JP2023111341A - スタイラスペン - Google Patents

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章仁 三井
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Abstract

【課題】静電結合方式及び電磁結合方式の入力端末に対し、1つの入力先端で対応可能なスタイラスペンを提供する。【解決手段】入力端末とともに使用されるスタイラスペンであって、信号を発するパルス電極と、前記パルス電極の外側に設けられるとともに前記パルス電極とは絶縁された接地電極と、外周にコイルが巻き回された円筒形のフェライトコアと、前記コイル及びコンデンサが接続されたLC回路と、を有し、前記パルス電極は前記フェライトコアの内側を貫通する。【選択図】図2

Description

本発明は、入力端末への入力操作に用いられるスタイラスペンに関する。
位置検出センサを備えた入力端末への入力操作に用いられるスタイラスペンには、従来種々の方式が提案されている。たとえば、特許文献1には、静電放射方式の信号ペンが開示されている。また、特許文献2には、静電容量方式のスタイラスが開示されている。
特許文献3には、入力面との接触点を示す第1の電界発生部と、入力面に対する本体の角度を示す第2の電界発生部と、入力面に印加された力を判定する力センサとを備えるスタイラスが開示されている。また、特許文献4には、第1の電極と第2の電極とを備え、位置検出センサからの交流信号を第1の電極を介して検出したときのみに、第2の電極を介して信号を送信する位置指示器が開示されている。さらに、特許文献5には、1対の電極を用いて、接触検知とペンの角度検知とを時分割で切り替えるスタイラスが開示されている。
特許文献6には、第1の受信部及び第1の送信部並びに第2の受信部及び第2の送信部を備え、複数のタイプの位置検出システムに対して1個の位置指示器で対応する技術が開示されている。特許文献7には、軸筒の先端側から出没する電子ペンリフィルと、軸筒の後端に設けられる入力部とを備える位置指示器が開示されている。
特開平8-272509号公報 特開平7-295722号公報 特表2018-531444号公報 特開2012-221304号公報 WO2020/129336 特開2020-129416号公報 特開2020-67797号公報
静電結合方式の入力デバイスの中には、全ての方式の入力端末でも利用可能なものがある。しかし、静電結合方式は、原理的に指先で入力端末を操作するのと同様であるため、たとえば電磁結合方式の入力端末における微細な文字入力や描画目的には不十分であることがある。
そこで、本願の各実施態様は、静電結合方式及び電磁結合方式の入力端末に対し、1つの入力先端で対応可能なスタイラスペンを提供することを課題とする。
(1)第1の実施態様
本願の第1の実施態様のスタイラスペンは、入力端末とともに使用され、信号を発するパルス電極と、前記パルス電極の外側に設けられるとともに前記パルス電極とは絶縁された接地電極と、外周に電磁結合方式用のコイルが巻き回された円筒形のフェライトコアと、を有し、前記パルス電極は前記フェライトコアの内側を貫通する。このように構成することで、本実施態様によると、静電結合方式及び電磁結合方式の入力端末に対し、1つの入力先端で対応可能なスタイラスペンが提供される。
(2)第2の実施態様
本願の第2の実施態様は、第1の実施態様の構成に加え、前記接地電極は前記フェライトコアの内側を貫通する。換言すると、パルス電極の外側に接地電極が設けられ、その接地電極のさらに外側にフェライトコアが設けられる。このように構成することで、静電結合方式に対応するパルス電極と、パルス電極と電気回路を通じて接続される接地電極と、電磁結合方式に用いられるコイルとを、スタイラスペンの入力先端に効率よく収納することが可能となる。
(3)第3の実施態様
