JP2023122111A - 熱交換器および空気調和装置 - Google Patents

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Chen Zheng
智己 廣川
Tomoki Hirokawa
透 安東
Toru Ando
賢吾 内田
Kengo Uchida
文 奥野
Fumi Okuno
健 佐藤
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Abstract

【課題】伝熱管における偏流の発生を抑制する熱交換器及び空気調和装置を提供する。【解決手段】室外熱交換器は、複数の扁平管と、筒状の液ヘッダとを備える。液ヘッダは、複数の扁平管に接続された冷媒流路が内部に形成される。冷媒流路は、上昇空間34zと、下降空間とを有する。上昇空間34zは、冷媒が流入する流入口34eから液ヘッダの長手方向に沿って液ヘッダの上端側へ延びる。下降空間は、上昇空間34zの流入口34eとは反対側の端部と連通する往き流路35zが形成され、往き流路35zから液ヘッダの長手方向に沿って液ヘッダの下端側へ延びる。複数の扁平管は、上昇空間34zに接続されている。上昇空間34zは、第1位置P1における流路断面積Aと、第1位置P1から液ヘッダの上端側へ所定距離はなれた第2位置P2における流路断面積とが異なる。【選択図】図14

Description

熱交換器および空気調和装置に関する。
複数の伝熱管が接続された筒状のヘッダを有する熱交換器が知られている。
特許文献1(特開2016-125748号公報)は、複数の伝熱管(扁平管)の一端が接続されており、上下方向に沿って延びたヘッダ(ヘッダ集合管)を備える熱交換器を開示している。
特許文献1の熱交換器が備えるヘッダは、内部空間を、伝熱管が接続された側の第1空間と、伝熱管が接続されない第2空間とに仕切る仕切部材を有している。仕切部材は、第1空間と、第2空間とを連通する連通路がヘッダの長手方向において所定距離離れた位置に2か所形成されている。これによりヘッダの内部にループ構造が形成され、ヘッダに流入した冷媒は、第1空間内をヘッダの一端側から他端側へ流れた後、第2空間内をヘッダの他端側から一端側へ流れる。この結果、ヘッダを流れる液相冷媒と、気相冷媒との混合が促進される。
また、特許文献1の熱交換器が備えるヘッダは、熱交換器が蒸発器として機能する場合に、第1空間内において上昇流れを生じさせるノズルが設けられている。これにより、流入口から第1空間内に流入する冷媒の流速を増加させて、流入口から離れた位置に接続された伝熱管への十分な冷媒の供給が図られている。
しかしながらこのようなヘッダであっても、流入した冷媒の乾き度が高い場合には内部において圧力分布の不均衡が生じ、接続された複数の伝熱管において液相冷媒と、気相冷媒との分布に偏りが生じる偏流が発生することがある。
本開示の内容は、伝熱管における偏流の発生を抑制する熱交換器及び空気調和装置を提供することを目的とする。
第1観点に係る熱交換器は、複数の伝熱管と、筒状のヘッダとを備える熱交換器である。ヘッダは、複数の伝熱管に接続された冷媒流路が内部に形成されている。冷媒流路は、第1流路と、第1連通口と、第2流路とを有する。第1流路は、冷媒が流入する流入口からヘッダの長手方向である第1方向に沿ってヘッダの第1端側へ延びる。第1連通口は、第1流路の流入口とは反対側の端部と連通する。第2流路は、第1連通口と連通し、第1連通口から第1方向に沿ってヘッダの第2端側へ延びる。
複数の伝熱管は、第1方向に交差するように第1流路に接続されている。第1流路は、第1位置における流路断面積と、第1位置からヘッダの第1端側へ所定距離はなれた第2位置における流路断面積とが異なる。
本熱交換器によれば、第1流路の第1位置における流路面積と、第2位置における流路断面積とを異ならせることにより、第1流路を圧力分布の不均衡が抑制される形状とすることができる。したがって、熱交換器によれば、伝熱管における偏流の発生が抑制される。
第2観点に係る熱交換器は、第1観点に係る熱交換器であって、第1位置が、流入口の近傍である。
第3観点に係る熱交換器は、第1観点又は第2観点に係る熱交換器であって、第2流路が、第1連通口とは反対側の端部において第1流路と連通する第2連通口を有する。流入口から第1流路に流入した冷媒は、第1連通口から第2流路に流入した後、第2連通口を通って第1流路に流入する。
本熱交換器は、第1流路と、第1連通口と、第2流路と、第2連通口とにより冷媒をループさせ、第1流路における圧力分布の不均衡を解消する。
第4観点に係る熱交換器は、第1観点から第3観点に係る熱交換器のいずれかであって、流路断面積が、第1位置から第2位置に向かうにしたがって増加する。
本熱交換器は、流入口から流入した冷媒の第1流路の上方への移動を促進して、第1流路における圧力分布の不均衡を解消する。
第5観点に係る熱交換器は、第4観点に係る熱交換器であって、第2位置が、第1方向における中央に位置する。流路断面積は、第2位置からヘッダの第1端側に向かうにしたがって減少する。
本熱交換器は、流入口から流入した冷媒の第1流路の中央への移動を促進し、第1流路における圧力分布の不均衡を解消する。
第6観点に係る熱交換器は、第4観点又は第5観点に係る熱交換器であって、第1流路の流路断面が、第1位置からヘッダの第1端側に向かうにしたがって、第1流路の延伸方向から見た伝熱管の長手方向に直交する方向において形状が変化する。
第7観点に係る熱交換器は、第4観点から第6観点に係る熱交換器のいずれかであって、第1流路の流路断面が、第1位置からヘッダの第1端側に向かうにしたがって、第1流路の延伸方向から見た伝熱管の長手方向において形状が変化する。
第8観点に係る熱交換器は、第1観点から第7観点に係る熱交換器のいずれかであって、ヘッダの長手方向が鉛直方向に一致する。
第9観点に係る空気調和装置は、第1観点から第8観点に係る熱交換器のいずれか含む冷媒回路を備え、熱交換器の入口における冷媒の乾き度が0.25以上となる運転を実行する。
第10観点に係る空気調和装置は、第1観点から第8観点に係る熱交換器のいずれかを含む冷媒回路を備え、冷媒回路は、プロパン、CO、及びイソブタンのいずれかからなる単一冷媒、または、プロパン、CO、及びイソブタンのいずれかを含む混合冷媒が充填されている。
プロパン、CO、及びイソブタン等の自然冷媒が充填された冷媒回路では、熱交換器の入口における乾き度が高くなり、伝熱管における偏流が発生しやすい。しかしながら、上述の熱交換器を備えた空気調和装置によれば、プロパン、CO、及びイソブタン等の自然冷媒を用いても、伝熱管における偏流の発生が抑制される。
空気調和装置1の概略構成図である。 室外熱交換器11の概略斜視図である。 室外熱交換器11の熱交換部27の部分拡大図である。 熱交換部27におけるフィン29の扁平管28に対する取付状態を示す概略図である。 冷媒の蒸発器として機能する室外熱交換器11における冷媒流れの様子を示す説明図である。 液ヘッダ300に対して分岐液冷媒接続管49a~49eが接続されている様子を示す側面視外観構成図である。 液ヘッダ30の上端近傍部分の分解斜視図である。 液ヘッダ30の平面視断面図である。 液ヘッダ30に対して分岐液冷媒接続管49a~49eおよび扁平管28が接続されている様子を示す平面視断面図である。 液ヘッダ30の上端近傍部分の断面斜視図である。 第1液側部材31を後ろ側から見た概略図である。 第2液側部材32を後ろ側から見た概略図である。 第3液側部材33を後ろ側から見た概略図である。 第4液側部材34を後ろ側から見た概略図である。 第5液側部材35を後ろ側から見た概略図である。 第6液側部材36を後ろ側から見た概略図である。 第7液側部材37を後ろ側から見た概略図である。 変形例1Aに係る室外熱交換器11の上昇空間34z周辺を右側から見た断面図である。 第2実施形態に係る室外熱交換器が有する液ヘッダ30の上端近傍部分の分解斜視図である。 第2実施形態に係る室外熱交換器が有する液ヘッダ30の第4液側部材38を後ろ側から見た概略図である。 変形例2Aに係る室外熱交換器の上昇空間34z1周辺を右側から見た断面図である。
<第1実施形態>
(1)空気調和装置の構成
本開示の第1実施形態に係る熱交換器を備える空気調和装置1について図面を参照しながら説明する。
図1は、空気調和装置1の概略構成図である。
空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことにより、空調対象空間における冷房運転および暖房運転を行う装置である。空調対象空間は、例えば、オフィスビル、商業施設、住居等の建物内の空間である。なお、空気調和装置は、冷媒サイクル装置の一例に過ぎず、本開示の熱交換器は、他の冷媒サイクル装置、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、給湯器、床暖房装置等に使用されるものであってもよい。
