JP2023109271A - 制御装置および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御対象に対する制御操作の根拠の提示を可能とする。【解決手段】制御装置100は、制御対象の状態量を基に当該制御対象の状態を算出する状態算出部112と、状態を基に制御対象を制御するための制御操作量を算出する操作量算出部114と、制御対象の状態と制御操作量とを表示器に表示する表示制御部115とを備える。表示制御部115が表示する制御対象の状態は、制御操作量の制御を行った後における制御対象の状態の経時的変化を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、設備や機器を制御する制御装置および制御方法に関する。
近年のプラントの制御システムは、通常の連続運転のみならず、起動や停止、原料切り替え、異常発生時などの非定常運転についても制御ロジックを実装しており、運転の自動化が進んでいる。しかしながら、非定常運転の制御については、必ずしも安定した運転を達成できてはおらず、運転途中で温度がアラームレベルを超えるなどの異常が発生する場合がある。このため、非定常運転において、運転員はプラントの主要なセンサ値を監視し、センサ値が許容範囲を逸脱すると判断した場合には、制御ロジックに対する介入操作を実行する。
この介入操作とは、制御システムが制御している流量などの操作量を、運転監視盤を通して変更する操作をいう。例えば、非定常運転中に温度が上昇した結果、アラームレベルに達する可能性が大きいと判断した場合、温度を低下させるために運転員は、冷却流量を増やす操作を行う。
このような場合でも、制御システムによって冷却流量は所定の値になるように調整されているが、この基準値に対して運転員が若干の変更を加える。運転監視盤には、基準値に対して加算あるいは減算するためのボタンがあり、ボタンを1回押すたびに、基準値に対して流量が、例えば1.0t/h増加するなどの介入操作ができるようになっている。このように、制御ロジックが出力する基準値に対して変更する値はバイアス値と呼ばれる。
以上説明したように、非定常運転時において、センサ値が正常範囲を逸脱すると判断した場合、運転員はバイアス値を操作することによって制御システムによる運転に介入し、センサ値が正常範囲に収まるように操作する。なお、通常の連続運転時でもバイアス値を操作することは可能であるが、通常運転時のセンサ値は正常範囲にあることが多く、このような介入操作は不要である。
しかしながら、非定常操作による運転の安定度は、運転員の習熟度に依存する。熟練運転員は、非定常操作により、起動や停止、原料切り替え、異常発生などにおける運転においても、一定の安定度が確保できる。しかしながら、非熟練運転員による非定常操作では、アラームの発報が頻発する場合や、起動完了までに時間が掛かる場合などがあり、運転の信頼性、経済性の点で熟練運転員より劣ることが多い。熟練運転員と非熟練運転員との間で定期的に運転ノウハウを議論する場を設けているが、熟練運転員も暗黙知に従って操作していることが多いため、運転ノウハウの伝承が進まないのが現実である。
このような現場の課題を踏まえ、人工知能技術を活用して熟練運転員の暗黙知的な運転操作を学習し、それを基に制御モデルを構築することで、運転の属人化を防止することが試みられている。しかしながら、プラント制御に人工知能技術を適用する際の問題として、制御モデルの出力についての説明性があげられる。仮に人工知能技術によって制御モデルを構築できたとしても、制御モデルがブラックボックス化しており、制御モデルが出力する制御量の適切性を運転員が判断できないのであれば、人工知能技術の導入は進みづらい。このように、人工知能技術を活用した制御システムでは、運転員に対して、制御モデルが出力する制御量の判断根拠も併せて提示することが望まれている。
以上のような課題に対し、判断根拠を提示する制御システムの例として、特許文献1に記載の水処理プラント制御システムがある。水処理プラント制御システムは、下水処理プラントにおいて、クラスタリング処理とファジー処理とを用いて運転状態を識別し、運転状態に応じた制御設定値を選択する手段を備えている。実施例には、プラントのセンサ値を用いて天候状態を識別する処理が記載されており、晴天/初期降雨/長雨などの状態が識別され、状態に応じた制御設定値が選択される。また、プラントの制御と並行して、運転状態報知手段によって、運転員は制御装置が識別した運転状態を確認することができる。つまりは、制御システムが制御設定値を選択する際に、その根拠となる天候状態を提示している。
特開2003-140712号公報
起動や停止、原料切り替え、異常発生のような非定常運転においては、センサ値(以下では状態量とも記す)が正常範囲を一時的に逸脱し、アラームを発報する場合がある。ただし、その影響が軽微であれば、通常の制御システムによるフィードバック制御が作用して、最終的にセンサ値は正常範囲に戻り、プラントは安定した状態に収束する。しかしながら、センサ値の正常範囲の逸脱やアラームの発報は、運転の安全性の低下をもたらすため、運転員はこれを回避するような非定常操作を行う。このとき、プラントの構成機器は幾つかの状態を遷移した後、最終的に安定した状態になる。以下に一例を示す。
