JP2023127122A - 浮体式洋上風力発電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】今後増加が予想される浮体式洋上風力発電機は、建設費用およびメンテナンス費用が掛かると言われているため、水深が50m~150mの海域に設置する際の手間がかからず安定した係留が可能であり、かつ従来の風力発電機で必要な装置の機能を他の装置で代替えすることにより、コスト低減を図ることが可能な浮体式洋上風力発電機を提供する。【解決手段】主フロート13に取付けた支柱14に回転リング17を取り付け、回転リングの外側に補助フロート20を取り付けた係留索体23をつないで放射状に配置し、風力発電機設定時に複数の係留索体を同時に同程度の力で引っ張って回転リングに結び付けることで、風車体9を海水面の一定の位置に安定して係留することが可能となる。同時に主フロートは海面上で回転可能に保持されていることから、風車体は自然の風力による回頭が可能となる。【選択図】図10

Description

本発明は、海岸線から比較的近い距離で、50mから150m程度の水深の海上に係留・設置し、電力を発電するために適した浮体式洋上風力発電機に関するものである。
近年の再生可能エネルギー利用増加の機運に伴い、今後日本でも洋上風力発電機の建設が増えることが予想される。洋上は地上に対し風を遮る障害物が少なく、風向き、風速が地上と比べて定常であることから、安定した電力を得られることが期待できる。現在実用化されている洋上風力発電設備は、基本的に風力発電機自体の構造は陸上で実用化されているものと同じであり、地上の風力発電機を土地の利用と比較して設置する上での制約が少ない洋上へと移設したものである。
また四方を海に囲まれた日本では、洋上風力発電機を設置可能な沿岸が多いと考えられる反面、海岸線からの距離と比較して水深が深い海域が多い。そのため、今後洋上風力発電機の技術開発の主体は、今までに普及している着床式(海底にタワーの基部を固定し、海面上に突き出たタワーの頂部に風力発電機を設置する方式)ではなく、浮体式(タワーを含む風力発電機全体を海上に浮かべ、海底に投錨したアンカーに取付けた複数のロープにより風力発電機を係留・保持する方式)に移行しつつあるのが現状である。
現在実用化されている浮体式洋上風力発電設備には、非特許文献1で述べられている通り、スパー型、TLP型、セミサブ型、バージ型があり、それぞれ長所、短所があることが紹介されている。それらの型式は、バージ型を除いて浮体に対する係留ロープの取付け位置が水中であることから設置に手間が掛かる点が、建設コスト低減を妨げる要因のひとつになると考えられる。
また洋上風力発電機建設時には、発電機、増速機、制御装置等を搭載したナセルを洋上にてタワー先端部に設置する作業や、ハブに対してブレードを取付ける作業を海面上高度50m以上の高所にて行う必要があり、大型の重機を備えた専用の作業船が必要となる。この点も建設コストアップにつながると考えられる。
更に風力発電機本体については、建設費用に対する効果(=発電出力)の比率を上げるため、設備1台当たりの大出力化が志向されており、それに伴いナセルの質量も増加傾向にある。その様な大出力の風力発電機では、長大なブレードを取り付けた質量の大きなナセルをタワー上で風向きに合わせて回転させるヨー制御や、風に対するブレードの迎え角を変化させるピッチ制御には強力なアクチュエータや信頼性の高いギア装置が必要であり、この様なアクチュエータは一般に付加価値が高いことから、この点も建設コストの増加を招くと予想される。(非特許文研2、68頁参照)
また特許文献2ではコンパクトセミサブ型の浮体により、波浪よる風力発電機揺動の低減を図った上で、浮体下側の水中に回転可能な係留ポイントを取付けることにより、浮体構造を簡略化し、建設コストの低減を図る提案が示されている。この構成によれば風車体の受風面が風に向かおうとする効果(風向追従性)が得られ、洋上風力発電機の効率的な運用が可能となり、同時に運用経費低減が可能と考えられる。
一方特許文献3の中で述べられている、回転機構を備えた係留ポイントが海中であることから、定期的な係留ポイントの点検、メンテナンス等を海中で行う必要がるため、特殊技術者による作業が必要となるものと推定される。
更に特許文献3では、バージ型の浮体式風力発電機を係留するための海底に設置するアンカーの位置や係留ロープの長さについて提案されている。バージ型は臨海地域の工場等で量産可能であり、今後普及が予想される。特許文献3では、大型のバージ式浮体の係留を行うための係留ライン設定について高度な内容が紹介されており、これも特殊技術を要すると考えられる。
特願2010-248511「風力発電施設の回動揺動制御装置及び浮体式洋上風力発電施設」 特開2019-67041「浮体基礎および浮体式発電装置」 特開2019-128995「係留システムの設置方法および係留浮体の設置方法」
「風力発電に関する現状と展望について」令和2年11月 資源エネルギー庁 「トコトンやさしい風力発電の本」B&Tブックス 日刊工業新聞社
本発明が解決しようとする課題の一つは、浮体式洋上風力発電機を水深50m~150mの海域に設置する際、設置の際の浮体への係留ロープの取付け作業や係留ロープの張力調整作業、および海底面へのアンカー設定作業を出来るだけ海面上で行うことにより、作業の手間および建設費用の低減を図ることである。
本発明が解決しようとするもう3つ目の課題は、沖合での潮位の変化や波浪による影響が少ない浮体式風力発電機の係留装置を提供することである。
本発明が解決しようとするもう一つの課題は、浮体式洋上風力発電機において今後1基当たりの出力増加に伴いナセルの大型化、質量増加が予想されるため、風車体の受風面を風に向ける回頭制御(又はヨー制御)が技術的に難しくなると考えられる。この課題に対し、風力発電機とタワーを含む風車体全体を海面上で水平方向に回転させる構成を提案し、回頭制御を容易にすることである。
本発明が解決しようとするもう4つ目の課題は、従来の一般的風力発電機で必要であったヨーアクチュエータ、ピッチアクチュエータ、増速機、負荷遮断時のブレーキ等を省略し他の装置で代替えすることにより、浮体式洋上風力発電機の建設コスト低減、およびメンテナンス費用の低減を実現することである。
本発明の実施例1による浮体式洋上風力発電機は、以下の通り構成される。
本発明が対象とする風力発電機は、水平方向の回転軸に対して直角方向に複数のブレードを設置することにより風車体が構成された、一般に受風面が垂直の水平軸多翌式と呼ばれている風力発電機である。この型式の風力発電機は、受風面が風に向かいブレードに風が当たって発生する風車体の回転力を、発電機の駆動軸に伝えて電気を発生させる。
本発明の実施例1による風車体の回転軸は、海面上の台座上に設置した複数のサポートによって水平方向に保持される。この回転軸は両端部に軸受けを取付けた構造、若しくは中空構造の回転軸の中に軸受けの役割を担う両端固定軸を通し、固定軸に保持された状態で中空構造の回転軸が回転する構成のいずれかとする。
以上述べた風車体を海面上に保持するため、海面上に浮かせた主フロートの中央部に、垂直上向きに支柱を取り付け、支柱の上端部で前記台座の下面を固定する。また主フロート下方の水中に、海面上での主フロートの波浪による揺動を復元させるためのウエイトを取付ける。以上の構成により、前記風車体は主フロートによって海面上に浮かび保持された状態となる。
