JP2023113426A - 空調機 - Google Patents

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優介 落合
Yusuke Ochiai
雄治 坂野
Yuji Sakano
茂樹 吉田
Shigeki Yoshida
大樹 松本
Daiki Matsumoto
僚祐 佐藤
Ryosuke Sato
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Abstract

【課題】冷却能力が向上した空調機を提供する。【解決手段】空調機は、給気経路と排気経路とを含む顕熱交換器と、給気が通過する給気用気化フィルタと、排気が通過する排気用気化フィルタと、を含む気化フィルタユニットと、前記気化フィルタユニットに給水するフィルタ用給水部と、を備え、前記フィルタ用給水部は、前記給気用気化フィルタ及び前記排気用気化フィルタによって共用される。【選択図】図3

Description

本発明は、空調機に関する。
室内の空気を吸い込み、水の気化熱を利用し雰囲気温度を低下させて冷却した空気を室内に吹き出す気化冷却式の空調機が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1の空調機において、第2流路を流れる空気は顕熱交換器が有する複数のチューブ内を通過し、第1流路を流れる空気は複数のチューブの周りを通過する。この結果、第2流路を流れる空気と、第1流路を流れる空気と、が熱交換される。
特開2014-092338号公報
しかしながら、特許文献1の空調機においては、更なる冷却能力の向上に関する考慮がされていない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、冷却能力が向上した空調機を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る空調機は、給気経路と排気経路とを含む顕熱交換器と、前記顕熱交換器の前記排気経路に給水する交換器用給水部と、前記顕熱交換器の前記排気経路に流れる排気の流れ方向にて、前記顕熱交換器よりも上流側に位置し、排気が通過する排気用気化フィルタと、前記排気用気化フィルタに給水するフィルタ用給水部と、を備える。
冷却能力が向上した空調機を提供する。
実施形態に係る空調機の一構成例を示す模式的側断面図である。 空調機の外観を示す斜視図である。 気化フィルタユニットの一構成例を示す模式的側断面図である。 仕切り部の上面側の一構成例を示す模式的斜視図である。 仕切り部の下面側の一構成例を示す模式的斜視図である。 顕熱交換器の一構成例を示す模式的斜視図である。 基本セットの一構成例を示す模式的斜視図である。 交換器用給水部と顕熱交換器との配置関係の一構成例を示す模式的斜視図である。 空調機における各機能部を示すブロック図である。 ポンプの駆動におけるタイミングチャートを例示する説明図である 基板に実装された制御部による処理手順を示すフローチャートである。 実施形態2に係るスペーサの一構成例を示す模式的斜視図である。 実施形態3に係る空調機の一構成例を示す模式的側断面図である。
本開示の実施形態に係る空調機等を、図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は以下の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれる。
(実施形態1)
以下、実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、実施形態に係る空調機1の一構成例を示す模式的側断面図である。図2は、空調機1の外観を示す斜視図である。図1は、図2におけるA-A線において切断した断面を、後面から模式的に示したものである。従って、図2においては、空調機1の前面から示すものであり、これを基準に左右を決定したため、図1に示す後面からの空調機1においては、左右の表記が紙面上の方向と逆となっている。図1においては、空調機1の載置状態を空調機1の通常の使用態様とし、上下左右を示す。図2においては、空調機1の載置状態を空調機1の通常の使用態様として、上下及び前後左右を示す。
空調機1は、例えば、トラック等の商用車、牽引車、高所作業車、ミニショベル、ゴルフカート等の車両Cに搭載される。空調機1は、箱状の筐体11を備え、筐体11の外面から延設されたケーブル123によって、例えば車両Cに備えられたシガーソケット等の給電部C1と電気的に接続される。ケーブル123は、筐体11の内部に設けられた受電部122と接続されている。従って、空調機1は、ケーブル123等を介して、車両Cのバッテリーから供給される電力を受電し駆動することで、車両Cの操作者の周辺空間を被空調空間として冷却する。
なお、空調機1は、工場等の屋内に載置されるものであってもよい。この場合、空調機1は、商用電源から供給された電力、又は筐体11に収納されるリチウムイオン電池等の二次電池等から供給された電力を用いて駆動するものであってもよい。なお、二次電池等は、筐体11の外部に備えられていてもよい。
筐体11は、樹脂製又は金属製から成る矩形状の箱体を成し、使用者が空調機1を持ち運ぶ際に把持される取手111が設けられている。なお、筐体11には、使用者が空調機1を持ち運ぶ際に利用される肩掛け紐が備えられていてもよい。
筐体11の上面には、給気を吹き出すダクト113が設けられている。筐体11の前面には、給水タンク8が設けられている。給水タンク8は、筐体11に対し着脱可能に篏合されている。そのため、給水タンク8への水の補充を行う際、給水タンク8のみを水道の蛇口に持っていくことが可能となり、空調機1の利用者による水の補充作業負荷が軽減される。給水タンク8の側面には水位確認窓81が設けられている。使用者は、水位確認窓81を介して、給水タンク8における残水量を視認できる。給水タンク8は、筐体11に対し一体型で構成され、筐体11から取り外し不可となっているものであってもよい。
空調機1は、水を貯水する給水タンク8と、給水タンク8から給水される気化フィルタユニット2及び顕熱交換器3を含む冷却ユニット20とを備える。気化フィルタユニット2は、給水タンク8から供給された水の気化熱を用いて雰囲気温度を低下させ、被空調空間を冷却する。気化フィルタユニット2は、排気が通過する排気用の気化フィルタである排気用気化フィルタ21と、給気が通過する給気用の気化フィルタである給気用気化フィルタ22とを含む。気化フィルタユニット2は、排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22を含む場合に限定されず、排気用気化フィルタ21のみを含む構成であってもよい。更に顕熱交換器3は、給水タンク8から供給された水の顕熱及び潜熱を用いて雰囲気温度を低下させ、被空調空間を冷却する。排気用気化フィルタ21は、排気の流れ方向において、顕熱交換器3よりも上流側に位置して設けられている。すなわち、排気用気化フィルタ21は、フィルタ用給水部24と気化フィルタユニット2とが並ぶ方向と直交する方向において、顕熱交換器3と、空調機1の外部から排気を吸い込む排気吸込口52との間に位置して設けられている。給気用気化フィルタ22は、給気の流れ方向において、顕熱交換器3よりも下流側に位置して設けられている。すなわち、給気用気化フィルタ22は、フィルタ用給水部24と気化フィルタユニット2とが並ぶ方向と直交する方向において、顕熱交換器3と、給気が空調機1の外部に吹き出す給気吹出口43との間に位置して設けられている。気化フィルタユニット2及び顕熱交換器3の詳細は、後述する。
筐体11には、被空調空間の空気を吸い込む給気吸込口42及び排気吸込口52が設けられている。給気吸込口42は筐体11の右面に設けられ、排気吸込口52は筐体11の左面に設けられている。これら給気吸込口42及び排気吸込口52は、筐体11における対向する2つの側面それぞれに設けられている。
筐体11には、給気吹出口43及び排気吹出口53が設けられている。顕熱交換器3及び給気用気化フィルタ22を通過し、顕熱交換器3及び給気用気化フィルタ22によって二段階によって冷却された空気が、給気吹出口43から被空調空間に給気として吹き出される。また、排気用気化フィルタ21及び顕熱交換器3を通過し、排気用気化フィルタ21及び顕熱交換器3に給水された水により二段階によって冷却された後、顕熱交換器3にて給気と顕熱交換された空気が、排気吹出口53から空調機1の外部に排気として吹き出される。給気吹出口43は、筐体11の上面の左側に形成されている。給気吹出口43の上方には、ダクト113が配置されており、ダクト113は、給気吹出口43と連通している。排気吹出口53は、筐体11の上面の右側に形成されている。
給気吸込口42と給気吹出口43とは連通しており、給気吸込口42を給気の入口、給気吹出口43を給気の出口として、給気となる空気が流れる給気流路が、形成される。すなわち、給気は、給気吸込口42から給気流路に流入し、給気吹出口43から流出する。給気吸込口42には、給気吸込口42から吸い込んだ給気の塵埃を捕集する給気用集塵フィルタ44が設けられている。
排気吸込口52と排気吹出口53とは連通しており、排気吸込口52を排気の入口、排気吹出口53を排気の出口として、排気となる空気が流れる排気流路が、形成される。すなわち、排気は、排気吸込口52から排気流路に流入し、排気吹出口53から流出する。排気吸込口52には、排気吸込口52から吸い込んだ排気の塵埃を捕集する排気用集塵フィルタ54が設けられている。
空調機1は、給気及び排気を搬送するためのファンを備える。ファンは、給気を搬送する給気ファン41と、排気を搬送する排気ファン51とを含む。給気ファン41及び排気ファン51は、例えばプロペラファン等の軸流ファン、又はシロッコファンであってもよい。給気ファン41は、給気吸込口42の近傍に設けられており、給気流路における給気の流れ方向において、顕熱交換器3よりも上流側に位置し、押し出しファンとして機能する。給気流路における給気の流れ方向において、給気ファン41と給気吸込口42との間には、給気吸込口42から吸い込んだ給気の塵埃を捕集する給気用集塵フィルタ44が設けられている。
排気ファン51は、排気吹出口53の近傍に設けられており、排気流路における排気の流れ方向において、顕熱交換器3よりも下流側に位置し、吸い込みファンとして機能する。給気ファン41及び排気ファン51は、これら態様に限定されず、いずれも押し出しファン、又は吸い込みファンであってもよい。
排気ファン51によって搬送される排気は、排気吸込口52から吸い込まれ、排気吸込口52と顕熱交換器3との間に位置する排気用気化フィルタ21を通過した後、顕熱交換器3の排気経路32に流入する。排気用気化フィルタ21は、レーヨン・ポリエステル、又は不織布等によって成形されている。排気用気化フィルタ21の上部には、給気用気化フィルタ22が設けられており、給気用気化フィルタ22と排気用気化フィルタ21との間には、板状の仕切り部23が設けられている。仕切り部23の下面には、複数の連通孔232が形成された突設部231が、給気用気化フィルタ22に向けて突設されている。給気用気化フィルタ22の上部に設けられたフィルタ用給水部24から供給され、気化することなく給気用気化フィルタ22を通過した水は、仕切り部23の連通孔232から排気用気化フィルタ21に滴下する。フィルタ用給水部24は、給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21に水を供給するフィルタ用の給水部である。排気用気化フィルタ21は吸水性を有し、フィルタ用給水部24から給水された水が排気用気化フィルタ21の全面に浸透することにより、水の気化を促進する。排気用気化フィルタ21の下方には、フィルタ用ドレンパン25が設けられている。フィルタ用ドレンパン25は、フィルタ用給水部24から供給され給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21を通過した水を受けるフィルタ用のドレンパンである。フィルタ用ドレンパン25の下方には、更に共用ドレンパン6が設けられている。
顕熱交換器3には、給気が流れる給気経路31と排気が流れる排気経路32とが設けられている。上述のとおり、空調機1には、空気の流通経路として、給気が流れる給気流路と排気が流れる排気流路とが設けられている。顕熱交換器3の給気経路31は給気流路の一部を構成し、顕熱交換器3の排気経路32は排気流路の一部を構成する。
詳細は後述するが、顕熱交換器3における給気経路31と排気経路32とは、中空構造を有する複数の樹脂プレートにより形成され、これらプレート夫々を並列に設けることにより積層して、顕熱交換器3が構成される。顕熱交換器3は、樹脂プレートの板厚が薄くされることにより、伝熱性が向上すると共に顕熱交換器3の重量が低減される。中空構造は、金属プレートにより構成されるものであってもよい。
給気経路31と排気経路32とは、互いに垂直に複数の樹脂プレートが積層されて設けられており、これら樹脂プレートを介して、給気及び排気との間の顕熱交換が行われる。
これら積層される複数の樹脂プレートの積層方向は、給気経路31及び排気経路32のそれぞれの経路方向に対し、垂直となる。すなわち本実施形態において、給気経路31の経路方向は左から右となり、排気経路32は下から上となり、これに対し、積層方向は、
