JP2023122326A - 水素製造システム - Google Patents
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Abstract
【課題】インバランスの低減を図りつつ、水素製造部を安定して稼動させることができる水素製造システムを提供する。【解決手段】太陽光発電部10と、太陽光発電部10による発電電力を用いて水素を製造可能な水素製造装置40と、水素製造装置40の運転計画を作成する制御装置60と、を具備し、制御装置60は、平均発電電力予測値と90%パーセンタイル発電電力予測値とを算出し(ステップS101)、平均発電電力予測値と電力需要予測値との差から平均余剰電力予測値を算出するとともに、90%パーセンタイル発電電力予測値と電力需要予測値との差から90%パーセンタイル余剰電力予測値を算出し(ステップS103)、平均余剰電力予測値と90%パーセンタイル余剰電力予測値との差である計画余剰差に基づいて(ステップS104)、水素製造装置40が運転する際の使用電力を決定する(ステップS109、S112及びS115)。【選択図】図2
Description
本発明は、太陽光等の自然エネルギーによる発電電力を利用した水素製造システムの技術に関する。
太陽光発電事業において、買取制度改訂に伴い、FIT制度(固定価格買取制度)がFIP(フィード・イン・プレミアム)制度に移行される。FIP制度においては、これまで発電事業者が免除されていた、発電計画と発電実績との差であるインバランスの費用負担が求められることとなった。このため、インバランスを低減することが求められている。
特許文献1には、太陽光を用いて発電可能な太陽光発電システムと、太陽光発電システムによって発電された電力を利用して水素を製造可能な水素製造システムと、を備えた電源システムが記載されている。特許文献1に記載の電源システムにおいては、太陽光発電システムの発電電力の余剰電力を用いて、水素製造システムを運転させることにより、インバランスの低減を図っている。
しかしながら、太陽光発電システムによる発電量は成り行きであるため、特許文献1の電源システムにおいては、インバランスを低減するように水素製造システムを運転させると、水素製造システムの頻繁なON/OFFが発生したり、部分負荷での運転が連続して水素製造効率が悪化する懸念がある等、水素製造システムの運転が安定しないおそれがあった。
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、インバランスの低減を図りつつ、水素製造部を安定して運転させることができる水素製造システムを提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、自然エネルギーを利用して発電可能な発電部と、前記発電部による発電電力を用いて水素を製造するように運転可能な水素製造部と、前記水素製造部の運転計画を作成する計画部と、を具備し、前記計画部は、前記発電部による発電電力の予測値である発電電力予測値、及び電力需要の予測値である電力需要予測値を取得し、前記発電電力予測値には、第一発電電力予測値と、前記第一発電電力予測値よりも値が小さい第二発電電力予測値と、が含まれ、前記第一発電電力予測値と前記電力需要予測値との差から第一余剰電力予測値を算出するとともに、前記第二発電電力予測値と前記電力需要予測値との差から第二余剰電力予測値を算出し、前記第一余剰電力予測値と前記第二余剰電力予測値との差である計画余剰差に基づいて、前記水素製造部が運転する際の使用電力を決定するものである。
請求項2においては、前記計画部は、前記水素製造部の運転予定時間における前記計画余剰差の平均値を算出し、当該平均値を前記運転予定時間における前記使用電力とするものである。
請求項3においては、前記計画部は、前記計画余剰差の前記平均値が、前記水素製造部の運転に最低限必要な前記使用電力である使用電力下限値よりも小さい場合、前記計画余剰差の前記平均値が増大するように前記運転予定時間を短縮するものである。
請求項4においては、前記計画部は、前記計画余剰差の前記平均値が、前記水素製造部が最大能力で運転している時の前記使用電力である使用電力上限値よりも大きい場合、前記計画余剰差を前記使用電力上限値まで引き下げるものである。
請求項5においては、電力を充放電可能な蓄電池と、前記計画部によって作成された前記運転計画に基づいて前記水素製造部の運転を実行する実行部を具備し、前記実行部は、前記運転計画に基づいて前記水素製造部を運転させた場合に前記使用電力が不足する場合には、前記蓄電池からの電力によって前記水素製造部の前記使用電力を補填するものである。
請求項6においては、燃料を用いて発電可能な燃料電池を具備し、前記実行部は、前記運転計画に基づいて前記水素製造部を運転させた場合に前記使用電力が不足する場合には、前記燃料電池からの電力によって前記水素製造部の前記使用電力を補填するものである。
請求項7においては、前記実行部は、前記使用電力が不足することを解消できない場合には、前記水素製造部の水素製造量を低下させるものである。
請求項8においては、前記実行部は、前記運転計画に基づいて前記水素製造部を運転させると前記発電部による発電電力が余剰する場合には、余剰した前記発電電力を前記蓄電池に充電させるものである。
請求項9においては、前記実行部は、前記発電部による発電電力を前記蓄電池に充電させてもなお前記発電電力が余剰する場合には、前記水素製造部の水素製造量を増加させるものである。
請求項10においては、前記発電部による発電電力を用いて水を精製可能な水精製装置を具備し、前記実行部は、前記水素製造部の水素製造量を増加させてもなお前記発電部による発電電力が余剰する場合には、余剰した前記発電電力を用いて前記水精製装置を稼動させるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、インバランスの低減を図りつつ、水素製造部を安定して運転させることができる。
請求項2においては、水素製造部をより安定して運転させることができる。
請求項3においては、水素製造部を運転させ易くすることができる。
請求項4においては、水素製造部による水素製造量を増加させることができる。
請求項5においては、水素製造部の安定した運転を維持することができる。
請求項6においては、水素製造部の安定した運転を維持することができる。
請求項7においては、水素製造部の安定した運転の維持を図ることができる。
