JP2023124601A - ガスタービンプラント、及びそのアンモニア利用方法 - Google Patents

ガスタービンプラント、及びそのアンモニア利用方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023124601000001
【課題】設備コスト及びランニングコストを抑えつつ、アンモニアの利用価値を高める。
【解決手段】ガスタービンプラントは、排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラからの蒸気と液体アンモニアとを熱交換させて、気体アンモニアを生成するアンモニア気化器と、前記排熱回収ボイラからの蒸気と前記気体アンモニアとを熱交換させて、前記気体アンモニアを加熱して加熱アンモニアを生成するアンモニア加熱器と、前記加熱アンモニアの一部を燃料としてガスタービンに導く加熱アンモニア主ラインと、前記加熱アンモニア主ラインから分岐している加熱アンモニア分岐ラインと、前記排熱回収ボイラからの蒸気と前記加熱アンモニア分岐ラインからの前記加熱アンモニアとを熱交換させて、前記加熱アンモニアを熱分解させて、分解ガスを生成するアンモニア分解器と、前記分解ガスの少なくとも一部から水素を精製する水素精製設備と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスタービン及び排熱回収ボイラを備えるガスタービンプラント、及びそのアンモニア利用方法に関する。
地球環境保全の観点からCO排出量を削減するため、燃焼してもCOを排出しない水素を燃料として利用することが有力な選択肢となっている。しかし、例えば、ガスタービンの燃料として広く使われている液化天然ガスなどの燃料と比較して、水素は、その輸送や貯蔵は容易ではない。このため、水素に変換可能なアンモニアを燃料として利用することが検討されている。
以下の特許文献1には、このアンモニアを燃料として利用するガスタービンプラントが開示されている。このガスタービンプラントは、ガスタービンと、アンモニアタンクと、を備える。ガスタービンは、空気圧縮機と、燃焼器と、タービンと、を有する。アンモニアタンクからのアンモニアの一部は、燃料として燃焼器内の上流側に供給される。また、アンモニアタンクからのアンモニアの他の一部は、分解されて水素リッチのガスになる。この水素リッチのガスは、燃料として燃焼器内の下流側に供給される。
特表2018-535355号公報
このアンモニアを燃料として利用するガスタービンプラントには、設備コストやランニングコストを抑えつつも、このアンモニアの利用価値を高めることが望まれている。
そこで、本発明は、設備コスト及びランニングコストを抑えつつ、アンモニアの利用価値を高めることができるガスタービンプラント、及びそのアンモニア利用方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための発明に係る一態様としてのガスタービンプラントは、
液体アンモニアを貯蔵可能なアンモニアタンクと、アンモニアを燃料として駆動可能なガスタービンと、前記ガスタービンからの排気ガスの熱を利用して蒸気を発生可能な排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラからの蒸気又は熱水と前記アンモニアタンクからの液体アンモニアとを熱交換させて、前記液体アンモニアを気化させ、気体アンモニアを生成可能なアンモニア気化器と、前記排熱回収ボイラからの蒸気又は熱水と前記アンモニア気化器からの前記気体アンモニアとを熱交換させて、前記気体アンモニアを加熱可能なアンモニア加熱器と、前記アンモニア加熱器で加熱された気体アンモニアである加熱アンモニアの一部を燃料として前記ガスタービンに導くことが可能な加熱アンモニア主ラインと、前記加熱アンモニア主ラインから分岐している加熱アンモニア分岐ラインと、前記排熱回収ボイラからの蒸気と前記加熱アンモニア分岐ラインからの前記加熱アンモニアとを熱交換させて、前記加熱アンモニアを熱分解させて、水素を含む分解ガスを生成可能なアンモニア分解器と、前記分解ガスの少なくとも一部から水素を精製可能な水素精製設備と、前記水素精製設備で精製された水素である高純度水素を水素タンクに導くことが可能な水素ラインと、を備える。
上記目的を達成するための発明に係る一態様としてのアンモニア利用方法は、
ガスタービンと、前記ガスタービンからの排気ガスの熱を利用して蒸気を発生可能な排熱回収ボイラと、を備えるガスタービンプラントにおけるアンモニア利用方法である。
このアンモニア利用方法では、前記排熱回収ボイラからの蒸気又は熱水と液体アンモニアとを熱交換させて、前記液体アンモニアを気化させ、気体アンモニアを生成するアンモニア気化工程と、前記排熱回収ボイラからの蒸気又は熱水と前記アンモニア気化工程で生成された前記気体アンモニアとを熱交換させて、前記気体アンモニアを加熱するアンモニア加熱工程と、前記アンモニア加熱工程で加熱された気体アンモニアである加熱アンモニアの一部を燃料として前記ガスタービンに導く主燃料供給工程と、前記排熱回収ボイラからの蒸気と前記加熱アンモニアの他の一部とを熱交換させて、前記加熱アンモニアを熱分解させて、水素を含む分解ガスを生成するアンモニア分解工程と、前記分解ガスの少なくとも一部から水素を精製する水素精製工程と、を実行する。
本発明の一態様によれば、設備コスト及びランニングコストを抑えつつ、アンモニアの利用価値を高めることができる。
本発明に係る一実施形態におけるガスタービンプラントの系統図である。 本発明に係る一実施形態における燃焼器の構成を示す概念図である。 本発明に係る一実施形態におけるアンモニア分解設備の系統図である。 本発明に係る一実施形態における水素精製設備の系統図である。 本発明に係る一実施形態におけるアンモニア利用方法の手順を示すフローチャートである。
本発明のアンモニア分解設備を備えたガスタービンプラントの各種実施形態及び各種変形例について、図面を参照して以下に説明する。
「第一実施形態」
ガスタービンプラントの第一実施形態について、図1~図5を参照して説明する。
本実施形態のガスタービンプラントは、図1に示すように、ガスタービン10と、排熱回収ボイラ20と、脱硝装置29と、蒸気タービン設備30と、発電機39と、アンモニアタンク50と、アンモニア気化器51と、アンモニア加熱器52と、アンモニア分解器53と、アンモニア回収設備60と、アンモニア圧縮機95cと、水素精製設備70と、オフガス圧縮機97cと、水素タンク79と、を備える。
ガスタービン10は、空気を圧縮して圧縮空気CAを生成可能な空気圧縮機11と、圧縮空気CA中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成可能な燃焼器12と、燃焼器12からの燃焼ガスで駆動可能なタービン13と、を有する。空気圧縮機11は、圧縮機ロータ11rと、この圧縮機ロータ11rを覆う圧縮機ケーシング11cと、を有する。タービン13は、タービンロータ13rと、このタービンロータ13rを覆うタービンケーシング13cと、を有する。圧縮機ロータ11rとタービンロータ13rとは、互いに接続されてガスタービンロータ14を成す。
燃焼器12は、図2に示すように、筒軸線Ac周りに筒状の燃焼筒(又は尾筒)12pと、燃焼筒12p内に燃料を噴射可能な複数のバーナ12bと、を有する。複数のバーナ12bは、いずれも、筒軸線Acが延びている方向に延びている。複数のバーナ12bは、中心部バーナ12bcと、中心部バーナ12bcの周辺に配置されている複数の周辺部バーナ12bpと、有する。中心部バーナ12bcは、筒軸線Ac上又は筒軸線Ac近傍に配置されている。この燃焼器12は、複数のバーナ12bに空気圧縮機11から圧縮空気CAが供給されるよう構成されている。
