JP2023111561A - 防曇剤組成物および防曇塗膜を有する防曇性物品 - Google Patents

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直 木谷
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Abstract

【課題】透明性、防曇性能、耐擦傷性、耐水性、および耐候性に優れる防曇塗膜を形成できる防曇剤組成物を提供すること。【解決手段】ブロック化ポリイソシアネート(A)とポリオール(B)とコロイダルシリカ(C)と界面活性剤(D)を含み、前記ポリオール(B)は、一般式(1)で表される単量体(B-1)と、一般式(2)で表される単量体(B-2)と、一般式(3)で表される単量体(B-3)と、一般式(4)で表される単量体(B-4)を含む単量体混合物から得られる(メタ)アクリレート共重合体である防曇剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、防曇剤組成物および防曇塗膜を有する防曇性物品に関する。
ガラスやプラスチックなどの透明部材は、基材表面が露点温度以下になると、大気中の水分が細かい水滴となり、基材表面に付着する。このとき、付着した水滴が光を散乱して曇りとなり、基材の透明性が損なわれることで本来の機能が発揮できなくなることがある。
上記の曇りの発生を防止する(防曇)方法として基材表面に、親水性樹脂、界面活性剤などを混合した溶液を塗装し、防曇塗膜(乾燥塗膜あるいは硬化塗膜)を形成させる方法が知られている(特許文献1~3)。
この方法は、防曇塗膜中に含まれる界面活性剤が、付着した水滴の接触角を下げ、光の散乱を起こさないことにより防曇効果を発現させる。また、当該方法は、界面活性剤による水滴の接触角低下が迅速に起こるため、防曇効果が速やかに発現できる。
国際公開第2020/217969号 特開2008-7677号公報 特開2008-308661号公報 特開2003-334894号公報
近年、防曇塗膜の用途は、窓ガラス、自動車や航空機などのフロントガラス、反射鏡、保護眼鏡、サングラス、防犯カメラ、車載カメラ、光学センサーなど、多岐に渡って拡大している。用途の拡大に伴い、防曇塗膜には防曇性能以外にも様々な塗膜性能が求められるようになってきている。
例えば、保護眼鏡などの用途では、防曇性能に加えて、人の手が防曇塗膜に触れた場合や眼鏡レンズの汚れを洗浄する場合に防曇塗膜が傷つく可能性があるため、耐擦傷性が要求される。また、光学用途などの部材に応用する場面においては、極めて高い透明性が要求される。さらに、使用環境(例えば、屋外で長期間使用する場合など)によっては、防曇性能に加えて、より長期間美観を維持するために、防曇塗膜に耐候性が要求される。
ここで、特許文献1で開示された防曇塗膜は、防曇塗膜を構成する共重合体、コロイダルシリカおよび特定の界面活性剤を使用することで、良好な防曇性を発現している。しかし、防曇塗膜の強度が低いため、用途によっては耐擦傷性が不足する懸念があった。
特許文献2および3で開示された防曇塗膜は、防曇塗膜を構成する樹脂組成物に水酸基価の高いポリオールを使用することで架橋密度を高めて良好な耐擦傷性を発現している。しかし、コロイダルシリカなどの金属酸化物とアクリルポリマーなどの共重合体の相溶性が不足していることに起因して、光学用途に使用できるほどの透明性が不足する懸念があった。
加えて、特許文献1~3で開示された防曇塗膜は、屋外で長期間使用された場合に、防曇塗膜を構成する樹脂組成物の耐候性が不足しているため、防曇塗膜が劣化して黄変または白化する懸念があった。また、特許文献1~3で開示された防曇塗膜の耐候性を高めるために、特許文献4に記載されているような紫外線吸収剤(UVA)を添加する方法を用いることができる。しかし、単にUVAを添加したのみでは、屋外で太陽光や雨などに曝された際に、UVAが防曇塗膜から溶出しやすいため、長期間の耐候性を維持することが困難であった。
以上のことから、従来技術における防曇塗膜では、防曇性能に加えて、様々な使用環境下で要求される塗膜性能のうち、透明性、耐擦傷性、耐水性、耐候性の全てを有しているものはない。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、透明性、防曇性能、耐擦傷性、耐水性、および耐候性に優れる防曇塗膜を形成できる防曇剤組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、ブロック化ポリイソシアネート(A)とポリオール(B)とコロイダルシリカ(C)と界面活性剤(D)を含む防曇剤組成物であって、
前記ポリオール(B)は、一般式(1):
(一般式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基であり、RおよびRは、独立して、水素原子、または炭素数1~4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である。)で表される単量体(B-1)と、
一般式(2):
(一般式(2)中、Rは水素原子、またはメチル基であり、Rは炭素数2以上6以下の直鎖または分岐のアルキレン基、Xは酸素原子または-NH-である。)で表される単量体(B-2)と、
一般式(3):
(一般式(3)中、Rは水素原子、またはメチル基であり、Rは紫外線吸収性基である。)で表される単量体(B-3)と、
一般式(4):
(一般式(4)中、Rは水素原子、またはメチル基であり、Rは炭素数1~22の直鎖、分岐鎖、または環状の炭化水素基である。)で表される単量体(B-4)を含む単量体混合物から得られる(メタ)アクリレート共重合体である防曇剤組成物に関する。
また、本発明は、前記防曇剤組成物から形成される防曇塗膜を有する防曇性物品に関する。
本発明では、以下の作用メカニズムが推定される。
本発明の防曇剤組成物は、ブロック化ポリイソシアネート(A)とポリオール(B)とコロイダルシリカ(C)と界面活性剤(D)を含有する。前記ポリオール(B)は、前記単量体(B-1)~(B-4)を含むため、主に、単量体(B-1)の性質に基づいて防曇塗膜の防曇性能が発現され、単量体(B-2)の性質に基づいて防曇塗膜の耐擦傷性および耐水性が発現され、単量体(B-3)の性質に基づいて防曇塗膜の耐候性およびポリオール(B)とコロイダルシリカ(C)の相溶性が高められることで防曇塗膜の透明性が発現され、単量体(B-4)の性質に基づいてブロック化ポリイソシアネート(A)とポリオール(B)の相溶性が高められることで防曇塗膜の透明性が発現される。また、前記単量体(B-2)と前記ブロック化ポリイソシアネート(A)の性質に基づいて防曇塗膜の架橋が形成される。さらに、本発明の防曇剤組成物は、コロイダルシリカ(C)を含むため、防曇塗膜の耐擦傷性、耐水性をより高めることができる。
本発明の防曇剤組成物は、ブロック化ポリイソシアネート(A)とポリオール(B)とコロイダルシリカ(C)と界面活性剤(D)を含む。
<ブロック化ポリイソシアネート(A)>
本発明のブロック化ポリイソシアネート(A)は、ジイソシアネートおよびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物と熱解離性ブロック化剤を反応して得られるブロック化ポリイソシアネート化合物である。
前記ジイソシアネートとしては、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、トリレン-2,6-ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。前記ジイソシアネートの誘導体としては、例えば、前記脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、および/または芳香族ジイソシアネートなどを出発原料として合成されたもので、ビュレット体、トリメチロールプロパンとのアダクト体、イソシアヌレート体、アロファネート体などの、脂肪族ジイソシアネートの誘導体、脂環式ジイソシアネートの誘導体、芳香族ジイソシアネートの誘導体などが挙げられる。前記ポリイソシアネート化合物は、それぞれ1種類で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記ポリイソシアネート化合物は、硬化塗膜の架橋密度を高め、耐擦傷性を向上させる観点から、脂肪族ジイソシアネートの誘導体、脂環式ジイソシアネートの誘導体、芳香族ジイソシアネートの誘導体が好ましく、脂肪族ジイソシアネートの誘導体、脂環式ジイソシアネートの誘導体がより好ましく、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体、イソホロンジイソシアネートの誘導体がさらに好ましい。
