JP2023109151A - 放射線撮像装置および放射線撮影システム - Google Patents

放射線撮像装置および放射線撮影システム Download PDF

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Abstract

【課題】 放射線撮像装置の背面側の構造物に反射して起こる後方散乱線により生じるアーチファクトを低減しつつ、放射線撮像装置を軽量化する技術を提供する。【解決手段】 放射線撮像装置の背面側の構造物に反射した後方散乱線により発生する放射線撮像装置の背面側に配置された部品の写り込みを低減させるための減衰部材を放射線検出部の放射線の入射面の背面側に有し、前記減衰部材は、前記部品が含む材料のうち最も原子番号が大きい材料に対し原子番号が大きい材料と小さい材料からなり、放射線検出部の入射面と対向する面への正射影において前記放射線検出部と重なる前記部品の外形の端部を覆い且つ前記放射線検出部よりも面積が小さいことを特徴とする。【選択図】 図4

Description

本開示は、放射線撮像装置および放射線撮影システムに関する。
現在、放射線による医療画像診断や非破壊検査に用いる撮像装置として、半導体材料によって形成された平面検出器(Flat Panel Detector、以下FPDと略す)を放射線検出部として用いた放射線撮像装置が普及している。このような放射線撮像装置は、例えば医療画像診断においては、一般撮影のような静止画撮影や、透視撮影のような動画撮影が可能なデジタル撮像装置として、放射線撮影システムに用いられている。
放射線撮像装置は、放射線発生装置より照射された放射線を放射線撮像装置の内部に配置されたFPDにより電気信号へと変換することで放射線画像を生成する。この際、照射された放射線の一部はFPDを透過したのちFPDの放射線が入射する側とは反対側の構造物で反射して再度FPDに入射する散乱線(後方散乱線)となり得る。そのような後方散乱線が、FPDの放射線が入射する側とは反対側の面に配置されている部品を透過してFPDへ入射し、放射線画像に部品が写り込むことでアーチファクトを発生させてしまう場合がある。
例えば特許文献1には、FPDに到達する後方散乱線の量が概ね均一となるように、領域ごとに放射線の透過率が異なる減衰部材を用いてアーチファクトの影響を軽減する技術が開示されている。減衰部材は一般に放射線の透過率が低くなるほど高重量であるが、特許文献1の技術では画像品位に影響しない領域には放射線の透過率の高い、すなわち低重量の減衰部材を使用するので、放射線撮像装置を軽量化することができる。放射線撮像装置を軽量化することで、被写体に対するセッティングなどで使用者が放射線撮像装置の持ち運びを行う際の作業負荷を軽減することができる。
特開2004-294114号公報
しかしながら、特許文献1の技術においては、FPDの放射線が入射する側とは反対側の面における放射線透過率が高い部品が配置されている箇所には放射線の透過率が低い、すなわち高重量の減衰部材を用いる必要がある。例えば放射線撮像装置を軽量化するために放射線の透過率が低い部品を小型化した場合に、放射線の透過率が高くなった領域には放射線の透過率が低い減衰部材を配置することとなり、更なる放射線撮像装置の軽量化が困難であるという課題があった。
上記の課題は、放射線発生装置より照射され被写体を通過した放射線に基づく放射線画像の生成を行う放射線撮像装置であって、各々が放射線を電気信号に変換するための複数の画素を含み、前記放射線発生装置からの放射線が入射される第一の面と、前記第一の面と対向する第二の面と、を有する放射線検出部と、前記放射線検出部に対して前記第二の面の側に設けられた部品と、前記放射線検出部に対して前記第二の面の側に設けられ、前記第二の面の側から前記放射線検出部に入射する後方散乱線を減衰させるための減衰部材と、を有し、前記減衰部材は、前記部品が含む材料のうち最も原子番号が大きい材料に対し原子番号が大きい材料および小さい材料からなり、前記第二の面への正射影において前記放射線検出部と重なる前記部品の外形の端部を覆い且つ前記放射線検出部よりも面積が小さいことを特徴とする放射線撮像装置によって解決される。
本開示における少なくとも一つの実施形態によれば、放射線撮像装置の重量を抑えつつ、後方散乱線に起因するアーチファクトを低減した放射線撮像装置を提供することができる。
