JP2023124498A - 菌又はウイルスの不活化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】人や人体近傍の空間に対して紫外線の照射を行う際に、所定の照射線量上限値以下としても、より広い範囲への紫外線照射を有効に行うことができる、菌又はウイルスの不活化装置を提供する。【解決手段】菌又はウイルスの不活化装置であって、主たる発光波長が190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する紫外線を発する紫外光源と、開口又は窓部材で構成された光取り出し面を含み、前記紫外光源を内側に収容する筐体と、前記光取り出し面を通過した前記紫外線が入射されて、前記紫外線の進行方向を変更する反射部材とを備え、前記反射部材は、入射された前記紫外線の光軸を、前記光取り出し面に平行な第一方向に関して、直接前記筐体から離れる方向、又は前記筐体の中心箇所に近づいた後に前記筐体から離れる方向に変更させる反射面を有する。【選択図】 図3

Description

本発明は、菌又はウイルスの不活化装置に関する。
空間中又は物体表面に存在する菌又はウイルスは、主に空気感染やエアロゾル感染を引き起こす要因となることがあり、感染症の拡大によって生活が脅かされることが懸念される。特に、医療施設、学校、役所等、頻繁に人が集まる施設や、自動車、電車、バス、飛行機、船等の乗物においては、感染症が蔓延しやすいことから、菌又はウイルスを不活化させる有効な手段が必要とされている。
従来、菌又はウイルスの不活化を行う方法として、紫外線を照射する方法が知られている。DNAは波長260nm付近に最も高い吸収特性を示す。そして、低圧水銀ランプは、波長254nm付近に高い発光スペクトルを示す。このため、低圧水銀ランプを用いて殺菌を行う技術が広く利用されている。
しかし、特定の波長帯の紫外線は、人体に照射すると、人体に影響を及ぼすリスクがあることが知られている。このため、人に紫外線を照射しないように、空間中又は物体表面に存在する菌又はウイルスを不活化するための方法や装置が検討されている。
例えば、下記特許文献1には、空間内の天井に吊るすように設置して、殺菌用ランプから出射される紫外線が空間内にいる人に直接照射されないように、天井側に向かって出射する殺菌灯が記載されている。
実開平05-021951号公報
一般的に菌又はウイルスは、特に、人体の表面(例えば皮膚や髪の毛)や、人が頻繁に接触する物体表面(例えば、机やドアノブ)や、人が頻繁に往来する空間中の飛沫や空気を介して、人から人への感染が広まる。そのため、菌やウイルスの不活化を行うにあたっては、人体近傍の空間に対して紫外線照射を行うことが望ましい。
しかし、前述した通り、紫外線を無制限に人体近傍の空間に照射することは、人体の安全の観点から好ましくない。この観点から、人体の安全を考慮した照射線量上限の基準が定められている。本願出願日の時点では、例えばACGIH(American Conference of Governmental Industrial Hygienists:米国産業衛生専門家会議)の規格によれば、波長帯域に応じて、人体に対する8時間あたりの紫外線照射線量の許容限界値(TLV:Threshold Limit Value)が定められている。
一方で、例えば、室内の天井に光源を下向きで設置した場合に、その真下の領域における照度は、当該真下の領域から離れた領域における照度よりも高くなる。よって、人体近傍の空間に対して紫外線を照射すべく、菌又はウイルスの殺菌ランプ等を室内の天井に下向きで設置した場合に、最も照度が大きくなるのは、取付位置の真下付近の領域である。当然、当該真下の領域に人間(人体)が存在することも想定される。よって、このように人体近傍の空間に紫外線を照射するに際しては、照度が最大となる領域、現在の例では殺菌灯の真下の領域、を基準として、前述のACGIHの規格等に従って、紫外線の照射線量が管理されることなる。この場合、この領域の周囲、すなわち殺菌灯の真下方向を0度とした時の、広角の範囲にあたる領域においては、紫外線の照射線量がより制限され、菌又はウイルスの不活化効果が少なくなりかねない。
本発明は、上記事情に基づき、菌又はウイルスの不活化を行うべく紫外光源を用いて紫外線の照射を行う際に、照射線量を規格等で定められた基準値以下となるように紫外光源を制御した場合であっても、広範囲への不活化効果を従来よりも高めることのできる、菌又はウイルスの不活化装置を提供するものである。
本発明に係る菌又はウイルスの不活化装置は、
主たる発光波長が190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する紫外線を発する紫外光源と、
開口又は窓部材で構成された光取り出し面を含み、前記紫外光源を内側に収容する筐体と、
前記光取り出し面を通過した前記紫外線が入射されて、前記紫外線の進行方向を変更する反射部材とを備え、
前記反射部材は、入射された前記紫外線の光軸を、前記光取り出し面に平行な第一方向に関して、直接前記筐体から離れる方向、又は前記筐体の中心箇所に近づいた後に前記筐体から離れる方向に変更させる反射面を有することを特徴とする。
本明細書において「主たる発光波長」とは、発光スペクトルにおけるピーク強度に対して、10%以上の相対強度を示す波長帯域をいう。
本明細書において、「不活化」とは、菌やウイルスを死滅させる又は感染力や毒性を失わせることを包括する概念を指し、「菌」とは、細菌や真菌(カビ)等の微生物を指す。以下において、「菌又はウイルス」を「菌等」と総称することがある。また、以下では、「菌又はウイルスの不活化装置」を単に「不活化装置」と略記することがある。
本明細書において、光取り出し面を通過して、不活化装置から出射する紫外線の出射角について言及する場合には、光取り出し面に直交する方向に進行する光線の光軸を基準とした角度とする。この定義に基づけば、不活化装置から出射して、光取り出し面に直交する方向(法線方向)に進行する紫外線の出射角は0度である。
本発明に係る菌又はウイルスの不活化装置においては、筐体に収容された紫外光源が発する紫外線の進行方向が、光取り出し面を通過した後、反射部材によって変更される。反射部材が、前記筐体から離れる方向に、紫外線を反射することにより、不活化装置から出射する紫外線の出射角が大きくなる。従来であれば、出射角が0度方向の紫外線の放射強度が最大となるため、0度方向の紫外線が照射される領域における照度(以下、「0度方向の照度」と便宜上記載する。)、すなわち光取り出し面に対して法線方向に対向する領域の照度が高くなる。しかしながら、本発明によれば、不活化装置から出射する紫外線の出射角が大きくなるので、出射角が大きい広角の方向への紫外線の放射強度が、0度方向への紫外線の放射強度よりも高くなり、広角の方向に対向する領域の照度(以下、「広角の方向の照度」と便宜上記載する。)が高くなる。すなわち、0度方向への紫外線の放射強度は、広角の方向への紫外線の放射強度よりも低くなり、0度方向の照度は前記広角の方向の照度と比べて相対的に低下する。このため、人間や人体近傍の空間への紫外線照射を行う際に、照射線量がACGIH等で定められる基準値以下となるような強度で紫外光源を点灯させたとしても、紫外線照射は広範囲に行われることから、効果的に菌又はウイルスの不活化を行うことができる。
また、本発明によれば、不活化装置の光取り出し面から出射される紫外線の放射強度を角度別に分解した場合における最大値を示す角度(以下、「ピーク角度」という。)は広角の方向に存在する。光取り出し面から出射する紫外線のピーク角度は、30度以上90度未満となるように設計されることが好ましく、30度以上85度未満となるように設計されることがより好ましい。これにより、人間や人体近傍の空間への紫外線照射を行いつつも、広範囲に紫外線照射を行うことができ、空間中に存在する菌又はウイルスの不活化を効果的に行うことができる。
また、当該ピーク角度が、40度以上としても良く、更には45度以上、更には50度以上となるように設計しても良い。これにより、人間や人体近傍の空間への紫外線照射を行いつつも、広角の方向における紫外線照射をより主体的に行うことができる。なお、当該角度範囲の下限は、後述する光学フィルタを用いる場合において、光学フィルタの入射角に対する透過率の分布に基づいて設計されるものであってもよい。詳細は後述する。
前記菌又はウイルスの不活化装置は、前記反射部材の前記反射面で反射された前記紫外線のうち、前記光取り出し面に直交する第二方向に関して、前記紫外光源側に近づくように進行する紫外線の少なくとも一部を遮る遮光部材を備えるものとしても構わない。
念のために記載すると、前記反射部材の前記反射面で反射された前記紫外線のうち、前記光取り出し面に直交する第二方向に関して、前記紫外光源側に近づくように進行する紫外線とは、必ずしも前記紫外光源に近づくように進行する紫外線のみを意味するものではなく、前記光取り出し面の面内方向に関して、前記紫外光源から離れるように進行する紫外線であっても、前記第二方向に関して、前記紫外光源側に近づくように進行する紫外線を含む意図である。
実際の対象空間に対して、紫外線を用いて空間中又は物体表面の菌等を不活化することを検討した場合、この対象空間内に、紫外線が照射されることは望ましくない領域が存在する場合がある。そして、このような領域は、設置される不活化装置を基準として、紫外線照射を予定する領域の反対側にある場合が多い。例えば、不活化装置を天井や壁に設置して、室内に菌又はウイルスの不活化のための紫外線を照射することを検討した場合、紫外光源の点灯時間が長くなるに伴い、天井や壁における照射線量(露光量)が増加することが想定される。天井や壁には、壁紙等の建築シート(シート材)が配設されているのが一般的であり、これらは通常高分子の樹脂で構成されている。このため、紫外線の照射線量が考慮されず、当該紫外線の照射線量が増加すると、樹脂を構成する分子鎖の一部が切断される等して、シート材が劣化し、これに伴って天井や壁の美観が損なわれ、防水や防塵の機能を低下させることも考えられる。一方で、上記の構成のように、不活化装置の紫外光源がある側、すなわち、紫外線照射を予定する領域の反対側に近づく紫外線を遮る遮光部材を備えることにより、紫外線照射を望まない領域への照射を防ぎつつ、照射対象の領域に対して紫外線照射を行うことが可能となる。
前記菌又はウイルスの不活化装置は、前記反射面で反射された前記紫外線の光路上において、前記紫外線を拡散させる拡散部材を備えるものとしても構わない。
反射部材によって、紫外線の出射角が広角に拡げられた後、拡散部材によって紫外線の照射範囲がさらに拡げられることにより、より広範囲に紫外線を照射することが可能となる。さらに、前記不活化装置が拡散部材を備えることによって、光線の出射角毎の放射強度の差が低下する。不活化装置1から出射される紫外線の出射角が広角に拡がるとはいえ、際立って放射強度が高い出射方向が存在する場合には、その出射方向の放射強度によって、紫外線量を管理した結果、その他の方向への紫外線の照射が少なくなってしまう場合も想定される。前記不活化装置が拡散部材を備えれば、前記不活化装置から出射される紫外線の出射方向に関して、際立って放射強度が高い出射方向が現れにくくなり、空間中又は物体表面への紫外線照射を有効に行うことができる。
前記菌又はウイルスの不活化装置は、前記紫外光源が発する前記紫外線の光路上において、前記光取り出し面と前記紫外光源との間の位置に、前記紫外光源が発する前記紫外線を前記第二方向に指向させる光制御部を備えるものとしても構わない。
