JP2023111621A - におい検出素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】感応膜の周波数温度特性による影響を抑えた出力を行うことが可能なにおい検出素子を提供すること。【解決手段】本発明に係るにおい検出素子は、圧電振動子と、感応膜とを具備する。上記圧電振動子は、圧電材料を主成分とする圧電体層と、上記圧電体層に設けられている1対の電極とを備える。上記感応膜は、上記圧電振動子上に設けられ、正又は負の周波数温度特性を有する下地層と、上記下地層上に設けられ、上記下地層とは反対の周波数温度特性を有する吸着層とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、振動子式のにおい検出素子に関する。
振動子式のにおい検出素子は、振動子上に特定のにおい物質を吸着する感応膜を有しており、感応膜へのにおい物質の吸着に伴う共振周波数の変化により、におい物質を検出することができる。一方で、感応膜そのものが周波数温度特性、即ち温度変化により共振周波数が変化する性質を有する場合があり、温度変化により共振周波数変化が生じることで、におい物質の検出精度が低下することがある。
これに対し、例えば特許文献1には、弾性波センサの両面に反応膜層を配置し、片方を検出用、もう片方を温度等の外乱影響の補正用とすることで検出精度を向上させた弾性波センサが開示されている。また、特許文献2には、測定装置内に温度センサを設け、標準ガスと被測定ガスの温度差による測定誤差を演算により補正することで検出精度の向上を図ったガスセンサが開示されている。
特開2017-156253号公報 特開2018-048930号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように温度補正用センサを設け、あるいは特許文献2に記載のように温度補正演算を行う場合、コスト増加やシステム複雑化等のデメリットが存在する。これに対し、におい検出素子自体が感応膜の周波数温度特性による影響を抑えた出力を行うことができれば、これらのデメリットを解消することが可能である。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、感応膜の周波数温度特性による影響を抑えた出力を行うことが可能なにおい検出素子を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るにおい検出素子は、圧電振動子と、感応膜とを具備する。
上記圧電振動子は、圧電材料を主成分とする圧電体層と、上記圧電体層に設けられている1対の電極とを備える。
上記感応膜は、上記圧電振動子上に設けられ、正又は負の周波数温度特性を有する下地層と、上記下地層上に設けられ、上記下地層とは反対の周波数温度特性を有する吸着層とを備える。
以上のように本発明によれば、感応膜の周波数温度特性による影響を抑えた出力を行うことが可能なにおい検出素子を提供することが可能である。
本発明の実施形態に係るにおい検出素子(QCM素子型)の断面図である。 感応膜の正の周波数温度特性及び負の周波数温度特性を示すグラフである。 上記におい検出素子が備える感応膜の周波数温度特性を示すグラフである。 上記におい検出素子が備える感応膜の、各比率での周波数温度特性を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るにおい検出素子(FBAR素子型)の断面図である。 本発明の実施形態に係るにおい検出素子(SAW素子型)の平面図である。 本発明の実施形態に係るにおい検出素子(SAW素子型)の断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るにおい検出素子について説明する。
[におい検出素子の構成]
本実施形態に係るにおい検出素子100は、図1に示すように圧電振動子110及び感応膜120を備える。圧電振動子110は、圧電体層111、第1電極112及び第2電極113を備える。圧電体層111は圧電材料を主成分とする層である。図1に示すように圧電体層111の表面を表面111aとし、裏面を裏面111bとする。第1電極112は表面111a上に設けられ、第2電極113は裏面111b上に設けられている。第1電極112と第2電極113は圧電体層111を挟み、1対の電極を構成している。第1電極112と第2電極113は導電性材料からなり、例えば金、銀、アルミニウム又はその他の金属からなる。
感応膜の吸着特性について触れる。感応膜は、樹脂、樹脂から成る高分子、金属、金属酸化膜、無機材料を焼結したセラミック、またはこれらから選択して混錬された膜などから成る。そしてこれらの感応膜は、吸着量の大小はあるが、複数のガスや複数のにおい成分を吸着する。これらの成分は気体、浮遊液体、水蒸気などである。仮に感応膜Aを用意した場合、気体Aだけを吸着するものは殆どなく、他の気体B・C・・・も吸着するが、気体Aを一番多く吸着する膜であり、これを特定のにおい物質を吸着する感応膜と呼ぶ。
