JP2023108289A - 通信システム - Google Patents

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正幸 山本
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【課題】MIM技術による2経路におけるパケットの伝送振り分け方法を実現するためには、MIM機能を搭載した装置を対で設ける必要があり、かつ回線品質をモニタするプローブ信号を周期的に送信する必要がある。【解決手段】互いに無線通信を行う少なくとも一対の第1の無線通信装置を有する第1の通信回線、互いに無線通信を行う少なくとも一対の第2の無線通信装置を有する第2の通信回線、第1および第2の伝送路を介して第1および第2の通信回線と通信する第1および第2の通信器を備え、第1の通信器は、伝送路品質情報に基づいて、パケットの伝送路振り分け比率を算出し、パケットを第1および第2の伝送路に振り分けて伝送し、第2の通信器は、伝送路品質情報に基づいて、パケットの伝送路振り分け比率を算出し、パケットを第1および第2の伝送路に振り分けて伝送する。【選択図】図1

Description

本開示は通信システムに関し、特に有線通信および無線通信により構成される通信システムに関する。
2経路におけるパケットの伝送の振り分け方法として、LAG(Link Aggregation Group)と称されるリングアグリゲーション技術が一般的に使用されている。通常は送信元と宛先のMAC(Media Access Control)アドレスおよびIP(Internet Protocol) アドレス等を設定することによって、負荷分散および切り替え処理を実現している。例えば、一方の経路において完全に通信断絶した場合は、LACP(Link Aggregation Control Protocol)技術を用いて、障害を検知し、もう一方の経路に切り替えることが可能である。
ここで、LACPとは同じネットワーク機器間を繋ぐ複数の回線を束ねて1つの回線として使えるようにするための通信プロトコルであり、2000年にIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)によってIEEE 802.3adとして標準化された方式である。
しかしながら、LACP技術を用いた方法では、伝送レートが動的に変動するネットワーク上では、効率的なパケット伝送が難しいといった問題点がある。
すなわち、適応変調機能を有する無線通信装置間では、無線回線の品質状況によって変調方式が動的に最適化される。そのため、上記を含んだネットワーク上では、伝送レートが動的に変動する。
そこで、特許文献1では、第3実施形態において、MIM(Mobile Inverse Mux)技術を用いて、各伝送経路の品質情報を事前に把握し、それに基づいたパケットの振り分け方法が開示されている。
特許第5402150号公報
しかしながら、MIM技術による2経路におけるパケットの伝送振り分け方法を実現するためには、MIM機能を搭載した装置を対で設ける必要があり、かつ回線品質をモニタするプローブ信号を周期的に送信する必要がある。
本開示は上記のような問題を解決するためになされたものであり、MIM機能を不要とするシンプルな構成の通信器を使用し、かつ周期的なプローブ信号等が不要で、システム全体の伝送品質を向上することができる通信システムを提供することを目的とする。
本開示に係る通信システムは、第1の通信回線および第2の通信回線、前記第1および第2の通信回線を介して互いに通信を行う第1の通信器および第2の通信器を備え、前記第1の通信回線は、互いに無線通信を行う少なくとも一対の第1の無線通信装置を有し、前記第2の通信回線は、互いに無線通信を行う少なくとも一対の第2の無線通信装置を有し、前記第1の通信器は、第1および第2の伝送路を介して、それぞれ前記第1および第2の通信回線との間でパケットの送受信を行う第1のパケット送受信部と、前記第1のパケット送受信部での前記パケットの伝送路振り分け比率を算出する第1のパケット振分制御部と、を有し、前記第2の通信器は、前記第1および第2の伝送路を介して、それぞれ前記第1および第2の通信回線との間で前記パケットの送受信を行う第2のパケット送受信部と、前記第2のパケット送受信部での前記パケットの前記伝送路振り分け