前記ブロック化ポリイソシアネート化合物は、前記ポリイソシアネート化合物と熱解離性ブロック化剤を反応して得られる。前記熱解離性ブロック化剤は、前記ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を、ブロック(保護)する化合物である。なお、「熱解離性」とは、加熱することで、ブロック化ポリイソシアネート化合物から解離する性質をいう。
前記熱解離性ブロック化剤は、活性水素を分子内に1個有する化合物であり、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、1-メトキシ-2-プロパノールなどのアルコール類;ホルムアミドオキシム、アセタルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類;ジメチルピラゾール、ジエチルピラゾール、ジイソプロピルピラゾールなどのピラゾール類などが挙げられる。前記ブロック化剤由来の残基は、低温かつ短時間で硬化できる観点から、ピラゾール類、オキシム類が好ましく、ジメチルピラゾール、ジエチルピラゾール、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシムがより好ましい。前記ブロック化ポリイソシアネート(A)は、1種類で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記ブロック化ポリイソシアネート(A)の市販品としては、例えば、商品名:「TRIXENE BI 7951」、「TRIXENE BI 7960」、「TRIXENE BI 7961」、「TRIXENE BI 7982」、「TRIXENE BI 7991」、「TRIXENE BI 7992」(以上、LANXESS社製)、商品名:「デュラネート MF-K60B」、「「デュラネート SSB-70P」、「「デュラネート SBN-70D」、「「デュラネート MF-B60B」、「デュラネート 17B-60P」、「デュラネート TPA-B80E」、「デュラネート E402-B80B」、「デュラネート WM44-L70G」(以上、旭化成(株)社製)などが挙げられる。
<ポリオール(B)>
本発明のポリオール(B)は、1分子中に2つ以上の水酸基を有する化合物であり、前記ブロック化ポリイソシアネート(A)との反応により分子間を架橋させて共重合体に架橋構造を形成する機能を有する。また、単量体混合物から得られる(メタ)アクリレート共重合体であり、前記単量体混合物は、少なくとも、以下の単量体(B-1)~(B-4)を含む。
<単量体(B-1)>
本発明の単量体(B-1)は、一般式(1):
(一般式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基であり、RおよびRは、独立して、水素原子、または炭素数1~4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である。)で表される単量体である。
前記単量体(B-1)は、主に、防曇塗膜の防曇性能を高める機能を有する。
前記単量体(B-1)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-n-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-i-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-i-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。前記単量体(A-1)は防曇性能を向上させる観点からN,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド系単量体が好ましく、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミドがより好ましい。前記単量体(B-1)は、1種類で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明の単量体(B-2)は、一般式(2):
(一般式(2)中、Rは水素原子、またはメチル基であり、Rは炭素数2以上6以下の直鎖または分岐のアルキレン基、Xは酸素原子または-NH-である。)で表される単量体である。
前記単量体(B-2)は、主に、防曇塗膜の耐擦傷性を高めると共に、耐水性を高める機能を有する。このとき、前記ブロック化ポリイソシアネート(A)との反応により分子間に架橋構造を形成する結果、耐擦傷性および耐水性が高められる。
前記単量体(B-2)としては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、5-ヒドロキシペンチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレー、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、6-ヒドロキシヘキシルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリルアミド、4-ヒドロキシブチルアクリルアミド、6-ヒドロキシヘキシルアクリルアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、3-ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、5-ヒドロキシペンチルメタクリルアミドなどが挙げられる。これらの中でも、耐擦傷性の点から、Rが炭素数2以上4以下の直鎖であることが好ましく、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリルアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミドがより好ましい。前記単量体(B-2)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
<単量体(B-3)>
本発明の単量体(B-3)は、一般式(3):
(一般式(3)中、Rは水素原子、またはメチル基であり、Rは紫外線吸収性基である。)で表される単量体である。
前記単量体(B-3)は、主に、防曇塗膜の透明性を高めると共に、耐候性を高める機能を有する。このとき、作用機構は不明であるが、前記ポリオール(B)の構造中に前記単量体(B-3)由来の紫外線吸収基が含まれることにより、前記ポリオール(B)と前記コロイダルシリカ(C)の相溶性を向上させることができるため、透明性を高めることができる。そして、前記単量体(B-3)の共重合により、紫外線吸収性能を有する化合物を樹脂組成物中に化学的に固定化することができるため、UVAの防曇塗膜からの溶出が発生せずに耐候性を高めることができる。
前記一般式(3)中、紫外線吸収性基は、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性基、トリアジン系紫外線吸収性基、ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収性基などが挙げられる。これらの中でも、透明性および耐候性を向上させる観点から、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性基、トリアジン系紫外線吸収性基が好ましい。前記単量体(B-3)は、1種類で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記単量体(B-3)の具体例としては、例えば、一般式(5):
