JP2023111840A - 媒体処理装置及び画像形成システム - Google Patents

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Naoki Oikawa
圭 佐々木
Kei Sasaki
一貴 瀬戸
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恵介 杉山
Keisuke Sugiyama
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Abstract

【課題】綴じ処理の前処理において、綴じ強度への影響要因に応じた液体付与量の調整を可能にする技術を提供する。【解決手段】媒体を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送された少なくとも一枚の媒体の一部に液体付与をする液体付与部と、液体付与部によって液体付与された少なくとも一枚の媒体を含む媒体束を加圧変形させて綴じる圧着部と、を備え、液体付与部は、媒体の加圧変形による綴じ強度が影響を受ける要因となる環境条件に応じて、液体付与における液体付与量を調整する媒体処理装置による。【選択図】図3

Description

本発明は、媒体処理装置及び画像形成システムに関する。
画像が形成されたシート状の媒体を積層状にした束(シート束)を形成する綴じ処理を行う媒体処理装置が知られている。また、省資源化や環境負荷の低減を鑑みる観点から、金属製の綴じ針(ステイプル針)を用いずに「針無し」の綴じ処理を行う媒体処理装置も知られている。この媒体処理装置には、凹凸状の綴じ歯でシート束を挟持して加圧変形させる所謂「圧着綴じ」が可能な圧着処理部を備える。なお、シート状の媒体の例として用紙が広く知られている。そこで本明細書では、シート束に関する記載をするとき、複数の媒体としての用紙を束にして構成される「用紙束」を例に用いることとする。
圧着綴じでは、用紙束を構成する用紙の枚数が多いほど用紙束に綴じ歯が食い込みにくくなることで、圧着綴じをした用紙が用紙束から剥がれ落ちるなど、綴じ状態を維持することや綴じ強度に課題がある。そこで、圧着綴じを行う媒体処理装置には、綴じ強度を向上させることを目的として、用紙の綴じ歯が接触する位置に対して予め加水をし、綴じ歯が用紙束に食い込み易くする加水処理部を備えるものがある(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に開示の媒体処理装置により綴じ処理における綴じ強度は、綴じ処理の前段において媒体に対して行われる前処理の条件や綴じ処理を行う環境の状況によって影響を受ける。しかし、特許文献1に開示の従来技術では、綴じ強度に影響を与える要因を考慮することなく加水量の調整をするので、前処理における綴じ強度への影響要因の変動に応じて好適な加水量に調整することができない、という課題がある。
本発明は、綴じ処理の前処理において、綴じ強度への影響要因に応じた液体付与量の調整を可能にする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、媒体処理装置に関し、媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送された少なくとも一枚の前記媒体の一部に液体付与をする液体付与部と、前記液体付与部によって液体付与された少なくとも一枚の前記媒体を含む媒体束を加圧変形させて綴じる圧着部と、を備え、前記液体付与部は、前記媒体の加圧変形による綴じ強度が影響を受ける要因となる環境条件に応じて、前記液体付与における液体付与量を調整する、ことを特徴とする。
本発明によれば、綴じ処理の前処理において、綴じ強度への影響要因に応じた液体付与量の調整を可能にする。
画像形成システムの全体構成を示す図。 第一実施形態に係る後処理装置の内部構造を示す図。 端綴じ処理部を搬送方向の上流側から見た模式図。 端綴じ処理部を主走査方向の液体付与部側から見た模式図。 圧着部の構成を示す模式図。 綴じ処理中における液体付与部及び圧着部の位置を示す図。 第一実施形態に係る後処理装置の動作を制御する制御ブロックのハードウェア構成図。 端綴じ処理部の変形例を示す図。 端綴じ処理部の変形例に係る液体付与圧着部を示す図。 液体付与圧着部による液体付与動作及び圧着綴じ動作を示す図。 綴じ処理のフローチャート。 液体付与調整量判定処理の第一実施例のフローチャート。 液体付与調整量判定処理の第二実施例のフローチャート。 液体付与調整量判定処理の第三実施例のフローチャート。 液体付与調整量判定処理の第四実施例のフローチャート。 画像形成システムの全体構成の別例を示す図。 第二実施形態に係る後処理装置の内部構造を示す図。 第二実施形態に係る内部トレイを用紙の厚み方向から見た図。 第二実施形態に係る圧着手段を搬送方向の上流側から見た模式図。 第二実施形態に係る液体付与部を用紙の厚み方向から見た図。 図20のXXV-XXVにおける断面図。 図20のXXVI-XXVIにおける断面図。 第二実施形態に係る後処理装置の動作を制御する制御ブロックのハードウェア構成図。 第二実施形態に係る後処理装置の後処理フローチャート。 画像形成システムの変形例の全体構成を示す図。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る画像形成システム1について、図面を参照しながら説明する。図1は、画像形成システム1の全体構成を示す図である。画像形成システム1は、シート状の媒体としての用紙Pに画像を形成し、画像が形成された用紙Pに対して後処理を施す機能を有する。図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置としての画像形成装置2と、本発明に係る媒体処理装置としての後処理装置3と、を連動するように構成されている。
画像形成装置2は、用紙Pに画像を形成し、画像を形成した用紙Pを後処理装置3に排出する。画像形成装置2は、用紙Pが収容される収容トレイと、収容トレイに収容された用紙Pを搬送する搬送部と、搬送部によって搬送された用紙Pに画像を形成する画像形成部99とを備える。画像形成部99は、インクを用いて画像を形成するインクジェット方式でもよいし、トナーを用いて画像を形成する電子写真方式でもよい。画像形成装置2の構成は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
また、後処理装置3は、後述する端綴じ処理部25を備える。図1では、画像形成システム1において、画像形成部99から端綴じ処理部25までの搬送経路を破線で示している。画像形成部99から端綴じ処理部25までの搬送処理は、端綴じ処理部25における綴じ処理による綴じ強度に影響を与える変動要因としての環境条件の一例である。
例えば、図16に例示するような画像形成システム1aでは、画像形成部99aから端綴じ処理部25aまでの搬送距離が、画像形成システム1に比較して長くなる。したがって、画像形成システム1aにおいて、端綴じ処理部25aで綴じ処理を行う前に液体付与処理を実行するときは、用紙Pの状況が画像形成システム1の場合と異なる。そこで、画像形成システム1aにおいて生ずる状況に応じて液体付与量を調整しなければ、用紙Pを束ねて綴じたときの綴じ強度を適切な強度にして、綴じ状態を維持可能な状態にする好適な液体付与量にはならない。
また、画像形成システム1の画像形成部99、画像形成システム1aの画像形成部99aのそれぞれにおいて、実行される前処理としての画像形成処理によって用紙Pに与える温度環境は異なる。この温度環境に応じて、液体付与処理を実行するときの用紙Pの状況は異なる。そこで、この温度環境に応じて、液体付与量の調整をしなければ、綴じ強度を維持可能な状態にする好適な液体付与量にはならない。
図2は、第一実施形態に係る後処理装置3の内部構造を示す図である。後処理装置3は、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pに所定の後処理を施す。本実施形態に係る後処理は、画像が形成された複数枚の用紙Pの束(シート束)を、綴じ針を用いずに綴じる「圧着綴じ処理」としての綴じ処理である。以下、用紙Pの束を、媒体束としての「用紙束Pb」と表記する。より詳細には、本実施形態に係る綴じ処理は、綴じ位置で用紙束Pbを加圧変形させる所謂「圧着綴じ」である。なお、後処理装置3において実行可能な綴じ処理は、用紙束Pbの端を綴じる端綴じ処理と、用紙束Pbの中央を綴じる中綴じ処理と含むものとする。
後処理装置3は、搬送ローラ対10~19(搬送部)と、切替爪20とを備える。搬送ローラ対10~19は、後処理装置3の内部において、画像形成装置2から供給された用紙Pを搬送する。より詳細には、搬送ローラ対10~13は、第一搬送路Ph1に沿って用紙Pを搬送する。また、搬送ローラ対14~15は、第二搬送路Ph2に沿って用紙Pを搬送する。さらに、搬送ローラ対16~19は、第三搬送路Ph3に沿って用紙Pを搬送する。
第一搬送路Ph1は、画像形成装置2からの用紙Pの供給口から排出トレイ21に至る経路である。第二搬送路Ph2は、搬送方向における搬送ローラ対11、14の間において第一搬送路Ph1から分岐し、内部トレイ22を通じて排出トレイ26に至る経路である。第三搬送路Ph3は、搬送方向における搬送ローラ対11、14の間において第一搬送路Ph1から分岐し、排出トレイ30に至る経路である。
切替爪20は、第一搬送路Ph1及び第二搬送路Ph2の分岐位置に配置されている。切替爪20は、第一搬送路Ph1を通じて用紙Pを排出トレイ21に排出する第一位置と、第一搬送路Ph1を搬送される用紙Pを第二搬送路Ph2に導く第二位置とに切り替え可能に構成されている。また、第二搬送路Ph2に進入した用紙Pの後端が搬送ローラ対11を通過したタイミングで、搬送ローラ対14を逆回転させることによって、当該用紙Pが第三搬送路Ph3に導かれる。また、後処理装置3は、各搬送路Ph1、Ph2、Ph3上の用紙Pの位置を検知する複数のセンサを備える。なお、複数のセンサは、図2において黒塗り三角形(▲)で示している。
後処理装置3は、排出トレイ21を備える。排出トレイ21は、第一搬送路Ph1を通じて排出された用紙Pを載置する。排出トレイ21には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、綴じ処理が施されない用紙Pが排出される。
