JP2023108709A - アーク溶接方法 - Google Patents

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賢人 高田
Kento Takada
哲生 恵良
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Abstract

【課題】母材の材質がアルミニウム材であり、溶接継手部に大きなギャップを有する薄板に対して、高品質な溶接を行うこと。【解決手段】母材の材質がアルミニウム材であり、溶接ワイヤの送給速度Fwを正送給してパルスアーク溶接を行う期間(時刻t2~t3の期間)と、溶接ワイヤの送給速度Fwを正逆送給して短絡移行アーク溶接を行う期間(時刻t3~t4の期間)とを交互に切り換えて溶接するアーク溶接方法において、パルスアーク溶接が電極マイナス極性でピーク電流を通電するピーク期間とベース電流を通電するベース期間とを繰り返すパルスアーク溶接であり、短絡移行アーク溶接が電極プラス極性でアーク期間と短絡期間とを繰り返す短絡移行アーク溶接である。全溶接期間に占める短絡移行アーク溶接を行う期間の時間比率が、30%以上70%以下の範囲である。【選択図】 図2

Description

本発明は、溶接ワイヤを正送給してパルスアーク溶接を行う期間と、溶接ワイヤを正逆送給して短絡移行アーク溶接を行う期間とを交互に切り換えて溶接するアーク溶接方法に関するものである。
母材への入熱を小さくして薄板を高品質に溶接するために特許文献1、2等の発明が慣用されている。
特許文献1に係る交流パルスアーク溶接方法では、溶接ワイヤを送給し、電極プラス極性期間中のピーク電流及びベース電流の通電と、電極マイナス極性期間中の電極マイナス極性電流の通電とを1周期として繰り返すことによって溶接が行われる。この交流パルスアーク溶接では、電極マイナス極性期間を調整することによって、1周期に占める電極マイナス極性期間の時間比率である電極マイナス極性比率を変化させて、母材への入熱を制御することができる。このために、低入熱溶接が可能となり、高品質な薄板溶接を行うことができる。
特許文献2に係る溶接方法では、溶接ワイヤを送給し、パルスアーク溶接を行う期間と短絡移行アーク溶接を行う期間とを交互に切り換えて溶接が行われる。この溶接方法では、パルスアーク溶接の期間と短絡移行アーク溶接の期間との比率を調整することによって、母材への入熱制御を行うことができる。このために、低入熱溶接が可能となり、高品質な薄板溶接を行うことができる
国際公開WO2018/079345号公報 特開2021-53649号公報
薄板溶接において、溶接継手部にギャップがある場合には、溶け込み部を小さくし、余盛り部を大きくした希釈率の小さなビード形状を形成する必要がある。しかし、特許文献1、2等の従来技術の溶接方法では、母材がアルミニウム材であるときに、大きなギャップを有する薄板を高品質に溶接することは困難であった。
そこで、本発明では、母材の材質がアルミニウム材であり、溶接継手部に大きなギャップを有する薄板に対して、高品質な溶接を行うことができるアーク溶接方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
母材の材質がアルミニウム材であり、溶接ワイヤを正送給してパルスアーク溶接を行う期間と、前記溶接ワイヤを正逆送給して短絡移行アーク溶接を行う期間とを交互に切り換えて溶接するアーク溶接方法において、
前記パルスアーク溶接が電極マイナス極性でピーク電流を通電するピーク期間とベース電流を通電するベース期間とを繰り返すパルスアーク溶接であり、
前記短絡移行アーク溶接が電極プラス極性でアーク期間と短絡期間とを繰り返す短絡移行アーク溶接である、
ことを特徴とするアーク溶接方法である。
請求項2の発明は、
全溶接期間に占める前記短絡移行アーク溶接を行う期間の時間比率が、30%以上70%以下の範囲である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接方法である。
請求項3の発明は、
前記パルスアーク溶接が前記ベース期間であるときに、前記短絡移行アーク溶接に切り換える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアーク溶接方法である。
請求項4の発明は、
