JP2023122443A - 道路舗装用アスファルトの再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】路上表層再生工法の加熱温度未満の温度環境下で、粘弾性測定試験による劣化アスファルトの損失正接を上昇させ、劣化アスファルト混合物のひび割れも閉塞できる、道路舗装用アスファルトの再生方法の提供。【解決手段】散布及び塗布の少なくともいずれか1つの処理により、劣化アスファルト混合物の表面から劣化アスファルトの内部へエマルションを含む液体組成物を浸透させる工程(SA)を含み、下記条件(1)及び(2)を満たす再生方法。・条件(1):液体組成物が浸透した後の劣化アスファルト混合物の針入度が、液体組成物が浸透する前の劣化アスファルト混合物の針入度に対して、比率(百分率)で150%以上。・条件(2):液体組成物が浸透した後の劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量が、液体組成物が浸透する前の劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量に対して、質量比(百分率)で103.0%以上。【選択図】図2

Description

本発明は、道路舗装用アスファルトの再生方法に関する。
車両が走行する道路は、利便性及び安全性を高めるために舗装が施されている。特に、アスファルト舗装で用いられるアスファルト混合物は、全国で材料が入手しやすく、施工の利便性が高い。また、再生利用ができる観点から、アスファルト舗装は一般的な舗装として広く利用されており、現代社会において必須の社会インフラとなっている。
アスファルト舗装は、表面が長期間紫外線や酸素、雨水等の環境負荷にさらされることにより、アスファルトを含む結合剤が劣化するため、硬く、脆くなりやすい。また、絶えず交通荷重が掛かるため、舗装にひび割れ、轍掘れなどの損傷が生じてしまう。更に、アスファルト舗装表面のひび割れに雨水が浸透することにより、破損がアスファルト舗装全体に広がってしまう。
そこで、道路に舗装された劣化アスファルト混合物中、劣化したアスファルトを新品のアスファルトの性質に近づける、即ち、劣化アスファルトの軟性や粘性を向上させ、劣化アスファルト混合物のひび割れを閉塞して、劣化アスファルト混合物を再生させる技術が求められている。
アスファルト舗装を再生させる方法としては、例えば、道路で切削した劣化アスファルト混合物をリサイクルプラントに搬入した後、劣化アスファルト混合物と再生オイルと新品のアスファルト混合物とを加熱しながら混合し、その後再び施工現場となる道路に加熱状態で運ぶ方法が知られている。
また、アスファルト舗装を道路上(現位置)で再生させる方法としては、例えば、現位置において劣化アスファルト混合物層をヒーターで加熱した後にかきほぐしを行い、次に新品のアスファルト混合物の混合等を行った後、敷きならしや締め固めを連続的に行い、新しい表層として再生する、「路上表層再生工法」が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
また、路上表層再生工法の加熱温度未満の温度環境下で、道路に舗装された劣化アスファルト混合物を再生させる方法として、「フォグシール工法」が知られている。
フォグシール工法とは、劣化アスファルト混合物の表面に、水で希釈したアスファルト乳剤を薄く散布する表面処理工法である。そして、アスファルト乳剤とは、乳化剤の内部にアスファルトを含む粒子を、水中に分散させた液体である。
劣化したアスファルト舗装は、新設のアスファルト舗装に比べて吸水しやすい傾向があり、水膜が張りやすい。そのため、例えば、夜間の降雨環境において、劣化アスファルト舗装の道路を自動車で走行する人にとって、路面にある標示や車線等の視認性が、ライトによる反射のため落ちやすいという問題がある。これに対し、フォグシール工法による再生を行うと、劣化アスファルト舗装の表面に、撥水性を有する新しいアスファルトによる被膜が形成されるため、水膜の発生が抑制されてライトによる反射を防ぐことができる。また、アスファルト舗装の表面の色が黒色に近づき、標示や車線等の白色との差も明確になるため、走行する人の視認性を向上できるという利点がある。
フォグシール工法は、破損がアスファルト舗装全体に広がってしまうことを抑制するため、舗装表面のひび割れから雨水が浸透しないように、欠損したアスファルトの被膜を再構築し、舗装を構成する細骨材が飛散しないように結合される。
また、「路上表層再生工法」を変形した技術としては、例えば、アスファルト舗装の表面をヒーターで加熱して表層や基層を軟化させた後、舗装面にアスファルト乳剤を散布し、舗装面から表層や基層を所定の深さまでを破砕し、撹拌や混合した後、その破砕物とアスファルト乳剤との混合物とし、敷きならして締め固める方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
舗装再生便覧(平成22年版)、社団法人 日本道路協会
特開昭59-228504号公報
リサイクルプラントに搬入して加熱する方法の場合、劣化アスファルト混合物を施工現場からリサイクルプラントまで搬入する必要がある。また、再生した加熱状態のアスファルト混合物を再び施工現場に運ぶ必要がある。したがって、施工現場がリサイクルプラントから非常に離れている場合、当該再生方法を使用できないという問題がある。
また、非特許文献1等に記載の路上表層再生工法では、一般的にアスファルト舗装の表面を110℃以上に加熱するが、ヒーター等の大がかりな機械設備を用意する必要がある。また、路上表層再生工法では、既設アスファルト混合物層のかきほぐし、撹拌や混合、敷きならし、締め固め等の作業を連続的に行う必要がある。しかし、マンホール等の道路占用物の周囲や、橋の継手の前後では、作業員によりマンホール等を除去する作業が必要になるため、既設アスファルト混合物層のかきほぐし等を連続的な機械設備で行うことができないという問題がある。更に、施工後、交通開放できるまでに非常に時間がかかるという問題もある。
フォグシール工法による再生の場合、加熱を行わず、路上表層再生工法の加熱温度未満の温度環境下で行われるため、リサイクルプラントや路上表層再生工法での問題は生じない。
しかしながら、フォグシール工法では、劣化アスファルト表面から5mm程度の深さにある砕石等の骨材粒子の空隙にアスファルト乳剤が浸透するものの、劣化アスファルトの内部へは浸透しない。つまり、骨材粒子の空隙や劣化アスファルトの周囲、道路表面にアスファルト乳剤由来の新しいアスファルトが充填されたり、アスファルトの被膜が形成されたりするだけであり、アスファルト舗装の表層や基層に含まれるアスファルトを含む結合剤が軟化する技術ではない。したがって、フォグシール工法を行っても、劣化アスファルトそのものの化学的性質は変化しない。
よって、フォグシール工法は、本質的に劣化アスファルトが再生される技術ではないため、再び経年により早期に劣化するおそれがあるという問題がある。また、フォグシール工法では、劣化アスファルト表面をコーティングする形態であるため、コーティングされた新しいアスファルトによる被膜が、劣化アスファルトとの界面で剥がれるおそれがあるという問題がある。
また、特許文献1に記載の技術は、アスファルト乳剤を用いることから、フォグシール工法と同様に、劣化アスファルトが再生される技術ではない。また、劣化アスファルト混合物層をヒーターで加熱した後にかきほぐしを行い、混合等を行った後、敷きならしや締め固めを連続的に行うことから、一般的な路上表層再生工法と同様の問題がある。
そこで、路上表層再生工法の加熱温度未満の温度環境下で、道路に舗装された劣化アスファルトを化学的に再生させる、道路舗装用アスファルトの再生技術の確立が望まれている。そして、劣化アスファルトの化学的再生の指標として、粘弾性測定試験による損失正接(tanδ)の上昇が求められている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、路上表層再生工法の加熱温度未満の温度環境下で、粘弾性測定試験による劣化アスファルトの損失正接(tanδ)を上昇させ、更に劣化アスファルト混合物のひび割れも閉塞できる、道路舗装用アスファルトの再生方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の条件で劣化アスファルト混合物の表面にエマルションを含む液体組成物を浸透させることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記[1]を提供する。
[1] 路上表層再生工法の加熱温度未満の温度環境下で、道路に舗装された劣化アスファルト混合物を再生させる、道路舗装用アスファルトの再生方法であって、
散布及び塗布の少なくともいずれか1つの処理により、前記劣化アスファルト混合物の表面から劣化アスファルトの内部へエマルションを含む液体組成物を浸透させる工程(S)を含み、
前記工程(S)は、下記条件(1)及び(2)を満たすように行う、道路舗装用アスファルトの再生方法。
・条件(1):前記液体組成物が浸透した後の前記劣化アスファルト混合物の針入度が、前記液体組成物が浸透する前の前記劣化アスファルト混合物の針入度に対して、比率(百分率)で150%以上である。