本発明の感応膜120は、圧電振動子110上に設けられ、におい検出素子100に供給された気体に含まれる特定のにおい物質を吸着する。感応膜120が吸着するにおい物質の種類は感応膜120の材料に応じたものとなる。
感応膜120は、下地層121及び表側に位置する吸着層122を備える。下地層121は図1に示すように第1電極112上に設けられ、吸着層122は下地層121上に設けられている。感応膜120の厚みDは例えば500nmである。
におい検出素子100では、第1電極112と第2電極113の間に電圧を印加すると、逆圧電効果により、圧電体層111に一定の共振周波数での振動が生じる。感応膜120ににおい物質が吸着すると、感応膜120の重量が増加し、共振周波数が減少する。一方、感応膜120に吸着しているにおい物質が脱着すると、感応膜120の重量が減少し、共振周波数が増加する。したがって、におい検出素子100では共振周波数の変化に基づいて感応膜120に吸着したにおい物質の量を検出することができる。
[感応膜の周波数温度特性について]
感応膜120は上記のように下地層121及び吸着層122を備える。下地層121は正又は負の周波数温度特性を有し、吸着層122は下地層121とは反対の周波数温度特性を有する。具体的には下地層121は負の周波数温度特性を有し、吸着層122は正の周波数温度特性を有する。正又は負の周波数温度特性については後述する。
図2では、感応膜を備えるにおい検出素子における、温度に対する共振周波数変化を示している。横軸は温度、縦軸は共振周波数変化量(Δf)である。感応膜の周波数温度係数(TCF:Temperature Coefficients of Frequency)を示している。周波数温度係数は温度変化に対する共振周波数変化量の変動幅、即ち図2に示すグラフの傾きであり、周波数温度係数の絶対値が小さいほど温度変化に対して周波数が安定である。
図2において凡例「正温度特性」では、温度が上昇すると共振周波数変化量が増加しており、感応膜が正の周波数温度特性を有することを示す。一方、凡例「負温度特性」では、温度が上昇すると共振周波数変化量が減少し、感応膜が負の温度特性を有することを示す。
このように、感応膜が正又は負の周波数温度特性を有する場合、感応膜を備えるにおい検出素子の共振周波数は温度によって変化する。したがって、感応膜を備えるにおい検出素子の共振周波数変化には、におい物質の吸着または脱着を原因とするものの他に、感応膜の周波数温度特性を原因とするものが含まれる。このため、におい検出素子の測定精度の向上には、感応膜の周波数温度特性をできるだけ0に近づけることが望まれる。
図3を用いて説明する。本実施形態では感応膜120が、負の周波数温度特性を有する下地層121と正の周波数温度特性を有する吸着層122から構成されている。図3において凡例「感応膜」は、上記の感応膜120を備えるにおい検出素子100の共振周波数変化量を示す。
また、図3において凡例「下地層材料」は、感応膜が仮に下地層の材料のみから構成されているとした場合のにおい検出素子の共振周波数変化量を示し、凡例「吸着層材料」は、感応膜が仮に吸着層の材料のみから構成されているとした場合のにおい検出素子の共振周波数変化量を示す。同図に示すように下地層は負の周波数温度特性を有し、吸着層は正の周波数温度特性を有する。
図3からわかる通り、感応膜120は、下地層と吸着層の間の周波数温度特性となる。この場合、感応膜120を備えるにおい検出素子100の周波数温度特性では、共振周波数の変化量がほぼ0に近づいている。これは、下地層121の負の周波数温度特性と吸着層122の正の周波数温度特性が打消し合うことによるものである。感応膜120では下地層121と吸着層122の2層構造とすることによってにおい検出素子100の温度による共振周波数の変化を抑制することが可能である。
なお、上記説明において下地層121は負の周波数温度特性を有し、吸着層122は正の周波数温度特性を有するものとしたが、下地層121が正の周波数温度特性を有し、吸着層122が負の周波数温度特性を有するものとすることも可能である。この場合も下地層121の正の周波数温度特性と吸着層122の負の周波数温度特性が打消し合い、感応膜120の周波数温度特性をほぼ0に近づけることが可能である。
また、感応膜120は下地層121と吸着層122の2層から構成されるものに限られず、下地層121と吸着層122以外の層を備えるものであればよい。この場合、感応膜120は、下地層121と吸着層122に加えて、1層以上の正の周波数温度特性を有する層と1層以上の負の周波数温度特性を有する層の少なくとも一方を備えるものであってもよい。
[下地層と吸着層の材料について]