第1の実施形態に係る放射線撮影システムの構成を示す図である。 第1の実施形態に係る放射線撮像装置の構成を示す図である。 第1の実施形態に係る後方散乱線を説明するための模式図である。 第1の実施形態に係る減衰部材の配置を示す模式図である。 第1の実施形態に係る図4上の位置と散乱線入射量の関係を示す図である。 第2の実施形態に係る減衰部材の配置を示す模式図である。
以下、本開示の好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
また、放射線という用語は典型的にはX線であり得るが、X線に限らず、例えば他の放射線(例えば、α線、β線、γ線等)を適用することも可能である。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る放射線撮影システム10の全体構成を示す図である。放射線撮影システム10は、制御装置100と、放射線発生装置101と、放射線撮像装置102と、を含んで構成されている。制御装置100は、撮影条件設定部103と、撮影制御部104と、画像処理部105と、表示部106とを備えている。制御装置100は、CPU、主記憶装置、補助記憶装置、ディスプレイを備えた汎用のコンピュータが好適に用いられ、制御装置100の各部の機能が実現される。
放射線発生装置101は被写体Pに放射線を照射する。放射線発生装置101は、放射線を発生させる管球と、発生した放射線のビームの広がり角を規定するコリメータと、コリメータに取り付けられた放射線量測定器によって構成される。
放射線撮像装置102は放射線発生装置101より照射され被写体Pを通過した放射線に基づき放射線撮影を行う。放射線撮影により生成された画像データは、画像処理部105に送信され、各種の画像処理が行われ放射線画像として生成される。また放射線撮像装置102は、検出した放射線量の情報を撮影制御部104に送信する。放射線撮像装置102の内部の構造については、図2の説明にて詳述する。
撮影条件設定部103は、管電圧、管電流、撮影部位等の撮影条件を操作者が入力するための撮影条件入力手段を有し、操作者により入力された撮影条件は撮影制御部104に送信される。撮影制御部104は入力された撮影条件を基に、放射線発生装置101、放射線撮像装置102、および画像処理部105を制御する。
画像処理部105は、放射線撮像装置102から送信された放射線画像に対して、オフセット補正処理、ゲイン補正処理、ノイズ低減処理等の画像処理を行う。画像処理部105は、画像処理が行われた後の放射線画像を表示部106に送信する。表示部106は汎用のディスプレイ等が用いられ、画像処理部105から送信された画像情報を出力する。
図2は、本実施形態における放射線撮像装置102の構成を示す図である。図2(a)は放射線撮像装置102の入射面側から見た外観斜視図であり、図2(b)は図2(a)に示す線A-A′に沿って放射線撮像装置102を切断して矢印方向から見た断面図である。図2(b)中の矢印Xは、放射線撮像装置102に入射する放射線の入射方向を模式的に示す。
放射線撮像装置102は、略直方体形状であって、筐体201によって放射線撮像装置102を構成する各部品が内包される。筐体201は、胸当て部202aと枠部202bを有する前面カバー202、背面カバー203および二次電池209のカバー213を有する。
胸当て部202aは、筐体201の放射線が入射する面に配置される板状の部材である。放射線撮像装置102には、撮影に使用する際に荷重がかかる場合があるので、胸当て部202aには高剛性の部材が好適である。また胸当て部202aは、放射線発生装置101からの放射線が入射する面であることから、放射線の透過率の高い材料が好適である。これらの観点から、胸当て部202aには例えばCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)が用いられる。また、胸当て部202aの周縁に位置する枠部202bには、マグネシウム合金が用いられる。
背面カバー203は、筐体201の放射線が入射する面と反対側の面に配置される板状の部材である。前述の通り放射線撮像装置102には荷重がかかる場合があるため、背面カバー203には高剛性の部材が好適である。また、筐体内での放射線の反射を抑えるために、放射線の透過率が高い材料が好適である。これらの観点から、背面カバー203には例えばCFRPが用いられる。
筐体201内には放射線の入射面側から順に、衝撃吸収シート204、放射線検出部205、基台206が積層される。衝撃吸収シート204は筐体201の外部より受ける衝撃から放射線検出部205を保護する。
