JP2023111189A - 電動ショベル - Google Patents

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Sanetaka Takeo
学 伊藤
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Abstract

【課題】安全性を向上と消費電力の低減とを実現する。【解決手段】本開示の一実施形態に係る電動ショベルは、バッテリと、バッテリから供給される電力で、当該電動ショベルの周囲に報知を行う報知装置と、を有し、当該周囲の人に関する安全度合いに応じて、報知装置を用いた報知の設定を切り替えるように構成されている。【選択図】図2

Description

本開示は、電動ショベルに関する。
従来から、エンジン型のショベルにおいて周囲に存在する人に対して報知する技術が提案されている。
特許6352592号公報
しかしながら、エンジン型のショベルではエンジンが動作している時、報知を行わずとも、周囲に存在する人は、当該ショベルが動作していることを動作音で認識できる。
これに対して、電動ショベルは、モータを用いて作業を行う。当該モータで発生する音は、エンジンで発生する音と比べて小さい。このため、電動ショベルで作業を行う場合には、周囲に存在する人に対する報知の重要性がより大きくなる。しかしながら、電動ショベルは、報知を行うためにはバッテリから供給される電力が必要になる。報知に必要以上に電力を利用すると作業時間が短くなる可能性がある。このため、電動ショベルでは効率的な報知の制御が必要となる。
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態に係る電動ショベルは、バッテリと、バッテリから供給される電力で、当該電動ショベルの周囲に報知を行う報知装置と、を有し、当該周囲の人に関する安全度合いに応じて、報知装置を用いた報知の設定を切り替えるように構成されている。
上述の実施形態によれば、周囲の人に関する安全度合いに応じて報知の設定を切り替えることで、安全性を向上と消費電力の低減とを実現させることができる。
図1は、実施形態に係るショベル(掘削機)を示す側面図である。 図2は、実施形態に係るショベルの構成の一例を概略的に示すブロック図である。 図3は、実施形態に係るショベルコントローラにおける周囲危険レベルの設定を行うまでのフローチャートである。 図4は、実施形態に係るショベルコントローラにおける、ショベルの周囲に報知するための処理手順を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。また、以下で説明する実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述される全ての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の又は対応する符号を付し、説明を省略することがある。
[ショベルの概要]
まず、図1を参照して、電動ショベルの一例としてのショベル200の概要を説明する。
本実施形態に係るショベル200は、下部走行体1と、旋回機構2を介して旋回可能に下部走行体1に搭載される上部旋回体3と、アタッチメントとしてのブーム4、アーム5、及びバケット6と、キャビン10と、空間認識装置80と、報知装置90と、を備える。報知装置90が報知を行うことで、ショベル200の周辺にいる人に注意喚起行うことができる。なお、報知装置90の具体的な構成については後述する。
下部走行体1は、例えば、左右一対のクローラを含み、それぞれのクローラが走行油圧モータ1A,1B(図2参照)で油圧駆動されることにより、自走する。
上部旋回体3は、旋回機構2を通じて、旋回油圧モータ2M(図2参照)で油圧駆動されることにより、下部走行体1に対して旋回する。メインポンプ14(図2参照)から供給される作動油で全ての被駆動要素(例えば、旋回油圧モータ2M)が油圧駆動される。いわゆる油圧ショベルの動力源(エンジン)をポンプ用電動機12に置換した構成に相当する。
また、上部旋回体3は、旋回機構2を通じて、旋回油圧モータ2Mの代わりに、バッテリモジュール19から供給される電力で駆動する旋回用電動機で電気駆動されてもよい。この場合、例えば、ショベル200は、バッテリモジュール19から電力変換装置100及びインバータを介して旋回用電動機に接続される。そして、旋回用電動機は、ショベルコントローラ30及びインバータの制御下で、上部旋回体3を旋回駆動する力行運転、及び回生電力を発生させて上部旋回体3を旋回制動する回生運転を行ってもよい。また、旋回用電動機は、インバータを介して、回生電力をバッテリモジュール19やポンプ用電動機12に供給してもよい。
ブーム4は、上部旋回体3の前部中央に俯仰可能に取り付けられ、ブーム4の先端には、アーム5が上下回動可能に取り付けられ、アーム5の先端には、バケット6が上下回動可能に取り付けられる。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、それぞれ、油圧アクチュエータとしてのブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9により油圧駆動される。
バケット6は、エンドアタッチメントの一例であり、アーム5の先端には、作業内容等に応じて、バケット6の代わりに、他のエンドアタッチメントが取り付けられてもよい。他のエンドアタッチメントは、例えば、法面用バケット、浚渫用バケット等のバケット6と異なる種類のバケットであってよい。また、他のエンドアタッチメントは、例えば、ブレーカ、攪拌機、グラップル等のバケットと異なる種類のエンドアタッチメントであってもよい。
キャビン10は、上部旋回体3の前部左側に搭載され、その内部(室内)には、オペレータが着座する操縦席や後述する操作装置26(図2参照)等が設けられる。
ショベル200は、キャビン10に搭乗するオペレータの操作に応じて、下部走行体1(左右のクローラ)、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の被駆動要素を動作させる。
空間認識装置80は、ショベル200の周囲の三次元空間に存在する物体を認識するために用いられる。空間認識装置80は、例えば、超音波センサ、ミリ波レーダ、単眼カメラ、ステレオカメラ、LIDAR(Light Detecting and Ranging)、距離画像センサ、赤外線センサ等を含みうる。