更に前記主フロート上に設置した前記支柱は円柱形状とし、支柱の断面形状に合致した摺動面を、有する回転リングを支柱に対して水平方向に回転可能な状態で取付ける。この回転リングの外面には複数のフックが取り付けられ、各フックには補助ロープが取り付けられる。補助ロープのもう一方の端部には海面上に浮かべた補助フロートを繋いだ上で、各補助フロートに対して係留ロープをつなぎ、係留ロープのもう一方の端部は、海底に設置されたアンカーと繋がれた構成とする。
以上述べた、一対のフック、補助ロープ、補助フロート、係留ロープ、アンカーの組合せを、以降係留索体と記載する。従って、係留索体の補助フロートは海面上に浮かび、補助ロープは海面上、係留ロープとアンカーは、海中に没した位置に設置される。
次に複数の係留索体のアンカーを、上方から見て前記主フロートを中心として放射状に、主フロートから離れた位置の海底面に設置した上で、係留索体の補助ロープを同時に同等の張力で引き寄せて前記係留リングのフックに締結する。この設定作業により、主フロートは放射状に設置した係留索体の中央付近にて、複数の補助ロープによって同等の力で外側に向かって水平方向に引っ張られた状態となり、その結果主フロートは海面上で一定の位置に留まると考えられる。
更に前記回転リングは前記支柱に対して回転可能な状態で取り付けられていることから、風車体の受風面は海面上で水平方向に360度回転可能な状態で一定の位置に保持される。従って前記主フロートを円筒形等にすれば、海面上に浮かんでいる主フロートが回転する際の抵抗力が小さくなると考えられる。
また以上述べた構成による受風面が垂直の風車体は、受風面に吹きつける風が一定の風速以上の場合には、受風面に向かって垂直の中心軸に対して右側に受ける風の抵抗力と、左側に受ける風の抵抗力がバランスしようとするため、風が吹いてくる方向に受風面が向かおうとする性質(風向き追従性)を有する、と考えられる。
一方前記主フロートを円筒形状にすることにより、(0016)で述べた通り、海面上に浮かんだ主フロート回転時の抵抗力を小さくすることが出来る。同時に円筒形状であれば、海面近くの潮流による影響も少ないと考えられるので、従来のタワーの頂上にナセルを搭載する構成では実現できなかった、自然の風力による受風面の回頭制御(ヨー制御)が実現可能であると考えられる。
本発明の実施例2による浮体式洋上風力発電機は、実施例1で述べた係留索体の中の補助フロートを、係留索体の引っ張り方向に複数取付けた構成を示す。この構成により、最低潮位と最高潮位の差が大きな海域や、波浪の高さが高い海域においても、主フロートを一定の位置に安定して保持することが可能となる。
本発明の実施例3による浮体式洋上風力発電機は、前方および後方への推進力を有するスクリュー等を取り付けた推進装置を、実施例1または実施例2に記載の主フロートに対して、取付け角度を固定し複数取付けたものである。この推進装置により、主フロートを海面上で水平方向に時計回り、又は反時計回りに360度任意の角度に回転させることが可能となり、風速が小さな場合でも、風車体の受風面を風に向かう方向、或いは風に沿う方向等、最適な向きに回頭させることが可能となる。
本発明の実施例4による浮体式洋上風力発電機は、実施例1~実施例3で述べた支柱に対してブレーキディスクを取付け、回転リングに取付けたブレーキ装置によりブレーキディスクに制動を加えて、支柱の回転方向の動きを一時的に停止させる構成を示している。この構成により、洋上にて風速や風速が不安定に変化する状況下でも風車体の受風面を一定の角度に安定して保持することが可能となると考えられる。
本発明の実施例5による浮体式洋上風力発電機は、実施例1~実施例4で述べた回転リングに対し、前後方向、左右方向の傾きを許容する自在継手機構を付加した構成を表している。この構成により、波浪等により支柱が大きく傾いた場合でも、支柱と回転リングとの間に生じる回転時の摩擦抵抗を低減可能である。
本発明の実施例6による浮体式洋上風力発電機は、実施例1~実施例5のいずれかで述べた風車体に対し、強度アップを目的として、ブレードの途中、或いは先端部同士をブレード梁でつないだ構造とする。更にブレード先端部に取付けたブレード梁を利用し、ブレード梁とブレード梁との間に平板を取付けることにより、更なる強度アップと同時に、台風等強風時に風車体を風に沿う方向に回頭すれば、ブレードに対する強風の直撃を遮ることが可能となる。(実施例10参照)
本発明の実施例7による浮体式洋上風力発電機は、実施例1~実施例5のいずれかで述べた風車体に対し、風車体の回転軸の外面から直角方向に複数のスポークを設置し、回転軸の中心から同一半径の位置で前記スポークの先端同士をスポーク梁でつなぎ、更にスポークの先端から外周方向にブレードを取付け、ブレードの先端同士をブレード梁でつないだ構成を示す。この構成により、風車体の受風面に当たる風の一部が風車体中央のブレードが無い部分を素通りするため、風車体全体として風の通りが良くなると考えられる。
本発明の実施例8による浮体式洋上風力発電機は、実施例1~実施例5のいずれかで述べた風車体のブレードの先端同士を円筒形フレームで結び、円筒形フレームの外表面に対して発電機の駆動軸先端部に取付けた車輪が接触し回転することにより発電を行う構成である。この構成により、発電機駆動軸は高速回転が可能となるため、発電機を小型化することが可能となる。
本発明の実施例9による浮体式洋上風力発電機は、実施例1~実施例8のいずれかで述べた支柱の先端に水平方向のアームを設置し、アーム上の風上側に実施例1~実施例8のいずれかで説明した台座を含む風車体を取付け、更に前記アームの風下側に風を受けるための垂直翼、および水平翼を設置した構成を示す。この構成により、風速が低い場合でも垂直翼が風になびくことで、風車体の受風面を風に向かわせる回頭が容易になる。合わせて水平翼の迎え角を、強風時に風力により風車体が傾く力を相殺する方向に設定することにより、風車体の傾きを抑制する効果も期待できる。
本発明の実施例10による浮体式洋上風力発電機は、実施例3~実施例9のいずれかで述べた風車体の近傍に風向きを測定する風向計、および風の強さを測定する風速計を設置し、それらの計測機により得られた風向き、風速についての情報を信号として制御盤に逐次伝え、合わせて支柱に対する回転リングの角度、風車体の回転数、地上の電力系統の停電等必要な情報を制御盤に伝え、制御盤内にてこれらの情報を処理し、その結果を用いて実施例3~実施例9のいずれかで述べたスクリューの運転、停止操作を行う。これにより風向き、風速、およびその他の必要な運転情報に基づき風力発電機を自動で適切に運転することが可能となる。
本発明の実施例1および実施例2による浮体式洋上風力発電機は、風車体および発電に必要な発電機、軸受け等の付属装置、およびサポート、支柱、等全ての構成要素を主フロート上に載せて水面上に浮かんだ状態で、複数の係留索体により同時に作用する引っ張り力により海面上の一定の位置に保持され、同時に支柱に取付けた回転リングにより海面上で水平方向に360度回転可能である。
これより、実施例1および実施例2による浮体式洋上風力発電機は海面上の一定の位置に係留され、合わせて風車体の受風面が風に向かう性質(風向き追従性)があることから、自然の風力により回頭し、発電効率が向上する効果が期待できる。
さらに本発明の実施例1および実施例2による浮体式洋上風力発電機は、風車体を係留するために回転リングへ取付ける補助ロープの取付け位置や、補助フロートへの係留ロープの取付け位置が、いずれも海面上、若しくは海面近くであることから、建設時における係留索体設定の際、作業の手間が少なく容易であり、かつ風力発電機運用中のメンテナンス作業についても手間が掛からないため、建設費用、メンテナンス費用の低減効果が期待できる。