・条件(2):前記液体組成物が浸透した後の前記劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量が、前記液体組成物が浸透する前の前記劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量に対して、質量比(百分率)で103.0%以上である。
本発明によれば、路上表層再生工法の加熱温度未満の温度環境下で、粘弾性測定試験による劣化アスファルトの損失正接(tanδ)を上昇させ、更に劣化アスファルト混合物のひび割れも閉塞できる、道路舗装用アスファルトの再生方法を提供することが可能となる。
実施例1の液体組成物を塗布する前における、劣化アスファルト混合物表面の図面代用写真である。 実施例1の液体組成物を塗布し転圧した後における、劣化アスファルト混合物表面の図面代用写真である。 比較例6の液体組成物を塗布する前における、劣化アスファルト混合物表面の図面代用写真である。 比較例6の液体組成物を塗布し転圧した後における、劣化アスファルト混合物表面の図面代用写真である。 参考例1の転圧する前における、劣化アスファルト混合物表面の図面代用写真である。 参考例1の転圧した後における、劣化アスファルト混合物表面の図面代用写真である。
本明細書中、好ましい数値範囲(例えば、含有量等の範囲)について、段階的に記載された下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10以上、より好ましくは30以上、更に好ましくは40以上」という下限値の記載と、「好ましくは90以下、より好ましくは80以下、更に好ましくは70以下である」という上限値の記載とから、好適範囲として、例えば、「10以上70以下」、「30以上70以下」、「40以上80以下」といったそれぞれ独立に選択した下限値と上限値とを組み合わせた範囲を選択することもできる。また、同様の記載から、例えば、単に、「40以上」又は「70以下」といった下限値又は上限値の一方を規定した範囲を選択することもできる。
なお、本明細書中、数値範囲の記載において、例えば、「10~90」という記載は「10以上90以下」と同義である。なお、数値範囲の記載に関する「以上」、「以下」、「未満」、「超」の数値もまた、任意に組み合わせることができる。
[道路舗装用アスファルトの再生方法]
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法は、路上表層再生工法の加熱温度未満の温度環境下で、道路に舗装された劣化アスファルト混合物を再生させる、道路舗装用アスファルトの再生方法であって、散布及び塗布の少なくともいずれか1つの処理により、前記劣化アスファルト混合物の表面から劣化アスファルトの内部へエマルションを含む液体組成物を浸透させる工程(S)を含み、前記工程(S)は、下記条件(1)及び(2)を満たすように行う、道路舗装用アスファルトの再生方法である。
・条件(1):前記液体組成物が浸透した後の前記劣化アスファルト混合物の針入度が、前記液体組成物が浸透する前の前記劣化アスファルト混合物の針入度に対して、比率(百分率)で150%以上である。
・条件(2):前記液体組成物が浸透した後の前記劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量が、前記液体組成物が浸透する前の前記劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量に対して、質量比(百分率)で103.0%以上である。
上記課題を解決すべく、本発明者らが鋭意検討した結果、劣化アスファルト混合物の表面に、特定の条件でエマルションを含む液体組成物を浸透させることにより、路上表層再生工法の加熱温度未満の温度環境下で、劣化アスファルトを再生させることができることを見出した。具体的には、路上表層再生工法の加熱温度未満の温度環境下で、粘弾性測定試験による劣化アスファルトの損失正接(tanδ)を上昇させ、更に劣化アスファルト混合物のひび割れも閉塞できる道路舗装用アスファルトの再生方法を見出した。
<工程(S)>
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、工程(S)は、後述する条件(1)及び(2)を満たして、劣化アスファルト混合物の表面から劣化アスファルトの内部へエマルションを含む液体組成物を浸透させる工程である。
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法では、特定の条件で劣化アスファルト混合物の表面から劣化アスファルトの内部へエマルションを含む液体組成物を浸透させることにより、アスファルト舗装の表層や基層に含まれるアスファルトを含む結合剤が軟化されるため、加熱を行わずに、粘弾性測定試験による劣化アスファルトの損失正接(tanδ)を上昇させ、更に劣化アスファルト混合物のひび割れを閉塞することができる。
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法では、路上表層再生工法の加熱温度未満の温度環境下で、液体組成物の浸透により、劣化アスファルトを再生させる。したがって、常温で作業することができ、リサイクルプラントや路上表層再生工法での大がかりな機械設備も必要としない。
また、工程(S)では、劣化アスファルト混合物層のかきほぐしを行ってもよいが、作業を簡便にする観点から、劣化アスファルト混合物層のかきほぐしを行わないことが好ましい。工程(S)では、劣化アスファルト混合物層のかきほぐしを行わなくとも、散布及び塗布の少なくともいずれか1つの処理により、液体組成物を劣化アスファルト混合物の表面から浸透させるだけで済むため、マンホール等の設備がある道路であっても使用でき、作業員による既設設備の除去作業を行うが必要ない。更に、施工した後、短時間で交通開放することができる。
路上表層再生工法では、一般的に劣化アスファルト舗装の表面を110℃以上に加熱する必要がある。しかしながら、本発明では、このような加熱を必要としない。つまり、本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法における「路上表層再生工法の加熱温度未満の温度環境下」とは、具体的には、劣化アスファルト舗装の表面が110℃未満の温度環境下を意味する。
なお、劣化アスファルト舗装の表面が110℃未満の温度であれば、劣化アスファルト舗装の表面温度よりも高温での加熱を行ってもよいが、本発明の再生方法をより簡便に実施しやすくする観点から、加熱温度は低いことが好ましく(好ましくは劣化アスファルト舗装の表面が80℃未満の温度となる加熱、より好ましくは劣化アスファルト舗装の表面が75℃以下の温度となる加熱)、より好ましくは加熱を行わないことである。
後述するように、本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法では、散布及び塗布の少なくともいずれか1つの処理を行う際に、例えば、道路舗装機械であるアスファルトディストリビュータにより液体組成物の散布や塗布が行われる。ただし、アスファルトディストリビュータの作動による加温は、前記「加熱」には含まない。
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、「劣化アスファルト」とは、未使用のストレートアスファルトが、紫外線や酸素、雨水等の環境負荷に長期間さらされたことにより、劣化し、未使用から化学的性質が変化したものを意味する。
なお、改質剤を含んだ未使用のストレートアスファルトが、紫外線や酸素、雨水等の環境負荷に長期間直接さらされたことにより、劣化し、未使用から化学的性質が変化したものも、本実施形態の「劣化アスファルト」に含まれる。
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、「劣化アスファルト混合物」とは、前記劣化アスファルトと、骨材との混合物を意味する。
なお、「劣化アスファルト混合物」は、劣化アスファルト及び骨材以外の他の成分を含んでもよい。
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、「劣化アスファルト混合物の表面」とは、前記劣化アスファルト混合物において、紫外線や酸素、雨水等の環境負荷に長期間直接さらされていた面を意味する。
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、「浸透」とは、劣化アスファルト混合物の表面から「劣化アスファルトの内部」へ浸透することを意味する。したがって、液体組成物がアスファルト混合物中の骨材粒子の隙間に浸透しても、劣化アスファルトの内部へ浸透しない場合、本実施形態を満たすものではない。
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、「再生」とは、加熱を行わずに、道路に舗装された劣化アスファルトを「化学的に再生させる」ことを意味する。したがって、後述する条件(1)及び条件(2)を満たさない場合、化学的に再生されたことを示すものではないため、本実施形態を満たすものではない。