下地層121または吸着層122の材料は、負の周波数温度特性を有する材料として、FS-2060(フロロテクノロジー社製)等の含フッ素アクリレートエステル重合体を用いることができる。負の周波数温度特性を有する材料であれば、これに限定されない。下地層121または吸着層122の材料は、正の周波数温度特性を有する材料として、ヘキサフルオロイソプロピル基を有するイミド系樹脂を用いることができる。正の周波数温度特性を有する材料であれば、これに限定されない。
この他にも下地層121または吸着層122の材料は、ポリマー、MOF(Metal Organic Frameworks:金属有機構造体)やゼオライトといったフィラー系材料又はフタロシアニン銅のような蒸着膜等であってよく、下地層121が正又は負の周波数温度特性を有し、吸着層122は下地層121とは反対の周波数温度特性を有するものであればよい。
なお、図3及び図4に記載の凡例「下地層材料」では、下地層121の材料をFS-2060(フロロテクノロジー社製)としたときの、におい検出素子100の共振周波数変化量を示し、図3及び図4に記載の凡例「吸着層材料」では、吸着層122の材料をヘキサフルオロイソプロピル基を有するイミド系樹脂としたときの、におい検出素子100の共振周波数変化量を示す。
感応膜120では、上記のように下地層121上に吸着層122が積層されるが、吸着層122の厚みが300nm以上の場合、感応膜120に付着されるにおい物質はほぼ全てが吸着層122に吸着される。
このとき、下地層121の材料は吸着するにおい物質を考慮して選択する必要がなく、吸着層122の周波数温度特性を打消すことが可能な材料を選択することができる。
一般的に、感応膜の厚みを大きくし過ぎると、におい検出素子の発振が不安定となり、計測ができなくなる。この観点を考慮すると、吸着層122の厚みは300nm以上500nm以下が好ましい。
吸着層122がヘキサフルオロイソプロピル基を有するイミド系樹脂であるとき、吸着層122の厚みを大きくしても、発振が不安定になりにくい。このため、吸着層122の厚みは300nm以上1000nm以下が好ましい。
感応膜120では、下地層121の疎水性が吸着層122より大きいものが好適である。
以下、その理由を説明する。
水分は、大気に百分率で数パーセント以上含まれることが多いため、一例として、環境に数ppm~pptの濃度で存在しうるにおい物質と比べて、非常に濃い濃度で存在する。このため、測定環境の湿度が問題となりやすい。
下地層121の疎水性が吸着層122より小さいと、吸着層122が疎水性であっても、吸着層122を一部の水分が透過してしまうことがある。このとき、下地層121の疎水性が吸着層122より小さいと、圧電振動子110まで水分が容易に到達してしまう。圧電振動子110に水分が達すると、水分によるにおい検出素子100の共振周波数に対する影響が顕著となる。
下地層121の疎水性が吸着層122より大きい構成とすると、吸着層122を透過してしまった一部の水分が下地層121を透過できず、圧電振動子110への到達が防止される。こうして、におい検出素子100の共振周波数への湿度による影響を抑制することが可能となる。
[下地層と吸着層の厚みについて]
感応膜120を構成する下地層121と吸着層122の厚みについて説明する。下地層121と吸着層122の厚みは、におい検出素子100の製造時に、圧電振動子110の共振周波数を考慮して制御する。感応膜120の積層時において感応膜120の厚みが増加すると、重量増加により圧電振動子110の共振周波数が減少するためである。
図3においては凡例「下地層材料」は、下地層121の材料を、共振周波数減少量が所定値となるまで積層して形成した感応膜120を備えるにおい検出素子100の共振周波数変化量を示す。また、凡例「吸着層材料」は、吸着層122の材料を、共振周波数減少量が上記所定値となるまで積層して形成した感応膜120を備えるにおい検出素子100の共振周波数変化量を示す。また、凡例「感応膜」は下地層121の材料を、共振周波数減少量が上記所定値の50%の値になるまで積層した後、吸着層122の材料を、共振周波数減少量が上記所定値の50%の値になるまで積層して形成した感応膜120を備えるにおい検出素子100の共振周波数変化量を示す。下地層121と吸着層122の材料の密度が異なる場合、共振周波数減少量が同一となるまで積層しても、下地層121と吸着層122の厚みが相違する。
感応膜120における下地層121と吸着層122の厚みの比率は変更することが可能である。図4において、下地層121と吸着層122の厚みの比率が異なる感応膜120を備えるにおい検出素子100の共振周波数変化量を示す。凡例「下地層材料」は図3と同様に感応膜が下地層の材料のみからなり、上記所定値の厚みを有する場合のにおい検出素子100の共振周波数変化量を示す。凡例「吸着層材料」も図3と同様に感応膜が吸着層の材料のみからなり、上記所定値の厚みを有する場合のにおい検出素子の共振周波数変化量を示す。
