JP2023120942A - ダイカスト製造方法及び装置 - Google Patents

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Norihiro Iwamoto
理 長澤
Osamu Nagasawa
圭司 谷口
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晃人 高久
Akito Takaku
一浩 君嶋
Kazuhiro Kimishima
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Abstract

【課題】ダイカスト製法においてプランジャーによる溶湯射出後にランナーの加圧を行うに際して、ランナー加圧手段を任意に配置することができるようにする。【解決手段】ダイカスト製法において型締された金型に第1加圧手段により溶湯を射出した後、第2加圧手段によりキャビティに直結するランナーを通じて第2加圧を行うに際し、当該ランナーを屈曲形成し、この屈曲部におけるキャビティ直結ランナー部に第2加圧手段を設けるとともにオリフィスを配置し、当該オリフィス部分での第2加圧手段の加圧ピンとの間でメタルシールにより溶湯の逆流を防止しつつ第2加圧手段により加圧を成す。【選択図】図2

Description

本発明はダイカスト製造方法及び装置に係り、特に金型の溶湯入口であるランナー部の加圧を下方から行う場合の障害を無くしたダイカスト製造方法及び装置に関する。
従来、ダイカスト製品の鋳造方法には、図13に示す「通常のダイカスト製法」と図14に示す「センターゲート製法」が知られている。
最も一般的な「通常のダイカスト製法」は、金型で作ったキャビティにアルミ等の溶湯をプランジャーで押し込み、キャビティに倣って冷却凝固した形状の製品を取り出して行う。製品として冷却成形するときに巣の発生を抑え製品密度が向上するように、ダイカストマシンのプランジャーを加圧動作することに合わせ、ランナーを更に加圧する方法が提案されている。
ランナーは、プランジャーの押し出し方向に沿う分流子ランナー部とこれに直交して上方に向かう立上りランナー部とからなるが、ランナーを介して二次的な加圧を行うために、キャビティに直結する立上りランナーに出入りする加圧ピンを設け、プランジャーの加圧が完了した後にランナーの加圧ピンを作動させて更なる加圧を行うようにしている(特許文献1)。
特許文献1のランナーからの加圧では、加圧部分とプランジャー先端チップ面がつながった状態となっており、加圧できる圧力は金型投影面積に鋳造圧力を掛けた値が型締力を超えてはならなかった。通常の鋳造機ではこの限界圧力は70MPa程度でありこれを超えた加圧ができない。このような観点から、特許文献2に掲げる技術が提案されており、立上りランナー部を形成する部材の内径と、加圧ピンの外径との間の隙間を、0.5~3.0mmとして、逆流防止機能を発揮させるようにし、押し込み効果が得られるようにしたものである(特許文献2)。
隙間のみに着目したこの方法では以下の不具合があり現実的ではない。通常鋳造後の製品取り出しは、ビスケット部を掴んで行われるが、ランナー部を加工して設置したシリンダーへ加圧ピンを押し込んで凝固した鋳造品の製品部とビスケット部は、シリンダー内径と加圧ピン外径との隙間で形成される肉厚の薄い円筒形で繋がれた状態となる。そのため、立上りランナー部シリンダーを移動するランナー部加圧ピンの移動長さLが長くなるとビスケット部と製品をつないでいる部分の強度が低下し、製品取り出し時に破損して製品取り出しに失敗し、連続生産に支障が生じる。一般的に、環状隙間の流量Qは環状隙間Δの3乗に比例し、その長さLに反比例する。したがって隙間Δを小さくすることは逆流防止に効果があり、ランナー部からの加圧ピンによる製品部分への加圧可能限界値はこの隙間Δおよびその長さLによって決まる。一方、加圧ピンの移動量は製品部分の鋳巣発生容積予測量によって決定される。溶湯アルミの収縮率は約6%であり引け巣の発生防止には製品容積の約2%程度の溶湯を押し込める加圧ピン移動が必要となる。ランナー部からの加圧による連続鋳造を可能とするためには、立上りランナー部と加圧ピンの隙間Δの値、加圧ピンの移動量L、鋳造後の製品取り出しに必要なビスケットと製品をつなぐ強度の3要素の最適な値設定が必要となり、立上りランナーの内径と加圧ピンの外径との間の隙間Δを0.5~3.0mmとする要素だけでは連続鋳造は困難であり、期待する効果は得られないという課題がある。
