JP2023115968A - 研磨ヘッドおよび研磨装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨テープの縁部がウェーハなどの基板に意図せずに接触することを防止し、基板の研磨レートを制御できる研磨ヘッドを提供する。【解決手段】研磨ヘッド10は、研磨テープ2を基板Wに対して押し付ける押圧機構12と、基板Wに向かう方向への研磨テープ2の縁部の移動を制限するテープフック40を備えている。テープフック40は、研磨テープ2の縁部の研磨面に対向するテープ位置決め面47を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、ウェーハなどの基板に研磨テープを押し付けるための研磨ヘッドに関する。また、本発明はそのような研磨ヘッドで基板を研磨するための研磨装置に関する。
近年、メモリー回路、ロジック回路、イメージセンサ(例えばCMOSセンサー)などのデバイスは、より高集積化されつつある。これらのデバイスを形成する工程においては、微粒子や塵埃などの異物がデバイスに付着することがある。デバイスに付着した異物は、配線間の短絡や回路の不具合を引き起こしてしまう。したがって、デバイスの信頼性を向上させるために、デバイスが形成されたウェーハを洗浄して、ウェーハ上の異物を除去することが必要とされる。
ウェーハの裏面(非デバイス面)にも、上述したような微粒子や粉塵などの異物が付着することがある。このような異物がウェーハの裏面に付着すると、ウェーハが露光装置のステージ基準面から離間することでウェーハ表面がステージ基準面に対して傾き、結果として、パターニングのずれや焦点距離のずれが生じることとなる。このような問題を防止するために、ウェーハの裏面に付着した異物を除去することが必要とされる。
そこで、図15および図16に示すように、ウェーハの裏面を研磨テープで研磨する研磨装置が使用されている。図15は、従来の研磨装置の上面図であり、図16は図15に示す従来の研磨装置の側面図である。研磨装置は、複数のローラー500によりウェーハWの周縁部を保持しながら、これらローラー500自身が回転することで、ウェーハWを回転させる。研磨テープ502は、ウェーハWの裏面側に配置されている。研磨テープ502は、矢印Zで示す方向に進行しながら、研磨テープ502には所定のテンションが与えられている。
複数の研磨ヘッド505はウェーハWの直径方向に配列されており、これらの研磨ヘッド505で研磨テープ502をウェーハWの裏面に対して押し付けることにより、ウェーハWの裏面を研磨する。ウェーハWの裏面に押し付けられた研磨テープ502は、ウェーハWの裏面から異物を除去することができる。
図17は、研磨ヘッド505の斜視図である。図17に示すように、研磨ヘッド505は、研磨テープ502をウェーハWの裏面に押し付ける押圧部材512を有している。この押圧部材512は、研磨テープ502の幅方向において研磨テープ502の中央に接触し、研磨テープ502をウェーハWに向かって押し上げる。研磨テープ502は、押圧部材512からの押圧力を受けてウェーハWを研磨することができる。
しかしながら、研磨テープ502は、可撓性は有するものの、伸縮性がないために、押圧部材512に押されていない研磨テープ502の縁部も、研磨テープ502の中央に追随して持ち上げられ、意図せずにウェーハWに接触してしまう。図17の符号Rで示す研磨テープ502の縁部は、押圧部材512に押されていない領域であるが、ウェーハWに接触し、ウェーハWをわずかに研磨する。押圧部材512に押されていない研磨テープ502の縁部には研磨荷重の制御が及ばないため、研磨テープ502の縁部によって研磨されたウェーハWの部位の研磨レートは不安定となる。結果として研磨ヘッド505はウェーハWの目的領域を均一に研磨することができないことがあった。
そこで、本発明は、研磨テープの縁部がウェーハなどの基板に意図せずに接触することを防止し、基板の研磨レートを制御できる研磨ヘッドを提供する。また、本発明は、そのような研磨ヘッドを備えた研磨装置を提供する。
一態様では、基板を研磨するための研磨ヘッドであって、研磨テープを基板に対して押し付ける押圧機構と、前記基板に向かう方向への前記研磨テープの縁部の移動を制限するテープフックを備えており、前記テープフックは、前記研磨テープの縁部の研磨面に対向するテープ位置決め面を有する、研磨ヘッドが提供される。
一態様では、前記テープフックは、前記押圧機構に隣接して配置されている。
一態様では、前記テープフックは、前記押圧機構の両側に配置された複数のテープフックである。
一態様では、前記複数のテープフックは、前記研磨テープの両縁部の研磨面に対向する複数のテープ位置決め面をそれぞれ有する。