空気調和装置1は、図1のように、主として、室外ユニット2と、室内ユニット9と、液冷媒連絡管4およびガス冷媒連絡管5と、室外ユニット2および室内ユニット9を構成する機器を制御する制御部3とを有する。液冷媒連絡管4およびガス冷媒連絡管5は、室外ユニット2と、室内ユニット9とを接続する冷媒連絡管である。空気調和装置1では、室外ユニット2と、室内ユニット9とが、液冷媒連絡管4およびガス冷媒連絡管5を介して接続されることで冷媒回路6が構成される。
冷媒回路6に充填される冷媒は、HFC冷媒、HFO冷媒、自然冷媒等の周知の冷媒である。詳細は後述するが、乾き度が高くなり易い、プロパン、CO、及びイソブタン等の自然冷媒も、冷好適に用いられる。これらの自然冷媒は、単一冷媒として用いられてもよいし、混合冷媒として用いられてもよい。
なお、図1では、空気調和装置1は室内ユニット9を1台有するが、空気調和装置1は、液冷媒連絡管4およびガス冷媒連絡管5によって室外ユニット2に対して互いに並列に接続される複数の室内ユニット9を有してもよい。また、空気調和装置1は複数の室外ユニット2を有してもよい。また、空気調和装置1は、室外ユニット2と、室内ユニット9とが一体に形成されている、一体型の空気調和装置であってもよい。
(1-1)室外ユニット
室外ユニット2は、空調対象空間外、例えば、建物の屋上や建物の壁面近傍等に設置される。
室外ユニット2は、主として、アキュムレータ7、圧縮機8、四路切換弁10、室外熱交換器11(熱交換器の一例)、膨張機構12、液側閉鎖弁13およびガス側閉鎖弁14、および室外ファン16を有している。
室外ユニット2は、冷媒回路6を構成する各種機器を接続する冷媒管として、吸入管17、吐出管18、第1ガス冷媒管19、液冷媒管20、および第2ガス冷媒管21を主に有する。吸入管17は、四路切換弁10と、圧縮機8の吸入側とを接続する。吸入管17には、アキュムレータ7が設けられている。吐出管18は、圧縮機8の吐出側と、四路切換弁10とを接続する。第1ガス冷媒管19は、四路切換弁10と室外熱交換器11のガス側とを接続する。液冷媒管20は、室外熱交換器11の液側と液側閉鎖弁13とを接続する。液冷媒管20には、膨張機構12が設けられている。第2ガス冷媒管21は、四路切換弁10と、ガス側閉鎖弁14とを接続する。
圧縮機8は、吸入管17から冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を吸入し、図示しない圧縮機構で冷媒を圧縮して、圧縮した冷媒を吐出管18へと吐出する機器である。
四路切換弁10は、冷媒の流向を切り換えることで、冷媒回路6の状態を、冷房運転の状態と、暖房運転の状態との間で変更する機構である。冷媒回路6が冷房運転の状態にある時には、室外熱交換器11が冷媒の放熱器(凝縮器)として機能し、室内熱交換器91が冷媒の蒸発器として機能する。冷媒回路6が暖房運転の状態にある時には、室外熱交換器11が冷媒の蒸発器として機能し、室内熱交換器91が冷媒の凝縮器として機能する。四路切換弁10が冷媒回路6の状態を冷房運転の状態とする場合には、四路切換弁10は、吸入管17を第2ガス冷媒管21と連通させ、吐出管18を第1ガス冷媒管19と連通させる(図1の四路切換弁10内の実線参照)。四路切換弁10が冷媒回路6の状態を暖房運転の状態とする場合には、四路切換弁10は、吸入管17を第1ガス冷媒管19と連通させ、吐出管18を第2ガス冷媒管21と連通させる(図1中の四路切換弁10内の破線参照)。
室外熱交換器11(熱交換器の一例)は、内部を流れる冷媒と室外ユニット2の設置場所の空気(熱源空気)との間で熱交換を行わせる機器である。室外熱交換器11の詳細については後述する。
膨張機構12は、冷媒回路6において室外熱交換器11と、室内熱交換器91との間に配置される。本実施形態では、膨張機構12は、室外熱交換器11と、液側閉鎖弁13との間の液冷媒管20に配置されている。なお、本空気調和装置1では、膨張機構12が室外ユニット2に設けられているが、これに代えて、膨張機構12は後述する室内ユニット9に設けられていてもよい。膨張機構12は、液冷媒管20を流れる冷媒の圧力や流量の調節を行う機構である。本実施形態では、膨張機構12は開度可変の電子膨張弁であるが、膨張機構12は感温筒式の膨張弁やキャピラリチューブであってもよい。
アキュムレータ7は、流入する冷媒をガス冷媒と、液冷媒とに分離する気液分離機能を有する容器である。また、アキュムレータ7は、運転負荷の変動等に応じて発生する余剰冷媒の貯留機能を有する容器である。
液側閉鎖弁13は、液冷媒管20と、液冷媒連絡管4との接続部に設けられている弁である。ガス側閉鎖弁14は、第2ガス冷媒管21と、ガス冷媒連絡管5との接続部に設けられている弁である。液側閉鎖弁13およびガス側閉鎖弁14は、空気調和装置1の運転時には開かれている。
室外ファン16は、図示しない室外ユニット2のケーシング内に外部の熱源空気を吸入して室外熱交換器11に供給し、室外熱交換器11において冷媒と熱交換した空気を室外ユニット2のケーシング外に排出するためのファンである。室外ファン16は、例えばプロペラファンである。
(1-2)室内ユニット
室内ユニット9は、空調対象空間に設置されるユニットである。室内ユニット9は、例えば天井埋込式のユニットであるが、天井吊下式、壁掛式、または床置式のユニットであってもよい。また、室内ユニット9は、空調対象空間の外に設置されてもよい。例えば、室内ユニット9は、屋根裏、機械室、ガレージ等に設置されてもよい。この場合、室内熱交換器91において冷媒と熱交換した空気を、室内ユニット9から空調対象空間へと供給する空気通路が設置される。空気通路は、例えばダクトである。
室内ユニット9は、室内熱交換器91および室内ファン92を主に有する。
室内熱交換器91では、室内熱交換器91を流れる冷媒と、空調対象空間の空気との間で熱交換が行われる。室内熱交換器91は、タイプを限定するものではないが、例えば、図示しない複数の伝熱管と、フィンとを有するフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。室内熱交換器91の一端は、冷媒配管を介して液冷媒連絡管4と接続される。室内熱交換器91の他端は、冷媒配管を介してガス冷媒連絡管5と接続される。
室内ファン92は、室内ユニット9のケーシング(図示せず)内に空調対象空間内の空気を吸入して室内熱交換器91に供給し、室内熱交換器91において冷媒と熱交換した空気を空調対象空間へと吹き出す機構である。室内ファン92は、例えばターボファンである。ただし、室内ファン92のタイプは、ターボファンに限定されるものではなく適宜選択されればよい。
(1-3)制御部
制御部3は、空気調和装置1を構成する各種機器の動作を制御する機能部である。
制御部3は、例えば、室外ユニット2の室外制御ユニット(図示せず)と、室内ユニット9の室内制御ユニット(図示せず)とが、伝送線(図示せず)を介して通信可能に接続されて構成されている。室外制御ユニットおよび室内制御ユニットは、例えば、マイクロコンピュータや、マイクロコンピュータが実施可能な、空気調和装置1の制御用の各種プログラムが記憶されているメモリ等を有するユニットである。なお、図1では、便宜上、室外ユニット2および室内ユニット9とは離れた位置に制御部3を描画している。
なお、制御部3の機能は、室外制御ユニットおよび室内制御ユニットが協働することで実現される必要はない。例えば、制御部3の機能は、室外制御ユニットおよび室内制御ユニットのいずれか一方により実現されてもよいし、室外制御ユニットおよび室内制御ユニットとは異なる図示しない制御装置が制御部3の機能の一部または全部を実現してもよい。
制御部3は、図1に示されるように、圧縮機8、四路切換弁10、膨張機構12、室外ファン16および室内ファン92を含む、室外ユニット2および室内ユニット9の各種機器と電気的に接続されている。また、制御部3は、室外ユニット2および室内ユニット9に設けられた図示しない各種センサと電気的に接続されている。また、制御部3は、空気調和装置1のユーザが操作する図示しないリモコンと通信可能に構成されている。
制御部3は、各種センサの計測信号や、図示しないリモコンから受信する指令等に基づいて、空気調和装置1の運転および停止や、空気調和装置1を構成する各種機器の動作を制御する。
(2)室外熱交換器の構成
図面を参照しながら、室外熱交換器11の構成について説明する。
図2は、室外熱交換器11の概略斜視図である。図3は、室外熱交換器11の、後述する熱交換部27の部分拡大図である。図4は、熱交換部27における後述するフィン29の扁平管28に対する取付状態を示す概略図である。図5は、冷媒の蒸発器として機能する室外熱交換器11における冷媒流れの様子を示す説明図である。図5に示した熱交換部27の矢印は、暖房運転時(室外熱交換器11が蒸発器として機能する時)の冷媒の流れを示している。