また、本発明の実施例1および実施例2による浮体式洋上風力発電機は、主フロートの下側海水中に釣り棒を取付け、釣り棒の下端部にウエイトを取付けることにより、主フロートの復元力が増し、波浪が高い場合でも主フロートの揺動が抑制され、姿勢が安定することから、沖合の波浪によって生じる風力発電機の振動、揺動による影響を低減させる効果が期待できる。
また、本発明の実施例2による浮体式洋上風力発電機は、係留索体の中の補助フロートを、前記補助ロープおよび係留ロープの引っ張り方向に複数取付けた構成を示す。この構成により、係留索体設置時の潮位に対する風力発電機運用時の潮位の差が大きな場合や、荒天時に海面上の波高が大きくなった場合でも、アンカーに近い側の補助フロートが海中に没し、主フロートに近い側の補助フロートが海面上に浮いた状態で維持されると考えられる。従って、補助ロープを取付けた回転リングは、潮位や波浪が高くなってもほぼ水平方向に補助ロープにより引っ張られる。この効果により、主フロートの海面の条件が厳しい場合でも安定した係留状態が維持されるので、荒天時等も風力発電機の安定した運用が期待できる。
本発明の実施例3による浮体式洋上風力発電機は、従来の風力発電機では、構成要素を収納した結果重量が重くなったナセルをタワー上で水平方向に回転させるため、強力な回頭制御用アクチュエータが必要であったが、実施例3ではこれをフロートに取り付けたスクリューで代替えすることで、今後大型化、質量増加が予想される浮体式洋上風力発電機の回頭制御が容易になる効果が期待できる。同時に建設時及び発電機運用時のコストダウンも期待できる。
同時に実施例3の様に、反対方向に推進力を有する複数のスクリューをフロートに取付けることにより、電力供給先の系統にて停電等が発生し系統に対する負荷遮断が必要となった時、複数の反対向きのスクリューを同時に動かすことにより、風力発電機で生じる余剰エネルギーを放出させることが可能となり、無負荷状態による発電機の回転速度過大(空回り)を防止する効果が期待できる。これにより、従来の風力発電機で必要であった駆動軸のブレーキ装置を無くすことも可能である。
本発明の実施例4による浮体式洋上風力発電機は、風車体の支柱に対して回転方向のブレーキ装置を取付けて、必要に応じ支柱の回転方向の動きを一時的に停止させる構成である。このブレーキ装置により、洋上にて風速や風速が不安定に変化する状況下でも風車体の受風面の角度が一定に維持されることから、より安定した発電出力を得る効果が期待できる。
本発明の実施例5による浮体式洋上風力発電機は、支柱に取り付けた回転リングに対し、前後方向、左右方向の傾きを許容する自在継手機構を装着した構成を示している。これにより、波浪等により支柱が大きく傾いた場合でも、支柱と回転リングとの間に生じる回転時の摩擦抵抗が低減するため、風車体の回頭制御が容易になる効果が期待できる。
本発明の実施例6による浮体式洋上風力発電機は、風車体に対し、強度アップを目的として、ブレードの途中、或いは先端部同士をブレード梁でつないだ構造を示す。更にブレード先端部に取付けたブレード梁を利用し、ブレード梁とブレード梁の間に平板を取付けることにより、更なる強度アップと同時に、強風時等に風車体を風に沿う方向に回頭すれば、ブレードに対する強風の直撃を遮ることが可能となり、ブレードの損傷を防ぐ効果も期待できる。(実施例10および図24右下の付図参照)
本発明の実施例7による浮体式洋上風力発電機は、実施例6の風車体に取付けたブレードに対し、回転軸側のブレードの一部をスポークとすることにより、受風面の中央部に風が素通りする領域を形成した構造を示す。この構成により、受風面に当たる風の一部が風車体中央のブレードが無い部分を通過するため、風車体全体として風の通りが良くなり、結果として発電効率が向上する効果が期待できる。
本発明の実施例8による浮体式洋上風力発電機は、実施例6及び実施例7の風車体のブレードの先端同士を円筒形フレームでつなぎ、円筒形フレームの外表面に対し発電機の駆動軸に取付けた車輪を接触させることにより駆動軸を回転させ、発電を行う構成を示す。この構成により、発電機駆動軸は高速回転が可能となるため、従来の風力発電機で必要であった増速機を省略することが可能である。あるいは近年の風力発電機の中には、駆動軸の回転速度が小さくても増速機を必要としないタイプのものが実用化されているが、このタイプは一般に高速回転の発電機と比較し大型となると考えられる。従って実施例8の構成により、発電機の小型化を図かることで、風力発電機建設費用、およびメンテナンス費用の低減効果が期待できると考えられる。
更に電力供給先の系統内で停電等が発生し、電力系統への発電機の負荷遮断が必要となった際に、前記車輪を円筒形フレームから離す方向に移動させ、車輪と円筒形フレーム外面との接触を無くすことで、発電機の回転数過大(空回り)を防ぐことが出来るので、発電機の損傷を防止することが可能となる。
本発明の実施例9による浮体式洋上風力発電機は、支柱の先端に水平方向のアームを設置し、アーム上の風上側に台座を含む風車体を取付け、アームの風下側に風を受けるための垂直翼、および水平翼を設置した構成である。この構成により、風速が低い場合でも風下にある垂直翼が風になびいて風車体の受風面を風に向かうため、自然の風力による回頭を実現可能と考えられる。同時に水平翼に対して風力により上向きの力が作用する様に迎え角を付けておけば、受風面に作用する風車体が風下側へと傾く力と相殺することで、風車体の傾きを抑制する効果も期待できる。
本発明の実施例10による浮体式洋上風力発電機は、実施例1~実施例9のいずれかで説明した風車体の運転に必要な風向き等の気象条件や、風車体の回転数、地上の電力系統の停電等、必要な情報を信号として制御盤に伝え、制御盤内にてこれらの情報を処理し、その結果を用いて前記スクリューの運転、停止操作を行う。これにより風向き、風速、およびその他の必要な運転情報に基づいて、自動制御により風向きに対する風車体の向きを適切な方向に制御可能であり、常に最適な条件で風力発電機を運転することが可能となる。
図1は本発明の実施例1の浮体式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図2は本発明の実施例1の回転軸に対し無垢棒を適用した回転軸部分の断面図である。 図3は本発明の実施例1の回転軸に対し中空棒を適用した回転軸部分の断面図である。 図4は本発明の実施例1の支柱および回転リングの断面図である。 図5は本発明の実施例1の浮体式洋上風力発電機の係留索体による係留原理の説明図である。 図6は本発明の実施例1の浮体式洋上風力発電機の海面上における動きを表す説明図である。 図7は本発明の実施例1の浮体式洋上風力発電機の設置手順を示す説明図である。 図8は本発明の実施例2の浮体式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図9は本発明の実施例2の浮体式洋上風力発電機の係留索体による係留原理の説明図である。 図10は本発明の実施例3の浮体式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図11は本発明の実施例3の回頭状況を表す説明図である。 図12は本発明の実施例4の浮体式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図13は本発明の実施例4の支柱に取付けたブレーキ装置を示す鳥瞰図である。 