放射線検出部205は、各々が光電変換素子を有し基板上に二次元アレイ状に配された複数の画素205a上に、放射線を光電変換素子が感知可能な光に波長変換するシンチレータの複数の結晶からなるシンチレータ層205bを有するFPDである。放射線発生装置101から照射された放射線は、シンチレータ層205bにより光へと変換され、複数の画素205aの光電変換素子によりさらに電気信号へと変換される。複数の画素205aのそれぞれの画素からの電気信号は駆動回路および読出回路にて読み出され、放射線画像として生成される。
図2(b)における放射線検出部205の構成は、放射線の入射面側から順にシンチレータ層205b、複数の画素205aとなっているが、この積層構造の順番が逆になっていてもよい。なお、以下の説明においては、図2(b)に示した構成の通り、放射線検出部205の積層構造が放射線の入射面側からシンチレータ層205b、複数の画素205a、の順となっている場合に関して述べる。
また、放射線検出部205の放射線発生装置101からの放射線が入射される側の面を第一の面、第一の面に対向する面を第二の面と呼称する。以下の説明においては、複数の画素205aが設けられた側の面が第一の面、第一の面に対向する面が第二の面である。
放射線検出部205は、フレキシブル回路基板207を介して、制御基板208に接続される。制御基板208は、前述の駆動回路および読出回路を有し、光電変換素子から信号を読み出すための駆動信号等の制御を行う。
基台206は、放射線検出部205を支持するための平板状の部材である。基台206の放射線が入射する側の面には、放射線検出部205が配置され、放射線が入射する側の面の対向する面には、制御基板208、二次電池209、図示しない無線モジュールやアンテナ部等が設けられ、基台206により支持されている。基台206の放射線が入射する側の面の対向する面には、各種部品を支持するための凹凸が設けられていてもよい。基台206は、剛性の確保、軽量化、および電気的ノイズの影響を考慮すると、マグネシウム合金とするのが好適である。
二次電池209は駆動用の電力を供給する。無線モジュールやアンテナ部は、外部装置に画像信号を無線送信する無線通信部として機能する。
減衰部材210は、放射線検出部205へ入射する後方散乱線を減衰させるために設けられている。後方散乱線とは、放射線検出部205へ照射された放射線の一部が透過する場合、または照射野が放射線検出部205より広い場合に、放射線検出部205の放射線が入射する側とは反対側の構造物で放射線が反射して放射線検出部205に再度入射する成分である。後方散乱線については図3の説明にて詳述する。減衰部材210は、例えばタングステン、モリブデン、鉛、SUS、鉄、ビスマス、およびセリウムなどの放射線を吸収する材料が用いられる。
減衰部材210は、放射線検出部205に対して入射する後方散乱線を減衰させるための部材であるので、放射線検出部205の第二の面の側に設けられる。例えば放射線検出部205と基台206との間、筐体201の背面カバー203の内側および外側に設けられるがその限りではなく、放射線検出部205の第二の面の側であればよい。
次に、図3を用いて後方散乱線について説明する。図3は、図1の放射線発生装置101および放射線撮像装置102について、後方散乱線の状況を示した図である。放射線発生装置101から照射された放射線は、放射線撮像装置102内部に配置された放射線検出部205に入射する。
放射線検出部205に入射した放射線の一部は、放射線検出部205のシンチレータ層205bで吸収されずに透過し、放射線撮像装置102の背面側の壁面や床などの構造物によって反射して散乱し、放射線検出部205の背面側から再入射する。また、放射線検出部205よりも広い範囲で照射された場合も同様に、放射線撮像装置102の背面側の壁面や床などの構造物によって反射して散乱し、放射線検出部205の背面側から再入射する。
このように背面側から入射する後方散乱線は、背面側に設置されている放射線撮像装置102の部品で減衰されるものと、蛍光体に入射するものとがある。部品がある箇所とそうでない箇所の放射線の透過率の差が、放射線画像上で部品が写り込む、すなわちアーチファクトが発生する原因となってしまう。また、後方散乱線が持つエネルギーE´は、下記の数1で表されるコンプトン散乱によって定まる。
Figure 2023109151000002
ここで、Eは入射した放射線が持つエネルギー[keV]、E´はコンプトン散乱した放射線が持つエネルギー[keV]、θは放射線の入射方向とコンプトン散乱した放射線の散乱方向のなす角である。後方散乱線は、90°≦θ≦180°の範囲でコンプトン散乱した放射線のことを指す。