前記短絡移行アーク溶接が前記アーク期間であるときに前記パルスアーク溶接に切り換える、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアーク溶接方法である。
本発明によれば、母材の材質がアルミニウム材であり、溶接継手部に大きなギャップを有する薄板に対して、高品質な溶接を行うことができる。
本発明の実施の形態に係るアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。 本発明の実施の形態に係るアーク溶接方法を示す図1における各信号のタイミングチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るアーク溶接方法を実施するための溶接電源のブロック図である。同図において、極性切換時の高電圧印加回路については省略している。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
インバータ回路INVは、3相200V等の交流商用電源(図示は省略)を入力として、整流及び平滑した直流電圧を、後述する誤差増幅信号Eaによるパルス幅変調制御によりインバータ制御を行い、高周波交流を出力する。インバータトランスINTは、高周波交流電圧をアーク溶接に適した電圧値に降圧する。2次整流器D2a~D2dは、降圧された高周波交流を直流に整流する。
電極プラス極性トランジスタPTRは後述する電極プラス極性駆動信号Pdによってオン状態になり、このときは溶接電源の出力は電極プラス極性EPになる。電極マイナス極性トランジスタNTRは後述する電極マイナス極性駆動信号Ndによってオン状態になり、このときは溶接電源の出力は電極マイナス極性ENになる。
リアクトルWLは、リップルのある出力を平滑する。
溶接ワイヤ1は、ワイヤ送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を送給されて、母材2との間にアーク3が発生する。溶接ワイヤ1と母材2との間には溶接電圧Vwが印加し、溶接電流Iwが通電する。母材2の材質はアルミニウム材である。溶接トーチ4の先端から噴出されるシールドガスは100%アルゴンガスである。
電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwの絶対値を検出して、電圧検出信号Vdを出力する。電圧平均化回路VAVは、この電圧検出信号Vdの絶対値を平均化して、電圧平均値信号Vavを出力する。電圧設定回路VRは、予め定めた電圧設定信号Vrを出力する。電圧誤差増幅回路EVは、この電圧設定信号Vrと上記の電圧平均値信号Vavとの誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。
切換回路SWは、後述する溶接法切換信号Smを入力として、溶接法切換信号Sm=1(パルスアーク溶接期間Ta)に変化した時点から予め定めたベース期間中の予め定めたベース電流設定値と、予め定めたピーク期間中の予め定めたピーク電流設定値とを交互に繰り返して電流設定信号Irを出力する。
電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwの絶対値を検出して、電流検出信号Idを出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の電流設定信号Irと上記の電流検出信号Idとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。
パルスアーク溶接期間設定回路TARは、予め定めたパルスアーク溶接期間設定信号Tarを出力する。短絡移行アーク溶接期間設定回路TSRは、予め定めた短絡移行アーク溶接期間設定信号Tsrを出力する。
短絡判別回路SDは、上記の電圧検出信号Vdを入力として、この値が短絡判別値(10V程度)未満のときは短絡期間であると判別してHighレベルとなり、以上のときはアーク期間であると判別してLowレベルとなる、短絡判別信号Sdを出力する。
溶接法切換回路SMは、上記のパルスアーク溶接期間設定信号Tar、上記の短絡移行アーク溶接期間設定信号Tsr、上記の電流設定信号Ir及び上記の短絡判別信号Sdを入力として、以下の処理を行い、溶接法切換信号Smを出力する。