紫外光源が発する光線は一定の発散角を有して進行するが、光制御部が当該紫外線を指向させることにより、大部分の紫外線を光取り出し面に対して小さい入射角で入射させることができる。この結果、光取り出し面を通過した紫外線の大部分は、反射部材の位置に導かれ、反射部材に入射する。これにより、紫外線の出射角を拡げる制御が容易となる。光制御部としては、コリメータレンズ等の光学レンズや、凹面状又はテーパ状の反射面を用いることができる。例えば、紫外光源がLED素子等の固体光源である場合には、コリメータレンズ等の光学レンズを好適に利用でき、紫外光源が、発光ガスが封入された管体を含むランプである場合には、管体と光取り出し面の間に配置されたテーパ状の反射面を有するブロックが好適に利用できる。後者の場合、このブロック自体を金属製材料で構成することで、ランプの電極として兼用することもできる。また、光学レンズと凹面状又はテーパ状の反射面を併用する形態であってもよい。
前記紫外光源と前記反射部材との間には光学フィルタが設けられ、前記光学フィルタは、前記紫外光源が発する紫外線のうち、波長190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する紫外線を透過し、波長240nm以上300nm未満の紫外線の透過を抑制するものとしても構わない。
本明細書において、「紫外線の透過を抑制する」とは、紫外光源が発する紫外線のうち、波長190nm以上240nm未満の波長範囲内におけるピーク波長の光強度に対して、光学フィルタを通過した紫外線のうち、波長240nm以上300nm未満の紫外線の比率を低下させることを指す。本発明では、光学フィルタを用いることで、装置外に照射される波長240nm以上300nm未満の紫外線の放射強度が大幅に抑制される。
近年、波長190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する紫外光は、従来の殺菌線とされる254nmの紫外線に対して、人体への有害性が非常に低いことが分かっている。上述したように、前記不活化装置は、主たる発光波長が190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する紫外線を発する紫外光源を備えている。しかし、紫外光源が発する紫外線は、一般的に、ピーク波長から離れた波長域においても、光出力を示す場合がある。例えば、KrClエキシマランプが発する紫外光のスペクトルにおいては、ほぼ主たるピーク波長である222nm又はその近傍に光出力が集中している一方で、ピーク波長の光強度と比べて極めて低い強度ではあるものの、人体に影響を及ぼすおそれのある、波長240nm以上、300nm以下の波長帯域に属する紫外線の出射が認められる場合がある。前記不活化装置がこのような発光スペクトルを示す紫外光源を備える場合においても、上記光学フィルタを備えることで、紫外光源が発する紫外線に含まれる、波長240nm以上、300nm以下の成分については、透過が抑制されるため、当該波長範囲の紫外線が外部に取り出される量は低下する。よって、人体に対する影響を更に抑制した上で、空間に対して紫外線照射を行うことができる。なお、人体への有害性が非常に低い波長範囲の紫外線であっても、紫外線の照射線量の安全基準に従うことが望ましいことは言うまでもない。
また、光学フィルタは、前述の光制御部と反射部材との間に配置するものであっても良い。紫外線は一定の発散角を有して進行するが、光制御部が当該紫外線を指向させることにより、大部分の紫外線を光学フィルタに対して小さい入射角で入射させることができる。光学フィルタは入射される紫外線の入射角に応じて、波長別の透過率や反射率が変化する特性(入射角依存性)がある。より詳細には、光学フィルタに対する入射角が大きくなると、波長190nm以上240nm未満の波長域の透過率が低下し反射率が増加する。このことは、光学フィルタに対する紫外線の入射角によっては、不活化装置の外部への取り出し効率の低下を招く懸念がある。そのため、前述した光制御部を備えることによって、紫外線を光学フィルタに対して小さい入射角で入射させやすくなり、光取り出し効率が低下しにくくなる。
また、本発明に係る菌又はウイルスの不活化装置においては、光取出し面における出射角が0度の紫外線と0度よりも広角の紫外線とを対比すると、前者よりも後者の放射強度の方が高くなる。
前述の通り、光学フィルタの透過率は紫外線の入射角に依存する。詳細には、光学フィルタに対する光の入射角が0度、すなわち光が光学フィルタに対して垂直に入射する場合において、透過率は最大の値を示し、前記入射角が増大するに伴い、透過率の値は減少する。このため、不活化装置の光取り出し面から出射される紫外線の放射強度を角度別に分解した場合における放射強度の角度分布は、不活化装置に搭載されている光学フィルタの入射角に対する透過率の分布に基づいて設計することもできる。
光学フィルタに対して、紫外光源からの紫外線を入射させたときの、光学フィルタの入射角に対する透過率の分布は、光学フィルタを通過する前の放射強度と、光学フィルタを透過した後の放射強度を、入射角別に分解し、後者を前者で除することで得られる。このようにして得られた入射角に対する透過率の分布においては、上述したように、入射角0度において透過率が最大値を示し、入射角が増大するに従って透過率が逓減する。この入射角に対する透過率の分布において、入射角0度における透過率の値(すなわち透過率の最大値)をTとしたときに、透過率がTの半値(T)を示す透過率を示す入射角(ここでは、「基準角Z」と呼ぶ。)が導かれる。不活化装置における前記ピーク角度が、この基準角Z以上となるように、不活化装置を設計しても構わない。なお、この基準角Zを導出する際には、例えば、紫外光源から出射された光のうち、光学フィルタに0度の入射角で入射して、当該光学フィルタを透過した光の波長スペクトルにおいて、波長190nm以上240nm未満の波長範囲における最も光強度が高い波長の光に対する分析結果を採用することができる。
このように構成すれば、光学フィルタのみを介して紫外線が出射される場合と対比して、出射角がより広角の方向の紫外線の放射強度が増大する。
また、出射角に対する相対放射強度のピーク角度の上限は、上述のとおり85度未満であることが望ましく、更には80度以下としても良い。これにより、不活化装置の紫外光源がある側、すなわち、紫外線照射を予定する領域の反対側に近づく紫外線の成分を抑制しつつ、空間中への紫外線照射を行うことができる。
前記反射面は、錐体形状又は錐台体形状又は曲線の回転体形状を呈した部材の側面で構成されていても構わない。
前記紫外光源は、複数のLED素子を含み、
前記菌又はウイルスの不活化装置は、前記第二方向から見て、前記LED素子の配置密度が相対的に低い又は配置されていない第一領域と、前記第一領域を取り囲むように前記LED素子が複数配置されると共に前記第一領域よりも前記LED素子の配置密度が相対的に高い第二領域とを有するものとしても構わない。
なお、本明細書において、「LED素子の配置密度」は、各LED素子の大きさが同一である場合には、単位面積あたりに配置されるLED素子の数として構わないし、各LED素子の大きさが異なるものが含まれる場合には、単位面積あたりに配置されるLED素子の発光面の面積としても構わない。
紫外光源が複数のLED素子を含む場合には、領域に応じて配置密度を異ならせることが可能である。前記第一領域に配置されるLED素子においては、反射部材の形状や位置によっては、実質外部に紫外線が取り出されない場合も考えられる。このため、前記第一領域には、LED素子を配置しないか、配置密度を低くしてもよい。
このような構成とすることで、第一領域に対して第二方向に対向する領域に照射される紫外線の照度は、その周囲の領域に照射される紫外線の照度と比べて相対的に低くなる。この結果、上述した事情により、例えば不活化装置を天井に取り付けた場合、ACGIHで規定される照射線量に関する基準をクリアするために要求される紫外光源の出力や照射時間の制限は、更に緩和される。
前記第一領域は、前記LED素子が配置されていない領域であり、
前記光取り出し面は、前記第二方向に見て前記第二領域に対向する面であって、環状を呈しても構わない。
前記菌又はウイルスの不活化装置は、前記反射部材の前記反射面で反射された前記紫外線のうち、前記第二方向に関して、前記紫外光源側に近づくように進行する紫外線の少なくとも一部を遮る第一遮光部材と、
前記第二方向に関して、前記紫外光源から離れるように進行する紫外線の少なくとも一部を遮る第二遮光部材と、を備えても構わない。
前述した遮光部材に対する議論と同様の議論が第一遮光部材にも可能である。前記不活化装置が第一遮光部材を備えることにより、紫外線照射を望まない領域への照射を防ぎつつ、照射対象の領域に対して紫外線照射を行うことができる。また、第二方向に関して、紫外光源から離れるように進行する紫外線について、前記第一領域と前記第二領域に分けて考えることができる。まず、前記第一領域を遮光する第二遮光部材を備えることにより、例えば、第二遮光部材を基準として、紫外光源とは反対側に可視光源を設置する等すれば、前記第二領域から紫外線照射を行いつつ、前記第一領域を可視光照明用の領域として利用することができる。この場合、不活化装置は、照明装置としての機能を兼用する。一方で、前記第二領域においては、前述の反射部材によって、主として第二方向に出射された大部分の紫外線の進行方向が変更されるものと考えられるが、一部の紫外線は、反射部材で反射されずに透過して第二方向に進行することが想定される。このような紫外線を遮光することにより、0度方向近傍の放射強度を低下させることができ、広角の方向に優先的に紫外線を照射することが可能となる。
前記反射部材は、前記光取り出し面に直交する第二方向から見て、前記第一領域を取り囲むように配置されても構わない。
前記菌又はウイルスの不活化装置は、入射された前記紫外線の光軸を、前記第一方向に関して、直接前記筐体から離れる方向に変更させる前記反射面と、
前記反射面で反射した前記紫外線を拡散させる拡散部材を備え、
前記拡散部材は、前記第二方向から見て、前記反射部材の外側を取り囲むように配置しても構わない。
前記菌又はウイルスの不活化装置は、入射された前記紫外線の光軸を、前記第一方向に関して、前記筐体の中心箇所に近づいた後に前記筐体から離れる方向に変更させる前記反射面と、
前記反射面で反射した前記紫外線を拡散させる拡散部材を備え、
前記拡散部材は、前記第二方向から見て、前記反射部材の内側を取り囲むように配置しても構わない。
前記菌又はウイルスの不活化装置において、前記紫外光源は、エキシマランプを含み、
前記反射部材の前記反射面で反射された前記紫外線のうち、前記光取り出し面に直交する第二方向に関して、前記紫外光源側に近づくように進行する紫外線の少なくとも一部を遮る遮光部材を備え、
前記遮光部材は、前記光取り出し面に直交する第二方向から見て、前記反射部材を取り囲むように配置されても構わない。
前述した遮光部材に対する議論と同様である。光取り出し面に直交する方向から見て、反射部材を取り囲むように配置される遮光部材を備えることにより、紫外線照射を望まない領域への照射を防ぎつつ、照射対象の領域に対して紫外線照射を行うことができる。
前記菌又はウイルスの不活化装置は、前記反射面で反射した前記紫外線を拡散させる拡散部材を備え、