排熱回収ボイラ20は、図1に示すように、ガスタービン10からの排気ガスが流れるボイラ枠21と、低圧蒸気発生系22と、中圧蒸気発生系23と、高圧蒸気発生系25と、中圧ポンプ24と、高圧ポンプ26と、を有する。ここで、ボイラ枠21内の排気ガスの流れに関する上流側をボイラ上流側とし、その反対側をボイラ下流側とする。ボイラ枠21で最もボイラ下流側の端には、排気ガスを大気に排気するスタック28が接続されている。
低圧蒸気発生系22は、節炭器22aと、蒸発器22bと、過熱器22cと、を有する。節炭器22aは、水と排気ガスとを熱交換させて、水を加熱して熱水にする。蒸発器22bは、節炭器22aからの熱水の一部と排気ガスとを熱交換させて、水を加熱して水蒸気にする。過熱器22cは、蒸発器22bからの水蒸気と排気ガスとを熱交換させて水蒸気を過熱する。節炭器22a、蒸発器22bの少なくとも一部、過熱器22cは、いずれも、ボイラ枠21内に配置されている。節炭器22a、蒸発器22bの少なくとも一部、過熱器22cは、この順序で、ボイラ下流側からボイラ上流側に向かって並んでいる。
中圧蒸気発生系23、高圧蒸気発生系25は、図示されていないが、いずれも、低圧蒸気発生系22と同様、節炭器と、蒸発器と、過熱器と、を有する。中圧ポンプ24は、低圧蒸気発生系22の節炭器22aからの熱水の一部を昇圧してから、中圧蒸気発生系23の節炭器に送る。高圧ポンプ26は、低圧蒸気発生系22の節炭器22aからの熱水の他の一部を昇圧してから、高圧蒸気発生系25の節炭器に送る。
各蒸気発生系22,23,25の過熱器のうち、高圧蒸気発生系25の過熱器は、ボイラ枠21内で、他の過熱器よりボイラ上流側に配置されている。中圧蒸気発生系23の過熱器は、ボイラ枠21内で、高圧蒸気発生系25の過熱器よりボイラ下流側であって、低圧蒸気発生系22の過熱器22cよりボイラ上流側に配置されている。脱硝装置29は、ボイラ枠21内で、例えば、高圧蒸気発生系25と中圧蒸気発生系23との間に配置されている。この脱硝装置29は、アンモニア水を利用して、触媒の働きにより、ガスタービン10からの排気ガス中に含まれるNOxを窒素と水蒸気とに分解する。
蒸気タービン設備30は、低圧蒸気タービン31と、中圧蒸気タービン32と、高圧蒸気タービン33と、復水器35と、給水ライン36、給水ポンプ37と、を有する。低圧蒸気タービン31は、低圧蒸気タービンロータ31rと、低圧蒸気タービンロータ31rを覆うケーシング31cとを有する。中圧蒸気タービン32は、中圧蒸気タービンロータ32rと、中圧蒸気タービンロータ32rを覆うケーシング32cとを有する。高圧蒸気タービン33は、高圧蒸気タービンロータ33rと、高圧蒸気タービンロータ33rを覆うケーシング33cとを有する。低圧蒸気タービンロータ31r、中圧蒸気タービンロータ32r、及び高圧蒸気タービンロータ33rは、互いに連結されて一つの蒸気タービンロータ34を成す。この蒸気タービンロータ34の一端には、前述のガスタービンロータ14が連結されている。また、この蒸気タービンロータ34の他端には、発電機39が接続されている。
本実施形態では、蒸気タービンロータ34とガスタービンロータ14とが互いに連結され、このロータの端に発電機39が接続されている。しかしながら、蒸気タービンロータ34とガスタービンロータ14とが互いに連結されておらず、蒸気タービンロータ34の端に発電機が接続され、ガスタービンロータ14の端にも発電機が接続されていてもよい。
高圧蒸気発生系25の過熱器と高圧蒸気タービン33の蒸気入口とは、高圧蒸気ライン43で接続されている。中圧蒸気発生系23の過熱器と中圧蒸気タービン32の蒸気入口とは、中圧蒸気ライン42で接続されている。中圧蒸気タービン32の蒸気入口は、さらに、高圧排気蒸気ライン44で、高圧蒸気タービン33の蒸気出口と接続されている。低圧蒸気発生系22の過熱器22cと低圧蒸気タービン31の蒸気入口とは、低圧蒸気ライン41で接続されている。低圧蒸気タービン31の蒸気入口は、さらに、中圧排気蒸気ライン45で、中圧蒸気タービン32の蒸気出口と接続されている。低圧蒸気タービン31の蒸気出口には、前述の復水器35が接続されている。この復水器35は、低圧蒸気タービン31から排気された蒸気を液相の水に戻す。復水器35と低圧蒸気発生系22の節炭器とは、給水ライン36で接続されている。この給水ライン36には、給水ポンプ37が設けられている。
アンモニアタンク50は、液体アンモニアNHLを貯蔵可能なタンクである。
アンモニア気化器51は、蒸気と液体アンモニアNHLとを熱交換させて、液体アンモニアNHLを気化させ、気体アンモニアNHGを生成可能な熱交換器である。このアンモニア気化器51のアンモニア入口とアンモニアタンク50のアンモニア出口とは、液体アンモニアライン80で接続されている。この液体アンモニアライン80には、アンモニアポンプ81が設けられている。アンモニア気化器51の蒸気入口と低圧蒸気ライン41とは、低圧蒸気分岐ライン83で接続されている。このアンモニア気化器51の蒸気出口は、例えば、低圧蒸気回収ライン84で復水器35に接続されている。よって、このアンモニア気化器51は、アンモニアタンク50からの液体アンモニアNHLと低圧蒸気発生系22からの低圧蒸気LSとを熱交換させる。この低圧蒸気LSの温度は、例えば、130~180℃である。なお、アンモニア気化器51では、例えば、アンモニアタンク50からの液体アンモニアNHLと中圧蒸気発生系23の節炭器で加熱された熱水とを熱交換させてもよい。
アンモニア加熱器52は、蒸気と気体アンモニアNHGとを熱交換させて、気体アンモニアNHGを加熱可能な熱交換器である。このアンモニア加熱器52のアンモニア入口とアンモニア気化器51のアンモニア出口とは、気体アンモニアライン82で接続されている。アンモニア加熱器52の蒸気入口と中圧蒸気ライン42とは、第一中圧蒸気分岐ライン85で接続されている。このアンモニア加熱器52の蒸気出口は、例えば、第一中圧蒸気回収ライン86で復水器35に接続されている。よって、このアンモニア加熱器52は、アンモニア気化器51からの気体アンモニアNHGと中圧蒸気発生系23からの中圧蒸気ISとを熱交換させる。この中圧蒸気ISの温度は、例えば、250~350℃である。なお、アンモニア加熱器52では、例えば、アンモニア気化器51からの気体アンモニアNHGと高圧蒸気発生系25の節炭器からの熱水又は中圧蒸気発生系23の節炭器からの熱水と熱交換させてもよい。また、前述の低圧蒸気LSの温度によっては、このアンモニア加熱器52では、アンモニア気化器51からの気体アンモニアNHGと低圧蒸気発生系22からの低圧蒸気LSとを熱交換させてもよい。アンモニア加熱器52のアンモニア出口と燃焼器12の複数の周辺部バーナ12bp(図2参照)とは、加熱アンモニア主ライン87で接続されている。よって、このアンモニア加熱器52により、加熱された気体アンモニアNHGである加熱アンモニアNHHは、燃料として、加熱アンモニア主ライン87を介して燃焼器12の複数の周辺部バーナ12bpに送られる。この加熱アンモニア主ライン87には、燃焼器12に送られる加熱アンモニアNHHの流量を調節可能な主燃料弁88が設けられている。