空間認識装置80は、ショベル200の周囲に設定された所定領域内の所定物体を検知するように構成されている。空間認識装置80は、ショベル200の全周囲を認識できるように4個設けられている。空間認識装置80は、キャビン10の上面前端に取り付けられた前方認識センサ80F、上部旋回体3の上面後端に取り付けられた後方認識センサ80B、上部旋回体3の上面左端に取り付けられた左方認識センサ80L、及び、上部旋回体3の上面右端に取り付けられた(図示しない)右方認識センサ80Rを含む。また、上部旋回体3の上方の空間に存在する物体を認識する上方認識センサがショベル200に取り付けられていてもよい。
空間認識装置80は、検知する所定物体として、物体の種類、位置、及び形状等の少なくとも一つを識別できるように構成されていてもよい。例えば、空間認識装置80は、人と人以外の物体とを区別できるように構成されていてもよい。
また、空間認識装置80は、ヘルメット、安全ベスト、及び作業服等の少なくとも一つを認識することにより、人を検知するように構成されていてもよい。また、空間認識装置80は、ヘルメット、安全ベスト、及び作業服等の少なくとも一つにある所定の識別情報(例えば、マーク、QRコード(登録商標))等を認識することにより、人を検知するように構成されていてもよい。
また、ショベル200は、キャビン10に搭乗するオペレータによって操作可能に構成されるのに代えて、或いは、加えて、ショベル200の外部から遠隔操作(リモート操作)が可能に構成されてもよい。ショベル200が遠隔操作される場合、キャビン10の内部は、無人状態であってもよい。以下、オペレータの操作には、キャビン10のオペレータの操作装置26に対する操作、及び外部のオペレータの遠隔操作の少なくとも一方が含まれる前提で説明を進める。
遠隔操作には、例えば、所定の外部装置で行われるショベル200のアクチュエータに関する操作入力によって、ショベル200が操作される態様が含まれる。この場合、ショベル200は、所定の外部装置と通信可能な通信装置91(図2参照)を搭載し、例えば、空間認識装置80(図2参照)が出力する画像情報(撮像画像)を外部装置に送信してよい。そして、外部装置は、自装置に設けられる表示装置(以下、「遠隔操作用表示装置」)に受信される画像情報(撮像画像)を表示させてよい。また、ショベル200のキャビン10の内部の出力装置50(表示装置)に表示される各種の情報画像(情報画面)は、同様に、外部装置の遠隔操作用表示装置にも表示されてよい。これにより、外部装置のオペレータは、例えば、遠隔操作用表示装置に表示されるショベル200の周囲の様子を表す撮像画像や情報画面等の表示内容を確認しながら、ショベル200を遠隔操作することができる。そして、ショベル200は、通信装置91(図2参照)により外部装置から受信される、遠隔操作の内容を表す遠隔操作信号に応じて、油圧アクチュエータを動作させ、下部走行体1(左右のクローラ)、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の被駆動要素を駆動してよい。
また、遠隔操作には、例えば、ショベル200の周囲の人(例えば、作業者)のショベル200に対する外部からの音声入力やジェスチャ入力等によって、ショベル200が操作される態様が含まれてよい。具体的には、ショベル200は、ショベル200(自機)に搭載される音声入力装置(例えば、マイクロフォン)やジェスチャ入力装置(例えば、撮像装置)等を通じて、周囲の作業者等により発話される音声や作業者等により行われるジェスチャ等を認識する。そして、ショベル200は、認識した音声やジェスチャ等の内容に応じて、アクチュエータを動作させ、下部走行体1(左右のクローラ)、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の被駆動要素を駆動してもよい。
また、ショベル200は、オペレータの操作の内容に依らず、自動でアクチュエータを動作させてもよい。これにより、ショベル200は、下部走行体1(クローラ1CL,1CR)、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の被駆動要素の少なくとも一部を自動で動作させる機能(いわゆる「自動運転機能」或いは「マシンコントロール機能」)を実現する。
自動運転機能には、オペレータの操作装置26に対する操作や遠隔操作に応じて、操作対象の被駆動要素(油圧アクチュエータ)以外の被駆動要素(アクチュエータ)を自動で動作させる機能(いわゆる「半自動運機能」)が含まれてよい。また、自動運転機能には、オペレータの操作装置26に対する操作や遠隔操作がない前提で、複数の被駆動要素(アクチュエータ)の少なくとも一部を自動で動作させる機能(いわゆる「完全自動運転機能」)が含まれてよい。ショベル200において、完全自動運転機能が有効な場合、キャビン10の内部は無人状態であってよい。また、半自動運転機能や完全自動運転機能等には、自動運転の対象の被駆動要素(アクチュエータ)の動作内容が予め規定されるルールに従って自動的に決定される態様が含まれてよい。また、半自動運転機能や完全自動運転機能等には、ショベル200が自律的に各種の判断を行い、その判断結果に沿って、自律的に自動運転の対象の被駆動要素(アクチュエータ)の動作内容が決定される態様(いわゆる「自律運転機能」)が含まれてもよい。
[ショベルの構成]
次に、図1に加えて、図2を参照して、本実施形態に係るショベル200の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係るショベル200の構成の一例を概略的に示すブロック図である。
なお、図2において、機械的動力ラインは二重線、油圧ラインは太い実線、パイロットラインは破線、電気駆動・制御ラインは細い実線でそれぞれ示される。
<油圧駆動系>
本実施形態に係るショベル200の油圧駆動系は、下部走行体1、ブーム4、アーム5、及びバケット6等の被駆動要素のそれぞれを油圧駆動する走行油圧モータ1A,1B、旋回油圧モータ2M、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9等の油圧アクチュエータを含む。また、本実施形態に係るショベル200の油圧駆動系は、ポンプ用電動機12と、メインポンプ14と、コントロールバルブ17とを含む。
ポンプ用電動機12(電動アクチュエータの一例)は、油圧駆動系の動力源である。ポンプ用電動機12は、例えば、IPM(Interior Permanent Magnet)モータである。ポンプ用電動機12は、インバータ18Aを介してバッテリモジュール19及び電力変換装置100を含む高圧電源と接続される。ポンプ用電動機12は、インバータ18Aを介してバッテリモジュール19から供給される三相交流電力で力行運転し、メインポンプ14及びパイロットポンプ15を駆動する。ポンプ用電動機12の駆動制御は、後述するショベルコントローラ30の制御下で、インバータ18Aにより実行されてよい。