前記拡散部材は、前記第二方向から見て、前記反射部材の外側を取り囲むように配置されても構わない。
前述した拡散部材に対する議論と同様である。反射部材によって、紫外線の出射角が広角に拡げられた後、拡散部材によって紫外線の照射範囲がさらに拡げられることにより、より広範囲に紫外線照射が可能となる。さらに、拡散部材を備えることで、不活化装置から出射される紫外線において、際立って放射強度が高い出射角が現れにくくなる効果もある。
前記遮光部材は、前記光取り出し面から出射された紫外線が通過する開口部を有し、
前記第二方向から見て、前記開口部と前記光取り出し面とが重ならないように前記筐体が配置されても構わない。
前記遮光部材は、前記反射部材を支持する支持部材を有し、
前記紫外線が、前記支持部材と前記遮光部材の内側面との間を通過する構成としても構わない。
前記菌又はウイルスの不活化装置においては、前記遮光部材の前記紫外線の進行を遮る面の少なくとも一部に、入射された紫外線を可視光に変換する蛍光体層が形成されていても構わない。
遮光部材は、紫外線照射を望まない領域に向かって進行する紫外線を遮ることは前述した通りである。この遮光部材において、前記紫外線の進行を遮る面に前記蛍光体層を形成すれば、単に紫外線を遮蔽した場合と比較して紫外線を有効に活用することができ、不活化装置を用いて紫外線照射を行うと同時に照明装置としても利用することができる。また、前記蛍光体層が出射する可視光は、紫外光源の点灯有無の識別判断にも使用できる。さらに識別性を高めるために、白色ではなく例えば赤、緑等の波長範囲を選択することも可能である。
本発明によれば、菌又はウイルスの不活化を行うべく紫外光源を用いて紫外線の照射を行うに際し、照射線量を規格等で定められた基準値以下となるように紫外光源を制御した場合であっても、広い範囲への不活化効果を従来よりも高めることができる。
本発明に係る菌又はウイルスの不活化装置の第一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図1の光取り出し面に垂直な面の断面を示す斜視図である。 図2に示す断面図をZ方向に見たときの平面図である。 Y方向から見たときの、LED素子の配置態様を示す模式図である。 図3の反射部材の近傍を詳細に示す拡大図である。 本発明に係る第一実施形態の、紫外線の出射角に対する相対放射強度のシミュレーション結果を示すグラフである。 シミュレーションに用いた光学フィルタの特性を示すグラフである。 本発明に係る第一実施形態の第一変形例を模式的に示す斜視図である。 図8の光取り出し面に垂直な面の断面を示す斜視図である。 図9に示す断面図をZ方向に見たときの平面図である。 図10の反射部材の近傍を詳細に示す拡大図である。 本発明に係る第一実施形態の第一変形例の、紫外線の出射角に対する相対放射強度のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明に係る第一実施形態の第二変形例を模式的に示す斜視図である。 図13の光取り出し面に垂直な面の断面を示す斜視図である。 図14に示す断面図をZ方向に見たときの平面図である。 図15の反射部材の近傍を詳細に示す拡大図である。 本発明に係る第一実施形態の第二変形例の、紫外線の出射角に対する相対放射強度のシミュレーション結果を示すグラフである。 第一実施形態の第一領域に可視光源を設置した変形例の断面図である。 第一実施形態の第二変形例の第一領域に可視光源を設置した変形例の断面図である。 第一実施形態の第一領域に可視光照明を設置した変形例を示す斜視図である。 本発明に係る菌又はウイルスの不活化装置の第二実施形態を模式的に示す斜視図である。 図21の光取り出し面に垂直な面の断面を示す斜視図である。 図22に示す断面図をZ方向に見たときの平面図である。 図23のエキシマランプ近傍を詳細に示す拡大図である。 +Y方向から見た時の筐体と遮光部材の関係を示す模式図である。 本発明に係る第二実施形態を+Y方向から見たときの模式図である。 本発明に係る第二実施形態の紫外線の出射角に対する相対放射強度のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明に係る第二実施形態の第一変形例の断面をZ方向に見た平面図である。 本発明に係る第二実施形態の第一変形例の拡散部材を傾斜して配置した場合の断面をZ方向に見た平面図である。 本発明に係る第二実施形態の第一変形例の紫外線の出射角に対する相対放射強度のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明に係る第二実施形態の第一変形例の拡散部材を傾斜して配置した場合の紫外線の出射角に対する相対放射強度のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明に係る第二実施形態の第二変形例の断面をZ方向に見た平面図である。 本発明に係る第二実施形態の第二変形例の紫外線及び可視光の出射角に対する相対放射強度のシミュレーション結果を示すグラフである。 光制御部としてシリンドリカルレンズを用いた例を示す概念図である。 本発明に係る第二実施形態の変形例を示す概念図である。 本発明に係る第二実施形態の他の変形例を示す概念図である。
以下、本発明の菌又はウイルスの不活化装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図面は、いずれも模式的に図示されたものであり、図面上の寸法比や個数は、実際の寸法比や個数と必ずしも一致していない。
本発明の菌又はウイルスの不活化装置は、紫外光源を含んでおり、この紫外光源が発する紫外線を用いて、空間又は物体表面に存在する菌やウイルスの不活化を行うための装置である。特に、この不活化装置が備える紫外光源としては、主たる発光波長が190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する紫外線を発する紫外光源が用いられる。波長が240nmよりも長波長側の紫外線、(特に深紫外光(UVC))は、人の皮膚を透過しやすく、皮膚内部まで浸透しやすい。そのため、人の皮膚内部の細胞がダメージを受けやすい。これに対して、波長240nm未満の紫外線は、人の皮膚表面(例えば角質層)で吸収されやすく、波長が短くなるほど皮膚内部にまで浸透し難いため、紫外線による人体への影響が小さい。このことは、紫外線に対する皮膚を構成するたんぱく質の吸収スペクトルにおいて、波長240nm未満の波長域で吸収率が高くなることからも示唆される。特に、紫外線の波長帯域がより短波長である場合において、人体への安全性がより高められる。そのため、この装置が備える紫外光源が発する紫外線としては、主たる発光波長が波長237nm以下の波長帯域に属する紫外線であることが好ましく、更には、波長235nm以下の波長帯域に属する紫外線であることがより好ましく、波長230nm以下の波長帯域に属する紫外線であることが特に好ましい。また、極めて短波長の紫外線が、大気中に照射されるとオゾンを発生させやすいため、オゾンによる人体への影響を低下させる観点からは、波長200nm以上の波長帯域に属する紫外線の利用がより適している。この観点から、不活化装置が備える紫外光源は、主たる発光波長が波長200nm以上235nm以下の波長帯域に属する紫外線を発する構成であるのが特に好ましい。不活化装置に搭載される紫外光源は、LED素子で構成される場合と、紫外線ランプ(特にはエキシマランプ)で構成される場合とが想定される。以下では、前者の態様が第一実施形態において説明され、後者の態様が第二実施形態において説明される。
[第一実施形態]
図1は、不活化装置1の第一実施形態を模式的に示す斜視図である。図2を参照して後述するように、不活化装置1は、紫外光源としてのLED素子11を備えており、このLED素子11から出射された紫外線を、光取り出し面15を介して不活化装置1の外部に照射する。図2は、光取り出し面15に垂直な面の断面を示す斜視図である。
以下の各図では、光取り出し面に平行な方向をX方向とし、光取り出し面に垂直な方向をY方向とし、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする、X-Y-Z座標系が適宜併記されている。この定義を用いて説明すると、図3は、図2に示す断面図をZ方向に見たときの平面図に対応する。なお、図3では、一部の光線の進行の態様が一点鎖線にて模式的に図示されている。以下の図面においても同様である。
なお、以下の説明では、方向を表現する際に正負の向きを区別する場合には、「+X方向」、「-X方向」のように、正負の符号を付して記載される。また、正負の向きを区別せずに方向を表現する場合には、単に「X方向」と記載される。すなわち、本明細書において、単に「X方向」と記載されている場合には、「+X方向」と「-X方向」の双方が含まれる。Y方向及びZ方向についても同様である。
本実施形態において、X方向が「第一方向」に対応し、Y方向が「第二方向」に対応する。
図1~図3に示すように、本実施形態の不活化装置1は筐体10を備え、この筐体10の内側には前述した紫外光源としてのLED素子11がX-Z面方向に複数配置されている。LED素子11は、主たる発光波長が190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する。一例として、LED素子11のピーク波長は、235nm又は226nmである。
なお、本実施形態では、複数のLED素子11が環状に配置されている。この点については、図4を参照して詳述される。
図1~図2に示すように、本実施形態において、筐体10は円盤形状を呈しており、その一部の面が光取り出し面15を構成する。光取り出し面15は、X-Z平面に平行な面である。光取り出し面15の一部は、LED素子11が発する紫外線U1を透過する材料で構成された窓部材14で形成される。LED素子11が発する紫外線U1は、+Y方向に進行して、窓部材14に向かう。そして、この紫外線U1は、窓部材14内を通過した後、光取り出し面15を介して筐体10の外側に出射される。
本実施形態の不活化装置1は、この窓部材14に光学フィルタ25が付設されている。この光学フィルタ25は、光取り出し面15の面上に設置されていても構わないし、窓部材14の、LED素子11側の面上に形成されていても構わない。光学フィルタ25は、前記紫外光源が発する波長190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する紫外線を透過し、波長240nm以上300nm未満の紫外線の透過を抑制する機能を奏する。光学フィルタ25は、例えば、このような波長選択性を示すように設計された、屈折率の異なる複数の誘電体層の多層膜で形成される。
更に、本実施形態の不活化装置1は、筐体10の内側にコリメータレンズ31を収容する。コリメータレンズ31は、それぞれのLED素子11に対応した位置にレンズ面が配置されており、各LED素子11から出射された光線束の発散角を縮小する。典型的には、コリメータレンズ31は、各LED素子11から出射された光線束を、平行光に変換する。つまり、LED素子11が発する紫外線U1は、コリメータレンズ31でY方向に平行光化された後、小さい入射角で光学フィルタ25に入射する。その後、光学フィルタ25を通過した、波長190nm以上240nm未満の波長域の紫外線U2が筐体10の外部に取り出される。なお、図の簡略化のため、紫外線U1及び紫外線U2は適宜省略して示されている。