比率を算出する第2のパケット振分制御部と、を有し、前記第1および第2の通信器は、前記第1および第2の伝送路の伝送路品質情報を取得し、前記第1のパケット振分制御部は、前記伝送路品質情報に基づいて、前記パケットの前記伝送路振り分け比率を算出し、前記第1のパケット送受信部に前記パケットの前記伝送路振り分け比率および前記パケットの伝送を指示し、前記第1のパケット送受信部が前記パケットを前記第1および第2の伝送路に振り分けて伝送し、前記第2のパケット振分制御部は、前記伝送路品質情報に基づいて、前記パケットの前記伝送路振り分け比率を算出し、前記第2のパケット送受信部に前記パケットの前記伝送路振り分け比率および前記パケットの伝送を指示し、前記第2のパケット送受信部が前記パケットを前記第1および第2の伝送路に振り分けて伝送する。
本開示に係る通信システムによれば、シンプルな構成の通信器において、各通信回線にある無線通信装置の使用可能スロット数情報を取得することで、伝送レートが動的に変動するネットワーク上でも適切な比率による2経路におけるパケットの伝送路振り分けを効率的に実施することが可能となり、通信システム全体の伝送品質を向上できる。
本開示に係る通信システムおよび通信器の構成を示すブロック図である。 実施の形態1の伝送路振分装置を実現するハードウェア構成を示す図である。 実施の形態1の伝送路振分装置を実現するハードウェア構成を示す図である。 実施の形態1の通信システムの2経路におけるパケットの伝送路振り分けの動作を説明するフローチャートである。 実施の形態1の通信システムのパケットの伝送路振り分け比率の算出方法を説明するフローチャートである。 実施の形態2の通信システムの2経路におけるパケットの伝送路振り分けの動作を説明するフローチャートである。 実施の形態2の通信システムのパケットの伝送路振り分け比率の算出方法を説明するフローチャートである。 実施の形態3の通信システムの2経路におけるパケットの伝送路振り分けの動作を説明するシーケンスを示す図である。 受信パケット到達量情報のフレームフォーマットを示す図である。 実施の形態3の通信システムのパケットの伝送路振り分け比率の算出方法を説明するフローチャートである。
<実施の形態1>
実施の形態1の通信システムでは、各通信回線にある無線通信装置の使用可能スロット数情報を伝送路品質情報として収集してモニタし、それを判断基準として、パケットの伝送路振り分け比率を算出する。
図1は、実施の形態1の通信システム1000の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、通信システム1000は、第1の通信器としての伝送路振分装置10と、第2の通信器としての伝送路振分装置20と、第1の無線通信装置としての無線通信装置30および31を有した第1の通信回線である通信回線100と、第2の無線通信装置としての無線通信装置40および41を有した第2の通信回線である通信回線200とを有している。
通信回線100および200については、簡略化のため伝送路振分装置と無線通信装置との間が有線により接続された構成のみが示されているが、伝送路振分装置と無線通信装置との間には、有線により接続された複数のネットワーク機器が介在する構成を取り得る。
伝送路振分装置10および伝送路振分装置20は、それぞれ通信回線100および通信回線200との間において、双方向通信のパケット伝送を負荷分散および切り替え処理することが可能である。すなわち、通信システム1000は、2経路の通信回線を用いて、パケット伝送の負荷分散および切り替え処理が可能な通信システムである。
伝送路振分装置10は、パケットを用いて、伝送路振分装置20と通信を相互に実施する。図1に示されるように、伝送路振分装置10は、送信パケットの振り分けおよび受信パケット量の監視を行う第1のパケット送受信部としてのパケット送受信部11と、第1の制御部としての制御部12とを有する。
制御部12は、2経路のそれぞれの伝送路品質情報を格納する第1の伝送品質情報記憶部としての伝送品質情報記憶部13と、その情報に基づいてパケットの振り分け比率を算出する第1のパケット振分制御部としてのパケット振分制御部14とを有する。
図1に示されるように、伝送路振分装置20は、送信パケットの振り分けおよび受信パケット量の監視を行う第2のパケット送受信部としての第2のパケット送受信部21と、第2の制御部としての制御部22とを有する。
