JP2023108468A - メタノールの製造方法 - Google Patents

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憲治 中尾
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健太郎 森田
Kentaro Morita
讓 加藤
Yuzuru Kato
崇文 木内
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Abstract

【課題】同組成の触媒を用いても、低温で、より高効率にメタノールを製造できるメタノールの製造方法の提供。【解決手段】銅及び亜鉛を含む酸化物からなる触媒が存在する反応場に、水素及び二酸化炭素を含む原料ガスを導入し、メタノールを製造するメタノールの製造方法であって、前記原料ガスの反応場に、前記原料ガスと共に、前記触媒1gに対して15mL/min以上でメタノールを導入する、メタノールの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は,メタノールの製造方法に関するものである。
メタノールは、汎用性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)の原料である、オレフィン(エチレン、プロピレン等)の出発原料をはじめ、フェノール樹脂原料、合成繊維、塗料、医農薬、燃料添加剤、基礎化学品の原料(酢酸、ホルマリン等)など幅広い化学品の原料として利用される。
そのため、メタノールの製造は、化学工業において非常に重要であり、省エネルギー化、経済性などの観点から高効率化が絶えず求められている。
例えば、特許文献1には、「メタノールと、銅及び亜鉛を含む酸化物からなる触媒と、の存在下、又は、更にガリウム、ジルコニウム、クロム、若しくはAlなどの助触媒を含む触媒の存在下で、水素及び二酸化炭素を含み、かつ二酸化炭素/一酸化炭素のモル比が2倍以上である原料ガスを反応させて、メタノールを製造するメタノールの製造方法、および、それに利用するメタノール製造触媒」が開示されている。
特開2021-31480号公報
ここで、特許文献1で開示されているように、銅及び亜鉛を含む酸化物からなる触媒系を用いるメタノールの製造には、予めメタノールを添加して低温でメタノールを製造する手法が有効である。特許文献1では、実施例において、メタノールを触媒1g当たり、2.8~5.6mL/minの流量で、原料ガス(CO及びH)と共に反応場に供給し、メタノールを比較的効率良く製造している。
上記のメタノールの製造において、用いる触媒の組成を変えれば活性が異なり、メタノール生産量も変えることができるが、工業的には、安定した操業や生産性を上げるために触媒の組成が一定のものを用いることが通常である。そのため、上記のメタノールの製造において、メタノールの生産量を上げるための方法には改良の余地があった。
そのため、同組成の触媒でも、低温で、より高効率にメタノールを製造できる条件の選定が要望されている。
そこで、本発明の課題は、同組成の触媒を用いても、低温で、より高効率にメタノールを製造できるメタノールの製造方法を提供することである。
発明者が鋭意検討した結果、Cu/Znが一定な触媒において、原料ガスと共に反応場に導入するメタノールの導入量を増やすことで、メタノールの生産性を従来よりも大幅に上げられることが分かり、発明を為すに至った。
課題を解決するための手段は、次の態様を含む。
(1) 銅及び亜鉛を含む酸化物からなる触媒が存在する反応場に、水素及び二酸化炭素を含む原料ガスを導入し、メタノールを製造するメタノールの製造方法であって、
前記原料ガスの反応場に、前記原料ガスと共に、前記触媒1gに対して15mL/min以上で、メタノールを導入する、メタノールの製造方法
(2) 前記原料ガスの反応場に、前記触媒1gに対して導入するメタノールの導入量が、15~28mL/minである(1)に記載のメタノールの製造方法。
(3) 前記原料ガスの反応場に、前記触媒1gに対して導入するメタノールの導入量が、20~24mL/minである(2)に記載のメタノールの製造方法。
(4) 前記触媒が、助触媒として、ガリウム、ジルコニウム、クロム、及びアルミニウムよりなる群から選択される少なくとも1種を含む(1)~(3)のいずれかに記載のメタノールの製造方法。
(5) 前記触媒が、助触媒として、ガリウムを含む(1)~(4)のいずれかに記載のメタノールの製造方法。