温度が正常範囲を超えて上昇した場合、冷却流量を調整する弁開度を開方向に操作することで、冷却流量が増加する。また、その際に圧力が上昇すれば、圧力を低減するために排出流量を調整する弁開度を開方向に操作することで、排出流量が増加する。次に、冷却流量の増加によって、温度は低下局面に入る。同様に、排出流量の増加によって、圧力は低下局面に入る。ある程度、温度と圧力が設定値に近づけば、それぞれを調整する弁開度も一定の値に収束する。以上の状態を経て、最終的に温度、流量、圧力は整定する。このとき、最終状態では、一部の状態量は一時的に増加して時間経過と共に元の状態量に戻り、また、別の状態量は温度上昇とバランスする別の状態量に遷移する。以上のように、最終的に整定するまでに幾つかの運転状態をとるが、それぞれの状態で適切な制御操作量は異なる。
以上説明したように非定常運転においては、異常な状態になった後に、いくつかの状態への遷移、および状態に応じた制御操作を繰り返して、最終的に安定した状態に遷移する。熟練運転員は、このような状態遷移全体を習得しており、状態に応じた制御操作が可能である。
特許文献1に記載の水処理プラント制御システムは、プラントが最終的に安定した状態になるまでにとる各遷移状態に対して、それぞれの運転状態を識別して運転員に提示するとともに、それぞれの状態に応じて適切になるように決定された制御操作量の判断根拠を提示することはなかった。制御システムが個々の状態における制御操作を提示したとしても、状態遷移全体を習得しているとは限らない非熟練運転員にとっては、提示された制御操作を行う根拠(理由)がわからないまま、制御操作することになる。
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、制御操作の根拠の提示を可能とする制御装置および制御方法を提供することを課題とする。
上記した課題を解決するため、本発明に係る制御装置は、制御対象の状態量を基に当該制御対象の状態を算出する状態算出部と、前記状態を基に当該制御対象を制御するための制御操作量を算出する操作量算出部と、当該制御対象の状態と前記制御操作量とを表示器に表示する表示制御部とを備え、前記表示制御部が表示する当該制御対象の状態は、前記制御操作量の制御を行った後における当該制御対象の状態の経時的変化を含む。
本発明によれば、制御操作の根拠の提示を可能とする制御装置および制御方法を提供することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本実施形態に係るプラント制御システムの全体構成図である。 本実施形態に係る運転監視制御システムの機能ブロック図である。 本実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。 本実施形態に係るプラント状態量データベースにデータ構成図である。 本実施形態に係る状態データベースのデータ構成図である。 本実施形態に係る状態遷移データベースのデータ構成図である。 本実施形態に係る制御処理のフローチャートである。 本実施形態に係る状態進行表示画面の画面構成図である。 本実施形態の変形例に係るトレンドグラフ表示画面の画面構成図である。 本実施形態の変形例に係るトレンドグラフ表示画面の画面構成図である。 本実施形態の変形例に係る系統図に示したトレンド表示画面の画面構成図である。 本実施形態の変形例に係る状態進行表示画面の画面構成図である。
≪制御装置の概要≫
以下に本発明を実施するための形態(実施形態)における制御装置について説明する。制御装置は、プラント(制御対象)を構成する設備または機器に設置されているセンサの測定値(センサ信号、状態量)を、運転監視制御システムを介して取得する。制御装置は、状態量をクラスタリング処理して、プラントの状態を特定する。換言すれば制御装置は、ベクトル値としての状態量が似ているものを1つの状態とし、状態量からプラントの状態を特定する。
制御装置は、状態量が正常状態から外れて以降に、プラントが定常状態に戻るまでの状態の時系列変化である状態遷移を記憶する状態遷移データベース(後記する図6参照)を備える。また、制御装置は、現在の状態、および過去の状態から制御操作量を算出(推定)する制御操作量算出モデルを用いて、正常状態から外れた後の制御操作量を算出して、運転監視制御システムに送信する。運転監視制御システムが当該制御操作量の制御を実行する、または運転員が当該制御操作量の操作を行うことで、プラントは定常状態に戻る。なお制御操作量算出モデルは、熟練運転員が行う制御操作量を学習した機械学習モデルである。また制御操作量とは、後記するバイアス値のことである。
制御装置は、制御操作量の他にプラントが定常状態になるまでの状態遷移を運転監視制御システムに送信し、運転監視制御システムは、状態遷移と制御操作量とを表示する。運転員は、制御操作量の制御操作によりプラントがどのような状態を辿って定常状態になるかを確認できるようになり、制御操作を行う根拠を得ることができる。延いては、手動で制御操作を行う場合には運転員は円滑に制御操作を行うことができる。また運転員は、熟練運転員の制御操作を習得することができるようになる。
≪制御対象(プラント)の概要≫
図1は、本実施形態に係るプラント制御システム10の全体構成図である。プラント制御システム10は、プラント300、運転監視制御システム200、および制御装置100を含んで構成される。プラント300は、運転監視制御システム200、および制御装置100が監視して制御する制御対象である。プラント300では、塔315に原料311が投入されて反応して、生成物が得られる。原料311の供給ラインには、原料供給流量の調整弁313が設置されており、弁開度を操作することによって流量が所定の値(設定値)に制御される。また、センサとして、原料供給圧力を計測する圧力センサ312、および原料供給流量を計測する流量センサ314が設置されている。また、塔315の内部圧力を計測する圧力センサ316が設置されている。