上述したように、LED素子11は、主たる発光波長が190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する。しかしながら、LED素子11の発光スペクトルは、波長240nm以上300nm未満の波長帯域内に属する紫外線を含む場合がある。また、主たる発光波長から離れた波長域、すなわち裾の領域において、ピーク波長における強度(ピーク強度)と比較して極めて弱い強度ながらも光強度を示すことがある。光学フィルタ25は、このような、波長240nm以上300nm未満の波長帯域における光の進行を抑制する目的で設置されている。
光学フィルタ25は入射される紫外線U1の入射角に応じて、波長別の透過率や反射率が変化する特性(入射角依存性)がある。より詳細には、LED素子11が出射する紫外線U1において、光学フィルタ25における入射角が大きくなると、波長190nm以上240nm未満の波長域の透過率が低下し反射率が増加する。このことは、紫外線の不活化装置1の外部への取り出し効率の低下を招く懸念がある。このため、LED素子11と光学フィルタ25の間にコリメータレンズ31を備えることにより、LED素子11が発する紫外線U1を、光学フィルタ25に対して小さい入射角で入射させることができるので、光取り出し効率が低下しにくくなる。
さらに、不活化装置1は、光取り出し面15の+Y側に反射部材13を備える。反射部材13は、光取り出し面15から出射された紫外線U2に対して反射性を示す材料からなる反射面13aを含む。本実施形態において、反射部材13の反射面13aは、曲線C1(図3参照)をY方向を軸として回転させた回転体形状の外側面に対応する。詳述すると、反射部材13は、光取り出し面15と平行で、後述する第一領域A1と同程度の面積を持つ上面13tと、当該上面13tの外縁から緩やかに湾曲する外側面を有し、この外側面が反射面13aに相当する。反射面13aのX方向に係る幅D1は、後述する第二領域A2の幅と同程度である(図3参照)。
反射部材13が、上述した形状の反射面13aを有することで、筐体10の光取り出し面15を介して反射面13aに入射した紫外線U2は、X-Z面方向(図3ではX方向のみが図示されている。)に関して直接筐体10から離れるように反射する。反射面13aに用いることができる材料としては例えば、光輝アルミニウムや、アルミニウムなどを蒸着した部材、及び誘電体多層膜を形成した部材などが挙げられる。反射部材13をこれらの材料で構成しても構わないし、反射面13aにのみこれらの材料を用いても構わない。
図4は、Y方向から見たときの、複数のLED素子11の配置態様を示す模式図である。図4において、LED素子11が配置されている領域にハッチングが施されている。すなわち、本実施形態の不活化装置1は、Y方向から見た場合に、LED素子11が配置されていない第一領域A1と、第一領域A1を取り囲むように複数のLED素子11が配置された第二領域A2を有する。光取り出し面15は第二領域A2に対応した形状を示す。すなわち、図4に示すように、光取り出し面15は、Y方向から見たときに環状を呈する。
図5は、図3において一部省略して示した紫外線U2の進行方向を詳細に示す拡大図である。図5に示すように、光取り出し面15を通過した紫外線U2の進行方向が、反射部材13によって変更され、紫外線U2の出射角が大きくなる。すなわち、光取り出し面15おける出射角が大きい広角の方向への紫外線を優先的に照射し、広角の方向に対向する領域の照度を高めることが可能となる。
図6は、不活化装置1から出射する紫外線U2の出射角に対する相対放射強度を求めたシミュレーションS1の結果を示すグラフである。
(シミュレーションS1)
シミュレーションS1は、図1~図3に示した第一実施形態の構成を想定して行ったシミュレーションである。シミュレーションS1において、LED素子11は同心円状に等間隔で、周方向に3周配置するものとした。具体的には、面発光する0.8mm角のLED素子を、半径10mmの円上に20個、半径13mmの円上に27個、半径16mmの円上に33個配置するものとした。また、反射部材13の反射面13aの形状は、LED素子11が配置される円の中心を軸として3次スプライン曲線を回転させた形状で構成されるものとした。また、当該軸方向(以下便宜上、「法線方向」という。)に見た際に、反射面13aは最も外側に配列するLED素子11の位置の外側まで構成される。さらに、コリメータレンズ31は、コリメータレンズ31の入射面における紫外線の入射角が37度以内のものを法線方向に略平行化するものとした。また、光学フィルタ25は図7に示す特性を有するものとして、シミュレーションを行った。
相対放射強度は、任意の出射角における照度測定値から放射強度を得て、最大の放射強度で除して求められる。実際には、JIS C 8105-5「配光測定方法」を参考とし、紫外光源のピーク波長に感度を持つ照度計を用いて、出射角毎の照度測定値から放射強度を得て、各出射角における放射強度の最大値で除した値から、相対放射強度が求められる。出射角は、光取り出し面15の中心を原点とし、前述した通り、Y方向を0度として示すものである。また、出射角が90度の方向とは、X-Z平面に平行な方向に相当するが、出射角が90度の方向は、X方向及びZ方向を含む360度の方向において考慮することが可能である。以下、本明細書で示す出射角に対する相対放射強度のグラフは、この360度の全方向の平均値を示すものである。
紫外線U2の進行方向が反射部材13によって変更される(図5参照)ことの効果について、図6を用いて説明する。図6に示すように、紫外線の相対放射強度は、出射角が0度以上~40度未満の範囲では0を示し、出射角が40度を超えると、紫外線の相対放射強度の値が立ち上がる。さらに、出射角が大きくなるにつれて紫外線の相対放射強度が漸増し、70度付近において最大値を示し、略90度において相対放射強度が0を示すまで漸減する(図6参照)。すなわち、反射部材13によって、紫外線U2の出射角が広角の方向に変更され、出射角が40度以上90度以下の範囲に対して紫外線が照射される結果となる。したがって、0度方向の紫外線が照射される領域における照度よりも、広角の方向の紫外線が照射される領域における照度を高められる。
なお、上述したように、不活化装置1の光取り出し面15から出射される紫外線U2の放射強度を角度別に分解した場合における最大値を示す角度(ピーク角度)は、40度以上90度未満の範囲となるように設計されることが好ましく、より好ましくは40度以上85度未満であり、さらに好ましくは40度以上80度未満の範囲となるように設計されることが好ましい。本実施形態においては、当該ピーク角度は70度付近に位置する。
本シミュレーションS1の結果は、上記の設定条件において導き出されたものであるが、不活化装置1の寸法比又はLED素子の個数等が異なっても、本発明に係る構成とすれば、0度方向よりも、広角の方向の紫外線の放射強度を高められることが理解される。このように、本発明に係る菌又はウイルスの不活化装置によれば、ACGIHの規格に従って、紫外線照射線量を管理した場合において、0度方向の紫外線が照射される領域における照度が最大となる場合よりも、より広い範囲に紫外線の照射が可能となる。
[変形例]
以下において、第一実施形態の各変形例について、図面を参照して説明する。
(第一変形例)
図8は、不活化装置1の第一実施形態の第一変形例を模式的に示す斜視図であり、図9は、光取り出し面15に垂直な面の断面を示す斜視図である。また、図10は、図9に示す断面図をZ方向に見たときの平面図に対応する。第一変形例の構成につき、第一実施形態と異なる箇所を中心に説明する。
第一変形例の不活化装置1は、図8~図10に示すように、光取り出し面15の+Y側に反射部材13を備える。反射部材13が、光取り出し面15から出射された紫外線U2を、X-Z面方向(図10ではX方向のみが図示されている。)に関して直接筐体10から離れるように反射する点は第一実施形態と同様である。第一変形例の不活化装置1において、反射部材13は-Y方向に対して凸形状を示す円錐台形状であり、Y方向に関して第二領域A2(図4参照)と対向する領域において、後述する第二遮光部材23の側部23s、底部23b及び光取り出し面15とに挟まれた空間内に配置される。また、反射部材13は、Y方向から見て、第一領域A1(図4参照)を取り囲むように配置される。図11は、図10における反射部材13近傍の拡大図である。図11に示すように、反射面13aは、反射部材13の外側面で構成されている。図10~図11に示すように、反射面13aは、図X-Z面に平行である光取り出し面15に対して傾斜しており、入射された紫外線U2を筐体10の外側に反射する。
また、第一変形例の不活化装置1は、図8~図10に示すように、反射面13aで反射された紫外線U2のうち、-Y方向、すなわちLED素子11に近づくように進行する紫外線U2の進行を遮る第一遮光部材22を備える。この点について、図11を用いて詳述する。
第一遮光部材22は、図11に示すように、光取り出し面15から出射され、反射面13aで反射された後、後述する拡散部材24において拡散した紫外線U2のうち、-Y方向に関してLED素子11側に近づく紫外線U2の進行を遮る。このように、不活化装置1のLED素子11がある側、すなわち、紫外線照射を予定する領域の反対側に近づく紫外線U2を遮る第一遮光部材22を備えることにより、紫外線照射を望まない領域への照射を防ぐことができる。
第一変形例の不活化装置1において、第一遮光部材22は、X方向に一定の幅を有し、+Y方向に垂直に折れ曲がった鍵形の形状を有する。第一遮光部材22は、この鍵形の形状を、Y方向を軸として回転させた回転体で構成されている。つまり、第一遮光部材22は、外周に側壁22sを有する環状の板部材であり、筐体10の+Y方向に係る端部と連結されている。側壁22sのY方向に係る幅は、拡散部材24のY方向に係る幅と同等か、同等以上としてもよい。つまり拡散部材24のY方向最大位置に対して、側壁22sのY方向最大位置が同等か、同等以上としてもよい。また、側壁22sのY方向に係る幅は、反射部材13のY方向に係る幅と同等か同等以上としてもよい。さらに、側壁22sの+Y方向に係る端部の位置は、拡散部材24の+Y方向に係る端部の位置と同等か、+Y側であってもよい。
なお、第一遮光部材22は、X-Z平面を主面とする平板形状であってもよいし、上述したように、第一遮光部材22が、光取り出し面15を基準として出射方向側(図11における+Y方向側)に伸びる側壁22sを有しても良い。また、当該側壁22sを部分的に備える形態であってもよい。このような側壁22sの形状を有することにより、紫外線照射を予定する領域の反対側に近づく紫外線U2をより効果的に遮ることができる。また、当該側壁22sのY方向に係る幅を調整することで、紫外線U2の出射方向を適切に調整することができる点で、当該側壁22sは好適な構成である。なお、第一遮光部材22において、X-Z平面を主面とする平板形状を有する部分と、当該側壁22sに示す形状を有する部分は、それぞれが別体で設計されても構わない。
第一遮光部材22として用いることができる材料としては例えば黒アルマイト加工されたアルミニウム、ソーダライムガラスのような波長300nm未満の紫外線を透過しないガラス、無電解ニッケルめっきされた部材、紫外線吸収剤を含む塗装がされた部材などが挙げられる。第一遮光部材22をこれらの材料で構成しても構わないし、紫外線U2が入射する面にのみこれらの材料を用いても構わない。なお、第一遮光部材22は、紫外線U2の進行を遮るものであれば、紫外線U2を吸収するものであってもよい。