請求項8においては、余剰した発電電力の自家消費を図ることができる。
請求項9においては、余剰した発電電力の自家消費を図ることができる。
請求項10においては、余剰した発電電力の自家消費を図ることができる。
以下では、本発明の一実施形態に係る水素製造システム1について説明する。
図1に示す水素製造システム1は、電力を用いて水素を製造するものである。水素製造システム1は、主として工場や住宅街区等で使用される。水素製造システム1は、図示せぬ系統電源からの電力や、太陽光を利用して発電された電力等を、工場や住宅街区等の電力負荷である負荷Hへと供給する。水素製造システム1は、主として太陽光発電部10、蓄電池20、燃料電池30、水素製造装置40、水精製装置50及び制御装置60を具備する。
太陽光発電部10は、太陽光を利用して発電する装置である。太陽光発電部10は、太陽電池パネル等により構成される。太陽光発電部10は、例えば、住宅の屋根の上等の日当たりの良い場所に設置される。
蓄電池20は、電力を充放電可能に構成されるものである。蓄電池20は、例えば、リチウムイオン電池により構成される。蓄電池20は、太陽光発電部10によって発電される電力(太陽光発電部10の発電電力)を充電可能に構成される。また、蓄電池20は、充電した電力を、負荷H及び後述する水素製造装置40に放電可能に構成される。蓄電池20は、図示せぬセンサによる系統電源からの電力の検出結果等に基づいて、充放電する電力を調整する負荷追従運転を行うことができる。また、蓄電池20から充放電される電力は、後述する制御装置60によって調整されることもできる。
燃料電池30は、水素等のガス燃料を用いて発電する装置である。燃料電池30は、固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)又は固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)等により構成される。燃料電池30は、発電した電力を、負荷H及び後述する水素製造装置40に出力可能に構成される。燃料電池30は、図示せぬセンサによる系統電源からの電力の検出結果等に基づいて、出力する電力を調整する負荷追従運転を行うことができる。また、燃料電池30から出力される電力は、後述する制御装置60によって調整されることもできる。また、燃料電池30は、発電時に発生する排熱を、貯湯タンクに温水として蓄熱することができる。
水素製造装置40は、電力を用いて水素を製造するものである。水素製造装置40は、水を電気分解することにより、水素を製造する。水素製造装置40は、水素の製造に用いる電力として、主として太陽光発電部10の発電電力を用いる。また、水素製造装置40は、水素の製造に用いる電力として、蓄電池20からの放電電力、燃料電池30からの電力及び系統電源からの電力を用いることができる。
水精製装置50は、水を精製して純水を製造するものである。水精製装置50は、稼動のための電力として、太陽光発電部10の発電電力、蓄電池20からの放電電力、燃料電池30からの電力及び系統電源からの電力を用いることができる。
制御装置60は、蓄電池20、燃料電池30及び水素製造装置40の動作を制御するものである。制御装置60は、RAM、ROM、HDD等の記憶部や、CPU等の演算処理部等を具備する。制御装置60は、水素製造装置40の運転計画を構築する。また、制御装置60は、運転計画に基づいて水素製造装置40の運転を実行する。
以下、図2を用いて、制御装置60による計画制御について説明する。図2に示す計画制御は、水素製造装置40の運転計画を構築するものである。運転計画においては、各時刻ごとに(例えば30分単位で)水素製造装置40の水素製造量が決定される。本実施形態においては、実際に水素製造装置40を運転させる日の前日に運転計画を行うものとする。以下では、実際に水素製造装置40の運転を実行する日を「当日」、運転計画を構築する日、すなわち当日の前の日を「前日」という。
図2に示すステップS101において、制御装置60は、太陽光発電部10の当日の発電電力の予測を行う。この処理において、制御装置60は、太陽光発電部10の過去の発電電力のデータ、及び当日の天気予報や日射量予測等に基づいて、太陽光発電部10の発電電力の予測値(以下、「発電電力予測値」という)を算出する。より詳細には、制御装置60は、平均発電電力予測値及び90%パーセンタイル発電電力予測値という2種類の発電電力予測値を算出する。
ここで、「平均発電電力予測値」とは、50%の確率でその予測値よりも実績値が多くなる予測値のことをいう。「90%パーセンタイル発電電力予測値」とは、90%の確率でその予測値よりも実績値が多くなる予測値のことをいう。
図3は、太陽光発電部10の発電電力の実績値、平均発電電力予測値及び90%パーセンタイル発電電力予測値の一例を示している。図3に示すように、90%パーセンタイル発電電力予測値は、平均発電電力予測値よりも小さい値となる。
制御装置60は、当該ステップS101の処理を行った後、ステップS102に移行する。
ステップS102において、制御装置60は、負荷Hの需要電力の予測を行う。この処理において、制御装置60は、負荷Hの過去の需要電力のデータ、及び当日の天気予報等に基づいて、負荷Hの需要電力の予測値(以下、「需要電力予測値」という)を算出する。
制御装置60は、当該ステップS102の処理を行った後、ステップS103に移行する。
ステップS103において、制御装置60は、余剰電力の予測を行う。この処理において、制御装置60は、ステップS101で算出した各発電電力予測値から、ステップS102で算出した需要電力予測値を差し引くことにより、2種類の余剰電力の予測値(以下、「余剰電力予測値」という)を算出する。
具体的には、制御装置60は、ステップS101で算出した平均発電電力予測値から、ステップS102で算出した需要電力予測値を差し引くことにより、平均発電電力予測値に基づく余剰電力予測値(以下、「平均余剰電力予測値」という)を算出する。さらに、制御装置60は、ステップS101で算出した90%パーセンタイル発電電力予測値から、ステップS102で算出した需要電力予測値を差し引くことにより、90%パーセンタイル発電電力予測値に基づく余剰電力予測値(以下、「90%パーセンタイル余剰電力予測値」という)を算出する。
制御装置60は、当該ステップS103の処理を行った後、ステップS104に移行する。
