JP2023110448A - 負荷抵抗発生装置および負荷抵抗制御方法 - Google Patents

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JP2023110448A JP2022011908A JP2022011908A JP2023110448A JP 2023110448 A JP2023110448 A JP 2023110448A JP 2022011908 A JP2022011908 A JP 2022011908A JP 2022011908 A JP2022011908 A JP 2022011908A JP 2023110448 A JP2023110448 A JP 2023110448A
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繁樹 吉武
Shigeki YOSHITAKE
哲弥 野口
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Abstract

【課題】仮想現実における坂道の勾配変化などの環境条件や、利用者のニーズに合わせて適切な負荷変動を再現可能にする負荷抵抗発生装置および負荷抵抗制御方法を提供する。【解決手段】トレーニング機器10の回転自在に支持された可動部の回転に対してMR流体負荷機構62を用いて所望の負荷抵抗を付与する。負荷目標値生成部47及びピーク位置調整部45を備える。負荷目標値生成部47は、発生する負荷抵抗の大きさに前記可動部の回転角度変化に対して周期的変化を発生すると共に、少なくとも1つの負荷抵抗ピーク位置を前記周期的変化に形成する。ピーク位置調整部45は、負荷抵抗ピーク位置の回転角度を、仮想現実表示システム31が再現する坂道の勾配の状態や、利用者の体調、利用者の操作入力、回転速度などを反映して変更する。基準パターンの変動波形(SG3)を回転角度の前方側の方向にシフトしてピーク位置をずらす。【選択図】図1

Description

本発明は、負荷抵抗発生装置および負荷抵抗制御方法に関する。
例えばスポーツのためのトレーニング施設や、医療機関等におけるリハビリテーションの分野においては、従来より自転車の構造を模擬した形態のトレーニング機器が一般的に採用されている。
例えば特許文献1のペダル式回動運動装置は、筋力によって抵抗に抗してペダルを回動させることによって人に運動効果を与えることができる。また、特許文献1はペダル6及び7の1回動中における踏下げ力を略一定として目標のクランク軸トルクに滑らかに漸近させるための技術を開示している。
また、特許文献2の運動療法装置は、リハビリテーションにおける運動負荷強度に一定の目標を設定するための技術を開示している。具体的には、ペダルを有するペダル軸プーリーは無端ベルトを介して負荷側プーリーに連結され、この負荷側プーリーには負荷モータが結合され、この負荷モータの反負荷側にはプーリーに対するペダルの回転角度をモニタする位置検出器が接続され、この位置検出器には当該位置検出器の検出出力を微分計算して速度情報を出力する位置検出回路が接続されている。負荷モータには負荷量を制御する負荷制御装置が接続され、この負荷制御装置には上記位置検出回路からの速度情報が一定の設定値になるように当該負荷制御装置に負荷指令を送るコンピュータが接続されている。運動者の筋力値はペダルの回転角度ごとに測定され、ペダルに与える運動負荷等が設定される。
また、特許文献3の振動発生装置は、モータなどの特別なアクチュエータを必要とすることなく、所望の振動を発生するための技術を開示している。具体的には、可動部材と固定部材との間の空間に充填されたMR流体のような機能性流体を利用して摺動抵抗を発生することを示している。また、摺動抵抗に振動を発生させる振動発生部を備える。人間の老化による骨密度低下防止など、様々な用途で振動を利用できる。
特開2000-325496号公報 特開2001-276275号公報 特開2019-76376号公報
ところで、近年ではトレーニングやリハビリテーションの分野においても、公知のVR(Virtual Reality:仮想現実)などの技術を採用し、より現実に近い環境でトレーニング機器を利用可能にすることが望まれている。
例えば、人間が一般的な自転車を漕いで実際に道路を走行している時に視認可能な時々刻々と変化する前方の風景と同等の映像を、仮想空間を表現する画面上にコンピュータで制御しながら再現し表示することが可能である。これにより、実際には移動しないトレーニング機器のペダルを利用者が漕ぐだけで、通常の自転車を漕いで実際に走行する場合と同じような感覚を利用者に与えることができ、リアリティの演出ができる。このような演出は、トレーニングを行う利用者を飽きさせないために非常に効果的である。
一方、利用者がトレーニング機器を使用する場合には、利用者が仮想空間で視認可能な風景等の映像だけでなく、利用者の筋肉に実際に加わる負荷トルクの大きさについてもより現実的であることが望まれる場合がある。
例えば、通常の自転車で走行する場合に人間の筋肉に加わる負荷トルクの大きさは、平地走行、上り坂、下り坂、坂道の傾斜の違い等の走行環境に応じて大きく変化する。特に、ペダルを漕ぐ力に対して負荷が最大になる状況は、ペダルの回転角度の違いと大きな相関があることが判明している。また、負荷が最大になる状態のペダルの回転角度は、平地走行、上り坂、下り坂、坂道の勾配の違い等の走行環境に応じて変化する。
また、トレーニング機器の利用者がペダルを漕ぐ際に感じる負荷変動の好ましいフィーリングについては、個人差や好みの影響により一定ではない可能性がある。特に、筋肉の付き方には大きな個人差があるので、利用者毎に負荷変動の好ましいフィーリングが異なることが想定される。また、様々なスポーツ、あるいはリハビリテーションのためのトレーニングを行うような用途では、利用者毎に部分的に鍛えたい筋肉の部位が異なるため、それぞれ異なる固有のフィーリングの負荷変動を利用者が希望する可能性がある。