さらに、第一変形例の不活化装置1は、図8~図10に示すように、第二遮光部材23を備える。第二遮光部材23は、光取り出し面15から+Y方向に出射される紫外線の少なくとも一部の紫外線の進行を遮るものである。例えば、第一領域A1(図4参照)から出射される紫外線の進行を遮る。第二遮光部材23は、紫外線の進行を遮る機能を奏する限り、どのような材料で形成されていても構わない。一例として、第二遮光部材23は、第一遮光部材22と同一又は同種の材料で形成される。このような構成とすることで、第一領域A1のLED素子11の配置密度が小さいことに加え、0度の方向に対向する領域における照度を、その周囲の領域における照度と比べて相対的に低くすることができる。
第一変形例の不活化装置1において、第二遮光部材23は、光取り出し面15の+Y側に接し、光取り出し面15と平行な上面23tを有する。この第二遮光部材23の上面23tは、第一領域A1と同程度の面積としても構わない。さらに第二遮光部材23は、前記上面23tの外縁からY方向に延在する側部23sと、この側部23sから更に上面23tから離れる向きに延在する底部23bとを有する。つまり、第二遮光部材23は、上面23tが平らで、円筒型の側面に鍔を有する、いわゆるシルクハット型の形状である。そして、側部23sと底部23bとに挟まれた空間内に反射部材13が配置されている。光取り出し面15の+Y側において、第二遮光部材23の上面が接することで、第一領域A1から紫外線U2は出射されないように遮光される。
加えて、第一変形例の不活化装置1においては、図8~図11に示すように、拡散部材24が、反射面13aと第一遮光部材22の間に、反射部材13の外側を取り囲むように配置される。図8において、拡散部材24にハッチングが施されている。図11を用いて説明すると、光取り出し面15を通過した紫外線U2の進行方向が、反射部材13によって変更された後、さらに拡散部材24で拡散される。すなわち、光取り出し面15に対して出射角が大きい広角の方向へ紫外線を優先的に照射し、さらに、紫外線U2は拡散部材24を通過して拡散されることにより、不活化装置1から出射される紫外線U2の出射方向に関して、際立って放射強度が高い出射方向が現れにくくなる。よって、ACGIHで規定される照射線量に関する基準をクリアするために要求される紫外光源の出力や照射時間の制限は、更に緩和される。第一変形例の不活化装置1において、拡散部材24は第一遮光部材22と第二遮光部材23を連絡するように配置されるが、どちらか一方に固定されるようにしても構わない。このような拡散部材24として、例えばPTFEなどのフッ素系樹脂シートが利用できる。
図12は、第一変形例の不活化装置1から出射する紫外線U2の出射角に対する紫外線の相対放射強度を求めたシミュレーションS2の結果を示すグラフである。
(シミュレーションS2)
シミュレーションS2は、図8~図10に示した第一実施形態の第一変形例の構成を想定して行ったシミュレーションである。シミュレーションS2において、LED素子11は円状に1周配置するものとした。具体的には、面発光する0.8mm角のLED素子を、半径20mmの円上に41個配置するものとした。また、反射部材13の反射面13aの形状は、円錐台形状で構成されるものとし、当該反射面13aの角度は光取り出し面15に対して45度傾斜するものとした。さらに、当該反射面13aの外側を取り囲むように拡散部材24が配置されるものとした(図9参照)。その他の条件はシミュレーションS1と同様である。
紫外線U2の進行方向が反射部材13によって変更された後、拡散部材24で拡散される(図11参照)ことの効果について、図12を用いて説明する。図12に示すように、第一変形例の不活化装置1においては、出射角が0度において紫外線の相対放射強度が0.1以下であり、出射角が大きくなるにつれて漸増し、70度付近において、紫外線の放射強度が最大となる。すなわち、0度方向の紫外線が照射される領域における照度よりも、広角の方向の紫外線が照射される領域における照度が高い。さらに、拡散部材24を備えない不活化装置1に基づくシミュレーションS1の結果に対応する図6と拡散部材24を備える第二変形例の不活化装置1に基づくシミュレーションS2の結果に対応する図12を比較すると、不活化装置1が拡散部材24を備えることにより、出射角毎の放射強度の差が低下することがわかる。このため、不活化装置1を用いて紫外線の照射を行う場合に、際立って放射強度が高い出射方向が現れにくくなり、空間中又は物体表面への紫外線照射を有効に行うことができる。
本シミュレーションS2の結果は、上記の設定条件において導き出されたものであるが、不活化装置1の寸法比又はLED素子の個数等が異なっても、本発明に係る構成とすれば、0度方向よりも、広角の方向の紫外線の放射強度を高められることが理解される。
(第二変形例)
図13は、不活化装置1の第一実施形態の第二変形例を模式的に示す斜視図であり、図14は、光取り出し面15に垂直な面の断面を示す斜視図である。また、図15は図14に示す断面図をZ方向に見たときの平面図に対応する。第二変形例の構成につき、第一実施形態と異なる箇所を中心に説明する。
第二変形例の不活化装置1は、図13~図15に示すように、光取り出し面15の+Y側に反射部材13を備える。反射部材13は、光取り出し面15から出射された紫外線U2の進行方向を、筐体10のX方向に係る中心箇所に近づいた後に筐体10から離れる方向に変更させる反射面13aを含む。第二変形例の不活化装置1において、反射部材13は+Y方向に対して凸形状を示す円錐台形状であり、第二領域A2と対向する領域において、後述する取付部材41上に配置される。また、反射部材13は、Y方向から見て、第一領域A1(図4参照)を取り囲むように配置される。図16は、図15における反射部材13近傍の拡大図である。図16に示すように、反射面13aは、反射部材13の内側面で構成され、反射面13aは、図16に示すように、光取り出し面15に対して傾斜しており、入射された紫外線U2を筐体10の内側、より詳細にはX方向に係る中心箇所に近づく方向に反射する。
また、第二変形例の不活化装置1においては、図13~図15に示すように、第一遮光部材22は筐体10の側面の+Y方向に係る端部に備えられる。第一遮光部材22は筐体10と同程度の幅を持つ円筒で構成される。前述した通り、第二変形例の不活化装置1においては、反射部材13の反射面13aに入射した紫外線U2の進行方向は、主に筐体10の内側に向かうように変更されるが、紫外線U2の一部が、反射部材13を基準として、不活化装置1の外側及びLED素子11が設置されている側に進行する可能性も考えられる。第一遮光部材22は、紫外線の照射が予定されていない領域に対する紫外線U2の照射を抑制する目的で設けられている。
さらに、第二変形例の不活化装置1は、図13~図15に示すように、第二遮光部材23を備える。第二遮光部材23は、第一領域A1(図4参照)から出射される紫外線の進行を遮るものであり、第一変形例における第二遮光部材23と同様の議論が可能である。
加えて、第二変形例の不活化装置1においては、図13~図16に示すように、拡散部材24が、反射面13aの内側の位置に、第二遮光部材23の外縁上に配置される。つまり、反射面13aは、拡散部材24の外側を取り囲むように配置されている。図13及び図14において、拡散部材24にハッチングが施されている。図15及び図16に示すように、反射面13aで反射した紫外線U2が拡散部材24で拡散され、不活化装置1から紫外線U2が空間に取り出される。第二変形例の不活化装置1において、拡散部材24は第二遮光部材23と後述する取付部材41を連絡するように配置されるが、どちらか一方に固定されるようにしても構わない。
また、第二変形例の不活化装置1は、第二領域A2(図4参照)と同程度の面積を持つ環状の取付部材41を有する。この取付部材41は、第一遮光部材22と拡散部材24を連絡するように配置される。なお、取付部材41は第一遮光部材22と同じ材料で構成されてもよく、第一遮光部材22と一体であっても構わない。反射部材13に入射した紫外線U2のうち、Y方向に進行する紫外線U2はわずかと考えられるため、取付部材41は任意の構成として構わない。
なお、上述した構成では、反射部材13が取付部材41に連結して配置されているものとしたが、例えば第一遮光部材22や筐体10に固定されても構わない。
図17は、第二変形例の不活化装置1から出射する紫外線U2の出射角に対する紫外線の相対放射強度を求めたシミュレーションS3の結果を示すグラフである。
(シミュレーションS3)
シミュレーションS3は、図13~図15に示した第一実施形態の第二変形例の構成を想定して行ったシミュレーションである。シミュレーションS3においては、拡散部材24の外側を反射部材13の反射面13aが取り囲むように配置されるものとした(図14参照)点のみが、シミュレーションS2の条件と異なり、その他の条件はシミュレーションS2と同様である。
図17に示すように、第二変形例の不活化装置1は、出射角が0度において紫外線の相対放射強度が0.1以下であり、出射角が大きくなるにつれて漸増し、80度付近において、紫外線の放射強度が最大となる。すなわち、0度方向の紫外線が照射される領域における照度よりも、広角の方向の紫外線が照射される領域における照度が高くなる。さらに、拡散部材24を備えない不活化装置1に基づくシミュレーションS1の結果に対応する図6と、拡散部材24を備える第二変形例の不活化装置1に基づくシミュレーションS3の結果に対応する図17とを比較すると、不活化装置1が拡散部材24を備えることにより、出射角毎の放射強度の差が低下することがわかる。このため、不活化装置1を用いて紫外線の照射を行う場合に、際立って放射強度が高い出射方向が現れにくくなり、空間中又は物体表面への紫外線照射を有効に行うことができる。
本シミュレーションS3の結果は、上記の設定条件において導き出されたものであるが、不活化装置1の寸法比又はLED素子の個数等が異なっても、本発明に係る構成とすれば、0度方向よりも、広角の方向の紫外線の放射強度を高められることが理解される。
第二変形例の不活化装置1は、前述した通り、光取り出し面15を通過した紫外線U2を、反射部材13の反射面13aが筐体10の内側に向かって反射する。このように、筐体10の内側に向かって紫外線U2を反射して、筐体10のX方向に係る中心箇所に近づいた後に筐体10から離れる方向に紫外線U2の光軸を変更した場合でも、出射角が広角の方向の紫外線が照射される領域における照度を高めることが可能である。
第二変形例の不活化装置1は、図1~図5を参照して上述した不活化装置1と比較して、筐体10に対する反射部材13のサイズを小さくすることが可能である。また、第二変形例の不活化装置1は、図9~図11を参照して上述した第一変形例の不活化装置1とは異なり、X-Z面方向(図15ではX方向のみが図示されている。)に関して筐体10の外側に第一遮光部材22を設ける必要が無い。このように、第二変形例の不活化装置1では、全体構成をコンパクトに設計可能であり、室内に配置するに際し、好適な構成となる。
(他の変形例)
以下、第一実施形態の不活化装置1の他の変形例について説明する。
〈1〉