ステップS104において、制御装置60は、計画余剰差の平均値を算出する。ここで、「計画余剰差」とは、2種類の余剰電力の予測値の差分のことをいう。より詳細には、計画余剰差は、平均余剰電力予測値から90%パーセンタイル余剰電力予測値を差し引くことによって算出される値である。計画余剰差は、各時刻ごとに(例えば30分単位で)算出される。そして、制御装置60は、計画余剰差が生じる各時刻における計画余剰差を平均することにより、計画余剰差の平均値(以下、「計画余剰差平均」という)を算出する(図4参照)。
なお詳細は後述するが、基本的には、水素製造装置40が計画余剰差の分の電力を用いて水素の製造を行うものとして、運転計画が構築される。図4に示す例においては、計画余剰差が生じる5~18時が、水素製造装置40が運転される予定の時間(以下、「運転予定時間」という)となる。
制御装置60は、当該ステップS104の処理を行った後、ステップS105に移行する。
ステップS105において、制御装置60は、計画余剰差平均が水素製造装置40の使用電力の下限値より小さい(計画余剰差平均<使用電力の下限値)か否かを判定する。ここで、水素製造装置40の「使用電力」とは、水素製造装置40において水素の製造に用いられる電力のことをいう。水素製造装置40においては、単位時間(例えば30分間)当たりの水素の製造量の最小値と最大値が決められている。水素製造装置40の使用電力の下限値(以下、「使用電力下限値」という)は、水素製造装置40において水素の製造量が最小値である場合に用いられる電力となる。すなわち、水素製造装置40の使用電力下限値は、水素製造装置40の運転に最低限必要な使用電力である。
制御装置60は、計画余剰差平均<使用電力下限値であると判定した場合(ステップS105で「YES」)、ステップS106に移行する。
なお、ステップS105で「YES」の場合とは、計画余剰差平均が不足しているため、水素製造装置40が計画余剰差平均の分の電力を用いて水素を製造不可であることを示している。一方、ステップS105で「NO」の場合とは、水素製造装置40が計画余剰差平均の分の電力を用いて水素を製造可能であることを示している。
ステップS106において、制御装置60は、ステップS105にて計画余剰差を平均するのに用いられる時間(すなわち、水素製造装置40の運転予定時間)を短縮する。この処理において、制御装置60は、水素製造装置40の運転予定時間を、当該運転予定時間のうち計画余剰差が適宜の閾値よりも大きい時間に短縮する。図4に示す例においては、制御装置60は、例えば、水素製造装置40の運転予定時間(5~18時)を、計画余剰差が大きい10~14時に短縮する。或いは、(短縮した時間に基づいて算出した)新たな計画余剰差平均が、水素製造装置40の使用電力下限値以上となるような、(当初の運転予定時間よりも)短縮した時間を算出し、その算出した時間を、計画余剰差の大きな時間帯に割り当ててもよい。
制御装置60は、当該ステップS106の処理を行った後、ステップS107に移行する。
ステップS107において、制御装置60は、水素製造装置40の運転予定時間が当該運転予定時間の下限値より小さい(運転予定時間<下限値)か否かを判定する。ここで、水素製造装置40においては、起動時に多くの電力を消費するので、運転時間が極端に短いと効率が悪くなる。このため、水素製造装置40においては、運転予定時間の下限値が定められている。
制御装置60は、運転予定時間<下限値であると判定した場合(ステップS107で「YES」)、ステップS108に移行する。一方、制御装置60は、運転予定時間<下限値でないと判定した場合(ステップS107で「NO」)、ステップS104に処理を戻す。
ステップS104に処理を戻すことにより、当該ステップS104において再度計画余剰差平均が算出されることとなる。制御装置60は、短縮した運転予定時間(10~14時)における計画余剰差平均を算出する。再度算出された計画余剰差平均は、元の計画余剰差平均よりも大きくなる。
なお、ステップS107で「YES」の場合とは、水素製造装置40の運転予定時間を当該運転予定時間の下限値まで短縮しても、計画余剰差平均が水素製造装置40の使用電力下限値を下回る(すなわち、水素製造装置40が計画余剰差平均の分の電力を用いて水素を製造することができない)ことを示している。
ステップS108において、制御装置60は、太陽光発電部10の平均発電電力予測値に基づく発電計画を電力会社に提出する。ここで、「発電計画」とは、水素製造システム1によって発電される電力の計画値であり、より詳細には、系統電源へ逆潮流させる予定の電力のことをいう。制御装置60は、当該ステップS108の処理を行った後、ステップS109に移行する。
ステップS109において、制御装置60は、水素製造装置40による水素の製造を行わないものとして、当日(現時点の翌日)の運転計画を構築する。制御装置60は、当該ステップS109の処理を行った後、図2に示す計画制御を終了する。
一方、ステップS105において、制御装置60は、計画余剰差平均<水素製造装置40の使用電力下限値でない(計画余剰差平均≧使用電力下限値である)と判定した場合(ステップS105で「NO」)、ステップS110に移行する。
ステップS110において、制御装置60は、計画余剰差平均が水素製造装置40の使用電力の上限値より大きい(計画余剰差平均>使用電力の上限値)か否かを判定する。上述の如く、水素製造装置40においては、単位時間当たりの水素の製造量の最小値と最大値が決められている。水素製造装置40の使用電力の上限値(以下、「使用電力上限値」という)は、水素製造装置40において水素の製造量が最大値である場合に用いられる電力となる。すなわち、水素製造装置40の使用電力上限値は、水素製造装置40が最大能力で運転している時の使用電力である。
制御装置60は、計画余剰差平均>使用電力上限値でない(計画余剰差平均≦使用電力上限値である)と判定した場合(ステップS110で「NO」)、ステップS111に移行する。
なお、ステップS105で「NO」、かつ、ステップS110で「NO」の場合とは、水素製造装置40の使用電力下限値≦計画余剰差平均≦水素製造装置40の使用電力上限値であることを示している。
ステップS111において、制御装置60は、太陽光発電部10の90%パーセンタイル発電電力予測値に基づく発電計画を電力会社に提出する。制御装置60は、当該ステップS111の処理を行った後、ステップS112に移行する。