これに対し、本願発明者等は、図13に示されるように、型締された固定金型1と可動金型2に第1加圧手段3により溶湯を射出した後、第2加圧手段4によりキャビティ5に直結するランナー6にシリンダー形状部分を加工設置し、そこを移動する加圧ピン7にて第2加圧を行うが、第2加圧手段4のシリンダー内に凸溝によるオリフィス8を設け、当該オリフィス8部分でのメタルシールにより溶湯の逆流を防止しつつ、第2加圧手段4によりキャビティ加圧を成すことを特徴とする凸溝オリフィス構造を発明した。この凸溝のオリフィス8により逆流防止効果が得られ、また、凝固後のビスケット部と製品部分がつながる薄い部分の長さを極小化でき強度向上が可能となる。ランナー部の加圧ピン7の必要ストロークは、引け巣発生予想容量と相関しており製品部容積によって決まるが、従来は必要ストロークを得るためにビスケット部と製品部をつなぐ部分が長くなって強度が得られなかった。凸溝オリフィスを設置することで必要加圧ピンストローク長の影響を受けないで、隙間Δと凸溝オリフィス幅のみを決めることで逆流防止効果と製品取り出し時の折損防止強度の両方の効果を得ることができる。また、従来技術では加圧ピン7がシリンダーに挿入された部分の隙間長さは加圧ピン7の移動量によって変化する。環状隙間の流量Qは環状隙間Δの3乗に比例し、その長さLに反比例するため逆流防止効果は、加圧ピンストローク長が大きくなるほど大きくなる。一方、凸溝のオリフィス8を設置した場合は、少なくとも加圧ピンがオリフィス部分は通過することを前提とすると、逆流防止効果は隙間Δのみで決定され加圧ピンストローク長の影響は受けない。すなわち逆流効果決定要素が、ストローク移動量と共に変化する可変値の隙間長さLと隙間Δから、固定値のオリフィス隙間長さLと隙間Δになり、安定した逆流防止効果を得るための最適なランナー部加圧ピンシリンダー設計が容易になることを示している。
「通常のダイカスト製法」では、ランナー6は製品の下部に位置し、下からキャビティ5部へ向けて上方にアルミ溶湯を射出するが、第2加圧手段4は、第1加圧手段3により形成される分流子ランナー部から先のキャビティに繋がる立上りランナー部を対象として第2加圧を行うため、第2加圧手段4は第1加圧手段によって形成される分流子がある。分流子には冷却手段が設けられるが、第2加圧手段4が干渉してしまい、第2加圧手段4の配置が困難となる問題が生じて、ランナー加圧をする時は分流子を新製する必要があった。
また、図14に示される「センターゲート製法」では、円錐状態の形状部品等や点対称部品に適用されるが、充填バランスを良くするためにキャビティ5の中心部から溶湯を充填させるように用いられる。特許文献3では、固定金型1と可動金型2の間に、第2可動金型9を設け、ここにキャビティ5とランナー6を繋ぐスプール10を設けてキャビティ5の全体に溶湯が行き渡るようにしている。そして、射出完了し製品が凝固し取り出す際に、図15に示すように、ゲート切断用カッター11により、ランナー部分を切りはなし、次いで、可動金型2,9同士を離反させてスプール10を持った製品を取り出すようにしている。
このように「センターゲート製法」では、「通常のダイカスト製法」と同じように下部より第2加圧手段であるランナー部加圧を適用して、ダイカスト製品の製品密度向上にある程度の効果を得ることが可能であるが、「通常のダイカスト製法」では溶湯の入り口であるゲートが、キャビティ下部にあるのに対して、「センターゲート製法」ではゲート部をキャビティ中央部に上方へ移動して配置しているため、ゲート切断用カッター11により下部に設けた第2加圧手段4がゲート除去とともに切断除去されてしまう。また、第2加圧手段の加圧ピン7がキャビティゲート部から離れた位置となり高圧が伝わりにくく「通常のダイカスト製法」に対するほど大きな効果は得られないという課題と、「通常のダイカスト製法」と同じように分流子の冷却手段と第2加圧手段が干渉するという課題がある。
