JP2023116729A - フェンフルラミンによる認知機能の改善方法 - Google Patents

フェンフルラミンによる認知機能の改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】神経機能の改善における使用のための製剤であって、該製剤が、フェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩を含む製剤を提供する。【解決手段】本明細書において、患者に検査を施行して処置前検査スコアを得る工程、フェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩で患者を処置する工程、および、処置後に認知機能の検査を患者に再施行して処置後スコアを得て、試験スコアの改善の観察を可能にする工程によって、例えば、実行機能の行動評価尺度(BRIEF)などの認知機能を測定する有効な尺度に対するスコアの改善によって測定される、患者における認知機能を改善する方法が開示される。いくつかの態様において、患者はてんかんの症状についても処置されている。【選択図】図7

Description

発明の分野
本発明は概して、認知機能を改善する分野に関する。認知機能には、思考および言語発達および言語使用、視空間認知、および記憶能力、ならびに予測、プランニング、判断、自己認識、実行機能、および意思決定などのプロセスが含まれる。具体的には、フェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩、酸、塩基、もしくはアミンによって患者を処置することによって認知機能を改善するための方法が提供される。認知機能の改善は、例えば、機能のベースライン測定を得ることなどによって、種々の尺度のいずれか1つの変化を測定することによって示されてもよい。認知機能は、実行機能の行動評価尺度(Behavior Rating Inventory of Executive Function)(BRIEF)、ウェクスラー記憶検査、MOCA(モントリオール認知評価)尺度、実行機能:神経行動評価および研究のための手段および機器(EXAMINER)を用いて測定されてもよく、患者の中枢神経系(CNS)の機能は、処置前検査スコアとして臨床全般印象度(CGI)尺度または認知および他の神経学的機能を測定する他の有効な尺度を用いて測定してもよく、フェンフルラミンによる処置後に、検査を再施行し、処置後認知検査スコアまたは評価を得ることができる。したがって、例えばBRIEFスコアまたはCGIスコア等の改善によって測定される、認知およびCNS機能の他の側面の改善が、観察されかつ定量化され得る。いくつかの態様において、患者は、てんかんの症状についても処置されている。
背景
フェンフルラミン、すなわち、3-トリフルオロメチル-N-エチルアンフェタミンは、以下の構造:
Figure 2023116729000002
を有する、アンフェタミン誘導体である。
フェンフルラミンは、肥満を処置するために1973年に米国で初めて市販された。しかしながら、1997年に、フェンフルラミンは、その使用が心弁膜症および肺高血圧症の発症に関連付けられたことから、米国および世界市場から撤退した。その後、この薬物は世界的に販売が撤回され、もはや、いかなる治療領域においてもその使用は適応となっていない。
理論に拘束されるものではないが、食欲抑制剤としてのフェンフルラミンの使用に付随する有害作用は、心弁膜症に関連すると報告されている、フェンフルラミンの主要な代謝産物ノルフェンフルラミンと5-HT2B受容体との相互作用に起因すると考えられている。フェンフルラミンはインビボで、肝臓中のチトクロームP450酵素によってノルフェンフルラミンに代謝される。CYP2D6、CYP2B6およびCYP1A2などのチトクロームP450酵素は主に、ヒトにおいてフェンフルラミンからのノルフェンフルラミンの生成を担っている。酵素CYP2C9、CYP2C19、およびCYP3A4もまた関与する。そのような代謝には、以下に示すような、ノルフェンフルラミンを生成するためのN-エチル基の切断が含まれる。
Figure 2023116729000003
フェンフルラミンは主に、セロトニン放出物質として作用する。セロトニン(「5-ヒドロキシトリプタミン」または「5-HT」としても公知)は、哺乳類神経系における多数の感覚、運動、および行動プロセスを調節すると考えられている神経伝達物質である。これらの多様な反応は、受容体サブタイプの大きなファミリーの活性化を通じて誘発される。
フェンフルラミン、およびその主要な代謝産物ノルフェンフルラミンは、ノルエピネフリントランスポーターの強力な基質であると報告された(Rothman, et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 305(3):1191-9(非特許文献1))。フェンフルラミンは、神経伝達物質の小胞貯蔵を破壊し、セロトニントランスポーター機能を元に戻すことによって、セロトニンの放出を引き起こす。フェンフルラミンはまた、特に、その活性代謝産物ノルフェンフルラミンを介して、比較的低い程度でのノルエピネフリン放出物質としても機能する。モノアミン放出に加えて、フェンフルラミンは、セロトニン5-HT2受容体に非常に弱く結合し、ノルフェンフルラミンは、セロトニン5-HT2Bおよび5-HT2C受容体に高親和性で、セロトニン5-HT2A受容体に中等度親和性で結合し、それらを活性化する。増加したセロトニン作動性およびノルアドレナリン作動性神経伝達の結果は、満腹感および食欲低下である。よって、フェンフルラミンで処置した対象では、体重減少、食欲低下、および/または痩せが観察され得る。
高用量のフェンフルラミンが成人肥満の処置に用いられたときに生じた過去の心血管の安全性の懸念にもかかわらず、潜在的な治療効果に対するフェンフルラミンの公知の心血管リスクを比較検討しながら、その製品のさらなる治療用途を特定しようとする試みが行われている。新たな治療選択肢が非常に必要とされている1つの障害はてんかんであり、特に、既知の処置に治療抵抗性であるてんかん症候群である。てんかんは、異常な放電によって誘発されかつ反復性の発作に対する感受性を特徴とする、中枢神経系(CNS)の機能障害である。これらに限定されないが、出産時外傷、周産期感染症、無酸素症、感染性疾患、毒素の摂取、脳の腫瘍、遺伝性疾患または変性疾患、頭部損傷または外傷、代謝異常、脳血管発作、およびアルコール離脱を含む、多数のてんかんの原因が存在する。
多数の化合物が、さまざまなタイプのてんかんを処置するために用いられてもよく、さまざまなてんかんサブタイプは、さまざまな抗けいれん薬に対して異なって反応する。例えば、カンナビジオールは、ドラベ症候群における薬剤抵抗性発作の処置について研究されており、けいれん発作の頻度を低下させると報告された(Devinsky, et al., 2017, New Engl. J. Med. 376(21):2011-2020(非特許文献2))。
ドラベ症候群(DS)は、乳児発症型の深刻な遺伝性てんかん性脳症であり、しばしば神経電位依存性ナトリウムチャネル(SCN1A)における変異または欠失によって引き起こされる。初めに、生後1年で、DSを有する患者は遷延性発作を経験し、2年で、さらなるタイプの発作が発生し始め、典型的には、恐らく脳低酸素症などの脳損傷を引き起こす反復性発作が理由で、発達低下が同時発生する。最終的には、この形態の小児てんかんは、言語の発達不良および/または遅延、自律神経機能の破壊、ならび運動および認知/知能および行動の機能障害をもたらす。ドラベ症候群を有する小児は、一日当たり複数回の発作を経験する可能性があり、てんかんおよびコントロール不良てんかん重積状態のエピソードでの原因不明の突然死の高いリスクを有する。発作管理には、ベンゾジアゼピン、バルプロエート、および/またはスチリペントールによる処置が含まれる。発作活動のいくらかの低下が、臭化物およびトピラマートの使用、またはケトン食療法によって報告されている。これらの選択肢にもかかわらず、利用可能な抗てんかん薬(AED)は、ほとんどのDS患者において適切な発作コントロールを実現しない。
特定の薬物はてんかんのある1つの形態に対して有効であるかもしれないが、他の形態に対して全く無効であり、さらには発作の頻度および重症度の悪化などの症状の増悪のために禁忌である可能性すらある。結果として、てんかんの特定の種類に関する特定の薬物の有効性は、全く予測不能であり、特定の薬物が、その薬物が有効であることが以前に公知ではなかったてんかんの種類を処置するのに有効であるという発見は、その薬物が別のてんかんの種類に対して有効であることが公知である場合であっても、たいていの場合驚くべきことである。さらに、フェンフルラミンによるてんかんの処置は、他の治療剤との同時投与および/または他の治療剤による処置が禁忌である可能性がある。
ドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群などのてんかん性脳症に罹患している小児および成人は、多くの場合、自己調整、衝動の抑制および/または注意の制御、感情コントロール、問題解決、変化の許容および/または注意の切り替え、アイディアの開始/発案、ワーキングメモリ、プランニング、ならびに統合等などの能力を含む認知機能の不全の併発を経験する。認知機能は往々にして、実験室ベースの能力尺度を用いて、または実行機能の行動評価尺度(BRIEF)、ウェクスラー記憶検査、MOCA(モントリオール認知評価)尺度、実行機能:神経行動評価および研究のための手段および機器(EXAMINER)、もしくは認知機能を測定する他の有効な尺度などの検査を用いて評価される。
心理および精神状態向けのより一般的な評価尺度は、NIMHが支援する臨床試験で使用するために開発された臨床全般印象度CGIであり、治験薬を開始する前および後に患者の全般的機能の臨床医の観点の簡便な独立した評価を提供する。CGIは、患者の病歴、心理社会的状況、症状、行動、および患者の機能能力に対する症状の影響の知識を含む、全ての入手可能な情報を考慮する、臨床医によって決定される全般的な集約尺度を提供する。
CGIは実際、以下を評価する二組一項目尺度(two companion one-item measures)を含む:(a)比較のためのベースラインを確立する1~7の症状の重症度、および(b)同様の7段階尺度での、処置の開始からの変化。臨床評価の後、CGIフォームは、経験のある評価者によって1分未満で完了することができる。実際には、CGIは、単なる症状チェックリストを越えるものを包含する臨床的印象を表す。それは容易に理解可能であり、研究者以外の臨床医が比較的容易に用いることができる。その上、CGIは、時間全体にわたって臨床的進行を追跡することができ、広範な精神および中枢神経系機能不全にわたって、より長い時間を要する評価手段と相関することが示されている。
臨床実務では、CGIは、試験中の疾患および処置の起こり得る進行に精通している経験のある臨床医によって施行される。したがって、CGI評価者は、その臨床経験の状況の中で種々の時点にわたって疾病の重症度について専門的な臨床全般的判断を行うことができる。臨床医は、各訪問時の患者の全体像:疾病重症度、窮迫および機能障害の他の側面の患者のレベル、ならびに機能に対する疾病の影響について判断を行う。CGIは、いずれかの臨床的変化が薬物療法を原因とするあるいはしないという臨床医の意見に関係なく、かつ症状の病因を考慮することなく、評価される。
CGI-I評価はまた、親もしくは介護者または頻繁に患者を観察しかつ患者と交流するあらゆる人によって行われてもよい。患者/介護者による評価は、疾患を有する他の患者での臨床経験に基づくものではないが、対象のより頻繁な観察によって行われ、個別の患者の心理および精神機能の変動を特定する可能性がある。
患者の認知機能を改善するための方法および組成物を提供するという長年の必要性が、特に小児および若年成人において存在する。いくつかの態様において、患者は、てんかん性の疾患または障害、例えば、ドラベ症候群および/またはレノックス・ガストー症候群についても処置されている。この方法のいくつかの態様において、フェンフルラミンは、患者に投与される唯一の薬学的活性成分である。この方法のいくつかの態様において、フェンフルラミンは、患者において補助療法として用いられる。本開示は、ある期間にわたるフェンフルラミンの投与が、例えばBRIEFスコアなど、認知機能を測定する少なくとも1つの尺度に対する改善に関連するという予想外かつ驚くべき発見に関することから、そのような必要性を満たす助けとなる。本明細書において記載するように、フェンフルラミンの投与は、認知機能に影響を及ぼす疾患および障害を処置するのに有益であり得る。
Rothman, et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 305(3):1191-9 Devinsky, et al., 2017, New Engl. J. Med. 376(21):2011-2020
本発明の第1の局面によれば、本明細書において、フェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩を投与する工程を含む、(例えば、実行機能の行動評価尺度(BRIEF)、ウェクスラー記憶検査、MOCA(モントリオール認知評価)尺度、実行機能:神経行動評価および研究のための手段および機器(EXAMINER)、または認知機能を測定する他の有効な尺度などの検査によって測定される)患者における認知機能を改善する方法が提供される。いくつかの態様において、患者は、てんかんまたはてんかん性脳症、例えば、ドラベ症候群および/またはレノックス・ガストー症候群についても処置されている。いくつかの態様において、BRIEF検査は、認知機能を評価しかつ改善を測定/定量化するために、フェンフルラミンによる処置の前および後に患者に施行される。いくつかの態様において、フェンフルラミンは、認知機能の変化を測定/観察する前に、数か月または数年(例えば1、2、3、6、9、12、15、18、21ヶ月など、例えば、3年まで、3年も含む)の期間にわたって投与される。
本発明のさらなる局面によれば、本明細書において、例えば、改善度の臨床全般印象度(CGI-I)などの臨床全般印象度尺度によって測定される、患者における認知機能を含むがこれらに限定されない心理および精神機能を改善する方法が提供され、本方法は、フェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩を投与して、患者の状態の機能的側面を改善する工程を含む。いくつかの態様において、患者は、てんかんまたはてんかん性脳症、例えば、ドラベ症候群および/またはレノックス・ガストー症候群についても処置されている。いくつかの態様において、CGI-Iは、全般的心理および精神機能を評価し、かつ改善を測定/定量化するために、フェンフルラミンによる処置の前および後に処置を行う臨床医によって評価される。別の態様において、評価は親または介護者によって行われる。いくつかの態様において、フェンフルラミンは、機能の変化を測定/観察する前に、数週間、数ヶ月または数年(例えば1、2、3、6、9、12、15、18、21ヶ月など、例えば、3年まで、3年も含む)の期間にわたって投与される。いくつかの態様において、患者のCGI-I評価の改善は、数ヶ月または数年の期間にわたって改善し続ける。
本発明のさらなる局面によれば、患者は、てんかんまたはてんかん性脳症(例えば、ドラベ症候群、ドーゼ症候群、乳児けいれん、レノックス・ガストー症候群等);注意障害(例えば、注意欠陥障害(ADD)または注意欠陥多動障害(ADHD));自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害(PDD)、および特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)を含む、自閉症スペクトラム障害(ASD)などの発達障害;反抗挑戦性障害(ODD);学習障害(例えば、失読症、計算障害);トゥーレット症状群;外傷性脳損傷;鉛曝露;不安および/またはうつ状態;ならびに低出生体重、またはそれらの任意の組み合わせから選択される疾患または状態と診断されてもよく、またはそれと診断されたことがあってもよい。
本発明のさらなる局面によれば、患者は、てんかんについて処置されてもよく、治療されたことがあってもよく、または処置されていてもよい。本発明のさらなる局面によれば、てんかんと診断された患者は、18歳以下である。本発明のさらなる局面によれば、てんかんと診断された患者は、18歳を超える成人である。
本発明のさらなる局面によれば、患者は、ドラベ症候群および/またはてんかん性脳症と診断されてもよく、またはそれと診断されたことがあってもよい。
本発明のさらなる局面によれば、てんかん性脳症の症状は発作であり、フェンフルラミンは薬学的に許容される担体と共に製剤化され、有効用量は10.0 mg/kg/日未満、または1.0 mg/kg/日未満、またはおよそ0.8 mg/kg/日、またはおよそ0.5 mg/kg/日、またはおよそ0.2 mg/kg/日、またはおよそ0.01 mg/kg/日である。
本発明のさらなる局面によれば、フェンフルラミンは、経口、注射用、経皮、吸入、経鼻、頬側、直腸、膣内および非経口送達からなる群より選択される投与形態で投与されてもよい。
本発明のさらなる局面によれば、投与形態は、30 mg/日以下、20 mg/日以下、10 mg/日以下、および5 mg/日以下からなる群より選択される量での経口組成物である。
本発明のさらなる局面によれば、少なくとも1つの共治療剤もまた、患者/対象に同時投与されてもよく、ここで、該剤は、ブリバラセタム、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウム)、カンナビジオール、カルバマゼピン、クロニジン、エルゲニルクロノ(Ergenyl Chrono)、エトスクシミド、フェルバマート、ホスフェニトイン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、レボカルニチン、メスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、ペランパネル、フェノバルビタール、プレガバリン、プロガビド、ピリドキシン、ルフィナミド、スチリペントール、スルチアム、チザニジン、トピラマート、バルプロ酸セミナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、ベラパミル、ゾニサミド、およびベンゾジアゼピン、例えば、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ロフラゼプ酸エチル、ロラゼパム、およびミダゾラムなど、ならびにこれらのいずれかの薬学的に許容される塩または塩基からなる群より選択される。
さらなる局面によれば、対象/患者は、フェンフルラミンによる処置の前に薬剤で以前に処置されたことがあってもよく、ここで、該剤は、アセタゾールアミド、ブリバラセタム、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、エルゲニルクロノ、エトスクシミド、フェルバマート、ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、ロラゼパム、メスクシミド、オクスカルバゼピン、ペランパネル、フェノバルビタール、フェニトイン、フェニトインナトリウム、プレガバリン、ルフィナミド、スチリペントール、スルチアム、トピラマート、バルプロ酸セミナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、ビガバトリン、ゾニサミド、およびこれらのいずれかの薬学的に許容される塩または塩基から選択される。
本発明のさらなる局面によれば、フェンフルラミン処置は、認知機能を改善するのに有効な期間にわたってかつ有効な量で続けられ、該認知機能は、これらに限定されないが、実行機能の行動評価尺度(BRIEF)、ウェクスラー記憶検査、MOCA(モントリオール認知評価)尺度、実行機能:神経行動評価および研究のための手段および機器(EXAMINER)、または認知機能を測定する他の有効な臨床および/もしくは指標尺度など、有効な尺度に対する改善によって評価することができる。
BRIEF検査内には、認知機能の特定の側面を測定するために用いることができる複数の尺度が存在する。BRIEFは2つの主な指標:行動調整指標(BRI)(抑制、シフト、および感情コントロールの尺度を含む)およびメタ認知指標(MI)(開始、ワーキングメモリ、計画/組織、道具の整理、およびモニタの尺度を含む)を有する。
本発明の局面によれば、本明細書において、フェンフルラミン製剤、包装、および患者において認知機能を改善するのに使用するための説明書を含む添付文書を含む、キットが提供される。
本発明の局面によれば、本明細書において、薬学的に許容される担体とフェンフルラミンを含む活性成分とを含む製剤の複数用量を有する容器;ならびに該製剤により患者を処置するおよび該製剤による処置の前および後に患者の認知機能を評価するための説明書、を含むキットが提供される。