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、劣化アスファルト混合物を再生させる場所は、特に制限はないが、作業を簡便にする観点から、劣化アスファルト混合物が存する道路上(現位置)が好ましい。
また、施工現場にて劣化アスファルト混合物を切削した後、リサイクルプラントに搬入し、リサイクルプラントにて前記液体組成物を劣化アスファルト混合物に散布/塗布して再生させた後、再生後のアスファルト混合物を再び施工現場に搬入してもよい。
前記工程(S)は、下記条件(1)及び(2)を満たすように行われる。
・条件(1):前記液体組成物が浸透した後の前記劣化アスファルト混合物の針入度が、前記液体組成物が浸透する前の前記劣化アスファルト混合物の針入度に対して、比率(百分率)で150%以上である。
・条件(2):前記液体組成物が浸透した後の前記劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量が、前記液体組成物が浸透する前の前記劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量に対して、質量比(百分率)で103.0%以上である。
前記工程(S)は、散布及び塗布の少なくともいずれか1つの処理を含む。
前記工程(S)は、散布及び塗布の少なくともいずれか1つの処理を含むものであれば、特に限定なく、公知の方法を用いることができる。
なお、「散布及び塗布の少なくともいずれか1つの処理」は、「散布及び/又は塗布」を意味するものであり、本明細書において、「散布/塗布」ともいう。
散布/塗布の方法としては、例えば、道路舗装機械であるアスファルトディストリビュータによる散布や塗布が挙げられる。
アスファルトディストリビュータとしては、特に制限はなく、例えば、空圧式、油圧式、機械式等が挙げられる。
劣化アスファルト混合物に液体組成物の散布及び塗布の少なくともいずれか1つの処理を行った後、液体組成物が散布/塗布された劣化アスファルト混合物に圧力をかける(転圧する)ことが好ましい。
転圧することにより、散布/塗布された液体組成物を迅速に劣化アスファルト混合物に浸透させることができる。
転圧する方法としては、例えば、舗装用マカダムローラー、タイヤローラーなどが挙げられる。
舗装用マカダムローラーを用いる場合、劣化アスファルト混合物には線で接触する。したがって、舗装用マカダムローラーを用いる場合、劣化アスファルト混合物にかかる圧力は、静線圧となる。
前記静線圧としては、好ましくは200N/cm以上650N/cm以下、より好ましくは300N/cm以上600N/cm以下、更に好ましくは450N/cm以上550N/cm以下である。
タイヤローラーを用いる場合、タイヤの素材がゴムであるため、劣化アスファルト混合物には面で接触する。したがって、タイヤローラーを用いる場合、劣化アスファルト混合物にかかる圧力は、接地圧となる。
前記接地圧としては、好ましくは150kPa以上460kPa以下、より好ましくは200kPa以上420kPa以下、更に好ましくは250kPa以上380kPa以下である。
劣化アスファルト混合物の表面に散布/塗布される液体組成物の量としては、特に制限はないが、好ましくは0.10L/m以上1.2L/m以下、より好ましくは0.15L/m以上1.0L/m以下、更に好ましくは0.20L/m以上0.80L/m以下である。
<<条件(1)>>
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法は、前記工程(S)において、下記条件(1)を満たすように行われる。
・条件(1):前記液体組成物が浸透した後の前記劣化アスファルト混合物の針入度が、前記液体組成物が浸透する前の前記劣化アスファルト混合物の針入度に対して、比率(百分率)で150%以上である。
針入度は、アスファルトの硬さを示す物性値である。針入度の数値が大きい程、アスファルトが軟性であることを示す。
未使用のストレートアスファルトは、劣化アスファルトと比較して、一般的に軟性が高い。劣化アスファルト混合物の針入度が前記条件(1)を満たすことにより、劣化アスファルト混合物の針入度が未使用のアスファルト混合物の針入度に近づくため、劣化アスファルトが再生したと言える。
液体組成物が浸透する前の劣化アスファルト混合物の針入度に対する、液体組成物が浸透した後の劣化アスファルト混合物の針入度の比率(百分率)は、液体組成物が浸透した後の劣化アスファルト混合物の針入度を、液体組成物が浸透する前の劣化アスファルト混合物の針入度で除することにより算出することができる。
液体組成物が浸透する前の劣化アスファルト混合物の針入度に対する、液体組成物が浸透した後の劣化アスファルト混合物の針入度の比率(百分率)は、アスファルトが十分に軟性を有する観点から、好ましくは170%以上、より好ましくは200%以上、更に好ましくは300%以上、より更に好ましくは400%以上である。また、轍掘れを抑制する観点から、好ましくは、600%以下、より好ましくは500%以下である。
25℃における劣化アスファルト混合物の針入度は、JIS K2207-2006に準拠して測定することができる。
25℃における前記液体組成物が浸透した後の劣化アスファルト混合物の針入度は、未使用のアスファルト混合物の針入度性状にまで回復させる観点から、好ましくは20以上100以下、より好ましくは25以上90以下、更に好ましくは35以上80以下である。
<<条件(2)>>
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法は、前記工程(S)において、下記条件(2)を満たすように行われる。
・条件(2):前記液体組成物が浸透した後の前記劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量が、前記液体組成物が浸透する前の前記劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量に対して、質量比(百分率)で103.0%以上である。
マルテン成分とは、ストレートアスファルトの化学組成のうち、ノルマルペンタンに溶ける成分である。一方、ストレートアスファルトの化学組成のうち、ノルマルペンタンに溶けない成分が、アスファルテン成分である。
未使用のストレートアスファルトは、一般的にマルテン成分がストレートアスファルト全量基準で、70質量%~90質量%であり、劣化アスファルトと比較して、軟性が高い。つまり、劣化アスファルト混合物中、マルテン成分が多い程、また、アスファルテン分が少ない程、アスファルト混合物の軟性や粘性が向上するため、未使用のアスファルト混合物の組成に近づく。
前記条件(2)を満たすことにより、劣化アスファルト混合物が未使用のアスファルト混合物の組成に近づくため、劣化アスファルトが再生したと言える。
液体組成物が浸透する前の劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量に対する、液体組成物が浸透した後の劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量の質量比(百分率)は、液体組成物が浸透した後の劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量を、液体組成物が浸透する前の劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量で除することにより算出することができる。
液体組成物が浸透する前の劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量に対する、液体組成物が浸透した後の劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量の質量比(百分率)は、再生効果の組成的確認の観点から、好ましくは60以上90以下である。また、轍掘れを抑制する観点から、より好ましくは70以上80以下である。
アスファルト混合物中のマルテン成分、及びアスファルト混合物中のアスファルテン成分の含有量は、石油学会石油類試験規格であるJPI-5S-77-2019又はJPI-5S-70-2010に準拠して、薄層クロマトグラフィー/水素炎イオン化検出器(TLC/FID)法により求めることができる。
アスファルト混合物中のマルテン成分の含有量は、劣化アスファルトの軟性やタック性(粘着性)が、未使用のアスファルトが有する軟性やタック性に近づく観点から、好ましくは60以上90以下、より好ましくは65以上85以下、更に好ましくは70以上80以下である。
アスファルテン成分は、硬さや脆さを示す指標の一つである。アスファルト混合物中のアスファルテン成分の含有量は、舗装の結合材が適切な硬さを有する観点から、好ましくは10以上40以下、より好ましくは15以上35以下、更に好ましくは20以上30以下である。
<<条件(3)>>
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法は、前記工程(S)において、更に下記条件(3)を満たすように行われることが好ましい。
・条件(3):前記劣化アスファルト混合物に前記液体組成物が浸透した深さが、前記劣化アスファルト混合物の表面から10mm以上である。