しかしながら、例えば特許文献1の技術では負荷が最大になる回転角度が90度、270度のみに固定されている(例えば図6)ので、負荷の大きさの調整は可能であるがペダルの回転角度毎に利用者が感じる負荷のフィーリングを適正に調整することができない。また、特許文献2の図3に示された動作においては、測定した回転角度毎の筋力値に基づいて疾患の有無を判定し、その結果を負荷の設定に反映することができるが、例えば上り坂の勾配などの環境変化に合わせて適切な負荷変動を再現することはできない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、仮想現実における坂道の勾配変化などの環境条件や、利用者のニーズに合わせて適切な負荷変動を再現することが容易な負荷抵抗発生装置および負荷抵抗制御方法を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 回転自在に支持された所定の可動部の回転に対して所望の負荷抵抗を付与する負荷抵抗発生部を有する負荷抵抗発生装置であって、
前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の大きさに前記可動部の回転角度変化に対して周期的変化を発生すると共に、少なくとも1つの負荷抵抗ピーク位置を前記周期的変化に形成する制御目標値生成部と、
前記負荷抵抗ピーク位置の回転角度を所定の入力条件の変化に応じて可変にするピーク位置調整部と、
を備える負荷抵抗発生装置。
(2) 前記ピーク位置調整部は、前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の影響を受ける特定ユーザの体調を検出する体調センサ、前記特定ユーザが操作可能な操作部、前記特定ユーザが置かれた実空間もしくは仮想空間における状態、及び前記可動部の回転速度の少なくとも1つの変化に応じて前記負荷抵抗ピーク位置の回転角度を変更する、
上記(1)に記載の負荷抵抗発生装置。
(3) 前記可動部は、前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗を利用して身体のトレーニング又はリハビリテーションを行うユーザが使用する所定のトレーニング機器に連結されている、
上記(1)又は(2)に記載の負荷抵抗発生装置。
(4) 前記制御目標値生成部は、前記可動部の1回転の中に、複数の前記負荷抵抗ピーク位置が現れるように前記周期的変化のパターンを形成する、
上記(1)から(3)のいずれかに記載の負荷抵抗発生装置。
(5) 前記負荷抵抗ピーク位置で前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の大きさを、前記可動部の回転方向の違い、又は前記可動部の回転速度の違いに応じて変更する負荷抵抗調整部、を備える、
上記(1)から(4)のいずれかに記載の負荷抵抗発生装置。
(6) 回転自在に支持された所定の可動部の回転に対して所望の負荷抵抗を付与する負荷抵抗発生部を制御するための負荷抵抗制御方法であって、
前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の制御目標値に前記可動部の回転角度変化に対して周期的変化を発生すると共に、少なくとも1つの負荷抵抗ピーク位置を前記周期的変化に形成し、
所定の入力条件の変化を検出し、その変化を前記負荷抵抗ピーク位置の回転角度の変化に反映する、
負荷抵抗制御方法。
(7) 前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の影響を受ける特定ユーザの体調を検出する体調センサ、前記特定ユーザが操作可能な操作部、前記特定ユーザが置かれた実空間もしくは仮想空間における状態、及び前記可動部の回転速度の少なくとも1つの変化に応じて前記負荷抵抗ピーク位置の回転角度を変更する、
上記(6)に記載の負荷抵抗制御方法。
(8) 前記可動部は、前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗を利用して身体のトレーニング又はリハビリテーションを行うユーザが使用する所定のトレーニング機器に連結されている、
上記(6)又は(7)に記載の負荷抵抗制御方法。
(9) 前記可動部の1回転の中に、複数の前記負荷抵抗ピーク位置が現れるように前記周期的変化のパターンを形成する、
上記(6)から(8)のいずれかに記載の負荷抵抗制御方法。
(10) 前記負荷抵抗ピーク位置で前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の大きさを、前記可動部の回転方向の違い、又は前記可動部の回転速度の違いに応じて変更する、
上記(6)から(9)のいずれかに記載の負荷抵抗制御方法。
上記(1)の構成の負荷抵抗発生装置によれば、可動部を足などで操作して回転させるユーザに加わる負荷変動の負荷抵抗ピーク位置の回転角度を入力条件の変化に合わせて移動することができる。したがって、例えば坂道を自転車で走行する状況を模擬した仮想現実空間を再現しようとする場合に、現実空間における勾配の違いや上り坂、下り坂の違いなどの影響で発生する負荷変動の負荷抵抗ピーク位置の移動を容易に再現可能になる。また、ユーザ毎の体調、鍛えたい筋肉の部位、希望するフィーリングなどの個人差に適合するように、負荷抵抗ピーク位置を適切に変更することが容易になる。
上記(2)の構成の負荷抵抗発生装置によれば、可動部を実際に足などで操作して回転させるそれぞれのユーザについて、必要とされる適切な負荷変動パターンを容易に再現できる。すなわち、体調センサにより検出される各ユーザの体調(例えば、心拍数、血圧、体温など)の変化、各ユーザが希望する負荷フィーリングの変化、坂道などの走行環境の変化、回転速度などトレーニング状態の変化に合わせて、適切な負荷変動パターンを再現できる。