(6) 前記原料ガスには一酸化炭素が含まれており、前記二酸化炭素と前記一酸化炭素とのモル比(二酸化炭素/一酸化炭素)が、2倍以上である(1)~(5)のいずれか1項に記載のメタノールの製造方法。
(7) 前記原料ガスの前記水素と前記二酸化炭素とのモル比(水素/二酸化炭素)が、1/1~10/1である(1)~(6)のいずれか1項に記載のメタノールの製造方法。
本発明によれば、同組成の触媒を用いても、低温で、より高効率にメタノールを製造できるメタノールの製造方法を提供できる。
特に、本発明によれば、反応場に原料ガスと共に導入するメタノールの導入量を特許文献1で規定されている量よりも増やすことで、低温で、より高効率にメタノールを製造できるメタノールの製造方法を提供できる。
メタノール導入量とCO転化率及びメタノール選択率との関係を示す図である。 メタノール導入量毎における、反応時間とCO転化率との関係を示す図である
以下、本発明について説明する。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。
数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
「好ましい態様の組み合わせ」は、より好ましい態様である。
(メタノール製造方法)
本発明のメタノール製造方法は、銅及び亜鉛を含む酸化物からなる触媒が存在する反応場に、水素及び二酸化炭素を含む原料ガスを導入し、メタノールを製造するメタノールの製造方法であって、前記原料ガスの反応場に、前記原料ガスと共に、前記触媒1gに対して15mL/min以上で、メタノールを導入する、メタノールの製造方法。である。
本発明のメタノール製造方法では、水素分子を解離する機能の高い、銅及び亜鉛を含む酸化物からなる触媒上で、水素と二酸化炭素(CO)から、ギ酸塩(銅塩又は亜鉛塩)を形成後、反応場内に溶媒として存在するメタノールとの間で、ギ酸塩(銅塩又は亜鉛塩)をギ酸化メチルに変換し、最終的に、ギ酸化メチルをメタノールへと変換する(下記スキーム参照)。
3H+CO ⇔ 5H+HCOOCu(Zn)+CHOH → 4H+HCOOCH+HO → 2CHOH+H
ここで、水素と二酸化炭素(CO)から、ギ酸塩を形成する触媒は、銅及び亜鉛を含む酸化物である。この触媒において、銅の酸化物はメタノール合成の主活性サイトとして機能する。亜鉛の酸化物は銅の酸化物と物質的相乗効果を示し、構造改質、水素貯蔵、又は結合活性の直接的な増進剤として機能することができる。つまり、亜鉛の酸化物は二酸化炭素(CO)の水素化からメタノールの合成に対してより高い選択率を与える。
また、水素と二酸化炭素(CO)の反応の間、ギ酸は絶えず形成される。そのため、エステル化反応によってギ酸を転換するために、絶えず反応場にメタノールを導入する。
その結果、本来、水素と二酸化炭素(CO)との反応は、一定以上の反応温度(250℃以上)で進行するが、メタノールの存在下では、比較的低温(250℃未満)でも進行することが可能となる。加えて、反応場に導入するメタノール導入量を増加させることで、ギ酸を転換効率が上がり、高効率なメタノール生成が実現される。
以上より、本発明のメタノールの製造方法では、水素と二酸化炭素(CO)とを原料ガスとした場合に、同組成の触媒を用いても、低温で、より高効率にメタノールを製造できる。
また、本発明のメタノールの製造方法において、触媒は、銅及び亜鉛を含むと共に、助触媒として、ガリウム、ジルコニウム、クロム、及びアルミニウムよりなる群から選択される少なくとも1種を含む酸化物を適用してもよい。これら助触媒は、原料ガスの水素分子を効率的に原子状へ解離、および、周辺へ拡散しやすくして、反応を促進すると推定される。
特に、触媒として、銅及び亜鉛を含むと共に、助触媒としてガリウムを含む酸化物を適用すると、Ti,Zr,Cr,Mn,Al等の助触媒に比べ、ガリウムにより、さらに、原料ガスの水素分子を効率的に原子状へ解離しやすくする。そのため、さらに、水素と二酸化炭素(CO)との反応を大きく促進すると推測される。
また、触媒において、銅、亜鉛、助触媒(ガリウム等)は、一定の大きさのドメイン(領域)を有することが反応面で有利である。そのため、触媒は、担持法よりも沈殿法で製造された触媒が好ましい。
以下、本発明のメタノールの製造方法の詳細について説明する。
-反応-