これら左右及び上下の双方の方向に対し垂直となる前後方向となる。このように給気経路31と排気経路32とが互いに直交することにより、給気経路31を流れる給気と排気経路32を流れる排気とによって、直交流が形成される。
顕熱交換器3における対向する2つの側面それぞれには、給気経路31の入口及び出口が設けられている。本実施形態における図示において、給気経路31の入口は顕熱交換器3の右面に設けられ、給気経路31の出口は顕熱交換器3の左面に設けられている。
給気経路31は、給気経路31の入口から給気経路31の出口に向けて連通された複数の空間が積層されて、形成されている。顕熱交換器3における下面には排気経路32の入口が設けられ、上面には排気経路32の出口が設けられている。排気経路32は、排気経路32の入口から排気経路32の出口に向けて連通された複数の空間が積層されて、形成されている。排気経路32の入口には、排気用気化フィルタ21によって冷却された排気が流入する。
顕熱交換器3の下方には、上部に開口部を有する箱状の交換器用ドレンパン37が設けられている。交換器用ドレンパン37は、後述するように交換器用給水部36から供給され顕熱交換器3を通過した水を受ける熱交換器用のドレンパンである。交換器用ドレンパン37は、開口部を顕熱交換器3の下面に向け、排気の流れ方向において顕熱交換器3よりも上流側に設けられている。排気ファン51によって排気吸込口52から吸い込まれ搬送され、排気用気化フィルタ21を通過した排気は、上面が開放された箱状を成す交換器用ドレンパン37と、顕熱交換器3と、に挟まれた空間を通過して、顕熱交換器3の下面に設けられた排気経路32の入口から排気経路32に流入する。すなわち、交換器用ドレンパン37は、排気流路の一部を形成する。排気流路の一部を形成する交換器用ドレンパン37と顕熱交換器3とに挟まれた空間を通過した排気は、交換器用ドレンパン37にて受けられた水により、更に冷却される。交換器用ドレンパン37の下方には、更に共用ドレンパン6が設けられている。本実施形態において、排気は、交換器用ドレンパン37と顕熱交換器3とに挟まれた空間を通過するとしたがこれに限定されず、交換器用ドレンパン37と顕熱交換器3とに挟まれた空間を通過することなく、排気経路32に流入するものであってもよい。
顕熱交換器3の排気経路32を通過した排気は、排気経路32に給水する交換器用給水部36が設けられた空間を通過し、排気ファン51に吸い込まれ、排気吹出口53から吹き出される。交換器用給水部36は、顕熱交換器3に水を供給する熱交換器用の給水部である。交換器用給水部36の詳細については、後述する。
排気の流れ方向において、顕熱交換器3の排気経路32よりも下流側に位置する排気流路を形成する壁面112には、空調機1を制御するための制御部121(図9参照)が実装された基板12が、熱的に接続されている。基板12と熱的に接続される壁面112は、交換器用給水部36が設けられた空間と、基板12が配置された空間とを仕切るための仕切板により、構成されるものであってもよい。又は、基板12と熱的に接続される壁面112は、排気ファン51の外殻を成すファンケーシングの外面であってもよい。顕熱交換器3の排気経路32よりも下流側に位置する排気流路には、排気用気化フィルタ21及び交換器用給水部36からの水の気化熱により冷却された排気が流れるため、排気によって、基板12が冷却される。本実施形態において、基板12は排気流路を形成する壁面112に熱的に接続されるとしたが、基板12は排気流路の近傍に位置せず設けられてもよい。
本実施形態における図1上の例示において、給気が流れる給気経路31は、顕熱交換器3の右面から左面に向かって、直線状に設けられている。給気の流れ方向において、給気経路31の出口の下流側には、給気用気化フィルタ22が設けられている。給気用気化フィルタ22は、顕熱交換器3と給気吹出口43との間の給気流路上に設けられている。
給気用気化フィルタ22は、矩形状の一面を給気経路31の出口が設けられた顕熱交換器3の左面に対向させて、設けられている。このように給気用気化フィルタ22は、冷却エレメントとして機能する。給気用気化フィルタ22は、排気用気化フィルタ21と同様にレーヨン・ポリエステル、又は不織布等によって成形されている。給気用気化フィルタ22の上部には、給水孔を有するフィルタ用給水部24が設けられている。給気用気化フィルタ22は吸水性を有し、フィルタ用給水部24から給水された水が給気用気化フィルタ22の全面に浸透することにより、水の気化を促進する。給気用気化フィルタ22は、給気の流れ方向において、給気ファン41よりも下流側の給気流路に設けられている。従って、給気用気化フィルタ22内は、大気圧よりも正圧となる。給気用気化フィルタ22から給気吹出口43までの給気流路は、給気用気化フィルタ22から上方に向かって延設されている。
顕熱交換器3の給気経路31から流出した給気は、給気用気化フィルタ22を通過し、給気吹出口43から被空調空間に吹き出される。給気経路31の出口から流出した給気は、顕熱交換器3を介して排気により一次冷却されており、給気用気化フィルタ22よって二次冷却されることにより、二段階にて冷却されるものとなる。従って、例えば、給気用気化フィルタ22のみを用いる直接気化方式と比較して、給気の温度が更に低下する。
上述のとおり、空調機1は、排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22を含む気化フィルタユニット2、及び顕熱交換器3に供給する水を貯水する給水タンク8を備える。給水タンク8と、交換器用ドレンパン37及びフィルタ用ドレンパン25に連通する共用ドレンパン6とは、顕熱交換器3の残留水及び気化フィルタユニット2の残留水を回収するための回収水路7にて、連通している。本実施形態では、空調機1は、交換器用ドレンパン37、フィルタ用ドレンパン25、及び共用ドレンパン6を備えるとしたがこれに限定されず、空調機1は、単一のドレンパンを備え、これにより顕熱交換器3の残留水及び気化フィルタユニット2の残留水を受けるものであってもよい。
回収水路7は、2つに分岐した並列水路を含み、並列水路は、第1回収ポンプ71及び第1流量センサ711が設けられた回収水路と、第2回収ポンプ72及び第2流量センサ721が設けられた回収水路とを含む。従って、第1回収ポンプ71と第2回収ポンプ72とは並列に接続されている。第1流量センサ711は第1回収ポンプ71に直列に接続され、第1回収ポンプ71が搬送した水の流量を検出する。第2流量センサ721は第2回収ポンプ72に直列に接続され、第2回収ポンプ72が搬送した水の流量を検出する。共用ドレンパン6に溜まった水は、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72が駆動されることにより回収水路7を介して搬送され、給水タンク8に回収及び貯水される。第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の少なくとも一方が備えられているため、共用ドレンパン6に溜まった水が給水タンク8に回収される際に、重力により回収する構成に比べて確実に回収可能であり、更に、水を共用ドレンパン6よりも高い位置に搬送可能である。従って、給水タンク8の配置位置を自由に決められ、空調機1の設計の自由度が増す。本実施形態では、気化しなかった水は給水タンク8に回収されるとしたがこれに限定されず、気化しなかった水は破棄されるものであってもよい。
給水タンク8に回収された水は、供給水路9を介して気化フィルタユニット2及び顕熱交換器3に供給される。供給水路9には、給水ポンプ91が設けられている。給水ポンプ91を駆動することにより給水タンク8内の水は、気化フィルタユニット2の上方に配置されるフィルタ用給水部24、及び顕熱交換器3の上方に配置される交換器用給水部36のそれぞれに供給される。水の給水方向において、給水ポンプ91の下流側に位置する供給水路9は、フィルタ用給水部24及び交換器用給水部36の個数に応じて分岐されており、分岐された供給水路9それぞれは、フィルタ用給水部24及び交換器用給水部36に連通している。供給水路9の分岐は例えば三方弁により構成され、交換器用給水部36への体積流量がフィルタ用給水部24への体積流量よりも多くなるように、供給水路9は構成されるものであってもよい。例えば、交換器用給水部36への体積流量は0.4L/minとし、フィルタ用給水部24への体積流量は0.1L/minとしてもよい。これにより、給気と共に被空調空間に吹き出される水蒸気の量を抑制しつつ、顕熱交換器3において顕熱によって排気を冷却するための水量を多くすることができ、冷却ユニット20における冷却効率が更に向上する。
冷却ユニット20と、給水タンク8とは、供給水路9及び回収水路7によって連通されることにより、冷却ユニット20と給水タンク8との間にて水を循環させる循環水路が形成される。循環水路は、給水タンク8、供給水路9、気化フィルタユニット2及び回収水路7による気化フィルタユニット2系循環水路と、給水タンク8、供給水路9、顕熱交換器3及び回収水路7による顕熱交換器3系循環水路とにより、並列に構成される。
上述のとおり、給気吸込口42及び排気吸込口52には、それぞれ給気用集塵フィルタ44及び排気用集塵フィルタ54が設けられており、筐体11は塵埃が入り込み難い構造となっている。その結果、循環水路にて何度も冷却ユニット20に供給される水は、綺麗な状態が保たれる。
給水タンク8の外周面には、断熱部材が貼付されているものであってもよい。上述のとおり、給水タンク8には、気化フィルタユニット2及び顕熱交換器3から回収された水が貯水されるものであり、水は、気化熱によって冷却されている。給水タンク8の外周面に断熱部材を設けることにより、外周面を介して、気化フィルタユニット2及び顕熱交換器3から回収された水と給水タンク8の周辺空気との間における熱交換が抑制される。その結果、給水タンク8内の水温の上昇が抑制される。同様に、フィルタ用ドレンパン25、交換器用ドレンパン37、共用ドレンパン6、回収水路7及び供給水路9の外周面においても、断熱部材が貼付されているものであってもよい。
図3は、気化フィルタユニット2の一構成例を示す模式的側断面図である。フィルタ用給水部24から供給された水は、気化フィルタユニット2に滴下される。上述のとおり、気化フィルタユニット2は、排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22を含み、給気用気化フィルタ22は排気用気化フィルタ21の上方に位置して設けられている。すなわち、給気用気化フィルタ22は、フィルタ用給水部24と排気用気化フィルタ21との間に位置して設けられている。従って、気化フィルタユニット2の上方に位置するフィルタ用給水部24から供給された水は、まずは給気用気化フィルタ22に滴下され、給気用気化フィルタ22に浸透する。給気用気化フィルタ22内に浸透した水は、給気用気化フィルタ22を通過する給気によって気化され、気化する際の潜熱を給気から得ることにより、給気を冷却する。
上下に並ぶ給気用気化フィルタ22と排気用気化フィルタ21との間には、板状の仕切り部23が設けられており、仕切り部23には連通孔232が形成されている。給気用気化フィルタ22にて気化せず、給気用気化フィルタ22を通過した水は、仕切り部23の連通孔232から、排気用気化フィルタ21に滴下され、排気用気化フィルタ21に浸透する。排気用気化フィルタ21に内に浸透した水は、排気用気化フィルタ21を通過する排気によって気化され、気化する際の潜熱を排気から得ることにより、排気を冷却する。
排気用気化フィルタ21の下方には、フィルタ用ドレンパン25が設けられている。排気用気化フィルタ21にて気化せず、排気用気化フィルタ21を通過した水は、フィルタ用ドレンパン25に流れ込み、フィルタ用ドレンパン25によって一旦受けられた後、共用ドレンパン6に流れ込む。
排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22は共に矩形板状であり、給気用気化フィルタ22の体積は排気用気化フィルタ21の体積よりも大きいものであってもよい。給気用気化フィルタ22の体積を排気用気化フィルタ21の体積よりも大きくすることにより、給気用気化フィルタ22における水の保水量を排気用気化フィルタ21における水の保水量よりも多くできる。これにより、給気用気化フィルタ22を通過する給気の冷却効率を増加させ、空調機1の冷却能力が向上される。
気化フィルタユニット2は、フィルタ用給水部24から下方に向けて、給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21を、この順番で配置することにより、フィルタ用給水部24から供給された水が、重力を用いて給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21に滴下する。すなわち、給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21にて、単一のフィルタ用給水部24を共用することができ、空調機1に搭載される部品点数が削減され、製品重量の低減、筐体サイズの省スペース化、及び製品コストが削減される。このようにフィルタ用給水部24の下方に給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21を上下に並べて配置することにより、給気用気化フィルタ及び排気用気化フィルタ21は、フィルタ用給水部24からの給水方向に沿わせて設けられる。そのため、水を給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21の双方に供給するにあたり、給気用気化フィルタ22と排気用気化フィルタ21との間での水の流通を効率的に行うことができる。また、給気用気化フィルタ22から排気用気化フィルタ21に水を流通させるにあたり重力を用いることができ、空調機1におけるエネルギー効率を向上させることができる。