上記(3)の構成の負荷抵抗発生装置によれば、身体のトレーニング又はリハビリテーションを行う様々なユーザがトレーニング機器を使用する際に、それぞれのユーザが必要とする適切な負荷変動パターンを容易に再現できる。
上記(4)の構成の負荷抵抗発生装置によれば、例えば自転車のペダルを漕ぐ場合と同じように、ユーザが左右の足で可動部を回転させる場合に、左右の足のそれぞれについて、最適な回転角度の位置で負荷が最大になる状況を容易に再現できる。
上記(5)の構成の負荷抵抗発生装置によれば、トレーニング環境の変化に合わせてより適切な負荷変動を再現することが容易になる。すなわち、鍛えるべき筋肉の部位の変化に合わせて可動部の回転方向が変化した場合や、鍛えるべき筋肉の動く早さに合わせて回転速度が変化した場合に、より適切な大きさの負荷を生成できる。
上記(6)の構成の負荷抵抗制御方法によれば、可動部を足などで操作して回転させるユーザに加わる負荷変動の負荷抵抗ピーク位置の回転角度を入力条件の変化に合わせて移動することができる。したがって、例えば坂道を自転車で走行する状況を模擬した仮想現実空間を再現しようとする場合に、現実空間における勾配の違いや上り坂、下り坂の違いなどの影響で発生する負荷変動の負荷抵抗ピーク位置の移動を容易に再現可能になる。また、ユーザ毎の体調、鍛えたい筋肉の部位、希望するフィーリングなどの個人差に適合するように、負荷抵ピーク位置を適切に変更することが容易になる。
上記(7)の構成の負荷抵抗制御方法によれば、可動部を実際に足などで操作して回転させるそれぞれのユーザについて、必要とされる適切な負荷変動パターンを容易に再現できる。すなわち、体調センサにより検出される各ユーザの体調(例えば、心拍数、血圧、体温など)の変化、各ユーザが希望する負荷フィーリングの変化、坂道などの走行環境の変化、回転速度などトレーニング状態の変化に合わせて、適切な負荷変動パターンを再現できる。
上記(8)の構成の負荷抵抗制御方法によれば、身体のトレーニング又はリハビリテーションを行う様々なユーザがトレーニング機器を使用する際に、それぞれのユーザが必要とする適切な負荷変動パターンを容易に再現できる。
上記(9)の構成の負荷抵抗制御方法によれば、例えば自転車のペダルを漕ぐ場合と同じように、ユーザが左右の足で可動部を回転させる場合に、左右の足のそれぞれについて、最適な回転角度の位置で負荷が最大になる状況を容易に再現できる。
上記(10)の構成の負荷抵抗制御方法によれば、トレーニング環境の変化に合わせてより適切な負荷変動を再現することが容易になる。すなわち、鍛えるべき筋肉の部位の変化に合わせて可動部の回転方向が変化した場合や、鍛えるべき筋肉の動く早さに合わせて回転速度が変化した場合に、より適切な大きさの負荷を生成できる。
本発明の負荷抵抗発生装置および負荷抵抗制御方法によれば、例えば仮想現実における坂道の勾配変化などの環境条件や、利用者のニーズなどに合わせて適切な負荷変動を再現することが容易になる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態における負荷抵抗発生装置を含むトレーニングシステムの構成例を示すブロック図である。 図2は、ペダルの回転角度と補正係数との対応関係の例を示す模式図である。 図3は、複数種類の補正係数変化パターンを示す模式図である。 図4(a)及び図4(b)は、それぞれ補正がない場合及び補正がある場合の動作例を示すタイムチャートである。 図5は、実験結果のデータ例を示す模式図である。 図6は、トレーニング機器の使用例を示す斜視図である。 図7は、トレーニング機器の具体的なMR流体負荷機構の構造を断面の部位について示す斜視図である。 図8は、図7の一部分を示す拡大図である。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<システム全体の構成>
本発明の実施形態における負荷抵抗発生装置を含むトレーニングシステム100の構成例を図1に示す。
図1に示したトレーニングシステム100は、例えばスポーツや健康促進のために体の筋肉を鍛えたい人や、リハビリテーションのために体の特定の部位を動かしたい患者などが回転を伴う運動を行うための動作を支援するために利用できる。
図1に示したトレーニングシステム100は、トレーニング機器10と、負荷制御ユニット40と、仮想現実表示システム31とを備えている。
トレーニング機器10は、例えばフィットネスバイクなどと呼ばれる機器のように、回転可能に支持された一対のペダルを有し、このペダルを利用者の両足で漕いで回転させることにより、下肢の筋肉等に負荷のかかる運動を可能にするものである。
図1に示したトレーニング機器10は、ペダル付き操作部61、MR流体負荷機構62、ドライバ回路63、及び回転角度センサ64を有している。
ペダル付き操作部61は、所定の回転軸に支持されて回転運動が可能な一対のペダルを有している。トレーニング機器10の利用者はペダル付き操作部61のペダルを自分の足で踏むことでペダルを漕ぎ、回転運動を行うことができる。勿論、足の代わりに手を使って操作するようなトレーニング機器であっても良い。
MR流体負荷機構62は、MR流体(Magneto Rheological Fluid)を利用した負荷機構であり、ペダル付き操作部61のペダルを支持する回転軸の回転に対して負荷を加えることができる。また、MR流体負荷機構62は電気的な制御により、制動力の大きさや負荷のオンオフを制御することが可能である。MR流体負荷機構62が発生する制動力により、利用者の筋肉等に加わる負荷を調整することができる。
ドライバ回路63は、負荷制御ユニット40から入力される目標値に従い、MR流体負荷機構62を駆動することができる。
回転角度センサ64は、ペダル付き操作部61のペダルを支持する回転軸の回転位置の角度を検出し、その角度を表す回転角度信号SG1を出力することができる。
