JP2023123332A - 板紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】古紙パルプの再利用を図りつつ、高温多湿環境下における強度を向上できる板紙を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る板紙は、4層以上6層以下の層を有する板紙であって、少なくとも表面層、表下層、中層及び裏面層を備え、表面層が針葉樹未晒クラフトパルプを含有し、表面層の全パルプ成分に対する上記針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が90質量%以上であり、表下層、中層及び裏面層が段ボール古紙パルプを含有し、裏面層の全パルプ成分に対する段ボール古紙パルプの含有量が90質量%以上であり、全層に内添サイズ剤を含有し、全層の内添サイズ剤の合計含有量が固形分換算で2.5kg/パルプt以上6.0kg/パルプt以下であり、総坪量が330g/m2以上400g/m2以下であり、表面層及び裏面層の計測時間2分におけるコブサイズ度が5g/m2以上50g/m2以下ある。【選択図】なし

Description

本発明は、板紙に関する。
近年、高温多湿環境下の船による輸送などで使用される梱包用包装容器に用いられる段ボールシートには、一般的な品質の段ボール用ライナが用いられている。段ボール用ライナは、木製や樹脂容器製に比べて軽量であり、クッション性を有することから内容物の破損しにくいため、精密機器をはじめ様々な分野で用いられている。
上記重量物運搬用の梱包用包装容器に使用される段ボールケース用には、高い圧縮強度が要求される。高い圧縮強度を発現させるためには、一般的に高坪量の原紙を抄造する必要があり、坪量を下げると圧縮強度が下がり、重量物運搬用途としての段ボールケースに要求される段ボールケースの圧縮性を満足することができない。そのため、梱包用包装容器に用いられる多層抄き紙としては、例えば特許文献1には、447g/mの高米坪で6層の板紙が開示されている(特許文献1参照)。
特開2020-020065号公報
しかしながら、高温多湿環境で使用される重量物運搬に対応した用途へ利用するためには、低坪量でありながら、高温多湿環境下においても搬送時における圧縮強度を向上することが求められる。
また、近年、板紙においても古紙リサイクルや環境に優しい材質化が求められている。特に、近年、木材資源の保護と経済性の観点から、古紙を原料パルプとして用いることが指向されている。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、古紙パルプの再利用を図りつつ、高温多湿環境下における強度を向上できる板紙を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る板紙は、4層以上6層以下の層を有する板紙であって、少なくとも表面層、表下層、中層及び裏面層を備え、上記表面層が針葉樹未晒クラフトパルプを含有し、上記表面層の全パルプ成分に対する上記針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が90質量%以上であり、上記表下層、上記中層及び上記裏面層が段ボール古紙パルプを含有し、上記裏面層の全パルプ成分に対する上記段ボール古紙パルプの含有量が90質量%以上であり、全層に内添サイズ剤を含有し、上記全層の内添サイズ剤の合計含有量が固形分換算で2.5kg/パルプt以上6.0kg/パルプt以下であり、総坪量が330g/m以上400g/m以下であり、上記表面層及び上記裏面層の計測時間2分におけるコブサイズ度が5g/m以上50g/m以下であり、上記表面層と、上記裏面層とのコブサイズ度の差が10g/m以下である。
本発明によれば、古紙パルプの再利用を図りつつ、高温多湿環境下における強度を向上できる板紙を提供できる。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係る板紙は、4層以上6層以下の層を有する板紙であって、少なくとも表面層、表下層、中層及び裏面層を備え、上記表面層が針葉樹未晒クラフトパルプを含有し、上記表面層の全パルプ成分に対する上記針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が90質量%以上であり、上記表下層、上記中層及び上記裏面層が段ボール古紙パルプを含有し、上記裏面層の全パルプ成分に対する上記段ボール古紙パルプの含有量が90質量%以上であり、全層に内添サイズ剤を含有し、上記全層の内添サイズ剤の合計含有量が固形分換算で2.5kg/パルプt以上6.0kg/パルプt以下であり、総坪量が330g/m以上400g/m以下であり、上記表面層及び上記裏面層の計測時間2分におけるコブサイズ度が5g/m以上50g/m以下であり、上記表面層と、上記裏面層とのコブサイズ度の差が10g/m以下である。