本実施形態において、給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21は、単一のフィルタ用給水部24を共用するとしたがこれに限定されない。給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21それぞれに対し、別個のフィルタ用給水部24が設けられるものであってもよい。この場合、給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21は、上下に並設されるものでなくてもよく、離間して筐体11内に設けられるものであってもよい。又は、排気用気化フィルタ21が、給気用気化フィルタ22の上方に位置して、気化フィルタユニット2は構成されるものであってもよい。
図4は、仕切り部23の上面側の一構成例を示す模式的斜視図である。図5は、仕切り部23の下面側の一構成例を示す模式的斜視図である。仕切り部23は、給気用気化フィルタ22と排気用気化フィルタ21との間に設けられることにより、仕切り板として機能する(図3参照)。仕切り部23は、給気用気化フィルタ22と排気用気化フィルタ21を収納する枠体の一部として、枠体と一体成型されているものであってもよく、又は枠体とは別個の板部材として成形され、枠体の内部に篏合されるものであってもよい。仕切り部23の長手方向に延びる側面それぞれには、給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21を保持する保持板が設けられているものであってもよい。
仕切り部23は、給気用気化フィルタ22の下面に対向する上面と、排気用気化フィルタ21の上面に対向する下面を備える。仕切り部23の上面には、長手方向に沿って形成された溝部が、短手方向の中央部に位置して形成されている。溝部が最下部となるように、上面はテーパ状に傾斜して形成されている。仕切り部23の下面には、排気用気化フィルタ21に向かって複数の円筒状の突設部231が突設されている。突設部231それぞれには、突設部231の突設方向に貫通した連通孔232が設けられている。連通孔232それぞれは、溝部と連通している。これにより、給気用気化フィルタ22にて気化せず、給気用気化フィルタ22を通過した水は、仕切り部23の上面にて一旦受けられ、最下部となる溝部に流れ込んだ後、連通孔232を通過して、排気用気化フィルタ21に滴下する。なお、溝部は、仕切り部23の短手方向の中央部に位置せず、仕切り部23の一方の側面側に偏って設けられてもよい。また、溝部は、短手方向に沿って形成されてもよい。
仕切り部23の上面は、溝部が最下部となるようにテーパ状に傾斜しているため、給気用気化フィルタ22から滴下された水は、効率的に溝部に集約され、溝部に連通する連通孔232から排気用気化フィルタ21に滴下される。本実施形態にて、仕切り部23の上面はテーパ状に傾斜しているとしたがこれに限定されず、傾斜がなくてもよい。
連通孔232は、仕切り部23の下面から排気用気化フィルタ21に向けて、縮径されているものであってもよい。すなわち、連通孔232の孔径は、突設部231の基端側の孔径よりも、先端側の孔径のほうが小さいものであってもよい。上述のとおり、給気用気化フィルタ22を含む給気流路は正圧となり、排気用気化フィルタ21を含む排気経路32は負圧となるため、給気用気化フィルタ22と排気用気化フィルタ21との間には差圧が発生する。これに対し、仕切り部23の上面をテーパ状に傾斜させ、更に連通孔232を排気用気化フィルタ21に向けて縮径させて、全体的に先細り形状とすることにより、給気用気化フィルタ22から排気用気化フィルタ21への空気の流れにおける圧力損失は増加する。これにより、上述のとおり給気用気化フィルタ22と排気用気化フィルタ21との間には差圧が発生した場合であっても、圧力損失により給気用気化フィルタ22から排気用気化フィルタ21に給気が流れることを抑え、供給する給気量が低減することを抑制する。なお、連通孔232の孔径は、給気用気化フィルタ22の下面の面積よりも小さければよく、孔形状は円、長孔、方形等であってもよい。
図6は、顕熱交換器3の一構成例を示す模式的斜視図である。図7は、経路部材311と経路部材311の一面に配置される複数のスペーサ321とを含む基本セットの一構成例を示す模式的斜視図である。図6においては、顕熱交換器3の積層方向における中央部を波線にて省略する。顕熱交換器3は、複数の給気経路31と排気経路32とを備え、これら給気経路31と排気経路32とが交互に積層された積層構造を有する。給気経路31それぞれは、中空構造を有する矩形板状の樹脂プレートである経路部材311によって構成される。経路部材311は、例えば、ポリプロピレン等を原料としたプラスチック製のダンボールにより構成される。
中空構造を有する経路部材311は、図示にて示す左右に連通した給気パス312が、上下方向に並んで互いに平行に複数形成されている。すなわち、経路部材311における複数の給気パス312それぞれの延伸方向は、互いに平行を成す。給気パス312それぞれの経路断面は方形を成す。このように1つの経路部材311に複数の給気パス312が形成されることで、1つの給気経路31が構成される。更に、経路部材311が図示にて示す前後にて複数並んで積層されることにより、複数の給気経路31が構成される。
積層して配置された複数の経路部材311において、隣接する経路部材311に対し対向する一面には、湿潤部33が設けられている。湿潤部33は、例えば、不織布にて構成され、経路部材311の一面に貼付されている。すなわち、隣接する経路部材311において、一の経路部材311の一面と、他の経路部材311の他面とが対向している場合、対向する一面及び他面の双方に湿潤部33が貼付されている。湿潤部33は、隣接する経路部材311にて互いに対向する面それぞれに貼付されている場合に限定されず、いずれか一方の面にのみ湿潤部33が貼付されているものであってもよい。又は、経路部材311の一面及び他面には、湿潤部33が貼付されていないものであってもよい。
排気経路32それぞれは、隣接する経路部材311の間に設けられたスペーサ321によって形成される空間により構成される。上述のとおり、隣接する経路部材311にて互いに対向する面それぞれには不織布等の湿潤部33が貼付されているため、スペーサ321は、対向する面それぞれに貼付された湿潤部33の間に配置されるものとなる。湿潤部33には、スペーサ321が配置される部位に対応した切欠きが形成されているものであってもよい。
積層される複数の経路部材311において、積層方向の両端に位置する2つの経路部材311の外面には、積層方向の長さである顕熱交換器3の幅を調整する幅調整部材34が貼付されている。幅調整部材34は矩形板状を成し、例えば発泡材にて成形される。発泡材を用いて幅調整部材34を成形することにより、幅調整部材34が断熱部材として機能する。これにより、顕熱交換器3の周辺空気との熱交換が抑制され、顕熱交換器3における熱交効率が向上する。
幅調整部材34は、一面を経路部材311の外面に対向させて設けられている。幅調整部材34の一面と、経路部材311の外面とは、同一形状及び面積となるように、幅調整部材34は成形されている。このように設けられた2つの幅調整部材34は、空調機1の前面側及び後面側に設けられるものとなり、これら2つの幅調整部材34の間に積層された経路部材311及びスペーサ321が介在するものとなる。幅調整部材34を設けることにより、顕熱交換器3の幅が所定のサイズに調整可能となり、筐体11内に顕熱交換器3を収納する際の配置自由度が向上する。
これら幅調整部材34それぞれの一面には、例えばスポンジ性のシール材35が貼付されている。シール材35は、矩形状の枠体を成し、四隅を、幅調整部材34の四隅に位置合わせして設けられている。なお、シール材35の形状は矩形上の枠体に限らず、L形状のものが2つ、又は棒形状のものが4つで構成されてもよい。シール材35それぞれは、外側から保持部材38によって挟み込まれ、これにより顕熱交換器3は保持部材38によって保持される。シール材35を介在させて、保持部材38により顕熱交換器3を保持することにより、顕熱交換器3を通過することなく流通する給気や排気が発生することを防止できる。
本実施形態においては、隣接する経路部材311の間には、3つのスペーサ321が配置されている。3つのスペーサ321は、長尺状を成し、経路部材311を成形する樹脂よりも、剛性が高い樹脂又は発泡材により成形される。スペーサ321それぞれは、排気の流れ方向に対し長手方向を沿わして、すなわち長手方向が排気の流れ方向に対し平行となるように、経路部材311の一面に貼付された湿潤部33上に配置されている。
3つのスペーサ321のうち、2つのスペーサ321は、経路部材311の端部のうち給気経路31の入口側及び出口側に配置され、残り1つのスペーサ321は、経路部材311の中央部に配置されている。中央部のスペーサ321と端部の2つのスペーサ321との間のそれぞれの距離が同じとなるように、これら3つのスペーサ321は配置されている。すなわち、これら複数のスペーサ321は等間隔に配置されている。
それぞれのスペーサ321において、排気の流れ方向における上流側の端部は、排気の流れ方向に向けて幅が広くなるようにテーパ状に形成されている。端部の2つのスペーサ321それぞれは、内側に位置する側面のみがテーパ状に形成されている。中央部のスペーサ321は、2つの側面それぞれがテーパ状に形成されている。このようにスペーサ321における、排気の流れ方向における上流側の端部を、排気の流れ方向に向けて幅が広くなるようにテーパ状に形成することにより、隣り合う2つのスペーサ321のテーパ状の端部それぞれによって形成される排気パス322は、排気の流れ方向に向けて幅が狭くなるように形成される。すなわち、排気の流れ方向における、排気パス322の入口の間口を広げ、排気の流れ方向に沿って排気パス322の経路断面積を徐々に又は段階的に小さくすることができる。
このようにスペーサ321それぞれが、経路部材311の一面に貼付された湿潤部33上に配置されることにより、スペーサ321及び湿潤部33にて囲まれた排気パス322が形成される。すなわち、隣接するスペーサ321において対向する側面と、対向する面それぞれに貼付された湿潤部33とにより、排気パス322の内面が構成される。本実施形態にて例示されるように経路部材311の一面に3つのスペーサ321を配置した場合、2つの排気パス322が形成される。
図7に示す、経路部材311と経路部材311の一面に配置される複数のスペーサ321とを含む基本セットを、経路部材311とスペーサ321とが交互に位置するように積層することにより、積層構造を有する顕熱交換器3が構成される。経路部材311の一面に3つのスペーサ321を配置する場合、顕熱交換器3が有する排気パス322の個数は、基本セットの積層数に2を乗算した個数となる。経路部材311の一面に配置するスペーサ321の個数は3つに限定されず、2つ又は4つ以上であってもよい。例えば、スペーサ321の個数を2つとすることにより、生成される排気パス322は1つとなるものであってもよい。
積層方向における排気パス322の幅は、給気パス312の幅よりも、大きいものであってもよい。又は、排気パス322の経路断面積は、給気パス312の経路断面積よりも、大きいものであってもよい。このように、排気パス322を給気パス312よりも幅広く形成、又は排気パス322の経路断面積を給気パス312の経路断面積よりも大きくすることにより、フィルタ用給水部24から供給された水が排気パス322の途中で滞留し、排気パス322を塞ぐことが抑制される。
排気パス322の内面は、経路部材311の一面に貼付された不織布等の湿潤部33によって構成されるため、フィルタ用給水部24から供給された水は湿潤部33によって保水される。これにより、排気に接する水の分布密度が向上するため、排気パス322を通過する排気と水との顕熱交換率を向上させ、排気による水の気化を促進させ、又はこれら双方の作用が奏される。この結果、水による排気の冷却度が増加する。なお、湿潤部33に保水されている水は、顕熱交換器3にて排気経路32に流れる排気と直交流を形成している給気経路31を流れる給気との間でも顕熱交換される。
上述したとおり、スペーサ321の端部はテーパ状に形成されているので、スペーサ321により形成される排気パス322の入口における経路断面積が大きくなる。従って、排気パス322に排気が流入する際の圧力損失が低減される。
スペーサ321の剛性は、経路部材311の剛性よりも高いため、顕熱交換器3を筐体11内に配置する際、スペーサ321は強度部材として機能し、顕熱交換器3の変形が抑制される。経路部材311は給気パス312を形成するにあたり中空構造を有する構成であることに対し、スペーサ321は中空構造を有さない中実体にて成形してもよい。又は、スペーサ321の材料となる樹脂等を、経路部材311の材料となる樹脂等の剛性よりも高い剛性の素材としてもよい。これらの結果、スペーサ321の剛性が経路部材311の剛性よりも高くなってもよい。スペーサ321は中実体としたがこれに限定されず、スペーサ321は、剛性を設計上必要とされる値を担保した上で、中空構造を有するものであってもよい。スペーサ321及び経路部材311の剛性は、例えばヤング率等にて示されるものであってもよい。スペーサ321の剛性が、経路部材311の剛性よりも高くなることにより、スペーサ321及び経路部材311に対し同方向にて同じ応力を加えた場合、スペーサ321の撓み量が、経路部材311の撓み量よりも少なくなる。