特開2000-117411 特開2011-224650 特許第6134776号
本発明は、「通常のダイカスト製法」及び「センターゲート製法」での上記問題点に着目し、プランジャーによる溶湯射出後に「通常のダイカスト製法」及び「センターゲート製法」に対して第2加圧手段を設置するに際して、加圧手段を分流子の冷却手段との干渉が無い位置に配置することができ、ビスケット等の冷却手段との干渉が無い場合でもランナー部加圧及びスプール部加圧手段の配置位置選択自由度を増して金型加工を容易にすることを目的とする。
また、「センターゲート製法」に対する立上りランナー部への第2加圧手段設置の場合の課題であった加圧ピンからキャビティのゲートまでの距離が長くなることによる加圧効果減少に対して、キャビティのゲートまでの距離が短いスプール部加圧手段を適用することにより、加圧効果減少を回避することを目的とする。
「通常のダイカスト製法」での上記目的を達成するため、ビスケット部冷却手段装置により第2加圧手段の配置が困難となった場合は、立上りランナー部をU字形あるいはV字形に屈曲させることにビスケット部冷却手段装置との干渉を回避する方法を考案した。屈曲後の第2加圧手段の設置についてはU字形の場合は図2のごとく、V字形の場合は図5のごとく設置し、キャビティに直結するランナーを通じて第2加圧を行うに際し、オリフィスを配置することにより、第2加圧ピンによる加圧効果を下げることなくビスケット部冷却手段装置との干渉を回避することができることを特徴とする。この場合において、前記屈曲部はU字型若しくはV字型に形成されていることを特徴とする。
「通常のダイカスト製法」における本発明に係るダイカスト製造装置は、ダイカスト金型に溶湯を射出する第1加圧手段と、キャビティに連通するランナーを屈曲させ、この屈曲部におけるキャビティ直結ランナー部に設けられキャビティ方向に加圧する第2加圧手段と、前記第2加圧手段の加圧ピンによる加圧経路に設けられ当該加圧ピンとの間で溶湯遮蔽をなし得るオリフィスと、からなる射出部を設けたことを特徴とする。この場合、前記屈曲部はU字型若しくはV字型とされていることを特徴とする。
「センターゲート製法」における本発明に係るダイカスト製造装置は、ダイカスト金型に溶湯を射出する第1加圧手段と、立上りランナー部からスプール部方向に屈曲した部分をキャビティ方向に加圧する第2加圧手段と、前記第2加圧手段の加圧ピンによる加圧経路に設けられ当該加圧ピンとの間で溶湯遮蔽をなし得るオリフィスと、からなる射出部を設けたことを特徴とする。この場合、第2加圧手段の加圧ピンは三分割金型の比較的設置が容易な固定型に設置されキャビティセンター方向に加圧することを特徴とする。
「通常のダイカスト製法」においては、上記のように構成されたランナー部加圧を用いた手法により第1加圧手段としてプランジャーによる射出後に、第2加圧手段としての加圧ピンによる溶湯加圧を行うようにしている。ランナー加圧をなす第2加圧手段とオリフィスがその絞り効果によりメタルシールをなして、逆流を遮蔽して圧力を維持し、もって製品部への追加加圧が可能となる。第2加圧手段とオリフィスがランナー屈曲部に配置されており、ランナー屈曲部は冷却手段を避けて配置され、第2加圧手段の加圧方向を自在に配置することができる。このため、ビスケット部分の冷却装置などと干渉することがなく、金型の中子の回避も容易となる。更に、ビスケット部分の冷却装置などと干渉がない場合もランナーを屈曲させて第2加圧装置を設置させることで第2加圧装置の設置場所、加圧ピン動作方向などを自由に変更することができるため第2加圧装置設置設計自由度を向上させることが可能となる。
また、「センターゲート製法」においては、固定金型に設置された第2加圧手段により第1加圧手段としてプランジャーによる射出後に、第2加圧手段としての加圧ピンによる溶湯加圧を行うようにしている。スプール部加圧をなす第2加圧手段とオリフィスがその絞り効果によりメタルシールをなして、逆流を遮蔽して圧力を維持し、もって製品部への追加加圧が可能となる。