一方、仮想現実表示システム31は、公知の仮想現実の技術を利用して、運動に適した仮想現実空間を再現するものである。具体的には、様々な場所の道路上を利用者が自転車で移動する場合に視認可能な前方の風景などの変化する映像を、計算処理の結果を反映して時々刻々とその都度生成してディスプレイ32の画面上に表示することができる。
例えば、トレーニング機器10のペダル操作による回転動作に対応して、仮想的な走行により移動した距離を計算して利用者の現在位置の変化に反映し、表示する画像の位置を移動することができる。
ディスプレイ32はトレーニング機器10の利用者の前方に配置される。したがって、利用者は実際に自転車を漕いで道路上を走行している時に見える風景と同じような状況を、前方のディスプレイ32に表示される仮想的な変化する映像により視認しながらトレーニングを継続することができる。これにより、周囲の風景が変化しないトレーニング室内でトレーニング機器10を使用する通常の状態と比べて、利用者に飽きやすさが生じにくい好ましいトレーニング環境を実現できる。
VR操作部33は、仮想現実表示システム31が再現するVR環境を変更するために利用者等が操作することができる。例えば、仮想現実表示システム31が再現する道路の様々な地域の選択や、坂道、平坦路、周囲の天候などの様々な種類のシーンの選択について、利用者はVR操作部33の操作により仮想現実表示システム31に指示を与えることができる。
一方、負荷制御ユニット40はトレーニング機器10のMR流体負荷機構62が発生する負荷抵抗を制御するための機能を備えている。図1に示した負荷制御ユニット40は、走行環境検出部41、心拍数センサ42、血圧センサ43、負荷操作部44、ピーク位置調整部45、基準パターンデータ保持部46、負荷目標値生成部47、回転状態検出部48、及びピーク強度調整部49を備えている。
走行環境検出部41は、仮想現実表示システム31が出力するVR状態信号SG8に基づいて仮想現実表示システム31が再現している現在のトレーニング機器10の仮想走行環境を把握する。例えば、トレーニング機器10が走行中の道路における上り坂、下り坂、平坦路の区分や、坂道の勾配の大きさなどを把握する。
心拍数センサ42は、トレーニング機器10を利用してトレーニングしている利用者が手首などに装着可能な光学センサを含む測定器であり、当該利用者について単位時間あたりの心拍数を繰り返し測定してその結果を出力することができる。
血圧センサ43は、トレーニング機器10を利用してトレーニングしている利用者が上腕などに装着可能な圧力センサを含む測定器であり、当該利用者について最高血圧、最低血圧などを繰り返し測定してその結果を出力することができる。
負荷操作部44は、トレーニング機器10の利用者が操作可能なボタンなどの操作部を有している。この負荷操作部44は、利用者が個人的な好みに合わせて、あるいは鍛えたい筋肉部位の違いなどにあわせて負荷が最大になる回転角度の調整指示を手動で発生するために利用できる。
ピーク位置調整部45は、走行環境検出部41、心拍数センサ42、血圧センサ43、及び負荷操作部44のそれぞれが出力する信号や、回転速度信号SG7に基づいて、それらの少なくとも1つを反映するようにピーク位置調整量SG4を生成し、負荷目標値生成部47に対してピーク位置(ピークが現れる回転角度)の調整を指示する。
基準パターンデータ保持部46は、不揮発性メモリなどにより構成され、負荷目標値生成部47が生成する負荷変動パターンの元になる複数種類の基準パターンデータを予め保持している。各基準パターンデータは、それぞれの回転角度に割り当てられた補正値のデータを有している。
負荷目標値生成部47は、回転角度信号SG1により現在の回転角度を把握すると共に、基準パターンデータ保持部46から入力される基準パターン信号SG3に基づいて、現在の回転角度に適した負荷目標値信号SG2を生成する。また、負荷目標値生成部47はピーク位置調整量SG4に従い、負荷目標値のピーク位置の回転角度を自動的に移動する。また、負荷目標値生成部47はピーク強度調整量SG5に従い、負荷目標値のピーク強度などを自動的に修正する。
回転状態検出部48は、トレーニング機器10から出力される回転角度信号SG1を監視して、現在のペダルの回転方向(順方向/逆方向)および回転速度(単位時間あたりのペダル回転数)を把握する。そして、回転状態検出部48は回転方向信号SG6および回転速度信号SG7を生成してピーク強度調整部49に与える。
ピーク強度調整部49は、回転方向信号SG6および回転速度信号SG7を反映して負荷目標値のピーク強度を調整するためのピーク強度調整量SG5を負荷目標値生成部47に与える。
<ペダルの回転角度と補正係数との対応関係>
ペダルの回転角度と補正係数との対応関係の例を図2に示す。図2において、横軸はペダルの踏み込みにより回転するペダル付き操作部61の回転軸の回転角度[deg]を表している。また、この例では回転角度0[deg]はこのクランク機構が上死点にある状態に相当し、回転角度90[deg]はクランク機構のペダルが水平の位置にある状態に相当し、回転角度180[deg]はクランク機構が下死点にある状態に相当する。
また、図2の例では2種類の基準パターン信号SG3A、SG3Bのそれぞれに相当する基準パターンのデータが基準パターンデータ保持部46に保持されている場合を想定している。また、基準パターン信号SG3A、SG3Bは、回転角度90[deg]の位置で制動トルクが最大になり、その前後45[deg]程度の範囲で制動トルクが緩やかに増減するパターンを表している。また、一方の基準パターン信号SG3Aは制動トルクが最大の位置(ピーク位置)を基準としてその前後の変化がほぼ対称なパターンであり、他方の基準パターン信号SG3Bはピーク位置の前後の変化が非対称なパターンになっている。
図1に示した負荷目標値生成部47は、図2中に示した基準パターン信号SG3Aに基づいて、図2中に示した負荷目標値信号SG2Aのパターンを生成することができる。また、負荷目標値信号SG2Aのパターンを進角制御量θ1の角度だけ前側にシフトすることで図2中の負荷目標値信号SG2Bのパターンを生成することもできる。