1)溶接法切換信号Sm=1に変化した時点からパルスアーク溶接期間設定信号Tarによって設定される期間が経過し、かつ、電流設定信号Irの値がベース電流設定値であるときは、溶接法切換信号Sm=2を出力する。
2)溶接法切換信号Sm=2に変化した時点から短絡移行アーク溶接期間設定信号Tsrによって設定された期間が経過し、かつ、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)のときは、溶接法切換信号Sm=1を出力する。
3)上記の1)及び2)を繰り返す。
誤差増幅回路EAは、上記の電流誤差増幅信号Ei、上記の電圧誤差増幅信号Ev及び上記の溶接法切換信号Smを入力として、以下の処理を行い、誤差増幅信号Eaを出力する。
1)溶接法切換信号Sm=1(パルスアーク溶接期間Ta)のときは、電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力する。
2)溶接法切換信号Sm=2(短絡移行アーク溶接期間Ts)のときは、電圧誤差増幅信号Evを誤差増幅信号Eaとして出力する。
駆動回路DVは、上記の溶接法切換信号Smを入力として、以下の処理を行い、駆動信号Dvを出力する。駆動信号Dvは、電極マイナス極性駆動信号Nd及び電極プラス極性駆動信号Pdから形成されている。
1)溶接法切換信号Sm=1(パルスアーク溶接期間Ta)のときは電極マイナス極性駆動信号Ndを出力する。
2)溶接法切換信号Sm=2(短絡移行アーク溶接期間Ts)のときは、電極プラス極性駆動信号Pdを出力する。
パルスアーク溶接送給速度設定回路FARは、正の値の予め定めたパルスアーク溶接送給速度設定信号Farを出力する。
短絡移行アーク溶接送給速度設定回路FSRは、上記の短絡判別信号Sdを入力として、短絡判別信号SdがHighレベル(短絡期間)のときは負の値の予め定めた逆送ピーク値となり、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)のときは正の値の予め定めた正送ピーク値となる、短絡移行アーク溶接送給速度設定信号Fsrを出力する。
したがって、溶接ワイヤは、交流パルスアーク溶接期間Ta中は正送給され、電極マイナス極性短絡移行アーク溶接期間Ts中は正逆送給される。
送給速度設定回路FRは、上記の溶接法切換信号Sm、上記のパルスアーク溶接送給速度設定信号Far及び上記の短絡移行アーク溶接送給速度設定信号Fsrを入力として、溶接法切換信号Sm=1のときはパルスアーク溶接送給速度設定信号Farを送給速度設定信号Frとして出力し、溶接法切換信号Sm=2のときは短絡移行アーク溶接送給速度設定信号Fsrを送給速度設定信号Frとして出力する。
送給制御回路FCは、上記の送給速度設定信号Frを入力として、この値に対応した送給速度Fwで溶接ワイヤ1を送給するための送給制御信号Fcを上記のワイヤ送給モータWMに出力する。
図2は、本発明の実施の形態に係るアーク溶接方法を示す図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接法切換信号Smの時間変化を示し、同図(B)は駆動信号Dvの時間変化を示し、同図(C)は送給速度Fwの時間変化を示し、同図(D)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(E)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(F)は短絡判別信号Sdの時間変化を示す。以下、同図を参照して各信号の動作について説明する。
同図(A)に示す溶接法切換信号Smは、Sm=1のときはパルスアーク溶接期間Taとなり、Sm=2のときは短絡移行アーク溶接期間Tsとなる。同図(B)に示す駆動信号Dvは、Highレベルのときに図1の電極マイナス極性駆動信号Ndが出力されて電極マイナス極性ENとなっていることを示しており、Lowレベルのときに図1の電極プラス極性駆動信号Pdが出力されて電極プラス極性EPになっていることを示している。同図(C)に示す送給速度Fwは、正の値が溶接ワイヤを母材方向に前進送給する正送を示し、負の値が溶接ワイヤを母材から離反する方向に後退送給する逆送を示している。同図(D)に示す溶接電流Iwは、正の値が溶接ワイヤから母材側へと通電する電極プラス極性EPであることを示し、負の値が母材から溶接ワイヤ側へと通電する電極マイナス極性ENであることを示す。同図(E)に示す溶接電圧Vwは、正の値が溶接ワイヤがプラスとなり母材がマイナスとなる電極プラス極性EPであることを示し、負の値が母材がプラスとなり溶接ワイヤがマイナスとなる電極マイナス極性ENであることを示す。溶接電流Iw及び溶接電圧Vwの値を記載するときは、電極極性に関わりなくその絶対値を示している。極性切換時のアーク切れを防止するために、溶接ワイヤと母材との間に短時間数百Vの再点弧電圧が印加される。