制御部22は、2経路のそれぞれの伝送路品質情報を格納する第2の伝送品質情報記憶部としての第2の伝送品質情報記憶部23と、その情報に基づいてパケットの振り分け比率を算出する第2のパケット振分制御部としてのパケット振分制御部24とを有する。
なお、伝送路振分装置10および20の各構成要素は、コンピュータを用いて構成することができ、コンピュータがプログラムを実行することで実現される。すなわち、伝送路振分装置10および20は、例えば図2に示す処理回路300により実現される。処理回路300には、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサが適用され、記憶装置に格納されるプログラムを実行することで各部の機能が実現される。
なお、処理回路300には、専用のハードウェアが適用されても良い。処理回路300が専用のハードウェアである場合、処理回路300は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたもの等が該当する。
伝送路振分装置10および20は、構成要素の各々の機能が個別の処理回路で実現されても良いし、それらの機能がまとめて1つの処理回路で実現されても良い。
また、図3には、処理回路300がプロセッサを用いて構成されている場合におけるハードウェア構成を示している。この場合、伝送路振分装置10および20の各部の機能は、ソフトウェア等(ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェア)との組み合わせにより実現される。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリ401に格納される。処理回路300として機能するプロセッサ400は、メモリ401(記憶装置)に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、このプログラムは、伝送路振分装置10および20の構成要素の動作の手順および方法をコンピュータに実行させるものであると言える。
ここで、メモリ401は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)およびそのドライブ装置等、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であっても良い。
以上、伝送路振分装置10および20の各構成要素の機能が、ハードウェアおよびソフトウェア等の何れか一方で実現される構成について説明した。しかしこれに限ったものではなく、伝送路振分装置10および20の一部の構成要素を専用のハードウェアで実現し、別の一部の構成要素をソフトウェア等で実現する構成であっても良い。例えば、一部の構成要素については専用のハードウェアとしての処理回路300でその機能を実現し、他の一部の構成要素についてはプロセッサ400としての処理回路300がメモリ401に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
以上のように、伝送路振分装置10および20は、ハードウェア、ソフトウェア等、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
次に、実施の形態1の通信システム1000の動作について、図1を参照しつつ図4および図5に示すフローチャートを用いて説明する。図4は、実施の形態1の通信システム1000の2経路におけるパケットの伝送路振り分けの動作を説明するフローチャートであり、図5は、パケットの伝送路振り分け比率の算出方法を説明するフローチャートである。
図4に示されるように、通信システム1000において、伝送路振分装置10は、通信回線100にある無線通信装置30と通信回線200にある無線通信装置40から、現時点での使用可能な通信スロット数情報をそれぞれ受信する(ステップS11)。
無線通信装置30および40のそれぞれから受信した使用可能スロット数情報を、伝送路振分装置10内にある伝送品質情報記憶部13に格納する(ステップS12)。
次に、伝送路振分装置10内にあるパケット振分制御部14において、伝送品質情報記憶部13に格納されている無線通信装置30および40のそれぞれから受信した使用可能スロット数情報に基づいて、2経路におけるパケットの伝送路振り分け比率を算出する(ステップS13)。