一態様では、前記押圧機構は、前記研磨テープを基板に対して押し付けるための押圧部材であり、前記研磨ヘッドは、前記押圧部材を保持する押圧部材ホルダをさらに備えており、前記押圧部材ホルダ内の基準面から前記テープフックの端面までの距離は、前記基準面から前記押圧部材のテープ押圧面までの距離よりも短い。
一態様では、前記テープフックは、前記押圧部材に向かって突出する突出部を有しており、前記突出部の一方側は前記テープ位置決め面を構成し、前記突出部の反対側は前記テープフックの前記端面を構成する。
一態様では、前記突出部は、前記基板と前記研磨テープの縁部との間に位置している。
一態様では、前記テープフックと前記押圧機構は、一体に移動可能である。
一態様では、前記テープフックは、前記押圧機構の両側に配置された複数のテープフックである。
一態様では、前記複数のテープフックは、前記研磨テープの両縁部の研磨面に対向する複数のテープ位置決め面をそれぞれ有する。
一態様では、前記押圧機構は、前記研磨テープを基板に対して押し付けるための押圧部材であり、前記研磨ヘッドは、前記押圧部材を保持する押圧部材ホルダをさらに備えており、前記押圧部材ホルダ内の基準面から前記テープフックの端面までの距離は、前記基準面から前記押圧部材のテープ押圧面までの距離よりも短い。
一態様では、前記テープフックは、前記押圧部材に向かって突出する突出部を有しており、前記突出部の一方側は前記テープ位置決め面を構成し、前記突出部の反対側は前記テープフックの前記端面を構成する。
一態様では、前記突出部は、前記基板と前記研磨テープの縁部との間に位置している。
一態様では、前記テープフックと前記押圧機構は、一体に移動可能である。
一態様では、基板を保持する基板保持部と、上記研磨ヘッドを備えている、研磨装置が提供される。
研磨テープの縁部は、テープフックにより基板に接触することが防止される。したがって、研磨テープの縁部による意図しない基板の研磨が防止される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、研磨具の一例である研磨テープ2を基板の一例であるウェーハWの表面に押し付けてウェーハWを研磨するための研磨ヘッド10の一実施形態を示す斜視図であり、図2は、図1に示す研磨ヘッド10の断面図である。本実施形態の研磨ヘッド10は、ウェーハWおよび研磨テープ2の下方に配置されており、研磨テープ2をその裏側からウェーハWの裏面に対して押圧するように配置されている。
研磨ヘッド10は、研磨テープ2をウェーハWに対して押し付けるための押圧機構としての押圧部材12と、押圧部材12を矢印CLで示す所定の押圧方向に移動させ、押圧部材12に押圧力を付与するアクチュエータ15と、アクチュエータ15が内部に配置されたハウジング18を備えている。アクチュエータ15は、押圧部材12に連結された可動軸16と、可動軸16の端部とハウジング18との間に圧力室20を形成する隔壁膜(ダイヤフラム)25とを備えている。可動軸16および隔壁膜25は、ハウジング18内に配置されている。
研磨ヘッド10は、押圧部材12を保持する押圧部材ホルダ30をさらに備えている。押圧部材ホルダ30は、可動軸16に連結されており、可動軸16と一体に移動可能である。押圧部材12の全体は、環状であり、押圧部材12は取り外し可能に押圧部材ホルダ30に保持されている。押圧部材ホルダ30は、押圧部材12が嵌合する嵌合溝(図示せず)を有している。環状の押圧部材12は、嵌合溝に嵌りながら弾性変形した状態で押圧部材ホルダ30に掛けられている。本実施形態の押圧部材12は、研磨テープ2をウェーハWに押し付けるための2つのテープ押圧面12A,12Bを有している。
押圧部材12は、弾性材料から形成されている。押圧部材12を構成する材料の例としては、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンジエンゴムなどのゴムが挙げられる。押圧部材12の断面は、円形の形状を有している。押圧部材12は、Oリングであってもよい。本実施形態では、押圧部材ホルダ30は、その側面に突起部30b,30cを有している。押圧部材12は、弾性変形した状態で突起部30b,30cに支持されている。
ただし、押圧部材12は、本実施形態に限られず、他の形状を有してもよく、あるいは他の材料から構成されてもよい。例えば、押圧部材12は、研磨テープ2をウェーハWに押し付けるための1つのテープ押圧面のみを有してもよい。他の例では、押圧部材12は、環状に代えて、直線状に延びるブレード、または湾曲状ブレードの形状であってもよい。