図8は、交換器用給水部36と顕熱交換器3との配置関係の一構成例を示す模式的斜視図である。交換器用給水部36は、長尺の筒状を成し、本実施形態においては、経路部材311及びスペーサ321を含む基本セットの積層方向に対し、交差する方向にて、2つ並設されている。この場合、交換器用給水部36それぞれは、長手方向を基本セットの積層方向に沿わして、すなわち長手方向が積層方向と平行となるように、顕熱交換器3の上部に配置される。なお、本実施形態における図示において、手前に配置される交換器用給水部36については、内部構造を示す側断面図にて説明する。
長尺の筒状を成す交換器用給水部36の内部は、供給水路9の一部を成し、給水ポンプ91にて搬送された水が、交換器用給水部36の側面に形成された管状の入水部から流れ込む。交換器用給水部36の下面からは、長手方向に沿って、複数のノズル361が等間隔に形成されている。複数のノズル361それぞれは、排気パス322それぞれに対応して形成されている。少なくとも半分以上又は全ての排気パス322の上方にノズル361が位置するように、交換器用給水部36は顕熱交換器3の上部に配置されている。すなわち隣接する排気パス322間の距離は、隣接するノズル361間の距離と同じになるように、これら複数のノズル361は設けられている。ノズル361の先端と、顕熱交換器3と、は離間しているものであってもよく、又はノズル361の先端の一部が、排気パス322に挿入されているものであってもよい。各ノズル361から滴下された水は、ノズル361に対応した直下に位置する排気パス322に流入する。交換器用給水部36から滴下された水は、排気経路32を構成する排気パス322夫々に分配されて、排気パス322の内部に滴下するため、排気に接する水の表面積が増加する。交換器用給水部36の上面は、平板状を成し、平板状の上面には、排気ファン51が配置されるものであってもよい。
交換器用給水部36は、顕熱交換器3の上部に設けられているため、交換器用給水部36から滴下される水は、排気パス322の上部、すなわち排気パス322における排気の出口から、排気パス322に流入するものとなる。これにより、顕熱交換器3の排気パス322において、下から上への排気の流れ方向と、交換器用給水部36から滴下等される上から下への水の給水方向と、は向流方向となる。なお、これに限定されず、顕熱交換器3の排気パス322において、排気の流れ方向と、交換器用給水部36からの給水方向は、並流方向であってもよい。
上述のとおり、顕熱交換器3の排気経路32において、交換器用給水部36から滴下される水と、排気ファン51によって搬送される排気とは、流れ方向が向流方向となる対向流を形成する。排気経路32の上方から滴下された水は、排気経路32の下方から流入した排気によって気化され、排気は水の気化潜熱により冷却される。排気経路32の上方から滴下された水は、給水タンク8に回収された水であり、水温は排気よりも低い。そのため、排気は水との顕熱交換によっても冷却される。気化せずに排気経路32を通過した水は、排気経路32の下方に位置する交換器用ドレンパン37によって受けられる。気化せずに排気経路32を通過した水についても、気化した水の気化潜熱により冷却される。
冷却された排気は、給気経路31を流れる給気との間で顕熱交換を行った後、排気経路32の上方から流出する。このように排気経路32において、交換器用給水部36から供給される水の給水方向と排気の流れ方向とを向流方向にすることにより、水と排気との相対速度を向上させる。その結果、排気と水とが並行流を形成している場合と比較して排気と水との相対速度は早くなり、水の気化効率が向上し、単位時間あたりの水の蒸発量が増加する。
下記のバルク式より、水温、表面積の条件が等しい場合、排気と水の相対速度に比例して蒸発量が増加することを説明する。水の蒸発水量(E)は、バルク式(E=ρCU(qSTA×T-qair)A)により示される(E:蒸発水量[kg/s],ρ:空気密度[kg/m3],C:バルク係数[-],U:水と空気の相対速度[m/s],qSTA:飽和比湿[-],qair:比湿[-],A:水の表面積[m2])。これにより、水と空気の相対速度(U)が増加することで、水の蒸発水量(E)が増加することが示される。更に、例えば、公知の熱抵抗基礎式(R=1/hS)より、水と空気の相対速度が上がると顕熱交換による熱抵抗が低減することが示される。従って、顕熱交換器3の排気経路32での水と排気の顕熱交換における熱抵抗は、水と排気の相対速度に依存して低下する。このように排気経路32において、交換器用給水部36から供給される水の給水方向と排気の流れ方向とを向流方向にすることにより、単位時間あたりの水の蒸発量が増加すると共に顕熱交換の熱抵抗が低減する。その結果、排気に対する冷却能力が向上する。このように、排気用気化フィルタ21及び排気経路32から滴下された水によって二段階で冷却された排気によって給気を冷却することにより、空調機1の冷却能力が向上する。
以上により、顕熱交換器3にて給気を冷却する排気は、排気用気化フィルタ21による一次冷却、及び交換器用給水部36から滴下された水による二次冷却、を含む二段階にて冷却される。従って、例えば、交換器用給水部36から滴下された水のみを用いる方式と比較して、排気の温度が更に低下する。このように冷却した排気を用いることにより、顕熱交換器3にて給気をより効率的に冷却し、空調機1の冷却能力が更に向上する。
顕熱交換器3及び気化フィルタユニット2に供給された水の一部は、気化することなく液体の水として残存し、残存した水についても気化熱により冷却されている。これら残存した水は、共用ドレンパン6を介して給水タンク8に回収される。このように残存した水を回収することにより、給水タンク8に貯水される水の温度が低下し、比較的に低温となるように安定する。
上述のとおり、給水タンク8に貯水される水は、顕熱交換器3及び気化フィルタユニット2に供給されるものである。従って、給水タンク8に貯水される水が低温にて安定することにより、顕熱交換器3及び気化フィルタユニット2の冷却能力が向上する。換言すると、気化熱により冷却された水が再利用されることで、空調機1の冷却能力が向上する。
図9は、空調機1における各機能部を示すブロック図である。空調機1が備える電装部品である給気ファン41、排気ファン51、第1回収ポンプ71、第2回収ポンプ72、給水ポンプ91、第1流量センサ711、及び第2流量センサ721は、基板12に設けられた制御部121と通信線により通信可能に接続されている。
第1流量センサ711及び第2流量センサ721は、例えば羽根車式又はクランプオン式の流量センサであり、回収水路7に流れる水の流量に関する検出結果を、制御部121に出力する。基板12には、メモリ及びMPU等を含むマイコン等が実装され、マイコンは、第1回収ポンプ71、第2回収ポンプ72、及び給水ポンプ91等の駆動制御を行う制御部121として機能する。メモリには、制御部121が実行するプログラムが記憶されている。
基板12には、車両Cの給電部C1から供給される電力を受電する受電部122(図1参照)が実装又は接続されている。第1回収ポンプ71、第2回収ポンプ72、及び給水ポンプ91等の駆動部品には、受電部122を介して電力が供給される。制御部121は、受電部122から、給気ファン41、排気ファン51、第1回収ポンプ71、第2回収ポンプ72、及び給水ポンプ91への給電及び遮断を制御することにより、これらアクチュエータの駆動制御を行うものであってもよい。
制御部121は、第1流量センサ711及び第2流量センサ721から出力される検出信号に基づいて、給水ポンプ91、第1回収ポンプ71、及び第2回収ポンプ72が正常であるか異常であるかの動作確認を行う。すなわち、制御部121は、給水ポンプ91、第1回収ポンプ71、及び第2回収ポンプ72の動作確認等の検査を行う検査部として機能するものであってもよい。
図10は、ポンプの駆動におけるタイミングチャートを例示する説明図である制御部121は、空調機1の電源スイッチ等が押下され空調機1が起動した際、第1回収ポンプ71、第2回収ポンプ72、及び給水ポンプ91の動作確認を行う。又は、制御部121は、空調機1が起動し通常の空調動作を開始した後、定期的に動作確認を行うものであってもよい。
制御部121は、動作確認により、第1回収ポンプ71、第2回収ポンプ72、及び給水ポンプ91の全ポンプが正常であると判定した場合、これら第1回収ポンプ71、第2回収ポンプ72、及び給水ポンプ91を間欠的に駆動する空調動作を開始する。制御部121は、動作確認を行う間は給気ファン41及び排気ファン51を停止するものであってもよい。制御部121は、動作確認を終了後、空調動作を開始するにあたり、給気ファン41及び排気ファン51を継続的に駆動する。制御部121は、空調動作において、給気ファン41による風量を排気ファン51による風量よりも多くするものであってもよい。給気ファン41の風量を、排気ファン51の風量よりも多くすることにより、空調機1の利用者に対する快適性を向上させることができる。
動作確認処理は、排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22に給水するエレメント濡らし処理、第1回収ポンプ71の検査処理、及び第2回収ポンプ72の検査処理を含み、制御部121はこの順番でこれら処理を行う。エレメント濡らし処理を行うにあたり、制御部121は、第1回収ポンプ71、第2回収ポンプ72、及び給水ポンプ91を重複させて駆動する。
エレメント濡らし処理における第1回収ポンプ71の駆動時間t11及び第2回収ポンプ72の駆動時間t21は、同じであってもよい。エレメント濡らし処理における給水ポンプ91の駆動時間t01は、第1回収ポンプ71の駆動時間t11及び第2回収ポンプ72の駆動時間t21よりも短いものであってもよい。すなわち、エレメント濡らし処理において、給水ポンプ91は、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72よりも後に駆動を開始し、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72よりも前に駆動を停止する。
上述したように、給水ポンプ91は、交換器用給水部36及びフィルタ用給水部24のそれぞれを介して、給水タンク8内の水を顕熱交換器3及び気化フィルタユニット2に供給し、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72は、共用ドレンパン6に溜まった水を給水タンク8に回収する。従って、エレメント濡らし処理を行うことにより排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22には水が浸透する。このため、以降に実施する第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の検査処理において、排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22に水が供給された際、水が排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22に保水又は滞留することが抑制され、検査精度が向上する。
エレメント濡らし処理を含む動作確認処理において、給気ファン41及び排気ファン51を停止した場合、排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22を通過する風量は低減する。これにより排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22の気化効率が低下するものとなり、排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22に供給された水が効率的に回収され、検査精度が向上する。
エレメント濡らし処理において、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72を、給水ポンプ91よりも先にかつ長く駆動することにより、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72よりも上流側に溜まっていた水が確実に給水タンク8に回収される。その結果、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72よりも上流側に水が溜まっていない状態で、排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22に対し水が給水される。
エレメント濡らし処理の終了後、制御部121は、第1回収ポンプ71の検査処理を行う。第1回収ポンプ71の検査処理を行うにあたり、制御部121は、まずは給水ポンプ91の駆動を開始する。制御部121は、給水ポンプ91の駆動を停止した後、所定期間経過後、第1回収ポンプ71を駆動する。第1回収ポンプ71の検査処理における給水ポンプ91の駆動時間t02は、第1回収ポンプ71の駆動時間t12よりも、短いものであってもよい。