更に、オリフィス部を設置することによりランナー部とスプール部を繋ぐ円筒形肉厚部の厚さを調整可能となり、油圧シリンダーによるパンチによるカットを容易にする肉厚設定が可能となる。オリフィスの隙間長さLに比例するが、隙間Δをカットが容易な強度まで薄くするためのオリフィスの隙間長さLを決定すれば容易なカットが可能となる。
実施例に係るダイカスト製造装置の要部断面図である。 図1の概略側面図である。 ランナー加圧部の説明用断面図である。 ランナー加圧状態を示す時系列状態図である。 第2実施例を示すダイカスト製造装置の要部側面図である。 センターゲート製法によるランナー加圧の断面図である。 センターゲート製法を適用する装置の要部断面図であり、給湯状態の図である。 同第1加圧手段による射出状態図である。 同第2加圧手段による加圧状態図である。 同中間型の型開図である。 同ランナーカット図である。 同製法による製造完了図である。 「通常のダイカスト製法」を行う製造装置の要部断面図である。 「センターゲート製法」を行う製造装置の要部断面図である。 同製法によるランナーカット状態を示す製造装置の要部断面図である。
以下に、本発明の実施例に係るダイカスト製造方法と装置を、図面を参照しつつ、詳細に説明する。なお、以下の説明は一つの実施例に過ぎず、本発明の趣旨を変えない限り、本発明には種々の変形例を含み得るものである。
図1~2に、本実施例に係るダイカスト製造装置の要部断面図と側面図を示している。ダイカスト製造装置は、移動盤に取り付けた可動金型12と、固定盤に取り付けた固定金型14とを備え、両金型12,14を当接することにより形成されるキャビティ16内に溶湯を射出し、キャビティ16に倣った形状の製品ができあがる。製品は金型12、14を離反させ、可動金型12の背面部に設けた押し出しピンを作動させてキャビティ16から取り出すことができる。
このようなダイカスト製造装置のキャビティ16に溶湯を供給するための射出部として給湯手段がキャビティ16の下位に位置して配置されている。これは固定盤を水平に貫通して取り付けられ固定金型14に達する射出スリーブ18と、射出スリーブ18内に配設されたプランジャー20と、プランジャー20の後方にあってプランジャー20を押し引き出来る加圧装置と、からなる第1加圧手段22から構成される。
射出スリーブ18の前端にはキャビティ16に至る通路となるランナー24が形成されており、このランナー24は、射出スリーブ18からほぼ水平に延長され徐々に断面が絞られた分流子ランナー26と、キャビティ16の下部に直結するように上方向に向きを変えた立上りランナー28とからなり、プランジャー20によって押し出された溶湯が、分流子ランナー26を経由し、立上りランナー28によって上方に向きを変え、キャビティ16に射出噴射するように構成されている。
このような立上りランナー28には、キャビティ16内の溶湯を二次的に加圧せしめる第2加圧手段30が設けられているが、この実施例では立上りランナー28に屈曲部を形成し、この屈曲部のキャビティ直結ランナー部32に対して第2加圧手段30を設けるように構成されている。
具体的には、図2に示すように、立上りランナー28は、分流子ランナー26側から直接溶湯が流れ込む下部水平ランナー部34と、その先端で立上りランナー28と平行に立ち上がっている連結ランナー部36と、連結ランナー部36の先端で元の立上りランナー28側に戻り、溶湯をキャビティ16に導入する前記下部水平ランナー部34と平行な上部水平ランナー部すなわちキャビティ直結ランナー部32とから構成されている。これらの下部水平ランナー部34,連結ランナー部36、キャビティ直結ランナー部32はU字型屈曲部38を形成している。そして、第2加圧手段30の加圧ピン40は、キャビティ直結ランナー部32内に出入りして溶湯を加圧することにより、二次的な加圧ができるようになっている。