図2に示すように、可動軸16は、その軸方向にハウジング18内で移動可能となっており、可動軸16は、押圧部材12を矢印CLに示す押圧方向に上昇させることができる。押圧部材12は研磨テープ2の裏側に対向している。可動軸16が押圧部材12を矢印CLに示す押圧方向に上昇させると、押圧部材12は、研磨テープ2の裏側に接触する。押圧部材12は研磨テープ2の研磨面をウェーハWの裏面に押し付けてウェーハWの裏面を研磨テープ2で研磨する。ウェーハWの研磨中、研磨テープ2の裏側は、押圧部材12によって支持される。研磨テープ2の裏側は、砥粒を有する研磨面とは反対側の面である。ウェーハWの研磨中、研磨テープ2はその長手方向に所定の速度で送られる。
本実施形態では、可動軸16はボールスプライン軸から構成されている。ハウジング18内にはボールスプラインナット32が配置されており、可動軸16はボールスプラインナット32により可動軸16の軸方向に移動可能に支持されている。一実施形態では、可動軸16は、ハウジング18の内面に移動可能に支持されてもよい。
ハウジング18は、可動軸16が収容される空間が内部に形成されたハウジング本体18Aと、上記空間を塞ぐ蓋18Bとを備えている。蓋18Bはねじ(図示せず)によりハウジング本体18Aに着脱可能に固定されている。研磨テープ2をウェーハWに対して押圧するための押圧力を発生するアクチュエータ15は、可動軸16および隔壁膜25を含む。隔壁膜25は、可動軸16の端部(下端)に接触しており、隔壁膜25の縁は、ハウジング本体18Aと蓋18Bとの間に挟まれている。隔壁膜25は可動軸16に接触しているのみであり、可動軸16に固定されていない。
隔壁膜25は、柔軟な材料から形成されている。隔壁膜25を構成する材料の例としては、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムが挙げられる。圧力室20は、圧縮気体供給ライン(図示せず)に連通しており、圧縮気体供給ラインから圧縮気体(例えば圧縮空気)が圧力室20内に供給されるようになっている。
ウェーハWを研磨するときは、圧縮空気などの圧縮気体は圧力室20内に供給される。圧力室20内の圧縮気体の圧力は、隔壁膜25を介して可動軸16の端部(下端)に作用し、可動軸16、押圧部材ホルダ30、および押圧部材12を上昇させる。研磨ヘッド10は、可動軸16のハウジング18に対する相対的な移動距離を測定する距離センサをさらに備えてもよい。ウェーハWの研磨を終了させるときは、圧力室20は大気開放され、その結果、可動軸16の自重および研磨テープ2の張力により可動軸16および押圧部材12が下降する。
押圧部材ホルダ30にはスカート38が固定されている。このスカート38は押圧部材ホルダ30から下方に延び、ハウジング18の上部を囲んでいる。本実施形態ではスカート38は円筒状であるが、ハウジング18の上部を囲むことができるのであれば、他の形状であってもよい。スカート38は、ウェーハWの研磨に使用される純水などの液体がハウジング18内に侵入することを防ぐことができる。
図1に示すように、ウェーハWの研磨中は、研磨テープ2は矢印Zで示すように、研磨テープ2の長手方向に所定の速度で送られる。本実施形態の押圧部材12は、研磨テープ2の長手方向(進行方向Z)に対して斜めに延びている。ウェーハWを研磨するときは、押圧部材12は研磨テープ2をその裏側からウェーハWに対して押し付ける。
図1に示すように、研磨ヘッド10は、複数のテープフック40を備えている。各テープフック40は、ねじ41により押圧部材ホルダ30に着脱可能に取り付けられている。テープフック40は、ウェーハWに向かう方向への研磨テープ2の縁部の移動を制限するように構成されている。より具体的には、押圧部材12が研磨テープ2をウェーハWに対して押し付けるとき、テープフック40は、研磨テープ2の縁部がウェーハWに接触することを防止するように構成されている。押圧部材ホルダ30は、押圧部材12からテープフック40に向かって下方に傾斜する傾斜面30d,30eを有している。
テープフック40と押圧部材12は、一体に移動可能である。すなわち、図2に示すアクチュエータ15により、テープフック40と押圧部材12は一体にウェーハWに向かって移動される。テープフック40は、押圧部材12に隣接して配置されているが、押圧部材12には接触していない。本実施形態では、複数のテープフック40は、押圧部材12の両側に配置されている。すなわち、複数のテープフック40は、研磨テープ2の両側に配置されており、ウェーハWに向かう方向への研磨テープ2の両縁部の移動を制限する。