制御部121は、第1回収ポンプ71の検査処理にて第1回収ポンプ71を駆動する際、第1流量センサ711から取得した検出結果に基づき、第1回収ポンプ71が正常又は異常であるかを判定する。制御部121は、第1回収ポンプ71を停止し、第1回収ポンプ71の検査処理を終了する。
制御部121は、第1流量センサ711から取得した検出結果が、第1回収ポンプ71が接続される回収水路7に水が流れていることを示す場合、第1回収ポンプ71は正常であると判定し、回収水路7に水が流れていないことを示す場合、第1回収ポンプ71は異常であると判定する。流量の有無の判断は、流量が0(mL/min)であるか否かである場合に限定されず、第1回収ポンプ71の吐出流量に基づき判定するものであってもよい。例えば、第1流量センサ711から取得した検出結果が、第1回収ポンプ71の吐出流量の30%以上の流量があると示す場合、制御部121は、第1回収ポンプ71は正常であると判定するものであってもよい。
第1回収ポンプ71の検査処理の終了後、制御部121は、第2回収ポンプ72の検査処理を行う。第2回収ポンプ72の検査処理を行うにあたり、制御部121は、まずは給水ポンプ91の駆動を開始する。制御部121は、給水ポンプ91の駆動を停止した後、所定期間経過後、第2回収ポンプ72を駆動する。
第2回収ポンプ72の検査処理における給水ポンプ91の駆動時間t03は、第2回収ポンプ72の駆動時間t22よりも、短いものであってもよい。給水ポンプ91の駆動時間t03は、第1回収ポンプ71の検査処理における給水ポンプ91の駆動時間t02と同じであってもよい。第2回収ポンプ72の駆動時間t22は、第1回収ポンプ71の検査処理における第1回収ポンプ71の駆動時間t12と同じt22=t12であってもよい。
制御部121は、第2回収ポンプ72の検査処理にて第2回収ポンプ72を駆動する際、第2流量センサ721から取得した検出結果に基づき、第2回収ポンプ72が正常又は異常であるかを判定する。第2回収ポンプ72の判定処理は、上述した第1回収ポンプ71の判定処理と同様である。制御部121は、第2回収ポンプ72を停止し、第2回収ポンプ72の検査処理を終了する。
制御部121は、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の検査処理を行った結果、これら第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72が共に正常であると判定した場合、空調動作を開始する。このように第1流量センサ711及び第2流量センサ721から、回収水路7に水が流れていることを示す検出結果を取得した場合、制御部121は、給水ポンプ91についても正常であると判定することができる。従って、第1流量センサ711及び第2流量センサ721から流量有りを示す検出結果を取得した場合、制御部121は、第1回収ポンプ71、第2回収ポンプ72、及び給水ポンプ91の全ポンプが正常であると判定し、空調動作を開始する。
制御部121は、空調動作を開始するにあたり、まずは給水ポンプ91の駆動を開始し、所定期間経過後、給水ポンプ91の駆動と重複させて、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の駆動を同時に開始する。制御部121は、給水ポンプ91の駆動を停止した後、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の駆動を停止する。制御部121は、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の駆動の停止し、所定期間経過後、給水ポンプ91の駆動を開始する。以降、前述と同様に第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の駆動を開始する。これにより、第1回収ポンプ71、第2回収ポンプ72、及び給水ポンプ91を間欠的に駆動させ、顕熱交換器3及び気化フィルタユニット2に対し過度に水が供給されることが抑制されつつ、顕熱交換器3及び気化フィルタユニット2における冷却能力が担保される。
空調動作における給水ポンプ91の駆動時間k01は、第1回収ポンプ71の駆動時間k02及び第2回収ポンプ72の駆動時間k03よりも短いものであってもよい。第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の駆動時間を給水ポンプ91の駆動時間よりも長くすることにより、共用ドレンパン6にて受けられた水が確実に給水タンク8に回収され、共用ドレンパン6から水が溢れることが防止される。
制御部121は、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の検査処理を行った結果、これら第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72のいずれかが異常である判定した場合、第1回収ポンプ71の検査処理及び第2回収ポンプ72の検査処理による一連の処理を複数回、繰り返すものであってもよい。このように一連の処理を複数回、繰り返すことにより、第1流量センサ711又は第2流量センサ721の誤検知による異常判定が排除される。
制御部121は、第1回収ポンプ71の検査処理及び第2回収ポンプ72の検査処理による一連の処理を、例えば2又は3回等、繰り返す。連続して第1回収ポンプ71又は第2回収ポンプ72のいずれかの回収ポンプが異常である場合、制御部121は、空調動作を開始することなく、例えばエラーコードを8セグ等の表示部に出力し、空調機1が故障している旨を報知するものであってもよい。
制御部121は、第2回収ポンプ72が異常であると判定した場合、正常であると判定した第1回収ポンプ71の検査処理を再度、実行するものであってもよい。第2回収ポンプ72が異常である場合、給水ポンプ91から供給された水は給水タンク8に回収されず、第2回収ポンプ72よりも上流の回収水路7及び共用ドレンパン6に溜まっているものとなる。これに対し、正常であると判定した第1回収ポンプ71の検査処理を再度実行することにより、共用ドレンパン6に溜まった水を給水タンク8に回収し、共用ドレンパン6から水が漏れることを防止することができる。なお、第1回収ポンプ71が異常であると判定した場合は、正常であると判定した第2回収ポンプ72の検査処理が実行されるため、上述と同様に共用ドレンパン6に溜まった水が給水タンク8に回収され、共用ドレンパン6から水が漏れることが防止される。このように第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の動作確認を交互に行う場合であって、一方の回収ポンプが異常と判定され、他方の回収ポンプが正常と判定された際、正常と判定された回収ポンプが最後に駆動される。これにより、共用ドレンパン6にて受けられた水が給水タンク8に確実に回収され、共用ドレンパン6からの水漏れが防止される。
制御部121は、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の検査処理を行った結果、これら第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の双方が異常である判定した場合、給水ポンプ91が異常である又は給水タンク8内に水が無いと判定する。動作確認処理に含まれるエレメント濡らし処理、第1回収ポンプ71の検査処理、及び第2回収ポンプ72の検査処理における全て処理において、制御部121は、給水ポンプ91を駆動するように制御する。これに対し、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の検査処理にて、第1流量センサ711及び第2流量センサ721が共に、流量無しを示す検出結果を出力する場合、給水タンク8から気化フィルタユニット2及び顕熱交換器3への給水がされていないものであり、共用ドレンパン6にて水が受けられていない状態となっている。従って、共用ドレンパン6からの水漏れは発生しないが、制御部121は、空調動作を開始することなく、例えばエラーコードを8セグ等の表示部に出力し、空調機1が故障している又は給水タンク8内に水が無い旨を報知するものであってもよい。
図11は、基板12に実装された制御部121による処理手順を示すフローチャートである。基板12に実装された制御部121は、例えば空調機1の起動ボタンが押下される等、空調機1が起動された場合、空調動作を行う前の準備処理として、以下のような動作確認に関する処理を行う。
動作確認に関する処理が開始されると、制御部121は、上述のエレメント濡らし処理を行う(S11)。その後、制御部121は、上述の第1回収ポンプ71の動作確認を行い(S12)、更に、上述の第2回収ポンプ72の動作確認を行う(S13)。制御部121は、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72がそれぞれ正常又は異常であるかを判断すると、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の動作確認の結果をメモリに記憶する。
制御部121は、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72は共に正常であるか否かを判定する(S14)。制御部121は、メモリに記憶した第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の動作確認の結果に基づき、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の双方が、共に正常であるか否かを判定する
第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72が共に正常である場合(S14:YES)、制御部121は、全てのポンプは正常であると判定する(S15)。制御部121は、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72は共に正常である場合、これら第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72のみならず、給水ポンプ91についても正常であると判定する。この結果、制御部121は、空調動作を開始する。
第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の少なくともいずれかの回収ポンプが異常である場合(S14:NO)、制御部121は、動作確認を所定回数、実行したか否かを判定する(S141)。所定回数は、例えば4回等として、予めメモリに記憶されている。制御部121は、第1回収ポンプ71の検査処理及び第2回収ポンプ72の検査処理による一連の処理を行うことにより、動作確認回数をカウントアップし、動作確認を所定回数、実行したか否かを判定するものであってもよい。動作確認を所定回数、実行していない場合(S141:NO)、制御部121は、再度S12からの処理を実行すべく、ループ処理を行う。
動作確認を所定回数、実行した場合(S141:YES)、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72は共に異常であるか否かを判定する(S142)。動作確認を所定回数、実行した場合、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の少なくともいずれかの回収ポンプが異常となる場合が連続して発生したことを意味する。制御部121は、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の双方が、共に異常であるか否かを判定する。
第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の双方が、共に異常である場合(S142:YES)、制御部121は、給水ポンプ91は故障又は給水タンク8内に水が無いと判定する(S1421)。
第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72いずれかの回収ポンプが異常である場合(S142:NO)、制御部121は、第1回収ポンプ71のみ異常であるか否かを判定する(S143)。制御部121は、メモリに記憶されている第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の動作確認結果を参照し、第1回収ポンプ71のみ異常であるか否かを判定する。
第1回収ポンプ71のみ異常である場合(S143:YES)、制御部121は、第1回収ポンプ71は故障と判定する(S144)。第1回収ポンプ71が故障した場合、S12で行われる第1回収ポンプ71の検査処理を行うによって共用ドレンパン6に受けられた水は給水タンク8に回収されないが、S12の処理後に実行されるS13で行われる第2回収ポンプ72の動作確認処理により、水が給水タンク8に回収される。従って、共用ドレンパン6から水が溢れることが確実に防止される。