本発明のさらなる局面によれば、本明細書において、有効用量のフェンフルラミンを単独でまたは本明細書において記載される1つまたは複数の薬物との組み合わせで患者に投与する工程を含む、てんかんと診断された患者において発作を処置する、予防するおよび/または寛解させる方法であって、該てんかんがドラベ症候群またはレノックス・ガストー症候群である、前記方法が提供される。
本発明のさらなる局面によれば、本明細書において、有効用量のフェンフルラミンをその患者に投与する工程によって、SCN1A、SCN1B、SCN2A、SCN3A、SCN9A、GABRG2、GABRD、およびPCDH19からなる群より選択される遺伝子のうちの1つまたは複数において変異を示す患者を処置する方法が提供される。
本発明の一層さらなる局面は、有効量のフェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩をその患者に投与する工程によって、患者の脳において1つまたは複数の5-HT受容体を刺激するための方法を企図する。例示的な1つまたは複数の5-HT受容体は、5-HT1、5-HT1A、5-HT1B、5-HT1C、5-HT1D、5-HT1E、5-HT1F、5-HT2、5-HT2A、5-HT2B、5-HT2C、5-HT3、5-HT4、5-HT5、5-HT5A、5-HT5B、5-HT6、および5-HT7のうちの1つまたは複数からなる群より選択される。加えて、脳において、シグマ1、M1ムスカリン、B-アドレナリンを含む、非5-HT結合が存在してもよい。
この方法のいくつかの態様において、フェンフルラミンは、患者に投与される唯一の薬学的活性成分である。
この方法のいくつかの態様において、フェンフルラミンは、患者において補助療法として用いられる。この方法のいくつかの態様において、フェンフルラミンは、てんかんまたはてんかん性脳症を有する患者において補助療法として用いられる。この方法のいくつかの態様において、フェンフルラミンは、ドラベ症候群またはレノックス・ガストー症候群(LGS)を有する患者において補助療法として用いられる。
本発明のさらに別の局面は、有効用量の1つまたは複数の共治療剤とフェンフルラミンとの同時投与を企図し、ここで、該共治療剤は、ブリバラセタム、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウム)、カンナビジオール、カルバマゼピン、クロニジン、エルゲニルクロノ、エトスクシミド、フェルバマート、ホスフェニトイン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、レボカルニチン、メスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、ペランパネル、フェノバルビタール、プレガバリン、プロガビド、ピリドキシン、ルフィナミド、スチリペントール、スルチアム、チザニジン、トピラマート、バルプロ酸セミナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、ベラパミル、ゾニサミド、ならびにベンゾジアゼピン、例えばクロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ロフラゼプ酸エチル、ロラゼパム、およびミダゾラムなどからなる群より選択することができる。共治療剤の薬学的に許容される塩または塩基の使用もまた企図される。
別の局面において、対象/患者は、フェンフルラミンによる処置の前に薬剤によって以前に処置されたことがあってもよく、ここで、該剤は、アセタゾールアミド、ブリバラセタム、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、エルゲニルクロノ、エトスクシミド、フェルバマート、ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、ロラゼパム、メスクシミド、オクスカルバゼピン、ペランパネル、フェノバルビタール、フェニトイン、フェニトインナトリウム、プレガバリン、ルフィナミド、スチリペントール、スルチアム、トピラマート、バルプロ酸セミナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、ビガバトリン、ゾニサミド、およびこれらのいずれかの薬学的に許容される塩または塩基から選択される。
本明細書において、フェンフルラミンは認知機能に影響を及ぼす疾患または障害の処置において用いることができるという発見が説明される。したがって、いくつかの局面において、本開示は、有効用量の1つまたは複数の共治療剤とフェンフルラミンとの同時投与を企図する。
本発明の局面は、有効用量のフェンフルラミンまたは薬学的に許容される塩を患者に投与する工程を含む、てんかんと診断された患者においててんかんの症状を処置または予防する方法を含み、ここで、該用量は、およそ10.0 mg/kg/日、1.0 mg/kg/日、0.8 mg/kg/日、0.5 mg/kg/日、0.2 mg/kg/日から約0.01 mg/kg/日の範囲の量で投与されるか、または約30 mg/日以下、20 mg/日以下、10 mg/日以下、および5 mg/日以下の量で投与され、かつ任意の他の薬学的に活性な化合物の投与の非存在下で投与されてもよい。
別の局面において、てんかんの症状を処置または予防する方法は、患者へのフェンフルラミン治療の導入を伴う。いくつかの態様において、提供されるフェンフルラミンの開始用量は、4~7日の間にわたって約0.2 mg/kg/日であり、その後、約0.8 mg/kg/日の最大用量までまたは30 mg/日の推奨最大用量まで、4~7日毎に約0.2 mg/kg/日ずつ投与量を増加させる。別の局面において、患者は、フェンフルラミンと相互作用する可能性がある発作を処置または予防するための薬物療法を既に受けており、フェンフルラミン治療の開始は、4~7日の間にわたって約0.2 mg/kg/日で提供され、その後、約0.5 mg/kg/日の最大用量までまたは20 mg/日の推奨最大用量まで4~7日毎に約0.2 mg/kg/日ずつ投与量を増加させる。
本発明の別の局面において、有効用量が、経口、注射用、経皮、頬側、吸入、経鼻、頬側、直腸、膣内、または非経口からなる群より選択される形態で投与され、かつ製剤が経口用である方法が実施され、該製剤は、溶液または懸濁液であり得る液体であってもよく、容器から取り出される体積を決定するための目盛り付きのシリンジに連結されたキャップで密閉された容器内に存在してもよく、取り出される体積は、製剤の所与の液体体積中のフェンフルラミンの量に関連し、例えば、1ミリリットルの製剤は2.5 mgのフェンフルラミンを含有する。本発明の別の局面において、方法は、錠剤、カプセル、ロゼンジ、またはサシェの形態での固体経口製剤で投与される。
方法は、異なる薬学的に活性な化合物との同時処置として実施されてもよい。方法は、患者が最初に次に、一連の検査を受けててんかんの診断を確定するプロセスにおいて実施されてもよい。
[本発明1001]
BRIEF検査を用いて、患者において少なくとも1つのランクレベルの統計的に有意な改善を観察することによって評価される、神経機能の改善における使用のための製剤であって、該製剤が、
フェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩
を含み、
該使用が、
反復投与の前に得られた以前のBRIEFスコアと比較して該患者がBRIEFスコアの改善を示すまで、数日間にわたる該反復投与のためのものである、
前記使用のための製剤。
[本発明1002]
患者が、てんかんまたはてんかん性脳症(例えば、ドラベ症候群、ドーゼ症候群、乳児けいれん、レノックス・ガストー症候群);注意障害(例えば、注意欠陥障害(ADD)または注意欠陥多動障害(ADHD));自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害(PDD)および特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)を含む、自閉症スペクトラム障害(ASD)などの発達障害;反抗挑戦性障害(ODD);学習障害(例えば、失読症、計算障害);トゥーレット症状群;外傷性脳損傷;鉛曝露;不安および/もしくはうつ状態;ならびに低出生体重、またはこれらの任意の組み合わせから選択される疾患または状態と診断されている、本発明1001の使用のための製剤。
[本発明1003]
患者が、ドラベ症候群またはレノックス・ガストー症候群のいずれかと診断されている、本発明1001の使用のための製剤。
[本発明1004]
共治療剤をさらに含む、本発明1001~1003のいずれかの使用のための製剤。
[本発明1005]
フェンフルラミンが、薬学的に許容される担体と共に製剤化され、かつ約10.0 mg/kg/日未満、1.0 mg/kg/日未満、約0.8 mg/kg/日、約0.5 mg/kg/日、約0.2 mg/kg/日、および約0.01 mg/kg/日から選択される有効用量で投与される、本発明1001~1004のいずれかの使用のための製剤。
[本発明1006]
フェンフルラミンが、経口、注射用、経皮、吸入、経鼻、頬側、直腸、膣内、および非経口送達からなる群より選択される投与形態で投与される、本発明1001~1005のいずれかの使用のための製剤。
[本発明1007]
投与形態が、30 mg/日以下、20 mg/日以下、10 mg/日以下、および5 mg/日以下からなる群より選択される量で投与される経口組成物である、本発明1001~1006のいずれかの使用のための製剤。
[本発明1008]
少なくとも1つの共治療剤が投与され、かつ該剤が、ブリバラセタム、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウム)、カンナビジオール、カルバマゼピン、クロニジン、エルゲニルクロノ、エトスクシミド、フェルバマート、ホスフェニトイン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、レボカルニチン、メスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、ペランパネル、フェノバルビタール、プレガバリン、プロガビド、ピリドキシン、ルフィナミド、スルチアム、チザニジン、トピラマート、スチリペントール、バルプロ酸セミナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、ベラパミル、ゾニサミド、およびベンゾジアゼピン、例えば、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ロフラゼプ酸エチル、ロラゼパム、およびミダゾラム、ならびにそれらの薬学的に許容される塩または塩基からなる群より選択される、本発明1001~1007のいずれかの使用のための製剤。
[本発明1009]
投与が、少なくとも1つのBRIEFスコアの改善によって示される認知機能を改善するような期間にわたって継続し、該期間が、1カ月、2カ月、3カ月、6カ月、9カ月、12カ月、15カ月、18カ月、21カ月、2年、および3年からなる群より選択され、
該認知機能の改善が、5%以上、10%以上、15%以上、25%以上、50%以上、または75%以上からなる群より選択される改善割合での少なくとも1つのBRIEFスコアの統計的に有意な改善を観察することによって評価される、本発明1001~1008のいずれかの使用のための製剤。
[本発明1010]
フェンフルラミン製剤;
包装;および
患者における少なくとも1つのBRIEFスコアの改善によって評価される認知機能の改善における使用のための説明書を含む添付文書
を含む、キット。
[本発明1011]
薬学的に許容される担体とフェンフルラミンを含む活性成分とを含む製剤の複数用量を含む容器;ならびに
該製剤で患者を処置するための、および該製剤での処置の前および後に患者のBRIEFスコアを評価するための、説明書
を含む、キット。
[本発明1012]
患者における実行機能行動評価尺度(BRIEF)スコアの改善における使用のための製剤であって、該製剤が、
フェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩
を含み、
該使用が、ある期間にわたって各日1回または2回の反復投与のためのものであり、
該期間が、1カ月、2カ月、3カ月、6カ月、9カ月、12カ月、15カ月、18カ月、21カ月、2年、および3年カ月からなる群より選択され、
BRIEFスコアの改善が、反復投与の少なくともいくつかの前に得られた該患者の以前のBRIEFスコアと比較して得られる、前記使用のための製剤。
[本発明1013]
患者の処置における使用のための製剤であって、該製剤が
フェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩、塩基、もしくは酸の治療的有効量
を含み、かつ
該使用が、
該製剤の反復投与前に得られた以前のCGIと比較して該患者が臨床全般印象度(CGI)ランクの改善を示すまで、数日間にわたる該反復投与のためのものである、
前記使用のための製剤。
[本発明1014]
ドラベ症候群と診断された患者の処置における使用のための製剤であって、該製剤が、
0.2 mg/kg/日以上、最大で30 mg/日の量でのフェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩、塩基、もしくは酸の治療的有効量;
共治療剤
を含み、かつ
該共治療剤およびフェンフルラミンが、
該製剤の反復毎日投与前に得られた以前のCGIと比較して該患者が臨床全般印象度(CGI)ランクの改善を示すまで、数週間にわたる該反復投与における使用のための液体製剤である、
前記使用のための製剤。
[本発明1015]
共治療剤が、カルバマゼピン、エトスクシミド、ホスフェニトイン、ラモトリギン、レベチラセタム、フェノバルビタール、トピラマート、バルプロ酸、バルプロエート、ベラパミル、およびベンゾジアゼピン、例えば、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ロラゼパム、およびミダゾラム、ならびにその薬学的に許容される塩または塩基からなる群より選択される、本発明1014の使用のための製剤。
本発明のこれらおよび他の目的、利点、および特徴は、下記により詳しく説明される、てんかんの症状を処置する方法の詳細を読むことで当業者には明らかになるであろう。
プラセボ群および処置群について治験医師よってもたらされた臨床全般印象度-I(CGI-I)尺度値の表を提供する。 プラセボ群および処置群について治験医師によってもたらされたCGI-I評価の視覚的表示を示す棒グラフを提供する。 プラセボ群および処置群について親または介護者によってもたらされたCGI-I値の表を提供する。 プラセボ群および処置群について親または介護者によってもたらされたCGI-I評価の視覚的表示を示す棒グラフを提供する。 処置前のベースライン評価に対する改善と比較するZX008のランダム化比較試験における患者の治験医師によるCGI-I評価の棒グラフを提供する。 処置前のベースライン評価に対する改善と比較するZX008のランダム化比較試験における患者の親/介護者によるCGI-I評価の棒グラフを提供する。 ベースライン評価と、ZX008処置の24カ月後の患者からの治験医師による最終訪問時CGI-I評価とを比較する棒グラフを提供する。 ベースライン評価と、ZX008処置の24カ月後の患者からの親/介護者による最終訪問時CGI-I評価を比較する棒グラフを提供する。
発明の詳細な説明
本方法、キット、および製剤について説明する前に、本発明は、説明された特定の態様に限定されず、そのような発明はもちろん変化してもよいことが理解されるべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることから、本明細書において用いられる用語は、特定の態様を説明することのみを目的としており、限定することを意図しないことも理解されるべきである。
ある範囲の値が提供される場合、文脈上そうではないとする明確な指示がない限り下限値の単位の10分の1まで、その範囲の上限値と下限値の間の各介在値(intervening value)も具体的に開示されているものと理解される。記述される範囲内にある任意の記述される値または介在値と、該記述される範囲内にある任意の他の記述される値または介在値との間の、より小さな範囲の各々は、本発明内に包含される。記述された範囲においていずれかの具体的に除外された限界値は別であるが、これらのより小さな範囲の上限値および下限値は、独立して該範囲に含まれてもよくまたは除外されてもよく、より小さな範囲内に限界値のいずれかを含む、どちらも含まない、またはどちらも含む各範囲もまた、本発明内に包含される。記述された範囲が限界値の一方または両方を含む場合、そのような含まれる限界値のいずれかまたは両方を除外する範囲もまた、本発明に含まれる。
別段の定義がない限り、本明細書において用いられる全ての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において説明されるものと類似または同等の任意の方法および材料を、本発明の実施または試験において用いることができるが、一部の可能性があるおよび好ましい方法および材料をこれから説明する。本明細書において言及される全ての刊行物は、該刊行物によって引用されるものと関連する方法および/または材料を開示および説明するために、参照により本明細書に組み入れられる。本開示は、矛盾が存在する程度までは、組み入れられる刊行物のいかなる開示にも優先することが理解される。
本明細書においておよび添付の特許請求の範囲において用いられる場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上そうではないとする明確な指示がない限り、複数への言及を含むことに、注意しなければならない。したがって、例えば、「1つの発作(a seizure)」への言及は、複数のそのような発作を含み、「その製剤(the formulation)」への言及は、当業者に公知の1つまたは複数の製剤、およびその同等物、などを含む。
本明細書において議論される刊行物は、本出願の出願日以前のその開示のためだけに提供される。本明細書におけるいずれも、本発明が先行発明のせいでそのような刊行物に先立つ権利を与えられないという承認として解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、実際の刊行日とは異なる可能性があり、個別に確認する必要があり可能性がある。
複数の関連特許出願(US 2017-0056344-A1;US 2017-0071949-A1;US 2018-0055789-A1;およびUS 2018-0092864-A1)および発行された特許(9,549,909;9,610,260;9,603,814;および9,603,815)の対象と同様に、フェンフルラミンは、てんかんの症状を処置する、寛解させる、または最小化する、例えば、発作の回数、強度および/または長さを低下させるのに有効であることが見出された。フェンフルラミンは、てんかん、特に、ドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群などのてんかん性脳症の処置において特に有用である。
認知機能は、てんかんの症状を患っている患者において損なわれる可能性がある。例えば、実行機能(「高次」認知機能と呼ばれることもある)は、実験室ベースの能力測定を用いて、または実行機能の行動評価尺度(BRIEF)を用いることによって評価することができる。
認知機能を測定するために用いられる複数の有効な検査が存在し、これらには、実行機能の行動評価尺度(BRIEF)、ウェクスラー記憶検査、MOCA(モントリオール認知評価)尺度、実行機能:神経行動評価および研究のための手段および機器(EXAMINER)、ならびに他の臨床および/または指標尺度が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書の下記において説明されているように、フェンフルラミンの投与は、認知機能に影響を及ぼす疾患および障害を処置するのに有益である可能性があることを発見した。いくつかの態様において、対象/患者は、認知機能疾患または障害を改善および処置するためにフェンフルラミンを投与され得る。いくつかの態様において、患者は、てんかんの症状についても処置されている。本明細書において、BRIEF検査を患者に施行し、処置前(すなわち、ベースライン)BRIEFスコアを得て、次いでフェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩で患者を処置し、次いで、処置後しばらくして、BRIEF検査を患者に再施行して処置後スコアを得ることによる、患者における実行機能の行動評価尺度(BRIEF)スコア(これらに限定されないが)などの尺度によって評価される、認知機能を改善および測定するため方法、ならびにBRIEFスコアの有意な改善があるかどうかを判定するための方法が提供される。
実行機能の行動評価尺度(BRIEF)