メインポンプ14は、作動油タンクTから作動油を吸い込み、高圧油圧ライン16に吐出することにより、高圧油圧ライン16を通じてコントロールバルブ17に作動油を供給する。メインポンプ14は、ポンプ用電動機12により駆動される。メインポンプ14は、例えば、可変容量式油圧ポンプであり、後述するショベルコントローラ30の制御下で、レギュレータ(不図示)が斜板の角度(傾転角)を制御する。これにより、メインポンプ14は、ピストンのストローク長を調整し、吐出流量(吐出圧)を調整することができる。
なお、メインポンプ14は、ポンプ用電動機12に加えて、他の動力源からの動力で駆動されてもよい。例えば、ブーム4の下げ動作時やアーム5の閉じ動作時にブーム4やアーム5の自重でブームシリンダ7やアームシリンダ8から作動油タンクに排出される作動油のエネルギを回生し、メインポンプ14を駆動してもよい。具体的には、ブーム4の下げ動作時やアーム5の閉じ動作時にブーム4やアーム5の自重でブームシリンダ7やアームシリンダ8から作動油タンクに排出される作動油のエネルギで、メインポンプ14の回転軸と同軸で配置される油圧モータを駆動させてよい。また、ブーム4の下げ動作時やアーム5の閉じ動作時にブーム4やアーム5の自重でブームシリンダ7やアームシリンダ8から作動油タンクに排出される作動油のエネルギを回生し、発電機に発電を行わせてもよい。具体的には、ブーム4の下げ動作時やアーム5の閉じ動作時にブーム4やアーム5の自重でブームシリンダ7やアームシリンダ8から作動油タンクに排出される作動油のエネルギで、発電機と同軸に配置される油圧モータを駆動することにより、発電機に発電を行わせてよい。この場合、発電機の発電電力は、ポンプ用電動機12に供給されたり、バッテリモジュール19に充電されたりしてよい。
コントロールバルブ17は、オペレータの操作や自動運転機能に対応する操作指令に応じて、油圧駆動系の制御を行う油圧制御装置である。コントロールバルブ17は、上述の如く、高圧油圧ライン16を介してメインポンプ14と接続され、メインポンプ14から供給される作動油を、油圧アクチュエータ(走行油圧モータ1A,1B、旋回油圧モータ2M、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9)に選択的に供給可能に構成される。例えば、コントロールバルブ17は、メインポンプ14から油圧アクチュエータのそれぞれに供給される作動油の流量と流れる方向とを制御する複数の制御弁(方向切換弁)を含むバルブユニットである。メインポンプ14から供給され、コントロールバルブ17や油圧アクチュエータを通流した作動油は、コントロールバルブ17から作動油タンクTに排出される。
<電気駆動系>
本実施形態に係るショベル200の電気駆動系は、ポンプ用電動機12と、センサ12sと、インバータ18Aとを含む。また、本実施形態に係るショベル200の電気駆動系は、バッテリモジュール19及び電力変換装置100等により構成される高圧電源を含む。
センサ12sは、電流センサ12s1と、電圧センサ12s2と、回転状態センサ12s3とを含む。
電流センサ12s1は、ポンプ用電動機12の三相(U相、V相、及びW相)のそれぞれの電流を検出する。電流センサ12s1は、例えば、ポンプ用電動機12とインバータ18Aの間の電力経路に設けられる。電流センサ12s1により検出されるポンプ用電動機12の三相それぞれの電流に対応する検出信号は、通信線を通じて、直接的に、インバータ18Aに取り込まれる。また、当該検出信号は、通信線を通じて、ショベルコントローラ30に取り込まれ、ショベルコントローラ30経由で、インバータ18Aに入力されてもよい。
電圧センサ12s2は、ポンプ用電動機12の三相のそれぞれの印加電圧を検出する。電圧センサ12s2は、例えば、ポンプ用電動機12とインバータ18Aの間の電力経路に設けられる。電圧センサ12s2により検出されるポンプ用電動機12の三相それぞれの印加電圧に対応する検出信号は、通信線を通じて、直接的に、インバータ18Aに取り込まれる。また、当該検出信号は、通信線を通じて、ショベルコントローラ30に取り込まれ、ショベルコントローラ30経由で、インバータ18Aに入力されてもよい。
回転状態センサ12s3は、ポンプ用電動機12の回転状態(例えば、回転位置(回転角)、回転速度等)を検出する。回転状態センサ12s3は、例えば、ロータリエンコーダやレゾルバである。
インバータ18Aは、ショベルコントローラ30の制御下で、ポンプ用電動機12を駆動制御する。インバータ18Aは、例えば、直流電力を三相交流電力に変換したり、三相交流電力を直流電力に変換したりする変換回路と、変換回路をスイッチ駆動する駆動回路と、駆動回路の動作を規定する制御信号(例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号)を出力する制御回路とを含む。
インバータ18Aの制御回路は、ポンプ用電動機12の動作状態を把握しながら、ポンプ用電動機12の駆動制御を行う。例えば、インバータ18Aの制御回路は、回転状態センサ12s3の検出信号に基づき、ポンプ用電動機12の動作状態を把握する。また、インバータ18Aの制御回路は、電流センサ12s1の検出信号及び電圧センサ12s2の検出信号(或いは制御過程で生成する電圧指令値)に基づき、逐次、ポンプ用電動機12の回転軸の回転角等を推定することにより、ポンプ用電動機12の動作状態を把握してもよい。
なお、インバータ18Aの駆動回路及び制御回路の少なくとも一方は、インバータ18Aの外部に設けられてもよい。
バッテリモジュール19は、充電された電力を、ショベル200内の電子部品に供給するための構成とする。具体的な構成については後述する。
電力変換装置100は、バッテリモジュール19の電力を昇圧したり、インバータ18Aを経由してポンプ用電動機12からの電力を降圧し、バッテリモジュール19に蓄電させたりする。電力変換装置100は、ポンプ用電動機12の運転状態に応じて、DC(Direct Current)バス110の電圧値が一定の範囲内に収まるように昇圧動作と降圧動作とを切り替える。電力変換装置100の昇圧動作と降圧動作との切替制御は、例えば、DCバス110の電圧検出値、バッテリモジュール19の電圧検出値、及びバッテリモジュール19の電流検出値に基づき、ショベルコントローラ30により実行されてよい。
なお、バッテリモジュール19の出力電圧を昇圧してポンプ用電動機12に印加する必要が無い場合、電力変換装置100は省略されてもよい。