アンモニア分解器53は、蒸気と加熱アンモニアNHHとを熱交換させて、加熱アンモニアNHHを熱分解して、分解ガスDGを生成可能な熱交換器である。この分解ガスDGは、アンモニアの熱分解で得られる水素及び窒素の他、残留アンモニアを含んでいる。このアンモニア分解器53内は、伝熱管等で形成される伝熱壁により、アンモニア又は分解ガスDGが流れる対象ガス空間と、蒸気が流れる蒸気空間とに仕切られている。伝熱壁は、例えば、Ni鋼で形成されている。対象ガス空間内には、アンモニアの熱分解を促進するための触媒が充填されている。この触媒は、分解反応を活性化させる触媒成分と、触媒成分を担持する担体と、を有する。触媒成分としては、例えば、Ru等の貴金属の粒子、Ni、Co、Fe等の遷移金属を含む金属粒子がある。担体としては、Al、ZrO、Pr、La、MgO等の酸化金属がある。なお、触媒は、アンモニアの分解反応を活性化させるものであれば、以上で例示した触媒に限定されない。
アンモニア分解器53のアンモニア入口と加熱アンモニア主ライン87とは、加熱アンモニア分岐ライン89で接続されている。つまり、この加熱アンモニア分岐ライン89は、加熱アンモニアNHHが流れる加熱アンモニア主ライン87から分岐したラインである。この加熱アンモニア分岐ライン89には分岐弁89vが設けられている。アンモニア分解器53の蒸気入口と高圧蒸気ライン43とは、高圧蒸気分岐ライン91で接続されている。このアンモニア分解器53の蒸気出口は、例えば、高圧蒸気回収ライン92で中圧蒸気発生系23又は復水器35に接続されている。よって、このアンモニア分解器53は、アンモニア加熱器52からの加熱アンモニアNHHと高圧蒸気発生系25からの高圧蒸気HSとを熱交換させる。この高圧蒸気HSの温度は、例えば、450~550℃である。アンモニア分解器53の分解ガス出口には、分解ガスライン90の一端が接続されている。
アンモニア回収設備60は、アンモニア分解器53からの分解ガスDGからアンモニアを回収する設備である。このアンモニア回収設備60は、図3に示すように、吸収塔61と、水ライン62と、アンモニア水ライン63と、アンモニア水加熱器64と、分離塔65と、水循環ライン66と、リボイラ67と、水分凝縮器68と、水回収ライン69と、を有する。
吸収塔61内には、この吸収塔61の上下方向における中間領域に充填物61aが配置されている。この吸収塔61中で中間領域よりも下側の部分には、前述の分解ガスライン90の他端が接続されている。水ライン62は、吸収塔61中で中間領域よりも上側に接続されている。吸収塔61の頂部には、処理済みガスライン96の一端が接続されている。吸収塔61の底部には、アンモニア水ライン63の一端が接続されている。
吸収塔61内には、この吸収塔61の中間領域よりも下側から、アンモニア分解器53からの分解ガスDGが、分解ガスライン90を介して、流入する。さらに、この吸収塔61内には、この吸収塔61の中間領域よりも上側から、水ライン62からの水が散布される。吸収塔61内に流入した分解ガスDGは、吸収塔61内を上昇する。一方、吸収塔61内に散布された水は、この吸収塔61内を下降する。水は、吸収塔61内を下降する過程で、充填物61aに接する。充填物61aに接した水は、充填物61aの表面を覆う水膜を形成する。分解ガスDGは、吸収塔61内を上昇する過程で、充填物61aの表面を覆う水膜に接する。この過程で、分解ガスDG中に含まれている残留アンモニアは、水に溶解する。残留アンモニアが溶解した水であるアンモニア水は、吸収塔61の下部に溜まり、アンモニア水ライン63に流入する。残留アンモニアが除去された分解ガスDGである処理済みガスPGは、吸収塔61内を上昇して、処理済みガスライン96に流入する。
分離塔65内には、この分離塔65の上下方向における中間領域に棚段65aが配置されている。棚段65aを構成する複数の段は、上下方向に並んでいる。棚段65aを構成する複数の段は、いずれも、多数の孔が形成されている板で構成されている。前述のアンモニア水ライン63の他端は、棚段65aを構成する複数の段のうち、中間の段に接続されている。水循環ライン66の一端は、分離塔65の底部に接続され、水循環ライン66の他端は、分離塔65中で底部より上側で中間領域よりも下側に接続されている。リボイラ67は、この水循環ライン66に設けられている。このリボイラ67は、水循環ライン66を流れる水と、蒸気とを熱交換させる熱交換器である。リボイラ67の蒸気入口と中圧蒸気ライン42とは、第二中圧蒸気分岐ライン93で接続されている。リボイラ67の蒸気出口は、例えば、第二中圧蒸気回収ライン94で復水器35に接続されている。よって、このリボイラ67は、水と中圧蒸気ISとの熱交換で水を加熱し、この水を水蒸気にする。この水蒸気は、水循環ライン66を経て、分離塔65内に流入する。なお、リボイラ67では、例えば、高圧蒸気発生系25の過熱器からの高圧蒸気HS、高圧蒸気発生系25の節炭器からの熱水、又は、中圧蒸気発生系23の節炭器からの熱水と、水とを熱交換させてもよい。
分離塔65内には、この分離塔65の中間領域よりも下側から、水蒸気が流入する。さらに、この分離塔65内には、棚段65aの中間段から、アンモニア水ライン63からのアンモニア水が散布される。分離塔65内に流入した水蒸気は、分離塔65内を上昇する。棚段65aの中間段から散布されたアンモニア水は、棚段65aのそれぞれの段に液層を形成しつつ、徐々に下の段に流下する。水蒸気は、棚段65aのそれぞれの段に設けられた多数の孔を経由して、アンモニア水と気液接触しながら上昇し、アンモニア水を加熱する。水よりも蒸発し易いアンモニアは、気相の水である水蒸気により加熱されて液相から気相に移行し、水は気相から液相に移行する。気相のアンモニアは、分離塔65内を上昇する。また、液相の水、より正確には、アンモニア濃度の低い水は、分離塔65の下部に溜まる。この水の一部は、水循環ライン66及びリボイラ67を経て、水蒸気として、再び、分離塔65内に流入する。
水循環ライン66には、前述の水ライン62の他端が接続されている。よって、分離塔65の下部に溜まった水の一部は、水循環ライン66を経て、再び、分離塔65内に戻り、分離塔65の下部に溜まった水の他の一部は、水循環ライン66及び水ライン62を経て、吸収塔61内に流入する。
アンモニア水加熱器64は、アンモニア水ライン63に設けられている。このアンモニア水加熱器64は、アンモニア水ライン63を流れるアンモニア水と水ライン62を流れる水とを熱交換させる熱交換器である。アンモニア水加熱器64は、アンモニア水と水との熱交換でアンモニア水を加熱する。加熱されたアンモニア水は、前述したように分離塔65内に散布される。一方、アンモニア水との熱交換で冷却された水は、水ライン62を経て、吸収塔61内に散布される。
分離塔65の頂部には、アンモニア回収ライン95の一端が接続されている。アンモニア回収ライン95の他端は、アンモニア加熱器52のアンモニア入口に接続されている。アンモニア回収ライン95には、水分凝縮器68及びアンモニア圧縮機95cが設けられている。水分凝縮器68は、アンモニア回収ライン95を流れる気相のアンモニアを含むガスを冷却して、このガス中の水分及びアンモニアの一部を凝縮させる。水分凝縮器68で凝縮した水は、水回収ライン69を経て、分離塔65内の棚段65aより上の空間に戻る。水分凝縮器68を通過してアンモニアを主とするガスは、アンモニア回収ライン95を介して、アンモニア加熱器52に流入する。よって、アンモニア加熱器52では、アンモニア気化器51からの気体アンモニアNHG及びアンモニア回収設備60からのアンモニアを主とするガスが蒸気で加熱される。
なお、水分凝縮器68の後段にアンモニア凝縮器を設けた場合には、アンモニア凝縮器からの液体アンモニアNHLをアンモニアタンク50又はアンモニア気化器51に戻してもよい。