その後、通信品質制御であるQoS(Quality of Service)制御において、優先度高に設定されたパケットは、パケット振り分け比率の高い経路に伝送する制御を行う(ステップS14)。
その後、パケット送受信部11が、パケット振分制御部14の指示に従い、パケット振り分け後、パケットをそれぞれ伝送する(ステップS15)。
次に、具体的な2経路におけるパケットの伝送路振り分け比率の算出方法について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
パケット振分制御部14が、伝送品質情報記憶部13にアクセスし、現時点での通信回線100にある無線通信装置30と通信回線200にある無線通信装置40の使用可能スロット数情報をそれぞれ取得する(ステップS21)。
ここで、スロット単位で通信を行う無線通信装置、例えば無線通信装置30および31は、互いの間で使用可能なスロット数を認識しており、無線通信装置30および40は、使用可能スロット数情報をそれぞれ保持しているので、これらの情報を無線通信装置30および40が一定周期で伝送路振分装置10に通知し、伝送品質情報記憶部13が該当情報を格納している。
そして、パケット振分制御部14が、上記2つの使用可能スロット数情報から、各通信回線の無線通信装置30および40の使用可能スロット数比率を算出する(ステップS22)。
ステップS22において算出した使用可能スロット数比率を、パケット振り分け比率として設定する(ステップS23)。
例えば、各通信回線の無線通信装置30および40が同一仕様の場合に、通信回線100にある無線通信装置30の使用可能スロット数が20スロット、通信回線200にある無線通信装置40の使用可能スロット数が15スロットの場合は、使用可能スロット数比率は4:3になる。パケット振分制御部14は、この比率をパケット振り分け比率とし、通信回線100にある無線通信装置30には4/7の比率、通信回線200にある無線通信装置40には3/7の比率となるようにパケット送受信部11に振り分け指示を行い、この指示に基づいてパケット送受信部11がパケットの伝送路振り分けおよび伝送を実施する。
図5に示したフローでは、パケット振分制御部14が伝送品質情報記憶部13にアクセスすることをフロー開始のトリガとしており、時間軸において、ある程度の情報を平均化処理できる。
一方、各通信回線にある無線通信装置から伝送路品質情報を直接受信することで、伝送品質情報記憶部13を経由せずにパケットの伝送路振り分け比率を算出することもできる。この方法を採ることで、使用可能スロット数情報の状況変化に迅速に対応できることができる。
また、通信回線の状況によっては、移動平均処理等を実施し、パケットの伝送路振り分け比率を決定することも可能である。
なお、伝送路振分装置20においても図4および図5に示したフローと同様のフローを実施することにより、効率的な2経路におけるパケットの伝送路振り分けが実現できる。
以上説明したように、実施の形態1の通信システム1000の伝送路振分装置10および伝送路振分装置20は、シンプルな構成において、各通信回線にある無線通信装置の使用可能スロット数情報を収集およびモニタすることで、伝送レートが動的に変動するネットワーク上でも適切な比率による2経路におけるパケットの伝送路振り分けを効率的に実施することが可能となり、通信システム全体の伝送品質を向上できる。
また、QoS制御において、優先度高に設定されたパケットは、パケット振り分け比率の高い経路に伝送するので、QoS制御との両立が可能となる。
<実施の形態2>
実施の形態2の通信システムでは、各通信回線にある無線通信装置の使用可能スロット数情報および変調方式情報を伝送路品質情報として収集しモニタして、それを判断基準として、パケットの伝送路振り分け比率を算出する。
なお、システム構成については、図1を用いて説明した実施の形態1の通信システム1000と同じであり、また、システムを構成する各装置の構成についても、通信システム1000と同じである。
次に、実施の形態2の通信システム1000の動作について、図1を参照しつつ図6および図7に示すフローチャートを用いて説明する。図6は、実施の形態2の通信システム1000の2経路におけるパケットの伝送路振り分けの動作を説明するフローチャートであり、図7は、パケットの伝送路振り分け比率の算出方法を説明するフローチャートである。