(一般式(5)中、R10は水素原子、またはメチル基であり、R11は炭素数1~8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基である。)で表されるベンゾトリアゾール誘導体、一般式(6):
(一般式(6)中、R12は水素原子、またはメチル基であり、R13は炭素数2~11の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であり、R14は、独立して、水素原子、またはメチル基である。)で表されるトリアジン誘導体、一般式(7):
(一般式(7)中、R15は水素原子、またはメチル基であり、R16は炭素数1または2の直鎖のアルキレン基であり、R17はヒドロキシ基、またはメトキシ基である。)で表されるヒドロキシベンゾフェノン誘導体などが挙げられる。
前記一般式(5)で表されるベンゾトリアゾール誘導体としては、例えば、〔3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル〕メチル(メタ)アクリレート、2-〔3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル〕エチル(メタ)アクリレート、2-〔3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル〕プロピル(メタ)アクリレート、3-〔3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル〕プロピル(メタ)アクリレート、4-〔3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル〕ブチル(メタ)アクリレート、8-〔3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル〕オクチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。前記ベンゾトリアゾール誘導体は、防曇性能を向上させる観点から〔3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル〕メチル(メタ)アクリレート、2-〔3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル〕エチル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記一般式(6)で表されるトリアジン誘導体としては、例えば、2-〔4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-3-ヒドロキシフェノキシ〕エチル(メタ)アクリレート、2-〔4-〔4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル〕-3-ヒドロキシフェノキシ〕エチル(メタ)アクリレート、3-〔4-〔4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル〕-3-ヒドロキシフェノキシ〕-2-メチルプロピル(メタ)アクリレート、11-〔4-〔4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル〕-3-ヒドロキシフェノキシ〕ウンデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。前記トリアジン誘導体は、防曇性能を向上させる観点から、2-〔4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-3-ヒドロキシフェノキシ〕エチル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記一般式(7)で表されるヒドロキシベンゾフェノン誘導体としては、例えば、(3-ベンゾイル-2-ヒドロキシ-6-メトキシフェニル)メチル(メタ)アクリレート、2-(3-ベンゾイル-2,6-ジヒドロキシフェニル)エチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。前記ベンゾフェノン誘導体は、防曇性能を向上させる観点から、(3-ベンゾイル-2-ヒドロキシ-6-メトキシフェニル)メチル(メタ)アクリレートが好ましい。
<単量体(B-4)>
本発明の単量体(B-4)は、一般式(4):
(一般式(4)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは炭素数1~22の直鎖、分岐鎖、または環状の炭化水素基である。)で表される単量体である。
前記一般式(4)中、前記炭素数1~22の直鎖、分岐鎖、または環状の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-アミル基、i-アミル基、t-アミル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、イソボルニル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基などのアルキル基;シクロヘキシル基、イソボルニル基、ジシクロペンテニル基、ジシクロペンテニルオキシエチル基、ジシクロペンタニル基などの脂環式炭化水素基;アリル基、オレイル基などのアルケニル基;フェニル基、ベンジル基、フェノキシエチル基などの芳香族炭化水素基などが挙げられる。前記炭化水素基は、防曇膜の耐水性を高めることができる観点から、炭素数2~18の直鎖、分岐鎖、または環状の炭化水素基であることが好ましく、炭素数4~16の直鎖、分岐鎖、または環状の炭化水素基であることがより好ましい。前記単量体(B-4)は、1種類で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記単量体(B-4)は、主に、防曇塗膜の透明性を高める機能を有する。このとき、作用機構は不明であるが、前記ポリオール(B)の構造中に前記単量体(B-4)由来の炭化水素基が含まれることにより、前記ブロック化ポリイソシアネート(A)と前記ポリオール(B)の相溶性を向上させることができるため、透明性を高めることができる。
なお、前記単量体混合物には、前記単量体(B-1)~(B-4)以外のその他の単量体として、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体;(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの4級アンモニウム塩を含むビニル系単量体;2,2,6,6-テトラメチルピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレートなどの光安定性基含有アクリル系単量体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸などのカルボキシ基含有単量体、およびこれらのアンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、3 -スルホプロピル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有ビニル系単量体、およびこれらのアンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩;2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどのリン酸基含有ビニル系単量体、およびこれらのアンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩;1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオール(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートなどの2官能性アクリル系単量体;γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基含有ビニル系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有ビニル系単量体;ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有ビニル系単量体;(メタ)アクリロイルモルホリン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミドなどが使用できる。