本願の第3の実施態様は、第1の実施態様の構成に加え、前記接地電極は前記フェライトコアよりも前方に設けられ、前記接地電極の径は前記コイルの径よりも小さい。換言すると、パルス電極の外側の前方側に接地電極が設けられるとともに、パルス電極の外側の後方側にフェライトコアが設けられる。このように構成することで、接地電極をペン先の前方側に納めることができるため、静電結合方式に対応する場合の誤入力が起こりにくくなる。また、パルス電極の周囲の外径をより小さく設計することも可能となる。さらに、接地電極の後方に位置するコイルによる電磁結合を妨げることも避けられる。
(4)第4の実施形態
本願の第4の実施態様は、第2の実施態様の構成に加え、前記パルス電極とは別の付加情報信号を発信する第2パルス電極をさらに有し、前記第2パルス電極は前記接地電極とは絶縁されているとともに前記フェライトコアよりも前方に設けられ、前記第2パルス電極の径は前記コイルの径よりも小さい。換言すると、このように構成することで、パルス電極の外側に接地電極が設けられ、その接地電極のさらに外側かつ後方側にフェライトコアが設けられるとともに、その接地電極のさらに外側かつフェライトコアの前方側に第2パルス電極が設けられる。このように構成することで、第2パルス電極に、パルス電極による機能とは別の機能を担わせることができる。たとえば、パルス電極で筆記機能を担う場合、第2パルス電極に筆記角度検知又は筆圧情報伝達を担わせることができる。さらに、第2パルス電極の後方に位置するコイルによる電磁結合を妨げることも避けられる。
(5)第5の実施態様
本願の第5の実施態様は、第2の実施態様の構成に加え、前記入力端末からの信号を受信する受信電極をさらに有し、前記受信電極は前記接地電極とは絶縁されているとともに前記フェライトコアよりも前方に設けられ、前記受信電極の径は前記コイルの径よりも小さい。このように構成することで、受信電極で入力端末からの信号を受信して、この受信した信号により、パルス電極による電磁結合方式の入力と、コイルによる電磁結合方式の入力とを切り替えることが可能となる。さらに、受信電極の後方に位置するコイルによる電磁結合を妨げることも避けられる。
(6)第6の実施態様
本願の第6の実施態様は、第1~第5のいずれかの実施態様の構成に加え、前記パルス電極が前記入力端末の表面に接触したときの筆記荷重を検知するセンサが、前記フェライトコアよりも後方に設けられる。このように構成することで、筆記荷重をさらに検知可能となり、筆記先端と入力端末の表面との単なる接触の有無のみならず、接触具合をたとえば連続的な値として検知することが可能となり、これをたとえば描線の太さとして認識させることも可能となる。
(7)第7の実施態様
本願の第7の実施態様は、第1~第6のいずれかの実施態様の構成に加え、前記コイルに接続されるLC回路と、前記LC回路を開閉するスイッチと、をさらに有する。このように構成することで、パルス電極による電磁結合方式の入力と、コイルによる電磁結合方式の入力と手動で効率よく切り替えることが可能となる。このとき、前記入力端末から前記LC回路が受け取る電磁エネルギーを減衰させないために開閉スイッチが備えられる。また、前記LC回路には交流波形が印加されるため、開閉するスイッチには双方向導通性を要する。双方向導通性を得るために、具体的にはON抵抗がほぼゼロとみなせる機械式接点スイッチか、又はON抵抗の低い双方向導通性の半導体リレーが備えられる。なお、半導体リレーを備える際には、ON抵抗が低い方が望ましく、抵抗値が200mΩ未満、より望ましくは150mΩ未満である。
本願の各実施態様は、上記のように構成されているので、静電結合方式及び電磁結合方式の入力端末に対し、1つの入力先端で対応可能なスタイラスペンを提供することが可能となる。