ここでは、分離塔65の外部に水分凝縮器68が配置されている。しかしながら、分離塔65内の上部空間内に水分凝縮器68を配置してもよい。また、ここでは、分離塔65の外部にリボイラ67が配置されている。しかしながら、分離塔65の内部にリボイラ67を配置してもよい。また、ここでは、吸収塔61での気液接触方法として、充填物式を採用している。また、分離塔65での気液接触方法として、棚段式を採用している。しかしながら、気液接触方法には、他の方式もあるので、吸収塔61及び分離塔65での気液接触方法として、他の方式を採用してもよい。気液接触方法を実現する複数の方式には、方式毎に、機器の大きさ、機器の設備コスト、機器の保守コスト、機器の圧力損失、機器の必要動力、機器の耐久性などに長所短所がある。このため、液接触方法を実現する複数の方式のうち、プラントの仕様や立地条件などに応じて最適な方式を選定すればよい。
また、以上で説明したアンモニア回収設備60は、公知の設備である。このアンモニア回収設備は、分解ガスDGからアンモニアを回収可能な設備であれば、他の構成の設備であってもよい。
本実施形態の水素精製設備70は、圧力変動吸着(Pressure Swing Absorption)法で、アンモニア及び水素を含むガスからアンモニアを吸着分離し、水素を精製する設備である。水素精製設備70は、図4に示すように、第一吸着塔71aと、第二吸着塔71bと、第一処理済みガスライン72aと、第二処理済みガスライン72bと、第一処理済みガス弁73aと、第二処理済みガス弁73bと、第一オフガスライン74aと、第二オフガスライン74bと、第一オフガス弁75aと、第二オフガス弁75bと、真空ポンプ76と、第一水素ライン77aと、第二水素ライン77bと、第一水素弁78aと、第二水素弁78bと、水素圧縮機77cと、を有する。なお、本実施形態の水素精製設備70は、二基の吸着塔71a,71bを備えているが、三基以上の吸着塔を備えてもよい。
第一吸着塔71a内及び第二吸着塔71b内には、高圧下でアンモニアを吸着し、低圧下でアンモニアを放出できるアンモニア吸着材Abが配置されている。前述の処理済みガスライン96の他端には、第一処理済みガスライン72aの一端及び第二処理済みガスライン72bの一端が接続されている。第一処理済みガスライン72aの他端は、第一吸着塔71aの処理済みガス入口に接続されている。第二処理済みガスライン72bの他端は、第二吸着塔71bの処理済みガス入口に接続されている。よって、第一吸着塔71a及び第二吸着塔71bには、アンモニア回収設備60からの処理済みガスPG、つまり、アンモニア回収設備60でアンモニアが回収された分解ガスDGが流入可能である。第一処理済みガスライン72aには第一処理済みガス弁73aが設けられ、第二処理済みガスライン72bには第二処理済みガス弁73bが設けられている。
第一処理済みガスライン72a中で、第一処理済みガス弁73aよりも第一吸着塔71a側の位置には、第一オフガスライン74aの一端が接続されている。この第一オフガスライン74aには、第一オフガス弁75aが設けられている。第二処理済みガスライン72b中で、第二処理済みガス弁73bよりも第二吸着塔71b側の位置には、第二オフガスライン74bの一端が接続されている。この第二オフガスライン74bには、第二オフガス弁75bが設けられている。第一オフガスライン74aの他端及び第二オフガスライン74bの他端には、オフガスライン97の一端が接続されている。このオフガスライン97の他端は、燃焼器12の中心部バーナ12bc(図2参照)に接続されている。このオフガスライン97には、真空ポンプ76、オフガス圧縮機97c及び副燃料弁98が設けられている。
第一水素ライン77aの一端は、第一吸着塔71aの出口に接続されている。この第一水素ライン77aには、第一水素弁78aが設けられている。第二水素ライン77bの一端は、第二吸着塔71bの出口に接続されている。この第二水素ライン77bには、第二水素弁78bが設けられている。第一水素ライン77aの他端及び第二水素ライン77bの他端には、水素ライン99の一端が接続されている。この水素ライン99には、水素圧縮機77cが設けられている。
仮に、第一吸着塔71a内のアンモニア吸着材Abのアンモニア吸着量が極めて少なく、第二吸着塔71b内のアンモニア吸着材Abのアンモニア吸着量が多いとする。この場合、第一処理済みガス弁73a、第一水素弁78a、及び第二オフガス弁75bを開け、第二処理済みガス弁73b、第二水素弁78b、及び第一オフガス弁75aを閉じる。アンモニア回収設備60からの処理済みガスPGは、第一処理済みガスライン72a、第一処理済みガス弁73aを介して、第一吸着塔71a内に流入する。第一吸着塔71a内に流入した処理済みガスPGは、アンモニア吸着材Abを通過する過程で、処理済みガスPGに含まれる未分解のアンモニアの多くがアンモニア吸着材Abに吸着され、処理済みガスPGに含まれる水素の多くが高純度水素として第一吸着塔71aから排出される。この高純度水素は、第一水素ライン77a、第一水素弁78a、水素ライン99、水素圧縮機77cを介して、水素タンク79に送られる。一方、第二吸着塔71b内のアンモニア吸着材Abに吸着しているアンモニアは、真空ポンプ76で第二吸着塔71b内を真空吸引されることで、アンモニア吸着材Abから放出される。そして、第二吸着塔71bから、このアンモニア、及び、第二吸着塔71bに残っていた水素を含むオフガスOGが、第二オフガスライン74b、第二オフガス弁75b、オフガスライン97、真空ポンプ76、オフガス圧縮機97c及び副燃料弁98を介して、燃焼器12に送られる。
第一吸着塔71a内のアンモニア吸着材Abのアンモニア吸着量が多くなり、第二吸着塔71b内のアンモニア吸着材Abのアンモニア吸着量が極めて少なくなると、第一処理済みガス弁73a、第一水素弁78a、及び第二オフガス弁75bを閉じ、第二処理済みガス弁73b、第二水素弁78b、及び第一オフガス弁75aを開ける。アンモニア回収設備60からの処理済みガスPGは、第二処理済みガスライン72b、第二処理済みガス弁73bを介して、第二吸着塔71b内に流入する。第二吸着塔71b内に流入した処理済みガスPGは、アンモニア吸着材Abを通過する過程で、処理済みガスPGに含まれる未分解のアンモニアの多くがアンモニア吸着材Abに吸着され、処理済みガスPGに含まれる水素の多くが高純度水素として第二吸着塔71bから排出される。この高純度水素は、第二水素ライン77b、第二水素弁78b、水素ライン99、水素圧縮機77c、を介して、水素タンク79に送られる。一方、第一吸着塔71a内のアンモニア吸着材Abに吸着しているアンモニアは、真空ポンプ76で第一吸着塔71a内を真空吸引されることで、アンモニア吸着材Abから放出される。そして、第一吸着塔71aから、このアンモニア、及び、第一吸着塔71aに残っていた水素を含むオフガスOGが、第一オフガスライン74a、第一オフガス弁75a、オフガスライン97、真空ポンプ76、オフガス圧縮機97c及び副燃料弁98を介して、燃焼器12に送られる。
以上のように、本実施形態における水素精製設備70では、第一吸着塔71a内のアンモニア吸着材Abにアンモニアを吸着させているときに、第二吸着塔71b内のアンモニア吸着材Abからアンモニアを放出させる。また、本実施形態における水素精製設備70では、第一吸着塔71a内のアンモニア吸着材Abからアンモニアを放出させているときに、第二吸着塔71b内のアンモニア吸着材Abにアンモニアを吸着させる。よって、本実施形態における水素精製設備70では、アンモニア回収設備60からの処理済みガスPGを連続的に受け入れ、未分解のアンモニアの多くを除去し、高純度の水素を連続的に排出できると共に、残留アンモニア及び残留水素を含むオフガスOGとを連続的に排出することができる。