本実施形態では、異常発生に伴う非定常操作を例としてプラント制御システム10の処理を説明する。プラント300の運転員が行う非定常操作は、原料311の供給圧力が異常に上昇し、それに伴って発生した塔315の内部圧力(塔内圧力)の上昇を速やかに元の状態に回復させることを目的とする。この例では、非定常操作を行わなくても、塔内圧力が設定値(目標値)に追従するように、調整弁313の弁開度に対するフィードバック制御が働くので、最終的に塔内圧力は元の状態(塔内圧力の設定値、制御の目標値)に戻る。しかし、塔内圧力の設定値を一時的に低下させる非定常操作を行うことで、弁開度の対応動作が速まり、塔内圧力が元の状態に戻るまでの時間が短縮できる。塔内圧力が異常に上昇した状態が続くと、機器に致命的な損傷が発生する可能性があるので、なるべく速やかに圧力を下げた方がよく、非定常操作が望まれる。
このような非定常操作を運転員が手動で行う場合は、運転監視制御システム200に備わる監視操作パネル203(後記する図2参照)の画面を通して、塔内圧力の設定値に対するバイアス値を変更する。画面には、バイアス値を変更するために、例えば、画面上にボタンを配置している。ボタンが1回押下されると、現在のバイアス値から規定量だけ変更される。今回の例では、設定値を一時的に低下させるので、運転員はバイアス値を減少させるボタンを低下量に応じた回数分だけ押下する。操作前のバイアス値を0.0とすると、ボタンを押下したことでバイアス値は負値となる。負のバイアス値が加算されるため、設定値は操作前と比べて低下する。次に運転員は、塔内圧力が元の状態に回復していく状況を見ながら、バイアス値を増加させるボタンを同じ回数分だけ押下し、バイアス値を元の0.0に戻す。これにより、設定値は当初の値に戻る。
本実施形態に係る制御装置100は、上記した運転員が手動で行う非定常操作を代替する。制御装置100は、プラント300の状態に応じた適切な制御操作量(バイアス値)を算出し、運転監視制御システム200に送信する。運転監視制御システム200は(上記した例では塔内圧力の)設定値にバイアス値を加算してフィードバック制御を行う。
≪運転監視制御システムの概要≫
図2は、本実施形態に係る運転監視制御システム200の機能ブロック図である。運転監視制御システム200は、プラント状態量送受信部201、プラント制御部202、および監視操作パネル203を備える。
プラント状態量送受信部201は、圧力センサ312,316、および流量センサ314他のプラントに備わるセンサからの計測値(状態量)を受信し、さらに制御装置100に送信する。またプラント状態量送受信部201は、状態量の設定値も送信する。状態量や設定値は、所定のタイミングで送信される。本実施形態では、10分周期で送信されるものとする。
プラント制御部202は、実装された制御ロジックを基に状態量を監視し、プラント300に備わる設備や機器を制御(フィードバック制御)する信号を出力する。例えばプラント制御部202は、塔315の内部圧力が所定の圧力(内部圧力という状態量の設定値)になるように、調整弁313の開度を制御する信号を出力する。なお、制御装置100から制御操作量(バイアス値)を受信するとプラント制御部202は、当初の設定値にバイアス値を加算して新たな設定値とし、この設定値を基にフィードバック制御を行う。
監視操作パネル203には、状態量の他に制御装置100から受信した遷移状態や制御操作が表示される(後記する図8参照)。状態量の設定値に対して、運転員は監視操作パネル203を操作して、設定値にバイアス値を設定することができる。例えば、塔315の内部圧力の設定値に対してマイナスのバイアス値を設定すると、プラント制御部202は内部圧力が降下するように調整弁313の開度を制御する。バイアス値の設定はプラント制御部202を介してプラント300を制御することになるので、バイアス値を制御操作量とも記す。
≪制御装置の全体構成≫
図3は、本実施形態に係る制御装置100の機能ブロック図である。制御装置100はコンピュータであり、制御部110、記憶部120、および入出力部180を備える。入出力部180には、ディスプレイやキーボード、マウスなどのユーザインターフェイス機器が接続される。入出力部180は通信デバイスを備え、運転監視制御システム200とのデータ送受信が可能である。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、状態量受信部111、状態算出部112、異常検出部113、操作量算出部114、および表示制御部115が備わる。
記憶部120は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)などの記憶機器を含んで構成される。記憶部120には、プラント状態量データベース130(後記する図4参照)、状態データベース140(後記する図5参照)、状態遷移データベース150(後記する図6参照)、正常状態データベース160、制御操作量算出モデル121、およびプログラム128が記憶される。
プログラム128には、後記する図7に記載の制御処理の記述が含まれる。以下、制御部110および記憶部120の構成を説明する。
≪状態量受信部とプラント状態量データベース≫