前記単量体(B-1)の割合は、前記単量体混合物中、30重量%以上80重量%以下が好ましい。前記単量体(B-1)の割合は、前記単量体混合物中、防曇性能を向上させる観点から、40重量%以上がより好ましく、45重量%以上がさらに好ましい、そして、耐擦傷性および耐水性を向上させる観点から、70重量%以下がより好ましく、65重量%以下がさらに好ましい。
前記単量体(B-2)の割合は、前記単量体混合物中、5重量%以上30重量%以下が好ましい。前記単量体(B-2)の割合は、前記単量体混合物中、耐擦傷性および耐水性を向上させる観点から、8重量%以上がより好ましく、10重量%以上がさらに好ましい、そして、防曇性能を向上させる観点から、25重量%以下がより好ましく、20重量%以下がさらに好ましい。
前記単量体(B-3)の割合は、前記単量体混合物中、1重量%以上40重量%以下が好ましい。前記単量体(B-3)の割合は、前記単量体混合物中、透明性および耐候性を向上させる観点から、3重量%以上がより好ましく、5重量%以上がさらに好ましい、そして、防曇性能を向上させる観点から、30重量%以下がより好ましく、25重量%以下がさらに好ましい。
前記単量体(B-4)の割合は、前記単量体混合物中、5重量%以上50重量%以下が好ましい。前記単量体(B-4)の割合は、前記単量体混合物中、透明性を向上させる観点から、8重量%以上がより好ましく、10重量%以上がさらに好ましい、そして、防曇性を向上させる観点から、35重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。
<ポリオール(B)の製造方法>
本発明のポリオール(B)は、前記単量体混合物を共重合することにより得られる共重合体である。前記ポリオール(B)の構造としては、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体のいずれの構造であってもよいが、防曇性能をはじめとする防曇剤組成物の効果を向上させることができると共に、防曇剤組成物を容易に調整することができるという観点からランダム共重合体が好ましい。前記ポリオール(B)を得るための重合方法としては、ラジカル重合法、カチオン重合法、カチオンリビング重合法、アニオンリビング重合法などの公知の各種重合方法が採用されるが、特に工業的な生産性の容易さ、多岐にわたる性能面より、ラジカル重合法が好ましい。ラジカル重合法としては、通常の塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法などが採用されるが、重合後にそのまま防曇剤組成物として使用することができる点で溶液重合法が好ましい。
前記溶液重合法に用いる重合溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノールなどのグリコールエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t-ブチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどのエステル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤;ホルムアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤;水などが使用される。前記重合溶剤は、1種類で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
なお、前記重合溶剤は、著しく高沸点を有する溶剤は、防曇塗膜の乾燥、加熱硬化時において、溶剤の残留によって基材に対する密着性を損なう場合がある観点から、1気圧下、180℃未満の沸点を有する溶剤を使用することが好ましい。
前記ラジカル重合開始剤は、一般的に使用される有機過酸化物、アゾ化合物などを使用することができる。前記有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-ヘキサノエートレート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ヘキシルパーオキシピバレートなどが挙げられる。前記アゾ化合物としては、例えば、2, 2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリルなどが挙げられる。前記ラジカル重合開始剤は、1種類で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記ラジカル重合開始剤の添加量は、前記単量体混合物100重量部に対して0.01重量部以上5重量部以下であることが好ましい。前記ラジカル重合開始剤は、反応容器中に滴下しながら重合を行うことが重合発熱を制御しやすくなる点で好ましい。重合反応を行う温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類によって適宜変更されるが、工業的に製造を行う上で好ましくは30℃以上150℃以下、より好ましくは40℃以上100℃以下である。
前記ポリオール(B)の重量平均分子量(Mw)は、防曇塗膜に耐水性を付与する観点から、20,000以上が好ましく、30,000以上がより好ましい。ポリオール(B)の重量平均分子量(Mw)は、防曇剤組成物の塗装性およびハンドリング性を高める観点から、300,000以下が好ましく、200,000以下がより好ましい。
前記ポリオール(B)の重量平均分子量(Mw)は、GPC法にて求めることができる。サンプルは、試料をテトラヒドロフランに溶解して0.5重量%の溶液とし、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過したものを用い、以下の条件にて測定することができる。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
分析装置:HLC-8320GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperMultipore HZ-M(2本)(東ソー社製)
カラムサイズ:4.6×150mm
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:0.35mL/min
検出器:示差屈折計
カラム温度:40℃
標準試料:ポリスチレン
前記ポリオール(B)の水酸基価は、防曇塗膜に耐擦傷性および耐水性を付与する観点から、10mgKOH/g以上が好ましく、30mgKOH/g以上がより好ましい。ポリオール(B)の水酸基価は、防曇塗膜に防曇性を付与する観点から、150mgKOH/g以下が好ましく、130mgKOH/g以下がより好ましい。
前記ブロック化ポリイソシアネート(A)は、前記ポリオール(B)100重量部に対して、10重量部以上90重量部以下が好ましい。前記ブロック化ポリイソシアネート(A)は、耐擦傷性および耐水性を向上させる観点から、前記ポリオール(B)100重量部に対して、15重量部以上がより好ましく、20重量部以上がさらに好ましく、そして、防曇性能を向上させる観点から、80重量部以下がより好ましく、50重量部以下がさらに好ましい。
また、前記ブロック化ポリイソシアネート(A)と前記ポリオール(B)は、ブロック化ポリイソシアネート(A)に含まれるブロック化イソシアネート基のブロック化剤が脱ブロック後に生成されるイソシアネート基含有量(NCO)と、前記ポリオール(B)の水酸基含有量(OH)とのNCO/OH比(以下NCO/OH比)が0.1以上3.5以下の範囲内であることが好ましい。前記NCO/OH比は、耐水性を向上させる観点から、0.2以上がより好ましい。