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法では、液体組成物が劣化アスファルト混合物の表面から劣化アスファルトの内部へ浸透する。前記条件(3)を満たすことにより、液体組成物が劣化アスファルト混合物の表面から劣化アスファルトの内部へ浸透することが確認できる。
また、一般的なフォグシール工法で、アスファルト乳剤が劣化アスファルト混合物の砕石等の骨材粒子の空隙に浸透する深さと比較して、本実施形態の液体組成物が劣化アスファルト混合物の内部に浸透する深さの方が、深くまで浸透する。
劣化アスファルト混合物の表面に空隙やひび割れがある場合、当該空隙やひび割れの最深部から10mm以上浸透することが好ましい。
劣化アスファルト混合物に前記液体組成物が浸透する深さが、劣化アスファルト混合物の表面から10mm以上であるかどうかは、例えば、以下のようにして判断できる。
まず、常温(25℃)環境下において、アスファルト混合物の表面から厚さ10mmを切り出す。次に、アスファルト混合物の表面に液体組成物を散布又は塗布する。次に、散布又は塗布された液体組成物がアスファルト混合物の表面から厚さ10mmとなる下部の面まで浸透するかどうか目視で観察することにより、判断できる。
[液体組成物]
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、液体組成物は、エマルションを含み、前記工程(S)において、散布及び塗布の少なくともいずれか1つの処理により、前記劣化アスファルト混合物の表面から浸透される。
液体組成物は、エマルションを含む。液体組成物がエマルションを形成することにより、散布/塗布されるまでの間分離しない、即ち、貯蔵安定性に優れる状態で保つことができる。
液体組成物は、必要に応じて、アスファルト再生剤(A)、浸透促進剤(B)、可塑剤(C)、及び乳化剤含有水(D)から選択される少なくとも1種を含有してもよい。
以降の説明では、「アスファルト再生剤(A)」、「浸透促進剤(B)」、「可塑剤(C)」、及び「乳化剤含有水(D)」を、それぞれ「成分(A)」、「成分(B)」、「成分(C)」、及び「成分(D)」ともいう。
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法の液体組成物において、成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)の合計含有量は、当該液体組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上である。また、通常100質量%以下、好ましくは100質量%未満、より好ましくは99質量%以下、更に好ましくは98質量%以下である。
なお、本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法の液体組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)以外の他の成分を含んでいてもよい。
<アスファルト再生剤(A)>
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、前記液体組成物は、アスファルト再生剤(A)を含有することが好ましい。
アスファルト再生剤(A)は、マルテン成分(レジン分、芳香族分、飽和分)を含む成分である。
アスファルトの成分は、溶解性等により、マルテン成分(レジン分、芳香族分、飽和分)とアスファルテン成分とに分けられる。未使用のアスファルトは、これらのうち、主に芳香族分に由来する軟性を有する。
ところが、アスファルトは、長期間紫外線や酸素にさらされることにより、芳香族分に含まれる炭素の二重結合部に酸素が作用し、酸化劣化や結合のラジカル化により、重合が進む。これにより、芳香族分が減少し、アスファルテン成分が増加する。したがって、劣化アスファルトは、未使用のアスファルトと比較して硬く、脆い性質がある。
そこで、液体組成物がマルテン成分(レジン分、芳香族分、飽和分)を含むアスファルト再生剤(A)を、劣化アスファルトに補充することにより、液体組成物を散布/塗布された劣化アスファルトは未使用のアスファルトの組成に近づくため、軟性や粘性を向上させることができる。
液体組成物において、アスファルト再生剤(A)としては、ナフテン系鉱油(A1)、芳香族系鉱油(A2)、及び植物油(A3)から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
ナフテン系鉱油(A1)とは、飽和成分と芳香族成分とを含み、飽和成分の含有率が35.0%超65.0%以下である鉱油を意味する。
芳香族系鉱油(A2)とは、飽和成分と芳香族成分とを含み、飽和成分の含有率が35.0%以下である鉱油を意味する。
これらの中でも、飽和分と芳香族分のバランス、軟性、及び再劣化を抑制する観点から、ナフテン系鉱油(A1)が好ましい。
ナフテン系鉱油(A1)の%Cとしては、好ましくは30~60、より好ましくは35~50である。
ナフテン系鉱油(A1)の%Cとしては、好ましくは40~60、より好ましくは45~55である。
ナフテン系鉱油(A1)の%Cとしては、好ましくは8~16、より好ましくは9~13である。
ナフテン系鉱油(A1)の飽和分含有率としては、好ましくは35.1~65.0、より好ましくは40.0~58.0である。
芳香族系鉱油(A2)の%Cとしては、好ましくは5.0~30.0、より好ましくは8.0~26.0である。
芳香族系鉱油(A2)の%Cとしては、好ましくは20.0~50.0、より好ましくは25.0~48.0である。
芳香族系鉱油(A2)の%Cとしては、好ましくは40.0~50.0、より好ましくは42.0~48.0である。
芳香族系鉱油(A2)の飽和分含有率としては、好ましくは20.1~35.0、より好ましくは23.0~32.0である。
植物油(A3)としては、特に制限はなく、例えば、大豆油、ナタネ油、コーン油、精製パーム油などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、アスファルト再生剤(A)は、飽和成分を含み、飽和成分の含有率が65.0%超である鉱油(以下、「パラフィン系鉱油(A’)」という。)を含んでもよい。ただし、アスファルト再生剤(A)がパラフィン系鉱油(A’)を含む場合、再生後の劣化アスファルトが再び劣化する場合があるため、アスファルト再生剤(A)中、パラフィン系鉱油(A’)の含有量は少ないことが好ましい。
アスファルト再生剤(A)の引火点としては、安全性の観点から、好ましくは250℃以上390℃以下、より好ましくは260℃以上350℃以下、更に好ましくは280℃以上320℃以下である。
アスファルト再生剤(A)の含有量は、針入度回復及び組成回復の観点から、当該液体組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上であり、また、好ましくは65質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下、より更に好ましくは40質量%以下である。
<浸透促進剤(B)>
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、前記液体組成物は、浸透促進剤(B)を含有することが好ましい。
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、浸透促進剤(B)は、劣化アスファルトを溶解する成分である。また、劣化アスファルトの内部へ、アスファルト再生剤(A)や可塑剤(C)を浸透させる成分である。更に、劣化アスファルトと混合した後、速やかに揮発、乾燥する性質を有する成分である。
液体組成物が浸透促進剤(B)を含有することにより、加熱を行わずに常温環境下で、液体組成物中のアスファルト再生剤(A)や可塑剤(C)を劣化アスファルトの内部へ浸透させることができる。また、浸透促進剤(B)はその後速やかに揮発、乾燥するため、アスファルト舗装の表面はアスファルトの溶解によるタック性(粘着性)が弱まり、短時間の施工で交通開放を行うことができる。また、浸透促進剤(B)の後速やかな揮発、乾燥により、再生したアスファルト舗装が轍掘れを生じることを抑制することができる。
浸透促進剤(B)の沸点としては、アスファルト再生剤(A)や可塑剤(C)を浸透させるまでは劣化アスファルトに保持されつつ、その後速やかに揮発、乾燥する観点から、140℃以上が好ましく、160℃以上がより好ましい。
浸透促進剤(B)としては、特に制限はなく、例えば、ナフテン系炭化水素(B1)、テルペン系炭化水素(B2)、アルコール含有脂肪族炭化水素(B3)などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、乾燥性、アスファルト溶解性、アスファルト表面への残存性、臭気の観点から、好ましくはナフテン系炭化水素(B1)、テルペン系炭化水素(B2)、より好ましくはナフテン系炭化水素(B1)である。
なお、浸透促進剤(B)は、灯油(以下、「灯油(B’)」という。)を含んでもよい。ただし、浸透促進剤(B)が灯油(B’)を含む場合、揮発、乾燥に非常に時間がかかるため、浸透促進剤(B)中、灯油(B’)の含有量は少ないことが好ましい。