本発明のメタノールの製造方法は、原料ガスである水素ガスおよび二酸化炭素ガスと共にメタノールを供給するが、一緒に供給するメタノールが気相であってもよいし、液相であってもよい。
つまり、本発明のメタノールの製造方法は、原料ガスと共に導入するメタノールが、ガスの状態であってもいいし、メタノール液の状態であってもよい。
同体積中で液相中と気相中に存在できるメタノールの分子数は、気相中の方が少ないため、気相として供給した反応系で反応が進行するならば、液相として供給した反応系でも反応は十分に進行する。液相として供給する場合は、メタノールを液滴となるように反応場の上流で噴霧し、反応場で気化するようにしてもよい。
具体的には、メタノールは、低温で高効率なメタノール生成の観点から、原料ガスの反応場(具体的には、反応容器)に、触媒1gに対して、15mL/min以上(好ましくは15~28mL/min、より好ましくは20~24mL/min)で導入することを必須とする。
そして、メタノールは、原料ガスと共に、反応場(具体的には、反応容器)に導入し続ける。二酸化炭素の水素化の間、ギ酸(HCOOH)は絶えず形成される。そのため、エステル化反応によってギ酸(HCOOH)を転換するために、絶えずメタノールを導入する。
本発明の炭化水素の製造方法では、例えば、反応場に触媒を配置した後(具体的には、反応容器に触媒を充填した後)、メタノールと共に、原料ガスを反応場(具体的は反応容器)流通する。それにより、メタノールの存在下で、原料ガスを触媒に接触させる。触媒は、原料ガスを触媒に接触させる前(つまり、メタノールの合成前)に、不活性ガス(窒素等)雰囲気下で加熱し、水素ガスを接触させて、還元処理を実施することが好ましい。
なお、反応容器の形式としては、固定床、噴流床、流動床のいずれも好適に用いることができる。
原料ガスは、高効率なメタノール生成の観点から、反応場(具体的には、反応容器)に、触媒1gに対して、10~1000mL/min(好ましくは50~600mL/m)で導入することが好ましい。特に、原料ガスは、反応場中のメタノールガスの圧力が一定となるように導入することが好ましい。
メタノール導入量と原料ガス導入量との導入量比(メタノール導入量/原料ガス導入量)について、高効率なメタノール生成の観点から、0.025~2.8が好ましく、0.025~0.56とすることがより好ましい。
ここで、反応場における、メタノールと水素及び二酸化炭素とのモル比(メタノール/(水素及び二酸化炭素))は、低温で高効率なメタノール生成の観点から、1/14~1/2が好ましく、1/7~1/4がより好ましい。
-原料ガス-
本発明のメタノールの製造方法において、原料ガスは、水素及び二酸化炭素を含むガスとする。つまり、原料ガスは、一酸化炭素を含まない、含んでも少ないことが好ましい。本発明のメタノールの製造方法は、主として、水素と二酸化炭素との反応によりメタノールを合成するためである。
そのため、ここで、二酸化炭素と一酸化炭素とのモル比(二酸化炭素/一酸化炭素)は、2倍以上が好ましく、5倍以上がより好ましい。
なお、原料ガスが一酸化炭素を少量含む場合には、二酸化炭素と一酸化炭素とのモル比(二酸化炭素/一酸化炭素)が2倍以上であることが好ましい。
原料ガスにおける、水素と二酸化炭素とのモル比(水素/二酸化炭素)は、高効率なメタノール生成の観点から、1/1~10/1が好ましく、2/1~5/1がより好ましい。
原料ガスは、高効率なメタノール生成の観点から、反応場(具体的には、反応容器)に、触媒1gに対して、気体状態換算で、10~200mL/min(好ましくは50~100mL/min)で導入することが好ましい。
-触媒-
本発明のメタノールの製造方法では、触媒として、銅及び亜鉛を含む酸化物からなる触媒を適用する。
触媒において、銅と亜鉛とのモル比(銅/亜鉛)は、高効率なメタノール生成の観点から、1/2~2/1が好ましく、4/6~6/4がより好ましい。
銅と亜鉛とのモル比(銅/亜鉛)が1/2未満又は2/1超えでは、触媒活性が十分でなく、高効率でメタノールが生成し難くなることがある。
触媒は、高効率なメタノール生成の観点から、助触媒を含んでもよい。
助触媒としては、ガリウム、ジルコニウム、クロム、及びアルミニウムよりなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
銅と助触媒とのモル比(銅/助触媒)は、高効率なメタノール生成の観点から、1/1~1/0.1が好ましく、1/0.8~1/0.4がより好ましい。