図14は本発明の実施例5の浮体式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図15は本発明の実施例5の支柱に取付けた自在継手の断面図である。 図16は本発明の実施例5の支柱に取付けた自在継手の動きを示す説明図である。 図17は本発明の実施例6の浮体式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図18は本発明の実施例7の浮体式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図19は本発明の実施例7につき、風車体への風の流れを従来の風力発電機と比較して示す説明図である。 図20は本発明の実施例8の浮体式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図21は本発明の実施例8の発電機周辺の説明図である。 図22は本発明の実施例9浮体式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図23は本発明の実施例9の風を受ける状態を横方向から見た図である。 図24は本発明の実施例10によるスクリューの運転・制御を行うための、計測装置、制御対象と信号の流れを示す構成図である。 図25は本発明の実施例10による制御盤内の運転制御のブロック図である。 図26は本発明の実施例10による運転制御ロジックのフロー図である。
本発明に係る浮体式洋上風力発電機は、水深が50m~150mの海域において風力発電機建設の際の係留ロープ設定作業の手間を軽減するとともに、同海域において風力発電機を一定の位置に安定して係留することが可能となる。合わせて、従来の風力発電機で必要であった回頭制御(又はヨー制御)を行うためのヨー制御アクチュエータ等を他の装置で代替えすることにより、コスト低減を図ることが可能となる。
以下にその内容を説明する。
図1は実施例1の浮体式洋上風力発電機全体の鳥瞰図を示す。
本発明の実施例1による風車体において回転軸3は、海面上の台座1上に設置した複数のサポート2の先端部に取り付けられた軸受け4により水平方向に保持される。風を受けるための複数のブレード6は、ハブ5を介して回転軸3に対し直角方向に放射状に固定されており、ブレード6に風が当たることにより発生する回転力を、ナセル7内に取付けた発電機8の駆動軸に伝えて電気を発生させる。以上の組合せによって風車体9を形成する。
次に図2、図3により回転軸3および軸受け部周辺の構造を説明する。図2および図3は図1のA-A断面を示しており、図2は回転軸3に無垢丸棒を用い、無垢丸棒の両端部に軸受け4を取付けた構造である。或いは、図3に示す様な、固定軸10を中空構造の回転軸11の中に通し、固定軸10に保持された状態で固定軸10の周りを中空の回転軸11が回転する構造も実施可能である。
なお、図2では回転軸の出力は直接発電機、または増速機に伝えられ、図3では回転軸の出力はギア12を介して発電機に伝えられる。
更に、海面上に浮かせた主フロート13の中央部に、上向きに支柱14を取り付け、支柱14の上端部で前記台座1の下面を固定し保持する。また主フロート13下方の水中に、釣り棒15を介して主フロート13の海面上での傾きを復元させる目的のウエイト16を取付ける。以上の構成により、前記風車体9は主フロート13によって海面上に浮かび保持された状態となる。
図4は図1のB-B断面図であり、実施例1にて支柱14に対して取付けた回転リング17周辺の断面図を示す。支柱14は円柱形状とし、この断面形状に合致する摺動面を有する回転リング17を、支柱14に対して水平方向に回転可能な状態で取付ける。この回転リングの外面には複数のフック18が取り付けられ、各フック18には補助ロープ19が締結される。図1にて補助ロープ19のもう一方の端部に補助フロート20をつなぎ、更に補助フロート20に対して係留ロープ21をつなぎ、係留ロープ21は海底に設置されたアンカー22と繋がれた構成とする。なお、補助フロート20は係留ロープ21をつないだ状態でも、海面に浮かんで状態を維持できる十分な浮力を有するものとする。
以上述べた補助ロープ19、補助フロート20、係留ロープ21、アンカー22の組合せを、以降係留索体23と記載する。
次に図1にて係留索体23を、前記主フロート13を中心として上方から見て放射状に、主フロートから離れた位置の海底面に設置した上で、係留索体23の補助ロープ19を同時に同等の張力で引き寄せて回転リング17のフック18に締結する。この設定作業により、回転リング17につながった複数の補助ロープ同士の引っ張り力がバランスするため、主フロート13は放射状に設置した係留索体23の中央付近の一定の位置に留まる。
更に回転リング17は支柱14に対して回転可能であることから、台座1を介して支柱14に取り付けられた風車体9は、海面上にて水平方向に360度回転可能な状態で一定の位置に保持される。
次に、図5により実施例1の係留索体23による係留の原理を説明する。
図5(1)、(2)、(3)は図1に示した実施例1の浮体式洋上風力発電機を横方向から見た図である。回転リング17に対して複数の補助ロープ19を締結する作業は、図5(1)に示す通り潮位が低い時に行うものとする。この設定作業により、風車体は主フロート13を中心として放射状に設定された係留索体23の中央付近に保持される。(0043項参照)
図5(2)は、(1)よりも潮位が上昇した状態を表している。潮位の上昇とともに主フロートは上方に移動しそれに伴って補助フロートも上方に移動するが、アンカー22に取り付けられた係留ロープ21の長さは一定なので、補助フロート20の一部が水没し、その結果補助ロープの19水平方向の引っ張り力は増す。回転リング17には複数の補助ロープ19が締結されているので、潮位が上昇した時でも補助ロープ同士の引っ張り力がバランスし、風車体9は係留索体23の中央付近の位置に留まる。図5(3)は更に潮位が上昇した状態を表しており、補助フロート20全体がほぼ水没した状態でも、回転リングにつながれた複数の補助ロープ19同士で引っ張り力がバランスするため、風車体9は係留索体23の中央付近の海面の位置に保持される。
なお悪天候には波浪等により、複数の補助フロート20の中の一部が水没し、補助ロープの引っ張り力にアンバランスが生じることが予想される。その時には、主フロートは他よりも引っ張り力が増加した補助ロープの力によって、海面上を水平方向に移動すると考えられる。
但し主フロート13は風車体9やウエイト16を含めた構造物を浮かせる浮力を有することから、体積および質量が大きいため、主フロートに比べて体積が小さな補助フロートによる引っ張り力によって主フロートを移動させるためには、一定の時間が必要となると考えられる。従って浮体式洋上風力発電機が大型化し質量が増して大型化しても動きが緩慢となり、そのため実施例1の構成で係留された主フロートは、悪天候時でも一定の位置に安定し留まる傾向となることが期待できる。
次に図6により、実施例1による浮体式洋上風力発電機の海面上での挙動を説明する。(0043)項で説明した通り、実施例1の構成では主フロート13は海面上にて回転可能に保持されているので、主フロート13が回転する際の抵抗力は小さく、かつ主フロート13が点対称の同心円形状であれば、潮流による回転動作への影響も少ないと考えられる。従って、図6(1)、(2)に表す通り、自然の風力による受風面の回頭を実現可能であると考えられる。これは従来の風力発電機の様に、タワーの頂上に設置したナセルを回転させるヨー制御では実現できなかった効果である。(0017項及び0027項参照。)