図3は、テープフック40の一実施形態を示す側面図である。図3に示すように、テープフック40のそれぞれは、押圧部材12に向かって突出する突出部45を有している。突出部45は、研磨テープ2の縁部の研磨面に対向するテープ位置決め面47を有する。突出部45の一方側はテープ位置決め面47を構成し、突出部45の反対側は、平坦な端面48を構成する。本実施形態では、突出部45はテーパー形状を有しており、テープ位置決め面47は押圧部材12に向かって上方に傾斜している。突出部45は、ウェーハWと研磨テープ2の縁部との間に位置している。したがって、研磨テープ2の縁部は、ウェーハWに接触しない。
押圧部材ホルダ30内の基準面PLからテープフック40のそれぞれの端面48までの距離L1は、基準面PLから押圧部材12のテープ押圧面12A,12Bまでの距離L2よりも短い。基準面PLは、押圧部材12が研磨テープ2をウェーハWに押し付ける方向CLに垂直な想像面である。テープフック40の端面48は、基準面PLから最も遠いテープフック40の端面である。図3に示す実施形態では、テープフック40の端面48は、テープフック40の頂面である。この実施形態では、基準面PLからのテープフック40の高さは、基準面PLからの押圧部材12のテープ押圧面12A,12Bの高さよりも低い。
図4は、押圧部材12およびテープフック40に支持されている研磨テープ2を示す断面図である。図4に示すように、研磨テープ2の両縁部はテープフック40に係合し、テープフック40により研磨テープ2の両縁部の押圧部材12に対する相対的な高さが固定される。すなわち、研磨テープ2の中央は押圧部材12により持ち上げられるが、研磨テープ2の両縁部はテープフック40のテープ位置決め面47に接触し、研磨テープ2の両縁部の上方への移動(変形)が制限される。
図4から分かるように、研磨テープ2の進行方向Zから見たときに、テープフック40の突出部45は、研磨テープ2の縁部とウェーハWとの間に位置している。結果として、研磨テープ2の両縁部はウェーハWには接触せず、その一方で、研磨テープ2の中央部は押圧部材12によりウェーハWに押し付けられる。したがって、研磨テープ2の縁部による意図しないウェーハWの研磨が防止され、その一方で研磨テープ2の中央部は押圧部材12により、制御された研磨荷重でウェーハWに押し付けられる。突出部45の長さは特に限定されないが、テープフック40が研磨テープ2の縁部に係合し、押圧部材12による研磨テープ2のウェーハWへの押し付けを阻害しない長さ、すなわち押圧部材12または押圧部材ホルダ30に接触しない長さである。本明細書において、突出部45の長さは、研磨テープ2の長手方向に垂直な方向への長さである。
テープフック40の数および配置は、図1乃至4を参照して説明した実施形態に限定されない。例えば、図5の模式図に示すように、複数組のテープフック40が押圧部材12の両側に設けられてもよい。図5に示すように、テープフック40の突出部45の長さは異なってもよい。例えば、テープフック40の突出部45の長さ(研磨テープ2の長手方向に垂直な方向への長さ)は、テープフック40と押圧部材12との距離に従って大きくしてもよい。他の例では、図6に示すように、テープフック40は、突出部45の長さよりも広い幅を有してもよい。図示しないが、押圧部材12の位置および/または形状によっては、押圧部材12の一方側にのみテープフック40が設けられてもよい。この場合は、研磨テープ2の片方の縁部のみの移動がテープフック40によって制限される。
図7は、研磨ヘッド10の他の実施形態を示す斜視図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図1乃至図6を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
この実施形態は、押圧部材12が1つのテープ押圧面12Aのみを有していること、および押圧部材12の一方の側に2つのテープフック40が設けられ、他方側に1つのテープフック40が設けられている点で、図1乃至図6を参照して説明した実施形態と異なっている。この実施形態でも、テープフック40により研磨テープ2の両縁部がウェーハWに接触することが防止され、その一方で、研磨テープ2の中央は押圧部材12によりウェーハWに押し付けられる。したがって、研磨テープ2の縁部による意図しないウェーハWの研磨が防止され、その一方で研磨テープ2の中央は押圧部材12により、制御された研磨荷重でウェーハWに押し付けられる。