<操作系>
本実施形態に係るショベル200の操作系は、パイロットポンプ15と、操作装置26と、圧力制御弁31とを含む。
パイロットポンプ15は、パイロットライン25を介してショベル200に搭載される各種油圧機器(例えば、圧力制御弁31)にパイロット圧を供給する。これにより、圧力制御弁31は、ショベルコントローラ30の制御下で、操作装置26の操作内容(例えば、操作量や操作方向)に応じたパイロット圧をコントロールバルブ17に供給することができる。そのため、ショベルコントローラ30及び圧力制御弁31は、オペレータの操作装置26に対する操作内容に応じた被駆動要素(油圧アクチュエータ)の動作を実現することができる。また、圧力制御弁31は、ショベルコントローラ30の制御下で、遠隔操作信号で指定される遠隔操作の内容に応じたパイロット圧をコントロールバルブ17に供給することができる。パイロットポンプ15は、例えば、固定容量式油圧ポンプであり、上述の如く、ポンプ用電動機12により駆動される。
操作装置26は、キャビン10の操縦席のオペレータから手の届く範囲に設けられ、オペレータがそれぞれの被駆動要素(即ち、下部走行体1の左右のクローラ、上部旋回体3、ブーム4、アーム5、及びバケット6等)の操作を行うために用いられる。換言すれば、操作装置26は、オペレータがそれぞれの被駆動要素を駆動する油圧アクチュエータ(例えば、走行油圧モータ1A,1B、旋回油圧モータ2M、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9等)や電動アクチュエータの操作を行うために用いられる。操作装置26は、例えば、電気式であり、オペレータによる操作内容に応じた電気信号(以下、「操作信号」)を出力する。操作装置26から出力される操作信号は、ショベルコントローラ30に取り込まれる。これにより、ショベルコントローラ30は、圧力制御弁31を制御し、オペレータの操作内容や自動運転機能に対応する操作指令等に合わせて、ショベル200の被駆動要素(アクチュエータ)の動作を制御することができる。
操作装置26は、例えば、レバー26A~26Cを含む。レバー26Aは、例えば、前後方向及び左右方向の操作に応じて、アーム5(アームシリンダ8)及び上部旋回体3(旋回動作)のそれぞれに関する操作を受け付け可能に構成されてよい。レバー26Bは、例えば、前後方向及び左右方向の操作に応じて、ブーム4(ブームシリンダ7)及びバケット6(バケットシリンダ9)のそれぞれに関する操作を受け付け可能に構成されてよい。レバー26Cは、例えば、下部走行体1(クローラ)の操作を受け付け可能に構成されてよい。
なお、コントロールバルブ17が電磁パイロット式の制御弁(方向切換弁)で構成される場合、電気式の操作装置26の操作信号は、コントロールバルブ17に直接入力され、それぞれの油圧制御弁が操作装置26の操作内容に応じた動作を行う態様であってもよい。また、操作装置26は、操作内容に応じたパイロット圧を出力する油圧パイロット式であってもよい。この場合、操作内容に応じたパイロット圧は、コントロールバルブ17に供給される。
圧力制御弁31は、ショベルコントローラ30の制御下で、パイロットポンプ15からパイロットライン25を通じて供給される作動油を用いて、所定のパイロット圧を出力する。圧力制御弁31の二次側のパイロットラインは、コントロールバルブ17に接続され、圧力制御弁31から出力されるパイロット圧は、コントロールバルブ17に供給される。
<報知系>
本実施形態に係るショベル200の報知系は、通信装置91と、音声報知装置92と、光報知装置93と、を含む。報知装置90は、ショベルコントローラ30の制御下で、バッテリモジュール19から供給される電力で、ショベル200の周囲に報知を行う。
通信装置91は、ショベル200の周囲に存在する人が所有する携帯通信端末に、報知を行うために用いられる。携帯通信端末に対する報知手法は、どのような手法を用いてもよく、例えば、携帯通信端末にメッセージを送信してもよいし、携帯通信端末が音や振動するような制御信号を送信してもよい。
音声報知装置92は、ショベルコントローラ30の制御下で、バッテリモジュール19から供給される電力を用いて、ショベル200の周囲に音声を出力する。
また、音声報知装置92としては、例えば、スピーカ、又はブザー等の外部向けの音声出力装置を含んでもよい。出力される音声は、所定のパターンを繰り返す機械音(例えば、"ピー、ピー、ピー、…"と繰り返すビープ音や所定のメロディ)であってもよいし、周囲に注意喚起を促すための日本語等による音声メッセージ等あってもよい。
光報知装置93は、ショベルコントローラ30の制御下で、バッテリモジュール19から供給される電力を用いて、ショベル200の周囲に光を出力する。
また、光報知装置93としては、例えば、ショベルの周辺の作業者等に向けて点灯或いは点滅等する光源(灯火器)を含んでよい。また、光報知装置93は、ショベルの周辺の作業者等に向けて画像情報(文字情報や描画情報等)を提示する外部向けの表示装置を含んでもよい。
本実施形態においては、通信装置91、音声報知装置92、及び光報知装置93の3個の報知装置を備えた例について説明する。なお、報知装置の数は3個に制限するものではなく、2個、又は4個以上であってもよい。例えば、赤外線を用いた報知を行う報知装置を備えてもよい。
<制御系>
本実施形態に係るショベル200の制御系は、ショベルコントローラ30と、出力装置50と、入力装置52と、を含む。
出力装置50は、キャビン10内に設けられ、ショベルコントローラ30の制御下で、オペレータに向けて各種情報を出力する。出力装置50は、例えば、視覚的な方法で情報をオペレータに出力(通知)する表示装置を含む。表示装置は、例えば、キャビン10内のオペレータから視認し易い場所に設置され、ショベルコントローラ30の制御下で、各種情報画像を表示してよい。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイである。また、出力装置50は、例えば、オペレータに対して聴覚的な方法で情報を出力する音出力装置を含む。音出力装置は、例えば、ブザーやスピーカ等である。
入力装置52は、キャビン10内に設けられ、オペレータからの各種入力を受け付ける。入力装置52は、例えば、オペレータの操作入力を受け付ける操作入力装置を含んでよい。操作入力装置は、例えば、ボタン、トグル、レバー、タッチパネル、タッチパッド等を含む。また、入力装置52は、例えば、オペレータからの音声入力を受け付ける音声入力装置やオペレータからのジェスチャ入力を受け付けるジェスチャ入力装置を含んでもよい。音声入力装置は、例えば、キャビン10内のオペレータの音声を取得するマイクロフォンを含む。また、ジェスチャ入力装置は、例えば、キャビン10内のオペレータのジェスチャの様子を撮像可能な室内カメラを含む。入力装置52で受け付けられるオペレータからの入力に対応する信号は、ショベルコントローラ30に取り込まれる。