また、負荷目標値生成部47は図2中に示した基準パターン信号SG3Bに基づいて、図2中の負荷目標値信号SG2Cのパターンを生成することができる。また、負荷目標値信号SG2Cのパターンを進角制御量θ2の角度だけ前側にシフトすることで図2中の負荷目標値信号SG2Dのパターンを生成することもできる。
図2中の負荷目標値信号SG2A、SG2B、SG2C、及びSG2Dの縦軸方向の値は負荷補正係数KAを表している。すなわち、図2中の負荷目標値信号SG2A、SG2B、SG2C、又はSG2Dを制御目標値としてトレーニング機器10のドライバ回路63に与えることで、MR流体負荷機構62の発生する制動トルクがペダルの回転角度の変化に連動して周期的に変動するように制御することができる。
図2に示した例では、負荷目標値信号SG2A、SG2Cのピーク角度P1A、P2Aは90、270[deg]の各位置にあり、負荷目標値信号SG2B、SG2Dのピーク角度P1B、P2Bは50、230[deg]程度の各位置にある。つまり、負荷目標値生成部47が進角制御量θ1、又はθ2のパターンシフトを実施することで、ピーク角度P1A、P1B、P2A、P2Bの位置を必要に応じて変更できる。
<複数種類の補正係数変化パターン>
3種類の補正係数変化パターンの負荷目標値信号SG2A、SG2E、SG2Fを図3に示す。
図3中の負荷目標値信号SG2Aは、図2に示した例と同様に基準パターン信号SG3Aに基づいて負荷目標値生成部47が容易に生成できる。
一方、図3中の負荷目標値信号SG2Eは、負荷補正係数KAに+0.1程度の補正値オフセットSG2aの修正を加え、0~360[deg]の全角度範囲において、負荷補正係数KAの最小値が+0.1になるように負荷目標値信号SG2Aを変更することで生成できる。勿論、このような補正値オフセットSG2aを持つように基準パターン信号SG3A、SG3Bのデータを予め変更しておいてもよい。
また、図3中の負荷目標値信号SG2Fは、基準パターン信号SG3Aの変化パターンに比べてパターン立ち上がりSG2b、及びパターン立ち下がりSG2cの各領域における補正値変化の傾きが緩やかになっている。このようなパターンは、負荷目標値信号SG2Aのパターンを部分的に修正することで生成できる。勿論、このようなパターン立ち上がりSG2b、及びパターン立ち下がりSG2cを有するように基準パターン信号SG3A、SG3Bのデータを予め変更しておいてもよい。
<動作例>
図2中の負荷補正係数KAによる補正がない場合、及び補正がある場合の動作例を図4(a)、及び図4(b)にそれぞれ示す。すなわち、負荷目標値信号SG2が一定で変化しない場合に図4(a)の状態になり、負荷制御ユニット40内の負荷目標値生成部47が負荷目標値信号SG2を制御する場合に図4(b)の状態になる。
トレーニング機器10の利用者がペダル付き操作部61のペダルをほぼ一定の回転速度で漕ぐ動作を行うことにより、図4(a)、図4(b)に示すようにペダル回転角度PAは、0~360[deg]の範囲で周期的に変化を繰り返す。
図4(a)に示した例では、負荷目標値信号SG2が一定の場合を想定しているので、全角度範囲においてドライバ回路63の出力に流れる制御電流IBが一定になり、MR流体負荷機構62の発生する負荷トルクBTも一定になる。
一方、図4(b)に示した例ではドライバ回路63に入力される目標値が例えば図2に示した負荷目標値信号SG2A、SG2B、SG2C、SG2Dのように周期的に変化する。したがって、制御電流IB及び負荷トルクBTも回転角度の変化に伴って負荷目標値信号SG2A、SG2B、SG2C、SG2Dのように周期的に変化する。
一方、図4(a)、図4(b)に示したペダルケイデンス(cadence)Pca[rpm]は、利用者のペダル操作によって動くペダル付き操作部61のクランク回転数を表している。MR流体負荷機構62が発生する負荷トルクBTが一定の場合には、図4(a)に示すようにペダルケイデンスPcaに周期的な変動が発生しやすい傾向があることが実験により確かめられている。
一方、図4(b)に示した例では、ペダルケイデンスPcaの変動が非常に小さく安定している。すなわち、このペダルケイデンスPcaから図4(b)の例では図4(a)の状態に比べて利用者がペダルをスムーズに回転させていることが分かる。このような傾向があることは実験により確かめられている。
<実験結果のデータ例>
実験結果のデータ例を図5に示す。
図5において、項目i1は負荷目標値信号SG2の補正状態の違いを表し、項目i2はペダルの踏み込みに対して加わるトルクの目標値[Nm]を表し、項目i3はペダルケイデンスPcaの平均値、標準偏差、及び標準偏差の割合(補正あり/補正なし)[%]を表している。また、各データDx、D0、D1、D2、及びD3は、それぞれ負荷補正係数KAを「1」に固定した場合、負荷目標値信号SG2A、SG2C、SG2B、及びSG2Dに従って変動させた場合の実験結果を表している。
図5に示した実験結果においては、ペダルの負荷を周期的に変動させることにより各データD0~D3におけるペダルケイデンスPcaが負荷を一定に固定する場合のデータDxに比べて安定することが分かる。すなわち、負荷目標値信号SG2A、SG2C、SG2B、SG2D等を用いて負荷を変動させることにより、自転車などの器具においてペダリングの状況を理想的な状態に近づけることができる。
また、例えば負荷のピーク位置をクランク上死点に近づけることで、実際に自転車が坂道を上っている状況で発生する負荷トルク変動と同様のフィーリングをトレーニング機器10の利用者に与える状態を負荷制御ユニット40により再現可能である。
実際の自転車において搭乗者が踏むペダルに加わる負荷トルクは、平地走行ではペダルの軸方向から見て搭乗者を12時の方向とした場合、3時から5時付近で最大負荷となる。しかし、登り坂になると足に感じる最大負荷は2時~1時と12時付近へ近づいてくる。このような状況についても、負荷制御ユニット40が負荷目標値信号SG2のピーク角度P1A、P1B、P2A、P2Bを適宜調整することで容易に再現できる。