テープフック40の数および配置は、図7に示す実施形態に限定されない。例えば、図8の模式図に示すように、複数組のテープフック40が押圧部材12の両側に設けられてもよい。図8に示すように、テープフック40の突出部45の長さは異なってもよい。例えば、テープフック40の突出部45の長さは、テープフック40と押圧部材12との距離に従って大きくしてもよい。他の例では、図9に示すように、1組のテープフック40が押圧部材12の両側に設けられてもよい。さらに他の例では、図10に示すように、テープフック40は、突出部45の長さよりも広い幅を有してもよい。図示しないが、押圧部材12の位置および/または形状によっては、押圧部材12の一方側にのみテープフック40が設けられてもよい。
図11は、研磨装置の一実施形態を示す側面図であり、図12は、図11に示す研磨装置の上面図である。図11および図12に示す研磨装置は、ウェーハWを保持し、回転させる基板保持部70と、研磨テープ2A,2Bを、基板保持部70に保持されたウェーハWの第1の面5aに接触させてウェーハWの第1の面5aを研磨する複数の研磨ヘッド10A~10Dと、研磨テープ2Aを研磨ヘッド10A,10Bに供給し、研磨ヘッド10A,10Bから研磨テープ2Aを回収する研磨テープ供給機構72Aと、研磨テープ2Bを研磨ヘッド10C,10Dに供給し、研磨ヘッド10C,10Dから研磨テープ2Bを回収する研磨テープ供給機構72Bを備えている。
研磨ヘッド10A,10Cは、図1乃至図4を参照して説明した研磨ヘッド10と同じ構成を有し、研磨ヘッド10B,10Dは、図7を参照して説明した研磨ヘッド10と同じ構成を有している。研磨テープ2A,2Bは、同じ構成を有している。
本実施形態では、ウェーハWの第1の面5aは、デバイスが形成されていない、またはデバイスが形成される予定がないウェーハWの裏面、すなわち非デバイス面である。第1の面5aとは反対側のウェーハWの第2の面5bは、デバイスが形成されている、またはデバイスが形成される予定である面、すなわちデバイス面である。本実施形態では、ウェーハWは、その第1の面5aが下向きの状態で、基板保持部70に水平に支持される。
基板保持部70は、ウェーハWの周縁部に接触可能な複数のローラー75A,75B,75C,75Dと、ローラー75A~75Dを同じ速度で回転させるためのローラー回転装置(図示せず)を備えている。本実施形態では、4つのローラー75A~75Dが設けられているが、5つまたはそれよりも多いローラーが設けられてもよい。
研磨ヘッド10A,10Bは、支持部材78Aに支持され、研磨ヘッド10C,10Dは、支持部材78Bに支持されている。複数の研磨ヘッド10A~10Dは、基板保持部70に保持されているウェーハWの下側に配置されている。これら研磨ヘッド10A~10Dは、ウェーハWの直径方向に配列されている。本実施形態では、4つの研磨ヘッド10A~10Dが設けられているが、研磨ヘッドの数は本実施形態に限られない。一実施形態では、単一の研磨ヘッドが設けられてもよい。
研磨テープ供給機構72A,72Bは、同じ構成を有しているので、以下研磨テープ供給機構72Aについて説明する。研磨テープ供給機構72Aは、研磨テープ2Aの一端が接続されたテープ巻き出しリール81と、研磨テープ2Aの他端が接続されたテープ巻き取りリール82と、研磨テープ2Aの進行方向を案内する複数のガイドローラー83を備えている。テープ巻き出しリール81およびテープ巻き取りリール82は、リールモータ86,87にそれぞれ連結されている。
テープ巻き取りリール82を矢印で示す方向に回転させることにより、研磨テープ2Aはテープ巻き出しリール81から研磨ヘッド10A,10Bを経由してテープ巻き取りリール82に送られる。研磨テープ2Aは、研磨テープ2Aの研磨面がウェーハWの第1の面5aを向くように研磨ヘッド10A,10Bの上方に供給される。リールモータ86は、所定のトルクをテープ巻き出しリール81に与えることにより、研磨テープ2Aにテンションをかけることができる。リールモータ87は、研磨テープ2Aを一定速度で送るように制御される。研磨テープ2Aを送る速度は、テープ巻き取りリール82の回転速度を変化させることによって変更できる。
一実施形態では、研磨装置は、テープ巻き出しリール81、テープ巻き取りリール82、およびリールモータ86,87とは別に、研磨テープ2Aをその長手方向に送るテープ送り装置を備えてもよい。さらに他の実施形態では、テープ巻き出しリール81とテープ巻き取りリール82の位置は、逆に配置されてもよい。
ウェーハWは次のようにして研磨される。複数のローラー75A~75DでウェーハWの周縁部を保持しながら、これらローラー75A~75Dを回転させることで、ウェーハWを回転させる。研磨テープ供給機構72A,72Bにより研磨テープ2A,2Bを研磨ヘッド10A~10Dに送りながら、研磨ヘッド10A~10Dの押圧部材12は、研磨テープ2A,2BをウェーハWの第1の面5aに押し付けてウェーハWの第1の面5aを研磨する。