更に図6(3)に表す通り、複数の補助ロープ19による回転リング18の外面に加わる力は主に水平方向の引っ張り力であり、上下方向に作用する力は小さいため、回転リングを取付けた支柱14の前後・左右の傾きを抑制する力は小さい。従って、支柱14が回転する際回転リングの摺動面の摩擦抵抗は小さく、支柱14が傾いた状態で水平方向に回転する場合でも、回転はスムーズとなる。
同時にウエイト16による主フロート13の海面上での姿勢復元効果によって、悪天候時も安定した係留状態を維持する効果が期待できる。
次に風力発電機建設時に、本発明の実施例1を設置するための手順を、図7により説明する。図7(1)は、港に隣接する風力発電設備生産拠点にて主フロート13、支柱14、回転リング17等を組立てた上で、仮サポート24、ストッパー25を用いてハブ5、ナセル7等を仮組みし、さらに補助フロート20、係留ロープ21、アンカー22を一部つないで係留索体23を組み合わせておく。その状態で海上に浮かべ、牽引船により設置海域へと移動する様子を表している。
図7(1)の中で、支柱14はフロート13の中央部を貫通し上下方向に移動可能な状態とし、ストッパー25により上方に固定されているものとする。またアンカー22はケーソン方式のコンクリートブロック形態とし、海面上に浮かべての移動を想定している。
図7(2)以降は、設置海域に到着後係留索体、および浮体式風力発電機本体の設定手順を示す。
図7(2)では、先ず係留ロープ21を海中に投入し、同時に補助フロート20に対して補助ロープ19をつなげる。次に支柱14に取付けたストッパー25を外してウエイトを海中に沈め、所定の位置で主フロート13に対して支柱14を固定する。
次に図7(3)に示す様に、ケーソン方式のアンカーをクレーン船により海底の目標位置に沈め、更に補助フロート20につないだ補助ロープ19の反対側端部を回転リング17に仮締結する。合わせて仮サポートを利用してブレード6をハブ5に対して取付け、仮サポート24を取り外しながら、台座1およびサポート2を取り付けて、軸受けおよびナセル7を固定する。
更に図7(4)に示すようにアンカーの目標地点への設置が完了した状態で、回転リング17に仮締結した補助ロープを同時に同等の力で引っ張り、主フロート13を複数の係留索体23の中央部に設定する。
なお、この作業は設置海域の潮位が最も低くなる時点に行うよう考慮が必要であり、合わせて補助ロープ19の引っ張り力は、補助フロート20が一部水没し、かつ風力発電機運転中に受風面が受ける風力を保持するために余裕がある力となる様、調整を行う必要がある。
図7(5)は、実施例1に示す風力発電機の設置が完了し、複数の補助ロープ19による引っ張り力がバランスした状態を示している。
以上図7に示す設置手順により、アンカーの設置や回転リングへの補助ロープ取付け、引っ張り力調整等の作業を海面上で行うことが可能であることから、設置作業の手間および設置費用の低減を図ることが可能になると考えられる。
次に本発明の実施例2の浮体式洋上風力発電機の構成を、図8に示す。
図8は実施例1で説明した係留索体23の中の補助フロートを、係留索体23の引っ張り方向に複数取付けた構成を示す。補助ロープ19につながった方を補助フロートA(符合26)、係留ロープにつながった方を補助フロートB(符合27)とする。補助フロート同士は接続ロープ28によってつないだ構成とする。
図9(1)、(2)、(3)により実施例2における係留の原理を説明する。図9(1)は潮位が低い時に実施例2の洋上風力発電機を設定した状況を、横方向から見た図である。(0043)で説明した通り、複数の補助ロープ19を回転リングに向かって引き寄せる作業により、補助フロートB(符合27)は係留ロープに21よって下向きに引っ張られて海中に沈む。一方補助ロープ19につながった補助フロートA(符合26)は、接続ロープ28により外側に向かってほぼ水平方向に引っ張られるので、水中への沈まずに海面上に浮かんだ状態を維持する。この補助フロートAと補助フロートBとの位置関係が、潮位が上昇した図9(2)、および更に潮位が上昇最高潮位となる図9(3)でも維持される。この作用により、潮位差が大きな海域においても複数の補助ロープ19による引っ張り力はバランスするため、風車体9は一定の位置に留まり、安定した係留状態を維持することが可能である。
次に本発明の実施例3の構成を、図10に示す。
図10はフロート13の海中の側面に対し、推進装置30の前後方向にスクリュー29を取付けた複数の推進装置30を取付けた状態の鳥瞰図を示す。なお、フロート13に対する推進装置30の取付け角度は固定されているものとする。
図11(1)及び(2)は実施例3を上から見た図を示す。図11(1)は、フロート13が複数の係留索体23の中央部にて水平方向に回転可能に保持された状態を示しており、補助フロート13の側面に固定した推進装置30の片側のスクリュー29の推進力により、時計回りに回転する状況を示す。
図11(2)は、推進装置30のもう片方のスクリュー29の推進力により、反時計方向に回転する状況を示す。
以上の構成により、実施例3では風車体9の向きを任意に制御可能であり、風向きに応じて風車体9適切な方向に回転させることが出来るので、効率良く安定した発電を行うことが可能となる。
同時に実施例3に示す通り、反対方向に推進力を有する複数のスクリューを主フロート13に取付けることにより、電力供給先の系統にて停電等が発生し系統に対する負荷遮断が必要となった時、複数の反対向きのスクリューを同時に動かすことにより、風力発電機で生じる余剰エネルギーを放出させることが可能となる。これにより、無負荷状態での発電機の回転速度過大(空回り)を防ぎ、損傷を防止する効果が期待できる。(0031参照)
次に本発明の実施例4による浮体式洋上風力発電機の構成を、図12および図13に示す。
図12は実施例4の鳥瞰図であり、図13は回転リング17周辺の(E)部拡大図を示す。図13は、支柱14に対してブレーキディスク31を取付け、回転リング17に取付けたブレーキ装置32によりブレーキディスクに制動を加えて、支柱の回転方向の動きを一時的に停止させる構成を示している。
この構成により、洋上にて風速や風速が不安定に変化する状況下でも風車体の受風面の角度を一定に保持することが可能となり、安定した発電が可能となる。
次に本発明の実施例5による浮体式洋上風力発電機の構成を、図14~図16に示す。
図14は実施例5の鳥瞰図であり、実施例1~実施例4で述べた回転リング部に自在継手を付加した構成を示す。また図15は図14に示す自在継手回りのD-D断面図、およびE-E断面図を表している。
実施例5による自在継手の具体的構造は図15に示す通り、支柱14に対して水平方向に回転可能な摺動面を有するセンターリング33に対し、センターリング33の外側にピン34を介して外リングA(符合35)、および外リングAの更に外側に、ピン34を介して外リングB(符合36)を取付けた構成とする。更に外リングBの外面にフック18を取り付け、フック18に対し補助ロープ19を締結している。
この構成により図16に示すように、荒天時の波浪や強風による受風面への風圧によって、支柱14が前後・左右に大きく傾いた時でも、センターリング33は支柱14の水平方向の回転を拘束しないため、風車体9の安定した回頭制御が可能となる。