図6に示されるように、通信システム1000において、伝送路振分装置10は、通信回線100にある無線通信装置30と通信回線200にある無線通信装置40から、現時点での使用可能な通信スロット数情報および変調方式情報をそれぞれ受信する(ステップS31)。
無線通信装置30および40のそれぞれから受信した使用可能スロット数情報および変調方式情報を、伝送路振分装置10内にある伝送品質情報記憶部13に格納する(ステップS32)。
次に、伝送路振分装置10内にあるパケット振分制御部14において、伝送品質情報記憶部13に格納されている無線通信装置30および40のそれぞれから受信した使用可能スロット数情報および変調方式情報に基づいて、2経路におけるパケットの伝送路振り分け比率を算出する(ステップS33)。
その後、通信品質制御であるQoS制御において、優先度高に設定されたパケットは、パケット振り分け比率の高い経路に伝送する制御を行う(ステップS34)。
その後、パケット送受信部11が、パケット振分制御部14の指示に従い、パケット振り分け後、パケットをそれぞれ伝送する(ステップS35)。
次に、具体的な2経路におけるパケットの伝送路振り分け比率の算出方法について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
パケット振分制御部14が、伝送品質情報記憶部13にアクセスし、現時点での通信回線100にある無線通信装置30と通信回線200にある無線通信装置40の使用可能スロット数情報および変調方式情報をそれぞれ取得する(ステップS41)。
そして、パケット振分制御部14が、上記2つの使用可能スロット数情報から、各通信回線の無線通信装置30および40の使用可能スロット数比率を算出し、2つの変調方式情報から伝送レート比率を算出する(ステップS42)。
ステップS42において算出した2つの比率を平滑化し、パケットの伝送路振り分け比率として設定する(ステップS43)。
例えば、使用可能スロット数情報は、実施の形態1での説明と同様に、各通信回線の無線通信装置30および40が同一仕様の場合に、通信回線100にある無線通信装置30の使用可能スロット数が20スロット、通信回線200にある無線通信装置40の使用可能スロット数が15スロットとして、使用可能スロット数比率は4:3とする。
変調方式情報に関しては、通信回線100にある無線通信装置30の変調方式が1ビットシンボル当たり2ビットのQPSK(quadrature phase shift keying)方式で、通信回線200にある無線通信装置40の変調方式が1ビットシンボル当たり1ビットのBPSK(binary phase shift keying)方式の場合は、伝送レート比率は、2:1になる。使用可能スロット数比率と伝送レート比率を平滑化してパケットの伝送路振り分け比率は8:3となる。
この結果、パケット振分制御部14は、この比率をパケット振り分け比率とし、通信回線100にある無線通信装置30には8/11の比率、通信回線200にある無線通信装置40には3/11の比率となるようにパケット送受信部11に振り分け指示を行い、この指示に基づいてパケット送受信部11がパケットの伝送路振り分けおよび伝送を実施する。
図7に示したフローでは、パケット振分制御部14が伝送品質情報記憶部13にアクセスすることをフロー開始のトリガとしており、時間軸において、ある程度の情報を平均化処理できる。
一方、各通信回線にある無線通信装置から伝送路品質情報を直接受信することで、伝送品質情報記憶部13を経由せずにパケットの伝送路振り分け比率を算出することもできる。この方法を採ることで、使用可能スロット数情報の状況変化に迅速に対応できることができる。
また、通信回線の状況によっては、移動平均処理等を実施し、パケットの伝送路振り分け比率を決定することも可能である。
また、上記では変調方式としてQPSK、BPSKを例示したが、1ビットシンボル当たり4ビットの16QAM(quadrature amplitude modulation)方式、1ビットシンボル当たり6ビットの64QAM方式、1ビットシンボル当たり8ビットの256QAM方式も挙げることができる。
なお、伝送路振分装置20においても図6および図7に示したフローと同様のフローを実施することにより、効率的な2経路におけるパケットの伝送路振り分けが実現できる。