第2加圧手段30は、金型12、14に装備されたアクチュエータ(図示せず)と、このアクチュエータによって連結ランナー部36の端面から突出移動し、キャビティ直結ランナー部32を水平に移動する加圧ピン40とから構成されている。図3に示されているように、加圧ピン40の直径dはキャビティ直結ランナー部32の内径Dより小さくして、加圧ピン40のキャビティ直結ランナー部32における左右摺動を可能としている。したがって、加圧ピン40のキャビティ直結ランナー部32への圧入量V(図3参照)がキャビティ16による製品の密度を向上させることになる。
ところで、本実施例では、特に、屈曲部38における連結ランナー部36とキャビティ直結ランナー部32の交差部(図3のA-B区間)より右方のキャビティ直結ランナー部32側(図2のB部分)に、その内径を絞るオリフィス42を形成している。これはキャビティ直結ランナー部32の内径部分に断面矩形の環状突起44を形成したもので、その突起44の高さ(すなわちキャビティ直結ランナー部32の内径寸法)をできるだけ加圧ピン40の外径dに合わせて、ここでメタルシールができるようにしている。具体的には、キャビティ16の大きさにもよるが、キャビティ直結ランナー部32の内径Dと加圧ピン40の外径dの差の1/2が隙間寸法Δであるが、その隙間寸法Δが1/2~1/3以下となるように環状突起44の高さを決めている。すなわち環状突起44の内径と加圧ピン40の外径dの差の1/2がメタルシール部分の隙間寸法δであり、δ=Δ×1/2とし、望ましくはδ=Δ×1/3としており、下限値はメタルシールが破損するときの値である。また、環状突起44の軸方向長さLは10mm程度として、メタルシールが確実におこなわれるようにしている。
このように構成された第2加圧手段30は、第1加圧手段22のプランジャー20による射出が完了した後に、図4(1)に示すような位置から加圧し始め、加圧ピン40が環状突起44に差し掛かると、オリフィス42部分に上位の溶湯が差し込んでメタルシールを形成し(図4(2))、その部分で遮蔽機能を発揮する。このため、このオリフィス42部分でのメタルシールによって、キャビティ16内への溶湯充填量が増し、加圧ピン40による押し込み動作により、ストロークが長くなって作業を完了するのである(図4(3))。
なお、オリフィス42を形成する環状突起44は、実施例のように角形断面としてもよいが、V字型、円弧型の断面形状とすることができる。この場合、V字型、円弧型の切っ先部分が鋭利となっているとメタルシールが取れないので、先端を削った形状とすることが望ましい。
また、オリフィス42を形成している環状突起44には、冷却手段を配置することができる。これは水平方式・水冷方式でも、あるいは油冷方式でも可能で、第1加圧手段22による射出が完了し、第2加圧手段30による加圧が環状突起44にかかった時に(図4(2))冷却するとよい。こうすることによってメタルシールが形成しやすくなる。
上記実施例ではオリフィス42を形成する環状突起44を別部品として形成し、ランナー24を形成する際にはめ込み構造で取り付けるようにしてもよい。これは金型の分割線でランナー24が割れる構造であるため、半円構造とした立上りランナー28への装着が簡単にできるからである。
また、上記実施例はホットチャンバーのランナーを押すことにも、またプラスチックを成形する際にも応用できる。
このように本実施例によれば、キャビティ16への射出を第1加圧手段22により行い、ランナー24に溶湯が充満した状態から第2加圧手段30を作動させる。そうすると、加圧ピン40が連結ランナー部36とキャビティ直結ランナー部32の交差部(図3A→B)に達する間は、通常の押し出し作用をなすが、連結ランナー部36が途切れてキャビティ直結ランナー部32に達した途端に環状突起44が、隙間δでメタルシールにより溶湯金属が固化し、ここで圧力が遮断する(図4(2))。したがって、加圧ピン40の上位に位置するまだ固まらないキャビティ16側のランナー溶湯は遮断された圧力を背景にキャビティ16側に押し込まれる。
これによって、加圧ピンを、従来のストロークより多く前進させることができ(図4(3))、第2加圧手段30により、より緻密な製品を製造することができる。この時の効果は同じ容積のキャビティ16に溶湯を充填した場合、1.7%の重量増のなり、この業界では驚異的な値である。