当該板紙は4層以上6層以下の層を有する板紙であり、少なくとも表面層、表下層、中層及び裏面層を備えることで、圧縮強度及び製函適性の向上を図るとともに、層間剥離を抑制できる。また、梱包材として表出する表面層が針葉樹未晒クラフトパルプを含有し、上記表面層の全パルプ成分に対する上記針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が90質量%以上であることで、高温多湿環境下における強度の向上を図ることができるとともに、高い耐折強度を得ることができるので、罫割れ抑制効果に優れる。さらに、上記表下層、上記中層及び上記裏面層が、サイズ性の高い段ボール古紙パルプを含有することで、古紙パルプの再利用を図りつつ、内添サイズ剤の含有量を増量させることなく、効果的にサイズ性を付与させることができる。
高温多湿環境下での板紙品質の維持においては、板紙中への湿度向上を抑えることが必要である。当該板紙においては、表面層及び裏面層にサイズ性を付与するために、全層が内添サイズ剤を含有するが、原料としてサイズ性の高い針葉樹クラフトパルプと段ボール古紙パルプを配合することで、内添サイズ剤の添加量を抑制させつつ、効果的にサイズ性を付与することができる。当該板紙が良好なサイズ性を有することで、船による輸送や高温多湿環境下でも品質を維持できる。また、当該板紙の坪量が330g/m以上400g/m以下であることで、当該板紙の圧縮強度と重量物運搬における軽量化との両立を図ることができる。さらに、表面層及び裏面層の計測時間2分におけるコブサイズ度が5g/m以上50g/m以下であることで、高温多湿環境下で当該板紙の吸湿を抑制することができ、当該板紙の品質維持を図ることができる。上記表面層と、上記裏面層とのコブサイズ度の差が10g/m以下であることで、高温多湿環境下で表面層および裏面層の吸湿差による歪みを抑えることができ、段ボールシートにおいて高温多湿環境下での破裂強度の向上を図ることができる。
少なくとも上記表面層及び上記表下層が乾燥紙力増強剤を含有し、上記表下層の上記乾燥紙力増強剤の含有量が上記表面層の上記乾燥紙力増強剤の含有量よりも多いことが好ましい。少なくとも上記表面層及び上記表下層が乾燥紙力増強剤を含有することで、当該板紙の表面側のパルプの繊維間の結合が強められるので、高温多湿環境下における強度をより向上できる。また、上記表下層の上記乾燥紙力増強剤の含有量が上記表面層の上記乾燥紙力増強剤の含有量よりも多いことで、古紙の再生処理により疲弊し、比較的扁平なパルプ繊維からなる段ボール古紙パルプを含む表下層の強度を高めることができるので、高温多湿環境下における強度をより向上できる。
上記表下層及び上記中層の各全パルプ成分に対する上記段ボール古紙パルプの含有量が90質量%以上であり、密度が、0.75g/cm以上0.95g/cm以下であり、破裂強度が950kPa以上1100kPa以下であることが好ましい。上記表下層及び上記中層の各全パルプ成分に対する上記段ボール古紙パルプの含有量が90質量%以上であることで、当該板紙はサイズ性をより向上しつつ、古紙パルプの再利用の促進を高めることができる。また、当該板紙の密度が上記範囲であることで、クッション性を付与し、乾燥紙力増強剤を必要以上に添加せずに、高い圧縮強度を発揮得ることができる。さらに、破裂強度が950kPa以上1100kPa以下であることで、当該板紙は、高温多湿環境下における耐衝撃性を向上できる。
当該板紙は重量物運搬用に用いられることが好ましい。当該板紙は高温多湿環境下における強度を向上できるので、東南アジア向けの梱包用包装容器に用いられる段ボールシートとして用いることが好適であり、また、高温多湿環境下での流通分野等、様々な分野の産業用紙として用いることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
<板紙>
本発明の一実施形態に係る板紙は、少なくとも表面層、表下層、中層及び裏面層をこの順に備える。また、当該板紙は、上記中層と上記裏面層との間に単層又は複数の層を備えていてもよい。すなわち、当該板紙の層数は、4層以上6層以下の層を有する多層紙であり、5層以上の多層抄き紙である場合、上記中層と上記裏面層との間に第2の中層を備える構成や、上記中層と上記裏面層との間に第2の裏面層を備える構成であることが好ましい。このように、4層以上6層以下の層を有する多層紙であることにより、当該板紙は圧縮強度及び製函適性の向上を図るとともに、層間剥離を抑制できる。一方、当該板紙の層数の上限としては、6層である。当該板紙の層数が7層以上の場合、層間剥離が生じやすくなる。