次に、以上で説明したガスタービンプラントの全体的な動作について説明する。まず、ガスタービン10、排熱回収ボイラ20、及び蒸気タービン設備30の動作について説明する。
ガスタービン10の空気圧縮機11は、空気を圧縮して圧縮空気CAを生成する。燃焼器12は、この圧縮空気CA中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスはタービン13に供給されて、このタービン13を駆動する。タービン13を駆動した燃焼ガスである排気ガスは、排熱回収ボイラ20のボイラ枠21内に流入する。
排熱回収ボイラ20の各蒸気発生系22,23,25では、ボイラ枠21内を流れる排気ガスと水とを熱交換させて、液相の水を水蒸気にする。低圧蒸気発生系22の節炭器22aには、給水ポンプ37から水が供給される。節炭器22aでは、この水と排気ガスとを熱交換させて、この水を加熱して熱水にする。この熱水の一部は、高圧ポンプ26で昇圧された後、高圧蒸気発生系25に送られる。高圧蒸気発生系25に送られた熱水は、排気ガスとの熱交換で高圧蒸気HSになる。この高圧蒸気HSは、高圧蒸気ライン43を介して、高圧蒸気タービン33に供給される。高圧蒸気タービン33は、この高圧蒸気HSにより駆動する。
低圧蒸気発生系22の節炭器22aからの熱水の他の一部は、中圧ポンプ24で昇圧された後、中圧蒸気発生系23に送られる。中圧蒸気発生系23に送られた熱水は、排気ガスとの熱交換で中圧蒸気ISになる。この中圧蒸気ISは、中圧蒸気ライン42を介して、中圧蒸気タービン32に供給される。また、高圧蒸気タービン33から排気された蒸気は、高圧排気蒸気ライン44を介して中圧蒸気タービン32に供給される。すなわち、中圧蒸気タービン32には、中圧蒸気発生系23からの中圧蒸気ISと、高圧蒸気タービン33から排気された蒸気とが供給される。中圧蒸気タービン32は、この中圧蒸気タービン32に供給された蒸気により駆動する。
低圧蒸気発生系22の節炭器22aからの熱水のさらに他の一部は、この低圧蒸気発生系22の蒸発器22bで、排気ガスにより加熱されて蒸気になる。この蒸気は、この低圧蒸気発生系22の過熱器22cで、排気ガスにより過熱されて低圧蒸気LSになる。この低圧蒸気LSは、低圧蒸気ライン41を介して低圧蒸気タービン31に供給される。また、中圧蒸気タービン32から排気された蒸気は、中圧排気蒸気ライン45を介して低圧蒸気タービン31に供給される。すなわち、低圧蒸気タービン31には、低圧蒸気発生系22からの低圧蒸気LSと、中圧蒸気タービン32から排気された蒸気とが供給される。低圧蒸気タービン31は、この低圧蒸気タービン31に供給された蒸気により駆動する。
低圧蒸気タービン31から排気された蒸気は、復水器35で水に戻される。復水器35内の水は、給水ライン36及び給水ポンプ37を介して、低圧蒸気発生系22の節炭器22aに送られる。
次に、アンモニア気化器51、アンモニア加熱器52、アンモニア分解器53、アンモニア回収設備60、水素精製設備70の動作について、図5に示すフローチャートに従って説明する。
アンモニアタンク50内の液体アンモニアNHLは、アンモニアポンプ81により昇圧されてから、アンモニア気化器51に流入する。
アンモニア気化器51では、排熱回収ボイラ20の低圧蒸気発生系22からの低圧蒸気LSと液体アンモニアNHLとを熱交換させて、液体アンモニアNHLを気化させ、気体アンモニアNHGを生成する(アンモニア気化工程S1)。このアンモニア気化工程S1で、液体アンモニアNHLとの熱交換で冷却された低圧蒸気LSは、例えば、復水器35に送られる。なお、アンモニア気化器51で液体アンモニアNHLを加熱する媒体としては、前述したように、低圧蒸気LSでなくてもよく、例えば、中圧蒸気発生系23の節炭器からの熱水であってもよい。
気体アンモニアNHGは、アンモニア加熱器52に流入する。アンモニア加熱器52では、排熱回収ボイラ20の中圧蒸気発生系23からの中圧蒸気ISと気体アンモニアNHGとを熱交換させて、気体アンモニアNHGを加熱する(アンモニア加熱工程S2)。なお、アンモニア加熱器52で気体アンモニアNHGを加熱する媒体としては、前述したように、中圧蒸気ISでなくてもよく、例えば、高圧蒸気発生系25の節炭器からの熱水、中圧蒸気発生系23の節炭器からの熱水、又は低圧蒸気発生系22からの低圧蒸気LSであってもよい。
アンモニア加熱器52で加熱された気体アンモニアNHGである加熱アンモニアNHHの一部は、加熱アンモニア主ライン87を介して、燃料として燃焼器12の周辺部バーナ12bpに供給される(主燃料供給工程S3)。
また、加熱アンモニアNHHの他の一部は、加熱アンモニア分岐ライン89を介して、アンモニア分解器53に流入する。アンモニア分解器53では、触媒環境下で、排熱回収ボイラ20の高圧蒸気発生系25からの高圧蒸気HSと加熱アンモニアNHHとを熱交換させ、加熱アンモニアNHHを熱分解させて、分解ガスDGを生成する(アンモニア分解工程S4)。この分解ガスDG中には、加熱アンモニアNHHの熱分解で得られる水素及び窒素の他、残留アンモニアも含まれている。
分解ガスDGは、アンモニア回収設備60の吸収塔61に流入する。吸収塔61では、分解ガスDGと水とを接触させ、分解ガスDG中の残留アンモニアを水に溶解させる。この結果、吸収塔61では、アンモニア水が生成される。また、吸収塔61からは、残留アンモニアがほぼ除去された分解ガスDGである処理済みガスPGが排気される。アンモニア水は、アンモニア水ライン63を介して、アンモニア回収設備60の分離塔65に流入する。また、この分離塔65には、リボイラ67から、排熱回収ボイラ20の中圧蒸気発生系23からの中圧蒸気ISと水との熱交換により発生した水蒸気も流入する。なお、リボイラ67で水を加熱する媒体としては、前述したように、中圧蒸気ISでなくてもよく、例えば、高圧蒸気発生系25の過熱器からの高圧蒸気HS、高圧蒸気発生系25の節炭器からの熱水、又は、中圧蒸気発生系23の節炭器からの熱水であってもよい。分離塔65に流入したアンモニア水は、分離塔65に流入した蒸気により加熱されて、アンモニア水中のアンモニアが液相から気相に移行し、分離塔65から排出される。分離塔65から排出された気相のアンモニア、つまり気体アンモニアNHGは、アンモニア圧縮機95cで昇圧され、アンモニア回収ライン95を介して、アンモニア加熱器52に送られる(アンモニア回収工程S5)。
よって、本実施形態におけるアンモニア加熱器52では、アンモニア気化器51からの気体アンモニアNHGの他、アンモニア回収設備60からの気体アンモニアNHGを蒸気で加熱することになる。
なお、前述したように、アンモニア回収設備60における水分凝縮器68の後段にアンモニア凝縮器を設けた場合には、アンモニア凝縮器からの液体アンモニアNHLをアンモニアタンク50又はアンモニア気化器51に戻してもよい。この場合、アンモニア気化器51では、アンモニア回収設備60からの液体アンモニアNHLも蒸気で加熱し、これを気化させることになる。
吸収塔61から排気された処理済みガスPGは、処理済みガスライン96を介して、水素精製設備70に流入する。水素精製設備70では、処理済みガスPGから水素が精製されると共に、水素を含むオフガスOGが生成される(水素精製工程S6)。処理済みガスPGから精製された高純度の水素は、水素ライン99を介して、水素タンク79に送られる。また、水素の精製過程で得られたオフガスOGは、オフガスライン97を介して、燃料として燃焼器12の中心部バーナ12bcに供給される(副燃料供給工程S7)。