また、後処理装置3は、載置トレイとしての内部トレイ22と、エンドフェンス23と、サイドフェンス24L、24Rと、端綴じ処理部25と、排出トレイ26とを備える。内部トレイ22、エンドフェンス23、サイドフェンス24L、24R、及び端綴じ処理部25は、第二搬送路Phから内部トレイ22に搬送される複数の用紙Pからなる用紙束Pbに端綴じ処理を施す。排出トレイ26には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、端綴じ処理が施された用紙束Pbが排出される。ここでいう「端綴じ処理」とは、用紙束Pbの主走査方向に平行な一辺に沿って綴じ処理を行う「平行綴じ処理」(図18(B)参照)、用紙束Pbの角部に綴じ処理を行う「斜め綴じ処理」(図18(C)参照)、用紙束Pbの搬送方向に平行な一辺に沿って綴じ処理を行う「垂直綴じ処理」が含まれる。
以下、搬送ローラ対15からエンドフェンス23に向かって用紙Pが搬送される方向を、「搬送方向」と定義する。また、用紙Pの厚み方向及び搬送方向に直交する方向を、「主走査方向(用紙Pの幅方向)」と定義する。
載置トレイとしての内部トレイ22は、第二搬送路Ph2を順番に搬送される複数の用紙Pを一時的に載置する。エンドフェンス23は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの搬送方向の位置を揃える。サイドフェンス24L、24Rは、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの主走査方向の位置を揃える。端綴じ処理部25は、エンドフェンス23及びサイドフェンス24L、24Rによって揃えられた用紙束Pbの端部を綴じる。そして、搬送ローラ対15は、端綴じ処理が施された用紙束Pbを排出トレイ26に排出する。
[端綴じ処理部25の詳細説明]
図3は、端綴じ処理部25を、搬送方向の上流側から見た模式図である。図4は、端綴じ処理部25を主走査方向の液体付与部31側から見た模式図である。図3に示すように、端綴じ処理部25は、液体付与部31と、圧着綴じ処理部としての圧着部32とを備える。液体付与部31及び圧着部32は、内部トレイ22より搬送方向の下流側において、主走査方向に隣接して配置されている。
液体付与部31は、貯液タンク43に貯留された液体(例えば、水)を、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbに付与する。以下、用紙P又は用紙束Pbに対して水を含む液体を付与することを「液体付与」と表記し、液体付与を行うための処理を「液体付与処理」と表記する。
ここで、「液体付与」するための貯液タンク43に貯留された液体とは、さらに詳しくは、化学式HOで表される水素と酸素の化合物の液体状態を主成分とするものである。液体状態であれば、その温度状態は問わず、いわゆる温水や熱水であってもよい。また、純水に限らず、精製水はもちろんのこと、イオン化した塩類が含まれていても良い。金属イオン含有量もいわゆる軟水から超硬水まで硬度は問わない。
また主成分に加えて添加物が加えられていてもよい。水道水として用いられる残留塩素を含んでいてもよいし、着色剤・浸透剤・pH調整剤・フェノキシエタノールなどの防腐剤・グリセリンなどの乾燥防止剤等が添加されていることも望ましい。さらには、インクジェット方式の印刷装置で用いられるインクや、水性ペンに用いられるインクも成分として水を用いているので、これを「液体付与」として用いても良い。
ここで具体的に挙げたものに限らず、次亜塩素酸水や消毒用に希釈したエタノール水溶液など広義の「水」であっても機能するが、圧着綴じとして機能させるためだけの用途であれば入手・管理が容易な水道水を用いればよい。又、液体としては、上記に例示したような水を主成分とする液体を用いる方が、水を主成分としていない液体を用いるよりも用紙束Pbの綴じ強度を向上させることができる。
図3及び図4に示すように、液体付与部31は、用紙P又は用紙束Pbの載置台としての下押圧板33と、上押圧板34と、液体付与部移動機構35と、液体付与機構36とを備える。液体付与部31の構成部品(下押圧板33、上押圧板34、液体付与部移動機構35、液体付与機構36)は、液体付与フレーム31a及びベース部材48により保持されている。
下押圧板33及び上押圧板34は、内部トレイ22より搬送方向の下流側に配置されている。下押圧板33は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbを下側から支持する。下押圧板33は、下押圧板保持体331上に設けられている。上押圧板34は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの上方において、用紙Pの厚み方向に移動(昇降)可能に構成されている。すなわち、下押圧板33及び上押圧板34は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbを挟んで、用紙束Pbの厚み方向(以下、単に「厚み方向」と表記する。)に対向して配置されている。さらに、上押圧板34には、ベースプレート40に取り付けられた液体付与部材44の先端に対面する位置に、厚み方向に貫通する貫通口34aが形成されている。
液体付与部移動機構35は、上押圧板34、ベースプレート40、及び液体付与部材44を用紙P又は用紙束Pbの厚み方向に移動させる。本実施形態に係る液体付与部移動機構35は、単一の液体付与部移動モータ37によって、上押圧板34、ベースプレート40、及び液体付与部材44を連動して移動させる。液体付与部移動機構35は、例えば、液体付与部移動モータ37と、台形ネジ38と、ナット39と、ベースプレート40と、柱状部材41a、41bと、コイルバネ42a、42bとを備える。
液体付与部移動モータ37は、上押圧板34、ベースプレート40、及び液体付与部材44を移動させる駆動力を発生させる。台形ネジ38は、上下方向に延設されると共に、液体付与フレーム31aに回転可能に取り付けられている。また、台形ネジ38は、プーリやベルト等を介して液体付与部移動モータ37の出力軸に接続されている。ナット39は、台形ネジ38に螺合されている。そして、液体付与部移動モータ37の駆動力が伝達されて台形ネジ38が回転することによってナット39が移動する。
ベースプレート40は、上押圧板34より上方に配置されている。また、ベースプレート40は、液体付与部材44の先端を下方に突出させた状態で、液体付与部材44を保持している。さらに、ベースプレート40は、台形ネジ38に接続されて、台形ネジ38と共に移動可能に構成されている。そして、ベースプレート40の上下方向の位置は、移動センサ40a(図7参照)によって検知される。
柱状部材41a、41bは、液体付与部材44の先端の周囲において、ベースプレート40から下方に突出している。また、柱状部材41a、41bは、ベースプレート40に対して厚み方向に相対的に移動可能に構成されている。さらに、柱状部材41a、41bは、下端で上押圧板34を保持している。又、柱状部材41a、41bの上端には、柱状部材41a、41bがベースプレート40から外れるのを防止する抜け止めが設けられている。コイルバネ42a、42bは、ベースプレート40と上押圧板34との間において、柱状部材41a、41bに外挿されている。そして、コイルバネ42a、42bは、上押圧板34及び柱状部材41a、41bを、ベースプレート40に対して下方に付勢する。
液体付与機構36は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbに対する所定の液体付与位置において、用紙P又は用紙束Pbに液体付与する。より詳細には、液体付与機構36は、液体付与部材44の先端を用紙P又は用紙束Pbの液体付与位置に接触させることによって、用紙束Pbを構成する少なくとも一枚の用紙Pに液体付与する。液体付与機構36は、貯液タンク43と、液体付与部材44と、供給部材45と、ジョイント46とを備える。
貯液タンク43は、用紙P又は用紙束Pbに供給するための液体を貯留する。貯液タンク43に貯留された液体の量は、液量センサ43aによって検知される。液体付与部材44は、貯液タンク43に貯液された液体を用紙P又は用紙束Pbに供給する。液体付与部材44は、先端が下方を向けてベースプレート40に保持されている。また、液体付与部材44は、吸液率の高い材料(例えば、スポンジ、繊維)で構成されている。
供給部材45は、基端が貯液タンク43に貯留された液体に浸漬され、先端が液体付与部材44に接続された長尺の部材である。また、供給部材45は、例えば、液体付与部材44と同様に、吸液率の高い材料で構成されている。これにより、供給部材45の基端から吸収された液体が、毛細管現象によって液体付与部材44に供給される。
保護部材45aは、供給部材45に外挿される長尺の筒体(例えば、チューブ)である。これにより、供給部材45が吸収した液体の漏洩や、蒸発を防止できる。また、供給部材45及び保護部材45aは、可撓性を有する材料で形成されている。ジョイント46は、液体付与部材44をベースプレート40に固定するものである。これにより、液体付与部材44は、液体付与部移動機構35によって移動されても、ベースプレート40から下方に突出すると共に、先端が下方を向いた状態が維持される。
圧着部32は、凹凸状の綴じ歯32a、32bで用紙束Pbを加圧変形させることによって、用紙束Pbを綴じる。すなわち、圧着部32は、綴じ針を用いずに、用紙束Pbを綴じることができる。圧着部32の構成部品(綴じ歯32a(上圧着歯32a)、綴じ歯32b(下圧着歯32b))は、圧着フレーム32cに設けられている。以下、圧着部32によって用紙束Pbの所定の位置を加圧変形させることで綴じることを単に「圧着綴じ」と表記する。
図3及び図4に示すように、下押圧板33には、液体付与処理を実行する位置の周囲の温度及び湿度を計測する温湿度センサ60が設置されている。なお、温湿度センサ60の設置位置は、下押圧板33に限定されるものではなく、用紙Pに液体付与処理を行うときに、用紙束Pbに対する綴じ強度が影響を受ける温度及び湿度を計測できる位置であればよい。
[圧着部32の構成]
図5は、圧着部32の構成を示す模式図である。図5に示すように、圧着部32は、一対の綴じ歯32a、32bを備える。一対の綴じ歯32a、32bは、内部トレイ22に載置された用紙束Pbを挟んで、用紙束Pbの厚み方向に対向して配置されている。一対の綴じ歯32a、32bの互いに対向する面は、凹部及び凸部が交互に形成された凹凸状に形成されている。また、一対の綴じ歯32a、32bは、互いに噛合うように、凹部及び凸部がずれて形成されている。そして、一対の綴じ歯32b、32bは、接離モータ32d(図7参照)の駆動力によって接離する。