[表面層]
上記表面層は、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)を含有する。
上記表面層における上記針葉樹未晒クラフトパルプの含有量の下限としては、90質量%であり、95質量%が好ましい。段ボール用の梱包材として最表面側に位置する表面層の針葉樹未晒クラフトパルプの含有量を90質量%以上とし、含有割合を高めることで、高温多湿環境下における強度の向上を図ることができるとともに、高い耐折強度を得ることができるので、罫割れ抑制効果に優れる。表面層における針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が90%未満の場合、所望の圧縮強度を確保することが困難になるおそれがある。また、表面層における針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が80%未満の場合、長繊維の含有量が減るため、表面層の耐折強度が低下し、罫割れが発生しやすくなるおそれがある。なお、リサイクル性の観点からは、上記表面層は、古紙パルプの含有量を10%未満とし、圧縮強度を低下させない範囲で用いることが好ましい。
[表下層]
表下層は、段ボール古紙パルプを含有する。上記表下層がサイズ性の高い段ボール古紙パルプを含有することで、古紙パルプの再利用を図りつつ、内添サイズ剤の含有量を増量させることなく、効果的にサイズ性を付与させることができる。
上記表下層における上記段ボール古紙パルプの含有量の下限としては、80質量%が好ましく、85質量%がより好ましく、90質量%がより好ましい。上記段ボール古紙パルプの含有量の含有量の上限としては、100質量%であってもよい。当該板紙は、表下層の段ボール古紙パルプの含有量を上記範囲にすることで、サイズ性を向上しつつ、古紙パルプの再利用の促進を高めることができる。
[中層]
中層は、段ボール古紙パルプを含有する。上記中層がサイズ性の高い段ボール古紙パルプを含有することで、古紙パルプの再利用を図りつつ、内添サイズ剤の含有量を増量させることなく、効果的にサイズ性を付与させることができる。
上記中層における上記段ボール古紙パルプの含有量の下限としては、80質量%が好ましく、85質量%がより好ましく、90質量%がより好ましい。上記段ボール古紙パルプの含有量の含有量の上限としては、100質量%であってもよい。当該当該板紙は、中層の段ボール古紙パルプの含有量を上記範囲にすることで、サイズ性を向上しつつ、古紙パルプの再利用の促進を高めることができる。
[裏面層]
上記裏面層は、段ボール古紙パルプを含有する。
上記裏面層における上記段ボール古紙パルプの含有量の下限としては、90質量%であり、95質量%が好ましい。上記段ボール古紙パルプの含有量の含有量の上限としては、100質量%であってもよい。当該当該板紙は、梱包材として最裏面側に位置する裏面層の原料パルプとして上記段ボール古紙パルプの含有量を上記範囲にすることで、高温多湿環境下における強度を向上しつつ、古紙パルプの再利用の促進を高めることができる。
なお、当該板紙の各層は、上記針葉樹クラフトパルプ、上記段ボール古紙パルプ及び上記クラフト古紙パルプ以外にその他のパルプとして、例えば雑誌古紙パルプ、茶古紙、クラフト封筒古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、上白古紙、ケント古紙、構造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、脱墨・漂白古紙パルプ等を用いることができる。また、必要に応じて、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、晒ケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプを用いてもよい。
[添加剤]
(内添サイズ剤)
当該板紙は、全層が内添サイズ剤を含有する。当該板紙の全層が内添サイズ剤を含有することで、高温多湿環境下で当該板紙中の湿度に対する耐久性を高めることができ、当該板紙の品質維持を図ることができる。上記内添サイズ剤としては、スチレン系内添サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、中性ロジン内添サイズ剤、ロジン内添サイズ剤などが挙げられる。これらの中でも中性ロジン内添サイズ剤が好ましい。