なお、以下の説明において、向きや位置を説明するために、「上」、「下」、「左」、「右」、「前(前面)」、「後(背面)」等の表現を用いる場合がある。これらの表現は、特に断りの無い限り、図2中に描画した矢印の方向に従う。なお、これらの方向や位置を表す表現は、説明の便宜上用いられるものであって、特記無き場合、室外熱交換器11全体や室外熱交換器11の各構成の向きや位置を記載の表現の向きや位置に特定するものではない。
室外熱交換器11は、内部を流れる冷媒と空気との間で熱交換を行わせる機器である。
室外熱交換器11は、分流器22と、複数の扁平管28を含む扁平管群28Gと、複数のフィン29と、液ヘッダ30(ヘッダの一例)と、ガスヘッダ70と、を主に有している。本実施形態では、分流器22、扁平管28、フィン29、液ヘッダ30およびガスヘッダ70は、全て、アルミニウム製、または、アルミニウム合金製である。
後述するように扁平管28と扁平管28に固定されるフィン29とは、熱交換部27を形成する。室外熱交換器11は、1列の熱交換部27を有するものであり、空気流れ方向に複数の扁平管28が並んだものではない。室外熱交換器11では、熱交換部27の扁平管28とフィン29とにより形成される通風路を空気が流れることで、扁平管28を流れる冷媒と、通風路を流れる空気との間で熱交換が行われる。熱交換部27は、上下方向に並んだ、第1熱交換部27aと、第2熱交換部27bと、第3熱交換部27cと、第4熱交換部27dと、第5熱交換部27eとに区画される。
(2-1)分流器
分流器22は、冷媒を分流させる機構である。また、分流器22は、冷媒を合流させる機構でもある。分流器22には、液冷媒管20が接続される。分流器22は、複数の分流管22a~22eを有する。分流器22は、液冷媒管20から分流器22流入した冷媒を複数の分流管22a~22eに分流させて、液ヘッダ30内に形成されている複数の空間に導く機能を有する。また、分流器22は、液ヘッダ30から分流管22a~22eを介して流入した冷媒を合流させて液冷媒管20へと導く機能を有する。具体的には、各分流管22a~22eと、液ヘッダ30内の複数の空間とは、それぞれ、分岐液冷媒接続管49a~49eを介して接続されている。
(2-2)扁平管群
扁平管群28Gは、伝熱管群の例である。扁平管群28Gは、複数の伝熱管として、複数の扁平管28を含む。扁平管28は、図3のように伝熱面となる扁平面28aを上下に有する扁平な伝熱管である。扁平管28には、図3のように、冷媒が流れる冷媒通路28bが複数形成されている。例えば、扁平管28は、冷媒が流れる通路断面積が小さな冷媒通路28bが多数形成されている扁平多穴管である。これらの複数の冷媒通路28bは、本実施形態では空気流れ方向に並んで設けられている。なお、扁平管28の冷媒通路28bに垂直な断面における最大幅は、主ガス冷媒管接続部19aの外径の70%以上であってよく、85%以上であってもよい。
室外熱交換器11では、図5のように、液ヘッダ30側と、ガスヘッダ70側との間を水平方向に延びる扁平管28が、上下に並べて複数段配置されている。これにより、複数の扁平管28は、液ヘッダ30の長手方向に交差(室外熱交換器11では、直交)するように後述する上昇空間34zに接続されている。なお、本実施形態では、液ヘッダ30側と、ガスヘッダ70側との間を延びる扁平管28は、2箇所で曲げられて、扁平管28により構成される熱交換部27は平面視において略U字状に形成されている。本実施形態では、複数の扁平管28は、上下に一定の間隔をあけて配置されている。
(2-3)フィン
複数のフィン29は、室外熱交換器11の伝熱面積を増大するための部材である。各フィン29は、扁平管28の並べられている段方向に延びる板状の部材である。室外熱交換器11は、複数の水平方向に延びる扁平管28が上下方向に並べて配置される態様で使用される。したがって、室外熱交換器11が室外ユニット2に設置された状態では、各フィン29は上下方向に延びる。
各フィン29には、複数の扁平管28を差し込めるように、図4のように、扁平管28の差し込み方向に沿って延びる切り欠き29aが複数形成されている。切り欠き29aは、フィン29の延びる方向、および、フィン29の厚み方向と直交する方向に延びる。室外熱交換器11が室外ユニット2に設置された状態では、各フィン29に形成された切り欠き29aは水平方向に延びる。フィン29の切り欠き29aの形状は、扁平管28の断面の外形の形状にほぼ一致している。切り欠き29aは、フィン29に、扁平管28の配列間隔に対応する間隔を開けて形成されている。室外熱交換器11において、複数のフィン29は、扁平管28の延びる方向に沿って並べて配置される。複数のフィン29の、複数の切り欠き29aのそれぞれに扁平管28が差し込まれることで、隣り合う扁平管28の間が、空気が流れる複数の通風路に区画される。
各フィン29は、扁平管28に対して空気流れ方向の上流側または下流側において、上下方向に連通した連通部29bを有している。本実施形態では、扁平管28に対して風上側にフィン29の連通部29bが位置している。
(2-4)ガスヘッダおよび液ヘッダ
ガスヘッダ70および液ヘッダ30は、冷媒流路が内部に形成された筒状の部材である。
図5に示すように、液ヘッダ30は、各扁平管28の一方側の端部が接続され、ガスヘッダ70は、各扁平管28の他方側の端部が接続される。室外熱交換器11は、液ヘッダ30およびガスヘッダ70の長手方向が鉛直方向(第1方向の一例)と概ね一致するように室外ユニット2の図示しないケーシング内に配置される。本実施形態では、室外熱交換器11の熱交換部27は、図2のように平面視U字形状に形成されている。液ヘッダ30は、室外ユニット2の図示しないケーシングの左前方角の近傍に配置される。ガスヘッダ70は、室外ユニット2の図示しないケーシングの右前方角の近傍に配置される。
(2-4-1)ガスヘッダ
ガスヘッダ70には、第1ガス冷媒管19におけるガスヘッダ70側の端部を構成する主ガス冷媒管接続部19aおよび分岐ガス冷媒管接続部19bが接続されている。なお、特に限定されないが、主ガス冷媒管接続部19aの外径は、例えば、分岐ガス冷媒管接続部19bの外径の3倍以上であってよく、5倍以上であってもよい。
主ガス冷媒管接続部19aの一端は、ガスヘッダ70の高さ方向における中間位置において、ガスヘッダ70の冷媒流路であるガス側内部空間25と連通するように、ガスヘッダ70に接続されている。
分岐ガス冷媒管接続部19bの一端は、ガスヘッダ70の高さ方向における下端近傍においてガス側内部空間25と連通するように、ガスヘッダ70に接続されている。分岐ガス冷媒管接続部19bの他端は、主ガス冷媒管接続部19aに接続されている。分岐ガス冷媒管接続部19bは、主ガス冷媒管接続部19aよりも細い内径で、主ガス冷媒管接続部19aよりも下方においてガスヘッダ70に接続されることで、ガスヘッダ70の下端近傍に滞留している冷凍機油を、主ガス冷媒管接続部19aに引き込むことが可能であり、圧縮機8に戻すことが可能である。
(2-4-2)液ヘッダ
液ヘッダ30の液側内部空間23は、液ヘッダ30の冷媒流路である複数のサブ空間23a~23eに区画されている。
これらの複数のサブ空間23a~23eは、上下方向に並んでいる。各サブ空間23a~23eは、液ヘッダ30の液側内部空間23において連通していない。
各サブ空間23a~23eには、分流器22が有する各分流管22a~22eに接続された各分岐液冷媒接続管49a~49eが、1対1に接続されている。これにより、冷房運転状態では、各サブ空間23a~23eに到達した冷媒は、各分岐液冷媒接続管49a~49eおよび各分流管22a~22eを流れることで分流器22において合流する。また、暖房運転状態では、分流器22において分流された冷媒は、各分流管22a~22eおよび各分岐液冷媒接続管49a~49eを流れることで、各サブ空間23a~23eに供給される。
(3)室外熱交換器における冷媒の流れ
空気調和装置1が暖房運転を行うことで室外熱交換器11が冷媒の蒸発器として機能する場合には、液冷媒管20から分流器22に到達した気液二相状態の冷媒は、分流管22a~22eを経て、液ヘッダ30の液側内部空間23を構成する各サブ空間23a~23eに流入する。具体的には、分流管22aを流れた冷媒はサブ空間23aに、分流管22b流れた冷媒はサブ空間23bに、分流管22cを流れた冷媒はサブ空間23cに、分流管22dを流れた冷媒はサブ空間23dに、分流管22eを流れた冷媒はサブ空間23eに、それぞれ流れる。液側内部空間23のサブ空間23a~23eに流入した冷媒は、各サブ空間23a~23eに接続されている各扁平管28を流れる。各扁平管28を流れる冷媒は、空気と熱交換することで蒸発し、気相の冷媒となってガスヘッダ70のガス側内部空間25に流入することで、合流する。