ナフテン系炭化水素(B1)は、例えば、C2n(nは、1以上30以下の整数を表す。)で表される環状構造を有する脂肪族炭化水素が挙げられる。
浸透促進剤(B)としてのナフテン系炭化水素(B1)は、前述したアスファルト再生剤(A)としてのナフテン系鉱油(A1)よりも分子量が小さく、沸点が低い。これは、アスファルト再生剤(A)としてのナフテン系鉱油(A1)は劣化アスファルトに保持される成分である一方、浸透促進剤(B)としてのナフテン系炭化水素(B1)は、アスファルト再生剤(A)や可塑剤(C)が劣化アスファルトに保持された後速やかに揮発、乾燥する必要があるためである。
ナフテン系炭化水素(B1)の沸点としては、アスファルト再生剤(A)や可塑剤(C)を浸透させるまでは劣化アスファルトに保持されつつ、その後速やかに揮発、乾燥する観点から、好ましくは140℃以上250℃以下、より好ましくは180℃以上240℃以下、更に好ましくは190℃以上220℃以下である。
テルペン系炭化水素(B2)は、例えば、(C(nは、1以上10以下の整数を表す。)を基本骨格とする炭化水素が挙げられる。
テルペン系炭化水素(B2)の沸点としては、アスファルト再生剤(A)や可塑剤(C)を浸透させるまでは劣化アスファルトに保持されつつ、その後速やかに揮発、乾燥する観点から、好ましくは140℃以上220℃以下、より好ましくは150℃以上200℃以下、更に好ましくは170℃以上190℃以下である。
テルペン系炭化水素(B2)としては、特に制限はなく、例えば、リモネン、βピネン、モノテルペンなどが挙げられる。
リモネンとしては、光学異性体であるd体、l体を含んでもよい。また、d体、l体それぞれの誘導体を含んでもよい。
d-リモネンの誘導体としては、例えば、シトラールA等が挙げられる。
アルコール含有脂肪族炭化水素(B3)は、例えば、アルコールを含有する脂肪族炭化水素が挙げられる。
アルコール含有脂肪族炭化水素(B3)の沸点としては、アスファルト再生剤(A)や可塑剤(C)を浸透させるまでは劣化アスファルトに保持されつつ、その後速やかに揮発、乾燥する観点から、好ましくは140℃以上250℃以下、より好ましくは160℃以上230℃以下、更に好ましくは180℃以上210℃以下である。
アルコール含有脂肪族炭化水素(B3)としては、特に制限はなく、例えば、芳香族アルコール類などが挙げられる。
芳香族アルコール類としては、例えば、ベンジルアルコール、2,3-ジメトキシベンジルアルコール、1-ベンジル-2-メチルプロパノール、フェネチルアルコール、アニスアルコール、サリチルアルコール、ジフェニルメタノール等が挙げられる。
浸透促進剤(B)の含有量は、乾燥性、アスファルト溶解性、アスファルト表面への残存性、臭気の観点から、当該液体組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上、更に好ましくは14質量%以上であり、また、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
アスファルト再生剤(A)と浸透促進剤(B)との配合比率[(A)/(B)]としては、溶解性の観点から、質量比で、好ましくは0.3以上2.7以下、より好ましくは0.4以上2.5以下、更に好ましくは0.8以上2.4以下である。
<可塑剤(C)>
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、前記液体組成物は、可塑剤(C)を含有することが好ましい。
可塑剤(C)は、分子内に極性部分と非極性部分を有する成分である。
アスファルトは、長期間紫外線や酸素にさらされることにより、芳香族分に含まれる炭素の二重結合部に酸素が作用して酸化することにより、極性部分が増加する。これにより、レジン分やアスファルテン分の寄与が大きくなる。そして、酸化劣化や結合のラジカル化により重合が進み、劣化アスファルト混合物中の重合物(極性を有するレジン分やアスファルテン分の集合体)が、電気的な引き合いにより絡み合った状態で存在する。
そこで、液体組成物が可塑剤(C)を含有することにより、劣化アスファルト中の極性を有する重合物の分子間に可塑剤(C)が作用して、分子の絡み合い(電気的な引き合い)を緩和させ、分子間距離を広げることができるため、劣化アスファルト混合物の軟性を向上させることができる。
可塑剤(C)としては、特に制限はなく、例えば、エステル、ポリアルキルアミンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記エステルを構成する酸としては、例えば、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の二塩基酸、トリメリット酸等の三塩基酸、リン酸等が挙げられる。
これらの中でも、アスファルト再生剤(A)、浸透促進剤(B)と混和しやすい観点から、二塩基酸が好ましく、アジピン酸、フタル酸がより好ましく、アスファルトへの適用のしやすさの観点から、アジピン酸が更に好ましい。
前記エステルを構成するアルコールとしては、アルキル基が直鎖又は分岐鎖を有するアルコールであれば、特に制限はなく適用できるが、アルキル基が分岐鎖を有するアルコールが好ましい。前記アルキル基の炭素数としては、好ましくは1~20、より好ましくは3~16、更に好ましくは6~12である。
前記ポリアルキルアミンとしては、例えば、アルキルアミン、アルキルジアミンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルキルアミンとしては、例えば、アルキル鎖の炭素数が10以上30以下のアルキルアミン等が挙げられる。アルキル鎖の炭素数としては、12以上24以下が好ましく、14以上22以下がより好ましい。
アルキルジアミンとしては、例えば、アルキル鎖の炭素数が10以上30以下のアルキルジアミン等が挙げられる。アルキル鎖の炭素数としては、12以上24以下が好ましく、14以上22以下がより好ましい。
アルキルアミン、アルキルジアミンが混合物である場合、主成分のアルキルアミン、アルキルジアミンのアルキル鎖の炭素数は、14以上22以下が好ましく、16以上22以下がより好ましい。
主成分とは、アルキルアミン、アルキルジアミン全量基準での含有量が、50質量%以上の成分を意味する。
可塑剤(C)の分子量としては、針入度回復の観点から、好ましくは100以上450以下、より好ましくは250以上420以下、更に好ましくは280以上400以下である。
可塑剤(C)の沸点としては、安全性や劣化アスファルトの再生作用の観点から、好ましくは160℃以上、より好ましくは200℃以上、更に好ましくは250℃以上である。
可塑剤(C)の引火点としては、安全性の観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは100℃以上である。
可塑剤(C)の含有量は、組成回復の観点から、当該液体組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは9質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましく40質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
<乳化剤含有水(D)>
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、前記液体組成物は、乳化剤含有水(D)を含有することが好ましい。
アスファルト再生剤(A)、浸透促進剤(B)、及び可塑剤(C)は、いずれも油系成分である。ただし、液体組成物は、引火性、臭気の観点から、水を含む必要がある。
前記液体組成物が乳化剤含有水(D)を含有することにより、液体組成物が水中に内側に油系成分を囲むようにしたエマルションが形成される。これにより、散布/塗布されるまでの間分離しない、即ち、貯蔵安定性に優れる状態で液体組成物の各成分を保つことができる。
乳化剤含有水(D)は、引火性、臭気の観点から、水を含む。
浸透促進剤(B)や可塑剤(C)は、引火性のある油系成分が適用可能であるため、液体組成物が劣化アスファルト混合物に散布/塗布されるまでの間の安全性を維持できる。
乳化剤含有水(D)は、乳化剤を含有する。
前記乳化剤としては、乳化作用を示す成分であれば、特に制限はなく、例えば、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、両イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
前記陽イオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン、アルキルジアミン、脂肪族第4級アミン等の脂肪族アミンなどが挙げられる。
アルキルアミンとしては、例えば、牛脂アミン等が挙げられる。
アルキルジアミンとしては、例えば、牛脂ジアミン等が挙げられる。
アルキルアミン、アルキルジアミンのアルキル鎖の炭素数としては、10以上30以下が好ましく、14以上28以下がより好ましく、18以上24以下が更に好ましい。
アルキルアミン、アルキルジアミンが牛脂アミン、牛脂ジアミン等である場合、主成分のアルキルアミン、アルキルジアミンのアルキル鎖の炭素数は、18以上22以下が好ましく、22がより好ましい。