上記ロジン内添サイズ剤としては特に限定されず、製紙分野で公知のものを用いることができる。ロジン系の物質は、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等のロジン類をフマル酸、マレイン酸、アクリル酸等のα,β-不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性した強化ロジンや、上記ロジン類をグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の多価アルコールを反応させて得られるロジンエステルを挙げることができる。また、本発明において、ロジン系内添サイズ剤には、これらの単独またはその混合物をエマルジョン化したもの、単独でエマルジョン化した後に混合したものも含まれる。さらに、上記エマルジョン化したものに、サイズ発現性をより向上させるために各種ポリマーを添加したものも含まれる。
全層の内添サイズ剤の合計含有量の下限としては、固形分換算で2.50kg/パルプtであり、2.55kg/パルプtが好ましい。また、全層の内添サイズ剤の合計含有量の上限としては、固形分換算で6.00kg/パルプtであり、5.85kg/パルプtが好ましい。内添サイズ剤の添加量を上記範囲とすることで、当該板紙に十分な耐水性を付与し、高温多湿環境下において当該板紙中の湿度に対する耐久性を高めることができる。なお、「kg/パルプt」とは、パルプ1トンに対する添加量(kg)を表す。ここで全層の内添サイズ剤の合計含有量とは、全層に添加した内添サイズ剤の合計量を、全層で使用したパルプの合計量で除して算出したものをさす。
(乾燥紙力増強剤)
当該板紙においては、少なくとも上記表面層及び上記表下層が乾燥紙力増強剤を含有し、上記表下層の上記乾燥紙力増強剤の含有量が上記表面層の上記乾燥紙力増強剤の含有量よりも多いことが好ましい。少なくとも上記表面層及び上記表下層が乾燥紙力増強剤を含有することで、当該板紙の表面側のパルプの繊維間の結合が強められるので、高温多湿環境下における強度をより向上できる。また、上記表下層の上記乾燥紙力増強剤の含有量が上記表面層の上記乾燥紙力増強剤の含有量よりも多いことで、古紙の再生処理により疲弊し、比較的扁平なパルプ繊維からなる段ボール古紙パルプを含む表下層の強度を高めることができるので、高温多湿環境下における強度をより向上できる。
乾燥紙力増強剤としては、アクリルアミド系乾燥紙力増強剤が好ましい。より好ましくは両性のポリアクリルアミド樹脂系の乾燥紙力増強剤が好ましい。両性のポリアクリルアミドはカチオンモノマー、アニオンモノマーをアクリルアミドと重合したものであり、自らのカチオン基を介して、パルプ繊維に直接定着する。また、両性のポリアクリルアミド樹脂系の乾燥紙力増強剤の特徴として分子構造、分子量をコントロールできる点がある。
当該板紙全体の乾燥紙力増強剤の添加量の下限としては、固形分換算で2.70kg/パルプtが好ましく、2.75kg/パルプtがより好ましい。また、当該板紙全体の乾燥紙力増強剤の添加量の上限としては、固形分換算で3.90kg/パルプtが好ましく、3.85kg/パルプtがより好ましい。当該板紙全体の乾燥紙力増強剤の添加量を上記範囲とすることで、当該板紙の柔軟性を担保しつつ、高温多湿環境下における強度を向上できる。
表面層の乾燥紙力増強剤の添加量の下限としては、固形分換算で0.8kg/パルプtが好ましい。また、表面層の乾燥紙力増強剤の添加量の上限としては、固形分換算で2.0kg/パルプtが好ましい。乾燥紙力増強剤を含有させることで圧縮強度の向上を図ることができるが、乾燥紙力増強剤を含有することにより、紙層の柔軟性を損なうおそれがある。当該板紙は、表面層において、圧縮強度向上に寄与する針葉樹未晒クラフトパルプの添加量が多い。このため、表面層の乾燥紙力増強剤の添加量を上記範囲とすることで、柔軟性を担保しつつ、罫割れ等の表面層の破断を抑制し、高温多湿環境下における強度をより向上できる。さらに、表面層の乾燥紙力増強剤の添加割合が上記上限を超えると、濾水性が低下し、抄紙機のプレスパートの圧搾及び脱水工程で原料パルプが排出されやすくなるおそれがある。また、上記プレスパートにおいて、ロールに貼り付いた湿紙を剥がすときに用いられるドクターブレードに原料パルプの粕が付着し、表面層の品質が低下するおそれがある。
表下層の乾燥紙力増強剤の添加量の下限としては、固形分換算で2.0kg/パルプtが好ましい。また、表下層の乾燥紙力増強剤の添加量の上限としては、固形分換算で7.0kg/パルプtが好ましい。表下層の乾燥紙力増強剤の添加量を上記範囲とすることで、乾燥紙力増強剤による柔軟性低下を抑制しつつ、段ボール古紙パルプを含む表下層の高温多湿環境下における強度をより向上できる。
