)を用いて粒径1μm~100μmの不純物をろ過した。二段目には、PP製積層フィルターを用いて粒径0.4μm~6μmの不純物をろ過した。この一段目および二段目のろ過により、不純物の90%以上を除去することができた。三段目には、ろ過能力0.001μmまでの限外ろ過膜モジュール(UF膜)(キャラクター(登録商標)S;クラレ社製)を用いて、粒径0.05μm~1μmの不純物をろ過した。三段目のろ過では、全体量の10%以下を除去した。電気分解槽からポンプでくみ上げた溶液が、これらの一段目、二段目、三段目の濾過膜を通過して電気分解槽に戻るように流路を組み、循環させながら電気分解した。
(粒度分布解析)
本実施例において製造した銀イオン水の粒度分布測定を行った。図2に、本実施例において製造した銀イオン水の粒度分布を示す。図2には、粒子分布のヒストグラムおよびふるい下積算分布を示す。本実施例における銀イオン水は、従来の銀イオン水製造装置で製造した銀イオン水と比較して、粒径1~100μmの不純物をほとんど含んでいなかった。
(生産量)
本実施例における銀イオン水の生産量は、イオン濃度ベースで従来の2倍であった。このことから、本実施例の方法であれば、従来の1/2の時間で効率的に銀イオン水を製造することが可能であることが示された。
(超音波式加湿器)
製造した銀イオン水を用いて、超音波式加湿器を用いて噴霧したところ、従来の方法で製造した銀イオン水を用いた際に見られた、送風部等における着色現象が全く見られなかった。この結果から、従来見られていた着色現象は、粒径1μm以下の不純物が原因であると考えられる。
(ウイルスに対する不活化効果)
本実施例において製造した銀イオン水1ppm(試験資材1)、20ppm(試験資材2)および60ppm(試験資材3)について、ウイルスに対する不活化効果を調べた。対照資材として滅菌リン酸緩衝液を用いた。
ウイルスには、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)を用いた。SARS-CoV-2には、人由来分離株を用いた。これは、唾液よりvero細胞を用いて分離培養後、リアルタイムPCRを用いてSARS-CoV-2遺伝子の増幅の確認(厚生労働省通知法)を行ったウイルス株である。培養細胞には、vero細胞(アフリカミドリザルの腎臓上皮由来株化細胞)を用いた。
試験は、以下の区に対して行った。
Figure 2023127470000002
試験は、「ウイルス実験学 総論 改訂二版 丸善株式会社 ウイルス中和試験法」を参考にして、以下の手順により実施した。
[予備試験]
試験実施前に、各資材を10倍段階希釈後、培養細胞に接種し、37℃、5%CO2下で5日間培養した。培養細胞が正常な形状を示さなかった場合、資材による細胞毒性有りと判定し、本試験では細胞毒性が確認された希釈倍率を試験判定から除外した。
その結果、試験資材1(1ppm)では10倍液で細胞毒性は確認されなかった。試験資材2および試験資材3では、10倍液で細胞の発育不良が確認された。このため、本試験における検出限界は、試験区1では101.5TCID50/mL、試験区2および試験区3では102.5TCID50/mLとした。
[本試験]
試験区分に従い、試験資材およびリン酸緩衝液の各10mLをそれぞれ分取し、ウイルス液を添加した。ウイルス液添加後、混合液として室温(25℃)にて所定の時間静置した。
試験区分ごとに感作が終了した混合液をそれぞれ10倍段階希釈し、96wellプレートに培養した細胞に100μLずつ接種した。
判定は、37℃、炭酸ガス培養(5%)で5日間培養した後、培養細胞を顕微鏡観察し、培養細胞に現れるCPE(細胞変性)をもってウイルス増殖の有無を確認し、その濃度を算出した。
[評価]
試験結果において、検査時点ごとに、対照区に対する試験区の減少率(%)を算出し、効果を確認した。
なお、本試験において減少率は以下の式で算出した。
Figure 2023127470000003
[結果]
本実施例において製造した銀イオン水のSARS-CoV-2に対する試験結果(TCID50/mL)を表2および図3に示した。
対照区では試験開始時から、開始後10分までの間にウイルス量の変化は見られなかった(107.5TCID50/mL)。
試験区1では開始後30秒で106.1TCID50/mL(95.93%減少)、10分で105.7TCID50/mL(98.43%減少)となった。
試験区2では30秒で105.1TCID50/mL(99.59%減少)、10分で104.9TCID50/mL(99.75%減少)となった。
試験区3では30秒で104.5TCID50/mL(99.90%減少)、10分で104.3TCID50/mL(99.93%減少)となった。
したがって、SARS-CoV-2(新型 コロナウイルス)に対し、試験資材1において、30秒で95.93%、10分で98.43%の不活化効果が、試験資材2において30秒で99.59%、10分で99.75%の不活化効果が、試験資材3において30秒で99.90%、10分で99.93%の不活化効果があることが示された。