<コロイダルシリカ(C)>
本発明のコロイダルシリカ(C)は、SiOの化学組成式で示されるシリカ粒子が、媒体に分散してコロイドを形成した状態のものである。媒体としては、例えば、メタノ-ル、エタノ-ル、i-プロパノール、n-ブタノ-ル、キシレン、ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、水などが挙げられる。これらの中でも、メタノ-ル、エタノ-ル、i-プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、水が好ましく、i-プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、水がより好ましい。また、前記コロイダルシリカ(C)は、シリカ粒子の表面が、シラン化合物などの表面処理剤で修飾されたものであってもよい。前記コロイダルシリカ(C)は、1種類で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記コロイダルシリカ(C)の市販品としては、例えば、商品名:「スノーテックス XS」、「スノーテックス S」、「スノーテックス 30」、「スノーテックス 50-T」、「スノーテックス 30L」、「スノーテックス YL」、「スノーテックス ZL」、「スノーテックス MP-1040」、「スノーテックス UP」、「スノーテックス PS-S」、「スノーテックス PS-M」、「スノーテックス OXS」、「スノーテックス OS」、「スノーテックス O」、「スノーテックス O-40」、「スノーテックス OL」、「スノーテックス OYL」、「スノーテックス OUP」、「スノーテックス PS-SO」、「スノーテックス PS-MO」、「スノーテックス NXS」、「スノーテックス NS」、「スノーテックス N」、「スノーテックス N-40」、「スノーテックス CXS」、「スノーテックス C」、「スノーテックス CM」、「スノーテックス AK」、「スノーテックス AK-L」、「スノーテックス AK-Y」、「IPA-ST」、「PGM-ST」(以上、日産化学(株)社製)などが挙げられる。
前記コロイダルシリカ(C)の平均粒子径は、4nm以上100nm以下の範囲内であることが好ましい。前記平均粒子径は、透明性を向上させる観点から、50nm以下がより好ましく、30nm以下がさらに好ましい。前記平均粒子径は、平均一次粒子径であり、動的光散乱法によって測定される体積基準粒度分布のメジアン径(D50)で示される。また、前記コロイダルシリカ(C)の形状としては、粒子状、鎖状、パールネックレス状などが挙げられる。これらの中でも、防曇塗膜の透明性を向上させる観点から、形状は粒子状であることが好ましい。
前記コロイダルシリカ(C)は、前記ポリオール(B)100重量部に対して、5重量部以上800重量部以下が好ましい。前記コロイダルシリカ(C)は、耐擦傷性および耐水性を向上させる観点から、前記ポリオール(B)100重量部に対して、10重量部以上がより好ましく、30重量部以上がさらに好ましく、そして、透明性を向上させる観点から、500重量部以下がより好ましく、200重量部以下がさらに好ましい。
<界面活性剤(D)>
本発明の界面活性剤(D)は、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上である。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどの脂肪酸アルカリ金属塩などの脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどの高級アルコール硫酸エステル類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩及びアルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルホスフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンサルフェート塩;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのフッ素含有アニオン系界面活性剤などが挙げられる。前記アニオン系界面活性剤は、防曇性能を向上させる観点から、ジアルキルスルホコハク酸塩、フッ素含有アニオン系界面活性剤が好ましい。前記アニオン系界面活性剤は、1種類で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記カチオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、トリエタノールアミンモノ蟻酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩などのアミン塩; ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキルトリメチルアンモニウム塩; ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどのジアルキルジメチルアンモニウム塩;リシノールアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、リシノールアミドプロピルトリモニウムクロライド、リシノールアミドプロピルトリモニウムメトサルフェートなどの水酸基含有アンモニウム塩などが挙げられる。前記カチオン系界面活性剤は、防曇性能を向上させる観点から、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、水酸基含有アンモニウム塩が好ましい。さらに、防曇持続性を向上させる観点から、水酸基含有アンモニウム塩が好ましい。前記カチオン系界面活性剤は、1種類で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェノール、ポリオキシエチレンノニルフェノールなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類;ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのリン酸エステル類;、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルケニルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルケニルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基を有するオリゴマー、パーフルオロアルケニル基及び親水性基を有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基及び親油性基を有するオリゴマー、パーフルオロアルケニル基及び親油性基を有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基と親水性基および親油性基を有するオリゴマー、パーフルオロアルケニル基と親水性基及び親油性基を有するオリゴマーなどのフッ素含有ノニオン系界面活性剤;シュガーエステル類、セルロースエーテル類などが挙げられる。前記ノニオン系界面活性剤は、1種類で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記両性界面活性剤としては、例えば、ジメチルアルキルラウリルベタイン、ジメチルアルキルステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの脂肪酸型両性イオン系界面活性剤;ジメチルアルキルスルホベタインのようなスルホン酸型両性イオン系界面活性剤;アルキルグリシンなどが挙げられる。前記両性界面活性剤は、1種類で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記界面活性剤(D)は、比較的少量で良好な防曇性能が得られる観点から、アニオン系面活性剤、アニオン系界面活性剤とカチオン系界面活性剤の併用、またはアニオン系界面活性剤と両性界面活性剤の併用が好ましい。とくに、アニオン系界面活性剤がフッ素含有アニオン系界面活性剤である場合に、防曇塗膜の水に対する表面張力をより良好に低下させることができるため、より高い防曇性能が得られる。