中層の乾燥紙力増強剤の添加量の下限としては、固形分換算で1.0kg/パルプtが好ましい。また、中層の乾燥紙力増強剤の添加量の上限としては、固形分換算で6.0kg/パルプtが好ましい。中層の乾燥紙力増強剤の添加量を上記範囲とすることで、乾燥紙力増強剤による柔軟性低下を抑制しつつ、段ボール古紙パルプを含む中層の高温多湿環境下における強度をより向上できる。
裏面層の乾燥紙力増強剤の添加量の下限としては、固形分換算で2.0kg/パルプtが好ましい。また、裏面層の乾燥紙力増強剤の添加量の上限としては、固形分換算で8.0kg/パルプtが好ましい。裏面層の乾燥紙力増強剤の添加量を上記範囲とすることで、乾燥紙力増強剤による柔軟性の低下を抑制しつつ、段ボール古紙パルプを含む裏面層の高温多湿環境下における強度をより向上できる。
(その他の添加剤)
当該板紙の表面層、表下層、中層、裏面層等の各層には、本発明の目的とする効果を損ねない範囲で各種製紙用添加剤を含有させてもよい。各種製紙用添加剤としては、例えば凝集剤(シリカ)等の薬品定着剤、ポリアミド等の歩留り向上剤、ポリアミン、エピクロルヒドリン等の耐水化剤、硫酸バンド等の薬品定着剤、消泡剤、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の填料、塩基性染料、酸性染料、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料等の公知の添加剤、カチオン化澱粉、両性澱粉等の紙力増強剤として単独又は2種以上を併用して添加することができる。
[塗工層]
当該板紙は、上記表面層及び上記裏面層の表面に塗工層が形成され、上記塗工層が澱粉及びアニオン性外添サイズ剤を含有していてもよい。上記表面層及び上記裏面層の表面に塗工層が形成され、上記塗工層が澱粉及びアニオン性外添サイズ剤を含有することで、塗工層と接する表面層のパルプ繊維間の目止めをすることができるので、印刷適性を向上させ、印刷面の平滑化を確保できる。
澱粉としては、例えば、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉や、これらを原料とした酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉の各種変性澱粉などが挙げられるが、これに限定されるものではない。またこれらの澱粉は単独でも、または2種以上を組み合わせて使用することもできる。
アニオン性外添サイズ剤としては、例えばロジンソープ外添サイズ剤、ロジンエマルション外添サイズ剤、特殊変性ロジン外添サイズ剤、アルケニルコハク酸、アルケニル無水コハク酸、アニオン性アルキルケテンダイマー、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂、スチレン-マレイン酸-アクリル系樹脂、ワックス系外添サイズ剤等が挙げられる。
塗工層における上記澱粉及び上記アニオン性外添サイズ剤の質量比が固形分換算で90.9:9.1から96.8:3.2が好ましく、93.0:7.0から95.0:5.0がより好ましい。上記澱粉及び上記アニオン性外添サイズ剤の質量比が上記範囲であることで、当該板紙の表面層側においては印刷適性を向上させ、印刷面の平滑化を確保できる。さらに、塗工層の剛性を向上できるので、当該板紙の裏面層側においては圧縮強度を向上できる。
塗工層は、上記澱粉及びアニオン性外添サイズ剤に、防滑剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、流動変性剤、染料、耐水化剤、保水剤等の各種助剤を含有してもよい。
塗工層の塗工量の下限としては、固形分換算で、1.50g/mが好ましく、1.70g/mがより好ましい。一方、上記塗工量の上限としては、2.25g/mが好ましく、2.17g/mがより好ましい。塗工層の塗工量が上記範囲であることで、当該板紙の表面層側の塗工層と接する表面層のパルプ繊維間の目止めをすることができるので、印刷適性を向上させることができる。
[板紙の特性]
(坪量)
坪量は、JIS-P8124(2011)に準拠して測定される。本発明の更なる好ましい形態においては、板紙の総坪量は、330g/m以上400g/m以下であり、340g/m以上380g/m以下であることがより好ましい。当該板紙の総坪量が330g/m未満の場合、圧縮強度不足になるおそれがある。当該板紙の総坪量が400g/mを超えると、重量物運搬における軽量化が図りにくくなるおそれがある。当該板紙の坪量が330g/m以上400g/m以下であることで、当該板紙の圧縮強度と重量物運搬における軽量化との両立を図ることができる。