図4で、凡例「75/25」は吸着層122が上記所定値の75%となる厚みを有し、下地層121が上記所定値の25%となる厚みを有する感応膜120のにおい検出素子100の共振周波数変化量を示す。凡例「50/55」は吸着層122が上記所定値の50%となる厚みを有し、下地層121が上記所定値の50%となる厚みを有する感応膜120のにおい検出素子100の共振周波数変化量を示す。凡例「25/75」は吸着層122が上記所定値の25%となる厚みを有し、下地層121が上記所定値の75%となる厚みを有する感応膜120を備えるにおい検出素子100の共振周波数変化量を示す。
図4で示すように、下地層121の厚みの比率が増加するにつれて周波数温度係数が低減し、周波数温度特性が0に近づく。これは下地層121の周波数温度係数が吸着層122の周波数温度係数より小さいため、下地層121の厚みを大きくすることにより、下地層121の負の周波数温度特性が吸着層122の正の周波数温度特性と同等となるためである。具体的には凡例「25/75」で示すように、吸着層122が上記所定値の25%となる厚みを有し、下地層121が上記所定値の75%となる厚みを有するときの感応膜120を備えるにおい検出素子100周波数温度特性が最も0に近づく。
周波数温度特性が最も0に近づく厚みの比率は、下地層121の材料と吸着層122の材料によって異なり、下地層121と吸着層122の厚みの比率は10%以上90%以下の間で調整可能である。具体的には、下地層121と吸着層122の厚みの比率は、下地層121の材料の周波数温度係数と吸着層122の材料の周波数温度係数の比率の逆の比率が好適である。即ち、下地層121の材料が有する周波数温度係数の絶対値をa、吸着層122の材料が有する周波数温度係数の絶対値をbとすると、下地層121の厚みはb/(a+b)、吸着層122の厚みはa/(a+b)となる比率が好適である。
[圧電振動子について]
圧電振動子110は、上記のように第1電極112と第2電極113の間に電圧を印加すると、圧電体層111に逆圧電効果により振動を生じる素子である。具体的には圧電振動子110は、圧電体層111を水晶としたQCM(Quartz crystal microbalance:水晶振動子マイクロバランス)素子であってもよい。QCM素子は、図1に示す構成において圧電体層111を水晶振動子とすることにより実現可能である。QCM素子は図4に「QCM」として示すように、温度によって共振周波数変化量がほとんど変化せず、周波数温度特性がほぼ0である。ATカットの水晶を用いたので、図3と図4に示した通り、少なくとも33℃付近から65℃付近においては、周波数温度特性がほぼ0となった。ATカットの水晶の周波数温度特性は一般的に知られており、10℃以上、65℃以下であれば、周波数温度特性がほぼ0になるといえる。ただし、この温度範囲外でであっても、本発明の有効性があることは、明白である。圧電振動子110の周波数温度特性がほぼ0となっていれば、感応膜120において下地層121と吸着層122で周波数温度特性を打消すと、におい検出素子100の全体で周波数温度特性を0に近づけることが可能となる。
また、圧電振動子110はFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator:圧電薄膜共振子)素子であってもよい。図5に示すように、FBAR素子である圧電振動子110は基板131に接合されている。基板131はSi等からなる基板であり、感応膜120の反対側に空隙132が設けられている。感応膜120は下地層121が第1電極112上に設けられている。圧電体層101は窒化アルミニウム(AlN)や酸化亜鉛(ZnO)等からなる薄膜である。この構成において第1電極112と第2電極113の間に電圧を印加すると、圧電体層111は空隙132を介して厚み方向に振動し、同方向に弾性波の共振が生じる。この共振周波数は感応膜120の重量によって変動する。FBAR素子においても、FBAR素子の周波数温度特性を考慮して、下地層121と吸着層122で周波数温度特性を打消すことにより、感応膜120の周波数温度特性をほぼ0に近づけることが可能となる。
さらに、圧電振動子110はSAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)素子であってもよい。図6及び図7に示すように、SAW素子である圧電振動子110は圧電体層111の表面111a上に第1電極112及び第2電極113が設けられている。感応膜120は下地層121が表面111a、第1電極112及び第2電極113上に設けられている。第1電極112及び第2電極113はIDT(Inter-Digital Transducer:櫛型電極)である。また、表面111aには、第1電極112及び第2電極113を挟むように1対の反射器141が設けられている。圧電体層101はLiTaOやLiNbO等からなる。