ステップS112において、制御装置60は、水素製造装置40が運転予定時間において、常に計画余剰差平均の分の電力を用いて水素の製造を行う(水素製造装置40の使用電力を、運転予定時間において常時計画余剰差平均とする)ものとして、当日の運転計画を構築する。制御装置60は、当該ステップS112の処理を行った後、図2に示す計画制御を終了する。
一方、ステップS110において、制御装置60は、計画余剰差平均>水素製造装置40の使用電力上限値であると判定した場合(ステップS110で「YES」)、ステップS113に移行する。
なお、ステップS110で「YES」の場合とは、計画余剰差平均が大きすぎるため、水素製造装置40が運転予定時間において計画余剰差平均の分の電力を用いて水素を製造しても電力が余る(すなわち、水素製造装置40による水素製造では計画余剰差平均の分の電力を使い切れない)ことを示している。
ステップS113において、制御装置60は、発電計画を修正する。この処理において、制御装置60は、計画余剰差を水素製造装置40の使用電力上限値まで引き下げる。具体的には、ステップS104においては、計画余剰差は、平均余剰電力予測値から90%パーセンタイル余剰電力予測値を差し引くことによって算出されるが、90%パーセンタイル余剰電力予測値を90%パーセンタイル余剰電力予測値よりも大きな余剰電力予測値と置き換えることにより、計画余剰差=使用電力上限値となるようにする。制御装置60は、当該ステップS113の処理を行った後、ステップS114に移行する。
ステップS114において、制御装置60は、ステップS113において修正した発電計画を電力会社に提出する。具体的には、提出される発電計画は、ステップS113で90%パーセンタイル余剰電力予測値に対して置き換えた予測値(90%パーセンタイル余剰電力予測値よりも大きな予測値)に基づく発電計画となる。制御装置60は、当該ステップS114の処理を行った後、ステップS115に移行する。
ステップS115において、制御装置60は、水素製造装置40が運転予定時間において、常に使用電力上限値を用いて水素の製造を行う(水素製造装置40の使用電力を、運転予定時間において常時使用電力上限値とする)ものとして、当日の運転計画を構築する。制御装置60は、当該ステップS115の処理を行った後、図2に示す計画制御を終了する。
このようにして、当日(運転計画構築日の翌日)の運転計画が立案される。当日においては、当該運転計画に基づいて、水素製造装置40の運転が行われる。
以下、図5及び6を用いて、制御装置60による実行制御について説明する。図3及び4に示す実行制御は、当日において水素製造装置40、蓄電池20及び燃料電池30の実際の運転を制御するものである。図3及び4に示す実行制御は、リアルタイムで繰り返し実行される。なお、以下では、蓄電池20及び燃料電池30の動作は、制御装置60によって制御されるものとする。
ステップS201において、制御装置60は、余剰差実績を算出する。ここで、「余剰差実績」とは、(発電実績-需要実績-発電計画)によって算出される値である。なお、「発電実績」とは、太陽光発電部10(及び燃料電池30)の実際の発電電力のこという。「需要実績」とは、負荷Hの実際の消費電力のこという。また、「発電計画」とは、図2のステップS108、S111又はS114において提出されたものであり、上述の如く系統電源へ逆潮流させる予定の電力のことをいう。制御装置60は、当該ステップS201の処理を行った後、ステップS202に移行する。
ステップS202において、制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画値<0であるか否かを判定する。ここで、「水素製造計画値」とは、前日に構築された運転計画において予定される、水素製造装置40の使用電力のこという。制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画<0であると判定した場合(ステップS202で「YES」)、ステップS204に移行する。一方、制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画値<0でないと判定した場合(ステップS202で「NO」)、ステップS203に移行する。
なお、ステップS202で「YES」の場合とは、水素製造装置40が水素製造計画値で水素製造を行った場合に、太陽光発電部10の発電電力の余剰電力(以下、単に「余剰電力」ということもある)が不足することを示している。一方、ステップS202で「NO」の場合とは、水素製造装置40が水素製造計画値で水素製造を行っても、余剰電力が足りることを示している。
ステップS203において、制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画値>0であるか否かを判定する。制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画値>0であると判定した場合(ステップS203で「YES」)、図6に示すステップS211に移行する。一方、制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画値>0でない(余剰差実績-水素製造計画値≦0である)と判定した場合(ステップS203で「NO」)、ステップS217に移行する。
なお、ステップS203で「YES」の場合とは、水素製造装置40が水素製造計画値に基づいて水素製造を行った場合に、余剰電力が余ることを示している。一方、ステップS202で「NO」、かつ、ステップS203で「NO」の場合とは、水素製造装置40が水素製造計画値で水素製造を行った場合に、余剰電力をちょうど使い切る(余剰電力の実績値=水素製造装置40の使用電力である)ことを示している。
ステップS217において、制御装置60は、水素製造装置40が水素製造計画値で(運転計画に基づいて)水素製造を行うように、水素製造装置40の動作を制御する。
一方、ステップS204において、制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画値+蓄電池放電能力<0であるか否かを判定する。ここで、「蓄電池放電能力」とは、蓄電池20の最大放電電力のことをいう。制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画値+蓄電池放電能力<0であると判定した場合(ステップS204で「YES」)、ステップS205に移行する。一方、制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画値+蓄電池放電能力<0でない(余剰差実績-水素製造計画値+蓄電池放電能力≧0である)と判定した場合(ステップS204で「NO」)、ステップS209に移行する。