用紙束Pbを構成する複数の用紙Pが内部トレイ22に供給される過程では、図5(A)に示すように、一対の綴じ歯32b、32bは互いに離間している。そして、用紙束Pbを構成する全ての用紙Pが内部トレイ22に載置されると、図5(B)に示すように、一対の綴じ歯32b、32bが噛み合って、用紙束Pbを厚み方向から加圧変形させる。これにより、内部トレイ22に載置された用紙束Pbが圧着綴じされる。また、圧着綴じされた用紙束Pbは、搬送ローラ対15によって、排出トレイ26に排出される。
尚、圧着部32の構成としては、圧着機構を構成する一対の綴じ歯32a、32bが噛み合えばよいので、本実施例に限定されない。例えば、正転のみ、又は正逆転する駆動源とリンク機構を使って一対の綴じ歯32a、32bの圧着及び離間動作を行うリンク機構方式の圧着機構(例えば、特許6057167号に開示されているもの)であっても良いし、駆動源の回転運動を直線運動に変換するねじ機構により、一対の綴じ歯の圧着及び離間動作を直線的に行う直動方式の圧着機構であってもよい。
また、図3に示すように、端綴じ処理部25は、端綴じ処理部移動機構47を備える。端綴じ処理部移動機構47は、内部トレイ22に載置された用紙Pの搬送方向の下流側の端部に沿うように、端綴じ処理部25(すなわち、液体付与部31及び圧着部32)を主走査方向に移動させる。端綴じ処理部移動機構47は、例えば、ベース部材48と、案内軸49と、端綴じ処理部移動モータ50と、位置センサ51とを備える。
液体付与部31及び圧着部32は、主走査方向に隣接させた状態でベース部材48に取り付けられている。案内軸49は、内部トレイ22より搬送方向の下流側において、主走査方向に延設されている。また、案内軸49は、ベース部材48を主走査方向にスライド可能に保持している。端綴じ処理部移動モータ50は、端綴じ処理部25を移動させるための駆動力を発生させる。端綴じ処理部移動モータ50の駆動力は、プーリやタイミングベルトを介してベース部材48に伝達される。
これにより、ベース部材48によって一体化された液体付与部31及び圧着部32は、案内軸49に沿って主走査方向に移動する。液体付与部31及び圧着部32の位置は、例えば、端綴じ処理部移動モータ50の出力軸に取り付けられたエンコーダセンサによって把握することができる。また、位置センサ51は、端綴じ処理部25が待機位置HP(図6参照)に到達したことを検知する。
さらに、図3に示すように、端綴じ処理部25は、回動機構52を備える。回動機構52は、一対の綴じ歯32a、32b及び液体付与部材44を、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの厚み方向(すなわち、搬送方向及び主走査方向に直交する方向)に延びる圧着部回動軸54周りに回動させる。回動機構52は、液体付与部回動軸53と、圧着部回動軸54と、連結機構55と、回動モータ56(駆動源)とを備える。
液体付与部回動軸53及び圧着部回動軸54は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの厚み方向に延設されている。すなわち、液体付与部回動軸53及び圧着部回動軸54は、主走査方向に離間した位置において、互いに平行に延設されている。液体付与部回動軸53は、液体付与フレーム31aに対して液体付与部材44を回動可能に支持する。圧着部回動軸54は、ベース部材48に対して圧着フレーム32cを回動可能に支持する。連結機構55は、圧着フレーム32cと液体付与部回動軸53とを相互に連結する。
回動モータ56は、一対の綴じ歯32a、32b及び液体付与部材44を回動させるための駆動力を発生させる。回動モータ56の駆動力は、プーリやタイミングベルトを介して圧着部回動軸54に伝達される。これにより、圧着フレーム32cは、一対の綴じ歯32a、32bと共に、圧着部回動軸54周りに回動する。また、圧着フレーム32cの回動は、連結機構55を介して液体付与部回動軸53に伝達される。これにより、液体付与部材44は、液体付与フレーム31aに対して、液体付与部回動軸53周りに回動する。
[端綴じ処理部25の主走査方向の移動]
ここで、ベース部材48によって一体化された液体付与部31及び圧着部32の主走査方向の移動態様について図6を用いて説明する。図6(A)に示すように、待機位置HPは、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbから幅方向に外れた位置である。また、図6(B)及び図6(C)に示すように、液体付与部31及び圧着部32は、端綴じ処理部移動機構47によって綴じ位置B1に移動することができる。綴じ位置B1は、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbに対面する位置であって、液体付与及び圧着綴じを実行する位置である。すなわち、待機位置HP及び綴じ位置B1は、主走査方向に離間した位置である。さらに、本実施形態に係る液体付与部31は、圧着部32に隣接して配置されており、待機位置HPにおいて圧着部32よりも綴じ位置B1に近い。
液体付与部31は、端綴じ処理部移動モータ50の駆動力が伝達されることによって、圧着部32と共に主走査方向に移動可能に構成されている。液体付与部31によって用紙P又は用紙束Pbに液体付与が行われる位置(液体付与位置)は、圧着部32による圧着綴じを行う予定である綴じ位置に対応する。よって、以下において液体付与位置と綴じ位置には同一符号を付して説明する。
図2に戻って、後処理装置3は、エンドフェンス27と、中綴じ処理部28と、用紙折りブレード29と、排出トレイ30とをさらに備える。エンドフェンス27、中綴じ処理部28、及び用紙折りブレード29は、第三搬送路Ph3を搬送される用紙Pにより構成させる用紙束Pbに中綴じ処理を施す。排出トレイ30には、画像形成装置2から供給される用紙Pのうち、中綴じ処理が施された用紙束Pbが排出される。
エンドフェンス27は、第三搬送路Ph3を順番に搬送される複数の用紙Pの搬送方向の位置を揃える。また、エンドフェンス27は、用紙束Pbの中央を、中綴じ処理部28に対面させる綴じ位置と、用紙折りブレード29に対面させる折り位置とに移動可能に構成されている。中綴じ処理部28は、綴じ位置のエンドフェンス27によって揃えられた用紙束Pbの中央を綴じる。用紙折りブレード29は、折り位置のエンドフェンス27に載置された用紙束Pbを半分に折って、搬送ローラ対18に挟持させる。搬送ローラ対18、19は、中綴じ処理が施された用紙束Pbを排出トレイ30に排出する。
[後処理装置3の制御構成(ハードウェア)]
図7は、第一実施形態に係る後処理装置3の制御構成におけるハードウェア構成図である。図7に示すように、後処理装置3は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、及びI/F105が共通バス109を介して接続されている構成を備える。
CPU101は演算手段であり、後処理装置3全体の動作を制御する。RAM102は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU101が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM103は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD104は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどが格納される。
後処理装置3は、ROM103に格納された制御プログラム、HDD104などの記憶媒体からRAM102にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU101が備える演算機能によって処理する。その処理によって、後処理装置3の種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、後処理装置3に搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、後処理装置3の機能を実現する機能ブロックが構成される。すなわち、CPU101、RAM102、ROM103、及びHDD104は、後処理装置3の動作を制御するコントローラ100を構成する。
I/F105は、搬送ローラ対10、11、14、15、切替爪20、サイドフェンス24L、24R、接離モータ32d、液体付与部移動モータ37、端綴じ処理部移動モータ50、回動モータ56、移動センサ40a、液量センサ43a、位置センサ51、操作パネル110、及び温湿度センサ60を、共通バス109に接続するインタフェースである。コントローラ100は、I/F105を通じて、搬送ローラ対10、11、14、15、切替爪20、サイドフェンス24L、24R、接離モータ32d、液体付与部移動モータ37、端綴じ処理部移動モータ50、回動モータ56を動作させ、移動センサ40a、液量センサ43a、位置センサ51の検知結果を取得する。なお、図6には端綴じ処理を実行する構成部品のみを図示しているが、中綴じ処理を実行する構成部品も同様にコントローラ100によって制御される。
図1に示すように、画像形成装置2は、操作パネル110を備えている。操作パネル110は、ユーザからの操作を受け付ける操作部と、ユーザに情報を報知するディスプレイ(報知部)とを備える。操作部は、例えば、ハードキー、ディスプレイに重畳されたタッチパネル等を含む。そして、操作パネル110は、操作部を通じてユーザから情報を取得し、ディスプレイを通じてユーザに情報を提供する。なお、報知部の具体例はディスプレイに限定されず、LEDランプやスピーカ等でもよい。又、後処理装置3に上記と同様の操作パネル110を備えるようにしてもよい。
次に、図8~図10を参照して、端綴じ処理部25の変形例である端綴じ処理部25´について説明する。第一実施形態に係る端綴じ処理部25との違いは、液体付与部31と圧着部32が一体的に構成されている点である。なお、第一実施形態に係る端綴じ処理部25と共通の構成要素には同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略することがある。