実行機能の行動評価尺度(BRIEF)検査は、Gerard Gioia, Ph.D.、Peter Isquith, Ph.D.、Steven Guy, Ph.D.、およびLauren Kenworthy, Ph.D.によって最初に開発された(Gioia, et al., (2000). Child Neuropsychology. 6(3):235-238)。BRIEF質問紙は、自宅および学校環境内での2~18歳の小児における実行機能を測定するための、標準化された有効な評価尺度である。それらは、任意の特定の障害に特異的ではない形で日常生活における実行機能について複数の評価者に質問する標準化された方法を提供するように設計されており、広範な小児に適用可能である。
BRIEFに関して、実行機能という用語は、目的的行動、目的を目指す行動、問題解決行動を担う関連する認知機能の集合を含む包括的構成概念として用いられる。この調整機能または管理機能の集合を構成する具体的な下位ドメインには、行動を開始する能力、競合する行為または刺激を抑制する能力、関連する課題目標を選択する能力、複雑な問題を解決する手段を計画および組織化する能力、必要なときに柔軟に問題解決戦略をシフトする能力、ならびに行動をモニタリングおよび評価する能力が含まれる。
BRIEF-Pは2~5歳の未就学児用のものであり;BRIEFは6~18歳用のものであり;BRIEF-SRは11~18歳の青年期の自己報告専用のものであり;BRIEF-Aは18~90歳の成人の自己/情報提供者報告用のものである。
障害特異的なものではないことから、BRIEFは、学習障害および注意障害、外傷性脳損傷、鉛曝露、広範性発達障害、うつ状態、ならびに他の発達上の、神経学的な、精神医学的な、および医学的な状態に関連するものなど、広範な困難を経験する小児および青年期における実行機能行動を評価するために用いられ得る。
検査形式
BRIEF検査では、親/介護者および/または患者(例えば、小児または青年期の自己報告)が、質問紙の形式で一連の記述または質問に回答し、ここで、「N」=問題にならない、「S」=ときどき問題になる、および「O」=しばしば問題になるの回答を用いて、説明または評価されている行動が過去6カ月に発生していることを示す。
BRIEF親および教師評価フォームの質問紙はそれぞれ、8種類の非オーバーラップ臨床尺度および2種類の妥当性尺度中に86項目を含む。理論的および実証的分析に基づき(前記Gioiaの第5章を参照)、該臨床尺度は、組み合わせて以下の2つの指標:(a)行動調整(3種類の尺度)、および(b)メタ認知(5種類の尺度)、ならびにBRIEFの8種類全ての臨床尺度を考慮しかつ小児の全般的実行機能を表す集約スコアである、全般的実行構成(Global Executive Composite)(GEC)を形成する。回答のネガティビティおよび不整合を測定するための2種類の妥当性尺度も存在する。ネガティビティ尺度に対するスコアは、回答者が普通ではなくネガティブに選択項目を回答した程度を測定するのに対して、不整合尺度に対するスコアは、回答者が矛盾して類似項目を回答した程度を示す。
行動調整指標(BRI)は、適切な抑制の制御を介して認知的な構えを転換しかつ感情および行動を調節する小児の能力を表す。それは、抑制、シフト、および感情コントロールの尺度で構成される。適切な行動調整は、適切なメタ認知問題解決に対する前触れとなる可能性がある。行動調整は、積極的で系統的な問題解決に成功裏に導く、より一般的には適切な自己調整をサポートするメタ認知プロセスを可能にする。
メタ認知指標(MI)は、ワーキングメモリにおける未来志向的問題解決を開始、計画、統合、および持続する小児の能力を表す。この指標は、課題を認知的に自己管理し、彼または彼女の能力実行をモニタリングする小児の能力を反映する能力として解釈される。MIは、さまざまな状況で積極的に問題を解決する小児の能力に直接関連する。それは、開始、ワーキングメモリ、計画/組織、道具の整理、およびモニタの尺度で構成される。
行動調整尺度
・抑制:衝動性を制御する能力(抑制制御)および行動における活動を止める能力を測定する。
・シフト:ある活動/状況から別のものへ自由に移動する能力;移行;変化を許容する能力;注意を切り替えるまたは入れ替える能力;問題解決柔軟性を測定する。
・感情コントロール:情動反応を適切に調節する能力を測定する。
メタ認知尺度
・開始:活動を開始する能力およびアイディアまたは問題解決戦略を独立して作製する能力を測定する。
・ワーキングメモリ:情報を符号化するときに、または連続して目標/計画を作成するときに、課題を完了することを目的として情報を心に保持する能力を測定する。
・計画/組織:未来の事象を予測する能力;目標を設定する能力;工程を開発する能力;主なアイディアを把握する能力;書面によるまたは口頭による表示で主な点を組織および理解する能力を測定する。
・道具の整理:作業場所、遊び場所および保管場所(例えば、デスク、ロッカー、バックパック、および寝室)に秩序をもたらす能力を測定する。
・モニタ:作業をチェックし、自分自身の実行を評価する能力;他の人々に対する自分自身の行動の作用の経過を追う能力を測定する。
施行
BRIEFは、施行するのが非常に簡便であり、フォームの写しおよび鉛筆のみを必要とする。親用フォームは、親(好ましくは両親)によって記入される。1つの好ましい基準は、かれらが過去6カ月にわたって小児と最近接触をしているべきだというものである。同様に、教師用のフォームは、この1カ月に学校で小児と長時間の接触を有していた任意の成人(教師または補助者)によって記入することができる。比較目的に有用であることから、教室間での複数の評価が強く推奨される。
信頼性および妥当性
BRIEFに含めるために選択された質問は、臨床医にとって情報価値を有する可能性が最も高い、評価者間信頼性相関および項目合計相関に基づいて決定された。BRIEFは、高い再試験信頼性(rs≒ .88(教師で)、 .82(親で))、内的一貫性(Cronbachのα係数≒ .80~ .98)、および親の評価と教師の評価との間の中程度の相関(rs≒ .32~ .34)を有する、優れた信頼性が実証されている。BRIEFの妥当性の収束的側面および弁別的側面についての証拠は、感情機能および行動機能の他の尺度とのその相関を通じてもたらされる。BRIEFはまた、注意欠陥/多動障害(ADHD)を有する病床のおよび非病床の小児および青年期に区別する際も有用性を示している。
スコア付けおよび解釈
BRIEF質問紙の全尺度の素スコアは、親用フォームおよび教師用フォームの両方について別々の基準表、数値Tスコア、百分位数、および小児の性別ごとに4つの発育年齢群(5~18歳)についての90%信頼区間を提供する、Software Portfolio(BRIEF-SP)によってコンピュータ解析することができる。Tスコアは、標準化サンプルにおける他の回答者のスコアと比較した小児の個別のスコアについての情報を提供する。百分位数は、所定の素スコアを下回る標準化サンプルにおける小児のパーセンテージを表す。
BRIEF質問紙から収集した臨床情報は、小児および家族の病歴の説明および小児の行動の観察を含む完全な評価の状況の中で最もよく理解される。したがって、BRIEFで得られた高スコアは、実行機能の特定のドメインにおける高次の機能不全を示唆する。7以上のスコアが評価者回答において高い不整合の程度を意味することを考慮して、不整合の尺度にも特に注意を払うべきである。
使用
BRIEFは、さまざまな障害および能力障害を有する小児を評価するのに有用である。特に、BRIEFは多くの場合、学習障害、トゥーレット症状群、外傷性脳損傷、広範性発達障害、高機能自閉症、低出生体重を含む、発達状態および/または後天性神経状態を有する小児における実行機能を評価するために用いられる。BRIEFは最も多くの場合、注意欠陥/多動障害を評価するために用いられる。
注意欠陥/多動障害
BRIEFはこの障害に典型的に関連する特有の行動(例えば、ワーキングメモリ、メタ認知スキル)を利用することから、BRIEFは多くの場合、小児におけるADHDを評価するために用いられ、子どもの行動評価システム(BASC)などの他の評価システムより優れていることが示されている。
McCandless & O'Laughlin(2007)は、BRIEFのメタ認知尺度および行動調整尺度が、ADHDを有するおよび有さない小児を特定するのに臨床的に有用であることを見出した。特に、メタ認知尺度(ワーキングメモリ下位尺度)は、ADHDの存在を特定するのに有用であるのに対して、行動調整尺度(抑制下位尺度)は、この障害の不注意型サブタイプと混合型サブタイプ(すなわち、不注意型と過活動型)とを区別する際に臨床的優位性を示した(McCandless & O' Laughlin (2007) Journal of Attention Disorders. 10(4):381-389)。
BRIEFはまた、ADHDと他の診断との間の相違を強調するのにも有用であった。例えば、親は、ADHD、ADHDおよび読書障害(RD)、RDのみ、または診断無しの診断を有した小児(6~11歳)についてBRIEFで報告を行う。ADHDを有する小児は、正式な診断が調べられていない小児と比較してBRIEF尺度の全てについてより高いスコアを示し;読書障害を有する小児は、メタ認知尺度のワーキングメモリおよび計画/組織の下位尺度で大きな困難を示した。
本開示の局面によれば、フェンフルラミン処置は、例えば、(これらに限定されないが)実行機能の行動評価尺度(BRIEF)、ウェクスラー記憶検査、MOCA(モントリオール認知評価)尺度、実行機能:神経行動評価および研究のための手段および機器(EXAMINER)、または認知機能を測定する他の有効な臨床および/もしくは指標尺度などの複数の有効な尺度の1つに対する改善によって評価することができる、認知機能を改善するのに有効な期間にわたってかつ有効な量で継続する。
BRIEF検査が、親/介護者および/または患者(例えば、小児または青年期の自己報告)に施行される場合、回答は、2つの主な指標(行動調整指標(BRI)およびメタ認知指標(MI))内で測定されたある特定の認知機能が過去6カ月に生じているかどうかを示す。BRIは3つの尺度(抑制、シフト、および感情コントロール)を含み、MIは5つの尺度(開始、ワーキングメモリ、計画/組織、道具の整理、およびモニタの尺度)を含む。
臨床全般印象度、CGIの評価は、NIMHが支援する臨床試験で使用するために開発され、治験薬を開始する前および後に患者の全般的機能の臨床医の観点の簡便な独立した評価を提供する。CGIは、患者の病歴、心理社会的状況、症状、行動、および患者の機能能力に対する症状の影響の知識を含む全ての入手可能な情報を考慮する、臨床医により判定される全般的な集約尺度を提供する。
CGIは実際、以下を評価する二組一項目尺度を含む:(a)1から7の精神病理の重症度、および(b)同様の7段階評価での処置の開始からの変化。臨床評価の後、CGIフォームは、経験のある評価者によって1分未満で完了することができる。実際には、CGIは、単なる症状チェックリストを越えるものを包含する臨床的印象を表す。それは容易に理解可能であり、研究者以外の臨床医が比較的容易に用いることができる。その上、CGIは、時間全体にわたって臨床的進行を追跡することができ、広範な精神診断にわたって、より長い時間を要する評価手段と相関することが示されている。
臨床実務では、CGIは、試験中の疾患および処置の起こり得る進行に精通している経験のある臨床医によって施行される。したがって、CGI評価者は、その臨床経験の状況の中で種々の時点にわたって疾病の重症度について専門的な臨床全般的判断を行うことができる。臨床医は、各訪問時の患者の全体像:疾病重症度、窮迫および機能障害の他の側面の患者のレベル、ならびに機能に対する疾病の影響について判断を行う。CGIは、いずれかの臨床的変化が薬物療法を原因とするあるいはしないという臨床医の意見に関係なく、かつ症状の病因を考慮することなく、評価される。
CGI-I評価はまた、親もしくは介護者または頻繁に患者を観察しかつ交流するあらゆる人によっても行われてもよい。そのような評価は、疾患を有する他の患者での経験に基づくものではないが、治験医師または処置を行う医師によって行われるものより頻繁に観察された個別の患者の心理および精神機能の観察された変化および変動に対して行われる。
フェンフルラミンで処置した患者において、認知検査でのスコアの顕著かつ予想外な改善が観察された。例えば、BRIEF検査を受けた際に、フェンフルラミンを摂取した患者は、認知機能の改善を示す傾向で、BRI尺度および/またはMI尺度内の複数の尺度でスコアを改善しており、これは、プラセボで処置したてんかん患者においてこれらの尺度で観察された認知機能低下の傾向とは反対であった。
フェンフルラミンで処置した患者において、統計的に妥当である臨床全般印象度スコアの顕著かつ予想外な改善が、本明細書において記載される臨床試験時に患者において示され、これには、数カ月および数年の処置にわたって続く、中等度改善および著明改善の評価の増加を含む。処置作用としてのCGIの改善は、改善を示す患者のパーセンテージによって示される。
本明細書において記載される場合、「認知機能の改善」という記載は、フェンフルラミン処置後に、BRIEF、ウェクスラー記憶検査、MOCA、および/またはEXAMINER尺度などの認知機能の有効な尺度に対する患者のスコアが、ベースラインスコアと比較して改善することを意味する。いくつかの態様において、認知機能の改善は、パーセント改善として測定され、統計的に有意である。いくつかの態様において、少なくとも1つのスコアは、5%以上、10%以上、15%以上、25%以上、50%以上、または75%以上だけ改善される。
本明細書において記載される場合、「臨床全般印象度の改善」という記載は、フェンフルラミン処置後に、CGI-Iなどの神経系機能の有効な尺度に対する患者のスコアが、CGI-Sベースラインスコアと比較して改善することを意味する。いくつかの態様において、機能の改善は、ベースラインでの評価スコアを割り当てることおよび新たな評価スコアで患者を再評価することによって測定される。改善は、以前のランクを上回る少なくとも1つのレベルのランクの改善を達成することによって示される。神経系機能改善は、処置を受ける患者または疾患の状態に応じて、行動、認知、運動能力(運動失調、振戦、歩行異常)、会話、敏捷性、または発作の頻度もしくは重症度に関連する症状の評価を含んでもよい。
疑いを回避するために、発作の「予防」という用語は、発作の完全なまたは部分的な予防(抑制)を意味する。理想的には、本発明の方法は、発作の完全な予防をもたらす。しかしながら、本発明はまた、発作の事例が、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、または少なくとも90%だけ頻度が減少する、方法も包含する。加えて、本発明はまた、発作の事例が、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、または少なくとも90%だけ重症度の期間が減少する、方法も包含する。
セロトニン(5-HT)は、哺乳類神経系における多数の感覚、運動、および行動プロセスを調節すると考えられているモノアミン作動性神経伝達物質である。これらの多様な反応は、受容体サブタイプの大きなファミリーの活性化を通じて誘発される。このシグナル伝達系の複雑さおよび選択薬の不足は、5-HT受容体サブタイプの具体的な役割を明確にすること、またはセロトニン作動性薬がどのように気分および行動を調節しているか決定することを難しくする。セロトニン受容体の多くのサブタイプのうち、1Bおよび2Cサブタイプは、摂食および体重の調節に最も強く関連付けられ、これらの受容体は、食物摂取調節に関与すると考えられる視床下部領域に発現する。1Bおよび2C受容体アゴニストの両方とも、げっ歯類における摂食を抑制することが認められており、2C受容体ノックアウトマウスは、慢性的な過食および肥満を呈する。さらに、機能的5-HT2C受容体(以前には5-HT1Cと呼ばれる)を欠損するノックアウトマウスは、肥満、部分レプチン抵抗性、増加した脂肪沈着、インスリン抵抗性、および耐糖能障害に繋がる、食欲過剰が認められた。このように、5-HT2C受容体は、食物摂取および体重のセロトニン作動性制御に関与すると報告されている。ノックアウトマウスは、発作に由来する自然死の傾向もあり、5-HT2C受容体が神経ネットワーク興奮性の持続性抑制も媒介することが示唆された(Tecott LH, et al. Eating disorder and epilepsy in mice lacking 5-HT2C serotonin receptors. Nature. 1995, 374(6522):542-6)。
フェンフルラミン、すなわち、3-トリフルオロメチル-N-エチルアンフェタミンは、以下の構造:
Figure 2023116729000004
を有する、アンフェタミン誘導体である。
フェンフルラミンは、2種類のエナンチオマー、デクスフェンフルラミンおよびレボフェンフルラミンのラセミ混合物であり、気分、食欲、および他の機能を調節する神経伝達物質である、セロトニンの循環レベルを増加させることが報告されている。
フェンフルラミンは、肥満を処置するために1973年に米国で初めて市販された。しかしながら、1997年に、フェンフルラミンは、その使用が心弁膜症および肺高血圧症の発症に関連付けられたことから、米国および世界市場から撤退した。その後、この薬物は世界的に販売が撤回され、もはや、いかなる治療領域においてもその使用は適応となっていない。理論に拘束されるものではないが、食欲抑制剤としてのフェンフルラミンの使用に付随する有害作用は、心弁膜症に関連する、フェンフルラミンの主要な代謝産物ノルフェンフルラミンの、5-HT2Bとの相互作用に起因すると考えられる。
フェンフルラミン、およびその主要な代謝産物ノルフェンフルラミンは、ノルエピネフリントランスポーターの強力な基質であると報告された。(Rothman, et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 305(3):1191-9)。フェンフルラミンはまた、特に、その活性代謝産物ノルフェンフルラミンを介して、比較的低い程度でのノルエピネフリン放出物質としても機能する。フェンフルラミンは、神経伝達物質の小胞貯蔵を破壊し、セロトニントランスポーター機能を元に戻すことによって、セロトニンの放出を引き起こす。高濃度で、ノルフェンフルラミンは、ドーパミン放出物質としても機能し、そのようなフェンフルラミンは、非常に高い用量でそれを同様になし得る。モノアミン放出に加えて、フェンフルラミンは、セロトニン5-HT2受容体に非常に弱く結合し、ノルフェンフルラミンは、セロトニン5-HT2Bおよび5-HT2C受容体に高親和性で、セロトニン5-HT2A受容体に中等度親和性で結合しかつ活性化する。増加したセロトニン作動性およびノルアドレナリン作動性神経伝達の結果は、満腹感および食欲の低下である。
高用量のフェンフルラミンが成人肥満の処置に用いられたときに生じた過去の心血管安全性の懸念にもかかわらず、潜在的な治療効果に対するフェンフルラミンの公知の心血管リスクを比較検討しながら、その製品のさらなる治療用途を特定しようとする試みが行われている。新たな治療選択肢が非常に必要とされている1つの障害はてんかんであり、特に、既知の処置に治療抵抗性であるてんかん症候群である。てんかんは、異常な放電によって誘発されかつ反復性の発作に対する感受性を特徴とする、枢神経系(CNS)の機能障害である。これらに限定されないが、出産時外傷、周産期感染症、無酸素症、感染性疾患、毒素の摂取、脳の腫瘍、遺伝性疾患または変性疾患、頭部損傷または外傷、代謝異常、脳血管発作、およびアルコール離脱を含む、多数のてんかんの原因が存在する。
いくつかの抗てんかん薬が開発されているが、てんかんを有する患者のおよそ3分の1は処置に対して治療抵抗性を有する。したがって、細胞興奮性を調節することができる新たなメカニズムおよび薬物療法の探索が続いている。部分発症発作に特に有効である3種類の薬物は、GABAの全脳レベルを大幅に増加させる選択的かつ不可逆的GABAトランスアミナーゼ阻害剤である、ビガバトリン;ニューロンおよびグリア細胞へのGABA取り込みの強力な阻害剤である、チアガビン;およびNa+依存性および/またはCa2+依存性活動電位の改変、ニューロンへのGABA媒介性Cl-流入の増強、およびAMPA/カイニン酸型のグルタミン酸受容体でのカイニン酸媒介コンダクタンスの抑制を含む、複数のメカニズムを介してその抗てんかん作用を生じると考えられる、トピラマートである(Angehagen, et al., 2003, Neurochemical Research, 28(2):333-340)。
歴史的に、てんかん患者におけるフェンフルラミンの有効性の調査は、共通のパラダイム、すなわち、「フェンフルラミンの主作用は、発作を引き起こすまたは誘発する行動に対するものであり、発作自体を治療または予防するものではなかった」をもたらした。
例えば、AicardiおよびGastaut(New England Journal of Medicine (1985), 313:1419 and Archives of Neurology (1988) 45:923-925)は、自己誘発光過敏性発作、すなわち、明るい光または太陽の中で故意に始まる、患者によって引き起こされる発作の4つの症例が、フェンフルラミンによる処置に反応することが認められたと報告した。
