JP2023114666A - コンクリート製品の製造方法 - Google Patents

コンクリート製品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023114666A
JP2023114666A JP2022017107A JP2022017107A JP2023114666A JP 2023114666 A JP2023114666 A JP 2023114666A JP 2022017107 A JP2022017107 A JP 2022017107A JP 2022017107 A JP2022017107 A JP 2022017107A JP 2023114666 A JP2023114666 A JP 2023114666A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concrete
ready
mixed concrete
manufacturing
carbon dioxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022017107A
Other languages
English (en)
Inventor
裕介 藤倉
Yusuke Fujikura
勝識 平野
Katsunori Hirano
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujita Corp
Original Assignee
Fujita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujita Corp filed Critical Fujita Corp
Priority to JP2022017107A priority Critical patent/JP2023114666A/ja
Publication of JP2023114666A publication Critical patent/JP2023114666A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Devices For Post-Treatments, Processing, Supply, Discharge, And Other Processes (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

【課題】廃棄されたコンクリートから得られるセメントペーストを利用してコンクリート製品を製造するための方法を提供すること。【解決手段】この製造方法は、廃コンクリートからセメントペーストを回収すること、セメントペースト、水、骨材、および化学混和剤を混合してレディーミクストコンクリートを調製すること、レディーミクストコンクリートを成形すること、ならびに400ppm以上100%以下の濃度で二酸化炭素を含むガスの存在下、成形されたレディーミクストコンクリートを養生することを含む。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態の一つは、廃コンクリートから回収されたセメントペーストを用いてコンクリート製品を製造する方法、および上記方法を利用して二酸化炭素を固定する方法に関する。
廃棄されたコンクリート(廃コンクリート)を粉砕して二酸化炭素と処理することにより、二酸化炭素を固定して炭酸カルシウムが製造できることが知られている(例えば、特許文献1から5参照。)。また、このプロセスで得られる二酸化炭素を固定した廃コンクリートは、埋め戻し材などのリサイクル資材として利用できることが知られている(例えば、特許文献6参照。)。
特開2009-90198号公報 特開2009-279552号公報 特開2013-129543号公報 特開2013-159495号公報 特開2014-148432号公報 特開2009-28581号公報
本発明の実施形態の一つは、廃コンクリートから得られるセメントペーストを利用してコンクリート製品を製造するための方法を提供することを課題の一つとする。あるいは、廃棄されたコンクリートを利用して二酸化炭素を固定する方法を提供することを課題の一つとする。
本発明の実施形態の一つは、コンクリート製品の製造方法である。この製造方法は、廃コンクリートからセメントペーストを回収すること、セメントペースト、水、骨材、および化学混和剤を混合してレディーミクストコンクリートを調製すること、レディーミクストコンクリートを成形すること、ならびに400ppm以上100%以下の濃度で二酸化炭素を含むガスの存在下、成形されたレディーミクストコンクリートを養生することを含む。
本発明の実施形態の一つは、二酸化炭素の固定方法である。この固定方法は、廃コンクリートからセメントペーストを回収すること、セメントペースト、水、骨材、および化学混和剤を混合してレディーミクストコンクリートを調製すること、レディーミクストコンクリートを成形すること、ならびに400ppm以上100%以下の濃度で二酸化炭素を含むガスの存在下、成形されたレディーミクストコンクリートを養生することを含む。
本発明の実施形態の一つであるコンクリート製品の製造方法および二酸化炭素の固定方法を示すフローチャート。 本発明の実施形態の一つであるコンクリート製品の製造方法および二酸化炭素の固定方法を示す模式図。 本発明の実施形態の一つであるコンクリート製品の製造方法および二酸化炭素の固定方法を示す模式図。
以下、本発明の各実施形態について、図面などを参照しつつ説明する。ただし、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状などについて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