これら触媒の中でも、特に、銅及び亜鉛と、助触媒としてガリウムと、を含む触媒が好ましい。助触媒としてガリウムを含む触媒を適用すると、さらに、低温で高効率なメタノールを生成することができる。ガリウムは、Ti,Zr,Cr,Mn,Al等の助触媒に比べ、原料ガスの水素分子を原子状へ解離する機能が高く、水素と二酸化炭素(CO)との反応を大きく促進すると考えられる推測されるためである。
ここで、銅とガリウムとのモル比(銅/ガリウム)は、高効率なメタノール生成の観点から、1/1~1/0.1が好ましく、1/0.5~1/0.2がより好ましい。
これらの元素を含む触媒は、酸化物である。その理由は、金属であると耐熱性が落ちるとともに、触媒の反応面である比表面積が低下するためである。
なお、粉末X線回折法で定性を行い、触媒の全量が酸化物であるかを確認する。
さらに、触媒における、Cu、Zn、Ga、Zr、Cr、Alなどの含有量は、誘導結合プラズマ発光分析(ICP分析)や、傾向X線(XRF)により定量する。
触媒は、触媒製造工程等で混入する不純物を含んでもよい。ただし、触媒活性向上の面からは不純物量が少ないほど好ましく、できるだけ不純物が混入しないようにすることが好ましい。
触媒は、粉体であってもよいし、任意の形状の成形体であってもよい。
ただし、触媒の大きさは、平均粒径で10μm~1mmが好ましい。本発明の触媒の大きさは、例えば、粉砕、篩い分け等により調整する。
触媒の大きさが平均粒径で10μm未満である場合、触媒と生成物との固液分離操作の効率が大きく低下することがある。
本発明の触媒の大きさが平均粒径で1mmを超える場合、触媒の表面積が小さくなり触媒活性が十分発揮できないことがある。
本発明の触媒の平均粒径は、レーザー式回折法(湿式)により、粒度分布を得て、体積基準で、粒径の小さい方から累積した累積50%径(体積平均粒径)である。
触媒の比表面積は、例えば、1~400m/gである。
ここで、一般的に、良好な触媒活性を発現させるためには、触媒の比表面積は大きいほど有利である。
一方で、触媒の比表面積が400m/gより大きくなると、触媒強度の低下を招くことがある好ましくない。また、触媒の比表面積が1m/gより小さくなると、活性金属の反応への寄与効率が低下するため、十分な触媒活性が得られないことがある。
触媒の比表面積は、窒素ガスの吸脱着によるBET法で求めた測定値である。
-触媒の製造方法-
触媒は、担持法または沈殿法を利用して製造できる。
一方で、沈殿法により得られた触媒は、担持法で得られた触媒に比べ、銅、亜鉛、助触媒(ガリウム等)が一定の大きさのドメイン(領域)を有するため、触媒能が高まり、水素と二酸化炭素(CO)との反応を大きく促進できる。
そのため、触媒は、沈殿法により得られた触媒であることが好ましい。
沈殿法を利用した触媒は、例えば、銅塩、亜鉛塩および沈殿剤を溶解させた水溶液のpHをアルカリにすることで、共沈により、前記銅及び前記亜鉛を含む沈殿物を生成した後、沈殿物を乾燥及び焼成して製造する。
助触媒を含む触媒を製造する場合、銅塩、亜鉛塩と共に、助触媒の金属塩を溶解させた水溶液を適用する。
銅塩、亜鉛塩および沈殿剤を溶解させた水溶液と沈殿剤水溶液とを混合して調製してもよいし、銅塩、亜鉛塩および沈殿剤を水に添加して調製してもよい。
銅塩、亜鉛塩、助触媒の金属塩としては、該当金属元素の、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、塩化物等が挙げられる。各塩は、水に溶解すればよく、特に限定されることは無いが、溶解度の高い硝酸塩がよい。
沈殿剤としては、アルカリ炭酸塩(炭酸ナトリウム等)、アンモニア水等が挙げられ、炭酸ナトリウムが好ましい。
銅塩、亜鉛塩および沈殿剤を溶解させた水溶液のpHは、例えば、7.5~10.5(好ましくは8~10)とする。水溶液のpHを上記範囲とし、アルカリ性にすると、共沈により、銅及び亜鉛を含む沈殿物(又は、銅、亜鉛および助触媒を含む沈殿物)が生成する。
このときの混合液の温度は、例えば、40~80℃(好ましくは60~70℃)とすることがよい。
得らえた共沈物(つまり、触媒の前駆体)を、熟成のため一定時間放置する。熟成時間は、例えば、5~500時間程度である。
次に、熟成後の共沈物を、ろ過した後、アルカリ炭酸塩等の沈殿剤成分を除去するため、イオン交換水等で洗浄する。
そして、洗浄後の共沈物を乾燥及び焼成する。焼成は、例えば、空気中250~400℃、0.5~5時間で実施する。
以上の工程を経て、触媒が得られる。