状態量受信部111は、運転監視制御システム200が送信した状態量(プラント300に備わるセンサの計測値)や状態量の設定値を、プラント状態量データベース130に格納する。図4は、本実施形態に係るプラント状態量データベース130にデータ構成図である。プラント状態量データベース130は、例えば表形式のデータであって、1つの行(レコード)は同じタイミング(所定の時間内)で受信した状態量や設定値を示す。レコードは受信した日時の他に、原料供給圧力、塔内圧力、原料供給流量、原料流量調整弁開度、塔内圧力設定値の列(属性)を含む。プラント状態量データベース130は、さらに多くの状態量や状態量の設定値の属性を含んでもよい。
プラント状態量データベース130の各レコードは、日時に示される時点におけるプラント300の状態を示す。例えば図4に示されるプラント状態量データベース130の1番目のレコードは、2021年9月3日10時10分におけるプラント300の状態を、原料供給圧力が1.1MPa、塔内圧力0.8MPa、原料供給流量1.2t/h、原料流量調整弁開度80%、塔内圧力設定値0.8MPaという5次元のベクトル(以下、状態量ベクトルとも記す)として示している。
≪状態算出部と状態データベース≫
状態算出部112は、プラント状態量データベース130の各レコードに示される状態量ベクトルのクラスタ番号を算出する。詳しくは、過去に蓄積された状態量ベクトルに対してクラスタリング処理が行われてクラスタに分類される。つまりは、距離が近い状態量ベクトルは、1つのクラスタに属するように分類される。なおクラスタリング処理に際して、状態量が正規化されてもよい。各クラスタには識別情報として、クラスタ番号が割り振られる。状態算出部112は、状態量受信部111が受信した状態量の状態量ベクトルに最も近いクラスタを算出し、当該クラスタのクラスタ番号を状態データベース140(後記する図5参照)に格納する。
なお、過去に蓄積された状態量ベクトルをクラスタに分類するクラスタリング処理は、制御装置100で実行される必要はない。クラスタリング処理は、プラント状態量データベース130と同様にプラント300の蓄積された状態量にアクセス可能な装置で実行されてもよい。
図5は、本実施形態に係る状態データベース140のデータ構成図である。状態データベース140は、例えば表形式のデータであって、1つの行(レコード)は、日時141、クラスタ番号142の属性を含み、日時141における状態量ベクトルが属するクラスタのクラスタ番号142を示す。クラスタ番号142は類似する状態量ベクトルのクラスタの識別情報であり、クラスタ番号142によりプラント300の状態が識別できるともいえる。換言すれば、プラント300の状態は状態量ベクトルで示され、距離が近い状態量ベクトル(状態量ベクトルのクラスタ、類似する状態)は、クラスタ番号142により識別される。なお、距離が近い複数のクラスタを1つの状態と見なしてもよい。状態データベース140は、クラスタ番号142で識別されるプラント300の状態の時系列変化を示すとも見なせる。
以上に説明したように、制御装置100に備わる状態算出部112は、制御対象(プラント300、またはプラント300に備わる設備や機器)の状態量(センサ値)を基に制御対象の状態を算出する。
≪異常検出部≫
異常検出部113は、プラント状態量データベース130に格納される最新の状態量を基に、正常状態データベース160を参照して、プラント300の異常を検出する。例えば正常状態データベース160には、状態量の正常範囲が格納されていて、異常検出部113は、最新の状態量のなかに正常範囲から外れた状態量があれば、異常と判断する。また例えば正常状態データベース160には、異常と判断されるクラスタ番号が格納されていて、状態算出部112が算出した最新のクラスタ番号が異常と判断されるクラスタ番号である場合に、異常検出部113は異常と判断してもよい。
以上に説明したように、制御装置100に備わる異常検出部113は、制御対象(プラント300)の状態量の正常範囲を記憶する正常状態データベース160を参照して、制御対象の異常を検出する。
≪状態遷移データベースと状態遷移データベース≫
図6は、本実施形態に係る状態遷移データベース150のデータ構成図である。状態遷移データベース150には、プラント300の状態の時系列変化である状態遷移を示す状態遷移テーブル151が含まれる。1つの状態遷移テーブル151には、プラント300の異常検出後から始まって、定常状態(安定状態)になるまでの状態遷移を示す。状態遷移テーブル151の1つの行(レコード)は状態を示し、当該状態に含まれるクラスタのクラスタ番号152、および状態名称153を含み、上のレコードから下のレコードへと順に状態が変化(遷移)する。
図6に記載された状態遷移テーブル151は、原料供給圧力に異常上昇が発生してから、塔内圧力が元に戻り、安定した状態に整定するまでの状態遷移を表している。なお整定するとは、プラント300の状態量それぞれの変化量が所定値以下となり、状態が定常状態になることをいう。また1つの状態量の変化量が所定値以下となり安定する場合にも、当該状態量が整定すると記す。以下、状態遷移テーブル151の状態(レコード)を順に説明する。
クラスタ番号152が「1~3」のレコードは、原料供給圧力の異常上昇に伴って、原料供給流量が異常上昇したことを示す。次のクラスタ番号152が「4~6」のレコードは、塔315に流入する原料が増えたことにより塔内圧力が上昇中であることを示す。
塔内圧力が上昇すると、塔内圧力が設定値に追従するように、プラント制御部202(図2参照)がフィードバック制御を行う。塔内圧力を制御するためにプラント制御部202は、原料供給流量調整弁(図1記載の調整弁313参照)の開度を調整する。ここでは、塔内圧力を下げるために、原料供給流量を減らすように、プラント制御部202は、原料流量調整弁開度を低下方向(閉方向)に操作する。この状態を示すのが、クラスタ番号152が「7~20」のレコードである。