図8は、端綴じ処理部25´を搬送方向の上流側から見た模式図である。図9(A)は、液体付与圧着部310の斜視図である。図9(B)は、図9(A)のA-A矢視断面図である。図9(C)は、図9(A)の上圧着歯32aを下圧着歯32b側からみた平面図である。図10(A)~(C)は、液体付与圧着部310による液体付与動作及び圧着綴じ動作を示す図で、搬送方向の下流側から見た模式図である。
図8に示すように、端綴じ処理部25´は、第一実施形態に係る端綴じ処理部25の液体付与部31と圧着部32とを一体的に構成した液体付与圧着部310を備える。液体付与圧着部310は、内部トレイ22より搬送方向の下流側に配置されている。
液体付与圧着部310は、貯液タンク43に貯留された液体LQを内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbに付与する。液体付与圧着部310は、端綴じ処理部移動モータ50の駆動力が伝達されることによって、主走査方向に移動可能に構成されている。液体付与圧着部310は、上押圧板34と、上圧着歯32aと、下圧着歯32bと、液体付与圧着部移動機構350と、液体供給機構360とを備える。液体付与圧着部310の各構成部品は、液体付与フレーム31a及びベース部材48により保持されている。
液体付与圧着部移動機構350は、電動シリンダ370によって、上押圧板34、ベースプレート40、及び上圧着歯32aを用紙P又は用紙束Pbの厚み方向に連動して移動させる。ベースプレート40は、ジョイント46を介して上圧着歯保持部材32a1及び上圧着歯32aを保持する。又、ベースプレート40は、柱状部材41a、41bを介して上押圧板34を移動可能に保持している。そして、ベースプレート40は、連結部材401を介して電動シリンダ370のロッド371の先端に取り付けられている。
柱状部材41a、41bは、下端で上押圧板34を保持している。又、コイルバネ42a、42bは、ベースプレート40と上押圧板34との間において、柱状部材41a、41bに外挿されている。そして、コイルバネ42a、42bは、上押圧板34及び柱状部材41a、41bを、ベースプレート40に対して下方に付勢する。
液体供給機構360は、貯液タンク43と、供給ポンプ431と、供給部材45を備える。供給ポンプ431は、供給部材45を介して、図9(A)に示すように上圧着歯保持部材32a1に設けられた液溜まり部320に液体LQを供給する。供給部材45は、基端が供給ポンプ431に接続され、先端が液溜まり部320に接続されており、長尺かつ伸縮性のある部材で構成させる。
上圧着歯32aは、図9(B)に示すように、上圧着歯保持部材32a1に一体的に設けられている。そして、上圧着歯保持部材32a1は、液溜まり部320と、液溜まり部320に溜められた液体LQを上圧着歯32aに供給する液体供給路321を備えている。又、上圧着歯32aの表面は、親水処理が施されており、液体供給路321から供給された液体LQが上圧着歯32aの表面に均一に行き渡るようになっている。一方、上圧着歯保持部材32a1の上圧着歯32a以外の部分は、疎水処理が施されており、液体LQが上圧着歯32aの表面に効率的に行き渡るようになっている。
下圧着歯32bは、図8に示すように、下圧着歯保持部材32b1に一体的に設けられているとともに、下圧着歯保持部材32b1を介してベース部材48上に取り付けられている。
次に、図10を用いて液体付与圧着部310による液体付与動作及び圧着綴じ動作について説明する。用紙Pが内部トレイ22に供給される過程では、図10(A)に示すよう、上圧着歯32aと下圧着歯32bは離間している。そして、用紙Pが内部トレイ22に載置されると、電動シリンダ370を収縮させて上圧着歯32a及び上押圧板34を用紙Pに向かって移動させる。すると、図10(B)に示すよう、上押圧板34が最初に用紙Pに当接し、その後、上圧着歯32aが上押圧板34の貫通口34aを通過して用紙Pに当接する。このとき、上圧着歯32aの表面には液体LQが行き渡っているため、上圧着歯32aを用紙Pに当接させることにより用紙Pの液体付与位置に液体が付与される。そして、液体付与位置への液体付与が完了すると、電動シリンダ370を伸長させて上圧着歯32a及び上押圧板34を用紙Pから離間する。以上説明した上圧着歯32a及び上押圧板34の用紙Pに対する接離動作(液体付与動作)を、用紙束Pbを構成する用紙Pに対して繰り返し実行する。
その後、内部トレイ22に規定枚数の用紙Pから構成された用紙束Pbが載置されたら、電動シリンダ370を更に収縮させて上圧着歯32aを下圧着歯32bに向かって移動させる。すると、図10(C)に示すように、上圧着歯32aと下圧着歯32bとの間に用紙束Pbが挟まれた状態で、上圧着歯32aが下圧着歯32bに向かって更に移動することになり、上圧着歯32a及び下圧着歯32bにより用紙束Pbを加圧して変形させることで用紙束Pbを圧着綴じする(圧着綴じ動作)。
[圧着綴じ処理のフローチャート]
図11は、コントローラ100において実行される制御処理により実現される綴じ処理の流れを例示するフローチャートである。コントローラ100は、例えば、画像形成装置2から綴じ処理の実行指示を取得したタイミングで、図11に示す綴じ処理を開始する。以下、綴じ処理の実行指示を単に「綴じ処理指示」と表記する。
綴じ処理指示は、例えば、用紙束Pbを構成する用紙Pの数としての「所定枚数」と、綴じ処理を施すべき用紙束Pbの数としての「必要部数」と、用紙束Pbの綴じ位置及び端綴じ処理部25の綴じ姿勢とを含む。
綴じ処理指示には、画像形成装置2において実行された画像形成処理における定着温度Ptや、端綴じ処理部25までの搬送距離Lを示す情報などの環境条件が含まれる。これら環境条件は、端綴じ処理部25において後に行われる液体付与処理が、既定の液体付与量で行われて圧着綴じが行なわれた場合に、既定の綴じ強度を得ることに悪影響を与えうる要因を含む。すなわち、綴じ処理指示に含まれる環境条件は、液体付与により媒体が綴じ処理を受けたときの綴じ強度に影響を与え、綴じ強度の変動要因になり得るものである。
また、液体付与部31及び圧着部32は、図6(A)に示すように、内部トレイ22に載置される用紙P又は用紙束Pbから幅方向に外れた位置である待機位置HPに、綴じ処理の開始時点において、位置しているものとする。
コントローラ100は、待機位置HPに端綴じ処理部25が位置するときに、取得した環境条件に基づいて液体付与量の調整パラメータを判定する(S801)。液体付与部材44による液体付与量の調整パラメータの判定処理の詳細は後述する。
そして、コントローラ100は、内部トレイ22に用紙Pが供給される前に、端綴じ処理部移動モータ50を駆動して、綴じ処理指示で示される綴じ位置B1に液体付与部31が対面し得るように、端綴じ処理部25を主走査方向に移動させる(S802)。
次に、コントローラ100は、図6(B)に示すように、綴じ位置B1に対面し得る位置に液体付与部31を配置した状態で、搬送ローラ対10、11、14、15を回転させることによって、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pを内部トレイ22に収容する(S803)。また、コントローラ100は、サイドフェンス24L、24Rを移動させることによって、内部トレイ22に載置された用紙P又は用紙束Pbの主走査方向の位置を揃える(所謂、ジョギング)処理を実行する。
次に、コントローラ100は、直前のステップS802で内部トレイ22に載置された用紙Pの綴じ位置B1に対して、S801において判定された調整量に基づき、液体付与部31に液体付与させる(S804)。すなわち、コントローラ100は、調整量に基づいて液体付与部移動モータ37の駆動を制御して、内部トレイ22に載置された用紙Pの綴じ位置B1に液体付与部材44を接触させる。
次に、コントローラ100は、内部トレイ22に載置された用紙Pの数が、綴じ処理指示で指示された所定枚数Nに達したか否かを判定する(S805)。そして、コントローラ100は、内部トレイ22に載置された用紙Pの数が所定枚数Nに達していないと判定したことに応じて(S805:No)、ステップS803~S804の処理を再び実行する。
すなわち、コントローラ100は、搬送ローラ対10、11、14、15によって内部トレイ22に用紙Pが搬送される度に、ステップS803~S804の処理を実行する。但し、用紙束Pbを構成する全ての用紙Pに液体付与する必要はない。他の例として、コントローラ100は、n(n<N)枚に1枚の間隔で、綴じ位置B1に対して液体付与部31に液体付与させてもよい。
そして、コントローラ100は、内部トレイ22に載置された用紙Pの数が所定枚数Nに達したと判定したことに応じて(S805:Yes)、図6(C)に示すように、端綴じ処理部移動モータ50を駆動する。そして、圧着部32が綴じ位置B1に対面するように、端綴じ処理部25を主走査方向に移動させる(S806)。
次に、コントローラ100は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbに圧着綴じを施して、排出トレイ26に排出する(S807)。すなわち、コントローラ100は、接離モータ32dを駆動して、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの綴じ位置B1を、一対の綴じ歯32a、32bに挟持させる。また、コントローラ100は、搬送ローラ対15を回転させることによって、圧着綴じされた用紙束Pbを排出トレイ26に排出する。
そして、コントローラ100は、端綴じ処理部移動モータ50を駆動して、端綴じ処理部25を待機位置HPに移動させる(S808)。
なお、内部トレイ22に載置された用紙上において、ステップS806で一対の綴じ歯32a、32bが挟持する圧着領域は、ステップS803で液体付与部材44の先端面が接触した液体付与領域に重なる。換言すれば、圧着部32は、内部トレイ22に載置された用紙束Pb上において、液体付与部31によって液体付与された領域内を圧着綴じする。
[第一実施例]
ここで、第一実施例に係る液体付与調整量判定処理(S801)の詳細な流れについて図12のフローチャートを用いて説明する。液体付与調整量判定処理は、液体付与処理(図11:S804)において、液体付与部材44が用紙Pに液体付与する液体付与量を既定値から調整する調整量(調整パラメータ)を判定し、液体付与量を設定する処理である。
なお、下記に実施形態のそれぞれにおいて例示する各調整量は、下押圧板33に載置されている用紙Pの液体付与位置に向けて、液体付与部材44を押し当てる量(降下量)や、押し当て時間などを、既定値に対して増加又は減少させるものである。したがって、各調整量を加算した値で液体付与制御データを構成した場合、その液体付与制御データに基づく液体付与動作では、液体付与部材44の用紙Pに対する挙動が変化し、好適な液体付与量を用紙Pに付与できるようにする。