第2回収ポンプ72のみ異常である場合(S143:NO)、制御部121は、第2回収ポンプ72は故障と判定する(S1431)。この場合、制御部121は、正常であると判定された第1回収ポンプ71を駆動し(S1432)、第2回収ポンプ72の動作確認を行うことによって共用ドレンパン6に受けられた水を給水タンク8に回収する。制御部121は、第1回収ポンプ71を駆動するにあたり、再度、第1回収ポンプ71の動作確認を行うものであってもよい。制御部121は、このように第2回収ポンプ72は故障と判定した後、第1回収ポンプ71を駆動する後処理を行うことにより、共用ドレンパン6から水が溢れることが確実に防止される。
本態様にあたっては、空調機1は、交換器用給水部36によって、排気が流れる排気経路32に給水がされる顕熱交換器3を備え、顕熱交換器3よりも上流側には、排気が通過する排気用気化フィルタ21が設けられている。排気用気化フィルタ21には、フィルタ用給水部24により水が供給されることにより、排気は、一旦、排気用気化フィルタ21にて冷却された後、顕熱交換器3において交換器用給水部36から給水により更に冷却されるものとなり、排気は二段階で冷却されるものとなる。顕熱交換器3の給気経路31に流れる給気は、顕熱交換器3を介して、二段階で冷却された排気により冷却されるため、空調機1の冷却能力を向上させることができる。
本態様にあたっては、空調機1は、給気の流れ方向にて、顕熱交換器3よりも下流側に配置された給気用気化フィルタ22を備えるため、給気は、顕熱交換器3を介して排気により冷却された後、更に給気用気化フィルタ22によって冷却される。このように給気を二段階で冷却することにより、空調機1の冷却能力を更に向上させることができる。
本態様にあたっては、空調機1は、排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22によって共用されるフィルタ用給水部24を備えるため、排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22それぞれに対し別個に給水部を備える態様と比較して給水部の個数を削減でき、空調機1の筐体11サイズの省スペース化及び部品コストの低減を図ることができる。排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22は、フィルタ用給水部24からの給水方向に沿って並設されているため、水を排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22の双方に供給するにあたり、これら排気用気化フィルタ21と給気用気化フィルタ22との間での水の流通を効率的に行うことができる。
本態様にあたっては、給気用気化フィルタ22の上方にはフィルタ用給水部24が設けられ、給気用気化フィルタ22の下方には排気用気化フィルタ21が設けられている。すなわち、フィルタ用給水部24、給気用気化フィルタ22、及び排気用気化フィルタ21の位置関係において、フィルタ用給水部24が最上位に位置し、排気用気化フィルタ21が最下位に位置し、給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21は縦方向に一列に並んで配置される。これにより、最上位に位置するフィルタ用給水部24から供給される水は、フィルタ用給水部24から直下に位置する給気用気化フィルタ22に滴下し、給気用気化フィルタ22にて気化せず残存、すなわち給気用気化フィルタ22を通過した水は、給気用気化フィルタ22の直下に位置する排気用気化フィルタ21に滴下され、排気用気化フィルタ21に供給されるものとなる。従って、給気用気化フィルタ22から排気用気化フィルタ21に水を流通させるにあたり重力を用いることができ、空調機1におけるエネルギー効率を向上させることができる。
本態様にあたっては、顕熱交換器3の排気経路32において、交換器用給水部36からの給水方向と、排気の流れ方向とは、向流方向となるように交換器用給水部36は顕熱交換器3に対し設けられているため、交換器用給水部36からの水と排気との熱交換率を向上させ、排気を効率的に冷却することができる。
本態様にあたっては、空調機1は、共用ドレンパン6によって、顕熱交換器3の排気経路32にて気化することなく残存し排気経路32を通過した水と、排気用気化フィルタ21にて気化することなく残存し排気用気化フィルタ21を通過した水とを回収し、回収した水を給水ポンプ91を用いて、交換器用給水部36及びフィルタ用給水部24に供給する。これにより、気化熱により冷却された水を再利用することができ、空調機1の冷却能力を向上させることができる。
本態様にあたっては、給水ポンプ91に連通される給水タンク8は、空調機1の筐体11から着脱可能に設けられているため、給水タンク8への水の補充を行う際、給水タンク8のみを水道の蛇口に持っていくことが可能となり、空調機1の利用者による水の補充作業負荷を軽減することができる。
本態様にあたっては、空調機1は、共用ドレンパン6に加え、交換器用ドレンパン37及びフィルタ用ドレンパン25を備え、これら交換器用ドレンパン37及びフィルタ用ドレンパン25は共用ドレンパン6に連通しているため、これら交換器用ドレンパン37及びフィルタ用ドレンパン25が受けた水を回収することができる。このように複数のドレンパンを備えることにより、これら複数のドレンパンによって受けることができる水量を向上させることができる。
本態様にあたっては、顕熱交換器3と排気用気化フィルタ21との間に設けられた交換器用ドレンパン37は、排気が流れる排気流路の一部を構成するため、交換器用ドレンパン37によって構成された排気流路を通過する排気は、交換器用ドレンパン37に溜まった水による気化熱、顕熱又は双方により冷却される。これにより、空調機1の冷却能力を向上させることができる。
本態様にあたっては、共用ドレンパン6にて回収された水は、並列接続される第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72によって、給水タンク8に搬送され、給水タンク8内にて貯水される。第1回収ポンプ71と第2回収ポンプ72とは並列に接続されるため、共用ドレンパン6から給水タンク8までの水の水路は、第1回収ポンプ71を介する水路と、第2回収ポンプ72を介する水路とを含むものとなり、水路における冗長性を向上させることができる。空調機1の制御部121は、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の動作確認結果に応じて、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の駆動又は停止を行うため、第1回収ポンプ71又は第2回収ポンプ72の故障検知が可能であり、いずれかの回収ポンプが故障した状態にて空調機1が駆動、すなわち空調動作を開始することを確実に防止することができる。
本態様にあたっては、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の動作確認は、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72を同時に動作させる前工程と、前工程の終了後、第1回収ポンプ71と第2回収ポンプ72とを交互に動作させる後工程とを含む。これにより、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72のいずれかが故障している場合であっても、交互に動作させた第1回収ポンプ71又は第2回収ポンプ72のいずれかは、正常に動作するため、共用ドレンパン6に水が溜まっている場合であっても、水を確実に回収して給水タンク8に貯水することができる。
本態様にあたっては、空調機1の制御部121は、空調機1の起動時に第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の動作確認を行うため、いずれかの回収ポンプが異常の状態であるにもかかわらず、空調機1が空調動作を開始することを確実に防止することができる。
本態様にあたっては、交換器用給水部36の単位時間あたりの給水量を、フィルタ用給水部24の給水量よりも多くすることにより、顕熱交換器3の排気経路32において、水と排気との間にて熱交換される顕熱のエンタルピーを増加させ、排気の冷却量を向上させることができる。これにより、空調機1の冷却能力を向上させることができる。
本態様にあたっては、給気ファン41は給気の流れ方向において顕熱交換器3よりも上流側に設けられているため、給気流路は正圧に保たれ、排気ファン51は排気の流れ方向において顕熱交換器3よりも下流側に設けられているため、排気流路は負圧に保たれるため、これら給気流路と排気流路との間には差圧が生じるものとなる。給気流路に配置される給気用気化フィルタ22と、排気流路に配置される排気用気化フィルタ21とが、フィルタ用給水部24からの給水方向に沿って並設されている際、給気流路と排気流路との間の差圧を利用して、水を給気用気化フィルタ22から排気用気化フィルタ21に効率的に流通させることができる。
本態様にあたっては、給気ファン41の風量又は体積流量は、排気ファン51の風量又は体積流量よりも多いため、給気の風量を増加させ、空調機1の利用者に対する快適性を向上させることができる。
本態様にあたっては、空調機1は、空調機1が起動時に発熱する複数の電気部品が実装された基板12を備えており、基板12は、排気が流れる排気流路の一部を構成する壁面112に熱的に接続されて設けられている。壁面112は、排気の流れ方向にて、顕熱交換器3よりも下流側に設けられているため、顕熱交換器3にて行われる給気との熱交換、すなわち給気の冷却に影響を与えることなく、基板12を冷却することができる。
本態様にあたっては、空調機1は車両Cに設けられた給電部C1に接続される受電部122を備えるため、空調機1がトラック等の車両Cに搭載されて用いられる場合、受電部122を介して車両Cから受電した電力によって、空調機1を駆動することができる。これにより、空調機1に二次電池等のバッテリーを搭載することを不要とし、部品コストの低減及び製品重量の低減を図ることができる。
本態様にあたっては、空調機1は、給気経路31と排気経路32とを含む顕熱交換器3と、気化フィルタユニット2とを備え、気化フィルタユニット2は、給気が通過する給気用気化フィルタ22及び排気が通過する排気用気化フィルタ21を含む。従って、顕熱交換器3にて熱交換される給気及び排気それぞれは、給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21によって冷却されるため、空調機1の冷却能力を向上させることができる。更に、気化フィルタユニット2に給水する単一のフィルタ用給水部24は、給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21によって共用される。これにより、これら給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21それぞれに対し別個に給水部を備えることを不要とし、空調機1における部品点数の削減、製品コストの低減、製品重量の軽減、筐体11の小型化すなわち筐体11サイズを小さくし省スペース化を図ることができる。又、フィルタ用給水部24に対し給水するポンプの仕事量を小さくすることができる。
本態様にあたっては、顕熱交換器3よりも上流側には、排気が通過する排気用気化フィルタ21が設けられている。排気用気化フィルタ21には、フィルタ用給水部24により水が供給されることにより、排気は、一旦、排気用気化フィルタ21にて冷却された後、顕熱交換器3に流入する。これにより、顕熱交換器3において、排気用気化フィルタ21にて冷却された排気と、給気とを熱交換させることができ、空調機1の冷却能力を向上させることができる。
本態様にあたっては、空調機1は、給気の流れ方向にて顕熱交換器3よりも下流側に配置された給気用気化フィルタ22を備えるため、給気は、顕熱交換器3を介して排気により冷却された後、更に給気用気化フィルタ22によって冷却される。このように給気を二段階で冷却することにより、空調機1の冷却能力を更に向上させることができる。
本態様にあたっては、気化フィルタユニット2に含まれる給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21は別体として構成されるため、これら給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21を別個に載置することができ、空調機1内における配置自由度を向上させることができる。給気用気化フィルタ22には給気が通過し、排気用気化フィルタ21には排気が通過するものであり、すなわち給気用気化フィルタ22は給気流路の一部を構成し、排気用気化フィルタ21は排気流路の一部を構成するところ、給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21を別体として構成することにより、これら給気流路と排気流路とを簡易な構成にて分離することができる。
本態様にあたっては、上方から、フィルタ用給水部24、給気用気化フィルタ22、排気用気化フィルタ21の順番で配置されるものとなり、フィルタ用給水部24から供給される水を、重力を用いて給気用気化フィルタ22と排気用気化フィルタ21とに滴下することができる。すなわち、排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22は、フィルタ用給水部24からの給水方向に沿って上下に並設されているため、水を排気用気化フィルタ21及び給気用気化フィルタ22の双方に供給するにあたり、これら排気用気化フィルタ21と給気用気化フィルタ22との間での水の流通を効率的に行うことができる。