特にこの実施例では、特に立上りランナー28にU字型屈曲部38を設け、そのキャビティ16に通じる通路であるキャビティ直結ランナー部32に第2加圧手段30を取り付けるようにしているので、第2加圧手段30を、肉厚のあるビスケット46や中子等に付帯する冷却手段を避けて配置でき、設計自由度が増す。
次に、図5には第2実施例を示す。この例は、前記実施例が屈曲部をU字形にしたのに対し、V字型としたものである。第1加圧手段22とキャビティ16間を連絡しているランナー24の特に立上りランナー28の途中をV字状に屈曲し、基端を第1加圧手段22に通じる第1傾斜ランナー部50と、この第1傾斜ランナー部50と連絡され、キャビティ16に直結する第2傾斜ランナー部52とから構成されている。第2傾斜ランナー部52には、その軸芯に沿って往復摺動できる加圧ピン40を備えた第2加圧手段30が取り付けられている。また、両傾斜ランナー部50、52の交差部分より第2傾斜ランナー部52側にはその内径を絞るオリフィス42が設けられ、当該オリフィス42部分での第2加圧手段30の加圧ピン40との間でメタルシールにより溶湯の逆流を防止しつつ第2加圧手段30により加圧を成すようにしている。その他の構成は上記実施例と同様なので説明を省略する。
この実施例では加圧経路となっている立上りランナー28にV字型屈曲部54としたため斜め方向となるが、斯かる構成によっても冷却手段を回避でき、設計自由度が増す。
次に図6には「センターゲート製法」への適用例を示す。「センターゲート製法」では、円形・円錐状態の形状部品等や点対称部品に適用されるが、充填バランスを良くするためにキャビティ5の中心部から溶湯を充填させるようにして用いられる。
このセンターゲート製法を実施する装置は、図6に示すように、固定金型60と可動金型62の間に、第2可動金型64を設け、可動金型(以下、第1可動金型という。)62と第2可動金型64の間に円形のキャビティ66を形成し、このキャビティ66とランナー68を繋ぐスプール70を当該第2可動金型64に形成している。スプール70は、円錐形に形成されており、頂点部は円形キャビティ66の中心部に位置し、その頂点から溶湯を供給することによりスプール70を通じてキャビティ66の全体に溶湯が行き渡るものである。ランナー68は固定金型60の型合わせ面に形成され、スプール70の頂点部から直角に屈曲して下方に延びており、固定金型60の下方に設けられ、水平に伸びたプランジャースリーブ72に通じている。プランジャースリーブ72にはプランジャー74が内挿され、図示しないアクチュエータにより溶湯を射出する1次加圧するようになっている。このプランジャー74を含む加圧手段が第1加圧手段76である。また、固定金型60と第2可動金型64の合わせ面には、ランナー68を対向するゲート切断用油圧シリンダー78が設けられ、型開した際、このゲート切断用油圧シリンダー78がスプール70からランナー68を切断して切り離すようになっている。
前記スプール70の頂点に対向して、固定金型60側には第2加圧手段80が設けられている。これは加圧シリンダー82とこれから出入りされる加圧ピン84からなり、加圧ピン84を第2可動金型64に形成されたスプール70の頂点部に向けて出入りするように構成されている。具体的には、詳細を図6の拡大部に示しているように、ランナー68とスプール70とを繋ぐ箇所に設けられた屈曲通路86を加圧ピン84の出入り通路とし、これは第2可動金型64の内部に形成されており、キャビティ66に繋がる通路となる。加圧ピン84はランナー68を横断し、屈曲通路86に至った途端、キャビティ66の加圧をなす。屈曲通路86には円形リング88が装着され、その内径を絞るオリフィス90とされる。これは屈曲通路86の内径部分に断面矩形の環状突起を形成したもので、その突起の高さをできるだけ加圧ピン84の外径dに合わせて、ここでメタルシールができるようにしている。したがって、図6の拡大図に示すように(同図下部の図)、加圧ピン84による押し込み量がキャビティ66への加圧量となるのである。