放射線検出部205の全面を後方散乱線よりカバーするように減衰部材210を設けた場合、放射線検出部205に入射する後方散乱線の絶対量を減少させることができるため、アーチファクトを低減することができる。しかし、このように全面に減衰部材210を設けた場合、放射線撮像装置102の重量が重くなってしまう。放射線撮像装置102は、装置の性質上、被写体に対するセッティングなどで使用者が持ち運んで使用する作業が多くあるため、可能な限り軽量化する必要がある。
そのため本実施形態では、このような放射線撮像装置102の筐体の外で発生した後方散乱線に由来する部品の写り込みによるアーチファクトを、放射線検出部205の面積より小さい減衰部材を配置することで軽量化を図りつつ低減する。
図4は、本実施形態における放射線撮像装置102の構成を簡易的に示す図である。図4(a)は放射線撮像装置102の入射する側(図2の矢印X)とは反対側から見た、減衰部材を設けない場合の図であり、図4(b)は図4(a)に減衰部材を加えた図である。図4に示す放射線撮像装置102には、制御基板208a、制御基板208bおよび二次電池209が設けられている。
このとき、これらの部品の外形の端部と部品がない箇所とでは、放射線検出部205の第二の面の面内方向において、入射する後方散乱線の量に大きな差があることとなる。アーチファクトとして画像に表れるのは、このような後方散乱線の量に大きな差がある箇所である。
本実施形態では、放射線検出部205の第二の面への正射影において、写り込みを低減したい対象である、放射線検出部205の第二の面の側に設けられた部品の、外形の端部を覆うように減衰部材210を設ける。このとき、減衰部材210は写り込みを低減したい対象である部品よりも放射線の透過率が高いものとする。
このようにすることで、写り込みを低減したい対象である部品の外形の端部と部品のない箇所とで発生する、放射線検出部205の第二の面に到達する後方散乱線の量の差を緩やかにすることができるので、アーチファクトを低減することができる。
以下、図4および図5を用いて説明する。図5は、図4における線B-B´の位置における放射線検出部205への散乱線入射量を示す図である。図4(a)が示す放射線撮像装置102において、放射線検出部205の放射線が入射する側と対向する側には、線B-B′の位置において部品(図4においては制御基板208aおよび制御基板208b)が設けられていない領域と、部品が設けられた領域がある。その領域ごとの散乱線入射量を示したのが図5である。
図5(a)は図4(a)の減衰部材210が設けられない場合、また図5(b)は図4(b)の減衰部材210を設けた場合に対応している。図5(a)においては、部品が設けられていない領域と、部品が設けられた領域には、散乱線入射量に大きな差が生じることで部品が写り込み、アーチファクトの原因となる。
一方、減衰部材210が設けられた図5(b)においては、減衰部材210により、部品と減衰部材210で覆われた領域、減衰部材210のみで覆われた領域、部品にも減衰部材にも覆われていない領域ができることとなる。
図5(b)におけるそれぞれの領域における散乱線入射量の差は、減衰部材210が配置されていない場合の部品が設けられていない領域と部品が設けられた領域との間の差よりも小さいので、部品が写り込みにくく、アーチファクトを低減することができる。
減衰部材210は、写り込みを低減したい対象である部品よりも放射線の透過率が高いものを用いている。減衰部材210の放射線の透過率が写り込みを低減したい対象の部品よりも低い場合、減衰部材210による写り込みが発生してしまうためである。
図4では、制御基板208a、制御基板208b、および二次電池209を覆うように減衰部材210を配置する。上記図5の説明の通り、これらの領域間では後方散乱線の量の差が減衰部材210を配置しない場合に比べて緩やかとなるので、部品が写り込みにくく、アーチファクトを低減することができる。
次に、減衰部材210の放射線の透過率に関して、放射線の中でも特にX線のエネルギーに着目して詳細に述べる。
一般に、電荷をもたないX線と物質との相互作用は、光電吸収、コンプトン散乱、および電子対生成があるが、X線を減衰させる支配的な相互作用は光電効果である。光電効果は、原子番号が大きな物質で顕著となり、広範囲の放射線エネルギーと物質の原子番号については、下記の数2が近似式として知られている。