次に本発明の実施例6による浮体式洋上風力発電機の構成を、図17に示す。
実施例6の浮体式洋上風力発電機は、風車体9に対し強度アップを目的として、ブレード6の途中、或いは先端部同士をブレード梁37でつないだ構造である。更にブレード先端部に取付けたブレード梁37を利用し、ブレード梁37の間に平板38を取付けることにより、更なる強度アップが期待できる。合わせて、台風等の強風時には、推進装置30を使って受風面を風に沿う方向に回頭することで、平板38が風を遮断し、強風のブレード6への直撃を回避出来るので、荒天時におけるブレードの損傷防止効果が期待できる。(0034項及び図26中の右下付図参照)
次に本発明の実施例7による浮体式洋上風力発電機の構成を、図18、図19に示す。
図18は実施例7の浮体式洋上風力発電機の鳥瞰図であり、実施例6に対して回転軸3の中心から外側に向かって放射状に同一半径のスポーク39を取り付け、スポーク39同士をスポーク梁40でつなぎ、更にスポーク39の外側に対してブレード6を取り付け、ブレード6の先端同士をブレード梁37でつないだ構成を示す。また実施例6と同様に、ブレード梁37とブレード梁37の間に平板38を取り付けることにより、更なる強度アップが可能となる。
実施例7の効果は図19(1)(2)に示す通り、図19(1)に示すブレード6を回転軸から風車体の先端までの全長に取付けた場合は、風車体に向かって吹く風の一部が受風面の空力抵抗によって外側に向かうのに対し、図19(2)に示す様に風車体の中央付近のブレードを無くすことにより、風車体に向かって吹く風の一部がブレードの無い部分を素通りするので、受風面の空力抵抗が減少し、結果として受風面が受ける風速が上がるので、発電効率が向上する効果が期待できる。
次に本発明の実施例8による浮体式洋上風力発電機の構成を、図20、図21に示す。
図20は実施例8の浮体式洋上風力発電機の鳥瞰図であり、ブレード6の先端同士を円筒形フレーム41でつなぎ、円筒形フレーム41の外表面に対し、発電機ユニット42の発電機駆動軸に取付けた車輪を接触させることにより駆動軸を回転させ、発電を行う構成を示す。
図21(1)は発電機ユニット42周辺の構成を示しており、台座1上に円筒形フレーム41に向かう方向に移動可能な発電機ベース43を取り付け、発電機ベース43上に発電機駆動軸45の先端部に車輪46を取り付けた発電機44を固定している。図21(2)に示す通り、発電機ユニットの車輪46を回転する円筒形フレーム41に接触させることにより、発電が行われる。車輪46の外径に対して、円筒形フレーム41の外径が大きいことから車輪46の回転数は増加し、発電機駆動軸は高速回転となるため、従来の風力発電機で必要であった増速機が不要となると考えられる。あるいは近年の風力発電機には、駆動軸の回転速度が小さくても増速機を必要としないタイプのものが実用化されているが、このタイプは一般に高速回転の発電機と比較し大型となると考えられるので、実施例8の構成により、発電機の小型化を図ることで、風力発電機建設費用、およびメンテナンス費用の低減効果が期待できる。
次に本発明の実施例9による浮体式洋上風力発電機の構成を、図22、図23に示す。
図22は実施例9の浮体式洋上風力発電機の鳥瞰図であり、支柱14の先端部に水平方向のアーム47を設置し、アーム47上の風上側に台座1を含む風車体9を取付け、更に前記アーム47の風下側に風を受けるための垂直翼48、および水平翼49を設置した構成を示す。この構成により、風速が低い場合でも垂直翼48が風になびくことで、自然の風力により風車体の受風面を風に向ける回頭が可能になると考えられる。
合わせて図23に示す様に、水平翼49に対して風によって上向きに力が作用する様迎え角を設定しておくことにより、強風時に風車体が風下側へ傾く力が水平翼49による上向き力によって相殺され、風車体の傾きを抑制する効果も期待できる。
次に本発明の実施例10による浮体式洋上風力発電機の運転・制御につき、図24~図26に示す。図24は実施例3~8で述べた洋上風力発電機のスクリューの運転・制御を行うための、計測装置、制御対象と信号の流れの例を示す構成図である。
浮体により海面上浮いて上方に突き出した計測用タワー50の上端部に設置した風向計51で風向きを計測し、その情報を風向きの信号52として無線信号で発信し、アンテナ53を設置した制御装置54が受信する。
同様に、計測用タワー50の上端部に設置した風速計55で風速を計測し、その情報を風速
信号56として無線信号で発信し、アンテナ53を設置した制御装置54が受信する。
風車体の風向きに対する角度については、回転リング17に取付けた角度計57で計測し、その情報を係留装置角度の信号58として信号ケーブルを経由して制御盤54が受信する。前記と同様に、風車体の回転数については回転数計59で計測し、その情報を風車体の回転数の信号60として信号ケーブルを経由して制御盤54が受信する。
更に図24の中で、地上の電力系統61で停電等運用上の異常が発生した場合、電力系統の停電信号62として通信ケーブルを経由し制御盤54が受信する構成を示している。
図25は実施例10において、風向きの信号52、風速の信号56、回転リングの角度の信号57、風車体回転数の信号60、および電力系統停電の信号62を用いて、制御盤内でのスクリューの運転/停止指令信号63により、風力発電機の運転制御を行う場合のブロック図の例を示している。
図26は実施例10において、制御盤内でのスクリューに対する運転・制御ロジックのフロー図の例を示している。本図は、フローの起点または終点を示す図形64、前記各信号情報のインプットを示す矢印65、および各信号情報を用いた判断を示す図形66、スクリューの動作、または停止を示す図形67を用い、制御ロジックのフローの例を示している。

本願は今後建設件数の増加と大型化が予想される浮体式洋上風力発電機について、海岸から少し離れた沿岸の海面上でも一定の位置に安定して係留が可能であり、設置に手間がかからず、建設コストの低減が可能である。また従来のヨーアクチュエータの機能をスクリューで代替えする等、従来の風力発電機で必要であった付加価値の高い機器を減らすことも出来るので、建設費用、及びメンテナンス費用を低減可能である。
合わせて、船舶に係る技術や経験も活かせるので、この産業分野からの洋上風力発電への参画に道が開けると思われる。
1 台座
2 サポート
3 回転軸
4 軸受け
5 ハブ
6 ブレード
7 ナセル
8 発電機
9 風車体
10 固定軸
11 中空の回転軸
12 ギア
13 主フロート
14 支柱
15 釣り棒
16 ウエイト
17 回転リング
18 フック
19 補助ロープ
20 補助フロート
21 係留ロープ
22 アンカー
23 係留索体
24 仮サポート
25 ストッパー
26 補助フロートA
27 補助フロートB
28 接続ロープ
29 スクリュー
30 推進装置
31 ブレーキディスク
32 ブレーキ装置
33 センターリング
34 ピン
35 外リングA
36 外リングB
37 ブレード梁
38 平板
39 スポーク
40 スポーク梁
41 円筒形フレーム
42 発電機ユニット
43 発電機ベース
44 発電機
45 発電機駆動軸
46 車輪
47 アーム
48 垂直翼
49 水平翼
50 計測用タワー
51 風向計
52 風向きの信号
53 受信アンテナ
54 制御盤
55 風速計
56 風速の信号
57 回転リングの角度計
58 回転リング角度の信号
59 風車体の回転数計
60 風車体の回転数の信号