また、負荷目標値生成部47が負荷目標値信号SG2のピーク位置の角度を自動調整する場合には、変更前後の間で進角制御量(θ1,θ2)を少しずつ変化させて最終的に目標の位置に収束させるように制御する。これにより、負荷トルク変動パターンにおけるピーク位置の連続的な調整が可能になる。そして、トレーニング機器10の搭乗者は実際に自転車を漕いで坂道などを走行する場合と同じような自然なトルク変化をペダル感覚として感じることができる。
また、図2に示した負荷目標値信号SG2A、SG2B、SG2C、SG2Dのように1回転(0~360[deg])の間の2つの位置にピーク角度(P1A等)が現れるように負荷トルクを変動させることにより、左右一対のペダルにより搭乗者の左右の足に加わる力の大きさが一般的な自転車の場合と同じように変化する状況を容易に再現できる。
また、負荷目標値生成部47が発生する負荷目標値信号SG2を、例えば図2に示した負荷目標値信号SG2Aから負荷目標値信号SG2Dの状態に変更することで、ペダル漕ぎ始めのより早い位置の回転角度で負荷をピークにすることができる。これにより、自転車が平坦な道路から坂道を上り始める状態と同じ状況をトレーニング機器10により再現できる。
図1に示したトレーニングシステム100においては、上記のような負荷変動パターンのピーク位置を、走行環境検出部41が検出する仮想空間の走行環境(平坦路、坂道、勾配変化など)の変化に応じて、ピーク位置調整部45が自動的に調整することができる。
また、心拍数センサ42が検出した利用者の心拍数の変化や、血圧センサ43が検出した利用者の血圧の変化を負荷変動パターンのピーク位置に反映するように、ピーク位置調整部45が自動的に調整することができる。
また、利用者は自分の好みや鍛えたい筋肉の部位の違いを表す情報を負荷操作部44の操作によりピーク位置調整部45に入力することができる。ピーク位置調整部45は、利用者毎に入力された情報に従い、希望の状態に近づけるように負荷変動パターンのピーク位置を調整することができる。
また、負荷のピーク位置における負荷補正係数KAの大きさについては、ピーク強度調整部49が回転状態検出部48の検出した回転方向や、回転速度の違いを反映するように自動的に調整することができる。
<トレーニング機器の具体例>
<全体の外観>
具体的なトレーニング機器10の使用例の外観を図6に示す。
図6に示したトレーニング機器10は、機器フレーム11、支持部12、MR流体負荷機構14、及びペダル付き操作部15を備えている。MR流体負荷機構14、及びペダル付き操作部15は、それぞれ図1中のMR流体負荷機構62及びペダル付き操作部61に相当する。
訓練者13は、図6に示すように支持部12に跨がり、自転車の場合と同じように足をペダル付き操作部15に乗せた状態で、ペダル付き操作部15に対して漕ぐ操作を行うことができる。
ペダル付き操作部15は、MR流体負荷機構14の回転軸に連結されている。訓練者13がペダル付き操作部15を漕ぐと、MR流体負荷機構14の回転軸が回転する。MR流体負荷機構14はこの回転軸の回転に対して制動をかけ、訓練者13の運動に対して負荷をかけることができる。
<MR流体負荷機構の構造>
図6に示したトレーニング機器10のMR流体負荷機構14の具体的な構造を図7に示す。また、図7の一部分を示す拡大した状態を図8に示す。
図7に示すように、MR流体負荷機構14は外形がリング状に形成された固定部材21と、円盤状のディスクロータ22とを備えている。固定部材21は機器フレーム11に固定されている。ディスクロータ22は、固定部材21に支持され、固定部材21の内側で回動可能な状態になっている。また、ディスクロータ22の中央部は円筒状回転軸23と連結されている。
この円筒状回転軸23が図6に示したペダル付き操作部15と連結されている。したがって、訓練者13がペダル付き操作部15を漕ぐことにより、円筒状回転軸23が回転し、ディスクロータ22も回転する。
図7および図8に示すように、固定部材21の内側には電磁石コイル27および電磁石ヨーク28が配置されている。電磁石コイル27は、ディスクロータ22の外周と対向する位置にリング状に形成されている。また、電磁石ヨーク28は強磁性体である鉄心により構成され、電磁石コイル27の外側を取り囲むような形状に形成されている。
図8に示すように、固定部材21の内側に配置されたオイルシール24と、ディスクロータ22との間の空間25aには、MR流体(Magneto Rheological Fluid)26が充填されている。このMR流体26は、例えば油などの液体中に、鉄粉のような強磁性体粒子が多数分散した状態で存在しているものである。強磁性体粒子の粒径は、数[μm]程度である。
図8に示すように、ディスクロータ22の外周に近い部分では、薄板状に形成された複数の板状部が互いに間隔を空けた状態で厚み方向に並ぶように配置されている。また、ディスクロータ22の複数の板状部の間に、固定部材21側の薄い板状部が重なるように配置されている。つまり、ディスクロータ22側の薄い板状部と固定部材21側の薄い板状部とが積層されたような状態になっている。但し、これらの間には間隙が存在する。これらの間隙の空間25bは、空間25aと連通しているので、空間25bについてもMR流体26で満たされている。
電磁石ヨーク28は、ディスクロータ22側の薄い板状部と固定部材21側の薄い板状部とを外側からサンドイッチ状に挟み込むように形成されている。例えば、図8に示した電磁石コイル27の状態において紙面に垂直な方向について上方から下方に向けて電流を流すと、電磁石コイル27の回りに図8に示すような磁界29が発生する。この磁界29は、磁気抵抗が小さい電磁石ヨーク28内を通るように磁路を形成する。