Clemensは、Epilepsy Research (1988) 2:340-343において、抗けいれん治療に対して治療抵抗性耐性を有するパターン感受性誘導発作(pattern sensitivity-induced seizure)を患っている少年をフェンフルラミンで処置し、患者の強迫発作を誘発する行動を抑えている症例を報告した。報告によると、フェンフルラミンは、これらの自己誘発発作を成功裏に終わらせた。Clemensは、これは、フェンフルラミンが光過敏性刺激メカニズムを遮断し、二次的に、発作刺激行動/強制に向けての病理学的推進力を減らすためであり、すなわち、発作自体を治療することによるものではないと結論付けた。
Neuropaediatrics, (1996); 27(4):171-173において、BoelおよびCasaerは、全員が強迫性発作誘発性の行動を示す、治療抵抗性てんかんを有する小児に対するフェンフルラミンの作用に関する試験を報告した。彼らは、フェンフルラミンが0.5~1 mg/kg/日の用量で投与したときに、これによって、患者が経験する発作の数の低下がもたらされたことを観察し、「この薬物は、特発性または症候性全般性てんかんを有する若年の患者の選択群、すなわち、自己誘発性発作を有する小児において優位な抗てんかん活性を有し得る。」と結論付けた。著者らは、「フェンフルラミンは直接的な抗てんかん活性を有さないが、発作を誘発する強迫衝動に対するその作用を通じて作用することは十分にあり得る。」と記述した。したがって、著者らは、フェンフルラミンは、行動に影響を与え、発作それ自体ではないことを示唆した。
その学術誌(Epilepsia, 43(2):205-206, 2002)において刊行された、てんかんに対する短報において、BoelおよびCasaerは、フェンフルラミンは、難治性てんかんおよび自己誘発性発作を有する患者において治療効果を有するように思われる。」と論評した。しかしながら、著者らは、フェンフルラミンの効果が全般的な抗発作活性の原因になるとは考えなかった。
多数のてんかんのサブタイプが特徴付けされており、それぞれが、それ自体の特有の臨床症状、徴候、および表現型、病態生理基礎、ならびにさまざまな処置に対する異なる反応を伴う。本開示は、ドラベ症候群、ドーゼ症候群、乳児けいれん、およびレノックス・ガストー症候群を含む、さまざまな異なるタイプのてんかんおよびてんかんサブタイプの範囲に関して適用可能である。特徴付けされている多数のてんかんのサブタイプが存在する。例えば、最新の分類体系、かつ当技術分野において広く認められているものは、国際抗てんかん連盟(「ILAE」)の分類・用語委員会によって採択されたものである。[例えば、Berg et al., “Revised terminology and concepts for organization of seizures,” Epilepsia, 51(4):676-685 (2010)を参照]:
I. 発症年齢別に整理した脳波・臨床症候群:
A. 新生児期(1.良性家族性新生児てんかん(BFNE)、2.早期ミオクロニー脳症(EME)、3.大田原症候群);
B. 乳児期(1.遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん、2.West症候群、3.乳児ミオクロニーてんかん(MEI)、4.良性乳児てんかん、5.良性家族性乳児てんかん、6.ドラベ症候群、7.非進行性疾患のミオクロニー脳症);
C. 小児期(1.熱性けいれんプラス(FS+)(乳児期から発症することがある)、2.Panayiotopoulos型症候群、3.ミオクロニー脱力(旧用語:失立)発作を伴うてんかん、4.中心側頭部棘波を示す良性てんかん(BECTS)、5.常染色体優性夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)、6.遅発性小児後頭葉てんかん(Gastaut型)、7.ミオクロニー欠神てんかん、8.レノックス・ガストー症候群、9.睡眠時持続性棘徐波(CSWS)を示すてんかん性脳症、10.Landau-Kleffner症候群(LKS)、11.小児欠神てんかん(CAE);
D. 青年期‐成人期(1.若年欠神てんかん(JAE)、2.若年ミオクロニーてんかん(JME)、3.全般強直間代発作のみを示すてんかん、4.進行性ミオクローヌスてんかん(PME)、5.聴覚症状を伴う常染色体優性てんかん(ADEAF)、6.その他の家族性側頭葉てんかん);
E. 年齢との関連性が低いもの(1.多様な焦点を示す家族性焦点性てんかん(小児期から成人期)、2.反射てんかん)。
II. 明確な特定症状群:
A. 海馬硬化症を伴う内側側頭葉てんかん(MTLE with HS);
B. Rasmussen症候群;
C. 視床下部過誤腫による笑い発作;
D. 片側けいれん・片麻痺・てんかん;
E. 1.推定される原因(既知の構造的または代謝性疾患の有無)、次に2.主な発作の発現様式(全般または焦点性)に基づいて識別される、他のてんかん。
III. 構造的/代謝性の原因に帰し、原因別に整理されるてんかん:
A. 皮質形成異常(片側巨脳症、異所性灰白質など);
B. 神経皮膚症候群(結節性硬化症複合体、Sturge-Weber症候群など);
C. 腫瘍;
D. 感染;
E. 外傷。
IV. 血管腫:A. 周産期脳障害、B. 脳卒中、C. 他の原因。
V. 原因不明のてんかん。
VI. てんかん発作を伴う疾患であるがそれ自体は従来の分類ではてんかん型として診断されないもの:A. 良性新生児発作(BNS);およびB. 熱性けいれん(FS)。
Berg et. al, “Revised terminology and concepts for organization of seizures,” Epilepsia, 51(4):676-685 (2010))を参照。
ILAE分類体系の第V部は、リストが完成には程遠く、十分に特性解析されていないかまたは明確な症候群として認識されていないままであるてんかんのサブタイプが依然として存在する、という事実を強調する。
当業者は、てんかんのさまざまなサブタイプが、さまざまな刺激によって誘発され、さまざまな生物学的経路によって制御され、遺伝的な、環境的な、および/または脳の疾患もしくは損傷を原因とするかに関わらず、さまざまな原因を有することを認識している。換言すると、当業者は、ある1つのてんかん性サブタイプに関連する関係は、通常、他のサブタイプに必ずしも適用できるわけではないことを認識している。さまざまなタイプのてんかんを処置するために用いられる多数の化合物が存在し、かつさまざまなてんかんサブタイプはさまざまな抗けいれん薬に異なって反応するという事実は、特に重要である。すなわち、特定の薬物は、てんかんの1つの形態に対して有効であるかもしれないが、他の形態に対して全く無効であるか、さらには症状の増悪、例えば、発作の頻度および重症度の悪化のために禁忌ですらある可能性がある。結果として、特定のタイプのてんかんに関する特定の薬物の有効性は全く予測不能であり、特定の薬物が、その薬物が有効であることが以前に知られていなかったてんかんのタイプを処置するのに有効であるという発見は、薬物が別のてんかんタイプに対する有効性が知られている場合ですら、たいていの場合驚くべきことである。さらに、下記に詳細に説明するように、フェンフルラミンによるてんかんのある形態の有効な処置は、ある特定の他の治療剤との同時投与および/または該治療剤との処置に禁忌である。
フェンフルラミンで処置され得るてんかんの1つの形態は、ドラベ症候群として知られる。ドラベ症候群は、乳児期に始まる難治性てんかんの希少かつ破滅型(catastrophic)形態である。Dravet Foundation.orgによれば、ドラベ症候群を有する小児は、成長とともに状態を脱することはなく、ドラベ症候群は自身の日常生活のあらゆる側面に影響を及ぼす。発作障害を有する小児はまた、行動および発達の遅延;運動およびバランスの問題;骨の問題;言語および会話の遅延の問題;成長および栄養の問題;睡眠障害;慢性感染症;ならびに自律神経機能障害、例えば、体温を調節する問題などにも直面するが、これらの症状の発症は一様ではなく、一部の患者は一部の症状に罹患し、他には罹患しない可能性があり、さまざまな程度に影響を受ける。この障害を有する人々は、発作時の死亡リスクもより高い。
初めに、生後1年で、ドラベ症候群を有する患者は遷延性発作を経験する。2年で、さらなるタイプの発作が発生し始め、これは、典型的には、恐らく脳低酸素症などの脳損傷を引き起こす反復性発作が理由で、発達遅延が同時発生する。
認知障害および問題行動は、ドラベ患者における共通の特徴である。障害は、質の点では比較的均一であるが、程度は異なる。発達遅延は、2年目から次第に明らかになる。概して、小児は正常な年齢で歩行を始めるが、不安定歩行が非常に長い期間にわたって生じる。言語も正常な年齢で始まるが、進歩は極めて緩徐であり、多くの患者は、簡単な文章を構成する段階に到達しない。患者の巧緻運動機能は十分には発達しない。それらは、分節ミオクローヌスによっておよび視覚と手の協調不良によって妨げられる。睡眠障害は多くの場合で存在する。より軽度の認知機能障害を有する患者ですら、図柄を描くことができない可能性があり、活字体の文字でのみ文字を書ける可能性がある。集中力の欠如は、学習障害、ならびに多動および反抗的な行動を担う主要因子の1つである。罹患した小児は、落ち着きがなく、大人の言うことを聞かず、教育玩具で遊ぶことまたは彼らの年齢群の日常活動に参加することに興味を示さない。逆に、罹患した小児は多くの場合、パズルを解いたり、漫画を繰り返し見たりすることはできる。これらの特性の全てが全患者に存在するとは限らず、特性は、最近の診断による患者ではあまり重度ではない傾向を示す(Dravet, C. Epilepsia, 52(Suppl. 2):3-9, 2011)。発作の発生後の数カ月間での、親の観察および神経心理学的検査は、発達の減速、および一部の場合には、認知尺度の低下、および/または認知測定の大幅な変動があることを確認する(Ragona, F., Epilepsia, 52(Suppl. 2):39-43, 2011)。
ドラベ症候群を有する小児は、1日に複数回の発作を経験しやすい。てんかん性発作は、ドラベ症候群の罹患者に死をもたらす可能性が極めて高く;ドラベ症候群と診断された患者のおよそ10~15%は小児期に死亡し、一部の場合では2~4歳の間である。患者の死亡時の平均年齢は、8.7±9.8歳(SD)であると報告され、死亡の73%は10歳前に起こり、93%は20歳前に起こる。加えて、患者は、整形外科的発達問題、成長障害、および慢性感染症を含む、多くの関連状態のリスクがある。
ドラベ症候群を有する小児は、5分以上続くけいれん性発作である、てんかん重積状態のエピソードの傾向があることが、特に懸念される。この重篤かつ難治の状態は、典型的には、静脈内抗けいれん薬物療法および/または医療行為による人工的昏睡のための入院を伴う、即時の医療介入を必要とする医療的緊急事態として分類される。てんかん重積状態は、死に至るおそれがある。それはまた、おそらく脳組織への損傷につながる、重篤な脳低酸素症を付随する可能性もある。ドラベ症候群を有する小児の頻繁な入院は、患者だけでなく家族および介護者も明らかに苦しめる。
ドラベ症候群患者の治療コストもまた、罹患した小児が常に管理を必要とし、かつその多くが、彼らが10代に到達するときに施設に入所する必要があることから、高額なものとなる。
ドラベ症候群における発作は、管理が難しい可能性があるが、クロバザム、スチリペントール、トピラマート、およびバルプロエートなどの抗けいれん薬物療法によって低下され得る。障害の経過は個々人の間で異なることから、処置プロトコールは異なっていてもよい。ケトン食療法として知られている脂肪が高く炭水化物が低い食事もまた有益である。食事調節は助けになり得るが、それは症状を取り除くものではない。処置または治療のより優れた形態が発見されるまで、この疾患を有する患者は、残りの人生の間、ミオクローヌス性てんかんを有する。
現在、いくつかの抗けいれん療法が、ドラベ症候群を有する患者における発作の例を低下させるために利用することができるにもかかわらず、そのような療法によって得られた結果は典型的には不十分なものであり、そのような療法がもたらすのはせいぜい発作の部分的な停止のみである。ドラベ症候群に関連する発作は典型的には、従来の処置に対して治療抵抗性である。さらに、クロバザムおよびクロナゼパムなどの多くの抗けいれん剤は、望ましくない副作用を有しており、それらは特に、小児患者において急性かつ顕著である。
てんかんではない脳は、興奮(発作を誘発できる)および抑制(発作を低下できる)の自然なバランスを有する。ナトリウムチャネルブロッカーは主に、多くの場合、不活性化状態からの回復を遅らせ、それによってNa+の累積低下を生じることによって、その休止、活性化および不活性化のサイクルの特定の段階でナトリウムチャネルに影響を及ぼす。ナトリウムチャネルブロッカーは、(SCN1A変異関連てんかんを除いて)過剰な興奮性神経伝達によって引き起こされるてんかんを処置するのに広く用いられる。一部のてんかんでは、ナトリウムチャネルブロッカーは、興奮性および/または抑制性神経伝達物質の不均衡を修正し、発作を生じにくくなるように機能し得る。しかしながら、ナトリウムチャネルブロッカーは、一部のてんかんの処置において有益であるものの、ナトリウムチャネルブロッカーは、ほぼ全てのドラベ症候群患者において発作のより高い発生率につながることが認められていることから、このクラスの薬物はドラベ症候群では禁忌である。
理論に拘束されるものではないが、ドラベ症候群を有する患者のおよそ70~90%は、2,009アミノ酸を含有する、ナトリウムイオンチャネル(Nav1.1)のα1サブユニットをコードし、かつ、かつ抑制性ニューロンにおいて主に発現する、SCN1A遺伝子のナンセンス変異を有する。ドラベ症候群を有する患者の少なくとも70~80%は、ナトリウムチャネル機能の喪失を引き起こす、遺伝子のエクソン中にSCN1A変異を有する。Dravetは、85%もの患者がSNC1A変異を有することを示唆している(Dravet C., The core Dravet syndrome phenotype. Epilepsia 2011; 52 (Suppl 2): 3-9)。一部の研究者は、SCN1A遺伝子のコード領域のみが配列決定されていることから、残りの患者の多くは、このチャネルの発現を損なうまたは妨げる遺伝子の調節領域(コード配列の外側)において変異を保有している可能性があると予測する。NaV1.1チャネルに機能喪失変異を有するマウスは、興奮性錐体ニューロンに対する検出可能な作用なしに海馬GABA作動性抑制性ニューロンにおいてナトリウム電流および活動電位発火の重篤な障害を有し、この障害は、興奮性亢進を引き起こし、ドラベ症候群で観察される発作の一因となる。SCNA1によってコードされるNaV1における完全な機能喪失変異は、ドラベ症候群を引き起こし、重篤な難治性てんかん、ならびに運動失調、歩行異常、言語および会話の問題、睡眠障害、および認知機能障害の併存症を伴う。
機能が損なわれたNav1.1チャネルでは、ナトリウム電流および活動電位発火は、運動失調の一因となる可能性がある小脳、ならびに概日リズム障害および睡眠障害の一因となる可能性がある視床の網様核および海馬の視交叉上核においても、GABA作動性Purkinjeニューロンでも同様に機能が損なわれている(Noebels et. al., Jasper's Basic Mechanisms of the Epilepsies, 4th edition, Bethesda (Md.): National Center for Biotechnology Information (US); 2012)。
NaV1.1チャネルにおける軽度の機能喪失変異が、家族性熱性けいれんと呼ばれる軽度のてんかん表現型に存在することから、統合機能喪失仮説が、NaV1.1チャネルにおける遺伝子変化によって引き起こされるてんかん症候群のスペクトラムについて提案されている:軽度の機能障害は熱性けいれんの素因になり、中等度の機能障害はGEFS+てんかんにつながり、重度の機能の喪失は難治性けいれんおよびドラベ症候群の併存症を引き起こす。(Catterall WA, et al., NaV1.1 channels and epilepsy. J. Physiol. 2010; 588: 1849-59)。
この分野の専門家は、ナトリウム電流の低下は興奮性亢進よりむしろ興奮性低下をもたらすはずであることから、(通常の2つとは対照的に、遺伝子の機能的コピーの一方のみが不全である)ハプロ不全が、NaVチャネルの健常な神経ネットワーク機能を維持するのに十分ではなく、てんかんを引き起こすことに驚ろかされた。ドラベ症候群における興奮性亢進および併存症の機構的基礎は、マウスにおけるSCN1A遺伝子の標的化欠失または変異によって作製された動物モデルを用いて試験された。ホモ接合性ヌルNaV1.1(-/-)マウスは運動失調を発症し、出生後(P)15日目に死亡した(Ogiwara, et al., 2007, J. Neurosci. 27:5903-5914., Yu, et al. 2006, Nat. Neurosci. 9:1142-1149)。ヘテロ接合性NaV1.1(+/-)マウスは、遺伝的バックグラウンドに著しく依存して、P21後に始まる自発性発作および散発性死を示した。
NaV1.1の喪失は、海馬ニューロンにおけるナトリウムチャネルの電位依存性活性化または不活性化を変化させなかった、しかしながら、ナトリウム電流密度は、NaV1.1(+/-)マウスおよびNaV1.1(-/-)マウスの抑制性介在ニューロンにおいて実質的に低下したが、興奮性錐体ニューロンではそうではなかった。このナトリウム電流の低下は、海馬および皮質の介在ニューロンにおける活動電位の持続性高頻度発火の喪失を引き起こし、それによって、活性電位の高頻度バーストの発生に依存するそのインビボ抑制性機能を損なわせた。
ナトリウムチャネルブロッカーが一部のてんかんにおいて発作活動を予防すると報告されていることを考慮すると、ナトリウムチャネルブロッカーによりSCN1A機能を欠くドラベ患者を処置することは、ドラベ症候群を有する患者において発作を予防することが期待される可能性がある。そうではなく、ナトリウムチャネルブロッカーによるドラベ症候群を有する患者の処置は、発作活動の増加につながる。1つの説明は、ドラベ症候群患者では、問題は過剰な興奮ではなく、むしろ少な過ぎる抑制である可能性がある。したがって、ドラベ症候群患者に対してナトリウムチャネル遮断薬を与えることは、脳における抑制性神経伝達物質の量を減少させ、より多い発作活動へとバランスを変化させる。よって、ナトリウムチャネルブロッカーとして分類されるある特定の抗けいれん薬は現在、多くのドラベ患者において発作を増悪させることが知られている。よって、本開示によれば、ナトリウムチャネルブロッカー薬は、本発明との関連では禁忌である可能性があり、以下:フェニトイン、カルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリギン、オクスカルバゼピン、ルフィナミド、ラコサミド、エスリカルバゼピンアセタート、およびホスフェニトインを含み得る。同様に、チアガビンおよびビガバトリンを含む選択的GABA取り込み阻害剤/GABAトランスアミナーゼ阻害剤も、ドラベ症候群において避けるべきである。二重盲検プラセボ試験が、GABAA受容体の正のアロステリック調節因子として、スチリペントール、GABA作動性物質を用いて実施された。この薬物は、クロバザムおよびバルプロエートに追加され、焦点性治療抵抗性てんかんならびにドラベ症候群を改善することが認められ、試験において有効性を示した。
スチリペントールは、強直間代性発作の割合を70%まで低下することが認められ、ドラベ症候群の処置について欧州、カナダ、日本、およびオーストラリアで承認されているが、米国では承認されていない。スチリペントールはそれ自体でいくらかの抗けいれん活性を有するが、他の抗けいれん剤の代謝を抑制し、それによってそれらの活性を延長させることによって、主に機能する。スチリペントールは、クロバザムおよびバルプロエートとの併用がラベルに表示されている。しかしながら、肝臓のチトクロームP450酵素に対するその阻害作用のためにスチリペントールの使用に関して、懸念が残る。さらに、スチリペントールと多数の薬物との相互作用は、組み合わせ療法(ドラベ症候群を有する患者で典型的に必要である)が問題となることを意味する。加えて、スチリペントールの有効性は限定されており、患者がこれまでに無発作になる場合はほとんどない。
複数の薬物療法に由来する副作用または有害事象は相加され、不耐容性のために療法の有効性を限定されることから、ドラベ症候群の治療のための多剤併用、2種類以上の抗てんかん薬の使用は、著しい患者への負担をもたらすおそれがある。換言すると、薬物療法の利益の小ささが、薬物が患者に対して有しているリスクまたは負の作用に勝らない可能性がある。