図1乃至図10を参照して説明した研磨ヘッド10は、研磨テープ2の裏側に接触する押圧部材12を備えているが、他の実施形態では、図13に示すように、研磨ヘッド10は、押圧部材12に代えて、流体押圧部91を押圧機構として備えてもよい。図13は、流体押圧部91を備えた研磨ヘッド10の一実施形態を示す斜視図である。研磨ヘッド10は、2つの流体供給口93を備えた流体押圧部91を有している。これら流体供給口93は、流体供給ライン95に接続されている。この実施形態では、図2に示すアクチュエータ15は省略されてもよい。
流体供給口93は、流体押圧部91の端面(図13では頂面)に形成されており、研磨テープ2の裏側に対向している。各流体供給口93は、図1に示す押圧部材12と同様に、研磨テープ2の長手方向(進行方向Z)に対して斜めに延びている。流体供給口93は、スリット状の開口部である。流体供給ライン95の一端は流体供給口93に接続され、他端は図示しない流体供給源に接続されている。流体供給源は、液体、気体、または液体と気体との混合物などの流体を流体供給ライン95に供給する。流体は、流体供給ライン95を通って流体押圧部91の流体供給口93に到達し、流体供給口93から研磨テープ2の裏側に向かって放出される。流体の噴流は、研磨テープ2をその裏側からウェーハWに対して押し付けることができる。
テープフック40は、2つの流体供給口93の両側に配置されている。テープフック40の構成、配置、および機能は、図1乃至図6を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図14は、流体押圧部91を備えた研磨ヘッド10の他の実施形態を示す斜視図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図13に示す実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。図14に示す実施形態では、研磨ヘッド10は、1つの流体供給口93のみを備えた流体押圧部91を有している。図7に示す押圧部材12と同様に、流体供給口93は、研磨テープ2の長手方向(進行方向Z)に対して斜めに延びている。流体供給口93は、スリット状の開口部である。
テープフック40は、流体供給口93の両側に配置されている。テープフック40の構成、配置、および機能は、図7乃至図10を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
今まで説明したテープフック40は、研磨テープ2の研磨面に物理的に接触することで、ウェーハWに向かう方向への研磨テープ2の縁部の移動を制限するように構成されているが、一実施形態では、テープフック40に代えて、研磨ヘッド10に形成された真空吸引口(図示せず)により研磨テープ2の縁部の裏側を吸引することで、ウェーハWに向かう方向への研磨テープ2の縁部の移動を制限するようにしてもよい。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
W ウェーハ
2 研磨テープ
2A,2B 研磨テープ
5a 第1の面
5b 第2の面
10,10A~10D 研磨ヘッド
12 押圧部材
12A,12B テープ押圧面
15 アクチュエータ
16 可動軸
18 ハウジング
18A ハウジング本体
18B 蓋
20 圧力室
25 隔壁膜
30 押圧部材ホルダ
30b,30c 突起部
30d,30e 傾斜面
32 ボールスプラインナット
38 スカート
40 テープフック
45 突出部
47 テープ位置決め面
48 端面
70 基板保持部
72A,72B 研磨テープ供給機構
78A,78B 支持部材
81 テープ巻き出しリール
82 テープ巻き取りリール
83 ガイドローラー
86,87 リールモータ
91 流体押圧部
93 流体供給口
95 流体供給ライン
2 研磨テープ
2A,2B 研磨テープ
5a 第1の面
5b 第2の面
10,10A~10D 研磨ヘッド
12 押圧部材
12A,12B テープ押圧面
15 アクチュエータ
16 可動軸
18 ハウジング
18A ハウジング本体
18B 蓋
20 圧力室
25 隔壁膜
30 押圧部材ホルダ
30b,30c 突起部
30d,30e 傾斜面
32 ボールスプラインナット
38 スカート
40 テープフック
45 突出部
47 テープ位置決め面
48 端面
70 基板保持部
72A,72B 研磨テープ供給機構
78A,78B 支持部材
81 テープ巻き出しリール
82 テープ巻き取りリール
83 ガイドローラー
86,87 リールモータ
91 流体押圧部
93 流体供給口
95 流体供給ライン
Claims (9)