Figure 2023127470000004
[実施例2]
各種超純水を使用して、銀イオン水を製造した際に生成される銀イオン水の濃度を比較した。
図4には、上記比較例および実施例1に示した銀イオン水製造装置を使用して、3種類の方法によって銀イオン水を製造した際の結果を示す。銀イオン水のベースとなる水として、図中1.「イオン交換樹脂のみ」は.イオン交換樹脂のみを通過した水、2.「RO装置+イオン交換樹脂+UF膜」は、RO逆浸透膜浄水器に供した後にイオン交換樹脂(カチオン+アニオン1:1)に通し、最後に0.2μmの限外ろ過膜に通すことにより得られた得た超純水、※「銀イオン水製造装置ろ過装置付き」は、2.「RO装置+イオン交換樹脂+UF膜」と同じ水を使用しあ実験である。※は、電気分解の際に(不純物除去工程)に示した三段のフィルターにて循環ろ過をした結果である。
図4に示したとおり、1.のイオン交換樹脂のみを通過した水では、17時間の電気分解後に約60ppmの濃度の銀イオン水が得られた。また、2.の超純水「RO装置+イオン交換樹脂+UF膜」では、17時間の電気分解後に約90ppmの濃度の銀イオン水が得られた。また、※の銀イオン水性増装置ろ過装置付きを使用して生成された水では、17時間の電気分解後に約200ppmの濃度の銀イオン水が得られた。なお、銀イオン濃度は、25℃における測定結果である。本発明の製造装置を使用して銀イオン水を製造することにより、より高濃度の銀イオン水が得られることが分かった。
図4において※に示したように、超純水を使用して電気分解とろ過を組み合わせることにより、高濃度の銀イオン水を得ることができた。
図5は、上記で得られた銀イオン水を超音波式加湿器によって噴霧した際の送風部における着色現象を示す。図5左(従来品)に示すように、1.のイオン交換樹脂のみを通過した水を電気分解した銀イオン水は、噴霧に使用してから2週間後に着色が見られた。一方、図5右(改善品)に示すように、※の超純水を使用して電気分解の際にろ過しつつ生成した銀イオン水は、噴霧に使用して4ヶ月後でも何らの変化がなかった。
[実施例3]
超純水を使用して、実施例2からろ過の手順を変更して銀イオン水を生成した。実施例2に示した、2. RO逆浸透膜浄水器に供した後にイオン交換樹脂(カチオン+アニオン1:1)に通し、最後に0.2μmの限外ろ過膜に通すことにより得られた得た超純水を使用した。次いで、電気分解槽に超純水を注いだ。電気分解の際に(不純物除去工程)に示した一段目のフィルター(1~5μm)および二段目のPP製積層フィルターを接続して循環ろ過しながら電気分解し、次いで電気分解終了後に、電気分解槽の溶液をポンプによって三段目の限外ろ過膜モジュールに通して電気分解槽に戻す循環ろ過を20分程度行って銀イオン水を生成した。その結果得られた銀イオン水は、実施例2の※「銀イオン水製造装置ろ過装置付き」と同様の濃度の銀イオン水が得られた。実施例2のように電気分解中にろ過能力0.001μmまでの限外ろ過を行う場合も、実施例3のように、電気分解を完了後に過能力0.001μmまでの限外ろ過を行う場合も、生成する銀イオンは不純物が少なく濃度が高いことが明らかとなった。
本発明により得られる銀イオン水は、非常に高純度であり、かつ銀イオン濃度が高いため、殺菌用、殺ウイルス用、抗菌用および抗ウイルス用の製品等に好適に利用可能である。

Claims (5)

  1. 原水から超純水を得る工程と、
    前記超純水を用いて電気分解法により銀イオン水を生成する時に、電気分解しながら、または前記電気分解後に、多孔質分離膜および限外ろ過膜(UF膜)に通すことを含む、銀イオン生成工程と、
    を含む、銀イオン水を製造する方法。
  2. 銀イオン水を電気分解によって製造する装置であって、
    前記装置に供給する原水から超純水を生成する、超純水生成機構と、
    前記超純水を用いて電気分解法により銀イオン水を生成する時に、電気分解しながら、または前記電気分解後にろ過するための、多孔質分離膜を備えた膜ろ過機構および限外ろ過膜を備えた限外ろ過機構と、
    を備える、装置
  3. 前記多孔質分離膜が、5μmおよび0.3μmの多段階である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記多孔質分離膜が、5μmおよび0.3μmの多段階である、請求項2に記載の装置。
  5. 0.1μS/cm以下の電気伝導率である超純水を得る工程と、
    前記超純水を用いて電気分解法により銀イオン水を生成する時に、または後に、銀イオン水から粒径0.005μm以上の粒子を除去する工程と、
    を含む、銀イオン水を製造する方法。

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