より多くの薬物抵抗性発作を有する場合、ベンゾジアゼピン、バルプロエート、および/もしくはスチリペントール、または臭化物およびトピラマートによる処置、ならびにケトン食療法および迷走神経刺激などの非薬剤介入は、代替処置として用いられる。処置には、精神運動療法および会話療法による認知リハビリテーションも含まれる。加えて、バルプロエートは多くの場合、熱性けいれんの再発を予防するために投与され、かつベンゾジアザピンは長期にわたる発作のために用いられるが、これらの処置は通常不十分である。
種々の化合物が、さまざまなタイプのてんかんを処置するために試験されており、さまざまなてんかんサブタイプがさまざまな抗けいれん薬に対して異なって反応する。例えば、カンナビジオール(CBD)は、ドラベ症候群の治療について米国でオーファンドラッグ認定を受けており、カンナビジオールは、ドラベ症候群における薬剤抵抗性発作の治療について試験されており、けいれん発作の頻度を低下させると報告された(Devinsky, et al., 2017, NEJM 376(21):2011-2020)。
フェンフルラミンによって処置され得るてんかんの別の例示的形態は、レノックス・ガストー症候群(LGS)である。LGSは、1960年に初めて記載され、神経学者William G. Lennox(Boston, USA)およびHenri Gastaut(Marseille, France)にちなんで名づけられた。LGSは、最も多くの場合2歳から6歳の間に現れる、小児期に発症するてんかんの難治性形態であるが、より低年齢または高年齢でも発症する可能性がある。LGSは、頻繁な発作および様々な発作タイプによって特徴づけられ、それは典型的には、発達遅延ならびに精神的および行動的な問題を伴う。小児では、LGSの一般的原因には、周産期脳損傷、結節性硬化症または皮質形成異常症などの脳形成異常、CNS感染症、および神経系の変性または代謝異常が含まれる。
日常的な複数回のさまざまなタイプの発作は、LGSにおいて典型的である。また、広範な発作を発生させることも典型的である。最も一般的な発作タイプは、体軸強直発作、脱力発作、および欠伸発作であるが、ミオクローヌス性発作、全般性強直間代発作、および焦点性発作もまた、任意のLGS患者において発生し得る。脱力発作、非定型欠伸発作、強直発作、焦点性発作、および強直間代発作も一般的である。加えて、多くのLGS患者は、眩暈、無感情、および無反応によって特徴づけられる、多くの場合非けいれん性であるてんかん重積状態を有する。さらに、大部分の患者は、筋肉を脱力させ、患者を突然かつ予測不能に地上に倒れこませ、多くの場合重篤な外傷をもたらす、矢立発作とも呼ばれる脱力発作を有し、これは、患者が多くの場合、頭部損傷を予防するためにヘルメットを着用する理由となる。
毎日の複数回の種々のタイプの発作に加えて、LGSを有する小児はしばしば、精神運動発達の停止/遅滞および行動障害を有する。
この症候群はまた、脳波(EEG)に対する特定の所見、具体的には、発作間欠期(すなわち、発作と発作の間)の遅棘徐波複合および睡眠時の速律動によっても特徴付けられる。
診断
LGSは症候群であり、したがって、その診断は、特定の臨床症状、徴候の存在、および臨床検査に基づく。LGSは典型的には、複数のタイプの発作、精神発達遅滞または退行、および全般性遅棘徐波発射を伴う異常なEEGを含む、3つの特徴によって特定される。医師は、LGSの診断を補助するためにEEGを用いる。強直発作などのLGSに関連する3つの特徴は、十分に確立されていない可能性があるため、診断は、初期症状の発症時には難しい可能性があり、睡眠時EEGが状態を確定するのに必要とされる。したがって、臨床像に他のてんかんとの重複がある可能性があったとしても、LGSは、世界をリードするてんかんの専門家の医学会と考えられる国際抗てんかん連盟(ILAE)およびFDAの双方によって、明確に定義された診断であると合意されている。
脳波(EEG)の典型的パターン、すなわち、遅律動の棘徐波パターンを有する、または1.5~2.5 Hzで多焦点性および全般性鋭徐波発射を有する、高頻度の多彩な発作を患者が患っている場合、LGSの診断はより明白である。睡眠時に、硬直パターン(速律動)が多くの場合、認められる。
一般的な医学調査は通常、LGSを有する小児において発達遅延および認知障害を明らかにする。これらは発作の発生に先行する可能性がある、または明らかになるのに発作が始まった後2年も要する可能性がある。
LGSには、遺伝的、構造的、代謝的、または原因不明のものを含む複数の病因が存在する可能性がある。およそ4分の1は、LGS症状の発症以前には、てんかんの既往歴、神経学的異常または発達遅延を有さない。LGSを引き起こす基礎病理には、脳炎および/または髄膜炎、脳形成異常(例えば、皮質形成異常)、出生時損傷、低酸素症-虚血性損傷、前頭葉の病変、および外傷が含まれ得る。
重要な鑑別診断は、小児期の非定型良性部分てんかんとも呼ばれる、「偽レノックス症候群」であり、それは強直発作がないという点でLGSとは異なり、睡眠時EGGは、これら2つの間を区別するための最良の根拠を提供する。加えて、「偽レノックス症候群」は、LGSとは全く異なる病因および予後を有する。
処置
レノックス・ガストー症候群のための最適な処置法は、未だ確立されていない。多くの異なる医薬および療法が過去に試されており、一部は依然として、さまざまな成功の程度で、この障害の処置において現在用いられている。例えば:ラモトリギン、フェルバマート、ルフィナミド、クロバザム、クロナゼパム、トピラマートは、USおよびEUで承認されている。ニトラゼパムおよびバルプロエートはEUで承認されており(かつUSで用いられており)、ゾニサミドおよびベンゾジアゼピンは、(現在承認されていないが)USおよびEUで使用されている。USおよびEUで用いられるMpm薬理療法には、迷走神経刺激、ケトン食療法、および手術が含まれる。
従来的な抗てんかん薬物療法、食事療法および手術を含む、種々の治療的アプローチがLGSにおいて現在用いられているが、これらの療法を裏付ける証拠は堅固なものではなく、処置はほとんどの場合効果が不十分なままである。複数の一般的な第一選択処置の使用は、臨床的経験または従来的な知見に基づいている。例としては、広いスペクトラムの抗けいれん薬物療法、例えば、バルプロ酸、およびベンゾジアゼピンなど、ほとんどの場合にはクロナゼパムおよびクロバザムが挙げられる。少数の薬物は、二重盲検プラセボ対照試験によってある特定の発作タイプで一部の患者に有効であることが証明されている。例としては、クロバザム、ラモトリギン、トピラマート、フェルバメート、およびルフィナミドが含まれるが、大部分の患者はこれらの薬剤を摂取している間でさえも重篤な発作を有し続ける。ゾニサミドなどの現在用いられている第二選択薬は、いくつかの非盲検一般試験の結果に基づいて処方される。薬剤処置に対して治療抵抗性であるLGSを有する一部の患者では、ケトン食療法が有用である可能性がある。LGSでの外科的選択肢は、脳梁離断術(転倒発作について)、迷走神経刺激、および局限性皮質切除(切除可能な単一病変の存在下において)を含む。しかしながら、単独でまたは組み合わせでのこれらの治療法のいずれかからの著しい改善はまれにしか起こらないことに留意すべきである。
LGSの症状の重症度およびそれが起こる頻度(全小児期てんかんの10%までを占める)にもかかわらず、現在のところ該疾患について標準的な根拠に基づく処置は存在しない。文献の包括的な総説[Hancock EC & Cross JH, Treatment of Lennox-Gastaut syndrome(総説),published in The Cochrane Library 2013, Issue2を参照]によると、該症候群の薬物処置を評価するランダム化比較試験は9つのみであったことが見出された。著者らは、研究には不足があり、「…(今まで)この症候群において極めて有効であると示された単剤療法はない」と結論付けた(同文献12頁)。著者らはさらに、「LGSの最適な処置は未だ不確かであり、現在まで、いずれか1つの薬物が極めて有効であると示した研究はない」と結論付けた(同文献12頁)。
理論に拘束されるものではないが、フェンフルラミンは、その小胞貯蔵の破壊によって脳におけるセロトニン(5-HT)の放出を誘発し、セロトニン再取り込みを阻害することが知られていた。フェンフルラミンの作用メカニズムは、それをてんかんの処置に適したものとした。実際、5-HTの異常がLGSの根底にある病態生理学的原因の候補であること、またはこの特定のてんかん状態に関連する発作と因果関係があることを示す科学的な刊行物はなく、またはそれを仮定している刊行物すらない。さらに、LGSにはセロトニン異常に関連する科学的な仮説がなかったことから、医学文献において、セロトニンと相互作用する薬物療法を用いてLGSを処置する試みを説明する研究はなく、個々の症例報告すらない。文献において、LGSを処置するためのフェンフルラミンまたはセロトニン作動性物質の一般的な使用に関するデータまたは推測すらないことは、本発明の予想外の性質を強く裏付ける事実である:LGSが壊滅的な治療抵抗性てんかん状態であること、および罹患した人々の数を考慮すると、治験医師は、有効性について何らかの可能性があると認識されるいずれかの処置について研究を行うように強く動機付けられる。
したがって、本開示によれば、本明細書において、有効用量のフェンフルラミンを患者に投与することによって、患者の脳における1つまたは複数の5-HT受容体を刺激することにより、てんかんを処置する方法が提供され、該1つまたは複数の5-HT受容体は、5-HT1、5-HT1A、5-HT1B、5-HT1C、5-HT1D、5-HT1E、5-HT1F、5-HT2、5-HT2A、5-HT2B、5-HT2C、5-HT3、5-HT4、5-HT5、5-HT5A、5-HT5B 5-HT6、および5-HT7などのうちの1つまたは複数から選択される。本発明の本局面のある特定の態様において、患者はてんかんと診断されている。
いくつかの態様において、フェンフルラミンは、てんかん、特に、ドラベ症候群、レノックス・ガストー症候群、またはてんかん性脳症の他の形態を有する患者の処置において用いられてもよく、ここで、患者は、認知機能の低下に関連する疾患または障害も有する。
認知機能障害は、基礎認知機能と「高次」実行機能の両方の破壊などのてんかんの症状を患っている患者において観察され得る。実行機能は、従来、ワーキングメモリ、自己調整、抑制の制御、および注意の制御の認知能力を包含し、往々にして、実験室ベースの能力尺度を用いて、または実行機能の行動評価尺度(BRIEF)などの検査を用いて評価される。本明細書において、フェンフルラミンによる処置が(例えば、BRIEFによって測定される)認知機能を改善できることが発見されかつ説明されている。
本開示は、患者の認知機能(例えば、BRIEF、ウェクスラー記憶検査、MOCA、EXAMINER、または他の尺度によって測定される)を、特に小児および若年成人において、改善するための方法および組成物を提供する。いくつかの態様において、患者はまた、てんかん性疾患または障害、例えば、ドラベ症候群および/またはレノックス・ガストー症候群についても処置されている。本開示は、ある期間にわたるフェンフルラミンの投与が、例えば、BRIEF、ウェクスラー記憶検査、MOCA、EXAMINER、または他の尺度によって測定される、認知機能の改善に関連するという発見に関連することから、そのような必要性を満たす助けとなる。本明細書において記載されるように、フェンフルラミンの投与は、認知機能に影響を及ぼす疾患および障害を処置するのに有益である可能性があることが発見されている。
本発明の特定の局面は、フェンフルラミンにより小児の(18歳を含む、18歳までの青年期を含む)患者を処置し、学校、職場、または自宅での日常生活におけるBRIEFまたは認知機能の他の尺度に対する小児または青年期の能力を改善することを含む。
本発明の別の特定の局面は、フェンフルラミンにより成人(18歳を超える)患者を処置し、学校、職場、または自宅での日常生活におけるBRIEF、ウェクスラー記憶検査、MOCA、EXAMINER、または認知機能の他の測定に対する成人の能力を改善することを含む。
本開示の局面は、フェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩を患者に投与する工程を含む、患者において認知機能を改善するおよび/または認知機能の改善を測定する方法を含む。いくつかの態様において、フェンフルラミンは、数ヶ月または数年(例えば、1、2、3、6、9、12、15、18、21ヶ月など、例えば、3年まで、3年も含む)の期間にわたって投与されてもよい。認知機能の尺度は、認知機能の改善の定性的および定量的尺度として、フェンフルラミン処置の前および後の両方に(例えば、フェンフルラミン処置の開始後3ヶ月毎、6ヶ月毎、1年毎、および該処置の過程にわたって継続して)、患者に対してBRIEF検査、ウェクスラー記憶検査、MOCA、EXAMINER、または他の尺度を施行することを含み得る。
いくつかの態様において、患者は、てんかんまたはてんかん性脳症(例えば、ドラベ症候群、ドーゼ症候群、乳児けいれん、レノックス・ガストー症候群);注意障害(例えば、注意欠陥障害(ADD)または注意欠陥多動障害(ADHD));自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害(PDD)(PDD-NOS)を含む、自閉症スペクトラム障害(ASD)などの発達障害;反抗挑戦性障害(ODD);学習障害(例えば、失読症、計算障害);トゥーレット症状群;外傷性脳損傷;鉛曝露;不安および/もしくはうつ状態;ならびに低出生体重、またはそれらの任意の組み合わせより選択される疾患または状態と診断されている。
いくつかの態様において、患者はドラベ症候群と診断されている。
いくつかの態様において、患者はてんかん性脳症と診断されている。
いくつかの態様において、てんかん性脳症の症状は発作であり、ここで、フェンフルラミンは、薬学的に許容される担体と共に製剤化され、有効用量は、10.0 mg/kg/日未満、または1.0 mg/kg/日未満、またはおよそ0.8 mg/kg/日、またはおよそ0.5 mg/kg/日、またはおよそ0.2 mg/kg/日、またはおよそ0.01 mg/kg/日である。
いくつかの態様において、フェンフルラミンは、経口、注射用、経皮、吸入、経鼻、直腸、膣内、および非経口送達からなる群より選択される投与形態で投与される。
いくつかの態様において、投与形態は、30 mg/日以下、20 mg/日以下、10 mg/日以下、および5 mg/日以下からなる群より選択される量での経口組成物である。いくつかの態様において、経口組成物は溶液である。
この方法のいくつかの態様において、フェンフルラミンは、患者に投与される唯一の薬学的活性成分である。
この方法のいくつかの態様において、フェンフルラミンは、患者において補助療法として用いられる。この方法のいくつかの態様において、フェンフルラミンは、てんかんまたはてんかん性脳症を有する患者において補助療法として用いられる。この方法のいくつかの態様において、フェンフルラミンは、ドラベ症候群またはレノックス・ガストー症候群(LGS)を有する患者において補助療法として用いられる。
いくつかの態様において、少なくとも1つの共治療剤が投与され、ここで該剤は、ブリバラセタム、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウム)、カンナビジオール、カルバマゼピン、クロニジン、エルゲニルクロノ、エトスクシミド、フェルバマート、ホスフェニトイン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、レボカルニチン、メスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、ペランパネル、フェノバルビタール、プレガバリン、プロガビド、ピリドキシン、ルフィナミド、スルチアム、チザニジン、トピラマート、スチリペントール、バルプロ酸セミナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、ベラパミル、ゾニサミド、およびベンゾジアゼピン、例えばクロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ロフラゼプ酸エチル、ロラゼパム、およびミダゾラム、ならびにそれらの薬学的に許容される塩または塩基からなる群より選択される。
いくつかの態様において、フェンフルラミン処置は、BRIEF、ウェクスラー記憶検査、MOCA、EXAMINER、または他の臨床および/もしくは指標スコアを介して評価される認知機能を改善するような量でおよびそうするような期間にわたって継続する。いくつかの態様において、認知機能の検査に対する患者のスコアは、統計的に有意なパーセンテージまで改善される。いくつかの態様において、患者の臨床全般印象度(CGI-I評価)が改善される。いくつかの態様において、患者のスコアの少なくとも1つのパラメータが5%以上、10%以上、15%以上、25%以上、50%以上、もしくは75%以上、または評価尺度の1以上のレベルだけ改善される。
いくつかの態様において、患者は、てんかんまたはてんかん性脳症についても処置されている。
いくつかの態様において、てんかんと診断された患者は18歳以下である。いくつかの態様において、てんかんと診断された患者は、18歳を超える成人である。
本開示の別の局面は、フェンフルラミン製剤、包装、および患者における認知機能を改善するのに使用するための説明書を含む添付文書を含む、キットを含む。
本開示の別の局面は、薬学的に許容される担体とフェンフルラミンを含む活性成分とを含む製剤の複数用量を含む容器;ならびに該製剤で患者を処置するためのおよび該製剤による処置の前および後に(例えば、BRIEF、ウェクスラー記憶検査、MOCA、EXAMINER 、または他の尺度によるスコアを得ることによって)患者の認知機能を評価するための説明書、を含むキットを含む。
体重による用量(mg/kg/日):本発明の態様において、任意の有効用量のフェンフルラミンを利用することができる。しかしながら、驚くほど低用量のフェンフルラミンが、特にてんかん患者における発作を抑制または除去するために、有効であることが発明者らによって見出された。いくつかの場合では、本発明の好ましい態様において、約10 mg/kg/日未満、例えば約9 mg/kg/日未満、約8 mg/kg/日未満、約7 mg/kg/日未満、約6 mg/kg/日未満、約5 mg/kg/日未満、約4 mg/kg/日未満、約3.0 mg/kg/日未満、約2.5 mg/kg/日未満、約2.0 mg/kg/日未満、約1.5 mg/kg/日未満、約1.0 mg/kg/日未満、例えば約0.95 mg/kg/日、約0.9 mg/kg/日、約0.85 mg/kg/日、約0.8 mg/kg/日、約0.75 mg/kg/日、約0.7 mg/kg/日、約0.65 mg/kg/日、約0.6 mg/kg/日、約0.55 mg/kg/日、約0.5 mg/kg/日、約0.45 mg/kg/日、約0.4 mg/kg/日、約0.350 mg/kg/日、約0.3 mg/kg/日、約0.25 mg/kg/日、約0.2 mg/kg/日、約0.15 mg/kg/日~約0.1 mg/kg/日、約0.075 mg/kg/日、約0.05 mg/kg/日、約0.025 mg/kg/日、約0.0225 mg/kg/日、約0.02 mg/kg/日、約0.0175 mg/kg/日、約0.015 mg/kg/日、約0.0125 mg/kg/日、または約0.01 mg/kg/日の1日用量が利用される。
言い換えると、好ましい用量は、約10未満~約0.01 mg/kg/日である。いくつかの場合では、用量は、約10.0 mg/kg/日未満~約0.01 mg/kg/日、例えば約5.0 mg/kg/日未満~約0.01 mg/kg/日、約4.5 mg/kg/日未満~約0.01 mg/kg/日、約4.0 mg/kg/日未満~約0.01 mg/kg/日、約3.5 mg/kg/日未満~約0.01 mg/kg/日、約3.0 mg/kg/日未満~約0.01 mg/kg/日、約2.5 mg/kg/日未満~約0.01 mg/kg/日、約2.0 mg/kg/日未満~約0.01 mg/kg/日、約1.5 mg/kg/日未満~約0.01 mg/kg/日、または約1.0 mg/kg/日未満~ 0.01 mg/kg/日、例えば約0.9 mg/kg/日未満、約0.8 mg/kg/日未満、約0.7 mg/kg/日未満、約0.6 mg/kg/日未満~約0.01 mg/kg/日、約0.5 mg/kg/日未満~約0.01 mg/kg/日、約0.4 mg/kg/日未満~約0.01 mg/kg/日、約0.3 mg/kg/日未満~約0.01 mg/kg/日、もしくは約0.2 mg/kg/日未満~約0.01 mg/kg/日である。
上記に示されるように、投与量は患者の体重に基づく。しかしながら、便宜上、投与量は、1.0 mg、2.5 mg、5 mg、10 mg、15 mg、20 mg、30 mg、40 mg、または50 mgの量などに予め調整されてもよい。ある特定の例において、投与量は、約0.25 mg~約5 mg、例えば、約0.25 mg、約0.5 mg、約0.75 mg、約1.0 mg、約1.25 mg、約1.5 mg、約1.75 mg、約2.0 mg、約2.25 mg、約2.5 mg、約2.75 mg、約3.0 mg、約3.25 mg、約3.5 mg、約3.75 mg、約4.0 mg、約4.25 mg、約4.5 mg、約4.75 mg、または約5.0 mgの量などに予め調整されてもよい。