クラスタ番号152が「21~28」のレコードは、原料流量調整弁開度が低下することにより、原料供給流量は元の状態へと回復し始めた状態を示す。クラスタ番号152が「29~35」のレコードは、原料供給流量が元の状態に回復することによって、塔内圧力も元の状態へと回復し始めた状態を示す。
暫くすると、クラスタ番号152が「36~40」のレコードが示すように、原料流量調整弁開度はバランスが取れる所で整定する。このとき、原料流量調整弁開度は元の状態に戻るのではなく、原料供給圧力の異常上昇に対して原料供給流量が元の値になる開度、つまりは異常発生前よりも低い開度で整定する。
続いてクラスタ番号152が「41~42」のレコードが示すように、原料流量調整弁開度が整定することによって、原料供給流量も整定し、元の状態に回復する。最終的にクラスタ番号152が「43~45」のレコードが示すように、塔内圧力が元の状態に回復する。
状態遷移テーブル151は、過去に蓄積されたプラント状態量データベース130を基に生成される。詳しくは、異常が検出されてから整定するまでの状態量ベクトルのクラスタ番号が算出される。時系列順に並ぶ複数のクラスタのうちで距離が近い(状態量の差が小さい)クラスタ群は1つの状態として、状態遷移テーブル151の1つのレコードとなる。レコードのクラスタ番号152は、クラスタ群に含まれるクラスタのクラスタ番号である。状態名称153は、クラスタ群の状態量のなかで値の変化比率が最大の状態量の名称と変化の方向とに基づいて設定される。
なお、状態遷移テーブル151を生成する処理は、制御装置100で実行される必要はない。状態遷移テーブル151の生成処理は、プラント状態量データベース130と同様にプラント300の蓄積された状態量にアクセス可能な装置で実行されてもよい。また状態名称153は、当該装置ではなく、人手で設定されてもよい。
≪操作量算出部と表示制御部≫
操作量算出部114は、異常検出部113が異常を検出すると、所定時間内の過去におけるプラント300の状態量ベクトルを示すクラスタに基づいて、制御操作量(バイアス値)を算出する。詳しくは、操作量算出部114は、熟練運転員の制御操作量を学習した制御操作量算出モデル121を用いて、制御操作量を算出する。制御操作量算出モデル121は機械学習モデルであって、説明変数は所定時間内の過去におけるプラント300の状態量ベクトルを示すクラスタ番号であり、目的変数は制御操作量である。所定時間内の過去とは、例えば現時点、10分前、20分前、30分前である。
制御操作量算出モデル121の学習データは、熟練運転員の制御操作履歴から構築される。学習データの説明変数は、プラント300に異常が検出された時点から整定するまでの10分周期の各時点における所定時間内の過去における状態量ベクトルのクラスタ番号であり、目的変数は各時点における熟練運転員が設定した制御操作量(バイアス値)である。
このような学習データを学習して生成された制御操作量算出モデル121を用いることで、操作量算出部114は、熟練運転員と同様の制御操作量を算出することができる。
なお制御操作量算出モデル121の種別は問わないが、例えばニューラルネットワークのモデルであってもよいし、サポートベクター回帰や重回帰分析のモデルであってもよい。また学習データを準備して制御操作量算出モデル121を生成する処理は、制御装置100で実行される必要はない。制御操作量算出モデル121の生成処理は、プラント状態量データベース130と同様にプラント300の蓄積された状態量にアクセス可能な装置で実行されてもよい。例えば状態量ベクトルのクラスタリング処理や状態遷移データベース150の生成処理を行う装置が、制御操作量算出モデル121の生成処理を実行してもよい。
以上に説明したように、制御装置100に備わる操作量算出部114は、状態(プラント300の状態を示すクラスタ番号)を基に制御対象を制御するための制御操作量を算出する。また操作量算出部114は、異常検出部113により制御対象の異常が検出されると制御操作量を算出する。また操作量算出部114は、制御操作量の算出時の状態、および当該算出時より前時点の状態を基に、制御操作量を算出する。
表示制御部115は、プラント300の異常が検出されると、状態遷移データベース150のなかで異常に対応する状態遷移テーブル151の状態名称153、および操作量算出部114が算出した制御操作量を、運転監視制御システム200に送信する。運転監視制御システム200の監視操作パネル203には、状態名称および制御操作量が表示される(後記する図8参照)。なお異常に対応する状態遷移テーブル151とは、異常が検出された時点におけるクラスタ番号(図5記載のクラスタ番号142参照)を最初のレコードのクラスタ番号152に含む状態遷移テーブル151のことである。
以上に説明したように、制御装置100に備わる表示制御部115は、制御対象の状態と制御操作量とを表示器(監視操作パネル203)に表示する。また表示制御部115は、異常が検出された制御対象の状態である初期状態から、制御対象の状態量の変化量が所定値以下となる状態である定常状態までの状態の経時的変化(遷移)を示す状態遷移(状態遷移テーブル151)を記憶する状態遷移データベース150を参照し、異常検出部113が検出した異常を初期状態(状態遷移テーブル151の最初のレコード)とする状態遷移に含まれる状態の経時的変化を表示する。