この「センターゲート製法」の実際の作業工程を図7~図12に示す。まず、型締状態では第1加圧手段76、ゲート切断用油圧シリンダー78、第2加圧手段80も待機状態にあり、最初にプランジャースリーブ72の注湯口から溶湯を注湯する(図7)。その後、注湯が完了したら第1加圧手段76の作動を開始し、高速移動させるとともに前進限で低速高圧の射出を行って完了する。溶湯アルミはランナー68に入り、上昇して屈曲通路86を経て、スプール70からキャビティ66に充填される(図8)。その後、第1加圧手段76による射出動作が完了した後、第2加圧手段80による二次加圧が行われる。これは第2加圧手段80の待機位置(図6拡大図上図)から加圧シリンダー82により加圧ピン84を押し出し、ランナー68を横断し、屈曲通路86に至ってオリフィス90部分に上位の溶湯が差し込んでメタルシールを形成し、その部分で遮蔽機能を発揮する。このため、このオリフィス90部分でのメタルシールによって、キャビティ66内への溶湯充填量が増し、加圧ピン84による押し込み動作により、ストロークが長くなって作業を完了するのである(図9)。次いで第2可動金型64を含んで第1可動金型62が後退し、中間型の片開が行われる。これによってランナー68がキャビティ66側に付いた状態となる(図10)。この型開の状態でゲート切断用油圧シリンダー78を作動され、ランナー部分をカット除去する(図11)。最終的に第1可動金型62を更に後退移動させ、中間型の第2可動金型64と第1可動金型62の間を拡開し、キャビティ66から製品を取り出して終了するのである(図12)。
このように「センターゲート製法」によれば、キャビティ66の中心部に位置するスプール70の加圧をなす第2加圧手段80とオリフィス90がその絞り効果によりメタルシールをなして、逆流を遮蔽して圧力を維持し、もって製品部への追加加圧が可能となる。ひいてはランナー68の下部に第2加圧手段80を置かなくてもよくなり、第2加圧手段80が邪魔になることはない。更に、オリフィス90を設置することによりランナー68とスプール70を繋ぐ円筒形肉厚部の厚さを調整可能となり、ゲート切断用油圧シリンダー78によるパンチによるカットを容易にする肉厚設定が可能となる。オリフィス90の隙間長さLに比例するが、隙間Δをカットが容易な強度まで薄くするためのオリフィスの隙間長さLを決定すれば容易なカットが可能となる等の効果が得られる。
本発明は、ダイカスト製造を第1加圧手段のプランジャー加圧に引き続き、第2加圧手段により「通常のダイカスト製法」のランナー部、及び「センターゲート製法」のスプール部を加圧することができ製品密度を向上できるとともに、「通常のダイカスト製法」では第2加圧手段をビスケット等の冷却手段と干渉しないように配置することができ、「センターゲート製法」では設置が容易な固定金型に設置する方法と装置である。
1……固定金型、
2……可動金型、
3……第1加圧手段、
4……第2加圧手段、
5……キャビティ、
6……ランナー、
7……加圧ピン、
8……オリフィス、
9……第2可動金型、
10……スプール、
11……ゲート切断用カッター、
12……可動金型、
14……固定金型、
16……キャビティ、
18……射出スリーブ、
20……プランジャー、
22……第1加圧手段、
24……ランナー、
26……分流子ランナー、
28……立上りランナー、
30……第2加圧手段、
32……キャビティ直結ランナー部(上部水平ランナー部)、
34……下部水平ランナー部、
36……連結ランナー部、
38……U字型屈曲部、
40……加圧ピン、
42……オリフィス、
44……環状突起、
46……ビスケット、
50……第1傾斜ランナー部、
52……第2傾斜ランナー部、
54……V字型屈曲部、
60……固定金型、
62……第1可動金型、
64……第2可動金型、
66……キャビティ、
68……ランナー、
70……スプール、
72……プランジャースリーブ、
74……プランジャー、
76……第1加圧手段、
78……ゲート切断用油圧シリンダー、
80……第2加圧手段、
82……加圧シリンダー、
84……加圧ピン、
86……屈曲通路、
88……円形リング、