前記界面活性剤(D)は、前記ポリオール(B)100重量部に対して、1重量部以上35重量部以下が好ましい。前記界面活性剤(D)は、前記ポリオール(B)100重量部に対して、防曇性能を向上させる観点から、5重量部以上がより好ましく、8重量部以上がさらに好ましく、そして、透明性を向上させる観点から、30重量部以下がより好ましく、20重量部以下がさらに好ましい。
本発明の防曇剤組成物は、塗装作業性を良好にする観点から、希釈溶剤を含有してもよい。
前記希釈溶剤は、防曇剤組成物の塗装に適した固形分および粘度調整を目的として使用する。希釈溶剤としては、前記ポリオール(B)の重合溶剤と同様のものが挙げられる。前記希釈溶剤は、1種類で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、塗装方法により、塗装に適した固形分および粘度は異なるが、スプレーコート法の場合、前記ブロック化ポリイソシアネート(A)および前記ポリオール(B)、前記コロイダルシリカ(C)の合計重量%は、防曇剤組成物中、3重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがさらに好ましく、30重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の防曇剤組成物は、低温かつ短時間で加熱硬化が可能となる観点から、硬化触媒を添加してもよい。
前記硬化触媒としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリル酸バリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸バリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、フッ素アルキル脂肪酸ナトリウム塩などの脂肪酸アルカリ金属塩;塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸;p-トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの芳香族スルホン酸;テトラメチルブタンジアミン、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]-5-ノネンなどの3級アミン;オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2-エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2-エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫脂肪酸塩などの金属有機化合物などが挙げられる。これらの中でも、低温硬化性を向上させる観点から、脂肪酸アルカリ金属塩が好ましく、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリル酸バリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸バリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウムが好ましく、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムがより好ましい。前記硬化触媒は、1種類で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記硬化触媒を使用する場合、前記硬化触媒は、前記ブロック化ポリイソシアネート(A)100重量部に対して、0.05重量部以上10重量部以下が好ましく、0.1重量部以上5重量部以下がより好ましく、1重量部以上3重量部以下がさらに好ましい。
本発明の防曇剤組成物は、防曇塗膜の表面をより平滑にできるという観点から、レベリング剤を添加してもよい。
前記レベリング剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルポリシロキサン、ポリエーテルマクロマー変性アクリレート、アクリル系ポリマー、アクリルシリコン系ポリマーなどが挙げられる。
前記レベリング剤の市販品としては、例えば、商品名:「BYK-300」、「BYK-320」、「BYK-306」、「BYK-307」、「BYK-310」、「BYK-313」、「BYK-315N」、「BYK-320」、「BYK-322」、「BYK-323」、「BYK-325」、「BYK-330」、「BYK-331」、「BYK-333」、「BYK-342」、「BYK-345/346」、「BYK-347」、「BYK-348」、「BYK-349」、「BYK-370」、「BYK-377」、「BYK-378」、「BYK-3455」、「BYK-3560」(以上、ビックケミー(株)社製)、商品名:「KP-323」、「KP-341」、「KP-104」、「KP-110」、「KP-112」、「KF-351A」、「KF-352A」、「KF-353」、「KF-354L」、「KF-355A」、「KF-651A」、「KF-945」、「KF-640」、「KF-642」(以上、信越シリコーン(株)社製)、商品名:「ディスパロン 1970」、「ディスパロン 230」、「ディスパロン 1711EF」、「ディスパロン 1761」、「ディスパロン LS-001」、「ディスパロン LS-050」、「ディスパロン LS-460」、「ディスパロン LS-480」(以上、楠本化成(株)社製)などが挙げられる。前記レベリング剤は、1種類で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記レベリング剤を使用する場合、前記レベリング剤は、前記ポリオール(B)100重量部に対して、0.05重量部以上10重量部以下が好ましく、0.1重量部以上5重量部以下がより好ましく、1重量部以上3重量部以下がさらに好ましい。
本発明の防曇剤組成物には、上記の成分のほか、その他の成分として、必要に応じ、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの慣用の各種添加剤を配合することができる。前記その他の成分の添加量は、それぞれの添加剤につき慣用的な添加量で配合することができるが、通常、前記ポリオール(B)100重量部に対して、20重量部以下である。
<防曇性物品>
本発明の防曇性物品は、前記防曇剤組成物を、通常の塗料において行われる塗装方法により基材(被塗装物)に塗装し、加熱硬化することによって、基材(被塗装物)表面に防曇塗膜が形成されたものである。なお、塗装直後の防曇塗膜中に含まれる溶剤を揮発乾燥させることを目的として、加熱硬化の工程の前に乾燥工程を設けることができる。
前記基材(被塗装物)としては、その種類は問わず、特に限定されないが、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの樹脂基材;ガラスなどの無機基材などが挙げられる。また、基材の形状は制限されることなく、例えば、フィルムやシート状、立体形状の成形品が挙げられる。
前記基材(被塗装物)への塗装の際には、基材(被塗装物)に対する防曇剤組成物の濡れ性を高め、はじきを防止する目的で、塗装前における基材(被塗装物)表面の付着異物除去を行うことが好ましい。高圧エアやイオン化エアによる除塵、洗剤水溶液またはアルコール溶剤による超音波洗浄、アルコール溶剤などを使用したワイピング、紫外線とオゾンによる洗浄などが挙げられる。塗装方法としては、例えば、浸漬法、フローコート法、ロールコート法、バーコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