同図(A)に示すように、溶接法切換信号Smは、時刻t2以前の期間はSm=2(短絡移行アーク溶接期間Ts)となり、時刻t2~t3の期間中は1(パルスアーク溶接期間Ta)となり、時刻t3~t4の期間中は2(短絡移行アーク溶接期間Ts)となり、時刻t4以降の期間は1(パルスアーク溶接期間Ta)となる。
(1)時刻t2以前の短絡移行アーク溶接期間Tsの動作
この期間中は、同図(A)に示すように、溶接法切換信号Sm=2となり、短絡移行アーク溶接期間Tsとなる。同図(B)に示すように、駆動信号DvはLowレベルとなり電極プラス極性EPとなる。したがって、同図(D)に示す溶接電流Iw及び同図(E)に示す溶接電圧Vwは正の値となっている。 時刻t1~t11の期間が短絡期間となり、時刻t11~t2の期間がアーク期間となっている。時刻t1~t11の短絡期間中は、同図(F)に示すように、短絡判別信号SdはHighレベルとなる。これに応動して、同図(C)に示すように、送給速度Fwは負の値の予め定めた逆送ピーク値となっており、溶接ワイヤは逆送されている。同図(D)に示すように、溶接電流Iwは次第に増加する。同図(E)に示すように、溶接電圧Vwは数Vの短絡電圧値となっている。時刻t11にアークが発生すると、同図(F)に示すように、短絡判別信号SdはLowレベルに変化する。これに応動して、同図(C)に示すように、送給速度Fwは傾斜を有して正の値の予め定めた正送ピーク値へと変化し、溶接ワイヤは正送される。同図(D)に示すように、溶接電流Iwは次第に減少する。同図(E)に示すように、溶接電圧Vwは数十Vのアーク電圧値となる。
(2)時刻t2~t3のパルスアーク溶接期間Taの動作
時刻t2において、溶接法切換信号Sm=2に変化した時点から図1の短絡移行アーク溶接期間設定信号Tsrによって設定された期間が経過し、かつ、短絡判別信号SdがLowレベル(アーク期間)であるので、溶接法切換信号Sm=1に切り換わりパルスアーク溶接期間Taが開始する。したがって、溶接法切換信号Sm=2に変化した時点から図1の短絡移行アーク溶接期間設定信号Tsrによって設定された期間が経過したときに短絡期間であったときは、アーク期間となるまで遅延させてパルスアーク溶接期間Taに移行させることになる。パルスアーク溶接期間Taに入ると、同図(B)に示すように、駆動信号DvはHighレベルに変化し、電極マイナス極性ENに切り換わる。パルスアーク溶接期間Taは、必ずベース期間から開始される。同図(C)に示すように、送給速度Fwは、図1のパルスアーク溶接送給速度設定信号Farによって設定される正の値へと変化し、溶接ワイヤは一定速度で正送される。
(31)時刻t2~t21のベース期間中は、同図(D)に示すように、溶接電流Iwは負の値のベース電流値となり、同図(E)に示すように、溶接電圧Vwは負の値のベース電圧値となる。
(32)時刻t21~t22のピーク期間中は、同図(D)に示すように、溶接電流Iwは負の値のピーク電流値となり、同図(E)に示すように、溶接電圧Vwは負の値のピーク電圧値となる。
(33)時刻t22~t23の期間は、再びベース期間となり、上記の動作を繰り返す。時刻t23からは再びピーク期間となる。同図では、時刻t2~t3の期間中には2周期分の波形を表示している。この期間において、溶接電圧Vwの平均値が図1の電圧設定信号Vrの値と等しくなるように、上記のピーク電流値をフィードバック制御してアーク長制御するようにしても良い。
(3)時刻t3~t4の短絡移行アーク溶接期間Tsの動作
時刻t3において、溶接法切換信号Smが時刻t2に1に変化した時点から図1のパルスアーク溶接期間設定信号Tarによって設定された期間が経過し、かつ、ベース期間であるので、溶接法切換信号Sm=2に切り換わり短絡移行アーク溶接期間Tsが開始する。したがって、時刻t2に溶接法切換信号Sm=2に変化した時点から図1のパルスアーク溶接期間設定信号Tarによって設定された期間が経過したときにピーク期間であったときは、ベース期間となるまで遅延させて短絡移行アーク溶接期間Tsに移行させることになる。この期間は、必ずアーク期間から開始される。この期間中は、同図(B)に示すように、駆動信号DvはLowレベルとなり、電極プラス極性EPとなる。