空気調和装置1が冷房運転またはデフロスト運転を行う際には、冷媒回路6を暖房運転時とは逆向きに冷媒が流れる。具体的には、第1ガス冷媒管19の主ガス冷媒管接続部19aおよび分岐ガス冷媒管接続部19bを介してガスヘッダ70のガス側内部空間25に高温の気相の冷媒が流入する。ガスヘッダ70のガス側内部空間25に流入した冷媒は、分流されて各扁平管28に流入する。各扁平管28に流入した冷媒は、各扁平管28を通過して、液ヘッダ30の液側内部空間23のサブ空間23a~23eに流入する。液側内部空間23のサブ空間23a~23eに流入した冷媒は、分流器22で合流し、液冷媒管20へと流出する。
(4)液ヘッダの詳細
図6は、液ヘッダ30に対して分岐液冷媒接続管49a~49eが接続されている様子を示す側面視外観構成図である。図7は、液ヘッダ30の上端近傍部分の分解斜視図である(なお、図中、二点鎖線の矢印は、室外熱交換器11が冷媒の蒸発器として機能する場合の冷媒流れを示している。)。図8は、液ヘッダ30の平面視断面図である。図9は、液ヘッダ30に対して分岐液冷媒接続管49a~49eおよび扁平管28が接続されている様子を示す平面視断面図である。図10は、液ヘッダ30の上端近傍部分の断面斜視図である。
液ヘッダ30は、平面視における外形が、扁平管28の接続箇所を1つの辺として有する略四角形状となるように構成されている。液ヘッダ30は、第1液側部材31と、第2液側部材32と、第3液側部材33と、第4液側部材34と、第5液側部材35と、第6液側部材36と、第7液側部材37とを有している。液ヘッダ30は、第1液側部材31と、第2液側部材32と、第3液側部材33と、第4液側部材34と、第5液側部材35と、第6液側部材36と、第7液側部材37とが互いにロウ付けにより接合されて構成されている。
図11は、第1液側部材31を後ろ側から見た概略図である。図12は、第2液側部材32を後ろ側から見た概略図である。図13は、第3液側部材33を後ろ側から見た概略図である。図14は、第4液側部材34を後ろ側から見た概略図である。図15は、第5液側部材35を後ろ側から見た概略図である。図16は、第6液側部材36を後ろ側から見た概略図である。図17は、第7液側部材37を後ろ側から見た概略図である。なお、これらの各図は、隣り合って配置される部材が有する各開口の位置関係を投影しつつ破線等で示している。
第1液側部材31と、第3液側部材33と、第4液側部材34と、第5液側部材35と、第6液側部材36と、第7液側部材37とは、いずれも厚みが3mm以下の板材で構成されていることが好ましい。
(4-1)第1液側部材
第1液側部材31は、主に、後述する第7液側部材37と共に液ヘッダ30の外形の周囲を構成する部材である。第1液側部材31は、ロウ材を有するクラッド層が表面に形成されていることが好ましい。
第1液側部材31は、液側扁平管接続板31aと、第1液側外壁31bと、第2液側外壁31cと、第1液側爪部31dと、第2液側爪部31eとを有している。
特に限定されないが、本実施形態の第1液側部材31は、圧延により得られる1枚の板金を液ヘッダ30の長手方向(第1方向の一例)を折り目とした折り曲げ加工により形成することができる。この場合、第1液側部材31の各部分の板厚は、一様である。
液側扁平管接続板31aは、上下方向および左右方向に広がった平板形状の部分である。液側扁平管接続板31aには、上下方向に並んで配置された複数の液側扁平管接続開口31xが形成されている。各液側扁平管接続開口31xは、液側扁平管接続板31aを板厚方向に貫通した開口である。この液側扁平管接続開口31xには、扁平管28の一端が完全に通過するように扁平管28が挿入された状態で、扁平管28がロウ付けにより接合される。ロウ付け接合された状態では、液側扁平管接続開口31xの内周面の全体と扁平管28の外周面の全体とは互いに接した状態となる。ここで、液側扁平管接続板31aを含む第1液側部材31の厚みは、例えば、1.0mm以上2.0mm以下程度に比較的薄く形成されているため、ガス側扁平管接続開口71xの内周面の板厚方向における長さを短くすることができている。このため、ロウ付けによる接合の前段階において、扁平管28を液側扁平管接続開口31xに挿入する作業を行う際に、液側扁平管接続開口31xの内周面と扁平管28の外周面との間で生じる摩擦を小さく抑え、挿入作業を容易にすることが可能である。
第1液側外壁31bは、液側扁平管接続板31aの左側(室外ユニット2の外側、ガスヘッダ70とは反対側)の端部の前側の面から、前側に向けて延び出した平面形状部分である。
第2液側外壁31cは、液側扁平管接続板31aの右側(室外ユニット2の内側、ガスヘッダ70側)の端部の前側の面から、前側に向けて延び出した平面形状部分である。
第1液側爪部31dは、第1液側外壁31bの前側端部から、右側に向けて延びだした部分である。第2液側爪部31eは、第2液側外壁31cの前側端部から、左側に向けて延びだした部分である。
第1液側爪部31dと、第2液側爪部31eとは、平面視における第1液側部材31の内側に第2液側部材32、第3液側部材33、第4液側部材34、第5液側部材35、第6液側部材36、第7液側部材37が配置される前の状態では、それぞれ第1液側外壁31bと第2液側外壁31cとの延長上に延びた状態となっている。平面視における第1液側部材31の内側に第2液側部材32、第3液側部材33、第4液側部材34、第5液側部材35、第6液側部材36、第7液側部材37が配置された状態で、第1液側爪部31dと、第2液側爪部31eと、を互いに近づくように折り曲げることで、第2液側部材32と、第3液側部材33と、第4液側部材34と、第5液側部材35と、第6液側部材36と、第7液側部材37とは第1液側部材31によってカシメられ、互いに固定される。この状態で、炉中等でロウ付けが行われることで、互いの部材が接合されて完全に固定される。
(4-2)第2液側部材
第2液側部材32は、板状のベース部32a、および、ベース部32aから液側扁平管接続板31a側に突出した凸部32bを複数有している。第2液側部材32は、ロウ材を有するクラッド層が表面に形成されていなくてもよい。
ベース部32aは、液側扁平管接続板31aと平行に広がっており、扁平管28が延びる方向を板厚方向とする板状の形状を有している。左右方向におけるベース部32aの幅は、左右方向における液側扁平管接続板31aの幅のうち両端部を除いた部分の幅と同じである。ベース部32aには、凸部32bが設けられている位置以外において、扁平管28と1対1に対応するように、上下方向に並んで設けられた複数の連通穴32xが形成されている。連通穴32xは、後ろ側から見た場合に、扁平管28の端部と概ね重複する形状である。
凸部32bは、ベース部32aのうち、隣り合う連通穴32xの間から後ろ側に向けて、液側扁平管接続板31aの前側の面に当たるまで水平方向に伸び出している。これにより、第1液側部材31の液側扁平管接続板31aの前側の面と、第1液側部材31の第1液側外壁31bおよび第2液側外壁31cと、第2液側部材32において上下に隣り合う凸部32bと、第2液側部材32のベース部32aの後ろ側の面のうちの連通穴32x以外の部分とによって囲まれた挿入スペース32sが形成されている。この挿入スペース32sは、液ヘッダ30の長手方向に複数並ぶようにして設けられている。挿入スペース32sには、扁平管28の端部が位置する。なお、前後方向における凸部32bの長さは、液ヘッダ30を構成する第1液側部材31、第3液側部材33、第4液側部材34、第5液側部材35、第6液側部材36、第7液側部材37のいずれの板厚よりも長くなるように調節されている。これにより、液ヘッダ30に対する扁平管28の挿入程度に誤差が生じたとしても、前後方向における凸部32bの長さの範囲内であれば、液ヘッダ30として完成させた際の冷媒の流れにおいて閉塞箇所や冷媒が流れ難い箇所が生じる等といった問題が生じにくい。また、ロウ付け接合時にロウ材が毛細管現象により移動して扁平管28の冷媒通路28bを塞いでしまうことを抑制することも可能になる。
(4-3)第3液側部材
第3液側部材33は、第2液側部材32のベース部32aの前側(分岐液冷媒接続管49a~49eと液ヘッダ30との接続位置側)の面に面して接するように積層された部材である。この第3液側部材33の左右の長さは、第2液側部材32の左右の長さと同様である。第3液側部材33は、ロウ材を有するクラッド層が表面に形成されていることが好ましい。
第3液側部材33は、第3内部板33aと、複数の分流開口33xと、を有している。
第3内部板33aは、上下方向および左右方向に広がった平板形状を有している。
複数の分流開口33xは、上下方向に並んで配置されており、第3内部板33aを板厚方向に貫通した開口である。本実施形態では、各分流開口33xは、左右方向における第3内部板33aの中央近傍に形成されている。また、各分流開口33xは、後ろ側から見た場合に、第2液側部材32の各連通穴32xと重複しており、互いに連通している。これにより、後述する上昇空間34zを流れる冷媒を、各分流開口33xに向けて分岐して流し、各分流開口33xに対応するように接続された各扁平管28に対して冷媒を分流させることができる。