概して、有効である最小用量が、特定の患者について用いられるべきである。
本明細書において説明される投与量は、1日投与量を提供するために1日に1回または複数回、例えば、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回以上、投与されてもよい。
ある特定の態様において、投与量は、30 mg以下、例えば約30 mg、約29 mg、約28 mg、約27 mg、約26 mg、約25 mg、約24 mg、約23 mg、約22 mg、約21 mg、約20 mg、約19 mg、約18 mg、約17 mg、約16 mg、約15 mg、約14 mg、約13 mg、約12 mg、約11 mg、約10 mg、約9 mg、約8 mg、約7 mg、約6 mg、約5 mg、約4 mg、約3 mg、約2 mg、または約1 mgの1日用量である。概して、有効である最小用量が、特定の患者について用いられるべきである。いくつかの場合では、用量は概して、体重減少で用いられる投与量をはるかに下回る。
投与の経路:本発明の方法によって投与されるフェンフルラミンの用量は、全身的にまたは局所的に投与することができる。投与の方法は、経口、頬側、舌下、および直腸などの経腸経路を介する投与;経皮および皮内などの局所投与;および非経口投与を含み得る。適した非経口経路には、皮下針またはカテーテルを介した注入、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内、動脈内、脳室内、髄腔内、および前房内注入、ならびに膣内、直腸、または経鼻投与などの注射でない経路が含まれる。ある特定の態様において、本発明の1つまたは複数の化合物を処置の必要な部位に局所的に投与することが望ましい可能性がある。これは、例えば、局所適用時の局所注入によって、注射によって、カテーテルの手段によって、坐薬の手段によって、またはシラスティック膜などの膜もしくはファイバーを含む、例えば、多孔性、非多孔性、もしくはゼラチン質の材料、から作られる埋め込み剤の手段によって達成され得る。
投与形態/投与の経路:本発明の方法において投与される用量のフェンフルラミンは、これらに限定されないが、(a)口腔内崩壊錠を含む錠剤、カプセル、およびロゼンジ、経口溶液もしくはシロップ、経口乳剤、経口ゲル、経口フィルム、頬側液剤、例えば懸濁液のためのパウダーなどの経口投与形態;(b)注射用投与形態;(c)経皮パッチ、軟膏、クリームなどの経皮投与形態;(c)吸入用投与形態;ならびに/または(e)経鼻、(f)直腸、(g)膣内に投与される投与形態を含む、任意の薬学的に許容される投与形態に製剤化することができる。
投与剤形/投与の頻度:そのような投与形態は、1日1回投与、または1日複数回の投与(例えば、1日に2、3、または4回の投与)のために製剤化することができる。あるいは、便宜上、投与形態は、より低い頻度での投与(例えば、毎月、隔週、毎週、3日おき、2日おき、もしくは1日おき)のために製剤化することができ、徐放を容易にする製剤は、当技術分野において公知である。
投与形態/調製、成分:本発明の方法において利用されるフェンフルラミンの投与形態は、薬学的製剤の技術分野における当業者に公知の方法で、フェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩を1つまたは複数の薬学的に許容される希釈剤、担体、およびアジュバント等と組み合わせることによって調製することができる。
経口投与形態/適した剤形&その成分:いくつかの態様において、経口投与に適した製剤は、(a)水または生理食塩水などの希釈剤に溶解した有効量の化合物などの液体溶液;(b)各々が予め決定された量の活性成分(フェンフルラミン)を固体または顆粒として含む、カプセル、サシェまたは錠剤;(c)適切な液体での懸濁液;および(d)適した乳剤、を含み得る。錠剤の形態は、ラクトース、マンニトール、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、微結晶性セルロース、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、および他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤、香味料、および薬学的に適合性の賦形剤の1つまたは複数を含み得る。ロゼンジ形態は、通常スクロースおよびアカシアまたはトラガントのような矯味剤の中に活性成分を含み得る;同様に、香錠は、ゼラチンおよびグリセリンなどの不活性の基剤、またはスクロースおよびアカシア中に活性成分を含み、乳剤およびゲルなどは、活性成分に加えて、本明細書において説明されるような賦形剤を含有し得る。
経口投与形態/賦形剤:経口固体の薬学的製剤では、適した賦形剤としては、マンニトール、ラクトース、グルコース、スクロース、デンプン、セルロース、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、および/または炭酸マグネシウムなどの医薬品グレードの担体が挙げられる。経口液体製剤における使用のためには、組成物は、溶液、懸濁液、乳剤、またはシロップとして調製されてもよく、例えば水性生理食塩水、含水デキストロース、グリセロール、またはエタノール、好ましくは水または生理食塩水などの水性担体中で水和するのに適した固体形態または液体形態のいずれかで供給される。望ましければ、組成物は、湿潤剤、乳化剤、または緩衝液などごく少量の非毒性補助物質も含有してもよい。
実例として、フェンフルラミン組成物は、従来薬学的に許容される担体および賦形剤(すなわち、媒体)と混合され、水溶液、錠剤、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、およびオブラート剤などの形態で用いることができる。そのような薬学的組成物は、ある特定の態様において、重量で約0.1%~約90%の活性化合物、より一般的には重量で約1%~約30%の活性化合物を含有する。薬学的組成物は、コーンスターチまたはゼラチン、ラクトース、デキストロース、スクロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、第二リン酸カルシウム、塩化ナトリウム、およびアルギン酸などの、一般的な担体および賦形剤を含有してもよい。本発明の製剤で一般的に用いられる崩壊剤は、クロスカルメロース、微結晶性セルロース、コーンスターチ、デンプングリコール酸ナトリウムおよびアルギン酸を含む。
局所投与に適した製剤は、活性成分に加えて、適切であるような担体を含有するクリーム、ゲル、ペースト剤、またはフォーム剤として提示されてもよい。いくつかの態様において、局所用製剤は、構造化剤、増粘剤またはゲル化剤、および軟化薬または潤滑剤から選択される1つまたは複数の成分を含有する。頻繁に利用される構造化剤としては、ステアリルアルコールなどの長鎖アルコール、ならびにそのグリセリルエーテルまたはエステルおよびオリゴ(エチレンオキシド)エーテルまたはエステルが挙げられる。増粘剤およびゲル化剤としては、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸のポリマーおよびそのエステル、ポリアクリルアミド、ならびに寒天、カラギーナン、ゼラチン、およびグアーガムなどの天然に存在する増粘剤が挙げられる。軟化薬の例としては、トリグリセリドエステル、脂肪酸エステルおよびアミド、蜜蝋、鯨蝋、またはカルナウバワックスのなどのワックス、レシチンなどのリン脂質、ならびにそのステロールおよび脂肪酸エステルが挙げられる。局所用製剤としてはさらに、例えば、収斂剤、香料、色素、皮膚浸透促進剤、日焼け止め剤(例えば日焼け防止剤)等の他の成分が挙げられ得る。
本発明の特定の製剤は経口液体の形態にある。液体は、溶液または懸濁液であってもよく、所定の体積の溶液において得られるであろうミリグラム量に関する目盛り付きのシリンジを伴うボトルに含まれる経口溶液またはシロップであってもよい。液体溶液は、小さな小児への適切な投与のための体積の溶液を調整することが可能であり、該小児は、フェンフルラミンを1.25 mg~30 mgの任意の量でおよび0.25 mgずつの増加量の間の任意の量で投与され、よって1.25 mg、1.5 mg、1.75 mg、2.0 mg等の量で投与され得る。
フェンフルラミンは、ブリバラセタム、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウム)、カンナビジオール、カルバマゼピン、クロニジン、エルゲニルクロノ、エトスクシミド、フェルバマート、ホスフェニトイン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、レボカルニチン、メスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、ペランパネル、フェノバルビタール、プレガバリン、プロガビド、ピリドキシン、ルフィナミド、スルチアム、チザニジン、トピラマート、スチリペントール、バルプロ酸セミナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、ベラパミル、ゾニサミド、およびベンゾジアゼピン、例えばクロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ロフラゼプ酸エチル、ロラゼパム、およびミダゾラム、ならびにそれらの薬学的に許容される塩または塩基からなる群より選択される共治療剤などの他の公知の薬物と同時投与されてもよい。
共治療剤は推奨投与量を有する。それらの推奨投与量は、具体的には上記に挙げられた共治療剤に関して、より具体的にはそれらの薬物について推奨される投与量に関して、それらの双方が参照により本明細書に組み入れられる、Physician’s Desk Reference(PDR)の最新版内でまたはemedicine.medscape.comのオンラインで提供される。
本発明に関連して、共治療剤は、推奨投与量で用いることができ、または、推奨投与量の100分の1~100倍、10分の1~10倍、5分の1~5倍、2分の1~2倍の範囲で、またはそれらの範囲の間の10分の1刻みの任意の量で用いることができる。
共治療剤とフェンフルラミンとの組み合わせの特定の例として、共治療剤は、スチリペントール、クロバザム、およびバルプロエートのうちの任意の1つ、任意の2つまたは3つ全てであってもよい。フェンフルラミンは、患者の体重kgあたり0.8 mg/kgの1日量で投与されてもよい。フェンフルラミンは、20 mgのクロバザムおよび/または25 mg/kgのバルプロエートと共にまたはそれらなしで、50 mg/kg/日のスチリペントールと同時投与するときに、患者の体重kgあたり0.5 mg/kgの1日量で投与されてもよい。そのような量の各量は、その量の2倍、3倍、5倍、または10倍の量に増やしても、または10%、50%、または75%だけ減らしてもよい。
代替の態様において、分注デバイスは、種々の用量のフェンフルラミン液を送達するのに有用なシリンジまたは目盛り付きピペットであってもよい。別の態様において、分注デバイスは、固定体積のフェンフルラミン液を分注できる定量投与デバイスである。1つの例示的な態様において、定量投与デバイスによって送達される用量は調整可能である。
製剤は、溶液または懸濁液であってもよく、所与の体積の製剤が既知の量の活性フェンフルラミンを含有するように調製される。
例えば、本局面の1つの態様において、分注デバイスは、1ミリリットル刻みの目盛り付きのシリンジであり、液体フェンフルラミン製剤は、製剤の体積中の1ミリリットルが、1ミリグラムのフェンフルラミンを厳密に含むように特徴づけられる。このように、患者は、患者に経口投与される液体製剤の体積に基づきフェンフルラミンの望ましいミリグラム投与量で正確に投与され得る。
代替の態様において、ディスペンサーは、取り出された製剤の体積を示す数段階の目盛りが付けられた、容器に連結されかつ容器から液体製剤を取り出すように構成されたシリンジ、または所定の体積の製剤を患者に送達するための定用量ディスペンサー、または簡便な、一貫した、かつ正確な投与を可能にする液体の所定の体積を送達するように較正される定量分注デバイスである。
この方法のいくつかの態様において、フェンフルラミンは、患者に投与される唯一の薬学的活性成分である。
この方法のいくつかの態様において、フェンフルラミンは、患者において補助療法として用いられる。この方法のいくつかの態様において、フェンフルラミンは、てんかんまたはてんかん性脳症を有する患者において補助療法として用いられる。この方法のいくつかの態様において、フェンフルラミンは、ドラベ症候群またはレノックス・ガストー症候群(LGS)を有する患者において補助療法として用いられる。
本発明の方法において、フェンフルラミンは、てんかんの処置において同時療法として利用することができる。フェンフルラミンは、単一の投与製剤においてフェンフルラミンと共に、または1つまたは複数の個別の投与製剤において別々に提供され得る、1つまたは複数の薬学的に活性な作用物質との組み合わせで同時投与することができる。別々の薬学的投与製剤が用いられる場合、対象組成物および1つまたは複数の追加の作用物質は、同時に、または時間差で別々に、すなわち、連続的に、投与することができる。
1つの態様において、作用物質は抗けいれんなどの共治療剤である。適した共治療剤は、ブリバラセタム、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウム)、カンナビジオール、カルバマゼピン、クロニジン、エルゲニルクロノ、エトスクシミド、フェルバマート、ホスフェニトイン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、レボカルニチン、メスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン(Oxcarbamazepine)、ペランパネル、フェノバルビタール、プレガバリン、プロガビド、ピリドキシン、ルフィナミド、スルチアム、チザニジン、トピラマート、スチリペントール、バルプロ酸セミナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、ベラパミル、ゾニサミド、ならびにベンゾジアゼピン、例えばクロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ロフラゼプ酸エチル、ロラゼパム、およびミダゾラムからなる群より選択することができる。共治療剤の薬学的に許容される塩の使用もまた企図される。
いくつかの態様において、対象/患者は、フェンフルラミンによる処置の前に薬剤によって以前に処置されたことがあってもよく、ここで、以前の剤は、アセタゾールアミド、ブリバラセタム、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、エルゲニルクロノ、エトスクシミド、フェルバマート、ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、ロラゼパム、メスクシミド、オクスカルバゼピン、ペランパネル、フェノバルビタール、フェニトイン、フェニトインナトリウム、プレガバリン、ルフィナミド、スチリペントール、スルチアム、トピラマート、バルプロ酸セミナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、ビガバトリン、ゾニサミド、およびこれらのいずれかの薬学的に許容される塩または塩基から選択される。
フェンフルラミンは、遊離塩基の形態で、または、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、トシル酸塩、コハク酸塩、メシル酸塩およびベシル酸塩からなる群より選択される薬学的に許容される塩の形態で投与することができる。さらに例示的な薬学的に許容される塩は、Berge et al., J. Pharm Sci. (1977) 68(1): 1-19において認められる。
本発明の方法における使用のためのフェンフルラミンは、当業者に公知の任意の薬学的に許容されるプロセスによって作製され得る。フェンフルラミンを合成するためのプロセスの例は、以下の文書において提供される:GB1413070、GB1413078、およびEP441160。
本発明の方法において用いられるべきフェンフルラミンの用量は、本発明の方法の1つまたは複数において該用量を用いるための説明書を含む、キットの形態で提供することができる。ある特定の態様において、キットは、1つまたは複数の共治療剤を含む投与形態を追加的に含むことができる。
本発明の方法は、適切に診断された任意の患者に対して実施することができる。本発明の代替の例示的な態様において、患者の年齢は、約18歳以下、約16歳以下、約14歳以下、約12歳以下、約10歳以下、約8歳以下、約6歳以下、または約4歳以下~約0ヶ月歳以上、約1ヶ月歳以上、約2ヶ月歳以上、約4ヶ月歳以上、約6ヶ月歳以上、または約1歳以上である。したがって、いくつかの態様において、診断された患者は、処置されるときに約1ヶ月齢~約18歳である。
いくつかの態様において、患者は18歳を上回る成人である。
本発明は、以下の実施例においてさらに説明される。
実施例1
フェンフルラミンによる治療およびBRIEFによって評価される認知機能改善についての検査-ドラベ症候群
Catarinoらは、ドラベ症候群を有する22名の成人患者の後ろ向き研究の結果を報告し、適切な抗てんかん薬(AED)へ切り替えた後の発作コントロール改善、ならびに認知機能の改善を経験していた3名の患者を見出した(Catarino CB, Liu JY, Liagkouras I, et al., 2011, Brain 134:2982-3010)。さらに、最近発表されたドラベ症候群におけるカンナビジオールの試験では、積極的処置群は、認知機能に対してプラセボと有意差を達成しなかった(Devinsky, NEJM 2017)。今日まで、ドラベ症候群(または任意の他のてんかん性脳症)におけるAEDの前向きプラセボ対照試験はいずれも、そのような利点を実証できておらず;本開示は、小児ドラベ患者のフェンフルラミン処置の前向きランダム化比較試験における認知機能の改善を初めて実証する。
理論に制限されないが、本試験では、てんかん性脳症を有する小児および成人において、認知機能障害は、発作、根底にある遺伝子異常、または両方の組み合わせによって引き起こされる可能性があると仮定した。歴史的に見て、例えば、フェンフルラミン処置による、1ヶ月けいれん発作頻度(MCSF)の有意な低下は、認知機能の改善に寄与する可能性がある(Brunklaus A, Zuberi SM. “Dravet syndrome--from epileptic encephalopathy to channelopathy.” Epilepsia 2014, 55:979-84; Catarino et al., “Dravet syndrome as epileptic encephalopathy: evidence from long-term course and neuropathology.” Brain 2011, 134:2982-3010)。しかしながら、認知機能の改善は以前のプラセボ対照試験で報告されていないことを考慮すると、フェンフルラミンの認知機能を改善する能力は、その発作頻度を低下させる作用に限定されない可能性があり、MCSFの低下ならびに遺伝的要因を含む他の要因の複合的相互作用である可能性がある。直接的な作用メカニズムは除外されていない。
本開示では、フェンフルラミンHCl経口溶液を、ドラベ症候群を有する小児および若年成人において補助療法として22週にわたって用い、最終安全性モニタリングのために試験薬の最終投与後3~6カ月追跡調査を行う、試験を実施した。
事前に決められた打ち切り日(cut-off date)の前にいずれかの試験に登録されかつ無作為に割り付けられた(予定される合計240名の対象のうち)最初の119名の継続的対象についての結果を本実施例において「試験1」として示す。
選択基準および除外基準
ドラベ症候群の臨床診断を裏付ける記録された医療歴および発作(全般性強直間代性または一側性間代性または両側性間代性、および遷延性のいずれか)の病歴を有する、境界も含めて2歳~18歳のヒト患者をリクルートし、年齢、身体的および精神的特徴、ならびに(任意で)通常療法による処置に対する抵抗性の組み合わせを含む基準に従って試験への選択のため選んだ。選択した対象を、この22週間の試験の過程にわたって評価した。試験プロトコールは、治験施設でいずれかの試験活性化の前に、各試験施設での治験審査委員会または倫理委員会によって審査されかつ承認された。全ての患者または彼らの法定代理人は、治験に登録する前にインフォームドコンセント/同意文書に署名した。
一部の患者では、高い温度への長期曝露により誘導される発作、および/または発作は、疾病またはワクチン、高温浴、高レベルの活動、および突然の温度変化を原因とする発熱に関連し、および/または発作は、強い自然光および/または蛍光の光、ならびにある特定の視覚パターンによって誘発される。