まず、環境条件データを取得する。ここでは、用紙Pの搬送方向上流に設けられる外部装置としての画像形成装置2からの綴じ処理指示に含まれるデータのうち、画像形成部99において用紙Pに画像を定着させる定着温度であって、前処理において用紙Pに与えられる温度環境を示すデータを取得する(S901)。この定着温度は、用紙Pに付着した液体インクを乾燥させて画像を定着させる定着温度でもよい。
続いて、取得した定着温度Ptが温度閾値P0以下であるか否かを判定する(S902)。定着温度Pt≦温度閾値P0であれば(S902:Yes)、既定量としての基準液体付与量に調整量Aを加算した値を液体付与制御データとして決定する(S903)。
定着温度Pt>温度閾値P0であれば(S902;No)、既定量としての基準液体付与量に調整量Bを加算した値を液体付与制御データとして決定する(S904)。
以上のように決定した液体付与制御データを用いて、S804における液体付与処理を実行する。なお、調整量Aよりも調整量Bの方が大きい値であって、S804において決定された液体付与制御データに基づく液体付与処理の方が、液体付与量は多くなる。
[第二実施例]
次に、第二実施例に係る液体付与調整量判定処理(S801)の詳細な流れについて図13のフローチャートを用いて説明する。液体付与調整量判定処理は、液体付与処理(図11:S804)において、液体付与部材44が用紙Pに液体付与する液体付与量を既定値(既定量)から調整する調整値(調整パラメータ)を判定し、液体付与量を設定する処理である。
まず、環境条件データを取得する。ここでは、外部装置としての画像形成装置2からの綴じ処理指示に含まれるデータのうち、画像形成部99において用紙Pに画像を形成してから端綴じ処理部25まで搬送する搬送経路長としての搬送距離を示すデータを取得する(S1001)。この搬送距離は、長くなれば長くなるほど、用紙Pに対して液体付与量を多くするほうが好適な状態になる。
続いて、取得した搬送距離Lが距離閾値L0以下であるか否かを判定する(S1002)。搬送距離L≦距離閾値L0であれば(S1002:Yes)、既定量としての基準液体付与量に調整量Cを加算した値を液体付与制御データとして決定する(S1003)。
搬送距離L>距離閾値L0であれば(S1002;No)、既定量としての基準液体付与量に調整量Dを加算した値を液体付与制御データとして決定する(S1004)。
以上のように決定した液体付与制御データを用いて、S804における液体付与処理を実行する。なお、調整量Cよりも調整量Dの方が大きい値であって、S804において決定された液体付与制御データに基づく液体付与処理の方が、液体付与量は多くなる。
[第三実施例]
次に、第三実施例に係る液体付与調整量判定処理(S801)の詳細な流れについて図14のフローチャートを用いて説明する。液体付与調整量判定処理は、液体付与処理(図11:S804)において、液体付与部材44が用紙Pに液体付与する液体付与量を既定値(既定量)から調整する調整値(調整パラメータ)を判定し、液体付与量を設定する処理である。
まず、温湿度センサ60から、液体付与処理環境の温湿度条件データを取得する(S1101)。この液体付与処理環境における温度が高くなるほど、用紙Pに対して液体付与量を多くするほうが好適な状態になる。
続いて、取得した周囲温度としての機内温度Tが周囲温度閾値T0以下であるか否かを判定する(S1102)。機内温度T≦周囲温度閾値T0であれば(S1102:Yes)、既定量としての基準液体付与量に調整量Eを加算した値を液体付与制御データとして決定する(S1103)。
機内温度T>周囲温度閾値T0であれば(S1102;No)、既定量としての基準液体付与量に調整量Fを加算した値を液体付与制御データとして決定する(S1104)。
以上のように決定した液体付与制御データを用いて、S804における液体付与処理を実行する。なお、調整量Eよりも調整量Fの方が大きい値であって、S804において決定された液体付与制御データに基づく液体付与処理の方が、液体付与量は多くなる。
[第四実施例]
次に、第四実施例に係る液体付与調整量判定処理(S801)の詳細な流れについて図15のフローチャートを用いて説明する。本実施形態に係る液体付与調整量判定は、第一実施形態から第三実施形態と同様に、環境条件データの取得と(S1201)、温湿度センサ60からの液体付与処理環境の温湿度条件データの取得を行う(S1202)。
続いて、取得した温度条件データ、搬送距離を示すデータ、及び温湿度条件データのそれぞれに関する判定処理を実行し、調整量を判定する(S1203~S1211)。これら一連の処理は、すでに説明をした処理と同様であるので省略する。
続いて、判定された各調整量のいずれかを基準液体付与量に加算した値を液体付与制御データとして決定する(S1212)。
以上のように決定した液体付与制御データを用いて、S804における液体付与処理を実行する。なお、各調整量は、用紙束Pbが圧着綴じによって加圧変形することで得られる綴じ強度が、既定の綴じ強度を満たすために必要な液体付与量を得るためのものである。上記に挙げた環境条件はいずれも、用紙束Pbの加圧変形による綴じ強度が影響を受ける要因である。したがって、この要因は、液体付与により用紙束Pbに与えられる綴じ強度を高める効果の変動要因となる環境条件に相当する。
したがって、第一実施形態から第四実施形態のいずれにおいても、綴じ強度を高める効果を減少させる変動要因が大きい場合には、液体付与量を既定量よりも増加させるように調整する。これによって、様々な環境において、液体付与による綴じ強度の向上を図ることができる。
上記の実施例によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
後処理装置3に接続される画像形成装置2は、多数ある用紙Pの種類に応じて、適切な液体付与量を調整した上で圧着綴じによる綴じ処理を行うことができる。これによって、綴じ強度を好適な状態で得ることができ、綴じ処理の品質及び安定性の向上を図ることができる。
また、画像形成システム1のシステム構成の違いによって異なる搬送距離になるが、この搬送距離の違いにより、綴じ処理を行う段階での用紙Pの温度状態が異なっても適切な液体付与量を調整した上で圧着綴じによる綴じ処理を行うことができる。これによって、綴じ強度を好適な状態で得ることができ、綴じ処理の品質及び安定性の向上を図ることができる。
また、後処理装置3において連読稼働を行うなど、機内の温度が上昇して、綴じ処理を行う段階での用紙Pの温度状態が異なっても適切な液体付与量を調整した上で圧着綴じによる綴じ処理を行うことができる。これによって、綴じ強度を好適な状態で得ることができ、綴じ処理の品質及び安定性の向上を図ることができる。
さらに、複合的な環境条件に応じて、綴じ処理を行う段階での用紙Pの温度状態が変動しても、適切な液体付与量を調整した上で圧着綴じによる綴じ処理を行うことができる。これによって、綴じ強度を好適な状態で得ることができ、綴じ処理の品質及び安定性の向上を図ることができる。
[第二実施形態]
次に、図17~図25を参照して、第二実施形態に係る後処理装置3Aを説明する。なお、第一実施形態と共通の構成要素には同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略することがある。
第二実施形態に係る後処理装置3Aは、液体付与部31と圧着部32が併設された第一実施形態に係る後処理装置3とは異なり、液体付与部131のみを搬送路の上流側に設けている。これにより、液体付与処理後に用紙Pを所定枚数プレスタックして、下流側に設けられた端綴じ処理部25の圧着部32へ搬送することができるので、圧着部32での綴じ処理の生産性を向上させることが可能となる。又、搬送ローラ対10、11、14が用紙Pを搬送する方向は、上述で定義した「搬送方向」とは、逆方向であるため、「逆搬送方向」と定義する。また、逆搬送方向及び用紙Pの厚み方向に直交する方向を、「主走査方向(用紙Pの幅方向)」と定義する。
図17は、第二実施形態に係る後処理装置3Aの内部構造を示す図である。端綴じ処理部25は、図18に示すように、圧着部32及び針綴じ部32´を備えている。図17に示すように、圧着部32及び針綴じ部32´は、内部トレイ22より搬送方向の下流側に配置されている。また、圧着部32及び針綴じ部32´は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの搬送方向の下流側の端部に対面し得る位置において、主走査方向に移動可能に構成されている。さらに、圧着部32及び針綴じ部32´は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの厚み方向に延びる回動軸線回りに回動可能に構成されている。すなわち、圧着部32及び針綴じ部32´は、コーナー斜め綴じ、平行一箇所綴じ、平行二箇所綴じなどのように、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの主走査方向の任意の位置を、任意の角度で綴じることができる。
また、圧着部32は、凹凸状の綴じ歯32a、32bで用紙束Pbを加圧変形させることによって、用紙束Pbを綴じる(以下、「圧着綴じ」と表記する。)。一方、針綴じ部32´は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの綴じ位置に綴じ針を貫通させることによって、当該用紙束Pbを針綴じすることができる。
図18は、内部トレイ22を用紙束Pbの厚み方向から見た模式図である。図19は、圧着部32を搬送方向上流側から見た模式図である。図18に示すように、圧着部32及び針綴じ部32´は、内部トレイ22より搬送方向の下流側に配置されている。圧着部32は、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの表面に沿って主走査方向に移動可能で、且つ内部トレイ22に載置された用紙束Pbの厚み方向に延びる回動軸340を中心として、回動可能に構成されている。又、針綴じ部32´についても同様に、用紙束Pbの主走査方向に移動可能で、且つ用紙束Pbの厚み方向に延びる回動軸341を中心として、回動可能に構成されている。