なお、第3内部板33aの前側の面のうち分流開口33xが形成されている部分以外の面は、後述する上昇空間34zの輪郭を形成している。
(4-4)第4液側部材
第4液側部材34は、第3液側部材33の第3内部板33aの前側(分岐液冷媒接続管49a~49eと液ヘッダ30との接続位置側)の面に面して接するように積層された部材である。この第4液側部材34の左右の長さは、第3液側部材33の左右の長さと同様である。第4液側部材34は、ロウ材を有するクラッド層が表面に形成されていなくてもよい。
第4液側部材34は、第4内部板34aと、第1貫通部分34oとを有している。
第4内部板34aは、上下方向および左右方向に広がった平板形状を有している。
第1貫通部分34oは、第4内部板34aにおいて板厚方向に貫通するように形成された開口であり、導入空間34xと、ノズル34yと、上昇空間34z(第1流路の一例)と、を有している。導入空間34xと、ノズル34yと、上昇空間34zとは、本実施形態では、下から順に鉛直方向に並ぶようにして設けられている。本実施形態では、前後方向における導入空間34xと、ノズル34yと、上昇空間34zの幅は同じである。
導入空間34xと、ノズル34yと、上昇空間34zとは、第3液側部材33の第3内部板33aの前側の面と、後述する第5液側部材35の第5内部板35aの後ろ側の面と、で前後方向に挟まれた空間である。
導入空間34xは、第3液側部材33の第3内部板33aのうちの壁部33aaに面しており、後ろ側から見た場合に分流開口33xとは重複しておらず、分流開口33xとは連通していない。なお、後ろ側から見た場合に、導入空間34xは、後述する第5液側部材35の第2連絡開口35xと重複しており、第2連絡開口35xと連通している。このように、導入空間34xの後側が第3内部板33aの壁部33aaで覆われているため、導入空間34xに流入した気相冷媒と、液相冷媒とは、壁部33aaに当たって混合した後、ノズル34yを介して上昇空間34zに送られる。
ノズル34yは、第3液側部材33の第3内部板33aに面しており、後ろ側から見た場合に分流開口33xとは重複しておらず、分流開口33xとは連通していない。なお、ノズル34yは、後述する第5液側部材35の第5内部板35aに面しており、後ろ側から見た場合に、第2連絡開口35x、戻り流路35y、往き流路35zとは重複しておらず、これらとは互いに連通していない。ノズル34yは、左右方向における第4内部板34aの中心近傍に設けられている。
上昇空間34zは、室外熱交換器11が冷媒の蒸発器として機能する場合に、ノズル34yを通過した冷媒が流入する流入口34eがノズル34yとの接続箇所に形成されている。上昇空間34zは、流入口34eから液ヘッダ30の長手方向に沿って液ヘッダ30の上端側(第1端側の一例)へ延びる流路である。上昇空間34zは、第3液側部材33の第3内部板33aと面しており、後ろ側から見た場合に複数の分流開口33xと重複しており、複数の分流開口33xと連通している。
上昇空間34zの流路断面積Aは、第1位置P1における流路断面積Aと、第1位置P1から液ヘッダ30の上端側へ所定距離はなれた第2位置P2における流路断面積Aとが異なるように形成されている。第1位置P1は、流入口34eまたは流入口34eの近傍である。流路断面積Aは、第1位置P1から第2位置P2に向かうにしたがって増加する。室外熱交換器11では、第2位置P2は、上昇空間34zの上端に位置する。
室外熱交換器11では、第1位置P1から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって、上昇空間34zの延伸方向(上下方向)から見た扁平管28の長手方向に直交する方向(本実施形態では、左右方向)において、上昇空間34zの流路断面形状が変化することにより、流路断面積Aが変化する。言い換えると、室外熱交換器11では、第1位置P1から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって、上昇空間34zの左右方向における幅が変化することにより、流路断面積Aが変化する。
なお、上昇空間34zは、後述する第5液側部材35の第5内部板35aに面しており、後ろ側から見た場合に、第2連絡開口35xとは重複しておらず、戻り流路35yおよび往き流路35zとは重複している。また、上昇空間34zは、第2連絡開口35xとは連通しておらず、戻り流路35yおよび往き流路35zとは連通している。なお、液ヘッダ30の長手方向における上昇空間34zの長さは、液ヘッダ30の長手方向における導入空間34xの長さよりも長く、液ヘッダ30の長手方向におけるノズル34yの長さよりも長い。これにより、上昇空間34zを介して連通する扁平管28の本数を増大させることができる。
なお、上昇空間34zは、液ヘッダ30の長手方向に沿って吹き上がるように流れる冷媒流路を、第3液側部材33の第3内部板33aの前側の面と、後述する第5液側部材35の第5内部板35aの後ろ側の面と、第4液側部材34の第4内部板34aの第1貫通部分34oの左右の縁の厚み部分とによって構成している。このため、製造に伴う流路断面積の誤差が生じにくく、安定的に上昇して冷媒を流すことが可能な液ヘッダ30を得やすい構造となっている。
左右方向におけるノズル34yの長さ(幅)は、左右方向における導入空間34xの長さよりも短く、且つ、左右方向における上昇空間34zの最小長さよりも短くなるように構成されている。これにより、室外熱交換器11が冷媒の蒸発器として用いられる場合に、導入空間34xに送られた冷媒は、ノズル34yを通過する際に流速が高められ、上昇空間34zの上方への到達が促進される。左右方向におけるノズル34yの長さは、第4内部板34aの板厚よりも長くなるように設けられている。これにより、板厚に対する開口幅の大きさを大きくすることができる。このため、例えば、第4内部板34aにおいて第1貫通部分34oをパンチ加工により形成する場合の、ノズル34yに対応するパンチ部分にかかる負荷が軽減され、当該パンチ部分の破損が抑制される。前後方向から見た場合に、分岐液冷媒接続管49a~49eは、導入空間34xの左右方向における中心に接続されている。そして、前後方向から見た場合に、導入空間34xに対応する分岐液冷媒接続管49a~49eとの接続箇所と、ノズル34yと、上昇空間34zとは、鉛直方向に並んで配置されている。このため、分岐液冷媒接続管49a~49eを流れた冷媒は、後述の外部液管接続開口37xと、第1連絡開口36xと、第2連絡開口35xとを介して導入空間34xの左右方向における中心に流入し、左右方向への移動を伴うことなくまたは左右方向にあまり移動しないで、導入空間34xからノズル34yを介して上昇空間34zに向けて鉛直上方に向けて吹き上がることができる。後ろ側から見た場合において、第3液側部材33の複数の分流開口33xは、いずれも、ノズル34yを液ヘッダ30の長手方向に仮想的に延ばして得られる仮想領域(図14に記載の仮想線VLで左右方向から挟まれた領域)の範囲内において重なるように位置している。室外熱交換器11が冷媒の蒸発器として機能する場合に、ノズル34yを通過した冷媒は、流速が高まり、上方に向けて流れるが、上昇空間34zのうちノズル34yよりも僅かに上方の左右の空間では、液相冷媒が滞留しがちになる。これに対して、複数の分流開口33xと、ノズル34yとの配置関係を上記のようにすることで、上昇空間34zの最も下に位置する分流開口33xに対して、液相冷媒が集中的に流れることを避けることができる。
(4-5)第5液側部材
第5液側部材35は、第4液側部材34の第4内部板34aの前側(分岐液冷媒接続管49a~49eと、液ヘッダ30との接続位置側)の面に面して接するように積層された部材である。この第5液側部材35の左右の長さは、第4液側部材34の左右の長さと同様である。第5液側部材35は、ロウ材を有するクラッド層が表面に形成されていることが好ましい。
第5液側部材35は、第5内部板35aと、第2連絡開口35xと、戻り流路35y(第2連通口の一例)と、往き流路35z(第1連通口の一例)と、を有している。
第5内部板35aは、上下方向および左右方向に広がった平板形状を有している。
第2連絡開口35xと、戻り流路35yと、往き流路35zとは、下から順に並んで配置された独立した開口であり、いずれも第5内部板35aを板厚方向に貫通した開口である。
第2連絡開口35xは、後ろ側から見た場合に、第4液側部材34の第1貫通部分34oのうちの導入空間34xと重複しており、互いに連通している。また、第2連絡開口35xは、後ろ側から見た場合に、後述する第6液側部材36の第1連絡開口36xと重複しており、互いに連通している。第2連絡開口35xは、後ろ側から見た場合に、第4液側部材34の第1貫通部分34oのうちのノズル34yや上昇空間34zとは重複しておらず、連通もしていない。また、第2連絡開口35xは、後ろ側から見た場合に、後述する第6液側部材36の下降空間36yとは重複しておらず、連通もしていない。