主成分とは、牛脂アミン、牛脂ジアミン等の全量基準での含有量が、50質量%以上の成分を意味する。
前記陰イオン系界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などが挙げられる。
前記両イオン界面活性剤としては、例えば、アルキル系誘導体、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体などが挙げられる。
前記アルキル系誘導体としては、例えば、カルボキシベタイン、スルホベタイン、トリメチルグリシン等が挙げられるが、カルボキシベタイン、スルホベタインが好ましい。
前記非イオン系界面活性剤としては、例えば、エーテル型界面活性剤、エステル型界面活性剤、エーテルエステル型界面活性剤、含窒素型界面活性剤などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
劣化アスファルト舗装が玄武岩や安山岩などを砕石の主成分とする場合、乳化剤含有水(D)に含まれる前記乳化剤としては、陽イオンに帯電する、陽イオン系界面活性剤が好ましい。
ここで、本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、前記液体組成物が作用する一例について説明する。
乳化剤含有水(D)を含有する本実施形態の液体組成物において、水は溶媒としての機能を発揮する。一方、本実施形態の液体組成物に含まれるアスファルト再生剤(A)、浸透促進剤(B)、及び可塑剤(C)は、油系成分である。乳化剤含有水(D)に含まれる乳化剤は、水と油系成分との界面に配列する傾向がある。したがって、本実施形態の液体組成物は、溶媒である水中で、疎水性のアスファルト再生剤(A)、浸透促進剤(B)、及び可塑剤(C)を内側に囲むようにしたエマルションを形成する。
前記乳化剤が陽イオン系界面活性剤の場合、エマルション粒子の表面は、陽イオンに帯電する。そして、液体組成物中、表面が陽イオンに帯電したエマルション粒子が反発し合うため、散布/塗布されるまでの間、分離せず安定に分散し、貯蔵安定性に優れる状態で液体組成物の各成分を保つことができる。
アスファルト舗装内の骨材が炭酸カルシウムCaCOを多く含む石灰岩を主成分とする場合、雨水により濡れることで、アスファルト舗装表面は陽イオンによる帯電が発生する。
一方、JIS A 5001などで挙げられるように、アスファルト舗装内の砕石が玄武岩や安山岩などを主成分とする場合、これらの種類の岩石には、二酸化ケイ素SiOが50%程度含まれている。そして、アスファルト舗装内の砕石がケイ素-酸素結合を主とする構造の場合、雨水により濡れることで、アスファルト舗装表面は、陰イオンによる帯電が発生する。
ここで、玄武岩や安山岩などを砕石の主成分とする劣化アスファルト舗装表面に、本実施形態の液体組成物が散布/塗布された場合、劣化アスファルト舗装表面は、陰イオンによる帯電が発生する。そして、前記乳化剤が陽イオン系界面活性剤の場合、エマルション表面の陽イオンが劣化アスファルト舗装表面の陰イオンと電荷的に引き合うため、エマルション形態が維持できなくなり、劣化アスファルト舗装表面にアスファルト再生剤(A)、浸透促進剤(B)、可塑剤(C)、水、及び乳化剤に分離する。
分離した成分のうち、アスファルト再生剤(A)及び可塑剤(C)は、浸透促進剤(B)を介して、劣化アスファルト混合物の内部に浸透する。そして、劣化アスファルトは、アスファルト再生剤(A)により未使用のアスファルト混合物の組成に近づくため、軟性や粘性が向上する。また、可塑剤(C)により劣化アスファルト中の極性を有する重合物の分子間距離が広がるため、劣化アスファルトの軟性が向上する。
分離した成分のうち、浸透促進剤(B)は、アスファルト再生剤(A)や可塑剤(C)を浸透させるまでは劣化アスファルトに保持され、劣化アスファルトを溶解し、軟化に寄与する。その後、水とともに、速やかに揮発、乾燥する。
これらの作用により、加熱を行わずに、道路に舗装された劣化アスファルトを化学的に再生させることができる。
乳化剤含有水(D)は、必要に応じて、他の成分を含んでもよい。前記他の成分としては、例えば、pH調整剤などが挙げられる。
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、乳化剤含有水(D)の含有量は、安全性、劣化アスファルト混合物と接触させやすくする観点から、当該液体組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは質量20%以上、更に好ましくは35質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下、より好ましくは質量55%以下、更に好ましくは53質量%以下である。
[液体組成物の物性値]
液体組成物の粘性を評価する指標であるエングラー度としては、特に制限はないが、均一な機械散布性、塗布による塗り広げやすさの観点から、好ましくは1以上15以下、より好ましくは2以上10以下、更に好ましくは3以上8以下である。
液体組成物のエングラー度は、JIS K2208-2000(石油アスファルト乳剤)(6.3)に準拠して求めることができる。
[液体組成物の製造方法]
本実施形態の道路舗装用アスファルトの再生方法において、液体組成物は、例えば、以下のように製造することができる。
まず、アスファルト再生剤(A)、浸透促進剤(B)、及び可塑剤(C)の少なくとも1種を、撹拌機を用いて混合し、油相混合物を作製する。次に、乳化剤含有水(D)を作製する。その後、乳化機を用いて強制撹拌し、油相混合物を乳化剤含有水(D)により乳化させることにより、エマルションを含む液体組成物を製造することができる。
前記油相混合物は、アスファルト再生剤(A)、浸透促進剤(B)、及び可塑剤(C)のうち、2種以上を含むことが好ましく、3種含むことがより好ましい。
[液体組成物の貯蔵安定性]
本実施形態の再生方法により劣化アスファルト混合物の表面に浸透させるエマルションを含む液体組成物は、貯蔵安定性に優れる観点から、3時間以上分離しないことが好ましく、5時間以上分離しないことがより好ましく、24時間以上分離しないことが更に好ましい。
本実施形態の液体組成物の貯蔵安定性は、JIS K2208-2000(石油アスファルト乳剤)(6.15)に準拠して、実施例に記載の方法により、判断することができる。
[粘弾性測定試験による劣化アスファルトの損失正接(tanδ)]
本実施形態の再生方法により再生される、液体組成物が散布/塗布された劣化アスファルトの粘弾性測定試験(Dynamic Shear Rheometer test、DSR試験)による損失正接(tanδ)は、タック性(粘着性)回復の観点から、1.43以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、1.8以上3.0以下が更に好ましい。
損失正接(tanδ)は、数値が大きい程、劣化アスファルトのタック性が高く、未使用のアスファルトのタック性に近いことを表す。
本実施形態の再生方法により再生される劣化アスファルトの損失正接(tanδ)は、下記式を用いて、実施例に記載の方法により、算出することができる。
-式-
σは応力を、γはひずみを、δは位相差を表す。
・貯蔵弾性率G’ =σ/γ×cosδ
・損失弾性率G” =σ/γ×sinδ
・損失正接tanδ=sinδ/cosδ =G”/G’
ここで、貯蔵弾性率G’は、粘弾性体における弾性に依存するパラメータである。また、損失弾性率G”は、粘弾性体における粘性に依存するパラメータである。したがって、損失正接tanδが大きい程、貯蔵弾性率G’に対する損失弾性率G”が大きくなる。即ち、粘弾性体において粘性の寄与が大きくなるため、損失正接tanδが大きい程、粘性が高く、タック性も高いことを表す。
[劣化アスファルト混合物のひび割れ閉塞性]
本実施形態の再生方法により再生される劣化アスファルト混合物は、ひび割れが閉塞又は部分的に閉塞することが好ましい。
液体組成物の浸透により劣化アスファルト混合物のひび割れが閉塞又は部分的に閉塞することは、劣化アスファルト混合物が再生されたことを表す。
本実施形態の再生方法により再生される劣化アスファルト混合物のひび割れ閉塞性は、実施例に記載の方法により、判断することができる。
本発明の一態様によれば、下記[1]~[11]が提供される。
[1] 路上表層再生工法の加熱温度未満の温度環境下で、道路に舗装された劣化アスファルト混合物を再生させる、道路舗装用アスファルトの再生方法であって、
散布及び塗布の少なくともいずれか1つの処理により、前記劣化アスファルト混合物の表面から劣化アスファルトの内部へエマルションを含む液体組成物を浸透させる工程(S)を含み、
前記工程(S)は、下記条件(1)及び(2)を満たすように行う、道路舗装用アスファルトの再生方法。
・条件(1):前記液体組成物が浸透した後の前記劣化アスファルト混合物の針入度が、前記液体組成物が浸透する前の前記劣化アスファルト混合物の針入度に対して、比率(百分率)で150%以上である。
・条件(2):前記液体組成物が浸透した後の前記劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量が、前記液体組成物が浸透する前の前記劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量に対して、質量比(百分率)で103.0%以上である。