第1の実施形態に係るスタイラスペンを正面図(A)及び側面図(B)で示す。 図1(A)のII-II断面図(A)及び先端部分の拡大図(B)である。 図1のパルス電極、接地電極及びフェライトコアの正面図(A)及びIII-III断面図である。 図1のスタイラスペンの回路図である。 第2の実施形態に係るスタイラスペンを正面図(A)及び側面図(B)で示す。 図5(A)のVI-VI断面図(A)及び先端部分の拡大図(B)である。 図5のパルス電極、接地電極及びフェライトコアの正面図(A)及びVII-VII断面図である。 図5のスタイラスペンの回路図である。 第3の実施形態に係るスタイラスペンを正面図(A)及び側面図(B)で示す。 図9(A)のX-X断面図(A)及び先端部分の拡大図(B)である。 図9のパルス電極、接地電極及びフェライトコアの正面図(A)及びXI-XI断面図である。 図9のスタイラスペンの回路図である。 第4の実施形態に係るスタイラスペンを正面図(A)及び側面図(B)で示す。 図13(A)のXIV-XIV断面図(A)及び先端部分の拡大図(B)である。 図13のパルス電極、接地電極及びフェライトコアの正面図(A)及びXV-XV断面図である。 図13のスタイラスペンの回路図である。 第5の実施形態に係るスタイラスペンの回路図である。 第5の実施形態の変形例に係るスタイラスペンの回路図である。
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態を説明する。なお、以下の説明においては、入力先端の位置する側を「先端」と称し、その反対側を「後端」と称する。また、各図面において共通する符号は、対応する図面の説明で特に言及されていなくても同一の構成を示す。
(1)第1の実施形態
図1は、第1の実施形態に係るスタイラスペン10の外観を、正面図(A)及び側面図(B)で示す。スタイラスペン10は、円筒形状で金属製の軸筒11と、軸筒11の先端に装着される合成樹脂製の先端カバー13と、軸筒11の後端に着脱可能に装着されるキャップ15とを備える。先端カバー13は先細のテーパー形状を呈し、先端の開口から入力部12が突出している。キャップ15は略半球形状を呈している。軸筒11の側面の先端近傍には、スイッチボタン14が設けられている。入力部12の先端は略半球形状を呈している。
図2は、図1のII-II断面図(A)及び先端部分の拡大図(B)である。軸筒11には、後述する各回路が形成されている基板40及び各回路を駆動させるバッテリー41が内蔵されている。軸筒11の後端には充電ソケット16が設けられ、キャップ15で被覆されている。充電ソケット16は、たとえばUSBソケットである。一方、先端カバー13には、図3の正面図(A)及びIII-III断面図(B)に示すようなパルス電極20、接地電極23及びフェライトコア31が内蔵されている。
パルス電極20は、図示しない入力端末に向けて信号を発する電極であり、先端が略半球形状に形成された円柱形状を呈する。パルス電極20の外側は、円筒形状の接地電極23で被覆されている。パルス電極20と接地電極23とは絶縁領域24で絶縁されている。絶縁領域24は、パルス電極20の外周及び接地電極23の内周のいずれか又は両方に絶縁塗料を塗布することで形成することができ、あるいはパルス電極20の外周に絶縁フィルムを巻くことで形成することができる。また、パルス電極20と接地電極23との間に間隔を確保することでこの間隔に相当する空間を絶縁領域24とすることもできる。
接地電極23で被覆されたパルス電極20は、円筒形のフェライトコア31で外挿されている。換言すると、パルス電極20はフェライトコア31の内側を貫通するとともに、接地電極23もフェライトコア31の内側を貫通している。フェライトコア31の外周にはコイル32が巻き回されている。コイル32は、後述するコンデンサ33と接続され、LC回路30を形成する。
図4は、本実施形態のスタイラスペン10の回路図である。基板40(図2(A)参照)には、パルス制御回路50、パルス生成回路51、無線通信回路54、アンテナ55、半導体スイッチ56及びコンデンサ33が設けられる。コンデンサ33は、コイル32と接続され、LC回路30を形成する。
軸筒11は前記したように金属製であり、接地電極23からアースが接続される。一方、先端カバー13は、静電結合及び電磁結合を阻害しない材料、たとえば前記したように合成樹脂で形成される。