≪制御処理≫
図7は、本実施形態に係る制御処理のフローチャートである。制御処理は、並列に実行される、ステップS11~S12の状態取得処理と、ステップS21~S28の状態進行表示処理とを含む。
ステップS11において状態量受信部111は、運転監視制御システム200が送信した状態量および設定値を受信して、プラント状態量データベース130に格納する。
ステップS12において状態算出部112は、ステップS11で受信した状態量および設定値から構成される状態量ベクトルに最も近いクラスタのクラスタ番号を算出して、状態データベース140に格納する。
ステップS21において異常検出部113は、プラント状態量データベース130にある最新の状態量を取得し、異常の有無を判断する。異常検出部113は、異常があれば(ステップS21→YES)ステップS22に進み、異常がなければ(ステップS21→NO)ステップS21に戻る。
ステップS22において表示制御部115は、状態遷移データベース150のなかでステップS21において異常と判断された時点の状態量ベクトルに対応する状態遷移テーブル151を特定する。詳しくは、表示制御部115は異常と判断された時点でのクラスタ番号142を状態データベース140から取得し、当該クラスタ番号を最初のレコードのクラスタ番号152に含む状態遷移テーブル151を特定する。この状態遷移テーブル151は、ステップS21において異常と判断されて以降でプラント300が整定するまでの状態遷移を示す。
ステップS23において操作量算出部114は、状態データベース140にある現時点から所定期間内のクラスタ番号142を取得する。例えば状態算出部112は、現時点から30分前までの時点(現時点、10分前、20分前、30分前)のクラスタ番号を取得する。
ステップS24において操作量算出部114は、制御操作量算出モデル121を用いて、ステップS22で取得したクラスタ番号から制御操作量を算出する。
ステップS25において表示制御部115は、ステップS22で取得した状態遷移テーブル151にある状態名称、現状態、およびステップS24で算出された制御操作量を運転監視制御システム200に送信する。現状態とは、状態遷移テーブル151にある状態(レコード)のなかで現在(最新)の状態量に相当する状態である。現状態は、状態データベース140における最新のレコードのクラスタ番号142を、クラスタ番号152に含むレコードである。
ステップS26において監視操作パネル203の制御部は、監視操作パネル203に、遷移状態と制御操作とを含む状態進行表示画面510(後記する図8参照)を表示する。またプラント制御部202は、受信した制御操作量に基づいてフィードバック制御を行う。
図8は、本実施形態に係る状態進行表示画面510の画面構成図である。状態進行表示画面510の左側には、表示制御部115が送信した状態名称が、状態遷移テーブル151(ステップS22参照)にある順序の順に表示される。状態名称には、状態量の変化の方向、異常前と比較しての状態量の高低、異常前の状態量に戻る途中である「回復」などが含まれる。
図8では5番目までの状態名称と、6番目以降の状態名称が異なる形態(例えば色が異なる)で表示されている(図8では5番目までハッチングされて記載されている)。これは、ステップS25で送信された現状態が「塔内圧力:回復中」であるためであり、順に遷移する8つの状態のうちで現時点の状態が「塔内圧力:回復中」であることを示している。
状態進行表示画面510の右側には、制御操作が表示されている。ステップS24において算出された制御操作量は、塔内圧力の設定値を下げる制御操作量(負のバイアス値)であり「圧力設定値:低下操作(-0.05)」と表示される。括弧(「()」)内の数値がバイアス値である。
状態進行表示画面510では、塔内圧力が回復中の状態にあるが、まだ、回復までには至っていないことが示されている。制御操作については、圧力設定値に低下操作が実行され、その状態が継続中であることが示されている。また、上昇した塔内圧力は回復中だが、原料流量調整弁開度が整定する状態までに達していないため、圧力設定値の低下操作が継続しており、まだ低下操作を回復していない状態にあることが示されている。
以上に説明したように、表示制御部115が表示する制御対象(プラント300)の状態は、制御操作量の制御を行った後における制御対象の状態の経時的変化を含む。また表示制御部115が表示する制御対象の状態は、制御対象の異常が検出される前の状態量と比較しての状態量の高低、状態量の変化の方向、制御対象の異常が検出される前の状態量に戻る途中の何れかを示す。
図7に戻って、制御処理の説明を続ける。ステップS27において表示制御部115は、プラント300が整定したか否かを判断する。整定するとは、状態量の変化量が所定値以下であり、安定していることである。表示制御部115は、整定していれば(ステップS27→YES)ステップS28に進み、整定していなければ(ステップS27→NO)ステップS23に戻る。
ステップS28において表示制御部115は、状態進行表示処理が終了したことを運転監視制御システム200に送信する。すると、監視操作パネル203の制御部は、状態進行表示画面510の表示を終了する。
≪制御装置の特徴≫