当該板紙を構成する表面層の坪量は、30.0g/mから80.0g/mであることが好ましく、40.0g/mから50.0g/mであることがより好ましい。表下層の坪量は、50.0g/mから90.0g/mであることが好ましく、60.0g/mから80.0g/mであることより好ましい。中層の坪量は、50.0g/mから90.0g/mであることが好ましく、60.0g/mから80.0g/mであることより好ましい。裏面層の坪量は、140.0g/mから190.0g/mであることが好ましく、150.0g/mから180.0g/mであることがより好ましい。本発明の板紙においては、全体の坪量を上記範囲内とすることにより、製函時の成形性を良好にすることができ、かつ高温多湿環境下においても成型後に内容物を充填した際の包装容器の破損を抑制することができる。
(密度)
当該板紙の密度の下限としては、0.75g/cmが好ましく、0.78g/cmがより好ましい。上記密度の上限としては、0.95g/cmが好ましく、0.85g/cmがより好ましい。当該板紙の密度が上記範囲であることで、クッション性を付与し、乾燥紙力増強剤を必要以上に添加せずに、高い圧縮強度を発揮得ることができる。
(紙厚)
紙厚は、JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定される。当該本発明の板紙の全体の紙厚は、300μmから550μmであることが好ましく、350μmから500μmであることがより好ましい。
(コブサイズ度)
コブサイズ度は、JIS-P8140(1998)に準拠して、計測時間を2分として測定する。当該板紙のコブサイズ度の下限としては、5g/mであり、30g/mが好ましい。当該板紙のコブサイズ度が上記下限未満である場合、高温多湿環境下で当該板紙中の湿度を十分抑制することができないおそれがあるとともに、紙器等への加工時に貼合不良が生じるおそれがある。一方、当該板紙のコブサイズ度の上限としては、50g/mが好ましく、40g/mがより好ましい。当該板紙のコブサイズ度が上記上限以上の場合、当該板紙が吸湿により波うちやシワの発生を招くおそれがある。上記表面層及び上記裏面層の計測時間2分におけるコブサイズ度が上記範囲であることで、高温多湿環境下で当該板紙の吸湿を抑制することができ、当該板紙の品質維持を図ることができる。
上記表面層と、上記裏面層とのコブサイズ度の差の上限としては、10g/mであり、7g/mが好ましい。一方、上記コブサイズ度の差の下限としては、1g/mが好ましい。上記コブサイズ度の差が10g/mを超えると高温多湿環境下で表面層および裏面層の吸湿差による歪みを抑え難くなり、高温多湿環境下で段ボールシートの破裂強度が低下するおそれがある。上記コブサイズ度の差が1g/m未満の場合、コブサイズ度の調整を過度に行うこととなり、操業上の変動が大きくなることで、品質管理に要するコストが増大するおそれがある。
(幅方向の圧縮強度)
幅方向の圧縮強度は、JIS-P8126(2005)に準拠して測定される。重量物運搬用の板紙としては、板紙の抄紙方向に垂直である幅方向の圧縮強度が680N以上であることで、重量物運搬用の板紙として好適に用いられる強度を維持できる。一方、上記圧縮強度が850N以下であることで、当該板紙の加工適性が優れる。
(破裂強度)
破裂強度は、JIS-P8131(2009)紙及び板紙のミューレン高圧形試験機による破裂強さ試験方法に準拠して測定した。
(破裂指数)
破裂指数は、JIS-P8131(2009)に規定されている。破裂指数は、上記JIS-P8131(2009)に準拠して測定されるキロパスカル(kPa)単位で表した紙の破裂強度を上記坪量で除した値である。当該板紙の60℃、80%RHの雰囲気下における破裂指数の下限としては、2.60kPa・m/gが好ましく、2.70kPa・m/gがより好ましい。上記破裂指数が上記範囲であることで、当該板紙は、高温多湿環境下における耐衝撃性を向上できる。上記「60℃、80%RH」については、JIS-P8111(1998)に準拠して測定する。
当該板紙は重量物運搬用に用いられることが好ましい。当該板紙は高温多湿環境下における強度が優れるので、東南アジア向けの梱包用包装容器に用いられる段ボールシートとして用いることが好適であり、また、高温多湿環境下での流通分野等、様々な分野の産業用紙として用いることができる。
[板紙の製造方法]
当該板紙の製造方法は、特に限定されないが、例えば叩解工程と、抄紙工程と、塗工工程と、乾燥工程とを備える。
(叩解工程)