より詳細には、図19に示すように、内部トレイ22より搬送方向の下流側には、ガイドレール337が主走査方向に延設されている。圧着部32は、圧着部移動モータ238の駆動力が駆動伝達機構240(プーリやタイミングベルト)により伝達されることによって、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの表面(換言すれば、ガイドレール337)に沿って、主走査方向に移動する。さらに、圧着部32の構成品を保持する圧着フレーム32cは、その底面に回動軸340が固定されている。回動軸340は、圧着フレーム32cが設けられるベース部材48に回転可能に保持されている。そして、圧着部32は、回動モータ239の駆動力が回動軸340に伝達されることによって、内部トレイ22に載置された用紙Pの厚み方向に延びる回動軸340を中心として回動する。ガイドレール337、圧着部移動モータ238、回動モータ239、回動軸340、及び駆動伝達機構240は、圧着部32の駆動機構の一例を構成する。
圧着部32は、図18(A)に示す待機位置HPと、図18(B)及び図18(C)に示す綴じ位置B1に対面する位置とに移動可能に構成されている。待機位置HPは、内部トレイ22に載置された用紙束Pbから主走査方向の一方側に外れた位置である。綴じ位置B1は、内部トレイ22に載置された用紙束Pb上の位置である。但し、綴じ位置B1の具体的な位置は、図18の例に限定されず、用紙Pの搬送方向の下流側の端部における主走査方向の任意の位置で、かつ複数であってもよい。
また、圧着部32は、図18(B)に示す平行綴じ姿勢と、図18(C)に示す斜め綴じ姿勢とに姿勢変化(回動)する。平行綴じ姿勢とは、一対の綴じ歯32a、32b(換言すれば、長方形の圧着綴じ痕)の長手方向が主走査方向を向く圧着部32の姿勢である。又、斜め綴じ姿勢とは、一対の綴じ歯32a、32b(換言すれば、長方形の圧着綴じ痕)の長手方向が主走査方向に対して傾いた圧着部32の姿勢である。
なお、斜め綴じ姿勢における回動角度(主走査方向に対する一対の綴じ歯32a、32bの角度)は、図18(C)の例に限定されず、内部トレイ22に載置された用紙束Pbに一対の綴じ歯32a、32bが対面していれば、任意の角度でよい。
後処理装置3Aは、液体付与部131と、パンチ孔穿設部132(処理部)とを備える。液体付与部131及びパンチ孔穿設部132は、内部トレイ22より逆搬送方向の上流側に配置されている。また、液体付与部131及びパンチ孔穿設部132は、搬送ローラ対10~19によって搬送される1枚の用紙Pに同時に対面し得る位置において、逆搬送方向にずれて配置されている。本実施形態に係る液体付与部131及びパンチ孔穿設部132は、搬送ローラ対10、11の間に配置されている。但し、液体付与部131及びパンチ孔穿設部132の配置は、図17の例に限定されない。例えば、図25に示すように画像形成装置2と後処理装置3Aの間にインサーター6が配置されている場合は、液体付与部131を後処理装置3Aの上流側に位置するインサーター6内に設けることもできる。インサーター6としては、画像形成装置2から搬送された用紙Pとともに後処理装置3Aに搬送するプレプリント媒体を、表紙、挿入紙または仕切紙として、画像形成装置2を通さずに給紙することができる装置が挙げられる。
又、搬送ローラ対11は、図20(A)に示すように、液体付与部131の液体付与ヘッド146により液体が付与された用紙Pの液体付与位置B1と主走査方向において重ならない位置に配置されている。これは、搬送ローラ対11が用紙Pを搬送する際に、複数のローラ対が、液体付与位置B1を押圧することにより液体付与位置B1の液量が減少することを防止するためである。その結果、用紙Pが、液体付与部131よりも逆搬送方向の下流側に設けられた圧着部32に到達した時点で、液体付与位置B1の液量は、綴じ強度を維持するのに必要な液量を確保できているので、搬送過程で液体付与位置B1の液量が減少することによる用紙束Pbの綴じ強度の低下を防止することができる。更に、搬送ローラ対11を構成する複数のローラ対を、用紙Pの液体付与位置B1と主走査方向において重ならない位置に配置することにより、複数のローラ対に液体が付着して用紙Pの搬送性が悪化したり、そのことが原因で生じる搬送ジャムを防止することができる。尚、以上では搬送ローラ対11についてのみ説明したが、搬送ローラ対14~15を構成する複数のローラ対も同様に、用紙Pの液体付与位置B1と主走査方向において重ならない位置に配置することが好ましい。
液体付与部131は、搬送ローラ対10、11によって搬送される用紙Pに液体(例えば、水)を付与(以下、「液体付与」と表記する。)する。パンチ孔穿設部132は、搬送ローラ対10、11によって搬送される用紙Pに、厚み方向に貫通するパンチ孔を穿つ。なお、液体付与部131に近接して設けられる処理部は、パンチ孔穿設部132に限定されず、搬送ローラ対10、11によって搬送される用紙Pの傾き(スキュー)を補正する傾き補正部でもよい。
図20は、第二実施形態に係る液体付与部131を用紙Pの厚み方向から見た図である。図21は、図20のXXV-XXVにおける断面図である。図22は、図20のXXVI-XXVIにおける断面図である。図20~図22に示すように、液体付与部131は、一対のガイド軸133a、133bと、一対のプーリ134a、134bと、無端環状ベルト135、136と、液体付与部移動モータ137と、待機位置センサ138(図23参照)と、液体付与ユニット140とを備える。
一対のガイド軸133a、133bは、逆搬送方向に離間した位置において、各々が主走査方向に延設されている。また、一対のガイド軸133a、133bは、後処理装置3Aの一対の側板4a、4bに支持されている。そして、一対のガイド軸133a、133bは、液体付与ユニット140を主走査方向に移動可能に支持する。
一対のプーリ134a、134bは、逆搬送方向における一対のガイド軸133a、133bの間に配置されている。また、一対のプーリ134a、134bは、主走査方向に離間して配置されている。さらに、一対のプーリ134a、134bは、用紙Pの厚み方向に延びる回転軸線回りに回転可能に、後処理装置3Aのフレームに支持されている。
無端環状ベルト135は、一対のプーリ134a、134bに掛け渡されている。また、無端環状ベルト135には、接続部35aによって液体付与ユニット140に接続されている。無端環状ベルト136は、プーリ134aと液体付与部移動モータ137の出力軸に固定された駆動プーリ137aとに掛け渡されている。液体付与部移動モータ137は、液体付与ユニット140を主走査方向に移動させるための駆動力を発生させる。
液体付与部移動モータ137が回転することによって、プーリ134a及び駆動プーリ137aの間を無端環状ベルト136が周回し、プーリ134aを回転させる。また、プーリ134aが回転することによって、一対のプーリ134a、134bの間を無端環状ベルト135が周回する。これにより、液体付与ユニット140は、一対のガイド軸133a、133bに沿って主走査方向に移動する。また、液体付与部移動モータ137の回転方向を切り替えることによって、液体付与ユニット140は、主走査方向に往復移動する。
待機位置センサ138は、液体付与ユニット140が主走査方向の待機位置に到達したことを検知し、検知結果を示す待機位置信号を後述するコントローラ100(図22参照)に出力する。待機位置センサ138は、例えば、発光部及び受光部を備える光学センサである。そして、待機位置の液体付与ユニット140は、発光部及び受光部の間の光路を遮断する。そして、待機位置センサ138は、発光部から出力された光が受光部で受光されないことに応じて、待機位置信号を出力する。但し、待機位置センサ138の具体的な構成は、前述の例に限定されない。
図21に示すように、後処理装置3A内の搬送路は、用紙Pの厚み方向に離間して配置された上ガイド板5a及び下ガイド板5bによって画定される。そして、液体付与ユニット140は、上ガイド板5aに設けられた開口に対面する位置に配置されている。すなわち、液体付与ユニット140は、上ガイド板5aの開口を通じて搬送路(すなわち、用紙Pに対面し得る位置)に対面して配置されている。
図20~図22に示すように、液体付与ユニット140は、ベース部材141と、回転ブラケット142と、貯液タンク143と、移動手段144と、保持部材145と、液体付与ヘッド146と、柱状部材147a、147bと、押圧板148と、コイルバネ149a、149bと、回転モータ150と、移動モータ151(図23参照)と、待機角度センサ152(図23参照)とを備える。
ベース部材141は、主走査方向にスライド可能に一対のガイド軸133a、133bに支持されている。また、ベース部材141は、接続部35aによって無端環状ベルト135に接続されている。さらに、ベース部材141は、液体付与ユニット140の構成部品142~152を支持している。
回転ブラケット142は、用紙Pの厚み方向に延びる回転軸線回りに回動可能にベース部材141の下面に支持されている。また、回転ブラケット142は、回転モータ150の駆動力が伝達されることによって、ベース部材141に対して回転する。さらに、回転ブラケット142は、貯液タンク143、移動手段144、保持部材145、液体付与ヘッド146、柱状部材147a、147b、押圧板148、及びコイルバネ149a、149bを支持している。
待機角度センサ152(図23参照)は、回転ブラケット142が待機角度に到達したことを検知し、検知結果を示す待機角度信号をコントローラ100に出力する。待機角度とは、例えば、平行綴じするときの角度である。待機角度センサ152は、例えば、発光部及び受光部を備える光学センサである。そして、待機角度の回転ブラケット142は、発光部及び受光部の間の光路を遮断する。そして、待機角度センサ152は、発光部から出力された光が受光部で受光されないことに応じて、待機角度信号を出力する。但し、待機角度センサ152の具体的な構成は、前述の例に限定されない。
尚、図20(A)に示した回転ブラケット142は、液体付与部131より下流側の圧着部32が平行綴じする際の状態を示している。又、図20(B)に示した回転ブラケット142は、液体付与部131より下流側の圧着部32が斜め綴じ(角綴じ)する際の状態を示している。