この構成において第1電極112と第2電極113の間に電圧を印加すると、表面111aにおいて表面弾性波が生じる。表面弾性波は表面111aを伝搬し、反射器141によって反射され、共振が生じる。この共振周波数は感応膜120の重量によって変動する。SAW素子においても、SAW素子の周波数温度特性を考慮して、下地層121と吸着層122で周波数温度特性を打消すことにより、感応膜120の周波数温度特性をほぼ0に近づけることが可能となる。
[感応膜下層の表面粗さについて]
感応膜120は圧電振動子110がQCM素子又はFBAR素子の場合、第1電極112上に設けられ、圧電振動子110がSAW素子の場合、圧電体層111、第1電極112及び第2電極113上に設けられる。これらの感応膜120の下層は表面粗さが大きいものが好適である。下層の表面粗さが大きいと下地層121及び吸着層122の表面粗さも大きくなり、吸着層122の表面積が増加するため、におい吸着量すなわち感度が向上するためである。具体的には電極112又は圧電体層111の表面粗さは、展開面積比(Sdr)の平均値を0.0185以上とすることが好適である。この数値はフラットな面に対して1.85%表面積が向上していることを示す。なお、展開面積比(Sdr)はレーザー顕微鏡VKX-3000(KEYENCE社製)により150倍(W.D.0.2mm)のレンズを用いて測定可能である。
100…におい検出素子
110…圧電振動子
111…圧電体層
111a…表面
111b…裏面
112…第1電極
113…第2電極
120…感応膜
121…下地層
122…吸着層

Claims (14)

  1. 圧電材料を主成分とする圧電体層と、前記圧電体層に設けられている1対の電極とを備える圧電振動子と、
    前記圧電振動子上に設けられ、正又は負の周波数温度特性を有する下地層と、前記下地層上に設けられ、前記下地層とは反対の周波数温度特性を有する吸着層とを備える感応膜と、
    を具備するにおい検出素子。
  2. 請求項1に記載のにおい検出素子であって、
    前記下地層は負の温度特性を有し、
    前記吸着層は正の温度特性を有する
    におい検出素子。
  3. 請求項1に記載のにおい検出素子であって、
    前記下地層は正の温度特性を有し、
    前記吸着層は負の温度特性を有する
    におい検出素子。
  4. 請求項1から3のうちいずれか1項に記載のにおい検出素子であって、
    前記吸着層の厚みは300nm以上500nm以下である
    におい検出素子。
  5. 請求項1から4のうちいずれか1項に記載のにおい検出素子であって、
    前記下地層または前記吸着層のいずれかは、ヘキサフルオロイソプロピル基を有するイミド系樹脂が主成分である
    におい検出素子。
  6. 請求項1から5のうちいずれか1項に記載のにおい検出素子であって、
    前記下地層または前記吸着層のいずれかは、含フッ素アクリレートエステル重合体が主成分である
    におい検出素子。
  7. 請求項2及び4から6のうちいずれか1項に記載のにおい検出素子であって、
    前記吸着層は、ヘキサフルオロイソプロピル基を有するイミド系樹脂が主成分であり、
    前記吸着層の厚みは300nm以上1000nm以下である
    におい検出素子。
  8. 請求項1から7のうちいずれか1項に記載のにおい検出素子であって、
    前記下地層の下層の展開面積比で定義される表面粗さの平均値が0.0185以上である
    におい検出素子。
  9. 請求項1から8のうちいずれか1項に記載のにおい検出素子であって、
    前記下地層の疎水性は、前記吸着層の疎水性より高い
    におい検出素子。
  10. 請求項1から9のうちいずれか1項に記載のにおい検出素子であって、
    前記下地層と前記吸着層の厚みの比率は、10%以上90%以下である
    におい検出素子。
  11. 請求項10に記載のにおい検出素子であって
    前記下地層と前記吸着層の厚みの比率は、前記下地層の周波数温度係数と前記吸着層の周波数温度係数の比率の逆の比率である
    におい検出素子。
  12. 請求項1から11のうちいずれか1項に記載のにおい検出素子であって、
    前記1対の電極は、前記圧電体層の表面上に設けられている第1電極と、前記圧電体層の裏面上に設けられている第2電極を含み、
    前記感応膜は、前記下地層が前記第1電極上に設けられている
    におい検出素子。
  13. 請求項12に記載のにおい検出素子であって、
    前記圧電振動子はQCM(Quartz crystal microbalance)素子である
    におい検出素子。
  14. 請求項12に記載のにおい検出素子であって、
    前記圧電振動子はFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)素子である
    におい検出素子。
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