ショベルコントローラ30は、それぞれの機能が任意のハードウェア、或いは、任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。例えば、ショベルコントローラ30は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置(主記憶装置)、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性の補助記憶装置、及び外部との入出力用のインタフェース装置等を含むコンピュータを中心に構成されてよい。
ショベルコントローラ30は、ショベル200の駆動制御を行う。ショベルコントローラ30は、例えば、操作装置26から入力される操作信号に応じて、圧力制御弁31に制御指令を出力し、圧力制御弁31から操作装置26の操作内容に応じたパイロット圧を出力させる。これにより、ショベルコントローラ30は、電気式の操作装置26の操作内容に対応するショベル200の被駆動要素(油圧アクチュエータ)の動作を実現させることができる。
また、ショベル200が遠隔操作される場合、ショベルコントローラ30は、例えば、遠隔操作に関する制御を行ってもよい。具体的には、ショベルコントローラ30は、圧力制御弁31に制御指令を出力し、圧力制御弁31から遠隔操作の内容に応じたパイロット圧を出力させてよい。これにより、ショベルコントローラ30は、遠隔操作の内容に対応するショベル200(被駆動要素)の動作を実現させることができる。
また、ショベルコントローラ30は、例えば、自動運転機能に関する制御を行ってもよい。具体的には、ショベルコントローラ30は、圧力制御弁31に制御指令を出力し、自動運転機能に対応する操作指令に応じたパイロット圧を圧力制御弁31からコントロールバルブ17に作用させてよい。これにより、ショベルコントローラ30は、自動運転機能に対応するショベル200の被駆動要素(油圧アクチュエータ)の動作を実現させることができる。
ショベルコントローラ30は、ショベル200の全体(ショベル200に搭載される各種機器)の動作を統合的に制御してよい。
ショベルコントローラ30は、入力される各種情報(例えば、操作装置26の操作信号を含む制御指令等)に基づき、電気駆動系の駆動制御を行う。
また、ショベルコントローラ30は、例えば、操作装置26の操作状態に基づき、電力変換装置100を駆動し、電力変換装置100の昇圧運転と降圧運転、換言すれば、バッテリモジュール19の放電状態と充電状態との切替制御を行ってよい。また、ショベルコントローラ30は、例えば、ショベル200が遠隔操作される場合、遠隔操作の内容に基づき、電力変換装置100を駆動し、バッテリモジュール19の放電状態と充電状態との切替制御を行ってよい。また、ショベルコントローラ30は、例えば、ショベル200の自動運転機能が有効な場合、自動運転機能に対応する操作指令に基づき、電力変換装置100を駆動し、バッテリモジュール19の放電状態と充電状態との切替制御を行ってよい。
図2に図示されるショベルコントローラ30内の各機能ブロックは概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。各機能ブロックの全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。各機能ブロックにて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUにて実行されるプログラムにより実現される。または各機能ブロックをワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。図2に示すように、ショベルコントローラ30は、取得部302と、検出部303と、切替部304と、を備える。また、ショベルコントローラ30は、補助記憶装置に、周囲危険レベル301を保持する。
周囲危険レベル301とは、ショベル200の周囲に人が存在する可能性を示す情報(ショベル200の周囲の人に関する安全度合いの一例)として、ショベル200に搭乗するオペレータから入力された情報とする。本実施形態では、周囲危険レベル301として"低"又は"高"が設定される例について説明するが、3レベル以上設定可能としてもよい。
例えば、ショベル200が作業を行う作業現場に人が侵入する可能性が低かったり、作業現場で作業を行う人が少なかったり場合には周囲危険レベル301に"低"が設定される。そして、当該作業現場に人が侵入する可能性が高かったり、作業現場で作業を行う人が多かったりする場合には、周囲危険レベル301に"高"が設定される。
取得部302は、4個の空間認識装置80(前方認識センサ80F、後方認識センサ80B、左方認識センサ80L、及び、右方認識センサ80R)から、検知結果を示す情報を取得する。これによりショベルコントローラ30は、ショベル200の周囲の状況を認識できる。
検出部303は、4個の空間認識装置80から検知結果を示す情報に基づいて、ショベル200の周囲の人の安全度合いに関する検出を行う。
例えば、検出部303は、空間認識装置80の検出結果を示す情報に基づいて、ショベル200の周囲に人が存在するか否かを検出してもよい。つまり、ショベル200の周囲に人を検出した場合には、安全度合いは低くなり、ショベル200の周囲に人を検出できない場合には、安全度合いは高くなる。
具体的には、ショベルコントローラ30は、空間認識装置80の検出結果を示す情報として取得した、撮像画像に基づき、ショベル200(上部旋回体3)の周囲の人を検出する。
例えば、検出部303は、既知の各種画像処理手法や人工知能(AI:Artificial Intelligence)等を含む機械学習ベースの識別器等を任意に適用することにより 、 撮像画像に写っている人を認識する。
また、検出部303は、空間認識装置80に関する検出結果として、検出された人とショベル200の間の距離、検出された人の位置とショベル200の進行方向との関係、及び、検出された人の位置とショベル200の動作方向の関係のうちいずれか一つ以上を考慮した検知エリアに、人が存在するか否かの検出結果を得てもよい。