制御装置100は、プラント300に異常状態から整定するまでの状態遷移を記憶している(図6記載の状態遷移データベース150参照)。制御装置100は、異常を検出すると当該異常の状態を最初の状態とする状態遷移(状態遷移テーブル151)を特定して、運転監視制御システム200に送信する(図7記載のステップS25参照)。また制御装置100は、現時点および過去の時点における状態量から制御操作量を算出して、運転監視制御システム200に送信する(ステップS23~S25参照)。この制御操作量は、熟練運転員の実行した制御操作を学習した制御操作量算出モデル121を参照して算出されたものであり、熟練運転員と同様の制御操作である。運転監視制御システム200の監視操作パネル203には、状態進行表示画面510(図8参照)が表示される。
制御装置100が送信した制御操作量に基づいて運転監視制御システム200がプラント300を制御することで、異常状態からより早く定常状態に戻ることができる。また運転員は状態進行表示画面510を参照することで、異常発生後の状態遷移や各状態における制御操作を把握できる。運転員は、現在の状態だけではなく制御操作後の状態遷移がわかることで、制御操作を行う根拠(理由)が理解でき、熟練運転員の制御操作を習得することができるようになる。
≪変形例:運転員による制御操作≫
上記した実施形態では、制御装置100が算出した制御操作量に基づいて、プラント制御部202がフィードバック制御を行っている(図7のステップS26参照)。制御操作量が監視操作パネル203に表示され、表示された制御操作量を参照して運転員が手動で設定値を変更するようにしてもよい。制御操作量は、熟練運転員の制御操作を学習した制御操作量算出モデル121を用いて算出され、短時間で定常状態に遷移可能になる。
このようにして制御操作を実行することで、経験が浅い運転員であっても熟練運転員と同様の制御操作を行って、短い時間でプラント300を整定することができるようになる。状態進行表示画面510には、現時点でのプラント300の状態だけではなく、制御操作を行った後の状態の遷移(時系列変化)が表示されている。このため運転員は、制御操作を行った後にプラント300がどのような状態を辿って定常状態になる(整定する)かを確認できるようになり、制御操作を行う根拠を得ることができる。延いては、運転員は円滑に制御操作を行うとともに、熟練運転員の制御操作を習得することができるようになる。
≪変形例:トレンドグラフ表示画面≫
状態進行表示画面510(図8参照)には、制御操作を行った後の遷移するプラント300の状態を含む。監視操作パネル203に個々の状態量の変化を示すトレンドグラフが表示されるようにしてもよい。図9は、本実施形態の変形例に係るトレンドグラフ表示画面520の画面構成図である。トレンドグラフ表示画面520には、異常発生前から現時点までの状態量のグラフが表示される。図9のトレンドグラフ表示画面520では、整定後の状態量のトレンドグラフが表示されている。トレンドグラフの横軸は時間であり、終わりに近い時点で何れの状態量および設定値とも、定常値となっている。塔内圧力や原料供給流量は最初の(異常発生前の)状態量に戻っているが、原料供給圧力は高いままで、原料流量調整弁開度は低下したままになっていることがわかる。運転者はトレンドグラフを見ることで、視覚的に現時点までの状態遷移を把握することができる。
トレンドグラフ表示画面520に表示されるトレンドグラフは、計測された状態量(センサ値)を示すグラフである。計測された状態量と、プラント300が整定するまでの状態量の予測値とを合わせたグラフであってもよい。
図10は、本実施形態の変形例に係るトレンドグラフ表示画面520Aの画面構成図である。実線のグラフは計測された状態量を示し、点線のグラフはプラント300が整定するまでの状態量の予測値のグラフである。状態量の予測値は、図7記載のステップS22で特定された状態遷移テーブル151に含まれるクラスタ番号152に対応するクラスタに含まれる状態量ベクトルから取得可能である。運転者はトレンドグラフを見ることで、視覚的に定常状態になるまでの状態遷移を把握することができる。
以上に説明したように、表示制御部115が表示する制御対象の状態は、状態量の時系列変化を示すグラフを含む。また状態量の時系列変化を示すグラフは、制御対象の状態量の実測値と予測値とを含む。
≪変形例:系統図に示したトレンド表示画面≫
上記したトレンドグラフ表示画面520は、グラフで状態量のトレンド(変化傾向)を示している。プラント300の系統図上に状態量のトレンドが表示されるようにしてもよい。図11は、本実施形態の変形例に係る系統図に示したトレンド表示画面530の画面構成図である。系統図に示したトレンド表示画面530では、圧力センサ312,316(図1参照)や流量センサ314、調整弁313の近くに、右上向き矢印、右向き矢印、右下向き矢印が配置されており、それぞれの状態量のトレンドがわかるようになっている。右上向き矢印は上昇中、右向き矢印は回復または整定、右下向き矢印は下降中を示す。系統図に示したトレンド表示画面530が見ることで、視覚的に状態量のトレンドがわかるようになる。
以上に説明したように、表示制御部115が表示する制御対象の状態は、制御対象に含まれる機器での状態量および状態量での変化の方向の何れかが示された制御対象の系統図を含む。
≪変形例:複数の遷移状態≫
上記した実施形態では、異常が検出された時点におけるプラント300の状態に対応する状態遷移テーブル151は1つであった。状態遷移が途中で分岐するために、異常が検出された時点の状態を最初の状態(レコード)とする状態遷移テーブル151が複数ある場合も想定される。このような複数の状態遷移がある場合には、監視操作パネル203には複数の遷移状態が表示される。