本明細書では、コンクリートとは、原料の一つであるセメントが水と反応して生成するセメント水和物が硬化することで得られる、流動性を示さない硬化物を指す。したがって、骨材を含まないモルタルもコンクリートの範疇に含まれる。コンクリートには直径が5mm以下の細骨材および/または直径が5mmを超える(例えば、5mmよりも大きく20mm以下、または10mm以上20mm以下)粗骨材を含んでもよい。一方、硬化前のコンクリート、すなわち、セメントと水を含み、かつ、完全に硬化せずに流動性を有する混合物をレディーミクストコンクリート(生コンクリートとも呼ばれる)と呼ぶ。レディーミクストコンクリートは、セメントと水のほか、骨材、および/またはAE剤(気泡分散剤)流動化剤、増粘剤などの添加剤を含んでもよい。
本明細書では、セメントペーストとは、コンクリートのうち骨材を除く成分であり、主に硬化したセメント水和物で構成される。コンクリート内では、セメントペーストによって骨材同士が強固に固着される。セメントペーストは、セメント成分と呼ばれることもある。
本明細書では、養生とはレディーミクストコンクリートを硬化するための工程を指し、レディーミクストコンクリートを養生することにより、硬化したレディーミクストコンクリート、すなわちコンクリートが形成される。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態の一つに係るコンクリート製品の製造方法(以下、単に本製造方法と記す。)について述べる。以下の説明から理解できるように、本製造方法では、廃コンクリートから得られるセメントペーストを利用してレディーミクストコンクリートが調整され、このレディーミクストコンクリートを養生してコンクリート製品を製造する際に二酸化炭素が用いられる。この過程において二酸化炭素がコンクリート製品に固定される。このため、本製造方法は、二酸化炭素の固定方法と言うこともでき、したがって、本発明の実施形態は、二酸化炭素の固定方法も含む。
本製造方法のフローチャートを図1に示す。図1に示すように、本製造方法では、廃コンクリートから骨材が除去されてセメントペーストが回収され、セメントペーストに水や化学混和剤が混合されてレディーミクストコンクリートが調整される。このレディーミクストコンクリートを成形し、その後二酸化炭素を含むガスの存在下、レディーミクストコンクリートを養生することで、コンクリート製品が製造される。
1.廃コンクリートの粉砕、および骨材の除去によるセメントペーストの回収
本製造方法で利用できる廃コンクリートに制約はなく、ビルや橋、橋脚、ダム、道路などのコンクリート製建造物に由来する廃コンクリートでもよく、コンクリートブロック、モルタルブロック、レンガなどの小型のコンクリート製品に由来する廃コンクリートでもよい。
図1、図2に示すように、まず、廃コンクリート100は、骨材(粗骨材、細骨材)とセメントペーストを分離するために粉砕される。廃コンクリート100の粉砕は、例えば大型の破砕機を用いて廃コンクリートを数十キロから数キロの大きさに一次粉砕する。廃コンクリートに鉄骨や木材、プラスチックなどの不純物が含まれる場合には、一次粉砕の際に除去すればよい。この時に生成する破砕されたコンクリート片102は、骨材(細骨材102b、粗骨材102c)がセメントペースト102aによって固着された状態にある。このコンクリート片102を用いて後述するレディーミクストコンクリートを調製してもよいが、粉砕機を用いてさらにコンクリート片102に対して二次粉砕を行うことが好ましい。二次粉砕では、例えばローラーミル、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、回転ミル、振動ミル、遊星ミルなどを粉砕機として用いればよい。二次粉砕により、セメントペースト102a、粗骨材102c、細骨材102bの混合物が得られる。二次粉砕は、例えば、この混合物中の40質量%から60質量%の成分が5mm以下の粒径(または最大長、以下同じ。)を有するように行えばよい。
コンクリート片102を二次粉砕することで得られるセメントペースト102a、粗骨材102c、細骨材102bの混合物を分級および/または篩分けし、粗骨材102cと細骨材102bを除去して粉体状のセメントペースト102aを得る。分級は乾式分級でも湿式分級でもよい。分級機の構造や種類にも制約はなく、気流分級機、重力場分級機、慣性力場分級機、遠心力場分級機などを用いて分類すればよい。篩分けは、5mm以上、10mm以上、または20mm以上の粒径を有する成分を除去できるように行えばよく、回転式篩機や振動式篩機を適宜用いればよい。篩機の篩を通過した成分にセメントペースト102aが主として含まれるため、この成分を回収し、その後の工程に用いる。なお、篩機の篩を通過した成分に骨材の一部が含まれてもよい。
2.混練と成形
引き続き、得られたセメントペースト102aを用いてコンクリート製品を製造する。まず、セメントペースト102aに水と化学混和剤を混合し、撹拌機、例えばコンクリートミキサー104内で練り混ぜる(混練)。セメントペースト102aと水の質量比であるセメント比(水/セメント)は、製造するコンクリート製品に要求される特性に基づいて決定すればよいが、50%から65%の範囲から選択することが好ましい。化学混和剤としては、AE剤(気泡分散剤)、流動化剤、増粘剤、減水剤、凝結遅延剤、急結剤、水和熱抑制剤、防凍剤、収縮低減剤などから適宜選択すればよい。