無線通信回路54は、図示しない入力端末との間でアンテナ55を介して無線通信を行う。無線通信回路54としては、たとえば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)を用いることができる。パルス制御回路50は、スイッチボタン14によるスイッチ操作、及び、無線通信回路54からの信号を受けて、パルス生成回路51及び半導体スイッチ56の制御を行う。パルス生成回路51は、静電気信号を生成し、パルス電極20がその静電気信号を放出し、接地電極23からアースへと流れる。半導体スイッチ56は、LC回路30を開閉するスイッチである。LC回路30が閉鎖されると、入力端末の表面の磁界との間で電磁誘導による電荷が発生し、電磁結合方式による入力操作が可能となる。また、LC回路30が開放されると、電磁結合方式による入力操作はなされない。半導体スイッチ56としては、たとえば、双方向導通性のソリッドステートリレー、具体的にはMOS FETを用いることができる。さらに、半導体スイッチ56のON抵抗は200mΩ未満が望ましく、150mΩ以下がさらに望ましい。
本実施形態のスタイラスペン10による入力端末への入力は以下のように行われる。まず、ユーザがスイッチボタン14を操作して、静電結合方式による入力操作を選択した場合、パルス制御回路50は、パルス生成回路51に静電気信号を生成させつつ、LC回路30が開放するように半導体スイッチ56を制御する。一方、スイッチボタン14の操作により、電磁結合方式による入力操作を選択した場合、パルス制御回路50は、LC回路30が閉鎖するように半導体スイッチ56を制御しつつ、パルス生成回路51による静電気信号の生成は停止させる。
また、スイッチボタン14の操作によらずに、無線通信回路54が入力端末から受信した信号によって、当該入力端末の入力方式をパルス制御回路50に認識させることもできる。それによって、パルス制御回路50は、パルス生成回路51に静電気信号を生成させつつ半導体スイッチ56にLC回路30を開放させるか、あるいは、半導体スイッチ56にLC回路30を閉鎖させつつパルス生成回路51の静電気信号生成を停止させることができる。
なお、本実施形態の変形例として、スイッチボタン14、無線通信回路54、パルス制御回路50及び半導体スイッチ56を設けずに、常時閉鎖状態のLC回路30とともに、常時静電気信号を生成するパルス生成回路51とを併存させることとしてもよい。この変形例のスタイラスペン10を静電結合方式の入力端末に使用した場合、パルス電極20から放出される静電気信号及び接地電極23により入力操作を行うことができる。また、この変形例のスタイラスペン10を電磁結合方式の入力端末に使用した場合、パルス電極20からは静電気信号は放出されるがこれは入力操作とは無関係で、LC回路30による入力操作のみが有効となる。
(2)第2の実施形態
図5は、第2の実施形態に係るスタイラスペン10の外観を、正面図(A)及び側面図(B)で示す。スタイラスペン10の外観については第1の実施形態と同様である。
図6は、図5のVI-VI断面図(A)及び先端部分の拡大図(B)である。軸筒11内部の構造については第1の実施形態と同様である。一方、先端カバー13には、図7の正面図(A)及びVII-VII断面図(B)に示すようなパルス電極20、接地電極23及びフェライトコア31が内蔵されている。
パルス電極20は、図示しない入力端末に向けて信号を発する電極であり、先端が略半球形状に形成された円柱形状を呈する。パルス電極20の外側の先端近傍には、環状の接地電極23が外挿されている。接地電極23は、先端側が縮径している。パルス電極20と接地電極23とは絶縁領域24で絶縁されている。絶縁領域24については第1の実施形態と同様である。
パルス電極20の外側の、接地電極23の後方には、円筒形のフェライトコア31が外挿されている。換言すると、パルス電極20はフェライトコア31の内側を貫通し、かつ、接地電極23の内側を貫通している。フェライトコア31の外周にはコイル32が巻き回されている。コイル32は、後述するコンデンサ33と接続され、LC回路30を形成する。また、接地電極23の径は、コイル32の径よりも小さい。
図8は、本実施形態のスタイラスペン10の回路図である。基板40(図6(A)参照)には、パルス制御回路50、パルス生成回路51、無線通信回路54、アンテナ55、半導体スイッチ56及びコンデンサ33が設けられる。コンデンサ33は、コイル32と接続され、LC回路30を形成する。