上記においては、筐体10の内部にコリメータレンズ31が収容され、窓部材14に光学フィルタ25が付設されているものとして説明した。光学フィルタ25は、人体に有害とされる波長の紫外線の照射を制限する目的で採用されるものである。しかし、このような制御が必要ない場合には、必ずしも不活化装置1が光学フィルタ25を備える必要はない。光学フィルタ25を備えない場合には、光取り出し面15は開口で構成することもできる。このような場合としては、例えば、不活化装置1で紫外線照射を行う場所が、ほとんど人の出入りが無いか少ない場合、あるいは、不活化装置1で紫外線照射を行う場所が、人が存在する場所から十分に離れている場合などが挙げられる。また、人が存在しない時間帯にのみ不活化処理を行う場合も同様である。
〈2〉
上述した通り、不活化装置1がコリメータレンズ31を備えることにより、LED素子11が発する紫外線U1を光取り出し面15に対して小さい入射角で入射させることができるので、光取り出し面15を通過した紫外線U2の大部分を、反射部材13の位置に導くことができる。しかし、LED素子11が発する紫外線U1は一定の発散角を有して進行するものの、LED素子11と光取り出し面15とが十分に近接している場合には、大半の紫外線U1は光取り出し面15に対して十分小さい角度で入射される。この場合、必ずしもコリメータレンズ31を設ける必要はない。
〈3〉
また、コリメータレンズ31及び光学フィルタ25は、LED素子11とともに、LEDパッケージとして一体に構成されても構わない。
〈4〉
さらに、上記においては、第一領域A1には紫外光源としてのLED素子11が設置されていないものとして説明した。これに対し、図18及び図19に示すように、筐体10内の第一領域A1に可視光源51を設置して、可視光源51が発する可視光を照明用途としてもよい。図18及び図19では、一部の可視光の進行の態様が二点鎖線にて模式的に図示されており、以下の図面においても同様である。
図18は可視光源51を第一実施形態の第一領域A1に設置した例の断面図である。この場合、反射部材13の上面13tの面積を縮小しても構わない。
また、図19は、可視光源51を第一実施形態の第二変形例(図14~図16参照)の第一領域A1に設置した例の断面図である。図19に示す構造では、図16と比較して、第二遮光部材23が設置されていない。また、別の態様として、図16の例と同様に、第二遮光部材23を備えつつ、この第二遮光部材23を、紫外線を透過せず、可視光線を透過する材料で構成してもよい。
図18又は図19に示す構成とすることで、第一領域A1に設置した可視光源51が発する可視光V1を、不活化装置1から取り出すことができ、第二領域A2から紫外線照射を行いつつ、第一領域A1を照明用の領域として利用することができる。なお、光学フィルタ25は、可視光V1の波長範囲に対しては上述したような入射角依存性の影響は小さいため、図18及び図19のように、可視光源51と対向する位置にコリメータレンズ31が構成されなくても、可視光V1は不活化装置1の外側に取り出される。
〈5〉
また、反射部材13から+Y側に離れた位置に、可視光照明52を設置することもできる。図20は、第一実施形態の反射部材13の+Y側に、可視光照明52を設置して、第一領域A1を照明用の領域として利用する例を示す斜視図である。この場合、典型的には、+Y方向は鉛直下方の向きである。第一変形例及び第二変形例においては、第二遮光部材23を基準として、LED素子11とは反対側に可視光照明52を設置しても構わない。
〈6〉
さらに、第二変形例においては、第二遮光部材23を基準として、LED素子11とは反対側の面に、紫外線を吸収して可視光線を出射する蛍光体層が形成されても構わない。蛍光体層が形成される場合には、飛散防止のため、蛍光体層の表面を紫外線、可視光線を透過するフッ素樹脂等でコーティングしてもよいし、あらかじめ蛍光体を含有したフッ素樹脂フィルムを貼り付けてもよい。
[第二実施形態]
以下、第二実施形態について図面を参照して説明する。なお、第一実施形態と共通の要素については、同一の符号を参照し、その説明は適宜割愛される。
図21は、不活化装置1の第二実施形態を模式的に示す斜視図である。図24を参照して後述するように、不活化装置1は、紫外光源としてのエキシマランプ12を備えている。エキシマランプ12が発する紫外線は、光取り出し面15を介して不活化装置1の外部に照射される。図22は、光取り出し面15に垂直な面の断面を示す斜視図である。また、図23は、図22に示す断面図をZ方向に見たときの平面図に対応する。
図21~図23に示すように、本実施形態の不活化装置1は、筐体10を備え、この筐体10の内側には前述した紫外光源としてのエキシマランプ12が配置されている。エキシマランプ12は、主たる発光波長が190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する。すなわち、エキシマランプ12に封入される発光ガスは、エキシマ発光時に、主たる発光波長が190nm以上240nm未満の紫外線U1を出射する材料からなる。一例として、このような発光ガスとしては、KrCl、KrBr、ArFが含まれる。
例えば、発光ガスにKrClが含まれる場合には、エキシマランプ12は、主ピーク波長が222nm近傍の紫外線U1を発する。発光ガスにKrBrが含まれる場合には、エキシマランプ12は、主ピーク波長が207nm近傍の紫外線U1を発する。発光ガスにArFが含まれる場合には、エキシマランプ12は、主ピーク波長が193nm近傍の紫外線U1を発する。
なお、本実施形態では、筐体10に4本のエキシマランプ12が収容されている場合を例に挙げて説明するが(図23参照)、エキシマランプ12の本数は1本でも構わないし、2本、3本又は5本以上でも構わない。
図22及び図23に示すように、本実施形態において、筐体10は略直方体形状を呈しており、その一部の面が光取り出し面15を構成する。光取り出し面15はX-Z平面に平行な面である。光取り出し面15の一部は、エキシマランプ12が発する紫外線U1を透過する材料で構成された窓部材14で形成される。エキシマランプ12が発する紫外線U1は、+Y方向に進行して、窓部材14に向かう。そして、この紫外線U1は、窓部材14内を通過した後、光取り出し面15を介して筐体10の外側に出射される。
本実施形態の不活化装置1は、窓部材14に光学フィルタ25が付設されており、この点は、第一実施形態と同様である。
さらに、本実施形態の不活化装置1は、筐体10の内部に、エキシマランプ12と光取り出し面15の間に配置されたテーパ状の反射面32aを有する電極ブロック32を備える。図24は、図23におけるエキシマランプ12の近傍を示す拡大図である。図24に示すように、電極ブロック32の反射面32aは、それぞれのエキシマランプ12に対応して配置されており、各エキシマランプ12から出射された光線束の発散角を縮小する。つまり、エキシマランプ12が発する紫外線U1は、電極ブロック32のテーパ状の反射面32aで反射された後、小さい入射角で光学フィルタ25に入射する。その後、光取り出し面15を通過した、波長190nm以上240nm未満の波長域の紫外線U2が筐体10の外部に取り出される。電極ブロック32は、導電性を示す金属材料で構成することで、エキシマランプ12の電極として兼用することが可能である。なお、図の簡略化のため、紫外線U1及び紫外線U2は適宜省略して示されている。
上述したように、エキシマランプ12は、主たる発光波長が190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する。しかしながら、エキシマランプ12の発光スペクトルは、主たる発光波長から離れた波長域、すなわち裾の領域において、ピーク波長における強度(ピーク強度)と比較して極めて弱い強度ながらも光強度を示すことがある。光学フィルタ25は、このような、主たる発光波長よりも長波長側の波長域における極めて弱い強度の光の進行を抑制する目的で設置されている。
前述した通り、光学フィルタ25には、紫外線U1の入射角に応じて、波長別の透過率や反射率が変化する特性(入射角依存性)がある。このため、エキシマランプ12と光学フィルタ25の間に、テーパ状の反射面32aを有する電極ブロック32を備えることにより、エキシマランプ12から出射される紫外線U1を光学フィルタ25に対して小さい入射角で入射させることができるので、光取り出し効率が低下しにくくなる。
さらに、不活化装置1は、光取り出し面15の+Y側に反射部材13を備える。反射部材13は、光取り出し面15から出射された紫外線U2に対して反射性を示す材料からなる反射面13aを含む。本実施形態において、反射部材13は後述する支持面43bと接する面を底面13bとする円錐台形状であり、反射部材13の反射面13aは、反射部材13の外側面で構成される。反射面13aは、図23に示すように、光取り出し面15に対して傾斜しており、入射された紫外線U2を筐体10の外側に反射する。
反射部材13が、上述した形状の反射面13aを有することで、筐体10の光取り出し面15を介して反射面13aに入射した紫外線U2は、X-Z面方向(図23ではX方向のみが図示されている。)に関して直接筐体10から離れるように反射する。図23に示すように、光取り出し面15を通過した紫外線U2の進行方向が、反射部材13によって変更され、紫外線U2の出射角が大きくなる。すなわち、光取り出し面15に対して出射角が大きい広角の方向へ紫外線を優先的に照射し、広角の方向の紫外線の放射強度を高めることが可能となる。
さらに、図23に示すように、本実施形態は、反射部材13の反射面13aで反射された紫外線U2のうち、-Y方向、すなわちエキシマランプ12が設置されている側に近づくように進行する紫外線U2の進行を遮る遮光部材21を備える。このように、エキシマランプ12が設置されている側、すなわち、紫外線照射を予定する領域の反対側に近づく紫外線U2を遮る遮光部材21が備えられることにより、紫外線照射を望まない領域への照射を防ぐことができる。
図21~図23に示すように、遮光部材21は、筐体10が配置される面を頂面(上面21t)とする円錐台形状である。その側面は筐体10の外側に開くように、光取り出し面15に対して傾斜する。遮光部材21の側面で囲まれた領域、すなわち遮光部材21の内側は空洞となっており、+Y方向から見て、遮光部材21が反射部材13の外側を取り囲むように配置される。
また、遮光部材21は、孔部42を有する。この孔部42について、図25を用いて説明する。図25は、反射部材13、窓部材14及び後述する支持部材43を除いた状態で、筐体10と遮光部材21を+Y方向から見た時の関係を示す模式図である。図25に示すように、光取り出し面15と孔部42が、+Y方向から見て重なるように遮光部材21が配置される。
また、本実施形態において、反射部材13は、遮光部材21が有する支持面43b(図26参照)に配置される。図26は第二実施形態に係る不活化装置1を+Y方向から見たときの模式図である。図26に示すように、遮光部材21は、支持部材43として、遮光部材21の内側面21sから反射部材13に向かって延伸する支持棒43aと、支持棒43aが連結される支持面43bを含む。この支持面43b上に反射部材13が配置される。また、遮光部材21は、支持部材43と遮光部材21の内縁部21eとの間に、開口部44を有する。反射部材13の反射面13aにおいて反射された紫外線U2は、当該開口部44及び反射面13aと遮光部材21の内側面21sとの間を通過する。また、図26に示すように、+Y方向から見た際に、開口部44と光取り出し面15とが重ならないように、筐体10が配置されている。なお、遮光部材21の開口径d1は、反射部材13の底面13bの直径d2よりも2倍以上としてもよい(図26参照)。遮光部材21の開口面積と反射部材13の底面13bの面積を比較する場合には4倍以上としてもよい。遮光部材21の材料は、第一実施形態で上述した第一遮光部材22と同様に選択可能である。