なお、焼成により得られた触媒に、必要に応じて整粒後、還元(例えば、水素気流中等の活性化処理を施してもよい。また、空気中で触媒を取り扱う場合、触媒の表面に不動態化処理を施してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
(実施例1)
15.2gの硝酸銅(II)三水和物、18.7gの硝酸亜鉛六水和物、および炭酸ナトリウム溶液を、300rmpおよび65℃で、一定に撹拌した600mLの蒸留水中に同時に加えた。pHは8.5に保ち、共沈により沈殿物を得た。
得られた沈殿物を12時間熟成させ、漉過し、十分な蒸留水で洗浄し、そして120℃で一晩乾燥させ、触媒の前駆体を得た。次いで、触媒の前駆休を空気中で20℃/minの速度で350℃まで加熱し3時間保持し、触媒を得た。
得られた触媒は、Cu、Znを含み、モル比(Cu:Zn)が1:1である酸化物(「Cu-Zn(1:1)」とも表記)である。
上記操作に準じて、Cu:Znのモル比が1:3、3:2、13:7、7:3、3:1(Cu含有量にして、25、60、65、70、75mоl%)の異なる酸化物からなる触媒(各々、Cu-Zn(1:3)、Cu-Zn(3:2)、Cu-Zn(13:7)、Cu-Zn(7:3)、Cu-Zn(3:1)と表記)も得た。
これらの触媒を10mg用い、比表面積測定装置(マイクロトラックベル製、BEL max、吸着ガス N)で反応場である触媒の比表面積を求めた。その結果を表1に示す。
触媒の比表面積について、比表面積が80m/g以上であるCu-Zn(1:1)、Cu-Zn(3:2)、Cu-Zn(13:7)と比較して、Cu-Zn(1:3)、Cu-Zn(7:3)、Cu-Zn(3:1)は、比表面積が小さいことが分かる。触媒の比表面積が大きくなるのは、Cu:Zn比が1:2~2:1であることが好ましいことが分かった。
上記の触媒のうち、Cu-Zn(1:3)、Cu-Zn(1:1)、Cu-Zn(3:2)を0.5g用い、内径8mmのSUS製反応管の中央に位置するよう石英ウールで固定し、触媒層中央位置に熱電対を挿入し、固定床反応管を所定の位置にセットした。
合成反応を始める前に、まず反応器に水素5%/Heの混合ガスを60mL/min流しながら、常圧で290℃、4h還元処理を行った。
その後、室温に下げた後、反応容器に、水素:CO=3:1(モル比)、内部標準としてArを4%含む原料ガスを50mL/minになるよう導入すると共に、メタノールをガスとして10ml/min(触媒1g当たり20ml/min)を導入しながら、反応圧力7MPa、反応温度200℃で、反応時間6hで、合成を行った。なお、それぞれの触媒について、メタノールをガスとして5ml/min(触媒1g当たり10ml/min)を導入した以外は、上記手順と同様にして、比較のための試験を行った。
反応生成物は、水分を除去した後、二つのガスクロマトグラフィ(島津製作所製Gc-2014)に注入して、TCD(Thermal Conductivity Detector)分析とFID(Flame Ionization Detector)分析を行った。そして、次の値を求めた。その結果を表2に示す。
-転化率(Conv.)-
・CO転化率(%)=(1-(COの減少量)/(供給されたCOの供給量))×100
-選択率(Selectivity)-
・CO選択率(%)=(COの体積量)/(供給されたCOの供給量)×100
・MeOH選択率(%)=(MeOHの体積量-供給されたMeOHの供給量)/(供給されたCOの供給量)×100
-空時収率(Space Time Yield (g/Kg-cat・h))-
・MeOH空時収率(g/Kg-cat・h)=メタノールの生成モル数(mol/kg-cat・h)×32g/CHOH-mol
上記結果から、本条件(反応温度が200℃という低温の条件)において、いずれの触媒でも、触媒1gあたりのメタノール導入量を10mL/minとした場合と比較して、20mL/minに増やすと、反応活性が上がることが分かった。
(実施例2)
18.0gの硝酸銅(II)三水和物、12.2gの硝酸亜鉛六水和物、3.5gの硝酸ガリウム(III)九水和物、および炭酸ナトリウム溶液を、300rmpおよび65℃で、一定に撹拌した600mLの蒸留水中に同時に加えた。pHは8.5に保ち、共沈により沈殿物を得た。
得られた沈殿物を12時間熟成させ、漉過し、十分な蒸留水で洗浄し、そして120℃で一晩乾燥させ、触媒の前駆体を得た。次いで、触媒の前駆休を空気中で20℃/minの速度で350℃まで加熱し3時間保持し、触媒を得た。