軸筒11は前記したように金属製であり、接地電極23からアースが接続される。一方、先端カバー13は、静電結合及び電磁結合を阻害しない材料、たとえば前記したように合成樹脂で形成される。
無線通信回路54、パルス制御回路50、パルス生成回路51及び半導体スイッチ56の意義、並びに本実施のスタイラスペン10による入力端末への入力については第1の実施形態と同様である。なお、接地電極23がパルス電極20の外周の先端近傍に設けられていることで、パルス電極20の先端と接地電極23との距離が近くなり、入力タブレットとパルス電極20とが接触している位置から離れた位置における誤入力が回避される。また、接地電極23の径がコイル32の径よりも小さいことで、接地電極23がコイル32による電磁誘導を妨げることが避けられる。
(3)第3の実施形態
図9は、第3の実施形態に係るスタイラスペン10の外観を、正面図(A)及び側面図(B)で示す。スタイラスペン10の外観については第1の実施形態と同様である。
図10は、図9のX-X断面図(A)及び先端部分の拡大図(B)である。軸筒11内部の構造については第1の実施形態と同様である。一方、先端カバー13には、図11の正面図(A)及びXI-XI断面図(B)に示すようなパルス電極20、第2パルス電極21、接地電極23及びフェライトコア31が内蔵されている。
パルス電極20は、図示しない入力端末に向けて信号を発する電極であり、先端が略半球形状に形成された円柱形状を呈する。パルス電極20の外側は、円筒形状の接地電極23で被覆されている。パルス電極20と接地電極23とは絶縁領域24で絶縁されている。絶縁領域24については第1の実施形態と同様である。
接地電極23で被覆されたパルス電極20は、円筒形のフェライトコア31で外挿されている。換言すると、パルス電極20はフェライトコア31の内側を貫通するとともに、接地電極23もフェライトコア31の内側を貫通している。フェライトコア31の外周にはコイル32が巻き回されている。コイル32は、後述するコンデンサ33と接続され、LC回路30を形成する。
さらに、接地電極23で被覆されたパルス電極20の先端近傍、かつ、フェライトコア31の前方には、環状の第2パルス電極21が外挿されている。第2パルス電極21は、先願側が縮径している。第2パルス電極21と接地電極23とは、第1実施形態の絶縁領域24と同様に、図示しない絶縁領域で絶縁されている。
図12は、本実施形態のスタイラスペン10の回路図である。基板40(図10(A)参照)には、パルス制御回路50、パルス生成回路51、第2パルス生成回路52、無線通信回路54、アンテナ55、半導体スイッチ56及びコンデンサ33が設けられる。コンデンサ33は、コイル32と接続され、LC回路30を形成する。
軸筒11は前記したように金属製であり、接地電極23からアースが接続される。一方、先端カバー13は、静電結合及び電磁結合を阻害しない材料、たとえば前記したように合成樹脂で形成される。
無線通信回路54については第1の実施形態と同様である。パルス制御回路50は、スイッチボタン14によるスイッチ操作、及び、無線通信回路54からの信号を受けて、パルス生成回路51及び第2パルス生成回路52並びに半導体スイッチ56の制御を行う。パルス生成回路51は、静電気信号を生成し、パルス電極20がその静電気信号を放出し、接地電極23からアースへと流れる。第2パルス生成回路52は、静電気信号を生成し、第2パルス電極21がその静電気信号を発信し、接地電極23からアースへと流れる。半導体スイッチ56については第1の実施形態と同様である。
本実施形態のスタイラスペン10による入力端末への入力は以下のように行われる。まず、ユーザがスイッチボタン14を操作して、静電結合方式による入力操作を選択した場合、パルス制御回路50は、パルス生成回路51及び第2パルス生成回路52に静電気信号を生成させつつ、LC回路30が開放するように半導体スイッチ56を制御する。一方、スイッチボタン14の操作により、電磁結合方式による入力操作を選択した場合、パルス制御回路50は、LC回路30が閉鎖するように半導体スイッチ56を制御しつつ、パルス生成回路51及び第2パルス生成回路52による静電気信号の生成は停止させる。