対象は、治験医師への親/後見人の報告または治験医師による医療記録によって、スクリーニング前の過去12週の間に4週間に≧4回のけいれん性発作(強直、強直脱力、強直間代性、間代性)を有した。
てんかんに対する全ての薬物療法または介入(ケトン食療法[KD]および迷走神経刺激[VNS]を含む)は、スクリーニング前少なくとも4週間にわたって安定であり、試験期間を通して安定なままであることが予想された。
対象の親/介護者は、日誌の記録、規定来院および治験薬の管理記録を行う意思および能力があった。
対象は、以下であることが知られている場合に除外される:フェンフルラミンまたは試験薬物中の賦形剤のいずれかに対して過敏性である;肺動脈性高血圧症の病歴を有する;心血管または脳血管疾患(例えば、心弁膜症、心筋梗塞、または脳卒中)の合併または既往歴を有する;中枢作動性食欲抑制剤、モノアミン酸化酵素阻害剤、またはセロトニンアゴニストもしくはアンタゴニスト特性を有する任意の中枢作動薬、スクリーニング前21日以内のスチリペントールによる処置で現在処置されている;またはスクリーニング時にテトラヒドロカンナビノールについての尿検査またはカンナビジオールについての全血検査が陽性である。登録の適格性は、Epilepsy Study Consortium(http://epilepsyconsortium.org/)によって承認された。
対象候補は、発作頻度を確かめかつ適格性を判定するために6週のベースラインに参加した。発作は、日付、時刻、継続時間、および発作のタイプについて電子治験日誌において親または介護者により記録された。無作為化についての適格性を満たすために、各対象は、ベースライン期間に、最初の3週で≧2回および最後の3週で≧2回を有する、≧6回のけいれん性発作を有さなければならない。この試験では、けいれん性発作は、明確な観察可能な運動徴候を伴う片側間代性、強直性、間代性、強直脱力、全般性強直間代性、および焦点性として定義される。6週のベースライン期間は、スクリーニング訪問によってはじまり、その後、日誌に記入される毎日の発作活動の記録に基づき、ベースライン発作活動について対象を評価する観察期が続く。ベースライン期間の最後に、適格性を有する患者は、二重盲検でプラセボに対して1:1:1で無作為に割り付けられ、フェンフルラミンHCl(pH 5に緩衝化した「ZX008」)の1回目の用量(0.2 mg/kg/日、0.8 mg/kg/日、30 mg/日の用量を超えない)を受けた。
無作為化は二重盲検で行われ、かつ処置群間で年齢群(<6歳、≧6歳)毎に層別化した。外観および味が同じであるプラセボ溶液も提供された。1日用量は2回の等しい用量で食事と共に投与され、一方は朝および一方はおよそ12時間おいた晩である。最初の2週間(漸増期間)で、フェンフルラミン0.8 mg/kg/日群の患者は、その最終用量へと盲検的に漸増され、0.2 mg/kg/日を4日間で開始し、0.4 mg/kg/日を4日間、その後、最終用量に到達した。他の群は、盲検を維持するためにダミーの漸増を受けた。患者は、さらに12週間にわたってその最終用量で維持された(維持期間)。処置期間(漸増プラス維持)の最後にあたり、任意の非盲検延長(OLE)試験において継続することを選択する適格性を有する患者は、2週間の移行期間を受けるのに対して、試験を終了する患者は2週間の漸減および追跡調査を受けた。
ZX008は、1.25、2.5、および5 mg/mLの濃度での経口溶液として供給された。対象は、2用量のうち1用量のZX008(0.2 mg/kg/日、0.8 mg/kg/日;最大30 mg/日)またはプラセボを受けるように無作為化に割り付けられる。試験薬は、1日2回(BID)等分した用量で食事と共に投与される。プラセボ群に対して、陰性対照として、フェンフルラミンを含有しない経口溶液が投与された。
いくつかの態様において、BRIEF、(患者の年齢により)BRIEF-AまたはBRIEF-Pを施行し、フェンフルラミンによる処置前の患者における認知機能ベースライン尺度を確立する。
BRIEF(BRIEF-AまたはBRIEF-P)を患者の無作為割り付け時に(処置開始(試験1日目)の1日前(試験「-1」日目)である3回目の訪問時)に施行した;BRIEFを8回目の訪問(試験43日目)時および試験の終了時に(12回目の訪問、試験99日目)に再び施行し、認知機能を評価した。当初、BRIEFは、処置が認知機能に対して何らかの負の作用をもたらすかどうかを評価するための安全性尺度として含まれた。しかしながら、驚くべきことに、認知機能に対する負の作用がないことに加えて、それよりも、統計的に有意な改善がBRIEFの実行機能指標スコアの一部において観察され、プラセボ処置群は3つの指標(すなわち、行動調整指標(BRI)、メタ認知指標(MI)、および全般的実行構成スコア(GEC))の全てを悪化させたことが、さらに予想外にも観察された。ベースラインと比較して、フェンフルラミンHCl(「ZX008」)0.8 mg/kg/日を受けた無作為化対象は、プラセボと比較してBRIEF BRI指標(P<0.05)およびBRIEF GEC指標(P<0.05)の両方で統計的に有意な改善を有することが観察され、ZX008 0.2 mg/kg/日群の対照は、BRI(P<0.05)で有意な改善を有することが観察された。
実施例2
フェンフルラミンによる治療およびCGI-Iによって評価される全般機能改善についての検査-ドラベ症候群
フェンフルラミンの一連の第III相試験において、CGI-SおよびCGI-I評価を臨床治験医師および親/介護者により行った。2つのランダム化比較試験におけるCGI変化を測定し、結果を本実施例において報告した。試験1を実施例1で説明するように実施し、CGI評価を診療所に合わせた既定の訪問スケジュールにしたがって行った。12回目の訪問(113日目)での試験1のCGI評価の結果の表および統計分析の棒グラフを図1~4に提供する。評価は、CGI-Iスコアの臨床的に意義のある改善を示した(中等度改善および著明改善のスコアの増加)。0.2 mg.kg.日または0.8 mg.kg.日いずれかの用量では、プラセボ群でそうだったものより有意に多くの親/介護者が、自身の小児を「著明改善」または「中等度改善」と評価した。同様の結果が、治験医師のCGI-I評価でも得られた。
試験1504、ドラベ症候群を有する小児および若年成人におけるスチリペントール処置に対する補助的抗てんかん療法としてのZX008の有効性、安全性、および忍容性のランダム化、二重盲検、プラセボ比較並行群間評価もまた、ベースライン期間および指定訪問時にCGI測定を行った。
患者選択および投与:6週間のベースライン期間は、スクリーニング訪問時、続いての観察期間の初回適格性の確立で構成され、ここで、対象は、ベースラインけいれん性発作頻度(CSF)を確かめる、日誌に記入された毎日の発作活動の記録に基づき、ベースライン発作活動について評価された。ベースライン期間の完了時に、試験の資格がある対象は、二重盲検で無作為割り付けされ(1:1)、ZX008(0.5 mg/kg/日の用量で、最大20 mg/日)またはプラセボを受けた。
無作為割り付けは、年齢群(≧2~<6歳および≧6歳)毎に層別化され、処置アーム間でバランスを確保した。患者は3週間にわたってその標的用量へと漸増され、次いで、12週間その固定用量に保たれた。漸増は3段階で行われ、試験1~7日目に0.2 mg/kg/日用量のZX008(または等量のプラセボ)で始め、試験8~14日目に0.4 mg/kg/日の用量に増加され、次いで、試験15~21日目に0.5 mg/kg/日の用量に増加された。どの時点でも最大1日用量は20 mg/日であった。漸増期間の継続期間は21日であった。漸増後、対象は、12週間の維持期間にわたってZX008 0.5 mg/kg/日(最大20 mg/日)またはプラセボのその無作為に割り当てられた用量で処置を続けた。
87名の患者を、ヨーロッパ、米国、およびカナダの試験実施施設にわたって、9歳の年齢中央値(範囲、2~19歳)で、処置アームおよびプラセボアームに無作為割り付けした。ベースラインCSFを確立する6週間のベースライン観察期間後、スチリペントール+他の抗てんかん薬のその安定的なバックグラウンドレジメンにZX008(n=43)またはプラセボ(n=44)を加える2つの処置群の一方に、患者を無作為に割り当てた。この試験における0.5 mg/kg/日(20 mg最大1日用量)のZX008用量は、スチリペントールとZX008との間の薬物・薬物相互作用を理由とする。
図5および6は、プラセボでの患者と比較したCGIの改善を示す、試験1504における患者のパーセンテージのグラフによる要約である。
試験1503は、1501、1502、または1504 コホート1および2における14週間の処置を成功裏に完了したドラベ症候群を有する対象におけるZX008の非盲検長期安全性試験であった。試験1503に登録した患者は、非盲検フェーズ参加後最大で24ヶ月にわたって全員がフェンフルラミン処置を受けた。CGI-S(ベースラインスコア)を1503へのエントリー時(すなわち、盲検での16週間の試験完了後)に判定し、次いで各患者の最終訪問時に再び判定した。図7および8ならびに表3および4は、7段階評価のそれぞれを有する患者の数および改善の統計的計算を示す。
対象がコア試験への参加を完了した場合の、ベースライン時および最終訪問時のCGI-I 親/介護者評価を表1および図4に提示する。最終訪問時に、204名の対象(82.3%)は改善(軽度改善、中等度改善、または著明改善)のCGI-I親/介護者評価を有し、155名の対象(62.5%)は中等度/著明改善または著明改善のCGI-I親/介護者評価を有した。ベースラインおよび最終訪問時のCGI-I治験医師評価を4および図8に提示する。最終訪問時に、217名の対象(85.4%)は、改善(軽度改善、中等度改善、または著明改善)のCGI-I治験医師評価を有し、163名の対象(64.2%)は、中等度/著明改善のCGI-I治験医師評価を有した。非盲検延長(OLE)で見られたCGI-Iスコアの改善は、コア試験で見られたスコア改善に対する改善であり、フェンフルラミンによる処置作用の継続的改善と持続性の両方を実証する。
安全性
治験薬投与下で発現した有害事象(TEAE)の発生率を試験期間にわたって連続的に監視した。TEAEは、治験医師によって軽度、中等度、または重度、および試験薬に関連または非関連、と等級分けされた。生命徴候、身長、体重、および臨床検査評価を各試験訪問時に実施した。実行機能の行動評価尺度(BRIEF)をベースライン時および処置期間の過程で定期的に施行し、認知機能に対する処置のいずれかの作用について評価した。ドップラー心エコー検査(ECHO)および12誘導心電図検査(ECG)を、スクリーニング/ベースライン期間、処置の6週間後、および維持期間の終了時処置の14週間後に実施した。ECGおよびECHOは、処置の無作為割り付けに盲検化された2名の独立した心臓専門医によって評価された。意見の不一致がある事象では、第3の心臓専門医に決定を委ねる。
統計解析
月間発作頻度のパーセンテージ変化の標準偏差は、ドラベ症候群患者における発作の処置についてのスチリペントールおよびカンナビジオールの以前のランダム化臨床試験からの結果に基づき、55%であると推定された。この前提に基づいて、1アームあたり40名の患者の標本サイズを決定し、α=0.05有意水準での両側検定を用いて40%の月間発作頻度のベースラインからの平均変化の差を検出するための90%検定力を提供する。
月間けいれん性発作頻度(MCSF)を28日毎に表した。主要評価項目は、プラセボで処置した群と比較した、ZX008 0.8 mg/kg/日で処置した対象における、ベースライン期間と漸増期間および維持期間を組み合わせた期間との間での平均MCSFの変化であった。5つの重要な副次的評価項目を事前に決めた:ベースライン期間と漸増期間および維持期間を組み合わせた期間との間でのMCSFの変化についての、ZX008 0.2 mg/kg/日群とプラセボとの比較;MCSFのベースラインからの≧50%低下を達成した対象の割合について、両ZX008群(独立して)とプラセボとの比較;および各群で観察された最長無発作期間について両ZX008群とプラセボとの比較。直列型(serial)ゲートキーピング法を用いて、主要評価項目および5つの重要な副次的評価項目の解析間でα=0.05で同時タイプ1エラー率を維持した。主要評価項目および全ての副次的評価項目の解析は、試験薬の少なくとも1用量を受けかつ少なくとも1週間の処置後発作日誌データを有した全ての対象として定義されるmITT集団に対して実施された。
主要評価項目を、因子として処置および年齢群(<6歳、≧6歳)、共変量として対数ベースラインMCSF、および反応として漸増期間および維持期間を組み合わせた期間での対数MCSFを用いる共分散分析(ANCOVA)モデルを用いて分析した。推定される処置差およびCI評価項目を累乗し、群間のパーセンテージ差の推定値を得た。ベースライン期間から漸増期間および維持期間を組み合わせた期間へのMCSFの変化についての、ZX008 0.2 mg/kg/日とプラセボとの比較を同様に分析した。主要評価項目分析と同じ因子を組み入れたロジスティクス回帰分析を用いてMCSFの≧50%低下を達成した患者の割合について、処置群を比較した。ウィルコクソンの順位和検定を用いて、最長無発作期間について群を比較し、ホッジス・レーマン推定量を用いて、群間の中央値差の95%CIを計算した。
追加の副次的評価項目
上記で説明したロジスティクス回帰を用いてMCSFの≧25%および≧75%低下を経験した患者の割合について、各ZX008用量群をプラセボと比較した。改善の臨床全般印象度(CGI-I)を、「著明改善」から「不変」まで「著明悪化」までの範囲の反応での7段階リッカート尺度により治験医師および親/介護者によって評価した。この評価は、盲検試験フェーズ時に、ならびに最大で24ヶ月間の処置期間を有する非盲検延長(OLE)試験時に行われた。各フェンフルラミン用量群において「著明改善」または「中等度改善」と評価された対象の割合を、年齢群によって層別化されたコクラン-マンテル-ヘンツェル検定を用いてプラセボと比較した。
全処置期間時にわたり、≦1回の発作を有するとして定義される発作消失またはほぼ発作消失を経験した各ZX008用量群における患者の割合を、プラセボと比較した。
全対象は、試験1において、最大でおよそ16週間にわたって(漸増期間=2週間;維持期間=12週間;漸減/移行期間=2週間)ZX008または釣り合う量のプラセボを受けた。維持期間の完了後、適格性を有する対象は、移行の完了後に非盲検延長(OLE)試験に登録することができた。OLE試験に登録しなかった対象は試験薬を漸減させた(用量は漸増と同様に盲検的に投与された、すなわち、用量は4日ずつ減少した)。ECGおよびECHOを含む追跡心血管安全性評価を、試験薬の最終用量後3~6ヶ月実施した。
試験1において、親/介護者および治験責任医師による改善の評価を可能にする臨床全般印象度(CGI)、ならびに対象の生活の質の変化を測定するための小児てんかんの生活の質(Quality of Life in Childhood Epilepsy)(QOLCE)尺度および小児の生活の質の尺度(Pediatric Quality of Life Inventory)(PedsQL)を用いて、対象を評価した。処置群間の比較は、ウィルコクソンの順位和検定を用いて行われた。
欠測データは有効性評価項目の分析に帰属させなかった。
CGI尺度は、特定の時点、すなわち、ベースライン期間からの対象の臨床状態の変化を測定する(および、CGI-S、重症度の初期ランクとも呼ばれる)。CGI評価尺度は、経時的な対象の改善の全般評価を可能にする。患者の状態の重症度は、以下のような1(著明改善)から7(著明悪化)の、7段階尺度評価で評価される。
1=著明改善
2=中等度改善
3=軽度改善
4=不変
5=軽度悪化
6=中等度悪化
7=著明悪化
2003年に、Varniおよび同僚は、小児および青年期の小児公衆衛生の尺度として23項目のPEDSQL 4.0(小児の生活の質の尺度)包括的コア尺度(Generic Core Scale)の実現可能性、信頼性、および妥当性を判定することを目的とした試験を発表した。この手段は、カリフォルニア州における2~16歳の小児がいる10,000を上回る家族に与えられた。Varni, et al.によると、親は、カットポイントとして>1 SEMまたは測定の標準誤差の変化を含む臨床的に意義があるとみなすことができた尺度それぞれの変化および集約スコアを報告した。
両方の有効な処置群において、PEDSQL合計スコアに基づく生活の質の有意な改善を経験した。有効な処置群はどちらも、プラセボに対して4つのコアスコアおよび3つの集約スコアの全てで大幅な改善を経験した。
有効な処置群におけるスコアは、プラセボ群におけるスコアと比較して改善されていることが観察され、フェンフルラミンは、BRIEF尺度を用いて測定される認知機能に対して作用を有したことを示した。
結果
合計173名の患者を適格性についてスクリーニングし、119名の患者を登録し、処置に無作為割り付けした。54名のスクリーニング不良が存在し、スクリーニング不良の最も一般的な2つの理由は、心血管異常または心肺異常の存在(主に僧帽弁逆流の痕跡および/または大動脈弁逆流の痕跡)(n=23、43%)および無作為割り付け条件を満たすことに失敗(n=19、35%)であった。9名の患者は、試験の完了前に離脱し、プラセボ群で3名(有効性の欠如(n=1)、対象/保護者の決断(n=2))、およびZX008 0.8 mg/kg/日群で6名(有害事象(n=5)、対象/保護者の決断(n=1))であった。試験1から合計112名の患者がOLE試験に参加した。
患者の人口統計およびベースライン発作頻度を表1に示す。患者の平均年齢は9.0±4.7歳であり、平均MCSFは41.9±65であった。患者はこれまで、平均2.4±1.0(平均値、2;範囲、0~5)で処置されていた。AEDは、最も一般的にバルプロエート(59.7%)、クロバザム(58.8%)、トピラマート(25.2%)、およびレベチラセタム(21.8%)を含んだ。58名(48.7%)の対象が以前にスチリペントールで処置されたことがあった。非けいれん性発作は、ZX008 0.8 mg/kg/日群では24名の患者(60%)、ZX008 0.2 mg/kg/日群では23名の患者(59%)、およびプラセボ群では21名の患者(53%)において報告された。試験薬に対する全体平均服薬順守は各処置群で>90%であった。
発作頻度
試験は、その主要有効性評価項目を高い統計的有意性で満たした。プラセボと比較して、ZX008 0.8 mg/kg/日群は、14週間処置期間にわたる平均MCSFの63.9%の大幅な低下を示した(P<0.001、表2)。ZX008 0.2 mg/kg/日群もまた、プラセボと比較して平均MCSFの有意な33.7%の大幅な低下を示した(P=0.019、表2)。平均MCSFのベースラインからの臨床的に意義のある低下が、0.8 mg/kg/日群の維持期間で測定した全ての時点で記録された:処置の6、10、および14週後にそれぞれ-62.4%、-61.8%、および-62.2%。より小幅な同様に良好な持続性を有する低下が、0.2 mg/kg/日群において観察された:同じ時点で-26.3%、-22.4%、および-22.2%。ZX008のいずれかの用量で処置された有意に大きな割合の対象が、プラセボ群における対象と比較して、処置期間時にMCSFの臨床的に意義のある低下(≧50%)または実質的な低下(≧75%)を示した(表2)。中央値最長無発作期間は、プラセボ(9日;表2)と比較してZX008 0.8 mg/kg/日群(20.5日;p<0.001)およびZX008 0.2 mg/kg/日群(14日;p=0.011)で有意に長かった。全14週間処置期間にわたる発作消失は、ZX008 0.8 mg/kg/日群で3名(7.5%)の対象、ZX008 0.2 mg/kg/kg群で3名(7.7%)の対象で経験され、プラセボ群では対象はいなかった。
ドラベ症候群患者における高い比率の発作を踏まえ、事後分析を実施し、14週間処置期間に0回または1回のみの発作を経験するとして定義された発作消失に近い状態の達成に対する処置作用を調査した。発作消失に近い状態は、ZX008 0.8 mg/kg/日群で10名(25%)の対象、ZX008 0.2 mg/kg/日群で5名(12.8%)の対象、およびプラセボ群では0名の対象で示された。
生活の質
両方の有効処置群における対象は、小児の生活の質の尺度(PEDS-QL)合計スコアに基づく生活の質の有意な改善を経験した(表2)。しかしながら、QOLCEでは有意な変化は見られなかった。
安全性
TEAEは、プラセボ群の対象の65%で、および各ZX008用量群の対象の95%で報告された。いずれかの処置群の患者の≧10%で生じた非心血管性有害事象の要約を表3に示す。ZX008で処置した患者で報告された最も一般的な非心血管性有害事象は、食欲低下、下痢、上咽頭炎、嗜眠、傾眠、および発熱であった。TEAEを有した患者のうち、93%は軽度から中等度の重症度を有し;プラセボ、0.2 mg/kg/日、および0.8 mg/kg/日群でそれぞれ、患者の24名(92.3%)、35名(94.6%)、および35名(92.1%)であった。