以上説明したように、実施の形態2の通信システム1000の伝送路振分装置10および伝送路振分装置20は、シンプルな構成において、各通信回線にある無線通信装置の使用可能スロット数情報および変調方式情報を収集およびモニタすることで、伝送レートが動的に変動するネットワーク上でも適切な比率による2経路におけるパケットの伝送路振り分けを効率的に実施することが可能となり、通信システム全体の伝送品質を向上できる。
また、QoS制御において、優先度高に設定されたパケットは、パケット振り分け比率の高い経路に伝送するので、QoS制御との両立が可能となる。
<実施の形態3>
実施の形態1および実施の形態2の通信システムでは、各通信回線にある無線通信装置の使用可能スロット数情報および変調方式情報などの伝送路品質情報を収集してモニタすることで2経路におけるパケットの伝送路振り分けを実施している。しかし、なんらかの理由、例えば、無線通信装置内の監視部の故障により伝送路品質情報を伝送路振分装置に通知できないなどの理由により取得できない場合には、パケットの伝送路振り分けができない。
実施の形態3の通信システムは、伝送路品質情報が取得できない場合に、伝送路振分装置10と伝送路振分装置20との間で伝送路品質情報に代わる情報を相互に通知することによってカバーする通信システムである。
なお、システム構成については、図1を用いて説明した実施の形態1の通信システム1000と同じであり、また、システムを構成する各装置の構成についても、通信システム1000と同じである。
次に、実施の形態3の通信システム1000の動作について、図1を参照しつつ図8に示すシーケンス図を用いて説明する。
図8は、実施の形態3の通信システム1000による2経路におけるパケットの伝送路振り分けの動作を示すシーケンス図である。
図8は、伝送路振分装置10、無線通信装置30、無線通信装置40、無線通信装置31、無線通信装置41および伝送路振分装置20における情報の授受を示しており、伝送路振分装置10がパケットの伝送路振り分けを行う場合のフローを重ねて示している。
無線通信装置30は伝送路振分装置10へ伝送路品質情報1を通知する(ステップS51)。
無線通信装置40は伝送路振分装置10へ伝送路品質情報2を通知する(ステップS52)。
伝送路振分装置10は、実施の形態1および2で説明したパケットの伝送路振り分けのフロー処理を実施する(ステップS53)。ここまでは、無線通信装置30および40から伝送路品質情報が通知されている場合の通常動作であり、伝送路振分装置10は、パケットの伝送路振り分け比率に基づいて通信回線100および200にパケットの伝送を実施する。
次の伝送路品質情報1の通知のタイミングでは、無線通信装置30は伝送路振分装置10への伝送路品質情報1の通知に失敗する(ステップS54)。
また、次の伝送路品質情報2の通知のタイミングでは、無線通信装置40は伝送路振分装置10への伝送路品質情報2の通知に失敗する(ステップS55)。
所定のタイミングで各無線通信装置から受信するはずの伝送路品質情報が通知されなかった伝送路振分装置10の制御部12は、伝送路振分装置20から、各通信回線からの受信パケット到達量情報の取得を開始する(ステップS56)。
伝送路振分装置10の制御部12は、無線通信装置30および31を経由して受信パケット到達量情報の要求パケット1を伝送路振分装置20に伝送する(ステップS57)。
伝送路振分装置10の制御部12は、は、無線通信装置40および41を経由して受信パケット到達量情報の要求パケット2を伝送路振分装置20に伝送する(ステップS58)。
伝送路振分装置20は、無線通信装置31を経由して得られた無線通信装置30からの受信パケット到達量情報を第1の受信パケット到達量情報として伝送路品質情報に代わる情報として生成後、無線通信装置31および30を経由して伝送路振分装置10に伝送する(ステップS59)。
また、伝送路振分装置20は、無線通信装置41を経由して得られた無線通信装置40からの受信パケット到達量情報を第2の受信パケット到達量情報として伝送路品質情報に代わる情報として生成後、無線通信装置41および40を経由して伝送路振分装置10に伝送する(ステップS60)。