- 基板を研磨するための研磨ヘッドであって、
研磨テープを基板に対して押し付ける押圧機構と、
前記基板に向かう方向への前記研磨テープの縁部の移動を制限するテープフックを備えており、
前記テープフックは、前記研磨テープの縁部の研磨面に対向するテープ位置決め面を有する、研磨ヘッド。 - 前記テープフックは、前記押圧機構に隣接して配置されている、請求項1に記載の研磨ヘッド。
- 前記テープフックは、前記押圧機構の両側に配置された複数のテープフックである、請求項1または2に記載の研磨ヘッド。
- 前記複数のテープフックは、前記研磨テープの両縁部の研磨面に対向する複数のテープ位置決め面をそれぞれ有する、請求項3に記載の研磨ヘッド。
- 前記押圧機構は、前記研磨テープを基板に対して押し付けるための押圧部材であり、
前記研磨ヘッドは、前記押圧部材を保持する押圧部材ホルダをさらに備えており、
前記押圧部材ホルダ内の基準面から前記テープフックの端面までの距離は、前記基準面から前記押圧部材のテープ押圧面までの距離よりも短い、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の研磨ヘッド。 - 前記テープフックは、前記押圧部材に向かって突出する突出部を有しており、
前記突出部の一方側は前記テープ位置決め面を構成し、前記突出部の反対側は前記テープフックの前記端面を構成する、請求項5に記載の研磨ヘッド。 - 前記突出部は、前記基板と前記研磨テープの縁部との間に位置している、請求項6に記載の研磨ヘッド。
- 前記テープフックと前記押圧機構は、一体に移動可能である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の研磨ヘッド。
- 基板を保持する基板保持部と、
前記基板を研磨するための、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の研磨ヘッドを備えている、研磨装置。
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PCT/JP2023/002698 WO2023153243A1 (ja) | 2022-02-09 | 2023-01-27 | 研磨ヘッドおよび研磨装置 |
TW112103575A TW202346021A (zh) | 2022-02-09 | 2023-02-02 | 研磨頭及研磨裝置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022018430A JP2023115968A (ja) | 2022-02-09 | 2022-02-09 | 研磨ヘッドおよび研磨装置 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022018430A Pending JP2023115968A (ja) | 2022-02-09 | 2022-02-09 | 研磨ヘッドおよび研磨装置 |
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CN (1) | CN118660785A (ja) |
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WO (1) | WO2023153243A1 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6412217B2 (ja) * | 2016-09-23 | 2018-10-24 | 株式会社荏原製作所 | 研磨装置 |
JP7355670B2 (ja) | 2020-02-05 | 2023-10-03 | 株式会社荏原製作所 | 研磨ヘッドおよび研磨装置 |
-
2022
- 2022-02-09 JP JP2022018430A patent/JP2023115968A/ja active Pending
-
2023
- 2023-01-27 CN CN202380020731.XA patent/CN118660785A/zh active Pending
- 2023-01-27 WO PCT/JP2023/002698 patent/WO2023153243A1/ja active Application Filing
- 2023-02-02 TW TW112103575A patent/TW202346021A/zh unknown
Also Published As
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