なお、ステップS204で「YES」の場合とは、蓄電池20を最大放電電力で放電させても、水素製造装置40が水素製造計画値で水素製造を行った場合に、使用電力が不足することを示している。一方、ステップS204で「NO」の場合とは、蓄電池20を最大放電電力で放電させると、水素製造装置40が水素製造計画値で水素製造を行っても、使用電力が足りることを示している。
ステップS209において、制御装置60は、水素製造装置40が水素製造計画値で水素製造を行うことができるように、蓄電池20を放電させる。制御装置60は、当該ステップS209の処理を行った後、ステップS217に移行する。これにより、水素製造装置40は、水素製造計画値で水素製造を行うことができる。
一方、ステップS205において、制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画値+蓄電池放電能力+FC発電能力<0であるか否かを判定する。ここで、「FC発電能力」とは、燃料電池30の最大発電(出力)電力のことをいう。制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画値+蓄電池放電能力+FC発電能力<0であると判定した場合(ステップS205で「YES」)、ステップS207に移行する。一方、制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画値+蓄電池放電能力+FC発電能力<0でない(余剰差実績+蓄電池放電能力+FC発電能力≧0である)と判定した場合(ステップS205で「NO」)、ステップS206に移行する。
なお、ステップS205で「YES」の場合とは、蓄電池20及び燃料電池30から最大能力で電力を出力させても、水素製造装置40が水素製造計画値で水素製造を行った場合に、使用電力が不足することを示している。一方、ステップS205で「NO」の場合とは、蓄電池20及び燃料電池30から最大能力で電力を出力させると、水素製造装置40が水素製造計画値で水素製造を行った場合に、使用電力が足りることを示している。
ステップS206において、制御装置60は、蓄電池20から最大能力で電力を出力した場合に水素製造装置40が水素製造計画値で水素製造を行うことができるように、燃料電池30から電力を出力させる。制御装置60は、当該ステップS206の処理を行った後、ステップS209、ステップS217に順次移行する。これにより、水素製造装置40は、水素製造計画値で水素製造を行うことができる。
一方、ステップS207において、制御装置60は、水素製造計画値を修正する。この処理において、制御装置60は、水素製造計画値を、余剰差実績+蓄電池放電能力まで引き下げる。制御装置60は、当該ステップS207の処理を行った後、ステップS208に移行する。
ステップS208において、制御装置60は、水素製造計画値が水素製造装置40の使用電力下限値以上である(水素製造計画値≧下限値)か否かを判定する。制御装置60は、水素製造計画値≧下限値であると判定した場合(ステップS208で「YES」)、ステップS209に移行する。一方、制御装置60は、水素製造計画値≧下限値でない(水素製造計画値<下限値である)と判定した場合(ステップS208で「NO」)、ステップS210に移行する。
なお、ステップS208で「YES」の場合とは、ステップS207にて修正された水素製造計画値が水素製造装置40の使用電力下限値以上であるため、水素製造装置40が、修正された当該水素製造計画値で運転可能であることを示している。一方、ステップS208で「NO」の場合とは、ステップS207にて修正された水素製造計画値が水素製造装置40の使用電力下限値未満であるため、水素製造装置40が、修正された当該水素製造計画値では運転することができないことを示している。
ステップS208から移行したステップS209において、制御装置60は、水素製造装置40がステップS207にて修正された水素製造計画値に基づいて水素製造を行うことができるように、蓄電池20を放電させる。制御装置60は、当該ステップS209の処理を行った後、ステップS217に移行することにより、水素製造装置40は、ステップS207にて修正された水素製造計画値に基づいて水素製造を行うことができる。
一方、ステップS210において、制御装置60は、水素製造装置40の運転を停止させる。これにより、水素製造装置40による水素の製造が停止される。
上述したように、制御装置60は、ステップS203で「YES」と判定した場合、図6に示すステップS211に移行する。ステップS211において、制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画値+蓄電池充電能力>0であるか否かを判定する。ここで、「蓄電池充電能力」とは、蓄電池20の最大充電電力のことをいう。制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画値+蓄電池充電能力>0であると判定した場合(ステップS211で「YES」)、ステップS212に移行する。一方、制御装置60は、余剰差実績-水素製造計画値+蓄電池充電能力>0でない(余剰差実績-水素製造計画値+蓄電池充電能力≦0である)と判定した場合(ステップS211で「NO」)、ステップS216に移行する。
なお、ステップS211で「YES」の場合とは、水素製造装置40が水素製造計画値で水素製造を行い、かつ、蓄電池20を最大充電電力で充電させた場合に、余剰電力が余ることを示している。一方、ステップS211で「NO」の場合とは、水素製造装置40が水素製造計画値で水素製造を行い、かつ、蓄電池20を充電させた場合に、余剰電力がなくなる(すなわち、余剰電力を全て蓄電池20に充電することができる)ことを示している。
ステップS216において、制御装置60は、太陽光発電部10による発電電力の余剰電力を、蓄電池20に充電させる。制御装置60は、当該ステップS216の処理を行った後、図5に示すステップS217に移行することにより、水素製造装置40は、水素製造計画値で水素製造を行うことができる。