図27は、本実施形態の不活化装置1から出射する紫外線U2の出射角に対する紫外線の相対放射強度を求めたシミュレーション結果を示すグラフである。
(シミュレーションS4)
シミュレーションS4は、図21~図23に示した第二実施形態の構成を想定して行ったシミュレーションである。シミュレーションS4において、エキシマランプ12は筐体10内に4本配置するものとした。具体的には、エキシマランプ12の大きさ及び形状は、直径が6mmで長さが70mmの略円柱状である。また、反射部材13の反射面13aの形状は、円錐台形状で構成されるものとし、当該反射面13aの角度は光取り出し面15に対して45度傾斜するものとした。さらに、エキシマランプ12が設置される電極ブロック32には、55度に傾斜したテーパ状の反射面32aが形成されるものとした(図24参照)。また、光学フィルタ25は図7に示す特性を有するものとして、シミュレーションを行った。
紫外線U2の進行方向が反射部材13によって変更される(図23参照)ことの効果について、図27を用いて詳述する。図27に示すように、紫外線の相対放射強度は、出射角が0度以上~35度未満の範囲では0を示し、出射角が35度を超えると、紫外線の相対放射強度の値が立ち上がる。さらに、出射角が大きくなるにつれて紫外線の相対放射強度が漸増し、40度付近において、相対放射強度が0.1となって極大値を示し45度付近まで減少した後、50度付近から再度相対放射強度が増加して、65度付近において最大値を示し、略75度において相対放射強度が0を示すまで漸減する(図27参照)。すなわち、反射部材13によって、紫外線U2の出射角が広角の方向に変更され、主に出射角が50度以上75度以下の範囲に対して紫外線が照射される結果となる。したがって、0度方向の紫外線が照射される領域における照度よりも、広角の方向の紫外線が照射される領域における照度を高められる。
図27のシミュレーションS4の結果は、上記の設定条件において導き出されたものであるが、不活化装置1の寸法比又はエキシマランプの本数等が異なっても、本発明に係る構成とすれば、0度方向よりも、広角の方向の紫外線の放射強度を高められることが理解される。
[変形例]
以下において、第一実施形態の各変形例について、図面を参照して説明する。
(第一変形例)
第二実施形態の構成に、拡散部材24を加えることができる。図28は、図23に倣って、第二実施形態の第一変形例の光取り出し面15に垂直な面の断面図をZ方向に見たときの平面図である。図28に示すように、拡散部材24は、反射部材13の外側、すなわち反射面13aを取り囲むように配置される。また、図29に示すように、拡散部材24を光取り出し面15に対して傾斜するように配置することも可能である。このように拡散部材24が配置されることにより、光取り出し面15を通過した紫外線U2の進行方向が、反射部材13によって変更された後、さらに拡散部材24で拡散される。すなわち、図8~図11を参照して上述した第一実施形態の不活化装置1と同様の効果が奏される。
図30及び図31は、上記第二実施形態の第一変形例の出射角に対する相対放射強度を求めたシミュレーションS5の結果を示すグラフである。
(シミュレーションS5)
シミュレーションS5は、図28及び図29に示した第二実施形態の第一変形例の構成を想定して行ったシミュレーションである。シミュレーションS5においては、反射部材13の反射面13aの外側を取り囲むように拡散部材24が配置されるものとした。なお、拡散部材24の光取り出し面15に対する角度について、光取り出し面15に対して垂直に配置される場合と、5度傾斜する場合とで、それぞれシミュレーションを行った。その他の条件はシミュレーションS4と同様である。
図30が、拡散部材24が光取り出し面15に対して垂直に配置される場合のシミュレーションS5の結果に対応し、図31が、拡散部材24を光取り出し面15に対して傾斜して配置した場合のシミュレーションS5の結果に対応する。図30及び図31において、0度方向の相対放射強度よりも、広角の方向の相対放射強度が高い点、及び、拡散部材24を備えることにより、出射角毎の放射強度の差が低下する点については、第一実施形態の第一変形例及び第二変形例と同様の議論が可能である。さらに、図30と図31を比較すると、0度~20度の範囲の、低角の方向の相対放射強度が増加している。このように、拡散部材24を光取り出し面15に対して傾斜して配置することで、出射角に対する相対放射強度を変更することが可能であり、不活化装置1の設置場所や紫外線の照射領域に応じた設計が可能である。
(第二変形例)
第一変形例の構成に加え、遮光部材21の紫外線U2が入射する面に、入射された紫外線を可視光に変換する蛍光体層53を形成することも可能である。図32は、図23に倣って、第二実施形態の第二変形例を光取り出し面15に垂直な面の断面図をZ方向に見たときの平面図である。図32において、蛍光体層53が形成されている領域にハッチングが施されている。
図32に示すように、光取り出し面15を通過した紫外線U2の進行方向が、反射部材13によって変更された後、さらに拡散部材24で拡散される。拡散部材24で拡散された紫外線U2の一部が、遮光部材21の内面に形成された蛍光体層53に入射する。蛍光体層53に入射された紫外線U2は、可視光V1に変換される。このように蛍光体層53を形成すれば、遮光部材21で単に紫外線U2を遮蔽した場合と比較して紫外線U2を有効に活用することができ、不活化装置1を用いて紫外線照射を行うと同時に照明装置としても利用することができる。
蛍光体層53を遮光部材21の内面に形成した効果について、図33を用いて説明する。図33は、第二実施形態の第二変形例の出射角に対する相対放射強度をシミュレーションしたシミュレーションS6の結果を示すグラフである。
(シミュレーションS6)
シミュレーションS6は、遮光部材21の紫外線U2が入射する面に蛍光体層53が形成されている点(図32参照)がシミュレーションS5と異なり、その他の条件は、拡散部材24が光取り出し面15に対して垂直に配置された場合のシミュレーションS5の条件と同様である。
図33には紫外線と可視光それぞれの出射角に対する相対放射強度が示されている。第二実施形態の第二変形例においては、紫外線の相対放射強度については、第一変形例と同様である(図30参照)。一方で、可視光V1の相対放射強度は0度方向において最大の1を示し、90度で0となるまで漸減する。蛍光体層53は、入射された紫外線U2を可視光V1に変換するが、蛍光体層53が出射する可視光V1に指向性は無い。そのため、従来と同様に、光取り出し面15に対して垂直な0度の方向の相対放射強度は、広角の方向の相対放射強度よりも高くなる。このように、不活化装置1を用いて紫外線照射を広い範囲で行うと同時に可視光照明としても利用することができる。
(他の変形例)
以下、第二実施形態の不活化装置1の他の変形例について説明する。
〈1〉
第一実施形態と同様の議論が可能である。すなわち、本実施形態においても、人体に有害とされる波長の紫外線の照射を制限する制御が不要な場合には、必ずしも不活化装置1が光学フィルタ25を備える必要はない。また、エキシマランプ12と光取り出し面15とがY方向に近接している場合には、必ずしも電極ブロック32がテーパ状の反射面32aを有する必要はない。
〈2〉
また、図34は光制御部として、シリンドリカルレンズ33を用いた例を示す概念図である。電極ブロック32がテーパ状の反射面32aを有しない場合でも、エキシマランプ12から出射される紫外線U1を光取り出し面15に対して小さい入射角で入射させるために、図34に示すように、シリンドリカルレンズ33等の光学レンズを用いることもできる。
〈3〉
本実施形態において、遮光部材21は、上面の位置に孔部42を有するものとした。これは、遮光部材21よりも-Y側の位置に設置されたエキシマランプ12から出射される紫外線U1を反射部材13に導くための光路を確保する目的で設けられたものである。かかる観点から、遮光部材21の上面よりも+Y側の位置、すなわち、遮光部材21の内側にエキシマランプ12を内蔵した筐体10が設置される場合には、孔部42は必ずしも必要ではない。
〈4〉
また、第二実施形態、その第一変形例及び第二変形例においては、反射部材13は遮光部材21が備える支持部材43上に配置されるものとして説明したが、例えば、別の部材を用いて筐体10に固定されても構わない。また、反射部材13は円錐台形状でなくとも、例えば、円錐であってもいいし、四角錐形状であっても構わない。さらに、反射部材13を複数配置しても構わない。
〈5〉
また、第二実施形態、その第一変形例及び第二変形例においては、遮光部材21は内側面21sを含む側壁を有するものとして説明したが、例えば、図35に示すように、当該側壁を有さず、X-Z平面を主面とする平板状であっても構わない。また、図36に示すように、遮光部材21の一部が、筐体10よりも-Y側に位置する構成としてもよく、当該遮光部材21を例えば天井等の設置面に固定することで、不活化装置1を天井等に設置してもよい。
遮光部材が平板状である場合は、光取り出し面15の開口面積よりも広範囲に遮光部材21を延設させることが望ましい。具体的には、前記光取り出し面15の開口面積の4倍以上の面積をなす円の中心を、前記光取り出し面15の中心に配置させた際に、前記遮光部材21の形成範囲は、当該円の範囲以上となるように形成させることが望ましい。
[別実施形態]
以下、別実施形態の構成について言及する。
〈1〉
上述した不活化装置1の構成のうち、光学フィルタ25と、コリメータレンズ31に代表される光学レンズとを含む構成を採用することで、以下の効果が期待される。なお、この構成を有する装置は、基本的には、菌又はウイルスの不活化目的の利用に高い適合性を示すが、他の用途に利用されることを排除するものではない。このため、かかる装置について、以下では「紫外線照射装置」と称する。
この紫外線照射装置は、主たる発光波長が190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する紫外線U1を発する紫外光源(LED素子11,エキシマランプ12等)と、開口又は窓部材で構成された光取り出し面15を含むと共に前記紫外光源を内側に収容する筐体10を備える。更に、この紫外線照射装置は、前記紫外光源から発せられる紫外線U1のうち、波長190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する紫外線を透過し、波長240nm以上300nm未満の紫外線の透過を抑制する光学フィルタ25を備える。これにより、紫外光源から発せられる紫外線は、前記光学フィルタを介して、外部へ放射される。
さらに、紫外光源(例えばLED素子11,エキシマランプ12等)と光学フィルタ25との間には、紫外光源から出射された光線束を平行光に変換する、コリメータレンズ31に代表される光学レンズを備える。これにより、紫外光源から出射された紫外線U1は、光学フィルタ25に対して小さい入射角で入射しやすくなる。