(31)時刻t3~t31のアーク期間中は、同図(F)に示すように、短絡判別信号SdはLowレベルになる。これに応動して、同図(C)に示すように、送給速度Fwは、時刻t3において正の値のパルスアーク溶接送給速度から正の値の正送ピーク値まで傾斜を有して加速する。同図(D)に示すように、溶接電流Iwは、負の値のベース電流値から正の値のアーク電流値へと切り換わる。同図(E)に示すように、溶接電圧Vwは、負の値のベース電圧値から正の値の数十Vのアーク電圧値へと切り換わる。
(32)時刻t31~t32の短絡期間中は、同図(F)に示すように、短絡判別信号SdはHighレベルになる。これに応動して、同図(C)に示すように、送給速度Fwは、正送ピーク値から負の値の逆送ピーク値へと傾斜を有して変化し、溶接ワイヤは逆送される。同図(D)に示すように、溶接電流Iwは、次第に増加する。同図(E)に示すように、溶接電圧Vwは数Vの短絡電圧値となる。
(33)時刻t32~t33のアーク期間中は、同図(F)に示すように、短絡判別信号SdはLowレベルになる。これに応動して、同図(C)に示すように、送給速度Fwは、負の値の逆送ピーク値から傾斜を有して正の値の正送ピーク値へと変化し、溶接ワイヤは正送される。同図(D)に示すように、溶接電流Iwは、次第に減少する。同図(E)に示すように、溶接電圧Vwは、数十Vのアーク電圧値となる。時刻t33からは再び短絡期間となる。同図では、時刻t3~t4の期間中には2周期分の波形を表示している。
時刻t4において、時刻t2の動作に戻り、上記の動作を繰り返す。パルスアーク溶接期間Ta及び短絡移行アーク溶接期間Tsは、それぞれ1周期が5~10ms程度である。各期間は、少なくとも1周期を含んでおり、1~50周期程度の範囲である。
上記の各パラメータの数値例を以下に示す。
母材=アルミニウム材、シールドガス=100%アルゴンガス
(1)電極マイナス極性のパルスアーク溶接のパラメータ
送給速度=12m/min(125A)、溶接電圧=14V
ピーク期間=2ms、ベース期間=3ms
ピーク電流=150A、ベース電流=100A
(2)電極プラス極性の短絡移行アーク溶接のパラメータ
送給速度(平均値)=8m/min(100A)
正送ピーク値=20m/min
逆送ピーク値=-15m/min
溶接電圧=11V
以下、本実施の形態の作用効果について説明する。
上述した実施の形態によれば、 母材の材質がアルミニウム材であり、溶接ワイヤを正送給してパルスアーク溶接を行う期間と、溶接ワイヤを正逆送給して短絡移行アーク溶接を行う期間とを交互に切り換えて溶接するアーク溶接方法において、パルスアーク溶接が電極マイナス極性でピーク電流を通電するピーク期間とベース電流を通電するベース期間とを繰り返すパルスアーク溶接であり、短絡移行アーク溶接が電極プラス極性でアーク期間と短絡期間とを繰り返す短絡移行アーク溶接である。溶接継手部に大きなギャップを有する薄板に対して低入熱高溶着溶接を行うためには、溶接ワイヤを正送給して電極マイナス極性でパルスアーク溶接を行うのが最も有効である。しかし、母材の材質がアルミニウム材であるときは、電極マイナス極性のパルスアーク溶接では酸化被膜を除去するクリーニング作用が働かないために、溶接不良となる。これを解決するために、電極プラス極性で短絡移行アーク溶接を行う期間を付加している。電極プラス極性の短絡移行アーク溶接を付加することによって、クリーニング作用が働くので、酸化被膜を除去して良好な溶接を行うことができる。さらには、正逆送給の短絡移行アーク溶接は、正送給の短絡移行アーク溶接よりも低入熱高溶着溶接となる。この結果、本実施の形態では、母材の材質がアルミニウム材であり、溶接継手部に大きなギャップを有する薄板に対して、高品質な溶接を行うことができる。
さらに好ましくは、本実施の形態によれば、全溶接期間に占める短絡移行アーク溶接を行う期間の時間比率が、30%以上70%以下の範囲である。上記の時間比率が30%未満になると、十分なクリーニング作用を働かせることができずに、溶接不良となる。時間比率が70%を超えると、電極マイナス極性のパルスアーク溶接による低入熱高溶着効果が低下するので、適用範囲が狭くなる。