叩解工程では、各層を構成する原料パルプを所望のフリーネスとなるように叩解する。上記原料パルプは、針葉樹クラフトパルプ、段ボール古紙パルプ等を含有する。始めに、パルプ繊維を水に分散させて得たスラリーに、各紙層に対応した添加剤を必要に応じ添加して混合し、各紙層の紙料を調製する。
(抄紙工程)
次に、これらの原料スラリーを用いて、板紙のpHが6以上8以下になるように中性域で抄紙機にて抄紙する。上記抄紙工程では、走行するワイヤー上に噴出させたパルプ原料を抄紙する抄紙機を用いて原料パルプを抄紙する。抄紙機は特に限定されるものではなく、公知の抄紙機、例えば長網抄紙機、円網抄紙機、ハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマー等の抄紙機を使用することができ、4層以上6層以下の多層で抄紙される。
(塗工工程)
上記表面層及び裏面層においては、塗工液を塗工する工程を備えることができる。塗工工程では、公知の塗工機を用いることができる。
(乾燥工程)
次に、ドライヤーシリンダーにて紙を乾燥する。
最後にリールに巻き取り、板紙を得る。
当該板紙によれば、古紙パルプの再利用を図りつつ、高温多湿環境下における強度を向上できる。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
例えば当該板紙は、上記中層と上記裏面層との間に単層又は複数の中層を備えていてもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
パルプスラリー中に、表1及び表2に記載の原料を添加した。なお、表面層の針葉樹未晒パルプ及び段ボール古紙パルプのフリーネスは、JIS-P8220-1(2012)のパルプの離解方法に準拠して離解することによって離解パルプとし、この離解パルプをJIS-P8121-2(2012)のカナダ標準ろ水度試験方法に準拠して測定した。
(添加剤)
(1)ロジン系内添サイズ剤
ハリマ化成社の「NS-77P」 特殊ロジン内添サイズ剤(固形分50%)
(2)アクリルアミド系乾燥紙力増強剤
ハリマ化成社の「ハーマイドRB-550」:両イオン性ポリアクリルアミド(固形分20%)
[実施例2~実施例18、比較例1~比較例6及び参考例(市販品)]
原料の種類、含有量及び物性値を表1~表2に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~実施例18及び比較例1~比較例6の板紙を得た。また、参考例として坪量400g/mの市販品を評価した。
Figure 2023123332000001
Figure 2023123332000002
[評価]
得られた各板紙に対して、下記方法にて評価した。評価結果を表3に示す。
(1)坪量(g/m
JIS-P8142(1998)に記載の「紙及び板紙-坪量測定方法」に準拠して測定した。
(2)紙厚(μm)
JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
(3)密度(g/cm
JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
(4)幅方向の圧縮強度
常温常湿下(25℃、65%RH)の雰囲気下における幅方向の圧縮強度をJIS-P8126(2005)に準拠して測定した。
(5)コブサイズ度
JIS-P8140(1998)に準拠して測定した。なお、本発明でいうコブサイズ度は、表面層又は裏面層の面に水を2分間接触させて測定した。
(6)破裂強度及び破裂指数
常温常湿下(25℃、65%RH)の雰囲気下における破裂強度及び破裂指数は、JIS-P8131(2009)に準拠し、ゴム隔膜に接触する面を測定面とし、表面と裏面を各10回(平均値)測定した。なお、破裂指数は、破裂強度を坪量で除して算出した。
(7)耐折強度
耐折強度は、JIS-P8115(2001)に記載の「紙及び板紙-耐折強さ試験方法-MIT試験機法」に準じて縦方向の耐折強度を測定した。板紙の上記縦方向の耐折強度が490回以上であることで、罫割れを抑制できる。
(8)高温多湿環境下における強度(高温多湿環境下の破裂強度及び高温多湿環境下の破裂強度残存率)
初めに、得られた板紙を乾燥機内で105℃の条件下で2時間放置し、蒸留水を入れた容器内で試験片に重りを乗せた状態で30分間水中に浸漬させ、その後に試験片の表裏面を反転させて、さらに重りを乗せた状態で30分間水中に浸漬させた。その後、板紙の水気を布でふき取り、破裂強度をJIS-P8131(2009)に準拠して測定した。そして、上記の試験条件下における破裂強度を上記常温常湿下(23℃、50%RH)の雰囲気下における破裂強度で除して高温多湿環境下における破裂強度残存率[%]を求めた。板紙の上記高温多湿環境下における破裂強度残存率[%]が20%未満の場合、高温多湿環境下における耐衝撃性が十分得られず、輸送時の箱潰れ等が生じやすくなる。また、上記高温多湿環境下における破裂強度残存率[%]が38%以上の場合、水への溶解性が低下するため、リサイクル性に劣ることになる。