[2] 前記工程(S)は、更に下記条件(3)を満たすように行う、前記[1]に記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
・条件(3):前記劣化アスファルト混合物に前記液体組成物が浸透した深さが、前記劣化アスファルト混合物の表面から10mm以上である。
[3] 前記液体組成物が、浸透促進剤(B)を含有する、前記[1]又は[2]に記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
[4] 前記液体組成物が、更にアスファルト再生剤(A)及び可塑剤(C)から選択される少なくとも1種を含有する、前記[3]に記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
[5] 前記液体組成物が、更に乳化剤含有水(D)を含有する、前記[3]又は[4]に記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
[6] 前記浸透促進剤(B)の沸点が、140℃以上である、前記[3]~[5]のいずれか1つに記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
[7] 前記アスファルト再生剤(A)が、ナフテン系鉱油(A1)、芳香族系鉱油(A2)、及び植物油(A3)から選択される少なくとも1種を含む、前記[4]~[6]のいずれか1つに記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
[8] 前記アスファルト再生剤(A)の引火点が、250℃以上390℃以下である、前記[4]~[7]のいずれか1つに記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
[9] 前記アスファルト再生剤(A)と前記浸透促進剤(B)との配合比率[(A)/(B)]が、質量比で0.4以上2.5以下である、前記[4]~[8]のいずれか1つに記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
[10] 前記可塑剤(C)が、二塩基酸、三塩基酸、及びリン酸から選択される酸とアルコールから構成されるエステル、並びに、アルキルアミン、アルキルジアミンから選ばれる少なくとも1種以上を含む、前記[4]~[9]のいずれか1つに記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
[11] 浸透促進剤(B)を含有し、
アスファルト再生剤(A)、及び可塑剤(C)から選択される少なくとも1種を含有し、
前記アスファルト再生剤(A)が、ナフテン系鉱油(A1)、芳香族系鉱油(A2)、及び植物油(A3)から選択される少なくとも1種を含み、
前記浸透促進剤(B)が、沸点が140℃以上の液体であり、
前記可塑剤(C)が、二塩基酸、三塩基酸、及びリン酸から選択される酸とアルコールから構成されるエステル、並びに、アルキルアミン、アルキルジアミンから選ばれる少なくとも1種以上を含む、道路舗装用アスファルト再生用液体組成物。
本発明について、以下の実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
後述する各液体組成物を塗布したアスファルト混合物の成分比率は、下記方法によって測定した。
[マルテン成分等の含有量、浸透前のマルテン成分の含有量に対する浸透後のマルテン成分の含有量の質量比(百分率):条件(2)]
アスファルト混合物中のマルテン成分の含有量、及びアスファルト混合物中のアスファルテン成分の含有量は、石油学会石油類試験規格であるJPI-5S-77-2019に準拠して求めた。
また、液体組成物を塗布及び転圧した後の劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量を、液体組成物を塗布する前の劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量で除することにより、液体組成物を塗布する前の劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量に対する、液体組成物を塗布及び転圧した後の劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量の質量比(百分率)を算出した。
なお、マルテン成分が多い程、アスファルト混合物の軟性が向上するため、未使用のアスファルト混合物の組成に近づく。
後述する各液体組成物を塗布したアスファルト混合物の物性は、下記方法によって測定した。
[針入度、浸透前の針入度に対する浸透後の針入度の比率(百分率):条件(1)]
JIS K2207-2006に準拠して、25℃における針入度を測定した。
また、液体組成物を塗布及び転圧した後の劣化アスファルト混合物の針入度を、液体組成物を塗布する前の劣化アスファルト混合物の針入度で除することにより、液体組成物を塗布する前の劣化アスファルト混合物の針入度に対する、液体組成物を塗布及び転圧した後の劣化アスファルト混合物の針入度の比率(百分率)を算出した。
[劣化アスファルトの内部への浸透性、液体組成物が浸透した深さ:条件(3)]
常温(25℃)環境下において、アスファルト混合物の表面から厚さ10mmを切り出した後、アスファルト混合物の表面に液体組成物を塗布し、液体組成物が劣化アスファルトの内部に浸透するかどうか、目視で観察した。また、塗布された液体組成物がアスファルト混合物の表面から厚さ10mmとなる下部の面まで浸透するかどうか、目視で観察した。
[原料]
後述する実施例1~6、及び比較例1~8において、液体組成物を調製するための原料として使用したアスファルト再生剤(A)、浸透促進剤(B)、可塑剤(C)、及び乳化剤含有水(D)は、以下のとおりとした。
<アスファルト再生剤(A)>
・アスファルト再生剤(A-1):ナフテン系鉱油(%C:30~60、%C:40~60、%C:8~16、飽和分含有率:35.1%~65.0%)
<浸透促進剤(B)>
・浸透促進剤(B-1):ナフテン系炭化水素(沸点:199.5℃、25℃での乾燥速度:0.04mg/h×mm
・浸透促進剤(B-2):テルペン系炭化水素(沸点:175.5℃、25℃での乾燥速度:1.81mg/h×mm
・浸透促進剤(B-3):アルコール含有脂肪族炭化水素(沸点:205℃、25℃での乾燥速度:0.0003mg/h×mm
<可塑剤(C)>
・可塑剤(C-1):アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)(沸点:335℃、分子量:371)
・可塑剤(C-2):アルキルアミンの混合物(沸点:180℃、引火点:61℃、アルキル鎖の炭素数の分布:C14~C22、主成分のアルキル鎖の炭素数:C16~C22)
<乳化剤含有水(D)>
以下の混合物を用いた。
・水:イオン交換水
・アルキルアミン:牛脂アミン(沸点:180℃、引火点:61℃、アルキル鎖の炭素数の分布:C18~C24、主成分のアルキル鎖の炭素数:C22)
・アルキルジアミン:牛脂ジアミン(引火点:165℃)
・アルキルジアミン:牛脂ジアミン(沸点:250℃以上、引火点:190℃、分子量:129)
・pH調整剤、その他の成分
[液体組成物の調製]
まず、以下の実施例1~6及び比較例1~8の液体組成物を調製した。
<実施例1>
まず、アスファルト再生剤(A-1)0.7kg、浸透促進剤(B-1)0.3kg、及び可塑剤(C-1)0.2kgを、撹拌機を用いて100rpm~1,000rpmの速度で混合し、油相混合物1を作製した。
次に、45℃~60℃に温めたイオン交換水0.79kg、アルキルアミン及びアルキルジアミンの混合物0.004kg、pH調整剤、その他の成分0.0072kgを、撹拌機を用いて100rpm~1,000rpmの速度で混合し、乳化剤含有水(D)を作製した。
次に、乳化機を用いて、作製した油相混合物1と乳化剤含有水(D)とを6:4の割合で乳化することにより、実施例1の液体組成物を得た。
<実施例2~6、比較例1~8>
実施例1において、表1~表3に示すように各成分の種類及び含有量を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~6、比較例1~8の液体組成物を調製した。
<参考例1>
液体組成物を塗布しない、劣化アスファルト混合物(骨材:94.7質量%、劣化アスファルト:5.3質量%)そのものを、参考例1とした。
<参考例2>
舗装施工便覧(平成18年版)のアスファルト混合物の種類と粒度範囲に示される密粒度混合物(13)の骨材94.7質量%と、未使用のストレートアスファルト60/80 5.3質量%との混合物を参考例2とした。
得られた各液体組成物について、以下の評価を行った。結果を表1~表3に示す。
[液体組成物の貯蔵安定性の評価]
得られた実施例1~6、及び比較例1~8の各液体組成物を各250mL試験管にとり、25℃環境下に24時間静置した。3時間及び24時間経過後、各液体組成物の外観を目視で観察し、JIS K2208-2000(6.15)に準拠して、液体組成物の貯蔵安定性を評価した。結果を表1~表3に示す。