一方、ステップS212において、制御装置60は、水素製造装置40の水素製造計画値を修正する。この処理において、制御装置60は、水素製造計画値を、余剰差実績+蓄電池充電能力まで引き上げる。制御装置60は、当該ステップS212の処理を行った後、ステップS213に移行する。
ステップS213において、制御装置60は、水素製造計画値が水素製造装置40の使用電力上限値より大きい(水素製造計画値>上限値)か否かを判定する。制御装置60は、水素製造計画値>上限値であると判定した場合(ステップS213で「YES」)、ステップS214に移行する。
一方、制御装置60は、水素製造計画値>上限値でない(水素製造計画値≦上限値である)と判定した場合(ステップS213で「NO」)、ステップS216、図5に示すステップS217に順次移行する。これにより、水素製造装置40は、ステップS212にて修正された水素製造計画値で水素製造を行うことができる。
なお、ステップS213で「YES」の場合とは、ステップS212にて修正された水素製造計画値が水素製造装置40の使用電力上限値を超えているため、水素製造装置40が、修正された当該水素製造計画値では運転することができないことを示している。一方、ステップS213で「NO」の場合とは、ステップS212にて修正された水素製造計画値が水素製造装置40の使用電力上限値以下であるため、水素製造装置40が、修正された当該水素製造計画値で運転可能であることを示している。
一方、ステップS214において、制御装置60は、水素製造計画値を修正する。この処理において、制御装置60は、水素製造計画値を、使用電力上限値まで引き上げる。制御装置60は、当該ステップS214の処理を行った後、ステップS215に移行する。
ステップS215において、制御装置60は、水精製装置50を稼動させる。制御装置60は、当該ステップS215の処理を行った後、ステップS216、図5に示すステップS217に順次移行する。これにより、水素製造装置40は、ステップS214にて修正された水素製造計画値で水素製造を行うことができる。
制御装置60は、ステップS217の処理を行った後、図5及び図6に示す実行制御を終了する。
以下、図7を用いて、水素製造システム1における電力の推移の一例について説明する。
図7に示す例においては、計画余剰差平均が154kWと算出されたものとする(図2のステップS104、図4参照)。水素製造装置40は、運転予定時間(5:30~17:30)において、154kWの電力を用いて運転(水素製造)を行うものとして、運転計画が立てられる。
但し、朝方(5:30~7:30)においては、水素製造装置40の運転により実績余剰差以上の電力消費が発生するため、5:30~6:30においては蓄電池20及び燃料電池30からの電力により、6:30~7:30においては蓄電池20からの放電電力により、水素製造装置40の使用電力を補填する。
朝方から昼間(7:30~11:30)にかけては、水素製造装置40によって水素を製造してもなお余剰する電力を、蓄電池20に充電する。蓄電池20が満蓄になった場合、水素製造装置40の水素製造量を増大させる。それでも余剰する電力は、水精製装置50の稼動に使用される(11:30~13:00)。
昼間から夕方(13:30~17:30)においては、水素製造装置40の使用電力が不足するため、13:30~15:30においては蓄電池20からの放電電力により、15:30~17:30においては蓄電池20及び燃料電池30からの電力により、水素製造装置40の使用電力を補填する。
このように、本実施形態に係る水素製造システム1においては、2種類の発電電力の予測値(平均発電電力予測値及び90%パーセンタイル発電電力予測値)を用い、さらに水素製造装置40の使用電力の上限値や下限値を考慮して適切な発電計画を作成するので、水素製造装置40の運転により、発電電力の予測誤差を吸収し易くすることができる。さらに、水素製造装置40の使用電力の計画値に対して実際の余剰電力が不足する場合には、蓄電池20及び必要に応じて燃料電池30からの電力によって水素製造装置40の使用電力を補填し、一方、水素製造装置40の使用電力の計画値に対して実際の余剰電力が余剰する場合には、蓄電池20に充電したり水精製装置50の稼動のための電力として利用することにより、発電電力の予測誤差を吸収し易くすることができる。これにより、インバランスの低減を図ることができる。
また、水素製造装置40の水素製造量が、時間によって大きく変動しない(一定に近い)ため、水素製造装置40が頻繁にON/OFFするのを抑制することができる。また、水素製造装置40においては、部分負荷での運転が連続することが抑制されるので、水素製造効率の悪化を抑制することができる。このように、水素製造システム1においては、水素製造装置40の安定した運転が可能となる。
以上の如く、本実施形態に係る水素製造システム1は、自然エネルギーを利用して発電可能な太陽光発電部10(発電部)と、前記太陽光発電部10による発電電力を用いて水素を製造するように運転可能な水素製造装置40(水素製造部)と、前記水素製造装置40の運転計画を作成する制御装置60(計画部)と、を具備し、前記制御装置60(計画部)は、前記太陽光発電部10による発電電力の予測値である発電電力予測値、及び電力需要の予測値である電力需要予測値を取得し、前記発電電力予測値には、平均発電電力予測値(第一発電電力予測値)と、前記平均予測値よりも値が小さい90%パーセンタイル発電電力予測値(第二発電電力予測値)と、が含まれ(図2のステップS101及びS102)、前記平均発電電力予測値と前記電力需要予測値との差から平均余剰電力予測値(第一余剰電力予測値)を算出するとともに、前記90%パーセンタイル発電電力予測値と前記電力需要予測値との差から90%パーセンタイル余剰電力予測値(第二余剰電力予測値)を算出し(ステップS103)、前記平均余剰電力予測値と前記90%パーセンタイル余剰電力予測値との差である計画余剰差に基づいて、前記水素製造装置40が運転する際の使用電力を決定する(ステップS109、S112及びS115)ものである。
このように構成されることにより、インバランスの低減を図りつつ、水素製造装置40を安定して運転させることができる。
具体的には、太陽光発電部10の余剰電力を水素製造装置40による水素の製造に利用することにより、インバランスの低減を図ることができる。さらに、計画余剰差に基づいて予め水素製造装置40の使用電力を決定するため、時間による水素製造装置40の水素製造量の変動を抑えることが可能となり、ひいては水素製造装置40が頻繁にON/OFFするのを抑制することができる。また、水素製造装置40の部分負荷での運転が連続するのを抑制することが可能となり、ひいては水素製造効率の悪化を抑制することができる。このように、水素製造システム1においては、水素製造装置40の安定した運転が可能となる。