図12は、本実施形態の変形例に係る状態進行表示画面540の画面構成図である。状態進行表示画面540には、2つの遷移状態541,542、および遷移状態541,542それぞれに対応する制御操作543,544が表示されている。遷移状態541,542の間にある三角形545は状態遷移の分岐を示す。つまり三角形545は、遷移状態541,542について、1番目の状態「原料供給流量:異常上昇」および2番目の状態「塔内圧力:上昇中」までは同じであるが、3番目の状態は「原料流量調整弁開度:下降中」と「原料流量調整弁開度:下限到達」とに分岐していることを示す。遷移状態542では、塔内圧力の上昇に対し、原料流量調整弁の操作のみでは対応できず、原料流量調整弁開度が下限値に到達している。この場合、塔内圧力の回復は不可と判断され、制御操作544として、原料供給ポンプを停止させる。
図12においては遷移状態541の5番目の状態「塔内圧力:回復中」まで状態が遷移して遷移状態542には分岐せず、遷移状態541に示される状態遷移が進行していることがわかる。
このような状態進行表示画面540によれば、運転員は複数の状態遷移が起きうることが把握できるようになり、それぞれに応じた対応を予め準備することができるようになる。
以上に説明したように、前記表示制御部は、複数の前記状態の経時的変化を表示する。
≪その他の変形例≫
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態をとることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100 制御装置
111 状態量受信部
112 状態算出部
113 異常検出部
114 操作量算出部
115 表示制御部
121 制御操作量算出モデル
130 プラント状態量データベース
140 状態データベース
150 状態遷移データベース
151 状態遷移テーブル(状態遷移)
160 正常状態データベース
203 監視操作パネル(表示器)
300 プラント(制御対象)

Claims (10)

  1. 制御対象の状態量を基に当該制御対象の状態を算出する状態算出部と、
    前記状態を基に当該制御対象を制御するための制御操作量を算出する操作量算出部と、
    当該制御対象の状態と前記制御操作量とを表示器に表示する表示制御部とを備え、
    前記表示制御部が表示する当該制御対象の状態は、前記制御操作量の制御を行った後における当該制御対象の状態の経時的変化を含む
    ことを特徴とする制御装置。
  2. 前記制御対象の状態量の正常範囲を記憶する正常状態データベースを参照して、前記制御対象の異常を検出する異常検出部をさらに備え、
    前記操作量算出部は、
    前記制御対象の異常が検出されると前記制御操作量を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記表示制御部は、
    前記異常が検出された前記制御対象の状態である初期状態から、前記制御対象の状態量の変化量が所定値以下となる状態である定常状態までの状態の経時的変化を示す状態遷移を記憶する状態遷移データベースを参照し、
    前記異常検出部が検出した異常を前記初期状態とする前記状態遷移に含まれる状態の経時的変化を表示する
    ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記表示制御部は、
    複数の前記状態の経時的変化を表示する
    ことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記表示制御部が表示する前記制御対象の状態は、
    前記制御対象の異常が検出される前の状態量と比較しての前記状態量の高低、前記状態量の変化の方向、前記制御対象の異常が検出される前の状態量に戻る途中の何れかを示す
    ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  6. 前記表示制御部が表示する前記制御対象の状態は、
    前記状態量の時系列変化を示すグラフを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  7. 前記状態量の時系列変化を示すグラフは、
    前記制御対象の状態量の実測値と予測値とを含む
    ことを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記表示制御部が表示する前記制御対象の状態は、
    当該制御対象に含まれる機器での状態量および当該状態量での変化の方向の何れかが示された当該制御対象の系統図を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  9. 前記操作量算出部は、
    前記制御操作量の算出時の状態、および当該算出時より前時点の状態を基に、前記制御操作量を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  10. 制御装置が、
    制御対象の状態量を基に当該制御対象の状態を算出するステップと、
    前記状態を基に当該制御対象を制御するための制御操作量を算出するステップと、
    当該制御対象の状態と前記制御操作量とを表示器に表示するステップとを実行し、
    前記表示器に表示される当該制御対象の状態は、前記制御操作量の制御を行った後における当該制御対象の状態の経時的変化を含む
    ことを特徴とする制御方法。
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