Figure 2023109151000003
ここで、τは光電効果の発生確率、Eは放射線の持つエネルギー、Zは物質の原子番号を表し、Eの範囲によって指数nは4と5の間で変化することが知られている。数2によれば、減衰部材210を構成する物質の原子番号Zが大きいほど放射線の透過率は低くなり、放射線検出部205に入射する後方散乱線の絶対量を減らすことができる。
一方で、減衰部材210を構成する物質が部品を構成する物質よりも原子番号Zの大きい物質である場合、部品と比べて減衰部材210の放射線の透過率が低くなってしまう。
このような場合、図5(b)において、減衰部材210のみで覆われた領域、部品にも遮蔽部材にも覆われていない領域との間で部品よりも大きな散乱線入射量の差が生じることでアーチファクト発生の原因となる。このようなアーチファクトの発生を防ぐためには、部品と比べて放射線の透過率の高い、すなわち原子番号の小さい物質を混ぜることが望ましい。
特に、数1で示した後方散乱線が持つエネルギー帯における放射線の透過率が部品より低くなるようにすることが望ましい。このようにすることで、図5(b)において、各領域間における後方散乱線の量の差を緩やかにすることができるため、アーチファクトを低減することができる。
減衰部材210は、放射線発生装置101より照射される放射線が有するエネルギーのうち後方散乱線が有するエネルギーよりも高いエネルギー帯の成分と、後方散乱線が有するエネルギー帯の成分とで、放射線の透過率の比率が部品よりも小さいことが好ましい。
例えば、X線の一般的な撮影においては、照射される放射線のエネルギーの最大値は、100kV~140kVの範囲である。このとき数1で表される後方散乱線が持つエネルギーの最大値は約70kV~90kVの範囲となる。このような場合、例えば80kVを境界として、エネルギーが80kV以下のエネルギーではでは部品よりも放射線の透過率が高く、80kVより高いエネルギーでは部品よりも放射線の透過率が低くなるような減衰部材210を用いるとよい。具体的には、写り込みを防ぎたい部品よりも原子番号が大きい物質と小さい物質を混合させた減衰部材210を用いるとよい。
また、上記の図4(b)の説明では、写り込みを低減したい対象である部品を制御基板208および二次電池209としたが、その限りではない。例えば、基台206に設けられた凹凸部、放射線撮像装置102の通信用のアンテナ、各種の電気部品を接続するためのケーブル、各種の部品を締結するための締結部材等の外形の端部を覆うように減衰部材210を設けるようにしてもよい。
また、部品を構成する構成部品間で放射線の透過率に差があるケースも考えられる。例えば、二次電池209は外装内に複数のバッテリセルが含まれるが、二次電池209の外装とバッテリセルとでは放射線の透過率に差がある。このようなケースでは、部品を構成する構成部品の端部を覆うように減衰部材210を設けるようにしてもよい。また、その場合の減衰部材210の材料は、写り込みを防ぎたい構成部品よりも原子番号が大きい物質と小さい物質を混合させた減衰部材210を用いるとよい。
例えば、制御基板208の写り込みを低減したい場合、写り込みの主要因となるのは基板中の銅(Cu、原子番号29)であるので、原子番号が29より大きい物質と、29より小さい物質と、で減衰部材210を構成するとよい。他の例としては、締結部材等に用いられる鉄(Fe、原子番号26)に対して原子番号が大きい物質と、小さい物質と、で減衰部材210を構成してもよい。原子番号が29より大きい物質と、29より小さい物質で減衰部材210を構成するとよい。これらの例に限らず、写り込みを低減したい物質に合わせて減衰部材210の材料を決定するとよい。
また、減衰部材210は、外形端部において厚みを連続的に変化させてもよい。このようにすることで、減衰部材210の端部における放射線検出部205の第二の面に到達する後方散乱線の量の差を小さくできるので、放射線画像に減衰部材210の外形の形状を写り込みにくくすることができる。
また、減衰部材210は、放射線撮像装置102に対して着脱可能に構成してもよい。
このようにすることで、実際に撮影した放射線画像の写り込みの状況を見た上で、適切な位置に減衰部材210を配置することが容易となる。また、減衰部材210を着脱可能とすることで、放射線画像の写り込みの状況に合わせて、減衰部材210の材料を変更することが容易となる。
(第2の実施形態)