また、スイッチボタン14の操作によらずに、無線通信回路54が入力端末から受信した信号によって、当該入力端末の入力方式をパルス制御回路50に認識させることもできる。それによって、パルス制御回路50は、パルス生成回路51及び第2パルス生成回路52に静電気信号を生成させつつ半導体スイッチ56にLC回路30を開放させるか、あるいは、半導体スイッチ56にLC回路30を閉鎖させつつパルス生成回路51及び第2パルス生成回路52の静電気信号生成を停止させることができる。
なお、第2パルス電極21は、パルス電極20による入力端末への入力操作とは別の付加情報信号、たとえば、スタイラスペン10の筆記角検知用のパルス、又は、筆圧情報伝達パルスの送信に利用することができる。
(4)第4の実施形態
図13は、第4の実施形態に係るスタイラスペン10の外観を、正面図(A)及び側面図(B)で示す。スタイラスペン10の外観については第1の実施形態と同様である。
図14は、図13のXIV-XIV断面図(A)及び先端部分の拡大図(B)である。軸筒11内部の構造については第1の実施形態と同様である。一方、先端カバー13には、図15の正面図(A)及びXV-XV断面図(B)に示すようなパルス電極20、受信電極22、接地電極23及びフェライトコア31が内蔵されている。
パルス電極20は、図示しない入力端末に向けて信号を発する電極であり、先端が略半球形状に形成された円柱形状を呈する。パルス電極20の外側は、円筒形状の接地電極23で被覆されている。パルス電極20と接地電極23とは絶縁領域24で絶縁されている。絶縁領域24については第1の実施形態と同様である。
接地電極23で被覆されたパルス電極20は、円筒形のフェライトコア31で外挿されている。換言すると、パルス電極20はフェライトコア31の内側を貫通するとともに、接地電極23もフェライトコア31の内側を貫通している。フェライトコア31の外周にはコイル32が巻き回されている。コイル32は、後述するコンデンサ33と接続され、LC回路30を形成する。
さらに、接地電極23で被覆されたパルス電極20の先端近傍、かつ、フェライトコア31の前方には、環状の受信電極22が外挿されている。受信電極22は、先願側が縮径している。受信電極22と接地電極23とは、第1実施形態の絶縁領域24と同様に、図示しない絶縁領域で絶縁されている。
図16は、本実施形態のスタイラスペン10の回路図である。基板40(図14(A)参照)には、パルス制御回路50、パルス生成回路51、パルス受信回路53、無線通信回路54、アンテナ55、半導体スイッチ56及びコンデンサ33が設けられる。コンデンサ33は、コイル32と接続され、LC回路30を形成する。
軸筒11は前記したように金属製であり、接地電極23からアースが接続される。一方、先端カバー13は、静電結合及び電磁結合を阻害しない材料、たとえば前記したように合成樹脂で形成される。
無線通信回路54については第1の実施形態と同様である。パルス受信回路53は、受信電極22が入力端末から受けた信号を受信する。パルス制御回路50は、スイッチボタン14によるスイッチ操作、無線通信回路54からの信号、及びパルス受信回路53からの信号を受けて、パルス生成回路51及び半導体スイッチ56の制御を行う。パルス生成回路51は、静電気信号を生成し、パルス電極20がその静電気信号を放出し、接地電極23からアースへと流れる。半導体スイッチ56については第1の実施形態と同様である。
本実施形態のスタイラスペン10による入力端末への入力は以下のように行われる。まず、ユーザがスイッチボタン14を操作して、静電結合方式による入力操作を選択した場合については第1の実施形態と同様である。また、スイッチボタン14の操作によらずに、無線通信回路54が入力端末から受信した信号によって、当該入力端末の入力方式をパルス制御回路50に認識させる場合についても第1の実施形態と同様である。