中心部バーナ12bcに送れた水素を含むオフガスOGは、この中心部バーナ12bcから燃焼筒12p内に噴出され、圧縮空気中で燃焼する。また、複数の周辺部バーナ12bpに送られた加熱アンモニアNHHは、複数の周辺部バーナ12bpから燃焼筒12p内に噴出され、圧縮空気中で燃焼する。オフガスOG及び加熱アンモニアNHHの燃焼で生成された燃焼ガスは、タービン13に流入して、このタービン13を駆動させる。タービン13を駆動させた燃焼ガスは、排気ガスとして排熱回収ボイラ20のボイラ枠21内に流入する。
水素は、アンモニアに比べて、燃焼速度が速い。このため、水素を含む燃料を燃焼させた場合、燃焼筒12p内で局所高温が発生し易く、燃焼ガス中のNOx濃度が高まる可能性がある。そこで、本実施形態では、水素を含むオフガスOGを中心部バーナ12bcから燃焼筒12p内に噴射し、このオフガスOGの噴流の周りを、複数の周辺部バーナ12bpからのアンモニアの噴流で囲んでいる。このため、本実施形態では、水素を含むオフガスOGを燃焼させても、燃焼筒12p内で局所高温の発生が抑制され、燃焼ガス中のNOx濃度を抑えることができる。
以上、本実施形態では、液体アンモニアNHLから気体アンモニアNHGが加熱された加熱アンモニアNHHを生成する。そして、本実施形態では、この加熱アンモニアNHHの一部を燃料としてガスタービン10に供給する。さらに、本実施形態では、この加熱アンモニアNHHの他の一部を熱分解させて、水素を含む分解ガスDGを生成してから、この分解ガスDGの少なくとも一部から水素を精製して、高純度水素を水素タンク79に導く。よって、本実施形態では、単に、液体アンモニアNHLの全てをガスタービン10の燃料として利用する場合よりも、液体アンモニアNHLの利用価値を高めることができる。
また、本実施形態では、液体アンモニアNHLから、ガスタービン10に燃料として供給する加熱アンモニアNHHを生成するために必要なアンモニア気化器51及びアンモニア加熱器52を、高純度水素の精製にも用いているため、設備コスト及びランニングコストを抑えることができる。さらに、本実施形態では、アンモニア気化器51での液体アンモニアNHLの加熱、アンモニア加熱器52での気体アンモニアNHGの加熱、及び、アンモニア分解器53での気体アンモニアNHGの熱分解の、熱源として、排熱回収ボイラ20からの蒸気又は熱水を用いている。よって、本実施形態では、この観点からもランニングコストを抑えることができる。
以上のように、本実施形態では、設備コスト及びランニングコストを抑えつつ、アンモニアの利用価値を高めることができる。
本実施形態では、アンモニア分解器53からの分解ガスDGからアンモニアを回収し、アンモニアが回収された分解ガスDGを水素精製設備70に送る一方で、アンモニア回収設備60で回収されたアンモニアを、アンモニアタンク50とアンモニア気化器51とアンモニア加熱器52とのうちのいずれかに戻すことができる。このため、本実施形態は、アンモニアタンク50内のアンモニアのほとんどを有効利用することができる。
本態様では、水素精製設備70で水素を精製している過程で生じた、水素を含むオフガスOGを、燃料としてガスタービン10に送るので、オフガスOG中の水素も有効利用することができる。
「変形例」
以上の実施形態における水素精製設備70では、アンモニアを吸着できるアンモニア吸着材Abを用いるが、水素を吸着できる水素吸着材を用いてもよい。この場合、水素精製設備は、高圧下で水素を吸着し、低圧下で水素を放出できる水素吸着材を有し、圧力変動吸着法で、前記分解ガスの少なくとも一部から水素を精製可能である。このように水素吸着材を用いる場合、水素を水素吸着材で吸着している過程で、水素吸着材を通過した水素及び未分解のアンモニアを含むガスをオフガスとして燃焼器12に供給し、低圧下で水素吸着材から放出された水素を水素タンク79に供給する。
以上の実施形態における排熱回収ボイラ20は、蒸気の圧力及び温度が互いに異なる三種類の蒸気発生系22,23,25を有する。しかしながら、排熱回収ボイラ20は、アンモニア気化器51、アンモニア加熱器52、アンモニア分解器53、アンモニア回収設備60のそれぞれに適切な温度の蒸気又は熱水を供給することができれば、蒸気発生系は、一種類又は二種類であってもよい。
以上の実施形態における蒸気タービン設備30は、流入蒸気の圧力が互いに異なる三種類の蒸気タービン31,32,33を有する。しかしながら、蒸気タービン設備30は、蒸気タービンとして、一種類の蒸気タービンのみを有してもよい。また、排熱回収ボイラ20からの蒸気は、蒸気タービンに利用されなくても、例えば、工場等の熱源等に利用されてもよい。この場合、排熱回収ボイラ20の蒸気発生系は、蒸気タービンを駆動させるための蒸気を発生する蒸気発生系として、一種類の蒸気発生系のみを有していればよい。
以上の実施形態では、アンモニア気化器51とアンモニア加熱器52とが互いに個別の機器である。しかしながら、アンモニア気化器51とアンモニア加熱器52とは、一体化してもよい。すなわち、一つの熱交換器で、蒸気又は熱水と液体アンモニアNHLとを熱交換させ、液体アンモニアNHLを加熱して、この液体アンモニアNHLを気体アンモニアNHGにし、その後、さらに気体アンモニアNHGを加熱して加熱アンモニアNHHにしてもよい。
以上、本開示の実施形態について詳述したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲において、種々の追加、変更、置き換え、部分的削除等が可能である。
「付記」
以上の実施形態及び変形例におけるガスタービンプラントは、例えば、以下のように把握される。
(1)第一態様におけるガスタービンプラントは、
液体アンモニアNHLを貯蔵可能なアンモニアタンク50と、アンモニアを燃料として駆動可能なガスタービン10と、前記ガスタービン10からの排気ガスの熱を利用して蒸気を発生可能な排熱回収ボイラ20と、前記排熱回収ボイラ20からの蒸気又は熱水と前記アンモニアタンク50からの液体アンモニアNHLとを熱交換させて、前記液体アンモニアNHLを気化させ、気体アンモニアNHGを生成可能なアンモニア気化器51と、前記排熱回収ボイラ20からの蒸気又は熱水と前記アンモニア気化器51からの前記気体アンモニアNHGとを熱交換させて、前記気体アンモニアNHGを加熱可能なアンモニア加熱器52と、前記アンモニア加熱器52で加熱された気体アンモニアNHGである加熱アンモニアNHHの一部を燃料として前記ガスタービン10に導くことが可能な加熱アンモニア主ライン87と、前記加熱アンモニア主ライン87から分岐している加熱アンモニア分岐ライン89と、前記排熱回収ボイラ20からの蒸気と前記加熱アンモニア分岐ライン89からの前記加熱アンモニアNHHとを熱交換させて、前記加熱アンモニアNHHを熱分解させて、水素を含む分解ガスDGを生成可能なアンモニア分解器53と、前記分解ガスDGの少なくとも一部から水素を精製可能な水素精製設備70と、前記水素精製設備70で精製された水素である高純度水素を水素タンク79に導くことが可能な水素ライン99と、を備える。
本態様では、液体アンモニアNHLから気体アンモニアNHGが加熱された加熱アンモニアNHHを生成する。そして、本態様では、この加熱アンモニアNHHの一部を燃料としてガスタービン10に供給する。さらに、本態様では、この加熱アンモニアNHHの他の一部を熱分解させて、水素を含む分解ガスDGを生成してから、この分解ガスDGの少なくとも一部から水素を精製して、高純度水素を水素タンク79に導く。よって、本態様では、単に、液体アンモニアNHLの全てをガスタービン10の燃料として利用する場合よりも、液体アンモニアNHLの利用価値を高めることができる。