次に、本開示の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態との違いは、減衰部材210が写り込みを低減したい対象である部品全体ではなく、部品の外形の端部のみを覆うようにしていることである。
図6は、本実施形態における放射線撮像装置102の構成を簡易的に示す図である。図6(a)は放射線撮像装置102の入射する側とは反対側から見た、減衰部材のない図であり、図6(b)は図6(a)に減衰部材210を加えた図である。
本実施形態では、写り込みを低減したい対象である部品として制御基板208a、制御基板208b、および二次電池209が放射線撮像装置102に設けられ、それぞれの部品の外形の端部に減衰部材210を配置する。図6のように減衰部材210を配置することで、減衰部材210の面積が第1の実施形態より少なくなることにより、更に放射線撮像装置102を軽量化することができる。
以上の実施形態に関し、本開示の一側面および選択的な特徴として以下の付記を開示する。
(付記1)
放射線発生装置より照射され被写体を通過した放射線に基づく放射線撮影を行う放射線撮像装置であって、
各々が放射線を電気信号に変換するための複数の画素を含み、前記放射線発生装置からの放射線が入射される第一の面と、前記第一の面と対向する第二の面と、を有する放射線検出部と、
前記放射線検出部に対して前記第二の面の側に設けられた部品と、
前記放射線検出部に対して前記第二の面の側に設けられ、前記第二の面の側から前記放射線検出部に入射する後方散乱線を減衰させるための減衰部材と、を有し、
前記減衰部材は、前記部品が含む材料のうち最も原子番号が大きい材料に対し原子番号が大きい材料および小さい材料からなり、前記第二の面への正射影において前記放射線検出部と重なる前記部品の外形の端部を覆い且つ前記放射線検出部よりも面積が小さいこと
を特徴とする放射線撮像装置。
(付記2)
前記減衰部材は、前記放射線発生装置より照射される放射線が有するエネルギーのうち前記後方散乱線が有するエネルギーよりも高いエネルギー帯の成分と、前記後方散乱線が有するエネルギー帯の成分とで、放射線の透過率の比率が前記部品よりも小さいものであってもよい。
(付記3)
前記減衰部材は、エネルギーが80kV以下の放射線に対しては前記部品よりも放射線の透過率が高く、かつエネルギーが80kVより高い放射線に対しては前記部品よりも放射線の透過率が低くなるものであってもよい。
(付記4)
前記部品は、前記放射線検出部から信号を読み出すための制御基板であってもよい。
(付記5)
前記部品は、前記放射線撮像装置に電力を供給する二次電池であってもよい。
(付記6)
前記部品は、前記放射線撮像装置が外部の装置と通信するためのアンテナであってもよい。
(付記7)
前記部品は、前記放射線検出部の前記第二の面の側に前記放射線検出部を支持する基台であってもよい。
(付記8)
前記部品は前記放射線撮像装置が有する部品を締結する締結部材であってもよい。
(付記9)
前記部品は、前記放射線撮像装置が有する部品に接続されたケーブルであってもよい。
(付記10)
前記部品は、前記部品を構成するための複数の構成部品を有していてもよい。
(付記11)
前記部品は、銅または鉄の少なくとも一つを含むものであってもよい。
(付記12)
前記減衰部材は、外形の端部で厚みが連続的に変化しているものであってもよい。
(付記13)
前記減衰部材は、前記放射線撮像装置に対して着脱可能であってもよい。
(付記14)
前記減衰部材は、タングステン、モリブデン、鉛、SUS、鉄、ビスマス、およびセリウムの少なくともいずれか一つを含むものであってもよい。
(付記15)
前記放射線検出部と前記部品とを内包する筐体を有し、
前記筐体の放射線が入射する面と反対側の面は、CFRPからなるものであってもよい。
(付記16)
前記複数の画素の各々は光電変換素子を有し、
前記放射線検出部は、放射線を前記光電変換素子が感知可能な光に変換するシンチレータを有するものであってもよい。
(付記17)
付記1乃至16のいずれか一項に記載の放射線撮像装置と、
前記放射線撮像装置が検出した放射線を放射線画像として処理する画像処理部と、を有すること
を特徴とする放射線撮影システム。
102 放射線撮像装置
205 放射線検出部
210 遮蔽部材
P 被写体

Claims (17)

  1. 放射線発生装置より照射され被写体を通過した放射線に基づく放射線撮影を行う放射線撮像装置であって、
    各々が放射線を電気信号に変換するための複数の画素を含み、前記放射線発生装置からの放射線が入射される第一の面と、前記第一の面と対向する第二の面と、を有する放射線検出部と、