ショベル200と人との間の距離について説明する。例えば、検出部303は、ショベル200から見た水平方向(以下、単に「水平方向」)、つまり、ショベル200が作業している(下部走行体1が接地している)平面(以下、便宜的に「作業平面」)において、ショベル200が存在する位置を基準とした任意の方向に延在する検知エリアにおいて、人が存在するか否かを検出してもよい。具体的には、検出部303は、ショベル200(上部旋回体3)が存在する位置からの水平方向において、所定距離Dth1(例えば、5メートル)以内の検知エリア内で、人が存在するか否かを検出することが考えられる。
例えば、空間認識装置80が単眼の撮像装置の場合でも、検出部303は、既知の各種手法を適用することにより、空間認識装置80の撮像画像に写っている人が存在する位置を判定(推定)できる。
例えば、検出部303は、検出された人の撮像画像上における大きさ(例えば、撮像画像上の高さ方向の大きさ)に基づき、ショベル200から見た水平方向の位置(以下、「水平位置」)を推定する。検出された人の撮像画像上における大きさは、人がショベル200から離れるほど小さくなる相関関係がある。具体的には、人には、想定される大きさの範囲(例えば、想定される人の身長の範囲)があるため、想定された大きさの範囲に含まれる当該人のショベル200から見た水平位置と、撮像画像上での大きさとの相関関係が予め規定されうる。そのため、検出部303は、例えば、ショベルコントローラ30の補助記憶装置等の内部メモリに予め格納される、撮像画像上の人の大きさとショベル200から見た水平位置との相関関係を表すマップや変換式等に基づき、認識された人の実在位置(ショベル200からの水平位置)を推定できる。
また、例えば、検出部303は、人がショベル200(具体的には、下部走行体1)と同じ平面上に存在する前提の下、撮像画像を当該平面上への射影変換(ホモグラフィ)等によって、人の実在位置(例えば、足元位置)を推定してもよい。
これにより検出部303は、推定された人の実在位置に基づいて、検知エリア内に人が存在するか否かを検出できる。
本実施形態では、検知エリア内に人が存在するか否かを、撮像画像に基づいて、ショベル200(上部旋回体3)の周囲の人を検出する手法について説明する。なお、本実施形態は、ショベル200(上部旋回体3)の周囲の検知エリア内に人が存在するか否かを検出する手法を、撮像画像を用いた人の検知手法に制限するものではなく、周知の手法を問わず、どのような手法を用いてもよい。例えば、空間認識装置80以外のセンサ(例えば測距センサや温度センサ)などを用いて人を検出する手法を用いてもよい。
ショベル200の進行方向と人の位置との関係について説明する。検出部303は、下部走行体1が直進する場合、当該直進に従って下部走行体1及び上部旋回体3が移動すると予測される空間を検知エリアとする。検知エリアの位置座標等を特定する手法は、周知の手法を問わず、どのような手法を用いてもよい。そして、検出部303は、当該検知エリア内において、人が存在するか否かを検出する。なお、当該検知エリアは、上部旋回体3の旋回角度に応じて変化する。つまり、上部旋回体3に設けられたブーム4、アーム5、及びバケット6の存在する位置は、旋回角度に応じて変化する。したがって、検出部303は、ショベル200の直進中に、上部旋回体3の旋回角度に応じたブーム4、アーム5、及びバケット6が存在すると推定される空間も、検知エリアに含むようにした上で、当該検知エリア内の人を検出する。
人の位置とショベル200の動作方向との関係について説明する。検出部303は、オペレータから上部旋回体3の旋回操作を受け付けた場合に、当該旋回操作に従って、ブーム4、アーム5、及びバケット6を含む上部旋回体3が移動すると予測される空間を、検知エリアに含める。そして、検出部303は、当該検知エリア内において、人が存在するか否かを検出する。また、動作方向は、旋回方向に制限するものではなく、例えば、ショベル200で掘削作業を行う際のバケット6等の移動方向を含めてもよい。
切替部304は、周囲の人に関する安全度合いに応じて、報知装置90を用いた報知の設定を切り替える。
本実施形態においては、周囲の人に関する安全度合いの一例として、補助記憶装置に記憶された周囲危険レベル301、及び検出部303による検出結果を用いた例について説明する。なお、本実施形態は、周囲の人に関する安全度合いを、周囲危険レベル301、及び検出部303の検出結果を適用する例に制限するものではなく、周囲危険レベル301、及び検出部303による検出結果のうちいずれか一方のみを用いてもよいし、ショベル200の周囲の安全度合いを認識可能な他の情報を用いてもよい。
具体的な例としては、切替部304は、周囲危険レベル301に"高"が設定された場合には、常に報知する設定を、報知装置90に対して行う。一方、切替部304は、周囲危険レベル301に"低"が設定された場合には、空間認識装置80の検出結果に応じて、報知装置90の報知の設定を切り替える。つまり、周囲危険レベル301に"高"が設定されている場合には、ショベル200の周辺に作業者や侵入者などが存在する可能性が高いので、常に報知を行う。周囲危険レベル301に"低"が設定されている場合には、ショベル200のみで作業を行っているなどの理由によって、ショベル200の周辺に人が存在しない可能性が高いので、人の検知結果に応じて報知のオン・オフを設定する。
さらに、切替部304は、空間認識装置80による人の検知機能を停止したか否か(周囲の安全度合いの一例)、又は、ショベル200が存在する環境の変化によって空間認識装置80(検知装置の一例)の検出能力が変化したか否か(周囲の安全度合いの一例)に応じて、報知の設定の切り替えを行ってもよい。
切替部34による報知の設定の切り替えとしては、様々な態様が含まれる。例えば、切替部304は、上述したような、検知結果に応じた報知のオン・オフを行う設定と、常に報知を行う設定と、を切り替えてもよい。
報知の設定の切り替えの他の例としては、切替部304は、報知装置90を用いた報知の態様を異ならせるよう設定を切り替える。例えば、切替部304は、報知の態様を異ならせるような設定の切り替えとして、通信装置91、音声報知装置92、及び光報知装置93のうち、報知の用いる報知装置90の数を切り替えてもよい。さらに、切替部304は、音声報知装置92から出力される音声の音量、及び音声の種類等のうちいずれか一つ以上を切り替えてもよい(出力する音声の切り替えの一例)。さらに、切替部304は、光報知装置93から出力される光の光量、光の色又は輝度、及び表示装置に出力されるメッセージの種類等のうちいずれか一つ以上を切り替えてもよい(出力する光の切り替えの一例)。さらに、切替部304は、通信装置91から携帯通信端末に送信される制御信号を切り替えてもよい。制御信号が切り替えられることで、ショベル200の周囲に存在する人が所有する携帯通信端末による振動、及び音声のうちいずれか一つ以上による報知手法が切り替えられる。