具体的には、太陽光発電部10の余剰電力を水素製造装置40による水素の製造に利用することにより、インバランスの低減を図ることができる。さらに、計画余剰差に基づいて予め水素製造装置40の使用電力を決定するため、時間による水素製造装置40の水素製造量の変動を抑えることが可能となり、ひいては水素製造装置40が頻繁にON/OFFするのを抑制することができる。また、水素製造装置40の部分負荷での運転が連続するのを抑制することが可能となり、ひいては水素製造効率の悪化を抑制することができる。このように、水素製造システム1においては、水素製造装置40の安定した運転が可能となる。
また、前記制御装置60(計画部)は、前記水素製造装置40の運転予定時間における前記計画余剰差の平均値を算出し(ステップS104)、当該平均値を前記運転予定時間における前記使用電力とする(ステップS112)ものである。
このように構成されることにより、水素製造装置40をより安定して運転させることができる。
具体的には、水素製造装置40は、運転予定時間において計画余剰差の平均値の分の電力で運転するため、時間による水素製造装置40の水素製造量の変動が抑制され、ひいては水素製造装置40が頻繁にON/OFFするのを抑制することができる。また、水素製造装置40の部分負荷での運転が連続するのを抑制され、ひいては水素製造効率の悪化を抑制することができる。
具体的には、水素製造装置40は、運転予定時間において計画余剰差の平均値の分の電力で運転するため、時間による水素製造装置40の水素製造量の変動が抑制され、ひいては水素製造装置40が頻繁にON/OFFするのを抑制することができる。また、水素製造装置40の部分負荷での運転が連続するのを抑制され、ひいては水素製造効率の悪化を抑制することができる。
また、前記制御装置60(計画部)は、前記計画余剰差の前記平均値が、前記水素製造装置40の運転に最低限必要な前記使用電力である使用電力下限値よりも小さい場合(ステップS105でYES)、前記計画余剰差の前記平均値が増大するように前記運転予定時間を短縮する(ステップS106)ものである。
このように構成されることにより、水素製造装置40を運転させ易くすることができる。
具体的には、1日全体では太陽光発電部10による発電電力が多く見込めない場合であっても、発電電力の予測値が比較的多い時間に水素製造装置40の運転が可能となる。
具体的には、1日全体では太陽光発電部10による発電電力が多く見込めない場合であっても、発電電力の予測値が比較的多い時間に水素製造装置40の運転が可能となる。
また、前記制御装置60(計画部)は、前記計画余剰差の前記平均値が、前記水素製造装置40が最大能力で運転している時の前記使用電力である使用電力上限値よりも大きい場合(ステップS110でYES)、前記計画余剰差を前記使用電力上限値まで引き下げる(ステップS113)ものである。
このように構成されることにより、水素製造装置40による水素製造量を増加させることができる。
具体的には、水素製造装置40が最大能力で運転できるので、水素製造量も最大化することができる。
具体的には、水素製造装置40が最大能力で運転できるので、水素製造量も最大化することができる。
また、本実施形態に係る水素製造システム1は、電力を充放電可能な蓄電池20と、前記制御装置60(計画部)によって作成された前記運転計画に基づいて前記水素製造装置40の運転を実行する制御装置60(実行部)を具備し、前記制御装置60(実行部)は、前記運転計画に基づいて前記水素製造装置40を運転させた場合に前記使用電力が不足する場合には(ステップS202でYES)、前記蓄電池20からの電力によって前記水素製造装置40の前記使用電力を補填する(ステップS209)ものである。
このように構成されることにより、水素製造装置40の安定した運転を維持することができる。
具体的には、蓄電池20からの放電電力を水素製造装置40の使用電力に利用できるので、水素製造装置40の頻繁なON/OFFや、部分負荷での運転を抑制することができる。
具体的には、蓄電池20からの放電電力を水素製造装置40の使用電力に利用できるので、水素製造装置40の頻繁なON/OFFや、部分負荷での運転を抑制することができる。
また、本実施形態に係る水素製造システム1は、燃料を用いて発電可能な燃料電池30を具備し、前記制御装置60(実行部)は、前記運転計画に基づいて前記水素製造装置40を運転させた場合に前記使用電力が不足する場合には(ステップS202でYES)、前記燃料電池30からの電力によって前記水素製造装置40の前記使用電力を補填する(ステップS206)ものである。
このように構成されることにより、水素製造装置40の安定した運転を維持することができる。
具体的には、燃料電池30からの電力を水素製造装置40の使用電力に利用できるので、水素製造装置40の頻繁なON/OFFや、部分負荷での運転を抑制することができる。
具体的には、燃料電池30からの電力を水素製造装置40の使用電力に利用できるので、水素製造装置40の頻繁なON/OFFや、部分負荷での運転を抑制することができる。
また、前記制御装置60(実行部)は、前記使用電力が不足することを解消できない場合には(ステップS205でYES)、前記水素製造装置40の水素製造量を低下させる(ステップS207)ものである。
このように構成されることにより、水素製造装置40の安定した運転の維持を図ることができる。
具体的には、水素製造装置40の水素製造量を低下させることにより、太陽光発電部10による発電電力等で水素製造装置40の使用電力を賄うことが可能となる場合がある。このため、水素製造装置40の頻繁なON/OFFや、部分負荷での運転の抑制を図ることができる。
具体的には、水素製造装置40の水素製造量を低下させることにより、太陽光発電部10による発電電力等で水素製造装置40の使用電力を賄うことが可能となる場合がある。このため、水素製造装置40の頻繁なON/OFFや、部分負荷での運転の抑制を図ることができる。
また、前記制御装置60(実行部)は、前記運転計画に基づいて前記水素製造装置40を運転させると前記太陽光発電部10による発電電力が余剰する場合には(ステップS203でYES)、余剰した前記発電電力を前記蓄電池20に充電させる(図6のステップS216)ものである。