混練においては、さらに骨材を加えてもよい。この骨材は、廃コンクリート100またはコンクリート片102の粉砕によって分離された粗骨材102cや細骨材102bでもよく、別途準備した砂、砂利、軽石、高炉スラグなどでもよい。セメントペースト102aと骨材の質量比も、得られるコンクリートブロックに求められる特性を考慮して適宜設定すればよく、例えば、セメントペースト102aに対して3倍以上10倍以下の質量の骨材を使用すればよい。また、骨材と共に、あるいは骨材に替わり、フライアッシュやスラグ、バイオマス灰や焼却灰などの灰、シリカヒュームなどを混和材として加えてもよい。
混練においては、新たにセメントを添加する必要は無い。これは、後述するように、廃コンクリート100に由来するセメントペースト102aが水の存在下二酸化炭素と反応(炭酸化)することで炭酸カルシウムの結晶が成長し、針状のネットワークを形成して強固な硬化物を与えるためである。
以上の工程により、流動性を有するレディーミクストコンクリートが得られる。ただし、ここで得られるレディーミクストコンクリートは高い流動性を有する必要は無く、パサパサの状態でもよい。すなわち、ここまでの工程で得られるレディーミクストコンクリートは、凝集したセメントペースト102aの間に大量の空隙を有し、外部から力が加わった場合に容易に変形する固体の状態を有していればよい。
その後、レディーミクストコンクリートを鋳型106に充填し(図3)、加圧することで成形を行う。鋳型106の大きさや形状は、製造されるコンクリート製品の用途に応じて任意に決定すればよい。このとき、鋳型106の内部全体に高密度でレディーミクストコンクリートが充填されるよう、鋳型106および/または鋳型106内のレディーミクストコンクリートに振動を加え、混入した空気を除去してもよい。加圧時の圧力は、例えば1MPa以上10MPa以下の範囲から選択すればよい。これにより、鋳型106から取り出した後のレディーミクストコンクリートが自立可能な状態となる。ここで、自立可能な状態とは、鋳型106から取り出された後でも成形によって創り出された三次元形状を維持できる状態を指す。なお、鋳型106内部には鉄筋を配置してもよい。成形後、レディーミクストコンクリートは鋳型106から取り出される(脱型)。
3.養生
その後、養生が行われる。養生は、専用の養生室で行ってもよく、あるいは固定容量を有する耐圧性容器や可撓性の袋などの密閉可能な容器110内で行ってもよい。耐圧性容器は、鉄やアルミニウム、ステンレスなどの金属、あるいは樹脂を用いて構成することができる。可撓性の袋は、可視光を透過する材料を含んでもよく、あるいは可視光を透過しない材料を含んでもよい。例えば、可撓性の袋は、ポリエチレンやポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリエチレン-ビニルアルコール共重合体などのガスバリア性の高い高分子材料を含んでもよい。あるいは、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトンなどの機械的強度の高い高分子(例えば、エンジニアリングプラスチック)の繊維を用いて可撓性の袋を構成してもよい。この繊維には、ガラス繊維や炭素繊維が複合されていてもよい。可撓性の袋を構成する材料のガス透過性が高い場合には、その内側および/または外側をアルミニウムなどの金属膜でコーティングしてもよい。容器110の大きさや形状は、成形されたレディーミクストコンクリート108が一つまたは複数収容可能なように調整される。
養生は、成形されたレディーミクストコンクリート108を大気中の二酸化炭素濃度よりも高い濃度で二酸化炭素を含むガスと接触させることで行われる。すなわち、400ppm以上100%以下の濃度で二酸化炭素を含むガスの存在下、成形したレディーミクストコンクリート108を養生(硬化)させる。養生室で養生を行う場合には、養生室に二酸化炭素を含むガスを供給すればよい。容器110で養生を行う場合には、容器110内を図示しない排気装置を用いて排気し、その後、二酸化炭素を含むガスを容器110に供給すればよい。二酸化炭素を含むガスの供給は、養生開始時だけ行ってもよく、定常的または断続的に行ってもよい。
二酸化炭素を含むガスは、二酸化炭素が充填されたボンベから供給してもよく、あるいは、養生を行う現場付近に二酸化炭素を大量に排出する施設(化学プラント、ゴミ焼却施設、火力発電所、その他各種工場など)が既設されている場合、これらの施設で排出されるガス、または排出ガスに対して脱塵、脱硫、脱硝などを行うことで得られる精製された二酸化炭素を二酸化炭素を含むガスとして利用してもよい。この場合、これらの施設が二酸化炭素を含むガスの供給源として機能し、二酸化炭素を運搬するためのコストが削減され、運搬に伴う二酸化炭素の更なる排出が防止される。
容器110を用いる場合には、二酸化炭素を含むガスの圧力は、1気圧(0.10MPa)以上が好ましく、0.20MPa以上2MPa以下、または0.5MPa以上1MPa以下がさらに好ましい。
図示しないが、二酸化炭素を含むガスに加湿器を接続し、水蒸気を添加して二酸化炭素を含むガスの湿度を適宜調整してもよい。例えば、二酸化炭素を含むガスの湿度を40%以上100%以下に調整してもよい。
養生の温度も任意に設定することができる。例えば、室温でもよく、あるいは室温以上の温度(例えば、40℃以上60℃以下)で行ってもよい。
養生の時間は、温度、二酸化炭素を含むガスの湿度と二酸化炭素濃度、レディーミクストコンクリート108の大きさ、水/セメント比などに応じて適宜決定すればよく、例えば1時間以上1ヶ月以下、1時間以上10日以下、または1時間以上12時間以下の範囲から選択すればよい。