戻り流路35yは、後ろ側から見た場合に、第4液側部材34の第1貫通部分34oのうちの上昇空間34zの下端近傍部分(往き流路35zとは反対側の端部)と重複しており、上昇空間34zの下端近傍部分と互いに連通している。また、戻り流路35yは、後ろ側から見た場合に、第6液側部材36の下降空間36yの下端近傍部分と重複しており、下降空間36yの下端近傍部分と互いに連通している。なお、戻り流路35yは、後ろ側から見た場合に、ノズル34yとは重複しておらず、ノズル34yとは連通していない。
往き流路35zは、後ろ側から見た場合に、第4液側部材34の第1貫通部分34oのうちの上昇空間34zの上端近傍部分(流入口34eとは反対側の端部)と重複しており、上昇空間34zの上端近傍部分と互いに連通している。また、往き流路35zは、後ろ側から見た場合に、第6液側部材36の下降空間36yの上端近傍部分と重複しており、下降空間36yの上端近傍部分と互いに連通している。なお、本実施形態では、液ヘッダ30を各部材の積層方向から見た場合に、往き流路35zの面積は、戻り流路35yの面積よりも大きく形成されている。具体的には、本実施形態では、液ヘッダ30の長手方向における往き流路35zの幅が、液ヘッダ30の長手方向における戻り流路35yの幅よりも長く形成されている。これにより、上昇空間34zを上昇して上端近傍まで到達した冷媒が、往き流路35zを通過しやすい。また、本実施形態では、液ヘッダ30を各部材の積層方向から見た場合に、戻り流路35yの面積は、往き流路35zの面積よりも小さく形成されている。具体的には、本実施形態では、液ヘッダ30の長手方向における戻り流路35yの幅が、液ヘッダ30の長手方向における往き流路35zの幅よりも短く形成されている。これにより、上昇空間34zから戻り流路35yへ冷媒が逆流することが抑制される。
(4-6)第6液側部材
第6液側部材36は、第5液側部材35の第5内部板35aの前側(分岐液冷媒接続管49a~49eと液ヘッダ30との接続位置側)の面に面して接するように積層された部材である。この第6液側部材36の左右の長さは、第5液側部材35の左右の長さと同様である。第6液側部材36は、ロウ材を有するクラッド層が表面に形成されていなくてもよい。
第6液側部材36は、第6内部板36aと、第1連絡開口36xと、下降空間36y(第2流路の一例)と、を有している。
第6内部板36aは、上下方向および左右方向に広がった平板形状を有している。
第1連絡開口36xと、下降空間36yとは、下から順に並んで配置された独立した開口であり、いずれも第6内部板36aを板厚方向に貫通した開口である。
第1連絡開口36xは、後ろ側から見た場合に、第5液側部材35の第2連絡開口35xと重複しており、互いに連通している。また、第1連絡開口36xは、後ろ側から見た場合に、後述する第7液側部材37の外部液管接続開口37xと重複しており、互いに連通している。
下降空間36yは、往き流路35zと連通し、往き流路35zから液ヘッダ30の長手方向に沿って液ヘッダ30の下端側(第2端側の一例)へ延びる流路である。下降空間36yは、後ろ側から見た場合に、第5液側部材35の第5内部板35aの一部と、戻り流路35yと、往き流路35zと重複しており、戻り流路35yおよび往き流路35zと互いに連通している。なお、下降空間36yは、後ろ側から見た場合に、後述する第7液側部材37の外部液管接続開口37xとは重複しておらず、互いに連通もしていない。
液ヘッダ30の長手方向において、下降空間36yの長さは、上昇空間34zの長さと同じである。このため、上昇空間34zと、下降空間36yとは、上端近傍において往き流路35zを介して連通し、下端近傍において戻り流路35yを介して連通している。したがって、上昇空間34zと、往き流路35zと、下降空間36yと、戻り流路35yとは、内部を冷媒がループ(循環)するループ構造を形成する。具体的には、流入口34eから上昇空間34zに流入した冷媒は、往き流路35zから下降空間36yに流入した後、戻り流路35yを通って上昇空間34zに流入する。
(4-7)第7液側部材
第7液側部材37は、第6液側部材36の第6内部板36aの前側(分岐液冷媒接続管49a~49eと液ヘッダ30との接続位置側)の面に面して接するように積層された部材である。この第7液側部材37の左右の長さは、第6液側部材36の左右の長さと同様である。第7液側部材37は、ロウ材を有するクラッド層が表面に形成されていることが好ましい。
第7液側部材37は、液側外部板37aと、外部液管接続開口37xと、を有している。
液側外部板37aは、上下方向および左右方向に広がった平板形状を有している。
外部液管接続開口37xは、液側外部板37aを板厚方向に貫通した開口である。外部液管接続開口37xは、後ろ側から見た場合に、第6液側部材36の第1連絡開口36xの一部と重複しており、互いに連通している。なお、外部液管接続開口37xは、後ろ側から見た場合に、第6液側部材36の下降空間36yとは重複しておらず、連通もしていない。
外部液管接続開口37xは、各分岐液冷媒接続管49a~49eのいずれか1つが挿入されて接続される円形の開口である。これにより、室外熱交換器11が冷媒の蒸発器として機能する場合に、各分岐液冷媒接続管49a~49eを流れる冷媒は、第1連絡開口36xと第2連絡開口35xとを介して、第1貫通部分34oのうちの導入空間34xに送られる。
なお、第7液側部材37は、前側の面が、第1液側部材31の第1液側爪部31dおよび第2液側爪部31eと接してカシメられている。
(4-8)サブ空間の形状の繰り返しについて
上記では、液ヘッダ30の液側内部空間23を構成する複数のサブ空間23a~23eのうち、分岐液冷媒接続管49a~49eのうちの1本が接続された1つのサブ空間23a~23eに着目して説明している。
したがって、例えば、第7液側部材37においては、各分岐液冷媒接続管49a~49eに対応した各外部液管接続開口37xが、1枚の液側外部板37aにおいて液ヘッダ30の長手方向に並んで形成されている。同様に、第4液側部材34においては、導入空間34xと、ノズル34yと、上昇空間34zとを含む第1貫通部分34oが、1枚の第4内部板34aにおいて液ヘッダ30の長手方向に並んで形成されている。
(5)液ヘッダにおける冷媒の流れ
以下では、室外熱交換器11が冷媒の蒸発器として機能する場合の液ヘッダ30における冷媒の流れを説明する。なお、室外熱交換器11が冷媒の凝縮器または放熱器として機能する場合には、冷媒の流れる方向は、蒸発器として機能する場合とは反対になる。
まず、分流器22において複数の分流管22a~22eに分流して流れた液相冷媒または気液二相状態の冷媒は、分岐液冷媒接続管49a~49eを流れることで、第7液側部材37の液側外部板37aに形成された外部液管接続開口37xを通過して、液ヘッダ30の各サブ空間23a~23eに流入する。具体的には、冷媒は、各サブ空間23a~23eにおける第1連絡開口36xに流入する。
第1連絡開口36xに流入した冷媒は、第2連絡開口35xを介して、第4液側部材34の第1貫通部分34oのうちの導入空間34xに流入する。
導入空間34xに流入した冷媒は、ノズル34yを通過する際に流速が高められた後、流入口34eから上昇空間34zに流入する。上昇空間34zに流入した冷媒は、各分流開口33xに向けて分流して流れながら、上昇空間34zの上端近傍に向かう。上昇空間34zの上端近傍に到達した冷媒は、往き流路35zを介して下降空間36yに流入する。
下降空間36yに流入した冷媒は、下降し、戻り流路35yを介して再度、上昇空間34zの下方近傍であって、ノズル34yの上方の空間に戻される。ここで、上昇空間34zでは、ノズル34yを通過することで冷媒の流速が増しているため、上昇空間34zの戻り流路35y近傍部分は、下降空間36yの戻り流路35y近傍部分よりも静圧が小さくなる。このため、下降空間36yを下降した冷媒は、戻り流路35yを介して上昇空間34zに戻されやすい。
このようにして、上昇空間34zと、往き流路35zと、下降空間36yと、戻り流路35yにより冷媒をループ(循環)させることが可能であるため、上昇空間34zを上昇して流れる際にいずれかの分流開口33xに分岐して流れなかった冷媒が生じても、再度、往き流路35zと、下降空間36yと、戻り流路35yとを介して上昇空間34zに戻すことができるため、いずれかの分流開口33xに流しやすい。また、気液二相状態の冷媒が流入した場合であっても、液相冷媒と、気相冷媒との混合が促進される。
以上のようにして、分流開口33xに分流して流れた冷媒は、分流された状態を維持したままで、挿入スペース32sを介して、各扁平管28に流入する。