得られた触媒は、Cu、Zn、Gaを含み、モル比(Cu:Zn:Ga)が9:5:1である酸化物(「Cu-Zn-Ga」と表記)である。
類似の方法で、次の触媒も得た。
・Cu、Zn、Zrを含み、モル比(Cu:Zn:Zr)が9:5:1である酸化物からなる触媒(「Cu-Zn-Zr」と表記)
・Cu、Zn、Alを含み、モル比(Cu:Zn:Al)が9:5:1である酸化物からなる触媒(「Cu-Zn-Al」と表記)
・Cu、Zn、Crを含み、モル比(Cu:Zn:Cr)が9:5:1である酸化物からなる触媒(「Cu-Zn-Cr」と表記)
この触媒を用いた以外は、実施例1と同様にして、触媒1gあたりのメタノール導入量を10mL/min、20mL/minとしてメタノールを合成し、分析した。その結果を表3に示す。
上記結果から、本条件(反応温度が200℃という低温の条件)において、助触媒を添加したCu-Zn系の触媒でも、触媒1gあたりのメタノール導入量を10mL/minとした場合と比較して、20mL/minに増やすと、反応活性が上がることが分かった。
(実施例3)
実施例1で作製したCu-Zn(1:3)の触媒を用いて、触媒1g当たりのメタノール導入量を0、4、6、8、10、12、15、16、20、24、28ml/minを導入した以外は、実施例1と同様にして、反応を行い、得られた反応物を分析した。
その結果を表4及び図1に示す。

表4および図1を見ると、本条件(反応温度が200℃という低温の条件)において、メタノール導入量が、10~12mL/min位に増えていくと、CO2転化率、メタノール選択率、空自収率ともに、飽和する傾向が見られたが、更にメタノール導入量を増やして、15mL/min以上と多くすることで、CO2転化率、メタノール選択率ともに、より向上し、空自収率も上がることが分かった。
また、触媒1g当たりのメタノール導入量を20、24、28mL/minとした時の反応の経時変化を図2に示す。反応時間が10時間程度であれば、メタノール導入量が高い程CO2転化率が高いことが分かるが、メタノール導入量が高い順に反応経過と共にCO2転化率低下することが分かる。大量生産を行うためには、少なくとも半日~15時間程度の連続した安定生産が好ましく、そのためには、触媒1g当たりのメタノール導入量は15~28mL/minの範囲が好ましく、20~24mL/minの範囲がより好ましいことが分かった。
以上の結果から、本実施例では、水素と二酸化炭素(CO)とを原料ガスとした場合、メタノール導入量を従来よりも増やすことで、同組成の触媒でも、低温で、かつ高効率にメタノールを製造できることがわかる。

Claims (7)

  1. 銅及び亜鉛を含む酸化物からなる触媒が存在する反応場に、水素及び二酸化炭素を含む原料ガスを導入し、メタノールを製造するメタノールの製造方法であって、
    前記原料ガスの反応場に、前記原料ガスと共に、前記触媒1gに対して15mL/min以上で、メタノールを導入する、メタノールの製造方法。
  2. 前記原料ガスの反応場に、前記触媒1gに対して導入するメタノールの導入量が、15~28mL/minである請求項1に記載のメタノールの製造方法。
  3. 前記原料ガスの反応場に、前記触媒1gに対して導入するメタノールの導入量が、20~24mL/minである請求項2に記載のメタノールの製造方法。
  4. 前記触媒が、助触媒として、ガリウム、ジルコニウム、クロム、及びアルミニウムよりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1~請求項3のいずれかに記載のメタノールの製造方法。
  5. 前記触媒が、助触媒として、ガリウムを含む請求項1~請求項4のいずれかに記載のメタノールの製造方法。
  6. 前記原料ガスには一酸化炭素が含まれており、前記二酸化炭素と前記一酸化炭素とのモル比(二酸化炭素/一酸化炭素)が、2倍以上である請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のメタノールの製造方法。
  7. 前記原料ガスの前記水素と前記二酸化炭素とのモル比(水素/二酸化炭素)が、1/1~10/1である請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のメタノールの製造方法。
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