養生室で養生を行う場合には、水またはアルカリ水溶液をレディーミクストコンクリート108に散布してもよい。水またはアルカリ水溶液の散布は、養生開始時だけに行ってもよく、あるいは定常的にまたは断続的に行ってもよい。アルカリ水溶液としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、または水酸化物の水溶液が例示される。水やアルカリ水溶液の温度は常温でもよく、40℃以上100℃以下でもよい。一方、容器110内で養生を行う場合には、水またはアルカリ水溶液を容器110内に供給してもよい。この場合にも、水またはアルカリ水溶液の供給は、養生開始時だけに行ってもよく、定常的にまたは断続的に行ってもよい。水またはアルカリ水溶液を散布または供給することで硬化速度を増大させることができるので、養生時間を短縮することができる。以上の工程により、脱型時の形状が反映されたコンクリート製品112を製造することができる。
4.メカニズム
養生によってレディーミクストコンクリート108が硬化するが、そのメカニズムは以下のように説明される。
ポルトランドセメントの主成分を構成する鉱物はエーライト(ケイ酸三カルシウム:3CaO・SiO2)とビーライト(ケイ酸二カルシウム:2CaO・SiO2)である。これらの鉱物が水と接触すると以下のような反応が進行し、ケイ酸カルシウム水和物(3CaO・2SiO2・3H2O)と水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を与える。このケイ酸カルシウム水和物と水酸化カルシウムがコンクリートのセメントペーストに相当する。このため、廃コンクリートから得られるセメントペーストもケイ酸カルシウム水和物と水酸化カルシウムが主成分となる。
Figure 2023114666000002
廃コンクリートから得られる粉体状のセメントペーストに水を加えても硬化しないため、一定の強度を有する硬化物を得ることはできない。これは、ケイ酸カルシウム水和物と水酸化カルシウムは水和反応しないためである。しかしながら、二酸化炭素存在下で養生することでケイ酸カルシウム水和物と水酸化カルシウムは以下の反応式に従って二酸化炭素と反応(炭酸化)し、二酸化ケイ素と共に炭酸カルシウムを与える。
Figure 2023114666000003
この反応が進行すると、セメントペースト中の水酸化カルシウムとケイ酸カルシウム水和物は、レディーミクストコンクリート中の隙間を埋めるように炭酸カルシウムの結晶を成長させて針状のネットワークを形成する。その結果、炭酸カルシウムの結晶のネットワーク内に酸化ケイ素が固定された強固な硬化物が生成する。すなわち、レディーミクストコンクリートが硬化し、高い圧縮強度を有するコンクリート製品112が得られる。
さらに、レディーミクストコンクリートの調整時においてフライアッシュや高炉スラグ、シリカヒュームなどの酸化ケイ素や酸化アルミニウムを含む混和材を用いる場合には、水酸化カルシウムとの反応(ポラゾン反応)が進行する。ポラゾン反応によって生成する安定なケイ酸カルシウム水和物やアルミン酸カルシウム水和物がコンクリート製品中の間隙を埋めるため、より緻密なコンクリート製品を得ることができる。
上記メカニズムに起因し、本製造方法では、新たにセメントを用いること無く、廃コンクリートから回収されたセメントペーストから新たなコンクリート製品を製造することができる。すなわち、廃コンクリートを単なる埋め戻し材や骨材といった副次的リサイクル材料に利用するだけでなく、セメントと実質的に同一の機能、すなわち、コンクリート製品を製造するために必須の機能である硬化機能を発現できる素材として活用することが可能となる。
また、セメントを製造するためには大量の二酸化炭素が必要とされるが、本製造方法ではセメントを別途準備する必要がない。すなわち、レディーミクストコンクリートの調整はセメントの非存在下で行われる。したがって、コンクリート製品の製造において二酸化炭素の排出を大幅に抑制することができる。また、本製造方法によって大量の二酸化炭素を炭酸カルシウムとしてコンクリート製品中に固定することができることから、本製造方法は、温室効果ガスの一つである二酸化炭素の低減に寄与する方法であると言える。
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
100:廃コンクリート、102:コンクリート片、102a:セメントペースト、102b:細骨材、102c:粗骨材、104:コンクリートミキサー、106:鋳型、108:レディーミクストコンクリート、110:容器、112:コンクリート製品

Claims (8)

  1. 廃コンクリートからセメントペーストを回収すること、
    前記セメントペースト、水、および化学混和剤を混合してレディーミクストコンクリートを調製すること、
    前記レディーミクストコンクリートを成形すること、ならびに
    400ppm以上100%以下の濃度で二酸化炭素を含むガスの存在下、成形された前記レディーミクストコンクリートを養生することを含む、コンクリート製品の製造方法。
  2. 前記レディーミクストコンクリートの前記調製において、骨材がさらに添加される、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ガスは水蒸気を含む、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記養生において、成形された前記レディーミクストコンクリートに水またはアルカリ水溶液を散布することをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記養生は、固定容量を有する容器、または可撓性の袋の中で行われる、請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記容器または前記袋内に水またはアルカリ水溶液を供給することをさらに含む、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記アルカリ水溶液は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、または水酸化物の水溶液である、請求項4または6に記載の製造方法。