ここで、受信パケット到達量情報は、図9に示されるフレームフォーマット500で生成される。図9に示されるフレームフォーマット500は、時刻情報を格納するフィールド501、受信パケット到達量である受信データ量1を格納するフィールド502、受信パケット到達量である受信データ量2を格納するフィールド503で構成されている。
伝送路振分装置10は、受信パケット到達量情報を受信した順に、伝送路振分装置10内にある伝送品質情報記憶部13に格納する(ステップS61)。
次に、伝送路振分装置10内にあるパケット振分制御部14が、伝送品質情報記憶部13に格納されている受信パケット到達量情報に基づいて2経路におけるパケットの伝送路振り分け比率を算出する(ステップS62)。
その後、通信品質制御であるQoS制御において、優先度高に設定されたパケットは、パケット振り分け比率の高い経路に伝送する制御を行う(ステップS63)。
その後、パケット送受信部11が、パケット振分制御部14の指示に従い、無線通信装置30を経由する経路でパケット伝送1を実行する(ステップS64)。
その後、パケット送受信部11が、パケット振分制御部14の指示に従い、無線通信装置40を経由する経路でパケット伝送2を実行する(ステップS65)。
次に、具体的な2経路におけるパケットの伝送路振り分け比率の算出方法について、図10に示すフローチャートを用いて説明する。
パケット振分制御部14が、伝送品質情報記憶部13にアクセスし、各通信回線からの受信パケット到達量情報をそれぞれ取得する(ステップS71)。
各通信回線の受信パケット到達量情報から各通信回線の単位時間あたりの受信データ量比率を算出する(ステップS72)。
ステップS72で算出した単位時間あたりの受信データ量比率を、パケットの振り分け比率として設定する(ステップS73)。
例えば、図9に示されるフレームフォーマット500を例に採れば、時刻情報のフィールド501には受信パケット到達量情報送信時の時刻情報が格納されており、受信データ量1および2として、単位時間あたりの受信データ量1および2がそれぞれ格納されている。
ここで、通信回線100からの単位時間あたりの受信データ量1が128Byteで、通信回線200からの単位時間あたりの受信データ量2が256Byteである場合、パケットの伝送路振り分け比率は1:2となる。
この結果、パケット振分制御部14は、この比率をパケット振り分け比率とし、通信回線100にある無線通信装置30には1/3の比率、通信回線200にある無線通信装置40には2/3の比率となるようにパケット送受信部11に振り分け指示を行い、この指示に基づいてパケット送受信部11がパケットの伝送路振り分けおよび伝送を実施する。
なお、伝送路振分装置20においても図8に示したフローと同様のフローを実施することにより、効率的な2経路におけるパケットの伝送路振り分けが実現できる。
以上説明したように、実施の形態3の通信システム1000の伝送路振分装置10および伝送路振分装置20は、伝送路品質情報が取得できない場合に、伝送路振分装置10と伝送路振分装置20との間で伝送路品質情報に代わる情報を相互に通知するので、伝送路品質情報が取得できない場合でも、パケットの伝送路振り分けができる。
また、QoS制御において、優先度高に設定されたパケットは、パケット振り分け比率の高い経路に伝送するので、QoS制御との両立が可能となる。
<変形例>
以上説明した実施の形態1~3の通信システム1000においては、図1に示したように、通信回線100が無線通信装置30および31を有し、通信回線200が無線通信装置40および41を有し、2経路におけるパケットの伝送路振り分けを効率的に行う構成を示したが、2経路に限定されるものではなく、通信回線100、通信回線200、通信回線300といった、3つ以上の経路におけるパケットの伝送路振り分けを効率的に行う構成とすることもできる。
なお、本開示は、その開示の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
10,20 伝送路振分装置、11,21 パケット送受信部、13,23 伝送品質情報記憶部、14,24 パケット振分制御部、30,31,40,41 無線通信装置、100,200 通信回線。

Claims (7)

  1. 第1の通信回線および第2の通信回線、
    前記第1および第2の通信回線を介して互いに通信を行う第1の通信器および第2の通信器を備えた通信システムであって、