(6)実施形態の特徴
(6-1)
室外熱交換器11は、複数の扁平管28と、筒状の液ヘッダ30とを備える。液ヘッダ30は、複数の扁平管28に接続されたサブ空間23a~23eが内部に形成される。サブ空間23a~23eは、上昇空間34zと、往き流路35zと、下降空間36yとを有する。上昇空間34zは、冷媒が流入する流入口34eから液ヘッダ30の長手方向に沿って液ヘッダ30の上端側へ延びる。往き流路35zは、上昇空間34zの流入口34eとは反対側の端部と連通する。下降空間36yは、往き流路35zと連通し、往き流路35zからから液ヘッダ30の長手方向に沿って液ヘッダ30の下端側へ延びる。複数の扁平管28は、液ヘッダ30の長手方向に交差するように上昇空間34zに接続されている。上昇空間34zは、第1位置P1における流路断面積Aと、第1位置P1から液ヘッダ30の上端側へ所定距離はなれた第2位置P2における流路断面積Aとが異なる。
空気調和装置1が暖房運転を行うことで室外熱交換器11が冷媒の蒸発器として機能する場合には、液冷媒管20から分流器22に到達した気液二相状態の冷媒が、分流管22a~22eを経て、液ヘッダ30の液側内部空間23を構成する各サブ空間23a~23eに流入する。この際、各サブ空間23a~23eに流入した気液二相状態の冷媒に圧力分布の不均衡が生じると、各サブ空間23a~23eに接続された複数の扁平管28において、液相冷媒および気相冷媒の分布に偏りが生じる偏流が発生することがある。
室外熱交換器11では、上昇空間34zの第1位置P1と、第2位置P2とで流路断面積Aを異ならせてこれを解消し、扁平管28における偏流の発生を抑制する。具体的には、流路断面積Aが流入口34eから上端まで一定に形成された上昇空間(図示省略)におおいて液相冷媒の分布が少なくなる箇所を求めて、当該箇所における流路断面積Aを他の部分よりも大きく形成する。これにより、上昇空間34zにおける冷媒の圧力分布の不均衡が解消され、扁平管28における偏流の発生が抑制される。
(6-2)
第1位置P1は、流入口の近傍である。
(6-3)
下降空間36yは、往き流路35zとは反対側の端部において上昇空間34zと連通する戻り流路35yを有する。流入口34eから上昇空間34zに流入した冷媒は、往き流路35zから下降空間36yに流入した後、戻り流路35yを通って上昇空間34zに流入する。
室外熱交換器11は、上昇空間34zと、往き流路35zと、下降空間36yと、戻り流路35yとにより冷媒をループ(循環)させ、液相冷媒と、気相冷媒との混合を促進させることで、上昇空間34zにおける圧力分布の不均衡を解消する。
(6-4)
流路断面積Aは、第1位置P1から第2位置P2に向かうにしたがって増加する。
上述した扁平管28における偏流は、液ヘッダ30における冷媒の乾き度および冷媒循環量の大きさにより態様が異なる。具体的には、流路断面積Aが流入口34eから上端まで一定に形成された上昇空間34zでは、室外熱交換器11の冷媒入口(サブ空間23a~23eと分岐液冷媒接続管49a~49eとの接合部)における冷媒の乾き度が0.25より大きく、上昇空間34zにおける冷媒の平均流速Vmが2m/秒以下であると、上昇空間34zの上方に行くほど気相冷媒が多くなりやすく、この結果、扁平管群28Gの上方に位置する扁平管28に多くの気相冷媒が流入する傾向がある。
室外熱交換器11では、流路断面積Aが第1位置P1から第2位置P2に向かうにしたがって増加するように上昇空間34zが形成されている。このため、流入口34eから流入した冷媒は、上昇空間34zの上方への移動が促進される。この結果、室外熱交換器11は、流入口34eから流入した液相冷媒を気相冷媒とともに上昇空間34zの上方に移動させて、上昇空間34zにおける圧力分布の不均衡を解消する。
なお、冷媒の平均流速Vmは、次の式1により求めることができる。
Figure 2023122111000002
冷媒の循環量Grは、圧縮機8の回転数と、圧縮機8が吸入する冷媒の圧力および温度と、圧縮機8の吐出側を流れる冷媒の圧力と、圧縮機8におけるピストンの押しのけ量および効率を用いて公知の手法により求めることができる。
また、冷媒の平均密度ρmは、次の式2により求めることができる。
Figure 2023122111000003
(6-5)
上昇空間34zの流路断面は、第1位置P1から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって、扁平管28の長手方向に直交する方向において形状が変化する。
(6-6)
液ヘッダ30は、長手方向が鉛直方向に一致する。
(6-7)
空気調和装置1は、室外熱交換器11の入口における冷媒の乾き度が0.25以上となる運転を実行する。
上述したように、室外熱交換器11の冷媒入口における冷媒の乾き度が0.25以上の場合に、上昇空間34zにおける圧力分布の不均衡が生じやすい。このため、室外熱交換器11は、冷媒の乾き度が0.25以上となる運転を実行する空気調和装置1において、扁平管28における偏流の発生を好適に抑制できる。
冷媒の乾き度が0.25以上となる運転とは、例えば、気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管4に流して室外ユニット2から室内ユニット9に送る二相搬送を行う運転である。
(6-8)
冷媒回路6は、プロパン、CO、及びイソブタンのいずれかからなる単一冷媒、または、プロパン、CO、及びイソブタンのいずれかを含む混合冷媒が充填されている。
プロパン、CO、及びイソブタン等の自然冷媒が充填された冷媒回路では、熱交換器の入口における乾き度が高くなりやすい。しかしながら、室外熱交換器11を採用することで、プロパン、CO、及びイソブタン等の自然冷媒を用いても、扁平管28における偏流の発生が抑制される。
(7)変形例
(7-1)変形例1A
第1位置P1から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって流路断面積Aを変化させる態様は、上述の態様に限定されない。第1位置P1から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって、上昇空間34zの流路断面形状が、上昇空間34zの延伸方向から見た扁平管28の長手方向において変化することにより、流路断面積Aが変化してもよい。言い換えると、第1位置P1から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって、上昇空間34zの前後方向における幅が変化することにより、流路断面積Aが変化してもよい。
具体的には、例えば、第3内部板33aの上昇空間34zに対向する面を、第1位置P1から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって後ろ側にくぼむように形成してもよい。同様に、第5内部板35aの上昇空間34zに対向する面を、第1位置P1から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって前側にくぼむように形成してもよい。図18は、変形例1Aに係る室外熱交換器11の上昇空間34z周辺を右側から見た断面図である。図18に示された変形例1Aに係る室外熱交換器11の液ヘッダ30では、第3内部板33aおよび第5内部板35aの両方に、くぼみが形成されている。
(7-2)変形例1B
室外熱交換器11では、液ヘッダ30は、第1液側部材31と、第2液側部材32と、第3液側部材33と、第4液側部材34と、第5液側部材35と、第6液側部材36と、第7液側部材37とにより冷媒流路である複数のサブ空間23a~23eを形成した。しかしながら、複数のサブ空間23a~23eは、例えば複数の管状の部材を組み合わせて構成されてもよい。
したがって、上昇空間34zも、第1位置P1における流路断面積Aと、第1位置P1から液ヘッダ30の上端側へ所定距離はなれた第2位置P2における流路断面積Aとが異なる管状の部材により形成されてもよい。
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態に係る室外熱交換器(図示省略)について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。第2実施形態に係る室外熱交換器の室外熱交換器11との相違点は、液ヘッダ30の第4液側部材38に形成された上昇空間34z1の形状である。以下では、第1実施形態と同じ又は対応する特徴については、同じ符号を付して説明を省略する。
(1)第4液側部材の上昇空間
図19は、第2実施形態に係る室外熱交換器が有する液ヘッダ30の上端近傍部分の分解斜視図である。図20は、第2実施形態に係る室外熱交換器が有する液ヘッダ30の第4液側部材38を後ろ側から見た概略図である。