さらに、切替部304は、報知の用いる報知装置90の数の切り替え、音声報知装置92から出力される音量及び音声の種類等の切り替え、光報知装置93から出力される光量等の切り替え、及び通信装置91から送信される制御信号の切り替えのうち、複数の組み合わせによる切り替えを行ってもよい。このように、周囲の人に関する安全度合いに応じて報知の態様を異ならせることで、安全性を向上できる。
例えば、切替部304は、報知を行う際に、状況に応じて、通信装置91、音声報知装置92、及び光報知装置93のうちいずれを用いるのか設定してもよい。具体的な例としては、ショベル200の周囲に存在する人の数が所定の閾値以上検出された場合に、切替部304は、報知装置90の数を増加させる設定を行う。
他の例としては、切替部304は、空間認識装置80によるショベル200の周囲からの人の検知機能を停止した際、検知結果に応じて報知のオン・オフ制御が行われていた場合、常に報知装置90による報知を行うように設定してもよい。同様に、ショベルコントローラ30は、空間認識装置80(検知装置の一例)の検出能力が低下した際、検知結果に応じて報知のオン・オフ制御が行われていた場合、常に報知装置90による報知を行うように設定してもよい。当該制御によって、空間認識装置80による人を検知することが難しい状況では、常に報知を行うように設定することで、安全性を向上させることができる。
上述した空間認識装置80(検知装置の一例)の検出能力の変化するような、ショベル200の環境としては、例えば、天候(例えば霧)や、夜間、逆光状態などが考えられる。このように、暗すぎるために撮像画像を用いた人の検出が難しい場合や、光量が過剰なため人の検出が難しい場合には、切替部304は、報知装置90の報知の設定を切り替える。例えば、切替部304は、空間認識装置80からの信号に基づいて、上記の環境であることを認識した際、検知結果に応じた報知のオン・オフ制御が行われていた場合、常に報知装置90による報知を行うように設定してもよい。また、切替部304は、報知を行う報知装置90の数を増加させる設定を行ってもよい。また、夜間の場合には、切替部304は、音声報知装置92による音声の報知を抑制し、光報知装置93による光の報知のみ行うように設定してもよい。これにより、周囲の住民に迷惑をかけることを抑制できる。
他の例としては、切替部304は、空間認識装置80からの信号によって、空間認識装置80の異常を検知した際、検知結果に応じて報知のオン・オフ制御が行われていた場合、常に報知装置90による報知を行うように設定してもよい。
他の例としては、検出部303が検知エリアに人が存在していることを検出した場合、切替部304は、通信装置91を用いて、検知エリアに存在する人が所有する通信端末にメッセージや制御信号を送信するように設定してもよい。
なお、切替部304は、ショベル200の周囲の状況等に応じた報知の設定の切り替えに制限するものではなく、ショベル200の状況に応じた報知の設定の切り替えを行ってもよい。例えば、切替部304は、バッテリモジュール19内のバッテリのSOC(充電率)に応じて報知装置を用いた報知の設定を切り替えてもよい。
<ショベルコントローラにおける処理の流れ>
次に、本実施形態に係るショベルコントローラ30における周囲危険レベル301の設定を行うまでの処理手順について説明する。図3は、本実施形態に係るショベルコントローラ30における周囲危険レベル301の設定を行うまでのフローチャートである。
図3に示されるように、ショベルコントローラ30は、出力装置50(表示装置)に、周囲危険レベル301の設定するための設定画面を表示する(S301)。設定画面は、周囲危険レベル301を選択可能(例えば"低"又は"高"が選択可能)な選択ボックスを表示してもよい。
そして、ショベルコントローラ30は、入力装置52を介して、ショベル200を操作するオペレータ(ユーザの一例)からの、周囲危険レベル301の入力を受け付ける(S302)。
ショベルコントローラ30は、入力を受け付けた周囲危険レベル301を、補助記憶装置を保存する(S303)。これにより、ショベルコントローラ30は、周囲危険レベル301に基づいた、報知装置90による報知の設定を切り替えることができる。
次に、本実施形態に係るショベルコントローラ30における、ショベル200の周囲に報知するための処理手順について説明する。図4は、本実施形態に係るショベルコントローラ30における、ショベル200の周囲に報知するための処理手順を示したフローチャートである。図4に示される例では、ショベルコントローラ30は、所定の時間(例えば1秒)毎に当該処理手順を実行する。
まず、ショベルコントローラ30は、ショベル200が作業可能状態であるか否かを判定する(S401)。作業可能状態であるか否かとしては、イグニッションがオン状態であり、且つゲートロックレバーがロック解除状態の場合に、作業開始状態と判定する。ショベルコントローラ30は、作業可能状態ではないと判定した場合(S401:No)、処理を終了する。
次に、ショベルコントローラ30の切替部304は、周囲危険レベル301に"高"が設定されているか否かを判定する(S402)。切替部304は、周囲危険レベル301に"高"が設定されていると判定した場合(S402)、周囲に報知要と判定し、音及び光で報知するよう設定を行い、処理を終了する(S403)。これにより、ショベル200では、音声報知装置92、及び光報知装置93を用いた報知制御が行われる。
一方、切替部304は、周囲危険レベル301に"高"が設定されていない("低"が設定されている)と判定した場合(S402:Yes)、取得部302が、空間認識装置80から撮像画像を取得する(S404)。
そして、検出部303が、撮像画像に写っている人と、当該人が存在する位置と、を検出する(S405)。
その後、検出部303は、検知エリア内に人が存在するか否かを判定する(S406)。なお、検知エリアは上述した例と同様のため説明を省略する。
検出部303は、検知エリア内に人が存在しないと判定した場合(S406:No)、周囲に報知不要と判定し、切替部304が、報知を行わない設定を行い、処理を終了する(S407)。
このように本実施形態においては、検知エリア内に人が存在しないなど、安全度合いが所定の基準を満たしている場合には、切替部304が、報知装置90を用いた報知を抑制するような設定を行う。これにより、安全性を確保しつつ、バッテリモジュール19の電力の消費量を低減できる。なお、所定の基準は、検知エリア内に人が存在しないことを検出した場合に制限するものではなく、例えば、空間認識装置80が人を検知しなかった場合など、ショベル200の周囲が安全であることを確認できる基準であればよい。