本態様にあたっては、給気用気化フィルタ22の体積を、排気用気化フィルタ21の体積よりも大きくすることにより、給気用気化フィルタ22における水の浸透量又は保水量を排気用気化フィルタ21における水の浸透量等よりも多くできる。これにより、給気用気化フィルタ22を通過する給気の冷却量を増加させ、空調機1の冷却能力を向上させることができる。
本態様にあたっては、給気用気化フィルタ22と排気用気化フィルタ21との間には、仕切り部23が設けられているため、給気が通過する給気用気化フィルタ22と、排気が通過する排気用気化フィルタ21とを簡易な構成にて分離することができる。その上で、仕切り部23には、給気用気化フィルタ22と排気用気化フィルタ21とを連通させる連通孔232が形成されているため、これら給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21により共用されるフィルタ用給水部24から供給された水を、連通孔232を介して一方の気化フィルタから他方の気化フィルタに流入させることができる。
本態様にあたっては、仕切り部23は連通孔232が最下部となるように傾斜しているため、仕切り部23の上方に位置する給気用気化フィルタ22から滴下した水を効率的に連通孔232に集約し、連通孔232から仕切り部23の下方に位置する排気用気化フィルタ21に滴下することができる。
本態様にあたっては、仕切り部23の下面の突設部231に形成された連通孔232は、突設部231の突設方向に沿って縮径されている。このように連通孔232を突設部231の突設方向に沿って縮径させて先細り形状とすることにより、給気用気化フィルタ22から排気用気化フィルタ21への空気の流れにおける圧力損失を増加させることができる。すなわち、給気用気化フィルタ22が位置する給気流路が正圧、排気用気化フィルタ21が位置する排気流路が負圧となり差圧が発生した場合であっても、縮径された連通孔232によって圧力損失を増加させ、給気用気化フィルタ22から排気用気化フィルタ21に給気が流れるすることを抑え、空調機1の冷却効率が低減することを抑制することができる。
本態様にあたっては、複数の連通孔232それぞれは、矩形板状を成す仕切り部23における短手方向の中央部に位置し、長手方向に沿って、一列に設けられている。またこれら隣接する連通孔232同士の距離が同じになるように、これら連通孔232は、等間隔配置されているものであってもよい。これにより、仕切り部23の下方に位置する排気用気化フィルタ21に対し、仕切り部23の連通孔232を介して滴下される水の滴下位置が偏倚することを抑制し、排気用気化フィルタ21の上面に対し比較的に均等に分布するように水を滴下することができる。
本態様にあたっては、給気ファン41は給気の流れ方向において顕熱交換器3よりも上流側に設けられているため、給気流路は正圧に保たれ、排気ファン51は排気の流れ方向において顕熱交換器3よりも下流側に設けられているため、排気流路は負圧に保たれるため、これら給気流路と排気流路との間には差圧が生じるものとなる。これにより、排気流路から給気流路に排気が流入することを抑制することができる。給気流路に配置される給気用気化フィルタ22と、排気流路に配置される排気用気化フィルタ21とが、フィルタ用給水部24からの給水方向に沿って並設されている際、給気流路と排気流路との間の差圧を利用して、水を給気用気化フィルタ22から排気用気化フィルタ21に効率的に流通させることができる。
本態様にあたっては、顕熱交換器3と排気用気化フィルタ21との間に設けられた交換器用ドレンパン37の内部空間は、排気が流れる排気流路の一部を構成するため、交換器用ドレンパン37の内部空間を通過する排気は、交換器用ドレンパン37に溜まった水による気化熱、顕熱又は双方により冷却される。これにより、空調機1の冷却能力を向上させることができる。
本態様にあたっては、空調機1は、顕熱交換器3の排気経路32に給水する交換器用給水部36を備えるため、排気は、一旦、排気用気化フィルタ21にて冷却された後、顕熱交換器3において交換器用給水部36からの給水により更に冷却されるものとなり、二段階で冷却されるものとなる。顕熱交換器3の給気経路31に流れる給気は、顕熱交換器3を介して、二段階で冷却された排気により冷却されるため、空調機1の冷却能力を向上させることができる。
本態様にあたっては、空調機1は、排気用気化フィルタ21を通過した水を給水ポンプ91を用いて、交換器用給水部36及びフィルタ用給水部24に供給する。これにより、気化熱により冷却された水を再利用することができ、空調機1の冷却能力を向上させることができる。
本態様にあたっては、給水ポンプ91に連通される給水タンク8は、空調機1の筐体11から着脱可能に設けられているため、給水タンク8への水の補充を行う際、給水タンク8のみを水道の蛇口に持っていくことが可能となり、空調機1の利用者による水の補充作業負荷を軽減することができる。
本態様にあたっては、空調機1は車両Cに設けられた給電部C1に接続される受電部122を備えるため、空調機1がトラック等の車両Cに搭載されて用いられる場合、受電部122を介して車両Cから受電した電力によって、空調機1を駆動することができる。これにより、空調機1に二次電池等のバッテリーを搭載することを不要とし、部品コストの低減及び製品重量の低減を図ることができる。
本態様にあたっては、スペーサ321の剛性は経路部材311の剛性よりも高いため、スペーサ321及び経路部材311に対し、同一方向にて同じ応力を加えた場合、スペーサ321の撓み量又は変形量を、経路部材311の撓み量又は変形量よりも少なくすることができる。これにより、経路部材311を、例えばプラスチックダンボール等の比較的に剛性が低い又は弱い部材を用いた場合であっても、経路部材311よりも剛性の高い又は強いスペーサ321を用いることにより、顕熱交換器3の剛性を向上させることができる。従って、顕熱交換器3を空調機1に搭載、すなわち空調機1の筐体11内に取り付ける際、顕熱交換器3が変形することを抑制し、顕熱交換器3と他の部位との間における隙間が発生することを低減することができる。このような隙間は、顕熱交換器3を介することなく空気が流れるバイパス経路、すなわち顕熱交換器3を迂回する経路を構成するものとなるが、スペーサ321の剛性を経路部材311の剛性よりも高く又は強くすることにより、バイパス経路の発生を防止又は抑制し、顕熱交換器3における排気と給気との熱交換量を向上させ、空調機1の冷却能力を向上させることができる。
本態様にあたっては、顕熱交換器3の経路部材311は中空構造を有する板状を成し、排気経路32を構成する複数のスペーサ321は、長尺状を成し、長手方向を給気経路31の経路方向に交差させて、経路部材311にて構成される給気経路31の入口及び出口に隣接させて設けられている。これにより、経路部材311の一面、経路部材311に隣接する他の経路部材311の他面、及び一面と他面との間に介在するスペーサ321とにより排気経路32の内面が構成される。経路部材311よりも高い剛性を持つスペーサ321は、強度部材として機能し、給気経路31の入口及び出口に隣接させて設けられるため、顕熱交換器3が変形することを抑制することができる。
本態様にあたっては、経路部材311及びスペーサ321による積層構造において、積層方向に同じ応力を加えた場合、スペーサ321の撓み量又は変形量を、経路部材311の撓み量又は変形量よりも少なくすることができため、顕熱交換器3が積層方向に変形することを抑制することができる。
本態様にあたっては、スペーサ321は、樹脂又は発泡材により構成されているため、スペーサ321における製造性を向上することができる。
本態様にあたっては、スペーサ321は、中実体により構成されているため、中空構造を有する経路部材311よりも剛性を高めることができる。
本態様にあたっては、スペーサ321の素材の剛性は、経路部材311の素材の剛性よりも高いものであり、例えば、スペーサ321及び経路部材311が共に樹脂製である場合、スペーサ321の素材となる樹脂は、経路部材311の素材となる樹脂よりも、ヤング率等にて示される剛性が高い。これにより、スペーサ321及び経路部材311に対し同方向にて同じ応力を加えた場合、スペーサ321の撓み量又は変形量を、経路部材311の撓み量又は変形量よりも少なくすることができ、顕熱交換器3の剛性を担保することができる。
本態様にあたっては、隣接する経路部材311の間に設けられるスペーサ321の個数は3つ以上であり、これらスペーサ321を給気経路31の経路方向に沿って等間隔に配置することにより、積層方向における顕熱交換器3の剛性を更に向上させることができる。
本態様にあたっては、矩形板状を成すスペーサ321は、排気の流れ方向における上流側の端部が排気の流れ方向に向けて幅広となるようにテーパ状に形成されている。これにより、スペーサ321により形成される排気経路32の入口における経路断面積を、排気経路32の出口側よりも大きくし、排気経路32に排気が流入する際の圧力損失を低減することができる。
本態様にあたっては、積層される個々の経路部材311は、複数の給気パス312が形成された中空構造を有し、個々の給気パス312により個々の給気経路31が構成されるため、給気の流通性を担保することができる。
本態様にあたっては、箱状を成す顕熱交換器3のいずれかの側面、又は両側面には、積層方向の幅を調整する幅調整部材34が設けられているため、顕熱交換器3の幅、すなわち積層方向の長さを調整して、所定のサイズに調整可能とすることができ、空調機1の筐体11内に顕熱交換器3を収納する際の配置自由度を向上させることができる。
本態様にあたっては、隣接する経路部材311同士における対抗する面それぞれ、すなわち経路部材311の一面、及び経路部材311に隣接する他の経路部材311の他面は、排気経路32の内面を構成するところ、これら対抗する2つの面のいずれかの面又は両面には、例えば不織布等の湿潤部33が設けられている。この際、排気経路32に供給された水は、湿潤部33に保水されるものとなる。これにより、排気経路32を通過する排気と水との顕熱交換率を向上させ、排気による水の気化を促進させ、又はこれら双方の作用が奏されることにより、水による排気の冷却度を増加させることができる。
本態様にあたっては、顕熱交換器3は、交換器用給水部36を備える空調機1に搭載され、給水部は、積層方向に沿って複数形成された排気経路32それぞれに対応している。これにより、複数の排気経路32それぞれに対し、排気経路32それぞれに対応するノズル361から水を供給することができ、各排気経路32への水の供給量の均衡化を促進することができる。
本態様にあたっては、顕熱交換器3は、シール材35により挟持されて空調機1に搭載されるため、顕熱交換器3を空調機1の筐体11に収納する際、隙間が発生することを防止することができる。
本態様にあたっては、積層方向における排気経路32の幅を、給気経路31の幅よりも大きくすることにより、供給された水が排気経路32の途中で滞留して排気経路32を狭める又は塞ぐことにより、水による圧力損失の増加を抑制することができ、排気経路32における排気の流通性を担保することができる。
本態様にあたっては、排気経路32の経路断面積を、給気経路31の経路断面積よりも大きくすることにより、供給された水が排気経路32の途中で滞留し、排気経路32を狭める又は塞ぐことを抑制することができ、排気経路32における排気の流通性を担保することができる。
本態様にあたっては、空調機1に搭載される顕熱交換器3は、積層構造を形成する複数の給気経路31と排気経路32とを含み、排気経路32を構成するスペーサ321は、給気経路31を構成する経路部材311よりも剛性が高い。これにより、顕熱交換器3における積層方向の剛性を向上させることができ、顕熱交換器3を空調機1の筐体11内に収納する際の撓み量を減少させることができる。
本態様にあたっては、顕熱交換器3は、給水部を備える空調機1に搭載され、給水部は、積層方向に沿って複数形成された排気経路32それぞれに対応している。これにより、複数の排気経路32それぞれに対し、排気経路32それぞれに対応するノズル361から水を供給することができ、各排気経路32への水の供給量の均衡化を促進し、空調機1の冷却能力を向上させることができる。
本態様にあたっては、隣接する経路部材311同士における対抗する面それぞれは、排気経路32の内面を構成するところ、これら対抗する2つの面のいずれかの面又は両面には、例えば不織布等にて構成される湿潤部33が設けられている。この際、排気経路32に供給された水は、湿潤部33に保水されるものとなる。これにより、排気経路32を通過する排気と水との顕熱交換率を向上させ、排気による水の気化を促進させ、又はこれら双方の作用が奏されることにより、水による排気の冷却度を増加させ、空調機1の冷却能力を向上させることができる。
本態様にあたっては、顕熱交換器3は、シール材35により挟持されて空調機1に搭載されるため、顕熱交換器3を空調機1の筐体11に収納する際、隙間が発生することを防止することができ、空調機1の冷却効率が低減することを抑制することができる。
本態様にあたっては、長尺状を成す交換器用給水部36を、給水部それぞれの長手方向を、積層構造における積層方向に沿わして、少なくとも2つ設けることにより、例えば3つのスペーサ321により構成される2つの排気経路32それぞれに対し、水を供給することができる。更に2つの給水部の離間距離は、2つの給水部の並設方向における顕熱交換器3の幅の半分以上とすることにより、顕熱交換器3の排気経路32それぞれに対し、水を比較的に広く分布させて供給することができる。