90……オリフィス。

Claims (12)

  1. 型締された金型に第1加圧手段により溶湯を射出した後、第2加圧手段によりキャビティに直結するランナーを通じて第2加圧を行うに際し、当該ランナーを屈曲形成し、この屈曲部におけるキャビティ直結ランナー部に第2加圧手段を設けるとともにオリフィスを配置し、当該オリフィス部分での第2加圧手段の加圧ピンとの間でメタルシールにより溶湯の逆流を防止しつつ第2加圧手段により加圧を成すことを特徴とするダイカスト製造方法。
  2. 前記屈曲部はU字型に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイカスト製造方法。
  3. 前記屈曲部はV字型に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイカスト製造方法。
  4. センターゲート製法において、型締された金型に第1加圧手段により溶湯を射出した後、第2加圧手段として固定金型設置のスプール部加圧をなす第2加圧手段による溶湯加圧を行ない、加圧に際してはオリフィスを配置し、当該オリフィス部分での第2加圧手段の加圧ピンとの間でメタルシールにより溶湯の逆流を防止しつつ第2加圧手段により加圧を成すことを特徴とするダイカスト製造方法。
  5. センターゲート製法において、型締された金型に第1加圧手段により溶湯を射出した後、キャビティに至るスプール部に設置のオリフィスによりスプール部加圧をなす固定金型設置の第2加圧手段による溶湯加圧を行ない、キャビティのゲートに近い部分での第2加圧を行うことを可能とし、製品密度向上に対する第2加圧効果を高めることができることを特徴とするダイカスト製造方法。
  6. センターゲート製法において、第2加圧手段オリフィス部を設置することによりランナー部とスプール部を繋ぐ円筒形肉厚部の厚さを調整可能とし、油圧シリンダーによるパンチによるカットを容易とすることを可能とすることを特徴とする請求項4または5に記載のダイカスト製造方法。
  7. ダイカスト金型に溶湯を射出する第1加圧手段と、
    キャビティに連通するランナーを屈曲させ、この屈曲部におけるキャビティ直結ランナー部に設けられキャビティ方向に加圧する第2加圧手段と、
    前記第2加圧手段の加圧ピンによる加圧経路に設けられ当該加圧ピンとの間で溶湯遮蔽をなし得るオリフィスと、
    からなる射出部を設けたことを特徴とするダイカスト製造装置。
  8. 前記屈曲部はU字型とされていることを特徴とする請求項7に記載のダイカスト製造装置。
  9. 前記屈曲部はV字型とされていることを特徴とする請求項7に記載のダイカスト製造装置。
  10. センターゲート製法において、型締された金型キャビティにランナー及びスプールを介して溶湯を射出する第1加圧手段と、
    スプールに対向して前記第1加圧手段による加圧後に溶湯加圧をなす固定金型設置の第2加圧手段と、
    前記ランナーにスプールに至る屈曲部に設けられる通路に配置されたオリフィスを設け、当該オリフィス部分での前記第2加圧手段の加圧ピンとの間でメタルシールにより溶湯の逆流を防止しつつ第2加圧手段により加圧を成すことを特徴とするダイカスト製造装置。
  11. センターゲート製法において、ランナー加圧をすることでスプール部が中実から円筒になり油圧シリンダーによるパンチによるカットを容易とすることを可能とすることを特徴とする請求項10に記載のダイカスト製造装置。
  12. センターゲート製法において、型締された金型キャビティにランナーとこのランナー先端の屈曲部を介してキャビティに通じるスプールとを経由して溶湯を射出する第1加圧手段と、
    前記スプールに対向し固定金型に設置された第2加圧手段と、
    前記第2加圧手段の加圧ピンをスプール部に設置の屈曲部に出入り可能とし、この屈曲部に設けたオリフィスとの間でメタルシールにより溶湯の逆流を防止する加圧ピンを設けスプール部加圧をなすことを特徴とするダイカスト製造装置。
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