貯液タンク143は、用紙Pに付与するための液体を貯留する。移動手段144は、用紙Pの厚み方向に移動(例えば昇降)可能に貯液タンク143に支持されている。また、移動手段144は、移動モータ151の駆動力が伝達されることによって、貯液タンク143に対して移動する。保持部材145は、移動手段144の下端に取り付けられている。液体付与ヘッド146は、保持部材145から搬送路に向けて(本実施形態では、下方)に突出している。また、液体付与ヘッド146には、貯液タンク143に貯留された液体が供給される。さらに、液体付与ヘッド146は、吸液率の高い材料(例えば、スポンジ、繊維)で構成されている。
柱状部材147a、147bは、液体付与ヘッド146の周囲において、保持部材145から下方に突出している。また、柱状部材147a、147bは、保持部材145に対して厚み方向に相対移動可能に構成されている。さらに、柱状部材147a、147bは、下端で押圧板148を保持している。押圧板148には、液体付与ヘッド146に対面する位置に貫通口148aが形成されている。コイルバネ149a、149bは、保持部材145と押圧板148との間において、柱状部材147a、147bに外挿されている。そして、コイルバネ149a、149bは、柱状部材147a、147b及び押圧板148を、保持部材145に対して下方に付勢する。
図21(A)及び図22(A)に示すように、上ガイド板5aの開口に対面する位置に用紙Pが搬送される前の段階では、押圧板148は開口の位置または開口より上方に位置している。次に、搬送ローラ対10、11によって搬送された用紙Pの液体付与位置B1が開口に対面する位置で停止すると、移動モータ151を第1方向に回転させる。これにより、移動手段144、保持部材145、液体付与ヘッド146、柱状部材147a、147b、押圧板148、及びコイルバネ149a、149bが一体となって下降して、押圧板148が用紙Pに当接する。なお、液体付与位置B1とは、端綴じ処理部25によって圧着綴じされる予定の位置(すなわち、綴じ位置)である。
そして、押圧板148が用紙Pに当接した後も移動モータ151を第1方向に回転させることによって、コイルバネ149a、149bが圧縮されて、移動手段144、保持部材145、液体付与ヘッド146、及び柱状部材147a、147bがさらに下降する。そして、図21(B)及び図22(B)に示すように、液体付与ヘッド146の下面が貫通口148aを通じて用紙Pに当接する。その結果、液体付与ヘッド146に含まれる液体が用紙Pに付与される。
さらに、図21(C)及び図22(C)に示すように、移動モータ151をさらに第1方向に回転させることによって、液体付与ヘッド146を用紙Pにさらに強く押し付けることができる。これにより、用紙Pに対する液体付与量が増加する。すなわち、液体付与部131は、用紙Pに対する液体付与ヘッド146の押し付け力を変更することによって、液体付与量を調整することができる。
一方、移動モータ151を第1方向と逆向きの第2方向に回転させることによって、移動手段144、保持部材145、液体付与ヘッド146、柱状部材147a、147b、押圧板148、及びコイルバネ149a、149bが一体となって上昇する。これにより、図21(A)及び図22(A)に示すように、液体付与ヘッド146及び押圧板148が用紙Pから離間する。すなわち、液体付与部131は、用紙Pに切離可能な液体付与ヘッド146を備える。
図23は、第二実施形態に係る後処理装置3Aの動作を制御する制御ブロックのハードウェア構成図である。図22に示すように、後処理装置3Aは、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、及びI/F105が共通バス109を介して接続されている構成を備える。
CPU101は演算手段であり、後処理装置3A全体の動作を制御する。RAM102は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU101が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM103は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD104は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどが格納される。
後処理装置3Aは、ROM103に格納された制御プログラム、HDD104などの記憶媒体からRAM102にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU101が備える演算機能によって処理する。その処理によって、後処理装置3Aの種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、後処理装置3Aに搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、後処理装置3Aの機能を実現する機能ブロックが構成される。すなわち、CPU101、RAM102、ROM103、及びHDD104は、後処理装置3Aの動作を制御するコントローラ100を構成する。
I/F105は、搬送ローラ対10、11、14、15、切替爪20、サイドフェンス24L、24R、圧着部32、液体付与部131、パンチ孔穿設部132、及び操作パネル110を、共通バス109に接続するインタフェースである。コントローラ100は、I/F105を通じて、搬送ローラ対10、11、14、15、切替爪20、サイドフェンス24L、24R、圧着部32、液体付与部131、及びパンチ孔穿設部132の動作を制御する。なお、図22には端綴じ処理を実行する構成部品のみを図示しているが、中綴じ処理を実行する構成部品も同様にコントローラ100によって制御される。
操作パネル110は、ユーザからの入力操作を受け付ける操作部と、ユーザに情報を報知するディスプレイ(報知部)とを備える。操作部は、例えば、ハードキー、ディスプレイに重畳されたタッチパネル等を含む。そして、操作パネル110は、操作部を通じてユーザから情報を取得し、ディスプレイを通じてユーザに情報を提供する。
図24は、第二実施形態に係る後処理装置3Aの後処理のフローチャートである。具体的には、図18に示す一箇所綴じを実行する際のフローチャートである。コントローラ100は、例えば、画像形成装置2から後処理の実行指示(以下、「後処理指示」と表記する。)を取得したことに応じて、図24に示す後処理を実行する。後処理指示は、例えば、用紙束Pbを構成する用紙Pの数(以下、「所定枚数N」と表記する。)と、綴じ位置(=液体付与位置B1)及び綴じ角度(=液体付与角度)と、液体付与処理と並行して実行される処理(本実施形態では、パンチ孔の穿設)とを含む。なお、後処理の開始時点において、液体付与ユニット140は待機位置HP(図12の待機位置HPに相当する位置)に位置し、回転ブラケット142は待機角度に保持されているものとする。
まず、コントローラ100は、液体付与部移動モータ137を駆動することによって、液体付与ユニット140を主走査方向に移動させることで、液体付与ヘッド146を待機位置HPから液体付与位置B1(図12の綴じ位置B1に相当する位置)に対面し得る位置に移動させる。また、コントローラ100は、回転モータ150を駆動し、回転ブラケット142を回転させることで、液体付与ヘッド146を待機角度から液体付与角度に回転させる(S801)。液体付与ヘッド146が液体付与位置B1に対面し得る位置及び液体付与角度に達したことは、液体付与部移動モータ137及び回転モータ150のロータリエンコーダから出力されるパルス信号によって把握できる。又、コントローラ100は、圧着部移動モータ238を駆動することによって、図18(A)、(B)に示すように、圧着部32を待機位置HPから綴じ位置B1に対面し得る位置に移動させる(S801)。また、コントローラ100は、回動モータ239を駆動することにより、圧着部32を待機角度から圧着綴じ角度に回転させる(S801)。圧着部32が、綴じ位置B1に対面し得る位置、及び圧着綴じ角度に達したことは、圧着部移動モータ238及び回動モータ239のロータリエンコーダから出力されるパルス信号によって把握できる。
次に、コントローラ100は、搬送ローラ対10、11を駆動することによって、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pの搬送を開始する(S802)。コントローラ100は、用紙Pの液体付与位置B1が液体付与ユニット140(より詳細には、液体付与ヘッド146)に対面するまで(S803:No)、搬送ローラ対10、11の駆動を継続する。そして、コントローラ100は、用紙Pの液体付与位置B1が液体付与ヘッド146に対面したことに応じて(S803:Yes)、搬送ローラ対10、11を停止する(S804)。用紙Pの液体付与位置B1が液体付与ヘッド146に対面したことは、搬送ローラ対10、11を駆動するモータのロータリエンコーダから出力されるパルス信号によって把握できる。
コントローラ100は、液体付与部131によって用紙Pの液体付与位置B1に液体を付与する処理と、パンチ孔穿設部132によって用紙Pにパンチ孔を穿設させる処理とを並行して実行する(S805)。より詳細には、コントローラ100は、移動モータ151を第1方向に回転させることによって、液体付与ヘッド146を用紙Pの液体付与位置B1に当接させる。また、コントローラ100は、用紙Pに対する液体付与量に応じて、液体付与ヘッド146の押し付け力(すなわち、移動モータ151の回転量)を変更する。
用紙Pに対する液体付与量は、用紙束Pbを構成する全ての用紙Pに対して同一でもよいし、用紙P毎に異なっていてもよい。例えば、コントローラ100は、後に搬送される用紙Pほど液体付与量を減少させてもよい。また、移動モータ151の回転量は、移動モータ151のロータリエンコーダから出力されるパルス信号によって把握できる。
次に、コントローラ100は、搬送ローラ対10、11、14、15を駆動することによって、用紙Pを内部トレイ22に載置する(S806)。また、コントローラ100は、サイドフェンス24L、24Rを移動させることによって、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの主走査方向の位置を揃える(所謂、ジョギング)。
次に、コントローラ100は、内部トレイ22に載置された用紙Pの数が、後処理指示で指示された所定枚数Nに達したか否かを判定する(S807)。そして、コントローラ100は、内部トレイ22に載置された用紙Pの数が所定枚数Nに達していないと判定したことに応じて(S807:No)、ステップS802~S806の処理を再び実行する。