また、本態様では、液体アンモニアNHLから、ガスタービン10に燃料として供給する加熱アンモニアNHHを生成するために必要なアンモニア気化器51及びアンモニア加熱器52を、高純度水素の精製にも用いているため、設備コスト及びランニングコストを抑えることができる。さらに、本態様では、アンモニア気化器51での液体アンモニアNHLの加熱、アンモニア加熱器52での気体アンモニアNHGの加熱、及び、アンモニア分解器53での気体アンモニアNHGの熱分解の、熱源として、排熱回収ボイラ20からの蒸気又は熱水を用いている。よって、本態様では、この観点からもランニングコストを抑えることができる。
(2)第二態様におけるガスタービンプラントは、
前記第一態様におけるガスタービンプラントにおいて、前記水素精製設備70は、高圧下でアンモニアを吸着し、低圧下でアンモニアを放出できるアンモニア吸着材Abを有し、圧力変動吸着法で、前記分解ガスDGの少なくとも一部から未分解のアンモニアを除去して水素を精製可能である。
(3)第三態様におけるガスタービンプラントは、
前記第二態様におけるガスタービンプラントにおいて、前記水素精製設備70で水素を精製している過程で生じた、水素を含むオフガスOGを、燃料として前記ガスタービン10に導くことが可能なオフガスライン97を備える。
本態様では、水素精製設備70で水素を精製している過程で生じた、水素を含むオフガスOGを、燃料としてガスタービン10に送るので、オフガスOG中の水素も有効利用することができる。
(4)第四態様におけるガスタービンプラントは、
前記第三態様におけるガスタービンプラントにおいて、前記ガスタービン10は、空気を圧縮して圧縮空気を生成可能な空気圧縮機11と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成可能な燃焼器12と、前記燃焼器12からの前記燃焼ガスで駆動可能なタービン13と、を有する。前記燃焼器12は、前記燃料が内部で燃焼可能で、筒軸線Ac周りに筒状の筒12pと、前記筒12p内に燃料を噴射可能な複数のバーナ12bと、を有する。複数のバーナ12bは、中心部バーナ12bcと、前記中心部バーナ12bcの周辺に配置されている複数の周辺部バーナ12bpと、有する。前記中心部バーナ12bcには、前記オフガスライン97が接続されている。前記複数の周辺部バーナ12bpには、前記加熱アンモニア主ライン87が接続されている。
水素は、アンモニアに比べて、燃焼速度が速い。このため、水素を燃料として、燃焼させた場合、燃焼筒12p内で局所高温が発生し易く、燃焼ガス中のNOx濃度が高まる可能性がある。そこで、本態様では、水素を含むオフガスOGを中心部バーナ12bcから筒12p内に噴射し、このオフガスOGの噴流の周りを、複数の周辺部バーナ12bpからのアンモニアの噴流で囲んでいる。このため、本態様では、水素を含むオフガスOGを燃焼させても、筒12p内で局所高温の発生が抑制され、燃焼ガス中のNOx濃度を抑えることができる。
(5)第五態様におけるガスタービンプラントは、
前記第一態様から前記第四態様のうちのいずれか一態様におけるガスタービンプラントにおいて、前記アンモニア分解器53からの前記分解ガスDGからアンモニアを回収し、アンモニアが回収された分解ガスDGを前記水素精製設備70に送ることが可能なアンモニア回収設備60と、前記アンモニア回収設備60で回収されたアンモニアを、前記アンモニアタンク50と前記アンモニア気化器51と前記アンモニア加熱器52とのうちのいずれかに導くことができるアンモニア回収ライン95と、を備える。
本態様では、アンモニア分解器53からの分解ガスDGからアンモニアを回収し、アンモニアが回収された分解ガスDGを水素精製設備70に送る一方で、アンモニア回収設備60で回収されたアンモニアを、アンモニアタンク50とアンモニア気化器51とアンモニア加熱器52とのうちのいずれかに戻すことができる。このため、本態様では、アンモニアタンク50内のアンモニアのほとんどを有効利用することができる。
以上の実施形態及び変形例におけるガスタービンプラントにおけるアンモニア利用方法は、例えば、以下のように把握される。
(6)第六態様におけるアンモニア利用方法は、
ガスタービン10と、前記ガスタービン10からの排気ガスの熱を利用して蒸気を発生可能な排熱回収ボイラ20と、を備えるガスタービンプラントにおけるアンモニア利用方法である。この利用方法では、前記排熱回収ボイラ20からの蒸気又は熱水と液体アンモニアNHLとを熱交換させて、前記液体アンモニアNHLを気化させ、気体アンモニアNHGを生成するアンモニア気化工程S1と、前記排熱回収ボイラ20からの蒸気又は熱水と前記アンモニア気化工程S1で生成された前記気体アンモニアNHGとを熱交換させて、前記気体アンモニアNHGを加熱するアンモニア加熱工程S2と、前記アンモニア加熱工程S2で加熱された気体アンモニアNHGである加熱アンモニアNHHの一部を燃料として前記ガスタービン10に導く主燃料供給工程S3と、前記排熱回収ボイラ20からの蒸気と前記加熱アンモニアNHHの他の一部とを熱交換させて、前記加熱アンモニアNHHを熱分解させて、水素を含む分解ガスDGを生成するアンモニア分解工程S4と、前記分解ガスDGの少なくとも一部から水素を精製する水素精製工程S6と、を実行する。
本態様では、第一態様におけるガスタービンプラントと同様に、設備コスト及びランニングコストを抑えつつ、アンモニアの利用価値を高めることができる。
(7)第七態様におけるアンモニア利用方法は、
前記第六態様におけるアンモニア利用方法において、前記水素精製工程S6では、高圧下でアンモニアを吸着し、低圧下でアンモニアを放出できるアンモニア吸着材Abを用いて、圧力変動吸着法で、前記分解ガスDGの少なくとも一部から未分解のアンモニアを除去して水素を精製する。
(8)第八態様におけるアンモニア利用方法は、
前記第七態様におけるアンモニア利用方法において、前記水素精製工程S6で、水素を精製している過程で生じた、水素を含むオフガスOGを、燃料として前記ガスタービン10に導く副燃料供給工程S7を実行する。
本態様では、第三態様におけるガスタービンプラントと同様に、水素精製工程S6で水素を精製している過程で生じたオフガス中の水素を有効利用することができる。
(9)第九態様におけるアンモニア利用方法は、
前記第六態様から前記第八態様のうちのいずれか一態様におけるアンモニア利用方法において、前記分解ガスDGからアンモニアを回収するアンモニア回収工程S5を実行する。前記水素精製工程S6では、前記アンモニア回収工程S5でアンモニアが回収された分解ガスDGから水素を精製する。前記アンモニア気化工程S1と前記アンモニア加熱工程S2とのうち、いずれか一の工程では、前記アンモニア回収工程S5で回収されたアンモニアと、前記排熱回収ボイラ20からの蒸気又は熱水とを熱交換させる。
本態様では、第五態様におけるガスタービンプラントと同様に、アンモニアタンク50内のアンモニアのほとんどを有効利用することができる。
10:ガスタービン
11:空気圧縮機
11r:圧縮機ロータ
11c:圧縮機ケーシング
12:燃焼器
12p:燃焼筒
12b:バーナ
12bc:中心部バーナ
12bp:周辺部バーナ
13:タービン
13r:タービンロータ
13c:タービンケーシング
14:ガスタービンロータ
20:排熱回収ボイラ
21:ボイラ枠
22:低圧蒸気発生系
22a:節炭器
22b:蒸発器
22c:過熱器
23:中圧蒸気発生系
24:中圧ポンプ
25:高圧蒸気発生系
26:高圧ポンプ
28:スタック
29:脱硝装置
30:蒸気タービン設備
31:低圧蒸気タービン
32:中圧蒸気タービン
33:高圧蒸気タービン
34:蒸気タービンロータ
35:復水器
36:給水ライン
37:給水ポンプ
39:発電機
41:低圧蒸気ライン
42:中圧蒸気ライン