したがって、ディスクロータ22側の薄い板状部と固定部材21側の薄い板状部とが積層されている箇所の空間25bにおいて、電磁石コイル27はMR流体26に対して比較的強い磁場を与えることができる。また、電磁石コイル27により磁場を発生すると、各空間25bのMR流体26において、多数の強磁性体粒子が互いに引きつけ合って鎖状のクラスターを形成する。このような状態で、固定部材21とディスクロータ22との相対移動の動きに対して制動力が発生し、この制動力がペダルの踏み込み力に対する負荷となる。
以上のように、本実施形態に係るトレーニングシステム100を用いる場合には、利用者は実際には移動しないトレーニング機器10のペダルを漕ぐだけで、一般的な自転車で道路上を走行する場合と同じような仮想環境を再現した映像により走行しているかのように感じながらトレーニングを行うことができる。したがって、室内で飽きることなくトレーニングを続けることが容易になる。しかも、仮想現実表示システム31が再現するシーンにおける平坦路や坂道などの環境の変化に応じて、負荷制御ユニット40がペダルの回転位置毎に、加わる負荷トルクが適切に変動するように制御するので、実際に自転車で走行している環境により近い状態をトレーニング機器10で再現できる。
また、心拍数センサ42や血圧センサ43の測定値をピーク位置調整部45が負荷のピーク位置の角度に反映できるので、利用者の体調に合わせた適切な負荷の状態でトレーニングができる。
また、利用者が負荷操作部44を操作することで、必要に応じて負荷のピーク位置の角度を調整できる。これにより、負荷に対する利用者毎の好みの違いや、鍛えたい筋肉の部位の違いなどに合わせた適切な負荷の変動パターンを使用することが可能になる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る負荷抵抗発生装置および負荷抵抗制御方法の特徴をそれぞれ以下[1]~[10]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 回転自在に支持された所定の可動部(ディスクロータ22)の回転に対して所望の負荷抵抗を付与する負荷抵抗発生部を有する負荷抵抗発生装置であって、
前記負荷抵抗発生部(MR流体負荷機構62)が発生する負荷抵抗(負荷トルクBT)の大きさに前記可動部の回転角度変化に対して周期的変化を発生すると共に、少なくとも1つの負荷抵抗ピーク位置(ピーク角度P1A、P1B、P2A、P2B)を前記周期的変化(負荷目標値信号SG2)に形成する制御目標値生成部(負荷目標値生成部47)と、
前記負荷抵抗ピーク位置の回転角度を所定の入力条件の変化に応じて可変にするピーク位置調整部(45)と、
を備える負荷抵抗発生装置(トレーニングシステム100)。
[2] 前記ピーク位置調整部(45)は、前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の影響を受ける特定ユーザ(訓練者13)の体調を検出する体調センサ(心拍数センサ42、血圧センサ43)、前記特定ユーザが操作可能な操作部(負荷操作部44)、前記特定ユーザが置かれた実空間もしくは仮想空間における状態(VR状態信号SG8)、及び前記可動部の回転速度(回転速度信号SG7)の少なくとも1つの変化に応じて前記負荷抵抗ピーク位置の回転角度を変更する、
上記[1]に記載の負荷抵抗発生装置。
[3] 前記可動部は、前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗を利用して身体のトレーニング又はリハビリテーションを行うユーザが使用する所定のトレーニング機器(10)に連結されている、
上記[1]又は[2]に記載の負荷抵抗発生装置。
[4] 前記制御目標値生成部は、前記可動部の1回転の中に、複数の前記負荷抵抗ピーク位置が現れるように前記周期的変化のパターンを形成する(図2参照)、
上記[1]から[3]のいずれかに記載の負荷抵抗発生装置。
[5] 前記負荷抵抗ピーク位置で前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の大きさを、前記可動部の回転方向(回転方向信号SG6)の違い、又は前記可動部の回転速度(回転速度信号SG7)の違いに応じて変更する負荷抵抗調整部(ピーク強度調整部49)、を備える、
上記[1]から[4]のいずれかに記載の負荷抵抗発生装置。
[6] 回転自在に支持された所定の可動部の回転に対して所望の負荷抵抗を付与する負荷抵抗発生部を制御するための負荷抵抗制御方法であって、
前記負荷抵抗発生部(MR流体負荷機構62)が発生する負荷抵抗の制御目標値(負荷目標値信号SG2)に前記可動部の回転角度(回転角度信号SG1)変化に対して周期的変化を発生すると共に、少なくとも1つの負荷抵抗ピーク位置を前記周期的変化に形成し(基準パターン信号SG3A、SG3B)、
所定の入力条件の変化を検出し、その変化を前記負荷抵抗ピーク位置の回転角度の変化に反映する(ピーク位置調整部45)、
負荷抵抗制御方法。
[7] 前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の影響を受ける特定ユーザの体調を検出する体調センサ、前記特定ユーザが操作可能な操作部、前記特定ユーザが置かれた実空間もしくは仮想空間における状態、及び前記可動部の回転速度の少なくとも1つの変化に応じて前記負荷抵抗ピーク位置の回転角度を変更する(ピーク位置調整部45)、
上記[6]に記載の負荷抵抗制御方法。
[8] 前記可動部は、前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗を利用して身体のトレーニング又はリハビリテーションを行うユーザが使用する所定のトレーニング機器(10)に連結されている、
上記[6]又は[7]に記載の負荷抵抗制御方法。
[9] 前記可動部の1回転の中に、複数の前記負荷抵抗ピーク位置が現れるように前記周期的変化のパターンを形成する(図2参照)、
上記[6]から[8]のいずれかに記載の負荷抵抗制御方法。