フェンフルラミンは、高用量で食欲抑制薬として販売されていたことから、体重が試験期間にわたって監視され、ベースラインから≧7%の任意の変化は臨床的に意義があるとみなされた。全体として、プラセボ群では、1名(2.5%)の対象が体重を減らし(8回目の訪問時に最大8.0%)、9名(22.5%)の対象は、小児の試験で予測された7.4%~17.1%の範囲での体重の増加を有した。ZX008 0.2 mg/kg/日群では、5名(12.8%)の対象が、体重の8.4%~21.9%の範囲で体重減少を有し;21.9%減少を有する1名の対象は、臨床試験中に彼女の体重を管理するために栄養士のガイダンスを受けた。15.3%減少を有する別の対象は、試験に登録する直前に糖尿病と診断されており、体重を減らすための管理もされていた。0.2 mg/kg/日群の1名の対象は試験の間に10.3%体重が増加した。ZX008 0.8 mg/kg/日群では、8名(20.0%)の対象が、ベースライン体重の7.2%~11.4%の範囲で体重を減らした。ZX008 0.8 mg/kg/日群の1名の対象は、有害事象の中でも特に、食欲低下および体重減少を理由に中止した。しかしながら、体重減少は1 kg未満であった。本試験で死亡はなかった。
重篤な有害事象が、プラセボ群では4名(10.0%)の対象、ZX008 0.2 mg/kg/日群では4名(10.3%)の対象、およびZX008 0.8 mg/kg/日群では5名(12.5%)の対象で生じた。これらの有害事象は主に、2名(5.0%)のプラセボ対象、1名(2.6%)のZX008 0.2 mg/kg/日対象、および2名(5%)のZX008 0.8 mg/kg/日患者におけるてんかん重積状態を含む、試験下の疾患に関連する入院であった。
ベースラインと比較して、ZX008 0.8mg/kg/日に無作為割り付けされた対象は、プラセボと比較してBRIEF行動調整指標(BRI)(P<0.05)および全般的実行構成スコア(GEC)(P<0.05)の両方で統計的に有意な改善を達成し、ZX008 0.2 mg/kg/日群での対象は、BRIで有意な改善を達成した(P<0.05;表2)。BRIは、適切な抑制制御を介して認知的な構えを転換しかつ感情および行動を調節する小児の能力を表し、GECは、BRIEFの8つの臨床尺度の全てを組み込む集約スコアである。BRIEF-Pの変化は見られなかった。
試験1の過程で、プラセボ、ZX008 0.2 mg/kg/日、およびZX008 0.8 mg/kg/日群それぞれにおいて5名(12.5%)、7名(17.9%)、および9名(22.5%)の対象が、僧帽弁逆流の痕跡および/または大動脈弁逆流の痕跡を有する少なくとも1つの心エコー図所見を有した。臨床上のもしくはFDAで定義された心弁膜症(軽度または重度の大動脈弁逆流または中等度または重度の僧帽弁逆流)または肺高血圧症の症例は観察されなかった。心血管性疾患を特徴付ける臨床上有意な徴候または症状はどの時点でも見られなかった。
考察
ドラベ症候群は、神経発達異常、運動異常、および行動異常の重大な併発を伴う高い発作負荷によって特徴づけられる、重篤な治療抵抗性の身体障害性小児期発症てんかん状態である。加えて、該症候群は、最も多くはてんかん重積状態およびSUDEPを原因とする、高い死亡率によって特徴付けられる。1年1000人あたり9.32のドラベ特異的SUDEP率が報告されており、これは、てんかんを有する患者の一般的な集団で報告されたものより実質的に高い。
この試験において、ZX008は、早発かつ持続作用を有するけいれん性発作の頻度の、極めて統計的に有意なかつ臨床上意義を有する用量依存的低下を示した。特にけいれん性発作の頻度の≧50%および≧75%低下を示した患者の、プラセボと比較しての有意に高い反応率は、ドラベ症候群を有する対象におけるZX008の強固な抗発作有効性をさらに裏付ける。これらの作用は、プラセボ群における対象と比較して「中等度改善」または「著明改善」であるZX008処置対象の有意に高い割合を評価した治験医師および親/介護者の両方によって、臨床的に重要であると評価された。
特に発達遅延、認知機能障害、および行動の問題を含む、神経学的併存症は、ドラベ症候群を有する患者に共通し、最新の文献は、発作頻度は少なくとも一部、これらの神経学的欠損の大きさに関連する可能性があるという概念を裏付ける。本試験では、ZX008は、≧75%低下を経験した0.8 mg/kg/日群における対象の45%で、平均MCSFの著しい低下を伴った。この試験では、生活の質の一部の尺度の有意な改善が現れ始めた。BRIEFは、処置が認知機能に対して何らかの負の作用をもたらしたかどうかを評価するための安全性尺度として含まれた。結果は、これはそのような場合に当たらないことを示した。むしろ、BRIEFの実行機能指標スコアの一部において統計的な有意な改善が記録され、プラセボ群は3つの指標の全てで悪化させた。MCSFの低下の大きさが認知機能の改善の一因となる可能性があるという仮説が存在する。この概念は、ドラベ症候群を有する22名の成人患者のコホートの後ろ向き研究を実施し、適切なAEDへの切り替え後に発作コントロールの改善ならびに認知機能の改善を経験していた3名の患者を見出したCatarino et al.からの報告によって裏付けられる。安全性延長試験からの長期の長期的評価を含む、第3相患者の全集団のさらなる分析は、生活の質および実行機能に対する処置の影響を十分に特徴づけることを是認する。
ZX008は概して、この試験において良好な忍容性を示した。非心血管性事象に関するZX008の安全性ポートフォリオは、ベルギーのコホートからフェンフルラミンについて報告されているものと同様であり、嗜眠および食欲の減少が、プラセボよりZX008で処置された患者において、本試験で一般的に報告された。フェンフルラミンは以前、食欲抑制剤として市販されていたことから、有効処置群の対象の21%~38%は食欲の減少を経験したが、意味をもつ体重減少はほとんど報告されなかった(ZX008 0.2および0.8 mg/kg/日群それぞれで13%および20%)ことは予想外ではない。重篤な有害事象は、処置群間で同様の頻度で生じ、大部分はDS症状に関連した。
心血管性安全性は、ドラベ症候群を有する患者の処置のためのZX008の使用において、依然として重大な懸念である。フェンフルラミンは、1960年代から1990年後期にかけて体重減少処置として、典型的には60~120 mg/日の用量で、多くの場合、別の食欲抑制薬であるフェンテルミンとの適応外の組み合わせで市販された。心血管性安全性の懸念は、フェンフルラミンの使用が原発性肺高血圧症および心弁膜症のリスクの低頻度の増加に関連したと報告された1990年代に出現した。これらの報告に基づき、フェンフルラミンは、1997年初頭に全世界市場から撤退した。フェンフルラミンに関連する弁膜症のリスクの大きさの推定は、肥満の成人患者集団における心臓弁疾患の処置前有病率が知られていなかったという事実、およびフェンテルミンが多くの場合、フェンフルラミンとの組み合わせで用いられたという事実によって複雑化している。肥満について処置された成人におけるフェンフルラミンおよび関連薬物の9つの比較試験の最近の総説は、軽度または重度の大動脈弁逆流の有病率は、対照群での3.9%と比較して9.6%であり、中等度および重度の僧帽弁逆流の有病率は、対照群での2.5%と比較して3.1%であったと報告した。より高用量のフェンフルラミンは、FDAで言及された元の症例を分析し、かつ重篤な弁膜症の相対的リスクが<40 mg/日を摂取した成人より≧60 mg/日を摂取した肥満の成人では有意に高かったと記述した、Li et al.によって報告されたように、弁の機能不全のリスクの上昇をもたらした。
本試験では、全ての対象は、≦30 mg/日のZX008で処置され、心臓弁の機能的変化を特定するために定期的に注意深く監視された。14週間の処置期間および2週間の移行期間の間、維持期間の終了時に、いずれの時点でもいずれの対象においても心弁膜症または肺高血圧症の症例は観察されなかった。一般的な集団で通常認められ、かつ異常として現在のガイドラインによって認識されていない、僧帽弁逆流の痕跡および/または大動脈弁逆流の痕跡のみが認められた。ドラベ症候群を有する若年患者における逆流の痕跡の有病率は知られていないが、本試験における参加についてスクリーニングした患者173名中23名(13.3%)は、ECHO検査スクリーニング時に僧帽弁逆流の痕跡の存在のために排除された。
(表1)人口統計およびベースラインけいれん性発作頻度
Figure 2023116729000005
(表2)副次的評価項目の解析
Figure 2023116729000006
Figure 2023116729000007
a 発作頻度の100%低下を示す対象が少数であることから、オッズ比などのモデル統計は報告されない
b QOLCEの結果はプラセボからの統計的に有意な変化を示さなかった
c 合計スコアの増加は改善を示す
d BRIEFは安全性評価項目であった
e 一部の国はBRIEFの規範的集団を有さないことから、ここでは素スコアのみを提示する
f 負のスコアは改善を示す
g BRIEF-Pの結果はプラセボからの統計的差異はなかったことを明らかにした
(表1)改善の臨床全般印象度、ベースライン(試験1503の開始時)および最終訪問での親/介護者評価(mITT集団)
Figure 2023116729000008
Figure 2023116729000009
略号:CGI =臨床全般印象度;CI=信頼区間;Max=最大値;mITT=評価可能な解析対象集団; Min=最小値;OL=非盲検;SE:標準誤差。
a その反応を有する対象のパーセンテージについてのExact Clopper-Pearson両側CI
(表2)改善の臨床全般印象度、ベースライン(OLEの開始時)および最終訪問での治験医師評価(mITT集団)
Figure 2023116729000010
Figure 2023116729000011
略号:CGI =臨床全般印象度;CI=信頼区間;Max=最大値;mITT=評価可能な解析対象集団; Min=最小値;OL=非盲検;SE:標準誤差。
a その反応を有する対象のパーセンテージについてのExact Clopper-Pearson両側CI
実施例3
フェンフルラミンによる治療およびBRIEFによって評価される認知機能の改善についての検査-レノックス・ガストー症候群(LGS)
LGSを有する小児および成人におけるフェンフルラミンHClのこの2部からなる試験において、第1部は、LGSを有する小児および成人における発作の補助療法としてのフェンフルラミンHCl経口溶液の2種類の固定用量のランダム化二重盲検プラセボ比較試験であり;第2部は非盲検である。
LGSを有する小児および成人におけるZX008の長期安全性を評価するための延長。
LGS患者において行われたこの試験では、BRIEFは、試験1日目、15回目の訪問で施行される。
ZX008製剤は、pH 5に緩衝化されかつ1.25 mg/mL、2.5 mg/mL、および5 mg/mLの濃度で提供されるフェンフルラミン塩酸塩の経口水溶液である。選択された賦形剤は、現在市販の薬剤の製剤での使用が認めらており、安全であるとみなされる。溶液製剤は、適切に風味付けされ、保存剤および増粘剤を含有する。製剤は無糖であり、KDと互換性があることを意図する。
第1部の製剤は、タンパーエビデント小児用安全キャップを有するボトルで提供される。臨床試験材料は、120 mLの名目充填体積を有する1ボトルサイズで供給される。適合するプラセボもまた提供される。試験されるべき用量には、30 mg/日の最大量まで、1日2回用量(BID)に分割されたZX008 0.2mg/kg/日およびZX008 0.8 mg/kg/日が含まれる(併用剤STPを摂取している対象は、20 mg/kg/日の最大量まで、0.2 mg/kg/日または 0.5 mg/kg/日を受ける)。0.4 mg/kg/日の中間用量を用量漸増のために用いる。盲検化を確かなものにするために、対象が受容するZX008経口溶液の濃度(1.25 mg/mL、2.5mg/mL、および/または5 mg/mL)は、3種類の利用可能な濃度にわたって無作為割り付けされる。
第2部では、試験されるべき用量には、30 mg/日の最大量まで、1日2回用量に分割された0.2 mg/kg/日、0.4 mg/kg/日、0.6 mg/kg/日、および0.8 mg/kg/日が含まれる(併用剤STPを摂取している対象は、20 mg/kg/日の最大量まで、0.2 mg/kg/日、0.4 mg/kg/日、または0.5 mg/kg/日を受ける)。ZX008製剤は、120 mLの名目充填体積を有する1ボトルサイズで2.5mg/mLの濃度で提供される。
前述は本発明の原理を単に例証するものにすぎない。本明細書において明確に説明されてはいないまたは示されてはいないが、本発明の原理を具体化し、その精神および範囲の範囲内に含まれる種々の改編を当業者が考案できることが、理解される。さらに、本明細書において記載される全ての実施例および条件付きの記載は、本発明の原理および本発明者らによって貢献される当技術分野の発達促進の概念を理解するのに読者を助けることを主に意図しており、そのような具体的に記載された実施例および条件に限定するものではないと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、局面、および態様を述べる本明細書における全ての記述、ならびにその具体的な実施例は、その構造的および機能的な同等物をどちらも包含することが意図される。加えて、そのような同等物は、現在公知の同等物および将来開発される同等物の両方、すなわち、構造には関係なく、同じ機能を果たす開発される任意の要素を含むことが意図される。したがって、本発明の範囲は、本明細書において示されるおよび説明される例示的態様に限定されることを意図されない。むしろ本発明の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲によって具体化される。

Claims (15)

  1. BRIEF検査を用いて、患者において少なくとも1つのランクレベルの統計的に有意な改善を観察することによって評価される、神経機能の改善における使用のための製剤であって、該製剤が、
    フェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩
    を含み、
    該使用が、
    反復投与の前に得られた以前のBRIEFスコアと比較して該患者がBRIEFスコアの改善を示すまで、数日間にわたる該反復投与のためのものである、
    前記使用のための製剤。
  2. 患者が、てんかんまたはてんかん性脳症(例えば、ドラベ症候群、ドーゼ症候群、乳児けいれん、レノックス・ガストー症候群);注意障害(例えば、注意欠陥障害(ADD)または注意欠陥多動障害(ADHD));自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害(PDD)および特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)を含む、自閉症スペクトラム障害(ASD)などの発達障害;反抗挑戦性障害(ODD);学習障害(例えば、失読症、計算障害);トゥーレット症状群;外傷性脳損傷;鉛曝露;不安および/もしくはうつ状態;ならびに低出生体重、またはこれらの任意の組み合わせから選択される疾患または状態と診断されている、請求項1記載の使用のための製剤。
  3. 患者が、ドラベ症候群またはレノックス・ガストー症候群のいずれかと診断されている、請求項1記載の使用のための製剤。
  4. 共治療剤をさらに含む、請求項1~3のいずれかに記載の使用のための製剤。
  5. フェンフルラミンが、薬学的に許容される担体と共に製剤化され、かつ約10.0 mg/kg/日未満、1.0 mg/kg/日未満、約0.8 mg/kg/日、約0.5 mg/kg/日、約0.2 mg/kg/日、および約0.01 mg/kg/日から選択される有効用量で投与される、請求項1~4のいずれかに記載の使用のための製剤。
  6. フェンフルラミンが、経口、注射用、経皮、吸入、経鼻、頬側、直腸、膣内、および非経口送達からなる群より選択される投与形態で投与される、請求項1~5のいずれかに記載の使用のための製剤。
  7. 投与形態が、30 mg/日以下、20 mg/日以下、10 mg/日以下、および5 mg/日以下からなる群より選択される量で投与される経口組成物である、請求項1~6のいずれかに記載の使用のための製剤。
  8. 少なくとも1つの共治療剤が投与され、かつ該剤が、ブリバラセタム、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウム)、カンナビジオール、カルバマゼピン、クロニジン、エルゲニルクロノ、エトスクシミド、フェルバマート、ホスフェニトイン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、レボカルニチン、メスクシミド、ニトラゼパム、オクスカルバゼピン、ペランパネル、フェノバルビタール、プレガバリン、プロガビド、ピリドキシン、ルフィナミド、スルチアム、チザニジン、トピラマート、スチリペントール、バルプロ酸セミナトリウム、バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸、ベラパミル、ゾニサミド、およびベンゾジアゼピン、例えば、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ロフラゼプ酸エチル、ロラゼパム、およびミダゾラム、ならびにそれらの薬学的に許容される塩または塩基からなる群より選択される、請求項1~7のいずれかに記載の使用のための製剤。
  9. 投与が、少なくとも1つのBRIEFスコアの改善によって示される認知機能を改善するような期間にわたって継続し、該期間が、1カ月、2カ月、3カ月、6カ月、9カ月、12カ月、15カ月、18カ月、21カ月、2年、および3年からなる群より選択され、
    該認知機能の改善が、5%以上、10%以上、15%以上、25%以上、50%以上、または75%以上からなる群より選択される改善割合での少なくとも1つのBRIEFスコアの統計的に有意な改善を観察することによって評価される、請求項1~8のいずれかに記載の使用のための製剤。
  10. フェンフルラミン製剤;
    包装;および
    患者における少なくとも1つのBRIEFスコアの改善によって評価される認知機能の改善における使用のための説明書を含む添付文書
    を含む、キット。
  11. 薬学的に許容される担体とフェンフルラミンを含む活性成分とを含む製剤の複数用量を含む容器;ならびに
    該製剤で患者を処置するための、および該製剤での処置の前および後に患者のBRIEFスコアを評価するための、説明書
    を含む、キット。
  12. 患者における実行機能行動評価尺度(BRIEF)スコアの改善における使用のための製剤であって、該製剤が、
    フェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩
    を含み、
    該使用が、ある期間にわたって各日1回または2回の反復投与のためのものであり、
    該期間が、1カ月、2カ月、3カ月、6カ月、9カ月、12カ月、15カ月、18カ月、21カ月、2年、および3年カ月からなる群より選択され、
    BRIEFスコアの改善が、反復投与の少なくともいくつかの前に得られた該患者の以前のBRIEFスコアと比較して得られる、前記使用のための製剤。
  13. 患者の処置における使用のための製剤であって、該製剤が
    フェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩、塩基、もしくは酸の治療的有効量
    を含み、かつ
    該使用が、
    該製剤の反復投与前に得られた以前のCGIと比較して該患者が臨床全般印象度(CGI)ランクの改善を示すまで、数日間にわたる該反復投与のためのものである、
    前記使用のための製剤。
  14. ドラベ症候群と診断された患者の処置における使用のための製剤であって、該製剤が、
    0.2 mg/kg/日以上、最大で30 mg/日の量でのフェンフルラミンまたはその薬学的に許容される塩、塩基、もしくは酸の治療的有効量;
    共治療剤
    を含み、かつ
    該共治療剤およびフェンフルラミンが、
    該製剤の反復毎日投与前に得られた以前のCGIと比較して該患者が臨床全般印象度(CGI)ランクの改善を示すまで、数週間にわたる該反復投与における使用のための液体製剤である、
    前記使用のための製剤。
  15. 共治療剤が、カルバマゼピン、エトスクシミド、ホスフェニトイン、ラモトリギン、レベチラセタム、フェノバルビタール、トピラマート、バルプロ酸、バルプロエート、ベラパミル、およびベンゾジアゼピン、例えば、クロバザム、クロナゼパム、ジアゼパム、ロラゼパム、およびミダゾラム、ならびにその薬学的に許容される塩または塩基からなる群より選択される、請求項14記載の使用のための製剤。
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