61 電力系統
62 電力系統停電の信号
63 スクリューの駆動/停止信号
64 フローチャート上のフローの起点又は終点を表す図形
65 フローチャート上の信号情報のインプット
66 フローチャート上の信号データを用いた判断を表す図形
67 フローチャート上のスクリューの動作または停止を表す図形







更に風力発電機本体については、建設費用に対する効果(=発電出力)の比率を上げるため、設備1台当たりの大出力化が志向されており、それに伴いナセルの質量も増加傾向にある。その様な大出力の風力発電機では、長大なブレードを取り付けた質量の大きなナセルをタワー上で風向きに合わせて回転させるヨー制御や、風に対するブレードの迎え角を変化させるピッチ制御には強力なアクチュエータや信頼性の高いギア装置が必要であり、この様なアクチュエータは一般に付加価値が高いことから、この点も建設コストの増加を招くと予想される。(非特許文2、68頁参照)
また特許文献2ではコンパクトセミサブ型の浮体により、波浪よる風力発電機揺動の低減を図った上で、浮体下側の水中に回転可能な係留ポイントを取付けることにより、浮体構造を簡略化し、建設コストの低減を図る提案が示されている。この構成によれば風車体の受風面が風に向かおうとする効果(風向追従性)が得られ、洋上風力発電機の効率的な運用が可能となり、同時に運用経費低減が可能と考えられる。
一方特許文献の中で述べられている、回転機構を備えた係留ポイントが海中であることから、定期的な係留ポイントの点検、メンテナンス等を海中で行う必要がるため、特殊技術者による作業が必要となるものと推定される。
本発明が解決しようとするもう2つ目の課題は、沖合での潮位の変化や波浪による影響が少ない浮体式風力発電機の係留装置を提供することである。
本発明が解決しようとする3つ目の課題は、浮体式洋上風力発電機において今後1基当たりの出力増加に伴いナセルの大型化、質量増加が予想されるため、風車体の受風面を風に向ける回頭制御(又はヨー制御)が技術的に難しくなると考えられる。この課題に対し、風力発電機とタワーを含む風車体全体を海面上で水平方向に回転させる構成を提案し、回頭制御を容易にすることである。
本発明が解決しようとする4つ目の課題は、従来の一般的風力発電機で必要であったヨーアクチュエータ、ピッチアクチュエータ、増速機、負荷遮断時のブレーキ等を省略し他の装置で代替えすることにより、浮体式洋上風力発電機の建設コスト低減、およびメンテナンス費用の低減を実現することである。
本発明の実施例6による浮体式洋上風力発電機は、風車体に対し、強度アップを目的として、ブレードの途中、或いは先端部同士をブレード梁でつないだ構造を示す。更にブレード先端部に取付けたブレード梁を利用し、ブレード梁とブレード梁の間に平板を取付けることにより、更なる強度アップと同時に、強風時等に風車体を風に沿う方向に回頭すれば、ブレードに対する強風の直撃を遮ることが可能となり、ブレードの損傷を防ぐ効果も期待できる。(実施例10および図26右下の付図参照)
次に風力発電機建設時に、本発明の実施例1を設置するための手順を、図7により説明する。図7(1)は、港に隣接する風力発電設備生産拠点にて主フロート13、支柱14、回転リング17等を組立てた上で、仮サポート24、ストッパー25を用いてハブ5、ナセル7等を仮組みし、さらに補助フロート20、係留ロープ21、アンカー22を一部つないで係留索体23を組み合わせておく。その状態で海上に浮かべ、曳舟により設置海域へと移動する様子を表している。
図7(1)の中で、支柱14はフロート13の中央部を貫通し上下方向に移動可能な状態とし、ストッパー25により上方に固定されているものとする。またアンカー22はケーソン方式のコンクリートブロック形態とし、海面上に浮かべての移動を想定している。
更に風力発電機本体については、建設費用に対する効果(=発電出力)の比率を上げるため、設備1台当たりの大出力化が志向されており、それに伴いナセルの質量も増加傾向にある。その様な大出力の風力発電機では、長大なブレードを取り付けた質量の大きなナセルをタワー上で風向きに合わせて回転させるヨー制御や、風に対するブレードの迎え角を変化させるピッチ制御には強力なアクチュエータや信頼性の高いギア装置が必要であり、この様なアクチュエータは一般に付加価値が高いことから、この点も建設コストの増加を招くと予想される。(非特許文2、68頁参照)
また特許文献2ではコンパクトセミサブ型の浮体により、波浪よる風力発電機揺動の低減を図った上で、浮体下側の水中に回転可能な係留ポイントを取付けることにより、浮体構造を簡略化し、建設コストの低減を図る提案が示されている。この構成によれば風車体の受風面が風に向かおうとする効果(風向追従性)が得られ、洋上風力発電機の効率的な運用が可能となり、同時に運用経費低減が可能と考えられる。
一方特許文献の中で述べられている、回転機構を備えた係留ポイントが海中であることから、定期的な係留ポイントの点検、メンテナンス等を海中で行う必要がるため、特殊技術者による作業が必要となるものと推定される。
本発明が解決しようとするもう2つ目の課題は、沖合での潮位の変化や波浪による影響が少ない浮体式風力発電機の係留装置を提供することである。
本発明が解決しようとする3つ目の課題は、浮体式洋上風力発電機において今後1基当たりの出力増加に伴いナセルの大型化、質量増加が予想されるため、風車体の受風面を風に向ける回頭制御(又はヨー制御)が技術的に難しくなると考えられる。この課題に対し、風力発電機とタワーを含む風車体全体を海面上で水平方向に回転させる構成を提案し、回頭制御を容易にすることである。
本発明が解決しようとする4つ目の課題は、従来の一般的風力発電機で必要であったヨーアクチュエータ、ピッチアクチュエータ、増速機、負荷遮断時のブレーキ等を省略し他の装置で代替えすることにより、浮体式洋上風力発電機の建設コスト低減、およびメンテナンス費用の低減を実現することである。
本発明の実施例6による浮体式洋上風力発電機は、風車体に対し、強度アップを目的として、ブレードの途中、或いは先端部同士をブレード梁でつないだ構造を示す。更にブレード先端部に取付けたブレード梁を利用し、ブレード梁とブレード梁の間に平板を取付けることにより、更なる強度アップと同時に、強風時等に風車体を風に沿う方向に回頭すれば、ブレードに対する強風の直撃を遮ることが可能となり、ブレードの損傷を防ぐ効果も期待できる。(実施例10および図26右下の付図参照)
次に風力発電機建設時に、本発明の実施例1を設置するための手順を、図7により説明する。図7(1)は、港に隣接する風力発電設備生産拠点にて主フロート13、支柱14、回転リング17等を組立てた上で、仮サポート24、ストッパー25を用いてハブ5、ナセル7等を仮組みし、さらに補助フロート20、係留ロープ21、アンカー22を一部つないで係留索体23を組み合わせておく。その状態で海上に浮かべ、曳舟により設置海域へと移動する様子を表している。
図7(1)の中で、支柱14はフロート13の中央部を貫通し上下方向に移動可能な状態とし、ストッパー25により上方に固定されているものとする。またアンカー22はケーソン方式のコンクリートブロック形態とし、海面上に浮かべての移動を想定している。

Claims (10)