  8. 前記レディーミクストコンクリートの前記調製は、セメントの非存在下で行われる、請求項1に記載の製造方法。
JP2022017107A 2022-02-07 2022-02-07 コンクリート製品の製造方法 Pending JP2023114666A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022017107A JP2023114666A (ja) 2022-02-07 2022-02-07 コンクリート製品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022017107A JP2023114666A (ja) 2022-02-07 2022-02-07 コンクリート製品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023114666A true JP2023114666A (ja) 2023-08-18

Family

ID=87569735

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022017107A Pending JP2023114666A (ja) 2022-02-07 2022-02-07 コンクリート製品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023114666A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhao et al. Effect of sodium sulfate on the hydration and mechanical properties of lime-slag based eco-friendly binders
Nazari et al. Properties of geopolymer with seeded fly ash and rice husk bark ash
US7682448B2 (en) High compressive strength silica mortar and manufacturing method thereof
CN111116142A (zh) 一种利用建筑弃土烧结微粉制备的生态混凝土及其混凝土制品的制备方法
Muthadhi et al. Experimental investigations on geo polymer concrete based on class C fly ash
Owaid et al. Use of waste paper ash or wood ash as substitution to fly ash in production of geopolymer concrete
Feng et al. Effects of phosphogypsum substitution on the performance of ground granulated blast furnace slag/fly ash-based alkali-activated binders
JP2023114666A (ja) コンクリート製品の製造方法
CN108083702A (zh) 一种环保墙体砖生产工艺
JP4048351B2 (ja) 加圧流動床ボイラ灰を用いた構造材料
KR20110018223A (ko) 바텀애쉬를 포함하는 비소성 결합재 및 이를 이용한 콘크리트 조성물
JP2011006308A (ja) 建設残土を利用した煉瓦の製造方法及び煉瓦
JP6300678B2 (ja) ジオポリマー組成物の硬化促進方法および製造方法
KR100878665B1 (ko) 폐콘크리트를 이용한 유해 폐기물 고화용 시멘트 제조방법및 이로부터 제조된 시멘트
Liu et al. Development and application of lead smelting slag eco-cementitious material: Synergistic excitation regulation and heavy metal solidification
JPH10130045A (ja) 再生可能なコンクリート材及び該コンクリート材から作られたコンクリート廃材の再利用方法
WO2003093191A1 (en) Method for manufacturing recycle cement
JP2022135892A (ja) クリンカ粉末及びその製造方法
JP2004082061A (ja) 珪酸カルシウム系廃棄物の処理及び再利用方法
Puksisuwan et al. Utilization of aluminium dross as a main raw material for synthesis of geopolymer
JP2001122653A (ja) 炭酸硬化体の製造方法
JP2003277110A (ja) セメント混和材及びその製造方法、並びに廃材の再利用方法
JPH08231255A (ja) クリンカーを骨材に使用したリサイクル可能なセメント硬化物及びリサイクル可能なセメント硬化物の製造方法
KR102531516B1 (ko) 폐 PET(polyethylene)병을 활용한 콘크리트 2차 제품 및 이를 통한 온실가스 감축기술
JPH05339037A (ja) モルタル及びコンクリートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220214