[10] 前記負荷抵抗ピーク位置で前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の大きさを、前記可動部の回転方向の違い、又は前記可動部の回転速度の違いに応じて変更する(ピーク強度調整部49)、
上記[6]から[9]のいずれかに記載の負荷抵抗制御方法。
10 トレーニング機器
11 機器フレーム
12 支持部
13 訓練者
14 MR流体負荷機構
15,61 ペダル付き操作部
21 固定部材
22 ディスクロータ
23 円筒状回転軸
24 オイルシール
25a,25b 空間
26 MR流体
27 電磁石コイル
28 電磁石ヨーク
29 磁界
31 仮想現実表示システム
32 ディスプレイ
33 VR操作部
40 負荷制御ユニット
41 走行環境検出部
42 心拍数センサ
43 血圧センサ
44 負荷操作部
45 ピーク位置調整部
46 基準パターンデータ保持部
47 負荷目標値生成部
48 回転状態検出部
49 ピーク強度調整部
62 MR流体負荷機構
63 ドライバ回路
64 回転角度センサ
100 トレーニングシステム
BT 負荷トルク
IB 制御電流
KA 負荷補正係数
P1A,P1B,P2A,P2B ピーク角度
PA ペダル回転角度
Pca ペダルケイデンス
SG1 回転角度信号
SG2,SG2A,SG2B,SG2C,SG2D 負荷目標値信号
SG2a 補正値オフセット
SG2b パターン立ち上がり
SG2c パターン立ち下がり
SG3,SG3A,SG3B 基準パターン信号
SG4 ピーク位置調整量
SG5 ピーク強度調整量
SG6 回転方向信号
SG7 回転速度信号
SG8 VR状態信号
θ1,θ2 進角制御量

Claims (10)

  1. 回転自在に支持された所定の可動部の回転に対して所望の負荷抵抗を付与する負荷抵抗発生部を有する負荷抵抗発生装置であって、
    前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の大きさに前記可動部の回転角度変化に対して周期的変化を発生すると共に、少なくとも1つの負荷抵抗ピーク位置を前記周期的変化に形成する制御目標値生成部と、
    前記負荷抵抗ピーク位置の回転角度を所定の入力条件の変化に応じて可変にするピーク位置調整部と、
    を備える負荷抵抗発生装置。
  2. 前記ピーク位置調整部は、前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の影響を受ける特定ユーザの体調を検出する体調センサ、前記特定ユーザが操作可能な操作部、前記特定ユーザが置かれた実空間もしくは仮想空間における状態、及び前記可動部の回転速度の少なくとも1つの変化に応じて前記負荷抵抗ピーク位置の回転角度を変更する、
    請求項1に記載の負荷抵抗発生装置。
  3. 前記可動部は、前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗を利用して身体のトレーニング又はリハビリテーションを行うユーザが使用する所定のトレーニング機器に連結されている、
    請求項1又は請求項2に記載の負荷抵抗発生装置。
  4. 前記制御目標値生成部は、前記可動部の1回転の中に、複数の前記負荷抵抗ピーク位置が現れるように前記周期的変化のパターンを形成する、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の負荷抵抗発生装置。
  5. 前記負荷抵抗ピーク位置で前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の大きさを、前記可動部の回転方向の違い、又は前記可動部の回転速度の違いに応じて変更する負荷抵抗調整部、を備える、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の負荷抵抗発生装置。
  6. 回転自在に支持された所定の可動部の回転に対して所望の負荷抵抗を付与する負荷抵抗発生部を制御するための負荷抵抗制御方法であって、
    前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の制御目標値に前記可動部の回転角度変化に対して周期的変化を発生すると共に、少なくとも1つの負荷抵抗ピーク位置を前記周期的変化に形成し、
    所定の入力条件の変化を検出し、その変化を前記負荷抵抗ピーク位置の回転角度の変化に反映する、
    負荷抵抗制御方法。
  7. 前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の影響を受ける特定ユーザの体調を検出する体調センサ、前記特定ユーザが操作可能な操作部、前記特定ユーザが置かれた実空間もしくは仮想空間における状態、及び前記可動部の回転速度の少なくとも1つの変化に応じて前記負荷抵抗ピーク位置の回転角度を変更する、
    請求項6に記載の負荷抵抗制御方法。
  8. 前記可動部は、前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗を利用して身体のトレーニング又はリハビリテーションを行うユーザが使用する所定のトレーニング機器に連結されている、
    請求項6又は請求項7に記載の負荷抵抗制御方法。
  9. 前記可動部の1回転の中に、複数の前記負荷抵抗ピーク位置が現れるように前記周期的変化のパターンを形成する、
    請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の負荷抵抗制御方法。
  10. 前記負荷抵抗ピーク位置で前記負荷抵抗発生部が発生する負荷抵抗の大きさを、前記可動部の回転方向の違い、又は前記可動部の回転速度の違いに応じて変更する、
    請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の負荷抵抗制御方法。
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