  1. 洋上に設置し、中心軸が水平の回転軸に対し、直角方向に放射状に取り付けた複数のブレードにより風車体を形成し、前記風車体に風が当たってブレードに力が生じることで発生する風車体の回転力を、発電機の駆動軸に伝えることにより発電する洋上風力発電機において、回転軸は水平方向に支持された無垢丸棒又は中空丸棒であり、前記回転軸に対し直角方向に放射状に複数のブレードを取り付けて風車体を形成し、かつ前記回転軸は海水面の上方に海水面から離れた位置にある台座上に設置したサポートに取り付けた軸受けにより支持されており、かつ前記台座は、前記風車体中心の下方を中心として、海水面に浮かべた主フロート、および前記主フロートの中央部に上方に向かって設置した、断面が円形の支柱の上端部に固定されて海水面の上方に保持された形態とし、かつ前記主フロート下部の海中に下端部にウエイトを取り付けた釣り棒を設置し、さらに前記支柱の断面形状に合致した摺動面を有し、前記支柱に嵌合して外周部が水平方向に回転可能な回転リングを取り付け、さらに海底面に前記主フロートを中心として放射状に設置した複数のアンカーに対して複数の係留ロープの片端部をつなぎ、前記係留ロープのもう一方の端部を海水面に浮かせた複数の補助フロートにつないだ形態とし、かつ前記補助フロートと前記回転リングの外面を複数の補助ロープでつないだ上で、前記複数の補助ロープをほぼ均一な張力で前記回転リングに向かって引き寄せて前記回転リングの外表面に結び付けることにより、前記主フロートは前記複数の補助フロートに周囲を囲まれた位置で海水面に浮かんだ状態となると同時に海水面で水平方向に時計回り、又は反時計回りに360度回転可能となり、前記風車体も海水面で水平方向に時計回り、又は反時計回りに360度回転可能となることを特徴とする、浮体式洋上風力発電機。
  2. 請求項1に記載の係留ロープと請求項1に記載の補助ロープとの間にて、請求項1に記載の補助フロートを複数海水面に浮かべた上で、前記複数の補助フロートの中の一つを前記係留ロープにつなぎ、かつ前記複数の補助フロートの中の別の一つを前記補助ロープにつなぎ、更に前記複数の補助フロート同士を連結ロープによりつなげた形態とすることにより、潮位の差が大きな海域の海水面上においても使用可能であることを特徴とする、請求項1に記載の浮体式洋上風力発電機。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の主フロートの外壁の水中部分に、前方向或いは後方向に推進力を発生させるスクリュー等を備えた複数の推進装置を、前記主フロートに対する取付け角度を固定して取付けることにより、前記スクリューの推進力で前記主フロートを海水面にて水平方向に時計回り、又は反時計回りに360度回転させることが可能となり、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の風車体を、海水面にて任意の向きに向けることが可能となることを特徴とする、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の浮体式洋上風力発電機。
  4. 請求項1~請求項3のいずれかに記載の支柱に対し、ブレーキ用ディスクを取付け、請求項1~請求項3のいずれかに記載の回転リング上に、前記ブレーキ用ディスクを挟むことにより前記ブレーキ用ディスクに対して制動を加えるブレーキ装置を取付けて、前記支柱の回転方向の動きを停止させることにより、請求項1~請求項3のいずれかに記載の風車体の水平方向の回転を停止させることが出来ることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれかに記載の浮体式洋上風力発電機。
  5. 請求項1~請求項4のいずれかに記載の回転リングは、請求項1~請求項4のいずれかに記載の支柱を回転可能に保持しながら前記支柱の前後方向、又は左右方向の傾きを許容する自在継手を備えることにより、請求項1~請求項4のいずれかに記載の風車体が海面の波浪等により前後方向、又は左右方向に傾いても海水面にて水平方向に回転可能であることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれかに記載の浮体式洋上風力発電機。
  6. 請求項1~請求項5のいずれかに記載の複数のブレードに対し、請求項1~請求項5のいずれかに記載の回転軸の中心から同一半径の位置の前記ブレードの途中、又は前記ブレードの先端同士をブレード梁でつなぎ、若しくは前記ブレード梁でつないだ上で、前記ブレード梁と前記ブレード梁との間を平板つないで風車体を形成することを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれかに記載の浮体式洋上風力発電機。
  7. 請請求項1~請求項5のいずれかに記載の回転軸に対し、前記回転軸に対して直角方向に放射状に、前記回転軸の中心から同一半径の複数のスポークを設置し、前記スポークの先端同士をスポーク梁でつなぎ、さらに前記スポークの先端から外周方向に放射状に複数のブレードを設置し、前記ブレードの先端同士をブレード梁でつなぎ、若しくは前記ブレードの先端同士を前記ブレード梁でつないだ上で、前記ブレード梁と前記ブレード梁との間を平板つないで風車体を形成することを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれかに記載の浮体式洋上風力発電機。
  8. 請求項1~請求項5のいずれかに記載のブレードの先端同士を、請求項1~請求項5のいずれかに記載の回転軸から前記ブレードの先端までの長さと同じ長さの半径でかつ外表面を有する円筒形のフレームでつないで風車体を形成し、更に請求項1~請求項5のいずれかに記載の台座上に前記円筒形のフレームに向かう方向に移動可能なテーブルを取り付け、前記テーブル上に先端部に車輪を取りつけた駆動軸を有する発電機を設置して発電機ユニットを形成した上で、前記テーブルを回転している前記円筒形のフレームに向かって移動させることにより、前記車輪が前記円筒形フレームの外表面と接触して回転し、前記発電機の駆動軸が回転することにより発電することを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれかに記載の浮体式洋上風力発電機。
  9. 請求項1~請求項8のいずれかに記載の支柱の上端に水平方向にアームを設置し、前記アームの風上側端部に請求項1~請求項8のいずれかに記載の風車体を設置し、かつ前記アームの風下側端部に垂直翼及び風に対して迎え角を有する水平翼を設置することにより、風力によって前記風車体が風に向かい、かつ風力による前記風車体の風下側への倒れを抑制することを特徴とする、請求項1~請求項8のいずれかに記載の浮体式洋上風力発電機。
  10. 請求項3~請求項9のいずれかに記載の浮体式風力発電機は、請求項3~請求項9のいずれかに記載のスクリューの動作・停止を制御する制御盤を備えているものとし、前記制御盤は前記浮体式洋上風力発電機の近傍に設置した風向計によって測定した風向きの信号と、前記浮体式洋上風力発電機の近傍に設置した風速計によって測定した風速の信号と、請求項3~請求項9のいずれかに記載の回転リングに対して取り付けた回転リング角度計の信号と、請求項3~請求項9のいずれかに記載の風車体に対して取り付けた風車体の回転数の信号と、地上の電力系統の運用状態の信号を受信し、それらの信号を用いて前記スクリューの動作・停止を制御することにより、前記風車体が運転環境下で適切な運転状態に維持できることを特徴とする、請求項3~請求項9のいずれかに記載の浮体式洋上風力発電機。

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