検出部303は、検知エリア内に人が存在すると判定した場合(S406:Yes)、切替部304は、バッテリモジュール19内のバッテリのSOCが所定値(例えば20%)より多いか否かを判定する(S408)。
切替部304は、SOCが所定値(例えば20%)より多いと判定した場合(S408:Yes)、周囲に報知要と判定し、音及び光で報知するよう設定を行い、処理を終了する(S409)。これにより、ショベル200では、音声報知装置92、及び光報知装置93を用いた報知制御が行われる。
一方、切替部304は、SOCが所定値(例えば20%)より以下と判定した場合(S408:No)、周囲に報知不要と判定し、音のみで報知するよう設定を行い、処理を終了する(S410)。これにより、ショベル200では、音声報知装置92のみ用いた報知制御が行われる。当該報知制御によって、光報知装置93の使用が抑制されるので、バッテリモジュール19内のバッテリの消費を低減できる。
本実施形態に係るショベルコントローラ30は、上述した処理を行うことで、ショベル200の周囲の人の安全度合いに応じた、報知の設定の切り替えを行うことができる。なお、図4で示される処理手順は、報知の設定の切り替えの一例を示したものであって、当該手順に制限されるものではなく、様々な手法を用いてもよい。
<変形例>
上述した実施形態では、報知に用いる報知装置90の数の切り替えを、SOCが所定値のより大きいか否かに応じて切り替える例について説明した。しかしながら、上述した実施形態は、SOCに基づいた報知装置90の数の切り替えに制限するものではない。
例えば、検出部303が、空間認識装置80の撮像画像に写っている人を検出した場合において、切替部304は、検出された人の位置や検出された人の数に応じて、報知に用いる報知装置90の数を切り替えるように設定してもよい。例えば、撮像画像から人を検出したが、検出エリア内に当該人が存在しない場合に、切替部304は、音声報知装置92のみ用いた報知を行うよう設定し、撮像画像から人を検出し且つ検出エリア内に当該人が存在する場合に、切替部304は、音声報知装置92及び光報知装置93を用いた報知を行うように設定してもよい。
<作用>
上述した実施形態及び変形例においては、周囲の人に関する安全度合いに応じて、報知装置90を用いた報知の設定を切り替えることで、周囲に存在する人に応じた報知態様になるので、安全性の向上を図ることができる。
上述した実施形態及び変形例においては、周囲の人に関する安全度合いが低い場合、例えば、ショベル200の周囲に人が存在しない場合に、報知装置90による報知が抑制されるので、バッテリ消費の低減を図ることができる。これにより省エネルギー性の向上を図ることができる。さらには、一回の充電当たりのショベル200の作業時間を長くできるので、作業効率の向上を図ることができる。
上述した実施形態及び変形例においては、オペレータ(ユーザの一例)から入力された周囲危険レベル301に応じて、報知装置90を用いた報知の設定を切り替える。これにより、オペレータが認識している周囲の状況に応じた報知態様になるので、安全性の向上を図ることができる。
上述した実施形態及び変形例においては、ショベル200が電動式のため、エンジン式のように駆動音が大きくない場合であっても、周囲の状況に応じた報知が行われるので、周囲の人に当該ショベル200が動作していることを認識させることができるので、安全性の向上を図ることができる。
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
200 ショベル
1 下部走行体
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
10 キャビン
19 バッテリモジュール
30 ショベルコントローラ
301 周囲危険レベル
302 取得部
303 検出部
34 切替部
50 出力装置
52 入力装置
80 空間認識装置
90 報知装置
91 通信装置
92 音声報知装置
93 光報知装置

Claims (8)

  1. バッテリと、
    前記バッテリから供給される電力で、当該電動ショベルの周囲に報知を行う報知装置と、を有し、
    当該周囲の人に関する安全度合いに応じて、前記報知装置を用いた報知の設定を切り替えるように構成されている、
    電動ショベル。
  2. 前記安全度合いが所定の基準を満たしている場合には、前記報知装置を用いた報知を抑制するように設定を切り替える、
    請求項1に記載の電動ショベル。
  3. 前記安全度合いに応じて、前記報知装置を用いた報知の態様を異ならせるよう設定を切り替える、
    請求項1に記載の電動ショベル。
  4. 前記報知装置は、音を出力する音声報知装置、光を出力する光報知装置、及び、前記周囲の人が所有する装置に報知させる制御信号を送信する通信装置、のうち少なくとも一つ以上であり、
    前記報知の態様の切り替えとして、前記音声報知装置、前記光報知装置及び前記通信装置のうち報知に用いる装置の数の切り替え、前記音声報知装置が出力する音声の切り替え、前記光報知装置が出力する光の切り替え、並びに、前記通信装置が送信する制御信号の切り替え、のうちいずれか一つ以上を行うように構成されている、
    請求項3に記載の電動ショベル。
  5. 前記安全度合いは、検知装置によって前記電動ショベルの前記周囲から人が検知されたか否か、当該検知装置によって検知された人と前記電動ショベルと間の距離、当該検知装置によって検知された人の位置と前記電動ショベルの進行方向との関係、及び、当該検知装置によって検知された人の位置と操作に基づいた前記電動ショベルの動作方向との関係のうち、少なくとも一つに応じて定められている、
    請求項1乃至4のいずれか一つに記載の電動ショベル。
  6. 前記安全度合いは、前記検知装置による前記電動ショベルの前記周囲からの人の検知機能を停止したか否か、又は、前記電動ショベルの環境による前記検知装置の検出能力が変化したか否かに応じて定められる、
    請求項5に記載の電動ショベル。
  7. 前記安全度合いは、前記電動ショベルを操作するユーザにより入力された情報に応じて定められる、
    請求項1乃至6のいずれか一つに記載の電動ショベル。
  8. 前記安全度合いと共に、前記バッテリの充電率に応じて、前記報知装置を用いた前記報知の設定を切り替えるように構成されている、
    請求項1乃至7のいずれか一つに記載の電動ショベル。
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