43:高圧蒸気ライン
44:高圧排気蒸気ライン
45:中圧排気蒸気ライン
50:アンモニアタンク
51:アンモニア気化器
52:アンモニア加熱器
53:アンモニア分解器
60:アンモニア回収設備
61:吸収塔
61a:充填物
62:水ライン
63:アンモニア水ライン
64:アンモニア水加熱器
65:分離塔
65a:棚段
66:水循環ライン
67:リボイラ
68:水分凝縮器
69:水回収ライン
70:水素精製設備
71a:第一吸着塔
71b:第二吸着塔
72a:第一処理済みガスライン
72b:第二処理済みガスライン
73a:第一処理済みガス弁
73b:第二処理済みガス弁
74a:第一オフガスライン
74b:第二オフガスライン
75a:第一オフガス弁
75b:第二オフガス弁
76:真空ポンプ
77a:第一水素ライン
77b:第二水素ライン
78a:第一水素弁
78b:第二水素弁
77c:水素圧縮機
79:水素タンク
80:液体アンモニアライン
81:アンモニアポンプ
82:気体アンモニアライン
83:低圧蒸気分岐ライン
84:低圧蒸気回収ライン
85:第一中圧蒸気分岐ライン
86:第一中圧蒸気回収ライン
87:加熱アンモニア主ライン
88:主燃料弁
89:加熱アンモニア分岐ライン
89v:分岐弁
90:分解ガスライン
91:高圧蒸気分岐ライン
92:高圧蒸気回収ライン
93:第二中圧蒸気分岐ライン
94:第二中圧蒸気回収ライン
95:アンモニア回収ライン
95c:アンモニア圧縮機
96:処理済みガスライン
97:オフガスライン
97c:オフガス圧縮機
98:副燃料弁
99:水素ライン
Ab:アンモニア吸着材
Ac:筒軸線
CA:圧縮空気
LS:低圧蒸気
IS:中圧蒸気
HS:高圧蒸気
NHL:液体アンモニア
NHG:気体アンモニア
NHH:加熱アンモニア
DG:分解ガス
PG:処理済みガス
OG:オフガス

Claims (9)

  1. 液体アンモニアを貯蔵可能なアンモニアタンクと、
    アンモニアを燃料として駆動可能なガスタービンと、
    前記ガスタービンからの排気ガスの熱を利用して蒸気を発生可能な排熱回収ボイラと、
    前記排熱回収ボイラからの蒸気又は熱水と前記アンモニアタンクからの液体アンモニアとを熱交換させて、前記液体アンモニアを気化させ、気体アンモニアを生成可能なアンモニア気化器と、
    前記排熱回収ボイラからの蒸気又は熱水と前記アンモニア気化器からの前記気体アンモニアとを熱交換させて、前記気体アンモニアを加熱可能なアンモニア加熱器と、
    前記アンモニア加熱器で加熱された気体アンモニアである加熱アンモニアの一部を燃料として前記ガスタービンに導くことが可能な加熱アンモニア主ラインと、
    前記加熱アンモニア主ラインから分岐している加熱アンモニア分岐ラインと、
    前記排熱回収ボイラからの蒸気と前記加熱アンモニア分岐ラインからの前記加熱アンモニアとを熱交換させて、前記加熱アンモニアを熱分解させて、水素を含む分解ガスを生成可能なアンモニア分解器と、
    前記分解ガスの少なくとも一部から水素を精製可能な水素精製設備と、
    前記水素精製設備で精製された水素である高純度水素を水素タンクに導くことが可能な水素ラインと、
    を備えるガスタービンプラント。
  2. 請求項1に記載のガスタービンプラントにおいて、
    前記水素精製設備は、高圧下でアンモニアを吸着し、低圧下でアンモニアを放出できるアンモニア吸着材を有し、圧力変動吸着法で、前記分解ガスの少なくとも一部から未分解のアンモニアを除去して水素を精製可能である、
    ガスタービンプラント。
  3. 請求項2に記載のガスタービンプラントにおいて、
    前記水素精製設備で水素を精製している過程で生じた、水素を含むオフガスを、燃料として前記ガスタービンに導くことが可能なオフガスラインを備える、
    ガスタービンプラント。
  4. 請求項3に記載のガスタービンプラントにおいて、
    前記ガスタービンは、
    空気を圧縮して圧縮空気を生成可能な空気圧縮機と、
    前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成可能な燃焼器と、
    前記燃焼器からの前記燃焼ガスで駆動可能なタービンと、
    を有し、
    前記燃焼器は、
    前記燃料が内部で燃焼可能で、筒軸線周りに筒状の筒と、
    前記筒内に燃料を噴射可能な複数のバーナと、
    を有し、
    複数のバーナは、中心部バーナと、前記中心部バーナの周辺に配置されている複数の周辺部バーナと、有し、
    前記中心部バーナには、前記オフガスラインが接続され、
    前記複数の周辺部バーナには、前記加熱アンモニア主ラインが接続されている、
    ガスタービンプラント。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のガスタービンプラントにおいて、
    前記アンモニア分解器からの前記分解ガスからアンモニアを回収し、アンモニアが回収された分解ガスを前記水素精製設備に送ることが可能なアンモニア回収設備と、
    前記アンモニア回収設備で回収されたアンモニアを、前記アンモニアタンクと前記アンモニア気化器と前記アンモニア加熱器とのうちのいずれかに導くことができるアンモニア回収ラインと、
    を備えるガスタービンプラント。
  6. ガスタービンと、前記ガスタービンからの排気ガスの熱を利用して蒸気を発生可能な排熱回収ボイラと、を備えるガスタービンプラントにおけるアンモニア利用方法において、
    前記排熱回収ボイラからの蒸気又は熱水と液体アンモニアとを熱交換させて、前記液体アンモニアを気化させ、気体アンモニアを生成するアンモニア気化工程と、
    前記排熱回収ボイラからの蒸気又は熱水と前記アンモニア気化工程で生成された前記気体アンモニアとを熱交換させて、前記気体アンモニアを加熱するアンモニア加熱工程と、
    前記アンモニア加熱工程で加熱された気体アンモニアである加熱アンモニアの一部を燃料として前記ガスタービンに導く主燃料供給工程と、
    前記排熱回収ボイラからの蒸気と前記加熱アンモニアの他の一部とを熱交換させて、前記加熱アンモニアを熱分解させて、水素を含む分解ガスを生成するアンモニア分解工程と、
    前記分解ガスの少なくとも一部から水素を精製する水素精製工程と、
    を実行するアンモニア利用方法。
  7. 請求項6に記載のアンモニア利用方法において、
    前記水素精製工程では、高圧下でアンモニアを吸着し、低圧下でアンモニアを放出できるアンモニア吸着材を用いて、圧力変動吸着法で、前記分解ガスの少なくとも一部から未分解のアンモニアを除去して水素を精製する、
    アンモニア利用方法。
  8. 請求項7に記載のアンモニア利用方法において、
    前記水素精製工程で、水素を精製している過程で生じた、水素を含むオフガスを、燃料として前記ガスタービンに導く副燃料供給工程を実行する、
    アンモニア利用方法。
  9. 請求項6から8のいずれか一項に記載のアンモニア利用方法において、
    前記分解ガスからアンモニアを回収するアンモニア回収工程を実行し、
    前記水素精製工程では、前記アンモニア回収工程でアンモニアが回収された分解ガスから水素を精製し、
    前記アンモニア気化工程と前記アンモニア加熱工程とのうち、いずれか一の工程では、前記アンモニア回収工程で回収されたアンモニアと、前記排熱回収ボイラからの蒸気又は熱水とを熱交換させる、
    アンモニア利用方法。
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