Figure 2023123332000003
上記表3に示されるように、上記表面層の全パルプ成分に対する上記針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が90質量%以上であり、上記表下層、上記中層及び上記裏面層が段ボール古紙パルプを含有し、上記裏面層の全パルプ成分に対する上記段ボール古紙パルプの含有量が90質量%以上であり、全層が内添サイズ剤を含有し、上記全層における内添サイズ剤の合計含有量が固形分換算で2.50kg/パルプt以上6.00kg/パルプt以下であり、総坪量が330g/m以上400g/m以下であり、上記表面層及び上記裏面層のコブサイズ度が5g/m以上50g/m以下であり、上記表面層と、上記裏面層とのコブサイズ度の差が10g/m以下である実施例1~実施例18は、幅方向の圧縮強度が680N以上であり、重量物運搬用の板紙として好適に用いられる強度を維持できることがわかる。また、高温多湿環境下の破裂強度及び高温多湿環境下の破裂強度残存率耐折強度、並びに耐折強度のいずれも良好であった。
一方、総坪量が330g/m未満である比較例1、比較例2及び比較例6は、総坪量が330g/m未満と低いため、幅方向の圧縮強度が低く、重量物運搬用の板紙として不適であった。比較例3は、表面層の全パルプ成分に対する針葉樹クラフトパルプの含有量が90質量%未満であるため、幅方向の圧縮強度及び耐折強度が低くなり、重量物運搬用の板紙として不適であった。内添サイズ剤の合計含有量が2.50kg/パルプt以下であり、表面層と裏面層とのコブサイズ度の差が10g/m以上である比較例4は、高温多湿下での破裂強度残存率が低下した。内添サイズ剤の合計含有量が2.50kg/パルプt以下であり、表面層及び裏面層のコブサイズ度が50g/m以上の比較例5は、高温多湿下での破裂強度残存率が低下した。
また、参考例の市販品は、表面層と裏面層とのコブサイズ度の差が10g/m以上であるものの、総坪量が410g/mと高いため、圧縮強度及び高温多湿下での破裂強度残存率が高くなった。しかしながら、総坪量が410g/mと高いことで、重量物運搬における軽量化が図りにくくなる。
以上の結果、古紙パルプの再利用を図りつつ、高温多湿環境下における強度を向上できることが示された。当該板紙は、重量物運搬用の板紙として高温多湿環境下での流通分野等、様々な分野の産業用紙として用いることができる。

Claims (4)

  1. 4層以上6層以下の層を有する板紙であって、
    少なくとも表面層、表下層、中層及び裏面層を備え、
    上記表面層が針葉樹未晒クラフトパルプを含有し、
    上記表面層の全パルプ成分に対する上記針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が90質量%以上であり、
    上記表下層、上記中層及び上記裏面層が段ボール古紙パルプを含有し、
    上記裏面層の全パルプ成分に対する上記段ボール古紙パルプの含有量が90質量%以上であり、
    全層が内添サイズ剤を含有し、
    上記全層における内添サイズ剤の合計含有量が固形分換算で2.50kg/パルプt以上6.00kg/パルプt以下であり、
    総坪量が330g/m以上400g/m以下であり、
    上記表面層及び上記裏面層の計測時間2分におけるコブサイズ度が5g/m以上50g/m以下であり、
    上記表面層と、上記裏面層とのコブサイズ度の差が10g/m以下である板紙。
  2. 少なくとも上記表面層及び上記表下層が乾燥紙力増強剤を含有し、
    上記表下層の上記乾燥紙力増強剤の含有量が上記表面層の上記乾燥紙力増強剤の含有量よりも多い請求項1に記載の板紙。
  3. 上記表下層及び上記中層の各全パルプ成分に対する上記段ボール古紙パルプの含有量が90質量%以上であり、
    密度が、0.75g/cm以上0.95g/cm以下であり、
    破裂強度が950kPa以上1100kPa以下である請求項1又は請求項2に記載の板紙。
  4. 重量物運搬用に用いられる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の板紙。

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