なお、3時間経過後、24時間経過後のそれぞれについて、分離していなかった場合は「分離無し」とした。また、分離していた場合は、分離した相の数も確認した。
[粘弾性測定試験による劣化アスファルトの損失正接(tanδ)の評価]
得られた実施例1~6、及び比較例1~5の各液体組成物を、劣化アスファルト混合物(骨材:94.7質量%、劣化アスファルト:5.3質量%)の表面にそれぞれ0.4L/m塗布した。その後、25℃環境下で24時間静置し、指触乾燥状態が得られた供試体を用いた。
次に、舗装調査試験法便覧(平成31年版 第4分冊、G028及びG029)に示されるアスファルト抽出試験、アスファルトの回収試験から得られるアスファルトを用いて、実施例1~6、比較例1~5、及び参考例1~2の各アスファルト混合物について、Dynamic Shear Rheometer test(DSR試験)を行い、以下の試験条件及び下記式を用いて、粘弾性測定試験による劣化アスファルトの損失正接(tanδ)を算出し、評価した。結果を表1~表3に示す。
損失正接(tanδ)は、数値が大きい程、劣化アスファルトのタック性(粘着性)が高いことを表す。なお、損失正接(tanδ)は、「1.43」以上が実施可能レベルである。
-試験条件-
・装置名:MCR 102(Anton-Paar社製)
・載荷速度:1.0rad/s
・ひずみ:0.1%
・試験温度:25℃
・試験治具:内径8mm
・試料厚み:1mm
-式-
σは応力を、γはひずみを、σは位相差を表す。
・貯蔵弾性率G’ =σ/γ×cosδ
・損失弾性率G” =σ/γ×sinδ
・損失正接tanδ=sinδ/cosδ
=G”/G’
なお、比較例6~8は、液体組成物が劣化アスファルト混合物に浸透しなかったことから、本評価を行うことができなかった。
[劣化アスファルト混合物のひび割れ閉塞性の評価]
まず、試験用の型枠(大きさ:300mm×300mm×50mm)の内部に、固体状態の劣化アスファルト混合物(骨材:94.7質量%、劣化アスファルト:5.3質量%)を成型した試験体を作製した。なお、劣化アスファルト混合物の表面には、ひび割れ(長さ:30cm、深さ:5cm)を有するものを採用した。
次に、劣化アスファルト混合物の表面に、上述した実施例1~6及び比較例1~8の液体組成物を、それぞれ表面残存有効成分量:21.6g(0.4L/m)(劣化アスファルト混合物の表面から内部に浸透する有効成分:60%)となるように塗布した。なお、劣化アスファルト混合物そのものを、参考例1とした。また、新品のアスファルト混合物(密粒度混合物(13)の骨材:94.7質量%、未使用のストレートアスファルト60/80:5.3質量%)を、参考例2とした。
次に、実施例1~6、比較例1~8、及び参考例1~2の各アスファルト混合物の表面に、ホイールトラッキング試験機を用いて0.63MPaの接地圧力がかかるように転圧を行い、舗装調査試験法便覧「B004 水浸ホイールトラッキング試験方法」に示されるトラバース機構による走行を行った。なお、走行試験においては水浸せず、乾燥状態の供試体を用いた。その後、各試験体の表面のひび割れが閉塞しているかどうかを目視で観察し、劣化アスファルト混合物のひび割れ閉塞性を評価した。結果を表1~表3に示す。また、実施例1、比較例6、及び参考例1の劣化アスファルト混合物表面の図面代用写真を図1~図6に示す。(図1及び図3は塗布及び転圧前、図5は転圧前、図2及び図4は塗布及び転圧後、図6は転圧後の図面代用写真である。)
表1からわかるように、条件(1)及び(2)を満たす実施例1~6の液体組成物を塗布して浸透させた劣化アスファルト混合物は、いずれも損失正接(tanδ)が1.43以上であった。即ち、実施例1~6は、液体組成物を塗布しない劣化アスファルト混合物そのものである参考例1よりも、劣化アスファルトのタック性が上昇し、未使用のアスファルトを含む参考例2のタック性に近づいた。また、表3及び図5~図6からわかるように、参考例1ではひび割れが閉塞しないが、表1及び図1~図2からわかるように、実施例1~6の液体組成物を浸透させた劣化アスファルト混合物は、ひび割れが閉塞又は部分的に閉塞した。つまり、表1に示す結果から、条件(1)及び(2)を満たす液体組成物を浸透させることにより、劣化アスファルト混合物が再生されたことが確認できた。
一方、条件(1)を満たさない比較例1、2、及び4は、いずれも損失正接(tanδ)が1.43未満であった。また、条件(2)を満たさない比較例3~5は、いずれも損失正接(tanδ)が1.43未満であり、更に図3~図4に示したようにひび割れも閉塞しなかった。
そして、液体組成物が「劣化アスファルトの内部へ浸透」しなかった比較例6~8は、劣化アスファルト混合物の表面に液体組成物が残存しただけであり、劣化アスファルトの損失正接(tanδ)の評価を行うことができなかった。また、比較例6~8では、劣化アスファルト混合物のひび割れも閉塞しなかった。

Claims (11)

  1. 路上表層再生工法の加熱温度未満の温度環境下で、道路に舗装された劣化アスファルト混合物を再生させる、道路舗装用アスファルトの再生方法であって、
    散布及び塗布の少なくともいずれか1つの処理により、前記劣化アスファルト混合物の表面から劣化アスファルトの内部へエマルションを含む液体組成物を浸透させる工程(S)を含み、
    前記工程(S)は、下記条件(1)及び(2)を満たすように行う、道路舗装用アスファルトの再生方法。
    ・条件(1):前記液体組成物が浸透した後の前記劣化アスファルト混合物の針入度が、前記液体組成物が浸透する前の前記劣化アスファルト混合物の針入度に対して、比率(百分率)で150%以上である。
    ・条件(2):前記液体組成物が浸透した後の前記劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量が、前記液体組成物が浸透する前の前記劣化アスファルト混合物のマルテン成分の含有量に対して、質量比(百分率)で103.0%以上である。
  2. 前記工程(S)は、更に下記条件(3)を満たすように行う、請求項1に記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
    ・条件(3):前記劣化アスファルト混合物に前記液体組成物が浸透した深さが、前記劣化アスファルト混合物の表面から10mm以上である。
  3. 前記液体組成物が、浸透促進剤(B)を含有する、請求項1又は2に記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
  4. 前記液体組成物が、更にアスファルト再生剤(A)及び可塑剤(C)から選択される少なくとも1種を含有する、請求項3に記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
  5. 前記液体組成物が、更に乳化剤含有水(D)を含有する、請求項3又は4に記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
  6. 前記浸透促進剤(B)の沸点が、140℃以上である、請求項3~5のいずれか1項に記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
  7. 前記アスファルト再生剤(A)が、ナフテン系鉱油(A1)、芳香族系鉱油(A2)、及び植物油(A3)から選択される少なくとも1種を含む、請求項4~6のいずれか1項に記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
  8. 前記アスファルト再生剤(A)の引火点が、250℃以上390℃以下である、請求項4~7のいずれか1項に記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
  9. 前記アスファルト再生剤(A)と前記浸透促進剤(B)との配合比率[(A)/(B)]が、質量比で0.4以上2.5以下である、請求項4~8のいずれか1項に記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
  10. 前記可塑剤(C)が、二塩基酸、三塩基酸、及びリン酸から選択される酸とアルコールとから構成されるエステル、並びに、アルキルアミン、アルキルジアミンから選ばれる少なくとも1種以上を含む、請求項4~9のいずれか1項に記載の道路舗装用アスファルトの再生方法。
  11. 浸透促進剤(B)を含有し、
    アスファルト再生剤(A)、及び可塑剤(C)から選択される少なくとも1種を含有し、
    前記アスファルト再生剤(A)が、ナフテン系鉱油(A1)、芳香族系鉱油(A2)、及び植物油(A3)から選択される少なくとも1種を含み、
    前記浸透促進剤(B)が、沸点が140℃以上の液体であり、
    前記可塑剤(C)が、二塩基酸、三塩基酸、及びリン酸から選択される酸とアルコールとから構成されるエステル、並びに、アルキルアミン、アルキルジアミンから選ばれる少なくとも1種以上を含む、道路舗装用アスファルト再生用液体組成物。
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