このように構成されることにより、余剰した発電電力(余剰電力)の自家消費を図ることができる。
具体的には、太陽光発電部10の余剰電力を売電するのではなく、蓄電池20に充電させておくことにより、当該余剰電力を負荷Hや水素製造装置40の消費電力に利用することができる。
具体的には、太陽光発電部10の余剰電力を売電するのではなく、蓄電池20に充電させておくことにより、当該余剰電力を負荷Hや水素製造装置40の消費電力に利用することができる。
また、前記制御装置60(実行部)は、前記太陽光発電部10による発電電力を前記蓄電池20に充電させてもなお前記発電電力が余剰する場合には(ステップS211でYES)、前記水素製造装置40の水素製造量を増加させる(ステップS212)ものである。
このように構成されることにより、余剰した発電電力(余剰電力)の自家消費を図ることができる。
具体的には、水素製造装置40の使用電力に利用される太陽光発電部10の余剰電力の消費量を増やすことができる。
具体的には、水素製造装置40の使用電力に利用される太陽光発電部10の余剰電力の消費量を増やすことができる。
また、本実施形態に係る水素製造システム1は、前記太陽光発電部10による発電電力を用いて水を精製可能な水精製装置50を具備し、前記制御装置60(実行部)は、前記水素製造装置40の水素製造量を増加させてもなお前記太陽光発電部10による発電電力が余剰する場合には(ステップS211でYES、S213でYES)、余剰した前記発電電力を用いて前記水精製装置50を稼動させる(ステップS215)ものである。
このように構成されることにより、余剰した発電電力(余剰電力)の自家消費を図ることができる。
具体的には、余剰電力で水精製装置50を稼動させることにより、余剰電力の消費量を増やすことができる。
具体的には、余剰電力で水精製装置50を稼動させることにより、余剰電力の消費量を増やすことができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、2種類の発電電力予測値として、平均発電電力予測値及び90%パーセンタイル発電電力予測値を用いるものとしたが、これらに限定されるおものではない。特に、90%パーセンタイル発電電力予測値に代えて、50~100(50を超えて、かつ、100未満)%パーセンタイル発電電力予測値のうち任意の値を用いてもよい。
また、水素製造システム1は、水素製造装置40において製造された水素を、燃料電池30による発電の燃料として使用するように構成されるものとしてもよい。
1 水素製造システム
10 太陽光発電部
20 蓄電池
30 燃料電池
40 水素製造装置
50 水精製装置
60 制御装置
10 太陽光発電部
20 蓄電池
30 燃料電池
40 水素製造装置
50 水精製装置
60 制御装置
Claims (10)
- 自然エネルギーを利用して発電可能な発電部と、
前記発電部による発電電力を用いて水素を製造するように運転可能な水素製造部と、
前記水素製造部の運転計画を作成する計画部と、
を具備し、
前記計画部は、
前記発電部による発電電力の予測値である発電電力予測値、及び電力需要の予測値である電力需要予測値を取得し、前記発電電力予測値には、第一発電電力予測値と、前記第一発電電力予測値よりも値が小さい第二発電電力予測値と、が含まれ、
前記第一発電電力予測値と前記電力需要予測値との差から第一余剰電力予測値を算出するとともに、前記第二発電電力予測値と前記電力需要予測値との差から第二余剰電力予測値を算出し、
前記第一余剰電力予測値と前記第二余剰電力予測値との差である計画余剰差に基づいて、前記水素製造部が運転する際の使用電力を決定する、
水素製造システム。 - 前記計画部は、
前記水素製造部の運転予定時間における前記計画余剰差の平均値を算出し、当該平均値を前記運転予定時間における前記使用電力とする、
請求項1に記載の水素製造システム。 - 前記計画部は、
前記計画余剰差の前記平均値が、前記水素製造部の運転に最低限必要な前記使用電力である使用電力下限値よりも小さい場合、前記計画余剰差の前記平均値が増大するように前記運転予定時間を短縮する、
請求項2に記載の水素製造システム。 - 前記計画部は、
前記計画余剰差の前記平均値が、前記水素製造部が最大能力で運転している時の前記使用電力である使用電力上限値よりも大きい場合、前記計画余剰差を前記使用電力上限値まで引き下げる、
請求項2又は請求項3に記載の水素製造システム。 - 電力を充放電可能な蓄電池と、
前記計画部によって作成された前記運転計画に基づいて前記水素製造部の運転を実行する実行部を具備し、
前記実行部は、
前記運転計画に基づいて前記水素製造部を運転させた場合に前記使用電力が不足する場合には、前記蓄電池からの電力によって前記水素製造部の前記使用電力を補填する、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の水素製造システム。 - 燃料を用いて発電可能な燃料電池を具備し、
前記実行部は、
前記運転計画に基づいて前記水素製造部を運転させた場合に前記使用電力が不足する場合には、前記燃料電池からの電力によって前記水素製造部の前記使用電力を補填する、
請求項5に記載の水素製造システム。 - 前記実行部は、
前記使用電力が不足することを解消できない場合には、前記水素製造部の水素製造量を低下させる、
請求項5又は請求項6に記載の水素製造システム。 - 前記実行部は、
前記運転計画に基づいて前記水素製造部を運転させると前記発電部による発電電力が余剰する場合には、余剰した前記発電電力を前記蓄電池に充電させる、
請求項5から請求項7までのいずれか一項に記載の水素製造システム。 - 前記実行部は、
前記発電部による発電電力を前記蓄電池に充電させてもなお前記発電電力が余剰する場合には、前記水素製造部の水素製造量を増加させる、
請求項8に記載の水素製造システム。 - 前記発電部による発電電力を用いて水を精製可能な水精製装置を具備し、
前記実行部は、
前記水素製造部の水素製造量を増加させてもなお前記発電部による発電電力が余剰する場合には、余剰した前記発電電力を用いて前記水精製装置を稼動させる、
請求項9に記載の水素製造システム。
Priority Applications (1)
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