前記乾燥は、通常、20~50℃の温度で0.5~10分間の条件下で行われる。
前記加熱は、基材が樹脂部材である場合、加熱温度を樹脂部材の熱変形温度以下に設定することが好ましい。加熱時間は、加熱温度に影響されるため、適宜設定すべきである。一例として、加熱温度が120℃の場合、加熱時間は、30分以上が好ましく、60分以上がより好ましい。
防曇塗膜の膜厚は、良好な防曇性能と良好な塗膜外観を得る観点から、0.5μm以上20μm以下が好ましく、1μm以上10μm以下がより好ましい。
前記防曇性物品は、結露が生じやすい環境で使用される物品に、より良好に適用可能であり、その用途は何ら限定されるものではない。前記防曇性物品としては、例えば、自動車の車両灯具(前照灯、補助前照灯、車幅灯、番号灯、尾灯、駐車灯、後退灯、方向指示灯、補助方向指示灯、非常点滅表示など)、一般的な窓ガラス、自動車や航空機のフロントガラス、反射鏡、保護眼鏡、サングラス、防犯カメラ、車載カメラ、光学センサーなどが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
<ポリオール(B)の製造>
温度計、攪拌装置、窒素導入管および冷却管を備えた反応容器に、重合溶剤としてダイアセトンアルコールを240重量部仕込み、窒素ガスを吹き込みながら75℃に加熱した。次いで、単量体(B-1)として、N,N-ジメチルアクリルアミドを60重量部、単量体(B-2)として、2-ヒドロキシエチルアクリレートを15重量部、単量体(B-3)として2-〔3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル〕エチルメタクリレート(商品名:「RUVA-93」、大塚化学(株)社製)を15重量部、単量体(B-4)として、シクロヘキシルアクリレートを10重量部、ダイアセトンアルコールを35重量部混合した溶液と、ラジカル重合開始剤として、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート(商品名:「パーヘキシル ND」、日油(株)社製、有効成分70重量%)1.4重量部相当を、ダイアセトンアルコール20重量部に溶解した溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後にそのまま30分攪拌した後、パーヘキシル NDの0.3重量部相当を、ダイアセトンアルコール5重量部に溶解した溶液を滴下した。滴下終了後にそのまま1時間30分攪拌した後、冷却してポリオール(B)の溶液を製造した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにてポリオール(B)の重量平均分子量を測定したところ、90,000であった。このポリオール(B)の溶液の固形分は25.0%であった。なお、ポリオール(B)の水酸基価(理論値)は、72.5mgKOH/gである。
<防曇剤組成物の製造>
上記で得られたポリオール(B)400重量部(固形分25%)に対して、ブロック化ポリイソシアネート(A)として、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体と3,5-ジメチルピラゾールのブロック化ポリイソシアネート化合物(商品名:「TRIXENE BI 7960」、LANXESS社製、有効成分70質量%、製品中のイソシアネート含有量10.20%)を57重量部、コロイダルシリカ(C)として、イソプロピルアルコール分散シリカゾル(商品名:「IPA-ST」、日産化学(株)社製、有効成分30重量%)を150重量部、界面活性剤(D)として、含フッ素アニオン系界面活性剤(商品名:「フタージェント100」、ネオス(株)社製)を5.0重量部とリシノールアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート(商品名:「Lipoquat R」、VANTAGE Specialty Ingredient,Inc製)を5.0重量部、硬化触媒として、オレイン酸カリウムを1.5重量部、レベリング剤として、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(商品名:「BYK-333」、ビックケミー社製)を1.5重量部、希釈溶剤として、ダイアセトンアルコールを1222重量部混合し、防曇剤組成物を製造した。NCO/OH比を以下のようにして算出した。{(A)の重量部×(A)のNCO含有率/42.0}/{(B)の重量部(有効成分換算)×(B)の水酸基価/561}={57×10.20/42.0}/{100×72.5/561}=1.07
<防曇性物品の作製>
25℃、30%RHの相対湿度に設定した環境下で、上記で得られた防曇剤組成物をポリカーボネート(PC)樹脂板に、硬化後の防曇塗膜の膜厚が2~3μm程度になるように、スプレー塗装法にて塗装を行い、120℃で60分間の加熱硬化を行い、防曇塗膜を有する防曇性物品(試験片)を作製した。
上記で得られた試験片を用いて、下記の(1)~(5)の評価方法で得られた結果を表1に示す。
<(1)透明性の評価>
プラスチック材料の全光線透過率の試験方法(JIS-K7361-1)に準じ、ヘイズメーター(「HAZE METER HDN5000」、日本電色工業(株)社製)を用い、試験片のHAZE値を測定(光源:白色LED、光束:14mm、温度:25℃、湿度:50%)し、次の4段階で評価した。なお、評価がB-以上であれば実用上問題なく、B+であれば好ましく、Aであればより好ましい。なお、厚み3mmのPC樹脂板のHAZE値は0.30であった。
A :HAZE値が0.30以上、0.40未満
B+:HAZE値が0.40以上、0.50未満
B-:HAZE値が0.50以上、0.60未満
C :HAZE値が0.60以上
<(2)防曇性能の評価>
80℃に保った温水浴の水面から2cmの高さの所に、試験片を防曇塗膜面が下になるように設置し、温水浴からのスチームを防曇塗膜に連続照射し、照射から10秒後の曇りの有無を目視によって次の4段階で評価した。なお、評価がB-以上であれば実用上問題なく、B+であれば好ましく、Aであればより好ましい。
A :スチーム照射直後に水膜が形成され、曇らない。
B+:スチーム照射直後に一瞬の曇りが認められるが、すぐに水膜が形成され曇らない。
B-: チーム照射直後に曇りが認められるが、水膜が形成され曇らない。
C :スチーム照射直後に曇りが認められ、水膜が形成されない。
<(3)耐擦傷性の評価>
i-プロパノールを1ccしみこませた脱脂綿(横×縦:2.5cm×6cm)に荷重500gをかけて防曇塗膜の表面上に置き、ラビングテスター(「学振型摩擦堅牢度試験機AB-301」、テスター産業(株)社製)で10往復させる試験条件で試験を実施した後、防曇塗膜表面を目視で観察し、次の3段階で評価した。なお、評価がB以上であれば実用上問題なく、Aであればより好ましい。
A :試験前と外観に変化がない。
B :筋状の傷が防曇塗膜の一部に僅かに認められる。
C :筋状の傷が防曇塗膜全体に認められる。
<(4)耐水性の評価>
試験片を40℃に保ったイオン交換水中に240時間浸漬した後、室温にて24時間静置した後の、防曇塗膜外観を目視によって次の4段階で評価した。なお、評価がB-以上であれば実用上問題なく、B+であれば好ましく、Aであればより好ましい。
A :試験前と外観に変化がない。
B+:わずかに防曇塗膜表面が荒れている。
B-:防曇塗膜表面が荒れているか、またはわずかに白化やシミが認められる。
C :防曇塗膜の一部または全部が溶解している、またははっきりと白化やシミが認められる。
<(5)耐候性の評価>
促進耐候性試験機(「サンシャインウェザーメーターS80」、スガ試験機(株)社製)を用い、照射強度78.5W/m、ブラックパネル温度63℃、湿度50%RH、60分中に降雨12分を含む条件で試験を1000時間実施した後、分光測色計(「SPECTROPHOTO METER CM-5」、コニカミノルタ(株)社製)を用い、試験片のYI値(黄変度)を測定(測定法:ASTM D1925)し、次の4段階で評価した。なお、評価がB-以上であれば実用上問題なく、B+であれば好ましく、Aであればより好ましい。
A :YI値が2.0未満