    前記第1の通信回線は、互いに無線通信を行う少なくとも一対の第1の無線通信装置を有し、
    前記第2の通信回線は、互いに無線通信を行う少なくとも一対の第2の無線通信装置を有し、
    前記第1の通信器は、
    第1および第2の伝送路を介して、それぞれ前記第1および第2の通信回線との間でパケットの送受信を行う第1のパケット送受信部と、
    前記第1のパケット送受信部での前記パケットの伝送路振り分け比率を算出する第1のパケット振分制御部と、
    を有し、
    前記第2の通信器は、
    前記第1および第2の伝送路を介して、それぞれ前記第1および第2の通信回線との間で前記パケットの送受信を行う第2のパケット送受信部と、
    前記第2のパケット送受信部での前記パケットの前記伝送路振り分け比率を算出する第2のパケット振分制御部と、を有し、
    前記第1および第2の通信器は、
    前記第1および第2の伝送路の伝送路品質情報を取得し、
    前記第1のパケット振分制御部は、
    前記伝送路品質情報に基づいて、前記パケットの前記伝送路振り分け比率を算出し、前記第1のパケット送受信部に前記パケットの前記伝送路振り分け比率および前記パケットの伝送を指示し、前記第1のパケット送受信部が前記パケットを前記第1および第2の伝送路に振り分けて伝送し、
    前記第2のパケット振分制御部は、
    前記伝送路品質情報に基づいて、前記パケットの前記伝送路振り分け比率を算出し、前記第2のパケット送受信部に前記パケットの前記伝送路振り分け比率および前記パケットの伝送を指示し、前記第2のパケット送受信部が前記パケットを前記第1および第2の伝送路に振り分けて伝送する、通信システム。
  2. 前記伝送路品質情報は、
    前記少なくとも一対の第1の無線通信装置および前記少なくとも一対の第2の無線通信装置の使用可能スロット数情報を含む、請求項1記載の通信システム。
  3. 前記伝送路品質情報は、
    前記少なくとも一対の第1の無線通信装置および前記少なくとも一対の第2の無線通信装置の使用可能スロット数情報および変調方式情報を含む、請求項1記載の通信システム。
  4. 前記第1の通信器は、
    前記第1および第2の伝送路の前記伝送路品質情報が取得できなかった場合に、前記第2の通信器に前記第1および第2の通信回線のそれぞれから到達したパケット到達量を示す第1の受信パケット到達量情報および第2の受信パケット到達量情報を前記第2の通信器から取得し、
    取得した前記第1および第2の受信パケット到達量情報に基づいて、前記パケットの前記伝送路振り分け比率を算出し、
    前記第2の通信器は、
    前記第1および第2の伝送路の前記伝送路品質情報が取得できなかった場合に、前記第1の通信器に前記第1および第2の通信回線のそれぞれから到達したパケット到達量を示す第1の受信パケット到達量情報および第2の受信パケット到達量情報を前記第1の通信器から取得し、
    取得した前記第1および第2の受信パケット到達量情報に基づいて、前記パケットの前記伝送路振り分け比率を算出する、請求項1記載の通信システム。
  5. 前記第1および第2のパケット振分制御部は、
    通信品質制御において、優先度高に設定されたパケットは、前記第1および第2の伝送路のうち算出した前記パケットの前記伝送路振り分け比率の高い方に伝送する、請求項1記載の通信システム。
  6. 前記第1の通信器は、
    前記第1および第2の伝送路の前記伝送路品質情報を格納する第1の伝送品質情報記憶部を有し、
    前記第1のパケット振分制御部は、前記第1の伝送品質情報記憶部にアクセスして前記伝送路品質情報を取得し、
    前記第2の通信器は、
    前記第1および第2の伝送路の前記伝送路品質情報を格納する第2の伝送品質情報記憶部を有し、
    前記第1のパケット振分制御部は、前記第2の伝送品質情報記憶部にアクセスして前記伝送路品質情報を取得する、請求項1記載の通信システム。
  7. 第3の通信回線をさらに備え、
    前記第1の通信器は、
    3つ以上の通信回線を介して、通信を行い、
    前記第2の通信器は、
    前記3つ以上の通信回線を介して通信を行う、請求項1記載の通信システム。
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