そして、コントローラ100は、内部トレイ22に載置された用紙Pの数が所定枚数Nに達したと判定したことに応じて(S807:Yes)、液体付与部131によって液体を付与された用紙束Pbの綴じ位置B1(=液体付与位置B1)を、圧着部32に圧着綴じさせる。さらに、コントローラ100は、搬送ローラ対15を回転させることによって、圧着綴じされた用紙束Pbを排出トレイ26に排出する(S808)。そして、コントローラ100は、液体付与部移動モータ137を駆動して液体付与部131を待機位置HPに移動させるとともに、圧着部移動モータ238を駆動して圧着部32を待機位置HPに移動させる。
また、本発明は、端綴じ処理を実行する端綴じ処理部25のみならず、中綴じ処理を実行する中綴じ処理部28にも適用することができる。
なお、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された少なくとも一枚の前記媒体の一部に液体付与をする液体付与部と、
前記液体付与部によって液体付与された少なくとも一枚の前記媒体を含む媒体束を加圧変形させて綴じる圧着部と、を備え、
前記液体付与部は、前記媒体の加圧変形による綴じ強度が影響を受ける要因となる環境条件に応じて、前記液体付与における液体付与量を調整する、ことを特徴とする媒体処理装置である。
<2> 前記環境条件は、前記媒体の搬送方向上流側に連結される外部装置における当該媒体への前処理における温度条件であって、
前記前処理における温度が所定の温度閾値よりも高いときは前記液体付与量を既定量よりも増加させる、前記<1>に記載の媒体処理装置である。
<3> 前記環境条件は、前記媒体が液体付与位置に搬送されるまでの搬送経路長であって、
前記搬送経路長が所定の距離閾値よりも長いときは前記液体付与量を既定量よりも増加させる、前記<1>又は前記<2>に記載の媒体処理装置である。
<4> 前記環境条件は、液体付与位置における前記媒体の周囲温度であって、
前記媒体の周囲温度が所定の周囲温度閾値よりも高いときは前記液体付与量を既定量よりも増加させる、前記<1>乃至前記<3>のいずれか一項に記載の媒体処理装置である。
<5> 前記媒体に画像を形成する画像形成部を備えた画像形成装置と、
前記画像形成装置によって画像が形成された複数の前記媒体を圧着綴じする前記<1>乃至前記<4>のいずれかに記載の媒体処理装置とを備えることを特徴とする画像形成システムである。
1,1a :画像形成システム
2 :画像形成装置
3 :後処理装置
25 :端綴じ処理部
31 :液体付与部
32 :圧着部
33 :下押圧板
34 :上押圧板
35 :液体付与部移動機構
36 :液体付与機構
37 :液体付与部移動モータ
43 :貯液タンク
43a :液量センサ
44 :液体付与部材
47 :端綴じ処理部移動機構
50 :端綴じ処理部移動モータ
51 :位置センサ
56 :回動モータ
60 :温湿度センサ
99,99a :画像形成部
100 :コントローラ
110 :操作パネル
特開2014-104183号公報
[圧着部32の構成]
図5は、圧着部32の構成を示す模式図である。図5に示すように、圧着部32は、一対の綴じ歯32a、32bを備える。一対の綴じ歯32a、32bは、内部トレイ22に載置された用紙束Pbを挟んで、用紙束Pbの厚み方向に対向して配置されている。一対の綴じ歯32a、32bの互いに対向する面は、凹部及び凸部が交互に形成された凹凸状に形成されている。また、一対の綴じ歯32a、32bは、互いに噛合うように、凹部及び凸部がずれて形成されている。そして、一対の綴じ歯32、32bは、接離モータ32d(図7参照)の駆動力によって接離する。
用紙束Pbを構成する複数の用紙Pが内部トレイ22に供給される過程では、図5(A)に示すように、一対の綴じ歯32、32bは互いに離間している。そして、用紙束Pbを構成する全ての用紙Pが内部トレイ22に載置されると、図5(B)に示すように、一対の綴じ歯32、32bが噛み合って、用紙束Pbを厚み方向から加圧変形させる。これにより、内部トレイ22に載置された用紙束Pbが圧着綴じされる。また、圧着綴じされた用紙束Pbは、搬送ローラ対15によって、排出トレイ26に排出される。
無端環状ベルト135は、一対のプーリ134a、134bに掛け渡されている。また、無端環状ベルト135には、接続部35aによって液体付与ユニット140に接続されている。無端環状ベルト136は、プーリ134aと液体付与部移動モータ137の出力軸に固定された駆動プーリ137aとに掛け渡されている。液体付与部移動モータ137は、液体付与ユニット140を主走査方向に移動させるための駆動力を発生させる。
ベース部材141は、主走査方向にスライド可能に一対のガイド軸133a、133bに支持されている。また、ベース部材141は、接続部35aによって無端環状ベルト135に接続されている。さらに、ベース部材141は、液体付与ユニット140の構成部品142~152を支持している。
まず、コントローラ100は、液体付与部移動モータ137を駆動することによって、液体付与ユニット140を主走査方向に移動させることで、液体付与ヘッド146を待機位置HPから液体付与位置B1(図12の綴じ位置B1に相当する位置)に対面し得る位置に移動させる。また、コントローラ100は、回転モータ150を駆動し、回転ブラケット142を回転させることで、液体付与ヘッド146を待機角度から液体付与角度に回転させる(S801)。液体付与ヘッド146が液体付与位置B1に対面し得る位置及び液体付与角度に達したことは、液体付与部移動モータ137及び回転モータ150のロータリエンコーダから出力されるパルス信号によって把握できる。又、コントローラ100は、圧着部移動モータ238を駆動することによって、図18(A)、(B)に示すように、圧着部32を待機位置HPから綴じ位置B1に対面し得る位置に移動させる(S801)。また、コントローラ100は、回動モータ239を駆動することにより、圧着部32を待機角度から圧着綴じ角度に回転させる(S801)。圧着部32が、綴じ位置B1に対面し得る位置、及び圧着綴じ角度に達したことは、圧着部移動モータ238及び回動モータ239のロータリエンコーダから出力されるパルス信号によって把握できる。
次に、コントローラ100は、搬送ローラ対10、11を駆動することによって、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pの搬送を開始する(S802)。コントローラ100は、用紙Pの液体付与位置B1が液体付与ユニット140(より詳細には、液体付与ヘッド146)に対面するまで(S803:No)、搬送ローラ対10、11の駆動を継続する。そして、コントローラ100は、用紙Pの液体付与位置B1が液体付与ヘッド146に対面したことに応じて(S803:Yes)、搬送ローラ対10、11を停止する(S804)。用紙Pの液体付与位置B1が液体付与ヘッド146に対面したことは、搬送ローラ対10、11を駆動するモータのロータリエンコーダから出力されるパルス信号によって把握できる。
コントローラ100は、液体付与部131によって用紙Pの液体付与位置B1に液体を付与する処理と、パンチ孔穿設部132によって用紙Pにパンチ孔を穿設させる処理とを並行して実行する(S805)。より詳細には、コントローラ100は、移動モータ151を第1方向に回転させることによって、液体付与ヘッド146を用紙Pの液体付与位置B1に当接させる。また、コントローラ100は、用紙Pに対する液体付与量に応じて、液体付与ヘッド146の押し付け力(すなわち、移動モータ151の回転量)を変更する。
次に、コントローラ100は、搬送ローラ対10、11、14、15を駆動することによって、用紙Pを内部トレイ22に載置する(S806)。また、コントローラ100は、サイドフェンス24L、24Rを移動させることによって、内部トレイ22に載置された用紙束Pbの主走査方向の位置を揃える(所謂、ジョギング)。
次に、コントローラ100は、内部トレイ22に載置された用紙Pの数が、後処理指示で指示された所定枚数Nに達したか否かを判定する(S807)。そして、コントローラ100は、内部トレイ22に載置された用紙Pの数が所定枚数Nに達していないと判定したことに応じて(S807:No)、ステップS802~S806の処理を再び実行する。
そして、コントローラ100は、内部トレイ22に載置された用紙Pの数が所定枚数Nに達したと判定したことに応じて(S807:Yes)、液体付与部131によって液体を付与された用紙束Pbの綴じ位置B1(=液体付与位置B1)を、圧着部32に圧着綴じさせる。さらに、コントローラ100は、搬送ローラ対15を回転させることによって、圧着綴じされた用紙束Pbを排出トレイ26に排出する(S808)。そして、コントローラ100は、液体付与部移動モータ137を駆動して液体付与部131を待機位置HPに移動させるとともに、圧着部移動モータ238を駆動して圧着部32を待機位置HPに移動させる。

Claims (5)

  1. 媒体を搬送する搬送部と、
    前記搬送部によって搬送された少なくとも一枚の前記媒体の一部に液体付与をする液体付与部と、
    前記液体付与部によって液体付与された少なくとも一枚の前記媒体を含む媒体束を加圧変形させて綴じる圧着部と、を備え、
    前記液体付与部は、前記媒体の加圧変形による綴じ強度が影響を受ける要因となる環境条件に応じて、前記液体付与における液体付与量を調整する、ことを特徴とする媒体処理装置。
  2. 前記環境条件は、前記媒体の搬送方向上流側に連結される外部装置における当該媒体への前処理における温度条件であって、
    前記前処理における温度が所定の温度閾値よりも高いときは前記液体付与量を既定量よりも増加させる、請求項1に記載の媒体処理装置。
  3. 前記環境条件は、前記媒体が液体付与位置に搬送されるまでの搬送経路長であって、
    前記搬送経路長が所定の距離閾値よりも長いときは前記液体付与量を既定量よりも増加させる、請求項1又は2に記載の媒体処理装置。
  4. 前記環境条件は、液体付与位置における前記媒体の周囲温度であって、
    前記媒体の周囲温度が所定の周囲温度閾値よりも高いときは前記液体付与量を既定量よりも増加させる、請求項1又は2に記載の媒体処理装置。
  5. 前記媒体に画像を形成する画像形成部を備えた画像形成装置と、
    前記画像形成装置によって画像が形成された複数の前記媒体を圧着綴じする請求項1又は2に記載の媒体処理装置とを備えることを特徴とする画像形成システム。
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