B+:YI値が3.0未満
B-:YI値が4.0未満
C :YI値が4.0以上
<実施例2~25および比較例1~7>
<防曇剤組成物の製造および防曇性物品の作製>
実施例1の原料を、表1~3に記載の原料およびその配合量に変更したこと以外は、実施例1と同様な操作にて、実施例2~24および比較例1~7の防曇剤組成物を製造した。さらに、実施例1と同様な操作にて、実施例2~24および比較例1~7の防曇塗膜を有する防曇性物品(試験片)を作製した。
上記で得られた試験片を用いて、上記の(1)~(5)の評価方法で得られた結果を表1~3に示す。
表1~3中、ブロック化ポリイソシアネート(A)として、
BI 7960は、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体と3,5-ジメチルピラゾールのブロック化ポリイソシアネート化合物(商品名:「TRIXENE BI 7960」、LANXESS社製、有効成分70質量%、製品中のイソシアネート含有量10.20%);
BI 7982は、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体と3,5-ジメチルピラゾールのブロック化ポリイソシアネート化合物(商品名:「TRIXENE BI 7982」、LANXESS社製、有効成分70質量%、製品中のイソシアネート含有量10.20%);を示す。
表1~3中、単量体(B-1)~(B-4)として、
DMAAは、N,N-ジメチルアクリルアミド;
DEAAは、N,N-ジエチルアクリルアミド;
IPAAは、N-イソプロピルアクリルアミド;
HEAは、2-ヒドロキシエチルアクリレート(水酸基価483.2mgKOH/g);
HEMAは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(水酸基価431.2mgKOH/g);
HEAAは、2-ヒドロキシエチルアクリルアミド(水酸基価487.4mgKOH/g);
HBAは、4-ヒドロキシブチルアクリレート(水酸基価389.1mgKOH/g);
RUVA-93は、2-〔3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル〕エチルメタクリレート(商品名:「RUVA-93」、大塚化学(株)社製);
CHAは、シクロヘキシルアクリレート;
LAは、ラウリルアクリレート;を示す。
表1~3中、コロイダルシリカ(C)として、
ST-OXSは、平均粒子径4~6nmの水分散シリカゾル(商品名:「スノーテックスOXS」、日産化学(株)社製、有効成分10重量%);
ST-Oは、平均粒子径10~15nmの水分散シリカゾル(商品名:「スノーテックスO」、日産化学(株)社製、有効成分20重量%);
IPA-STは、平均粒子径10~15nmのIPA分散シリカゾル(「商品名:IPA-ST」、日産化学(株)社製、有効成分30重量%);
ST-OLは、平均粒子径40~50nmの水分散シリカゾル(「商品名:スノーテックスOL」、日産化学(株)社製、有効成分20重量%);を示す。
表1~3中、界面活性剤(D)として、
F100は、含フッ素アニオン系界面活性剤(商品名:「フタージェント100」、ネオス(株)社製);
リポコートRは、リシノールアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート(商品名:「Lipoquat R」、VANTAGE Specialty Ingredient,Inc製);を示す。
表1~3中、レベリング剤として、
BYK-333は、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(商品名:「BYK-333」、ビックケミー社製)を示す。
表3中、その他の添加剤として、
Tinuvin400は、2-〔4-〔(2-ヒドロキシ-3-ドデシロキシプロピル)オキシ〕-2-ヒドロキシフェニル〕-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと2-〔4-〔(2-ヒドロキシ-3-トリデシロキシプロピル)オキシ〕-2-ヒドロキシフェニル〕-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンの混合体(商品名:「Tinuvin400」、BASF社製、有効成分85重量%)を示す。
表1および2の通り、実施例1~25の防曇剤組成物は、透明性、防曇性能、耐擦傷性、耐水性、耐候性に優れる防曇塗膜を形成できる。
一方、表3の通り、比較例1では、ブロック化ポリイソシアネート(A)を含有しないため、耐擦傷性および耐水性が低下し、さらに、架橋が形成されないことで、防曇性能および耐候性の試験で防曇塗膜が溶解した。比較例2では、ポリオール(B)中に単量体(B-1)を含有しないため、防曇性能が低下した。比較例3では、ポリオール(B)中に単量体(B-2)を含有しないため、耐擦傷性および耐水性が低下し、さらに、架橋が形成されないことで、防曇性能および耐候性の試験で防曇塗膜が溶解した。比較例4ではポリオール(B)中に単量体(B-3)を含有しないため、透明性および耐候性が低下した。比較例5では、比較例4の組成に、UVAとしてTinuvin400を添加したところ、耐候性に向上が見られたものの透明性が不十分であった。比較例6では、ポリオール(B)中に単量体(B-4)を含有しないため、透明性が低下した。比較例7では、コロイダルシリカ(C)を含有しないため、耐擦傷性が低下した。

Claims (5)

  1. ブロック化ポリイソシアネート(A)とポリオール(B)とコロイダルシリカ(C)と界面活性剤(D)を含み、
    前記ポリオール(B)は、一般式(1):
    (一般式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基であり、RおよびRは、独立して、水素原子、または炭素数1~4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である。)で表される単量体(B-1)と、
    一般式(2):
    (一般式(2)中、Rは水素原子、またはメチル基であり、Rは炭素数2以上6以下の直鎖または分岐のアルキレン基、Xは酸素原子または-NH-である。)で表される単量体(B-2)と、
    一般式(3):
    (一般式(3)中、Rは水素原子、またはメチル基であり、Rは紫外線吸収性基である。)で表される単量体(B-3)と、
    一般式(4):
    (一般式(4)中、Rは水素原子、またはメチル基であり、Rは炭素数1~22の直鎖、分岐鎖、または環状の炭化水素基である。)で表される単量体(B-4)を含む単量体混合物から得られる(メタ)アクリレート共重合体であることを特徴とする防曇剤組成物。
  2. 前記一般式(3)中、Rは、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性基またはトリアジン系紫外線吸収性基であることを特徴とする請求項1記載の防曇剤組成物。
  3. 前記ブロック化ポリイソシアネート(A)は、ジイソシアネートおよびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物と熱解離性ブロック化剤を反応して得られるブロック化ポリイソシアネート化合物であり、前記ブロック化剤が、ピラゾール類、またはオキシム類であることを特徴とする請求項1または2記載の防曇剤組成物。
  4. 前記ポリオール(B)100重量部に対して、前記ブロック化ポリイソシアネート(A)は10重量部以上90重量部以下であり、前記コロイダルシリカ(C)は5重量部以上800重量部以下であり、前記界面活性剤(D)は1重量部以上35重量部以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の防曇剤組成物。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の防曇剤組成物から形成される防曇塗膜を有する防曇性物品。
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