光学フィルタ25は、例えば、このような波長選択性を示すように設計された、屈折率の異なる複数の誘電体層の多層膜で形成される。しかし、光学フィルタ25は、入射される紫外線の入射角に応じて、波長別の透過率や反射率が変化する性質(入射角依存性)を示す場合がある。典型的な一例として、光学フィルタ25に対する入射角が大きくなると、波長190nm以上240nm未満の波長域の透過率が低下し反射率が増加する。このことは、光学フィルタ25に対する紫外線の入射角によっては、波長190nm以上240nm未満の波長域の紫外線に関して、紫外線照射装置の外部への取り出し効率を低下させる可能性を示唆するものである。
これに対し、上述の構成によれば、紫外光源(11,12)と光学フィルタ25との間には、紫外光源から出射された光線束の発散角を縮小する光学レンズを備える。これにより、紫外線を光学フィルタに対して小さい入射角で入射させやすくなり、光取り出し効率が低下しにくくなる。光学レンズは、コリメータレンズ31のように、紫外光源から出射された光線束を平行光に変換する機能を有していてもよい。
また、紫外光源としてLED素子11が複数設けられる場合には、光学レンズも複数備えられるのが好ましい。典型的には、それぞれの光学レンズが、各LED素子11に対応配置されるのが好適である。これにより、各LED素子11から発せられた紫外線は、当該LED素子11に対応して配置された各光学レンズを通過して光学フィルタに導かれるため、大部分の紫外線を光学フィルタに対して小さい入射角で入射させることができる。
光学レンズとして、コリメータレンズ31が用いられる場合には、それぞれのLED素子11に対応した位置にコリメータレンズ31のレンズ面が配置され、各LED素子11から出射された光線束の発散角を縮小する。上述したように、典型的には、コリメータレンズ31は、各LED素子から出射された光線束を、平行光に変換する。つまり、LED素子11が発する紫外線U1は、コリメータレンズ31でY方向に平行光化された後、小さい入射角で光学フィルタ25に入射する。その後、光学フィルタ25を通過した、波長190nm以上240nm未満の波長域の紫外線U2が筐体10の外部に取り出される。なお、各レンズ部分が各LED素子11に対応して配置されていれば、コリメータレンズ31自体は単一のレンズアレイであっても構わない。
〈2〉
上述した不活化装置1が備える構成は、あくまで一例であり、本発明は、図示された各構成に限定されない。
本発明の対象製品は、発光波長が190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する紫外線を発する紫外光源を用いることで、人や動物の皮膚や目に紅斑や角膜炎を起こすことはなく、紫外線本来の殺菌、ウイルスの不活化能力を提供することができる。特に、従来の紫外光源とは異なり、人や動物が立ち入ることのできる空間で使用できるという特徴を生かし、屋内外の有人環境に設置することで、環境全体を照射することができ、空間内と環境内設置部材表面に存在するウイルスの不活化を行うことができる。
このことは、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標3「あらゆる年齢の全ての人々が健康的な生活を確保し、福祉を促進する」に対応し、また、ターゲット3.3「2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶すると共に、肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する」に大きく貢献するものである。
1 :不活化装置
10 :筐体
11 :LED素子
12 :エキシマランプ
13 :反射部材
13a :反射部材の反射面
13t :反射部材の上面
13b :反射部材の底面
14 :窓部材
15 :光取り出し面
21 :遮光部材
21t :遮光部材の上面
21s :遮光部材の内側面
21e :遮光部材の内縁部
22 :第一遮光部材
22s :第一遮光部材の側壁
23 :第二遮光部材
23t :第二遮光部材の上面
23s :第二遮光部材の側部
23b :第二遮光部材の底部
24 :拡散部材
25 :光学フィルタ
31 :コリメータレンズ
32 :電極ブロック
32a :電極ブロックの反射面
33 :シリンドリカルレンズ
41 :取付部材
42 :孔部
43 :支持部材
43a :支持棒
43b :支持面
44 :開口部
51 :可視光源
52 :可視光照明
53 :蛍光体層
A1 :第一領域
A2 :第二領域
C1 :曲線
D1 :幅
d1 :開口径
d2 :直径
U1,U2 :紫外線
V1 :可視光線

Claims (17)

  1. 主たる発光波長が190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する紫外線を発する紫外光源と、
    開口又は窓部材で構成された光取り出し面を含み、前記紫外光源を内側に収容する筐体と、
    前記光取り出し面を通過した前記紫外線が入射されて、前記紫外線の進行方向を変更する反射部材とを備え、
    前記反射部材は、入射された前記紫外線の光軸を、前記光取り出し面に平行な第一方向に関して、直接前記筐体から離れる方向、又は前記筐体の中心箇所に近づいた後に前記筐体から離れる方向に変更させる反射面を有することを特徴とする、菌又はウイルスの不活化装置。
  2. 前記反射部材の前記反射面で反射された前記紫外線のうち、前記光取り出し面に直交する第二方向に関して、前記紫外光源側に近づくように進行する前記紫外線の少なくとも一部を遮る遮光部材を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  3. 前記反射面で反射された前記紫外線の光路上において、前記紫外線を拡散させる拡散部材を備えたことを特徴とする、請求項2に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  4. 前記紫外光源から出射された前記紫外線の光路上において、前記光取り出し面と前記紫外光源との間の位置に、前記紫外光源から出射された前記紫外線を前記光取り出し面に直交する第二方向に指向させる光制御部を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  5. 前記紫外光源と前記反射部材との間には光学フィルタが設けられ、
    前記光学フィルタは、前記紫外光源が発する紫外線のうち、波長190nm以上240nm未満の波長範囲内に属する紫外線を透過し、波長240nm以上300nm未満の紫外線の透過を抑制するものであることを特徴とする、請求項4に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  6. 前記反射面は、錐体形状又は錐台体形状又は曲線の回転体形状を呈した部材の側面で構成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  7. 前記紫外光源は、複数のLED素子を含み、
    前記光取り出し面に直交する第二方向から見て、前記LED素子の配置密度が相対的に低い又は配置されていない第一領域と、前記第一領域を取り囲むように前記LED素子が複数配置されると共に前記第一領域よりも前記LED素子の配置密度が相対的に高い第二領域とを有することを特徴とする、請求項1に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  8. 前記第一領域は、前記LED素子が配置されていない領域であり、
    前記光取り出し面は、前記第二方向に見て前記第二領域に対向する面であって、環状を呈することを特徴とする、請求項7に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  9. 前記反射部材の前記反射面で反射された前記紫外線のうち、前記第二方向に関して、前記紫外光源側に近づくように進行する前記紫外線の少なくとも一部を遮る第一遮光部材と、
    前記第二方向に関して、前記紫外光源から離れるように進行する紫外線の少なくとも一部を遮る第二遮光部材と、
    を備えることを特徴とする、請求項7又は8に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  10. 前記反射部材は、前記第二方向から見て、前記第一領域を取り囲むように配置されることを特徴とする、請求項9に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  11. 入射された前記紫外線の光軸を、前記第一方向に関して、直接前記筐体から離れる方向に変更させる前記反射面と、
    前記反射面で反射した前記紫外線を拡散させる拡散部材を備え、
    前記拡散部材は、前記第二方向から見て、前記反射部材の外側を取り囲むように配置されることを特徴とする、請求項10に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  12. 入射された前記紫外線の光軸を、前記第一方向に関して、前記筐体の中心箇所に近づいた後に前記筐体から離れる方向に変更させる前記反射面と、
    前記反射面で反射した前記紫外線を拡散させる拡散部材を備え、
    前記拡散部材は、前記第二方向から見て、前記反射部材の内側を取り囲むように配置されることを特徴とする、請求項10に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  13. 前記紫外光源は、エキシマランプを含み、
    前記反射部材の前記反射面で反射された前記紫外線のうち、前記光取り出し面に直交する第二方向に関して、前記紫外光源側に近づくように進行する前記紫外線の少なくとも一部を遮る遮光部材を備え、
    前記遮光部材は、前記第二方向から見て、前記反射部材を取り囲むように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  14. 前記反射面で反射した前記紫外線を拡散させる拡散部材を備え、
    前記拡散部材は、前記第二方向から見て、前記反射部材の外側を取り囲むように配置されることを特徴とする、請求項13に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  15. 前記遮光部材は、前記光取り出し面から出射された紫外線が通過する開口部を有し、
    前記第二方向から見て、前記開口部と前記光取り出し面とが重ならないように前記筐体が配置されることを特徴とする、請求項13又は14に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  16. 前記遮光部材は、前記反射部材を支持する支持部材を有し、
    前記紫外線が、前記支持部材と前記遮光部材の内側面との間を通過することを特徴とする、請求項13又は14に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
  17. 前記遮光部材の前記紫外線の進行を遮る面の少なくとも一部に、紫外線を吸収して可視光線を出射する蛍光体層が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の菌又はウイルスの不活化装置。
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