    前記放射線検出部に対して前記第二の面の側に設けられた部品と、
    前記放射線検出部に対して前記第二の面の側に設けられ、前記第二の面の側から前記放射線検出部に入射する後方散乱線を減衰させるための減衰部材と、を有し、
    前記減衰部材は、前記部品が含む材料のうち最も原子番号が大きい材料に対し原子番号が大きい材料および小さい材料からなり、前記第二の面への正射影において前記放射線検出部と重なる前記部品の外形の端部を覆い且つ前記放射線検出部よりも面積が小さいこと
    を特徴とする放射線撮像装置。
  2. 前記減衰部材は、前記放射線発生装置より照射される放射線が有するエネルギーのうち前記後方散乱線が有するエネルギーよりも高いエネルギー帯の成分と、前記後方散乱線が有するエネルギー帯の成分とで、放射線の透過率の比率が前記部品よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 前記減衰部材は、エネルギーが80kV以下の放射線に対しては前記部品よりも放射線の透過率が高く、かつエネルギーが80kVより高い放射線に対しては前記部品よりも放射線の透過率が低くなることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  4. 前記部品は、前記放射線検出部から信号を読み出すための制御基板であることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  5. 前記部品は、前記放射線撮像装置に電力を供給する二次電池であることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  6. 前記部品は、前記放射線撮像装置が外部の装置と通信するためのアンテナであることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  7. 前記部品は、前記放射線検出部の前記第二の面の側に前記放射線検出部を支持する基台であることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  8. 前記部品は前記放射線撮像装置が有する部品を締結する締結部材であることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  9. 前記部品は、前記放射線撮像装置が有する部品に接続されたケーブルであることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  10. 前記部品は、前記部品を構成するための複数の構成部品を有することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  11. 前記部品は、銅または鉄の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  12. 前記減衰部材は、外形の端部で厚みが連続的に変化していることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  13. 前記減衰部材は、前記放射線撮像装置に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  14. 前記減衰部材は、タングステン、モリブデン、鉛、SUS、鉄、ビスマス、およびセリウムの少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  15. 前記放射線検出部と前記部品とを内包する筐体を有し、
    前記筐体の放射線が入射する面と反対側の面は、CFRPからなること
    を特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  16. 前記複数の画素の各々は光電変換素子を有し、
    前記放射線検出部は放射線を前記光電変換素子が感知可能な光に変換するシンチレータを有することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  17. 請求項1乃至16のいずれか一項に記載の放射線撮像装置と、
    前記放射線撮像装置が検出した放射線を放射線画像として処理する画像処理部と、を有すること
    を特徴とする放射線撮影システム。
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