上昇空間34z1は、室外熱交換器11が冷媒の蒸発器として機能する場合に、ノズル34yを通過した冷媒が流入する流入口34eがノズル34yとの接続箇所に形成されている。上昇空間34z1は、流入口34eから液ヘッダ30の長手方向に沿って液ヘッダ30の上端側へ延びる流路である。上昇空間34z1は、第3液側部材33の第3内部板33aと面しており、後ろ側から見た場合に複数の分流開口33xと重複しており、複数の分流開口33xと連通している。
上昇空間34z1の流路断面積Aは、第1位置P1における流路断面積Aと、第1位置P1から液ヘッダ30の上端側へ所定距離はなれた第2位置P2における流路断面積Aとが異なるように形成されている。第1位置P1は、流入口34eまたは流入口34eの近傍である。流路断面積Aは、第1位置P1から第2位置P2に向かうにしたがって増加する。第2実施形態に係る室外熱交換器では、第2位置P2は、液ヘッダ30の長手方向における上昇空間34z1の略中央に位置する。また、上昇空間34z1の流路断面積Aは、第2位置P2から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって減少し、液ヘッダ30の上端側において第1位置P1と同じ流路断面積Aとなる。
第2実施形態に係る室外熱交換器では、第1位置P1から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって、上昇空間34z1の延伸方向(上下方向)から見た扁平管28の長手方向に直交する方向(本実施形態では、左右方向)において、上昇空間34z1の流路断面形状が変化することにより、流路断面積Aが変化する。言い換えると、第2実施形態に係る室外熱交換器では、第1位置P1から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって、上昇空間34z1の左右方向における幅が変化することにより、流路断面積Aが変化する。
(2)特徴
第2実施形態に係る室外熱交換器では、上昇空間34z1は、第2位置P2が、液ヘッダ30の長手方向における中央に位置する。流路断面積Aは、第2位置P2から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって減少する。
流路断面積Aが流入口34eから上端まで一定に形成された上昇空間34zでは、室外熱交換器11の冷媒入口における冷媒の乾き度が0.25より大きく、上昇空間34zにおける冷媒の平均流速Vmが2m/秒より大きいと、上昇空間34zの中央ほど気相冷媒が多くなりやすく、この結果、扁平管群28Gの上下方向における中央に位置する扁平管28に多くの気相冷媒が流入する傾向がある。
第2実施形態に係る室外熱交換器では、第2位置P2が液ヘッダ30の長手方向における上昇空間34z1の略中央に位置する。また、流路断面積Aは、第1位置P1から第2位置P2に向かうにしたがって増加した後、第2位置P2から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって減少するように形成されている。このため、流入口34eから流入した冷媒は、上下方向における上昇空間34zの中央への移動が促進される。この結果、第2実施形態に係る室外熱交換器は、流入口34eから流入した液相冷媒を気相冷媒とともに上昇空間34zの中央に移動させて、上昇空間34zにおける圧力分布の不均衡を解消する。
(3)変形例2A
第1位置P1から第2位置P2に向かうにしたがって流路断面積Aを増加させる態様は、上述の態様に限定されない。第1位置P1から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって、上昇空間34zの流路断面形状が、上昇空間34z1の延伸方向から見た扁平管28の長手方向において変化することにより、流路断面積Aが変化してもよい。言い換えると、第1位置P1から液ヘッダ30の上端側に向かうにしたがって、上昇空間34z1の前後方向における幅が増加することにより、流路断面積Aが増加してもよい。
具体的には、例えば、第3内部板33aの上昇空間34z1に対向する面を、第1位置P1及び液ヘッダ30の上端側から第2位置P2に向かうにしたがって後ろ側にくぼむように形成してもよい。同様に、第5内部板35aの上昇空間34z1に対向する面を、第1位置P1及び液ヘッダ30の上端側から第2位置P2に向かうにしたがって前側にくぼむように形成してもよい。図21は、変形例2Aに係る室外熱交換器の上昇空間34z1周辺を右側から見た断面図である。図21に示された変形例2Aに係る室外熱交換器の液ヘッダ30では、第3内部板33aおよび第5内部板35aの両方に、くぼみが形成されている。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
1 空気調和装置
11 室外熱交換器(熱交換器)
23 液側内部空間
23a~23e サブ空間(冷媒流路)
28 扁平管(伝熱管)
30 液ヘッダ(ヘッダ)
34e 流入口
34z 上昇空間(第1流路)
35y 戻り流路(第2連通口)
35z 往き流路(第1連通口)
36y 下降空間(第2流路)
A 流路断面積
P1 第1位置
P2 第2位置
特開2016-125748号公報

Claims (10)

  1. 複数の伝熱管(28)と、
    複数の前記伝熱管に接続された冷媒流路(23a~23e)が内部に形成された筒状のヘッダ(30)と
    を備える熱交換器であって、
    前記冷媒流路は、
    冷媒が流入する流入口(34e)から前記ヘッダの長手方向である第1方向に沿って前記ヘッダの第1端側へ延びる第1流路(34z)と、
    前記第1流路の前記流入口とは反対側の端部と連通する第1連通口(35z)と、
    前記第1連通口と連通し、前記第1連通口から前記第1方向に沿って前記ヘッダの第2端側へ延びる第2流路(36y)と
    を有し、
    複数の前記伝熱管は、
    前記第1方向に交差するように前記第1流路に接続され、
    前記第1流路は、
    第1位置(P1)における流路断面積(A)と、前記第1位置から前記ヘッダの前記第1端側へ所定距離はなれた第2位置(P2)における前記流路断面積とが異なる、
    熱交換器。
  2. 前記第1位置は、
    前記流入口の近傍である、
    請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記冷媒流路は、
    前記第2流路の前記第1連通口とは反対側の端部において前記第1流路と連通する第2連通口(35y)をさらに有し、
    前記流入口から前記第1流路に流入した冷媒は、
    前記第1連通口から前記第2流路に流入した後、前記第2連通口を通って前記第1流路に流入する、
    請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. 前記流路断面積は、
    前記第1位置から前記第2位置に向かうにしたがって増加する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器。
  5. 前記第2位置は、
    前記第1方向における中央に位置し、
    前記流路断面積は、
    前記第2位置から前記ヘッダの前記第1端側に向かうにしたがって減少する、
    請求項4に記載の熱交換器。
  6. 前記第1流路の流路断面は、
    前記第1位置から前記ヘッダの前記第1端側に向かうにしたがって、前記第1流路の延伸方向から見た前記伝熱管の長手方向に直交する方向において形状が変化する、
    請求項4または5に記載の熱交換器。
  7. 前記第1流路の流路断面は、
    前記第1位置から前記ヘッダの前記第1端側に向かうにしたがって、前記第1流路の延伸方向から見た前記伝熱管の長手方向において形状が変化する、
    請求項4から6のいずれか1項に記載の熱交換器。
  8. 前記ヘッダは、
    長手方向が鉛直方向に一致する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の熱交換器。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の熱交換器を含む冷媒回路を備え、
    前記熱交換器の入口における冷媒の乾き度が0.25以上となる運転を実行する、
    空気調和装置。
  10. 請求項1から8のいずれか1項に記載の熱交換器を含む冷媒回路を備え、
    前記冷媒回路は、
    プロパン、CO、及びイソブタンのいずれかからなる単一冷媒、または、プロパン、CO、及びイソブタンのいずれかを含む混合冷媒が充填されている、
    空気調和装置。
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