本態様にあたっては、給気用気化フィルタ22に流入する空気は顕熱交換器3で外気を冷却された空気であり、排気用気化フィルタ21に流入する空気は外気である。従って、給気用気化フィルタ22に流入する空気は、排気用気化フィルタ21に流入する空気よりも湿球温度が下がる。上方に位置する給気用気化フィルタ22に流入する空気の湿球温度を、下方に位置する排気用気化フィルタ21に流入する空気の湿球温度よりも低くすることで、上方の給気用気化フィルタ22で気化しきれなかった水滴の水温をより下げることができる。従って、給気用気化フィルタ22で気化しなかった低温の水を、湿球温度の高い排気用気化フィルタ21に供給することで、排気用気化フィルタ21の冷却効率が向上する。その結果、空調機1全体の冷却効率を向上させることができる。
(実施形態2)
図12は、実施形態2に係るスペーサ321の一構成例を示す模式的斜視図である。顕熱交換器3における排気パス322を構成するスペーサ321は、実施形態1と同様に経路部材311の一面に貼付された湿潤部33上に並べて配置されている。本実施形態において、スペーサ321は同一幅の矩形形状を成し、複数のスペーサ321のそれぞれは同一の形状を成している。このように並設される複数のスペーサ321を同一形状とすることにより、スペーサ321における部品の共通化及び製品コストの低減が図られる。
(実施形態3)
図13は、実施形態3に係る空調機1の一構成例を示す模式的側断面図である。本実施形態の空調機1は、実施形態1の空調機1と同様に気化フィルタユニット2及び顕熱交換器3等を備え、共用ドレンパン6にて受けられた水は、回収水路7を介して給水タンク8に回収される。
回収水路7は、実施形態1と同様に、2つに分岐した並列回路を成し、第1回収ポンプ71と第2回収ポンプ72とが並列に接続される。本実施形態の空調機1においては、実施形態1のように第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72それぞれに直列に接続される第1流量センサ711及び第2流量センサ721を有するものでなく、いずれかの流量センサ(本実施形態では第1流量センサ711)を備える。
第1流量センサ711は、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72が設けられた並列回路よりも下流側に位置する回収水路7に設けられており、第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72の双方の駆動により搬送された水の流量を検出する。空調機1の制御部121は、第1回収ポンプ71又は第2回収ポンプ72のいずれかを駆動させ、その際における第1流量センサ711による検出結果を取得することにより、駆動した回収ポンプが正常又は異常であるかを判定することができる。このように第1回収ポンプ71及び第2回収ポンプ72に対し、共用される第1流量センサ711を用いることにより、部品点数が削減され、空調機1における製品重量の低減及び製品コストの低減が図られる。
本実施形態の空調機1は、供給水路9に設けられる給水流量センサ911を更に備える。給水流量センサ911は、供給水路9において、給水ポンプ91の上流側又は下流側に設けられるものであってよい。給水流量センサ911を設けることにより、空調機1の制御部121は、給水ポンプ91を駆動させた際、給水流量センサ911からの検出結果を取得することにより、駆動した給水ポンプ91が正常又は異常であるかが判定される。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
(変形例)
本実施形態において、排気は、排気は、交換器用ドレンパン37と顕熱交換器3とに挟まれた空間を通過するとし、すなわち交換器用ドレンパン37は、排気流路上に位置するものとしたが、これに限定されない。交換器用ドレンパン37は、排気流路に位置しないものであってもよい。
本実施形態において、一方の回収ポンプが異常と判定され、他方の回収ポンプが正常と判定された際、正常と判定された回収ポンプが最後に駆動されるとしたが、これに限定されない。制御部121は、一方の回収ポンプが異常と判定された場合であっても、他方の回収ポンプを駆動せず、空調動作を開始することなく、例えばエラーコードを8セグ等の表示部に出力し、空調機1が故障している旨を報知するものであってもよい。
本実施形態において、給気用気化フィルタ22と排気用気化フィルタ21とは、別体として構成されるとしたが、これに限定されない。給気用気化フィルタ22及び排気用気化フィルタ21は、一体化され、単一の気化フィルタとして、構成されるものであってもよい。この場合、単体の気化フィルタにおいて、上部に位置する領域には給気が通過することにより給気用気化フィルタ22として機能し、下部に位置する領域には排気が通過することにより排気用気化フィルタ21として機能するものであってもよい。
本実施形態において、給気用気化フィルタ22は排気用気化フィルタ21の上方に位置して設けられているとしたが、これに限定されない。給気用気化フィルタ22は排気用気化フィルタ21の下方に位置して設けられるものであってもよい。
本実施形態において、給気の流れ方向において、給気経路31の出口の下流側には、給気用気化フィルタ22が設けられているとしたが、これに限定されない。給気用気化フィルタ22は、給気経路31の入口の上流側に設けられるものであってもよい。
本実施形態において、排気の流れ方向において、排気経路32の入口の上流側には、排気用気化フィルタ21が設けられているとしたが、これに限定されない。排気用気化フィルタ21は、排気経路32の出口の下流側に設けられるものであってもよい。
本実施形態において、空調機1は、顕熱交換器3に給水する交換器用給水部36を備えるとしたがこれに限定されない。空調機1は、交換器用給水部36を備えず、顕熱交換器3は、給水されないものであってもよい。
本実施形態において、一つの経路部材311に複数の給気パス312が形成されるとしたがこれに限定されない。一つの経路部材311には、一つの給気パス312が形成されるものであってもよい。
本実施形態において、経路部材311の一面及び他面には、湿潤部33が貼付されるとしたがこれに限定されない。経路部材311には、湿潤部33が貼付されていないものであってもよい。
本実施形態において、空調機は、顕熱交換器3及び気化フィルタユニット2を備えるとしたが、これに限定されない。すなわち、空調機は、顕熱交換器3及び気化フィルタユニット2のいずれか一つのみを備えるものであってもよい。この場合、冷却ユニット20は、顕熱交換器3及び気化フィルタユニット2のいずれか一つのみを含むものであってもよい。
C:車両、C1:給電部、1:空調機、122:受電部、2:気化フィルタユニット、21:排気用気化フィルタ、22:給気用気化フィルタ、23:仕切り部、231:突設部、232:連通孔、24:フィルタ用給水部、3:顕熱交換器、31:給気経路、32:排気経路、36:交換器用給水部、41:給気ファン、42:給気吸込口、43:給気吹出口、51:排気ファン、52:排気吸込口、53:排気吹出口、8:給水タンク、91:給水ポンプ

Claims (19)

  1. 給気経路と排気経路とを含む顕熱交換器と、
    給気が通過する給気用気化フィルタと、排気が通過する排気用気化フィルタと、を含む気化フィルタユニットと、
    前記気化フィルタユニットに給水するフィルタ用給水部と、を備え、
    前記フィルタ用給水部は、前記給気用気化フィルタ及び前記排気用気化フィルタによって共用されることを特徴とする空調機。
  2. 前記排気用気化フィルタは、前記顕熱交換器の前記排気経路に流れる排気の流れ方向にて、前記顕熱交換器よりも上流側に位置することを特徴とする請求項1に記載の空調機。
  3. 前記空調機の外部から排気を吸い込む排気吸込口を備え、
    前記フィルタ用給水部と前記気化フィルタユニットとが並ぶ方向と直交する方向において、前記排気用気化フィルタは、前記顕熱交換器と前記排気吸込口との間に位置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空調機。
  4. 前記給気用気化フィルタは、前記顕熱交換器の前記給気経路に流れる給気の流れ方向にて、前記顕熱交換器よりも下流側に位置することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の空調機。
  5. 前記給気が前記空調機の外部に吹き出す給気吹出口を備え、
    前記フィルタ用給水部と前記気化フィルタユニットとが並ぶ方向と直交する方向において、前記給気用気化フィルタは、前記顕熱交換器と前記給気吹出口との間に位置することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の空調機。
  6. 前記給気用気化フィルタ及び前記排気用気化フィルタは、別体として構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の空調機。
  7. 前記給気用気化フィルタは、前記排気用気化フィルタの上方に設けられており、
    前記フィルタ用給水部は、前記給気用気化フィルタの上方に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の空調機。
  8. 前記給気用気化フィルタは、前記フィルタ用給水部と前記排気用気化フィルタとの間に位置していることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の空調機。
  9. 前記空調機の外部から排気を吸い込む排気吸込口と、
    前記空調機の外部から給気を吸い込む給気吸込口と、を備え、
    前記排気用気化フィルタは、前記顕熱交換器の前記排気経路に流れる排気の流れ方向にて、前記顕熱交換器よりも上流側に位置して、前記排気吸込口から吸い込まれた排気が流入し、
    前記顕熱交換器の前記排気経路は、前記排気用気化フィルタを通過した排気が流入し、
    前記顕熱交換器の前記給気経路は、前記給気吸込口から吸い込まれた給気が流入し、
    前記給気用気化フィルタは、前記顕熱交換器の前記給気経路に流れる給気の流れ方向にて、前記顕熱交換器よりも下流側に位置して、前記顕熱交換器の前記給気経路を通過した給気が流入し、
    前記給気用気化フィルタは、前記フィルタ用給水部と前記排気用気化フィルタとの間に位置していることを特徴とする請求項1に記載の空調機。
  10. 前記給気用気化フィルタは、前記排気用気化フィルタよりも体積が大きいことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の空調機。
  11. 前記給気用気化フィルタと前記排気用気化フィルタとの間には、仕切り部が設けられており、
    前記仕切り部には、前記給気用気化フィルタと前記排気用気化フィルタとを連通させる連通孔が、形成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の空調機。
  12. 前記仕切り部は、前記連通孔が最下部となるように傾斜していることを特徴とする請求項11に記載の空調機。
  13. 前記連通孔は、前記仕切り部の下面から突設した突設部に形成されており、
    前記突設部に形成された前記連通孔は、前記突設部の突設方向に沿って縮径されていることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の空調機。
  14. 前記仕切り部は、矩形板状を成し、
    前記連通孔は、前記仕切り部の長手方向に沿って、複数設けられていることを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の空調機。
  15. 給気を搬送する給気ファンと、
    排気を搬送する排気ファンと、を備え、
    前記給気ファンは、給気の流れ方向において、前記顕熱交換器よりも上流側に設けられ、
    前記排気ファンは、排気の流れ方向において、前記顕熱交換器よりも下流側に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の空調機。
  16. 前記顕熱交換器の前記排気経路に給水する熱交用給水部を備えることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の空調機。
  17. 前記排気用気化フィルタを通過した水を前記フィルタ用給水部に供給する給水ポンプを備えることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の空調機。
  18. 前記給水ポンプに連通され、着脱可能に設けられた給水タンクを備えることを特徴とする請求項17に記載の空調機。
  19. 空調機を駆動するための電力を、車両に設けられた給電部から受電する受電部を備えることを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の空調機。
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