さらに、パルス受信回路53が入力端末から受信電極22を介して受信した信号によって、当該入力端末の入力方式をパルス制御回路50に認識させることもできる。それによって、パルス制御回路50は、パルス生成回路51に静電気信号を生成させつつ半導体スイッチ56にLC回路30を開放させるか、あるいは、半導体スイッチ56にLC回路30を閉鎖させつつパルス生成回路51の静電気信号生成を停止させることができる。
(5)第5の実施形態
第5の実施形態に係るスタイラスペン10は、図17の回路図に示すように、第1の実施形態に係るスタイラスペン10の構成に加えて、コイル32の後方に、筆記荷重を検知するセンサとしての筆記荷重検知センサ57が設けられている。この筆記荷重検知センサ57が検知した筆記荷重の情報はパルス制御回路50に入力され、これによって筆記荷重に応じて半導体スイッチ56又はパルス生成回路51を制御することとしてもよい。
また、図18の回路図に示す第5に実施形態の変形例のように、半導体スイッチ56とコイル32との間に、LC回路30の静電容量可変型荷重センサとして機能する可変コンデンサ58を設けてもよい。
本発明は、入力端末への入力操作に用いられるスタイラスペンに利用可能である。
10 スタイラスペン 11 軸筒 12 入力部
13 先端カバー 14 スイッチボタン 15 キャップ
16 充電ソケット
20 パルス電極 21 第2パルス電極 22 受信電極
23 接地電極 24 絶縁領域
30 LC回路 31 フェライトコア 32 コイル
33 コンデンサ
40 基板 41 バッテリー
50 パルス制御回路 51 パルス生成回路 52 第2パルス生成回路
53 パルス受信回路 54 無線通信回路 55 アンテナ
56 半導体スイッチ 57 筆記荷重検知センサ 58 可変コンデンサ

Claims (8)

  1. 入力端末とともに使用されるスタイラスペンであって、
    信号を発するパルス電極と、前記パルス電極の外側に設けられるとともに前記パルス電極とは絶縁された接地電極と、外周にコイルが巻き回された円筒形のフェライトコアと、前記コイル及びコンデンサが接続されたLC回路と、を有し、
    前記パルス電極は前記フェライトコアの内側を貫通することを特徴とする、スタイラスペン。
  2. 前記接地電極は前記フェライトコアの内側を貫通する、請求項1に記載のスタイラスペン。
  3. 前記接地電極は前記フェライトコアよりも前方に設けられ、
    前記接地電極の径は前記コイルの径よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のスタイラスペン。
  4. 前記パルス電極とは別の付加情報信号を発信する第2パルス電極をさらに有し、
    前記第2パルス電極は前記接地電極とは絶縁されているとともに前記フェライトコアよりも前方に設けられ、
    前記第2パルス電極の径は前記コイルの径よりも小さいことを特徴とする、請求項2に記載のスタイラスペン。
  5. 前記入力端末からの信号を受信する受信電極をさらに有し、
    前記受信電極は前記接地電極とは絶縁されているとともに前記フェライトコアよりも前方に設けられ、
    前記受信電極の径は前記コイルの径よりも小さいことを特徴とする、請求項2に記載のスタイラスペン。
  6. 前記パルス電極が前記入力端末の表面に接触したときの筆記荷重を検知するセンサが、前記フェライトコアよりも後方に設けられることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のスタイラスペン。
  7. 前記LC回路を開閉するスイッチをさらに有することを特徴とする、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のスタイラスペン。
  8. 前記スイッチは、ON抵抗が200mΩ未満で、かつ、双方向導通性の半導体スイッチであることを特徴とする、請求項7に記載のスタイラスペン。
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