さらに好ましくは、本実施の形態によれば、パルスアーク溶接がベース期間であるときに、短絡移行アーク溶接に切り換える。パルスアーク溶接から短絡移行アーク溶接へと移行するときは電極マイナス極性から電極プラス極性へと極性が切り換えられる。このときに、パルスアーク溶接がベース期間であると、溶接電流が小電流値であるので極性の切り替えが円滑になり、溶接状態が安定化する。
さらに好ましくは、本実施の形態によれば、短絡移行アーク溶接がアーク期間であるときにパルスアーク溶接に切り換える。短絡移行アーク溶接からパルスアーク溶接へと移行するときは電極プラス極性から電極マイナス極性へと極性が切り換えられる。このときに、短絡移行アーク溶接がアーク期間であると、パルスアーク溶接のアーク期間へと極性の切り替えが円滑になり、溶接状態が安定化する。
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
D2a~D2d 2次整流器
DV 駆動回路
Dv 駆動信号
EA 誤差増幅回路
Ea 誤差増幅信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EN 電極マイナス極性
EP 電極プラス極性
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
FAR パルスアーク溶接送給速度設定回路
Far パルスアーク溶接送給速度設定信号
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
FSR 短絡移行アーク溶接送給速度設定回路
Fsr 短絡移行アーク溶接送給速度設定信号
Fw 送給速度
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
INT インバータトランス
INV インバータ回路
Ir 電流設定信号
Iw 溶接電流
Nd 電極マイナス極性駆動信号
NTR 電極マイナス極性トランジスタ
Pd 電極プラス極性駆動信号
PTR 電極プラス極性トランジスタ
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
SM 溶接法切換回路
Sm 溶接法切換信号
SW 切換回路
Ta パルスアーク溶接期間
TAR パルスアーク溶接期間設定回路
Tar パルスアーク溶接期間設定信号
Ts 短絡移行アーク溶接期間
TSR 短絡移行アーク溶接期間設定回路
Tsr 短絡移行アーク溶接期間設定信号
VAV 電圧平均化回路
Vav 電圧平均値信号
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
VR 電圧設定回路
Vr 電圧設定信号
Vw 溶接電圧
WL リアクトル
WM ワイヤ送給モータ

Claims (4)

  1. 母材の材質がアルミニウム材であり、溶接ワイヤを正送給してパルスアーク溶接を行う期間と、前記溶接ワイヤを正逆送給して短絡移行アーク溶接を行う期間とを交互に切り換えて溶接するアーク溶接方法において、
    前記パルスアーク溶接が電極マイナス極性でピーク電流を通電するピーク期間とベース電流を通電するベース期間とを繰り返すパルスアーク溶接であり、
    前記短絡移行アーク溶接が電極プラス極性でアーク期間と短絡期間とを繰り返す短絡移行アーク溶接である、
    ことを特徴とするアーク溶接方法。
  2. 全溶接期間に占める前記短絡移行アーク溶接を行う期間の時間比率が、30%以上70%以下の範囲である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接方法。
  3. 前記パルスアーク溶接が前記ベース期間であるときに、前記短絡移行アーク溶接に切り換える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアーク溶接方法。
  4. 前記短絡移行アーク溶接が前記アーク期間であるときに前記パルスアーク溶接に切り換える、
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアーク溶接方法。
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